(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記変調回路は、前記整流された電圧を1つ以上の閾値電圧と比較し、前記整流された電圧および前記第1の閾値電圧が前記第1の不等関係を有するとき、前記所定の変調レートで前記負荷回路の前記受信コイルに対する結合および結合解除を行い、前記整流された電圧および第2の閾値電圧が前記第1の不等関係とは異なる第2の不等関係を有するとき、前記所定の変調レートでの前記負荷回路の前記受信コイルに対する結合および結合解除を行わないようにさらに構成されており、前記第1の閾値電圧および前記第2の閾値電圧は同じ電圧であるか、または異なる電圧である、請求項1に記載のデバイス。
前記負荷回路は、前記変調信号に応答して、前記負荷回路のインピーダンス影響構成要素の前記受信コイルに対する結合および結合解除を行うように機能するスイッチを含む、請求項1に記載のデバイス。
前記インピーダンス影響構成要素は、1つ以上のキャパシタと、1つ以上のインダクタと、1つ以上の抵抗器と、1つ以上のダイオードとから選択される1つ以上の構成要素を含む、請求項3に記載のデバイス。
前記受電デバイスは、電池から動作電力を受け取るポータブルデバイスであり、該受電デバイスは、補聴器、ワイヤレスヘッドホン、ワイヤレススピーカ、ワイヤレスイヤホンデバイス、インイヤヘッドホン、遠隔制御デバイス、ジョイスティック、ワイヤレスキーボード、ワイヤレスカーソル制御デバイス、時計、キーフォブ、およびポータブル消費者デバイスから選択される、請求項1に記載のデバイス。
前記変調検出器回路は、前記伝送コイルを通る負荷電流の変調と、前記時間変動駆動信号に対する前記負荷電流の相対位相シフトの変調と、前記時間変動駆動信号の共鳴振幅の変調とから選択されるタイプの変調を検出することによって、前記負荷インピーダンスの前記変調を検出するように構成されている、請求項11に記載のデバイス。
前記磁場の前記強度を調整するために、前記駆動信号回路は、前記時間変動駆動信号のデューティサイクルと、前記時間変動駆動信号の周波数と、前記時間変動駆動信号の電圧レベルとから選択される前記時間変動駆動信号の特性を調整する、請求項11に記載のデバイス。
前記整流された電圧を第2の閾値電圧と比較するステップであって、前記第1の閾値電圧および第2の閾値電圧は同じ閾値電圧であるか異なる閾値電圧である、比較するステップ、をさらに備え、
前記整流された電圧および前記第2の閾値電圧が前記第1の不等関係とは異なる第2の不等関係を有するとき、前記所定の変調レートでの前記負荷回路の前記受信コイルに対する結合および結合解除を行わない、請求項15に記載の方法。
前記負荷回路は、前記変調信号が前記第1の信号レベルを有するとき、前記負荷回路のインピーダンス影響構成要素を前記受信コイルに結合し、前記変調信号が前記第2の信号レベルを有するとき、前記インピーダンス影響構成要素を前記受信コイルから結合解除するように機能するスイッチを含む、請求項15に記載の方法。
前記整流された電圧が前記第1の閾値電圧よりも大きいとき、前記所定の変調レートで前記第1の信号レベルと前記第2の信号レベルとの間で振動する変調信号が生成され、前記整流された電圧が前記第1の閾値電圧よりも小さいとき、前記変調信号は生成されない、請求項15に記載の方法。
前記負荷インピーダンスの変調を検出するステップは、前記伝送コイルを通る負荷電流の変調と、前記時間変動駆動信号に対する前記負荷電流の相対位相シフトの変調と、前記時間変動駆動信号の共鳴振幅の変調とから選択されるタイプの変調を検出するステップを含む、請求項20に記載の方法。
前記時間変動駆動信号の前記特性を調整するステップは、前記時間変動駆動信号のデューティサイクルと、前記時間変動駆動信号の周波数と、前記時間変動駆動信号の電圧レベルとから選択される前記時間変動駆動信号の特性を調整するステップを含む、請求項20に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0009】
下記により詳細に説明するように、本明細書に記載の実施形態は、ワイヤレス充電を実施するシステムおよびデバイスを含み、送電デバイスによって搬送される電力信号を増大または低減するために、受電デバイスと送電デバイスとの間で通信するのに比較的複雑でないプロトコルが使用される。下記により詳細に説明するように、受電デバイスの処理および通信要件は、Qiインターフェース規格(または類似の技術)を実装するデバイスと比較すると大幅に低減されたものであり得る。従って、本明細書に記載のワイヤレス充電装置および方法の実施形態は、Qiインターフェース規格であれば実装が受け入れがたくなるようなサイズ制約を有する比較的単純なデバイスにおいて実装することができる。
【0010】
図1は、一例の実施形態に応じた、送電デバイス110と受電デバイス130との間の誘導結合を通じたワイヤレス充電を実施するシステム100を示す。示されている例において、送電デバイス110は、本体112、および、その上に受電デバイス130を配置することができるインターフェース面114を有する比較的コンパクトな別個の装置である。代替の実施形態において、送電デバイス110は、より大きい構造(たとえば、テーブル、コンピュータ、自動車など)と統合されてもよい。加えて、本明細書の記載は主に、単一の一次コイル(たとえば、
図2の一次コイル212)を有する送電デバイスを説明しているが、送電デバイスの代替の実施形態は、インターフェース面に対して空間的に分散している複数の一次コイルを含んでもよい。そのような代替の実施形態において、受電デバイスがそれから電力を導出することができる交流磁束を提供するために(たとえば、インターフェース面上の受電デバイスの位置に基づいて)1つ以上の一次コイルが任意の所与の時点において作動されてもよい。そのような代替の実施形態は、本発明の主題の範囲内に含まれるように意図されている。
【0011】
送電デバイス110は外部接続150から電力を受け取り、当該接続は最終的に配電網または他の電源と結合されてもよい。たとえば、
図1に示すように、送電デバイス110はユニバーサル・シリアル・バス(USB)ポートを含んでもよく、外部接続150はUSBケーブルであってもよい。そのため、送電デバイス110は外部接続150を通じて電力を受け取ることができ、USBケーブルの他方の端部に結合されている外部ネットワークまたはコンピュータシステムに対して信号を送信および受信することもできる。代替の実施形態において、送電デバイス110は、単純な電力ケーブルから電力を受け取ってもよい。また他の代替の実施形態において、送電デバイス110は他のタイプの外部インターフェースから電力を受け取ってもよく、かつ/または送電デバイス110はそれ自体の内蔵電源(たとえば、電池、発電機など)を含んでもよい。
【0012】
受電デバイス130は、さまざまなタイプのポータブル電子デバイスのいずれであってもよい。受電デバイス130は「イヤホン」として示されているが、たとえば、他の受電デバイスは、補聴器、ワイヤレスヘッドホン、ワイヤレススピーカ、ワイヤレスイヤホンデバイス、インイヤヘッドホン、遠隔制御デバイス、ジョイスティック、ワイヤレスキーボード、ワイヤレスカーソル制御デバイス(マウス)、時計、キーフォブ、ポータブル消費者デバイス、携帯電話、タブレットコンピュータ、および実質的に任意の他のポータブル電子デバイスを含んでもよい。開示されている実施形態のさまざまな特性は、実施形態の適用を、比較的低い電力要件(たとえば、50〜100ミリワット(mW)以下)を有するデバイスを含む、比較的小さいポータブル電子デバイスに特に良好に適したものにする。しかしながら、さまざまな実施形態の適用は、そのような比較的小さいポータブル電子デバイスには限定されず、かつ/またはさまざまな実施形態は、低電力要件を有するデバイス(たとえば、0W〜5W未満を必要とするデバイス)、またはより高い電力要件を有するデバイス(たとえば、5Wを超える電力を必要とするデバイス)において実装されてもよい。
【0013】
下記により詳細に説明するように、電力は、送電デバイス110からデバイス110、130内のコイルの間の磁気誘導結合を通じて受電デバイス130に伝送される。より具体的には、送電デバイス110は、1つ以上の一次または「伝送」コイル(たとえば、
図2の伝送コイル212)を含み、当該コイルを通じて、送電デバイス110は、時間変動駆動信号(たとえば、正弦波、方形波、または別の波形パターンの形態の交流電流)を送信する。一次コイル(複数の場合もあり)は、駆動信号を一次コイル(複数の場合もあり)の周囲の時間変動(たとえば、振動)磁場または磁束に変換し、当該磁場または磁束を、本明細書では「電力信号」と称する。受電デバイス130は、二次または「受信」コイル(たとえば、
図2の受信コイル232)を含み、一次コイルおよび二次コイルが互いに対して物理的に十分に接近すると、電力信号が二次コイルに作用する。
【0014】
電力信号が受信コイルに作用するのに応答して、受信コイルは入力交流波形または電圧を生成する。受電デバイス130内のさらなる回路が、入力電圧を整流し、電池を充電するか、または他の様態で受電デバイス130に給電するのに使用されることができる出力電圧を生成する。一実施形態に応じて、受電デバイス130は、整流された入力電圧が閾値を超えると、負荷回路(たとえば、
図2の負荷回路260)を所定の変調レートで受信コイルに結合してもよく、または結合しなくてもよい。負荷回路が受信コイルに結合されると、受電デバイス130は第1の負荷インピーダンスを送電デバイス110に提示する。負荷回路が受信コイルから結合解除されると(すなわち、負荷回路が受信コイルに結合されていないとき)、受電デバイス130は、異なる第2の負荷インピーダンスを送電デバイス110に提示する。
【0015】
送電デバイス110は、一実施形態において、所定の変調レートにおける負荷インピーダンスの変調を検出するように構成されている。負荷インピーダンスが所定の変調レートで変調されていると送電デバイス110が判定すると、送電デバイス110は、伝送コイルに印加されている時間変動駆動信号の特性を調整する。これは翻って、結果として、送電デバイス110から発せられる時間変動磁場の強度、従って、受電デバイス130における調整入力電圧の振幅を調整することになる。このようにして、受電デバイス130は、送電デバイス110によって提供される電力のレベルを制御することができる。
【0016】
図2は、一例の実施形態に応じた、ワイヤレス充電システム200の簡略概略図を示す。ワイヤレス充電システム200は、送電デバイス210(たとえば、
図1の送電デバイス110)と、受電デバイス230(たとえば、
図1の受電デバイス130)とを含む。
図1に関連して説明されたシステムと同様に、また下記により詳細に説明するように、電力は、送電デバイス210から、デバイス210、230内のコイル212、232の間の磁気誘導結合を通じて受電デバイス230に伝送される。
【0017】
送電デバイス210は、一実施形態において、1つ以上の伝送コイル212と、1つ以上の駆動信号回路216と、1つ以上の変調検出器回路218とを含む。さらなる実施形態に応じて、送電デバイス210は、1つ以上の電流センサ220と、1つ以上の調整キャパシタ222とをも含む。送電デバイス210はまた、さらなる回路(たとえば、プロセッサ(複数の場合もあり)、データストレージ、通信インターフェースなど)をも含んでもよい。しかしながら、さまざまな実施形態の説明が分かりにくくなるのを避けるために、そのようなさらなる回路は
図2には示されていない。加えて、1つのみの伝送コイル212、駆動信号回路214、および変調検出器回路216が
図2に示されているが、代替の実施形態は、さらなる駆動信号回路216および変調検出器回路218とともに、1つ以上のインターフェース面(たとえば、インターフェース面214)に対して空間的に分散している複数の伝送コイル212を含んでもよい。そのような実施形態は、本発明の主題の範囲内に含まれるように意図されている。しかしながら、説明を容易にするために、単一の伝送コイル212、駆動信号回路216、および変調検出器回路218を有するシステムを説明する。
【0018】
一実施形態に応じて、受電デバイス230は、受信コイル232と、整流器234と、負荷回路260と、変調回路248とを含む。加えて、受電デバイス230は、電圧調整器236と、1つ以上の調整キャパシタ240と、1つ以上の蓄電キャパシタ242と、電池充電システム246と、温度センサ270とを含んでもよい。受電デバイス230はまた、さらなる回路(たとえば、プロセッサ(複数の場合もあり)、データストレージ、通信インターフェース、ユーザインターフェースなど)をも含んでもよい。しかしながら、さまざまな実施形態の説明が分かりにくくなるのを避けるために、そのようなさらなる回路は
図2には示されていない。
【0019】
上記のように、システム200がワイヤレス充電動作を実行している間、電力は、送電デバイス210から、デバイス210、230内のコイル212、232の間の磁気誘導結合を通じて受電デバイス230に伝送される。伝送コイル212は送電デバイス210のインターフェース面214(たとえば、
図1のインターフェース面114)の内側に接近して位置づけられており、それによって、伝送コイル212の周囲の時間変動磁場(または電力信号)がインターフェース面214を超えて発し、別のデバイス(たとえば、受電デバイス230)内の受信コイル(たとえば、受信コイル232)に作用することができる。同様に、受信コイル232は、ワイヤレス充電動作が実行されるのを可能にするために十分な振幅の電力信号に当たる可能性を増大するために、インターフェース面244の内側に接近して位置づけられることができる。いくつかのタイプの受電デバイス230は十分に小さくてもよいが、受信コイル232がインターフェース面244の付近にあるというその位置づけは必須ではない。一実施形態に応じて、伝送コイル212および受信コイル232はそれぞれ調整キャパシタ222および240を使用して、コイル212、232の間で十分な共振を提供し、受電デバイス230によって受信される電力信号の振幅を増大するように調整されてもよい。
【0020】
ワイヤレス充電動作は、受電デバイス230が送電デバイス210の伝送コイル212に接近すると開始されてもよい。送電デバイス210において、駆動信号回路216が伝送コイル212に結合されており、駆動信号回路216は時間変動駆動信号を生成し、当該信号は伝送コイル212によって受信される。たとえば、駆動信号は正弦波、方形波、または別のタイプの振動波であってもよい。一実施形態に応じて、駆動信号は、短距離低電力通信向けに設計されている無線帯域内(たとえば、産業・科学・医療(ISM)無線帯域内)の周波数を有する。たとえば、駆動信号は約50キロヘルツ(kHz)〜500kHzのISM帯域内の周波数(たとえば、125kHz)を有してもよいが、駆動信号はまた、他の帯域内のより高いまたはより低い周波数を有してもよい。加えて、一実施形態に応じて、駆動信号のデューティサイクルは約50パーセントであってもよいが、デューティサイクルはまた、より高くてもよいし、またはより低くてもよい。
【0021】
最初に、一実施形態において、駆動信号回路216が、結果として比較的高い電力レベル(たとえば、最大電力レベル)を有する電力信号になる駆動信号を生成し、それによって、ワイヤレス充電動作が開始すると、送電デバイス210は、受電デバイス230に最大電力を提供する。たとえば、送電デバイス210は最初に、約500ミリワット(mW)〜約2.0Wの範囲内の最大電力(たとえば、約1.0W)を有する電力信号を送信してもよいが、最大送信電力信号はまた、より高いまたはより低い電力を有してもよい。システム200の効率は電力伝送の観点からは100パーセントに満たず、それゆえ、受電デバイス230は電力信号が減衰したものを受信する。たとえば、効率が50パーセントであるシステムにおいて、送電デバイス210が1.0Wの電力信号を送信すると、受電デバイス230は約500mWを受け取ることになる。別の実施形態において、ワイヤレス充電動作の開始時に、最初に提供される駆動信号が、送電デバイス210に最大電力を提供させなくてもよい。
【0022】
いずれにせよ、伝送コイル212は、駆動信号回路216によって生成される駆動信号を、送電デバイス230のインターフェース面214を超えて発せられる交流磁場に変換する。交流磁場が受信コイル232に作用すると、受信コイル232は、受電デバイス230のノード280、284において相補的な入力交流波形を生成する。整流器234が受信コイル232の両端に(たとえば、ノード280、284にわたって)結合されており、入力交流波形を整流するように構成されている。より具体的には、整流器234は、ノード282に結合されている整流器234の出力において、整流入力波形(たとえば、パルスDCまたは整流AC波形)を送達するために入力交流波形を整流する。たとえば、整流器234は、半波または全波整流器(たとえば、ブリッジ整流器、または入力交流波形を整流するのに適した別のタイプの整流器)であってもよい。蓄電キャパシタ242は、整流入力波形を、重畳リップルが比較的少量であるDC波形に変換する。DC波形は本明細書において「電力」と称される場合があり、その電力は、ノード282において、送電デバイス210によって送信される電力信号の強度に基づいて変動する整流された電圧(整流電圧)を有する。
【0023】
調整器236はノード282に結合されている。電池充電システム246にグランド入力を提供するために、電池充電システム246および整流器234のグランド出力も負入力ノード286に結合されている。
【0024】
調整器236は、調整出力電圧を負荷(この場合は電池充電システム246)に提供する。一実施形態に応じて、調整器236は線形調整器であり、これは
図2に示すように、オペアンプおよびパストランジスタを含んでもよく、オペアンプの出力はパストランジスタのチャネルの導電性を制御する。オペアンプは、固定基準電圧290を受け取ることができ、当該電圧は「調整電圧」(たとえば、5.0V)に対応する。オペアンプは、ノード288における電圧を基準電圧290と同じ値に維持するようにパストランジスタの導電性を変調する。他の代替の実施形態においては、他のタイプの調整器が使用されてもよい。受電デバイス230が1つ以上のリチウムイオン電池に電力を送達するように構成されている実施形態のような、また他の代替の実施形態において、調整器236および電池充電システム246は、電池の温度および充電の状態に基づいて変動する調整出力電圧を生成するように構成されているリチウムイオン充電器システムに置き換わってもよい。
【0025】
一実施形態に応じて、また下記により詳細に説明するように、受電デバイス230は、(たとえば、ノード282における)整流電圧をモニタリングし、送電デバイス210にフィードバックを提供するように構成されており、当該フィードバックは、送電デバイス210が電力信号を増大または低減すべきかを示す。より具体的には、受電デバイス230によって(たとえば、送電デバイス210)に提示されるインピーダンスを変調することによってフィードバックが提供される。受電デバイス230によって提示されるインピーダンスの変調は、一実施形態に応じて、負荷回路260を受信コイル232に対して所定の変調レートで結合および結合解除することによって達成される。たとえば、所定の変調レートは、単一の所定のレート(たとえば、1.0キロヘルツ(kHz)または何らかの他のレート)であってもよい。
【0026】
一実施形態に応じて、下記により詳細に説明するように、インピーダンス変調は「オン」または「オフ」のいずれかであってもよく、送電デバイス210は変調が「オン」であるか、または「オフ」であるかを検出してもよく、それに従って応答してもよい。インピーダンス変調が「オン」であるとき、負荷回路260は所定の変調レートで受信コイル232に結合、および当該コイルから結合解除され、インピーダンス変調が「オフ」であるとき、負荷回路260は所定の変調レートで受信コイル232に結合されず、当該コイルから結合解除されない。代わりに、たとえば、インピーダンス変調が「オフ」であるとき、負荷回路260は長期間にわたって受信コイル232から結合解除されたままであってもよく、それによって、受電デバイス230によって提示されるインピーダンスが所定の変調レートで変調されているようには見えない。代替的に、インピーダンス変調が「オフ」であるとき、負荷回路260は長期間にわたって受信コイル232に結合されたままであってもよく、それによって、受電デバイス230によって提示されるインピーダンスが所定の変調レートで変調されているようには見えない。言い換えれば、変調が「オフ」であるときに負荷回路260が受信コイル232に結合されているか、または受信コイル232に結合されていないかにかかわらず、変調が「オフ」であるとき、受電デバイス230は所定の変調レートで変調されているインピーダンスを提示しない。しかしながら、変調が「オン」であるとき、受電デバイス230は所定の変調レートで変調されているインピーダンスを提示する。
【0027】
上記で示したように、負荷回路260は、一実施形態において、受信コイル232に選択的に結合されるように構成されている。受電デバイス230は、負荷回路260が受信コイル232から結合解除されているときは第1の負荷インピーダンスを(たとえば、送電デバイス210に)提示し、受電デバイス230は、負荷回路260が受信コイル232に結合されているときは異なる第2の負荷インピーダンスを提示する。受電デバイス230によって提示されるインピーダンスに影響を与えるために、また一実施形態に応じて、負荷回路260は1つ以上のインピーダンス影響構成要素およびスイッチ264を含む。1つ以上のインピーダンス影響構成要素は、たとえば、1つ以上のキャパシタ262を含んでもよい。代替的に、インピーダンス影響構成要素は、1つ以上のキャパシタ、1つ以上のインダクタ、1つ以上の抵抗器、1つ以上のダイオードから選択される1つ以上の構成要素、および/または受電デバイス230によって提示されるインピーダンスに影響を与えるために使用されてもよい1つ以上の他の構成要素の任意の組合せを含んでもよい。
【0028】
スイッチ264は、インピーダンス影響構成要素(たとえば、キャパシタ262)を受信コイル232に対して選択的に結合および結合解除するのに使用される。一実施形態に応じて、スイッチ264の状態(すなわち、スイッチ264が「オン」すなわち「閉」であるか)は変調回路248によって制御され、変調回路248は、それが、負荷回路260が所定の変調レートで受信コイル232に結合、および当該コイルから結合解除されるようにするか(すなわち、インピーダンス変調が「オン」であるとき)、または、それが、負荷回路260を所定の変調レートで受信回路232に対して結合せず、結合解除しないようにするか(すなわち、インピーダンス変調が「オフ」であるとき)を判定する。
【0029】
一実施形態に応じて、変調回路248は、整流電圧を受け取るためにノード282に結合されている第1の入力と、第1の閾値電圧292を受け取るように結合されている第2の入力とを有する。たとえば、第1の閾値電圧292は、調整電圧と第1の閾値電圧292との間の所定量の「ヘッドルーム」(または差)だけ調整電圧よりも大きい電圧であってもよい。一実施形態に応じて、「ヘッドルーム」は、約1.0V〜約3.0Vの範囲内にある(たとえば、約2.0V)が、「ヘッドルーム」はまた、より大きくてもよいし、またはより小さくてもよい。別の実施形態に応じて、「ヘッドルーム」は、調整電圧の約50パーセント〜約75パーセントの範囲内にあるが、「ヘッドルーム」はまた、より大きくてもよいし、またはより小さくてもよい。特定の実施形態に応じて、調整電圧は約4.5V〜約5.5Vの範囲内にあってもよく、第1の閾値電圧292は約5.5V〜約10Vの範囲内にあってもよいが、固定基準電圧290および/または調整電圧はまた、より高いまたはより低い範囲内にあってもよい。本発明の主題の概念を明瞭に説明するために、下記の記載は、システムが7.0Vの第1の閾値電圧292および5.0Vの調整電圧を実装する(たとえば、固定基準電圧290はおよそ5.0Vに等しい)と仮定する。そのような実施形態において、「ヘッドルーム」は2.0Vに等しい。第1の閾値電圧292および調整電圧は異なってもよい。
【0030】
いずれにせよ、一実施形態に応じて、ノード282における整流電圧および第1の閾値電圧292が第1の不等関係を有すると変調回路248が判定すると、変調回路248は、負荷回路260が、所定の変調レートで受信コイル232に結合、および当該コイルから結合解除されるようにする(すなわち、インピーダンス変調が「オン」である)。そうでなく、ノード282における整流電圧および第1の閾値電圧292が異なる第2の不等関係を有すると変調回路248が判定すると、変調回路248は、負荷回路260が、所定の変調レートで受信コイル232に結合されず、当該コイルから結合解除されないようにしてもよい(すなわち、インピーダンス変調が「オフ」である)。たとえば、ノード282における整流電圧が、7.0Vである第1の閾値電圧292を超えると変調回路248が判定すると、変調回路248が、負荷回路260を所定の変調レートで受信コイル232に結合、および当該コイルから結合解除されるようにする結果として、インピーダンス変調が「オン」である。逆に、ノード282における整流電圧が、7.0Vである第1の閾値電圧292を超えないと変調回路248が判定すると、変調回路248が、負荷回路260を所定の変調レートで受信コイル232に結合されず、当該コイルから結合解除されないようにする結果として、インピーダンス変調が「オフ」である。
【0031】
上述の実施形態において、「第1の不等関係」とは、ノード282における整流電圧が第1の閾値電圧292よりも大きいことであり、「第2の不等関係」とは、ノード282における整流電圧が第1の閾値電圧292よりも小さいことである。言い換えれば、一実施形態に応じて、ノード282における整流電圧が第1の閾値電圧292よりも大きいときにインピーダンス変調は「オン」であり、ノード282における整流電圧が第1の閾値電圧292よりも小さいときにインピーダンス変調は「オフ」である。
【0032】
加えて、上述の実施形態において、インピーダンス変調の状態に関するヒステリシスはシステム200には実装されていない。言い換えれば、整流電圧が、変調回路248がインピーダンス変調を「オフ」に切り替えるものと同じ閾値電圧であるときに、変調回路248はインピーダンス変調を「オン」に切り替える(たとえば、変調回路248は、整流電圧の、単一の第1の閾値電圧292に対する関係に基づいてインピーダンス変調を「オン」または「オフ」に切り替える。代替の実施形態において、システム200はヒステリシスを実装してもよい。そのような実施形態において、変調回路248は整流電圧が第1の閾値電圧を上回って上昇した時点においてインピーダンス変調を「オン」に切り替え、変調回路248は整流電圧が異なる第2の閾値電圧を下回って下降した時点においてインピーダンス変調を「オフ」に切り替え、ここで第2の閾値電圧は第1の閾値電圧よりも小さい。ヒステリシスを実装しないシステムは等しい第1の閾値電圧および第2の閾値電圧を有するとみなされてもよい。
【0033】
一実施形態において、変調回路248は、比較器252と変調器250とを含む。比較器252は、それぞれノード282および第1の閾値電圧292に結合されている第1の入力および第2の入力と、変調器250に結合されている出力とを含む。比較器252は、ノード282における整流電圧を第1の閾値電圧292と比較し、比較器出力において変調イネーブル信号を生成するように構成されており、当該信号は、整流電圧が第1の閾値電圧292よりも大きいかまたは小さいかを反映する値を有する。一実施形態において、変調イネーブル信号は、整流電圧が第1の閾値電圧292よりも大きいときは第1のレベル(たとえば、相対的に高いレベル)を有し、整流電圧が第1の閾値電圧292よりも小さいときは第2のレベル(たとえば、相対的に低いレベル)を有する。
【0034】
変調器250は、比較器252に結合されている入力と、負荷回路260に(またはより具体的にはトランジスタ264の制御ゲートに)結合されている出力とを有する。変調器250は変調器入力において比較器252からの変調イネーブル信号を受信し、変調イネーブル信号のレベルに基づいて変調器出力において変調信号を生成する。変調イネーブル信号が第1のレベルを有するとき(たとえば、整流電圧が第1の閾値電圧292よりも大きいとき)、変調器250は、所定の変調レートで第1の信号レベルと第2の信号レベルとの間を振動する変調信号を生成する。逆に、変調イネーブル信号が第2のレベルを有するとき(たとえば、整流電圧が第1の閾値電圧292よりも小さいとき)、変調器250は、振動変調信号を生成しないようにする。
【0035】
負荷回路260は、トランジスタ264のチャネルが導電性であるか、または非導電性であるかに基づいて受信コイル232に結合されるか、または結合されず、トランジスタ264の状態は振動変調信号のレベルに基づいて判定される。たとえば、変調器250からの振動変調信号が相対的に高いレベルを有するとき、トランジスタ264のチャネルは導電状態にあってもよく、負荷回路260(または、一実施形態においてはより具体的にキャパシタ262)は受信コイル232に結合される。そのような状態において、受電デバイス230は第1の負荷インピーダンスを送電デバイス210に提示する。逆に、変調器250からの振動変調信号が相対的に低いレベルを有するとき、トランジスタ264のチャネルは非導電状態にあってもよく、負荷回路260(または、一実施形態においてはより具体的にキャパシタ262)は受信コイル232に結合されない。そのような状態において、受電デバイス230は第2の負荷インピーダンスを送電デバイス210に提示する。従って、上述のように、受電デバイス230によって送電デバイス210に提示される負荷インピーダンスは、整流電圧(たとえば、ノード282における)が第1の閾値電圧(たとえば、電圧292)を超えるときは所定の変調レートで振動するように制御されてもよい。逆に、受電デバイス230は、整流電圧が第1の閾値電圧を超えないときは当該受電デバイス230によって提示される負荷インピーダンスが、所定の変調レートで振動しないようしてもよい。
【0036】
さらなる実施形態に応じて、受電デバイス230はまた、受電デバイス230の一部分の温度が温度閾値を超えるときに(たとえば、振動負荷インピーダンスの形態の)フィードバックを送電デバイス210に提供するように構成されてもよい。より具体的には、一実施形態において、受電デバイス230は、変調回路248に結合されている1つ以上の温度センサ270を含んでもよい。温度センサ270は、一実施形態において、受電デバイス230内の温度を検出し、温度が温度閾値を超えると変調回路248に制御信号を提供するように構成されている。温度超過信号に応答して、変調回路248はその出力において変調信号を生成してもよく、当該変調信号は第2の変調レート(たとえば、上述の所定の変調レートと同じであってもよく、または異なってもよい所定のレート)で第1の信号レベルと第2の信号レベルとの間で振動する。従って、受電デバイス230はまた、受電デバイス230が温度超過状態を経験しているときにも変調負荷インピーダンスを提示してもよい。
【0037】
再び送電デバイス210を参照して、前記のように、送電デバイス210は、受電デバイス230によって提示される負荷インピーダンスの、所定の変調レートにおける変調を検出するように構成されている。言い換えれば、送電デバイス210は、所定の変調レートにおける負荷インピーダンスの変調が受電デバイス230における「オン」であるか、または「オフ」であるかを検出してもよい。加えて、受電デバイス230が温度超過状態を経験しているときにも変調インピーダンスを提示する実施形態において、送電デバイス210はまた、温度超過状態に関連付けられている第2の変調レートにおける負荷インピーダンスの変調も検出するように構成されている。
【0038】
一実施形態において、送電デバイス210は、受電デバイス230によって提示されるインピーダンスの変調を、伝送コイル212を通る変調電流またはその両端の変調電圧として検知する(本明細書においては「負荷電流」として称される)。たとえば、一実施形態に応じて、電流センサ220は、伝送コイル212を通る負荷電流を検知し、検知された負荷電流を示す信号を変調検出器回路218に提供してもよい。一実施形態に応じて、電流センサ220は、調整キャパシタ222と伝送コイル212との間の電流を検知するように位置づけられてもよい。他の実施形態において、電流センサは、伝送コイル212を通る電流を検知するために他の場所に(たとえば、破線の電流センサ220’によって示すような伝送コイル212とグランド基準との間に)挿入されてもよく、かつ/または別のタイプのセンサが伝送コイル212を通る電流またはその両端の電圧を検出するのに使用されてもよい。
【0039】
変調検出器回路218は伝送コイル(たとえば、電流センサ220を介して)および駆動信号回路216(たとえば、接続224を介して)に結合されている。変調検出器回路218は、負荷インピーダンスの変調を検出するように構成されており、当該負荷インピーダンスは、たとえば、電流センサ220によって検知される負荷電流によって示されてもよい。加えて、変調検出器回路218は、負荷インピーダンス(または負荷電流)が所定の変調レートで変調されているか否かを判定するように構成されている。負荷インピーダンスまたは負荷電流が所定の変調レートで変調されていると変調検出器回路218が判定すると、変調検出器回路218は、接続224を介して駆動信号回路216に信号を通信する。この信号は、駆動信号回路216に、当該回路が伝送コイル212に提供する時間変動駆動信号の特性を調整させる。より具体的には、駆動信号の特性を調整する結果として、伝送コイル212から(および、送電デバイス210から)発せられる磁場の強度が調整される。言い換えれば、変調検出器回路218が所定の変調レートにある変調負荷インピーダンスまたは負荷電流を検出すると、変調検出器回路218は、駆動信号回路216に、結果として異なる強度の電力信号をもたらす駆動信号を生成させる。従って、受電デバイス230によって提示される負荷インピーダンスを変調することによって、受電デバイス230は、送電デバイス210によって提供される電力のレベルを制御することができる。
【0040】
上述の実施形態において、変調検出器回路218は、伝送コイル212を通る負荷電流の変調を検出することによって負荷インピーダンスの変調を検出するように構成されている。他の実施形態において、変調検出器回路218は、時間変動駆動信号に対する負荷電流の相対位相シフトの変調、時間変動駆動信号の共鳴振幅の変調、または何らかの他の測定可能な電気信号の変調のような、他のタイプの変調を検出することによって負荷インピーダンスの変調を検出するように構成されてもよい。
【0041】
一実施形態に応じて、負荷インピーダンスが所定の変調レートで変調されていると変調検出器回路218が判定すると、変調検出器回路218は、駆動信号回路216に、送電デバイス210から発せられる磁場の強度を(たとえば、電力信号を低減するために)低減させるように、時間変動駆動信号の特性を調整させる。変調検出器回路218は、一実施形態に応じて、駆動信号回路216に、時間について漸減的に電力信号を低減させる。たとえば、一実施形態に応じて、負荷インピーダンスが所定の変調レートで変調されていることを変調検出器回路218が検出する限り、変調検出器回路218は、駆動信号回路216に、第1の期間を有する一連の連続した期間の各々が満了するときに、第1の増分だけ電力信号を調整させてもよい。一実施形態に応じて、駆動信号回路216は、磁場の強度を最小値まで漸減的に低減し続けてもよい。たとえば、一連の連続した10ミリ秒(ms)の期間の各々が満了するときに、変調検出器回路218は、駆動信号回路216に電力信号を生成させてもよく、電力信号は、当該電力信号の最大強度の10パーセントである最小値まで、その電流強度から10パーセントだけ低減される。他の実施形態において、第1の時間増分は10msよりも大きくても小さくてもよく、電力信号の強度のパーセンテージ調整は10パーセントよりも大きくても小さくてもよく、かつ/または最小値は電力信号の最大強度の10パーセントよりも大きくても小さくてもよい。
【0042】
さらなる実施形態に応じて、負荷インピーダンスが所定の変調レートで変調されていないと変調検出器回路218が判定すると、変調検出器回路218は、駆動信号回路216に、送電デバイス210から発せられる磁場の強度を(たとえば、電力信号を増大するために)増大させるように、時間変動駆動信号の特性を調整させる。変調検出器回路218は、一実施形態に応じて、駆動信号回路216に、時間について漸減的に電力信号を増大させる。たとえば、一実施形態に応じて、負荷インピーダンスが所定の変調レートで変調されていないことを変調検出器回路218が検出する限り、変調検出器回路218は、駆動信号回路216に、第2の期間を有する一連の連続した期間の各々が満了するときに、第2の増分だけ電力信号を調整させてもよい。第2の増分は第1の増分と同じであっても異なっていてもよく、かつ/または第2の期間は第1の期間と同じであっても異なっていてもよい。
【0043】
一実施形態に応じて、駆動信号回路216は、磁場の強度を最大値まで増分的に増大し続けてもよい。たとえば、一連の連続した10ミリ秒(ms)の期間の各々が満了するときに、変調検出器回路218は、駆動信号回路216に電力信号を生成させてもよく、電力信号は、当該電力信号の最大強度まで、その電流強度から10パーセントだけ増大される。他の実施形態において、第2の時間増分は10msよりも大きくても小さくてもよく、電力信号の強度のパーセンテージ調整は10パーセントよりも大きくても小さくてもよく、かつ/または最大値は電力信号の最大強度よりも小さくてもよい。
【0044】
送電デバイス210から発せられる磁場の強度(または電力信号)を調整するために、駆動信号回路216は、当該回路が伝送コイル212に提供する時間変動駆動信号のさまざまな特性を調整してもよい。たとえば、駆動信号回路216は、他の特性の中でも、時間変動駆動信号のデューティサイクル、駆動信号の周波数、および/または時間変動駆動信号の電圧レベルを調整してもよい。
【0045】
送電デバイスおよび受電デバイスのさまざまな実施形態のいくつかの理解を高めるために、ここでワイヤレス充電を(たとえば、
図2のシステム200において)実施する方法の実施形態を説明する。より詳細には、
図3および
図4は、一例の実施形態に応じた、それぞれ送電デバイス(たとえば、
図2の送電デバイス210)および受電デバイス(たとえば、
図2の送電デバイス230)がワイヤレス充電工程に関与する方法のフローチャートである。簡潔にするために、方法の実施形態は、下記に詳細には説明されておらず、上記で説明した方法を指向した詳細の多くが下記に説明する方法の実施形態に適用されてもよい。
【0046】
図3は、ワイヤレス充電を実行するための方法の実施形態を、送電デバイス(たとえば、
図1、
図2の送電デバイス110、210)の観点から示している。方法は、ブロック302において、伝送コイル(たとえば、
図2の伝送コイル212)に駆動信号を(たとえば、
図2の駆動信号回路216によって)提供することによって開始し、伝送コイルはそれに応答して、送電デバイスから(たとえば、
図2のインターフェース面214から)発せられる、対応する時間変動磁場を生成する。最初に、負荷が検出される前に、送電デバイスは、最大強度の磁場がデバイスから発せられるようにする駆動信号を生成してもよい。このように、受電デバイスが最初に送電デバイスに接近するときに、送電デバイスは受電デバイスに最大電力を伝送してもよい。
【0047】
ブロック304において、送電デバイスは、送電デバイスに十分に接近している受電デバイス(たとえば、
図2の受電デバイス230)によって提示される負荷インピーダンス(ある場合)の安定性を検知する。より詳細には、ブロック304において、送電デバイスは、負荷インピーダンスが変調されているか否かを(たとえば、
図2の変調検出器回路218によって)判定する。そうである場合、送電デバイスは、一実施形態において、ブロック306において負荷インピーダンスが第1の所定の変調レートで変調されているか否かを判定してもよく、当該変調レートは、受電デバイスが送電デバイスに電力信号の強度を低減するよう求めていることを示す。さらなる実施形態に応じて、送電デバイスはまた、負荷インピーダンスが第2の所定の変調レート(たとえば、受電デバイスが温度超過状態を経験していることを示す)で変調されているか否かも判定してもよい。
【0048】
一実施形態に応じて、整流電圧(たとえば、
図2のノード282における)が第1の閾値電圧(たとえば、
図2の第1の閾値電圧292)よりも小さいとき、受電デバイスは、当該受電デバイスが提示する負荷インピーダンスに第1の所定の変調レートで変調させない。負荷インピーダンスを第1の所定の変調レートで変調されないようにすることによって、受電デバイスは基本的に、送電デバイスにより多くの電力を提供するように要求を通信する。従って、負荷インピーダンスが変調されていない(ブロック304)、または変調されている負荷インピーダンスが所定の変調レートで変調されていない(ブロック306)、のいずれかを受電デバイスが判定すると、送電デバイスは、当該送電デバイスが伝送コイル(たとえば、
図2の伝送コイル212)に提供する駆動信号の1つ以上の特性を調整することによって、磁場強度(または電力信号のレベル)を増大する。たとえば、一実施形態に応じて、負荷インピーダンスが所定の変調レートで変調されていない限り、送電デバイスは、第1の期間を有する一連の連続した期間の各々が満了するときに、最大レベルまで、第1の増分だけ磁場強度を増大してもよい。
【0049】
逆に、整流電圧(たとえば、
図2のノード282における)が第1の閾値電圧(たとえば、
図2の第1の閾値電圧292)よりも大きいとき、受電デバイスは、当該受電デバイスが提示するインピーダンスに所定の変調レートで変調させる。当該受電デバイスが提示する負荷インピーダンスを第1の所定の変調レートで変調させることによって、受電デバイスは基本的に、送電デバイスにより少ない電力を提供するように要求を通信する。従って、負荷インピーダンスが変調されており(ブロック304)、かつ負荷インピーダンスが第1の所定の変調レートで変調されている(ブロック306)、の両方を受電デバイスが判定すると、送電デバイスは、当該送電デバイスが伝送コイル(たとえば、
図2の伝送コイル212)に提供する駆動信号の1つ以上の特性を調整することによって、磁場強度(または電力信号のレベル)を低減する。たとえば、一実施形態に応じて、負荷インピーダンスが所定の変調レートで変調されている限り、送電デバイスは、第2の期間を有する一連の連続した期間の各々が満了するときに、最小レベルまで、第2の増分だけ磁場強度を低減してもよい。負荷インピーダンスが、受電デバイスにおける温度超過状態を示す第2の所定の変調レートで変調されていると送電デバイスが判定する場合、送電デバイスは、異なる割合で(たとえば、より迅速に)磁場強度を低減してもよい。いずれにせよ、方法は、引き続き伝送コイルに駆動信号を提供し(ブロック302)、負荷インピーダンスが所定の変調レートで変調されているかを判定し(ブロック304、306)、判定に基づいて電力信号を増大または低減する(ブロック308、310)ことによって継続してもよい。
【0050】
図4は、ワイヤレス充電を実行するための方法の実施形態を、受電デバイス(たとえば、
図1、
図2の受電デバイス130、230)の観点から示している。方法は、ブロック402において、受信コイル(たとえば、
図2の受信コイル232)に作用している交流磁場から入力交流波形を生成することによって開始してもよく、磁場は受電デバイスの外部の発生源から(たとえば、
図1、
図2の送電デバイス110、210から)発せられる。ブロック404において、受電デバイスは、(たとえば、
図2の整流器234および蓄電キャパシタ242によって)入力波形を整流して、整流電圧を有する整流波形を生成する。その後、受電デバイスは(たとえば、
図2の比較器252によって)整流電圧を第1の閾値電圧(たとえば、
図2の第1の閾値電圧292)と比較する。
【0051】
ブロック406において、整流電圧が第1の閾値電圧よりも大きいかについて判定が行われる。そうである場合、ブロック408において、(たとえば、
図2の変調器250によって)変調信号が生成され、当該変調信号は、負荷回路(たとえば、
図2の負荷回路260)が、第1の所定の変調レートで受信コイルに結合、および当該コイルから結合解除されるようにする。受電デバイスが提示する負荷インピーダンスを変調することによって、受電デバイスは、送電デバイスに電力信号を低減するようにメッセージを通信することができる。
【0052】
整流電圧が第1の閾値電圧よりも大きくないとき、ブロック410において、(たとえば、
図2の温度センサ270によって)受電デバイス内の温度が温度閾値を超えるかについてさらに判定が行われてもよい。そうである場合、ブロック408において、(たとえば、
図2の変調器250によって)変調信号が生成され、当該変調信号は、負荷回路(たとえば、
図2の負荷回路260)が、第2の所定の変調レートで受信コイルに結合、および当該コイルから結合解除されるようにし、当該第2の変調レートは第1の所定の変調レートと等しくてもよいし、等しくなくてもよい。
【0053】
受電デバイスはまた、ブロック412において、整流電圧が第2の閾値電圧よりも小さいかも判定してもよく、第2の閾値電圧は(ヒステリシスを実装しないシステムにおいては)第1の閾値電圧に等しくてもよく、または、第2の閾値電圧は、(ヒステリシスを実装するシステムにおいては)第1の閾値電圧と異なっても(たとえば、より低くても)よい。整流電圧が第2の閾値電圧よりも小さいとき、ブロック414において、受電デバイスは、変調信号を生成しないか、または、負荷回路が所定の変調レートで受信コイルに結合されず、当該コイルから結合解除されないようにする。受電デバイスが提示する負荷インピーダンスを変調されないようにすることによって、受電デバイスは、送電デバイスに電力信号を増大するようにメッセージを通信することができる。その後、本方法は図示されるように反復する。
【0054】
図3および
図4に示すさまざまな方法ステップは、示されている順序例以外の順序で提供されてもよく、かつ/または方法は、より多い、より少ない、または異なるステップを含んでもよい。加えて、いくつかのステップをまとめて単一のステップにしてもよく、他の単一のステップが展開されて複数のステップになってもよい。加えて、方法ステップのいくつかは連続的ではなく並列に実行されてもよい。当業者であれば、示されているフローチャートを同じ結果を生むように変更する方法を理解するであろう。従って、そのような変更は本発明の主題の範囲内に含まれるものとして意図されている。
【0055】
受電デバイスは、一実施形態では、受信コイルと、整流器と、負荷回路と、変調回路とを備える。受信コイルは、受信される交流磁場から入力交流波形を生成するように構成されており、該交流磁場は受電デバイスの外部の発生源から発せられる。整流器は受信コイルに結合されており、整流された電圧(整流電圧)を有する電力を当該整流器の出力に送達するために、入力交流波形を整流するように構成されている。負荷回路は、受信コイルに選択的に結合されるように構成されている。受電デバイスは、負荷回路が受信コイルから結合解除されているとき、第1の負荷インピーダンスを提示し、負荷回路が受信コイルに結合されているとき、第1の負荷インピーダンスとは異なる第2の負荷インピーダンスを提示する。変調回路は整流器の出力に結合されており、整流電圧および第1の閾値電圧が第1の不等関係を有するとき、所定の変調レートで負荷回路の受信コイルに対する結合および結合解除を行うように構成されている。
【0056】
送電デバイスは、一実施形態では、駆動信号回路と、伝送コイルと、変調検出器回路とを備える。駆動信号回路は、時間によって変動する時間変動駆動信号を生成するように構成されている。伝送コイルは駆動信号回路に結合されており、時間変動駆動信号を受信して、該時間変動駆動信号を交流磁場に変換するように構成されている。該交流磁場は送電デバイスから発せられる。変調検出器回路は伝送コイルおよび駆動信号回路に結合されている。変調検出器回路は、伝送コイルと磁気的に結合されている負荷インピーダンスの変調を検出し、負荷インピーダンスが所定の変調レートで変調されているかを判定し、負荷インピーダンスが所定の変調レートで変調されているとき、時間変動駆動信号の特性を駆動信号回路に調整させることによって、送電デバイスから発せられる磁場の強度を調整するように構成されている。
【0057】
受電デバイスによって実行されるワイヤレス充電方法は、一実施形態では、受信コイルによって、受信される交流磁場(受信交流磁場)から入力交流波形を生成するステップであって、該受信される交流磁場は受電デバイスの外部の発生源から発せられる、ステップと、整流された電圧(整流電圧)を有する電力を送達するために、入力交流波形を整流するステップと、整流電圧を第1の閾値電圧と比較するステップとを備える。該方法は、整流電圧および第1の閾値電圧が第1の不等関係を有するとき、所定の変調レートで負荷回路の受信コイルに対する結合および結合解除を行うステップをさらに備える。受電デバイスは、負荷回路が受信コイルから結合解除されているとき、第1の負荷インピーダンスを提示し、負荷回路が受信コイルに結合されているとき、第1の負荷インピーダンスとは異なる第2の負荷インピーダンスを提示する。
【0058】
別の実施形態では、送電デバイスによって実行されるワイヤレス充電方法は、時間によって変動する駆動信号(時間変動駆動信号)を伝送コイルに提供するステップと、伝送コイルによって、時間変動駆動信号を交流磁場に変換するステップであって、該交流磁場は前記送電デバイスから発せられる、ステップと、伝送コイルと磁気的に結合されている負荷インピーダンスの変調を検出するステップと、負荷インピーダンスが所定の変調レートで変調されているかを判定するステップと、負荷インピーダンスが所定の変調レートで変調されているとき、時間変動駆動信号の特性を調整することによって、送電デバイスから発せられる磁場の強度を調整するステップと、を備える。
【0059】
本発明の主題の原理が特定のシステム、装置、および方法に関連して上記で説明されてきたが、この説明は例示のみを目的として為されており、本発明の主題に対する限定としてではないことは明瞭に理解されたい。本明細書において述べられ図面内に示されたさまざまな機能または処理ブロックは、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェアまたはそれらの任意の組合せにおいて実装されてもよい。さらに、本明細書において採用されている表現または専門用語は説明を目的としており、限定ではない。
【0060】
特定の実施形態の上記の記載は、他者が、現在の知識を適用することによって、一般的な概念から逸脱することなくさまざまな用途のためにそれを容易に改変および/または適合することができるだけ十分に本発明の主題の一般的性質を公開している。従って、このような適合および改変は開示されている実施形態の均等物の意図および範囲内にある。本発明の主題は、すべてのこのような代替形態、改変形態、均等物、および変形形態を、添付の特許請求の範囲の精神および広い範囲内に入るものとして包含する。