【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために請求項1の本発明は、ドアフレームに取付けられ、車体開口部周縁とドアとの間をシールするガラスランにおいて、
ガラスランは、押出成形により形成され、ドアフレームの上辺に取付けられる上辺部と、押出成形により形成され、ドアフレームの縦辺に取付けられる縦辺部と、型成形により形成され、上辺部と縦辺部とを接続してドアフレームのコーナー部に取付けられるコーナー部とから形成され、
上辺部は、ドアガラスをシールするガラスラン部と、ドアフレームに取付けられるトリム部が一体的に形成され、
ガラスラン部は、車外側側壁、車内側側壁及びガラスラン部底壁からなる断面略コ字状をなすとともに、車外側側壁及び車内側側壁の先端から断面略コ字状の内部方向斜めにそれぞれ車外側シールリップと車内側シールリップを延設し、
トリム部は、ガラスラン側側壁、ボディー側側壁及びトリム部底壁からなる断面略コ字状をなし、
上辺部のボディー側側壁には、車体開口部周縁と当接する上辺トリム部シールリップが形成され、
コーナー部は、ガラスラン部とトリム部が一体的に形成され、上辺部と接続する上辺接続部と、縦辺部と接続する縦辺接続部を有し、
コーナー部の上辺接続部には、トリム部に車体開口部周縁と当接するコーナートリム部シールリップが形成され、
コーナー部の上辺接続部と上辺部は接続面が長手方向に対して傾斜し
、上辺トリム部シールリップとコーナートリム部シールリップは、接続面が長手方向に対して傾斜していることを特徴とするガラスランである。
【0013】
請求項1の本発明では、上辺部は、ドアガラスをシールするガラスラン部と、ドアフレームに取付けられるトリム部が一体的に形成される。このため、ガラスラン部及びトリム部を同時に押出成形することができ、製造が容易である。また、ガラスラン部及びトリム部を合わせた寸法を小さくすることができ、ドアの上辺部をすっきりさせることができ、美観を向上させることができる。
【0014】
ガラスラン部は、車外側側壁、車内側側壁及びガラスラン部底壁からなる断面略コ字状をなすとともに、車外側側壁及び車内側側壁の先端から断面略コ字状の内部方向斜めにそれぞれ車外側シールリップと車内側シールリップを延設する。このため、ガラスラン部でドアガラスの昇降を案内するとともに、車外側シールリップと車内側シールリップで保持して、外周部をシールすることができる。
【0015】
トリム部は、ガラスラン側側壁、ボディー側側壁及びトリム部底壁からなる断面略コ字状をなしている。このため、ガラスラン側側壁、ボディー側側壁及びトリム部底壁からなる断面略コ字状の部分でドアフレームの先端を挟持して、ガラスランを取付けることができ、ドアガラスが昇降しても、ガラスラン部がドアガラスのシールを確実にすることができる。
上辺部のボディー側側壁には、車体開口部周縁と当接する上辺トリム部シールリップが形成されている。このため、上辺トリム部シールリップは、ドア閉時に車体開口部周縁と当接して、ドアと車体開口部周縁とのシールをすることができる。
【0016】
コーナー部は、ガラスラン部とトリム部が一体的に形成され、上辺部と接続する上辺接続部と、縦辺部と接続する縦辺接続部を有し、上辺接続部には、トリム部に車体開口部周縁と当接するコーナートリム部シールリップが形成されている。このため、コーナー部のガラスラン部とトリム部により上辺部と縦辺部のガラスラン部とトリム部を加硫接着することができる。コーナートリム部シールリップによりコーナー部における車体開口部周縁とドアフレームの間をシールすることができる。
コーナー部の上辺接続部には、トリム部に車体開口部周縁と当接するコーナートリム部シールリップが形成されている。このため、コーナートリム部シールリップは、ドア閉時に車体開口部周縁と当接して、ドアのコーナー部と車体開口部周縁のコーナー部とのシールをすることができる。
【0017】
コーナー部の上辺接続部と上辺部は接続面が長手方向に対して傾斜している。このため、接続面の面積を大きくして接続強度を大きくするとともに、接続面に対する応力が剥がれ方向とせん断方向とに分かれるため、接続面での剥がれが抑制されることができる。
上辺トリム部シールリップとコーナートリム部シールリップは、接続面が長手方向に対して傾斜している。このため、上辺トリム部シールリップとコーナートリム部シールリップの接続面の面積を大きくして接続強度を大きくするとともに、接続面に対する応力が剥がれ方向とせん断方向とに分かれるため、接続面での上辺トリム部シールリップとコーナートリム部シールリップの剥がれが抑制されることができる。
【0021】
請求項2の本発明は、上辺トリム部シールリップは、コーナートリム部シールリップの剛性よりも大きく形成されたガラスランである。
【0022】
請求項2の本発明では、上辺トリム部シールリップは、コーナートリム部シールリップの剛性よりも大きく形成されているため、コーナー部の型成形が容易であるとともに、接続面で剛性が異なっても接続面が長手方向に対して傾斜していため、接続面の面積を大きくして接続強度を大きくすることができ、接続面の剥離を防止できる。
【0023】
請求項3の本発明は、上辺トリム部シールリップとコーナートリム部シールリップの接続面は、上辺トリム部シールリップの根元部は、上辺トリム部シールリップの先端部よりもコーナートリム部シールリップ側に入り込んで傾斜して形成されているガラスランである。
【0024】
請求項3の本発明では、上辺トリム部シールリップとコーナートリム部シールリップの接続面は、上辺トリム部シールリップの根元部は、上辺トリム部シールリップの先端部よりもコーナートリム部シールリップ側に入り込んで傾斜して形成されている。このため、コーナー部を型成形するときに、ガラスランの上辺部の長手方向の先端を金型に挟持するが、上辺トリム部シールリップの幅方向の先端は根元部から序変しつつ保持されているので、型成形の材料の流れによっても、上辺トリム部シールリップを変形することなく接続することができる。
【0025】
請求項4の本発明は、上辺トリム部シールリップの車体開口部周縁と当接する面には、低摺動層が形成されているガラスランである。
【0026】
請求項4の本発明では、上辺トリム部シールリップの車体開口部周縁と当接する面には、低摺動層が形成されているため、ドア開閉時の異音発生が抑制される。
【0027】
請求項5の本発明は、コーナー部の上部接続面では、上辺部のガラスラン部の車外側側壁及びトリム部底壁と、コーナー部のガラスラン部の車外側側壁及びトリム部底壁は、接続面が長手方向に対して傾斜しているガラスランである。
【0028】
請求項5の本発明は、コーナー部の上部接続面では、上辺部のガラスラン部の車外側側壁及びトリム部底壁と、コーナー部のガラスラン部の車外側側壁及びトリム部底壁は、接続面が長手方向に対して傾斜している。このため、上辺部のガラスラン部の車外側側壁及びトリム部底壁と、コーナー部のガラスラン部の車外側側壁及びトリム部底壁の接続面の面積を大きくして接続強度を大きくするとともに、接続面に対する応力が剥がれ方向とせん断方向とに分かれるため、接続面での上辺部のトリム部底壁とコーナー部の上辺接続部のトリム部底壁の剥がれが抑制されることができる。
【0029】
請求項6の本発明は、上辺トリム部シールリップとコーナートリム部シールリップの接続面及び上辺部のトリム部底壁とコーナー部の上辺接続部のトリム部底壁の接続面は、傾斜角度が15〜45度傾斜しているガラスランである。
【0030】
請求項6の本発明では、上辺トリム部シールリップとコーナートリム部シールリップの接続面及び上辺部のトリム部底壁とコーナー部の上辺接続部のトリム部底壁の接続面は、傾斜角度が15〜45度傾斜しているため、接続面の面積を充分に大きくして接続強度を大きくするとともに、接続面に対する応力が剥がれ方向とせん断方向とに適切に分かれるため、接続面での剥がれが抑制されることができる。
傾斜角度が15度未満の場合には、接続面が長手方向に傾斜して広がりすぎて、成形の手間がかかり、傾斜角度が45度を超える場合には、接続面の面積が小さくなり、接続面の強度が不十分となる。
【0031】
請求項7の本発明は、トリム部のガラスラン側側壁とガラスラン部のガラスラン部底壁は、合体して形成されたガラスランである。
【0032】
請求項7の本発明では、トリム部のガラスラン側側壁とガラスラン部のガラスラン部底壁は、合体して形成されたため、ガラスラン側側壁とガラスラン部底壁の合計の厚さを薄くすることができ、ガラスランの軽量化に貢献することができる。また、ガラスランの寸法を小さくすることができる。
【0033】
請求項8の本発明は、トリム部のトリム部底壁とガラスラン部の車外側側壁の外面に上辺部から連続して装飾部材が設けられたガラスランである。
【0034】
請求項8の本発明では、トリム部のトリム部底壁とガラスラン部の車外側側壁の外面に上辺部から連続して装飾部材が設けられたため、ドアフレームの上辺部分の美観を向上させることができる。