特許第6391180号(P6391180)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6391180熱可塑性ポリマーのための難燃剤−安定化剤の組み合わせ
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  • 特許6391180-熱可塑性ポリマーのための難燃剤−安定化剤の組み合わせ 図000023
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6391180
(24)【登録日】2018年8月31日
(45)【発行日】2018年9月19日
(54)【発明の名称】熱可塑性ポリマーのための難燃剤−安定化剤の組み合わせ
(51)【国際特許分類】
   C08L 101/00 20060101AFI20180910BHJP
   C08K 5/53 20060101ALI20180910BHJP
   C08K 3/32 20060101ALI20180910BHJP
   C08K 5/16 20060101ALI20180910BHJP
   C08K 3/00 20180101ALI20180910BHJP
   C08K 5/098 20060101ALI20180910BHJP
   C08K 5/103 20060101ALI20180910BHJP
   C08J 5/18 20060101ALI20180910BHJP
   D01F 1/00 20060101ALI20180910BHJP
【FI】
   C08L101/00
   C08K5/53
   C08K3/32
   C08K5/16
   C08K3/00
   C08K5/098
   C08K5/103
   C08J5/18
   D01F1/00
【請求項の数】23
【外国語出願】
【全頁数】36
(21)【出願番号】特願2016-129548(P2016-129548)
(22)【出願日】2016年6月30日
(62)【分割の表示】特願2013-532062(P2013-532062)の分割
【原出願日】2011年9月30日
(65)【公開番号】特開2017-25298(P2017-25298A)
(43)【公開日】2017年2月2日
【審査請求日】2016年7月29日
(31)【優先権主張番号】102010048025.8
(32)【優先日】2010年10月9日
(33)【優先権主張国】DE
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】398056207
【氏名又は名称】クラリアント・ファイナンス・(ビーブイアイ)・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100139527
【弁理士】
【氏名又は名称】上西 克礼
(74)【代理人】
【識別番号】100164781
【弁理士】
【氏名又は名称】虎山 一郎
(72)【発明者】
【氏名】クラウゼ・ヴェルナー
(72)【発明者】
【氏名】バウアー・ハーラルト
(72)【発明者】
【氏名】ジッケン・マルティン
(72)【発明者】
【氏名】ヘーロルト・ゼバスティアン
(72)【発明者】
【氏名】ヴァンツケ・ヴォルフガング
(72)【発明者】
【氏名】シュロサー・エルケ
【審査官】 久保 道弘
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2007/007663(WO,A1)
【文献】 特開2010−222486(JP,A)
【文献】 特開2004−263188(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L 1/00−101/14
C08K 3/00−3/40
C08K 5/00−5/59
C08J 5/18
D01F 1/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱可塑性ポリマー用の難燃剤−安定化剤混合物であって、
成分Aとして、50〜95重量%の、次式(I)のジアルキルホスフィン酸塩及び/または次式(II)のジホスフィン酸塩及び/またはこれらのポリマー、
【化1】
[式中、
、Rは、同一かまたは異なり、そして線状または分枝状のC−C−アルキルを意味し;
は、線状または分枝状のC−C10−アルキレン、C−C10−アリーレン、C−C20−アルキルアリーレンまたはC−C20−アリールアルキレンを意味し;
Mは、Mg、Ca、Al、Sb、Sn、Ge、Ti、Zn、Fe、Zr、Ce、Bi、Sr、Mn、Li、Na、K及び/またはプロトン化された窒素塩基を意味し;
mは、1〜4を意味し;
nは、1〜4を意味し;
xは、1〜4を意味する]
成分Bとして、5〜50重量%の、亜リン酸とアルミニウム化合物との反応生成物、
成分Cとして、0〜30重量%の、窒素含有相乗剤及び/またはリン/窒素難燃剤、
成分Dとして、0〜15重量%の、亜鉛塩、及び/または塩基性及び/または両性酸化物、水酸化物、炭酸塩、ケイ酸塩、ホウ酸塩、スズ酸塩、混合酸化物−水酸化物、酸化物−水酸化物−炭酸塩、水酸化物−ケイ酸塩及び/または水酸化物−ホウ酸塩、及び/またはこれらの物質の混合物、
成分Eとして、0〜2重量%の、ホスホナイト、及び/またはホスホナイトとホスフィットとの混合物、及び
成分Fとして、0〜2重量%の、典型的にはC14〜C40の鎖長を有する長鎖脂肪族カルボン酸(脂肪酸)のエステル及び/または塩、
からなり、この際、上記成分の合計は常に100重量%である、上記難燃剤−安定化剤混合物。
【請求項2】
、Rが、同一かまたは異なり、メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、tert.−ブチル、n−ペンチル及び/またはフェニルを意味することを特徴とする、請求項1に記載の難燃剤−安定化剤混合物。
【請求項3】
が、メチレン、エチレン、n−プロピレン、iso−プロピレン、n−ブチレン、tert.−ブチレン、n−ペンチレン、n−オクチレンまたはn−ドデシレン;フェニレンまたはナフチレン;メチルフェニレン、エチルフェニレン、tert.−ブチルフェニレン、メチルナフチレン、エチルナフチレンまたはtert.−ブチルナフチレン;フェニルメチレン、フェニルエチレン、フェニルプロピレンまたはフェニルブチレンを意味することを特徴とする、請求項1または2に記載の難燃剤−安定化剤混合物。
【請求項4】
60〜89.9重量%の成分A、
10〜40重量%未満の成分B、
0〜30重量%未満の成分C、
0〜15重量%の成分D、
0〜2重量%の成分E、及び
0.1〜2重量%の成分F、
からなることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一つに記載の難燃剤−安定化剤混合物。
【請求項5】
60〜84.9重量%の成分A、
10〜40重量%未満の成分B、
5〜30重量%未満の成分C、
0〜10重量%の成分D、
0〜2重量%の成分E、及び
0.1〜2重量%の成分F、
からなることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一つに記載の難燃剤−安定化剤混合物。
【請求項6】
60〜84.8重量%の成分A、
10〜40重量%未満の成分B、
5〜30重量%未満の成分C、
0〜10重量%の成分D、
0.1〜2重量%の成分E、及び
0.1〜2重量%の成分F、
からなることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一つに記載の難燃剤−安定化剤混合物。
【請求項7】
成分Bが、亜リン酸アルミニウム[Al(HPO]、第二亜リン酸アルミニウム[Al(HPO]、塩基性亜リン酸アルミニウム[Al(OH)(HPO2aq]、亜リン酸アルミニウム四水和物[Al(HPO4aq]、ホスホン酸アルミニウム、Al(HPO(OH)(1,6−ヘキサンジアミン)1.512HO、Al(HPO3*xAlnHO(x=2.27〜1)、及び/またはAl1618であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一つに記載の難燃剤−安定化剤混合物。
【請求項8】
成分Cが、メラミンの縮合生成物、及び/またはメラミンとポリリン酸との反応生成物、及び/またはメラミンの縮合生成物とポリリン酸との反応生成物、またはこれらの混合物であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一つに記載の難燃剤−安定化剤混合物。
【請求項9】
成分Cが、メレム、メラム、メロン、ジメラミンピロホスフェート、メラミンポリホスフェート、メレムポリホスフェート、メラムポリホスフェート、メロンポリホスフェート、及び/またはこれらの混合ポリ塩であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一つに記載の難燃剤−安定化剤混合物。
【請求項10】
成分Cが、式(NH3−yPOまたは(NHPO(yは1〜3であり、zは1〜10,000である)の窒素含有ホスフェートであることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一つに記載の難燃剤−安定化剤混合物。
【請求項11】
成分Dが、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化マンガン、酸化スズ、水酸化アルミニウム、ベーマイト、ジヒドロタルサイト、ヒドロカルマイト、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化亜鉛、酸化スズ水和物、水酸化マンガン、ホウ酸亜鉛、塩基性亜鉛−ケイ酸塩、及び/またはスズ酸亜鉛であることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一つに記載の難燃剤−安定化剤混合物。
【請求項12】
ホスホナイトが、以下の一般構造式で表されるものであることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一つに記載の難燃剤−安定化剤混合物。
R−[P(OR (IV)
[式中、
Rは、一価または多価の脂肪族、芳香族またはヘテロ芳香族有機基であり、そして
は、次の構造(V)
【化2】
の化合物であるか、あるいは両方のR基が、次の構造(VI)
【化3】
の橋掛け基を形成し、ここで
Aは、直接結合、O、S、C〜C18−アルキレン(線状もしくは分枝状)、C〜C18−アルキリデン(線状もしくは分枝状)を意味し、
は、互いに独立して、C〜C12−アルキル(線状もしくは分枝状)、C〜C12−アルコキシ、C〜C12−シクロアルキルを意味し、そして
nは、0〜5を意味し、そして
mは、1〜4を意味する]
【請求項13】
成分Fが、炭素原子数14〜40の長鎖脂肪酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アルミニウム塩及び/または亜鉛塩であり、及び/または炭素原子数14〜40の長鎖脂肪酸と多価アルコール、例えばエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン及び/またはペンタエリトリトールとの反応生成物であることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一つに記載の難燃剤−安定化剤混合物。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか一つに記載の難燃剤−安定化剤混合物を含む難燃性プラスチック成形材料であって、プラスチックが、HI(耐衝撃性)ポリスチレン、ポリフェニレンエーテル、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネートの種の熱可塑性ポリマー及び/またはエラストマー、及びABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)またはPC/ABS(ポリカーボネート/アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)またはPPE/HIPS(ポリフェニレンエーテル/耐衝撃性ポリスチレン)プラスチックのタイプのブレンドまたはポリマーブレンドであること、及び請求項1〜13のいずれか一つに記載の難燃剤−安定化剤混合物を、プラスチック成形材料を基準にして2〜50重量%の量で含むことを特徴とする、前記プラスチック成形材料。
【請求項15】
前記プラスチックが、ポリアミド及び/またはポリエステルであることを特徴とする、請求項14に記載の難燃性プラスチック成形材料。
【請求項16】
請求項1〜13のいずれか一つに記載の難燃剤−安定化剤混合物を含むポリマー成形体であって、ポリマーが、HI(耐衝撃性)ポリスチレン、ポリフェニレンエーテル、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、並びにABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)またはPC/ABS(ポリカーボネート/アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)のタイプのブレンドまたはポリマーブレンド、ポリアミド、ポリエステル及び/またはABS、及び/またはエラストマーであること、及び請求項1〜13のいずれか一つに記載の難燃剤−安定化剤混合物を、ポリマー成形体を基準にして2〜50重量%の量で含むことを特徴とする、前記ポリマー成形体。
【請求項17】
前記ポリマーが、ポリアミド及び/またはポリエステルであることを特徴とする、請求項16に記載のポリマー成形体。
【請求項18】
請求項1〜13のいずれか一つに記載の難燃剤−安定化剤混合物を含むポリマーフィルムであって、ポリマーが、HI(耐衝撃性)ポリスチレン、ポリフェニレンエーテル、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、並びにABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)またはPC/ABS(ポリカーボネート/アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)のタイプのブレンドまたはポリマーブレンド、ポリアミド、ポリエステル及び/またはABS、及び/またはエラストマーであること、及び請求項1〜13のいずれか一つに記載の難燃剤−安定化剤混合物を、ポリマーフィルムを基準にして2〜50重量%の量で含むことを特徴とする、前記ポリマーフィルム。
【請求項19】
前記ポリマーが、ポリアミド及び/またはポリエステルであることを特徴とする、請求項18に記載のポリマーフィルム。
【請求項20】
請求項1〜13のいずれか一つに記載の難燃剤−安定化剤混合物を含むポリマー糸であって、ポリマーが、HI(耐衝撃性)ポリスチレン、ポリフェニレンエーテル、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、並びにABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)またはPC/ABS(ポリカーボネート/アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)のタイプのブレンドまたはポリマーブレンド、ポリアミド、ポリエステル及び/またはABS、及び/またはエラストマーであること、及び請求項1〜13のいずれか一つに記載の難燃剤−安定化剤混合物を、ポリマー糸を基準にして2〜50重量%の量で含むことを特徴とする、前記ポリマー糸。
【請求項21】
前記ポリマーが、ポリアミド及び/またはポリエステルであることを特徴とする、請求項20に記載のポリマー糸。
【請求項22】
請求項1〜13のいずれか一つに記載の難燃剤−安定化剤混合物を含むポリマー繊維であって、ポリマーが、HI(耐衝撃性)ポリスチレン、ポリフェニレンエーテル、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、並びにABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)またはPC/ABS(ポリカーボネート/アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)のタイプのブレンドまたはポリマーブレンド、ポリアミド、ポリエステル及び/またはABS、及び/またはエラストマーであること、及び請求項1〜13のいずれか一つに記載の難燃剤−安定化剤混合物を、ポリマー繊維を基準にして2〜50重量%の量で含むことを特徴とする、前記ポリマー繊維。
【請求項23】
リマーがポリアミド及び/またはポリエステルであることを特徴とする、請求項22に記載のポリマー繊維
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱可塑性ポリマーのための難燃剤−安定化剤の組み合わせ、並びにこのような難燃剤−安定化剤の組み合わせを含むポリマー成形材料及び成形体に関する。
【背景技術】
【0002】
熱可塑性プラスチックの加工は主に溶融物の状態で行われる。プラスチックは、その化学構造を変化させること無しには、それに伴う構造と状態の変化を耐え抜くことは殆どない。その結果、架橋、酸化、分子量の変化、及びそれ故、物理的及び技術的な性質の変化が起こり得る。加工中のポリマーへの負荷を減少させるために、プラスチックに応じて様々な添加剤が使用される。
【0003】
多くの場合に、それぞれの所定の課題を担う様々な添加剤が同時に使用される。例えば、プラスチックが化学的ダメージを被ることなく加工に耐え、次いで長期の間、熱、UV光、気候及び酸素(空気)などの外部からの影響に対して安定であるように、酸化防止剤及び安定化剤が使用される。潤滑剤は、流動性を向上するということの他に、高温の機械部材にプラスチック溶融物があまりに強く付着することを防ぎ、加えて、顔料、フィラー及び強化物質の分散剤として働く。
【0004】
難燃剤を使用することによって、溶融物での加工時のプラスチックの安定性に影響を及ぼすことができる。難燃剤は、国際規格によるプラスチックの十分な難燃性を保証するために、多量の配量で添加しなければならないことが多い。高温度下での難燃作用に必要なそれらの化学反応性の故に、難燃剤は、プラスチックの加工安定性を損ねる恐れがある。例えば、強められたポリマー分解、架橋反応、ガス放出または着色などが起こり得る。
【0005】
ポリアミドは、例えば少量のハロゲン化銅並びに芳香族アミン及び立体障害性フェノールによって安定化され、この際、高い持続使用温度下での長期間に渡る安定性の達成が強調されている(H.Zweifel(Ed.):“Plastics Additives Handbook”,5th Edition,Carl Hanser Verlag,Muenchen,2000,p.80〜84(非特許文献1))。
【0006】
特に熱可塑性ポリマー用としては、ホスフィン酸の塩(ホスフィネート)が有効な防炎添加剤であることが判明している(DE−A−2252258(特許文献1)及びDE−A−2447727(特許文献2))。ホスフィン酸カルシウム及びホスフィン酸アルミニウムは、ポリエステル中で特に効果的であると記載されており、そして例えばアルカリ金属塩と比べてポリマー性成形材料の材料特性を僅にしか損ねない(EP−A−0699708(特許文献3))。更には、ホスフィネートと特定の窒素含有化合物との相乗コンビネーションも見出されており、これは、かなりの種類のポリマーにおいて、ホスフィネート単独の場合よりも難燃剤として効果的に作用する(PCT/EP97/01664(特許文献4)並びにDE−A−19734437(特許文献5)及びDE−A−19737727(特許文献6))。
【0007】
リン含有難燃剤を含むポリマー成形材料は、カルボジイミド類、イソシアネート類及びイソシアヌレート類を用いて安定化することができる(DE−A−19920276(特許文献7))。
【0008】
ポリアミド中にリン含有難燃剤を使用する場合には特に、これまで開示された安定化剤の作用は、中でも加工時に発生する変色や分子量の減少などの効果を阻止するためには、不十分であることが判明した。
【0009】
DE−A−19614424(特許文献8)は、ポリエステル及びポリアミド中で窒素相乗剤と組み合わせたホスフィネートを記載している。DE−A−19933901(特許文献9)は、ポリエステル及びポリアミド用に、難燃剤としてメラミンポリホスフェートと組み合わせたホスフィネートを開示している。しかし、これらの非常に効果的な難燃剤の使用の際には、特に300℃を超える加工温度では、部分的なポリマーの分解及びポリマーの変色がが起こる恐れ、並びに湿気が高く暖かい条件での貯蔵の際にブルームが生じる恐れがある。
【0010】
EP−A−0964886(特許文献10)は、難燃剤として、ホスフィン酸アルミニウムを、水酸化アルミニウム類、リン酸アルミニウム類及び/またはホスホン酸アルミニウム類と組み合わせて含む、難燃性ポリエステル及びポリアミド成形材料を開示している。30%のガラス繊維を含むポリブチレンテレフタレートでは、難燃性混合物の配合量20%で、ホスフィン酸アルミニウムと水酸化アルミニウムとでUL94V−2が達成され、ホスフィン酸アルミニウムとリン酸アルミニウムとでUL94V−1が達成され、そしてホスフィン酸アルミニウムとモノメチルホスホン酸アルミニウムとでV−0が達成されている。測定された破断伸びは1.2%である。しかし、射出成形での工業的な用途では、射出成形機のエジェクタピンが部材にダメージを与えないためには、少なくとも2%のかなりより高い破断伸びが必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】DE−A−2252258
【特許文献2】DE−A−2447727
【特許文献3】EP−A−0699708
【特許文献4】PCT/EP97/01664
【特許文献5】DE−A−19734437
【特許文献6】DE−A−19737727
【特許文献7】DE−A−19920276
【特許文献8】DE−A−19614424
【特許文献9】DE−A−19933901
【特許文献10】EP−A−0964886
【特許文献11】PCT/WO97/39053
【特許文献12】WO2009/109318
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】H.Zweifel(Ed.):“Plastics Additives Handbook”,5th Edition,Carl Hanser Verlag,Muenchen,2000,p.80〜84
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
それ故、本発明の課題は、難燃性ばかりでなく、良好な機械的値並びに低いポリマー分解を示し、プラスチックに安定化作用を発揮し、金型付着物及びプラスチックからのブルームを生じさせない、熱可塑性プラスチック、特にポリアミド及びポリエステルのための難燃剤−安定化剤の組み合わせを提供することであった。更に、本発明の難燃剤−安定化剤の組み合わせは、破断伸び時により良好な値を与える。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の課題は、ジアルキルホスフィン酸の塩(成分A)と、亜リン酸(ホスホン酸とも称する)HP(=O)(OH)の塩(成分B)、場合により及び更に別の一種またはそれ以上の含窒素または含リン窒素難燃剤(成分C)、場合により及び他の成分を含んでなる混合物によって解消される。
【0015】
【化1】
亜リン酸、互変異性形態(以下、式(III)[HP(=O)(O2−m+を有する成分Bと定義される)
それ故、本発明の対象は、
成分Aとして、20〜99重量%の次式(1)のジアルキルホスフィン酸塩及び/または次式(II)のジホスフィン酸塩及び/またはこれらのポリマー、
【0016】
【化2】
[式中、
、Rは、同一かもしくは異なり、線状もしくは分枝状のC〜Cアルキルを意味し;
は、線状もしくは分枝状のC〜C10アルキレン、C−C10−アリーレン、C−C20−アルキルアリーレンまたはC−C20−アリールアルキレンを意味し、
Mは、Mg、Ca、Al、Sb、Sn、Ge、Ti、Zn、Fe、Zr、Ce、Bi、Sr、Mn、Li、Na、K及び/またはプロトン化された窒素塩基を意味し、
mは、1〜4を意味し、
nは、1〜4を意味し、
xは、1〜4を意味する」
成分Bとして、1〜80重量%の、以下の一般式(III)を有する亜リン酸の塩、
[HP(=O)O2−m+ (III)
[式中、
Mは、Mg、Ca、Al、Sb、Sn、Ge、Ti、Zn、Fe、Zr、Ce、Bi、Sr、Mn、Li、Na及び/またはKを意味し、そして
mは、1〜4を意味する]
成分Cとして、0〜30重量%の含窒素相乗剤及び/またはリン/窒素難燃剤、
成分Dとして、0〜10重量%の亜鉛塩、及び/または塩基性及び/または両性酸化物、水酸化物、炭酸塩、ケイ酸塩、ホウ酸塩、スズ酸塩、混合酸化物−水酸化物、酸化物−水酸化物−炭酸塩、水酸化物−ケイ酸塩及び/または水酸化物−ホウ酸塩、及び/またはこれらの物質の混合物、
成分Eとして、0〜3重量%のホスホナイト類、またはホスホナイト類とホスフィット類との混合物、及び
成分Fとして、0〜3重量%の、典型的にはC14〜C40の鎖長を有する、長鎖脂肪族カルボン酸(脂肪酸)のエステルまたは塩、
を含み、この際、上記成分の合計は常に100重量%である、熱可塑性ポリマー用の難燃剤−安定化剤の組み合わせである。
【0017】
驚くべきことに、ジアルキルホスフィン酸の塩と亜リン酸の塩との本発明による組み合わせが、ポリマーに配合した時に、向上した安定性と共に良好な難燃作用を示すことが見出された。ポリマーの分解は阻止されるかまたは強く低減され、そして金型付着物及びブルームは観察されない。加えて、本発明の組み合わせは、溶融物の加工時のプラスチックの着色を減少させ、そしてより小さな分子量を有する単位へのプラスチックの分解を抑制する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、UL94試験での後有炎燃焼時間の経過を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
好ましくは、R、Rは、同一かまたは異なり、そしてメチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、tert.−ブチル、n−ペンチル及び/またはフェニルを意味する。
【0020】
好ましくは、Rは、メチレン、エチレン、n−プロピレン、iso−プロピレン、n−ブチレン、tert.−ブチレン、n−ペンチレン、n−オクチレンまたはn−ドデシレン;フェニレンまたはナフチレン;メチルフェニレン、エチルフェニレン、tert.−ブチルフェニレン、メチルナフチレン、エチルナフチレンまたはtert.−ブチルナフチレン;フェニルメチレン、フェニルエチレン、フェニルプロピレンまたはフェニルブチレンを意味する。
【0021】
好ましくは、該難燃剤−安定化剤の組み合わせは、
60〜89.9重量%の成分A、
10〜40重量%の成分B、
0〜30重量%の成分C、
0〜15重量%の成分D、
0〜2重量%の成分E、及び
0.1〜2重量%の成分F、
を含む。
【0022】
好ましくは、該難燃剤−安定化剤の組み合わせは、
60〜84.9重量%の成分A、
10〜40重量%の成分B、
5〜30重量%の成分C、
0〜10重量%の成分D、
0〜2重量%の成分E、及び
0.1〜2重量%の成分F、
も含む。
【0023】
好ましくは、該難燃剤−安定化剤の組み合わせは、
60〜84.8重量%の成分A、
10〜40重量%の成分B、
5〜30重量%の成分C、
0〜10重量%の成分D、
0.1〜2重量%の成分E、及び
0.1〜2重量%の成分F、
も含む。
【0024】
好ましくは、成分Bは、亜リン酸とアルミニウム化合物との反応生成物である。
【0025】
好ましくは、成分Bは、亜リン酸アルミニウム[Al(H2PO]、第二亜リン酸アルミニウム[Al(HPO]、塩基性亜リン酸アルミニウム[Al(OH)(HPO2aq]、亜リン酸アルミニウム四水和物[Al(HPO4aq]、ホスホン酸アルミニウム、Al(HPO(OH)(1,6−ヘキサンジアミン)1.512HO、Al(HPO3*xAlnHO(x=2.27〜1)、及び/またはAl1618である。
【0026】
好ましくは、成分Cは、メラミンの縮合生成物、及び/またはメラミンとポリリン酸との反応生成物、及び/またはメラミンの縮合生成物とポリリン酸との反応生成物、あるいはこれらの混合物である。
【0027】
好ましくは、成分Cは、メレム、メラム、メロン、ジメラミンピロホスフェート、メラミンポリホスフェート、メレムポリホスフェート、メラムポリホスフェート、メロンポリホスフェート、及び/またはこれらの混合ポリ塩である。
【0028】
好ましくは、成分Cは、式(NH3−yPOまたは(NHPO(式中、yは1〜3であり、zは1〜10,000である)の窒素含有ホスフェートである。
【0029】
好ましくは、成分Dは、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化マンガン、酸化スズ、水酸化アルミニウム、ベーマイト、ジヒドロタルサイト、ヒドロカルマイト、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化亜鉛、酸化スズ水和物、水酸化マンガン、ホウ酸亜鉛、塩基性ケイ酸亜鉛及び/またはスズ酸亜鉛である。
【0030】
好ましくは、ホスホナイト類は、以下の一般構造式のものである。
【0031】
R−[P(OR (IV)
[式中、
Rは、一価または多価の脂肪族、芳香族またはヘテロ芳香族有機基であり、そして
は、以下の構造(V)
【0032】
【化3】
の化合物であるか、または二つのR基が、以下の構造(VI)の橋掛け基を形成し、
【0033】
【化4】
式中、Aは、直接結合、O、S、C1−18アルキレン(線状もしくは分枝状)、C1−18アルキリデン(線状または分枝状)を意味し、
は、互いに独立して、C1−12アルキル(線状もしくは分枝状)、C1−12アルコキシ、C5−12シクロアルキルを意味し、そして
nは、0〜5を意味し、
mは、1〜4を意味する]
好ましくは、成分Fは、炭素原子数14〜40の長鎖脂肪酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アルミニウム塩及び/または亜鉛塩、及び/または炭素原子数14〜40の長鎖脂肪酸と多価アルコール、例えばエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン及び/またはペンタエリトリトールとの反応生成物である。
【0034】
更に本発明は、請求項1〜14の一つまたはそれ以上に記載の難燃剤−安定化剤の組み合わせを含む防炎性プラスチック成形材料であって、前記プラスチックが、HI(耐衝撃性)ポリスチレン、ポリフェニレンエーテル、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネートの種の熱可塑性ポリマー及び/またはエラストマー、あるいはABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)またはPC/ABS(ポリカーボネート/アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)またはPPE/HIPS(ポリフェニレンエーテル/耐衝撃性ポリスチレン)プラスチックのタイプのブレンドまたはポリマーブレンドであること、及び請求項1〜14に記載の難燃剤−安定化剤の組み合わせを、プラスチック成形材料を基準に2〜50重量%の量で含むことを特徴とする、前記成形材料にも関する。
【0035】
同様に、本発明は、請求項1〜14の一つまたはそれ以上に記載の難燃剤−安定化剤の組み合わせを含む、ポリマー成形体、ポリマーフィルム、ポリマー糸及びポリマー繊維であって、ポリマーが、HI(耐衝撃性)ポリスチレン、ポリフェニレンエーテル、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、及びABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)またはPC/ABS(ポリカーボネート/アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)のタイプのブレンドもしくはポリマーブレンド、ポリアミド、ポリエステル及び/またはABS、及び/またはエラストマーであること、及び請求項1〜14に記載の難燃剤−安定化剤の組み合わせを、ポリマー成形体、ポリマーフィルム、ポリマー糸及び/またはポリマー繊維を基準にして2〜50重量%の量で含むことを特徴とする、前記ポリマー成形体、ポリマーフィルム、ポリマー糸及びポリマー繊維にも関する。
【0036】
特に好ましくは、前記プラスチックまたはポリマーはポリアミド及び/またはポリエステルである。
【0037】
好ましい亜リン酸塩(成分B)は、水中に不溶性であるかまたは水中に難溶性の塩である。
【0038】
特に好ましい亜リン酸塩は、アルミニウム塩、カルシウム塩及び亜鉛塩である。
【0039】
特に好ましくは、成分Bは、亜リン酸とアルミニウム化合物との反応生成物である。
【0040】
好ましいものは、CAS番号15099−32−8、119103−85−4、220689−59−8、56287−23−1、156024−71−4、71449−76−8及び15099−32−8の亜リン酸アルミニウムである。
【0041】
好ましいものは、Al(HPO0.1〜30Al0〜50HO、特に好ましいものは、Al(HPO0.2〜20Al0〜50HO、非常に特に好ましいものは、Al(HPO1〜3Al0〜50HOのタイプの亜リン酸アルミニウムである。
【0042】
好ましいものは、5〜95重量%のAl(HPOnHO及び95〜5重量%のAl(OH)の組成の亜リン酸アルミニウムと水酸化アルミニウムとの混合物、特に好ましいものは、10〜90重量%のAl(HPOnHO及び90〜10重量%Al(OH)の組成の亜リン酸アルミニウムと水酸化アルミニウムとの混合物、非常に特に好ましいものは、35〜65重量%のAl(HPOnHO及び65〜35重量%のAl(OH)の組成の亜リン酸アルミニウムと水酸化アルミニウムとの混合物であり、それぞれの場合においてnは0〜4である。
【0043】
好ましくは、亜リン酸アルミニウムは0.2〜100μmの粒度を有する。
【0044】
好ましい亜リン酸アルミニウムの製造は、通常は、アルミニウム源を、リン源及び選択的にテンプレートと、溶剤中20〜200℃で、4日間までの期間、反応させることによって行われる。このためには、アルミニウム源及びリン源を混合し、水熱条件下または環流下に加熱し、濾別し、洗浄しそして乾燥する。
【0045】
好ましいアルミニウム源は、アルミニウムイソプロポキシド、硝酸アルミニウム、塩化アルミニウム、水酸化アルミニウム(例えばプソイドベーマイト)である。
【0046】
好ましいリン源は、亜リン酸、(酸性)亜リン酸アンモニウム、アルカリ金属亜リン酸塩またはアルカリ土類金属亜リン酸塩である。
【0047】
好ましいアルカリ金属亜リン酸塩は、亜リン酸二ナトリウム、亜リン酸二ナトリウム水和物、亜リン酸三ナトリウム、亜リン酸水素カリウムである。
【0048】
好ましい亜リン酸二ナトリウム水和物は、Brueggemann社のBrueggolen(登録商標)H10である。
【0049】
好ましいテンプレートは、1,6−ヘキサンジアミン、グアニジンカーボネートまたはアンモニアである。
【0050】
好ましいアルカリ土類金属亜リン酸塩は亜リン酸カルシウムである。
【0051】
この際、アルミニウム:リン:溶剤の好ましい比率は、1:1:3.7〜1:2.2:100モルである。アルミニウム:テンプレートの比率は1:0〜1:17モルである。
【0052】
反応溶液の好ましいpH値は3〜9である。
【0053】
好ましい溶剤は水である。
50〜95重量%の成分A、
5〜50重量%の成分B、
0〜30重量%の成分C、
0〜15重量%の成分D、
0〜2重量%の成分E、及び
0〜2重量%の成分F、
を含む難燃剤−安定化剤の組み合わせも本発明によるものである。
50〜94.9重量%の成分A、
5〜50重量%の成分B、
0〜30重量%の成分C、
0〜15重量%の成分D、
0〜2重量%の成分E、及び
0.1〜2重量%の成分F、
を含む難燃剤−安定化剤の組み合わせも本発明によるものである。
50〜94.8重量%の成分A、
5〜50重量%の成分B、
0〜30重量%の成分C、
0〜15重量%の成分D、
0.1〜2重量%の成分E、及び
0.1〜2重量%の成分F、
を含む難燃剤−安定化剤の組み合わせも本発明によるものである。
50〜94.8重量%の成分A、
5〜30重量%の成分B、
5〜20重量%の成分C、
0〜15重量%の成分D、
0.1〜2重量%の成分E、及び
0.1〜2重量%の成分F、
を含む難燃剤−安定化剤の組み合わせも本発明によるものである。
50〜94.7重量%の成分A、
5〜30重量%の成分B、
5〜20重量%の成分C、
0.1〜15重量%の成分D、
0.1〜2重量%の成分E、及び
0.1〜2重量%の成分F、
を含む難燃剤−安定化剤の組み合わせも本発明によるものである。
【0054】
好ましくは、成分Cはメラミンシアヌレートである。
【0055】
好ましくは、成分Cは、リン酸水素アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム、
及び/またはポリリン酸アンモニウムである。
【0056】
適当な成分Cは、次式(VII)〜(XII)の化合物またはこれらの混合物、またはトリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレートと芳香族ポリカルボン酸とのオリゴマー性エステルでもある。
【0057】
【化5】
式中、
〜Rは、水素、C−C−アルキル、C−C16−シクロアルキルまたはC−C16−アルキルシクロアルキル(これらは場合によりヒドロキシ官能基またはC−C−ヒドロキシアルキル官能基で置換されている)、C−C−アルケニル、C−C−アルコキシ、C−C−アシル、C−C−アシルオキシ、C−C12−アリールまたはC−C12−アリールアルキル、−OR、及び−N(R)R並びにこれのN−脂環式もしくはN−芳香族のものを意味し、
は、水素、C−C−アルキル、C−C16−シクロアルキルまたはC−C16−アルキルシクロアルキル(これらは場合によりヒドロキシ官能基またはC−C−ヒドロキシアルキル官能基により置換されている)、C−C−アルケニル、C−C−アルコキシ、C−C−アシル、C−C−アシルオキシまたはC−C12−アリールもしくはC−C12−アリールアルキルを意味し、
〜R13は、Rと同じ基、並びに−O−Rを意味し、
m及びnは、互いに独立して、1、2、3または4を意味し、
Xは、トリアジン化合物(VII)と付加物を形成することができる酸を意味する。
【0058】
特に好ましい成分Cは、ベンゾグアナミン、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、アラントイン、グリコウリル、メラミン、メラミンシアヌレート、ジシアンジアミド及び/またはグアニジンである。
【0059】
特に好ましくは、成分Dは、ベーマイト、ジヒドロタルサイト、ホウ酸亜鉛、及び/またはスズ酸亜鉛である。
【0060】
好ましくは、Mはカルシウム、アルミニウムまたは亜鉛を意味する。
【0061】
プロトン化された窒素塩基とは、好ましくは、アンモニア、メラミン、トリエタノールアミンのプロトン化された塩基、特にNHを意味する。
【0062】
適当なホスフィネートは、PCT/WO97/39053(特許文献11)に記載されており、該文献の内容は本明細書中に援用する。
【0063】
特に好ましいホスフィネートは、ホスフィン酸アルミニウム、ホスフィン酸カルシウム及びホスフィン酸亜鉛である。
【0064】
特に好ましくは、応用時は、亜リン酸と同じホスフィン酸塩が使用され、すなわち例えば、ジアルキルホスフィン酸アルミニウムは亜リン酸アルミニウムと一緒に、またはジアルキルホスフィン酸亜鉛は亜リン酸亜鉛と一緒に使用される。
【0065】
成分A及びC、場合によっては及び成分C、D、E及びFの本発明の組み合わせには添加剤、例えば酸化防止剤、UV吸収剤及び光保護剤、金属失活剤、過酸化物破壊性化合物、ポリアミド安定化剤、塩基性共安定化剤、成核剤、フィラー、強化材、更に別の難燃剤、並びにその他の添加物質などを加えてよい。
【0066】
適当な酸化防止剤は、例えば、アルキル化されたモノフェノール類、例えば2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール;1,2−アルキルチオメチルフェノール、例えば2,4−ジ−オクチルチオメチル−6−tert−ブチルフェノール;ヒドロキノン類及びアルキル化されたヒドロキノン類、例えば2,6−ジ−tert−ブチル−4−メトキシフェノール;トコフェロール類、例えばα−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロール及びこれらの混合物(ビタミンE);水素化されたチオジフェニルエーテル、例えば2,2’−チオ−ビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−チオ−ビス(4−オクチルフェノール)、4,4’−チオ−ビス−(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、4,4’−チオ−ビス−(6−tert−ブチル−2−メチルフェノール)、4,4’−チオ−ビス−(3,6−ジ−sec.−アミルフェノール)、4,4’−ビス−(2,6−ジ−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−ジスルフィック;アルキリデン−ビスフェノール類、例えば2,2’−メチレン−ビス−(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール;O−、N−及びS−ベンジル化合物、例えば3,5,3’,5’−テトラ−tert−ブチル−4,4’−ジヒドロキシジ−ベンジルエーテル;ヒドロキシベンジル化されたマロネート、例えばジオクタデシル−2,2−ビス−(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシベンジル)−マロネート;ヒドロキシベンジル−芳香族類、例えば1,3,5−トリス−(3,5−ジ−tert−ブチル)−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,4−ビス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,3,5,6−テトラメチルベンゼン、2,4,6−トリス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−フェノール;トリアジン化合物、例えば2,4−ビス−オクチルメルカプト−6(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン;ベンジルホスホネート類、例えばジメチル−2,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート;アシルアミノフェノール類、4−ヒドロキシラウリン酸アミド、4−ヒドロキシステアリン酸アニリド、N−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−カルバミン酸オクチルエステル;β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオン酸と一価もしくは多価アルコールとのエステル;β−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−プロピオン酸と一価もしくは多価アルコールとのエステル;β−(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオン酸と一価もしくは多価アルコールとのエステル;3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル酢酸と一価もしくは多価アルコールとのエステル;β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオン酸のアミド、例えばN,N’−ビス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)−ヘキサメチレンジアミン、N,N’−ビス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)−トリメチレンジアミン、N,N’−ビス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)−ヒドラジンである。
【0067】
適当なUV吸収剤及び光保護剤は、例えば、2−(2’−ヒドロキシフェニル)−ベンゾトリアゾール類、例えば2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−ベンゾトリアゾール;
2−ヒドロキシベンゾフェノン類、例えば4−ヒドロキシ、4−メトキシ、4−オクトキシ、4−デシルオキシ−、4−ドデシルオキシ−、4−ベンジルオキシ−、4,2’,4−トリヒドロキシ−、2’−ヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ−誘導体;
場合により置換された安息香酸のエステル、例えば4−tert−ブチル−フェニルサリチレート、フェニルサリチレート、オクチルフェニルサリチレート、ジベンゾイルレゾルシン、ビス−(4−tert−ブチルベンゾイル)−レゾルシン、ベンゾイルレゾルシン、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ安息香酸−2,4−ジ−tert−ブチルフェニルエステル、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ安息香酸ヘキサデシルエステル、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ安息香酸オクタデシルエステル、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ安息香酸−2−メチル−4,6−ジ−tert−ブチルフェニルエステル;アクリレート類、例えばα−シアン−β,β−ジフェニルアクリル酸エチルエステルもしくは−イソオクチルエステル、α−カルボメトキシケイ皮酸メチルエステル、α−シアノ−β−メチル−p−メトキシケイ皮酸メチルエステルもしくは−ブチルエステル、α−カルボメトキシ−p−メトキシケイ皮酸メチルエステル、N−(β−カルボ−メトキシ−β−シアノビニル)−2−メチル−インドリンである。
【0068】
更に、ニッケル化合物、例えば2,2’−チオ−ビス−[4(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール]のニッケル錯体、例えば、場合により追加の配位子、例えばn−ブチルアミン、トリエタノールアミンもしくはN−シクロヘキシルジエタノールアミンを有する1:1−もしくは1:2−錯体、ニッケルジブチルジチオカルバメート、4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルベンジルホスホン酸モノアルキルエステルのニッケル塩、例えばメチルエチルもしくはエチルエステルのこのようなニッケル塩、ケトキシム類のニッケル錯体、例えば2−ヒドロキシ−4−メチルフェニルウンデシルケトキシムのニッケル錯体、場合により追加の配位子を有する、1−フェニル−4−ラウロイル−5−ヒドロキシピラゾールのニッケル錯体;立体障害性アミン、例えばビス−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)−セバケート;シュウ酸ジアミド、例えば4,4’−ジ−オクチルオキシオキサニリド;2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン類、例えば2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン。
【0069】
適当な金属失活剤は、例えばN,N’−ジフェニルシュウ酸ジアミド、N−サリチラール−N’−サリチロイルヒドラジン、N,N’−ビス−(サリチロイル)−ヒドラジン、N,N’−ビス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)−ヒドラジン、3−サリチロイルアミノ−1,2,4−トリアゾール、ビス−(ベンジリデン)−シュウ酸ジヒドラジド、オキサニリド、イソフタル酸ジヒドラジド、セバシン酸−ビス−フェニルヒドラジド、N,N’−ジアセチル−アジピン酸ジヒドラジド、N,N’−ビス−サリチロイルシュウ酸ジヒドラジド、N,N’−ビス−サリチロイルチオプロピオン酸ジヒドラジドである。
【0070】
適当な過酸化物破壊性化合物は、例えば、β−チオ−ジプロピオン酸のエステル、例えばラウリル−、ステアリル−、ミリスチル−またはトリデシルエステル;メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトベンズイミダゾールの亜鉛塩、亜鉛ジブチルジチオカルバメート、ジオクタデシルジスルフィド、ペンタエリトリトール−テトラキス−(β−ドデシルメルカプト)−プロピオネートである。
【0071】
適当なポリアミド安定化剤は、例えば、ヨウ化物及び/またはリン化合物と組み合わせた銅塩、並びに二価のマンガンの塩である。
【0072】
適当な塩基性共安定化剤は、メラミン、ポリビニルピロリドン、ジシアンジアミド、トリアリルシアヌレート、尿素誘導体、ヒドラジン誘導体、アミン類、ポリアミド、ポリウレタン、高級脂肪酸のアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩、例えばステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ベヘン酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、リシノール酸ナトリウム、パルミチン酸カリウム、アンチモンカテコレートまたはスズカテコレートである。
【0073】
適当な成核剤は、例えば4−tert−ブチル安息香酸、アジピン酸及びジフェニル酢酸である。
【0074】
フィラー及び強化材には、例えば炭酸カルシウム、ケイ酸塩、ガラス繊維、アスベスト、タルク、カオリン、マイカ、硫酸バリウム、金属酸化物及び水酸化物、カーボンブラック、グラファイト及び他のものが挙げられる。
【0075】
更に別の難燃剤としては、例えばアリールホスフェート類、ホスホネート類、次亜リン酸の塩、並びに赤リンなどが適している。
【0076】
その他の添加剤には、例えば可塑剤、膨張グラファイト、潤滑剤、乳化剤、顔料、蛍光増白剤、難燃剤、帯電防止剤、発泡剤などが挙げられる。
【0077】
これらの追加の添加剤は、難燃剤の添加の前に、それと一緒にまたはその後にポリマーに加えることができる。この際、これらの添加剤並びに難燃剤の計量添加は、固形物として、溶液または溶融物状態で、並びに固形もしくは液状の混合物として、あるいはマスターバッチ/濃厚物の形で行うことができる。
【0078】
好ましくは、ホスホナイト類において、次の基は以下の意味を有する。
R:C〜C18−アルキル(線状もしくは分枝状)、C〜C18−アルキレン(線状もしくは分枝状)、C〜C12−シクロアルキル、C〜C12−シクロアルキレン、C〜C24−アリールもしくはC〜C24−ヘテロアリール、C〜C24−アリーレンもしくはC〜C24−ヘテロアリーレン、これらは更に置換されていてもよい;
:構造(IX)または(X)の化合物、ここで
:互いに独立してC〜C−アルキル(線状もしくは分枝状)、C〜C−アルコキシ、シクロヘキシル;
A:直接結合、O、C〜C−アルキレン(線状もしくは分枝状)、C〜C−アルキリデン(線状もしくは分枝状)、及び
n:0〜3;
m:1〜3。
【0079】
特に好ましくは、ホスホナイト類において、次の基は以下の意味を有する。
R:シクロヘキシル、フェニル、フェニレン、ビフェニル及びビフェニレン;
:構造(IX)または(X)の化合物、ここで
:互いに独立して、C〜C−アルキル(線状もしくは分枝状)、C〜C−アルコキシ、シクロヘキシル;
A:直接結合、O、C〜C−アルキリデン(線状もしくは分枝状)、及び
n:1〜3
m:1または2。
【0080】
更に、次式(XIII)のホスフィット類と組み合わせた上記請求項に記載の化合物の混合物も特許請求される。
【0081】
P(OR (XIII)
式中、Rは上記の意味を有する。
【0082】
特に好ましいものは、上記の記載に基づいて、芳香族類またはヘテロ芳香族類、例えばベンゼン、ビフェニルまたはジフェニルエーテルとリン三ハロゲン化物、好ましくは三塩化リンとを、フリーデル−クラフツ触媒、例えば塩化アルミニウム、塩化亜鉛、塩化鉄などの存在下にフリーデル−クラフツ反応に付し、次いで構造(IX)及び(X)の基礎となるフェノール類と反応させることによって製造される化合物である。この際、上記の反応シーケンスに従い、過剰のリン三ハロゲン化物と上記のフェノール類とから生じるホスフィット類との混合物も明らかに包含される。
【0083】
これらの化合物群の中で、以下の構造(XIV)及び(XV)が好ましい。
【0084】
【化6】
【0085】
【化7】
この際、nは0または1であることができ、そしてこれらの混合物は、任意に更に、化合物(XVI)または(XVII)の部分を含むことができる。
【0086】
【化8】
【0087】
【化9】
成分Fとして適したものは、典型的にはC14〜C40の鎖長を有する、長鎖脂肪族カルボン酸(脂肪酸)のエステルまたは塩である。前記エステルは、上記のカルボン酸と慣用の多価アルコール、例えばエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパンもしくはペンタエリトリトールとの反応生成物である。上記のカルボン酸の塩としては、中でも、アルカリ金属塩もしくはアルカリ土類金属塩あるいはアルミニウム塩及び亜鉛塩が挙げられる。
【0088】
好ましくは、成分Fは、ステアリン酸のエステルまたは塩、例えばグリセリンモノステアレートまたはステアリン酸カルシウムである。
【0089】
好ましくは、成分Fは、モンタンワックス酸とエチレングリコールとの反応生成物である。
【0090】
好ましくは、前記反応生成物は、エチレングリコール−モノ−モンタン酸エステル、エチレングリコール−ジ−モンタンワックス酸エステル、モンタンワックス酸及びエチレングリコールを含む混合物である。
【0091】
好ましくは、成分Fは、モンタンワックス酸とカルシウム塩との反応生成物である。
【0092】
特に好ましくは、前記反応生成物は、1,3−ブタンジオール−モノ−モンタンワックス酸エステル、1,3−ブタンジオール−ジ−モンタンワックス酸エステル、モンタンワックス酸、1,3−ブタンジオール、モンタン酸カルシウム及びカルシウム塩を含む混合物である。
【0093】
該難燃剤−安定化剤の組み合わせ中の成分A、B、場合により及びCの量比は、本質的に意図される使用分野に依存し、そして広い範囲で変えることができる。使用分野に応じて、該難燃剤−安定化剤の組み合わせは、成分Aを20〜99重量%、成分Bを1〜80重量%、及び成分Cを0〜30重量%含む。成分D、E及びFは、互いに独立して、0〜3重量%で加えられる。
【0094】
特に好ましくは、プラスチックはポリアミド、ポリエステル、及びPPE/HIPSブレンドである。
【0095】
好ましくは、該難燃剤−安定化剤の組み合わせは、プラスチック成形材料を基準にして2〜50重量%の総量でプラスチック成形材料に使用される。この際、プラスチック成形材料の総量は50〜98重量%である。
【0096】
特に好ましくは、該難燃剤−安定化剤の組み合わせは、プラスチック成形材料を基準にして10〜30重量%の総量でプラスチック成形材料に使用される。プラスチック成形材料の総量は70〜90重量%である。
【0097】
好ましくは、該ポリマー成形体、ポリマーフィルム、ポリマー糸及びポリマー繊維は、ポリマー含有量を基準にして該難燃剤−安定化剤の組み合わせを2〜50重量%の総量で含む。この時、ポリマー量は50〜98重量%である。
【0098】
特に好ましくは、該ポリマー成形体、ポリマーフィルム、ポリマー糸及びポリマー繊維は、ポリマー含有量を基準にして該難燃剤−安定化剤の組み合わせを10〜30重量%の総量で含む。この時、ポリマー量は70〜90重量%である。
【0099】
上記の添加剤は、様々なプロセスステップにおいてプラスチックに導入することができる。例えば、ポリアミドまたはポリエステルの場合には、重合/重縮合の開始時に既にまたはその終了時に、あるいは次のコンパウンド化プロセスにおいて、添加剤をポリマー溶融物に混入することが可能である。更に、添加剤を後になって初めて加える加工プロセスもある。これは、特に、顔料−または添加剤マスターバッチの使用時に実施される。更にまた、特に粉末状の添加剤を、乾燥プロセスを経て場合により暖かいポリマー顆粒物上に、ドラムミキサーを使用して混合する手法もある。
【0100】
好ましくは、該難燃剤−安定化剤の組み合わせは、顆粒物、フレーク、細粒物(Feinkorn)、粉末及び/または微粒物(Micronisat)として存在する。
【0101】
好ましくは、該難燃剤−安定化剤の組み合わせは、固形物の物理的混合物として、溶融物混合物として、圧密物として、押出物としてまたはマスターバッチの形で存在する。
【0102】
本発明の難燃剤−安定化剤の組み合わせは、熱可塑性ポリマー中に使用することができる。
【0103】
適当なポリエステルは、ジカルボン酸及びそれのエステルとジオールから及び/またはヒドロキシカルボン酸または対応するラクトン類から誘導することができる。特に好ましくは、テレフタル酸とエチレングリコール、プロパン−1,3−ジオール及びブタン−1,3−ジオールとが使用される。
【0104】
適当なポリエステルは、中でも、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート(Celanex(登録商標)2500、Celanex(登録商標)2002、Celanese社;Ultradur(登録商標)、BASF社)、ポリ−1,4−ジメチロールシクロヘキサンテレフタレート、ポリヒドロキシベンゾエート、並びにヒドロキシ末端基を有するポリエーテルから誘導されるブロック−ポリエーテルエステル;更にポリカーボネートもしくはMBSで変性されたポリエステルである。
【0105】
本発明に従い製造された難燃性ポリエステル成形材料は、好ましくは、ポリエステル成形体に使用される。
【0106】
好ましいポリエステル成形体は、ジカルボン酸成分として主としてテレフタル酸及びジオール成分として主としてエチレングリコールを含む、糸、繊維、フィルム及び成形体それ自体である。
【0107】
好ましくは、該難燃性ポリエステルから製造される糸及び繊維中の生ずるリン含有率は、0.1〜18重量%、好ましくは0.5〜15重量%であり、フィルムの場合には0.2〜15重量%、好ましくは0.9〜12重量%である。
【0108】
適当なポリスチレン類は、ポリスチレン、ポリ−(p−メチルスチレン)及び/またはポリ(アルファ−メチルスチレン)である。
【0109】
好ましくは、適当なポリスチレン類は、スチレンもしくはアルファ−メチルスチレンとジエン類もしくはアクリル誘導体とのコポリマー、例えばスチレン−ブタジエン、スチレン−アクリロニトリル、スチレン−アルキルメタクリレート、スチレン−ブタジエン−アルキルアクリレート及び−メタクリレート、スチレン−無水マレイン酸、スチレン−アクリロニトリル−メチルアクリレート;スチレンコポリマーと他のポリマー、例えばポリアクリレート、ジエンポリマーまたはエチレン−プロピレン−ジエンターポリマーとを含む高耐衝撃性の混合物;並びにスチレンのブロックコポリマー、例えばスチレン−ブタジエン−スチレン、スチレン−イソプレン−スチレン、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンまたはスチレン−エチレン/プロピレン−スチレンである。
【0110】
好ましくは、適当なポリスチレン類は、スチレンもしくはアルファ−メチルスチレンのグラフトコポリマー、例えばスチレングラフト−ポリブタジエン、スチレングラフト−ポリブタジエン/スチレンコポリマーまたはポリブタジエン/アクリロニトリルコポリマー、スチレン及びアクリロニトリル(もしくはメタクリロニトリル)グラフト−ポリブタジエン;スチレン、アクリロニトリル及びメチルメタクリレートグラフト−ポリブタジエン;スチレン及び無水マレイン酸グラフト−ポリブタジエン;スチレン、アクリロニトリル及び無水マレイン酸もしくはマレイン酸イミドグラフト−ポリブタジエン;スチレン及びマレイン酸イミドグラフト−ポリブタジエン、スチレン及びアルキルアクリレートもしくはアルキルメタクリレートグラフト−ポリブタジエン、スチレン及びアクリロニトリルグラフト−エチレン/プロピレン/ジエンターポリマー、スチレン及びアクリロニトリルグラフト−ポリアルキルアクリレートもしくはポリアルキルメタクリレート、スチレン及びアクリロニトリルグラフト−アクリレート/ブタジエンコポリマー、並びにこれらの混合物、例えばいわゆるABSポリマー、MBSポリマー、ASAポリマーまたはAESポリマーとして知られるものである。
【0111】
好ましくは、ポリマーは、ジアミンとジカルボン酸から及び/またはアミノカルボン酸または対応するラクタム類から誘導されるポリアミド及びコポリアミド、例えばポリアミド2.12、ポリアミド4、ポリアミド4.6、ポリアミド6、ポリアミド6.6、ポリアミド6.9、ポリアミド6.10、ポリアミド6.12、ポリアミド6.66、ポリアミド7.7、ポリアミド8.8、ポリアミド9.9、ポリアミド10.9、ポリアミド10.10、ポリアミド11、ポリアミド12などである。これらは、例えば、Nylon(登録商標)(DuPont社)、Ultramid(登録商標)(BASF社)、Akulon(登録商標)K122(DSM社)、Zytel(登録商標)7301(DuPont社);Durethan(登録商標)B29(Bayer社)及びGrillamid(登録商標)(Ems Chemie社)の商標名で知られている。
【0112】
m−キシレン、ジアミン及びアジピン酸を原料とする芳香族ポリアミド;ヘキサメチレンジアミンと、イソ及び/またはテレフタル酸、場合により及び変性剤としてのエラストマーとから製造されるポリアミド、例えばポリ−2,4,4−トリメチルヘキサメチレン−テレフタルアミドもしくはポリ−m−フェニレンイソフタルアミド、上記のポリアミドとポリオレフィン、オレフィンコポリマー、アイオノマーまたは化学的に結合もしくはグラフトしたエラストマーとのブロックコポリマー、または上記のポリアミドとポリエーテル、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールもしくはポリテトラメチレングリコールとのブロックコポリマーも適している。更に、EPDMもしくはABSで変性されたポリアミドまたはコポリアミド、並びに加工中に縮合するポリアミド(“RIM−ポリアミドシステム”)もある。
【0113】
最後に本発明は、難燃性ポリマー成形体の製造方法であって、本発明の難燃性ポリマー成形材料を射出成形(例えばAarburg Allrounderタイプの射出成形機)及びプレス成形、発泡射出成形、ガス内圧射出成形(Gasinnendruck−Spritzgiessen)、ブロー成形、フィルムキャスティング、カレンダリング、ラミネーティングまたは高められた温度下でのコーティングによって難燃性ポリマー成形体に加工することを特徴とする前記方法に関する。
【0114】
好ましくは、熱硬化性ポリマーは、飽和もしくは不飽和ジカルボン酸またはそれの無水物と多価アルコールとのコポリエステル及び架橋剤としてビニル化合物から誘導される不飽和ポリエステル樹脂(UP樹脂)である。UP樹脂は、開始剤(例えば過酸化物類)及び促進剤を用いたラジカル重合によって硬化される。
【0115】
ポリエステル樹脂の製造のための好ましい不飽和ジカルボン酸及び誘導体は、マレイン酸無水物及びフマル酸である。
【0116】
好ましい飽和ジカルボン酸は、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、アジピン酸である。
【0117】
好ましいジオールは、1,2プロパンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール及びネオペンチルグリコール、ネオペンチルグリコール、エトキシル化もしくはプロポキシル化されたビスフェノールAである。
【0118】
架橋のための好ましいビニル化合物はスチレンである。
【0119】
好ましい硬化剤系は、過酸化物類及び金属共開始剤、例えばヒドロペルオキシド類及びオクタン酸コバルト及び/またはベンゾイルペルオキシド及び芳香族アミン類、及び/またはUV光及び光増感剤、例えばベンゾインエーテル類である。
【0120】
好ましいヒドロペルオキシド類は、ジ−tert.−ブチルペルオキシド、tert.−ブチルペルオクトエート、tert.−ブチルペルピバレート、tert.−ブチルペル−2−エチルヘキサノエート、tert.−ブチルペルマレイネート、tert.−ブチルペルイソブチレート、ベンゾイルペルオキシド、ジアセチルペルオキシド、スクシニルペルオキシド、p−クロロベンゾイルペルオキシド及びジシクロヘキシルペルオキシドカーボネートである。
【0121】
好ましくは、開始剤は、全てのコモノマーの質量に基づいて計算して0.1〜20重量%、好ましくは0.2〜15重量%の量で使用される。
【0122】
好ましい金属共開始剤は、コバルト化合物、マンガン化合物、鉄化合物、バナジウム化合物、ニッケル化合物または鉛化合物である。好ましくは、金属共開始剤は、全てのコモノマーの質量に基づいて計算して0.05〜1重量%の量で使用される。
【0123】
好ましい芳香族アミン類は、ジメチルアニリン、ジメチル−p−トルエン、ジエチルアニリン及びフェニルジエタノールアミンである。
【0124】
難燃性熱硬化性材料の製造のための一つの方法は、熱硬化性樹脂を、請求項1〜16の一つまたはそれ以上に記載の本発明による難燃剤−安定化剤の組み合わせ、場合により及び他の難燃剤、相乗剤、安定化剤、添加剤及びフィラーまたは強化材と混合し、そして生じた混合物を3〜10barの圧力及び20〜60℃の温度で湿式プレス成形(冷間プレス)することを特徴とする。
【0125】
難燃性熱硬化性材料の製造のための更に別の方法は、熱硬化性樹脂を、請求項1〜16の一つまたはそれ以上に記載の本発明の難燃剤−安定化剤の組み合わせ、場合により及び他の難燃剤、相乗剤、安定化剤、添加剤及びフィラーもしくは強化材と混合し、そして生じた混合物を3〜10barの圧力及び80〜150℃の温度で湿式プレス成形(熱間プレス)することを特徴とする。
【0126】
好ましくは、前記ポリマーは、脂肪族、環状脂肪族、ヘテロ環式もしくは芳香族グリシジル化合物から、例えばビスフェノール−A−ジグリシジルエーテル及びビスフェノール−F−ジ−グリシジルエーテルから誘導される、慣用の硬化剤及び/または促進剤で架橋された架橋エポキシド樹脂である。
【0127】
適当なグリシジル化合物は、ビスフェノール−A−ジグリシジルエステル、ビスフェノール−F−ジグリシジルエステル、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂及びクレゾール−ホルムアルデヒド樹脂のポリグリシジルエステル、フタル酸、イソフタル酸及びテレフタル酸のポリグリシジルエステル、並びにトリメリット酸のポリグリシジルエステル、芳香族アミン及びヘテロ環式窒素塩基のN−グリシジル化合物、並びに多価脂肪族アルコールのジ−及びポリグリシジル化合物である。
【0128】
適当な硬化剤は、脂肪族、環状脂肪族、芳香族及びヘテロ環式アミン類またはポリアミン類、例えばエチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、プロパン−1,3−ジアミン、ヘキサメチレンジアミン、アミノエチルピペラジン、イソホロンジアミン、ポリアミドアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルエーテル、ジアミノジフェノールスルホン、アニリン−ホルムアルデヒド樹脂、2,2,4−トリメチルヘキサン−1,6−ジアミン、m−キシリレンジアミン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、3−アミノメチル−3,55−トリメチルシクロヘキシルアミン(イソホロンジアミン)、ポリアミドアミン、シアングアニジン及びジシアンジアミド、同様に多塩基性酸またはそれの無水物、例えばフタル酸無水物、マレイン酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、メチルテトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物及びメチルヘキサヒドロフタル酸無水物、並びにフェノール類、例えばフェノール−ノボラック樹脂、クレゾール−ノボラック樹脂、ジシクロペンタジエン−フェノール−付加物樹脂、フェノールアラルキル樹脂、クレゾールアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂、ビフェノール変性フェノールアラルキル樹脂、フェノールトリメチロールメタン樹脂、テトラフェニロールエタン樹脂、ナフトール−ノボラック樹脂、ナフトール−フェノール共縮合物樹脂、ナフトール−クレゾール共縮合物樹脂、ビフェノール変性フェノール樹脂及びアミノトリアジン変性フェノール樹脂である。どの硬化剤も、単独でまたは互いとの組み合わせで使用することができる。
【0129】
重合の際の架橋のための適当な触媒または促進剤は、第三アミン類、ベンジルジメチルアミン、N−アルキルピリジン類、イミダゾール、1−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、有機酸の金属酸、ルイス酸及びアミン錯体塩である。
【0130】
本発明の調合物は、エポキシド樹脂調合物中に慣用に使用される他の添加剤、例えば顔料、染料及び安定化剤も含んでよい。
【0131】
エポキシド樹脂は、電気もしくは電子部材のポッティングに、及び飽和(Traenk)及び含浸プロセスに適している。電子工業では、エポキシド樹脂は主に難燃性にされて、そして回路基板及び絶縁体に使用される。
【0132】
好ましくは、前記ポリマーは、一方ではアルデヒド、そして他方ではフェノール類、尿素またはメラミンから誘導される架橋ポリマー、例えばフェノール−ホルムアルデヒド樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂及びメラミン−ホルムアルデヒド樹脂である。好ましくは、前記ポリマーは、置換されたアクリル酸エステルから誘導される架橋可能なアクリル樹脂、例えばエポキシアクリレート、ウレタンアクリレートまたはポリエステルアクリレートから誘導される架橋可能なアクリル樹脂である。
【0133】
好ましくは、前記ポリマーは、メラミン樹脂、尿素樹脂、イソシアネート、イソシアヌレート、ポリイソシアネートまたはエポキシド樹脂で架橋された、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂及びアクリレート樹脂である。
【0134】
好ましいポリオール類は、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ビスフェノールA、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリトリトール、ソルビトール、糖類、分解デンプン、エチレンジアミン、ジアミノトルエン及び/またはアニリンのアルキレンオキシド付加物であり、これらは開始剤として機能する。好ましいオキシアルキル化剤は、好ましくは2〜4個の炭素原子を含み、特に好ましくはエチレンオキシド及びプロピレンオキシドである。
【0135】
好ましいポリエステル−ポリオールは、ポリアルコール類、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、メチルペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリトリトール、ジグリセロール、グルコース及び/またはソルビトールと、二塩基性酸、例えばシュウ酸、マロン酸、コハク酸、酒石酸、アジピン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸及び/またはテレフタル酸との重縮合によって得られる。これらのポリエステルポリオールは、単独でもまたは組み合わせても利用できる。
【0136】
適当なポリイソシアネートは、2個以上のイソシアネート基を有する芳香族、脂肪環式または脂肪族ポリイソシアネート、及びこれらの混合物である。好ましいものは、芳香族ポリイソシアネート、例えばトリルジイソシアネート、メチレンジフェニルジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トリス−4−イソシアナトフェニル)メタン及びポリメチレンポリフェニレンジイソシアネート;脂肪環式ポリイソシアネート、例えばメチレンジフェニルジイソシアネート、トリルジイソシアネート;脂肪族ポリイソシアネート及びヘキサメチレンジイソシアネート、イソホレンジイソシアネート、デメリルジイソシアネート、1,1−メチレンビス(4−イソシアナトシクロヘキサン−4,4’−ジイソシアナトジシクロヘキシルメタン−異性体混合物、1,4−シクロヘキシルジイソシアネート、Desmodur(登録商標)タイプ(Bayer)及びリジンジイソシアネート、及びこれらの混合物である。
【0137】
適当なポリイソシアネートは、ポリイソシアネートとポリオール、尿素、カルボジイミド及び/またはビウレットとの反応によって得られる変性された生成物である。
【0138】
好ましくは、ポリオールに対するポリイソシアネートの重量比は、ポリオール100重量部に基づき、170〜70重量部、好ましくは130〜80重量部である。
【0139】
好ましくは、触媒の重量比は、ポリオール100重量部に基づき0.1〜4重量部、特に好ましくは1〜2重量部である。
【0140】
好ましくは、ポリマーは熱可塑性エラストマーである。
【0141】
熱可塑性エラストマー(略語:TPE)は、熱可塑性的に加工可能でありかつゴムに似た使用特性を有する材料である。
【0142】
熱可塑性エラストマーは非常に簡単に成形できる。なぜならば、これらは、加工中に、可塑性の状態を経るからである。これらは、5ショア−Aから70ショア−D超の全ての硬度で製造することができる。
【0143】
熱可塑性エラストマーは部分的な領域において物理的な架橋点を有し、これは、高分子を分解することなく加熱時に解れる。それ故、これらは、通常のエラストマーよりもかなりより良好に加工することができる。また、プラスチック廃棄物は再溶融しそして再び加工することができる。
【0144】
内部構成から見た場合には、ブロックコポリマーとエラストマー合金との間で区別される。
【0145】
ブロックコポリマーは、分子内部に硬質セグメントと軟質セグメントとを有する。すなわち、このようなプラスチックは、二つの性質が分布した一つの種の分子からなる。
【0146】
エラストマー合金はポリブレンド、すなわち完成したポリマーの混合物(ブレンド)であり、すなわちこのようなプラスチックは、複数の種類の分子からなる。異なる混合比及び添加剤によって、仕立てられた(massgeschneiderte)材料が得られる(例えば、ポリプロピレン(PP)及び天然ゴム(NR)からなるポリオレフィンエラストマー。これらは、量比に応じて、幅広い硬度範囲をカバーする)。
【0147】
以下のグループが区別される。
・TPE−OまたはTPO=オレフィンベースの熱可塑性エラストマー、主としてPP/EPDM、例えばSantoprene(登録商標)(AES/Monsanto)
・TPE−VまたはTPV=オレフィンベースの架橋された熱可塑性エラストマー、主としてPP/EPDM、例えばSarlink(登録商標)(DSM)
・TPE−UまたはTPU=ウレタンベースの熱可塑性エラストマー、例えばDesmopan(登録商標)(Bayer)
・TPE−EまたはTPC=熱可塑性コポリエステル、例えばHytrel(登録商標)(DuPont)
・TPE−SまたはTPS=スチレンブロックコポリマー(SBS、SEBS、SEPS、SEEPS及びMBS)、例えばSepton(登録商標)(Kuraray)またはThermolast(登録商標)(Kraiburg TPE)
・TPE−AまたはTPA=熱可塑性コポリアミド、例えばPEBAX(登録商標)(Arkema)
特に好ましい熱可塑性エラストマーは、熱可塑性コポリエステル、熱可塑性コポリアミド、及び熱可塑性ポリウレタンである。
【0148】
好ましくは、該混合物は、ポリアミドまたはポリエステルの成形材料に使用される。好適なポリアミドは例えばDE−A−19920276(特許文献7)に記載されている。
【0149】
好ましくは、ポリアミドは、アミノ酸タイプ及び/またはジアミン−ジカルボン酸タイプのポリアミドである。
【0150】
好ましいポリアミドは、ポリアミド6及び/またはポリアミド66である。
【0151】
好ましくは、ポリアミドは、変性されないか、あるいは着色、充填、未充填、強化、未強化、または他の方法で変性される。
【0152】
好ましくは、ポリエステルは、ポリエチレンテレフタレートまたはポリブチレンテレフタレートである。
【0153】
好ましくは、ポリエステルは、変性されないか、あるいは着色、充填、未充填、強化、未強化、または他の方法で変性される。
【実施例】
【0154】
1.使用成分
商業的に入手できるポリマー(顆粒物):
ポリアミド6.6(PA6.6−GV):Ultramid(登録商標)A27(BASF AG,D)
ポリアミド6T/66:Zytel(登録商標)HTN FE 8200(DuPont社,USA)
ポリブチレンテレフタレート(PBT):Ultradur(登録商標)B4500(BASF AG,D)
ポリアミド46:Stanyl(登録商標)PA 46 TE 300(DSM,NL)
【0155】
ガラス繊維Vetrotex(登録商標)983 EC 10 4.5mm(Saint−Gobain−Vetrotex,D)
ガラス繊維Vetrotex(登録商標)952 EC 10 4.5mm(Saint−Gobain−Vetrotex,D)
ガラス繊維Vetrotex(登録商標)995 EC 10 4.5mm(Saint−Gobain−Vetrotex,D)
難燃剤(成分A):
ジエチルホスフィン酸のアルミニウム塩、以下DEPALと称する。
難燃剤(成分B):
亜リン酸のアルミニウム塩、以下PHOPALと称する。
【0156】
相乗剤(成分C):
メラミンポリホスフェート(MPPと称する)Melapur(登録商標)200(Ciba SC,CH)
メラミンシアヌレート(MCと称する)Melapur(登録商標)MC50(Ciba SC,CH)
メレム、Delacal(登録商標)420、Delacal(登録商標)360(Delamin Ltd,UK)
【0157】
成分D:
ホウ酸亜鉛 Firebrake(登録商標)ZB及びFirebrake(登録商標)500、Borax社,USA
ベーマイト:Apyral AOH 180,Nabaltec社,D
【0158】
ホスホナイト(成分E):
Sandostab(登録商標)P−EPQ(登録商標),Clariant GmbH,D
【0159】
ワックス成分(成分F):
Licomont(登録商標)CaV102,Clariant Produkte(Deutschland)GmbH,D(モンタンワックス酸のCa塩)
Licowax(登録商標)E,Clariant Produkte(Deutschland)GmbH,D(モンタンワックス酸のエステル)
【0160】
2.防炎性ポリマー成形材料の製造、加工及び試験
難燃剤成分を、下記表に記載の比率で、ホスホナイト、潤滑剤及び安定化剤と混合し、そして二軸スクリュー押出機(タイプLeistritz ZSE 27/44D)の側部供給部を介して、260〜310℃の温度でPA6.6中にまたは250〜275℃の温度でPBT中に配合した。ガラス繊維を、第二の側部供給部を介して加えた。均一化されたポリマーストランドを引き抜き、水浴中で冷却し、次いで造粒した。
【0161】
十分な乾燥の後に、成形材料を、射出成形機(タイプArburg 320 C Allrounder)で250〜300℃の材料温度で試験片に加工し、そしてUL94試験(Underwriter Laboratories)に基づいて難燃性に関して試験、分類した。
【0162】
UL94では、以下の防火クラスが与えられる。
V−0:10秒より長い後有炎燃焼無し、10回接炎した時の後有炎燃焼時間の合計が50秒以下、燃焼滴下物無し、試料の完全な焼失無し、接炎終了後に30秒を超える試料の後無炎燃焼無し。
V−1:接炎終了後に30秒を超える後有炎燃焼無し、10回接炎した時に後有炎燃焼時間の合計が250秒以下、接炎終了後に60秒を超える試料の後無炎燃焼無し、他はV−0と同じ規準。
V−2:燃焼滴下物による綿の点火、他はV−1と同じ規準。
クラス分け不能(nkl)は防火クラスV−2を満たさない。
【0163】
成形材料の流動性を、275℃/2.16kgでメルトボリュームインデックス(MVR)を求めることにより測定した。MVR値の強い上昇は、ポリマーの分解を示す。
【0164】
個々のシリーズの全ての試験は、他に記載が無ければ、比較のために同じ条件(温度プログラム、スクリュー形状、射出成形パラメータなど)で行った。
【0165】
以下の表における量の記載は重量部である。
【0166】
表1は、DEPALを少しずつ亜リン酸アルミニウムに置き換えていくことで、3.75重量%の亜リン酸アルミニウム含有率まで、UL94試験における後有炎燃焼時間がどのように大きく短くなっていくかを示している。亜リン酸アルミニウム含有率を更に高めていくと、後有炎燃焼時間が再び長くなる。
【0167】
【表1】
【0168】
図1は、UL94試験での後有炎燃焼時間の経過を示す。ポリアミド処方は表1に記載の通りである。
【0169】
表2には、ジエチルホスフィン酸のアルミニウム塩(DEPAL)及び窒素含有相乗剤としてのメラミンポリホスフェート(MPP)をベースとする難燃剤−安定化剤の組み合わせを単独で使用した比較例V2〜V4を示す。
【0170】
本発明の難燃剤−安定化剤の混合物を使用した結果を例B5〜B7に列記する。全ての量は重量%として示し、そして難燃剤−安定化剤の組み合わせ及び添加物質を含めたプラスチック成形材料に対する値である。
【0171】
【表2】
【0172】
上記例B5、B6及びB7から、DEPAL、PHOPAL、場合により及びメラミンポリホスフェートの成分からなる本発明の混合物は、ポリマーの加工性及び射出成形体の性質を、難燃作用を損ねることなく、明白に向上することが分かる。
【0173】
PA6.6中への難燃剤DEPAL及びMPPの配合は確かにUL94V−Oを与えるものの、成形材料の灰色の変色、ブルーム及び高いメルトインデックスを招く(V2及びV3)。MPPの含有量を減らすことによって、灰色の変色を阻止し、そしてブルームを顕著に減少させることができるが、V−0は達成されない(V4)。
【0174】
そこでDEPAL及びPHOPALを含んでなる本発明の難燃剤−安定化剤の組み合わせを使用すると(B5、B6、B7)、難燃焼性の他に、変色が無く、ブルームが無く、メルトインデックスが低く、及び機械的特性が良好であるという結果となる。低いメルトインデックス(MVR)から、ポリマーの分解が生じなかったことが把握できる。
【0175】
【表3】
【0176】
PA6.6中に難燃剤としてDEPALとメレムまたはDEPALとホウ酸亜鉛またはDEPALとベーマイトを配合すると確かにより少ないブルーム及び低いメルトインデックスをもたらすが、V−0は無く、V−1クラスしか得られない(V5、V6、V7)。
【0177】
そこでDEPAL及びPHOPALとメレム、ホウ酸亜鉛またはベーマイトを含んでなる本発明の難燃剤−安定化剤の組み合わせを使用すると(B8、B9、B10)、UL94によるV−0の難燃性の他、変色が無く、ブルームが無く、メルトインデックスが低く、及び機械的特性が良好であるという結果となる。低いメルトインデックス(MVR)から、ポリマーの分解が生じなかったことが把握できる。
【0178】
【表4】
【0179】
DEPAL及びMC及び他の添加剤の配合(例V7、V8、V9)は、V−1クラスしかもたらさず、また低い溶液粘度から示されるように明らかなポリマーの分解を示す。機械的値も、難燃性化していないPBTと比べて低い。DEPALとPHOPAL及び他の添加剤との本発明の組み合わせによって、ポリマーの分解がほぼ完全に抑えられ、防火クラスV−0が達成され、かつ機械的値が向上される。
【0180】
【表5】
【0181】
表5は、DEPALとPHOPALとの本発明の組み合わせでは、PHOPALを添加しない場合と比べて、明らかに向上した機械的値を持ってV−0クラスが得られることを示している。少量のPHOPALの添加が、DEPALを用いてPA6T/66中で観察される腐食を大きく低減する。
【0182】
【表6】
【0183】
比較例V14〜V15が表6に示すように、DEPALをまたはDEPALとホウ酸亜鉛を用いて、ガラス繊維強化ポリアミド46を耐火性にすることができる。しかし、UL94では、20〜22重量%の難燃剤量を用いて、長い後有炎燃焼時間を持ってV−1クラスしか達成できない。本発明の難燃剤−安定化剤の混合物は、表6中のB17及びB18から把握できるように、PA46 GF30中で、明らかにより高い難燃作用を示し、その結果、18〜22重量%のより少ない使用量で、より高いUL94クラスのV−0を確実に達成することができる。
本願は特許請求の範囲に記載の発明に係るものであるが、本願の開示は以下も包含する。
1.
熱可塑性ポリマー用の難燃剤−安定化剤の組み合わせであって、
成分Aとして、20〜99重量%の、次式(I)のジアルキルホスフィン酸塩及び/または次式(II)のジホスフィン酸塩及び/またはこれらのポリマー、
【化1】
[式中、
、Rは、同一かまたは異なり、そして線状または分枝状のC−C−アルキルを意味し;
は、線状または分枝状のC−C10−アルキレン、C−C10−アリーレン、C−C20−アルキルアリーレンまたはC−C20−アリールアルキレンを意味し;
Mは、Mg、Ca、Al、Sb、Sn、Ge、Ti、Zn、Fe、Zr、Ce、Bi、Sr、Mn、Li、Na、K及び/またはプロトン化された窒素塩基を意味し;
mは、1〜4を意味し;
nは、1〜4を意味し;
xは、1〜4を意味する]
成分Bとして、1〜80重量%の、以下の一般式(III)の亜リン酸の塩、
[HP(=O)O2−m+ (III)
[式中、
Mは、Mg、Ca、Al、Sb、Sn、Ge、Ti、Zn、Fe、Zr、Ce、Bi、Sr、Mn、Li、Na及び/またはKを意味し、そして
mは、1〜4を意味する]
成分Cとして、0〜30重量%の、窒素含有相乗剤及び/またはリン/窒素難燃剤、
成分Dとして、0〜10重量%の、亜鉛塩、及び/または塩基性及び/または両性酸化物、水酸化物、炭酸塩、ケイ酸塩、ホウ酸塩、スズ酸塩、混合酸化物−水酸化物、酸化物−水酸化物−炭酸塩、水酸化物−ケイ酸塩及び/または水酸化物−ホウ酸塩、及び/またはこれらの物質の混合物、
成分Eとして、0〜3重量%の、ホスホナイト、及び/またはホスホナイトとホスフィットとの混合物、及び
成分Fとして、0〜3重量%の、典型的にはC14〜C40の鎖長を有する長鎖脂肪族カルボン酸(脂肪酸)のエステル及び/または塩、
を含み、この際、上記成分の合計は常に100重量%である、上記難燃剤−安定化剤の組み合わせ。

2.
、Rが、同一かまたは異なり、メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、tert.−ブチル、n−ペンチル及び/またはフェニルを意味することを特徴とする、上記1に記載の難燃剤−安定化剤の組み合わせ。

3.
が、メチレン、エチレン、n−プロピレン、iso−プロピレン、n−ブチレン、tert.−ブチレン、n−ペンチレン、n−オクチレンまたはn−ドデシレン;フェニレンまたはナフチレン;メチルフェニレン、エチルフェニレン、tert.−ブチルフェニレン、メチルナフチレン、エチルナフチレンまたはtert.−ブチルナフチレン;フェニルメチレン、フェニルエチレン、フェニルプロピレンまたはフェニルブチレンを意味することを特徴とする、上記1または2に記載の難燃剤−安定化剤の組み合わせ。

4.
60〜89.9重量%の成分A、
10〜40重量%の成分B、
0〜30重量%の成分C、
0〜15重量%の成分D、
0〜2重量%の成分E、及び
0.1〜2重量%の成分F、
を含むことを特徴とする、上記1〜3の一つまたはそれ以上に記載の難燃剤−安定化剤の組み合わせ。

5.
60〜84.9重量%の成分A、
10〜40重量%の成分B、
5〜30重量%の成分C、
0〜10重量%の成分D、
0〜2重量%の成分E、及び
0.1〜2重量%の成分F、
を含むことを特徴とする、上記1〜3の一つまたはそれ以上に記載の難燃剤−安定化剤の組み合わせ。

6.
60〜84.8重量%の成分A、
10〜40重量%の成分B、
5〜30重量%の成分C、
0〜10重量%の成分D、
0.1〜2重量%の成分E、及び
0.1〜2重量%の成分F、
を含むことを特徴とする、上記1〜3の一つまたはそれ以上に記載の難燃剤−安定化剤の組み合わせ。

7.
成分Bが、亜リン酸とアルミニウム化合物との反応生成物であることを特徴とする、上記1〜6の一つまたはそれ以上に記載の難燃剤−安定化剤の組み合わせ。

8.
成分Bが、亜リン酸アルミニウム[Al(HPO]、第二亜リン酸アルミニウム[Al(HPO]、塩基性亜リン酸アルミニウム[Al(OH)(HPO2aq]、亜リン酸アルミニウム四水和物[Al(HPO4aq]、ホスホン酸アルミニウム、Al(HPO(OH)(1,6−ヘキサンジアミン)1.512HO、Al(HPO3*xAlnHO(x=2.27〜1)、及び/またはAl1618であることを特徴とする、上記1〜7の一つまたはそれ以上に記載の難燃剤−安定化剤の組み合わせ。

9.
成分Cが、メラミンの縮合生成物、及び/またはメラミンとポリリン酸との反応生成物、及び/またはメラミンの縮合生成物とポリリン酸との反応生成物、またはこれらの混合物であることを特徴とする、上記1〜8の一つまたはそれ以上に記載の難燃剤−安定化剤の組み合わせ。

10.
成分Cが、メレム、メラム、メロン、ジメラミンピロホスフェート、メラミンポリホスフェート、メレムポリホスフェート、メラムポリホスフェート、メロンポリホスフェート、及び/またはこれらの混合ポリ塩であることを特徴とする、上記1〜9の一つまたはそれ以上に記載の難燃剤−安定化剤の組み合わせ。

11.
成分Cが、式(NH3−yPOまたは(NHPO(yは1〜3であり、zは1〜10,000である)の窒素含有ホスフェートであることを特徴とする、上記1〜8の一つまたはそれ以上に記載の難燃剤−安定化剤の組み合わせ。

12.
成分Dが、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化マンガン、酸化スズ、水酸化アルミニウム、ベーマイト、ジヒドロタルサイト、ヒドロカルマイト、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化亜鉛、酸化スズ水和物、水酸化マンガン、ホウ酸亜鉛、塩基性亜鉛−ケイ酸塩、及び/またはスズ酸亜鉛であることを特徴とする、上記1〜11の一つまたはそれ以上に記載の難燃剤−安定化剤の組み合わせ。

13.
ホスホナイトが、以下の一般構造式で表されるものであることを特徴とする、上記1〜12の一つまたはそれ以上に記載の難燃剤−安定化剤の組み合わせ。
R−[P(OR (IV)
[式中、
Rは、一価または多価の脂肪族、芳香族またはヘテロ芳香族有機基であり、そして
は、次の構造(V)
【化2】
の化合物であるか、あるいは両方のR基が、次の構造(VI)
【化3】
の橋掛け基を形成し、ここで
Aは、直接結合、O、S、C〜C18−アルキレン(線状もしくは分枝状)、C〜C18−アルキリデン(線状もしくは分枝状)を意味し、
は、互いに独立して、C〜C12−アルキル(線状もしくは分枝状)、C〜C12−アルコキシ、C〜C12−シクロアルキルを意味し、そして
nは、0〜5を意味し、そして
mは、1〜4を意味する]

14.
成分Fが、炭素原子数14〜40の長鎖脂肪酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アルミニウム塩及び/または亜鉛塩であり、及び/または炭素原子数14〜40の長鎖脂肪酸と多価アルコール、例えばエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン及び/またはペンタエリトリトールとの反応生成物であることを特徴とする、上記1〜13の一つまたはそれ以上に記載の難燃剤−安定化剤の組み合わせ。

15.
上記1〜14の一つまたはそれ以上に記載の難燃剤−安定化剤の組み合わせを含む難燃性プラスチック成形材料であって、プラスチックが、HI(耐衝撃性)ポリスチレン、ポリフェニレンエーテル、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネートの種の熱可塑性ポリマー及び/またはエラストマー、及びABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)またはPC/ABS(ポリカーボネート/アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)またはPPE/HIPS(ポリフェニレンエーテル/耐衝撃性ポリスチレン)プラスチックのタイプのブレンドまたはポリマーブレンドであること、及び上記1〜14に記載の難燃剤−安定化剤の組み合わせを、プラスチック成形材料を基準にして2〜50重量%の量で含むことを特徴とする、前記プラスチック成形材料。

16.
上記1〜14の一つまたはそれ以上に記載の難燃剤−安定化剤の組み合わせを含むポリマー成形体、ポリマーフィルム、ポリマー糸またはポリマー繊維であって、ポリマーが、HI(耐衝撃性)ポリスチレン、ポリフェニレンエーテル、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、並びにABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)またはPC/ABS(ポリカーボネート/アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)のタイプのブレンドまたはポリマーブレンド、ポリアミド、ポリエステル及び/またはABS、及び/またはエラストマーであること、及び上記1〜14に記載の難燃剤−安定化剤の組み合わせを、ポリマー成形体、ポリマーフィルム、ポリマー糸及びポリマー繊維を基準にして2〜50重量%の量で含むことを特徴とする、前記ポリマー成形体、ポリマーフィルム、ポリマー糸またはポリマー繊維。

17.
プラスチックまたはポリマーがポリアミド及び/またはポリエステルであることを特徴とする、上記15または16に記載の難燃性プラスチック成形材料、ポリマー成形体、ポリマーフィルム、ポリマー糸及びポリマー繊維。
図1