(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の実施の形態においては、便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明する。以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でもよい。なお、以下の実施の形態において、その構成要素(処理ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須ではない。
【0013】
また、以下の実施の形態における各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路その他のハードウェアとして実現しても良い。また、後述する各構成、機能、処理部、処理手段等は、コンピュータ上で実行されるプログラムとして実現しても良い。すなわち、ソフトウェアとして実現しても良い。各構成、機能、処理部、処理手段等を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリやハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記憶装置、ICカード、SDカード、DVD等の記憶媒体に格納することができる。
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一または関連する符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0015】
まず、
図1を参照し、本発明に係る無線システムが適用される自律走行ダンプシステムの概略構成について説明する。
図1は、自律走行ダンプダンプシステムの概略構成を示す図である。
【0016】
図1に示す自律走行ダンプシステム1は、鉱山などの採石場で、土砂や鉱石の積込作業を行うショベル10−1、10−2と、土砂や鉱石等の積荷を搬送する運搬車両(以下「ダンプ」という)20−1、20−2と、採石場の近傍若しくは遠隔の管制センタ30に設置され、ダンプ20−1、20−2の管制制御を行う運行管理サーバ31と、を含む。ダンプ20−1、20−2の構成は同じであるので、以下ではダンプ20−1、20−2を区別することなく総称する場合はダンプ20と記載する。またショベル10−1、10−2の構成も同じであるので、以下ではショベル10−1、10−2を区別することなく総称する場合はショベル10と記載する。
【0017】
各ダンプ20は、鉱山内であらかじめ設定された走行路60に沿って、ショベル10が置かれた積込場及び図示しない放土場の間を往復し、積荷を搬送する。本実施形態に係るダンプ20は、オペレータが搭乗することなく自律走行する無人ダンプである。
【0018】
ショベル10、ダンプ20、及び運行管理サーバ31は、無線通信回線40を介して互いに無線通信接続される。この無線通信接続を円滑に行うために、鉱山内には、複数の無線基地局(以下「基地局」と略記する)41−1、41−2、41−3が設置される。そしてこれらの基地局を経由して、無線通信の電波が送受信される。電波は、各基地局41−1、41−2、41−3から距離が離れるに従って減衰する。
図1の符号42−1、42−2、42−3は、各基地局41−1、41−2、41−3と各ダンプ20とが電波の送受信ができる範囲(以下「通信エリア」という)を示す。各基地局41−1、41−2、41−3は、通信エリア42−1、42−2、42−3が互いに重なるように設置されることで、走行路60上であればどの地点からも無線通信回線40に接続できるようにすることが好ましい。
図1では、通話エリアを円形に図示しているが、実際には、地形の影響を受けて円形にはならないこともある。各基地局41−1、41−2、41−3の構成は同じであるので、各基地局41−1、41−2、41−3を区別することなく総称する場合は基地局41と記載する。
【0019】
ショベル10及びダンプ20は、全地球航法衛星システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)の少なくとも3つの航法衛星50−1、50−2、50−3から測位電波を受信して自車両の位置を取得するための位置算出装置(
図1では図示を省略する)を備える。GNSSとして、例えばGPS(Global Positioning System)、GLONASS、GALILEOを用いてもよい。
【0020】
ショベル10は、超大型の油圧ショベルであって、ショベル10における見通しの良い場所、例えば運転室の上部に、無線通信回線に接続するためのアンテナ18が設置されている。
【0021】
ダンプ20は、本体を形成するフレーム21と、前輪22及び後輪23と、フレーム21の後方部分に設けられたヒンジピン(図示せず)を回動中心として上下方向に回動可能な荷台24と、この荷台24を上下方向に回動させる左右一対のホイストシリンダ(図示せず)と、を含む。また、ダンプ20は、見通しの良い場所、例えば、ダンプ20の上面前方に、無線通信回線40に接続するためのアンテナ25が設置される。また、ダンプ20は、無線通信回線40を介して運行管理サーバ31と通信し、ダンプ20の自律走行制御を行う車載端末装置26を備える。
【0022】
運行管理サーバ31は有線通信回線33(
図2参照)を介してアンテナ32と接続され、無線通信回線40を介して基地局41−1、41−2、41−3と接続される。そして、基地局41−1、41−2、41−3を介してショベル10、及びダンプ20の其々と通信する。
【0023】
次に
図2を参照して、
図1の運行管理サーバ31及び車載端末装置26のハードウェア構成について説明する。
図2は、運行管理サーバ及び車載端末装置のハードウェア構成図である。
【0024】
図2に示すように、運行管理サーバ31は、サーバ側制御装置311、サーバ側入力装置312、サーバ側表示装置313、サーバ側通信装置314、通信バス315、マスタ地図情報データベース(以下データベースを「DB」と略記する)316、通信品質情報DB317(通信品質情報記憶部に相当)、運行管理情報DB318、及び基地局情報DB319(基地局情報記憶部に相当)を含んで構成される。
【0025】
サーバ側制御装置311は、運行管理サーバ31の各構成要素の動作を制御するものであり、CPU(Central Processing Unit)等の演算・制御装置、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置を含むハードウェアと、サーバ側制御装置311により実行されるソフトウェアとを含んで構成される。これらのハードウェアが本発明に係る基地局切替処理プログラムや、ダンプ20の自律走行制御を実行するための自律走行プログラムなどのソフトウェアを実行することにより、運行管理サーバ31の各機能が実現される。
【0026】
サーバ側入力装置312は、マウス、キーボードなどの入力装置により構成され、オペレータからの入力操作を受け付けるインターフェースとして機能する。
【0027】
サーバ側表示装置313は、液晶モニタ等により構成され、オペレータに対して情報を表示して提供するインターフェースとして機能する。
【0028】
サーバ側通信装置314は、Wi‐Fi(Wireless Fidelity)やIEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)の規格に適合した無線通信装置を用いてもよい。
【0029】
通信バス315は、各構成要素を互いに電気的に接続する。
【0030】
マスタ地図情報DB316は、地図情報を固定的に記憶可能な記憶装置、例えばHDDを用いて構成される。地図情報は、走行路60上の各地点(以下「ノード」という)と、隣接するノードを連結するリンクとにより定義される。地図情報は、鉱山の地形情報や、各ノードの絶対座標(測位電波を基に算出される3次元実座標)を含んでもよい。各ノード、及びリンクには、それらのノード及びリンクを固有に識別する位置識別情報(以下「ノードID」、「リンクID」という)が付与される。また、各ノードやリンクの属性情報、例えば制限速度、走行路60の曲率等が位置識別情報に関連付けて格納される。
【0031】
図3を参照して、地図情報について説明する。
図3は、地図情報の一例を示す図であっ
て、(a)はノードテーブルを示し、(b)はリンクテーブルを示す。地図情報は、ノー
ドテーブル300(
図3の(a)参照)及びリンクテーブル3
20(
図3の(b)参照)
を含む。ノードテーブル300は、ノードID301にそのノードIDの実座標(GNS
Sで測定したグローバル座標)を関連付けて記憶する。リンクテーブル320は、リンク
ID321にそのリンクの前方境界点に位置するノードID(前方ノードID)322及
び後方境界点に位置するノードID(後方ノードID)323、及び前方ノードID及び
後方ノードID3で区切られる走行路の部分区間の制限速度324、及びその部分区間の
カーブの曲率325が関連付けて記憶される。地図情報の構成は一例にすぎず、上記の例
に限定されない。
【0032】
通信品質情報DB317は、通信品質情報を固定的に記憶可能な記憶装置、例えばHDDを用いて構成される。通信品質情報は、走行路60上の各ノード(及び/又はリンク)における各基地局とダンプ20との通信接続状況の良否を示す通信品質指標値を含む。ここでいう「通信品質指標値」とは、各ノードに位置するダンプ20と各基地局41との間の無線通信接続の確立のしやすさを示す値であり、例えば、各ノードにおける無線接続に使用される電波強度を示す受信電力値や、各ノードに位置するダンプ20と各基地局41との間の無線通信接続の成功率でもよい。なお「成功率」は、通信接続のエラー率と言い換えてもよい。この場合、後述する閾値判定の不等号の向きは成功率を用いた場合とは逆向きになる。
【0033】
上記成功率は、例えば下式(1)により算出できる。
E={(Σ_est)/(Σ_req)}×100・・・(1)
但し、
Σ_est:運行管理サーバ31及びダンプ20−1の間で無線通信接続が確立した全回数(通信成功回数に相当する)
Σ_req:運行管理サーバ31又はダンプ20−1から無線通信接続を要求した全回数
E:通信成功率
【0034】
式(1)のうち、運行管理サーバ31又はダンプ20から無線通信接続を要求した全回数(Σ_req)は、実際には正確な値を得にくいことがある。例えばダンプ20から送信した走行許可要求情報がどの無線基地局にも届かない場合には、基地局41及び運行管理サーバ31は、無線通信接続が要求されたという情報を得られない。その場合、各基地局、運行管理サーバ31、及び各ダンプ20の送信記録をそれぞれログ情報に記憶しておき、そのログ情報を基に、セッションが確立した回数を全送信イベント回数(セッションが確立した回数と確立しなかった回数の合算値)で除算して通信成功確率を算出してもよい。
【0035】
通信品質情報は、航測車やダンプ20が、通信品質指標値の収集対象となる基地局と無線通信接続をしながら走行路60を走行して収集する。
【0036】
図4を参照して、通信品質情報について説明する。
図4は、通信品質情報テーブルの一例を示す図である。
図4の通信品質情報テーブル400は、「ノードID」401における各基地局(アクセスポイント、以下「AP」と記載する)との間の接続状況の良否レベルを示す通信品質指標値「AP品質」(符号402、403、404、405)を関連付けて記憶する。例えば、AP1品質(符号402)、AP2品質(符号403)、AP3品質(符号404)の其々は、各ノードにおけるダンプとAP1、AP2、AP3の其々との間の通信品質指標値を示す。
【0037】
運行管理情報DB318は、運行管理情報を固定的に記憶可能な記憶装置、例えばHDDを用いて構成される。運行管理情報は、各ダンプ20の現在位置、走行速度など、各ダンプの運行状態を示す情報を記憶する。
【0038】
図5を参照して、運行管理情報について説明する。
図5は、運行管理情報テーブルの一例を示す図である。
図5の運行管理情報テーブル500は、各ダンプを固有に識別する「ダンプID」501に、当該ダンプに対して設定された走行許可区間の「前方境界点」(ノードIDで示す、後方境界点も同様)502、「後方境界点」503、各ダンプに対して現在設定されている最終目的地座標を示す「目的地」504、ダンプの実際の「走行速度」505、ダンプが前方又は後方のどちらに走行しているかを示す「走行向き」506、各ダンプから定期的または必要に応じて通知されるそのダンプの「現在位置」507、及び各ダンプに対して現在接続先として設定されている基地局を示す「設定中の基地局ID」508を関連付けて記憶する。
【0039】
基地局情報DB319は、基地局情報を固定的に記憶可能な記憶装置、例えばHDDを用いて構成される。基地局情報は、各基地局が配置されている位置情報と、各基地局41−1、41−2、41−3を接続先として特定するための情報(基地局特定情報)を含む。この基地局特定情報として、本実施形態では、基地局を構成するハードウェアに対して付与されたMACアドレス(Media Access Control address)を用いるが、各基地局に対して割り当てられた電波の周波数に対応するチャンネルでもよい。MACアドレスは、通信装置に対して一意に割り当てられた物理アドレスであるのでMACアドレスを基地局特定情報として用いることで固有に基地局を特定できる。
【0040】
また、各基地局に対し、隣接する基地局の電波と干渉しないように、各基地局に異なる周波数(チャンネル)を割り当てている場合には、チャンネルを用いても各基地局を固有に特定することができる。この場合、複数の基地局の配置位置が電波の干渉を起こさないほど十分に離れている場合であれば、これら複数の基地局に対して同じ周波数(チャンネル)を割り当てもよく、この態様も上記基地局特定情報に含むものとする。
【0041】
図6を参照して、基地局情報について説明する。
図6は、基地局情報テーブルの一例を示す図である。
図6の基地局情報テーブル600は、各基地局を固有に識別する「基地局ID」601に、当該基地局が配置された地点の実座標を示す「位置情報」602、及び基地局を接続先として指定するための「接続先情報」(
図6ではMACアドレスを用いる)603を関連付けて記憶する。
【0042】
上記の各データベースは、地図情報、通信品質情報、運行管理情報、又は基地局情報を記憶する記憶部だけを備え、サーバ側制御装置311がそれらのデータベースの更新・検索処理を行ってもよいし、各データベースに上記記憶部の情報の更新・検索処理を行うエンジンを搭載したものでもよい。
【0043】
図2に戻り、ダンプ20に搭載される車載端末装置26は、端末側制御装置261、端末側入力装置262、端末側表示装置263、端末側通信装置264、通信バス265、端末側地図情報DB266、走行制御装置267、外界センサ装置268、及び位置算出装置269を含んで構成される。
【0044】
端末側制御装置261は、車載端末装置26の各構成要素の動作を制御するものであり、CPU等の演算・制御装置、ROMやRAM、HDD等の記憶装置を含むハードウェアと、車載端末装置26により実行されるソフトウェアとを含んで構成される。これらのハードウェアがソフトウェアを実行することにより、車載端末装置26の各機能が実現される。
【0045】
端末側入力装置262は、タッチパネルや各種スイッチなどの入力装置により構成され、オペレータからの入力操作を受け付けるインターフェースとして機能する。
【0046】
端末側表示装置263は、液晶モニタ等により構成され、オペレータに対して情報を表示して提供するインターフェースとして機能する。
【0047】
端末側通信装置264は、Wi‐FiやIEEEの規格に適合した汎用の無線通信装置を用いてもよい。
【0048】
通信バス265は、各構成要素を互いに電気的に接続する。
【0049】
端末側地図情報DB266は、HDDなど固定的に記憶する記憶装置を用いて構成され、マスタ地図情報DB316に格納された地図情報と同じ地図情報を格納する。
【0050】
走行制御装置267は、ダンプ20の加速装置、制動装置、及びステアリング装置等、ダンプ20の走行に関わる走行駆動装置に対し、加減速量、制動量、ステアリング角度を伝達するための制御装置である。
【0051】
外界センサ装置268は、ミリ波レーダや前方カメラなど、ダンプ20の走行方向(進行方向)前方及び周辺の障害物を検知するためのセンサであり、その種類は問わない。外界センサ装置268の検知結果は、端末側制御装置261に出力され、通常時は走行路から離脱しないように走行位置の監視や加減速に用いられ、緊急時には干渉回避動作に用いられる。
【0052】
位置算出装置269は、航法衛星50−1、50−2、50−3(
図1参照)からの測位電波を基に自車両の現在位置を算出する。
【0053】
次に
図7を参照して運行管理サーバ及び車載端末装置の機能構成について説明する。
図7は、運行管理サーバ及び車載端末装置の機能ブロックを示す図である。
【0054】
図7に示すように、運行管理サーバ31のサーバ側制御装置311は、走行許可区間設定部311a、基地局切替処理部311b、サーバ側通信制御部311c、入力制御部311d、及び表示制御部311eを備える。
【0055】
走行許可区間設定部311aは、マスタ地図情報DB316の地図情報と、運行管理情報DB318とを参照し、各ダンプ20から目的地要求情報を受信すると、ダンプ20の目的地までの走行路を設定する。更に、ダンプ20から走行許可要求情報を受信すると、走行路60上におけるダンプ20の現在位置よりも前方に前方境界点を設定し、それよりも後ろに後方境界点を設定する。そして、前方境界点及び後方境界点の間の走行路60の部分区間を走行許可区間として設定する。
【0056】
走行許可区間の前方境界点よりも手前には、走行許可要求情報を送信するための許可要求区間が、またこの許可要求区間よりも更に手前には、基地局の切替動作を行う区間(切替処理区間)設定される。許可要求区間及び切替処理区間の詳細は、
図9を参照して後述する。
【0057】
基地局切替処理部311bは、ダンプ20の接続先として設定されている基地局を新たな基地局に切り替える必要があるか否かを判定する。より具体的には、許可要求区間に含まれる各地点の通信品質指標値を基に、運搬車両及び当該運搬車両の接続先として設定されている基地局と許可要求区間との間の通信接続状況が、基地局の切替が必要であると判定するために設けられた切替条件を満たすか否かを判定する。そして、切替条件を充足する場合に、運行管理情報、基地局情報及び通信品質情報を基に、接続先として設定されている基地局よりも、許可要求区間における通信接続状況が良好である他の基地局を新たな接続先の基地局として特定する。
【0058】
上記切替条件は、許可要求区間に含まれる各地点の通信品質指標値の最小値が、基地局の切替が必要と判断するために設定された閾値を下回ることとしてもよい。これにより、許可要求区間のどのノードも上記閾値以上の通信品質指標値を有するので、走行許可要求情報をより確実に基地局に送信することができる。
【0059】
サーバ側通信制御部311cは、各ダンプ20との間で無線通信を行う制御を行う。よ
り具体的には、各ダンプ20から目的地要求情報及び走行許可要求情報を受信するととも
に、設定された走行許可区間を示す走行許可応答情報及び走行許可区間が設定できないこ
とを示す不許可応答情報、及び基地局切替処理部311
bから出力される基地局切替情報の送信を行う。
【0060】
入力制御部311dは、ユーザがサーバ側入力装置312に対して行った操作を受け付ける。例えば、ユーザがサーバ側入力装置312を用いて運行管理情報DB318に格納された運行管理情報に対する編集操作を行うことで走行許可区間の入力・編集を行うことができる。なお、入力制御部311d及びサーバ側入力装置312をまとめて入力部ともいう。
【0061】
表示制御部311eは、サーバ側表示装置313に表示する画像の生成、及び表示制御処理を行う。なお、表示制御部311e及びサーバ側表示装置313をまとめて表示部ともいう。
【0062】
次に車載端末装置26について説明する。車載端末装置26の端末側制御装置261は、走行制御部261a、端末側通信制御部261b、要求情報処理部261c、及び車載端末装置26の接続先として設定された基地局を指定するための情報、例えば基地局のMACアドレスやチャンネルを記憶する接続先情報記憶部261dを備える。以下では、MACアドレスが記憶されている場合を例に挙げて説明する。
【0063】
走行制御部261aは、位置算出装置269から取得した自車両の現在位置、端末側地図情報DB266の地図情報、及び走行許可応答情報に含まれる走行許可区間に従って、自律走行させるための制御を走行制御装置267に対して行う。また、走行制御部261aは、外界センサ装置268の検知結果に基づいて前方障害物の有無を判定し、障害物との干渉、衝突の回避動作の有無も判定し、必要があれば制動動作のための制御を行う。
【0064】
端末側通信制御部261bは、運行管理サーバ31との間で無線通信を行う制御を行う。例えば、車載端末装置26が運行管理サーバ31から基地局切替情報を受信すると、端末側通信制御部261bは、接続先情報記憶部261dに記憶されているMACアドレスを、基地局切替情報に含まれる切替先の基地局のMACアドレスに切り替える(上書きする)。そして、上書きしたMACアドレスを用いて運行管理サーバ31に対して走行許可要求情報を送信する。これにより、基地局切替情報により指定された新たな基地局を経由して運行管理サーバ31に走行許可要求情報が送信される。
【0065】
運行管理サーバ31のサーバ側通信制御部311cは、走行許可要求情報に応じて設定した走行許可区間を示す走行許可応答情報を車載端末装置26に対して送信する。その際、サーバ側通信制御部311cは、走行許可要求情報に含まれる基地局のMACアドレスを走行許可応答情報の経由基地局として設定する。これにより、上記基地局切替情報で設定された基地局を経由して走行許可応答情報が車載端末装置26に送信される。
【0066】
端末側通信制御部261bは、走行許可応答情報を受信すると走行制御部261aに出力する。
【0067】
要求情報処理部261cは、ダンプ20の現在位置、地図情報を参照して走行許可要求情報を生成し、許可要求区間に到達すると端末側通信制御部261bに出漁区する。また、各ダンプ20の走行開始にあたり、目的地が設定されていない場合には、目的地の設定を要求するための目的地要求情報を生成する。
【0068】
次に
図8を参照して、運行管理サーバ及自律走行ダンプ間で送受信される情報のフォーマットについて説明する。
図8は、運行管理サーバ及び自律走行ダンプ間で送受信される情報のフォーマットを示す図であって、(a)は、基地局切替情報フォーマットを示し、(b)は、走行許可要求情報フォーマットを示し、(c)は、走行許可応答情報フォーマットを示す。
【0069】
図8の(a)に示すように、基地局切替情報フォーマット800は、大きくは、「ヘッダ」810及び「ボディ」820を含んで構成される。「ヘッダ」810は、最終的な送信先、即ち端末側通信装置264を特定するための「最終IPアドレス」811と、各ダンプ20が無線通信を行う際に接続する「接続先基地局のMACアドレス」812とを含む。更に、図示は省略するものの、基地局切替情報の送信元を特定するための情報としてサーバ側通信装置314のMACアドレスを含んでもよい。
【0070】
「ボディ」820は、大きくは「データ特定情報」821、切替後の基地局情報として「切替後の基地局のMACアドレス」822、及び切替地点情報として「切替地点のノードID」823を含む。「データ特定情報」821は、データの種別を示す「基地局切替情報に対応する情報種別情報」821aと、そのデータ種別においてシーケンシャルに割り当てられた「データ番号」821bとを含む。「基地局切替情報に対応する情報種別情報」821a及び「データ番号」821bを組み合わせることで、基地局切替情報を固有に特定することができる。
【0071】
走行許可要求情報フォーマット830(
図8の(b))、走行許可応答情報フォーマット860(
図8の(c))も、基地局切替情報フォーマット800と同様、「ヘッダ」840、870と、「ボディ」850、880とを含んで構成される。走行許可要求情報フォーマット830の「最終IPアドレス」841は、サーバ側通信装置314を特定するためのIPアドレスであり、走行許可応答情報フォーマット860の「最終IPアドレス」871は、端末側通信装置264を特定するためのIPアドレスである。
【0072】
「ボディ」850、880は、基地局切替情報フォーマット800の「ボディ」820と同様、「データ特定情報」851、881を含む。「データ特定情報」851は、「走行許可要求情報に対応する情報種別情報」851a及び「データ番号」851bを含む。「データ特定情報」881は、「走行許可応答情報に対応する情報種別情報」881a及び「データ番号」881bを含む。
【0073】
「データ番号」851bは、走行許可応答情報が生成されるトリガとなった走行許可要求情報フォーマット830に含まれる「データ番号」821bと同じ番号を含む。これにより、どのダンプから送られたどの走行許可要求情報に対する応答情報であるかを判別でき、運行管理サーバ31からブロードキャスト送信された場合であっても、各ダンプ20が自車両あての走行許可応答情報であるかを識別することができる。
【0074】
「ボディ」850は、走行許可要求情報を送信したダンプに関するダンプ情報852として、ダンプを固有に識別する「ダンプID」852a、位置算出装置269が算出した自車両の現在位置を示す「ダンプ現在位置情報」852b、及び走行速度やタイヤ空気圧等ダンプの状態を示す「状態情報」852cを含む。
【0075】
「ボディ」880は、新たに設定された走行許可区間情報882として、走行許可区間の最前端のノードIDである「前方境界点ID」882a、走行許可区間の最後端のノードIDである「後方境界点ID」882b、及び「後方境界点ID」882bから「前方境界点ID」882aまでの走行路60の部分区間に対して設定されている「制限速度」882cを含む。
【0076】
図8を参照して、ダンプ20に対して接続先の基地局をAP1からAP2に切り替える処理について説明する。現在接続先の基地局としてAP1が設定されているという情報は、運行管理サーバ31では運行管理情報テーブル500の「設定中の基地局ID」508に格納されており、ダンプ20は接続先情報記憶部261dに記憶されている。ダンプ20では基地局切替情報を送信する場合、基地局切替情報フォーマット800の「接続先基地局のMACアドレス」812は、現在の基地局としてAP1のMACアドレスが相当し、「ボディ」820の「切替後の基地局のMACアドレス」822は、AP2のMACアドレスが相当する。
【0077】
ダンプ20に搭載された車載端末装置26は、上記基地局切替情報を受信すると、接続先の基地局をAP1からAP2に切替え、走行許可要求情報フォーマット830の「接続先基地局のMACアドレス」842にAP2のMACアドレスを用いる。これにより、AP2を経由して走行許可要求情報が運行管理サーバ31に送信される。
【0078】
運行管理サーバ31は、走行許可応答情報フォーマット860の「接続先基地局のMACアドレス」872として、その走行許可応答情報に対応する走行許可要求情報に含まれていた「接続先基地局のMACアドレス」842を用いる。これにより、走行許可応答情報も、基地局切替情報により切り替えられた基地局を経由して運行管理サーバ31からダンプ20の車載端末装置26に送信される。
【0079】
次に
図9を参照して自律走行の処理動作について説明する。
図9は、走行許可区間の設定処理を示す図であって、(a)は走行許可区間nを走行中の状態を示し、(b)は、切替処理区間に到達した状態を示し、(c)は許可要求区間に到達した状態を示し、(d)は、次の走行許可区間が設定された状態を示す。
【0080】
図9の(a)〜(c)では、走行路60はノードは図中の丸印で、リンクは図中の隣接する丸印を結ぶ線で示される。走行許可区間nの後方境界点はBP_bn、前方境界点はBP_fnで示す。
【0081】
前方境界点はBP_fnからそれよりも手前のノードRP_fまでは、ダンプ20が前方境界点BP_fnからはみ出すことなく停車できる距離を有する安全余裕区間である。安全余裕区間の距離は、走行許可区間設定部311aがダンプ20のブレーキ停止性能を基に算出される。
【0082】
安全余裕区間の手前には、許可要求区間(前方端点RP_f、後方端点RP_bの間の部分区間)が設けられる。許可要求区間の更に手前には、切替処理区間(前方端点SWP_f、後方端点SWP_bの間の部分区間)が設けられる。切替処理区間は、許可要求区間の後方端点RP_bを起点とし、基地局の切替動作に要する時間にダンプの実際の走行速度、又は走行路の制限速度を乗算した距離を空けて基地局切替地点SWP_bを設けることにより設定される。すなわち、許可要求区間の後方端点RP_bから基地局切替地点SWP_bまでの間が切替処理区間に相当する。上記「基地局の切替動作に要する時間」は、無線機の基地局切替方式に依存する。なお本実施形態では、切替処理区間は許可要求区間に連続して設けられるので、切替処理区間の前方端点SWP_fと許可要求区間の後方端点RP_bとは同一のノードである。
【0083】
切替処理区間を実際のダンプの走行速度を基に設定する場合には、ダンプ20の実際の挙動に応じた距離で切替処理区間が設定できるので、基地局の切替動作を確実に終了しつつ、より短い距離で切替処理区間を設定することができる。
【0084】
切替処理区間を走行路の制限速度を基に設定する場合には、ダンプの走行速度は走行路の制限速度を超えることがないので、ダンプ20の走行速度が不明であっても基地局の切替動作を確実に終了できる距離で切替処理区間を設定することができる。
【0085】
ダンプ20が走行許可区間nを走行中(
図9の(a))、基地局切替情報を受信し、切替処理区間に到達すると(
図9の(b))、接続先の基地局を基地局切替情報に記載された基地局に切り替える。例えば、ダンプ20は、AP1からAP2へ切り替える。
【0086】
運行管理サーバ31は、走行許可区間nのうち、ダンプ20の後方の区間を他のダンプに対して走行許可が行えるように解放する。この解放された区間を解放区間という。
【0087】
さらにダンプ20が走行して許可要求区間に到達すると(
図9の(c))、切替後の基地局(上述の例ではAP2)を接続先にして走行許可要求情報を送信し、新たな走行許可区間n+1の設定情報を含む走行許可要求情報を受信すると、新たな走行許可区間n+1に従って走行を続ける(
図9の(d))。
【0088】
もし許可要求区間(
図9の(c))内でダンプ20が走行許可応答情報を受信しない場合、即ち、許可要求区間の前方端点RP_fに達しても走行許可応答情報を受信しない場合、ブレーキを作動して停止動作を行う。この場合安全余裕区間が設定されているので、前方境界点BP_fnを超えることなく停止でき、ダンプ20が前方車両と干渉することを防ぐ。
【0089】
次に
図10を参照して、本実施形態に係る無線システムの動作の流れについて説明する。
図10は、無線システムにおける各構成要素の動作順序を示すシーケンス図である。
【0090】
図10の処理を開始する際、ダンプ20は停止状態、基地局(AP1、AP2)及び運行管理サーバ31の主電源がONになっているものとする。各ダンプ20は、次の目的地が設定されていない状態では走行できない。そこで、要求情報処理部261cは、走行制御部261aが走行許可区間情報を有していない状態、例えば積込場又は放土場で停止中である場合、目的地要求情報を基地局(AP1)介して運行管理サーバ31に対して送信する(S1001、S1002)。
【0091】
サーバ側通信制御部311cは、目的地要求情報を受信し、走行許可区間設定部311aに出力する(S1003)。走行許可区間設定部311aは、ダンプ20の現在位置情報及びマスタ地図情報DB316の地図情報を参照し、目的地を決定し(S1004)、その内容を示す目的地応答情報を生成する。このとき、走行許可区間設定部311aは、運行管理情報にダンプ20の目的地を記録する。本実施形態では、走行許可区間設定部311aが目的地の設定を行ったが、走行許可区間設定部311aとは異なる、目的地の設定だけを行うモジュール(例えば配車管理部)を設けてもよい。
【0092】
走行許可区間設定部311aは、サーバ側通信制御部311cに目的地応答情報を出力する(S1005)。
【0093】
サーバ側通信制御部311cは、基地局(AP1)を介して目的地応答情報をダンプ20に返信する(S1006、S1007)。
【0094】
要求情報処理部261cは、目的地応答情報を受信すると走行許可区間要求情報(現在位置情報を含む)を基地局(AP1)を介して運行管理サーバ31に対して送信する(S1008、S1009)。
【0095】
サーバ側通信制御部311cは、走行許可区間要求情報を走行許可区間設定部311aに出力し(S1010)、走行許可区間設定部311aが走行許可区間を設定し(S1011)、その内容を示す走行許可応答情報を生成する。このとき、走行許可区間設定部311aは、運行管理情報DB318の運行管理情報にダンプ20に対して設定した走行許可運行管理情報を記録する。
【0096】
走行許可区間設定部311aは、サーバ側通信制御部311cに走行許可応答情報を出力する(S1012)。
【0097】
サーバ側通信制御部311cは、走行許可応答情報を基地局(AP1)を介してダンプ20に送信する(S1013、S1014)。ダンプ20は、走行許可応答情報を受信すると、走行を開始する(S1015)。
【0098】
上記ステップS1012において走行許可区間設定部311aは、サーバ側通信制御部311cに走行許可応答情報を出力するとともに、基地局切替処理部311bに対して走行許可区間を設定したことを通知する(S1016)。
【0099】
基地局切替処理部311bは、走行許可区間設定通知を取得すると、基地局切替要否判定処理を実行する(S1017)。基地局切替要否判定処理は後述する。
【0100】
基地局切替処理部311bは、基地局切替要否判定処理において、切替が必要であると判断すると、基地局(AP1)を介して基地局切替情報をダンプ20へ送信する(S1018、S1019、S1020)。
【0101】
ダンプ20の端末側通信制御部261bは、基地局切替情報を受信すると、位置算出装置269からの現在位置及び端末側地図情報DB266の地図情報を参照し、ダンプ20が切替地点に到達するまでは接続先情報記憶部261dに記憶されている接続先の基地局(AP1)を維持する。そして、端末側通信制御部261bが、切替地点に到達したと判断すると、接続先情報記憶部261dに記憶されている基地局情報を、基地局切替情報に記載された接続先の基地局(AP2)に更新する。
【0102】
要求情報処理部261cが走行許可要求情報を生成して端末側通信制御部261bに出力すると、端末側通信制御部261bは、基地局(AP2)を介して(S1022)、運行管理サーバ31に走行許可要求情報を送信され(S1023)、走行許可区間設定部311aに出力される(S1024)。
【0103】
次に
図11乃至
図12を参照して、本実施形態に係る無線システムの動作の流れについて説明する。
図11は、基地局切替要否判定処理の流れを示すフローチャートである。
図12は、切替先の基地局とダンプの現在位置との関係を示す図である。
【0104】
走行許可区間設定部311aは、走行許可区間を設定すると、設定された走行許可区間
内の予め定められた安全余裕区間及び許可要求区間を示す走行許可設定通知を基地局
切替処理部311bに出力する。
【0105】
基地局切替処理部311bは、走行許可区間設定通知を取得すると(S1101/Yes)、運行管理情報(
図5)の「設定中の基地局ID」508を参照し、走行許可区間が設定されたダンプ20の接続先の基地局を特定する。
【0106】
ついで基地局切替処理部311bは、通信品質情報(
図4)を参照し、特定された接続先の基地局と許可要求区間内の全ノードとの通信品質指標値を取得して、許可要求区間の通信品質状況が切替条件を充足しているかを判定する。切替条件を充足していると(S1102/Yes)、基地局切替処理部311bは、基地局情報を参照し新たな接続先の基地局として、ダンプ20の接続先として設定されている基地局よりも、ダンプ20の目的地に向かう走行路に沿って前方、かつ直近に位置する他の基地局を切替先の基地局として特定する(S1103)。
【0107】
図12は、ダンプ20の目的地に向かう走行路を実線で、それ以外の走行路(脇道)を点線で示す。脇道沿いに現在位置に最も近い基地局(AP3)があるとする。この場合、ダンプ20と基地局(AP3)の距離D3よりも、基地局(AP2)との距離D2の方が遠くても、基地局(AP3)は目的地に向かう走行路に沿っていないので、前方かつ直近の基地局として基地局(AP2)を切替先の基地局として選択する。これにより、ダンプは目的地に向かって走行するに従って切り替えた基地局にも近づき、通信状況がより良好になる。
【0108】
さらに、上記の例では基地局(AP3)を選択しないことで、基地局(AP1)から基地局(AP3)、そして基地局(AP2)といった頻回のハンドオーバを避け、安定的な通信環境を提供することができる。
【0109】
基地局切替処理部311bは、前方境界点から、安全余裕距離と、切替距離だけ離れた地点に基地局切替地点を設定する(S1104)。
【0110】
基地局切替処理部311bは、切替先の基地局情報及び切替地点を含む基地局切替情報を生成し、ダンプ20へ送信する(S1105)。
【0111】
走行許可区間設定通知を取得しない場合(S1101/No)、及び許可要求区間の通信状況が切替条件を充足しない場合(S1102/No)は、基地局の切替不要と判断し、ステップS1101へ戻る。
【0112】
以上に説明した手順によって、ダンプは基地局の切替を、走行許可要求情報の送信前に確実に実施することができる。これにより、走行許可要求情報の通信エラーに起因する自律走行ダンプが停止を抑止することができる。
【0113】
上記した実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明の範囲を上記実施形態に限定する趣旨ではない。当業者は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、他の様々な態様で本発明を実施することできる。
【0114】
例えば、上記実施形態では、運行管理サーバに基地局切替処理部を搭載したが、ダンプに搭載してもよい。この場合、車載端末装置に基地局情報DB及び基地局切替処理部を備えておく。そして、車載端末装置の端末側通信制御部が走行許可応答情報を運行管理サーバから受信したことをトリガとして、上記実施形態で説明したのと同様の処理が実行されるように構成してもよい。
【0115】
また、上記では、走行許可応答情報にダンプの接続先となる基地局のMACアドレスを含めたが、端末側通信制御部が走行許可要求情報を送信した後、走行許可応答情報を取得するか、許可要求区間の前方端点に到達するでは、接続先の基地局との間の通信を維持するように構成し、走行許可応答情報にダンプの接続先となる基地局のMACアドレスを含めることなく、上記接続先の基地局から走行許可応答情報を受信できるように構成してもよい。
【0116】
また切替条件は、許可要求区間の各ノードの通信品質指標値の最小値と閾値との比較に限らず、許可要求区間の各ノードの通信品質指標値の平均値、中央値、最頻値と閾値との比較でもよい。