特許第6390935号(P6390935)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6390935ゲームシステム及びそれに用いるコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6390935
(24)【登録日】2018年8月31日
(45)【発行日】2018年9月19日
(54)【発明の名称】ゲームシステム及びそれに用いるコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/20 20140101AFI20180910BHJP
   A63F 13/95 20140101ALI20180910BHJP
   A63F 13/58 20140101ALI20180910BHJP
   A63F 13/812 20140101ALI20180910BHJP
【FI】
   A63F13/20 A
   A63F13/95 A
   A63F13/58
   A63F13/812 A
【請求項の数】9
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2017-179361(P2017-179361)
(22)【出願日】2017年9月19日
【審査請求日】2017年11月22日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000169477
【氏名又は名称】株式会社コナミアミューズメント
(74)【代理人】
【識別番号】100099645
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 晃司
(74)【代理人】
【識別番号】100116171
【弁理士】
【氏名又は名称】川澄 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100121533
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 まどか
(74)【代理人】
【識別番号】100161090
【弁理士】
【氏名又は名称】小田原 敬一
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 寛昭
(72)【発明者】
【氏名】柴田 雄樹
(72)【発明者】
【氏名】千葉 大輔
(72)【発明者】
【氏名】藤原 豊
(72)【発明者】
【氏名】福田 好人
(72)【発明者】
【氏名】酒井 豊和
【審査官】 前地 純一郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−168538(JP,A)
【文献】 特開2009−082507(JP,A)
【文献】 特開2009−297303(JP,A)
【文献】 特開2016−129685(JP,A)
【文献】 特開2014−176724(JP,A)
【文献】 特開2009−148497(JP,A)
【文献】 国際公開第2016/050757(WO,A1)
【文献】 特開2017−012613(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F13/00−13/98
A63F 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
各キャラクタを定義するパラメータを特定するための特定情報を記録する記録媒体が配置エリアに配置される場合に、前記配置エリアの前記記録媒体から前記特定情報と配置態様とを取得することにより前記配置態様を利用しつつ前記特定情報によって特定される前記パラメータの各キャラクタを再現するゲームを提供するゲームシステムであって、
前記記録媒体から前記特定情報を取得するための情報取得エリアと、前記特定情報の取得を省略する非情報取得エリアとが前記配置エリアに形成されるように、前記情報取得エリアの前記記録媒体を介して前記特定情報を取得する情報取得手段と、
前記ゲームの少なくとも一部のキャラクタに変化を生じさせる指示を前記配置態様に応じて実行するための指示エリアが前記配置エリアに形成されるように当該指示エリアにおいて前記配置態様に応じて前記指示を特定する指示特定手段と、
を備え、
前記情報取得手段は、前記ゲームでの使用の可否を判別するための可否情報を前記記録媒体が記録している場合に、当該可否情報に基づいて前記記録媒体の使用の可否が判別されるように前記情報取得エリア及び前記非情報取得エリアの両方において前記可否情報を取得し、
前記配置エリアには、前記情報取得エリアと、前記非情報取得エリアとして機能することにより前記可否情報に基づいて使用の可否は判別されるものの前記特定情報を取得せずに前記記録媒体の前記配置態様に応じて前記指示が特定される前記指示エリアと、が設けられる、ゲームシステム。
【請求項2】
前記指示エリアは、前記情報取得エリアと別に設けられる、請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項3】
前記配置エリアに前記指示の情報を提示するための情報提示エリアが形成されるように、前記指示の情報を前記情報提示エリアに提示する情報提示手段を更に備えている、請求項1又は2に記載のゲームシステム。
【請求項4】
前記情報取得エリアは、当該情報取得エリアが前記指示エリアと別に設けられる場合に、前記情報提示エリアとして機能する、請求項3に記載のゲームシステム。
【請求項5】
前記指示特定手段は、前記指示として前記パラメータの内容を変化させる指示を特定する、請求項1〜4のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【請求項6】
前記指示エリアにおいて前記記録媒体の配置態様を判別する一方で、前記情報取得エリアでは前記配置態様を取得せずに前記特定情報が取得されるように前記情報取得エリアにおいて前記記録媒体の前記配置態様の判別を省略する配置取得手段を更に備え、
前記指示特定手段は、前記配置取得手段の判別結果に基づいて前記指示を特定する、請求項1〜5のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【請求項7】
各記録媒体を識別するために記録媒体毎にユニークな媒体識別情報と各記録媒体の前記パラメータの情報とが関連付けられるように記述されたパラメータデータを記憶するデータ記憶手段を備え、
前記記録媒体は、前記パラメータデータを介して前記パラメータが特定されるように、前記特定情報として前記媒体識別情報を記録する、請求項1〜6のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【請求項8】
前記配置エリアには、複数のキャラクタにそれぞれ対応する複数の記録媒体を介して前記複数のキャラクタが前記ゲームに再現される場合に、前記情報取得エリア及び前記指示エリアとして、前記複数の記録媒体にそれぞれ対応する複数の情報取得エリア及び複数の指示エリアが設けられ、
前記複数の指示エリアは、各情報取得エリアを介して再現されたキャラクタに対する前記指示が各指示エリアによって特定されるように、前記複数の情報取得エリアにそれぞれ対応している、請求項1〜7のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【請求項9】
前記ゲームを提供するための出力装置と、前記記録媒体の情報を取得するための入力装置と、を備えるコンピュータを、請求項1〜8のいずれか一項に記載のゲームシステムの各手段として機能させるように構成されたコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各キャラクタを定義するパラメータを特定するための特定情報を記録する記録媒体が配置エリアに配置される場合に、その配置エリアの記録媒体から特定情報と配置態様とを取得することにより配置態様を利用しつつ特定情報によって特定されるパラメータの各キャラクタを再現するゲームを提供するゲームシステム等に関する。
【背景技術】
【0002】
各キャラクタを定義するパラメータを特定するための特定情報を記録する記録媒体が配置エリアに配置される場合に、その配置エリアの記録媒体から特定情報と配置態様とを取得することにより配置態様を利用しつつ特定情報によって特定されるパラメータの各キャラクタを再現するゲームを提供するゲームシステムが存在する。また、このような記録媒体、特定情報、及び配置態様として、キャラクタ毎にユニークなキャラクタIDを記録する選手カード、そのキャラクタID、及び選手カードからそのキャラクタIDの情報を読み取るための出場選手カード配置領域における配置位置を、それぞれ利用するカードゲーム装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5382247号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のカードゲーム装置では、出場選手カード配置領域において選手カードのキャラクタIDが読み取られ、そのキャラクタIDに基づいて選手カードのキャラクタに対応する選手がゲームに登場する。また、その選手カードの配置位置は、その選手カードに対応する選手のポジション(例えばフォワードやディフェンス等)の決定に使用される。つまり、選手カードのキャラクタIDの読み取りとその選手カードの配置位置に基づくポジションの決定とが同じ領域において必ずセットで実行される。一方で、キャラクタIDのようなコードに記録された情報の読み取りよりも、記録媒体の配置位置等の配置態様の迅速なゲームへの反映が要求される場合も想定される。このため、この点を向上させる余地がある。
【0005】
また、選手カードの移動中にはキャラクタIDの検出精度が低下してしまう可能性が高い。このため、特許文献1のカードゲーム装置は、多頻度或いは迅速に選手カードの配置位置をゲームに反映する要求には向かない可能性がある。さらに、配置位置の変更の際には選手カードと配置面との間にこすれ等が生じやすいため、多頻度或いは迅速な配置位置の変更に伴い、このようなこすれ等に起因する劣化を招きやすい。特に、選手カードが印刷物として生成される場合には、そのような傾向が強くなる。このため、希少な選手カードやお気に入りの選手カード等の使用をユーザが躊躇してしまう可能性もある。
【0006】
そこで、本発明は、配置エリアの記録媒体の配置態様に応じた指示を比較的迅速にゲームに反映することができるゲームシステム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のゲームシステムは、各キャラクタを定義するパラメータを特定するための特定情報を記録する記録媒体が配置エリアに配置される場合に、前記配置エリアの前記記録媒体から前記特定情報と配置態様とを取得することにより前記配置態様を利用しつつ前記特定情報によって特定される前記パラメータの各キャラクタを再現するゲームを提供するゲームシステムであって、前記記録媒体から前記特定情報を取得するための情報取得エリアと、前記特定情報の取得を省略する非情報取得エリアとが前記配置エリアに形成されるように、前記情報取得エリアの前記記録媒体を介して前記特定情報を取得する情報取得手段と、前記ゲームの少なくとも一部のキャラクタに変化を生じさせる指示を前記配置態様に応じて実行するための指示エリアが前記配置エリアに形成されるように当該指示エリアにおいて前記配置態様に応じて前記指示を特定する指示特定手段と、を備え、前記配置エリアには、前記情報取得エリアと、前記非情報取得エリアとして機能することにより前記特定情報を取得せずに前記記録媒体の前記配置態様に応じて前記指示が特定される前記指示エリアと、が設けられるものである。
【0008】
一方、本発明のコンピュータプログラムは、前記ゲームを提供するための出力装置と、前記記録媒体の情報を取得するための入力装置と、を備えるコンピュータを、上述のゲームシステムの各手段として機能させるように構成されたものである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一形態に係るゲームシステムの概略構成を示す図。
図2】ゲーム機の構成を示す図。
図3】ゲームシステムの制御系の要部を示す機能ブロック図。
図4】エントリー画面の一例を模式的に示す図。
図5】選手カードに対応する選手がゲームに再現される場合の流れの一例を説明するための説明図。
図6】指示画面の一例を模式的に示す図。
図7】指示画面を利用した指示の一例を説明するための説明図。
図8】変形例に係るエントリー画面の一例を模式的に示す図。
図9】選手カードのコードの一例を説明するための説明図。
図10】コメント追加処理の手順の一例を示すフローチャート。
図11】案内追加処理の手順の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一形態に係るゲームシステムの一例を説明する。まず、図1を参照して、本発明の一形態に係るゲームシステムの全体構成を説明する。ゲームシステム1は、サーバ装置としてのセンターサーバ2と、センターサーバ2に所定のネットワーク5を介して接続可能なクライアント装置としての複数のゲーム機3及び複数のユーザ端末装置4とを含む。センターサーバ2は、複数のコンピュータ装置としてのサーバユニット2A、2B…が組み合わされることにより一台の論理的なサーバ装置として構成されている。ただし、単一のサーバユニットによりセンターサーバ2が構成されてもよい。あるいは、クラウドコンピューティングを利用して論理的にセンターサーバ2が構成されてもよい。
【0011】
ゲーム機3は、ゲーム装置の一例であって、所定のプレイ料金の支払いと引き換えに、そのプレイ料金に対応した範囲でユーザにゲームをプレイさせる商業用(業務用)のゲーム機として構成されている。この種のゲーム機3は、アーケードゲーム機と呼ばれることがある。ゲーム機3は、多数のユーザにゲームを繰り返しプレイさせて収益を上げることを主たる目的として店舗6等の所定の施設に設置されるコンピュータ装置である。ゲーム機3は、各種のカードをプレイに使用するカードゲームを提供するカードゲーム機として構成されている。より具体的には、ゲーム機3は、このようなカードゲームとして、各選手に対応するカードを利用し、各カードに対応する選手をゲーム中に再現しつつ、各選手への指示や育成等を通じて監督としての役割をプレイするシミュレーション形式の野球ゲームを提供する。なお、ゲーム機3は、野球ゲームに限定されず、適宜に各種のゲームを提供してよい。
【0012】
ユーザ端末装置4は、ネットワーク接続が可能でかつユーザの個人用途に供されるコンピュータ装置である。例えば、据置型又はブック型のパーソナルコンピュータ(以下、PCと表記する。)4a、あるいは携帯電話(スマートフォンを含む。)のようなモバイル端末装置4bがユーザ端末装置4として利用される。その他にも、据置型の家庭用ゲーム機、携帯型ゲーム機、携帯型タブレット端末装置といった、ネットワーク接続が可能でかつユーザの個人用途に供される各種のコンピュータ装置がユーザ端末装置4として利用されてよい。ユーザ端末装置4は、各種のコンピュータソフトウエアを実装することにより、センターサーバ2が提供する種々のサービスをユーザに享受させることが可能である。
【0013】
ネットワーク5は、センターサーバ2に対してゲーム機3及びユーザ端末装置4をそれぞれ接続させることができる限り、適宜に構成されてよい。一例として、ネットワーク5は、TCP/IPプロトコルを利用してネットワーク通信を実現するように構成される。典型的には、WANとしてのインターネット5Aと、センターサーバ2及びゲーム機3のそれぞれとインターネット5Aとを接続するLAN5B、5Cとがルータ5Dを介して接続されることにより構築される。ユーザ端末装置4も適宜の構成によりインターネット5Aに接続される。なお、ゲーム機3と店舗6のルータ5Dとの間にローカルサーバが設置され、そのローカルサーバを介してゲーム機3がセンターサーバ2と通信可能に接続されてもよい。センターサーバ2のサーバユニット2A、2B…はLAN5Cに代えて、又は加えてWAN5Aにより、相互に接続される場合もある。
【0014】
センターサーバ2は、ゲーム機3又はそのユーザに対して各種のゲーム機用サービスを提供する。ゲーム機用サービスは、ネットワーク5を介してゲーム機3のプログラム或いはデータを配信し、更新する配信サービスを含んでいる。センターサーバ2は、このような配信サービスを通じて各ゲーム機3に野球ゲームの提供に必要な各種のプログラム或いはデータを適宜に配信等する。
【0015】
なお、ゲーム機用サービスは、その他にもゲーム機3からユーザの識別情報を受け取って、そのユーザを認証するサービスを含んでいてよい。また、認証したユーザのプレイデータをゲーム機3から受け取って保存し、或いは保存するプレイデータをゲーム機3に提供するサービスを含んでいてもよい。さらに、ゲーム機用サービスは、ネットワーク5を介して複数のユーザが共通のゲームをプレイする際にユーザ同士をマッチングするマッチングサービス、或いはユーザから料金を徴収する課金サービス等を含んでいてもよい。同様に、センターサーバ2は、ネットワーク5を介してユーザ端末装置4のユーザに各種のWebサービスを提供してよい。Webサービスは、ゲーム機3が提供するゲームに関する各種の情報を提供するゲーム用情報サービス、各ユーザ端末装置4に各種データ或いはソフトウエアを配信(データ等のアップデートを含む)する配信サービス、ユーザによる情報発信、交換、共有といった交流の場を提供するコミュニティサービス、及び各ユーザを識別するためのユーザIDを付与するサービス等のサービスを含んでよい。
【0016】
次に、図2を参照してゲーム機3の構成を説明する。図2は一台のゲーム機3の一例を示している。図示例のゲーム機3は筐体10を有している。筐体10には、モニタ11と、読み取り装置12と、カード排出機構13と、が設けられている。モニタ11は、野球ゲームを提供するためのゲーム画面を表示する周知の表示装置である。モニタ11は、野球ゲームをプレイ中のユーザの正面に位置するように配置される。読み取り装置12は、モニタ11の下方に配置される。読み取り装置12は、野球ゲームに使用可能なカードの情報を読み取るための装置である。読み取り装置12には、そのようなカードが配置される配置エリアAAが設けられる。配置エリアAAの詳細は後述する。
【0017】
カード排出機構13は、読み取り装置12の左側方(野球ゲームをプレイするためにモニタ11と向き合うようにユーザが位置する場合の左側方)に配置される。カード排出機構13は、野球ゲームで使用可能なカードを生成し、排出するための機構である。なお、ゲーム機3には、例えば、その他にも公知のゲーム機と同様に各種の出力装置或いは入力装置が接続され得る。例えば、そのような入力装置には、コイン認証装置等の所定の対価を徴収するための周知の装置が含まれてもよい。そして、例えば、そのような装置を通じて所定の対価としてのコイン等が徴収されてよい。しかし、それらの説明は省略する。
【0018】
次に、図3を参照してゲームシステム1の制御系の要部を説明する。まず、センターサーバ2には、ゲームサービス管理部21、及び記憶手段としての記憶部23が設けられる。ゲームサービス管理部21は、センターサーバ2のコンピュータハードウエア(CPU及びその動作に必要な内部記憶装置としてのメモリを含む。)とソフトウエアとの組み合わせによって実現される論理的装置である。記憶部23は、ハードディスクアレイ等の不揮発性記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な記憶媒体)を含んだ記憶ユニットによって実現される外部記憶装置である。記憶部23は、一の記憶ユニット上に全てのデータを保持するように構成されてもよいし、複数の記憶ユニットにデータを分散して記憶するように構成されてもよい。記憶部23には、センターサーバ2のコンピュータハードウエア資源をゲームサービス管理部21として機能させるためのソフトウエアとしてのプログラムPG1が記録される。また記憶部23には各種のデータも記録されるが、図3ではパラメータデータ51が示されている。パラメータデータ51は、野球ゲームに登場する各選手を定義するパラメータを管理するためのデータである。より具体的には、パラメータデータ51には、選手に対応する各カードを識別するためにカード毎にユニークな媒体識別情報としてのカードIDの情報とそのカードに対応する選手のパラメータの情報とが関連付けられて記述される。
【0019】
ゲームサービス管理部21は、ゲーム機3に対して上述のゲーム機用サービスを提供する。ゲームサービス管理部21には、論理的装置としてのサービス提供部24がさらに設けられる。サービス提供部24は、上述の配信サービスを実現するための各種処理を実行する。
【0020】
一方、ゲーム機3には、コンピュータとしてのゲーム制御部31と、記憶手段としての記憶部32とが設けられる。ゲーム制御部31は、ゲーム機3のハードウエア(CPU及びその内部記憶装置としてのメモリを含む。)とソフトウエアとしてのプログラムPG2との組み合わせによって実現される論理的装置である。ゲーム制御部31は、ゲームの進行に必要な各種の演算制御を実行するとともに、センターサーバ2のゲームサービス管理部21が提供するゲーム機用サービスを享受するために必要な各種の処理を実行する。ゲーム制御部31には、さらなる論理的装置としてゲーム提供部33が設けられている。ゲーム提供部33は、ゲームの進行に必要な各種の演算制御の一部として、情報取得処理及び指示反映処理を実行する。情報取得処理及び指示反映処理の手順については後述する。
【0021】
記憶部32は、ハードディスク、半導体記憶装置といった不揮発性記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な記憶媒体)を含んだ記憶ユニットによって実現される外部記憶装置である。記憶部32には、上述したプログラムPG2とともに、各種のデータが記録されるが、図3ではセンターサーバ2から提供されたゲームデータ52が示されている。ゲームデータ52は、プログラムPG2に従ってユーザに所定の野球ゲームをプレイさせるために必要な各種のデータを含んでいる。具体的には、ゲームデータ52は、野球ゲーム用の各種の画像を表示するための画像データ、野球ゲーム用の各種のBGMを再生するためのBGMデータといった各種のデータを含んでいる。図3の例では、このようなゲームデータ52の一部として、パラメータデータ51が示されている。パラメータデータ51は、配信サービスを通じてセンターサーバ2から適宜送信されてよい。
【0022】
また、ゲーム機3には、図2のモニタ11及びカード排出機構13がゲーム制御部31の出力装置として設けられている。モニタ11は上述のとおりである。一方、カード排出機構13は、プリンタPDを含んでいる。プリンタPDは、ゲーム制御部31からの出力信号に基づいて、画像、各種コード等の記号、或いは文字等を印刷するための周知の出力装置である。カード排出機構13は、このようなプリンタPDを介して印刷によりカード39を生成(排出)するように構成されている。
【0023】
さらに、ゲーム機3には、図2の読み取り装置12も設けられている。読み取り装置12は、入力装置としての読み取り部36及び出力装置としての表示部37を含んでいる。読み取り部36は、ユーザが所持するカード39から情報を取得するための装置である。読み取り部36は、例えばカード39が所定の規則に従って生成されたコード(パターン)を介してカード39毎にユニークなカードIDを記録している場合に、カード39の情報としてそのコードの情報(カードIDの情報)を読み取るために使用される。また、読み取り部36は、カード39が配置エリアAAに配置されている場合に、その配置エリアAAにおけるカード39の配置態様の情報を取得するために使用されてもよい。具体的には、このような読み取り部36として、カメラが使用されてよい。カメラ(読み取り部36)は、コードがカード39の表面(配置エリアAAに配置された場合の上側の面)に設けられている場合には上側からコードを撮影するように配置されてもよいし、コードがカード39の裏面(配置エリアAAに配置された場合の下側の面)に設けられている場合には下側からコードを撮影するように配置されてもよい。
【0024】
一方、表示部37は、配置エリアAAに複数のエリアが形成されるように、配置エリアAAを各エリアに区分する情報を表示するための周知の表示装置である。具体的には、表示部37として、プロジェクタが使用されてもよいし、モニタが使用されてもよい。また、読み取り部36がカード39の情報を下側から取得する場合には、そのようなモニタとして、赤外線透過型のモニタが使用されてもよい。この場合、読み取り装置12は、更にカード39のコードに対して赤外線を照射する赤外線照射部(不図示)を含んでいてよい。また、カード39には、赤外線に反応する方式(例えば一部が赤外線を反射し、その他が赤外線を吸収する等)を介してコードが印刷されていてよい。そして、読み取り部36(例えばカメラ)は、そのような赤外線に反応するコードを赤外線透過型のモニタの下側から読み取ってもよい。
【0025】
次に、図4図7を参照して、配置エリアAAの詳細を説明する。ゲーム機3は、記録媒体としてのカード39を利用しつつ上述の野球ゲームを提供するように構成されている。具体的には、ゲーム機3は、キャラクタとしての各選手を定義するパラメータを特定するためのカードIDを記録するカード39(以下、選手カード39と呼ぶ場合がある)が配置エリアAAに配置される場合に、その配置エリアAAの選手カード39からカードIDと配置態様とを取得することによりその配置態様を利用しつつカードIDによって特定されるパラメータの各選手を野球ゲームに再現するように構成されている。配置エリアAAは、表示部37としてモニタが利用される場合にそのモニタの表示面によって形成されてもよいし、そのような表示面の上にガラス材等の表示面を保護するための保護部材が配置される場合にはその保護部材によって形成されてもよい。以下、読み取り装置12がそのような保護部材を含み、表示部37及び保護部材として、赤外線透過型のモニタ及びガラスをそれぞれ採用している場合について説明する。
【0026】
図4は、表示部37に表示されるエントリー画面の一例を模式的に示す図である。エントリー画面60は、野球ゲームに選手カード39に対応する選手が再現される場合にその選手カード39が配置される配置エリアAAを示すためのゲーム画面である。選手カード39の情報が読み取られるときには、このようなエントリー画面60の上に保護用(選手カード39の載置用)のガラスを介して配置エリアAAが形成される。換言すれば、この場合、エントリー画面60がその上のガラスを介して配置エリアAAとして機能する。図4に示すように、エントリー画面60は、情報取得エリアとしての読み取りエリア61、及び非情報取得エリアとしての指示エリア62を含んでいる。読み取りエリア61は、選手カード39のコードの情報(カードIDの情報)を読み取るためのエリアである。読み取りエリア61に選手カード39が配置された場合には、ゲーム機3は、読み取り部36を介してその選手カード39のカードIDを取得する。一方、指示エリア62は、野球ゲームに登場する選手の行動に変化を生じさせる(換言すればユーザの意思を反映させる)指示を実行するためのエリアである。指示エリア62では、処理の簡略化等のために、カードIDの情報の読み取りが省略される。つまり、指示エリア62は、カードIDの取得が行われずに指示の特定が実行されるエリアである。
【0027】
図4の例では、エントリー画面60(換言すればその上の配置エリアAA)には10個の読み取りエリア61が設けられている。この場合、これらの読み取りエリア61を介して、10枚の選手カード39にそれぞれ対応する10人の選手がゲームに再現される。また、10個の読み取りエリア61は、左から順に打順を示す9つの野手用の読み取りエリア61と、1つのピッチャー用の読み取りエリア61とに分けられる。同様に、10個の指示エリア62が設けられ、これらが10個の読み取りエリア61にそれぞれ対応するように各指示エリア62が各読み取りエリア61の上方に配置されている。そして、10個の指示エリア62は、各読み取りエリア61を介して再現された選手に対する指示がその読み取りエリア61に対応する指示エリア62によって特定されるように、10個の読み取りエリア61を介して再現された10人の選手への指示にそれぞれ使用される。これらの読み取りエリア61に複数の選手カード39が載置され、複数の選手が再現される場合に、それらの複数の選手カード39及びそれらにそれぞれ対応する複数の選手が本発明の複数の記録媒体及び複数のキャラクタとしてそれぞれ機能する。
【0028】
なお、読み取りエリア61及び指示エリア62の数は適宜でよい。例えば、一つの読み取りエリア61を通じて複数の選手が再現されてもよい。この場合、複数の選手にそれぞれ対応するように複数の指示エリア62が設けられてもよいし、一つの指示エリア62を介して各選手への指示が実現されてもよい。つまり、読み取りエリア61と指示エリア62とは数が一致していなくてもよい。また、指示エリア62は、読み取りエリア61を介して再現された選手以外の選手への指示に使用されてもよい。
【0029】
図5は、選手カード39に対応する選手がゲームに再現される場合の流れの一例を説明するための説明図である。図5の例は、説明の便宜のために図4の例の一つの読み取りエリア61及び指示エリア62を簡略化して示しているが、他の読み取りエリア61及び指示エリア62についても同様である。図5に示すように、選手カード39に対応する選手を再現するための流れは、主として開始段階、読み取り段階、及び読み取り後段階の3つの段階を時系列に順に含んでいる。開始段階は、各ユーザの所持する選手カード39を読み取りエリア61に配置させるための段階である。続く読み取り段階は、読み取りエリア61に配置された選手カード39からコードを介してカードIDの情報を取得するための段階である。次の読み取り後段階は、読み取り段階を介してゲーム中に再現された選手に指示を実行するための段階である。つまり、ユーザは、選手カード39に対応する選手を再現するために読み取りエリア61にまず選手カード39を配置し、読み取りを介して選手カード39に対応する選手がゲームに再現された後は読み取りエリア61の選手カード39を、そのまま上方の指示エリア62にスライド移動し、読み取りエリア61で再現された選手への指示の特定に使用する。一例として、このような流れで選手カード39に対応する選手が野球ゲームに再現される。
【0030】
図6は、プレイ中に表示部37に表示される指示画面の一例を模式的に示す図である。指示画面70は、図5の例の読み取り後段階において各選手に指示を実行するために使用されるゲーム画面である。指示画面70も、エントリー画面60と同様に、表示面の上のガラスを介して配置エリアAAとして機能する。図6に示すように、指示画面70は、読み取りエリア61及び指示エリア62に加えて、情報提示エリア71を含んでいる。情報提示エリア71は、指示エリア62を介した指示の詳細の情報をユーザに提示するためのエリアである。
【0031】
図6の例では、指示画面70には、10個の指示エリア62にそれぞれ対応するように指示エリア62毎に10個の情報提示エリア71が設けられている。各情報提示エリア71には、その情報提示エリア71に対応する指示エリア62によって特定される指示の詳細情報が表示(提示)される。また、読み取りエリア61には、選手カード39を介して再現された選手のパラメータの情報が表示されている。つまり、エントリー画面60から指示画面70に移行した場合、読み取りエリア61は、このようなパラメータ等の情報を表示するためのエリアとして機能する。具体的には、読み取りエリア61には、“ミート”、“パワー”等のパラメータの項目、及び各項目の内容を示す数値(例えば左端の場合、“ミート”の内容を示す“72”)が表示されている。結果として、読み取りエリア61は、情報提示エリア71と同様に、指示エリア62によって特定される指示の詳細情報を提示するエリアとしても機能している。
【0032】
同様に、図6の例では、各選手の行動を変化させるための指示の一例として、各選手の行動を変化させるためのパラメータの一部を変化させる指示が採用されている。また、指示エリア62は、選手カード39の配置位置に応じて各選手への指示が変化するように構成されている。つまり、指示エリア62は、選手カード39の配置態様の一例として、配置位置を利用している。さらに、このようなパラメータの一部として、“パワー”及び“ミート”が採用されている。具体的には、指示エリア62は、“パワー”及び“ミート”の値の変化の程度が選手カード39の配置位置に応じて指示(特定)されるように構成されている。また、指示エリア62は、このような指示の基準として機能するように、各選手に対する基本的な指示(パラメータの一部内容を基本的内容で使用する指示)を特定するための基本位置を示す基本配置エリア72を含んでいる。さらに、各基本配置エリア72には、打順を示す番号(左から順に“1”〜“9”)及びピッチャーを示す“P”の情報が表示されている。
【0033】
なお、情報提示エリア71を形成する境界線は表示されなくてもよい。また、各選手の行動を変化させるための指示は、パラメータの一部を変化させる指示に限定されない。例えば、このような指示として、パラメータの全部を変化させる指示が採用されてもよい。さらに、パラメータを変化させる指示にも限定されない。例えば、打者に対するバント指示等、選手の行動を変化させる各種の指示が、このような指示として採用されてよい。同様に、このような指示は選手の行動に関連していなくてもよい。このような指示は、選手の外観(ユニフォームや配色等)をカスタマイズするための指示であってもよいし、各選手の所属チームを変更(トレードや退団等)する指示であってもよい。
【0034】
図7は、指示画面70を利用した指示の一例を説明するための説明図である。図7の例は、選手カード39の配置態様として配置位置が指示に利用される場合を示している。また、図7の例は、説明の便宜のために図4の例の一つの読み取りエリア61、指示エリア62、及び情報提示エリア71を簡略化して示しているが、他の読み取りエリア61等についても同様である。図7に示すように、配置エリアAAにおける選手カード39の配置位置は、基本位置、上方位置、下方位置、及びブースト位置を含んでいる。基本位置は、選手カード39が基本配置エリア72に位置する場合に該当する。選手カード39がこの位置に配置される場合、基本位置に対応する基本的な指示が特定される。また、上方位置は選手カード39が基本配置エリア72よりも上方に配置される場合の位置に、下方位置は選手カード39が基本配置エリア72よりも下方に配置される場合の位置に、それぞれ該当する。上方位置及び下方位置は、基本的な指示の内容を適宜に変更するために使用される。一方、ブースト位置は、選手カード39が読み取りエリア61に配置される場合の位置に該当する。
【0035】
図7の例では、基本位置に対応する基本的な指示として、パラメータの値を変化させずに使用する(換言すれば、パラメータデータ51によって管理される内容のまま使用する)指示が採用される場合が示されている。この場合、情報提示エリア71は空欄として表示され、読み取りエリア61にはパラメータデータ51によって定義されるパラメータの内容がそのまま表示される。一方、基本配置エリア72よりも上方は“パワー”のパラメータを上昇させるための位置として、下方は“ミート”のパラメータを上昇させるための位置として、それぞれ機能している。また、選手カード39が基本配置エリア72から離れるほど、その上昇度合いが高くなる。
【0036】
具体的には、図7の例では、上方位置として基本配置エリア72よりも少し(例えば図6の例の矢印マーク一つ分)上の位置が示されている。また、その位置に対応する指示に基づいて“パワー”の値が1ポイント上昇している。さらに、この上昇に伴い、反対に位置する“ミート”の値がその分(1ポイント)減少している。結果として、選手カード39が上昇位置に配置される場合には、情報提示エリア71には“パワー+1”及び“ミート−1”の情報が表示され、読み取りエリア61にはその変化を含む“ミート80”(1ポイント減少)及び“パワー78”(1ポイント上昇)の情報が表示されている。
【0037】
同様に、図7の例では、下方位置として、選手カード39が基本配置エリア72よりも少し(例えば図6の例の矢印マーク一つ分)下の位置が示されている。また、その位置に対応する指示に基づいて“ミート”の値が1ポイント上昇している。さらに、この上昇に伴い、反対に位置する“パワー”の値はその分(1ポイント)減少している。結果として、この場合には、情報提示エリア71には“パワー−1”及び“ミート+1”の情報が表示され、読み取りエリア61にはその変化を含む“ミート82”(1ポイント上昇)及び“パワー76”(1ポイント減少)の情報が表示されている。そして、選手カード39が基本配置エリア72よりも離れるほど、このような変化の程度は上昇する。一例として、このように指示エリア62において選手カード39の配置位置に応じた指示が特定され、実行される。また、この例において、指示エリア62を介して選手カード39の配置位置に応じてパラメータの値の変更が指示された選手が本発明の一部のキャラクタとして機能する。
【0038】
一方、図7の例は、選手カード39がブースト位置において、上述のパラメータの変化とは別に、各選手に固有のスキルに対応する変化が付与される場合を示している。この場合、情報提示エリア71にはブースト位置への配置を示す情報(例えば“ブースト”、或いは各スキルの名称でもよい)が表示される。例えば、このようなスキルとして、“広角打法”(広範囲に打ち分けるスキル)、“変化球強化”(変化球に対する打率、或いは長打率を上昇させるスキル)、“プルヒッター”(引っ張る打法により長打率を上昇させるスキル)、或いは“アベレージヒッター”(ヒット率を上昇させるスキル)が利用されてよい。
【0039】
なお、読み取りエリア61における選手カード39の配置位置の特定は省略されてもよい。つまり、指示エリア62を通じて選手に指示される際(例えば各選手の再現後)には、読み取りエリア61は、選手カード39の配置位置を特定せずに選手カード39の有無の特定によって変化を付与するように使用されてよい。また、各選手にレベルが設定され、プレイ状況に応じてそのレベルが変化する場合には、指示エリア62の上端(基本配置エリア72から上方に最も離れた位置)及び下端(基本配置エリア72から下方に最も離れた位置)におけるパラメータの上昇度合いがそのレベルに応じて変化してもよい。同様に、例えば1ポイントのレベルが上昇した場合に基本配置エリア72が“パワー”及び“ミート”の値をそれぞれ1ポイント上昇させる指示として機能するように、このようなレベルに応じて基本配置エリア72に対応する基本的な指示の内容も変化してよい。一方で、このような基本配置エリア72の表示は省略されてもよい。さらに、このようなレベルの変化に応じて選手カード39を通じた指示に使用可能な範囲が変化してもよい。このような使用可能な範囲として、指示エリア62の一部が利用されてもよい。また、その使用可能な範囲は、最大レベルのときに指示エリア62の全体となるように、レベルの上昇に従い拡大してよい。
【0040】
また、指示エリア62の形状も長方形に限定されず、適宜でよい。例えば、複数のパラメータの項目にそれぞれ対応する複数の辺をもつ多角形に形成されてもよいし、円形に形成されてもよい。円形の場合、パラメータの変化の程度は基準位置からの回転角度によって特定されてもよい。あるいは、指示エリア62は、変化の程度毎に複数に区分されるように構成され、それらの各区分への選手カード39の配置を通じて指示が特定されてもよい。さらに、ユーザの指示は、選手カード39の配置位置に応じて変化する形態にも限定されない。例えば、指示の種類が二種類の場合等に選手カード39の表裏に応じて指示が特定されてもよい。つまり、ユーザの指示は、指示エリア62における選手カード39の各種の態様の変化に応じて特定されてよい。
【0041】
さらに、指示エリア62は、読み取りエリア61と別に設けられる形態にも限定されない。例えば、指示エリア62は、読み取りエリア61を包含していてもよい。また、このような読み取りエリア61として基本配置エリア72が機能してもよい。つまり、時期或いは状況の相違により同じ範囲に読み取りエリア61及び指示エリア62が形成されてもよい。図8は、変形例に係るエントリー画面60の一例を模式的に示す図である。図8に示すように、エントリー画面60は、指示エリア62を含んでいなくてもよい。結果として、このようなエントリー画面60及び上述の指示画面70を通じて、読み取りエリア61(選手カード39に対応する選手を再現するためにコードの情報を取得するエリア)と指示エリア62(選手カード39のコードの取得を省略するエリア)とは時差的(異なる時期)に配置エリアAAに形成されてもよい。また、エントリー画面60と指示画面70とにおいて読み取りエリア61の位置は一致していてもよいし、相違していてもよい。エントリー画面60に指示エリア62が形成される場合には、指示エリア62に関しても同様である。
【0042】
次に、図9を参照して選手カード39のコードの詳細について説明する。図9は、選手カード39のコードの一例を説明するための説明図である。図9の例は、選手カード39の裏面が読み取り部36を介して情報の読み取りに使用される場合を示している。この場合、図9に示すように、選手カード39の裏面には、所定の規則に従って生成されたコードCDが印刷される。また、このコードCDは、共通部分CP(例えばコードCDの外周部分)を含んでいる。共通部分CPは、全選手カード39のコードCDに共通に含まれている。つまり、共通部分CPに関しては、全選手カード39において共通している。共通部分CPは、ゲーム機3で使用可能な選手カード39に該当するか否かの判別に使用される。つまり、共通部分CPを判別することにより配置エリアAAに配置されたカードが適切な選手カード39に該当する否か判断される。また、共通部分CPは、各選手カード39の配置位置を取得するために読み取られてもよい。
【0043】
一方、コードCDのうち、共通部分CPを除く部分が各選手カード39に固有の固有部分として機能する。この固有部分にカードID等の各選手カード39に固有の各種の固有情報が記録される。カードIDは、選手(キャラクタ)毎にユニークなキャラクタIDと異なり、同じ選手であっても物理的に別々のカード39の場合には互いに相違する(キャラクタIDの場合、同じ選手の限り、別々のカード39であっても互いに共通する)。結果として、この固有部分は、選手カード39毎に相違する。そして、読み取りエリア61では、カードIDの情報を取得するために、この固有部分の読み取りが実行される。一方で、指示エリア62(あるいは選手再現後の読み取りエリア61を含んでもよい)では、この固有部分の読み取りは省略される。つまり、指示エリア62では、共通部分CPを通じて適切な選手カード39か否かの判別及び配置位置の判別は実行されるものの、カードID等の固有の情報の取得は省略される。選手カード39には、一例として、このようなコードが印刷され、各エリアにおいて目的に応じて適宜の部分の読み取りが実行される。なお、コードは固有部分を介してカードIDの情報を記録する形態に限定されない。例えば、コードの固有部分にはキャラクタIDの情報が記録されてもよい。あるいは、固有部分には、各選手のパラメータを特定可能なその他の各種の情報が記録されてもよい。
【0044】
次に、図10及び図11を参照して、ゲーム提供部33が実行する情報取得処理及び指示反映処理の手順を説明する。情報取得処理は、選手カード39に対応する選手をゲームに再現するための処理である。図10の例は、ゲーム提供部33が読み取りエリア61において選手カード39の配置位置の判別を省略する(取得しない)場合の情報取得処理の手順の一例を示している。この場合、ゲーム提供部33は、ゲームの開始の要求に従って選手カード39の配置がユーザに案内された後、例えば選手カード39の読み取り終了の指示が実行される等の終了条件が満たされるまで所定の周期毎に繰り返し図10の情報取得処理を開始し、まず読み取り部36の出力結果に基づいて読み取りエリア61に選手カード39が配置されているか否か判別する(ステップS101)。複数の読み取りエリア61が存在する場合には、複数の読み取りエリア61のいずれかへの配置が選手カード39の配置として判別される。また、この場合、ゲーム提供部33は、配置の有無とともに、選手カード39が配置された読み取りエリア61を特定してよい。読み取りエリア61に選手カード39が配置されていない場合、ゲーム提供部33は以降の処理をスキップして今回の処理を終了する。
【0045】
一方、読み取りエリア61に選手カード39が配置されている場合、ゲーム提供部33はその選手カード39が適切なカードであるか否か判別する(ステップS102)。この判別は、選手カード39のコードCDに含まれる共通部分CPに対する読み取り結果に基づいて実行される。読み取りエリア61に配置された選手カード39が適切なカードでない場合(例えば共通部分CPを含まないコードの場合)、ゲーム提供部33はやはり以降の処理をスキップして今回の処理を終了する。この場合、読み取りエラー、或いは選手カード39が適切ではないことを示す情報を通知してもよい。
【0046】
一方、読み取りエリア61に配置された選手カード39が適切なカードである場合(例えば、適切に共通部分CPの読み取りが実行された場合)、ゲーム提供部33は選手カード39のコードCDから固有情報を取得する(ステップS103)。より具体的には、ゲーム提供部33は、コードCDの固有部分からそこに含まれるカードID等の固有情報を取得する。続いてゲーム提供部33は、ステップS103で取得した固有情報が適切な情報か否か判別する(ステップS104)。適切か否かの判別として、ゲーム提供部33は、固有情報に含まれるカードIDがパラメータデータ51によって管理されているカードIDに該当するか否か判別してよい。あるいは、各ユーザを識別するためのユーザIDを介して各ユーザが所有する選手カード39が管理されている場合には、その選手カード39の使用者が所有者に該当するか否か判別してもよい。選手カード39から取得した固有情報が適切な情報ではない場合(例えばパラメータデータ51に存在しないカードIDや所有者以外の使用に該当する場合)、ゲーム提供部33は以降の処理をスキップして今回の処理を終了する。
【0047】
一方、選手カード39から取得した固有情報が適切な情報である場合(例えばパラメータデータ51に存在するカードIDや所有者の使用に該当する場合)、ゲーム提供部33はその選手カード39に対応する選手をゲームに再現する(ステップS105)。具体的には、ゲーム提供部33は、パラメータデータ51を参照しつつ、固有情報に含まれるカードIDに対応するパラメータの内容を取得し、そのパラメータの内容によって定義される選手をゲーム中に登場させる。そして、ゲーム提供部33は、選手カード39に対応する選手をゲームに再現した後に今回の処理を終了する。これにより、読み取りエリア61に配置された選手カード39に対応する選手がゲームに再現される。つまり、読み取りエリア61の選手カード39に対するカードID等の固有情報の読み取りが実行される。そして、その選手カードに対応する選手のパラメータが取得され、そのパラメータによって定義される選手がゲームに登場する。一方で、読み取りエリア61に対する選手カード39の配置位置の判別は省略される。
【0048】
一方、指示反映処理は、選手カード39を介して実行されるユーザの指示をゲームに反映するための処理である。ゲーム提供部33は、図10の手順において終了条件が満たされた後、所定の周期で繰り返し図11の指示反映処理を開始し、まず配置エリアAAに選手カード39が配置されているか否か判別する(ステップS201)。この判別は、各選手への指示に使用される位置に対して実行される。具体的には、ゲーム提供部33は、配置エリアAAのうち、指示用の位置として指示エリア62及びブースト位置(読み取りエリア61)に選手カード39が配置されているか否か判別する。これらの位置に選手カード39が配置されていない場合(選手カード39が指示エリア62或いは読み取りエリア61以外の配置エリアAAに配置されている場合を含む)、ゲーム提供部33は以降の処理をスキップして今回の処理を終了する。一方、これらの位置に選手カード39が配置されている場合、ゲーム提供部33は配置エリアAAに配置された選手カード39が適切なカードであるか否か判別する(ステップS202)。この判別は、図10のステップS102と同様に、選手カード39のコードCDに含まれる共通部分CPに対する読み取り結果に基づいて実行される。配置エリアAAに配置された選手カード39が適切なカードでない場合、ゲーム提供部33はやはり以降の処理をスキップして今回の処理を終了する。この場合、読み取りエラー、或いは選手カード39が適切ではないことを示す情報を通知してもよい。
【0049】
一方、配置エリアAAに配置された選手カード39が適切なカードである場合、ゲーム提供部33は読み取り装置12の読み取り部36の出力結果に基づいて選手カード39の配置位置を判別する(ステップS203)。具体的には、ゲーム提供部33は、選手カード39が指示エリア62に配置されている場合には、配置位置として上方位置、基本位置、或いは下方位置を特定してよい。あるいは、ゲーム提供部33は、選手カード39が読み取りエリア61に配置されている場合には、配置位置としてブースト位置を特定してもよい。また、ゲーム提供部33は、少なくとも選手カード39の固有情報の取得(コードCDの固有部分の読み取り)を省略しつつ、これらの判別を実行する。
【0050】
続いてゲーム提供部33は、選手カード39の配置位置に応じてユーザの指示を特定する(ステップS204)。また、この特定には、指示対象の選手の特定が含まれてよい。具体的には、ゲーム提供部33は、選手カード39が配置されている指示エリア62或いは読み取りエリア61に基づいて、その指示エリア62等に対応する選手(その指示エリア62等に対応する読み取りエリア61を介して再現された選手)を特定する。また、ゲーム提供部33は、選手カード39の配置位置が基本位置の場合にはパラメータデータ51のままのパラメータの使用を、上方位置の場合には“パワー”のパラメータの上昇を、下方位置の場合には“ミート”のパラメータの上昇を、ブースト位置の場合には各選手のスキルの使用を、それぞれユーザの指示として特定してよい。
【0051】
次にゲーム提供部33は、ステップS204で特定した指示をゲームに反映する(ステップS205)。具体的には、ゲーム提供部33は、この反映を上方位置等の選手カード39の配置位置に応じて選手のパラメータ(“パワー”等)の値を変化させることにより実現する。また、ゲーム提供部33は、このような反映の一部として、指示の内容(パラメータの変化の内容)を情報提示エリア71に提示する。そして、ゲーム提供部33は、選手カード39を介したユーザの指示をゲームに反映した後に今回の処理を終了する。これにより、配置エリアAAにおける選手カード39の配置位置に応じてゲーム中の選手の行動が変化する。具体的には、選手カード39の配置位置に応じて選手の“パワー”等のパラメータを変化させるためのユーザの指示が特定され、その指示に応じて実際にパラメータの内容が変化する。また、このような指示の特定が選手カード39のカードID等の固有情報の取得を行わずに実行される。さらに、その指示の内容が情報提示エリア71に提示される。
【0052】
以上に説明したように、この形態によれば、配置エリアAAは、選手カード39に対応する選手を再現するために選手カード39のカードIDの情報を読み取る読み取りエリア61と、ゲーム中の選手に指示するために選手カード39の配置位置を判別する指示エリア62と、を含んでいる。そして、選手カード39の配置位置に応じた指示が指示エリア62を介して特定される。一方で、指示エリア62では選手カード39にコードCDを介して記録されたカードIDの情報は取得されない。つまり、このような取得が指示エリア62では省略される。これにより、このような取得が実行される場合に比べて選手カード39の配置位置を介したユーザの指示を特定するまでの時間を短くすることができる。結果として、配置エリアAAの選手カード39の配置位置に応じた指示を比較的迅速にゲームに反映することができる。
【0053】
また、指示エリア62ではカードIDの情報の取得が省略されることから、読み取りエリア61で使用される選手カード39と指示エリア62で使用される選手カード39とは一致しなくてもよい。このため、読み取りエリア61において選手の再現用に使用される選手カード39と、指示エリア62において指示用に使用される選手カード39と、を使い分けることができる。具体的には、ユーザは、希少性の高い選手カード39を読み取りエリア61においてカードIDの読み取りに使用し、その選手カード39に対応する選手を再現した後に、その選手への指示のために指示エリア62ではその希少性の高い選手カード39とは別の選手カード39(通常の選手カード39や旧い選手カード39等)を使用することができる。つまり、配置面との摩擦等による劣化の影響を受ける選手カード39を再現用に使用する選手カード39と相違させることができる。これにより、選手の再現に使用された希少性の高い選手カード39が指示エリア62における指示を通じて劣化することを抑制することができる。結果として、このような希少性の高い選手カード39や好みの選手カード39といったユーザの使用欲求が比較的高い選手カード39の使用を促進することができる。
【0054】
一方、選手カード39のカードIDの情報の読み取る際に読み取りエリア61において選手カード39の配置位置の判別が省略される場合には、読み取りエリア61でも指示エリア62と同様に配置位置が判別される場合に比べて、より迅速に読み取りエリア61においてカードIDの情報を取得することができる。また、例えばエントリー画面60或いは指示画面70を通じて指示エリア62が読み取りエリア61と別に設けられる場合には、カードIDを読み取るための読み取りエリア61とそのような読み取りを行わずに選手への指示を行うための指示エリア62とを物理的に区別しつつユーザに提示することができる。
【0055】
以上の形態において、ゲーム機3のゲーム提供部33が、図10の手順を実行することにより本発明の情報取得手段として機能する。また、ゲーム機3のゲーム提供部33が、図11の手順を実行することにより本発明の指示特定手段、情報提示手段、及び配置取得手段として機能する。具体的には、ゲーム提供部33は、図11の手順のステップS203を実行することにより配置取得手段として、図11のステップS204を実行することにより指示特定手段として、図11のステップS205を実行することにより情報提示手段として、それぞれ機能する。一方、ゲーム機3の記憶部32がパラメータデータ51を記憶することにより本発明のデータ記憶手段として機能する。
【0056】
本発明は上述した形態に限定されず、適宜の変形又は変更が施された形態にて実施されてよい。例えば、上記の形態では、配置エリアAAは読み取り装置12に設けられている。しかし、配置エリアAAは、このような形態に限定されない。例えば、配置エリアAAは、プロジェクタ或いは各種のエリアに区別された専用のシート等を通じて適宜に配置されるテーブル等に別途形成されてもよい。つまり、配置エリアAAは、ゲーム機3の一部として設けられていなくてもよい。
【0057】
また、ゲーム機3はアーケードゲーム機に限定されず、ユーザ端末装置4等がゲーム機3として利用されてもよい。また、ゲーム機3はユーザ端末装置4等を遠隔入出力装置として利用しつつセンターサーバ2等のサーバ上で仮想的に動作するゲーム装置として構成されてもよい。さらに、ゲーム装置がセンターサーバ2として機能してもよい。つまり、上述の形態のセンターサーバ2の役割(各種処理等)の全部或いは一部をゲーム機3等のゲーム装置が実行してもよい。一方で、センターサーバ2は省略されてもよい。この場合、一台のゲーム機3が本発明のゲームシステムとして機能してよい。
【0058】
上述した実施の形態及び変形例のそれぞれから導き出される本発明の各種の態様を以下に記載する。なお、以下の説明では、本発明の各態様の理解を容易にするために添付図面に図示された対応する部材を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【0059】
本発明のゲームシステムは、各キャラクタを定義するパラメータを特定するための特定情報(例えばカードID)を記録する記録媒体(39)が配置エリア(AA)に配置される場合に、前記配置エリアの前記記録媒体から前記特定情報と配置態様とを取得することにより前記配置態様を利用しつつ前記特定情報によって特定される前記パラメータの各キャラクタを再現するゲームを提供するゲームシステム(1)であって、前記記録媒体から前記特定情報を取得するための情報取得エリア(61)と、前記特定情報の取得を省略する非情報取得エリア(62)とが前記配置エリアに形成されるように、前記情報取得エリアの前記記録媒体を介して前記特定情報を取得する情報取得手段(33)と、前記ゲームの少なくとも一部のキャラクタに変化を生じさせる指示を前記配置態様に応じて実行するための指示エリア(62)が前記配置エリアに形成されるように当該指示エリアにおいて前記配置態様に応じて前記指示を特定する指示特定手段(33)と、を備え、前記配置エリアには、前記情報取得エリアと、前記非情報取得エリアとして機能することにより前記特定情報を取得せずに前記記録媒体の前記配置態様に応じて前記指示が特定される前記指示エリアと、が設けられるものである。
【0060】
本発明によれば、記録媒体の配置態様に応じた指示は指示エリアを介して特定される。一方で、指示エリアでは記録媒体に記録された特定情報は取得されない。つまり、このような取得が指示エリアでは省略される。これにより、このような取得が実行される場合に比べて記録媒体の配置態様を介したユーザの指示を特定するまでの時間を短くすることができる。結果として、配置エリアの記録媒体の配置態様に応じた指示を比較的迅速にゲームに反映することができる。また、情報取得エリアでは特定情報が取得されるものの、指示エリアでは特定情報の取得が省略されることから、情報取得エリアで使用される記録媒体と指示エリアで使用される記録媒体とは一致しなくてもよい。このため、情報取得エリアにおいてキャラクタの再現用に使用される記録媒体と、指示エリアにおいて指示用に使用される記録媒体と、を使い分けることもできる。これにより、キャラクタの再現に使用された記録媒体が指示エリアにおける指示を通じて劣化することを抑制することができる。結果として、希少性の高いキャラクタ等の使用を促進することもできる。
【0061】
情報取得エリア及び指示エリアは、いずれか一方を他方が包含するように形成されてもよいし、互いに別々に形成せれてもよい。また、これらは、同時期に形成されてもよいし、時差的に形成されてもよい。例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、前記指示エリアは、前記情報取得エリアと別に設けられていてもよい。この場合、情報取得エリアと指示エリアとを物理的に区別することができる。
【0062】
記録媒体の配置態様を介した指示の情報は、ユーザに提示されてもよいし、提示されなくてもよい。例えば、本発明のゲームシステムの一態様として、前記配置エリアに前記指示の情報を提示するための情報提示エリア(71)が形成されるように、前記指示の情報を前記情報提示エリアに提示する情報提示手段を更に備える態様が採用されてもよい。また、このような情報提示エリアは、情報取得エリア或いは指示エリアと一致していてもよいし、相違していてもよい。例えば、配置エリアに情報提示エリアが形成される態様において、前記情報取得エリアは、当該情報取得エリアが前記指示エリアと別に設けられる場合に、前記情報提示エリアとして機能してもよい。
【0063】
記録媒体の配置態様を介した指示として、各種の指示が採用されてよい。具体的には、野球ゲームにおけるバントやサッカーゲームにおけるシュート等、ゲーム中の選手の行動に変化を生じさせる直接的な指示が採用されてもよいし、間接的な指示が採用されてもよい。また、このような間接的な指示として、行動に関連するパラメータによって各キャラクタが定義されている場合に、このパラメータの全部或いは一部を変化させるための指示が採用されてもよい。さらに、このような変化はキャラクタの行動に関連するものにも限定されない。例えば、キャラクタの外観(服装や配色等)に関する変化であってもよいし、各キャラクタがグループやチーム等に所属する場合はその所属先の変更に関する変化であってもよい。このため、例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、前記指示特定手段は、前記指示として前記パラメータの内容を変化させる指示を特定してもよい。
【0064】
また、本発明のゲームシステムの一態様として、前記指示エリアにおいて前記記録媒体の配置態様を判別する一方で、前記情報取得エリアでは前記配置態様を取得せずに前記特定情報が取得されるように前記情報取得エリアにおいて前記記録媒体の前記配置態様の判別を省略する配置取得手段を更に備え、前記指示特定手段は、前記配置取得手段の判別結果に基づいて前記指示を特定する態様が採用されてもよい。この場合、情報取得エリアでも指示エリアと同様に配置態様が取得される場合に比べて、より迅速に情報取得エリアにおいて特定情報を取得することができる。
【0065】
特定情報として、パラメータを特定可能な各種の情報が採用されてよい。具体的には、特定情報として、パラメータの情報自体(直接的情報)が採用されてもよいし、パラメータを特定するための間接的な情報が採用されてもよい。また、このような間接的な情報として、パラメータの記録先を示す情報、キャラクタを識別するためのキャラクタIDの情報、或いはカード毎にユニークなカードIDの情報が採用されてもよい。例えば、本発明のゲームシステムの一態様として、各記録媒体を識別するために記録媒体毎にユニークな媒体識別情報と各記録媒体の前記パラメータの情報とが関連付けられるように記述されたパラメータデータ(51)を記憶するデータ記憶手段(32)を備え、前記記録媒体は、前記パラメータデータを介して前記パラメータが特定されるように、前記特定情報として前記媒体識別情報を記録する態様が採用されてもよい。
【0066】
配置エリアには、適宜の数の情報取得エリア及び指示エリアが形成されてよい。具体的には、単数或いは複数のキャラクタの再現に使用される一つの情報取得エリアが設けられていてもよいし、複数の情報取得エリアが設けられていてもよい。指示エリアについても同様である。また、情報取得エリアの数と指示エリアの数とは一致していても、一致していなくてもよい。例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、前記配置エリアには、複数のキャラクタにそれぞれ対応する複数の記録媒体を介して前記複数のキャラクタが前記ゲームに再現される場合に、前記情報取得エリア及び前記指示エリアとして、前記複数の記録媒体にそれぞれ対応する複数の情報取得エリア及び複数の指示エリアが設けられ、前記複数の指示エリアは、各情報取得エリアを介して再現されたキャラクタに対する前記指示が各指示エリアによって特定されるように、前記複数の情報取得エリアにそれぞれ対応していてもよい。
【0067】
一方、本発明のコンピュータプログラムは、前記ゲームを提供するための出力装置(11)と、前記記録媒体の情報を取得するための入力装置(36)と、を備えるコンピュータ(33)を、上述のゲームシステムの各手段として機能させるように構成されたものである。本発明のコンピュータプログラムが実行されることにより、本発明のゲームシステムを実現することができる。
【符号の説明】
【0068】
1 ゲームシステム
3 ゲーム機
32 記憶部(データ記憶手段)
33 ゲーム提供部(コンピュータ、情報取得手段、指示特定手段、情報提示手段、配置取得手段)
51 パラメータデータ
60 エントリー画面(配置エリア)
61 読み取りエリア(情報取得エリア)
62 指示エリア
AA 配置エリア
【要約】
【課題】配置エリアの記録媒体の配置態様に応じた指示を比較的迅速にゲームに反映することができるゲームシステムを提供する。
【解決手段】ゲームシステム1は、各選手のパラメータを特定するためのカードIDを記録する選手カード39を利用した野球ゲームを提供する。また、ゲームシステム1は、選手カード39からカードIDを読み取る読み取りエリア61と、それを省略する指示エリア62とが配置エリアAAに形成されるように、読み取りエリア61においてカードIDを取得するとともに、指示エリア62が選手に変化を生じさせる指示を実行するためのエリアとして機能するように指示エリア62において選手カード39の配置位置に応じて指示を特定する。結果として、配置エリアAAには、読み取りエリア61と、カードIDを取得せずに選手カード39の配置位置に応じて指示が特定される指示エリア62と、が設けられる。
【選択図】図4
図1
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図11