(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
実施形態に係る発明は、
発光素子を有する発光モジュールと;円板状を呈する基部と、前記基部の
、車両用照明装置の前面側にある面から突出し、
前記発光モジュールが設けられる凸部と、前記基部の前記発光モジュールが設けられる側とは反対側の面に設けられた凹部と、を有するフランジ部と;前記基部の前記発光モジュールが設けられる側とは反対側の面から突出し、板状を呈する第1の凸部と;前記凹部の内部に設けられ、前記基部の前記発光モジュールが設けられる側とは反対側の面から突出し、前記第1の凸部と接合された第2の凸部と;を具備した
車両用照明装置である。
前記第2の凸部の頂面は、前記第1の凸部の頂面よりも前記基部側に位置する。
前記フランジ部、前記第1の凸部、および前記第2の凸部は、熱伝導性樹脂を含むとともに一体に設けられている。
この
車両用照明装置によれば、放熱性と外力に対する耐性を向上させることができる。
【0009】
また、前記第2の凸部は、前記第1の凸部と交差する第1の面と、前記第1の面と対峙する第2の面と、を有するものとすることができる。
前記第1の面および前記第2の面の少なくともいずれかは、前記第2の凸部の頂面に向かうに従い、前記第1の面と前記第2の面との間の距離が漸次短くなるように傾斜しているようにすることができる。
この様にすれば、空気の流れが円滑になるので、放熱性をより向上させることができる。
【0010】
また、前記基部の前記発光モジュールが設けられる側とは反対側の面から突出し、前記第1の凸部と接合された第3の凸部をさらに具備することができる。
前記第3の凸部の頂面は、前記第1の凸部の頂面よりも前記基部側に位置するようにすることができる。
この様にすれば、放熱性と外力に対する耐性をさらに向上させることができる。
【0011】
また、前記第3の凸部は、前記第1の凸部と交差する第3の面と、前記第3の面と対峙する第4の面と、を有するものとすることができる。
前記第3の面および前記第4の面の少なくともいずれかは、前記第3の凸部の頂面に向かうに従い、前記第3の面と前記第4の面との間の距離が漸次短くなるように傾斜しているようにすることができる。
この様にすれば、空気の流れが円滑になるので、放熱性をより向上させることができる。
【0013】
以下、図面を参照しつつ、実施の形態について例示をする。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、本実施の形態に係る照明装置1を例示するための模式斜視図である。
図2は、照明装置1の模式斜視分解図である。
図3は、発光モジュール20の模式平面図である。
図1および
図2に示すように、照明装置1には、ソケット10、発光モジュール20、給電部30、およびコネクタ40が設けられている。
【0014】
ソケット10には、収納部11、フランジ部12、フィン13(第1の凸部の一例に相当する)、凸部14(第3の凸部の一例に相当する)、凸部15(第2の凸部の一例に相当する)、および取り付け部16が設けられている。
収納部11は、円筒状を呈し、フランジ部12の凸部12bから突出している。収納部11の内側であって、フランジ部12の凸部12bの上には、発光モジュール20が設けられている。また、収納部11の内側には、給電部30の給電端子31が突出している。
【0015】
フランジ部12は、基部12a、凸部12b、および凹部12cを有する。
基部12aは、円板状を呈している。
凸部12bは、照明装置1の前面側にある基部12aの面12a1に設けられている。 すなわち、凸部12bは、基部12aの一方の面から突出している。凸部12bの上には発光素子22を有する発光モジュール20が設けられる。
凹部12cは、照明装置1の背面側にある基部12aの面12a2に設けられている(
図5を参照)。
すなわち、凹部12cは、発光モジュール20が設けられる側とは反対側の基部12aの面12a2に設けられている。
また、照明装置1の背面側にある基部12aの面12a2には、フィン13、および凸部14が設けられている。
フィン13は、照明装置1の背面側にある基部12aの面12a2から突出している。フィン13は、複数設けられている。複数のフィン13は、板状を呈し、放熱フィンとして機能する。
凸部14は、照明装置1の背面側にある基部12aの面12a2から突出し、フィン13と接合されている。
凸部15は、凹部12cの内部に設けられ、その先端は、照明装置1の背面側にある基部12aの面12a2から突出している。
すなわち、凸部15は、凹部12cの内部に設けられ、基部12aの発光モジュール20が設けられる側とは反対側の面から突出している。
凸部15は、フィン13と接合されている。
なお、凸部12b、凹部12c、凸部14、および凸部15に関する詳細は後述する。
【0016】
収納部11、フランジ部12、フィン13、凸部14、および凸部15は、一体に成形することもできるし、接着剤などを用いて接合することもできる。
ただし、収納部11、フランジ部12、フィン13、凸部14、および凸部15を一体に成形すれば、放熱性の向上、外力に対する耐性の向上、製造コストの低減などを図ることができる。
【0017】
取り付け部16は、収納部11の側壁に設けられ、照明装置1の外側に向けて突出している。
取り付け部16は、複数設けられている。
取り付け部16は、照明装置1を車両用灯具に装着する際に、車両用灯具に設けられた溝部に挿入される。そして、照明装置1を回転させることで、車両用灯具に照明装置1が保持されるようになっている。
すなわち、取り付け部16は、ツイストロックに用いられるものである。
【0018】
図3に示すように、発光モジュール20には、発光モジュール用基板2、発光素子22、制御素子23、配線25、包囲壁部材26、封止部27、接合部28、制御素子29、被覆部51、金属膜34および制御素子52が設けられている。
また、発光モジュール用基板2には、基体21および配線パターン24が設けられている。
【0019】
基体21は、ソケット10の収納部11の内側であって、フランジ部12の凸部12bの上に設けられている。
基体21は、板状を呈し、表面に配線パターン24が設けられている。
基体21は、例えば、酸化アルミニウムや窒化アルミニウムなどのセラミックスから形成されている。
また、基体21は、単層であってもよいし、多層であってもよい。
【0020】
配線パターン24は、基体21の少なくとも一方の表面に設けられている。
配線パターン24は、基体21の両方の面に設けることもできるが、製造コストを低減させるためには、基体21の一方の面に設けるようにすることが好ましい。
配線パターン24には、入力端子24aが設けられている。
入力端子24aは、複数設けられている。入力端子24aには、給電部30の給電端子31が電気的に接続されている。そのため、発光素子22は、配線パターン24を介して、給電部30と電気的に接続されている。
配線パターン24は、例えば、銀を主成分とする材料から形成されている。配線パターン24は、例えば、銀や銀合金から形成されている。ただし、配線パターン24は、銀を主成分とする材料に限定されるわけではなく、例えば、銅を主成分とする材料などであっても良い。
配線パターン24は、例えば、スクリーン印刷法を用いて形成することができる。
【0021】
発光素子22は、基体21の表面に設けられた配線パターン24の上に複数設けられている。
発光素子22は、配線パターン24に設けられる側とは反対側の面(上面)に図示しない電極を有したものとすることができる。なお、図示しない電極は、配線パターン24に設けられる側の面(下面)と、配線パターン24に設けられる側とは反対側の面(上面)とに設けられていてもよいし、どちらかの面のみに設けられていてもよい。
【0022】
発光素子22の下面に設けられた図示しない電極は、銀ペーストなどの導電性の熱硬化材を介して配線パターン24に設けられた実装パッド24bと電気的に接続されている。発光素子22の上面に設けられた図示しない電極は、配線25を介して配線パターン24に設けられた配線パッド24cと電気的に接続されている。
【0023】
発光素子22は、例えば、発光ダイオード、有機発光ダイオード、レーザダイオードなどとすることができる。
発光素子22の光の出射面である上面は、照明装置1の正面側に向けられており、主に、照明装置1の正面側に向けて光を出射する。
発光素子22の数、大きさ、配置などは、例示をしたものに限定されるわけではなく、照明装置1の大きさや用途などに応じて適宜変更することができる。
【0024】
制御素子23は、配線パターン24の上に設けられている。
制御素子23は、発光素子22に流れる電流を制御する。
発光素子22の順方向電圧特性には、ばらつきがあるので、アノード端子と、グランド端子と、の間の印加電圧を一定にすると、発光素子22の明るさ(光束、輝度、光度、照度)にばらつきが生じる。そのため、発光素子22の明るさが所定の範囲内に収まるように、制御素子23により、発光素子22に流れる電流の値が所定の範囲内となるようにしている。
制御素子23は、例えば、抵抗器とすることができる。制御素子23は、例えば、表面実装型の抵抗器、リード線を有する抵抗器(酸化金属皮膜抵抗器)、スクリーン印刷法などを用いて形成された膜状の抵抗器などとすることができる。
なお、
図3に例示をした制御素子23は、膜状の抵抗器である。
【0025】
この場合、制御素子23の抵抗値を変化させることで、発光素子22に流れる電流の値が所定の範囲内となるようにすることができる。
例えば、複数の制御素子23が膜状の抵抗器の場合には、複数の制御素子23毎に一部を除去して図示しない除去部をそれぞれに形成する。そして、除去部の大きさなどにより、複数の制御素子23毎に抵抗値を変化させる。この場合、制御素子23の一部を除去すれば、抵抗値は増加することになる。制御素子23の一部の除去は、例えば、制御素子23にレーザ光を照射することで行うことができる。
制御素子23の数、大きさ、配置などは、例示をしたものに限定されるわけではなく、発光素子22の数や仕様などに応じて適宜変更することができる。
【0026】
配線25は、発光素子22の上面に設けられた図示しない電極と、配線パターン24に設けられた配線パッド24cとを電気的に接続する。
配線25は、例えば、金を主成分とする線とすることができる。ただし、配線25の材料は、金を主成分とするものに限定されるわけではなく、例えば、銅を主成分とするものや、アルミニウムを主成分とするものなどであってもよい。
【0027】
配線25は、例えば、超音波溶着または熱溶着により、発光素子22の上面に設けられた図示しない電極と、配線パターン24に設けられた配線パッド24cとに電気的に接続される。配線25は、例えば、ワイヤボンディング法を用いて、発光素子22の上面に設けられた図示しない電極と、配線パターン24に設けられた配線パッド24cとに電気的に接続することができる。
【0028】
包囲壁部材26は、複数の発光素子22を囲むようにして、基体21上に設けられている。包囲壁部材26は、例えば、環状形状を有し、中央部26aに複数の発光素子22が配置されるようになっている。
包囲壁部材26は、例えば、PBT(polybutylene terephthalate)やPC(polycarbonate)などの樹脂や、セラミックスなどから形成することができる。
【0029】
また、包囲壁部材26の材料を樹脂とする場合には、酸化チタンなどの粒子を混合して、発光素子22から出射した光に対する反射率を向上させるようにすることができる。
なお、酸化チタンの粒子に限定されるわけではなく、発光素子22から出射した光に対する反射率が高い材料からなる粒子を混合させるようにすればよい。
また、包囲壁部材26は、例えば、白色の樹脂から形成することもできる。
【0030】
包囲壁部材26の中央部26a側の側壁面26bは傾斜面となっている。発光素子22から出射した光の一部は、包囲壁部材26の側壁面26bで反射されて、照明装置1の正面側に向けて出射される。
また、発光素子22から照明装置1の正面側に向けて出射された光の一部であって封止部27の上面(封止部27と外気との界面)で全反射した光は、包囲壁部材26の中央部26a側の側壁面26bで反射して、再び照明装置1の正面側に向けて出射される。
【0031】
すなわち、包囲壁部材26は、リフレクタの機能を併せ持つものとすることができる。なお、包囲壁部材26の形態は、例示をしたものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
【0032】
封止部27は、包囲壁部材26の中央部26aに設けられている。封止部27は、包囲壁部材26の内側を覆うように設けられている。すなわち、封止部27は、包囲壁部材26の内側に設けられ、発光素子22と配線25とを覆っている。
封止部27は、透光性を有する材料から形成されている。封止部27は、例えば、シリコーン樹脂などから形成することができる。
封止部27は、例えば、包囲壁部材26の中央部26aに樹脂を充填することで形成することができる。樹脂の充填は、例えば、ディスペンサなどの液体定量吐出装置を用いて行うことができる。
【0033】
包囲壁部材26の中央部26aに樹脂を充填すれば、発光素子22、包囲壁部材26の中央部26aに配置された配線パターン24、および配線25などに対する外部からの機械的な接触を抑制することができる。また、水分やガスなどが、発光素子22、包囲壁部材26の中央部26aに配置された配線パターン24、および配線25などに付着することを抑制することができる。そのため、照明装置1に対する信頼性を向上させることができる。
【0034】
また、封止部27には、蛍光体を含めることができる。蛍光体は、例えば、YAG系蛍光体(イットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体)とすることができる。
例えば、発光素子22が青色発光ダイオード、蛍光体がYAG系蛍光体である場合には、発光素子22から出射した青色の光によりYAG系蛍光体が励起され、YAG系蛍光体から黄色の蛍光が放射される。そして、青色の光と黄色の光が混ざり合うことで、白色の光が照明装置1から出射される。なお、蛍光体の種類や発光素子22の種類は例示をしたものに限定されるわけではなく、照明装置1の用途などに応じて所望の発光色が得られるように適宜変更することができる。
【0035】
接合部28は、包囲壁部材26と、基体21とを接合する。
接合部28は、膜状を呈し、包囲壁部材26と、基体21と、の間に設けられている。 接合部28は、例えば、シリコーン系接着剤やエポキシ系接着剤を硬化させることで形成されたものとすることができる。
【0036】
制御素子29は、配線パターン24の上に、半田部33を介して設けられている。すなわち、制御素子29は、配線パターン24の上に半田付けされている。
制御素子29は、逆方向電圧が発光素子22に印加されないようにするため、および、逆方向からのパルスノイズが発光素子22に印加されないようにするために設けられている。
制御素子29は、例えば、ダイオードとすることができる。制御素子29は、例えば、表面実装型のダイオードや、リード線を有するダイオードなどとすることができる。
図3に例示をした制御素子29は、表面実装型のダイオードである。
【0037】
制御素子52は、配線パターン24の上に設けられている。
制御素子52は、発光ダイオードの断線の検出や、誤点灯防止などのために設けられている。制御素子52は、プルダウン抵抗である。
制御素子52は、スクリーン印刷法などを用いて形成された膜状の抵抗器とすることができる。
制御素子52は、例えば、酸化ルテニウムを用いて形成された膜状の抵抗器とすることができる。
【0038】
被覆部51は、配線パターン24の一部、膜状の抵抗器である制御素子23、および膜状の抵抗器である制御素子52を覆うように設けられている。
なお、制御素子29および発光素子22が設けられる領域、配線25が接続される領域、および給電端子31が接続される領域には被覆部51が設けられていない。
例えば、被覆部51は、制御素子29が半田付けされる領域35は覆っていない。
被覆部51は、水分やガスなどが配線パターン24、制御素子23、および制御素子52に接触するのを抑制するため、および、電気絶縁性を確保するために設けられている。 被覆部51は、ガラス材料を含むものとすることができる。
【0039】
前述したように、配線パターン24は、例えば、銀を主成分とする材料から形成されている。そのため、高湿条件下における通電によりマイグレーションが発生する場合がある。例えば、対峙する半田部33同士の間などにおいて短絡が発生する場合がある。
そのため、マイグレーションの抑制や、半田の濡れ性の向上のために、配線パターン24を覆う金属膜34が設けられている。
また、配線パターン24が、例えば、銅を主成分とする材料から形成される場合は、高温条件下や硫黄成分が多い雰囲気下で使用されると、酸化や硫黄との反応が早くなり、半田の濡れ性が低下する場合がある。そのため、配線パターン24を覆う金属膜34が設けられている。
【0040】
金属膜34は、半田付けされる領域35に設けられ、配線パターン24を覆っている。 金属膜34は、例えば、ニッケルからなる膜と金からなる膜とを少なくとも有する積層膜とすることができる。金属膜34は、例えば、ニッケルからなる膜と金からなる膜がこの順で積層された積層膜、ニッケルからなる膜とパラジウムからなる膜と金からなる膜がこの順で積層された積層膜などとすることができる。
金属膜34は、例えば、無電解めっき法を用いて、半田付けがされる領域35に形成されている。
【0041】
給電部30には、複数の給電端子31が設けられている。
複数の給電端子31は、収納部11およびフランジ部12の内部を伸びている。複数の給電端子31の一方の端部は、フランジ部12の凸部12bから突出し、配線パターン24の入力端子24aと電気的に接続されている。複数の給電端子31の他方の端部は、照明装置1の背面側において、ソケット10から露出している。
【0042】
なお、給電端子31の数、配置、形態などは例示をしたものに限定されるわけではなく、適宜変更することができる。
また、給電部30は、図示しない基板や、コンデンサや抵抗などの回路部品を備えたものとすることもできる。なお、図示しない基板や回路部品は、例えば、収納部11の内側や、フランジ部12の内部などに設けることができる。
【0043】
コネクタ40は、ソケット10から露出している複数の給電端子31の端部に嵌め合わされる。
コネクタ40には、図示しない電源などが電気的に接続されている。
そのため、コネクタ40を給電端子31の端部に嵌め合わせることで、図示しない電源などと、発光素子22とが電気的に接続される。
コネクタ40は、例えば、接着剤などを用いてソケット10側の要素に接合することができる。
【0044】
次に、フランジ部12の凸部12bと凹部12c、凸部14、および凸部15についてさらに説明する。
前述したように、ソケット10は、発光モジュール20および給電部30などを収納する機能と、発光モジュール20や給電部30で発生した熱を照明装置1の外部に放出する機能とを有する。
そのため、熱を外部に放出することを考慮して、ソケット10は熱伝導率の高い材料から形成されている。
【0045】
熱伝導率の高い材料としてはアルミニウムなどの金属があるが、金属を用いてソケット10を形成すると、重量の増加や製造コストの増加を招くことになる。
また、一般的な樹脂材料を用いてソケット10を形成すると、軽量化を図ることができるが、放熱性が悪くなる。
【0046】
そのため、ソケット10の材料は、いわゆる熱伝導性樹脂としている。
熱伝導性樹脂は、例えば、カーボンなどからなるフィラーを含ませることで熱伝導率を高めた樹脂とすることができる。
この場合、フィン13などの熱を外部に放出する部分を熱伝導性樹脂から形成し、その他の部分を樹脂などから形成することもできる。
また、熱伝導性樹脂が導電性を有するものの場合には、給電端子31と、熱伝導性樹脂からなる要素との間の電気絶縁性を確保するために、給電端子31の周囲を絶縁材料からなる絶縁部で覆い、更に、絶縁部の周囲に熱伝導性樹脂からなる要素が設けられるようにすることができる。
【0047】
ここで、フィラーの含有量を多くすれば熱伝導率を高くすることができる。ところが、フィラーの含有量を多くすれば脆くなり、外力に対する耐性(機械的な強度)が低下する。
フィン13は、フィン13同士の間を空気が流れやすくなるように、板状とされている。そして、フィン13とフランジ部12などとを一体に成形する場合には、成形時のヒケ(凹み、変形)を抑制するために、フィン13の厚みをある程度薄くする必要がある。そのため、熱伝導性樹脂を用いてフィン13を成形した場合には、フィン13の外力に対する耐性が低くなり、フィン13とフランジ部12との接合部分(フィン13の根元)などに割れなどが発生しやすくなる。
そこで、本実施の形態においては、フィン13およびフランジ部12と接合される凸部14を設けるようにしている。
【0048】
また、前述したように、発光モジュール20は、収納部11の内側に設けられる。
そのため、発光素子22から出射した光が、収納部11や収納部11の側壁に設けられた取り付け部16により遮られやすくなる。
この場合、発光モジュール20の取り付け位置を照明装置1の前面側に寄せると、発光素子22から出射した光が、収納部11や取り付け部16により遮られるのを抑制することができる。
そのため、基部12aから照明装置1の前面側に向けて突出する凸部12bを設け、凸部12bに発光モジュール20を設けるようにしている。すなわち、凸部12bを設けて、発光モジュール20の取り付け位置を照明装置1の前面側に寄せるようにしている。
【0049】
ところが、凸部12bを設けるようにすると、凸部12bの分だけフランジ部12の厚みが厚くなり、重量の増加や材料費の増大などを招くことになる。
そのため、照明装置1の背面側にある基部12aの面12a2に凹部12cを設けて、重量や材料費の抑制を図るようにしている。
【0050】
しかしながら、凹部12cの内部では、空気の流れが生じにくくなるので、凹部12cの内部に熱が滞留して放熱性が悪化するおそれがある。
そこで、本実施の形態においては、凹部12cの内部に、フィン13と接合される凸部15を設けるようにしている。
【0051】
図4は、凸部14および凸部15を例示するための模式斜視図である。
なお、
図4は、照明装置1を背面側(発光モジュール20が設けられる側とは反対の側)から見た図である。
図5は、
図4におけるA−A線断面図である。
図6(a)〜(c)は、凸部14の断面形状を例示するための模式断面図である。
【0052】
図4および
図5に示すように、凸部14は、照明装置1の背面側にある基部12aの面12a2から突出し、フィン13と接合されている。
この場合、凸部14は、一のフィン13と、一のフィン13に隣接する他のフィン13との間に設けられるようにすることができる。
そして、凸部14は、一のフィン13および他のフィン13の少なくともいずれかと接合されているようにすることができる。
すなわち、フィン13の根元側には凸部14が接合されている。
そのため、フィン13の外力に対する耐性を向上させることができる。
この場合、フィン13が伸びる方向と、凸部14が伸びる方向を交差させることもできる。この様にすれば、フィン13の外力に対する耐性をさらに向上させることができる。
【0053】
また、凸部14は、熱源である発光モジュール20が設けられるフランジ部12と接合されている。
そのため、凸部14は、放熱フィンとしても機能する。
凸部14を設けるようにすれば、放熱性を向上させることができる。
【0054】
ここで、フィン13の近傍には自然対流などにより空気の流れが形成される。そのため、凸部14により空気の流れが妨げられると、放熱性の向上が図れなくなるおそれがある。
この場合、フィン13とフィン13の間に凸部14を設けると、フィン13同士の間における空気の流れが妨げられやすくなる。
【0055】
そこで、凸部14の頂面14aの位置は、フィン13の頂面13aの位置よりもフランジ部12側にあるようになっている。すなわち、凸部14の高さは、フィン13の高さよりも低くなっている。
この様にすれば、凸部14を設けるようにしても、フィン13の近傍における空気の流れが妨げられるのを抑制することができる。
その結果、放熱性の向上を図ることができる。
【0056】
また、
図5に示すように、凸部14は、フィン13と交差する面14b1(第3の面の一例に相当する)と、面14b1と対峙する面14b2(第4の面の一例に相当する)とを有している。
面14b1および面14b2の少なくともいずれかは、凸部14の頂面14aに向かうに従い、面14b1と面14b2との間の距離が漸次短くなるように傾斜している。
すなわち、面14b1および面14b2の少なくともいずれかは、傾斜面となっている。
【0057】
この場合、
図6(a)に示すように、面14b1および面14b2の両方を傾斜面とすることができる。
面14b1および面14b2の両方を傾斜面とする場合には、傾斜方向が互いに逆向きとなるようにする。
また、
図6(b)、(c)に示すように、面14b1または面14b2を傾斜面とすることもできる。
【0058】
また、凸部14が複数設けられる場合には、複数の凸部14のそれぞれの面14b1は、同じ方向に傾斜しているようにすることができる。複数の凸部14のそれぞれの面14b2は、同じ方向に傾斜しているようにすることができる。
【0059】
傾斜面を設けるようにすれば、空気の流れに乱流が発生するのを抑制することができる。
そのため、空気の流れを円滑にすることができるので、放熱性を向上させることができる。
【0060】
この場合、
図6(b)、(c)に示すように、空気の流れ方向100における上流側の面が傾斜面となるようにすることができる。
なお、空気の流れ方向100は、照明装置1の取り付け形態や、照明装置1が取り付けられる環境などの影響を受ける。
そのため、
図6(a)に示すように、互いに対峙する2つの面(面14b1および面14b2)を傾斜面とし、傾斜方向が互いに逆向きとなるようにすれば、予め空気の流れ方向100が分からなかったり、空気の流れ方向100が変化したりする場合であっても対応が可能となる。
【0061】
また、
図4および
図5に示すように、凸部15は、凹部12cの内部に設けられている。
また、凸部15の先端は、照明装置1の背面側にある基部12aの面12a2から突出している。凸部15は、フィン13と接合されている。
この場合、凸部15は、一のフィン13と、一のフィン13に隣接する他のフィン13との間に設けられるようにすることができる。
そして、凸部15は、一のフィン13および他のフィン13の少なくともいずれかと接合されているようにすることができる。
すなわち、フィン13の根元側には凸部15が接合されている。
そのため、フィン13の外力に対する耐性を向上させることができる。
この場合、フィン13が伸びる方向と、凸部15が伸びる方向を交差させることもできる。この様にすれば、フィン13の外力に対する耐性をさらに向上させることができる。
【0062】
前述したように、凹部12cの内部では、空気の流れが生じにくくなるので、凹部12cの内部に熱が滞留しやすくなる。
この場合、凹部12cの内部に凸部15を設け、凸部15をフィン13と接合すれば、凹部12cの内部の熱をフィン13に逃がすことができる。
この様に、凸部15は、熱伝達部および放熱フィンとしても機能する。
そのため、凸部15を設けるようにすれば、凹部12cの内部の熱を逃がすことができるので、放熱性を向上させることができる。
【0063】
また、前述した凸部14と同様に、凸部15の頂面15aの位置は、フィン13の頂面13aの位置よりもフランジ部12側にあるようになっている。
この様にすれば、凸部15を設けるようにしても、フィン13の近傍における空気の流れが妨げられるのを抑制することができる。
この場合、凸部15の突出方向(高さ方向)における凸部15の頂面15aの位置は、凸部14の頂面14aの位置と同じとなるようにすることができる。
この様にすれば、空気の流れに乱流が発生するのを抑制することができる。
そのため、空気の流れを円滑にすることができるので、放熱性をさらに向上させることができる。
【0064】
また、
図5に示すように、凸部15は、フィン13と交差する面15b1(第1の面の一例に相当する)と、面15b1と対峙する面15b2(第2の面の一例に相当する)とを有している。
面15b1および面15b2の少なくともいずれかは、凸部15の頂面15aに向かうに従い、面15b1と面15b2との間の距離が漸次短くなるように傾斜している。
すなわち、面15b1および面15b2の少なくともいずれかは、傾斜面となっている。
【0065】
また、
図6(a)において例示をした凸部14と同様に、面15b1および面15b2の両方を傾斜面とすることができる。
面15b1および面15b2の両方を傾斜面とする場合には、傾斜方向が互いに逆向きとなるようにする。
また、
図6(b)、(c)において例示をした凸部14と同様に、面15b1または面15b2を傾斜面とすることもできる。
【0066】
また、凸部15が複数設けられる場合には、複数の凸部15のそれぞれの面15b1は、同じ方向に傾斜しているようにすることができる。複数の凸部15のそれぞれの面15b2は、同じ方向に傾斜しているようにすることができる。
【0067】
傾斜面を設けるようにすれば、空気の流れに乱流が発生するのを抑制することができる。
そのため、空気の流れを円滑にすることができるので、放熱性を向上させることができる。
【0068】
この場合、
図6(b)、(c)において例示をした凸部14と同様に、空気の流れ方向100における上流側の面が傾斜面となるようにすることができる。
なお、空気の流れ方向100は、照明装置1の取り付け形態や、照明装置1が取り付けられる環境などの影響を受ける。
そのため、
図6(a)において例示をした凸部14と同様に、互いに対峙する2つの面(面15b1および面15b2)を傾斜面とし、傾斜方向が互いに逆向きとなるようにすれば、予め空気の流れ方向100が分からなかったり、空気の流れ方向100が変化したりする場合であっても対応が可能となる。
【0069】
以上、本発明のいくつかの実施形態を例示したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。これら実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。