(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
各ユーザから生体情報を取得する生体情報取得装置の近傍に設置されている設置装置から所定の距離以内に位置するユーザ携帯端末各々から、前記ユーザの識別情報を取得するユーザ情報取得手段と、
複数の前記ユーザ各々に対応する複数の登録生体情報を格納する格納装置から、前記ユーザ情報取得手段が取得した前記ユーザの識別情報に対応する前記登録生体情報を抽出する抽出手段と、
前記生体情報取得装置から、前記生体情報を取得する生体情報取得手段と、
認証処理時に抽出されている前記登録生体情報と、前記生体情報取得手段が取得した前記生体情報とに基づいて、認証処理を行う認証手段と、
を有し、
前記ユーザ情報取得手段は、前記ユーザ携帯端末各々の前記設置装置からの距離を示す距離情報をさらに取得し、
前記抽出手段が抽出した前記登録生体情報を、前記距離情報に基づき、距離に応じた複数のグループに分ける距離毎グループ化手段をさらに有し、
前記認証手段は、認証処理時に最も距離が小さいグループに属する前記登録生体情報と、前記生体情報取得手段が取得した前記生体情報とに基づいて、認証処理を行う認証装置。
各ユーザから生体情報を取得する生体情報取得装置の近傍に設置されている設置装置から所定の距離以内に位置するユーザ携帯端末各々から、前記ユーザの識別情報を取得するユーザ情報取得手段と、
複数の前記ユーザ各々に対応する複数の登録生体情報を格納する格納装置から、前記ユーザ情報取得手段が取得した前記ユーザの識別情報に対応する前記登録生体情報を抽出する抽出手段と、
前記生体情報取得装置から、前記生体情報を取得する生体情報取得手段と、
認証処理時に抽出されている前記登録生体情報と、前記生体情報取得手段が取得した前記生体情報とに基づいて、認証処理を行う認証手段と、
を有し、
前記ユーザ情報取得手段は、前記ユーザ携帯端末から所定の距離以内に位置する前記設置装置の識別情報をさらに取得し、
前記抽出手段が抽出した前記登録生体情報を、前記設置装置の識別情報に基づき、前記設置装置の識別情報毎に複数のグループに分ける設置装置毎グループ化手段をさらに有し、
前記生体情報取得手段は、前記生体情報取得装置から、前記生体情報及び近傍に設置されている前記設置装置の識別情報を取得し、
前記認証手段は、前記生体情報取得手段が取得した前記設置装置の識別情報に対応するグループに属する前記登録生体情報と、前記生体情報取得手段が取得した前記生体情報とに基づいて、認証処理を行う認証装置。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について説明する。本実施形態の各装置及び各端末が備える各部は、任意のコンピュータのCPU(Central Processing Unit)、メモリ、メモリにロードされたプログラム(あらかじめ装置を出荷する段階からメモリ内に格納されているプログラムのほか、CD(Compact Disc)等の記憶媒体やインターネット上のサーバ等からダウンロードされたプログラムも含む)、そのプログラムを格納するハードディスク等の記憶ユニット、ネットワーク接続用インタフェイスを中心にハードウエアとソフトウエアの任意の組合せによって実現される。そして、その実現方法、装置にはいろいろな変形例があることは、当業者には理解されるところである。
【0014】
以下の実施形態の説明において利用する機能ブロック図は、ハードウエア単位の構成ではなく、機能単位のブロックを示している。これらの図においては、各装置及び各端末は1つの機器により実現されるよう記載されているが、その実現手段はこれに限定されない。すなわち、物理的に分かれた構成であっても、論理的に分かれた構成であっても構わない。なお、同一の構成要素には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0015】
<<第1の実施形態>>
まず、
図1を用いて、生体認証において、認証精度や認証の処理速度を向上させることが可能となる本実施形態の認証システムの全体像について説明する。
【0016】
本実施形態の認証システムは、生体情報取得装置10、設置装置20、ユーザ携帯端末30、認証装置40、および、格納装置50の中の少なくとも一つを有する。
【0017】
生体情報取得装置10は、生体認証が必要なスポット(場所)に設置される。このようなスポットとしては、例えば、認証されたユーザのみが入室できる部屋の入口(例:ドア)や、認証されたユーザのみが通過できるゲート等が考えられるが、これらに限定されない。
【0018】
生体情報取得装置10は、設置されたスポットで、ユーザの顔画像、指紋、声紋、虹彩等の生体データを取得する。生体情報取得装置10は、取得した生体データから所定の特徴量を抽出できてもよい。このようにして、生体情報取得装置10は、生体データ及び/又は特徴量を含む生体情報を取得する。
【0019】
格納装置50には、予め登録された登録生体情報が格納されている。すなわち、格納装置50には、上記スポットで認証される(例:通過が許可される)1人又は複数のユーザ各々の生体情報(登録生体情報)が登録されている。
【0020】
認証装置40は、生体情報取得装置10と有線及び/又は無線で繋がり、通信可能となっている。また、認証装置40は、格納装置50と有線及び/又は無線で繋がり、通信可能となっている。さらに、認証装置40は、ユーザ携帯端末30と、インターネット等のネットワーク1を介して有線及び/又は無線で繋がり、通信可能となっている。なお、図では、認証装置40と格納装置50の接続、認証装置40と生体情報取得装置10の接続、認証装置40とユーザ携帯端末30の接続は、各々異なるネットワークで実現されているが、同じネットワークで実現されても構わない。
【0021】
認証装置40は、生体情報取得装置10から生体情報を取得する。そして、認証装置40は、生体情報取得装置10から取得した生体情報と、格納装置50に格納されている登録生体情報とを用いて、生体情報取得装置10に生体情報を入力したユーザの認証処理を行う。
【0022】
なお、認証装置40は、格納装置50に登録されている登録生体情報の全てを毎回用いて認証処理を行うのでなく、ユーザ携帯端末30から取得した情報を用いて絞り込まれた一部の登録生体情報のみを用いて認証処理を行う。
【0023】
具体的には、各ユーザに携帯されるユーザ携帯端末30には、各ユーザの識別情報が記憶されている。そして、認証装置40は、生体情報取得装置10の近くに位置するユーザ携帯端末30から、ネットワーク1を介して、当該ユーザの識別情報を取得する。例えば、生体情報取得装置10の近傍に設置された設置装置20と、ユーザ携帯端末30とは、互いの距離が所定値以下になると、通信距離が所定値以下である所定の無線通信規格で通信を行うように構成される。そして、ユーザ携帯端末30は、設置装置20との上記無線通信が行われると、それに応じて、ユーザの識別情報を認証装置40に送信する。
【0024】
認証装置40は、ユーザ携帯端末30から受信したユーザの識別情報に基づいて、格納装置50から一部の登録生体情報を抽出する。具体的には、ユーザ携帯端末30から取得したユーザの識別情報で特定されるユーザの登録生体情報を抽出する。このようにすれば、生体情報取得装置10の近くに位置するユーザの登録生体情報を予め抽出することができる。そして、認証装置40は、生体情報取得装置10から生体情報を取得すると、生体情報取得装置10から取得した生体情報と、その時点で抽出されている登録生体情報とを用いて、認証処理を行う。
【0025】
このように、本実施形態の認証装置40は、生体情報取得装置10の近くに位置するユーザ携帯端末30から取得した情報に基づいて、格納装置50に登録されている多数の登録生体情報の中から、生体情報取得装置10の近くに位置するユーザの登録生体情報を抽出することができる。そして、認証処理の時点で抽出されている登録生体情報のみを用いて、認証処理を行うことができる。
【0026】
このような本実施形態によれば、生体情報取得装置10が取得した生体情報各々を用いた認証処理において利用される登録生体情報の数を小さくすることができる。結果、認証精度や認証の処理速度を向上させることができる。
【0027】
以下、各装置の構成について説明する。
【0028】
<生体情報取得装置10>
生体情報取得装置10は、カメラ、マイク、指紋入力装置等の装置を備え、ユーザの顔画像、指紋、声紋、虹彩等の生体データを取得する。なお、生体情報取得装置10は、その他の生体データを取得してもよい。生体情報取得装置10は、さらに、当該生体データから予め定められた所定のアルゴリズムにより、所定の特徴量を抽出するよう構成されてもよい。生体情報取得装置10は、生体データ及び上記特徴量の少なくとも一方を含む生体情報を取得すると、例えばリアルタイム処理で、当該生体情報を、有線及び/又は無線での通信により認証装置40に送信する。
【0029】
<設置装置20>
図2に、設置装置20の機能ブロック図の一例を示す。図示するように、設置装置20は、検知情報送信部21を有する。
【0030】
検知情報送信部21は、定期的に又は間欠的に、自装置からの距離が所定の距離以内に位置するユーザ携帯端末30に、無線通信で検知情報を送信する。検知情報には、設置装置20の識別情報が含まれてもよい。
【0031】
例えば、検知情報送信部21は、通信距離が所定の距離以内である所定の無線通信規格を用いて、自装置から所定の距離以内の通信エリア(
図1の通信エリア20A)内に、定期的に又は間欠的に検知情報を送信する。そして、当該通信エリア(
図1の通信エリア20A)内に位置するユーザ携帯端末30は、当該検知情報を受信することとなる。無線通信規格は、ブルートゥース規格や無線LAN(Local Area Network)規格等が挙げられるがこれらに限定されない。設置装置20は、例えば、いわゆるビーコン端末や無線LANアクセスポイントであってもよいが、これらに限定されない。
【0032】
なお、
図1に示す通り、設置装置20は、生体情報取得装置10の近傍に設置される。そして、本実施形態では、設置装置20の近くにいるユーザを、生体情報取得装置10の近くにいるユーザとして扱う。このため、設置装置20は、生体情報取得装置10にできるだけ近づけて設置されるのが好ましい。生体情報取得装置10と設置装置20との距離は、例えば、3m以内、好ましくは1m以内、さらに好ましくは0.5m以内である。
【0033】
<ユーザ携帯端末30>
図3に、ユーザ携帯端末30の機能ブロック図の一例を示す。図示するように、ユーザ携帯端末30は、ユーザ情報記憶部31と、検知情報受信部32と、ユーザ情報送信部33とを有する。
【0034】
ユーザ情報記憶部31は、ユーザの識別情報を記憶する。ユーザの識別情報は、ユーザの名称、任意に定められた文字列(数字、記号等を含んでもよい)、ユーザ携帯端末30の端末ID等が考えられるが、これらに限定されない。
【0035】
検知情報受信部32は、設置装置20の検知情報送信部21と同じ規格で無線通信が可能である。そして、ユーザ携帯端末30が設置装置20と当該規格で無線通信可能なエリア(
図1の通信エリア20A)に入ると、すなわち、設置装置20から送信された検知情報が到達するエリア(
図1の通信エリア20A)にユーザ携帯端末30が入ると、検知情報受信部32は設置装置20から送信された検知情報を受信する。
【0036】
ユーザ情報送信部33は、検知情報受信部32が検知情報を受信すると、当該受信に応じて、ユーザ情報記憶部31に記憶されているユーザの識別情報を含むユーザ情報を、認証装置40に送信する。検知情報に、設置装置20の識別情報が含まれている場合、ユーザ情報送信部33はユーザ情報に当該設置装置20の識別情報を含めて認証装置40に送信してもよい。例えば、検知情報受信部32が検知情報を受信すると、ユーザ情報送信部33は、検知情報内の所定の位置にユーザ情報記憶部31に記憶されているユーザの識別情報を書き込み、それをユーザ情報として認証装置40に送信してもよい。
【0037】
ユーザ情報送信部33による通信手段は特段制限されないが、無線LANやインターネット等のネットワーク1を介した通信であってもよい。
【0038】
なお、通信エリア20A内にユーザ携帯端末30がいる間、検知情報受信部32は、設置装置20から定期的に又は間欠的に送信される検知情報を受信し続けることとなる。ユーザ情報送信部33は、検知情報受信部32が検知情報を受信すると、その都度、ユーザ情報を認証装置40に送信してもよい。または、ユーザ情報送信部33は、設置装置20から所定の時間よりも短い時間間隔で連続的に検知情報を受信した場合、2回目以降の受信時にはユーザ情報を送信しないように構成してもよい。この場合、ユーザ携帯端末30は、設置装置20からの検知情報の受信が所定時間以上途絶えると、その旨を示す情報(ユーザの識別情報を含む)を認証装置40に送信してもよい。これは、ユーザ携帯端末30が通信エリア20A外に出て行ったことを意味する。
【0039】
ユーザ携帯端末30は、例えば、スマートフォン等の携帯電話、タブレット端末、携帯ゲーム機等の既存の携帯端末に所定のアプリをインストールすることで上記機能を実現したものであってもよい。または、ユーザ携帯端末30は、本実施形態の認証システム専用に準備された端末であってもよい。
【0040】
<格納装置50>
格納装置50には、複数のユーザ各々に対応する複数の登録生体情報が格納(記憶)されている。すなわち、格納装置50には、認証装置40による認証処理で正当権限を有すると認証されるユーザ各々に対応する登録生体情報が格納されている。格納装置50に格納される登録生体情報は、ユーザの顔画像、指紋、声紋、虹彩等の生体データそのものであってもよいし、これらの生体データから抽出された所定の特徴量であってもよいし、これらの両方であってもよい。格納装置50は、例えば、不揮発性の記憶装置で構成される。
【0041】
登録生体情報は、格納装置50において、各ユーザの識別情報と対応付けられる。格納装置50において登録生体情報と対応付けられるユーザの識別情報は、ユーザ携帯端末30のユーザ情報記憶部31に記憶されるユーザの識別情報と同じであってもよいし、異なってもよい。異なる場合、認証装置40は、互いの識別情報を同じユーザのもの同士で結びつけるための対応付け情報を保持する。
【0042】
図4に、格納装置50が記憶する登録生体情報の一例を模式的に示す。図示する例では、ユーザID(ユーザの識別情報)と登録生体情報とが互いに対応付けられている。
【0043】
<認証装置40>
図5は、本実施形態の認証装置40のハードウエア構成の一例を概念的に示す図である。図示するように、本実施形態の認証装置40は、例えば、バス10Aで相互に接続されるCPU1A、RAM(Random Access Memory)2A、ROM(Read Only Memory)3A、表示制御部4A、ディスプレイ5A、操作受付部6A、操作部7A、通信部8A、補助記憶装置9A等を有する。なお、図示しないが、その他、外部機器と有線で接続される入出力インタフェイス、マイク、スピーカ等の他の要素を備えてもよい。また、図示する要素の一部を含まなくてもよい。
【0044】
CPU1Aは各要素とともに認証装置40のコンピュータ全体を制御する。ROM3Aは、コンピュータを動作させるためのプログラムや各種アプリケーションプログラム、それらのプログラムが動作する際に使用する各種設定データなどを記憶する領域を含む。RAM2Aは、プログラムが動作するための作業領域など一時的にデータを記憶する領域を含む。補助記憶装置9Aは、例えばHDD(Hard Disc Drive)であり、大容量のデータを記憶可能である。
【0045】
タッチパネルディスプレイ5Aは、表示装置(LED(Light Emitting Diode)表示器、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等)と、タッチパッドとが一体になっている。表示制御部4Aは、VRAM(Video RAM)に記憶されたデータを読み出し、読み出したデータに対して所定の処理を施した後、タッチパネルディスプレイ5Aに送って各種画面表示を行う。操作受付部6Aは、操作部7Aを介して各種操作を受付ける。操作部7Aは、操作キー、操作ボタン、スイッチ、ジョグダイヤル、タッチパネルディスプレイ、キーボードなどを含む。通信部8Aは、有線及び/又は無線で、インターネット、LAN等のネットワークに接続し、他の電子機器と通信する。
【0046】
図6に、認証装置40の機能ブロック図の一例を示す。図示するように、認証装置40は、ユーザ情報取得部41と、抽出部42と、生体情報取得部43と、認証部44とを有する。
【0047】
ユーザ情報取得部41は、生体情報取得装置10の近傍に設置されている設置装置20から所定の距離以内に位置するユーザ携帯端末30各々から、ユーザの識別情報を含むユーザ情報を取得する。すなわち、ユーザ情報取得部41は、ユーザ携帯端末30のユーザ情報送信部33から送信されてきたユーザ情報を受信する。なお、
図6において、ユーザ情報取得部41は、設置装置20又はユーザ携帯端末30からユーザ情報を受信することが示されている。ユーザ情報取得部41が設置装置20からユーザ情報を受信する実施形態は、以下で説明する。
【0048】
抽出部42は、格納装置50から、ユーザ情報取得部41が取得したユーザ情報に含まれるユーザの識別情報に対応する登録生体情報を抽出する。抽出された登録生体情報は、記憶部45(不図示)に記憶される。記憶部45は、例えば、揮発性の記憶装置で構成される。なお、記憶部45は、不揮発性の記憶装置で構成されてもよい。記憶部45に記憶されている登録生体情報の集合は、格納装置50に記憶されている登録生体情報の集合の部分集合である。
【0049】
図7に、記憶部45に記憶されている登録生体情報の一例を模式的に示す。図示する例では、ユーザIDと登録生体情報とが互いに対応付けられている。
【0050】
なお、抽出部42は、記憶部45を更新することができる。例えば、抽出部42は、ユーザ情報取得部41が新たにユーザ情報を取得すると、当該ユーザ情報に含まれるユーザの識別情報に対応する登録生体情報が記憶部45に記憶されているか確認する。そして、記憶されている場合、処理を終了する。一方、記憶されていない場合、格納装置50からそのユーザの識別情報に対応する登録生体情報を抽出し、記憶部45に格納する。
【0051】
また、抽出部42は、記憶部45に記憶されている登録生体情報を削除することもできる。例えば、ユーザ携帯端末30のユーザ情報送信部33は、検知情報受信部32が検知情報を受信すると、その都度、ユーザ情報を認証装置40に送信するよう構成される。この場合、抽出部42は、新たな受信が所定時間以上途絶えたユーザの識別情報を特定すると、当該ユーザの識別情報に対応する登録生体情報を、記憶部45から削除してもよい。ユーザの識別情報の受信が所定時間以上途絶えた場合、当該ユーザの識別情報を記憶しているユーザ携帯端末30が、通信エリア20A外に出て行ったことを意味する。
【0052】
その他の例として、例えば、ユーザ携帯端末30は、設置装置20からの検知情報の受信が所定時間以上途絶えた場合、その旨を示す情報(ユーザの識別情報を含む)を認証装置40に送信する。この場合、抽出部42は、当該情報の受信に応じて、当該ユーザの識別情報に対応する登録生体情報を、記憶部45から削除してもよい。検知情報の受信が所定時間以上途絶えた場合、当該ユーザの識別情報を記憶しているユーザ携帯端末30が、通信エリア20A外に出て行ったことを意味する。
【0053】
図6に戻り、生体情報取得部43は、生体情報取得装置10から、生体情報を取得する。例えば、生体情報取得装置10は生体情報を取得すると、リアルタイム処理で、当該生体情報を認証装置40に送信する。生体情報取得部43は、このように生体情報取得装置10から送信されてきた生体情報を受信する。生体情報取得部43が取得する生体情報は、ユーザの顔画像、指紋、声紋、虹彩等の生体データ、及び、当該生体データから抽出された特徴量の少なくとも一方を含む。
【0054】
認証部44は、生体情報取得部43が取得した生体情報各々を用いた認証処理時に抽出されている(記憶部45に記憶されている)登録生体情報と、生体情報取得部43が取得した生体情報とに基づいて、認証処理を行う。すなわち、認証部44は、生体情報取得部43が生体情報を取得すると、当該生体情報と、その時点で抽出部42に抽出され、記憶部45に記憶されている登録生体情報と用いた照合処理により、認証処理を行う。
【0055】
認証装置40は、認証部44による認証結果を出力する出力部(不図示)をさらに有してもよい。出力部は、有線及び/又は無線での通信により、認証結果を、生体認証が必要なスポット(場所)に設置された所定の装置に送信する。当該装置は、認証結果に基づいて、所定の処理を実行する。例えば、認証結果が「認証する」ものである場合、認証されたユーザのみが入室できる部屋の入口のロックを解除したり、認証されたユーザのみが通過できるゲートを開いたりするなどの処理を実行する。一方、認証結果が「認証しない」ものである場合、ディスプレイ、スピーカ、警告ランプ等の所定の出力装置を介して、その旨を示す情報を出力する。
【0056】
以上説明した本実施形態の認証システムによれば、認証装置40は、生体情報取得装置10の近くに位置するユーザ携帯端末30から取得した情報(各ユーザ携帯端末30を携帯しているユーザの識別情報)に基づいて、格納装置50に登録されている多数の登録生体情報の中から、生体情報取得装置10の近くに位置するユーザに関する登録生体情報を抽出することができる。そして、認証処理時に抽出されている登録生体情報のみを用いて、認証処理を行うことができる。
【0057】
このような本実施形態によれば、生体情報取得装置10が取得した生体情報各々を用いた認証処理において利用される登録生体情報の数を小さくすることができる。結果、認証精度や認証の処理速度を向上させることができる。なお、ユーザ携帯端末30に登録されたユーザの識別情報のみを用いた認証処理の場合、ユーザ携帯端末30を貸し渡す等により、容易になりすまし等の不正がなされてしまう。本実施形態では、生体情報を用いて認証処理を行うので、当該不都合の発生を抑制することができる。
【0058】
<第2の実施形態>
まず、
図8を用いて、本実施形態の認証システムの全体像について説明する。本実施形態の認証システムでは、ユーザ携帯端末30がユーザの識別情報を含む検知情報を通信エリア30A内に送信し、当該通信エリア30A内に位置する設置装置20が当該検知情報を受信する。そして、検知情報を受信した設置装置20は、当該受信に応じて、ユーザの識別情報を含むユーザ情報を認証装置40に送信する。本実施形態の認証システムは、当該点で、第1の実施形態と異なる。以下、詳細に説明する。なお、生体情報取得装置10、格納装置50の構成は、第1の実施形態と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0059】
<ユーザ携帯端末30>
図9に、本実施形態のユーザ携帯端末30の機能ブロック図の一例を示す。図示するように、ユーザ携帯端末30は、ユーザ情報記憶部31と、検知情報送信部34とを有する。ユーザ情報記憶部31の構成は、第1の実施形態と同様である。ユーザ携帯端末30は、第1の実施形態と同様、ユーザに携帯される。
【0060】
検知情報送信部34は、定期的に又は間欠的に、自装置からの距離が所定の距離以内に位置する設置装置20に、無線通信で検知情報を送信する。検知情報には、ユーザ情報記憶部31に記憶されているユーザの識別情報が含まれる。
【0061】
例えば、検知情報送信部34は、通信距離が上記所定の距離以内である所定の無線通信規格を用いて、自端末から上記所定の距離以内の通信エリア(
図8の通信エリア30A)内に、定期的に又は間欠的に検知情報を送信する。そして、当該通信エリア(
図8の通信エリア30A)内に位置する設置装置20は、当該検知情報を受信することとなる。無線通信規格は、ブルートゥース規格や無線LAN規格等が挙げられるがこれらに限定されない。ユーザ携帯端末30は、例えば、スマートフォン等の携帯電話、タブレット端末、携帯ゲーム機等の既存の携帯端末に所定のアプリをインストールすることで上記機能を実現したものであってもよい。または、ユーザ携帯端末30は、本実施形態の認証システム専用に準備された端末、例えばビーコン端末であってもよい。
【0062】
<設置装置20>
図10に、本実施形態の設置装置20の機能ブロック図の一例を示す。図示するように、設置装置20は、検知情報受信部22と、ユーザ情報送信部23とを有する。設置装置20は、第1の実施形態と同様、生体情報取得装置10の近傍に設置される。
【0063】
検知情報受信部22は、ユーザ携帯端末30の検知情報送信部34と同じ規格で無線通信が可能である。そして、ユーザ携帯端末30の移動により、当該ユーザ携帯端末30と当該規格で無線通信可能なエリア(
図8の通信エリア30A)に設置装置20が入ると、すなわち、ユーザ携帯端末30から送信された検知情報が到達するエリア(
図8の通信エリア30A)に設置装置20が入ると、検知情報受信部22はユーザ携帯端末30から送信された検知情報を受信する。
【0064】
ユーザ情報送信部23は、検知情報受信部22が検知情報を受信すると、当該受信に応じて、当該検知情報に含まれているユーザの識別情報を含むユーザ情報を、認証装置40に送信する。なお、ユーザ情報送信部23は、ユーザ情報に、自装置の識別情報(設置装置20の識別情報)を含めて認証装置40に送信してもよい。例えば、検知情報受信部22が検知情報を受信すると、ユーザ情報送信部23は、検知情報内の所定の位置に自装置の識別情報(設置装置20の識別情報)を書き込み、それをユーザ情報として認証装置40に送信してもよい。
【0065】
ユーザ情報送信部23による通信手段は特段制限されないが、無線LANやインターネット等のネットワーク1を介した通信であってもよいし、有線での通信であってもよい。
【0066】
なお、通信エリア30A内に設置装置20がいる間、検知情報受信部22は、ユーザ携帯端末30から定期的に又は間欠的に送信される検知情報を受信し続けることとなる。ユーザ情報送信部23は、検知情報受信部22が検知情報を受信すると、その都度、ユーザ情報を認証装置40に送信してもよい。または、ユーザ情報送信部23は、同じユーザ携帯端末30から所定の時間よりも短い時間間隔で連続的に検知情報を受信した場合、2回目以降の受信時にはユーザ情報を送信しないように構成してもよい。この場合、設置装置20は、あるユーザ携帯端末30からの検知情報の受信が所定時間以上途絶えると、その旨を示す情報(ユーザの識別情報を含む)を認証装置40に送信してもよい。この場合、ユーザ携帯端末30の移動により、設置装置20は当該ユーザ携帯端末30の通信エリア30A外に移動したことを意味する。
【0067】
<認証装置40>
認証装置40の機能ブロック図の一例は、第1の実施形態と同様、
図6で示される。なお図示しないが、記憶部45をさらに有してもよい。抽出部42、生体情報取得部43、認証部44及び記憶部45の構成は、第1の実施形態と同様である。
【0068】
ユーザ情報取得部41は、生体情報取得装置10の近傍に設置されている設置装置20から所定の距離以内に位置するユーザ携帯端末30各々から、設置装置20を介して(設置装置20を経由して)、ユーザの識別情報を取得する。すなわち、ユーザ携帯端末30は、ユーザの識別情報を設置装置20に送信する。そして、その後、設置装置20は、受信したユーザの識別情報を認証装置40に送信する。ユーザ情報取得部41は、このように送信されてきたユーザの識別情報を受信する。
【0069】
以上説明した本実施形態の認証システムにおいても、第1の実施形態と同様の作用効果を実現することができる。
【0070】
<第3の実施形態>
まず、本実施形態の全体像について説明する。本実施形態では、格納装置50に記憶されている複数の登録生体情報を、1ステップで認証処理に利用するグループに絞り込むのでなく、設置装置20とユーザ携帯端末30との距離に応じて段階的に絞り込んでいき、最終的に、認証処理に利用するグループに絞り込む。例えば、
図11に示すように、設置装置20からの距離に応じて複数のエリアを設定し、各エリア内のユーザ携帯端末30の検知に応じて、徐々に登録生体情報を絞り込んでいく。
【0071】
このような本実施形態によれば、認証処理に利用するグループとして登録生体情報を抽出する処理を、効率的に行うことができる。例えば、
図11の場合、20A−1のエリア内に位置するユーザに対応する登録生体情報が、認証処理に利用するグループとして抽出されることになる。
【0072】
1ステップで絞り込む場合、20A−1のエリア内にユーザが位置することを検知すると、このユーザの登録生体情報を、格納装置50内から抽出することとなる。すなわち、格納装置50に格納されている膨大な数の登録生体情報が検索対象となる。
【0073】
これに対し、距離に応じて段階的に絞り込む場合、20A−1のエリア内にユーザが位置することを検知すると、このユーザの登録生体情報を、20A−2のエリアに対応して抽出されている登録生体情報群から抽出することとなる。当然、格納装置50に格納されている膨大な数の登録生体情報が検索対象とする場合に比べて、検索対象の数は少なくなる。結果、所定の登録生体情報を抽出する処理を効率的に行うことができる。以下、詳細に説明する。なお、生体情報取得装置10、格納装置50の構成は、第1の実施形態と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0074】
<設置装置20>
本実施形態の設置装置20の機能ブロック図の一例は、第1の実施形態と同様、
図2で示される。
【0075】
検知情報送信部21は、検知情報の送信距離を、第1のレベルから第n(nは2以上の整数、かつ、nが大きいほど距離が大きい)のレベルの間で制御可能である。例えば、検知情報送信部21は、
図11に示すように、第1から第3の3つのレベルの間で送信距離を制御可能であってもよい。
図11には、3つの通信エリア20A−1乃至20A−3が示されている。通信エリア20A−1が第1のレベルの送信距離に対応し、通信エリア20A−2が第2のレベルの送信距離に対応し、通信エリア20A−3が第3のレベルの送信距離に対応する。
【0076】
そして、検知情報送信部21は、送信する検知情報に、送信距離を示す距離情報を含めて送信する。すなわち、検知情報送信部21は、第pのレベル(pは1以上n以下の整数)の送信距離で検知情報を送信する場合、当該検知情報の中に、第pのレベルの送信距離で検知情報を送信したことを示す距離情報を含めて送信する。
【0077】
なお、検知情報送信部21による送信距離の制御は、同じ無線通信規格で送信距離を調整することで実現してもよいし、又は、検知情報送信部21が互いに通信距離が異なる複数の無線通信規格で検知情報を送信可能であり、各規格で検知情報を送信することで実現してもよい。
【0078】
<ユーザ携帯端末30>
本実施形態のユーザ携帯端末30の機能ブロック図の一例は、第1の実施形態と同様、
図3で示される。ユーザ情報記憶部31の構成は、第1の実施形態と同様である。
【0079】
検知情報受信部32は、設置装置20の検知情報送信部21と同じ規格で無線通信が可能である。そして、検知情報受信部32は、距離情報が含まれている検知情報を設置装置20から受信する。
【0080】
ユーザ情報送信部33は、ユーザの識別情報及び距離情報を含むユーザ情報を認証装置40に送信する。例えば、検知情報受信部32が検知情報を受信すると、ユーザ情報送信部33は、検知情報内の所定の位置にユーザ情報記憶部31に記憶されているユーザの識別情報を書き込み、それをユーザ情報として認証装置40に送信してもよい。
【0081】
なお、通信エリア20A(
図11に示す通信エリア20A−1乃至20A−3)内にユーザ携帯端末30がいる間、検知情報受信部32は、設置装置20から定期的に又は間欠的に送信される検知情報を受信し続けることとなる。ユーザ情報送信部33は、検知情報受信部32が検知情報を受信すると、その都度、ユーザ情報を認証装置40に送信してもよい。または、ユーザ情報送信部33は、設置装置20から所定の時間よりも短い時間間隔で連続的に同じ送信距離を示す距離情報を含む検知情報を受信した場合、2回目以降の受信時にはユーザ情報を送信しないように構成してもよい。この場合、ユーザ携帯端末30は、設置装置20からの検知情報の受信が所定時間以上途絶えると、その旨を示す情報(ユーザの識別情報を含む)を認証装置40に送信してもよい。これは、ユーザ携帯端末30が通信エリア20A外に出て行ったことを意味する。
【0082】
<認証装置40>
図12に、本実施形態の認証装置40の機能ブロック図の一例を示す。図示するように、本実施形態の認証装置40は、ユーザ情報取得部41と、抽出部42と、生体情報取得部43と、認証部44と、記憶部45と、距離毎グループ化部46とを有する。抽出部42及び生体情報取得部43の構成は、第1の実施形態と同様である。
【0083】
ユーザ情報取得部41は、ユーザ携帯端末30各々の設置装置20からの距離を示す距離情報をさらに取得する。すなわち、ユーザ情報取得部41は、ユーザ携帯端末30により送信された距離情報を含むユーザ情報を受信する。
【0084】
距離毎グループ化部46は、抽出部42が抽出した登録生体情報を、距離情報に基づき、距離に応じた複数のグループに分ける。例えば、距離毎グループ化部46は、抽出部42が抽出し、記憶部45に記憶されている登録生体情報を、距離情報で示される距離に応じて複数のグループに分ける。なお、ユーザ情報取得部41が、あるユーザの識別情報を含むユーザ情報を繰り返し取得した場合、距離毎グループ化部46は、最新のユーザ情報に含まれる距離情報に基づいて、グループ化を行う。
【0085】
ここで、距離毎グループ化部46によるグループ化処理の一例を示すが、距離毎グループ化部46によるグループ化処理はこれに限定されない。
【0086】
図13に、記憶部45に記憶されている登録生体情報の一例を模式的に示す。図示する例では、ユーザIDと、登録生体情報と、距離グループIDとが対応付けられている。例えば、距離毎グループ化部46は、ユーザ情報取得部41が取得したユーザ情報に基づいて、記憶部45が記憶する
図13に示す情報の距離グループIDを更新する。図示する距離グループIDは、上述した送信距離のレベルに対応する。すなわち、当該例の場合、距離毎グループ化部46は、抽出部42が抽出した登録生体情報を、上記送信距離のレベルに対応して、第1のグループから第nのグループ(nは2以上の整数、かつ、nが大きいほど距離が大きい)にグループ化している。
【0087】
なお、ユーザ情報取得部41が、第1のユーザの識別情報、及び、第p(pは1以上n以下)のグループに対応する距離情報を含むユーザ情報を取得すると、距離毎グループ化部46は、その時点で抽出されている登録生体情報(例:記憶部45に記憶されている登録生体情報)の中の、第(p−1)のグループ及び第(p+1)のグループの少なくとも一方に属する登録生体情報を検索対象とし、第1のユーザの識別情報に対応する登録生体情報がないか確認する。
【0088】
そして、第(p−1)のグループ又は第(p+1)のグループに属する第1のユーザの識別情報に対応する登録生体情報が存在した場合、距離毎グループ化部46は、特定したその登録生体情報を、第pのグループに移動させる。例えば、
図13の距離グループIDの値を所定の値に更新する。
【0089】
一方、第(p−1)のグループ又は第(p+1)のグループに属する第1のユーザの識別情報に対応する登録生体情報が存在しなかった場合、距離毎グループ化部46はその旨を示す情報を抽出部42に入力する。すると、抽出部42はそれに応じて、第1のユーザの識別情報に対応する登録生体情報を格納装置50から抽出し、例えば記憶部45に記憶させる。そして、距離毎グループ化部46は、新たに抽出された登録生体情報を、第pのグループに属させる。例えば、
図13の距離グループIDの欄に所定の値を入力する。
【0090】
図12に戻り、認証部44は、認証処理時に最も距離が小さいグループ(
図13の場合、距離グループID:1)に属する登録生体情報と、生体情報取得部43が取得した生体情報とに基づいて、認証処理を行う。
【0091】
ここで、本実施形態の変形例について説明する。上述した例では、第1の実施形態をベースとし、設置装置20が、送信距離を、第1のレベルから第n(nは2以上の整数、かつ、nが大きいほど距離が大きい)のレベルの間で制御しながら検知情報を送信した。これに対し、第2の実施形態をベースとし、ユーザ携帯端末30が、送信距離を、第1のレベルから第n(nは2以上の整数、かつ、nが大きいほど距離が大きい)のレベルの間で制御しながら検知情報を送信してもよい。このようにしても、上記例と同様の作用効果を実現できる。
【0092】
以上説明した本実施形態によれば、第1及び第2の実施形態と同様の作用効果を実現できる。また、本実施形態によれば、格納装置50に記憶されている複数の登録生体情報を、設置装置20とユーザ携帯端末30との距離に応じて段階的に絞り込んでいくことができる。結果、当該絞り込み処理を、効率的に行うことが可能となる。
【0093】
<第4の実施形態>
まず、本実施形態の全体像について説明する。本実施形態では、生体認証が行われるスポットが複数あり、各スポットに生体情報取得装置10及び設置装置20が設置されている。そして、認証装置40は、複数の生体情報取得装置10から生体情報を取得し、認証処理を行う。以下、詳細に説明する。
【0094】
生体情報取得装置10、設置装置20及びユーザ携帯端末30の構成は、第1乃至第3の実施形態のいずれかと同様である。
【0095】
<格納装置50>
図14に、本実施形態の格納装置50が記憶する情報の一例を模式的に示す。図示する例では、ユーザIDと、登録生体情報と、許可スポットIDとが対応付けられている。格納装置50に登録生体情報が登録されているユーザは、複数のスポットのうち、少なくとも一つで認証される。格納装置50は、
図14に示すように、各ユーザが認証されるスポット(許可スポット)を示す情報を記憶している。
【0096】
<認証装置40>
図15に、本実施形態の認証装置40の機能ブロック図の一例を示す。図示するように、認証装置40は、ユーザ情報取得部41と、抽出部42と、生体情報取得部43と、認証部44と、記憶部45と、設置装置毎グループ化部47とを有する。なお、距離毎グループ化部46をさらに有してもよい。
【0097】
ユーザ情報取得部41は、生体情報取得装置10の近傍に設置されている設置装置20から所定の距離以内に位置するユーザ携帯端末30各々から、直接又は当該設置装置20を介してユーザの識別情報を取得する時、当該ユーザ携帯端末30から所定の距離以内に位置する当該設置装置20の識別情報をさらに取得する。
【0098】
第1乃至第3の実施形態で、設置装置20又はユーザ携帯端末30が、ユーザ情報に設置装置20の識別情報を含めて認証装置40に送信する実施形態を示した。ユーザ情報取得部41は、このように送信されたユーザ情報を受信することができる。
【0099】
抽出部42は、ユーザ情報に含まれるユーザの識別情報と、設置装置20の識別情報とに基づき、当該ユーザが当該設置装置20の設置スポットで認証されるユーザである場合、格納装置50から当該ユーザの登録生体情報を抽出する。抽出された登録生体情報は、例えば記憶部45に記憶される。
【0100】
抽出部42は、各設置装置20の設置スポットを特定可能に構成される。例えば、抽出部42は、
図18に示すような、設置装置IDと、設置スポットを示すスポットIDとを対応付けた情報を保持しておく。そして、抽出部42は、ユーザ情報取得部41がユーザ情報を取得すると、設置装置20の識別情報に基づいて、設置スポットを特定する。また、抽出部42は、格納装置50を検索し、当該ユーザ情報に含まれるユーザの識別情報に対応する登録生体情報を特定する(
図14参照)。その後、抽出部42は、当該ユーザが認証されるスポットの中に、今回特定した設置スポットが含まれるか判断する。含まれる場合、特定した登録生体情報を抽出する。含まれない場合、特定した登録生体情報を抽出しない。
【0101】
設置装置毎グループ化部47は、抽出部42が抽出し、例えば記憶部45に記憶されている登録生体情報を、ユーザ情報取得部41が取得した設置装置20の識別情報に基づき、設置装置20の識別情報毎に複数のグループに分ける。
【0102】
図16に、記憶部45に記憶されている登録生体情報の一例を模式的に示す。図示する例では、ユーザIDと、登録生体情報と、設置装置IDとが対応付けられている。例えば、設置装置毎グループ化部47は、ユーザ情報取得部41が取得したユーザ情報に含まれる設置装置20の識別情報に基づいて、記憶部45が記憶する
図16に示す情報の設置装置IDを更新する。
【0103】
図17に、記憶部45に記憶されている登録生体情報の他の一例を模式的に示す。図示する例では、ユーザIDと、登録生体情報と、設置装置IDと、距離グループIDとが対応付けられている。例えば、設置装置毎グループ化部47は、ユーザ情報取得部41が取得したユーザ情報に含まれる設置装置20の識別情報に基づいて、記憶部45が記憶する
図17に示す情報の設置装置IDを更新する。そして、距離毎グループ化部46は、ユーザ情報取得部41が取得したユーザ情報に含まれる距離情報に基づいて、記憶部45が記憶する
図17に示す情報の距離グループIDを更新する。
【0104】
生体情報取得部43は、生体情報取得装置10から生体情報を取得する際、併せて、近くに設置されている設置装置20の識別情報を取得する。すなわち、生体情報取得装置10は、生体情報と、近傍に設置されている設置装置20の識別情報を、認証装置40に送信する。
【0105】
認証部44は、生体情報取得部43が取得した設置装置20の識別情報に対応するグループに属する登録生体情報(
図16及び
図17において、当該設置装置の識別情報(設置装置ID)を対応付けられている登録生体情報)と、生体情報取得部43が取得した生体情報とに基づいて、認証処理を行う。なお、第3の実施形態と同様、距離毎グループ化部46を有する場合、認証部44は、生体情報取得部43が取得した設置装置20の識別情報に対応するグループに属し、かつ、最も距離が小さいグループ(
図17の場合、距離グループID:1)に属する登録生体情報と、生体情報取得部43が取得した生体情報とに基づいて、認証処理を行う。
【0106】
以上説明した本実施形態によれば、第1乃至第3の実施形態と同様な作用効果を実現することができる。また、生体認証を行うスポットが複数あり、かつ、スポットごとに認証されるユーザが異なる場合であっても、複数のスポットでの認証処理を、1組の認証装置40及び格納装置50により効率的に実行することができる。
【0107】
以下、参考形態の例を付記する。
1. 各ユーザから生体情報を取得する生体情報取得装置の近傍に設置されている設置装置から所定の距離以内に位置するユーザ携帯端末各々から、前記ユーザの識別情報を取得するユーザ情報取得手段と、
複数の前記ユーザ各々に対応する複数の登録生体情報を格納する格納装置から、前記ユーザ情報取得手段が取得した前記ユーザの識別情報に対応する前記登録生体情報を抽出する抽出手段と、
前記生体情報取得装置から、前記生体情報を取得する生体情報取得手段と、
認証処理時に抽出されている前記登録生体情報と、前記生体情報取得手段が取得した前記生体情報とに基づいて、認証処理を行う認証手段と、
を有する認証装置。
2. 1に記載の認証装置において、
前記ユーザ情報取得手段は、前記ユーザ携帯端末各々の前記設置装置からの距離を示す距離情報をさらに取得し、
前記抽出手段が抽出した前記登録生体情報を、前記距離情報に基づき、距離に応じた複数のグループに分ける距離毎グループ化手段をさらに有し、
前記認証手段は、認証処理時に最も距離が小さいグループに属する前記登録生体情報と、前記生体情報取得手段が取得した前記生体情報とに基づいて、認証処理を行う認証装置。
3. 2に記載の認証装置において、
前記距離毎グループ化手段は、
前記抽出手段が抽出した前記登録生体情報を、第1のグループから第nのグループ(nは2以上の整数、かつ、nが大きいほど距離が大きい)にグループ化し、
前記ユーザ情報取得手段が、第1の前記ユーザの識別情報、及び、第p(pは1以上n以下)のグループに対応する前記距離情報を取得すると、第(p−1)のグループ及び第(p+1)のグループの少なくとも一方を検索対象とし、検索対象のグループに属する前記登録生体情報の中から前記第1のユーザの識別情報に対応する前記登録生体情報を特定すると、特定した前記登録生体情報を前記第pのグループに移動させる認証装置。
4. 1から3のいずれかに記載の認証装置において、
前記ユーザ情報取得手段は、前記ユーザ携帯端末から所定の距離以内に位置する前記設置装置の識別情報をさらに取得し、
前記抽出手段が抽出した前記登録生体情報を、前記設置装置の識別情報に基づき、前記設置装置の識別情報毎に複数のグループに分ける設置装置毎グループ化手段をさらに有し、
前記生体情報取得手段は、前記生体情報取得装置から、前記生体情報及び近傍に設置されている前記設置装置の識別情報を取得し、
前記認証手段は、前記生体情報取得手段が取得した前記設置装置の識別情報に対応するグループに属する前記登録生体情報と、前記生体情報取得手段が取得した前記生体情報とに基づいて、認証処理を行う認証装置。
5. 1から4のいずれかに記載の認証装置と、各ユーザから生体情報を取得する生体情報取得装置と、前記生体情報取得装置の近傍に設置されている設置装置と、前記ユーザ各々に携帯されるユーザ携帯端末とを有し、
前記設置装置は、定期的に又は間欠的に、自装置からの距離が所定の距離以内に位置する前記ユーザ携帯端末に検知情報を送信する検知情報送信手段をさらに有し、
前記携帯端末は、
前記ユーザの識別情報を記憶するユーザ情報記憶手段と、
前記検知情報を受信する検知情報受信手段と、
前記検知情報受信手段が前記検知情報を受信すると、当該受信に応じて、前記ユーザの識別情報を前記認証装置に送信するユーザ情報送信手段と、
を有する認証システム。
6. 5に記載の認証システムにおいて、
前記検知情報送信手段は、前記検知情報の送信距離を、第1のレベルから第n(nは2以上の整数、かつ、nが大きいほど距離が大きい)のレベルの間で制御可能であり、かつ、前記検知情報に前記送信距離を示す距離情報を含めて送信し、
前記ユーザ情報送信手段は、前記距離情報を前記認証装置に送信する認証システム。
7. 5又は6に記載の認証システムにおいて、
前記検知情報送信手段は、前記検知情報に自装置の識別情報を含めて送信し、
前記ユーザ情報送信手段は、前記設置装置の識別情報を前記認証装置に送信する認証システム。
8. 1から4のいずれかに記載の認証装置と、各ユーザから生体情報を取得する生体情報取得装置と、前記生体情報取得装置の近傍に設置されている設置装置と、前記ユーザ各々に携帯されるユーザ携帯端末とを有し、
前記ユーザ携帯端末は、
前記ユーザの識別情報を記憶するユーザ情報記憶手段と、
定期的に又は間欠的に、自装置からの距離が所定の距離以内に位置する前記設置装置に、前記ユーザの識別情報を含む検知情報を送信する検知情報送信手段と、
をさらに有し、
前記設置装置は、
前記検知情報を受信する検知情報受信手段と、
前記検知情報受信手段が前記検知情報を受信すると、当該受信に応じて、前記ユーザの識別情報を前記認証装置に送信するユーザ情報送信手段と、
を有する認証システム。
9. 8に記載の認証システムにおいて、
前記検知情報送信手段は、前記検知情報の送信距離を、第1のレベルから第n(nは2以上の整数、かつ、nが大きいほど距離が大きい)のレベルの間で制御可能であり、かつ、前記検知情報に前記送信距離を示す距離情報を含めて送信し、
前記ユーザ情報送信手段は、前記距離情報を前記認証装置に送信する認証システム。
10. 8又は9に記載の認証システムにおいて、
前記ユーザ情報送信手段は、自装置の識別情報を前記認証装置に送信する認証システム。
11. コンピュータが、
各ユーザから生体情報を取得する生体情報取得装置の近傍に設置されている設置装置から所定の距離以内に位置するユーザ携帯端末各々から、前記ユーザの識別情報を取得するユーザ情報取得工程と、
複数の前記ユーザ各々に対応する複数の登録生体情報を格納する格納装置から、前記ユーザ情報取得工程で取得した前記ユーザの識別情報に対応する前記登録生体情報を抽出する抽出工程と、
前記生体情報取得装置から、前記生体情報を取得する生体情報取得工程と、
認証処理時に抽出されている前記登録生体情報と、前記生体情報取得工程で取得した前記生体情報とに基づいて、認証処理を行う認証工程と、
を実行する認証方法。
11−2. 11に記載の認証方法において、
前記ユーザ情報取得工程では、前記ユーザ携帯端末各々の前記設置装置からの距離を示す距離情報をさらに取得し、
前記コンピュータは、前記抽出工程で抽出した前記登録生体情報を、前記距離情報に基づき、距離に応じた複数のグループに分ける距離毎グループ化工程をさらに実行し、
前記認証工程では、認証処理時に最も距離が小さいグループに属する前記登録生体情報と、前記生体情報取得工程で取得した前記生体情報とに基づいて、認証処理を行う認証方法。
11−3. 11−2に記載の認証方法において、
前記距離毎グループ化工程では、
前記抽出工程で抽出した前記登録生体情報を、第1のグループから第nのグループ(nは2以上の整数、かつ、nが大きいほど距離が大きい)にグループ化し、
前記ユーザ情報取得工程では、第1の前記ユーザの識別情報、及び、第p(pは1以上n以下)のグループに対応する前記距離情報を取得すると、第(p−1)のグループ及び第(p+1)のグループの少なくとも一方を検索対象とし、検索対象のグループに属する前記登録生体情報の中から前記第1のユーザの識別情報に対応する前記登録生体情報を特定すると、特定した前記登録生体情報を前記第pのグループに移動させる認証方法。
11−4. 11から11−3のいずれかに記載の認証方法において、
前記ユーザ情報取得工程では、前記ユーザ携帯端末から所定の距離以内に位置する前記設置装置の識別情報をさらに取得し、
前記コンピュータは、前記抽出工程で抽出した前記登録生体情報を、前記設置装置の識別情報に基づき、前記設置装置の識別情報毎に複数のグループに分ける設置装置毎グループ化工程をさらに実行し、
前記生体情報取得工程では、前記生体情報取得装置から、前記生体情報及び近傍に設置されている前記設置装置の識別情報を取得し、
前記認証工程では、前記生体情報取得工程で取得した前記設置装置の識別情報に対応するグループに属する前記登録生体情報と、前記生体情報取得工程で取得した前記生体情報とに基づいて、認証処理を行う認証方法。
12. コンピュータを、
各ユーザから生体情報を取得する生体情報取得装置の近傍に設置されている設置装置から所定の距離以内に位置するユーザ携帯端末各々から、前記ユーザの識別情報を取得するユーザ情報取得手段、
複数の前記ユーザ各々に対応する複数の登録生体情報を格納する格納装置から、前記ユーザ情報取得手段が取得した前記ユーザの識別情報に対応する前記登録生体情報を抽出する抽出手段、
前記生体情報取得装置から、前記生体情報を取得する生体情報取得手段、
認証処理時に抽出されている前記登録生体情報と、前記生体情報取得手段が取得した前記生体情報とに基づいて、認証処理を行う認証手段、
として機能させるためのプログラム。
12−2. 12に記載のプログラムにおいて、
前記ユーザ情報取得手段に、前記ユーザ携帯端末各々の前記設置装置からの距離を示す距離情報をさらに取得させ、
前記コンピュータを、前記抽出手段が抽出した前記登録生体情報を、前記距離情報に基づき、距離に応じた複数のグループに分ける距離毎グループ化手段としてさらに機能させ、
前記認証手段に、認証処理時に最も距離が小さいグループに属する前記登録生体情報と、前記生体情報取得手段が取得した前記生体情報とに基づいて、認証処理を行わせるプログラム。
12−3. 12−2に記載のプログラムにおいて、
前記距離毎グループ化手段に、
前記抽出手段が抽出した前記登録生体情報を、第1のグループから第nのグループ(nは2以上の整数、かつ、nが大きいほど距離が大きい)にグループ化させ、
前記ユーザ情報取得手段が、第1の前記ユーザの識別情報、及び、第p(pは1以上n以下)のグループに対応する前記距離情報を取得すると、第(p−1)のグループ及び第(p+1)のグループの少なくとも一方を検索対象とし、検索対象のグループに属する前記登録生体情報の中から前記第1のユーザの識別情報に対応する前記登録生体情報を特定すると、特定した前記登録生体情報を前記第pのグループに移動させるプログラム。
12−4. 12から12−3のいずれかに記載のプログラムにおいて、
前記ユーザ情報取得手段に、前記ユーザ携帯端末から所定の距離以内に位置する前記設置装置の識別情報をさらに取得させ、
前記コンピュータを、前記抽出手段が抽出した前記登録生体情報を、前記設置装置の識別情報に基づき、前記設置装置の識別情報毎に複数のグループに分ける設置装置毎グループ化手段としてさらに機能させ、
前記生体情報取得手段に、前記生体情報取得装置から、前記生体情報及び近傍に設置されている前記設置装置の識別情報を取得させ、
前記認証手段に、前記生体情報取得手段が取得した前記設置装置の識別情報に対応するグループに属する前記登録生体情報と、前記生体情報取得手段が取得した前記生体情報とに基づいて、認証処理を行わせるプログラム。
【0108】
この出願は、2014年9月2日に出願された日本出願特願2014−177857号を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。