特許第6391256号(P6391256)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6391256
(24)【登録日】2018年8月31日
(45)【発行日】2018年9月19日
(54)【発明の名称】車両の電動ドア開閉制御装置
(51)【国際特許分類】
   E05F 15/74 20150101AFI20180910BHJP
   E05B 49/00 20060101ALI20180910BHJP
【FI】
   E05F15/74
   E05B49/00 K
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-46198(P2014-46198)
(22)【出願日】2014年3月10日
(65)【公開番号】特開2015-169037(P2015-169037A)
(43)【公開日】2015年9月28日
【審査請求日】2017年1月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000170598
【氏名又は名称】株式会社アルファ
(74)【代理人】
【識別番号】100093986
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 雅男
(74)【代理人】
【識別番号】100128864
【弁理士】
【氏名又は名称】川岡 秀男
(72)【発明者】
【氏名】岡田 高裕
【審査官】 藤脇 昌也
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2012/0158253(US,A1)
【文献】 特開2012−162908(JP,A)
【文献】 特開2014−009470(JP,A)
【文献】 特開2012−219469(JP,A)
【文献】 特開2007−013557(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05F 15/00 − 15/79
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクチュエータにより開閉駆動される電動ドアを備えた車両に取り付けられる反射型光電センサと、
前記電動ドアの駆動を制御する駆動制御部とを有し、
前記駆動制御部は、電動ドアの動作権限を認証するために車両利用者が所持する携帯器に対する認証成立、および、前記反射型光電センサによる被検出体検出状態下における受光光量の、該受光光量の計測前の異なった複数時刻における計測値から導き出される外挿値からの偏倚量が所定のしきい値を超えることを条件に電動ドアを駆動させる車両の電動ドア開閉制御装置。
【請求項2】
前記反射型光電センサは、前記携帯器に対する認証成立を条件に作動する請求項1記載の車両の電動ドア開閉制御装置。
【請求項3】
前記駆動制御部は、受光光量の急変後の受光光量の復帰を条件に電動ドアを駆動させる請求項1または2記載の車両の電動ドア開閉制御装置。
【請求項4】
前記反射型光電センサは、車両の電動ドア設置開口に対する正対位置で、かつ、該電動ドア設置開口から適宜距離離れた車両内への荷積み用作業領域に検出領域が設定される請求項1から3のいずれかに記載の車両の電動ドア開閉制御装置。
【請求項5】
前記電動ドアは垂直回転型のバックドアであり、
前記検出領域が前記電動ドアの回転軌跡よりやや車両から離隔した位置に設定される請求項1から4のいずれかに記載の車両の電動ドア開閉制御装置。
【請求項6】
前記反射型光電センサの向きが可変な請求項1から5のいずれかに記載の車両の電動ドア開閉制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両のドア開閉制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両のドア開閉を制御するドア開閉制御装置としては、特許文献1に記載のものが知られている。
【0003】
この従来例において、車両には検出体までの距離、移動速度を計測可能なドップラーレーダーからなる周囲状況検出部と、ドップラーレーダーからの出力により検出体までの距離を演算する距離情報演算部と、距離情報に基づいて物体が予め設定された判定領域内に存在するか否かを判定する物体接近判定部と、物体の一部が更に接近した場合にドアを開閉するドア制御部とを有し、距離情報による物体の存在の確認を条件に検出された物体の一部の更なる接近をトリガとしてドアを駆動する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010-236184号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述した従来例において、物体への距離情報の取得を前提とした制御であるために、高価なセンサを要し、全体のコストが高くなるという問題がある。
【0006】
本発明は、以上の欠点を解消すべくなされたものであって、低コストで、かつ、動作信頼性の高い車両の電動ドア開閉制御システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば上記目的は、
アクチュエータ1により開閉駆動される電動ドア2を備えた車両に取り付けられる反射型光電センサ3と、
前記電動ドア2の駆動を制御する駆動制御部4とを有し、
前記駆動制御部4は、電動ドア2の動作権限を認証するために車両利用者6が所持する携帯器5に対する認証成立、および、前記反射型光電センサ3による被検出体検出状態下における受光光量の、該受光光量の計測前の異なった複数時刻における計測値から導き出される外挿値からの偏倚量が所定のしきい値を超えることを条件に電動ドア2を駆動させる車両の電動ドア開閉制御装置を提供することにより達成される。
【0008】
本発明において、電動ドア2の駆動判定は反射型光電センサ3の受光光量の急変を条件に行われる。判定手段に反射型光電センサ3を使用することにより、ドップラーレーダーを使用する場合に比して製造コストを低減させることが可能になる。
【0009】
また、一般に反射型光電センサ3は、対象物からの反射光の受光部7における受光光量を所定のしきい値と比較することにより対象物の存否を判定するために使用されるが、反射型光電センサ3の受光光量の光量の急変を合否判定条件とする使用方法を採用することにより、利用者6が単に反射型光電センサ3の近傍に立っている場合と、反射型光電センサ3に向けて何らかの急激な動作を行った場合を峻別することが可能になる。この結果、利用者6の扉開閉操作意思を急激な動作に関連付けることにより汎用で、安価な反射型光電センサ3によっても十分に利用者6の開閉操作意思に従ったドアの開閉操作が可能になる。
【0010】
また、急激な動作として判定される受光光量の急変を使用した合否判定は、被検出体検出状態下であることを条件とするために、例えば、動物等が単にセンサの検出領域を横切った場合等を合判定対象から排除することが可能となり、判定精度が向上する。
【0011】
さらに、駆動制御部4は、反射型光電センサ3からの合判定出力に加えて利用者6の所持する携帯器5に対する認証成立を合判定条件とするために、利用者6が車両の近傍にいない場合には、駆動制御部4は駆動されないために、動作信頼性を高めることができる。
受光光量の急変の検出判定には例えば単位時間あたりの変化量等を使用することが可能であるが、近接した複数時刻での受光光量から検出時の値を直線外挿等を使用して外挿値として推定し、推定値と推定の誤差範囲を超える値である場合に受光光量急変と判定すると、静止、あるいは静止に近い状態からの急激な動作を確実に判別することが可能になるために、判定精度を向上させることが可能になる。
【0012】
また、電動ドア開閉制御装置は、
アクチュエータ1により開閉駆動される電動ドア2を備えた車両に取り付けられる反射型光電センサ3と、
前記反射型光電センサ3の受光部7が反射光を受光すると、受光時と、受光時から所定時間経過後の時刻における受光量の変化量が所定のしきい値を超えている場合に受光量急変信号を出力する受光量急変判定部9と、
前記電動ドア2の駆動を制御する駆動制御部4とを有し、
前記駆動制御部4は、電動ドア2の動作権限を認証するために車両利用者6が所持する携帯器5に対する認証成立、および、前記反射型光電センサ3による被検出体検出状態下における前記受光量急変判定部9からの受光量急変信号の出力を条件に電動ドア2を駆動させるように構成することができる。
【0013】
さらに、携帯器5に対する認証成立を反射型光電センサ3の動作開始条件とすると、反射型光電センサ3の無駄な動作機会が減少するために、省電
力を図ることが可能になる。
【0015】
さらに、車両のドア開閉制御システムは、
前記駆動制御部4は、受光光量の急変後の受光光量の復帰を条件に電動ドア2を駆動させるように構成することができる。
【0016】
受光光量の急変後の受光光量の復帰を駆動条件に加えることにより、利用者6が光電センサの検知領域に留まって手を光電センサ側に伸ばした後、手を振る等の意図的なサインを、偶発的な条件成立行為から峻別することが可能になるために、判定精度がより向上する。
【0017】
また、車両のドア開閉制御システムは、
前記反射型光電センサ3は、車両の電動ドア2設置開口に対する正対位置で、かつ、該電動ドア2設置開口から適宜距離離れた車両内への荷積み用作業領域に検出領域が設定されるように構成することができる。
【0018】
反射型光電センサ3は、発光源からの照射光を適宜のレンズを使用して集焦させ、あるいは狭視界反射型センサの使用により、さらには、限定反射型センサを使用することにより、検出領域を所定範囲に絞り込むことが可能であり、このようにして設定される検出領域を荷積み用作業領域、すなわち、電動ドア2から1ないし2(m)程度の範囲に設定すると、背景の変化等による外乱要因を少なくすることができるために、判定精度を高めることができ、かつ、車両への荷積み、荷降ろし作業中での動作指示が可能になるために、使い勝手が良好になる。
【0019】
この場合、
前記電動ドア2は垂直回転型のバックドアであり、
前記検出領域が前記電動ドア2の回転軌跡よりやや車両から離隔した位置に設定されるように構成した場合には、バックドア開閉操作時の操作者との干渉を防止することができる。
【0020】
さらに、反射型光電センサ3の向きを可変にすると、開閉指示を行う場所を利用者6の好みにより適宜設定することができるために、使い勝手が良好になる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、低コストで、かつ、正確に利用者の電動ドアに対する開閉意思を取得し、ドア開閉操作を制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の機能ブロック図である。
図2】開閉制御装置の動作を示すフローチャートである。
図3】開閉制御装置の操作を示す図で、(a)は荷物を光電センサの照射光に翳した状態を示す側面図、(b)は(a)の平面図である。
図4】開閉制御装置の操作を示す図で、(a)は身体を回転させて荷物を光電センサの照射光から離した状態を示す側面図、(b)は(a)の平面図である。
図5】開閉制御装置の操作を示す図で、(a)は荷物を原位置に戻して光電センサの照射光を遮った状態を示す側面図、(b)は(a)の平面図である。
図6】開閉制御装置の操作を示す図で、(a)はバックドアが開放された状態を示す側面図、(b)は(a)の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1に示すように、開閉制御装置は、駆動制御部4と、この駆動制御部4に制御されて動作する認証部8、反射型光電センサ3、受光量急変判定部9、およびアクチュエータ駆動部10を有する。
【0024】
本例において、開閉制御装置は、図3に示すように、車両後端に開設される開口を閉塞する垂直回転式のバックドア2aを開扉状態に移行させる制御を行うように形成されており、駆動制御部4は、所定の開扉条件が充足されると、アクチュエータ駆動部10にドライブ信号をセットし、アクチュエータ1を開駆動する。
【0025】
認証部8は、利用者6が所持する携帯器5から出力されるID情報を予め登録されたID情報と照合して一致する場合に認証成立信号を出力するもので、携帯器5上の操作ボタンへの操作により携帯器5から発信されるID情報に対して認証動作するアクティブ認証動作に加え、認証部8から出力される応答要求信号に応答して携帯器5から出力される応答信号に含まれるID情報に対するパッシブ認証動作が行われる。
【0026】
パッシブ認証動作は、例えば、比較的長周期で出力される応答要求信号に対する携帯器5からの応答信号を受信した場合、あるいは、認証起動用センサが利用者6を検出した場合等、所定の条件が成立すると、起動されて携帯器5に対する応答要求の出力、および携帯器5からのID情報の認証動作が行われ、パッシブ認証動作において携帯器5が認証された場合、これを受けた駆動制御部4は、反射型光電センサ3をウエイクアップさせる。
【0027】
本例において反射型光電センサ3には、発光部11から照射される赤外線ビームの検出体からの反射光を受光部7により受光する反射型の赤外線ビームセンサが使用され、バックドア2aの後端面に固定される。光電センサ3は、照射光の照射方向を変更可能にバックドアに固定すると、指示を与える領域を利用者6が自由に変更できるために、使い勝手が向上する。
【0028】
また、本例において反射型光電センサ3はバックドア2aに固定する場合を示しているが、バックドア2a周辺の車体に固定することにより、バックドア2aの動作に伴う照射光方向の変動を避けるように構成することもできる。
【0029】
光電センサ3の検出領域は、バックドア2aの後方で車両への荷積み準備のための作業スペースにほぼ一致するように設定され、バックドア2aの後端面から1ないし2メートル程度の範囲に設定される。
【0030】
後述するように、光電センサ3は、該光電センサ3に向けた利用者6の急激な動作を伴うジェスチャー等から開扉意思を判定するための入力手段となるもので、検出領域を限られた範囲に限定することによって検出領域外での事象を有効に排除し、検出領域内における利用者6のジェスチャーを正確に抽出することが可能になる。
【0031】
また、検出領域をバックドア2aの後方適宜離れた領域に設定することにより、携帯器5を取り出して操作する必要もなく、さらに、車両に触れることなく開扉操作を行うことが可能になり、荷積み準備のための作業領域に一致させた場合には、荷積み準備が整い次第、バックドア2aの開扉操作を行い、開いた開口部から円滑に荷積み作業を行うことができる。
【0032】
さらに、図3に示すように、光電センサ3の検出領域をバックドア2aの回転軌跡(TD)と干渉しない程度車両から離れた位置に設定することも可能であり、このようにすると、図6に示すように、開扉操作をした後、利用者6が開扉動作中のバックドア2aに干渉しない位置に退避することなくそのまま荷積み作業等を続行することができる。
【0033】
受光量急変判定部9は、予め設定された利用者6による開扉意思を示すための急変動作を検出するように設定されており、例えば、掌、あるいは荷物12を照射光に翳した後、腕、または身体を回転させて掌、荷物12を照射光の光軸上から退避させることによる反射光の急減を検出することにより利用者6の閉扉意思を推測する。
【0034】
具体的には、受光量急変判定部9は、上記受光部7での受光量の変化率を演算するように形成され、受光部7が反射光を受光すると、受光時(t0)と、受光時から所定の時間(Δt)経過後の時刻(t1)における受光量の変化量(ΔLr_0,1)が所定のしきい値を超えている場合、受光量急変信号を駆動制御部4に出力し、変化量(ΔLr)が所定のしきい値に満たない場合、t1を計測開始時刻とするΔt後の時刻(t2)における受光量の変化量(ΔLr_1,2)により動作判定し、受光量急変信号が出力するまで繰り返す。
【0035】
受光量急変判定は、以上のように、受光量の変化量(ΔLr_n,n+1)の値によってのみ行うことが可能であるが、これに加えて、判定後所定時間経過後の時刻(n+m)における光量が時刻(n)における光量、またはその近傍の光量に復帰したことを条件にすると、利用者6の意思以外の要素を有効に排除することができるために、利用者6の意思に判定を高い精度で合致させることができる。
【0036】
さらに、以上においては、受光量の変化量によって動作急変判定を行う場合を説明したが、この他に、受光量を推計的手法により推計し、推計値と実測値との差分により受光量急変判定を行うことができる。
【0037】
この方法のうち、外挿値を使用した例を示すと、まず、初回受光時(t0)における受光光量(Lr_0)と、時刻(t0)から所定時間(Δt0)経過後の次回受光時(t1)における受光光量(Lr_1)を計測し、次いで、Lr_0とLr_1に基いて、時刻(t1)から所定時間(Δt1)経過後の次々回受光時(t2)における受光光量を外挿値(Ex_0,1)として求める。
【0038】
本例においては、外挿値(Ex_0,1)は、直線外挿により、
Lr_0 + (Lr_1 - Lr_0)(t2 - t0)/(t1 - t0)
で求めることができるが、計測データを多くして外挿直線を最小二乗法等により求めたり、あるいは他の外挿法を使用して統計的信頼性を高めることができる。
【0039】
この後、求めた外挿値(Ex_0,1)と時刻(t2)における実測受光光量(Lr_2)との差分を求め、差分が予め設定したしきい値を超える場合には、受光量急変を判定し、超えなかった場合には、同様にして時刻をずらせて判定を継続する。
【0040】
以上のようにして外挿値を使用して受光量急変判定を行うと、利用者6以外の動物等が急速に接近したように、単に受光量の変化量を基準に判定する場合には判別が困難な事象を分別することが可能になるために、利用者6による意思動作の抽出精度を高めることが可能になる。
【0041】
また、以上に述べたいずれの方法による場合であっても計測時間(Δt)、あるいはしきい値は、光電センサ3の解像度、想定する利用者6の動作等を考慮して実験的に決定される。
【0042】
図2に本実施の形態の動作を示す。まず、開閉制御装置の駆動制御部4は、認証部8がパッシブ認証動作での駆動条件が充足したか否かを判定し(ステップS1)、充足している場合には、所定タイミングで応答要求信号を出力してパッシブ認証動作を開始する(ステップS2)。
【0043】
ステップS2での応答要求信号に応答して携帯器5から出力された応答信号に含まれるID信号が認証部8で認証されると(ステップS3)、駆動制御部4は光電センサ3をウエイクアップし、光電センサ3から検出光が照射される(ステップS4)。
【0044】
ステップS4の状態で、図3(a)、(b)に示すように、利用者6が荷物12を持って検出領域に進入すると、光電センサ3が遮蔽物検出信号を出力する(ステップS5)。図3の例で検出領域はバックドア2aの回転軌跡(TD)からやや離れ、開扉動作が開始してもバックドア2aが荷物12に干渉しない位置に設定される。
【0045】
駆動制御部4はステップS5において遮蔽物検出信号を受領すると、受光量急変判定を開始する。本例において受光量急変判定は、図3(a)、(b)の状態から図4(a)、(b)に示すように、その場で身体を回転させて荷物12をずらすことによる受光量の急変(減少)を検出可能にセッティングされており、これを検出すると駆動制御部4に受光量急変信号を出力し(ステップS6)、駆動制御部4は、利用者6に開扉動作の開始を知らせるためにブザーを吹鳴させた後(ステップS7)、アクチュエータ駆動部10にドライブ信号をセットしてアクチュエータ1を駆動し、図6(a)、(b)に示すように、バックドア2aを開扉操作する(ステップS8)。
【0046】
また、アクチュエータ1の駆動は、車体に設けたドア開閉状態検出部13が開扉完了状態を検出するまで実行され(ステップS9)、該ドア開閉状態検出部13での開扉完了状態の検出により開扉動作終了を知らせるためのブザーを吹鳴させた後(ステップS10)、アクチュエータ1の駆動を停止し(ステップS11)、制御を終了する。
【0047】
なお、上述した例では、ステップS6において荷物12をずらすことによる受光量の急減を検知すると、直ちに受光量急変信号を出力する場合を示したが、受光量の急減を検知した後、図5(a)、(b)に示すように、荷物12を元の位置に戻すことによる受光量の復帰を待って受光量急変信号を出力するように構成することもできる。
【0048】
さらに、上述した例では、バックドア2aの開扉操作側のみを制御する場合の構成を示したが、閉扉動作側を制御したり、あるいは開閉双方向を制御するように形成することが可能である。開閉双方向の制御は、ドア開閉状態検出部13が開扉状態を検出している場合には受光量急変の検出により閉扉動作を、ドア開閉状態検出部13が閉扉状態を検出している場合には受光量急変の検出により開扉動作をさせることにより実現できる。
【符号の説明】
【0049】
1 アクチュエータ
2 電動ドア
3 反射型光電センサ
4 駆動制御部
5 携帯器
6 利用者
図1
図2
図3
図4
図5
図6