特許第6391255号(P6391255)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6391255-蒸気式茹で麺器 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6391255
(24)【登録日】2018年8月31日
(45)【発行日】2018年9月19日
(54)【発明の名称】蒸気式茹で麺器
(51)【国際特許分類】
   A47J 27/14 20060101AFI20180910BHJP
   A47J 27/16 20060101ALI20180910BHJP
【FI】
   A47J27/14 F
   A47J27/16 A
【請求項の数】4
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-44104(P2014-44104)
(22)【出願日】2014年3月6日
(65)【公開番号】特開2015-167684(P2015-167684A)
(43)【公開日】2015年9月28日
【審査請求日】2016年12月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000284
【氏名又は名称】大阪瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】山田 研治
【審査官】 青木 良憲
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭62−186820(JP,A)
【文献】 特開2006−034176(JP,A)
【文献】 特開2002−051909(JP,A)
【文献】 特開2001−061658(JP,A)
【文献】 実開昭59−027724(JP,U)
【文献】 米国特許第04660542(US,A)
【文献】 独国特許出願公開第04442207(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 27/14
A47J 27/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
麺を茹でる湯槽の外周部位に蒸気供給手段により蒸気が供給される蒸気加熱室が設けられた蒸気式茹で麺器であって、
前記湯槽に対し作業者が作業を行う前方側に、前記湯槽内の湯を昇温するときに前記蒸気が供給される昇温用蒸気加熱室が備えられ、前記前方側と反対の後方側に、前記湯槽内の麺を茹でるときに前記蒸気が供給される前記蒸気加熱室としての麺茹用蒸気加熱室が備えられた蒸気式茹で麺器。
【請求項2】
前記湯槽の内底部が略半球状に形成された半球状内底部で構成され、
当該半球状内底部の前記後方側の半分に前記麺茹用蒸気加熱室が設けられ、当該半球状内底部の前記前方側の半分に前記昇温用蒸気加熱室が設けられている請求項1に記載の蒸気式茹で麺器。
【請求項3】
前記湯槽が、内槽と外槽から成る2重構造を有し、
前記内槽と前記外槽との間に前記麺茹用蒸気加熱室と前記昇温用蒸気加熱室とが設けられている請求項1又は2に記載の蒸気式茹で麺器。
【請求項4】
麺を茹でる湯槽の外周部位に蒸気供給手段により蒸気が供給される蒸気加熱室が設けられた蒸気式茹で麺器であって、
前記湯槽に対し作業者が作業を行う前方側と反対の後方側に、前記湯槽内の麺を茹でるときに前記蒸気が供給される前記蒸気加熱室としての麺茹用蒸気加熱室が備えられ、
前記湯槽が、上方に開口を有する略直方体形状に形成され、
前記後方側の後方側面に前記麺茹用蒸気加熱室が設けられ、
底面に前記湯槽内の湯を昇温するときに高温の蒸気が供給される昇温用蒸気加熱室が備えられた蒸気式茹で麺器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、麺を茹でる湯槽の外周部位に蒸気供給手段により蒸気が供給される蒸気加熱室が設けられた蒸気式茹で麺器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の蒸気式茹で麺器として、下記の特許文献1には、湯槽の外周部位である湯槽底面の全体に設けた蒸気加熱室に高温の蒸気を供給して湯槽を加熱し、湯槽内の調理対象物を加熱調理することができる蒸気式調理器が開示されている。
また、特許文献2の図1には、湯槽の外周部位に設けたバーナにより湯槽を加熱する茹で麺器が開示されている。この茹で麺器では、作業者が作業を行う湯槽の前方側に、湯槽を下方から加熱するバーナが備えられ、このバーナの加熱により、湯槽内の湯が湯槽の前方側で上昇し、上昇した湯が湯槽の前方側から後方側に向う対流が発生する。よって、湯槽内の麺を、その対流に沿って、湯槽内の湯の上側において湯槽の前方側から後方側に向かって流動する状態で茹でることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−61658号公報
【特許文献2】特開2005−52386号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載の蒸気式茹で麺器では、湯槽の外周部位である湯槽底面の全体に蒸気加熱室が設けられているので、蒸気加熱室からの放熱等の影響により、作業者が作業を行う湯槽の前方側の温度が高温となるという問題がある。また、湯槽底面の全体が高温の蒸気によって均等に加熱されるので、湯槽内の湯に対流が発生しにくく、湯の対流を利用して良好に麺を茹でることができない。
また、上記特許文献2に記載の茹で麺器では、湯槽内の湯の対流を利用して、良好に麺を茹でることができるが、作業者が作業を行う茹で麺器の前方側にバーナを備えているので、作業者の作業環境が高温となる問題がある。さらに、上述の如く、湯槽内において茹でられる麺は、湯槽内の湯の上側(湯面側)において作業者から離れる方向に向かって流動するので、作業者が掬い網等で湯面側を流動する麺を掬う場合に、麺が掬いにくいという問題がある。
【0005】
本発明は、かかる点に着目してなされたものであり、その目的は、作業者の作業環境が高温となることを防止しつつ、麺を掬う作業の容易化を図ることができる蒸気式茹で麺器を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するための本発明に係る蒸気式茹で麺器は、
麺を茹でる湯槽の外周部位に蒸気供給手段により蒸気が供給される蒸気加熱室が設けられた蒸気式茹で麺器であって、その第1特徴構成は、
前記湯槽に対し作業者が作業を行う前方側に、前記湯槽内の湯を昇温するときに前記蒸気が供給される昇温用蒸気加熱室が備えられ、前記前方側と反対の後方側に、前記湯槽内の麺を茹でるときに前記蒸気が供給される前記蒸気加熱室としての麺茹用蒸気加熱室が備えられた点にある。
【0007】
上記蒸気式茹で麺器の第1特徴構成によれば、麺を茹でるときに、湯槽に対し作業者が作業を行う前方側と反対の後方側に設けられた麺茹用蒸気加熱室に高温の蒸気を供給して湯槽を加熱するので、作業者が作業を行う前方側の温度が、麺茹用蒸気加熱室からの放熱等の影響により高温になることを防止することができる。
【0008】
また、上記構成によれば、湯槽内において茹でられる麺は、湯槽内の湯が麺茹用蒸気加熱室により加熱されることにより発生する対流の方向に沿って、後方側において湯槽内の上側(湯面側)に向かって上昇し、湯面側において湯槽の後方側から前方側に向かって流動し、湯槽の前方側において湯槽内下側に向かって下降し、湯槽内底面側において前方側から後方側に向かって流動する。つまり、作業者によって麺が掬われる湯槽内の湯面側では、湯槽の後方側から作業者が作業を行う前方側に向かって流動するので、作業者は掬い網の掬い面を水平方向に対して後方側に若干傾けて湯に挿入するだけで、流動する麺が掬い面に流入するので、麺を容易に掬うことができる。
よって、作業者の作業環境が高温となることを防止しつつ、麺を掬う作業の容易化を図ることができる。
【0010】
上記蒸気式茹で麺器によれば、麺を茹でる前に、昇温用蒸気加熱室に高温の蒸気を供給して、湯槽内の湯の温度を、麺を茹でるための最適な温度に昇温することができる。また、湯槽内の湯を昇温するために、麺茹用蒸気加熱室と昇温用蒸気加熱室とに蒸気を供給することで、迅速に湯槽内の湯を昇温することができる。
【0011】
本発明に係る蒸気式茹で麺器の第特徴構成は、上記蒸気式茹で麺器の第特徴構成に加えて、
前記湯槽の内底部が略半球状に形成された半球状内底部で構成され、
当該半球状内底部の前記後方側の半分に前記麺茹用蒸気加熱室が設けられ、当該半球状内底部の前記前方側の半分に前記昇温用蒸気加熱室が設けられている点にある。
【0012】
上記蒸気式茹で麺器の第特徴構成によれば、湯槽内で茹でられる麺は、湯槽内の湯が湯槽の半球状内底部の後方側の半分に形成される麺茹用蒸気加熱室により加熱されることにより発生する対流によって、半球状内底部の後方側の半分において湯面側に向かって上昇するので、湯面側の湯槽内の横方向のどの位置においても後方側から前方側に向かって流動する大きな対流状態を湯槽内に形成することができる。さらに、湯槽の内底部が略半球状に形成されているので、発生した対流の流れを阻害せずに維持することができる。よって、作業者は湯槽内の湯面側において、掬い網を使用して麺を容易に掬うことができる。
【0013】
本発明に係る蒸気式茹で麺器の第3特徴構成は、上記蒸気式茹で麺器の第1又は第2特徴構成に加えて、
前記湯槽が、内槽と外槽から成る2重構造を有し、
前記内槽と前記外槽との間に前記麺茹用蒸気加熱室と前記昇温用蒸気加熱室とが設けられている点にある。
【0014】
上記蒸気式茹で麺器の第3特徴構成によれば、湯槽を内槽と外槽から成る2重構造とすることで、湯槽の強度を向上させることができる。また、湯槽に一体的に麺茹用蒸気加熱室と昇温用蒸気加熱室とを容易に形成することができる。
【0015】
本発明に係る蒸気式茹で麺器の第4特徴構成は、麺を茹でる湯槽の外周部位に蒸気供給手段により蒸気が供給される蒸気加熱室が設けられた蒸気式茹で麺器であって、
前記湯槽に対し作業者が作業を行う前方側と反対の後方側に、前記湯槽内の麺を茹でるときに前記蒸気が供給される前記蒸気加熱室としての麺茹用蒸気加熱室が備えられ、
前記湯槽が、上方に開口を有する略直方体形状に形成され、
前記後方側の後方側面に前記麺茹用蒸気加熱室が設けられ、
底面に前記湯槽内の湯を昇温するときに高温の蒸気が供給される昇温用蒸気加熱室が備えられた点にある。
【0016】
上記蒸気式茹で麺器の第4特徴構成によれば、湯槽が略直方体形状とされるので、湯槽内容積を大きくすることができ、より多くの麺を一度に茹でることができる。また、底面に昇温用蒸気加熱室が備えられているので、麺を茹でる前に、湯槽内の湯を麺を茹でるために最適な温度に昇温することができる。また、湯を昇温するために昇温用蒸気加熱室に加え麺茹用蒸気加熱室を使用する場合では、より迅速に湯槽内の湯を昇温することができる。
さらに、後方側の後方側面に麺茹用蒸気加熱室が設けられているので、麺を茹でるときに、作業者が作業を行う前方側の温度が、麺茹用蒸気加熱室からの放熱等の影響により高温になることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明に係る蒸気式茹で麺器の概略斜視図
図2】本発明に係る茹で麺器の麺茹で時の麺の流動状態を示す図
図3】別実施形態に係る蒸気式茹で麺器の概略斜視図
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面に基づいて本発明の蒸気式茹で麺器を説明する。
図1及び図2に示すように、本発明に係る蒸気式茹で麺器としての茹で麺装置Sは、湯槽1の外周部位に設けられた蒸気加熱室としての麺茹用蒸気加熱室6に高温、高圧の蒸気Vを供給して、湯槽1内に満たれた湯Wを加熱して、その加熱された湯Wに投入された麺Nを茹でるものである。
【0021】
湯槽1は、内槽4と外槽5から成る2重構造を有し、湯槽1の外周部位となる内槽4と外槽5との間には麺茹用蒸気加熱室6と昇温用蒸気加熱室7とが設けられている。また、内槽4及び外槽5の夫々の底部が略半球状に形成され、湯槽1の内底部が略半球状に形成された半球状内底部1aで構成されている。
【0022】
湯槽1の内槽4と外槽5との間に設けられた麺茹用蒸気加熱室6は、湯槽1に対し作業者Hが作業を行う湯槽1の前方側Fと反対の湯槽1の後方側Rに設けられている。一方、昇温用蒸気加熱室7は、湯槽1の前方側Fに設けられている。具体的には、湯槽1の半球状内底部1aの後方側Rの半分に麺茹用蒸気加熱室6が形成され、この半球状内底部1aの前方側Fの半分に昇温用蒸気加熱室7が形成されている。
【0023】
また、湯槽1の麺茹用蒸気加熱室6及び昇温用蒸気加熱室7には、高温、高圧の蒸気Vを供給する蒸気供給管としての麺茹用蒸気供給管3及び昇温用蒸気供給管10が夫々接続されている。夫々の蒸気供給管3、10には、温度センサ12、圧力センサ13及び作業者Hによる手動作動によって蒸気Vの流通を制御する手動開閉弁14が設けられている。また、夫々の蒸気供給管3、10は、湯槽1の前方側Fから後方側Rに向かう前後方向に対して直交する左右方向の一方側に設けられ、一定温度以上の高圧蒸気を発生させる図示しない蒸気発生部が接続されている。また、湯槽1の左右方向の他方側には、蒸気Vを排出するための蒸気排出路15が麺茹用蒸気加熱室6及び昇温用蒸気加熱室7に接続されている。これにより、蒸気Vを湯槽1の外部に排出することができる。
【0024】
詳しくは後述するが、昇温用蒸気加熱室7には、湯槽1内の湯Wを昇温するときに昇温用蒸気供給管10から蒸気Vが供給される。つまり、湯槽1内に満たされた湯Wを、麺Nを茹でるための適切な温度に昇温するために使用するものである。
一方、麺茹用蒸気加熱室6には、湯槽1内の湯Wを昇温するとき、及び、麺Nを茹でるときに麺茹用蒸気供給管3から蒸気Vが供給される。つまり、昇温用蒸気加熱室7と同様に、麺Nを茹でるための適切な温度に湯槽1内の湯Wを昇温するため、及び、昇温後の湯Wへの麺Nの投入後に麺を茹でるために蒸気Vが供給される。
【0025】
また、麺茹用蒸気加熱室6及び昇温用蒸気加熱室7の夫々には、一定圧力以上の圧力を受けると開弁して蒸気Vを外部に排出する安全弁(図示せず)が設けられている。さらに、麺茹用蒸気加熱室6及び昇温用蒸気加熱室7の下部には凝縮した水分を外部に排出するためのドレインバルブ(図示せず)が設けられている。
【0026】
湯槽1は、高温、高圧の蒸気Vによる熱伝逹、及び、高温、高圧の蒸気Vに対する耐久性を向上させるため、ステンレススチールを材料として形成されている。なお、湯槽1の下部には、湯槽1を支持する架台部20が設けられており、湯槽1を安定させて設置することができる。
【0027】
次に、図1及び図2に基づいて、茹で麺装置Sを使用した麺茹での作業手順について説明する。作業者Hは、湯槽内の湯Wを昇温する時に、麺茹用蒸気供給管3及び昇温用蒸気供給管10に設けられた夫々の手動開閉弁14を開いて、麺茹用蒸気加熱室6及び昇温用蒸気加熱室7の夫々に高温、高圧の蒸気Vを供給する。これにより、湯槽1の半球状内底部1a全体が加熱されて、湯槽1内の湯Wが迅速に麺Nを茹でるために適切な温度にまで昇温される。
【0028】
そして、湯槽1内の湯Wの温度が適切な温度にまで昇温すると、昇温用蒸気供給管10に設けられた手動開閉弁14を閉じて、昇温用蒸気加熱室7への蒸気Vの供給を停止する。これにより、湯槽1の半球状内底部1aの後方側Rの半分に設けられた麺茹用蒸気加熱室6のみに蒸気Vが供給されている状態となり、麺茹用蒸気加熱室6で湯槽1を加熱する状態となる。よって、湯槽1内の湯Wは、後方側Rにおいて湯槽1内を上側(湯面側)に向かって上昇し、湯面側において、湯槽1の後方側Rから前方側Fに向かって流動し、前方側Fにおいて半球状内底部1a側に向かって下降し、半球状内底部1a側において、前方側Fから後方側Rに向かって流動する対流状態となる。
【0029】
また、湯槽1内の湯Wがこのような対流状態となると、作業者Hは、湯槽1内に麺Nを投入する。麺Nは湯槽1内の湯Wの対流状態に沿って流動して茹でられる。麺Nが投入されてから所定の時間が経過して麺Nが対流する湯Wによって茹でられると、作業者Hは、掬い網30等で茹でられた麺Nを掬う。この際、湯槽1内を流動する麺Nは、湯槽1内に満たされた湯Wの湯面側においては、湯槽1内の湯Wの対流方向に沿って、湯槽1の後方側Rから前方側Fに向かって流動するので、作業者Hは掬い網30の掬い面30a側を水平方向から若干傾けて湯Wに挿入するだけで、流動する麺Nが掬い面30a側から掬い網30に流入するので、作業者Hは麺Nを効率よく掬うことができる。
【0030】
〔別実施形態〕
最後に、本発明の別実施形態について説明する。尚、以下に説明する各実施形態の構成は、夫々単独で適用されるものに限られず、矛盾が生じない限り、他の実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
(1)上記実施形態では、湯槽1が内底部を略半球状に形成された半球状内底部1aを有する構成としたが、これに限らず、図3に示すように、湯槽1を、上方に開口1bを有する略直方体形状に形成し、湯槽1の後方側Rの後方側面16に麺茹用蒸気加熱室6が設けられ、平面状の湯槽1の底面17に湯槽1内の湯Wを昇温するときに高温の蒸気Vが供給される昇温用蒸気加熱室7が備えられた構成としてもよい。
【0031】
(2)上記実施形態では、湯槽1内の湯Wの昇温時に、昇温用蒸気加熱室7及び麺茹用蒸気加熱室6に蒸気Vを供給したが、これに限らず、湯槽1内の湯Wの昇温時に、昇温用蒸気加熱室7のみに蒸気Vを供給してもよい。
【0032】
(3)上記実施形態では、湯槽1内の湯Wの昇温時に蒸気Vを供給する昇温用蒸気加熱室7が設けられたが、これに限らず、昇温用蒸気加熱室7を設けなくてもよい。この場合、湯槽1内の湯Wの昇温を、麺茹用蒸気加熱室6へ蒸気Vを供給して行ってもよい。
【0033】
(4)上記実施形態では、湯槽1内の麺Nを茹でるときに蒸気Vが供給される蒸気加熱室としての麺茹用蒸気加熱室6と、湯槽1内の湯Wの昇温するときに蒸気Vを供給する昇温用蒸気加熱室7とを茹で麺装置Sに設けたが、これに限らず、蒸気加熱室として、湯槽1に対し作業者Hが作業を行う前方側Fに設けられた前方側蒸気加熱室と、前方側Fと反対の後方側Rに設けられた後方側蒸気加熱室とを蒸気式茹で麺器に設けて、後方側蒸気加熱室を麺茹用蒸気加熱室6として使用し、前方側蒸気加熱室を昇温用蒸気加熱室7として使用してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0034】
以上説明したように、作業者の作業環境が高温となることを防止しつつ、麺を掬う作業の容易化を図ることができる蒸気式茹で麺器を提供することができる。
【符号の説明】
【0035】
N 麺
1 湯槽
1a 半球状内底部
3 麺茹用蒸気供給管(蒸気供給手段)
4 内槽
5 外槽
6 麺茹用蒸気加熱室(蒸気加熱室)
7 昇温用蒸気加熱室
16 後方側面
17 底面
V 蒸気
S 茹で麺装置(蒸気式茹で麺器)
H 作業者
F 前方側
R 後方側
図1
図2
図3