(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0010】
図1は吸引ヘッド1を示している。吸引ヘッド1は、吸引空気の負圧を利用することにより、洗浄液を吸い出して床面に吹き付ける湿式クリーナーに用いられる。
図1Aは吸引ヘッドの側面図であり、
図1Bは矢印z方向から見た背面図であり、
図1Cは矢印y1方向から見た正面図である。吸引ヘッド1は、吸引空気を通す管路2(第1の管路)を上側に、洗浄液を噴射する管路3(第2の管路)を下側に有している。4は、洗浄液が供給されるパイプである。
【0011】
吸引ヘッド1の正面側が、被浄化面に対して対向するスライド面5になっている。スライド面5の管路2上側には、正面後方に反り返るように上昇するように連続的に湾曲して立ち上がった前端部51を有している。管路3下側は、スライド面5が延長された後端部52が設けられる。53は、前端部51に設けられた溝である。
【0012】
図1Cにおいて、吸引ヘッド1の先端正面には、被浄化面に対して吸引作用を行う吸引開口Pと、洗浄液が流出する流出開口Qが開口している。流出開口Qの中には、追従体6が備えられており、追従体6の奥側にパイプ4から続いたノズル40が見えている。
【0013】
図2Aは、吸引ヘッド1のX1−X1断面図である。管路3の流出開口Q側にはガイド31が設けられ、追従体6が流出開口Qに対して進退可能になっている。また、流出開口Qと吸引開口Pとの間には離間バー7が設けられ、離間バー7の後側(図面、右側)には、管路2と管路3とを連通する連通路71が設けられている。離間バー7は、被浄化面がシートのような柔軟物である場合に、吸引開口Pの中に巻き込みにくくするように、被浄化面との間を離間させるものである。被浄化面が吸引開口Pの中に巻き込まれないほど固い物である場合には、特に必要は無い。連通路71は、管路3から流出した洗浄液が管路2に吸引する経路となるものである。
【0014】
図2B〜2Gは、順に追従体6の正面図、右側面図、底面図、平面図、背面図、X2−X2断面図である。追従体6は、左右の両端にガイド31に案内され、摺動部61がガイド31を摺動することにより、流出開口Qに向けて進退する。また、
図2Bの正面図において、正面66に斜めに刻まれた溝状の洗浄液通路62を多数有している。洗浄液通路62には、互いに交差して亀甲模様を呈している。追従体6の底面67は、幅方向に切り欠かれており、管路3の内部空間を吸引ヘッド1の正面側に開く窓63が形成されている(
図1Cを合わせて参照)。窓63は、流出開口Qの開口の中で、ノズル40から吐出する洗浄液の経路を開けた状態としておくものである。追従体6がガイド31を摺動するとき、追従体6の上側(平面側)は、連通路71よりも奥側の面72に対して、できるだけ隙間を開けないように、互いに倣った形状になっている(本実施例では、互いに平坦な面同士)。追従体6は、連通路71と窓63により開けられた洗浄液の経路との間で進退するのである。
【0015】
追従体6の正面66と底面67との間は、面取りがされており、スライド面5による被浄化面の上でのスライドを干渉しないようにしている。洗浄液通路62は底面67から追従体6の平面68に到るまで連続して正面66に刻まれている。
【0016】
図3Aは、吸引ヘッド1のX1−X1断面図であって、追従体6を取り外した状態を示している。尚、追従体6については、吸引ヘッド1の中での位置付けが明確になるように、薄墨を付した。以下、
図4、6、7において同じである。ガイド31は、追従体6が摺動する範囲に設けられる。また、ノズル40は、窓63に向けられている。
図3Bは、同じく追従体6を取り外して管路3の一部を切断した状態の底面図である。管路3は、パイプ4の両側に大気に開放された給気口32を有している。給気口32から取り入れた空気w1は、ノズル40の脇を経由して流出開口Qに到る。ノズル40から漏れ出した洗浄液は、ノズル40から流出開口Qに到る管路3の通路で空気w1と混合し、窓63から被浄化面に衝突する(尚、図では水滴で示した洗浄液は緩やかに飛んでいるように図示されているが、実際には激しい)。
【0017】
図4を用いて吸引ヘッド1の作用について説明する。
図4Aは、理解を深めるために追従体6を取り外した状態を示している。
追従体6の無い吸引ヘッド1を被浄化面Rに押しつけて、管路2から吸引を開始すると、吸引作用により、連通路71を介して管路3の圧力を負圧にする。すると、給気口32から空気w1が取り入れられるとともに、ノズル40から洗浄液が引き出される。空気w1と洗浄液が混じり合い被浄化面Rに衝突して被浄化面Rを洗浄するが、多くは跳ね上がりそのまま連通路71から管路2に吸い込まれる。若しくは、管路2の負圧により直接的に管路2に吸い込まれる。尚、被浄化面Rは、板床面を想定している。表面を洗うために直接的に被浄化面Rに接触する洗浄液は一部のみである。
【0018】
図4B〜Dは、追従体6を取り付けた状態を示している。
図4Bにおいて、追従体6は板床面である被浄化面Rに当接している。管路2から吸引を開始すると、吸引作用により、連通路71を介して管路3の圧力を負圧にする。このとき、追従体6と連通路71よりも奥側の面72との間を通して管路3を負圧にするのではなく、追従体6の洗浄液通路62と窓63(
図2参照)を通して管路3の圧力を負圧にする。追従体6の平面68と面72とはできるだけ隙間を開けないように、互いに倣った形状になっているからである。
【0019】
管路3を負圧にすることにより追従体6は、給気口32(
図3B参照)から吸い込まれた空気w1により、被浄化面Rに押し付けられている。ノズル40から引き出された洗浄液は、窓63から飛び出して被浄化面Rに衝突して被浄化面Rを洗浄し、追従体6の洗浄液通路62を通って連通路71から管路2に吸い込まれる。その結果、洗浄液の殆どが、被浄化面Rに直接的に触れるように成り、効率的に洗浄する。
【0020】
図4Cは、毛足の短いカーペットである被浄化面Rに対する、吸引ヘッド1の作用を示している。
図4Bの場合と比べ、追従体6は被浄化面Rの毛足の存在により若干後退しているが、給気口32から吸い込まれた空気w1により追従体6の背面69が押され、被浄化面Rの毛足を押さえ付けたようになっている。ノズル40から漏れ出した洗浄液は、被浄化面Rに衝突して浸透するとともに、追従体6の洗浄液通路62を流れる。
【0021】
図4Dは、毛足の長い絨毯である被浄化面Rに対する、吸引ヘッド1の作用を示している。
図4Cの場合と比べ、追従体6は被浄化面Rの毛足の存在によりさらに後退しているが、被浄化面Rの毛足を押さえ付ける点、洗浄液が被浄化面Rに衝突して浸透するとともに、追従体6の洗浄液通路62を流れる点は同じである。
【0022】
このように、追従体6が被浄化面Rに向けて押さえつけられることにより、被浄化面Rの表面の毛足の有無、長さによらず、洗浄液の殆どが被浄化面Rに直接的に触れるように成り、効率的に洗浄することができる。
【0023】
また、本実施例において、洗浄液通路62は底面67から平面68に到る経路で連続しかつ斜行しているが、波状に湾曲していても良い。底面67から平面68に到る経路を最短とする直線では、洗浄水が被浄化面Rと接触する距離を短くし、かつ被浄化面Rに起毛があるときには巻き込みやすくなる。
【0024】
尚、実施例では、追従体6は、給気口32から吸い込まれた空気w1により被浄化面Rに対して押さえ付けられているが、バネ等の弾性手段を用いて押さえ付けを行っても良い。しかしながら、給気口32から吸い込まれた空気w1による押さえ付ける力は十分に強く、部品点数の削減効果を考慮すると、バネ等の弾性手段を用いない方が望ましい。
【実施例2】
【0025】
図5は実施例2による吸引ヘッド100を示している。吸引ヘッド100は、ポンプにより圧力を掛けて洗浄液を吐出する湿式クリーナーに用いられる。
図5Aは吸引ヘッドの側断面図であり、
図5Bは矢印y2方向から見た正面図である。吸引ヘッド100は、吸引空気を通す管路102を下側に、洗浄液を噴射する管路103を上側に有している。104は、洗浄液が供給されるパイプである。吸引ヘッド100の正面側が、被浄化面に対して対向するスライド面105になっている。
【0026】
図5Bにおいて、吸引ヘッド100の先端正面には、被浄化面に対して吸引作用を行う吸引開口Pと、洗浄液が流出する流出開口Qが設けられている。流出開口Qの中には、追従体106が備えられており、追従体106の奥側にパイプ104から続いたノズル140が見えている。ノズル140の正面には、遮蔽板143が設けられている。遮蔽板143には、開口144が設けられている。遮蔽板143は、ピストン部142とスプリング141の作用により、上下方向に移動可能であって、遮蔽板143の開口144がノズル140に正対するポジションと、ズレてノズル140の正面を封鎖するポジションをとることができる。
【0027】
ピストン部142は、その周囲に大気側と管路103(第2の管路)との間をつなぐ隙間(給気口145)を有しており、管路102(第1の管路)において吸引が開始され、連通路173を介して管路103が負圧になると、ピストン部142周囲の隙間から直ちに大気の空気が流入して大気圧に戻す。ピストン部142の周囲の隙間を給気口145として利用することにより、スプリング141の周辺に給気された空気が常に流れることになり、塵の堆積を防ぐことができる。
【0028】
図6Aは、吸引ヘッド100から追従体106を取り外した状態を示している。管路103の流出開口Q側にはガイド131が設けられ、追従体106が流出開口Qに対して進退可能になっている。また、流出開口Qと吸引開口Pとの間には離間バー107が設けられ、離間バー107の後側(図面、右側)には、管路102と管路103とを連通する連通路171が設けられている。連通路173は、連通路171の奥側である。離間バー107の働きは、先の実施例の離間バー7と同じである。連通路171は、管路103から流出した洗浄液が管路102に吸引する経路となるものである。
【0029】
図6B〜6Gは、順に追従体6の正面図、右側面図、底面図、平面図、背面図、である。追従体106は、左右の両端にガイド131に案内され、ガイド131を摺動する摺動部161を有している。また、
図6Bの正面図において、正面166に斜めに刻まれた洗浄液通路162を多数有している。洗浄液通路162は、互いに交差して亀甲模様を呈している。追従体106の上側(平面168)は、幅方向に切り欠かれた面となっており、管路103の内部空間を吸引ヘッド100の正面側に開く窓163になっている(
図5Cを合わせて参照)。窓163は、流出開口Qの開口の中で、ノズル140から吐出する洗浄液の経路を開けた状態としておくものである。追従体106がガイド131を摺動するとき、追従体106の底面167は、連通路171よりも奥側の面172に対して、できるだけ隙間を開けないように、互いに倣った形状になっている(本実施例では、互いに平坦な面同士)。追従体106は、連通路171と窓163により開けられた洗浄液の経路との間で進退するのである。
【0030】
追従体106の底面167と平面168との間は、面取りがされており、スライド面105による被浄化面上でのスライドを干渉しないようにしている。洗浄液通路162は、追従体106の底面167から平面168に到るまで連続して、正面166に刻まれている。
【0031】
図7を用いて吸引ヘッド100の作用について説明する。
図7Aは吸引ヘッド100の吸引開口Pを空中に浮かせた状態である。管路102は吸引状態であって、かつノズル140からは洗浄液が噴射されている状態であるとする。連通路173からの吸引は、窓163からの空気w2によって補われるため、管路103内は大気圧となっており、ピストン部142はスプリング141の付勢力よって上部に移動している。遮蔽板143は、ノズル140から噴射される洗浄液の進路を遮断する位置に配置され、洗浄液は遮蔽板143に衝突し、その飛沫は連通路171を介して直ちに管路103に吸引される。
【0032】
図7Bにおいて、板床面を被浄化面Rとして吸引ヘッド100を接触させると、摺動部161は被浄化面Rとの接触により押し下げられて、摺動部161の底面と奥側の面172とが摺動して、連通路173を封鎖し、一方で窓163及び洗浄液通路162を介して連通路171に到る経路が形成される。これにより、管路103内が負圧になり、大気圧とこの負圧との差圧によって、ピストン部142をスプリング141の付勢力に抗して下方(管路103の内部空間に近接する方向)に移動させる。この動作によって、遮蔽板143は、開口144をノズル140に正対する位置に移動させ、洗浄液は、遮蔽板143に衝突することなく、流出開口Qに放出される。洗浄液は、被浄化面Rに衝突してこれを洗浄し、追従体6の洗浄液通路62を通って連通路71から管路2に吸い込まれる。その結果、洗浄液の殆どが、被浄化面Rに直接的に触れるように成り、効率的に洗浄する。
【0033】
図7Cは、毛足の短いカーペットである被浄化面Rに対する、吸引ヘッド100の作用を示している。
図7Bの場合と比べ、追従体106は被浄化面Rの毛足の存在により若干後退しているが、ピストン部142の周囲の給気口145から吸い込まれた空気w1により追従体106の背面169が押され、被浄化面Rの毛足を追従体106が押さえ付けたようになっている。ノズル140から吐出した洗浄液は、被浄化面Rに衝突して浸透するとともに、追従体106の洗浄液通路162を流れる。
【0034】
図7Dは、毛足の長い絨毯である被浄化面Rに対する、吸引ヘッド100の作用を示している。
図7Cの場合と比べ、追従体106は被浄化面Rの毛足の存在によりさらに後退しているが、被浄化面Rの毛足を押さえ付ける点、洗浄液が被浄化面Rに衝突して浸透するとともに、追従体106の洗浄液通路162を流れる点は同じである。
【0035】
このように、追従体6が被浄化面Rに向けて押さえつけられることにより、被浄化面Rの表面の毛足の有無、長さによらず、洗浄液の殆どが被浄化面Rに直接的に触れるように成り、効率的に洗浄することができる。
【0036】
本実施例において、
図7Aにおいて、追従体106は管路103の先端(流出開口Q)から飛び出ており、追従体106の後側で管路103と管路102が連通路171を介して直接連通する。一方、
図7Bにおいて、板床面を被浄化面Rとして吸引ヘッド100を接触させると、飛び出した追従体106は被浄化面Rとの接触により押し下げられて、この直接の連通経路は閉鎖されるようになっている。このような追従体106の飛び出しは、専らその自重によるものであるが、スプリングなどの付勢手段により飛び出すようにしても良い。尚、吸引ヘッド100が被浄化面Rに当接している時に、給気口145から取り入れられた空気w1により、追従体106が被浄化面Rに押しつけられている点は、実施例1と同じである。
【実施例3】
【0037】
図8は実施例3による吸引ヘッド200を示している。吸引ヘッド200は、実施例1の吸引ヘッド1と同様に吸引作用による連通路271を介して管路203に与えられる負圧を利用することにより、洗浄液吸い出して床面に吹き付ける。しかしながら、吸引ヘッド1と違い、給気口32を有していない。
【0038】
吸引ヘッド200は、比較的に吸引力の弱い掃除機や、一定の負荷が掛かると停止する掃除機に好適に用いられる。
図8Aに示すように、洗浄液を供給するパイプ204がノズル240に差し込まれており、ノズル240の先端にゆくにつれ高さを低くして管路203に開口している。また、
図8Bに示すように、ノズル240はその先端にゆくにつれ幅を広くしている。
【0039】
ガイド231は、実施例1と相違して、管路203の高さ方向の全域に設けられておらず、ノズル240から吐出した洗浄液が流出開口Qに到る箇所が除かれている。このため、追従体206は、
図8Cに示す様に、他の実施例のような窓63、163を有していない。ガイド31、131をガイド231のようにすれば、追従体6、106には窓63、163は不要である。
【0040】
図9A−Cは、追従体の表面パターンの変更例(図では追従体206のパターンを示してあるが、他の追従体も同様に適用できる。)である。表面パターンにより洗浄液通路は種々の形態を採用することができる。
図9Aでは、洗浄液通路262’は溝状ではなく、球状の突起が追従体206’の正面266’に離散的に設けられている。また、
図9Bでは、洗浄液通路262’’は、直線状に設けられている。フローリング床面を清浄化する用途に利用できる。また、
図9Cでは、洗浄液通路262’’’は、波状となっており、互いに交差はしていない。
【0041】
図9D、9Eは、他の可動形態で進退する吸引ヘッドを示している。他の実施例においては、直線状に進退したが、吸引ヘッド300においては、追従体306は枢軸366を中心として回転状に進退する。
【解決手段】吸引ヘッド1は、被浄化面に対して吸引作用を行う吸引開口Pと洗浄液が流出する流出開口Qが先端に開口しており、吸引開口Pから空気を吸引する管路2と、大気から給気を行う給気口32と洗浄液を吐出するノズル40とを有し、給気口32から給気した空気を流出開口Qへ導く管路3とを有している。管路2と管路3との間には相互を連通する連通路が設けられ、管路3にはノズル40から吐出する洗浄液の経路を開けた状態で、この洗浄液の経路と連通路との間で流出開口Qに向けて進退する追従体6が設けられており、流出開口Qに向けられた追従体6の正面には洗浄液通路62が形成されている。