特許第6391159号(P6391159)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6391159
(24)【登録日】2018年8月31日
(45)【発行日】2018年9月19日
(54)【発明の名称】カラオケ装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G10K 15/04 20060101AFI20180910BHJP
【FI】
   G10K15/04 302D
【請求項の数】9
【全頁数】35
(21)【出願番号】特願2014-252536(P2014-252536)
(22)【出願日】2014年12月13日
(65)【公開番号】特開2016-114726(P2016-114726A)
(43)【公開日】2016年6月23日
【審査請求日】2017年7月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】396004833
【氏名又は名称】株式会社エクシング
(74)【代理人】
【識別番号】100109195
【弁理士】
【氏名又は名称】武藤 勝典
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 剛史
【審査官】 下林 義明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−043769(JP,A)
【文献】 特開2012−194389(JP,A)
【文献】 特開2011−209319(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10K 15/00 − 15/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カラオケ楽曲を選択する選曲手段と、
前記選曲手段により選択されたカラオケ楽曲を演奏する演奏手段と、
入力手段から入力される音声から、少なくとも音高を抽出する抽出手段と、
縦軸を音高、横軸を時間としてモニタ上に定められる座標系における第1表示位置であって、前記選曲手段により選択されたカラオケ楽曲の歌唱旋律を表す各構成音の基準音高と、前記抽出手段により抽出された音高との差分の許容限界を示す第1画像の第1表示位置を決定する第1決定手段と、
前記第1決定手段により決定された第1表示位置に基づいて、モニタに前記第1画像を表示する第1表示手段と、
前記抽出手段により抽出された前記音高を示す第2画像の、前記座標系における第2表示位置を決定する第2決定手段と、
前記第2決定手段により決定された第2表示位置に基づいて、モニタに前記第2画像を表示する第2表示手段と、
を備えることを特徴とするカラオケ装置。
【請求項2】
前記基準音高に対応する前記座標系における基準位置と、前記第1決定手段により決定された第1表示位置との間の範囲は、許容範囲と、その許容範囲を超えて前記許容限界までの限界近接範囲とから成り、
前記カラオケ装置は、前記第2決定手段により決定された第2表示位置が、前記許容範囲と前記限界近接範囲とのいずれに含まれるかを判定する判定手段と、
前記演奏手段と前記第1決定手段とを制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記判定手段により前記第2表示位置が前記限界近接範囲に含まれると判定された場合に、前記演奏手段と前記第1決定手段との何れか一方の動作を、前記判定手段により前記第2表示位置が前記許容範囲に含まれると判定された場合の動作と異なる動作に変更する
ことを特徴とする請求項1に記載のカラオケ装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記判定手段により前記第2表示位置が前記限界近接範囲に含まれると判定された場合に、前記演奏手段により演奏されるカラオケ楽曲の演奏を中止する
ことを特徴とする請求項2に記載のカラオケ装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記判定手段の判定結果に応じて前記第1表示位置が変更されるように前記第1決定手段を制御する
ことを特徴とする請求項2に記載のカラオケ装置。
【請求項5】
前記カラオケ装置は、前記判定手段により、前記第2表示位置が前記限界近接範囲に含まれると判定された回数を集計する第1集計手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記第1集計手段により集計された回数が所定値に達した場合に、前記演奏手段と前記第1決定手段との何れか一方の動作を制御する
ことを特徴とする請求項2から請求項4のいずれかに記載のカラオケ装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記第1表示位置を変更した回数を集計する第2集計手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記第2集計手段により集計された回数が所定値に達した場合に、前記演奏手段により演奏されるカラオケ楽曲の演奏を中止する
ことを特徴とする請求項4に記載のカラオケ装置。
【請求項7】
前記カラオケ装置は、前記判定手段により、前記第2表示位置が前記許容範囲に含まれると判定された時点から、前記第2表示位置が前記限界近接範囲に含まれると判定された時点までの時間を計時する計時手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記計時手段により計時された時間が所定値に達した場合に、前記第1決定手段の動作を制御する
ことを特徴とする請求項2から請求項6のいずれかに記載のカラオケ装置。
【請求項8】
前記カラオケ装置は、前記抽出手段により音声から抽出された音高と、前記選曲手段により選択されたカラオケ楽曲の歌唱旋律を表す各構成音の基準音高とを比較して、所定の採点区間毎に音声の採点を行う採点手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記採点手段により採点された結果に基づいて前記第1表示位置が変更されるように前記第1決定手段を制御する
ことを特徴とする請求項2から請求項7のいずれかに記載のカラオケ装置。
【請求項9】
カラオケ楽曲を選択する選曲手段と、前記選曲手段により選択されたカラオケ楽曲を演奏する演奏手段と、入力手段から入力される音声から、少なくとも音高を抽出する抽出手段と、を備えるカラオケ装置において実行されるプログラムであって、
縦軸を音高、横軸を時間としてモニタ上に定められる座標系における第1表示位置であって、前記選曲手段により選択されたカラオケ楽曲の歌唱旋律を表す各構成音の基準音高と、前記抽出手段により抽出された音高との差分の許容限界を示す第1画像の第1表示位置を決定する第1決定ステップと、
前記第1決定ステップにより決定された第1表示位置に基づいて、モニタに前記第1画像を表示させる第1表示ステップと、
前記抽出手段により抽出された前記音高を示す第2画像の、前記座標系における第2表示位置を決定する第2決定ステップと、
前記第2決定ステップにより決定された第2表示位置に基づいて、モニタに前記第2画像を表示させる第2表示ステップと、
をカラオケ装置のコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザ自身の音高を示す画像をモニタ上に表示するカラオケ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カラオケ楽曲の歌唱中に、ガイドメロディデータに基づいてカラオケ楽曲を構成する音を描画するピアノロールをモニタ上に表示する技術が知られている。そのピアノロールは、縦軸を音高とし、横軸を時間として、カラオケ楽曲を構成する音を展開してモニタ上に描画される。この種の技術として、特許文献1に開示された技術では、ユーザの音声データが波形データとしてピアノロールと共に表示される。波形データがピアノロールに重なるようにユーザに歌唱させることで、カラオケ採点が実施される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−225116号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されている従来技術は、波形データとピアノロールとの一致を促すことで、正しい音高でユーザに歌唱させることは可能である。しかし、音高がガイドメロディデータから著しく外れることを防ぐような注意喚起を、視覚的に提供できないという課題があった。
【0005】
本発明は、ユーザ自身の音高を示す第2画像と許容限界を示す第1画像とをモニタ上に表示することにより、自身の音高のずれについてユーザに注意を喚起させることが可能になるカラオケ装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明に係るカラオケ装置は、カラオケ楽曲を選択する選曲手段と、前記選曲手段により選択されたカラオケ楽曲を演奏する演奏手段と、入力手段から入力される音声から、少なくとも音高を抽出する抽出手段と、縦軸を音高、横軸を時間としてモニタ上に定められる座標系における第1表示位置であって、前記選曲手段により選択されたカラオケ楽曲の歌唱旋律を表す各構成音の基準音高と、前記抽出手段により抽出された音高との差分の許容限界を示す第1画像の第1表示位置を決定する第1決定手段と、前記第1決定手段により決定された第1表示位置に基づいて、モニタに前記第1画像を表示する第1表示手段と、前記抽出手段により抽出された前記音高を示す第2画像の、前記座標系における第2表示位置を決定する第2決定手段と、 前記第2決定手段により決定された第2表示位置に基づいて、モニタに前記第2画像を表示する第2表示手段と、を備える。
【0007】
請求項2に記載の発明に係るカラオケ装置において、前記基準音高に対応する前記座標系における基準位置と、前記第1決定手段により決定された第1表示位置との間の範囲は、許容範囲と、その許容範囲を超えて前記許容限界までの限界近接範囲とから成り、前記カラオケ装置は、前記第2決定手段により決定された第2表示位置が、前記許容範囲と前記限界近接範囲とのいずれに含まれるかを判定する判定手段と、前記演奏手段と前記第1決定手段とを制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記判定手段により前記第2表示位置が前記限界近接範囲に含まれると判定された場合に、前記演奏手段と前記第1決定手段との何れか一方の動作を、前記判定手段により前記第2表示位置が前記許容範囲に含まれると判定された場合の動作と異なる動作に変更する。
【0008】
請求項3に記載の発明に係るカラオケ装置において、前記制御手段は、前記判定手段により前記第2表示位置が前記限界近接範囲に含まれると判定された場合に、前記演奏手段により演奏されるカラオケ楽曲の演奏を中止する。
【0009】
請求項4に記載の発明に係るカラオケ装置において、前記制御手段は、前記判定手段の判定結果に応じて前記第1表示位置が変更されるように前記第1決定手段を制御する。
【0010】
請求項5に記載の発明に係るカラオケ装置において、前記判定手段により、前記第2表示位置が前記限界近接範囲に含まれると判定された回数を集計する第1集計手段をさらに備え、前記制御手段は、前記第1集計手段により集計された回数が所定値に達した場合に、前記演奏手段と前記第1決定手段とのいずれか一方の動作を制御する。
【0011】
請求項6に記載の発明に係るカラオケ装置において、前記制御手段は、前記第1表示位置を変更した回数を集計する第2集計手段をさらに備え、前記制御手段は、前記第2集計手段により集計された回数が所定値に達した場合に、前記演奏手段により演奏されるカラオケ楽曲の演奏を中止する。
【0012】
請求項7に記載の発明に係るカラオケ装置において、前記判定手段により、前記第2表示位置が前記許容範囲に含まれると判定された時点から、前記第2表示位置が前記限界近接範囲に含まれると判定された時点までの時間を計時する計時手段をさらに備え、前記制御手段は、前記計時手段により計時された時間が所定値に達した場合に、前記第1決定手段の動作を制御する。
【0013】
請求項8に記載の発明に係るカラオケ装置において、前記抽出手段により音声から抽出された音高と、前記選曲手段により選択されたカラオケ楽曲の歌唱旋律を表す各構成音の基準音高とを比較して、所定の採点区間毎に音声の採点を行う採点手段をさらに備え、前記制御手段は、前記採点手段により採点された結果に基づいて前記第1表示位置が変更されるように前記第1決定手段を制御する。
【0014】
請求項9に記載の本発明に係るプログラムは、カラオケ楽曲を選択する選曲手段と、前記選曲手段により選択されたカラオケ楽曲を演奏する演奏手段と、入力手段から入力される音声から、少なくとも音高を抽出する抽出手段と、を備えるカラオケ装置において実行されるプログラムであって、縦軸を音高、横軸を時間としてモニタ上に定められる座標系における第1表示位置であって、前記選曲手段により選択されたカラオケ楽曲の歌唱旋律を表す各構成音の基準音高と、前記抽出手段により抽出された音高との差分の許容限界を示す第1画像の第1表示位置を決定する第1決定ステップと、前記第1決定ステップにより決定された第1表示位置に基づいて、モニタに前記第1画像を表示させる第1表示ステップと、前記抽出手段により抽出された前記音高を示す第2画像の、前記座標系における第2表示位置を決定する第2決定ステップと、 前記第2決定ステップにより決定された第2表示位置に基づいて、モニタに前記第2画像を表示させる第2表示ステップと、をカラオケ装置のコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に記載の発明において、第1決定手段は、モニタ上の座標系における第1表示位置であって、カラオケ楽曲の歌唱旋律を表す各構成音の基準音高と、抽出手段により抽出された音高との差分の許容限界を示す第1画像の第1表示位置を決定する。第1表示手段は、第1表示位置に基づいて、モニタに第1画像を表示する。第2決定手段は、抽出手段により抽出された音高を示す第2画像の、モニタ上の座標系における第2表示位置を決定する。第2表示手段は、第2表示位置に基づいて、モニタに第2画像を表示する。この結果、ユーザ自身の音高を示す第2画像と許容限界を示す第1画像とをモニタ上に表示することにより、自身の音高のずれについてユーザに注意を喚起させることが可能になる。また、ユーザは、第2画像と第1画像とをモニタ上で見ることにより、自身の音高が大きく外れないように意識しながら歌唱することが可能になる。
【0016】
請求項2に記載の発明において、基準音高に対応する座標系における基準位置と、第1決定手段により決定された第1表示位置との間の範囲は、許容範囲と、その許容範囲を超えて許容限界までの限界近接範囲とから成る。判定手段は、第2決定手段により決定された第2表示位置が、許容範囲と限界近接範囲とのいずれに含まれるかを判定する。制御手段は、判定手段により第2表示位置が限界近接範囲に含まれると判定された場合に、演奏手段と第1決定手段との何れか一方の動作を、判定手段により第2表示位置が許容範囲に含まれると判定された場合の動作と異なる動作に変更する。この結果、第1画像が第2画像に近接した場合に、ユーザは、自身の音高が大きく外れたことを、聴覚的または視覚的に意識することが可能となる。
【0017】
請求項3に記載の発明において、制御手段は、判定手段により第2表示位置が限界近接範囲に含まれると判定された場合に、演奏手段により演奏されるカラオケ楽曲の演奏を中止する。この結果、第1画像が第2画像に近接した場合に、演奏を中止するので、ユーザは、自身の音高が大きく外れたことを、聴覚的に強く意識することが可能となる。
【0018】
請求項4に記載の発明において、制御手段は、判定手段の判定結果に応じて第1表示位置が変更されるように第1決定手段を制御する。この結果、第1画像が第2画像に近接した場合に、第1画像の表示位置が変更されるので、ユーザは、自身の音高が大きく外れたことを、視覚的に強く意識することが可能となる。
【0019】
請求項5に記載の発明において、第1集計手段は、判定手段により、第2表示位置が限界近接範囲に含まれると判定された回数を集計する。制御手段は、第1集計手段により集計された回数が所定値に達した場合に、演奏手段と第1決定手段との何れか一方の動作を制御する。この結果、第1画像が第2画像に近接した回数を集計し、所定回数近接した場合に、演奏手段または第1決定手段を制御することにより、ユーザは、自身の音高が大きく外れたことを、聴覚的または視覚的に意識することが可能となる。
【0020】
請求項6に記載の発明において、第2集計手段は、第1表示位置を変更した回数を集計する。制御手段は、第2集計手段により集計された回数が所定値に達した場合に、演奏手段により演奏されるカラオケ楽曲の演奏を中止する。この結果、第1画像が第2画像に近接して所定回数第1画像の表示位置が変更されると演奏を中止するので、ユーザは、自身の音高が大きく外れたことを、聴覚的に強く意識することが可能となる。
【0021】
請求項7に記載の発明において、計時手段は、判定手段により、第2表示位置が許容範囲に含まれると判定された時点から、第2表示位置が限界近接範囲に含まれると判定された時点までの時間を計時する。制御手段は、計時手段により計時された時間が所定値に達した場合に、第1決定手段の動作を制御する。この結果、所定時間第1画像が第2画像に近接しない場合、第1画像の表示位置が変更されるため、基準音高に一層近い音高で歌唱することをユーザに挑戦させることが可能になる。
【0022】
請求項8に記載の発明において、採点手段は、抽出手段により音声から抽出された音高と、選曲手段により選択されたカラオケ楽曲の歌唱旋律を表す各構成音の基準音高とを比較して、所定の採点時間の間隔で音声の採点を行う。制御手段は、採点手段により採点された結果に基づいて第1表示位置が変更されるように第1決定手段を制御する。この結果、第1画像の表示位置が変更されない場合に比べ、ユーザは、歌唱採点結果に応じて変更された第1画像の表示位置を見て注意を喚起することによって、楽曲演奏の間に歌唱意欲を継続させることが可能となる。
【0023】
請求項9に記載の発明において、第1決定ステップは、モニタ上の座標系における第1表示位置であって、カラオケ楽曲の歌唱旋律を表す各構成音の基準音高と、抽出手段により抽出された音高との差分の許容限界を示す第1画像の第1表示位置を決定する。第1表示ステップは、第1表示位置に基づいて、モニタに第1画像を表示する。第2決定ステップは、抽出手段により抽出された音高を示す第2画像の、モニタ上の座標系における第2表示位置を決定する。第2表示ステップは、第2表示位置に基づいて、モニタに第2画像を表示する。この結果、ユーザ自身の音高を示す第2画像と許容限界を示す第1画像とをモニタ上に表示することにより、自身の音高のずれについてユーザに注意を喚起させることが可能になる。また、ユーザは、第2画像と第1画像とをモニタ上で見ることにより、自身の音高が大きく外れないように意識しながら歌唱することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の第1実施形態のカラオケ装置を備えるカラオケシステムの構成を示すブロック図
図2】第1実施形態におけるカラオケ楽曲データテーブルを示す図
図3】第1実施形態におけるステージテーブルを示す図
図4】第1実施形態におけるオブジェクト位置決定テーブルを示す図
図5】第1実施形態における採点実施中の画面を示す図
図6】第1実施形態における許容限界を示す模式図
図7】第1実施形態において、オブジェクト102にアイコン104が衝突した場合に演奏を中止する処理を示すフロー図
図8】第1実施形態において、オブジェクト102にアイコン104が衝突した画面を示す図
図9】第1実施形態において、オブジェクト102にアイコン104が衝突した画面を拡大して示す図
図10】第1実施形態において、オブジェクト102にアイコン104が複数回衝突した画面を示す図
図11】第1実施形態において、演奏を終了することを報知する画面を示す図
図12】本発明の第2実施形態のカラオケ装置において、オブジェクト102にアイコン104が所定回数衝突した場合にオブジェクトの表示位置を変更する処理を示すフロー図
図13】第2実施形態において、オブジェクト102にアイコン104が所定回数衝突した場合にオブジェクト102の表示位置の変更を報知する画面を示す図
図14】第2実施形態において、オブジェクト102の表示位置を変更した後の画面を示す図
図15】本発明の第3実施形態のカラオケ装置において、オブジェクト102にアイコン104が衝突した場合にオブジェクト102の表示位置を変更する回数を制限する処理を示すフロー図
図16】第3実施形態において、オブジェクト102の表示位置を変更した回数を表示する画面を示す図
図17】第3実施形態において、オブジェクト102の表示位置を変更した回数が所定値を超えた場合に演奏を終了することを報知する画面を示す図
図18】本発明の第4実施形態のカラオケ装置において、オブジェクト102にアイコン104が所定時間近接しなかった場合にオブジェクト102の表示位置を変更する処理を示すフロー図
図19】第4実施形態において、オブジェクト102にアイコン104が近接しなかった継続時間を表示する画面を示す図
図20】第4実施形態において、オブジェクト102にアイコン104が所定時間近接しなかった場合にオブジェクト102の表示位置の変更を報知する画面を示す図
図21】第4実施形態において、所定時間近接しなかった場合にオブジェクト102の表示位置を変更した後の画面を示す図
図22】本発明の第5実施形態のカラオケ装置において、採点値に応じてオブジェクト102の表示位置を変更する処理を示すフロー図
図23】第5実施形態において、採点値が所定値を超えた場合にオブジェクト102の表示位置の変更を報知する画面を示す図
図24】変形例において、ハーモニーパートデータに対応するオブジェクト102が表示される画面を示す図
図25】変形例において、歌唱用マイク33からの音声入力と共に、別の歌唱用マイクからユーザの音声入力を受け付けてアイコン104を表示する画面を示す図
【発明を実施するための形態】
【0025】
<第1実施形態の電気的構成>
本発明の第1実施形態であるカラオケ装置1を備えるカラオケシステムKSについて、図1を参照して説明する。
【0026】
カラオケシステムKSは、本実施形態であるカラオケ装置1と、モニタ31と、スピーカ32と、歌唱用マイク33と、リモコン装置4と、ホスト装置5と、を主に備える。カラオケ装置1とリモコン装置4とは、LAN100及びアクセスポイント110を利用して接続される。また、カラオケ装置1とホスト装置5とは、LAN100及びルータ120を利用してインターネットを介して接続される。
【0027】
(カラオケ装置1)
カラオケ装置1は、制御部11と、操作部12と、操作処理部13と、赤外線受信部14と、ビデオRAM15と、画像再生部16と、画像制御部17と、メモリ18と、HDD19と、音響制御部20と、LAN通信部21と、を主に備える。
【0028】
制御部11は、操作処理部13から入力された操作信号を解釈して画像再生部17、及び音響制御部20に制御指令信号を出力する。
【0029】
操作部12は、キースイッチまたは押しボタンなどを備え、ユーザがキースイッチなどを操作したときに、その操作に従って操作処理部13に操作信号を出力する。
【0030】
操作処理部13は、操作部12から入力された操作信号を制御部11に出力する。
【0031】
赤外線受信部14は、リモコン装置4の赤外線送信部44からの赤外線を受信し、操作信号に変換して操作処理部13に出力する。
【0032】
ビデオRAM15は、画像再生部17が画像を再生する際に参照する画像データを一時的に蓄積する。
【0033】
画像再生部16は、制御部11から入力された画像の再生を指示する信号と、ビデオRAM16に蓄積された画像データとに基づいて画像を再生する。
【0034】
画像制御部17は、制御部11から入力された画像の付与を指示する信号を解釈して、モニタ31に歌詞テロップ、オブジェクト、または、エフェクトなどの画像を出力する。
【0035】
メモリ18は、HDD19に記憶する各種プログラムを実行するにあたって必要となる情報を一時記憶する。
【0036】
HDD19は、各種情報を記憶する。HDD19は複数の記憶領域を備え、第1の記憶領域に、カラオケ楽曲データテーブルを記憶する。カラオケ楽曲データテーブルは図2に示す内容であり、メタデータと実データとを含む。メタデータは、カラオケ楽曲データに関連する各種情報であり、楽曲データを識別するための楽曲識別データ、曲名、歌手名、作詞者名、作曲者名、及び区間データを有する。区間データは、カラオケ楽曲を、前奏、Aメロディ、Bメロディ、サビ、間奏、Cメロディ、後奏といった複数の区間に分割する情報である。実データは、演奏などの各種処理を実行する情報であり、演奏データ、歌詞データ、ガイドメロディデータ、及びハーモニーパートデータを有する。演奏データは、MIDI規格に基づいて電子楽器用の制御情報、あるいは、実際の演奏を録音した圧縮音声情報等で構成され、カラオケの伴奏音を演奏するための情報である。歌詞データは、歌唱補助のため、演奏データに同期して表示される情報である。ガイドメロディデータは、カラオケ楽曲の歌唱旋律を表すデータであり、ユーザが歌唱すべき音高のお手本となる。ハーモニーパートデータは、ガイドメロディデータの音高に対して、旋律的にマッチする音高関係で予め作成されたデータである。ハーモニーパートデータは、和音を参照して作成される。例えば、和音「ソ・シ・レ」を参照すると、ガイドメロディデータの音高が「シ」ならば、対応するハーモニーパートデータの音高は「ソ」又は「レ」となる。
【0037】
HDD19は、第2の記憶領域を備え、第2の記憶領域に、ステージテーブルを記憶する。ステージテーブルは図3に示す内容であり、ステージID、ステージ名、オブジェクト名、オブジェクトデータ、オブジェクトの横幅、アイコン名、アイコンデータ、及びアイコンの縦幅を有する。ステージIDは、ステージを識別する情報であって、1、2、3、4、5のようにユニークな番号を有する。ステージ名は、モニタ31に表示される画像の全体的な特徴を表す名称であり、「スタンダード」、「宇宙」、「都市」、「海」、「砂漠」などを含む。オブジェクト名は、モニタ31に表示されるオブジェクトの名称を表しており、「ブロック」「惑星」、「ビル」、「岩」、「サボテン」などを含む。オブジェクトデータの圧縮形式は、例えばJPEG方式である。オブジェクトの横幅及びアイコンの縦幅は、JPEG方式で圧縮したオブジェクトデータを解凍してモニタ31に表示した際の大きさであり、オブジェクトの一端から他端までの長さである。大きさの単位は例えばピクセルである。アイコン名は、モニタ31に表示されるアイコンの名称を表しており、「笑顔マーク」、「宇宙船」、「ビジネスマン」、「ダイバー」、「レーシングカー」などを含む。アイコンデータの圧縮形式は、例えばJPEG方式である。
【0038】
HDD19はさらに、第3の記憶領域を備え、第3の記憶領域に、オブジェクト位置決定テーブルを記憶する。図4はオブジェクト位置決定テーブルの内容を示す。オブジェクト位置決定テーブルは、位置ID、上位置データ、下位置データ、基準フラグ、限界フラグ、及びレベルを含む。
【0039】
位置IDとして、001から008までの数値が用意される。図4のオブジェクト位置決定テーブルは複数のレコードを記憶している。各レコードは、上位置データ、下位置データ、基準フラグ、限界フラグ、及びレベルを含み、位置IDは、各レコードを識別するための情報である。
【0040】
上位置データとして、1/16音UP、1/8音UP、1/4音UP、半音UP、3/4音UP、全音UP、5/4音UP、及び6/4音UPのデータが用意される。上位置データは、後述するモニタ31の縦軸を音高、横軸を時間として定められる座標系100において、図2のガイドメロディデータの構成音に基づいて決定される指標103から上の位置を示すデータである。
【0041】
下位置データとして、1/16音DOWN、1/8音DOWN、1/4音DOWN、半音DOWN、3/4音DOWN、全音DOWN、5/4音DOWN、及び6/4音DOWNのデータが用意される。下位置データは、後述するモニタ31の縦軸を音高、横軸を時間として定められる座標系100において、図2のガイドメロディデータの構成音に基づいて決定される指標103から下の位置を示すデータである。
【0042】
基準フラグとして、0と1との数字が用意される。基準フラグは、本実施形態の採点モードを実行するにあたり、初期設定されている位置IDを指定するフラグである。本実施形態において、基準フラグは、初期設定状態において、位置IDとして004を指定する。位置IDとして004が指定される場合、指標103から半音上げた位置を示す「半音UP」、および半音下げた位置を示す「半音DOWN」が指定される。
【0043】
限界フラグとして、0と1との数字が用意される。限界フラグは、本実施形態の採点モードを実行するにあたり、オブジェクト位置が変更された場合に、オブジェクト102が指標103から離れることが許容される限界の位置を表すデータに付与される。本実施形態において、限界フラグは、位置IDとして008を指定する。位置IDとして008が指定される場合、指標103から6/4音上げた位置を示す「6/4音UP」、および6/4音下げた位置を示す「6/4音DOWN」が指定される。
【0044】
レベルとして、LEVEL8、LEVEL7、LEVEL6、LEVEL5、LEVEL4、LEVEL3、LEVEL2、及びLEVEL1のデータが用意される。レベルは、歌唱難易度のレベルを示す。LEVELに続く数字が大きいほど、歌唱難易度が高い。歌唱難易度は、オブジェクト102の位置がガイドメロディデータの構成音に基づく指標103に近いほど高い。
【0045】
HDD19はさらに、第4の記憶領域を備え、第4の記憶領域に、後述するエフェクト画像108、及び演奏終了文言画像109の各画像を表す画像データを記憶する。エフェクト画像108は、オブジェクト102と後述するアイコン104とが近接、又は衝突した場合にモニタ31に表示される画像である。制御部11は、近接又は衝突したと判定した場合に、HDD19の第4の記憶領域からエフェクト画像108を読み出す。演奏終了文言画像109は、オブジェクト102とアイコン104とが所定回数近接又は衝突した場合にモニタ31に表示される画像である。本実施形態において、所定回数は4回と設定される。制御部11は、4回近接、又は衝突した場合に、HDD19の第4の記憶領域から演奏終了文言画像109を読み出す。
【0046】
音響制御部20は、制御部11から入力された音響の再生を指示する信号を解釈し、HDD19が記憶するカラオケ楽曲データテーブルから、1つの演奏データを読み出し、演奏データに従って音響信号を生成し、スピーカ32に供給する。
【0047】
LAN通信部21は、制御部11から入力された取得指示情報を、LAN100及びルータ120を利用してインターネットを介してホスト装置5に送信する。その取得指示情報は、ユーザに対応する各種情報、またはカラオケ楽曲に対応する各種情報の取得を指示する情報である。
【0048】
モニタ31は、画像制御部17から入力された画像の再生を指示する信号に基づいて図5に示す画像を表示する。図5はモニタ31が表示する画面を示す。モニタ31が表示する画面は、座標系100、アイコン101、オブジェクト102、指標103、アイコン104、波形105、歌詞106、及び衝突回数欄107を含む。
【0049】
座標系100は、縦軸を音高、横軸を時間として定められる。座標系100は図5が示す画面上方に表示される。
【0050】
アイコン101は、採点モードが実行中であることを示す。アイコン101は、座標系100の上方左側に表示される。
【0051】
オブジェクト102は、座標系100中に表示される画像である。後述する図7のステップSA3で決定されたオブジェクトの表示位置に基づいて座標系100中に表示される。オブジェクト102はオブジェクト全体を示している。図5において、オブジェクト102はさらに、オブジェクト102−A1、102−A2、オブジェクト102−B1、102−B2、オブジェクト102−C1、102−C2、オブジェクト102−D1、102−D2、オブジェクト102−E1、102−E2、及びオブジェクト102−F1、102−F2の6個のブロックに分かれる。各ブロックの各オブジェクトのモニタ31上の表示位置は指標103を基準にして決定される。
【0052】
指標103は、図2のガイドメロディデータの構成音の、座標系100上の位置を示す画像である。指標103は、座標系100の中央に表示される。指標103は指標全体を示す。図5において、指標103はさらに、指標103-A、指標103-B、指標103-C、指標103-D、指標103-E、及び指標103-Fの6個のブロックに分かれる。
【0053】
アイコン104は、現在ユーザが歌唱している時点の音高を表す画像である。後述する図7のステップSA8で決定されたアイコンの表示位置に基づいて座標系100中に表示される。
【0054】
波形105は、アイコン104の軌跡を示す画像である。図5の画面に表示された歌詞106の最初の時点から、現在ユーザが歌唱している時点までの音声入力に対応する波形105が表示される。
【0055】
歌詞106は、演奏中のカラオケ楽曲の歌詞を示す画像である。図2が示すカラオケ楽曲データテーブルに含まれる歌詞データに従って表示される。歌詞106は図5が示す画面下方に表示される。
【0056】
衝突回数欄107は、オブジェクト102とアイコン104との衝突回数を示す画像である。衝突回数欄107は、座標系100の上方右側に表示される。
【0057】
図5に表示される歌詞106は、分解すると、「あ、お、い、そ、ら、し、ろ、い、く、も」の10個の文字であり、各文字は図2に示すガイドメロディデータの各構成音に対応する。各構成音は、音高を示す。図5において、図2に示すガイドメロディデータは、「あ、お、い」に対応する構成音が同じ音高であり、「し、ろ、い」に対応する構成音が同じ音高であるため、構成音は音高毎に、6個の音高ブロックに分けられる。6個の音高ブロックは、指標103-A、指標103-B、指標103-C、指標103-D、指標103-E、及び指標103-Fの6個のブロックに対応する。
【0058】
座標系100におけるオブジェクト102の位置はHDD19に記憶されたオブジェクト位置決定デーブルによって決定される。本実施形態において、図5に示す画面は、位置IDが004である場合の上位置データ及び下位置データに基づいて表示される。位置IDが004である場合には、基準フラグ「1」が付与されており、本実施形態において初期値として設定される。位置IDが004である場合の上位置データは、「半音UP」、下位置データは「半音DOWN」であるので、オブジェクト102は指標103から半音上げた位置、及び半音下げた位置に表示される。
【0059】
図5において、指標103-Aがオブジェクト102-A1に対応し、指標103-Aから半音上げた位置がオブジェクト102-A1の表示位置である。指標103-Aと同様に、指標103-Bがオブジェクト102-B1、指標103−Cがオブジェクト102−C1、指標103−Dがオブジェクト102−D1、指標103−Eがオブジェクト102−E1、指標103−Fがオブジェクト102−F1にそれぞれ対応する。また、図5において、指標103-Aがオブジェクト102-A2に対応し、指標103-Aから半音下げた位置がオブジェクト102-A2の表示位置である。指標103-Aと同様に、指標103-Bがオブジェクト102-B2、指標103−Cがオブジェクト102−C2、指標103−Dがオブジェクト102−D2、指標103−Eがオブジェクト102−E2、指標103−Fがオブジェクト102−F2にそれぞれ対応する。
【0060】
本実施形態において、ユーザ音声の音高を表すアイコン104が、座標系100の左から右へ、時間の経過とともに移動する。制御部11は、アイコン104がオブジェクト102のいずれかに近接すると判定した場合、所定の制御を実行する。座標系100におけるアイコン104の移動軌跡は波形105により示される。波形105は、メモリ18に一次記憶された表示位置に基づいてモニタ31に表示される。アイコン104の所定時間毎の表示位置は、制御部11により、後述する図7のステップSA9で決定され、メモリ18に一次記憶される。
【0061】
図5は、歌詞106である、「あおいそら〜、しろいくも〜」に対応する画面を示す。歌詞106が次の歌詞に移行すると、図5に示す画面が切り替わり、歌詞106、指標103、及びオブジェクト102の表示が切り替わる。
【0062】
図6は、図5のオブジェクト102−C1、102−C2のブロックを拡大した模式図を示す。図6において、基準位置201、上許容限界202、上近接位置203、上限界近接範囲204、上許容範囲205、上頂点206、下許容限界207、下近接位置208、下限界近接範囲209、下許容範囲210、及び下頂点211がそれぞれ定められる。
【0063】
基準位置201は座標系100においてガイドメロディデータの構成音の位置を示す。座標系100の中央位置に基準位置201が設定される。基準位置201を基準として指標103が表示される。指標103は視認可能なように、座標系100において所定の幅を有する。オブジェクト102−C1、102−C2などのオブジェクト102の位置は、基準位置201を基準として決定される。
【0064】
上許容限界202は、図4に示すオブジェクト位置決定デーブルの上位置データに従って、基準位置201から上方に設定される位置である。本実施形態において、図4の位置IDが004である場合の上位置データが、初期値として設定されるため、基準位置201から半音上げた位置が上許容限界202の位置となる。
【0065】
上近接位置203は、上許容限界202から所定の間隔だけ座標系100の下方向に下がった位置である。本実施形態において、上許容限界202から1/16音分下方向に下がった位置が上近接位置203に設定される。所定の間隔は予め設定されており、1/16音分に限らず、1/32音分でもよいし、0でも良い。
【0066】
上限界近接範囲204は、アイコン104がオブジェクト102−C1などのオブジェクト102に近接したと判定される範囲である。上限界近接範囲204は、上許容限界202と上近接位置203とによって決定される。
【0067】
上許容範囲205は、アイコン104がオブジェクト102−C1などのオブジェクト102に近接していないと判定される範囲である。上許容範囲205は、上近接位置203と基準位置201とによって決定される。
【0068】
上頂点206は、アイコン104の座標系100における上部の頂点を表す。座標系100におけるアイコン104の上頂点206の位置が、上限界近接範囲204に含まれるか否かを制御部11が判定することで、制御部11は近接したか否かを判定する。上頂点206は、説明上、模式的に図示しているだけであり、実際はモニタ31上には表示されない。一方、座標系100におけるアイコン104の上頂点206の位置が、上許容範囲205に含まれていれば、制御部11は近接していないと判定する。上頂点206は、後述する図7のステップSA8で決定されたアイコンの表示位置と、図3に示すステージテーブルのアイコンの縦幅とに基づいて決定される。抽出された音高データに対応する位置は座標系100上で1点に決定され、この1点の位置が、ステップSA8でアイコンの表示位置として決定される。図3のステージテーブルの「スタンダード」が選択されている場合、アイコン名は「笑顔マーク」、アイコンの縦幅は「60pixel」であるので、ステップSA8で決定された1点の位置から、上方に30pixel上げた位置が上頂点206の位置となる。
【0069】
下許容限界207は、図4に示すオブジェクト位置決定デーブルの下位置データに従って、基準位置201から下方に設定される位置である。本実施形態において、図4の位置IDが004である場合の下位置データが、初期値として設定されるため、基準位置201から半音下げた位置が下許容限界207の位置となる。
【0070】
下近接位置208は、下許容限界207から所定の間隔だけ座標系100の上方向に上がった位置である。本実施形態において、下許容限界207から1/16音分上方向に上がった位置が下近接位置208に設定される。所定の間隔は予め設定されており、1/16音分に限らず、1/32音分でもよいし、0でも良い。
【0071】
下限界近接範囲209は、アイコン104がオブジェクト102−C2などのオブジェクト102に近接したと判定される範囲である。下限界近接範囲209は、下許容限界207と下近接位置208とによって決定される。
【0072】
下許容範囲210は、アイコン104がオブジェクト102−C2などのオブジェクト102に近接していないと判定される範囲である。下許容範囲210は、下近接位置208と基準位置201とによって決定される。
【0073】
下頂点211は、アイコン104の座標系100にける下部の頂点を表す。座標系100におけるアイコン104の下頂点211の位置が、下限界近接範囲209に含まれるか否かを制御部11が判定することで、制御部11は近接したか否かを判定する。下頂点211は、説明上、模式的に図示しているだけであり、実際はモニタ31上には表示されない。一方、座標系100におけるアイコン104の下頂点211の位置が、下許容範囲210に含まれていれば、制御部11は近接していないと判定する。下頂点211は、後述する図7のステップSA8で決定されたアイコンの表示位置と、図3に示すステージテーブルのアイコンの縦幅とに基づいて決定される。図3のステージテーブルの「スタンダード」が選択されている場合、アイコン名は「笑顔マーク」、アイコンの縦幅は「60pixel」であるので、ステップSA8で決定された1点の位置から、下方に30pixel下げた位置が下頂点211の位置となる。
【0074】
(リモコン装置4)
リモコン装置4は、タッチパネルを備え、アクセスポイント101を使用してカラオケ装置1と無線通信することが可能である。ユーザがタッチパネルのアイコン及びキースイッチなどを操作したときに、その操作に従ってカラオケ装置1に各種情報を送信する。
【0075】
ユーザがタッチパネルに表示された図示しない複数の採点モードを示すアイコンから、すりぬけ採点を選択すると、リモコン装置4は、すりぬけ採点の設定要求情報をカラオケ装置1に送信する。カラオケ装置1の制御部11は、受け付けた設定要求情報に基づき、HDD19から採点モードアプリケーションを読み出す。
【0076】
ユーザがタッチパネルに表示された図示しない複数のステージ名を示すアイコンから、所定のアイコンを選択すると、リモコン装置4は、ステージ名に対応するステージIDをカラオケ装置1に送信する。図示しない記憶部は、ステージIDとステージ名とを記憶する。ステージ名は、図3のステージテーブルに示す、「スタンダード」、「宇宙」、「都市」、「海」、「砂漠」などを含む。例えば、ユーザが「スタンダード」と示されたアイコンを選択すると、「スタンダード」に対応するステージID「1」がカラオケ装置1に送信される。図5の画面は、「スタンダード」が選択された場合の画面である。
【0077】
ユーザがタッチパネルに表示された図示しない楽曲の選曲画面から文字アイコンを操作して曲名を入力すると、図示しない曲詳細画面が表示される。リモコン装置4は、曲の詳細画面からユーザの予約選択を受け付けると、曲詳細画面に表示されたカラオケ楽曲に対応する楽曲IDをカラオケ装置1に送信する。
【0078】
(ホスト装置5)
ホスト装置5は、制御部51と、記憶部52と、LAN通信部53と、を主に備える。
【0079】
制御部51は、LAN通信部53から入力された指令信号を解釈し、記憶部52から各種情報を読み出す。
【0080】
記憶部52は、制御部51から入力された指令信号に基づき、記憶する各種情報を制御部51に出力する。各種情報には、ユーザのログインID、またはパスワードが含まれる。
【0081】
LAN通信部53は、ルータ120からインターネットを介して入力された指令信号を制御部51に出力する。
【0082】
<第1実施形態の動作及び作用>
第1実施形態の動作及び作用について、図7を参照して説明する。カラオケ装置1の電源が投入されると、図示しないカラオケ装置1全体を制御するメイン処理が実行される。ユーザが採点モードを実行するために操作部12を操作すると、操作処理部13が採点モードの制御要求を制御部11に送る。制御部11が操作処理部13からの制御要求を受付けると、HDD19から採点モードアプリケーションが読み出され、図7に示す一連のステップの処理が開始される。図7に示す各ステップの処理は制御部11が実行する処理である。
【0083】
ステップSA1において、楽曲IDが受付けられる。具体的にはユーザが操作部12の選曲操作部を操作すると、操作処理部13から楽曲予約要求が受付けられる。楽曲予約要求は楽曲IDを含み、楽曲IDがHDD19の予約テーブルに書き込まれる。
【0084】
ステップSA2において、楽曲データが読み出される。具体的にはHDD19の予約テーブルに書き込まれた楽曲IDに基づいて、HDD19の楽曲データテーブルから楽曲データが読み出され、楽曲データに含まれるガイドメロディデータが抽出される。ガイドメロディデータは、カラオケ楽曲の歌唱旋律を表すデータであり、ユーザが歌唱すべき音高のお手本となる。
【0085】
ステップSA3において、ガイドメロディデータの構成音毎に、オブジェクト102の表示位置が決定される。具体的には歌唱用マイク33から入力される音声の音高とガイドメロディデータに含まれる音高データの音高との差分の許容限界を示すオブジェクト102の表示位置が決定される。差分の許容限界は、ガイドメロディデータの各構成音の基準音高からの差分の許容限界であり、本実施形態において、その基準音高から半音上げた限界、または、基準音高から半音下げた限界である。また、本実施形態において、差分の許容限界を示すオブジェクト102の表示位置は、ガイドメロディデータの各構成音の基準音高が対応するモニタ31の座標系100における基準位置201から、半音上げた位置、または半音下げた位置である。
【0086】
ステップSA4において、衝突回数カウント値に初期値0が設定される。具体的には、メモリ18に記憶される衝突回数カウント値に初期値0が設定される。衝突回数カウント値は、ステップSA3において決定されたオブジェクト102の表示位置と、後述するステップSA9において決定されたアイコン104の表示位置との衝突回数を示す値である。
【0087】
ステップSA5において、演奏が開始される。具体的には、HDD19から読み出された楽曲データに含まれる演奏データが抽出され、メモリ18の所定のアドレスに格納され、この演奏データを含む演奏指令が音響制御部20に送られる。
【0088】
ステップSA6において、モニタ31上にオブジェクト102が表示される。具体的には、ステップSA3において決定されたオブジェクト102の表示位置を含むオブジェクト102の表示指令が画像制御部17に送られる。
【0089】
画像制御部17は、表示指令を受け、その表示指令に含まれるオブジェクト102の表示位置に基づいて、モニタ31にオブジェクト102を表示させる。
【0090】
ステップSA7において、ユーザの歌唱音声が受付けられる。具体的には、歌唱用マイク33からユーザの音声が入力されると、音響制御部20からデジタル化された音声データが受付けられる。
【0091】
ステップSA8において、音声データから音高が抽出される。具体的には、所定時間毎に音声データが解析され、歌唱音声の音高を表す音高データが音声データから抽出される。
【0092】
ステップSA9において、モニタ31上に音高を表すアイコン104が表示される。具体的には、抽出された音高データが解析され、モニタ31の座標系100において歌唱音声の音高を表すアイコン104を表示する表示位置を含む表示指令が生成される。この表示指令が画像制御部17に送られる。
【0093】
画像制御部17は、表示指令を受け、その表示指令に含まれるアイコン104の表示位置に基づいて、モニタ31にアイコン104を表示させる。
【0094】
ステップSA10において、オブジェクト102とアイコン104とが衝突したか否かが判定される。具体的には、ステップSA3において決定されたオブジェクト102の表示位置と、ステップSA9において決定されたアイコン104の表示位置とが比較され、オブジェクト102の表示位置から所定範囲内にアイコン104の表示位置が含まれると判定される場合(YES)に、アイコン104がオブジェクト102に衝突したと判定され、処理はステップSA11に移される。一方、オブジェクト102の表示位置から所定範囲内にアイコン104の表示位置が含まれると判定されない場合(NO)に、処理はステップSA15に移される。
【0095】
ステップSA11において、衝突回数がカウントされる。具体的には、ステップSA10でオブジェクト102の表示位置から所定範囲内にアイコン104の表示位置が含まれると判定される度に、メモリ18に記憶される衝突回数カウント値が1増加される。
【0096】
ステップSA12において、衝突回数が所定回数Nになったか否かが判定される。衝突回数カウント値が所定回数Nになったと判定されると(YES)、処理はステップSA13に移される。一方、衝突回数カウント値が所定回数Nに満たないと判定されると(NO)、処理はステップSA7に移される。本実施形態において、所定回数N=4と設定される。N=4と設定されるのは、ユーザが歌唱する意欲を保てる限界が、概ね3回の衝突回数までと予想されるからである。衝突回数が多くなればなるほど、自身の歌唱が下手である、もしくは選択した楽曲が自身のレベルに合致していないとユーザが認識することになり、ユーザの歌唱意欲が低下してしまう。そこで、衝突回数が4回になると、演奏を中止するステップに移されるよう制御される。
【0097】
ステップSA13において、演奏が中止される。具体的には、演奏中止指令が生成され、その演奏中止指令が、画像制御部17と音響制御部20とにそれぞれ送られる。演奏中止指令に従って、画像制御部17はモニタ18に画像表示を中止させ、音響制御部20はスピーカ32からの発音を中止させる。
【0098】
ステップSA14において、演奏が終了したか否かが判定される。具体的には、オブジェクト102の表示位置から所定範囲内にアイコン104の表示位置が含まれると判定されない場合、演奏が終了したか否かが判定される。演奏が終了したか否かは、メモリ18の所定の複数エリアが確保されて記憶された演奏データの中で、メモリ18の最後のエリアに記憶された演奏データを読み出したか否かで判定される。演奏が終了していないと判定される場合(NO)に、処理はステップSA7に移される。一方、演奏が終了したと判定される場合(YES)に、図7に示すルーチン全体が終了する。
【0099】
次に、第1実施形態の使用形態について、図5図8乃至図11を参照して説明する。本使用形態としては、採点モードが設定されている状況で、カラオケ楽曲の演奏に伴い、モニタ31にオブジェクト102が表示されてから、ユーザ音声の音高を表すアイコン104がオブジェクト102へ近接したことにより、演奏が中止されるまでの使用形態を説明する。
【0100】
カラオケ装置1が楽曲IDに対応するカラオケ楽曲をHDD19から読み出して演奏を開始すると、カラオケ演奏開始画面がモニタ31に表示される。カラオケ演奏開始画面には、曲名、歌手名、作詞者、及び作曲者が表示されると共に、すりぬけ採点モードが設定中であることを示すすりぬけ採点モードアイコンが表示される。
【0101】
カラオケ演奏開始画面の表示が終了すると、モニタ31の画面は図5の画面に移る。図5は本実施形態の採点モードのモニタ31の画面を示す図である。すりぬけ採点モードが実行中であることは、アイコン101により表示される。カラオケ楽曲の演奏が開始されると、制御部11により、図7のステップSA3で決定されたオブジェクト102の表示位置に基づいて、オブジェクト102がモニタ31の座標系100に表示される。ガイドメロディデータの構成音の基準音高を表す指標103が併せて表示される。本実施形態では、本指標103の表示は、ユーザの操作に従って表示設定及び非表示設定のいずれかに設定可能である。
【0102】
ユーザが歌唱用マイク33から音声を入力すると、制御部11により、図7のステップSA9で決定されたアイコン104の表示位置に、ユーザ音声の音高を表すアイコン104が表示される。本アイコン104はユーザの音声入力に伴い、時間経過とともにモニタ31の座標系100を左から右へ移動する。ユーザが音声入力を開始した時点からユーザが現在歌唱している時点までの音高の軌跡は、波形105によって示される。
【0103】
図8は、オブジェクト102とアイコン104とが近接又は衝突したと判定された場合のモニタ31の画面を示す図である。オブジェクト102とアイコン104とが近接又は衝突したと判定された場合、制御部11により、オブジェクト102とアイコン104とが近接又は衝突したことを視認可能とするエフェクト画像108−1などのエフェクト画像108がモニタ31表示される。図8において、近接又は衝突したと判定された回数は1回目であるため、制御部11は、衝突回数表示欄107の衝突回数を0回から1回に増加する。
【0104】
図9は、アイコン104がオブジェクト102−C1に衝突した時点のモニタ31の画面の一部を示す図である。図9において、アイコン104の上頂点206が限界近接範囲204に含まれているため、制御部11はアイコン104がオブジェクト102−C1に衝突又は近接していると判定する。衝突又は近接していると判定した場合、制御部11はHDD19に記憶されているエフェクト画像108−1を読み出し、モニタ31の座標系100に表示する。
【0105】
図10は、アイコン104が図9でオブジェクト102−C1と1回衝突して以降の軌跡が表示された画面を示す図である。アイコン104はオブジェクト102−C1との衝突以降、オブジェクト102−D2、オブジェクト102−D1、及びオブジェクト102−F2と順次衝突している。各々衝突した時点で、制御部11は、HDD19に記憶されているエフェクト画像を読み出す。アイコン104がオブジェクト102−D2に衝突すると、エフェクト画像108−2が、モニタ31の座標系100の位置に表示される。一旦表示されたエフェクト画像は、歌詞106が次の歌詞に移行して画面が切り替わるまで表示され続ける。制御部11は、衝突回数表示欄107の衝突回数を1回から2回に増加する。アイコン104がオブジェクト102−D1に衝突すると、エフェクト画像108−3が、モニタ31の座標系100の位置に表示される。制御部11は、衝突回数表示欄107の衝突回数を2回から3回に増加する。
【0106】
アイコン104がオブジェクト102−F2に衝突すると、エフェクト画像108−4が、モニタ31の座標系100の位置に表示される。制御部11は、衝突回数表示欄107の衝突回数を3回から4回に増加すると共に、モニタ31の画面は図11に示す画面に移る。本実施形態の使用形態において、図7のステップSA12における衝突回数Nは4回に設定されているため、衝突回数が4回になると、モニタ31の画面は図11に示す画面に移る。本実施形態では、N回の値は、ユーザの操作に従って任意で設定可能である。
【0107】
図11は衝突回数が4回になったために演奏を終了することをユーザに報知する画面を示す図である。制御部11は、衝突回数が4回になったと判定すると、HDD19に記憶されている演奏終了文言画像109を読み出す。演奏終了文言画像109が表示されると、制御部11は、カラオケの演奏を終了する。
【0108】
<第1実施形態の効果>
本実施形態によれば、モニタ31上において、図4に示すオブジェクト位置決定テーブルの上位置データ及び下位置データに基づいて決定された位置に、音高が外れないように注意喚起を促すオブジェクト102を表示すると共に、ユーザの入力音声の音高に基づいて決定された位置にアイコン104を表示するため、ユーザが自身の音高がガイドメロディデータから外れないように意識しながら歌唱することが可能となる。また、ユーザが音声入力を開始した時点からユーザが現在歌唱している時点までの音高の軌跡が波形105によって示されることで、歌唱しながら過去の自身の音高を振り返ることができるため、より注意喚起がされる。また、オブジェクト102とアイコン104とが近接又は衝突したモニタ31上の位置にエフェクト画像108が表示されるため、ユーザは音高が著しく外れてしまったことを明確に認識することができる。また、所定回数オブジェクト102とアイコン104とが近接又は衝突した場合にカラオケ演奏を中止することから、音高が著しく外れてしまったことをより明確にユーザに認識させることができる。さらに、オブジェクト102がアイコン104に近接した回数を集計し、所定回数近接した場合に、カラオケ演奏を中止するため、所定回数未満の近接回数のうちに、ユーザは自身の歌唱を意識して補正することが可能となる。
【0109】
<第2実施形態の電気的構成>
本発明の第2実施形態であるカラオケ装置1を備えるカラオケシステムKSについて、以下に説明する。なお、第2実施形態において、第1実施形態と同じ構成部分には同じ記号又は番号を付して説明する。
【0110】
第2実施形態において、HDD19の第4の記憶領域に、後述するオブジェクト幅変更文言画像110を表す画像データが記憶される。オブジェクト幅変更文言画像110は、モニタ31に表示される画像であって、オブジェクト102とアイコン104とが所定回数近接又は衝突した場合にモニタ31に表示される画像である。所定回数は4回と設定される。制御部11は、4回近接、又は衝突した場合に、HDD19の第4の記憶領域からオブジェクト幅変更文言画像110を読み出す。その他の第2実施形態の電気的構成は第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0111】
<第2実施形態の動作及び作用>
第2実施形態の動作及び作用について、図12を参照して説明する。第1実施形態の動作と、第2実施形態の動作とにおいて、図12に示すステップSB1からステップSB9までの処理は、図7に示すステップSA1からステップSA9までと同様のため、説明を省略する。
【0112】
ステップSB10において、オブジェクト102とアイコン104とが衝突したか否かが判定される。具体的には、ステップSB3において決定されたオブジェクト102の表示位置と、ステップSB9において決定されたアイコン104の表示位置とが比較され、オブジェクト102の表示位置から所定範囲内にアイコン104の表示位置が含まれると判定される場合(YES)に、衝突したと判定され、処理はステップSB11に移される。一方、衝突していないと判定された場合(NO)に、処理はステップSB7に移される。
【0113】
ステップSB11において、衝突回数がカウントされる。具体的には、ステップSB10でオブジェクトの表示位置から所定範囲内にアイコン104の表示位置が含まれると判定される度に、メモリ18に記憶される衝突回数カウント値が1増加される。
【0114】
ステップSB12において、衝突回数が所定回数Nになったか否かが判定される。衝突回数カウント値が所定回数Nになったと判定されると(YES)、処理はステップSB13に移される。一方、衝突回数カウント値が所定回数Nに満たないと判定されると(NO)、処理はステップSB7に移される。本実施形態において、所定回数N=4と設定される。N=4と設定されるのは、ユーザが歌唱する意欲を保てる限界が、概ね3回の衝突回数までと予想されるからである。衝突回数が多くなればなるほど、自身の歌唱が下手である、もしくは選択した楽曲が自身のレベルに合致していないとユーザが認識することになり、ユーザの歌唱する意欲が低下してしまう。そこで、衝突回数が4回になると、オブジェクト102の表示位置を変更するステップに移されるよう制御される。
【0115】
ステップSB13において、オブジェクト102の表示位置が変更される。具体的には、ステップSB3で決定されたオブジェクト102の表示位置が示す差分の許容限界が、基準音高から全音上げた限界、及び、基準音高から全音下げた限界に変更される。また、本実施形態では、差分の許容限界を示すオブジェクト102の表示位置は、ガイドメロディデータの各構成音の基準音高が対応するモニタ31の座標系100における基準位置201から、全音上げた位置、または全音下げた位置である。
【0116】
ステップSB14において、衝突回数カウント値がクリアされる。具体的には、メモリ18に記憶される衝突回数カウント値に0が設定される。
【0117】
ステップSB15において、演奏が終了したか否かが判定される。具体的には、演奏が終了していないと判定される場合(NO)は、処理はステップSB7に移される。一方、演奏が終了したと判定される場合(YES)は、図12に示すルーチン全体が終了する。
【0118】
次に、第2実施形態の使用形態について、図13及び図14を参照して説明する。本使用形態は、制御部11がユーザ音声の音高を表すアイコン104がオブジェクト102へ近接したと判定した場合、オブジェクト102の表示位置を変更するという使用形態である。
【0119】
第2実施形態において、図5図6図8から図10までは使用形態が第1実施形態と同様のため、説明を省略する。
【0120】
図13は衝突回数が4回になったためにオブジェクト102の表示位置を変更することをユーザに報知する画面を示す図である。制御部11は、衝突回数が4回になったと判定すると、HDD19に記憶されているオブジェクト幅変更文言画像110を読み出す。オブジェクト幅変更文言画像110が表示されると、モニタ31の画面は図14に示す画面に移る。
【0121】
図14はオブジェクト102の表示位置が変更された画面を示す図である。制御部により、衝突回数表示欄107に表示される衝突回数は4回から、0回に減少される。オブジェクト102は、座標系100において、指標103から上方向、及び下方向に、変更前と比較して、より離れた表示位置に変更される。詳細に説明するために、オブジェクト102の表示位置が変更される前の図5に示す画面と、オブジェクト102の表示位置が変更された後の図14に示す画面とを比較する。
【0122】
図5が示す画面のオブジェクト102の表示位置は、図4が示すオブジェクト位置決定デーブルの位置IDである004の上位置データ及び下位置データに従って決定される。位置IDが004である場合には、基準フラグ「1」が付与されており、本実施形態において初期値として設定される。位置IDが004である場合の上位置データは、半音UP、下位置データは半音DOWNなので、オブジェクト102は指標103から半音上げた位置、及び半音下げた位置に表示される。一方、変更後の図14が示す画面のオブジェクト102の表示位置は、オブジェクト位置決定デーブルの位置IDである006の上位置データ及び下位置データに従って決定される。位置IDが006である場合の上位置データは、全音UP、下位置データは全音DOWNなので、オブジェクト102は指標103から全音上げた位置、及び全音下げた位置に表示される。
【0123】
図14が示す画面において、図5と同様、アイコン104は、ユーザの音声入力に伴い、時間経過とともにモニタ31の座標系100を左から右へ移動する。ユーザが音声入力を開始した時点からユーザが現在歌唱している時点までの音高の軌跡は、波形105によって示される。オブジェクト102とアイコン104とが衝突又は近接した場合に、制御部11は衝突回数表示欄107の衝突回数を増加する。
【0124】
<第2実施形態の効果>
第2実施形態によれば、モニタ31上において、図4に示すオブジェクト位置決定テーブルの上位置データ及び下位置データに基づいて決定された位置に、音高が外れないように注意喚起を促すオブジェクト102を表示すると共に、ユーザの入力音声の音高に基づいて決定された位置にアイコン104を表示し、オブジェクト102にアイコン104が近接した場合、オブジェクト102の表示位置が変更されるため、ユーザが自身の歌唱がガイドメロディデータの基準音高から外れていたことを明確に認識することが可能となる。また、変更されたオブジェクト102の表示位置が、変更前より座標系100の指標103から離れるので、オブジェクト102とアイコン104とが近接しにくくなり、ユーザは、自身の歌唱レベルに沿ったオブジェクト102の表示位置で、継続してカラオケ歌唱を実行することができる。さらに、オブジェクト102がアイコン104に近接した回数を集計し、所定回数近接した場合に、オブジェクト102の表示位置を変更するため、所定回数未満の近接回数のうちに、ユーザは自身の歌唱を意識して補正することが可能となる。
【0125】
<第3実施形態の電気的構成>
本発明の第3実施形態であるカラオケ装置1を備えるカラオケシステムKSについて、以下に説明する。なお、第3実施形態において、第1実施形態と同じ構成部分には同じ記号又は番号を付して説明する。
【0126】
第3実施形態において、HDD19の第4の記憶領域に、後述する演奏終了文言画像112を表す画像データが記憶される。演奏終了文言画像112は、モニタ31に表示される画像であって、オブジェクト102とアイコン104とが所定回数近接又は衝突してオブジェクト102の表示位置を変更した回数が所定回数をなった場合に、モニタ31に表示される画像である。所定回数は4回と設定される。制御部11は、オブジェクト102の表示位置を3回変更した後で、4回近接、又は衝突したと判定した場合に、HDD19の第4の記憶領域から演奏終了文言画像112を読み出す。その他の第3実施形態の電気的構成は第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0127】
<第3実施形態の動作及び作用>
第3実施形態の動作及び作用について、図15を参照して説明する。第3実施形態の動作と、第2実施形態の動作とにおいて、図15に示すステップSC1からステップSC14までの処理は、図12に示すステップSB1からステップSB14までと同様であるため、説明を省略する。
【0128】
ステップSC15において、位置変更回数がカウントされる。具体的には、ステップSC13でオブジェクト102の表示位置が変更される度に、メモリ18に記憶される位置変更回数カウント値が1増加される。
【0129】
ステップSC16において、位置変更回数が所定回数Mになったか否かが判定される。位置変更回数カウント値が所定回数Mになったと判定されると(YES)、処理はステップSC17に移される。一方、位置変更回数が所定回数Mに満たないと判定されると(NO)、処理はステップSC18に移される。本実施形態においては、M=5と設定されている。位置変更は図4のオブジェクト位置決定テーブルを参照して実行される。位置IDが004のレコードに基準位置フラグが付与されているため、初期設定においては、位置ID「004」のレコードを参照してオブジェクト102の表示位置が決定される。オブジェクト102の表示位置が1回変更されると、位置ID「005」のレコードが参照される。続いて、2回変更されると、位置ID「006」のレコード、3回変更されると、位置ID「007」のレコード、4回変更されると、位置ID「008」のレコードが参照される。オブジェクト102の表示位置を5回変更しようとすると、図4のオブジェクト位置決定テーブルには参照されるレコードがない。よって、本実施形態においては、M=5としている。オブジェクト位置決定テーブルに含まれる位置IDの個数に応じてMの値は変化する。
【0130】
ステップSC17において、演奏が中止される。具体的には、演奏中止指令が生成され、その演奏中止指令が、画像制御部17と音響制御部20とにそれぞれ送られる。演奏中止指令に従って、画像制御部17はモニタ18に画像表示を中止させ、音響制御部20はスピーカ32からの発音を中止させる。
【0131】
ステップSC18において、演奏が終了したか否かが判定される。具体的には、演奏が終了していないと判定される場合(NO)は、処理はステップSC7に移される。一方、演奏が終了したと判定される場合(YES)は、処理はステップSC19に移される。
【0132】
ステップSC19において、位置変更回数カウント値がクリアされる。具体的には、メモリ18に記憶される衝突回数カウント値に0が設定され、図15に示すルーチン全体が終了する。
【0133】
次に、第3実施形態の使用形態について、図16及び図17を参照して説明する。本使用形態は、制御部11がユーザ音声の音高を表すアイコン104がオブジェクト102へ近接したと判定し、オブジェクト102の表示位置を変更した場合、変更回数に応じてカラオケ楽曲の演奏を中止するという使用形態である。
【0134】
第3実施形態において、図5図8図10図11、及び図13にそれぞれ示す画面における使用形態が第2実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0135】
図16は、制御部11が、衝突回数が4回になったと判定した場合に、図13に示す画面から変化する画面を示す図であって、オブジェクト102の表示位置が変更された画面を示す図である。オブジェクト102は、座標系100において、指標103から上方向、及び下方向に、変更前と比較して、より離れた表示位置に変更される。変更処理の詳細は第2実施形態と同様のため、説明を省略する。制御部11により、衝突回数表示欄107に表示される衝突回数は4回から0回に減少すると共に、変更回数表示欄111は1回増加される
【0136】
制御部11は、衝突回数が所定回数になったと判定した場合に、オブジェクト102の表示位置を何回変更したかをメモリに記憶し、変更回数表示欄111を1回増加する。本実施形態では、制御部11が、表示位置の変更を3回まで実行し、4回になったと判定した場合に演奏を中止する制御を実行する。図17はオブジェクト102の表示位置の変更回数が4回で、衝突回数が所定数4回になった画面を示す図である。制御部11は、変更回数が4回で、衝突回数が4回と判定した場合、オブジェクト102の表示位置の変更を実行せず、演奏中止文言112を表示し、演奏を中止する。ユーザは演奏中止文言112を視認することで、音高が著しく外れ続けたため、これ以上オブジェクト102の表示位置の変更ができないことを認識しつつ、歌唱を終了する。
【0137】
<第3実施形態の効果>
第3実施形態によれば、モニタ31上において、オブジェクト102にアイコン104が近接してオブジェクト102の表示位置が変更された回数が所定回数になると、カラオケ演奏を中止することから、ユーザに音高が著しく外れてしまったことをより明確に認識させることができる。また、オブジェクト102の表示位置の変更回数を集計し、所定回数変更した場合に、カラオケ演奏を中止するため、所定回数未満の近接回数のうちに、ユーザは自身の歌唱を意識して補正することが可能となる。また、オブジェクト102の表示位置が変更された回数が所定回数未満であることを、変更回数欄111によって、ユーザが認識できるため、所定回数未満の変更回数のうちに、ユーザは自身の歌唱を意識して補正することが可能となる。
【0138】
<第4実施形態の電気的構成>
本発明の第4実施形態であるカラオケ装置1を備えるカラオケシステムKSについて、以下に説明する。なお、第4実施形態において、第1実施形態と同じ構成部分には同じ記号又は番号を付して説明する。
【0139】
第4実施形態において、HDD19の第4の記憶領域に、後述するオブジェクト表示位置変更文言画像114を表す画像データが記憶される。オブジェクト表示位置変更文言画像114は、モニタ31に表示される画像であって、オブジェクト102とアイコン104とが所定時間近接又は衝突しないと判定された場合に、モニタ31に表示される画像である。所定時間は60秒と設定される。制御部11は、アイコン104が60秒間オブジェクト102に近接又は衝突しないと判定した場合に、HDD19の第4の記憶領域からオブジェクト表示位置変更文言画像114を読み出す。その他の第4実施形態の電気的構成は第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0140】
<第4実施形態の動作及び作用>
第4実施形態の動作及び作用について、図18を参照して説明する。第4実施形態の動作と、第2実施形態の動作とにおいて、図18に示すステップSD1からステップSD3までの処理は、図7に示すステップSA1からステップSA3までと、また、図18に示すステップSD7からステップSD10までの処理は、図7に示すステップSA6からステップSA9までと、同様であるため、説明を省略する。
【0141】
ステップSD4において、経過時間カウント値に初期値が設定される。具体的には、メモリ18に記憶される経過時間カウント値に初期値0が設定される。
【0142】
ステップSD5において、演奏が開始される。具体的には、HDD19から読み出された楽曲データに含まれる演奏データが抽出され、この演奏データを含む演奏指令が音響制御部20に送られる。
【0143】
ステップSD6において、計時が開始される。具体的には、メモリ18に記憶される経過時間カウント値が時間経過とともに増加される。
【0144】
ステップSD11において、オブジェクト102とアイコン104とが衝突したか否かが判定される。具体的には、ステップSD3において決定されたオブジェクト102の表示位置と、ステップSD10において決定されたアイコン104の表示位置とが比較され、オブジェク102トの表示位置から所定範囲内にアイコン104の表示位置が含まれると判定される場合(YES)に、アイコン104がオブジェクト102に衝突したと判定され、処理はステップSD12に移される。一方、オブジェクト102の表示位置から所定範囲内にアイコン104の表示位置が含まれると判定されない場合(NO)に、処理はステップSD13に移される。
【0145】
ステップSD12において、経過時間カウント値がクリアされる。具体的には、メモリ18に記憶される経過時間カウント値に0が設定される。
【0146】
ステップSD13において、経過時間カウント値で計時した経過時間が所定時間Tになったか否かが判定される。経過時間が所定時間Tになったと判定されると(YES)、処理はステップSD14に移される。一方、経過時間が所定時間Tに満たないと判定されると(NO)、処理はステップSD7に移される。本実施形態において、T=60と設定されている。位置変更は図4のオブジェクト位置決定テーブルを参照して実行される。位置IDが004のレコードに基準位置フラグが付与されているため、初期設定では、位置ID「004」のレコードを参照してオブジェクト102の表示位置が決定される。オブジェクト102の表示位置が1回変更されると、位置ID「003」のレコードが参照される。続いて、2回変更されると、位置ID「002」のレコード、3回変更されると、位置ID「001」のレコードが参照される。オブジェクト102の表示位置を4回変更しようとすると、図4のオブジェクト位置決定テーブルには参照するレコードがない。よって、本実施形態においては、T=60としている。演奏時間が4分未満である楽曲が多いため、T=60とすると、4回目の変更がない。オブジェクト位置決定テーブルに含まれる位置IDの個数に応じてTの値は変化する。
【0147】
ステップSD14において、オブジェクト102の表示位置が変更される。具体的には、ステップSD3で決定されたオブジェクト102の表示位置が示す差分の許容限界が、基準音高から全音上げた限界、及び基準音高から全音下げた限界であった場合に、ステップSD14で許容限界が、基準音高から半音上げた限界、及び基準音高から半音下げた限界に変更される。
【0148】
ステップSD15において、経過時間カウント値がクリアされる。具体的には、メモリ18に記憶される経過時間カウント値に0が設定される。
【0149】
ステップSD16において、演奏が終了したか否かが判定される。具体的には、演奏が終了していないと判定される場合(NO)は、処理はステップSD6に移される。一方、演奏が終了したと判定される場合(YES)は、図18に示すルーチン全体が終了する。
【0150】
次に、第4実施形態の使用形態について、図19乃至図21を参照して説明する。本使用形態は、制御部11がユーザ音声の音高を表すアイコン104がオブジェクト102へ所定時間近接していないと判定した場合、オブジェクト102の表示位置を変更するという使用形態である。
【0151】
図19図5に示す画面に相当する本実施形態の画面を示す図である。ユーザが歌唱を開始すると、衝突回数表示欄107と共に、衝突回避継続時間113がモニタ31の左上に表示される。衝突回避継続時間はユーザの音声入力を検知した時点を始点として増加する。図9は45秒を経過した段階で衝突回数が0回であることを示す。
【0152】
図20は衝突回避継続時間が60秒に達した画面を示す図である。本実施形態において、所定時間が60秒と設定される。モニタ31上に、オブジェクト102の表示位置の変更を報知する文言114が表示され、図21に示す画面に移る。
【0153】
図21はオブジェクト102の表示位置が変更された画面を示す図である。オブジェクト102は、座標系100において、指標103から上方向、及び下方向に、変更前と比較して、より指標103に近接した表示位置に変更される。詳細に説明するために、オブジェクト102の表示位置が変更される前の図19に示す画面と、オブジェクト102の表示位置が変更された後の図21に示す画面とを比較する。
【0154】
図19が示す画面のオブジェクト102の表示位置は、図4に示すオブジェクト位置決定デーブルの位置IDが004である場合の上位置データ及び下位置データに従って決定される。位置IDが004である場合には、基準フラグ「1」が付与されており、本実施形態を実施した場合に初期値として設定される。位置IDが004である場合の上位置データは、半音UP、下位置データは半音DOWNであるので、オブジェクト102は指標103から半音上げた位置、及び半音下げた位置に表示される。一方、変更後の図21が示す画面のオブジェクト102の表示位置は、オブジェクト位置決定デーブルの位置IDが003である場合の上位置データ及び下位置データに従って決定される。位置IDが003である場合の上位置データは、1/8音UP、下位置データは1/8音DOWNであるので、オブジェクト102は指標103から1/8音上げた位置、及び1/8音下げた位置に表示される。
【0155】
<第4実施形態の効果>
第4実施形態によれば、モニタ31上において、オブジェクト102にアイコン104が近接しない衝突回避継続時間113を表示するため、ユーザに、自身の歌唱がガイドメロディデータの基準音高から外れていないことを明確に認識させることが可能となる。また、衝突回避継続時間113を計時し、所定時間に達した場合に、オブジェクト102の表示位置が変更されるため、ユーザに、自身の歌唱がガイドメロディデータの基準音高から外れていないことを明確に認識させることが可能となる。また、変更されたオブジェクト102の表示位置が、変更前より座標系100の指標103に近づくので、オブジェクト102とアイコン104とが近接しやすくなり、ユーザは、よりガイドメロディデータの基準音高に近いカラオケ歌唱を実行することが可能となる。
【0156】
<第5実施形態の電気的構成>
本発明の第5実施形態であるカラオケ装置1を備えるカラオケシステムKSについて、以下に説明する。なお、第5実施形態において、第1実施形態と同じ構成部分には同じ記号又は番号を付して説明する。
【0157】
第5実施形態において、HDD19の第4の記憶領域に、後述するオブジェクト表示位置変更文言画像114を表す画像データが記憶される。オブジェクト表示位置変更文言画像114は、モニタ31に表示される画像であって、採点値が所定点数以上になったと判定された場合に、モニタ31に表示される画像である。所定点数は「90点」と設定される。制御部11は、採点値が90点以上になったと判定した場合に、HDD19の第4の記憶領域からオブジェクト表示位置変更文言画像114を読み出す。その他の第5実施形態の電気的構成は第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0158】
<第5実施形態の動作及び作用>
第5実施形態の動作及び作用について、図22を参照して説明する。第5実施形態の動作と第1実施形態の動作とにおいて、図22に示すステップSE1からステップSE3までの処理は、図7に示すステップSA1からステップSA3までと、また、図22に示すステップSE4からステップSE8までの処理は、図7に示すステップSA5からステップSA9までと、同様であるため、説明を省略する。
【0159】
ステップSE9において、基準音高と、音声データから抽出された音高とが比較され、所定の採点区間毎に採点値が算出される。区間は予め決められた時間データに基づいて設定される。例えば、1区間に対応する時間データを20秒とすると、歌唱開始から基準音高と音高との差分の絶対値を順次足していき、20秒毎に、差分の絶対値の総和に基づいて、採点値が算出される。差分の絶対値の総和が0の場合は、採点値は100である。また、差分の絶対値の総和が10の場合は、採点値は100−10で90である。
【0160】
ステップSE10において、採点値が所定点数H以上になったか否かが判定される。採点値が所定点数H以上になったと判定されると(YES)、処理はステップSE11に移される。一方、採点値が所定点数未満と判定されると(NO)、処理はステップSE13に移される。本実施形態において、H=90である。Hの数字はカラオケの採点値において、一般的に高得点と言われる値である。高得点であれば、ステップSE11を経て、オブジェクト102の表示位置は、許容限界が小さくなるように変更される。
【0161】
ステップSE11において、許容限界が最小値minよりも大きいか否かが判定される。具体的には、オブジェクト102の表示位置が示す差分の許容限界が最小値minよりも大きいと判定されると(YES)、処理はステップSE12に移される。一方、許容限界が最小値minであると判定されると(NO)、処理はステップSE16に移される。本実施形態において、最小値minは、図4の位置ID「001」のレコードが示す上位置データ「1/16音UP」、下位置データ「1/16音DOWN」を表す。
【0162】
ステップSE12において、オブジェクトの表示位置が変更される。オブジェクト102の表示位置は、許容限界が小さくなるように変更される。具体的には、例えば、ステップSE3で決定されたオブジェクト102の表示位置が示す差分の許容限界が、図4の位置ID「006」のレコードが示す基準音高から全音上げた限界、及び基準音高から全音下げた限界であった場合、ステップSE12で許容限界が、「基準音高から3/4音上げた限界、及び基準音高から3/4音下げた限界に変更される。
【0163】
ステップSE13において、採点値が所定点数L以下か否かが判定される。採点値が所定点数L以下と判定されると(YES)、処理はステップSE14に移される。一方、採点値が所定点数Lより大きいと判定されると(NO)、処理はステップSE16に移される。本実施形態において、L=70である。Lの数字はカラオケの採点値において、一般的に低得点と言われる値である。低得点であれば、ステップSE14を経て、オブジェクト102の表示位置は、許容限界が大きくなるように変更される。
【0164】
ステップSE14において、許容限界が最大値MAXよりも小さいか否かが判定される。具体的には、オブジェクト102の表示位置が示す差分の許容限界が最大値MAXよりも小さいと判定されると(YES)、処理はステップSE15に移される。一方、許容限界が最大値MAXであると判定されると(NO)、処理はステップSE16に移される。本実施形態において、最大値MAXは、図4の位置ID「008」が示す上位置データ「6/4音UP」、下位置データ「6/4音DOWN」を表す。
【0165】
ステップSE15において、オブジェクト102の表示位置が変更される。オブジェクト102の表示位置は、許容限界が大きくなるように変更される。具体的には、例えば、ステップSE3で決定されたオブジェクト102の表示位置が示す差分の許容限界が、図4の位置ID「006」のレコードが示す基準音高から全音上げた限界、及び基準音高から全音下げた限界であった場合に、ステップSE15で許容限界が、基準音高から5/4音上げた限界、及び基準音高から5/4音下げた限界に変更される。
【0166】
ステップSE16において、演奏が終了したか否かが判定される。具体的には、演奏が終了していないと判定される場合(NO)は、処理はステップSE5に移される。一方、演奏が終了したと判定される場合(YES)は、図22に示すルーチン全体が終了する。
【0167】
次に、第5実施形態の使用形態について、図23を参照して説明する。本使用形態は、制御部11がユーザ音声の歌唱採点を実行し、採点結果が所定値を満たすと判定した場合、オブジェクト102の表示位置を変更するという使用形態である。
【0168】
図23は歌唱得点が所定値を満たすと判定した場合に、オブジェクト102の表示位置を変更することを報知する画面を示す図である。モニタ31の左上には歌唱得点表示欄115が表示されている。歌唱得点は所定時間毎に採点された歌唱音声の採点結果を示す値である。本実施形態は、歌唱開始から20秒ごとに採点することとしている。本実施形態は、歌唱得点が90点以上になった場合にオブジェクト102の表示位置を変更することとしている。歌唱得点表示欄に90点と表示されると、オブジェクト102の表示位置を変更する報知文言114が表示される。
【0169】
<第5実施形態の効果>
第5実施形態によれば、採点値が高得点になると、許容限界が小さくなるようにオブジェクト102の表示位置が変更されるため、ユーザに、自身の歌唱がガイドメロディデータの基準音高から外れていないことを明確に認識させることが可能となる。また、採点値が低得点になると、許容限界が大きくなるようにオブジェクト102の表示位置が変更されるため、ユーザに、自身の歌唱がガイドメロディデータの基準音高から外れていることを明確に認識させることが可能となる。また、オブジェクト102の表示位置を表す許容限界の最大値MAX、または最小値minが設定されているため、オブジェクト102が指標103から極端に遠ざかる、または、オブジェクト102が指標103に極端に近づくことを防止することが可能となる。
【0170】
<第1乃至第5実施形態の構成と本発明の構成との対応関係>
リモコン装置4は、本発明の選曲手段の一例である。制御部11と音響制御部20との組み合わせは、本発明の演奏手段の一例である。歌唱用マイク33は、本発明の入力手段の一例である。制御部11と図7のステップSA8との組み合わせは、本発明の抽出手段の一例である。図5の点線で囲んだ座標系100は、本発明の座標系の一例である。図6の点線で示す上許容限界202及び下許容限界207は、本発明の第1表示位置の一例である。図6の指標103により示されるガイドメロディデータの各構成音の基準音高は、本発明の基準音高の一例である。図5のオブジェクト102は、本発明の第1画像の一例である。制御部11と図7のステップSA3との組み合わせは、本発明の第1決定手段の一例である。制御部11と図7のステップSA6との組み合わせは、本発明の第1表示手段の一例である。図6のモニタ31上のアイコン104の上頂点206及び下頂点211は、本発明の第2表示位置の一例である。図5のアイコン104は、本発明の第2画像の一例である。制御部11と図7のステップSA8との組み合わせは、本発明の第2決定手段の一例である。制御部11と図7のステップSA9との組み合わせは、本発明の第2表示手段の一例である。
【0171】
図6の点線で示す基準位置201は、本発明の基準位置の一例である。図6に示す上許容範囲205及び下許容範囲210は、本発明の許容範囲の一例である。図6に示す上限界近接範囲204及び下限界近接範囲209は、本発明の限界近接範囲の一例である。制御部11と図7のステップSA10との組み合わせ、または制御部11と図12のステップSB10との組み合わせは、本発明の判定手段の一例である。制御部11と図7のステップSA13との組み合わせ、または制御部11と図12のステップSB13との組み合わせは、本発明の制御手段の一例である。制御部11と図7のステップSA10(YES)との組み合わせ、または制御部11と図12のステップSB10(YES)との組み合わせによる動作は、本発明の判定手段により第2表示位置が許容範囲に含まれると判定された場合の動作の一例である。制御部11と図7のステップSA13との組み合わせ、または制御部11と図12のステップSB13との組み合わせによる動作は、本発明の前記動作と異なる動作の一例である。
【0172】
制御部11と図7のステップSA13との組み合わせによる動作は、本発明のカラオケ楽曲の演奏を中止する動作の一例である。
【0173】
制御部11と図12のステップSB13との組み合わせによる動作は、本発明の第1表示位置が変更されるように第1決定手段を制御する動作の一例である。
【0174】
制御部11と図7のステップSA11、SA12との組み合わせ、または制御部11と図12のステップSB11、SB12との組み合わせは、本発明の第1集計手段の一例である。
【0175】
制御部11と図15のステップSC15、SC16との組み合わせは、本発明の第2集計手段の一例である。制御部11と図15のステップSC17との組み合わせによる動作は、本発明の第2集計手段により集計された回数が所定値に達した場合にカラオケ楽曲の演奏を中止する動作の一例である。
【0176】
制御部11と図18のステップSD6、SD13との組み合わせは、本発明の計時手段の一例である。制御部11と図18のステップSD14との組み合わせによる動作は、本発明の計時手段により計時された時間が所定値に達した場合に、第1決定手段の動作を制御する動作の一例である。
【0177】
制御部11と、図22のステップSE9、SE10、またはステップSE9、SE13との組み合わせは、本発明の採点手段の一例である。制御部11と図22のステップSE12またはステップSE15との組み合わせによる動作は、本発明の採点手段により採点された結果に基づいて第1表示位置が変更されるように第1決定手段を制御する動作の一例である。
【0178】
<変形例>
本発明の実施形態について以上説明したが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において当業者であれば種々の変形を加えることができる。
【0179】
本実施形態において、第1画像の一例として図5のオブジェクト102を挙げている。個々のオブジェクト102は全て同じ横幅であり、音長が長いガイドメロディデータの構成音に対し、複数のオブジェクト102を表示している。例えば、図5において、指標103−Bに対応するオブジェクト102は、オブジェクト102−B1、102−B2であり、指標103−Bの上に1個、その下に1個のオブジェクト102が配置される。これ対して、指標103−Bよりも音長が長いガイドメロディデータに基づく、指標103−Cに対応するオブジェクト102は、オブジェクト102−C1、102−C2であり、指標103−Cの上に3個、その下に3個のオブジェクト102が配置される。この実施形態に代えて、各構成音の音長に比例してオブジェクトの横幅を変えてもよい。例えば、指標103−Cの上に3個配置されるオブジェクト102を連結して1個のオブジェクト102としてもよいし、指標103−Cの下に3個配置されるオブジェクト102を連結して1個のオブジェクト102としてもよい。
【0180】
本実施形態において、第1画像の一例として図5のオブジェクト102を挙げている。各構成音に対応するオブジェクト102は各々が1つのオブジェクト102として分断表示されている。この実施形態に代えて、連続して構成音の音高が同じ場合、各構成音に対応するオブジェクト102同士が連結して表示されてもよい。また、音高が異なる構成音に対応するオブジェクト102同士が連結して表示されてもよい。
【0181】
本実施形態において、第2表示位置の一例としてアイコン104の上頂点206及び下頂点211を挙げている。第2表示位置は、図7のステップSA8で決定されたアイコンの表示位置と、図3に示すステージテーブルのアイコンの縦幅とに基づいて決定される。この実施形態に代えて、第2表示位置をアイコン104の座標系100における中心点としてもよい。中心点とは、図形のちょうど真ん中に位置する1点を指す。音声データから抽出した音高は、座標系100上で1点に定められるため、音高に対応する座標系100上の位置が中心点となる。
【0182】
本実施形態において、図7のステップSA8の処理は制御部11により実行される。この実施形態に代えて、音響制御部20により、マイクから入力された音声を解釈して音高を抽出してもよい。
【0183】
本実施形態において、カラオケ装置の一例として、カラオケ店舗で使用される業務用のカラオケ装置を挙げている。本実施形態に代えて、家庭用ゲーム機、パーソナルコンピュータ、携帯電話、及び携帯情報端末といった、ユーザがカラオケを実施できる機能を有している機器をカラオケ装置としてもよい。
【0184】
本実施形態において、基準音高の一例として、図5の指標103を挙げている。指標103はモニタ31上に画像として表示されている。この実施形態に代えて、指標103をモニタ31上に表示しなくてもよい。
【0185】
本実施形態において、オブジェクト102は、座標系100上の指標103を基準として、上方、及び下方にそれぞれ表示されている。この実施形態に代えて、オブジェクト102を指標103の上方のみ表示してもよい。また、オブジェクト102を指標103の下方のみ表示してもよい。オブジェクトを上方、及び下方の両方に表示するか、上方、及び下方のいずれか一方に表示するかは、ユーザが予め指定してもよい。
【0186】
本実施形態において、図7のステップSA12の処理及び図12のステップSB12の処理の所定回数Nは、カラオケ装置1において予め設定されている。この実施形態に代えて、所定回数Nをユーザが設定してもよい。また、楽曲の演奏時間に応じて所定回数Nがカラオケ装置1において決定されてもよい。例えば、1分間に平均1回衝突することを許容するとする。4分未満の楽曲はN=4とし、4分以上5分未満の楽曲は、N=5とし、5分以上6分未満の楽曲はN=6として、所定回数Nの値が決定される。また、曲の難易度に応じて所定回数Nがカラオケ装置1において決定されてもよい。例えば、ホスト装置5から楽曲識別データに対応する歌唱採点値の平均値を取得し、平均値が高い、すなわち難易度が低い場合は、所定回数Nの値を小さくする。一方、平均値が低い場合は、すなわち、難易度が高い場合は、所定回数Nの値を大きくする。
【0187】
本実施形態において、図15のステップSC16の処理の所定回数Mは、カラオケ装置1において予め設定されている。この実施形態に代えて、所定回数Mをユーザが設定してもよい。また、楽曲の演奏時間に応じて所定回数Nがカラオケ装置1において決定されてもよい。例えば、4分未満の楽曲はM=3とし、4分以上5分未満の楽曲は、M=4とし、5分以上6分未満の楽曲はM=5として、所定回数Mの値が決定される。また、曲の難易度に応じて所定回数Nがカラオケ装置1において決定されてもよい。例えば、ホスト装置5から楽曲識別データに対応する歌唱採点値の平均値を取得し、平均値が高い、すなわち難易度が低い場合は、所定回数Mの値を小さくする。一方、平均値が低い場合は、すなわち、難易度が高い場合は、所定回数Mの値を大きくする。
【0188】
本実施形態において、図18のステップSD13の処理の所定時間Tは、カラオケ装置1において予め設定されている。この実施形態に代えて、所定時間Tをユーザが設定してもよい。また、楽曲の演奏時間に応じて所定時間Tがカラオケ装置1において決定されてもよい。例えば、4分未満の楽曲はT=60とし、4分以上5分未満の楽曲は、T=75とし、5分以上6分未満の楽曲はT=90として所定時間Tの値が決定される。また、曲の難易度に応じて所定時間Tがカラオケ装置1において決定されてもよい。例えば、ホスト装置5から楽曲識別データに対応する歌唱採点値の平均値を取得し、平均値が高い、すなわち難易度が低い場合は、所定時間Tの値を大きくする。一方、平均値が低い場合は、すなわち、難易度が高い場合は、所定時間Tの値を小さくする。
【0189】
本実施形態において、図22のステップSE9の処理の所定の採点区間は、予め決められた時間データに基づいて設定される。この実施形態に代えて、楽曲の演奏時間に応じて時間データが決定されてもよい。例えば、4分未満の楽曲は時間データを20秒とし、4分以上5分未満の楽曲は時間データを25秒とし、5分以上6分未満の楽曲は時間データを30秒とする。また、所定の採点区間は、楽曲毎に予め決められた区間データに基づいて設定されてもよい。区間データは、図2が示すカラオケ楽曲テーブルに含まれる。区間データは、Aメロディ、Bメロディ、サビ、Cメロディといった楽曲を複数の区間に分割する情報を含む。例えば、Aメロディが開始してから終了するまでの基準音高と音高との差分の絶対値が積算され、Aメロディ終了時点で採点値が算出される。Aメロディ、Bメロディ、サビ及びCメロディといった区間データは、カラオケ楽曲データの制作時に予め決定される。楽曲中で歌唱する区間は、大きく分けてメロディとサビに分けられる。サビは楽曲の中で最も盛り上がる区間であり、メロディはそれ以外の区間である。Aメロディは楽曲の最初のメロディ、BメロディはAメロディの次に来るメロディ、Cメロディは最後のサビに続くメロディである。楽曲の一例として、前奏、Aメロディ、Bメロディ、サビ、間奏、Aメロディ、Bメロディ、サビ、間奏、Cメロディ、サビ、後奏の順に区間が到来する。所定の採点区間はまた、小節に基づいて設定されてもよい。小節は楽曲の単位であり、4/4拍子では、四分音符4つ分で1小節、4/3拍子では、四分音符3つ分で1小節である。例えば、所定の採点区間を8小節と設定すると、1小節目で差分の絶対値の積算を開始し8小節目が終了したら採点値が算出される。
【0190】
本実施形態において、図22のステップSE10の処理の所定点数Hは、カラオケ装置1において予め設定されている。この実施形態に代えて、所定点数Hをユーザが設定してもよい。また、サーバ装置5から楽曲の採点値の平均点を取得し、所定点数Hが決定されてもよい。例えば、平均点が80点の楽曲については、H=90に設定し、平均点が70点の楽曲については、H=80に設定してもよい。
【0191】
本実施形態において、図22のステップSE13の処理の所定点数Lは、カラオケ装置1において予め設定されている。この実施形態に代えて、所定点数Lをユーザが設定してもよい。また、サーバ装置5から楽曲の採点値の平均点を取得し、所定点数Lが決定されてもよい。例えば、平均点が80点の楽曲については、L=70に設定し、平均点が70点の楽曲については、L=60に設定してもよい。
【0192】
本実施形態において、図7のステップSA3等の処理は、ガイドメロディデータの構成音毎に、オブジェクト102の表示位置を決定している。この実施形態に代えて、図2のカラオケ楽曲データテーブルに含まれるハーモニーパートデータを参照してオブジェクト102の表示位置を決定してもよい。図24はガイドメロディデータとハーモニーパートデータとを参照してオブジェクト102を表示する画面を示す図である。図24において、ガイドメロディデータに基づく指標103−Cに対応するオブジェクト102は、オブジェクト102−C1、102−C2であり、対応するハーモニーパートデータに基づく指標103−C2に対応するオブジェクト102は、オブジェクト102−C3である。一方、ハーモニーパートデータが存在しないガイドメロディデータに基づく指標103−Fに対応するオブジェクト102は、オブジェクト102−F1、102−F2である。ユーザはガイドメロディデータの音高が高くて歌唱できないと判断すると、ガイドメロディデータの構成音より音高が低いハーモニーパートデータを歌唱することで、オブジェクト102への衝突を回避することできる。あるいは、ユーザがガイドメロディデータの音高が低くて歌唱できないと判断すると、ガイドメロディデータの構成音より音高が高いハーモニーパートデータを歌唱することで、オブジェクト102への衝突を回避することできる。
【0193】
本実施形態において、図7のステップSA7等の処理は、歌唱用マイク33から入力されたユーザの音声を受け付けている。この実施形態に代えて、歌唱用マイク33からの音声入力と共に、別の歌唱用マイクからユーザの音声入力を受け付けてもよい。図25は歌唱用マイク33から入力された音声に対応するアイコン104と、別の歌唱用マイクから入力された音声に対応するアイコン104−2とを表示する画面を示す図である。歌唱用マイク33で歌唱するユーザは、ガイドメロディデータに基づくパートを歌唱し、他の歌唱用マイクで歌唱するユーザは、ハーモニーパートデータに基づくパートを歌唱している。歌唱用マイク33で歌唱するユーザは、アイコン104が、オブジェクト102−C1とオブジェクト102−C2との間に表示されるように意識して歌唱し、他の歌唱用マイクで歌唱するユーザは、アイコン104−2が、オブジェクト102−C2とオブジェクト102−C3との間に表示されるように意識して歌唱することで、ハモリを意識しながらデュエットすることが可能となる。
【0194】
本実施形態において、衝突回数表示欄107には衝突回数が表示される。この実施形態に代えて、パワーゲージを表示してもよい。パワーゲージとは、主に格闘ゲーム等で用いられるゲージであり、ユーザが操作するキャラクタがノックアウトされるまでにどれだけのパワーが残留しているかを表す。例えば、採点モード開始時に、パワーゲージは100%であり、アイコン104がオブジェクト102に衝突するたびに、25%ずつパワーが減っていく。4回目の衝突でパワーゲージが0になり、演奏が中止される。
【0195】
第1乃至第5実施形態は、独立した実施形態であるが、これらの実施形態を少なくとも2つ組み合わせて別の実施形態としてもよい。例えば、第4実施形態が、第1乃至第3実施形態のいずれかの実施形態と組み合わされて別の実施形態とされてもよい。また、第5実施形態が、第1乃至第4実施形態のいずれかの実施形態と組み合わされて別の実施形態とされてもよい。
【符号の説明】
【0196】
1…カラオケ装置、4…リモコン装置、11…制御部、12…操作部、13…操作処理部、14…赤外線受信部、15…ビデオRAM、16…画像再生部、17…画像制御部、18…メモリ、19…HDD(ハードディスク)、20…音響制御部、21…LAN通信部、31…モニタ、32…スピーカ、33…歌唱用マイク、100…LAN、110…アクセスポイント、120…ルータ、5…ホスト装置、51…制御部、52…記憶部、53…LAN通信部

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