(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記指状態特定部は、前記複数の圧力センサのうちの第1の閾値より大きい第1の強度分類に属する前記圧力値が得られた圧力センサと、前記第1の閾値より小さく第2の閾値より大きい第2の強度分類に属する前記圧力値が得られた圧力センサとの組み合わせに基づいて、前記複数の指のうちの前記伸長状態にある指を特定する
ことを特徴とする請求項7に記載の情報処理装置。
前記伸長状態にある指の組み合わせ毎に、前記複数の圧力センサから取得した前記圧力値に基づいて、前記第1の強度分類に属する前記圧力値が得られた圧力センサと、前記第2の強度分類に属する前記圧力値が得られた圧力センサとの組み合わせを、その伸長状態にある指の組み合わせからなる手の状態に対応付けて記憶部に記憶させておく学習部をさらに備え、
前記指状態特定部は、前記取得部によって取得された前記ユーザの手首の筋肉からの圧力値から、前記第1の強度分類に属する前記圧力値が得られた圧力センサと、前記第2の強度分類に属する前記圧力値が得られた圧力センサとの組み合わせを特定し、前記記憶部にて当該組み合わせに対応付けられている前記手の状態を特定する
ことを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。
前記取得部は、前記ユーザの一方の手の複数の指の各々の状態を特定可能な第1の情報と、前記ユーザの他方の手の複数の指の各々の状態を特定可能な第2の情報とを取得し、
前記指状態特定部は、前記取得部によって取得された前記第1の情報に基づいて、前記ユーザのいずれか1本の指による前記操作部の接触操作が行われたときの、前記ユーザの一方の手の複数の指の各々の状態を特定するとともに、前記取得部によって取得された前記第2の情報に基づいて、前記ユーザのいずれか1本の指による前記操作部の接触操作が行われたときの、前記ユーザの他方の手の複数の指の各々の状態を特定し、
前記機能実行部は、前記指状態特定部によって特定された前記一方の手の複数の指の各々の状態と、前記指状態特定部によって特定された前記他方の手の複数の指の各々の状態と、前記1本の指による前記操作部の接触操作の種類との組み合わせに対応付けられている機能を、前記ユーザのいずれか1本の指による前記操作部の接触操作に応じて実行する
ことを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る操作制御システム1の機能構成例を示すブロック図である。
図1に示す操作制御システム1は、車載装置10とリストバンド20とを備えて構成されている。
【0014】
車載装置10は、特許請求の範囲に記載の情報処理装置の一例であって、自動車等の車両に搭載されている装置である。車載装置10は、例えば、ナビゲーション機能、オーディオ機能等を備えている。
【0015】
リストバンド20は、特許請求の範囲に記載の外部機器の一例であって、
図2(b)に示すようにユーザの手首に装着される装置である。
図2(a)に示すように、リストバンド20は、複数の圧力センサ21および送信部22を備えている。これにより、リストバンド20は、複数の圧力センサ21によってユーザの手首から検出した圧力値を車載装置10へ送信できるようになっている。
【0016】
図1に示すように、車載装置10は、ディスプレイ101、タッチパネル102、スピーカ103、指状態特定情報記憶部104および対応機能情報記憶部105を備えている。また、車載装置10は、その機能構成として、取得部111、指状態特定部112、機能実行部113および学習部114を備えている。
【0017】
上記各機能ブロック111〜114は、ハードウェア、DSP(Digital Signal Processor)、ソフトウェアの何れによっても構成することが可能である。例えばソフトウェアによって構成する場合、上記各機能ブロック111〜114は、実際にはコンピュータのCPU、RAM、ROMなどを備えて構成され、RAMやROM、ハードディスクまたは半導体メモリ等の記録媒体に記憶されたプログラムが動作することによって実現される。
【0018】
ディスプレイ101は、各種情報(例えば、メニュー画面、地図画面、オーディオ操作画面等)を表示する。ディスプレイ101には、例えば液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等が用いられる。スピーカ103は、各種音声(例えば、ナビゲーション案内音声、オーディオ音声等)を出力する。
【0019】
タッチパネル102は、各種操作(例えば、メニュー操作、地図画面の拡大操作、地図画面の縮小操作、ボリュームアップ操作、ボリュームダウン操作等)を行うための操作部の一例である。タッチパネル102は、ディスプレイ101の表面に重ねて設けられている。なお、本発明の操作部は、タッチパネルに限らず、タッチパネル以外の他の装置(例えば、1本の指で操作可能なハードウェアキー等)であってもよい。
【0020】
指状態特定情報記憶部104は、ユーザの手の状態(複数の指の各々の状態の組み合わせ)を特定するための情報(以下、「指状態特定情報」と称する)を記憶する。指状態特定情報は、リストバンド20が備える8つの圧力センサ21の圧力値の組み合わせに関する3つのパターンに対し、ユーザの手の3つの状態(「人差し」、「パー」、「チョキ」)を対応付けて記憶したものである。なお、指状態特定情報の詳細については、
図3を用いて後述する。
【0021】
対応機能情報記憶部105は、ユーザの手の状態とタッチパネル102に対する接触操作の内容とに応じて機能実行部113によって実行される機能を特定するための情報(以下、「対応機能情報」と称する)を記憶する。対応機能情報は、ユーザの3つの手の状態(「人差し」、「パー」、「チョキ」)と2種類の接触操作(タッチ、スワイプ)との組み合わせに応じて、機能実行部113によって実行される機能を対応付けて記憶したものである。なお、対応機能情報の詳細については、
図4を用いて後述する。
【0022】
取得部111は、ユーザの複数の指の各々の状態を特定可能な情報(以下、「指状態特定可能情報」と称する)を取得する。指状態特定部112は、取得部111によって取得された指状態特定可能情報に基づいて、ユーザのいずれか1本の指によるタッチパネル102の接触操作が行われたときの、ユーザの手の状態(複数の指の各々の状態の組み合わせ)を特定する。機能実行部113は、指状態特定部112によって特定されたユーザの手の状態(複数の指の各々の状態の組み合わせ)に対応付けられている機能を、タッチパネル102の接触操作に応じて実行する。
【0023】
本実施形態では、取得部111は、指状態特定可能情報として、リストバンド20から送信された、ユーザの手首の筋肉からの圧力値を取得する。これに応じて、指状態特定部112は、取得部111によって取得されたユーザの手首の筋肉からの圧力値に基づいて、指状態特定情報記憶部104に記憶されている指状態特定情報を参照することにより、複数の指のうちの伸長状態にある指の組み合わせを特定する。
【0024】
本実施形態では、リストバンド20は、8つの圧力センサ21によって検出された圧力値を、繰り返し送信するようになっている。これに応じて、取得部111は、リストバンド20から送信された圧力値を繰り返し取得する。指状態特定部112は、取得部111が繰り返し取得した圧力値のうち、タッチパネル102に対する接触がなされた直前に取得した圧力値に基づいて、指状態特定情報記憶部104に記憶されている指状態特定情報を参照することにより、複数の指のうちの伸長状態にある指の組み合わせを特定する。
【0025】
また、本実施形態では、指状態特定部112は、複数の圧力センサ21のうちの第1の閾値th1より大きい圧力値(第1の強度分類に属する圧力値)が得られた圧力センサと、第1の閾値th1より小さく第2の閾値th2より大きい圧力値(第2の強度分類に属する圧力値)が得られた圧力センサとの組み合わせに基づいて、複数の指のうちの伸長状態にある指の組み合わせを特定する。そして、機能実行部113は、対応機能情報記憶部105に記憶されている対応機能情報にて、指状態特定部112によって特定された伸長状態にある指の組み合わせに対応付けられている機能を、タッチパネル102の接触操作に応じて実行する。
【0026】
学習部114は、ユーザの手首にリストバンド20が装着されたとき、ユーザの手の状態(伸長状態にある指の組み合わせ)毎に、ユーザの手首の筋肉からの圧力値を8つの圧力センサ21から取得する。そして、学習部114は、取得した手の状態毎の圧力値に基づいて、手の状態毎の指状態特定情報を生成し、当該指状態特定情報を指状態特定情報記憶部104に記憶させる。
【0027】
例えば、ユーザが車載装置10を学習モードに切り換えて、手を各状態(例えば、「人差し」、「パー」、「チョキ」)に順次変化させる。これにより、学習部114は、ユーザの手の状態毎に、8つの圧力センサ21によって検出された圧力値を、取得部111を介してリストバンド20から取得する。そして、学習部114は、
図3に示すように、手の状態毎に、8つの圧力センサ21のうち、第1の強度分類に属する圧力値(圧力値>第1のth1)が得られた圧力センサ21に「○」を設定し、第2の強度分類に属する圧力値(第1の閾値th1>圧力値>第2の閾値th2)が得られた圧力センサ21に「△」を設定し、それ以外の圧力センサ21に「−」を設定する。これにより、学習部114は、
図3に示すような、手の状態毎に圧力センサ毎の強度分類が設定された指状態特定情報を生成する。そして、学習部114は、生成した指状態特定情報を、指状態特定情報記憶部104に記憶させる。
【0028】
このように、ユーザの手首の筋肉から検出した圧力値に基づく指状態特定情報を学習部114によって生成し、指状態特定情報記憶部104に記憶させておくことにより、指状態特定部112は、取得部111によって取得されたユーザの手首の筋肉からの圧力値から、第1の強度分類に属する圧力値が得られた圧力センサ21と、第2の強度分類に属する圧力値が得られた圧力センサ21との組み合わせを特定して、組み合わせに対応付けられている手の状態を、指状態特定情報記憶部104に記憶されている指状態特定情報から特定することができる。
【0029】
このように、本実施形態の車載装置10は、ユーザが手首にリストバンド20を装着したときに、実際にユーザの手首の筋肉から検出した圧力値に基づいて指状態特定情報を生成するため、リストバンド20の取り付け位置(手首に対する基部20Aの回転角度)のユーザ毎の差異を吸収することができる。
【0030】
また、本実施形態の車載装置10は、第1の強度分類が得られた圧力センサ21と、第2の強度分類が得られた圧力センサ21との組み合わせにより、ユーザンの手の状態を特定するようにし、第1の強度分類および第2の強度分類に圧力値の幅を持たせるようにしたため、8つの圧力センサ21から得られる圧力値のユーザ毎の差異を吸収して、ユーザを問わずユーザの手の状態を一意に特定することができる。
【0031】
〔リストバンド20の構成例〕
図2は、本発明の第1実施形態に係るリストバンド20の構成例を示す図である。
図2(a)に示すように、リストバンド20は、円環状の基部20Aを備えている。
図2(b)に示すように、リストバンド20は、基部20Aの筒内をユーザの手首が通されることにより、ユーザの手首に装着される。
【0032】
基部20Aの内周面には、8つの圧力センサ21が周方向に並べて配置されている。これにより、リストバンド20をユーザの手首に装着したとき、各圧力センサ21が、ユーザの手首の外周面に沿って配置されることとなる。そして、各圧力センサ21は、ユーザの手首の皮膚表面を介して、ユーザの手首の筋肉からの圧力値を検出することができるようになる。
【0033】
基部20Aの外周面には、送信部22が設けられている。送信部22は、車載装置10との無線通信(例えば、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi、赤外線通信等)を行うことにより、8つの圧力センサ21によって検出されたユーザの手首の筋肉からの圧力値を車載装置10へ送信する。
【0034】
リストバンド20は、例えば、基部20Aの内径を手首よりも小さくしつつ、基部20Aに弾性部材(例えば、ゴム等)を用いたり、腕時計のベルトのように基部20Aを環状とする際の結合位置を調整可能な構成とすることにより、ユーザの手首に装着されたときに、複数の圧力センサ21がユーザの手首の皮膚表面に密着されるようにすることが好ましい。これにより、各圧力センサ21が、ユーザの手首の筋肉からの圧力値をより確実に検出できるようになる。
【0035】
〔指状態特定情報の一例〕
図3は、本発明の第1実施形態に係る指状態特定情報記憶部104に記憶されている指状態特定情報の一例を示す図である。
図3に示すように、指状態特定情報では、リストバンド20が備える8つの圧力センサ21の圧力値(強度分類)の組み合わせ毎に、手の状態(伸長状態にある指の組み合わせ)が示されている。
【0036】
図3に示す例では、手の状態の一例として、「人差し」、「チョキ」、「パー」が設定されている。「人差し」は、人差し指のみが伸長状態にある手の状態である。「チョキ」は、人差し指および中指が伸長状態にある手の状態である。「パー」は、全ての指が伸長状態にある手の状態である。
【0037】
図3において、「○」、「△」および「−」は、圧力センサ21から得られた圧力値の強度分類を示す記号である。「○」(第1の強度分類)は、圧力センサ21から得られた圧力値が比較的大きいことを示す。具体的には、「○」には、第1の閾値th1より大きい圧力値が分類される。「△」(第2の強度分類)は、圧力センサ21から得られた圧力値が比較的小さいことを示す。具体的には、「△」には、第1の閾値th1より小さく第2の閾値th2より大きい圧力値が分類される。「−」は、圧力値が極めて小さいこと(またはゼロ)を示す。具体的には、「−」には、第2の閾値th2より小さい圧力値が分類される。
【0038】
指状態特定部112は、
図3に示す指状態特定情報を参照して、8つの圧力センサ21のうちの第1の強度分類「○」に属する圧力値(圧力値>第1の閾値th1)が得られた圧力センサ21と、第2の強度分類「△」に属する圧力値(第1の閾値th1>圧力値>第2の閾値th2)が得られた圧力センサ21との組み合わせを特定することにより、その組み合わせに対応付けられている手の状態(「人差し」、「チョキ」、「パー」のいずれか)を特定することができる。
【0039】
例えば、圧力センサ3,5から第1の強度分類「○」に属する圧力値が得られ、且つ、圧力センサ7,8から第2の強度分類「△」に属する圧力値が得られた場合、指状態特定部112は、
図3に示す指状態特定情報に基づき、ユーザの手の状態が「人差し」であると特定する。
【0040】
ユーザが手を所定の状態としたとき、ユーザを問わず特定の手首の筋肉が動作して、その動作に応じた圧力がユーザの手首に生じることが知られている。特に、手の状態に応じて、比較的強い圧力値が得られる位置と、比較的弱い圧力値が得られる位置と、極めて弱い圧力値が得られる位置とが、それぞれユーザの手首に生じることが知られている。しかしながら、ユーザの手首の筋肉の筋力はユーザ毎にさまざまである。このため、ユーザの手首に生じる圧力値の大きさもユーザ毎にさまざまである。そこで、本実施形態では、上記したように第1の強度分類が得られた圧力センサ21と、第2の強度分類が得られた圧力センサ21との組み合わせにより、ユーザの手の状態を特定するようにし、すなわち、第1の強度分類および第2の強度分類に圧力値の幅を持たせるようにしている。これにより、8つの圧力センサ21から得られる圧力値のユーザ毎の差異を吸収して、ユーザを問わずユーザの手の状態を一意に特定することができるようにしている。
【0041】
〔対応機能情報の一例〕
図4は、本発明の第1実施形態に係る対応機能情報記憶部105に記憶されている対応機能情報の一例を示す図である。
図4に示すように、対応機能情報記憶部105に記憶されている対応機能情報では、手の状態(「人差し」、「チョキ」または「パー」)毎に、表示画面(「全て」、「地図画面」または「地図画面以外」)および接触操作の内容(「タッチ」または「スワイプ」)に応じて機能実行部113によって実行される機能が対応付けられている。
【0042】
機能実行部113は、指状態特定部112によって特定された手の状態と、タッチパネル102に対する接触操作の内容と、
図4に示す対応機能情報とに基づいて、実行する機能を特定する。
【0043】
例えば、
図4の対応機能情報によれば、ユーザの手の状態として「パー」が特定され、且つ、地図画面に対する「スワイプ」操作がなされた場合、機能実行部113は、地図拡大機能を実行する。また、ユーザの手の状態として「チョキ」が特定され、且つ、地図画面に対する「スワイプ」がなされた場合、機能実行部113は、地図縮小機能を実行する。また、ユーザの手の状態として「パー」が特定され、且つ、地図画面以外の表示画面に対する「スワイプ」操作がなされた場合、機能実行部113は、ボリュームアップ機能を実行する。また、ユーザの手の状態として「チョキ」が特定され、且つ、地図画面以外の表示画面に対する「スワイプ」操作がなされた場合、機能実行部113は、ボリュームダウン機能を実行する。
【0044】
また、
図4の対応機能情報によれば、表示画面の種類を問わず、ユーザの手の状態として「人差し」が特定され、且つ、「タッチ」操作がなされた場合、機能実行部113は、その表示画面にて通常の「タッチ」操作に割り当てられている機能を実行する。また、ユーザの手の状態として「人差し」が特定され、且つ、「スワイプ」操作がなされた場合、機能実行部113は、その表示画面にて通常の「スワイプ」操作に割り当てられている機能を実行する。
【0045】
すなわち、本実施形態では、ユーザの手の状態として「人差し」が特定された場合、機能実行部113によって実行される機能は、操作対象の表示画面において1本の指による通常の接触操作(タッチ操作またはスワイプ操作)による機能(例えば、ボタン操作、スクロール操作等)と同様である。一方、ユーザの手の状態として「パー」または「チョキ」が特定された場合、操作対象の表示画面において1本の指による通常の接触操作では成し得なかった機能(例えば、2本の指を用いたピンチイン/ピンチアウト操作による縮小/拡大機能等)を、機能実行部113によって実行できるようになっている。
【0046】
〔車載装置10による処理の一例〕
図5は、本発明の第1実施形態に係る車載装置10による処理の一例を示すフローチャートである。
図5に示す処理は、例えば、タッチパネル102による操作が可能な表示画面がディスプレイ101に表示されている間、車載装置10によって実行される。
【0047】
まず、8つの圧力センサ21によって検出された圧力値がリストバンド20から送信されてくる毎に、指状態特定部112が、当該圧力値をリストバンド20から取得部111を介して取得する(ステップS502)。また、指状態特定部112が、ユーザのいずれか1本の指によるタッチパネル102への接触がなされたか否かを判断する(ステップS504)。指状態特定部112は、タッチパネル102から所定の操作信号を受け取ったか否かによって、ユーザのいずれか1本の指によるタッチパネル102への接触がなされたか否かを判断することができる。ここで、ユーザのいずれか1本の指によるタッチパネル102への接触がなされていないと指状態特定部112が判断した場合(ステップS504:No)、車載装置10は、再度、リストバンド20から圧力値を取得して(ステップS502)、ステップS504の判断処理を行う。
【0048】
一方、ユーザのいずれか1本の指によるタッチパネル102への接触がなされたと指状態特定部112が判断した場合(ステップS504:Yes)、指状態特定部112が、ステップS502で取得された圧力値に基づいて、指状態特定情報記憶部104に記憶されている指状態特定情報(
図3参照)を参照することにより、ユーザの手の状態(「人差し」、「パー」または「チョキ」)を特定する(ステップS506)。
【0049】
その後、機能実行部113が、ステップS506にてユーザの手の状態として「パー」または「チョキ」が特定されたか否かを判断する(ステップS508)。ここで、「パー」または「チョキ」が特定されたと機能実行部113が判断した場合(ステップS508:Yes)、機能実行部113が、タッチパネル102へのスワイプ操作がなされたか否かを判断する(ステップS510)。ここで、タッチパネル102へのスワイプ操作がなされていないと機能実行部113が判断した場合(ステップS510:No)、機能実行部113が、再度、ステップS510の判断処理を行う。
【0050】
一方、タッチパネル102へのスワイプ操作がなされたと機能実行部113が判断した場合(ステップS510:Yes)、機能実行部113が、対応機能情報記憶部105に記憶されている対応機能情報(
図4参照)にて「パー」または「チョキ」に対応付けられている機能を、タッチパネル102へのスワイプ操作に応じて実行する(ステップS512)。そして、車載装置10は、
図5に示す一連の処理を終了する。
【0051】
ステップS508にて、「パー」または「チョキ」が特定されていないと機能実行部113が判断した場合(ステップS508:No)、機能実行部113が、ステップS506にてユーザの手の状態として「人差し」が特定されたか否かを判断する(ステップS514)。ここで、「人差し」が特定されていないと機能実行部113が判断した場合(ステップS514:No)、車載装置10は、いずれの機能も実行せずに、
図5に示す一連の処理を終了する。一方、「人差し」が特定されたと機能実行部113が判断した場合(ステップS514:Yes)、機能実行部113が、タッチパネル102に対する接触操作の内容(タッチまたはスワイプ)を特定する(ステップS516)。そして、機能実行部113が、ステップS516にて特定された接触操作による通常の機能を実行する(ステップS518)。そして、車載装置10は、
図5に示す一連の処理を終了する。
【0052】
以上説明したとおり、本発明の第1実施形態によれば、ユーザは、いずれか1本の指にてタッチパネル102の接触操作を行う際に、複数の指の各々を所定の状態に変化させることにより、複数の指の各々の状態に応じた機能を車載装置10に実行させることができる。特に、本発明の第1実施形態によれば、ユーザがタッチパネル102に指を接触させない限り、そのときの指の状態に応じた機能が実行されることはない。すなわち、本発明の第1実施形態によれば、誤動作を生じさせることなく、より多くの機能を1本の指によるタッチパネル102の接触操作で実行することができる。さらに、本発明の第1実施形態によれば、ユーザの手の状態として、伸長状態にある指の特定のみを行えばよいため、比較的簡単な構成により、ユーザの手の状態を特定することができる。
【0053】
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第1実施形態では、ユーザの一方の手首に装着される一つのリストバンド20を外部機器として用いる例を説明したが、第2実施形態では、ユーザの両方の手首に装着される二つのリストバンド20A,20Bを外部機器として用いる例を説明する。
【0054】
図6は、本発明の第2実施形態に係る操作制御システム1aの機能構成例を示すブロック図である。
図6に示す操作制御システム1aは、車載装置10の代わりに車載装置10aを備える点、および、一つのリストバンド20の代わりに二つのリストバンド20A,20Bを備える点で、
図1に示した操作制御システム1と異なる。リストバンド20A,20Bは、それぞれ、第1実施形態のリストバンド20と同様の構成を有する。リストバンド20Aはユーザの一方の手首に装着される。リストバンド20Bはユーザの他方の手首に装着される。
【0055】
車載装置10aは、指状態特定情報記憶部104、対応機能情報記憶部105、取得部111、指状態特定部112、機能実行部113、学習部114の代わりに、指状態特定情報記憶部104a、対応機能情報記憶部105a、取得部111a、指状態特定部112a、機能実行部113a、学習部114aを備える点で、
図1に示した車載装置10と異なる。
【0056】
指状態特定情報記憶部104aは、ユーザの一方の手の状態を特定するための指状態特定情報と、ユーザの他方の手の状態を特定するための指状態特定情報とを記憶する。各指状態特定情報は、第1実施形態の指状態特定情報(
図3参照)と同様である。すなわち、8つの圧力センサ21から取得した圧力値に基づく、第1の強度分類に属する圧力値が得られた圧力センサ21と、第2の強度分類に属する圧力値が得られた圧力センサ21との組み合わせに基づいて、手の状態(「人差し」、「パー」、「チョキ」)を特定できるように構成されている。
【0057】
学習部114aは、ユーザの一方の手首にリストバンド20Aが装着されたとき、ユーザの一方の手の状態毎に、リストバンド20Aの8つの圧力センサ21によって検出されたユーザの手首の筋肉からの圧力値を取得する。そして、学習部114aは、リストバンド20Aから取得した手の状態毎の圧力値に基づいて、ユーザの一方の手についての指状態特定情報を生成し、当該指状態特定情報を指状態特定情報記憶部104に記憶させる。
【0058】
また、学習部114aは、ユーザの他方の手首にリストバンド20Bが装着されたとき、ユーザの他方の手の状態毎に、リストバンド20Bの8つの圧力センサ21によって検出されたユーザの手首の筋肉からの圧力値を取得する。そして、学習部114aは、リストバンド20Bから取得した手の状態毎の圧力値に基づいて、ユーザの他方の手についての指状態特定情報を生成し、当該指状態特定情報を指状態特定情報記憶部104に記憶させる。
【0059】
対応機能情報記憶部105aは、ユーザの一方の手の状態(伸長状態にある指の組み合わせ)と、ユーザの他方の手の状態(伸長状態にある指の組み合わせ)との組み合わせ毎に、機能実行部113aによって実行される機能が対応付けられている対応機能情報を記憶する。
【0060】
図7は、本発明の第2実施形態に係る対応機能情報記憶部105aに記憶されている対応機能情報の一例を示す図である。
図7に示すように、対応機能情報記憶部105aに記憶されている対応機能情報では、一方の手の状態(「人差し」、「チョキ」または「パー」)と、他方の手の状態(「人差し」、「チョキ」または「パー」)との組み合わせ毎に、表示画面(「全て」、「地図画面」または「地図画面以外」)およびタッチパネル102に対する操作内容(「タッチ」または「スワイプ」)に応じて機能実行部113aによって実行される機能が対応付けられている。
【0061】
取得部111aは、リストバンド20A,20Bの各々から、8つの圧力センサ21によって検出されたユーザの手首の筋肉からの圧力値を取得する。
【0062】
指状態特定部112aは、リストバンド20Aから取得部111aを介して取得した圧力値(特許請求の範囲に記載の第1の情報に相当)に基づいて、指状態特定情報記憶部104aに記憶されているユーザの一方の手の状態を特定するための指状態特定情報を参照することにより、ユーザの一方の手の状態(伸長状態にある指の組み合わせ)を特定する。
【0063】
また、指状態特定部112aは、リストバンド20Bから取得部111aを介して取得した圧力値(特許請求の範囲に記載の第2の情報に相当)に基づいて、指状態特定情報記憶部104aに記憶されているユーザの他方の手の状態を特定するための指状態特定情報を参照することにより、ユーザの他方の手の状態(伸長状態にある指の組み合わせ)を特定する。
【0064】
機能実行部113aは、対応機能情報記憶部105aに記憶されている対応機能情報(
図7参照)を参照して、指状態特定部112aによって特定されたユーザの一方の手の状態と、指状態特定部112aによって特定されたユーザの他方の手の状態との組み合わせに対応付けられている機能を、ユーザの何れか1本の指(一方の手の指または他方の手の指のいずれであってもよい)によるタッチパネル102の接触操作に応じて実行する。
【0065】
例えば、ディスプレイ101に地図画面が表示されているときに、指状態特定部112aによって一方の手の状態が「チョキ」であると特定されるとともに、他方の手の状態が「パー」であると特定され、さらに、タッチパネル102によって「スワイプ」操作が行われたとする。この場合、
図7の対応機能情報によれば、機能実行部113aによって地
図2段階縮小機能が実行されることとなる。
【0066】
以上説明したとおり、本発明の第2実施形態によれば、ユーザは、いずれか1本の指にてタッチパネル102の操作を行う際に、両手の各々を所定の状態に変化させることにより、一方の手の状態と他方の手の状態との組み合わせに応じた機能を、車載装置10aに実行させることができる。すなわち、本発明の第2実施形態によれば、第1実施形態よりも組み合わせの数を多くすることができるため、より多くの機能を1本の指によるタッチパネル102の接触操作で実行することができる。
【0067】
なお、上記各実施形態では、手の状態(伸長状態にある指の組み合わせ)として、「人差し」、「チョキ」、「パー」のいずれか)を特定するようにしているが、本発明はこれに限らない。例えば、人差し指以外の指が1本だけ伸長している手の状態や、「チョキ」および「パー」以外にも、複数の指が伸長している手の状態を含めるようにしてもよい。特に上記第2実施形態においては、タッチパネル102の操作を行わない方の手の状態に「グー」(いずれの指も伸長状態にない手の状態)を含めるようにしてもよい。
【0068】
また、上記各実施形態では、外部機器としてリストバンド20,20A,20Bを用い、当該リストバンド20,20A,20Bの複数の圧力センサ21から取得した圧力値に基づいて複数の指の各々の状態を特定するようにしているが、本発明はこれに限らない。例えば、ユーザの手首に装着されたリストバンド以外の外部機器(例えば、ユーザの手首の皮膚表面に貼付可能なシート状の外部機器等)に設けられた複数の圧力センサから圧力値を取得し、取得した圧力値に基づいて複数の指の各々の状態を特定するようにしてもよい。
【0069】
また、例えば、外部機器として撮像装置を用い、当該撮像装置から複数の指が写し出されている画像を取得し、取得した画像に基づいて複数の指の各々の状態を特定するようにしてもよい。また、外部機器として複数の筋電センサを用い、当該複数の筋電センサから取得した筋電信号に基づいて、複数の指の各々の状態を特定するようにしてもよい。また、各指が伸長状態にあるか否かを自身で特定可能な外部機器(例えば、グローブ型コントローラ)から、各指が伸長状態にあるか否かを示す情報を取得し、取得した情報に基づいて、伸長状態にある指の組み合わせを特定するようにしてもよい。上記したいずれの外部機器を用いた場合であっても、比較的簡単な構成により、ユーザの手の状態を特定することができる。
【0070】
また、上記各実施形態では、リストバンド20,20A,20Bから送信された圧力値を車載装置10,10aが繰り返し取得し、タッチパネル102に対する接触がなされたときに、その直前に取得した圧力値を受け付けるようにしているが、本発明はこれに限らない。例えば、タッチパネル102に対する接触がなされたときに、車載装置10,10aからリストバンド20,20A,20Bへ圧力値を要求し、これに応じてリストバンド20,20A,20Bから送信された圧力値を取得して受け付けるようにしてもよい。
【0071】
また、
図5のフローチャートでは、指状態特定部112によって手の状態として「パー」または「チョキ」が特定されなかった場合、指状態特定部112によって手の状態として「人差し」が特定されたか否かを判断するようにしているが、本発明はこれに限らない。例えば、指状態特定部112によって手の状態として「パー」または「チョキ」が特定されなかった場合、「人差し」が特定されたか否かの判断を行うことなく、タッチパネル102に対する接触操作の内容(タッチまたはスワイプ)を特定して、特定された接触操作による通常の機能を実行するようにしてもよい。この場合、指状態特定部112による「人差し」の特定は不要である。したがって、
図3に示す指状態特定情報および
図4に示す対応機能情報において、「人差し」に対応する情報は不要である。
【0072】
その他、上記各実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。