(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ステップ(b)の電波環境が良好か否かの判定は、前記天秤から前記第一無線通信器を介して出力されたコマンド信号の前記第二無線通信器からの肯定応答の返答率で行われることを特徴とする、請求項3に記載の校正データ送信方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、天秤と外部機器間の距離が無線の通信可能距離に対して余裕がない,天秤と外部機器間に障害物がある,電波が他の機器が発する電波と干渉している,電波が混み合う時間帯であるなど、電波環境が悪い状態で校正が行われると、校正データが正しく転送されず、データ欠けが生じることがある。校正データの欠けは、特に、GLP(Good Laboratory Practice)等の医薬品に関する規格により使用する天秤に対し厳しい保守管理および記録の保管が求められる場合に、校正記録の欠落に繋がるおそれがある。
【0005】
本発明の目的は、上記の問題を解決するためのものであり、校正データの転送(無線通信)を確実に行うことのできる校正データ送信方法,そのための天秤および無線通信システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の天秤は、重量センサと、前記重量センサに負荷される内蔵分銅と、前記内蔵分銅の加除ユニットと、前記加除ユニットを駆動する演算処理部と、前記演算処理部に接続された無線通信器と、を備え、前記演算処理部は、電波環境のチェックを行う電波環境チェック部と、前記電波環境チェック部が電波良好と判定した場合に、前記内蔵分銅の加除を行い、前記無線通信器に対し校正データを転送する指示を出す校正実行部と、を備える。
【0007】
また、上記課題を解決するために、本発明のある態様の無線通信システムは、重量センサと、前記重量センサに負荷される内蔵分銅と、前記内蔵分銅の加除ユニットと、前記加除ユニットを駆動する演算処理部と、を含む天秤と、前記演算処理部に接続された第一無線通信器と、前記第一無線通信器からデータを受信する、外部機器に搭載または接続された第二無線通信器と、を備え、前記演算処理部は、電波環境のチェックを行う電波環境チェック部と、前記電波環境チェック部が電波環境良好と判定した場合に、前記内蔵分銅の加除を行い、前記第一無線通信器に対し校正データを転送する指示を出す校正実行部と、を備える。
【0008】
また、上記課題を解決するために、本発明のある態様の校正データ送信方法は、天秤と、前記天秤に接続されたデータ送信側の第一無線通信器と、外部機器に接続されたデータ受信側の第二無線通信器と、を備える無線通信システムを使用して、(a)前記天秤周りの電波環境のチェックを行うステップと、(b)前記ステップ(a)で電波環境が良好である場合に、前記天秤の校正を実行するステップと、(c)前記ステップ(b)の後に続けて、前記第一無線通信器から前記第二無線通信器に校正データを転送するステップと、を備える。
【0009】
上記態様の方法において、前記ステップ(b)の電波環境が良好か否かの判定は、前記天秤から前記第一無線通信器を介して出力されたコマンド信号の前記第二無線通信器からの肯定応答の返答率で行われるのも好ましい。
【0010】
上記態様の天秤において、前記演算処理部は、前記電波環境のチェックを定期的に行って時刻による電波環境マップを作成する電波環境マップ作成部をさらに備え、前記校正実行部は、前記電波環境マップを参照して、校正時刻の電波環境が良好である場合に、前記内蔵分銅の加除を行い、前記無線通信器に対し校正データを転送する指示を出すのも好ましい。
【0011】
上記態様の無線通信システムにおいて、前記演算処理部は、前記電波環境のチェックを定期的に行って時刻による電波環境マップを作成する電波環境マップ作成部をさらに備え、前記校正実行部は、前記電波環境マップを参照して、校正時刻の電波環境が良好である場合に、前記内蔵分銅の加除を行い、前記無線通信器に対し校正データを転送する指示を出すのも好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、校正データの無線通信を確実に行うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明の好適な実施の形態について図面に基づき説明する。
【0015】
(第一の実施形態)
図1の天秤10は、電子秤である。天秤10は、秤量皿11、重量センサ12、温度センサ13、演算処理部14、システムタイマ15、メモリ16、キースイッチ17、表示部18、RS232Cコネクタ19、内蔵分銅20、加除ユニット21、およびブザー25を有する。
【0016】
重量センサ12には、電磁平衡式、歪ゲージ式、または静電容量式などが用いられる。重量センサ12には、秤量皿11に載置された計量物の荷重が、ビーム(図示せず)を介して伝達される。重量センサ12が検出した荷重は計量データとしてアナログ出力され、A/D変換されて演算処理部14に出力される。
【0017】
内蔵分銅20は、加除ユニット21によって載せ下ろしされる。加除ユニット21は、内蔵分銅受け部22、カム23、モータM、モータ駆動回路24を有する。内蔵分銅受け部22は、重量センサ12に接続されたビームにリンクされており、内蔵分銅受け部22に負荷された内蔵分銅20の荷重は重量センサ12に伝達される。モータ駆動回路24は演算処理部14に接続されており、加除ユニット21は、演算処理部14からの指令によりモータMを駆動して、カム23を回動させて内蔵分銅受け部22を昇降させ、内蔵分銅20を内蔵分銅受け部22に載せ下ろしさせる。なお、加除ユニット21には、駆動部としてポンプ式が採用されてもよい。
【0018】
温度センサ13は、天秤10の配置されている環境の温度を検出する。温度センサ13から出力された温度データは、A/D変換されて演算処理部14に出力される。なお、必要に応じて、湿度センサや気圧センサが追加されてもよい。
【0019】
システムタイマ15は、ハードウェアタイマとソフトウェアタイマのカウント値を演算することにより、天秤10の現在時刻(システムタイム)を取得する。
【0020】
キースイッチ17および表示部18は、演算処理部14に接続されており、天秤10の本体ケースの前側面に設けられている。RS232Cコネクタ19は、例えば天秤10の本体ケースの左右側面または後側面に設けられ、演算処理部14に接続されている。
【0021】
演算処理部14は、例えばCPU,ROM,RAM等を集積回路に実装したマイクロコントローラであり、メモリ16はハードディスク等の記憶媒体である。演算処理部14は、重量センサ12が検出した計量データを計量値として算出し、メモリ16に記録し、表示部18に表示する。メモリ16には、演算処理部14の演算のための各種プログラムが格納されているとともに、後述する電波環境の判断のための閾値Rが記憶されている。
【0022】
図2は無線通信システム40のブロック図である。無線通信システム40には天秤10が含まれる。天秤10には、第一無線通信器41が接続されている。第二無線通信器42は、汎用のパーソナルコンピュータPCに接続されている。すなわち、第一無線通信器41はデータ送信側である天秤10に、第二無線通信器42はデータ受信側となる外部機器に接続されている。
【0023】
第一無線通信器41は、RS232Cコネクタ410、電圧レベル変換のためのバッファ411、通信モジュール412、LED413、およびペアリング用スイッチ414を有する。
【0024】
第一無線通信器41と天秤10は、RS232Cコネクタ410,19によって、RS232Cケーブルを介して、または直接、接続されている。通信モジュール412は、例えば、Bluetooth(登録商標),Zigbee(登録商標)等の無線規格、またはWi-fi等の無線LAN(Local Area Network)等のモジュールである。通信モジュール412は、天秤10から発せられるコマンドをトリガーとして、データを第二無線通信器42に送信する。通信モジュール412には、LED413およびペアリング用スイッチ414が接続されている。LED(light emitting diode)413は、通信モジュール412と通電し、通信モジュール412が動作中に発光する。LED413の発光により、ユーザは視覚的に通信が実行されているか確認できる。
【0025】
第二無線通信器42は、通信モジュール421、CPU422、LED423、ペアリング用スイッチ424、およびUSBコネクタ425を有する。
【0026】
第二無線通信器42は、USBコネクタ425を介して、パーソナルコンピュータPCに接続されている。通信モジュール421は、第一無線通信器41のものと同規格のものが採用される。CPU422は、パーソナルコンピュータPCと通信する。CPU422には、LED423およびペアリング用スイッチ424が接続されている。LED423は、CPU422が動作中に発光する。LED423の発光により、ユーザは視覚的に通信が実行されているか確認できる。
【0027】
ここで、
図2に示すように、本形態の天秤10の演算処理部14は、校正タイミング判定部31、電波環境チェック部32、および校正実行部33を有する。
【0028】
校正タイミング判定部31は、定期的に温度センサ13から温度データを取得し、温度が予め定めた基準値を超えていた場合、自動で校正のタイミングと判定する。また、システムタイマ15からシステムタイムを取得し、予め定めた校正周期を経過した場合、自動で校正のタイミングと判定する。また、キースイッチ17に含まれる校正キーが押された時、校正のタイミングと判定する。校正タイミング判定部31の動作は、従来技術と同様である。
【0029】
電波環境チェック部32は、天秤10の現在の電波環境をチェックする(「電波環境チェック」)。電波環境チェック部32は、校正タイミング判定部31で校正のタイミングと判定された場合に動作する。
【0030】
図3は、電波環境チェック部32により実行される電波環境チェックの動作フローチャートである。
【0031】
電波環境チェック部32は、ステップS101で、電波環境の判断のための閾値Rをメモリ16から読み出す。閾値Rについては後述する。
【0032】
次にステップS102に移行して、電波環境チェック部32は、第一無線通信器41と第二無線通信器42の間でデータの送受信があるか確認する。送受信がない場合(Yes)はステップS103に移行する。送受信がある場合(No)はステップS102に戻る。
【0033】
次にステップS103に移行して、電波環境チェック部32は、電波チェックコマンドを生成する。電波チェックコマンドを受けた第一無線通信器41は、コマンド信号を第二無線通信器42に送信する。
【0034】
次にステップS104に移行して、電波環境チェック部32は、第二無線通信器42から肯定応答が返ってくるかを確認する。肯定応答が返ってくる場合(Yes)はステップS105に移行し、返答回数を1増やす(プラス1する)。肯定応答が返ってこない場合(No)はステップS106に移行する。
【0035】
ステップS106に移行すると、電波環境チェック部32は、規定の回数だけコマンド信号を送信したかどうか確認する。規定回数未満の場合(No)は、ステップS104に戻る。規定回数以上の場合(Yes)は、ステップS107に移行する。
【0036】
ステップS107に移行すると、電波環境チェック部32は、返答回数から肯定応答の「返答率α」を算出する。例えば、コマンド信号を50回/秒で送信し、返答回数が42回であった場合、返答率αは84%である。電波環境チェック部32は、「返答率α」をメモリ16に記録して、動作を終了する。
【0037】
図4は、第一の実施形態に係る校正の動作フローチャートである。
【0038】
校正実行部33は、電波環境チェック部32の検出結果を基に、校正を実行する。校正実行部33は、電波環境チェック部32の動作の後に続いて動作する。従って、まず、ステップS201では、
図3に示す「電波環境チェック」が行われる。
【0039】
次に、ステップS202に移行して、校正実行部33は、ステップS201で得た返答率αと閾値Rを読み出し、返答率αと閾値Rを比較して、その時刻での電波環境が良好かどうか判定する。閾値Rは、返答率αの閾値であり、予め設定され、メモリ16に記憶されている。閾値Rは、電波環境が良好か否かの判定基準であり、ユーザが校正データに求める基準を基に定められるのが好ましい。例えば厳しい管理基準を設ける場合、閾値Rは98%未満の場合が電波不良、比較的緩やかな管理基準を設ける場合、閾値Rは90%未満の場合が電波不良、などと設定されるのが好適である。校正実行部33は、返答率α≧閾値Rの場合は電波良好と判定し、返答率α<閾値Rの場合は電波不良と判定する。電波良好でなければ(No)ステップS209に移行し、電波良好であれば(Yes)ステップS203に移行する。
【0040】
ステップS203に移行すると、校正実行部33は、電波環境が良好であることを通知するために、天秤10の表示部18に、例えば「Good」と表示を出す。
【0041】
次に、ステップS204に移行して、校正実行部33は、電波環境に問題はないとして、校正を実行する。すなわち、モータ駆動回路24に駆動信号を出力して加除ユニット21を動作させ、内蔵分銅20を載せ下ろしし、その計量値(校正データ)を、時刻情報とともに、第一無線通信器41に出力する。
【0042】
次に、ステップS205に移行して、校正実行部33は、第一無線通信器41に対し校正データを転送するよう指示を出す。第一無線通信器41は、第二無線通信器42に校正データを送信する。
【0043】
次に、ステップS206に移行して、校正実行部33は、第二無線通信器42から肯定応答が返ってくるかを確認する。肯定応答が返ってこない場合(No)はステップS208に移行して、表示部18に、校正データが転送されていないことを知らせるためのエラー表示(2)、例えば「Not yet」を表示する。肯定応答が返ってくる場合(Yes)はステップS207に移行し、校正データが無事転送されたとして、ブザー25を鳴らして通知し、動作を終了する。なお、ブザー25以外の通知手段、例えば表示による通知であってもよく、その場合ブザー25は天秤10の任意の構成要素としてよい。
【0044】
一方、ステップS202で電波不良と判定され、ステップS209に移行した場合は、校正実行部33は、電波環境が不良であることを通知するために、表示部18に、例えば「Bad」の表示を出す。
【0045】
次に、ステップS210に移行して、校正実行部33は、再度電波環境チェック部32を動作させて、電波不良が継続しているか判定する。電波不良が継続しなければ(No)ステップS202に戻る。電波不良が継続していれば(Yes)ステップS211に移行し、校正実行部33は、表示部18に、現在校正データ転送のための電波環境が整わないとことを示すためのエラー表示(1)、例えば「Bad radio」を表示し、動作を終了する。
【0046】
以上、本形態の天秤10および無線通信システム40によれば、校正を実行する前段階に「電波環境チェック」を行うので、電波環境が良好な場合にのみ校正が実行され、校正データが送信される。
【0047】
また、天秤10および無線通信システム40によれば、電波環境が悪い場合は、「電波環境チェック」を繰り返し、環境が整うまで校正およびデータ送信を控え、環境が整い次第、校正を実行し、校正データを送信する。このため、校正データの無線通信を確実に行うことができる。
【0048】
また、好ましくは、電波環境が良好か否かは、ユーザの求める基準により設定されるコマンド信号の返答率αを基準にすることで、ユーザの使用要求に叶う校正データを確保することができる。
【0049】
(第二の実施形態)
図5は第二の実施形態に係る無線通信システム40´のブロック図である。第一の実施形態と同様の構成要素については、同一の符号を引用することにより、記載を割愛する。
【0050】
第二の実施形態に係る天秤10の構成は
図1と同様であるが、
図5に示すように、演算処理部14の要素に変更がある。演算処理部14は、校正タイミング判定部31と、電波環境チェック部32と、校正実行部33と、さらに電波環境マップ作成部34を有する。
【0051】
本形態では、電波環境チェック部32が定期的に自動で動作し(予め定めた周期ごとに、例えば1時間毎)、返答率αが時刻情報とともにメモリ16に記録される。
【0052】
電波環境マップ作成部34は、電波環境チェック部32が行った「電波環境チェック」を基に、時刻による「電波環境マップ」を作成する。
図6は、電波環境マップ作成の動作フローチャートである。
【0053】
まず、ステップS301で、電波環境マップ作成部34は、システムタイマ15からシステムタイムを取得し、所定の時刻になったかを判定する。所定の時刻でなければ(No)ステップS301に戻り、所定の時刻であれば(Yes)ステップS302に移行する。
【0054】
ステップS302に移行すると、電波環境マップ作成部34は、電波環境チェック部32を動作させ、ステップS302〜S308の動作を行う。このステップS302〜S308の動作は、「電波環境チェック」の動作であり、第一の実施形態に係る
図3のステップS101〜S107と同様である。
【0055】
次に、ステップS309に移行して、電波環境マップ作成部34は、現在の時刻と一致する(ここに言う一致とは、例えば現在時刻±5分を対象にしてもよい)返答率αの過去データがあるかメモリ16を参照する。返答率αの過去データがある場合には、過去データを用いて返答率αの平均βを算出する。過去データがない場合は、現在の時刻の返答率αを平均βとする。
【0056】
次に、ステップS310に移行して、電波環境マップ作成部34は、平均βを「時刻電波環境」としてメモリ16に記録する。そして、電波環境マップ作成部34は、時刻電波環境β≧閾値Rの場合は電波良好、時刻電波環境β<閾値Rの場合は電波不良として、現在の時刻の電波環境を記憶して、動作を終了する。
【0057】
図7は、第二の実施形態に係る校正の動作フローチャートである。本形態の校正実行部33は、校正タイミング判定部31が校正のタイミングと判定したとき(即ち、校正キーが押された時、もしくは自動校正が始まる際)に動作する。
【0058】
まず、ステップ401で、校正実行部33は、現在の時刻の電波環境は良好かどうかを、電波環境マップ作成部34が作成した「電波環境マップ」を参照して判定する。「電波環境マップ」上で、現在の時刻が電波良好でなければ(No)ステップS406に移行し、電波良好であれば(Yes)ステップS402に移行する。
【0059】
ステップS402に移行すると、校正実行部33は、現在の時刻は電波環境に問題がない可能性が高いとして、校正を実行する。すなわち、モータ駆動回路24に駆動信号を出力して加除ユニット21を動作させ、内蔵分銅20を載せ下ろしし、その計量値(校正データ)を、時刻情報とともに、第一無線通信器41に出力する。
【0060】
次に、ステップS403に移行して、校正実行部33は、第一無線通信器41に対し校正データを転送するよう指示を出す。第一無線通信器41は、第二無線通信器42に校正データを送信する。
【0061】
次に、ステップS404に移行して、校正実行部33は、第二無線通信器42から肯定応答が返ってくるかを確認する。肯定応答が返ってこない場合(No)はステップS407に移行して、表示部18に、校正データが転送されていないことを知らせるためのエラー表示(2)、「Not yet」を表示する。肯定応答が返ってくる場合(Yes)はステップS405に移行し、校正データが無事転送されたとして、ブザー25を鳴らして通知し、動作を終了する。
【0062】
一方、ステップS401で電波不良と判定され、ステップS406に移行した場合は、校正実行部33は、現在の時刻は電波環境に問題がある可能性が高く、校正データ転送のための電波環境が整わないことを示すためのエラー表示(1)、例えば「Bad radio」を表示し、動作を終了する。
【0063】
以上、本形態の天秤10および無線通信システム40´によれば、校正を実行する前段階に、時間帯による「電波環境マップ」を参照するので、電波環境が良好な時間帯である場合にのみ校正が実行され、校正データが送信される。「電波環境マップ」は、天秤10により自動的かつ継続的にデータが取られ、蓄積していくので、天秤10が置かれた環境に固有に適応していく。このため、校正データの無線通信を確実に行うことができる。
【0064】
なお、上記の二つの実施形態では、第一無線通信器41は、RS232Cコネクタ(通信用コネクタ)19を介して演算処理部14に接続された外付けの機器として記載されているが、天秤10に内蔵された通信用IC(第一無線通信部)で構成されてもよい。同様に、第二無線通信器42は、USBコネクタ425(通信用コネクタ)を介してパーソナルコンピュータPCに接続された外付けの機器として記載されているが、パーソナルコンピュータPCに内蔵された通信用IC(第二無線通信部)で構成されてもよい。
【0065】
以上、本発明の好ましい実施の形態および変形を述べたが、各形態および各変形を当業者の知識に基づいて組み合わせることは可能であり、そのような形態は本発明の範囲に含まれる。
校正データの無線通信を確実に行う。上記課題を解決するために、天秤(10)は、重量センサ(12)と、前記重量センサに負荷される内蔵分銅(20)と、前記内蔵分銅の加除ユニット(21)と、前記加除ユニットを駆動する演算処理部(14)と、前記演算処理部に接続された無線通信器(41)と、を備え、前記演算処理部は、電波環境のチェックを行う電波環境チェック部(32)と、前記電波環境チェック部が電波良好と判定した場合に、前記内蔵分銅の加除を行い、前記無線通信器に対し校正データを転送する指示を出す校正実行部(33)と、を備える。