特許第6391110号(P6391110)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6391110
(24)【登録日】2018年8月31日
(45)【発行日】2018年9月19日
(54)【発明の名称】重量検査装置
(51)【国際特許分類】
   G01G 11/00 20060101AFI20180910BHJP
【FI】
   G01G11/00 Z
【請求項の数】5
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-123512(P2014-123512)
(22)【出願日】2014年6月16日
(65)【公開番号】特開2016-3918(P2016-3918A)
(43)【公開日】2016年1月12日
【審査請求日】2017年6月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000127570
【氏名又は名称】株式会社エー・アンド・デイ
(74)【代理人】
【識別番号】100087826
【弁理士】
【氏名又は名称】八木 秀人
(74)【代理人】
【識別番号】100166327
【弁理士】
【氏名又は名称】舟瀬 芳孝
(72)【発明者】
【氏名】江本 諭
(72)【発明者】
【氏名】小岩井 淳志
【審査官】 細見 斉子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−115495(JP,A)
【文献】 特開2012−098162(JP,A)
【文献】 特開平09−300013(JP,A)
【文献】 特開2005−295959(JP,A)
【文献】 特開2011−075508(JP,A)
【文献】 実開昭60−152938(JP,U)
【文献】 特開2012−058215(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01G 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被搬送物を搬送しながらその被搬送物の重量を計量する計量コンベアユニットと、
前記計量コンベアユニットを上部に支持する架台としてのフレームユニットと、
前記フレームユニット内に配置される電装ボックスと、
前記電装ボックスを前記フレームユニットの上部に吊り下げる吊り下げ手段と、が備えられ、
前記フレームユニットの上部に、前記計量コンベアユニットの搬送方向上流側と搬送方向下流側で一対となる支持部がそれぞれ備えられ、
前記一対の各支持部が、前記計量コンベアユニットの搬送ベルトの幅方向にそれぞれ延ばされ、
前記吊り下げ手段として、一対の吊り下げ部材が前記電装ボックスに備えられ、
前記一対の各吊り下げ部材が前記一対の各支持部にそれぞれ係止されている、
ことを特徴とする重量検査装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記一対の各吊り下げ部材が、フック状の係止部をそれぞれ備えており、
前記各係止部が前記一対の各支持部に上側から係止されている、
ことを特徴とする重量検査装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記各係止部が、間隔をあけた一対の張り出し部によりそれぞれ構成され、
前記各一対の張り出し部が、前記一対の各支持部の上部に該各支持部の延び方向に離間した状態でそれぞれ係止されている、
ことを特徴とする重量検査装置。
【請求項4】
請求項3において、
前記一対の支持部に、所定間隔をあけつつ延びる一対の連結フレームが該一対の支持部間を跨ぐようにして取付けられ、
前記各一対の張り出し部が、前記一対の各支持部の上部に前記一対の連結フレーム間において係止されている、
ことを特徴とする重量検査装置。
【請求項5】
請求項2〜4のいずれか1項において、
前記各吊り下げ部材に、前記係止部と協働して前記支持部を挟持するねじ具がそれぞれ設けられている、
ことを特徴とする重量検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被搬送物を搬送しながらその被搬送物の重量を計量検査する重量検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
被搬送物を搬送しながらその被搬送物の重量を計量検査するものとして、重量検査装置が知られている。この重量検査装置は、一般的には、特許文献1に示すように、被搬送物を搬送しながらその被搬送物の重量を計量する計量コンベアユニットと、その計量コンベアユニットを支持する架台としてのフレームユニットと、そのフレームユニットに取付けられて前記計量コンベアユニットに関連する関連装置類を収容する電装ボックスと、を備えている。そして、この重量検査装置においては、被搬送物を計量するに際して、計量コンベアユニットが、その構成要素としての計量コンベアとロードセル(可動側)との連結に基づきその計量コンベアの重量変化量を計量することになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4156786号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記重量検査装置においては、計量コンベアユニットの計量コンベアが、構成(計量コンベアとロードセル(可動側)との連結関係)上、振動し易い状況にある一方、大型の電装ボックスがフレームユニットに対してその一方の側方側において取付けられて、装置全体として、バランスが悪い状態にあるばかりか、重心位置も比較的高い位置に位置しており、フレームユニットについても振動し易い状況にある。このため、上記のような重量検査装置においては、フレームユニットが振動し易く、その振動に基づき計量精度が低下し易い。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、振動に基づく計量精度の低下を抑制できる重量検査装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために本発明(請求項1に係る発明)にあっては、
被搬送物を搬送しながらその被搬送物の重量を計量する計量コンベアユニットと、
前記計量コンベアユニットを上部に支持する架台としてのフレームユニットと、
前記フレームユニット内に配置される電装ボックスと、
前記電装ボックスを前記フレームユニットの上部に吊り下げる吊り下げ手段と、が備えられ、
前記フレームユニットの上部に、前記計量コンベアユニットの搬送方向上流側と搬送方向下流側で一対となる支持部がそれぞれ備えられ、
前記一対の各支持部が、前記計量コンベアユニットの搬送ベルトの幅方向にそれぞれ延ばされ、
前記吊り下げ手段として、一対の吊り下げ部材が前記電装ボックスに備えられ、
前記一対の各吊り下げ部材が前記一対の各支持部にそれぞれ係止されている、
ことを特徴とする重量検査装置とした構成とされている。この請求項1の好ましい態様としては、請求項2以下の記載のとおりとなる。
【発明の効果】
【0007】
本発明(請求項1に係る発明)によれば、重量物である電装ボックスをフレームユニットの上部に吊り下げ、その電装ボックスをフレームユニット内に配置できることになり、装置全体における平面上の中央位置に近づけた上でその低重心化を図ることができる。このため、フレームユニットの振動をいままで以上に低減できることになり、計量精度の低下を抑制できる。
【0008】
また、フレームユニット内に電装ボックスを配置できることから、フレームユニット内の空間を有効利用できると共に、装置全体を小型化することができる。
【0009】
さらに本発明(請求項1に係る発明)によれば、フレームユニットの上部に、計量コンベアユニットの搬送方向上流側及び搬送方向下流側の両方において一対の支持部がそれぞれ備えられ、その一対の各支持部が計量コンベアユニットの幅方向にそれぞれ延ばされ、吊り下げ手段として、一対の吊り下げ部材が電装ボックスに備えられ、その一対の各吊り下げ部材が一対の各支持部にそれぞれ係止されていることから、フレームユニット自体が、その構成上、計量コンベアユニットの搬送方向に長くなることを利用し、そのフレームユニットにおける一対の各支持部に一対の各吊り下げ部材をそれぞれ係止することにより、計量コンベアユニットの搬送方向において、比較的長い距離をもって電装ボックスをフレームユニットに吊り下げることができる。このため、計量コンベアユニットの搬送方向の上流側(開始端側)或いは下流側(終端側)への電装ボックスの傾倒防止を高めて、電装ボックスの吊り下げ時の安定性を高めることができる。
【0010】
また、上記一対の支持部間の長い距離を、一対の各吊り下げ部材と電装ボックスとを用いて跨らせることから、電装ボックスを一対の支持部間においてできるだけ長く延ばすことができ、電装ボックスの収容空間を拡大できる。
【0011】
しかも、上記一対の支持部を一対の各吊り下げ部材と電装ボックスとを用いて連結することから、電装ボックスの形状を、断面係数を高める形状等に調整することにより、その電装ボックスを強度部材として簡単且つ有効に利用できる。
【0012】
請求項に係る発明によれば、一対の各吊り下げ部材が、フック状の係止部をそれぞれ備えており、各係止部が一対の各支持部に上側から係止されていることから、一対の各吊り下げ部材におけるフック状の係止部を用いることにより、電装ボックスを簡単に一対の支持部に吊り下げることができる。
【0013】
請求項に係る発明によれば、各係止部が、間隔をあけた一対の張り出し部によりそれぞれ構成され、各一対の張り出し部が、一対の各支持部の上部にその各支持部の延び方向に離間した状態でそれぞれ係止されていることから、各一対の張り出し部が各支持部に対して2点支持をもって支持されることになり、各支持部の延び方向側への電装ボックスの傾倒防止を向上させることができる。
【0014】
請求項に係る発明によれば、一対の支持部に、所定間隔をあけつつ延びる一対の連結フレームが該一対の支持部間を跨ぐようにして取付けられ、各一対の張り出し部が、一対の各支持部の上部に一対の連結フレーム間において係止されていることから、各一対の張り出し部が各支持部上を摺動することが一対の連結フレームにより規制できることになり、各一対の張り出し部(電装ボックス)を一対の連結フレーム間に確実に位置させることができる。
【0015】
請求項に係る発明によれば、各吊り下げ部材に、係止部と協働して支持部を挟持するねじ具がそれぞれ設けられていることから、重量物である電装ボックスの重量を利用するだけでなく、係止部とねじ具とで支持部を挟持することによっても、各支持部に対する各吊り下げ部材の固定状態を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施形態に係る重量検査装置を示す正面図。
図2図1のX2−X2線断面図。
図3図1のX3−X3線断面図。
図4図2のX4−X4線断面図。
図5図4におけるZ1部分を示す拡大図。
図6図2におけるZ2部分を示す拡大図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
【0018】
図1図4において、符号1は実施形態に係る重量検査装置を示す。この重量検査装置1は、フレームユニット2、該フレームユニット2に搭載される計量コンベアユニット3及び導入コンベアユニット4を備えている。
【0019】
前記フレームユニット2は、図1図4に示すように、一対の脚体5A,5Bと、その一対の脚体5A,5Bを連結する一対の連結フレーム6A,6Bと、を備えている。
【0020】
一対の各脚体5A(5B)は、一対の脚部7a,7bと、連結部8と、により構成されている。一対の脚部7a,7bは、上下方向に起立した状態を維持しつつ、離間された状態で配置されており、連結部8は、その各脚部7a(7b)の上端部を連結している。各脚体5A(5B)の連結部8には、一対の取付け板9a,9a(9b,9b)が、一定間隔をあけて取付けられており、その両取付け板9a,9a(9b,9b)の板面は、連結部8の伸び方向(図2中、左右方向)において対向されている。このような一対の各脚体5A(5B)は、互いの一対の脚部7a,7b及び連結部8を対向させつつ、所定距離だけ離間された状態で配置されている。
【0021】
前記一対の連結フレーム6A,6Bは、図1図5に示すように、各脚体5A(5B)における連結部8間を跨るように配置されている。各連結フレーム6A(6B)は、端面が楕円形状とされてその形状を維持しつつ真っ直ぐに延びる形状とされており、その端面の長軸方向は上下方向に向けられている。この各連結フレーム6A(6B)の延び方向両端部は、一対の各脚体5A(5B)における各取付け板9a,9a(9b,9b)の内側板面に各脚体5A(5B)の連結部8よりも若干、上方に離間した状態でそれぞれ取付けられており、一対の連結フレーム6A,6Bは、各脚体5A(5B)の連結部8の伸び方向に間隔をあけつつ平行な状態をもって、一対の脚体5A,5Bに各取付け板9a(9b)を介して連結されている。
【0022】
これにより、フレームユニット2は、4つの脚部7a,7b(7a,7b)を有すると共に、一定高さの下で間隔をあけつつ平行な状態をもって伸びる一対の連結フレーム6A,6Bを有する架台を構成している。
【0023】
前記計量コンベアユニット3は、図1図4に示すように、支持ケース10と、計量ユニット11と、計量コンベア12と、を備えている。
【0024】
前記支持ケース10は、図1図5に示すように、底壁部13と、一対の側壁部14a,14bと、一対の上壁部15a,15bとにより構成されている。
【0025】
前記底壁部13は、一定幅を維持しつつ前記脚体の連結部8の伸び方向(図4図5中、左右方向)に延びており、その底壁部13の板面は上下方向に向けられている。本実施形態においては、この底壁部13の幅方向両側に、下方に折曲された折り曲げ部13aが設けられており、底壁部13は、その軽量化を図りつつその曲げ剛性が高められている。
【0026】
前記一対の側壁部14a,14bは、底壁部13の伸び方向(図4図5中、左右方向)両端部においてその底壁部13からそれぞれ上方に起立されており、一対の側壁部14a,14bの両板面は互いに対向されている。これにより、この一対の側壁部14a,14bは、底壁部13と協働して、上方に開口する収納凹所を形成している。
【0027】
前記一対の各上壁部15a,15bは、各側壁部14a(14b)の上端から底壁部13の伸び方向(図4中、左右方向)外方に向けて張り出すように設けられている。この各上壁部15a(15b)は、連結フレーム6A(6B)の伸び方向(図1中、左右方向)において、一定幅を保ちつつ各側壁部14a(14b)を超えて延びていると共に、張り出しが進むにつれて下方に傾斜されている。
【0028】
本実施形態においては、前記各上壁部15a,15bの下方に、支持板部16A,16Bがそれぞれ設けられている。各支持板部16A(16B)は、各側壁部14a(14b)のうちの連結フレーム6A(6B)の伸び方向両側端から外側に折曲されるようにして(張り出すようにして)2つ設けられており、その各2つの支持板部16A,16A(16B,16B)は、その両板面が連結フレーム6A(6B)の伸び方向において対向されて配置されていると共に、その各2つの支持板部16A,16A(16B,16B)の上端面が各上壁部15a(15b)の内面に一体化されている。
【0029】
上記各上壁部15a,15b下方における各支持板部16A,16Bは、図4に示すように、その上部16Aa,16Ba同士の間隔(図4中、左右方向の長さ)が一対の連結フレーム6A,6B間を超える長さとされ、その下部16Ab,16Bb同士の間隔は、一対の連結フレーム6A,6B間よりも狭くなっている。この各支持板部16A(16B)の上部16Aa(16Ba)の下面(肉厚面)には、円弧状の受け面17と、その受け面17に連続して下方に垂下するガイド面18と、がそれぞれ形成されており、このような円弧状の各受け面17は、前記一対の各連結フレーム6A(6B)における円弧状の各上部に受け止められ、その円弧状の各受け面17に連続する各ガイド面18は、一対の各連結フレーム6A(6B)の内面に当接している(図5も参照)。これにより、支持ケース10は、一対の連結フレーム6A,6Bにスライド可能に支持されていると共に、一対の連結フレーム6A,6Bの並設方向に移動することが規制されている。
【0030】
また、前記各上壁部15a(15b)下方における各支持板部16A,16A(16B,16B)の下部16Ab,16Ab(16Bb,16Bb)には、一対の各連結フレーム6A(6B)よりも下方側において、係止部19がそれぞれ設けられている。係止部19は、各支持板部16A(16B)における下部16Ab(16Bb)をそれよりも上側部分に比して多少、外部に張り出した上で、その部分に上方に開口する係止溝20を形成することにより構成されており、各上壁部15a(15b)の下方において、支持板部16A,16A(16B,16B)の係止部19(係止溝20)に跨るようにして固定板21がそれぞれ取付けられている。各固定板21は、一方の板部21aとそれに対して直角に折曲される他方の板部21bとにより構成されており、一方の板部21aが係止溝20に嵌入されている状態においては、他方の板部21bは、その板面を上下方向に向けつつ連結フレームの下方領域にまで拡張されることになっている。この各固定板21の他方の板部21bには、連結フレーム6A(6B)の下方領域において、複数のねじ具22がそれぞれ設けられている。各ねじ具22は、固定板21の他方の板部21bに先端を上方に向けた状態で螺合されており、その螺合関係を利用することにより、各ねじ具22の先端は、各連結フレーム6A(6B)の下部を押し付けている。このため、これに伴い、固定板21、支持板部16A(16B)が下降されることになり、支持板部16A(16B)の受け面17と各ねじ具22の先端とは各連結フレーム6A(6B)を挟持することになっている(一対の連結フレーム6A,6Bに対する支持ケース10の固定)。
【0031】
前記計量ユニット11は、図1図4に示すように、前記支持ケース10の収納凹所内に配置されている。計量ユニット11は、ロードセル等の計量具(図示略)と、その計量具を収納する収納ケース24と、その収納ケース24の上部に設けられる取付け具25と、を備えている。ロードセル及び収納ケース24は、支持ケース10の底壁部13に固定されており、取付け具25は、計量コンベア12を取付けるものとして、収納ケース24の上部に固定されている。取付け具25は、図2図3に示すように、脚体5A(5B)における連結部8の伸び方向両側において、一対の取付け板部25a、25bが起立するように備えられており、その一対の取付け板部25a、25bは、連結フレーム6A(6B)の伸び方向に伸びている。
【0032】
前記計量コンベア12は、図1図4に示すように、間隔をあけて伸びる長尺な一対の側板26と、その一対の側板26に、その伸び方向両端部において回転可能に支持される駆動ローラ27a及び従動ローラ27bと、その両ローラ27a、27bに巻回される搬送ベルト28とにより構成されている。
【0033】
この場合、駆動ローラと27aと従動ローラ27bとには、搬送ベルト28が適切な緊張状態をもって巻回されており、搬送ベルト28が経時変化に伴って伸びたりした場合には、既知の如く、駆動ローラと27aと従動ローラ27bとの間の間隔を調整できることになっている。
【0034】
このような計量コンベア12は、その各側板26が前記取付け具25の各取付け板25a,25bに複数の留め具(代表符号として49を用いる)を用いて着脱可能に取付けられている。このとき、図示を略す駆動モータが駆動ローラ27aに連係されて、その駆動モータの動力が駆動ローラ27aに伝達されることになっており、計量コンベアユニット3においては、その駆動モータの動力により搬送ベルト28が駆動され、搬送ベルト28は被搬送物Wを搬送することになる。
【0035】
またこのとき、計量コンベア12、計量ユニット11及び支持ケース10が、計量コンベアユニット3として一体化した状態で関連付けられることになり、計量コンベア12に被搬送物Wが搬送された場合には、その計量変化を捉えてその被搬送物Wの重量が計量でき、その計量結果は、表示装置30により表示されることになる。
【0036】
前記導入コンベアユニット4は、図1図3に示すように、基本的に、前記計量コンベアユニット3と同じ構成とされている。ただ、導入コンベアユニット4は、被搬送物Wを計量コンベアユニット3における計量コンベア12に導くだけの役割を有し、被搬送物Wを計量する必要性がないことから、部品の共通化が図られる一方で、計量ユニット11(収納ケース24)において、計量具等が除かれたものとなっている。このため、導入コンベアユニット4については、計量コンベアユニット3と同一構成要素については、同じ符号に「´」を付してその説明を省略する。
【0037】
このような導入コンベアユニット4も、計量コンベアユニット3同様、連結フレーム6A(6B)に着脱可能に固定されている。導入コンベアユニット4は、その導入コンベア12´の搬送終端(搬送下流端)を計量コンベア12の開始端(搬送開始端)に近接させつつ、その導入コンベア12´の搬送ベルト28´の高さを計量コンベア12の搬送ベルト28の高さと同じにした状態で配置されている。
【0038】
前記フレームユニット2内には、図1図3に示すように、電装ボックス31が配置されている(図4においては、電装ボックス31は省略されている)。電装ボックス31は、開口を有する箱状のケース本体32とそのケース本体32の開口を開閉する開閉扉33とをもって構成されており、その電装ボックス31は、床面34から離間した状態(浮いた状態)で、そのケース本体32の開口及びその開口を閉じた開閉扉33が脚体5A(5B)の連結部8の伸び方向に向けられている。
【0039】
上記ケース本体32は、長方形状の底壁部35と、その底壁部35の周縁部から起立する周壁部36と、を有している。底壁部35は、その板面が、前記ケース本体32の配置に伴い、連結部8の伸び方向に向けられており、その底壁部35には、計量コンベアユニット3及び導入コンベアユニット4からのケーブル類をケース本体32内に導入するための複数の導入孔39が形成されている。周壁部36は、底壁部35における一対の短辺部から対向した状態で起立する一対の側板部37a,37bと、底壁部35における一対の長辺部から対向した状態で起立する上板部38a及び下板部38bと、により構成されている。一対の側板部37a,37bは、連結フレーム6A(6B)の伸び方向において対向するようにして配置され、上板部38a及び下板部38bは、上下方向において対向するように配置されている。
【0040】
本実施形態においては、一対の各側板部37a,37bは、電装ボックス31を床面34から離間した状態でフレームユニット2内に収めるべく、上下方向において、脚体5A(5B)の脚部7a(7b)の長さよりも幾分短い長さをもって伸ばされ、その各側板部37a,37bの幅方向長さ(図1中、左右方向長さ)は、各脚体5A(5B)における連結部8の伸び方向長さの半分よりも多少、短い長さとされている。これにより、電装ボックス31は、側板部37a,37bの板面(曲げ断面)の観点からは、その上下方向長さが幅方向長さ(横方向長さ)に比べて長くなるように配置されている。上板部38a及び下板部38bは、脚体5Aと5Bとの並設方向(図1中、左右方向)においてフレームユニット2内の空間をできるだけ占有させるべく、その脚体5Aと5Bとの間の間隔よりも多少、短い長さをもって伸ばされており、その上板部38a及び下板部38bの各端は、各脚体5A(5B)にできるだけ近づけられている。
【0041】
前記開閉扉33は、図示を略すヒンジを介して一方の側板部37a(又は37b)に取付けられて、横開き開閉が可能となっている。この開閉扉33は、その厚み(図2中、左右方向長さ)がケース本体32における側板部37a,37bの幅(ケース本体32の深さ)よりもかなり短い(薄い)ものとなっており、この開閉扉33によりケース本体32の開口が閉じられたとしても、ケース本体32とそのケース本体32の開口を閉じた開閉扉33との一体化物、すなわち電装ボックス31は、各脚体5A(5B)における連結部8の伸び方向において、その連結部8の伸び方向長さの半分に満たない長さとなっている。
【0042】
前記電装ボックス31内には、計量コンベアユニット3及び導入コンベアユニット4に関連する関連装置類が収容されている。具体的には、CPU(中央演算装置)、モータドライバ、記憶装置、電源、外部I/O、USBコネクタ等が収容されている。モータドライバは、計量コンベアユニット3のモータ、導入コンベ アユニット4のモータ、被搬送物Wを計量値によって選別する選別ユニット(不図示)のモータ等に接続されており、各種のモータがモータドライバによって制御される。CPUは、モータドライバに接続され、モータドライバを介して各種のモータの制御を行う。また、CPUは、計量ユニット11のロードセル等に接 続されており、ロードセルからの信号を受けて被搬送物Wの計量値を演算したり、その計量値によって被搬送物Wの判別を行ったりするようになっている。さらにCPUは、表示装置30に接続されており、計量結果や設定内容等の表示内容を作成し、その信号を出力して表示装置30に表示させるようになっている。
【0043】
前記電装ボックス31は、図1図3図4においては電装ボックス31は図示略)に示すように、前記フレームユニット2内において、前記計量コンベアユニット3及び導入コンベアユニット4の下方に配置されている。本実施形態においては、電装ボックス31は、脚体5A(5B)における連結部8の伸び方向において、その連結部8の伸び方向中央よりも前記表示装置30側に配置され、その開閉扉33が連結部8の伸び方向外方に向けられている一方、本体ケースの底壁部35は、計量コンベアユニット3及び導入コンベアユニット4の真下に対して表示装置側に多少、オフセットした状態で配置されている。これにより、電装ボックス31内(ケース本体32内)に対する作業アクセス、計量コンベアユニット3及び導入コンベアユニット4からの各ケーブル類の導入孔39を介してのケース本体32内への導入が容易とされている。
【0044】
前記電装ボックス31の各側板部37a(37b)には、図1図2図6に示すように、吊り下げ手段としての吊り下げ部材40がそれぞれ取付けられている。各吊り下げ部材40には、各側板部37a(37b)の上部に取付けられる取付け部41と、その取付け部41から、板面を側板部37a(37b)外方に向けつつ上方に伸びる連結板部42と、その連結板部42の先端部から、側板部37a(37b)に対して離間する方向に張り出す係止部43と、が備えられている。
【0045】
係止部43は、本実施形態においては、一対の板状の張り出し部44により構成されており、その一対の板状の張り出し部44は、脚体5A(5B)における連結部8の伸び方向に間隔をあけつつ互いの板面が対向した状態となっている(図1参照)。この各張り出し部44の下面(肉厚面)には、フック状の湾曲面(係止面)45が形成されており、この各張り出し部44におけるフック状の湾曲面45が各連結部8に上側から包み込むようにして支持されている。
【0046】
連結板部42には、切り起こし部46が設けられ、その切り起こし部46には、ねじ具47が螺合関係をもって取付けられている。このねじ具47は、その先端が、連結板部42側から斜め上方に向けられており、このねじ具47を螺進させることにより、その先端と前記張り出し部44とが連結部8を挟持することになっている。このため、各吊り下げ部材40は、電装ボックス31の重量(電装ボックス31内の収容物の重量も含む)だけでなく、係止部43とねじ具47とによる連結部8の挟持によっても、各連結部8に固定され、電装ボックス31は、安定した状態で吊り下げられた状態となっている。
【0047】
したがって、このような重量検査装置1においては、重量物である電装ボックス31を一対の吊り下げ部材40によりフレームユニット2における脚体5A及び5Bの連結部8に吊り下げ、その電装ボックス31をフレームユニット2内に配置できることから、重量検査装置1全体における平面上の中央位置に近づけた上でその低重心化を図ることができる。これにより、フレームユニット2の振動に関し、フレームユニット2の側部に、その外方側において電装ボックス31を取付ける構造のものの場合に比して低減できることになり、計量精度の低下を抑制できる。
【0048】
また、フレームユニット2内に電装ボックス31を配置することから、電装ボックス31をフレームユニット2の側部外方に配置する場合に比して、フレームユニット2内の空間を有効利用できると共に、重量検査装置1全体の小型化を図ることができる。
【0049】
しかも本実施形態においては、電装ボックス31として扁平な箱形状のものを用い、それを、フレームユニット2内において、計量コンベアユニット3及び導入コンベアユニット4の真下から多少、オフセットした状態で配置することから、ケース本体32に対する作業アクセスと、計量コンベアユニット3及び導入コンベアユニット4からのケーブル類のケース本体32内への導入とを容易にできる。
【0050】
また、電装ボックス31を一対の各脚体5A(5B)の連結部8に吊り下げるに際して、一対の吊り下げ部材40が電装ボックス31(ケース本体32)の側板部37a(37b)に取付けられ、その一対の各吊り下げ部材40の係止部43が一対の各脚体5A(5B)の連結部8にそれぞれ係止されていることから、フレームユニット2自体が、その構成上、計量コンベアユニット3及び導入コンベアユニット4の搬送方向に長くなることを利用し、そのフレームユニット2における一対の各連結部8に一対の各吊り下げ部材40をそれぞれ吊り下げることにより、計量コンベアユニット3及び導入コンベアユニット4の搬送方向において、比較的長い距離をもって電装ボックス31をフレームユニットに吊り下げることができる。このため、計量コンベアユニット3の搬送方向の開始端側或いは終端側への電装ボックス31の傾倒防止を高めて、電装ボックス31の吊り下げ時の安定性を高めることができる。
【0051】
さらに、上記一対の連結部8間の長い距離を、一対の各吊り下げ部材40と電装ボックス31とを用いて跨らせることから、電装ボックス31を各吊り下げ部材40に比して一対の連結部8間においてできるだけ長く延ばすことができ、電装ボックス31の収容空間を拡大できる。
【0052】
さらにまた、上記一対の連結部8を一対の各吊り下げ部材40と電装ボックス31とを用いて連結し、その電装ボックス31の形状を、その側板部37a(37b)が上下方向に伸びる形状(断面係数を高める形状)にしていることから、その電装ボックス31を、曲げ剛性が高い強度部材として簡単且つ有効に利用できる。
【0053】
また、一対の各吊り下げ部材40が、その上部にフック状の係止部43をそれぞれ備え、その各係止部43が一対の各連結部8に上側から係止されていることから、一対の各吊り下げ部材40におけるフック状の係止部43を用いることにより、電装ボックス31を簡単に一対の連結部8に吊り下げることができる。しかもこの場合、各係止部43が、間隔をあけた一対の張り出し部44によりそれぞれ構成され、各一対の張り出し部44が、一対の各連結部8の上部にその各連結部8の延び方向に離間した状態でそれぞれ係止されていることから、各一対の張り出し部44が各連結部8に対して2点支持をもって支持されることになり、各連結部8の伸び方向側への電装ボックス31の傾倒防止を向上させることができる。
【0054】
さらに、一対の連結部8に、所定間隔をあけつつ延びる一対の連結フレーム6A,6Bが一対の連結部8間を跨ぐようにして取付けられ、各一対の張り出し部44が、一対の各連結部8の上部に一対の連結フレーム6A,6B間において係止されていることから、各一対の張り出し部44が各連結部8上を摺動することが一対の連結フレーム6A,6Bにより規制できることになり、各一対の張り出し部44(電装ボックス31)を一対の連結フレーム6A,6B間に確実に位置させることができる(電装ボックス31の脱落防止)。
【0055】
さらにまた、各吊り下げ部材40に、係止部43と協働して連結部8を挟持するねじ具47がそれぞれ設けられていることから、重量物である電装ボックス31の重量を利用するだけでなく、係止部43とねじ具47とで連結部8を挟持することによっても、連結部8に対する吊り下げ部材40の固定状態を高めることができる。
【0056】
以上実施形態について説明したが本発明にあっては、一対の各吊り下げ部材40を電装ボックス31の上板部38aに対してスライド可能に取付けてもよい。これにより、脚体5A,5Bにおける連結部8間の間隔がどのようなものであろうとも、そのスライド可能な吊り下げ部材40を利用することにより、電装ボックス31をそれら連結部8に柔軟に吊り下げることができる。勿論その場合、各連結部8に各吊り下げ部材40を係止させた後、その各吊り下げ部材40のスライドを規制するための規制手段を設けることが好ましい。
【符号の説明】
【0057】
1 重量検査装置
2 フレームユニット
3 計量コンベアユニット
5A 脚体(フレームユニット)
5B 脚体(フレームユニット)
6A 連結フレーム(フレームユニット)
6B 連結フレーム(フレームユニット)
8 連結部(支持部、フレームユニットの上部)
31 電装ボックス
40 吊り下げ部材(吊り下げ手段)
43 係止部
44 張り出し部
46 切り起こし部
47 ねじ具
W 被搬送物
図1
図2
図3
図4
図5
図6