(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6391353
(24)【登録日】2018年8月31日
(45)【発行日】2018年9月19日
(54)【発明の名称】帯電器、及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 15/02 20060101AFI20180910BHJP
【FI】
G03G15/02 101
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-162416(P2014-162416)
(22)【出願日】2014年8月8日
(65)【公開番号】特開2016-38498(P2016-38498A)
(43)【公開日】2016年3月22日
【審査請求日】2017年3月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000970
【氏名又は名称】特許業務法人 楓国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐桑 徹
【審査官】
中澤 俊彦
(56)【参考文献】
【文献】
特開平11−212335(JP,A)
【文献】
特開2005−063826(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 13/02
15/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
周面を回転自在に構成された被帯電体の前記周面を帯電させる帯電器であって、
前記被帯電体の周面に対向配置される開口部を有し、前記被帯電体の長手方向に沿って配設されたケースと、
前記ケースの内部に前記ケースの長手方向に沿って張架された長尺状の鋸歯状放電部材と、
前記ケースの内側面に設けられ、前記鋸歯状放電部材と前記ケースの内側面との間に形成される放電を分散化する分散化手段と、を備え、
前記分散化手段は、
前記鋸歯状放電部材の先端部側の辺縁と対向する前記ケースの内側面の箇所に沿って形成された第1抵抗膜と、
前記第1抵抗膜の前記被帯電体側に前記第1抵抗膜に沿って形成され、前記第1抵抗膜よりも低い抵抗の第2抵抗膜と、を含む、帯電器。
【請求項2】
周面を回転自在に構成された被帯電体の前記周面を帯電させる帯電器であって、
前記被帯電体の周面に対向配置される開口部を有し、前記被帯電体の長手方向に沿って配設されたケースと、
前記ケースの内部に前記ケースの長手方向に沿って張架された長尺状の鋸歯状放電部材と、
前記ケースの内側面に設けられ、前記鋸歯状放電部材と前記ケースの内側面との間に形成される放電を分散化する分散化手段と、を備え、
前記分散化手段は、前記鋸歯状放電部材の先端部側の辺縁と対向する領域において、前記ケースを正面視して、前記長手方向に切れ目なく前記鋸歯状放電部材の前記先端部を覆うように前記ケースの内側面の一部に形成された第1抵抗膜を含む、帯電器。
【請求項3】
前記第1抵抗膜は、前記鋸歯状放電部材の先端部側の前記辺縁に沿って形成された鋸歯状辺縁を有する、請求項2に記載の帯電器。
【請求項4】
前記分散化手段は、前記ケースの内側面に形成された凹凸手段であり、
前記凹凸手段は、前記鋸歯状放電部材に直交する面上で、前記鋸歯状放電部材の先端部に対向する箇所が他の箇所に比べて前記鋸歯状放電部材から離間するように形成されている請求項1〜3の何れかに記載の帯電器。
【請求項5】
周面を回転自在に構成された被帯電体の前記周面を帯電させる帯電器であって、
前記被帯電体の周面に対向配置される開口部を有し、前記被帯電体の長手方向に沿って配設されたケースと、
前記ケースの内部に前記ケースの長手方向に沿って張架された長尺状の鋸歯状放電部材と、
前記ケースの内側面に設けられ、前記鋸歯状放電部材と前記ケースの内側面との間に形成される放電を分散化する分散化手段と、を備え、
前記分散化手段は、前記ケースの内側面に形成された湾曲手段であり、
前記湾曲手段は、前記鋸歯状放電部材に直交する面上で、前記鋸歯状放電部材の先端部からの距離が同一となるように形成されている、帯電器。
【請求項6】
請求項1〜5の何れかに記載の帯電器であって、前記被帯電体である感光体の表面を帯電させる帯電器と、
前記感光体の周面に静電潜像を形成してトナー像を作像する作像部と、
前記トナー像を用紙に形成する画像形成部と、を備える画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、鋸歯状放電部材を有する帯電器を備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置は、感光体や中間転写体等の被帯電体の周面を帯電させる帯電器を備える。帯電器は、開口部が被帯電体の周面に対向配置され、被帯電体の長手方向に沿って配設されたケースと、ケースの内部にケースの長手方向に沿って張架された鋸歯状放電部材と、を備えるものがある。
【0003】
鋸歯状放電部材は、先端部から放電しやすい。放電時の放電経路は、先端部と、ケースの内側面において先端部からの距離が最も近い箇所と、を結ぶ経路となることが多い。このため、この放電経路に沿って放電が続くと、ケースの内側面上で放電の集中化と固定化が進み、ケースの内側面に鋸歯状ピッチの放電ムラが生じることとなる。
【0004】
ここで、帯電器には、ケースの内側面に抵抗膜を塗布することで、放電特性を変更しているものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開昭61−198959号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、ケースの内側面に抵抗膜を塗布するだけでは、放電時の放電経路が変わらないため、ケースの内側面上で放電の集中化と固定化が進み、内側面に放電ムラが生じることとなる。この結果、帯電器は、帯電能力が低下して、被帯電体の周面に帯電ムラを生じさせ、寿命が縮まる。
【0007】
そこで、この発明の目的は、帯電能力の低下及び被帯電体の周面の帯電ムラを防止して、寿命を延ばすことができる鋸歯状放電部材を備える帯電器及び画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明の帯電器は、ケース、長尺状の鋸歯状放電部材、及び分散化手段を備え、周面を回転自在に構成された被帯電体の周面を帯電させる。ケースは、被帯電体の周面に対向配置される開口部を有し、被帯電体の長手方向に沿って配設されている。長尺状の鋸歯状放電部材は、ケースの内部にケースの長手方向に沿って張架されている。分散化手段は、ケースの内側面に設けられ、鋸歯状放電部材と前記ケースの内側面との間に形成される放電を分散化する。
【0009】
帯電器のケースの内側面は、鋸歯状放電部材の先端部からの距離が最も近い箇所への放電の集中化と固定化が進むため、放電ムラが生じやすい。分散化手段によって鋸歯状放電部材とケースの内側面との間に形成される放電を分散化することで、鋸歯状放電部材の先端部からの距離が最も近いケースの内側面の箇所への放電の集中化と固定化を防ぐことができる。
【0010】
また、この構成において、分散化手段は、鋸歯状放電部材の先端部側の辺縁と対向するケースの内側面の箇所に沿って形成された第1抵抗膜を含むことが好ましい。ケースの内側面に生じる放電ムラは、鋸歯状ピッチの放電ムラとなる。鋸歯状放電部材の先端部側の辺縁と対向するケースの内側面の箇所に沿って第1抵抗膜を形成することで、ケースの内側面は、鋸歯状放電部材の先端部からの距離が最も近い箇所への放電の集中化と固定化を防止でき、放電が分散化される。これにより、帯電器は、ケースの内側面の放電ムラを防止できるため、帯電能力の低下及び被帯電体の帯電ムラを防止して、寿命を延ばすことができる。
【0011】
また、この構成において、分散化手段は、第1抵抗膜の被帯電体側に第1抵抗膜に沿って形成され、第1抵抗膜よりも低い抵抗の第2抵抗膜をさらに含むことが好ましい。第1抵抗膜を形成することで、ケースの内側面は、第1抵抗膜の近傍の箇所への放電が集中化することがある。そこで、第1抵抗膜の被帯電体側に第1抵抗膜に沿って第1抵抗膜よりも抵抗値が低い第2抵抗膜を形成することで、ケースの内側面は、放電がより分散化される。
【0012】
また、分散化手段がケースの内側面に形成された凹凸手段である構成において、凹凸手段は、鋸歯状放電部材に直交する面上で、鋸歯状放電部材の先端部に対向する箇所が他の箇所に比べて鋸歯状放電部材から離間するように形成されていることが好ましい。
【0013】
ケースの内側面は、鋸歯状放電部材の先端部から当該先端部に対向する箇所までの距離がその他の部分までの距離よりも離間しているため、鋸歯状放電部材の先端部から当該先端部に対向する箇所への放電の集中化と固定化を防止でき、放電が分散化される。これにより、帯電器は、ケースの内側面の放電ムラを防止できるため、帯電能力の低下及び被帯電体の帯電ムラを防止して、寿命を延ばすことができる。
【0014】
また、分散化手段がケースの内側面に形成された湾曲手段である構成において、湾曲手段は、鋸歯状放電部材に直交する面上で、鋸歯状放電部材の先端部からの距離が同一となるように形成されていることが好ましい。
【0015】
鋸歯状放電部材の先端部からケースの内側面までの距離が同一であるから、ケースの内側面は、放電が均一化される。これにより、帯電器は、ケースの内側面の放電ムラを防止できるため、帯電能力の低下及び被帯電体の帯電ムラを防止して、寿命を延ばすことができる。
【0016】
この発明の画像形成装置は、上述の帯電器、作像部、及び画像形成部を備える。帯電器は、被帯電体である感光体の表面を帯電させる。作像部は、感光体の周面に静電潜像を形成してトナー像を作像する。画像形成部は、トナー像を用紙に形成する。これにより、画像形成装置は、帯電器の寿命が延びるため、帯電器の交換タイミングを延期することができる。
【発明の効果】
【0017】
この発明によれば、帯電能力の低下及び被帯電体の周面の帯電ムラを防止して、帯電器の寿命を延ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】この発明の第1実施形態に係る画像形成装置の概略の一部の正面断面図である。
【
図2】(A)は同画像形成装置が備える帯電器の斜視図であり、(B)は、同帯電器が備える鋸歯状放電部材の模式図である。
【
図3】(A)は同帯電器の内側面に形成される抵抗膜を側面から視た模式図であり、(B)は正面から視た模式図である。
【
図4】(A)はこの発明の第2実施形態に係る帯電器の内側面に形成される抵抗膜を側面から視た模式図であり、(B)は正面から視た模式図である。
【
図5】(A)はこの発明の第3実施形態に係る帯電器を上面から視た模式図であり、(B)は他の帯電器を上面から視た模式図である。
【
図6】(A)はこの発明の第4実施形態に係る帯電器を上面から視た模式図であり、(B)は他の帯電器を上面から視た模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1に示すように、この発明の第1の実施形態に係る画像形成装置100は、一例として、図示しない外部装置から入力される画像データに基づいて、用紙に電子写真方式による多色又は単色の画像形成処理を行う。画像形成装置100は、画像形成ユニット1、中間転写ユニット2、二次転写ユニット3、定着部4、及び用紙搬送路6を備える。
【0020】
画像形成ユニット1は、感光体ドラム(この発明の被帯電体に相当する。)121〜124の表面を所定の電位に均一に帯電器51〜54によって帯電させ、画像データに基づく画像光を露光ユニット11から照射して感光体ドラム121〜124の表面に静電潜像を形成して、トナーにより静電潜像を現像してトナー像を形成する。
【0021】
中間転写ユニット2は、中間転写ベルト21、駆動ローラ22、及び従動ローラ23を有する。中間転写ベルト21は、駆動ローラ22及び従動ローラ23に張架され、感光体ドラム124、123、122、121をこの順に通過する循環経路にそって移動する。中間転写ベルト21の表面には、この移動に伴って、感光体ドラム121〜124の表面に形成されたトナー像が一次転写される。
【0022】
二次転写ユニット3は、二次転写ベルト31、及び二次転写ローラ32を有する。二次転写ベルト31は、複数のローラに張架され、所定の循環経路に沿って移動する。二次転写ローラ32は、中間転写ベルト21及び二次転写ベルト31を挟んで駆動ローラ22に対向するように配置されている。二次転写ユニット3は、中間転写ベルト21の表面のトナー像を、中間転写ベルト21と二次転写ベルト31との間の二次転写位置に搬送された用紙へ二次転写する。
【0023】
定着部4は、トナー像が転写された用紙を加熱及び加圧して、用紙に転写されたトナー像を用紙の表面に堅牢に定着させる。
【0024】
用紙搬送路6は、図示しない給紙カセットから二次転写位置及び定着部4を経由して図示しない排紙トレイに至る間に形成されている。
【0025】
図2(A)に示すように、帯電器51は、ケース511、及び鋸歯状放電部材512を備える。なお、帯電器52〜54は、帯電器51と同一の構成である。
【0026】
ケース511は、シールドケースで接地されている。ケース511は、感光体ドラム121の周面に対向配置される開口部513を有し、感光体ドラム121の長手方向に沿って配設される。ケース511の内部には、ケース511の長手方向に沿って長尺状の鋸歯状放電部材512が張架される。
【0027】
鋸歯状放電部材512は、
図2(B)に示すように、矩形状を呈する板部5121と、その板部5121の一方の端部から他端まで所定の間隔で一列に配列された多数の三角形状を呈する鋸歯部5122と、を備える。鋸歯部5122は、鋭角を成す複数の先端部5123を有し、板部5121の開口部513側に位置する。
【0028】
また、鋸歯状放電部材512は、印加されると、先端部5123からコロナ放電を行う。コロナ放電に伴うコロナ風は、先端部5123から感光体ドラム121の周面へ向かって発生する。このようにして、帯電器51は、感光体ドラム121の表面を帯電させる。
【0029】
コロナ放電時には、鋸歯状放電部材512の先端部5123と、ケース511の内側面において先端部5123からの距離が最も近い箇所と、を結ぶ複数の放電経路が形成されることが多い。ケース511の内側面には、これらの放電経路が分散化されるように分散化手段が設けられている。これにより、帯電器51は、ケース511の内側面において先端部5123からの距離が最も近い箇所への放電の集中化と固定化を防止でき、ケースの内側面の放電ムラを防止できる。
【0030】
以下に、
図3を参照して、分散化手段について説明する。
図3(A)に示すように、分散化手段は、ケース511の内側面に形成された抵抗膜(本願発明の第1抵抗膜に相当する。)611である。抵抗膜611は、ケース511を側面視して、ケース511の内側面の先端部5123に対向する箇所に形成されている。また、抵抗膜611は、
図3(B)に示すように、ケース511を正面視して、鋸歯部5122を所定の範囲内で囲う領域に形成されている。
【0031】
ここで、ケース511の内側面は、鋸歯状放電部材512の先端部5123からの距離が最も近い箇所への放電の集中化と固定化が進むため、鋸歯状ピッチの放電ムラが生じることとなる。そこで、抵抗膜611は、ケース511の内側面の先端部5123側の辺縁と対向する箇所に沿って形成されればよい。これにより、ケース511の内側面への放電が分散化されるため、帯電器51は、帯電能力の低下及び感光体ドラム121の周面の帯電ムラを防止して、寿命が延びる。
【0032】
なお、上述の実施形態では、ケース511の内側面の各々に抵抗膜611を形成したが、感光体ドラム121の回転方向を基準として、ケース511の下流側の内側面のみに抵抗膜611を形成してもよい。感光体ドラム121の回転に伴う風の影響を受けて、コロナ風は、感光体ドラム121の回転方向の上流側から下流側へ向かって流れる。このため、感光体ドラム121の回転方向を基準として、鋸歯状放電部材512は、ケース511の上流側の内側面よりも下流側の内側面へ向かって放電しやすい。帯電器51は、ケース511の下流側の内側面に抵抗膜611を形成することで、ケース511の内側面の放電ムラを効率的に防止できる。
【0033】
第2の実施形態に係る帯電器51は、分散化手段が抵抗膜611,612である点で、第1の実施形態に係る帯電器51と相違する。以下に相違点についてのみ説明する。
【0034】
図4(A)に示すように、ケース511を側面視して、ケース511の内側面は、先端部5123と対向する箇所に抵抗膜611と、抵抗膜611の感光体ドラム121側に抵抗膜(本願発明の第2抵抗膜に相当する。)612と、が形成されている。
図4(B)に示すように、ケース511を正面視して、抵抗膜611は、鋸歯部5122の先端部5123の各々を所定の範囲内で囲う領域に形成されている。抵抗膜612は、先端部5123を所定の範囲内で囲う領域と当該先端部5123に隣接する先端部5123を所定の範囲内で囲う領域との間の領域に形成されている。すなわち、抵抗膜612は、抵抗膜611が形成されている領域の隙間を埋めるように形成されている。また、抵抗膜612は、抵抗膜611よりも抵抗値が低い抵抗膜である。
【0035】
ここで、ケース511の内側面は、鋸歯状放電部材512の先端部5123からの距離が最も近い箇所への放電の集中化と固定化が進むため、鋸歯状ピッチの放電ムラが生じることとなる。抵抗膜611は、ケース511の内側面の先端部5123側の辺縁と対向する箇所に沿って形成されればよい。また、ケース511の内側面は、抵抗膜611を形成することで、抵抗膜611の近傍の箇所への放電が集中化することがある。抵抗膜612は、抵抗膜611の感光体ドラム121側に抵抗膜611に沿って形成されればよい。これにより、ケース511の内側面への放電がより分散化される。
【0036】
第3の実施形態に係る帯電器51は、分散化手段が凹凸手段である点で、第1の実施形態に係るケース511と相違する。以下に相違点についてのみ説明する。
【0037】
図5(A)に示すように、凹凸手段は、ケース511の側面に形成されている。凹凸手段は、稲妻形状を呈し、鋸歯状放電部材512の先端部5123に対向する箇所が他の箇所よりも離間するように形成されている。なお、分散化手段には、
図5(B)に示すように、ケース511の側面の内壁5111に形成された凹凸手段も含まれる。
【0038】
以上より、ケース511の内側面は、先端部5123から先端部5123に対向する箇所までの距離がその他の部分までの距離よりも離間しているため、先端部5123から先端部5123に対向する箇所への放電の集中化と固定化を防止でき、放電が分散化される。
【0039】
第4の実施形態に係る帯電器51は、分散化手段が湾曲手段である点で、第1の実施形態に係るケース511と相違する。以下に相違点についてのみ説明する。
【0040】
図6(A)に示すように、湾曲手段は、ケース511の側面に形成されている。湾曲手段は、複数の湾曲形状を呈し、鋸歯状放電部材512の先端部5123から内側面までの距離が同一になるように形成されている。なお、分散化手段には、
図6(B)に示すように、ケース511の側面の内壁5111に形成された湾曲手段も含まれる。
【0041】
以上より、ケース511の内側面は、鋸歯状放電部材512の先端部5123からケース511の内側面までの距離が同一であるため、放電が均一化される。
【0042】
なお、上述の実施形態では、帯電器51の一例としてコロトロン帯電器を例に挙げて説明したが、帯電器51は、ケース511の開口部513にメッシュ状のグリッド電極を備えるスコロトロン帯電器であってもよい。また、中間転写ベルト21を帯電させるプレ転写チャージャーにこの発明に係る帯電器を適用してもよい。
【0043】
また、第1〜4の実施形態に係る帯電器51の各々を組み合わせてもよい。具体的には、第3の実施形態に係る帯電器51のケース511の内側面に、第1の実施形態に係る帯電器51の内側面に形成された抵抗膜611を形成してもよい。
【0044】
上述の実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0045】
51〜54…帯電器
121〜124…感光体ドラム
511…ケース
512…鋸歯状放電部材
513…開口部
611,6112…抵抗膜
5123…先端部