特許第6391320号(P6391320)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6391320
(24)【登録日】2018年8月31日
(45)【発行日】2018年9月19日
(54)【発明の名称】ワンポットの無希釈開環重合プロセス
(51)【国際特許分類】
   C08G 63/87 20060101AFI20180910BHJP
   C08G 63/08 20060101ALI20180910BHJP
【FI】
   C08G63/87
   C08G63/08
【請求項の数】16
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2014-132996(P2014-132996)
(22)【出願日】2014年6月27日
(65)【公開番号】特開2015-17251(P2015-17251A)
(43)【公開日】2015年1月29日
【審査請求日】2017年6月27日
(31)【優先権主張番号】13/938,257
(32)【優先日】2013年7月10日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】596170170
【氏名又は名称】ゼロックス コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
(73)【特許権者】
【識別番号】595006223
【氏名又は名称】ナショナル リサーチ カウンシル オブ カナダ
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヴァレリー・エム・ファルジア
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー・ジェイ・マイルス
(72)【発明者】
【氏名】カレン・エイ・モファット
(72)【発明者】
【氏名】ジョーダン・エイチ・ウォスニック
【審査官】 水野 明梨
(56)【参考文献】
【文献】 特表2008−538589(JP,A)
【文献】 特表2013−515816(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/049044(WO,A1)
【文献】 特開2011−252102(JP,A)
【文献】 Macromolecules,2010年11月 9日,Volume 43, Issue 21 ,pp.8874-8879
【文献】 高分子,日本,高分子学会,1986年10月14日,35巻11月号,第1014頁〜第1017頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08G 63/00−64/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の環状要素と、触媒および開始剤とを接触させることと;
前記第1の環状要素、前記触媒および前記開始剤を100℃〜165℃に加熱して、前記第1の環状要素を重合し、ホモポリマーを作成することと;
前記ホモポリマーに第2の環状要素を接触させ、コポリマーを作成することと、を含み、
前記第1の環状要素および前記第2の環状要素の一方がラクトンであって、他方がラクチドであり、
前記触媒が、4−(ジメチルアミノ)ピリジン(DMAP)およびDMAP:HXを含み、ここで、HXが、鉱物酸、有機酸またはこれらの組み合わせであり、
前記接触および加熱は、1個の容器内で、不活性気体で覆わず、無希釈の状態で行われる、開環重合(ROP)プロセス。
【請求項2】
前記接触および加熱は、標準気圧および周囲湿度で行われる、請求項1に記載のROPプロセス。
【請求項3】
前記ラクトンが、グリコリド、β−ピロピオラクトン、β−ブチロラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、ε−カプロラクトンおよびこれらの組み合わせからなる群から選択され前記ラクチドが、D,D−ラクチド、L,L−ラクチド、D,L−ラクチド、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載のROPプロセス。
【請求項4】
前記HXは、HCl、HBr、硫酸、硝酸、リン酸、ギ酸、酢酸、メチルスルホン酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載のROPプロセス。
【請求項5】
前記HXは、トリフルオロメタンスルホン酸を含む、請求項4に記載のROPプロセス。
【請求項6】
前記開始剤は、モノアルコールを含む、請求項1に記載のROPプロセス。
【請求項7】
前記開始剤が、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、アリルアルコール、シクロヘキサノール、フルフリルアルコール、ベンジルアルコール、トリフルオロエタノール、ヘプタフルオロブタノール、ヘプタデシルフルオロオクタノール、ペンタフルオロプロパノール、ペンタフルオロブタノール、ノナフルオロヘキサノールおよびフルオロアルキルエタノールからなる群から選択される、請求項1に記載のROPプロセス。
【請求項8】
前記コポリマーは、1.3未満の多分散指数を有する、請求項1に記載のROPプロセス。
【請求項9】
前記コポリマーは、950〜50,000のMを有する、請求項1に記載のROPプロセス。
【請求項10】
前記第1の環状要素は、ε−カプロラクトンを含み、前記第2の環状要素は、ラクチドを含む、請求項1に記載のROPプロセス。
【請求項11】
前記開始剤は、ベンジルアルコールを含む、請求項1に記載のROPプロセス。
【請求項12】
前記第2の接触させる工程で、または前記1個の容器で前記コポリマーに第3の環状要素を加えることをさらに含む、請求項1に記載のROPプロセス。
【請求項13】
前記コポリマーは、800〜20,000のMを有する、請求項1に記載のROPプロセス。
【請求項14】
第1の環状要素と、触媒および開始剤とを接触させることと;
前記第1の環状要素、前記触媒および前記開始剤を100℃〜165℃に加熱して、前記第1の環状要素を重合し、ホモポリマーを作成することと;
前記ホモポリマーに第2の環状要素を接触させ、コポリマーを作成することと、を含み、
前記第1の環状要素および前記第2の環状要素の一方は、グリコリド、β−ピロピオラクトン、β−ブチロラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、およびこれらの組み合わせからなる群から選択され、他方は、D,D−ラクチド、L,L−ラクチド、D,L−ラクチド、およびこれらの組み合わせからなる群から選択され、
前記触媒が、4−(ジメチルアミノ)ピリジン(DMAP)およびDMAP:HXを含み、ここで、HXが、鉱物酸、有機酸またはこれらの組み合わせであり、
前記接触および加熱は、1個の容器内で、不活性気体で覆わず、無希釈の状態で、標準気圧および周囲湿度で行われる、開環重合(ROP)プロセス。
【請求項15】
前記HXは、HCl、HBr、硫酸、硝酸、リン酸、ギ酸、酢酸、メチルスルホン酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項14に記載のROPプロセス。
【請求項16】
前記HXは、トリフルオロメタンスルホン酸である、請求項15に記載のROPプロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般的に、ポリエステル合成プロセスに関し、さらに具体的には、溶媒非存在下、例えば、ROP系ホモポリマーおよびコポリマーを得るための有機求核性エステル交換触媒を用いた環状モノマーの開環重合(ROP)のプロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
ラクトンおよびラクチドのROPは、ポリマーの末端が反応性中心として作用し、環状モノマーがその部位に接続し、大きなポリマー鎖の長さを伸ばす付加重合反応である。ポリラクチドの場合、d軌道を有する金属アルコキシド(例えば、アルミニウムまたはスズ)をラクチドのROPの開始剤として使用することができる。
【0003】
求核性エステル交換触媒として三級アミンまたはホスフィンのいずれかを用いる、金属を含まない純粋な有機触媒が知られている。
【0004】
ROPの新しい種類の有機触媒は、N−ヘテロ環カルベン(NHC)である。
【0005】
これらのプロセスは、すべて厳しい無水条件に依存し、多くは、溶媒を用いた加圧下の反応を含む。
【0006】
ポリラクチドを、他のラクトンモノマー、例えば、グリコリドおよびカプロラクトンを含む多くの異なるモノマーと共重合させてもよい。ポリカプロラクトンおよびポリラクチドのブロックコポリマーは、2種類の可能な様式で調製されてもよい。1つめは、第1のモノマーの生きた成長する鎖末端での必要なモノマーの逐次付加;および2つめは、ヒドロキシル末端基を用いてプレポリマーを製造し、触媒存在下、このプレポリマーに第2のモノマーを付加してもよい。
【0007】
ラクトンモノマーの反応性は、ラクチドモノマーの反応性よりもかなり低く、一般的に、ワンポットプロセスでラクトンを使用することができない。1つのプロセスフォーマットでラクトン/ラクチドブロックコポリマーを作る必要性が依然として存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示は、例えば、溶媒非存在下、環状エステルおよび/または環状ジエステルモノマーのROPを促進する有機求核性エステル交換触媒を使用し、ホモポリマーおよびコポリマーを調製する方法を含め、1つのプロセスフォーマット(すなわち、ワンポット)でポリエステルポリマー樹脂を製造するための方法を提供する。
【0009】
第1の環状要素および場合により1つ以上のさらなる環状要素と、触媒および開始剤とを接触させることと;および第1の環状要素および任意要素の1つ以上のさらなる環状要素を重合し、第1のホモポリマーまたはコポリマー樹脂を作成することとを含み、重合が、1個の容器内で、無希釈の状態で行われるROPプロセスが開示される。
【0010】
ホモポリマーは、中間体であり、ブロックコポリマーを製造するための第1のポリマーを含むホモポリマーに接続するブロックとして第2のモノマーのROPを促進する有機求核性エステル交換触媒とともに、この中間体に第2の環状要素を付加することによってブロックコポリマーを作成するときに用いられる。
【0011】
第1の環状要素および第2の環状要素と、触媒および開始剤とを接触させることと、第1の環状要素および第2の環状要素を重合し、コポリマー樹脂を作成することとを含み、第1の環状要素および第2の環状要素が、限定されないが、グリコリド、β−ピロピオラクトン、β−ブチロラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、γ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、トリメチレンカーボネート(TMC)、2−ベンジルオキシ−トリメチレンカーボネート(BTMC)、2−ヒドロキシ−トリメチレンカーボネート(TMCOH)、4−(ベンジルオキシメチル)−1,3−ジオキソラン−2−オン(BDMC)、4−(ヒドロキシメチル)−1,3−ジオキソラン−2−オン(DMCOH)、2−オキシ−トリメチレンカーボネート(OTMC)、デヒドロトリメチレンカーボネート(DHTMC)、2,2−メトキシトリメチレンカーボネート(TMC(OMe))、無水コハク酸、無水グルタル酸、無水マレイン酸、トリメチレンカーボネート、カルボキシトリメチレンカーボネートおよびそのエステル、スチレンオキシド、シクロヘキセンオキシド、4−(スルホナトフェニル)カプロラクトン、シクロペンタン−1,2−ジカルボン酸無水物、シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、2,3−ビシクロ[2,2,2]オクタジカルボン酸無水物、無水フタル酸、ナフタレン−ジカルボン酸無水物、ピリジン−ジカルボン酸無水物、チオフェン−ジカルボン酸無水物、シクロヘキセンオキシド、L,L−ラクチド、D,D,−ラクチド、D,L−ラクチド、およびこれらの組み合わせを含み;重合は、標準的な圧力および周囲湿度で、1個の容器中、無希釈状態で行われるプロセスが開示される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、ABブロックコポリマーのためのポリマー骨格の図を示す。BnOHは、ベンジルアルコールである。
図2図2は、DL−ラクチド反応スキームの図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本開示は、多分散性が小さいポリラクトンおよびポリラクチド(PLA)を製造するための溶媒非存在下でのワンポットプロセスを含む重合プロセス、およびラクチドおよびラクトンモノマーの制御されたブロック共重合に関する。いくつかの実施形態では、例えば、脂肪族ポリエステルをモノマーとして用いるABブロック共重合プロセスが開示され、図1に示されるように、ポリ(カプロラクトン)は、結晶性ブロックAであってもよく、ラセミ体ポリ(ラクチド)は、アモルファスブロックBであってもよい。設計上の選択として、反応中で1種類以上のモノマーをタイミングよく使用することによって、ポリマーまたはコポリマーの組成が決定される。
【0014】
このプロセスは、不活性気体で覆わず、または加圧状態ではなく(例えば、1気圧の標準圧力で行われてもよく)、有機求核性エステル交換触媒、例えば、4−(ジメチルアミノ)ピリジン(DMAP)(例えば、図2を参照)を用い、無水条件が存在しない状態で(例えば、周囲湿度で行われてもよい)、無希釈条件を使用し(すなわち、溶媒または共溶媒を加えない)、例えば、ポリラクチド、ポリカプロラクトン、ポリカプロラクトン−b−ポリラクチドおよび関連するコポリマーを高い転化率で、多分散性が小さい状態で製造する。他の有機分子(例えば、4−ピロリジノピリジン(PPY)およびホスフィン)は、適切な求核性開始剤存在下、環状モノマーのROPを促進する。
【0015】
「無希釈」は、溶媒非存在下、溶媒などを必要とせず、反応剤を混合し、触媒および開始剤存在下、重合反応が自発的に起こることを示すことを意味する。
【0016】
本開示のプロセスを利用し、例えば、この反応に対するモノマーの逐次付加の制限および選択によって、成長するポリマー鎖に付加される一連のブロックで構成されるブロックコポリマーを構築するための反応で、モノマーの選択的で連続的な使用によって、ホモポリマー、コポリマー、例えば、ブロックコポリマー、例えば、別個の結晶性ポリエステルブロックと別個のアモルファスポリエステルブロックを含むコポリマーなどを製造してもよい。モノマーおよびブロックの大きさの適切な選択によって、1つ以上の結晶性ブロックに接続した1つ以上のアモルファスブロックを含むポリエステルを調製することができる。
【0017】
ラクトンおよびラクチド以外の他の出発材料を利用し、所望のブロックコポリマーを作成してもよい。また、環状酸無水物、環状カーボネート、エポキシドおよびこれらの組み合わせの開環共重合を用い、本開示のポリマーおよびコポリマーを作成してもよい。また、2個より多い環状モノマーを使用してもよく、開環反応に悪影響を与えないのであれば、非環状モノマーを含んでいてもよい。
【0018】
ROPによって重合可能な環状要素に関し、脂肪族ヒドロキシカルボン酸の環状モノマーまたはダイマーを使用してもよい。例としては、限定されないが、ラクチド、β−ピロピオラクトン、β−ブチロラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、γ−バレロラクトン、グリコリド、ε−カプロラクトンなどが挙げられる。
【0019】
ヒドロキシカルボン酸単位の中の非対称炭素原子の場合、D形態およびL形態それぞれ、および両者の混合物を使用してもよい。また、ラセミ混合物を使用してもよい。例として、メソラクチドは、1個のD−乳酸と1個のL−乳酸から作られるダイマーである。D,L−ラクチドは、D,D−ラクチドとL,L−ラクチドのラセミ混合物のことをいう。
【0020】
ROPによって重合可能な他の環状要素としては、環状カーボネート、例えば、5員環〜7員環の環状カーボネートが挙げられる。重合プロセスは、6員環の環状カーボネートを用いて操作されてもよい。環状要素としては、トリメチレンカーボネート(TMC)、2−ベンジルオキシ−トリメチレンカーボネート(BTMC)、2−ヒドロキシ−トリメチレンカーボネート(TMCOH)、4−(ベンジルオキシメチル)−1,3−ジオキソラン−2−オン(BDMC)、4−(ヒドロキシメチル)−1,3−ジオキソラン−2−オン(DMCOH)などを挙げることができる。環状カーボネートとしては、2−オキシ−トリメチレンカーボネート(OTMC)、デヒドロトリメチレンカーボネート(DHTMC)および2,2−ジメトキシトリメチレンカーボネート(TMC(OMe))を挙げることができる。
【0021】
他の環状要素としては、環状酸無水物、環状カーボネート、エポキシド、これらの組み合わせなどを挙げることができる。適切な環状酸無水物としては、限定されないが、脂肪族ジカルボン酸無水物、例えば、無水コハク酸、無水グルタル酸、無水マレイン酸、およびこれらの組み合わせが挙げられる。適切な環状カーボネートとしては、限定されないが、トリメチレンカーボネート、カルボキシ−トリメチレンカーボネートおよびそのエステル、これらの組み合わせなどが挙げられる。エポキシドの例としては、スチレンオキシド、シクロヘキセンオキシド、これらの組み合わせなどが挙げられる。
【0022】
ROPでアモルファスポリエステルを製造するラクトンの例としては、4−tert−ブチルカプロラクトン、4−フェニルカプロラクトン、4−メチルカプロラクトンおよび異性体、3,5−ジメチルカプロラクトンおよび異性体、3−イソクロマノン、ラクチド、グリコリド、4−(スルホナトフェニル)カプロラクトン、環状酸無水物、例えば、シクロペンタン−1,2−ジカルボン酸無水物、シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物および2,3−ビシクロ[2,2,2]オクタジカルボン酸無水物などが挙げられる。
【0023】
芳香族ジカルボン酸無水物の例としては、無水フタル酸、ナフタレン−ジカルボン酸無水物、ピリジン−ジカルボン酸無水物、チオフェン−ジカルボン酸無水物、環状カーボネート、エポキシド、例えば、スチレンオキシドおよび誘導体、シクロヘキセンオキシド、これらの組み合わせなどが挙げられる。
【0024】
いくつかの実施形態では、コポリマーまたは結晶性ポリマーの結晶性ブロックにカプロラクトン、D,D ラクチド、L,L ラクチドなどを使用することができる。結晶性ポリマーは、既知であり、このような結晶性オリゴマーを製造するのに適した環状モノマー試薬であり、目的のROPプロセスのために本明細書で与えられる助言にしたがってポリマーを使用してもよい。
【0025】
目的のROPは、触媒存在下で行われてもよい。適切な触媒としては、有機求核性エステル交換触媒が挙げられる。この触媒は、化学的に別個のブロックを含むブロックコポリマーの生成に適した触媒を製造する準リビング重合機構によってROPに介在してもよい。このような触媒としては、4−(ジメチルアミノ)ピリジン(DMAP)−DMAP:HX触媒が挙げられ、ここで、HXとしては、鉱物酸(例えば、HCl、HBr、硫酸、硝酸、リン酸など)、有機酸(例えば、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、メチルスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸など)、またはこれらの混合物またはこれらの組み合わせが挙げられる。いくつかの実施形態では、触媒は、DMAPおよびDMAP:HOSCF(トリフルオロメタンスルホン酸)を含む2成分有機エステル交換系である。
【0026】
触媒は、約100℃〜約170℃、約135℃〜約165℃、約150℃〜約160℃の温度で働くべきであるが、これらの範囲からはずれた温度を利用してもよい。
【0027】
同じ触媒または異なる触媒を利用し、結晶性ブロックとアモルファスブロックを作成してもよい。
【0028】
触媒の量は、コポリマーポリエステル樹脂を作成するために用いられる出発物質を基準として約0.01重量%〜約10重量%、約0.05重量%〜約8%、約0.1重量%〜約6%であってもよいが、これらの範囲からはずれた量を利用してもよい。
【0029】
ROPは、開始剤存在下で行われてもよい。開始剤としては、一価有機アルコール(すなわち、モノアルコール)が挙げられる。
【0030】
このようなモノアルコールとしては、一般的に、1〜約40個、約1〜約18個の炭素原子を含む有機アルコール;ポリマーアルコール;テトラフルオロエチレン系テロマーアルコールなどが挙げられる。モノアルコールの例としては、種々の脂肪族および芳香族アルコールなど、例えば、アルキルアルコール、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコールなど、オレフィン系アルコール、例えば、アリルアルコールなど、脂環式アルコール、例えば、シクロヘキサノールなど、ヘテロ環アルコール、例えば、フルフリルアルコールなどが挙げられる。種々の芳香族アルコールとしては、ベンジルアルコールなどが挙げられる。さらに、ハロゲン化有機アルコール、例えば、2〜18個の炭素原子を含むフルオロアルコール、例えば、トリフルオロエタノール、ヘプタフルオロブタノール、ヘプタデシルフルオロオクタノールなどを使用してもよい。いくつかの実施形態では、一価アルコールとしては、ベンジルアルコール、トリフルオロエタノール、ヘプタフルオロブタノール、ペンタフルオロプロパノール、ペンタフルオロブタノール、ノナフルオロヘキサノール、種々のペルフルオロアルキルエタノールおよびアリルアルコールが挙げられる。
【0031】
モノアルコールは、約100℃〜約170℃、約135℃〜約165℃、約150℃〜約160℃の温度で操作すべきであるが、これらの範囲からはずれた温度を利用してもよい。
【0032】
同じモノアルコールまたは異なるモノアルコールを利用し、結晶性ブロックとアモルファスブロックを作成してもよい。
【0033】
モノアルコールの量は、コポリマーポリエステル樹脂を作るために用いられる出発物質を基準として約0.01重量%〜約10重量%、約0.05重量%〜約8重量%、約0.1重量%〜約6重量%であってもよいが、これらの範囲からはずれた量を利用してもよい。
【0034】
ポリエステルホモポリマーを開始剤として使用してもよく、例えば、開始剤は、ポリカプロラクトンまたはポリラクチドであってもよい。
【0035】
重合プロセスでは、反応剤を適切な反応器(例えば、混合容器)に加えてもよい。
【0036】
1種類の環状反応剤を用い、ホモポリマーを合成することができる。
【0037】
第1の環状反応剤と、第2の環状反応剤または非環状反応剤のいずれかとを用い、コポリマーを合成することができる。コポリマーは、試薬の相対量を調整することによって、1個の容器に試薬を加えるタイミングを調整することによって、またはこの両方を調整することによって、交互コポリマーまたはブロックコポリマーであってもよい。加えられる反応剤の選択的なタイミングおよび量、ブロックコポリマーの場合には、第1のブロックの長さ、第2のブロックの長さなどを決定づける。したがって、ブロックコポリマーは、設計上の選択として、2個のブロック、3個のブロック、またはそれより多いブロックを含んでいてもよい。
【0038】
2種類より多いモノマーが反応に含まれていてもよい。したがって、反応は、設計上の選択として、第1の環状反応剤および第2の環状反応剤および1つ以上のさらなる環状試薬、または1つ以上の非環状モノマーを含んでいてもよい。
【0039】
ブロックの作成は逐次である。例えば、触媒、開始剤および出発物質を利用し、ブロックの1つを作成してもよく、ブロックを作成したら、第2のブロックを作成するために利用される出発物質を加える。このような場合、ブロックの1つのための出発物質(時に、本明細書で第1の要素と呼ばれる)を、触媒および開始剤と接触させ、次いで、第1の要素を重合させ、コポリエステル樹脂の第1のブロックを作成してもよい。次いで、第1のブロックを、コポリエステルの第2のブロック(時に、本明細書で第2の要素と呼ばれる)を作成するために利用される出発物質と接触させ、次いで、第2の要素を重合させ、第1のブロックに接続したコポリエステル樹脂の第2のブロックを作成してもよい。第1の要素および第2の要素の開始剤および/または触媒は、両方の要素について同じであってもよい。次いで、得られたコポリエステル樹脂(結晶性ブロックとアモルファスブロックとを含んでいてもよい)を回収してもよい。
【0040】
したがって、例えば、結晶性ブロックを作成するための出発物質(時に、本明細書で、結晶性ブロックの前駆体と呼ばれる)を、まず、触媒および開始剤と合わせ、結晶性ブロックを作成してもよく、次いで、アモルファスブロックを作成するための出発物質(時に、本明細書で、アモルファスブロックの前駆体と呼ばれる)を、場合により、さらなる触媒および/または開始剤または異なる触媒および/または開始剤とともに添加し、その後、アモルファスブロックを作成してもよい。ブロックの作成順序を逆にしてもよく、すなわち、出発物質/前駆体と、触媒および開始剤を合わせることによってアモルファスブロックを作成し、次いで、適切な出発物質/前駆体を加えることによって結晶性ブロックを、場合により、さらなる触媒および開始剤または異なる触媒または開始剤とともに作成してもよい。
【0041】
出発物質は、モノマー:触媒/開始剤の比率が、約5:1モル〜約50:1モル、約6:1〜約45:1、約7:1〜約40:1であってもよく、触媒/開始剤の量は、触媒および開始剤の凝集物の量をあらわす(例えば、0.28モルのDMAP[触媒]または0.28モルのDMAP:HOSCF[触媒]および0.28モルのベンジルアルコール[開始剤])が、これらの範囲からはずれた量を使用してもよい。
【0042】
得られるコポリマー中の結晶性ブロックを作成するときに、複数のラクチド、ラクトン、環状酸無水物、環状カーボネートおよび/またはエポキシドを利用してもよく、得られるコポリマー中のアモルファスブロックを作成するときに少なくとも1つの他のラクチド/ラクトンを利用してもよい。
【0043】
反応のための時間は、利用する出発物質の種類および量、利用する触媒の量、反応温度などによって変わってもよい。触媒の操作範囲内の温度(約100℃〜約165℃、約100℃〜約135℃、約135℃〜約150℃、約150℃〜約165℃)を維持しつつ(これらの範囲からはずれた温度を使用してもよい)、反応混合物を約1分〜約72時間、約10分〜約24時間混合してもよい(が、これらの範囲からはずれた時間を使用してもよい)。
【0044】
当業者は、反応条件、温度、開始剤の保持量および触媒の保持量の最適化を変え、種々の分子量のポリエステルポリマーを作成してもよく、構造的に関連する出発物質を、設計上の選択として同等の技術を用いて重合させてもよいことを理解するだろう。
【0045】
このようにして製造される樹脂は、ガラス転移温度(Tg)が約−60℃〜約200℃、約−50℃〜約150℃であり、融点が約20℃〜約200℃、約55℃〜約95℃である結晶性ブロックを含んでいてもよい。このようにして製造される樹脂は、Tgが約0℃〜約200℃、約5℃〜約150℃であるアモルファスブロックも含んでいてもよい。
【0046】
この反応から得られるポリマーまたはコポリマーは、設計上の選択として、反応条件、例えば、反応の長さに依存して、任意の大きさであってもよい。したがって、目的のポリマーまたはコポリマーは、Mが、GPCによって測定する場合、約800〜約20,000、約1,000〜約15,000であってもよく、Mが、GPCによって決定する場合、約950〜約50,000、約1,000〜約17,000であってもよい。コポリマーのM/Mは、例えば、約1.01〜約1.5、約1.05〜約1.3であってもよい。いくつかの実施形態では、多分散指数(PDI)は、約1.4未満、約1.3未満、約1.2未満であってもよい。
【0047】
得られたコポリマーは、ブロックコポリマーの約1〜約90重量%、約5〜約30重量%の量の結晶性ブロックと、ブロックコポリマーの約10〜約99重量%、約70〜約95重量%のアモルファスブロックとを含んでいてもよい。
【0048】
得られたポリマーの重量は、出発物質、反応条件、使用する触媒によって変わってもよい。もっと高い温度(いくつかの実施形態では、約135℃以上)およびもっと長い反応時間(例えば、約24時間、約48時間、またはもっと長い時間)によって、もっと分子量が大きく、重合度(DP)が大きいポリマーが得られるだろう。
【0049】
本開示の重合合成を用い、その後に当該技術分野で既知の種々の任意のポリエステル方法および生成物で使用するためのポリエステル樹脂を調製してもよい。開示される合成によって、反応時間が短くなり、エネルギー費用も小さくなる。したがって、得られるポリエステルポリマーは、当該技術分野で知られているように、材料、布、繊維、他のプラスチック製品中に見出されるだろう。
【0050】
それに加え、他の産業、例えば、香料、食品添加物などでラクトンが使用されるため、重合に適したラクトンは、一般に市販されている。さらに、ラクトンおよびラクチドは、生分解性であり、したがって、石油製品に対する依存が減る。
【0051】
上述のホモポリマーまたはブロックコポリマー樹脂を利用し、トナー組成物を作成してもよい。トナー組成物は、本明細書で教示されるようなポリエステル樹脂を含んでいてもよく、さらに、当該技術分野で既知の任意要素の着色剤、ワックスおよび他の添加剤を含んでいてもよい。例えば、乳化/凝集技術のような当該技術分野の範囲内にある任意の方法を利用し、トナーを作成してもよい。
【0052】
既知の任意の種々のポリエステル樹脂をトナーに使用することができる。トナーに使用する1種類以上の樹脂は、本明細書に教示されるように製造される。
【0053】
トナー組成物を作成するために利用される着色剤、ワックスおよび他の添加剤は、界面活性剤を含む分散剤であってもよい。さらに、トナー粒子は、上述の樹脂およびトナーの他の要素を1つ以上の界面活性剤と混合し、エマルションを作成し、トナー粒子を凝集させ、融着し、場合により洗浄し、乾燥させ、回収する乳化凝集方法によって作られてもよい。
【0054】
1種類、2種類、またはそれ以上の界面活性剤を用いてもよい。界面活性剤は、イオン系界面活性剤および非イオン系界面活性剤から選択されてもよい。アニオン系界面活性剤およびカチオン系界面活性剤は、用語「イオン系界面活性剤」に包含される。界面活性剤を、トナー組成物の約0.01重量%〜約5重量%の量で利用してもよいが、これらの範囲からはずれた量を利用してもよい。
【0055】
種々の既知の適切な着色剤(例えば、染料、顔料、染料混合物、顔料混合物、染料と顔料の混合物など)が、トナーに含まれていてもよい。着色剤は、トナー中に、例えば、トナーの約0.1〜約35重量%の量で含まれていてもよいが、これらの範囲からはずれた量を利用してもよい。
【0056】
場合により、ワックスを使用し、トナー粒子を作成してもよい。含まれる場合、ワックスは、例えば、トナー粒子の約1重量%〜約25重量%の量で存在していてもよいが、これらの範囲からはずれた量を利用してもよい。
【0057】
選択されてもよいワックスとしては、例えば、Mが約500〜約20,000のワックスが挙げられるが、これらの範囲からはずれた重量を利用してもよい。
【0058】
トナー粒子を、当業者が利用可能な任意の方法で調製してもよい。乳化凝集プロセスに関して以下に記載するが、懸濁プロセスおよびカプセル化プロセスのような化学プロセスを含め、トナー粒子を調製する任意の適切な方法を使用してもよい。
【0059】
乳化凝集プロセス、例えば、場合により上述の界面活性剤を含む、樹脂(樹脂は、本明細書に記載するように製造されるポリマー樹脂を含んでいてもよい)、任意要素の着色剤、任意要素のワックスおよび任意の他の望ましい試薬または必要な試薬の混合物を凝集することと、次いで、凝集した粒子を融着させることとを含むプロセスによってトナー組成物を調製してもよい。
【0060】
上の混合物を調製した後、この混合物に凝集剤を加え、樹脂粒子の凝集を促進してもよい。樹脂のTgより低い温度で、混合物に凝集剤を加えてもよい。トナーを作成するために利用される混合物に、例えば、約0.1%〜約8重量%の量で凝集剤を加えてもよいが、この範囲からはずれた量を利用してもよい。
【0061】
所定の望ましい粒径に達したら、成長プロセスを止める。
【0062】
所望の粒径まで凝集させた後、粒子を所望の最終形状になるまで融着させてもよく、融着は、例えば、混合物を、樹脂のTg以上の温度であってもよい約65℃〜約105℃の温度まで加熱することによって達成され(るが、この範囲からはずれた温度を利用してもよい)、および/または、例えば、約400rpm〜約1,000rpmまで攪拌を上げることによって達成されるが、この範囲からはずれた速度を利用してもよい。もっと高い温度または低い温度を使用してもよく、温度が、バインダーに使用する樹脂の関数であり得ることが理解される。融着は、約0.1〜約9時間かけて達成されてもよいが、この範囲からはずれた時間を利用してもよい。
【0063】
凝集および/または融着の後、混合物を室温(RT)、例えば、約20℃〜約25℃まで冷却してもよい。冷却した後、トナー粒子を場合により水で洗浄し、次いで乾燥させてもよい。
【0064】
トナー粒子は、所望な場合、または必要な場合、他の任意要素の添加剤も含んでいてもよい。例えば、トナーは、正または負の電荷制御剤を例えば、トナーの約0.1〜約10重量%の量で含んでいてもよいが、この範囲をはずれた量を利用してもよい。
【0065】
トナー粒子を、流動補助添加剤とブレンドしてもよく、添加剤は、トナー粒子表面に存在していてもよい。外部添加剤は、それぞれ、トナーの約0.1重量%〜約5重量%の量で存在していてもよいが、この範囲からはずれた量を利用してもよい。
【0066】
トナー粒子を担体と混合してもよく、これをコーティングし、2成分現像剤を作成してもよい。
【0067】
静電印刷プロセスまたは電子写真プロセスでトナーを利用してもよい。例えば、磁気ブラシによる現像、単成分のジャンピング現像、ハイブリッドスカベンジレスによる現像(HSD)などの任意の既知の種類の画像現像システムを画像現像デバイスに用いてもよい。
【0068】
部およびパーセントは、特に指示のない限り、重量基準である。
【実施例】
【0069】
(実施例1.DP=50のポリ−ラクチド製造のための一般的な手順)
D,L−ラクチド(2.0g、14モル)、DMAP(34mg、0.28モル)、DMAP:HOSCF(76mg、0.28モル)およびベンジルアルコール(29μl、30mg、0.28モル)を、磁気撹拌棒を含む18×150mmの試験管に加え、135℃まで加熱した。DP=50の場合、反応は、5分間で95%終了した。DP=100の場合、DMAP、DMAP:HOSCFおよびベンジルアルコールの量は、2分の1に減少した。10分間で反応は90%終了した。反応の概略を図2に示す。
【0070】
表1でDP=50の場合、多分散指数(PDI)は、NMRによって検出する場合、転化率95%で1.13であった。DP=100も、高い転化率を得て(すなわち、90%)、PDIが1.08であった。ラクチドのリビングROPの有機触媒による手法は、精巧なガラス製品を用いるか、または不活性気体で覆う必要はなく、無希釈で行われた。
【0071】
他の実験では、DPが25の場合、3分間の反応で反応剤の転化率100%が観察された。DPが50の場合、15分後に転化率100%が観察された。DPが100である場合、30分で少なくとも90%の転化率が観察された。反応時間をもっと長くすると、転嫁率のパーセントが増加した。
【表1】
【0072】
DMAP/DMAP:HOSCFおよびベンジルアルコールによるε−カプロラクトンの重合を同様に、ただし135℃で行った。表2を参照。
【表2】
【0073】
他の実験では、DPが25の場合、25時間インキュベートした後に、95%の転化率が観察された。DPが50の場合、48時間の反応の後に、98%の転化率が観察された。
【0074】
表3では、ラクチド(PLAまたはLA)の重合のためにポリカプロラクトン(PCLまたはCL)の市販サンプルを開始剤として使用し、ポリカプロラクトン−b−ポリラクチドブロックコポリマーを作成した。ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)は、高分子量コポリマーが、多分散性が小さい状態で製造されたことを示した。
【表3】
【0075】
(実施例2.ポリカプロラクトン−b−ポリラクチドコポリマー(PCL DP=25、PLA DP=25、50、100)の重合のための一般的な手順)
磁気撹拌棒を含む16×150mmの試験管に、カプロラクトン(CL)(1.6g)、DMAP(68mg)、DMAP:HOSCF(152mg)およびベンジルアルコール(60μl)を加えた。この混合物を24時間で135℃まで加熱した。この加熱した混合物に、ラクチド(25マー=2.3g、50マー=4.6gおよび100マー=9.2g)を加え、混合物を同じ温度まで加熱した。
【0076】
表4は、ワンポット反応で異なる大きさのブロックを作るためのDMAP/DMAP:HX触媒を用いて作られるポリカプロラクトン−b−ポリラクチドコポリマーの結果を示す。モノマー:開始剤(M/I)=25およびM/I=50の反応は、両方とも、135℃まで加熱したとき、効果的にポリマーを製造した。
【表4】
【0077】
表5は、2種類のポリカプロラクトン−b−ポリラクチドブロックコポリマーの特性を与え、この特性は、GPCおよびH−NMRによって特性決定され、高い転化率および1.3より小さい多分散性を示す。
【表5】
【0078】
(実施例3.2−フェニルエタノールを開始剤として用いたポリ−ラクチドの製造)
ベンジルアルコールを2−フェニルエタノール(0.28モル)に置き換えた以外は、実施例1の材料および方法を実施した。Mは、ピーク分子量である。
【表6】
【表7】
【表8】
【0079】
(実施例4.1−ヘキサノールを開始剤として用いたポリ−ラクチドの製造)
ベンジルアルコールを1−ヘキサノール(0.28モル)に置き換えた以外は、実施例1の材料および方法を実施した。
【表9】
【表10】
【表11】
【0080】
(実施例5.HClを触媒要素として用いるポリ−ラクチドの製造)
触媒のトリフルオロメタンスルホン酸を塩酸と置き換えた以外は、実施例1の材料および方法を実施した。
【表12】
【表13】
【表14】
【表15】
【表16】
【表17】
【表18】
【表19】
【表20】
【0081】
(実施例6.ヘキサノールを開始剤として用いたポリ−カプロラクトンの製造)
実施例1の材料および方法を実施したが、開始剤としてベンジルアルコールではなく、ヘキサノールを用い、ポリカプロラクトンポリマーを製造した。
【表21】
【表22】
【0082】
(実施例6.HClを触媒要素として用いたポリ−カプロラクトンの製造)
触媒のトリフルオロメタンスルホン酸を塩酸に置き換えた以外は、実施例1の材料および方法を実施した。
【表23】
【表24】
【0083】
(実施例7.ヘキサノールを開始剤として用い、HClを触媒要素として用いたポリ−カプロラクトンの製造)
ベンジルアルコールをヘキサノールに置き換え、触媒のトリフルオロメタンスルホン酸を塩酸に置き換えた以外は、実施例1の材料および方法を実施した。
【表25】
【表26】
【0084】
(実施例8.ポリカプロラクトン−b−ポリラクチドコポリマーの重合)
実施例2の材料および方法を実施し、規定した含有量のブロックコポリマーを作成した。
【表27】
図1
図2