(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0019】
<第一の実施形態>
以下、図面を参照しながら実施形態について詳しく説明する。
まず、本発明の第一の実施形態によるスツール(椅子装置)の外観について説明する。
【0020】
図1は、本発明の第一の実施形態によるスツール10の斜視図の一例を示す図である。
図1に示すように、第一の実施形態によるスツール10は、スツール本体2(椅子装置本体)を備える。
第一の実施形態によるスツール10が備えるスツール本体2は、着座部21を備える。
着座部21は、上面部2aに位置し、ユーザが着座する座面を備える。
【0021】
図2は、本発明の第一の実施形態によるスツール10の分解斜視図の一例を示す図である。
図2に示すように、スツール本体2は、環境改善部102と、環境改善部収納部135と、を備える。
環境改善部102は、スツール10の周囲の環境を変化させる装置である。
環境改善部収納部135は、環境改善部102をスツール10に内蔵させる収納部である。
なお、
図2は、環境改善部102が香りを発生してスツール10の周囲の環境を変化させる例を示している。環境改善部102は、アロマ機能部102aを備える。アロマ機能部102aは、アロマ機能部本体36と、アロマ機能部カバー38と、を備える。アロマ機能部本体36は、香りを発生する。アロマ機能部カバー38は、アロマ機能部本体33を収納するカバーである。アロマ機能部カバー38は、環境改善部収納部135に収納される。なお、環境改善部102は、アロマ機能部102aに限定するものではない。環境改善部102は、例えば、音を発生する機能、着座部21の座面の温度を変化させる機能、スツール10の周囲の温度を変化させる機能など、スツール10の周囲環境を改善させる機能を有するものであってよい。
【0022】
図3は、本発明の第一の実施形態によるスツールシステム1の構成の一例を示す図である。
図3に示すように、第一の実施形態によるスツールシステム1(椅子システム)は、スツール10(10a、10b、・・・)と、外部装置20と、ネットワークNWと、を備える。
【0023】
第一の実施形態によるスツールシステム1が備えるスツール10のそれぞれは、ユーザの着座を検知した場合に、ユーザの着座を検知したことを示す着座報知情報をネットワークNWを介して、サーバ20(外部装置)に送信する。なお、ここでのネットワークNWは、無線であっても、有線(1本の配線を含む)であってもよく、スツール10のそれぞれと外部装置の1つであるサーバ20とが適切に情報を送受信できる限り、限定されるものではない。
【0024】
サーバ20は、スツール10から着座報知情報を受信すると、受信した着座報知情報に基づいて、対応するスツール10の周囲環境を変化させる内容を示す改善内容指示情報を生成する。そして、サーバ20は、生成した改善内容指示情報を対応するスツール10に送信する。
スツール10は、サーバ20から改善内容指示情報を受信する。すると、スツール10は、受信した改善内容指示情報に基づいて、スツール10の周囲環境を変化させる。
【0025】
図4は、本発明の第一の実施形態によるスツールシステム1が備えるスツール10の機能構成の一例を示す図である。
図4に示すように、第一の実施形態によるスツール10は、スツール本体2と、環境改善部102と、さらに、着座検知部101と、通信部103と、制御部104と、記憶部105と、を備える。
【0026】
スツール10が備えるスツール本体2は、
図1で示したように、座面を有する着座部21を備える。また、スツール本体2は、
図2で示したように、環境改善部収納部135を備える。
着座検知部101は、着座部21へのユーザの着座を検知する。例えば、着座検知部101は、着座部21の座面に配置された静電容量センサを有し、静電容量センサが静電容量の変化を検知した場合に、ユーザがスツール10に着座したと判定する。また、例えば、着座検知部101は、着座部21の座面に配置された抵抗ブリッジ型の圧力センサを有し、圧力センサが圧力を検知した場合に、ユーザがスツール10に着座したと判定する。また、例えば、着座検知部101は、着座部21の座面に配置された距離センサを有し、距離センサが距離がゼロの物体を検知した場合に、ユーザがスツール10に着座したと判定する。
【0027】
環境改善部102は、スツール10の周囲環境を変化させる。環境改善部102は、例えば、香りを発生するアロマ機能部102aと、音を発生する音発生機能部102bと、着座部21の座面の温度を変化させる着座温度調整部102cと、スツール10の周囲の温度を変化させるスツール周囲温度調整部102d(椅子装置周囲温度調整部)と、を備える。なお、音発生機能部102bが発生する音は、例えば、各種の曲、会話が外部に知られないようにするためのマスキング音などである。
なお、環境改善部102は、アロマ機能部102aと、音発生機能部102bと、着座温度調整部102cと、スツール周囲温度調整部102dのすべての機能部を備えるものに限定するものではない。例えば、環境改善部102は、アロマ機能部102aと、音発生機能部102bと、着座温度調整部102cと、スツール周囲温度調整部102dのうちの1つまたは複数を備えるものであってよい。また、環境改善部102は、アロマ機能部102aと、音発生機能部102bと、着座温度調整部102cと、スツール周囲温度調整部102dのいずれも備えず、スツール10の周囲環境を変化させるその他の機能部を備えるものであってもよい。また、環境改善部102は、アロマ機能部102aと、音発生機能部102bと、着座温度調整部102cと、スツール周囲温度調整部102dのうちの1つまたは複数と、スツール10の周囲環境を変化させるその他の機能部とを備えるものであってもよい。
【0028】
通信部103は、サーバ20と通信を行う。通信部103は、着座検知部101が着座部21へのユーザの着座を検知した場合に、ユーザの着座を検知したことを示す着座報知情報をサーバ20に送信する。なお、着座報知情報は、対応するスツール10の識別子であるスツールIDと、ユーザが着座している間の時刻の情報とを含んでいる。また、通信部103は、サーバ20が着座報知情報に基づいて生成した、スツール10の周囲環境を変化させる内容を示す改善内容指示情報を受信する。
【0029】
制御部104は、スツール10における種々の制御を行う。例えば、制御部104は、通信部103が受信した改善内容指示情報に基づいて、環境改善部102を制御する。
記憶部105は、スツール10が行う種々の処理に必要な情報を記憶する。
【0030】
次に、本発明の第一の実施形態によるスツールシステム1が備えるサーバ20の構成について説明する。
図5は、本発明の第一の実施形態によるスツールシステム1が備えるサーバ20の構成の一例を示す図である。
図5に示すように、第一の実施形態によるサーバ20は、通信部201と、改善内容指示情報特定部202と、制御部203と、記憶部204と、を備える。
【0031】
第一の実施形態によるサーバ20が備える通信部201は、スツール10のそれぞれと通信を行う。
改善内容指示情報特定部202は、スツール10から通信部201を介して受信した着座報知情報に基づいて、スツール10の周囲環境を変化させる内容を示す改善内容指示情報を特定する。
制御部203は、サーバ20における種々の制御を行う。例えば、制御部203は、スツール10から通信部201を介して受信した着座報知情報に基づいて、各スツール10の着座実績などの各スツール10の着座のログ情報を記憶部に記録する。
記憶部204は、サーバ20が行う種々の処理に必要な情報を記憶する。例えば、記憶部204は、スツール10から通信部201を介して受信した着座報知情報が含んでいるスツールIDに対応する各スツール10の周囲環境を変化させる内容を示す改善内容指示情報を記憶する。また、例えば、記憶部204は、各スツール10の着座のログ情報を記憶する。
【0032】
次に、第一の実施形態によるサーバ20が備える記憶部204が記憶する情報について説明する。
図6は、第一の実施形態によるサーバ20が備える記憶部204が記憶するデータテーブルTBL1の一例を示す図である。
データテーブルTBL1は、着座報知情報が含んでいるスツールIDに対応する改善内容指示情報を示すデータテーブルである。
図6に示すように、データテーブルTBL1は、各スツール10のスツールIDに関連付けられた予め設定されたスツール10の周囲環境を変化させる内容を示す改善内容指示情報を示す。例えば、データテーブルTBL1におけるスツール10aの改善内容指示情報は、環境改善部102に香りを発生させる指示と、音を発生させる指示と、着座部21が備える座面の温度を変化させる指示と、スツール10の周囲の温度を変化させる指示と、を含む情報である。また、データテーブルTBL1におけるスツール10bの改善内容指示情報は、環境改善部102に香りを発生させる指示を含む情報である。
【0033】
また、
図7は、第一の実施形態によるサーバ20が備える記憶部204が記憶するデータテーブルTBL2の一例を示す図である。
データテーブルTBL2は、各スツール10の着座のログ情報を示すデータテーブルである。
図7に示すように、データテーブルTBL2は、各スツール10にユーザが着座した年月日と時刻を示す。例えば、データテーブルTBL2におけるスツール10aの着座実績は、“○年○月○日○時△分×秒 〜 ○年○月○日×時▽分□秒”、“○年○月×日△時▽分△秒 〜 ○年○月×日□時×分▽秒”、・・・である。
【0034】
次に、本発明の第一の実施形態によるスツール10を備えるスツールシステム1が行う処理について説明する。
ここでは、
図3で示したスツールシステム1において、スツール10aがネットワークNWを介してサーバ20と通信する場合を例に、スツールシステム1が行う処理について説明する。なお、環境改善部102は、ユーザが着座部21の座面に着座していない状態ではオフ状態である。
【0035】
図8は、本発明の第一の実施形態によるスツールシステム1の処理フローの一例を示す図である。
ユーザがスツール10が備える着座部21の座面に座る。すると、スツール10aが備える着座検知部101は、着座部21へのユーザの着座を検知する(ステップS1)。例えば、着座検知部101は、着座部21の座面に配置された静電容量センサを有し、静電容量センサが静電容量の変化を検知した場合に、ユーザがスツール10aに着座したと判定する。また、例えば、着座検知部101は、着座部21の座面に配置された抵抗ブリッジ型の圧力センサを有し、圧力センサが圧力を検知した場合に、ユーザがスツール10aに着座したと判定する。また、例えば、着座検知部101は、着座部21の座面に配置された距離センサを有し、距離がゼロの物体を距離センサが検知した場合に、ユーザがスツール10aに着座したと判定する。
【0036】
環境改善部102は、着座検知部101がユーザの着座を検知すると、オン状態となる(ステップS2)。
【0037】
通信部103は、着座検知部101がユーザの着座を検知すると、制御部104の制御により、ユーザの着座を検知したことを示す着座報知情報をサーバ20に送信する(ステップS3)。なお、着座報知情報は、対応するスツール10のスツールIDと、ユーザが着座している間の時刻の情報とを含んでいる。
【0038】
サーバ20が備える通信部201は、制御部203の制御により、スツール10aから着座報知情報を受信する(ステップS4)。
【0039】
改善内容指示情報特定部202は、通信部201がスツール10aから着座報知情報を受信すると、通信部201が受信した着座報知情報に基づいて、スツール10aの周囲環境を変化させる内容を示す改善内容指示情報を特定する(ステップS5)。例えば、改善内容指示情報特定部202は、まず、
図6で示したデータテーブルTBL1を記憶部204から読み出す。改善内容指示情報特定部202は、次に、通信部201が受信した着座報知情報に含まれるスツールIDと、データテーブルTBL1におけるスツールIDとを順に比較する。そして、改善内容指示情報特定部202は、着座報知情報に含まれるスツールIDと同一であると判定したデータテーブルTBL1におけるスツールIDに対応する環境改善内容情報を特定する。
通信部201は、制御部203の制御により、改善内容指示情報特定部202が特定した改善内容指示情報をスツール10aに送信する(ステップS6)。
【0040】
通信部103は、制御部104の制御により、サーバ20から改善内容指示情報を受信する(ステップS7)。
通信部103が受信した改善内容指示情報に基づいて、スツール10aの周囲環境を変化させる(ステップS8)。環境改善部102は、例えば、
図4で示したように、香りを発生するアロマ機能部102aと、音を発生する音発生機能部102bと、着座部21の座面の温度を変化させる着座温度調整部102cと、スツール10の周囲の温度を変化させるスツール周囲温度調整部102dと、を備える。そして、通信部103がサーバ20から
図6で示したデータテーブルTBL1のスツール10aのIDに対応する環境改善内容情報を受信した場合、環境改善部102が備えるアロマ機能部102aは、香りを発生する。また、環境改善部102が備える音発生機能部102bは、音を発生する。また、環境改善部102が備える着座温度調整部102cは、着座部21の座面の温度を変化させる。また、環境改善部102が備えるスツール周囲温度調整部102dは、スツール10aの周囲の温度を変化させる。なお、ここでの音は、例えば、各種の曲、会話が外部に知られないようにするためのマスキング音などである。
このようにすれば、スツール10aが備える環境改善部102は、スツール10aの周囲環境を改善することができる。
【0041】
また、サーバ20が備える制御部203は、通信部201が着座報知情報をステップS4の処理で受信すると、スツール10aから通信部201が受信した着座報知情報に基づいて、スツール10aの着座のログ情報を管理する(ステップS9)。例えば、制御部203は、まず、スツール10aから通信部201が受信した着座報知情報が含んでいるスツールIDと、ユーザが着座している間の時刻の情報とを特定する。そして、制御部203は、
図7で示したデータテーブルTBL2のように、特定したスツールIDについて特定したユーザが着座している間の時刻の情報とを関連付けて記憶部204に記録する。
【0042】
そして、制御部203は、特定したスツールIDの着座のログ情報が所定の条件を満足したか否かを判定する(ステップS10)。例えば、制御部203は、ユーザがスツール10aに着座した累積時間がスツール10aをメンテナンスすべきしきい値を超えたか否かを判定する。
制御部203は、着座のログ情報が所定の条件を満足していないと判定した場合(ステップS10、NO)、所定時間が経過した後、ステップS10の判定を繰り返す。
また、制御部203は、着座のログ情報が所定の条件を満足したと判定した場合(ステップS10、YES)、その所定の条件に関連付けられた報知情報をスツール10aに送信する(ステップS11)。例えば、制御部203は、ユーザがスツール10aに着座した累積時間がスツール10aをメンテナンスすべきしきい値を超えたと判定した場合、制御部203は、通信部201を介して、スツール10aのメンテナンスを促す報知情報をスツール10aに送信する。
【0043】
制御部104は、通信部103が所定の条件に関連付けられた報知情報を受信すると、通信部103が受信した報知情報が示す情報をユーザに報知する(ステップS12)。例えば、制御部104は、ユーザがスツール10aに着座した累積時間がスツール10aをメンテナンスすべきしきい値を超えたと判定した場合、環境改善部102が備える音発生機能部102bの機能を利用して、スツール10aのメンテナンスを促す音声を出力し、ユーザにメンテナンス時期であることを報知する。
なお、環境改善部102は、着座検知部101がユーザの着座を検知しなくなると、オフ状態となる(ステップS13)。
【0044】
以上、本発明の第一の実施形態によるスツール10(10a、10b、・・・)を備えるスツールシステム1について説明した。上述のスツールシステム1の処理において、スツール10は、スツール本体2と、着座検知部101と、環境改善部102と、通信部103と、制御部104と、を備える。スツール本体2は、座面を有する着座部21を備える。着座検知部101は、着座部21へのユーザの着座を検知する。環境改善部102は、スツール10の周囲環境を変化させる。通信部103は、サーバ20と通信を行う。通信部103は、着座検知部101が着座部21へのユーザの着座を検知した場合に、ユーザの着座を検知したことを示す着座報知情報をサーバ20に送信する。なお、着座報知情報は、対応するスツール10のスツールIDと、ユーザが着座している間の時刻の情報とを含んでいる。また、通信部103は、サーバ20が着座報知情報に基づいて生成した、スツール10の周囲環境を変化させる内容を示す改善内容指示情報を受信する。制御部104は、スツール10における種々の制御を行う。
このようにすれば、スツール10は、スツール10の周囲環境を改善することができる。
また、制御部203は、通信部201が着座報知情報をステップS4の処理で受信すると、スツール10aから通信部201が受信した着座報知情報に基づいて、スツール10aの着座のログ情報を管理する。制御部203は、特定したスツールIDの着座のログ情報が所定の条件を満足したか否かを判定する。制御部203は、着座のログ情報が所定の条件を満足したと判定した場合、その所定の条件に関連付けられた報知情報をスツール10aに送信する。
このようにすれば、スツール10は、ユーザにメンテナンス時期であることを報知することができる。
【0045】
<第二の実施形態>
次に、本発明の第二の実施形態によるスツール10を有するスツールシステム1の構成について説明する。
本発明の第二の実施形態によるスツールシステム1の構成は、
図3で示した第一の実施形態によるスツールシステム1と同様の構成であり、スツールシステム1は、スツール10と、サーバ20と、ネットワークNWと、を備える。
【0046】
まず、本発明の第二の実施形態によるスツールシステム1が備えるスツール10の構成について説明する。
図9は、本発明の第二の実施形態によるスツールシステム1が備えるスツール10の構成の一例を示す図である。
図9に示すように、第二の実施形態によるスツール10は、
図4で示した第一の実施形態によるスツール本体2と、着座検知部101と、環境改善部102と、通信部103と、制御部104と、記憶部105に加え、識別子取得部106を備える。
識別子取得部106は、着座検知部101が着座を検知したユーザの識別子を取得する。例えば、識別子取得部106は、ユーザが所持するBluetooth(登録商標)やWiFi(登録商標)などの通信を行う携帯端末とビーコン通信を行い、そのビーコン通信に基づいて取得する携帯端末の識別子を示す携帯端末IDをユーザの識別子を示すユーザIDとして取得する。
なお、通信部103がサーバ20に送信する着座報知情報は、対応するスツール10のスツールIDと、識別子取得部106が取得したユーザのユーザIDと、そのユーザが着座している間の時刻の情報とを含んでいる。
【0047】
次に、本発明の第二の実施形態によるスツールシステム1が備えるサーバ20の構成について説明する。
本発明の第二の実施形態によるサーバ20の構成は、
図5で示した第一の実施形態によるスツールシステム1と同様の構成であり、サーバ20は、通信部201と、改善内容指示情報特定部202と、制御部203と、記憶部204と、を備える。
なお、改善内容指示情報特定部202は、スツール10から通信部201を介して受信したスツールIDと、ユーザのユーザIDと、そのユーザが着座している間の時刻の情報とを含む着座報知情報に基づいて、改善内容指示情報を特定する。
【0048】
次に、第二の実施形態によるサーバ20が備える記憶部204が記憶する情報について説明する。
図10は、第二の実施形態によるサーバ20が備える記憶部204が記憶するデータテーブルTBL3の一例を示す図である。
データテーブルTBL3は、着座報知情報が含んでいるスツールIDとユーザのユーザIDとに対応する改善内容指示情報を示すデータテーブルである。
図10に示すように、データテーブルTBL3は、各スツール10のスツールIDに関連付けられた予め設定されたスツール10の周囲環境を変化させる内容を示す改善内容指示情報を示す。例えば、データテーブルTBL1におけるスツール10aのユーザID1が示すユーザの改善内容指示情報は、環境改善部102にユーザID1が示すユーザが好む香りAを発生させる指示と、ユーザID1が示すユーザが好む音Aを発生させる指示と、着座部21が備える座面の温度をユーザID1が示すユーザが好む温度A1に変化させる指示と、スツール10の周囲の温度をユーザID1が示すユーザが好む温度A2に変化させる指示と、を含む情報である。また、データテーブルTBL1におけるスツール10aのユーザID2が示すユーザの改善内容指示情報は、環境改善部102にユーザID2が示すユーザが好む香りBを発生させる指示と、ユーザID2が示すユーザが好む音Bを発生させる指示と、着座部21が備える座面の温度をユーザID2が示すユーザが好む温度B1に変化させる指示と、スツール10の周囲の温度をユーザID2が示すユーザが好む温度B2に変化させる指示と、を含む情報である。
【0049】
また、
図11は、第二の実施形態によるサーバ20が備える記憶部204が記憶するデータテーブルTBL4の一例を示す図である。
データテーブルTBL4は、各スツール10におけるユーザID1が示すユーザの着座のログ情報を示すデータテーブルである。
図11に示すように、データテーブルTBL4は、各スツール10にユーザID1が示すユーザが着座した年月日と時刻を示す。例えば、データテーブルTBL4におけるスツール10aのユーザID1が示すユーザの着座実績は、“○年○月○日○時△分×秒 〜 ○年○月○日×時▽分□秒”、“○年○月×日△時▽分△秒 〜 ○年○月×日□時×分▽秒”、・・・である。
【0050】
次に、本発明の第二の実施形態によるスツール10を備えるスツールシステム1が行う処理について説明する。
図12は、本発明の第二の実施形態によるスツールシステム1の処理フローの一例を示す図である。
ここでは、第二の実施形態によるスツールシステム1において、スツール10aがネットワークNWを介してサーバ20と通信する場合を例に、スツールシステム1が行う処理について説明する。
【0051】
ユーザがBluetooth(登録商標)やWiFi(登録商標)などの通信を行う携帯端末を所持してスツール10が備える着座部21の座面に座る。
すると、スツール10aが備える着座検知部101は、着座部21へのユーザの着座を検知する(ステップS1)。
環境改善部102は、着座検知部101がユーザの着座を検知すると、オン状態となる(ステップS2)。
【0052】
また、識別子取得部106は、着座検知部101が着座を検知したユーザの識別子を示すユーザIDを取得する。例えば、識別子取得部106は、ユーザが所持する携帯端末とビーコン通信を行い、そのビーコン通信に基づいて取得する携帯端末の携帯端末IDをユーザのユーザIDとして取得する(ステップS14)。
【0053】
スツール10aが備える通信部103は、着座検知部101がユーザの着座を検知すると、制御部104の制御により、ユーザの着座を検知したことを示す着座報知情報をサーバ20に送信する(ステップS3)。なお、着座報知情報は、対応するスツール10のスツールIDと、識別子取得部106が取得したユーザのユーザIDと、そのユーザが着座している間の時刻の情報とを含んでいる。
【0054】
サーバ20が備える通信部201は、制御部203の制御により、スツール10aから着座報知情報を受信する(ステップS4)。
【0055】
改善内容指示情報特定部202は、通信部201がスツール10aから着座報知情報を受信すると、通信部201が受信した着座報知情報に基づいて、スツール10aの周囲環境を変化させる内容を示す改善内容指示情報を特定する(ステップS5)。例えば、改善内容指示情報特定部202は、まず、
図10で示したデータテーブルTBL3を記憶部204から読み出す。改善内容指示情報特定部202は、次に、通信部201が受信した着座報知情報に含まれるスツールIDと、データテーブルTBL3におけるスツールIDとを順に比較する。そして、改善内容指示情報特定部202は、着座報知情報に含まれるスツールIDと同一であると判定したデータテーブルTBL3におけるスツールIDを特定する。改善内容指示情報特定部202は、次に、通信部201が受信した着座報知情報に含まれるユーザIDと、データテーブルTBL3において特定したスツールIDにおけるユーザIDとを順に比較する。そして、改善内容指示情報特定部202は、着座報知情報に含まれるユーザIDと同一であると判定したデータテーブルTBL3におけるユーザIDに対応する環境改善内容情報を特定する。
通信部201は、制御部203の制御により、改善内容指示情報特定部202が特定した改善内容指示情報をスツール10aに送信する(ステップS6)。
【0056】
通信部103は、制御部104の制御により、サーバ20から改善内容指示情報を受信する(ステップS7)。
環境改善部102は、通信部103がサーバ20から改善内容指示情報を受信すると、通信部103が受信した改善内容指示情報に基づいて、スツール10aの周囲環境を変化させる(ステップS8)。例えば、通信部103がサーバ20から
図10で示したデータテーブルTBL3のスツール10aのIDのユーザID1に対応する環境改善内容情報を受信した場合、環境改善部102が備えるアロマ機能部102aは、香りAを発生する。また、環境改善部102が備える音発生機能部102bは、音Aを発生する。また、環境改善部102が備える着座温度調整部102cは、着座部21の座面の温度をユーザID1が示すユーザが好む温度に変化させる。また、環境改善部102が備えるスツール周囲温度調整部102dは、スツール10aの周囲の温度をユーザID1が示すユーザが好む温度に変化させる。
このようにすれば、スツール10aが備える環境改善部102は、スツール10aの周囲環境をユーザID1が示すユーザが好む環境に改善することができる。
【0057】
また、サーバ20が備える制御部203は、通信部201が着座報知情報をステップS4の処理で受信すると、スツール10aから通信部201が受信した着座報知情報に基づいて、スツール10aの着座のログ情報を管理する(ステップS9)。例えば、制御部203は、まず、スツール10aから通信部201が受信した着座報知情報が含んでいるスツールIDと、ユーザIDと、ユーザが着座している間の時刻の情報とを特定する。そして、制御部203は、
図11で示したデータテーブルTBL4のように、特定したスツールIDについて特定したユーザIDが示すユーザが着座している間の時刻の情報とを関連付けて記憶部204に記録する。
このようにすれば、記憶部204に記録した各ユーザIDが示す各ユーザが着座している間の時刻の情報を在籍管理情報として利用することができる。
【0058】
また、制御部203は、特定したスツールIDの着座のログ情報が所定の条件を満足したか否かを判定する(ステップS10)。例えば、制御部203は、ユーザがスツール10aに着座した累積時間がスツール10aをメンテナンスすべきしきい値を超えたか否かを判定する。
制御部203は、着座のログ情報が所定の条件を満足していないと判定した場合(ステップS10、NO)、所定時間が経過した後、ステップS10の判定を繰り返す。
また、制御部203は、着座のログ情報が所定の条件を満足したと判定した場合(ステップS10、YES)、その所定の条件に関連付けられた報知情報をスツール10aに送信する(ステップS11)。例えば、制御部203は、ユーザがスツール10aに着座した累積時間がスツール10aをメンテナンスすべきしきい値を超えたと判定した場合、制御部203は、通信部201を介して、スツール10aのメンテナンスを促す報知情報をスツール10aに送信する。
【0059】
制御部104は、通信部103が所定の条件に関連付けられた報知情報を受信すると、通信部103が受信した報知情報が示す情報をユーザに報知する(ステップS12)。例えば、制御部104は、ユーザがスツール10aに着座した累積時間がスツール10aをメンテナンスすべきしきい値を超えたと判定した場合、環境改善部102が備える音発生機能部102bの機能を利用して、スツール10aのメンテナンスを促す音声を出力し、ユーザにメンテナンス時期であることを報知する。
なお、環境改善部102は、着座検知部101がユーザの着座を検知しなくなると、オフ状態となる(ステップS13)。
【0060】
以上、本発明の第二の実施形態によるスツール10(10a、10b、・・・)を備えるスツールシステム1について説明した。上述のスツールシステム1の処理において、スツール10は、スツール本体2と、着座検知部101と、環境改善部102と、通信部103と、制御部104と、を備える。スツール本体2は、座面を有する着座部21を備える。着座検知部101は、着座部21へのユーザの着座を検知する。環境改善部102は、スツール10の周囲環境を変化させる。通信部103は、サーバ20と通信を行う。通信部103は、着座検知部101が着座部21へのユーザの着座を検知した場合に、ユーザの着座を検知したことを示す着座報知情報をサーバ20に送信する。なお、着座報知情報は、対応するスツール10のスツールIDと、ユーザが着座している間の時刻の情報とを含んでいる。また、通信部103は、サーバ20が着座報知情報に基づいて生成した、スツール10の周囲環境を変化させる内容を示す改善内容指示情報を受信する。制御部104は、スツール10における種々の制御を行う。
このようにすれば、スツール10は、スツール10の周囲環境を改善することができる。
また、識別子取得部106は、着座検知部101が着座を検知したユーザの識別子を取得する。通信部103は、ユーザIDを含む着座報知情報をサーバ20に送信する。制御部203は、スツール10aから通信部201が受信したユーザIDを含む着座報知情報に基づいて、スツール10aの着座のログ情報を管理する。
このようにすれば、記憶部204に記録した各ユーザIDが示す各ユーザが着座している間の時刻の情報を在籍管理情報として利用することができる。
【0061】
なお、上述の実施形態において、着座検知部101がユーザの着座を検知するか否かに応じて、環境改善部102のオン状態とオフ状態とが切り替わるものとして説明したが、環境改善部102のオン状態とオフ状態との切り替えは、それに限定するものではない。環境改善部102のオン状態とオフ状態との切り替えは、例えば、会議システムと連動し、会議の時刻に基づいて行われるものであってもよい。例えば、環境改善部102は、会議の開始時刻の直前にオン状態となり、会議の終了時刻の直後にオフ状態となるものであってもよい。
【0062】
なお、上述の実施形態において、サーバ20は、スツール10の外部装置として説明したが、それに限定するものではない。サーバ20は、スツール10が備えるものであってもよい。その場合、スツール10がスツールシステム1であり、スツール10単体で改善内容指示情報を生成し、環境改善部102を制御することができる。
【0063】
なお、上述の実施形態では、サーバ20が生成した改善内容指示情報に基づいて、1つのスツール10aが周囲の環境を改善する例を説明したが、それに限定するものではない。例えば、
図3で示したように、サーバ20は、複数のスツール10のそれそれに改善内容指示情報を送信し、改善内容指示情報を受信したスツール10のそれぞれが周囲の環境を改善するものであってもよい。より具体的には、例えば、スツール10aはサーバ20から受信した改善内容指示情報に基づいて香りを発生し、スツール10bは、サーバ20から受信した改善内容指示情報に基づいて、音を発生するものであってもよい。
【0064】
また、上述の実施形態では、椅子装置の1つであるスツールを例に椅子装置が周囲の環境を改善する例を説明したが、それに限定するものではない。例えば、椅子装置は、背凭れ付きの椅子であってもよい。その場合、椅子装置は、例えば背凭れに備えられたスピーカから音を発生し、周囲の環境を改善するものであってもよい。また、椅子装置は、例えば、背凭れに着座センサを備え、その着座センサによりユーザの着座を検知するものであってもよい。
【0065】
また、上述の実施形態では、サーバ20が記憶するデータテーブルTBL3は、既に記憶されているものとして説明したが、それに限定するものではない。データテーブルTBL3は、常時更新や変更できるものであってよい。例えば、各ユーザは、手動で設定した自身の嗜好情報を含む任意の環境改善内容情報をサーバ20に記憶させるものであってもよい。
【0066】
また、上述の実施形態において、サーバ20は、データテーブルTBL4の情報に基づいて、各ユーザの着座の情報を在籍情報としてユーザグループに提供するものであってもよい。例えば、サーバ20は、ユーザグループが閲覧可能な端末装置に在籍情報を送信するものであってもよい。
【0067】
なお、本発明における記憶部105と記憶部204は、適切な情報の送受信が行われる範囲においてどこに備えられていてもよい。また、記憶部105と記憶部204は、適切な情報の送受信が行われる範囲において複数存在しデータを分散して記憶していてもよい。
【0068】
なお、本発明の実施形態における処理フローは、適切な処理が行われる範囲において、処理の順番が入れ替わってもよい。例えば、実施形態におけるステップS4、S5の処理とステップS9〜S11の処理は、処理の順番が入れ替わってもよい。また、実施形態におけるステップS4、S5の処理とステップS8〜S10の処理は、並行に行われてもよい。
【0069】
なお、本発明の実施形態について説明したが、上述のスツール10(10a、10b、・・・)とサーバ20は内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
【0070】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【0071】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定するものではない。また、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができるものである。