(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のようにチケットに顔写真を印刷すれば、ダフ屋行為を抑制できる。
しかし、上記の通り、顧客は自らの顔写真をチケット販売者のサーバーに事前登録する必要があり、顧客にとって負担が大きい。
また、同一人物である否かを確認するためには鮮明な写真を登録し、それをチケットに印刷する必要がある。よって、チケット販売者は、登録された写真がピンぼけ写真など不鮮明な写真でないことを確認し、不鮮明な写真が登録された場合は写真の再登録を顧客に要求する必要がある。このように、顔写真の登録は顧客にとって負担が大きいだけでなく、チケット販売者にとっても負担の大きい仕組みとなっている。
【0007】
更に、チケットに印刷された購入者の顔写真と、入場者の顔とを一人一人確認していると入場処理に時間がかかり、ライブの開始時間が遅れてしまう。開始時間が遅れた場合、ライブ終了後の機材撤収時間や会場の引き渡し時間などを考慮すると、公演時間を短縮せざるを得なくなり、公演を予定通りに行えなくなる。このようになると、入場したファンを充分楽しませることができず、公演が失敗に終わってしまうおそれが生じる。
【0008】
また、やむを得ない事情により、チケット購入者が公演当日に会場に行けなくなった場合は、家族や同僚・同級生などの近親者にチケットを譲渡したいという要望がある。近親者への譲渡は、非営利的活動であり、高値で転売する不正行為の可能性が低いので、本来であればこの譲渡を認めるべきである。しかし、チケットに購入者の顔写真を印刷すると、購入者しかそのチケットを利用できず、家族や同僚・同級生にすらチケットの譲渡が行えない。よって、折角購入したチケットが無駄になってしまう。また、このような融通の利かない仕組みは顧客から敬遠され、チケットの売り上げ減少に繋がってしまう。
【0009】
更に、ダフ屋行為のような不正転売行為は、チケットのみならず、他の商品においても起こりうることであり、様々な商品において不正転売を効果的に抑制する必要がある。
【0010】
本発明は、このような課題を解決するためのものであり、写真による本人確認を行うことなくダフ屋行為を抑制することができる商品販売装置等を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記問題を解決するため、本発明では、商品の購入者が予め設定した地点情報を取得する地点情報取得手段と、前記商品の受取者の現在地を示す現在地情報を取得する現在地情報取得手段と、前記地点情報と前記現在地情報とに基づいて、前記地点情報が示す地点に、前記受取者が居ることを確認することにより、前記商品の引き渡しを許可する引渡許可手段とを備えることを特徴とする商品販売装置が提供される。
【0012】
本発明に係る商品販売装置は、商品の購入者が予め設定した地点情報と、商品の受取者の現在地を示す現在地情報を取得し、地点情報と現在地情報とに基づいて、地点情報が示す地点に受取者が居ることを確認することにより、商品の引き渡しを許可する。
これにより、商品の購入者が予め設定した地点情報と、商品の受取者の現在地を示す現在地情報とに基づいて、地点情報が示す地点に受取者が居ることを確認し、商品の引き渡しを許可する。
【0013】
上記問題を解決するため、本発明では、コンピュータを、商品の購入者が予め設定した地点情報を取得する地点情報取得手段、前記商品の受取者の現在地を示す現在地情報を取得する現在地情報取得手段、前記地点情報と前記現在地情報とに基づいて、前記地点情報が示す地点に、前記受取者が居ることを確認することにより、前記商品の引き渡しを許可する引渡許可手段として機能させることを特徴とする商品販売プログラムが提供される。
【0014】
本発明に係る商品販売プログラムは、商品の購入者が予め設定した地点情報と、商品の受取者の現在地を示す現在地情報を取得し、地点情報と現在地情報とに基づいて、地点情報が示す地点に受取者が居ることを確認することにより、商品の引き渡しを許可する。
これにより、商品の購入者が予め設定した地点情報と、商品の受取者の現在地を示す現在地情報とに基づいて、地点情報が示す地点に受取者が居ることを確認し、商品の引き渡しを許可する。
【0015】
上記問題を解決するため、本発明では、地点情報取得手段が、商品の購入者が予め設定した地点情報を取得するステップと、現在地情報取得手段が、前記商品の受取者の現在地を示す現在地情報を取得するステップと、引渡許可手段が、前記地点情報と前記現在地情報とに基づいて、前記地点情報が示す地点に、前記受取者が居ることを確認することにより、前記商品の引き渡しを許可するステップとからなる商品販売方法が提供される。
【0016】
本発明に係る商品販売方法は、商品の購入者が予め設定した地点情報と、商品の受取者の現在地を示す現在地情報を取得し、地点情報と現在地情報とに基づいて、地点情報が示す地点に受取者が居ることを確認することにより、商品の引き渡しを許可する。
これにより、商品の購入者が予め設定した地点情報と、商品の受取者の現在地を示す現在地情報とに基づいて、地点情報が示す地点に受取者が居ることを確認し、商品の引き渡しを許可する。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、商品の購入者が予め設定した地点情報と、商品の受取者の現在地を示す現在地情報とに基づいて、地点情報が示す地点に受取者が居ることを確認し、商品の引き渡しを許可する。よって、次の効果が生じる。
(1)商品の購入者は、容易に商品引渡の許可を受けることができる。購入者は登録する地点を自宅や自らの職場にした上で、自宅や職場から現在地情報を発信すれば、登録した地点と現在地情報とが一致するからである。
(2)チケットを譲り受けた購入者の家族や同僚・同級生なども容易に商品引渡の許可を受けることができる。家族や同僚・同級生は購入者との地理的接点がある場合が多いからである。
すなわち、購入者は登録する地点を自宅や自らの職場にした上で、家族や同僚に商品を譲渡する。そして、受取人である家族や同僚が、自宅や職場から現在地情報を発信すれば、登録した地点と現在地情報とが一致し、商品引渡の許可を容易に受けることができるのである。
(3)ダフ屋行為などの不正転売行為の場合は、商品引渡の許可を受けることは容易でない。ダフ屋行為により不正に商品を取得した者は、購入者との地理的接点がない場合が多く、不正転売を受けた者が登録地点に居ることを証明するのは難しいからである。
すなわち、ダフ屋行為のような不正転売行為の場合、転売先の受取人がどこに居住し、どこに通勤しているかは、チケット購入時には分からない。よって、仮に不正転売がなされたとしても、受取者は購入者が登録した地点にわざわざ出向いて現在地情報を発信しなければ商品の引渡の許可を受けることができない。従って、不正転売を受けた者にとっては極めて煩わしい手続が必要となるため、不正転売を受ける者の数を相当数減らすことができ、不正転売を抑制できる。
以上の通り、本発明を利用すれば、不正転売行為を伴わない受取人の場合は、容易に商品の引渡許可を受けることができる。また、その際、写真による本人確認を行うことなく、不正転売でないことを確認できる。
一方、不正転売行為を伴う場合は、商品の引渡許可を受けることは困難であり、これによりダフ屋行為などの不正転売行為を効果的に抑制できる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の第1の実施形態を図に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態を示したシステム構成図(ハードウェア構成図)である。
このシステムは、興行チケットの販売に関する情報を管理・処理する商品販売管理装置としてのサーバー1と、チケット購入者が利用する購入者端末2と、チケットの移転を受けた者が利用する移転者端末3とからなり、各々はインターネット4を介して情報の送受信ができるよう接続されている。
【0020】
サーバー1は、情報の入出力を行う入出力部、情報の送受信を行う送受信部、情報の処理を行う処理部等を備えたコンピュータである。また、サーバー1は、情報の記憶を行う記憶部5と接続されており、様々な情報を記憶部5に記憶する。
購入者端末2は、情報の入力を行う入力部6、情報の表示を行う表示部7、情報の送受信を行う送受信部、情報の処理を行う処理部、情報の記憶を行う記憶部等を備えたコンピュータである。
移転者端末3は、情報の入力を行う入力部8、情報の表示を行う表示部9、情報の送受信を行う送受信部、情報の処理を行う処理部、情報の記憶を行う記憶部等を備えたコンピュータである。
【0021】
サーバー1、購入者端末2、移転者端末3の記憶部には、本発明を実現するためのコンピュータプログラムや所定のデータが記憶されており、処理部はこのコンピュータプログラムの処理命令に従って所定の処理を行う。
【0022】
図2は、本発明の一実施形態を示した機能構成図である。
サーバー1は、ログイン認証部11、購入受付部・地点登録部12、チェックイン要求部13、引渡許可判断部14、特典情報送信部15、チケット送信部16とからなる。
ログイン認証部11は、ログイン申請部21からログイン情報を取得し、ログイン情報の正当性を判断し、その結果をログイン申請部21に送信する。
購入受付部・地点登録部12は、チケット購入申請・地点登録申請部22から購入チケットの情報及び地点情報を取得し、それを記憶部5に記憶する。
チェックイン要求部13は、購入受付部・地点登録部12が地点を記憶した後にチェックイン処理部23にチェックインを要求する。すなわち、何月何日の何時から何時までの間に現在地の情報を送信するよう要求する。
引渡許可判断部14は、チェックイン処理部23から現在地の情報を取得し、現在地情報と登録された地点と照合し、商品引渡の可否を引渡許可受信部24に送信する。
特典情報送信部15は、特典情報取得部25から特典情報要求を取得し、該当する特典情報を記憶部5から取得し、取得した特典情報を特典情報取得部25に送信する。
チケット情報送信部16は、チケット取得部26からチケット要求を取得し、該当するチケットを記憶部5から取得し、取得したチケットをチケット取得部26に送信する。
【0023】
購入者端末2は、ログイン申請部21、チケット購入申請・地点登録申請部22、チェックイン処理部23、引渡許可受信部24、特典情報取得部25、チケット取得部26とからなる。
ログイン申請部21は、入力部6からログイン情報の入力を受け付け、それをログイン認証部11に送信する。
チケット購入申請・地点登録申請部22は、ログイン申請終了後、入力部6から購入するチケットの情報と地点情報をの入力を受け付け、それを購入受付部・地点登録部12に送信する。
チェックイン処理部23は、チェックイン要求部23からチェックイン要求を取得し、入力部6から現在地情報の送信命令の入力を受け付け、現在地情報を引渡許可判断部14に送信する。
引渡許可受信部24は、引渡許可判断部14から商品引渡の可否を取得し、それを表示部7に表示する。
特典情報取得部25は、入力部6から特典情報要求情報の入力を受け付け、それを特典情報送信部15に送信し、特典情報送信部15から特典情報を受信する。
チケット取得部26は、入力部6からチケット要求情報の入力を受け付け、それをチケット送信部16に送信し、チケット取得部26からチケットを受信する。
【0024】
次に、記憶部5に記憶されているデータについて説明する。
図3は、チケット販売者が管理する顧客データベースであり、顧客特定情報としての顧客ID、氏名、パスワード、住所、連絡先としての電子メールアドレス、クレジットカード番号など、顧客に関する情報が各々関連づけられて記憶部5に記憶されているものである。
【0025】
図4は、チケット販売者が管理する興行データベースであり、興行特定情報としての興行ID、興行名、開催日、開催場所など、興行に関する情報が各々関連づけられて記憶部5に記憶されているものである。
【0026】
図5は、チケット販売者が管理するチケット管理データであり、興行特定情報としての興行ID、興行名、座席番号、所有者ID、登録地点、地点種別、チェックイン成否、チェックイン要求日時など、チケットに関する情報が各々関連づけられて記憶部5に記憶されているものである。なお、ここでチェックインという語が登場するが、この意味については後述する。
また、
図5はチェックイン前のチケット管理データであり、チェックイン成否には情報が代入されていない。一方、
図6はチェックイン後のチケット管理データであり、チェックイン成否に「成功」が代入されている。この点については後述する。
【0027】
図7は、チケット販売者が管理する通知タイミングデータであり、登録地点の種別と、通知タイミングとが関連づけられて記憶部5に記憶されているものである。この通知タイミングデータは現在地情報を通知すべき日時を決定する際に利用されるデータである。
【0028】
次に、表示部7に表示されるデータについて説明する。
図8は、チケットの購入と、地点登録するための画面を表した図である。ここでは購入するチケットの内容を確認するためのデータと、登録する地点の入力を促すためのデータを表示している。購入者は、チケットの内容を確認し、登録する地点の住所と種別を入力し「購入決定・登録地点送信」をクリックする。
【0029】
図9は、チェックイン要求データを表示した画面を表した図である。ここでは、チケットの購入者に対し、所定の期間内にチェックインすべきことを知らせている。
【0030】
図10は、チェックイン画面を表した図である。ここでは、GPS(Global Positioning System)などで取得した住所と、チェックインすることを促すためのデータを表示している。
【0031】
図11は、チェックイン完了報告画面を表した図である。ここでは、チェックインが完了したこと、及び特典画像の取得方法、チケットのダウンロード方法を表示している。
【0032】
図12は、特典画像のダウンロード画面を表した図である。ここでは、特典画像の内容と、それをダウンローすることを促すデータを表示している。
【0033】
図13は、チケットのダウンロード画面を表した図である。ここでは、チケットの内容と、それをダウンロードすることを促すデータを表示している。
【0034】
次に、本実施形態の処理手順について説明する。
図14は本実施形態の処理手順を示すフローチャートである。このフローチャートは、ログイン処理(STEP1)、チケット購入及び地点登録処理(STEP2)、チェックイン要求処理(STEP3)、チェックイン処理(STEP4)、特典ダウンロード処理(STEP5)、チケットダウンロード処理(STEP6)とからなる。なお、本実施形態の商品は興行チケットであり、チケットは他人に譲渡可能であるが、ここではチケットの譲渡は行われないものとする。即ち、チケットの購入者と、チケットの受取者とは同一人物であるという前提で説明する。
【0035】
STEP1は、ログイン処理である。チケット購入者は、既にチケット販売者の会員になっているとする。購入者は、購入者端末2に予め購入者に付与されているIDとパスワードを入力し、これをサーバー1に送信する。サーバー1は、
図3の顧客データベースを参照して、IDとパスワードを確認する。これによりログイン処理が終了する。
【0036】
STEP2は、チケット購入及び地点登録処理である。
図8の通り、チケット購入者は、購入したいチケットと、登録する地点、地点の種別を購入者端末2に入力し、これをサーバー1に送信する。サーバー1は、
図4の興行データベースを参照し、チケットが販売可能であるか否かを確認する。販売可能な場合、送信された登録地点と地点の種別を
図5のチケット管理データに記憶する。
なお、登録地点は購入者自らが入力してもよいし、購入者端末2に内蔵されているGPS機能(Global Positioning System)などを利用して入力してもよい。更に、地点の種別としては「自宅」「職場」「学校」などがあるがこれに限るものではなく、購入者が日常的に居る場所であれば他の種別であってもよい。
【0037】
また、地点の登録はチケット購入時に行うことが好ましいが、これに限るものではない。例えば、チケットを他の者に譲渡または転売するまでに行うようにしてもよい。
更に、登録する地点の他に、その地点に設置されている固定電話の番号や近隣の店舗の情報を登録させ、各々を関連づけておいてもよい。このようにすれば購入者端末2のGPS機能が不調な場合であっても、固定電話からの通話や店舗端末からの発信信号により、受取者の現在地を特定できる。
更に、登録地点が繁華街やイベント開催地付近などの受取者が訪れやすい場所であるか否かを判断してもよい。例えば、記憶部5に繁華街やイベント開催地を示す位置情報を記憶させておき、登録地点と照合してその地点が繁華街やイベント開催地等であるか否かを判断するのである。繁華街やイベント開催地は受取人が訪れやすい場所なので、その場所を地点として登録されると、後述するチェックインを要求する意味がなくなってしまう。よって、その場合は登録地点として認めない、または後述するチェックイン要求の回数を増やすなどの対応ができるのである。
【0038】
STEP3は、チェックイン要求処理である。
チェックイン要求とは、チケットの受取者が居る場所(現在地)をサーバー1に送信するよう要求するものである。チケットの受取者にチェックインをさせることにより、チケット購入者が登録した地点にチケット受取者が居ることを確認し、それによりチケットのダウンロードを許可できるのである。なお、本実施形態では、チケットの譲渡がなされないケースを説明するので、チケットの購入者と受取者とは同一人物である。
【0039】
サーバー1は、チェックインを要求する日時を決める。日時を決めずチェックインをいつでも行うことができると、不正転売を受けた者が登録地点に行く機会が増え、不正転売のケースでもダウンロードを許可してしまうからである。
サーバー1は、
図5のチケット管理データに記憶されている地点種別と、
図7の通知タイミングデータとに基づいてチェックイン要求時間を決定する。
通知タイミングデータには、地点種別に適応した時間帯が設定されている。例えば、17時から23時の間であれば自宅に居る可能性が高いので、地点の種別が自宅の場合は、17時から23時の時間帯が設定されている。これにより購入者にとってチェックインしやすい時間を設定できる。
【0040】
また、チェックイン要求日は、
図4の興行データベースの開催日(商品の使用期限)に基づいて決定するようにしてもよい。更に、チェックイン要求日は開催日の直近にすることが好ましい。チェックイン要求日と開催日との間に多くの日数があると、その間にチケットを転売することが可能となってしまうからである。
更に、チェックイン要求日は、記憶部5に別途記憶されている「転売が可能な期間」に基づいて決定してもよい。「転売が可能な期間」とは、例えば、インターネット上のオークションでチケットを転売するには最低3日必要だとすると、開催日とチェックイン要求日との間を転売可能な期間よりも短くする(3日以内にする)。このようにすれば、チェックイン後に不正転売を行うことができないのである。
【0041】
なお、このチェックイン要求は複数回行ってもよい。すなわち、地点を複数登録し、1つ目の地点には何日の何時から何時まで、2つ目の地点には何日の何時から何時まで、というように複数回チェックインを要求するのである。このようにすれば、チェックインの難易度をチケット販売者側がコントロールすることができ、不正転売の難易度もコントロールすることができる。例えば、3回のチェックイン要求に対し、3回ともチェックインを成功しないとチケットをダウンロードできないようにすれば、不正転売を極めて難しくすることができる。一方、余りにチェックインの要求を厳しくすると、正規購入者に負担が大きい場合もあるので、その際はチェックイン要求の回数やチェックイン成功回数を減らすなどして、不正転売の防止と正規購入者の負担軽減とのバランスをとることができるのである。
【0042】
サーバー1は、上記処理によりチェックイン要求日時を決定し、これを
図5のチケット管理データに記憶する。また、サーバー1は、
図9のような内容のチェックイン要求データを作成し、これを購入者端末2に送信する。
【0043】
STEP4は、チェックイン処理であり、その詳細は
図15の通りである。以下、
図15のフローに沿って説明する。
STEP4−1は、アプリ起動処理である。
図9のようなチェックイン要求を受けた購入者は、チェックイン要求日時に、購入者端末2にインストールされているチケット管理用のアプリケーションプログラムを起動させる。
【0044】
STEP4−2は、現在地情報送信処理(チェックイン処理)である。
アプリケーションプログラムを起動した購入者は、所定の操作を行い、
図10のようなチェックイン画面を呼び出す。ここには購入者端末3に内蔵されているGPS機能から取得された現在地と、それをサーバー1に送信するか否か(チェックインするか否か)を示す情報が表示される。購入者は表示された現在地を確認後、「チェックインする」を選択する。これにより表示された現在地に居ることが、購入者端末3からサーバー1に送信される。なお、この現在地情報は、チェックイン要求により指定された期間内に送信された場合にのみ有効な情報となる。また、指定期間内に現在地情報の送信がない場合は、チケットの購入をキャンセルするようにしてもよい。
【0045】
STEP4−3及びSTEP4−4は、現在地受信処理及び現在地照合処理である。
サーバー1は、購入者端末3から送信された現在地を受信し、受信した現在地と
図5のチケット管理データの登録地点とが一致するか否かを照合し、受取者が登録地点に実際に居るか否かを判断する。登録地点と現在地とが一致し、受取者が登録地点に実際に居ると判断した場合は、チケットの引渡を許可し、STEP4−5に進む。一方、登録地点と現在地とが一致せず、受取者が登録地点に居ないと判断した場合は、チケットの引渡を不許可とし、STEP4−6に進む。
【0046】
STEP4−5、チェックイン完了通知処理である。
サーバー1は、
図11のようなチェックイン完了報告を作成し、これを購入者端末2に送信する。なお、チェックイン完了報告には、特典画像のダウンロード方法、チケットのダウンロード方法が含まれている。
【0047】
STEP4−6はエラー通知処理である。
サーバー1は、チェックインが失敗に終わった旨、再度チェックインすべき旨を示したデータを作成し、これを購入者端末2に送信する。
【0048】
STEP5は、特典ダウンロード処理である。
購入者は
図11において示された、特典画像をダウンロードするためのサイトにアクセスし、特典画像をダウンロードする。この特典画像とは、例えば、そのイベントに出演するアーティストの写真などである。購入者にとって、チェックイン処理は面倒な手続であるが、このようにチェックインすることにより特典画像を入手することができるのであれば、チェックイン手続も苦にならず、購入者の不満を軽減させることができる。
【0049】
STEP6は、チケットダウンロード処理である。
購入者は
図11において示された、チケットをダウンロードするためのサイトにアクセスし、チケットをダウンロードする。これにより購入者はチケットを入手することができる。なお、ダウンロードされた電子チケットは、チケットのダウロード後はチケットの譲渡は認めないことが望ましい。譲渡を認めると、再度チェックイン要求をしなければならならず、チケット販売者側にとって負担が大きいからである。
以上の処理により、チケット購入者はチケットを入手できる。
【0050】
次に、第2の実施形態について説明する。
上記実施形態は、チケットの購入者とチケットの受取者(チェックインする者)とが同一人物であるケースについて説明したが、本実施形態では、購入者と受取者とが別人物であるケースについて説明する。すなわち、チケットの購入者がチケットを譲渡し、譲り受けた者がチェックインをするケースについて説明する。
【0051】
図16は、本実施形態の処理フローであり、実施形態とは、STEP2とSTEP3との間でチケット移転処理(STEP2.5)が行われる点で異なる。
なお、この処理により、チケットの移転は認められる。しかし、登録した地点を変更することは原則として認めないものとする。
図17は、チケットを移転するための手続を行う画面を表した図であり、チケットの購入者(「ID:S001」を有する者)が、チケットを譲り受ける者(「ID:K033」を有する者)にチケットを移転する様子を表した図である。
図17の「移転申請」を選択すると、チケットを購入者「ID:S001」から受取者「ID:K033」に移転する旨の申請データが、購入者端末2からサーバー1に送信される。
これにより
図18のように、チケットデータベースの所有者IDが「K033」に更新され、チケットの譲渡が完了する。
【0052】
ここで、チケットを譲り受けた者がチケット購入者と同居している家族だった場合について説明する。上記実施形態の通り、購入者が購入時に登録した地点は、購入者の自宅である。よって、譲り受けた家族も自宅でチェックインを行えば容易にチケットのダウンロード許可を受けることができる。
【0053】
一方、チケットを譲り受けた者が、インターネットオークション等を利用して不正転売を受けた者だった場合について説明する。
チケットの購入者は、チケット購入時において、インターネットオークションで誰が落札するかは分からない。よって、どの地点を登録すれば落札者にとってチェックインし易いかは分からない。
購入者と落札者が偶然近所に住んでいる可能性もあるが、通常両者は離れた場所に住んでいる。よって、落札者は、遠く離れた購入者の自宅付近まで出向いてチェックインしなければならず、その負担は大きい。よって、事実上、インターネットオークションで落札する者は現れず、不正転売を行うことはできない。
【0054】
本実施形態では、特定の例に基づいて本発明の内容を説明したが、本発明はこれに限るものではない。例えば、上記実施形態では、商品としての電子チケットをダウンロードする(引き渡す)場合を例に説明したが、電子チケットのダウンロードに限るものではない。チェックインを済ませ引渡許可を受けた者が、紙のチケットを窓口で受け取るようにしてもよい。
更に、本発明は、チケットの限らず、あらゆる商品の販売や引渡に利用できるものである。
【0055】
この実施形態は本発明の範囲を限定するものではない。本実施形態で説明した各処理はどの装置で行ってもよい。例えば、1つの装置で行う処理を、複数の装置で行ってもよい。
また、本実施形態で説明したシステム構成(ハードウェア構成)は一例であり、用途や目的に応じて様々な構成があることは言うまでもない。
更に、本実施形態で説明したデータ構成は一例であり、用途や目的に応じて様々なデータ構成があることは言うまでもない。
【0056】
なお、上記の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合、本発明に係る装置が有すべき機能の処理内容を記述した本発明に係るプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述した本発明に係るプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリなどがある。磁気記録装置には、HDD、FD、磁気テープなどがある。光ディスクには、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD−RAM、CD−ROM、CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)などがある。光磁気記録装置には、 MO(Magneto Optical disk)などがある。
【0057】
本発明に係るプログラムを流通させる場合には、たとえば、そのプログラムが記録されたDVD、CD−ROMなどの可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
【0058】
本発明に係るプログラムを実行するコンピュータは、たとえば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置から本発明に係るプログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行する。
なお、コンピュータは、可搬型記録媒体からそのプログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行することもできる。また、コンピュータは、サーバコンピュータからプログラムが転送される毎に、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。
【0059】
なお、本発明は、上述の実施の形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えることができる。
【0060】
上記については単に本発明の原理を示すものである。さらに、多数の変形、変更が当業者にとって可能であり、本発明は上記に示し、説明した正確な構成および 応用例に限定されるものではなく、対応するすべての変形例および均等物は、添付の請求項およびその均等物による本発明の範囲とみなされる。