【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、上記課題を解決するために提案されたものであって、本発明の第1の形態は、払拭体の装着用の把持部と前記把持部を前方側に多段に回動傾斜させて連結固定する連結部と前記連結部の後方側に取着されるハンドルからなる払拭体保持具であり、前記把持部の幅方向への頭部貫通孔を軸芯とする頭部内周面を有した筒状の頭部を前記把持部に突設し、大径部から外方に小径円板部を突設して軸芯に幅方向全長に亘って貫通孔内周面を有したロック貫通孔を形成し、且つ前記小径円板部の外周面に1個以上の係合凸部を配置した回転ロック部材を設け、前記頭部貫通孔の内部で回転不能に且つ前記幅方向に摺動自在に配置された2個の前記回転ロック部材を前記大径部が対面するように前記幅方向に配置し、前記連結部の先端に間隙部を間に挟んで一対の軸受突部を対向して突設し、前記軸受突部は対向面側の環状板部と外方側の押ボタン内嵌部と前記幅方向に開孔された軸受孔からなり、前記環状板部は内周縁に沿って複数の凹部が突板を介して交互に形成され、前記回転ロック部材の前記小径円板部が前記環状板部の軸受孔に前記間隙部から挿通されて前記係合凸部が前記凹部に噛合脱離可能に配置され、しかも前記大径部は前記環状板部に当接して前記回転ロック部材は前記頭部貫通孔から抜け出ることが阻止され、ボタン円板部にボタン突出部Bを形成した一対の押ボタンを配置し、前記ボタン突出部を前記軸受突部の外側から前記小径円板部の前記ロック貫通孔に挿通して、前記ボタン円板部を前記押ボタン内嵌部に嵌めこみ、前記ボタン突出部が前記ロック貫通孔から抜け出ることを規制する抜止規制手段が設けられ、前記ボタン突出部が前記ロック貫通孔の内部で回転することを規制する回転規制手段が設けられ、前記回転規制手段は、前記ボタン突出部にボタン側規制面を形成し、前記貫通孔内周面にロック側規制面を形成し、前記ボタン突出部を前記ロック貫通孔に挿通したときに、前記ボタン側規制面が前記ロック側規制面に面接触して相対移動不能になって前記押ボタンの回転が規制され、左右の前記押ボタンはスプリング手段による外方への付勢力により前記係合凸部が前記凹部に噛合して前記把持部の回動が阻止され、左右の前記押ボタンを押圧すると前記スプリング手段が圧縮されて前記係合凸部が前記凹部から脱離し、前記把持部の回動が可能になる両面押ボタン回転規制型払拭体保持具である。
【0018】
本発明の第2の形態は、前記ボタン突出部は筒状ボタン突出部であり、前記筒状ボタン突出部の外周面に周方向に設けられた1個以上のボタン平行面が前記ボタン側規制面として形成され、前記回転ロック部材の前記貫通孔内周面に周方向に設けられた1個以上のロック平行面がロック側規制面として形成され、筒状ボタン突出部を前記回転ロック部材の前記ロック貫通孔に挿通すると、前記ボタン平行面が前記ロック平行面に面接触するように前記回転規制手段Zが構成され、この平行面相互の面接触により前記押ボタンが前記ロック貫通孔の中で回転不能に規制される両面押ボタン回転規制型払拭体保持具である。
【0019】
本発明の第3の形態は、前記抜止規制手段は、前記ボタン平行面に規制爪が軸方向に切片状に形成され、前記規制爪はその先端又は中間位置にある規制爪段面と左右に規制爪側面を有した可撓性板から形成され、且つ前記規制爪段面は前記ボタン平行面より外方に突出するように形成され、前記回転ロック部材の前記小径円板部に抜止突部を残して前記ロック平行面に抜止溝が刻設され、前記抜止溝は前記抜止突部の側面である抜止突部内面と左右の抜止溝側面を有し、前記筒状ボタン突出部が前記ロック貫通孔に前記小径円板部から挿通されて前記規制爪が前記抜止溝に無理嵌めされるように構成され、前記規制爪段面が前記抜止突部内面と当接して前記押ボタンが前記ロック貫通孔から抜け止め規制される両面押ボタン回転規制型払拭体保持具である。
【0020】
本発明の第4の形態は、前記規制爪は前記筒状ボタン突出部に形成された反り返り状の切片で切片の先端が前記規制爪段面となり、又は前記規制爪の途中に規制爪突起スロープを有する規制爪突起が形成され、規制爪突起の端面が前記規制爪段面となる両面押ボタン回転規制型払拭体保持具である。
【0021】
本発明の第5の形態は、前記ボタン突出部は前記ボタン円板部に設けられた1個以上の規制爪であり、前記規制爪が先端又は中間位置にある規制爪段面と左右に規制爪側面を有した可撓性板からなり、前記規制爪側面が前記ボタン側規制面として形成され、前記回転ロック部材の前記貫通孔内周面に前記小径円板部から抜止突部38を残して1個以上の抜止溝が刻設され、前記抜止溝は前記抜止突部の側面である抜止突部内面と左右の抜止溝側面を有し、前記抜止溝側面が前記ロック側規制面として形成され、前記規制爪を前記回転ロック部材の前記ロック貫通孔に挿通して前記抜止溝に無理嵌めすると、前記規制爪側面が前記抜止溝側面に面接触するように前記回転規制手段が構成され、この面接触で面と面が突合して前記押ボタンが前記ロック貫通孔の中で回転規制される両面押ボタン回転規制型払拭体保持具である。
【0022】
本発明の第6の形態は、前記抜止規制手段は、前記規制爪段面が前記抜止突部内面と当接して前記押ボタンが前記ロック貫通孔から抜け止めされるように構成される両面押ボタン回転規制型払拭体保持具である。
【0023】
本発明の第7の形態は、前記頭部内周面に1本以上のレールを突設し、前記回転ロック部材の前記大径部に1個以上のロック溝を形成し、前記ロック溝を前記レールに嵌合させて前記回転ロック部材を前記頭部貫通孔に挿通することにより、前記回転ロック部材が前記頭部貫通孔の内部で回転不能に且つ前記幅方向に摺動自在に配置される両面押ボタン回転規制型払拭体保持具である。
【0024】
本発明の第8の形態は、前記ボタン突出部の中にスプリング挿通突起を突設し、左右の押ボタンのスプリング挿通突起を前記スプリング手段の両端に挿通して左右の押ボタンは前記スプリング手段により常時外方へと付勢された状態で前記把持部の回動が阻止され、左右の前記押ボタンを押圧すると前記スプリング手段が圧縮されて前記把持部の回動が可能になる両面押ボタン回転規制型払拭体保持具である。
【0025】
本発明の第9の形態は、前記スプリング挿通突起の下方には前記スプリング端を支持するスプリング止部が形成される両面押ボタン回転規制型払拭体保持具である。
【0026】
本発明の第10の形態は、前記頭部の頭部外周面の周方向に個以上の回転突起を突設し、前記連結管の連結管先端縁に前記回転突起が通過する通過用切欠を設け、前記頭部が回動可能状態のときに前記回転突起を押引して前記通過用切欠に通過させながら前記把持部を回動して傾斜させる両面押ボタン回転規制型払拭体保持具である。
【0027】
本発明の第11の形態は、第1形態〜第10形態のいずれかの両面押ボタン回転規制型払拭体保持具を用い、前記把持具に払拭体を装着した清掃具である。
【発明の効果】
【0028】
本発明の第1の形態によれば、払拭体の装着用の把持部と前記把持部を前方側に多段に回動傾斜させて連結固定する連結部と前記連結部の後方側に取着されるハンドルからなる払拭体保持具であり、前記把持部の幅方向への頭部貫通孔を軸芯とする頭部内周面を有した筒状の頭部を前記把持部に突設し、大径部から外方に小径円板部を突設して軸芯に幅方向全長に亘って貫通孔内周面を有したロック貫通孔を形成し且つ前記小径円板部の外周面に1個以上の係合凸部を配置した回転ロック部材を設け、前記頭部貫通孔の内部で回転不能に且つ前記幅方向に摺動自在に配置された2個の前記回転ロック部材を前記大径部が対面するように前記幅方向に配置した払拭体保持具が提供できる。
従って、払拭体を装着する把持部と頭部は一体構造であり、2個の回転ロック部材は頭部の内部で回転不能であり、回転ロック部材を外力で回動させれば把持部と頭部を一体的に回動させることができる構造が提供される。
また、1個以上の係合凸部を回転ロック部材の小径円板部の外周面に配置しているから、この1個以上の係合凸部が後述する凹部に噛合して把持部を平行状態も含んだ傾斜状態で固定でき、係合凸部が凹部から脱離して把持部を回動可能にして所望角度まで傾斜させることができる。特に、2個以上の係合凸部を2個以上の凹部に係合させれば、把持部を確実且つ強固にロックでき、把持部の傾斜固定が完全化できる特徴を有する。
【0029】
また、本発明の第1の形態によれば、前記連結部の先端に間隙部を間に挟んで一対の軸受突部を対向して突設し、前記軸受突部は対向面側の環状板部と外方側の押ボタン内嵌部と前記幅方向に開孔された軸受孔からなり、前記環状板部は内周縁に沿って複数の凹部が突板を介して交互に形成され、前記回転ロック部材の前記小径円板部が前記環状板部の軸受孔に前記間隙部から挿通されて前記係合凸部が前記凹部に噛合脱離可能に配置され、しかも前記大径部は前記環状板部に当接して前記回転ロック部材は前記頭部貫通孔から抜け出ることが阻止された払拭体保持具が提供できる。
従って、係合凸部を現在の凹部から脱離させて把持部を回動させ、前記係合凸部を他の凹部に噛合させれば、傾斜状態の変更を簡単かつ確実に行うことができる。凹部の個数だけの傾斜角度を有し、複数段の傾斜変更が可能になる。また、前記大径部は前記環状板部に当接して前記回転ロック部材は前記頭部貫通孔から抜け出ることが阻止されているから、左右の回転ロック部材は左右の環状突部の内部に配置されたまま外方に抜け出ることが無い。従って、左右の回転ロック部材は頭部貫通孔内に安定して保持することができる。
【0030】
更に、本発明の第1の形態によれば、ボタン円板部にボタン突出部を形成した一対の押ボタンを配置し、前記ボタン突出部を前記軸受突部の外側から前記小径円板部の前記ロック貫通孔に挿通して、前記ボタン円板部を前記押ボタン内嵌部に嵌めこみ、前記ボタン突出部が前記ロック貫通孔から抜け出ることを規制する抜止規制手段が設けられ、前記ボタン突出部が前記ロック貫通孔の内部で回転することを規制する回転規制手段が設けられる両面押ボタン回転規制型払拭体保持具が提供できる。従って、左右の押ボタンは左右の回転ロック部材により抜け出ることが規制され、しかも左右の押ボタンは左右の回転ロック部材により回転規制、即ち自転規制されており、押ボタンは回転ロック部材と一体化されている。つまり、左右の押ボタンを手指などの外力で回転(自転)させれば、回転ロック部材を介して頭部及び把持部を回動できる特徴を有する。
特に、本形態発明の回転規制手段は、前記ボタン突出部にボタン側規制面を形成し、前記貫通孔内周面にロック側規制面を形成し、前記ボタン突出部を前記ロック貫通孔に挿通したときに、前記ボタン側規制面が前記ロック側規制面に面接触して相対移動不能になって前記押ボタンの回転が規制される特徴を有する。回転ロック部材が頭部に一体化されているから、頭部に一体化されたロック側規制面がボタン側規制面の相対移動を規制して、押ボタンの回転(自転)が確実に規制できる。従って、左右の押ボタンを手指の圧接摩擦で回転(自転)させると、把持部を所望の角度で傾斜させて固定できる作用効果を有する。
【0031】
また更に、本発明の第1形態によれば、左右の前記押ボタンはスプリング手段による外方への付勢力により前記係合凸部が前記凹部に噛合して前記把持部の回動が阻止され、左右の前記押ボタンを押圧すると前記スプリング手段が圧縮されて前記係合凸部が前記凹部から脱離し、前記把持部の回動を可能にする両面押ボタン回転規制型払拭体保持具が提供できる。
傾斜した把持部をロックする場合には、スプリング手段の外方への付勢力により左右の押ボタンが外方へ突出移動し、回転ロック部材も外方へ強制移動してその係合凸部が環状突部の凹部に噛合し、把持部を傾斜状態(水平状態及び逆水平状態を含む)で環状突部に対しロック固定する。
把持部を回動させる場合には、前記スプリング手段を短縮させるように左右の押ボタンを手指で挟んで内方へ押圧移動させると、左右の回転ロック部材も内方へ移動し、回転ロック部材の係合凸部が環状突部の凹部から脱離し、左右の環状突部と頭部とが相互に独立して回転可能状態になる。押ボタンを押圧する手指を押ボタンに押し付けたまま押ボタンを摩擦圧接した状態で押ボタンを回転(自転)させると、押ボタンは回転規制されているから把持部とは一体固定状態にあり、払拭体を把持した把持部も一体的に回動し、把持部を所望の回動位置まで傾斜させる。その時、手指を緩めても、前記凹部が存在しないときには、係合凸部は凹部と凹部の間にある突板に当接するだけで、スプリングは短縮状態のまま回転可能状態が保持されている。更に傾斜させて、前記係合凸部が次の環状突部の凹部に合致すると相互に噛合し、短縮したスプリングの復帰力により元の状態に戻って回転不能状態になり、把持部はその傾斜状態でロック固定される。
このように、凹部の個数だけ傾斜角度は変更でき、しかも左右の押ボタンを押圧したまま押ボタンを回転させるだけで把持部を所望の傾斜状態に設定でき、手指は汚れた払拭体に接触することがないから極めて衛生的である。本発明の名称は両面押ボタン回転規制型払拭体保持具であり、左右両面の押ボタンを押圧する構造で、しかも押ボタンは把持部と一体固定されて回転が規制された構造を有するという意味である。
また、スプリング手段とはスプリング単体でもよいし、スプリング組合せ体でも良く、外方への付勢力により左右の押ボタンを外方へ突出移動させる部材であれば良い。
【0032】
本発明の第2の形態によれば、第1形態において、前記ボタン突出部は筒状ボタン突出部であり、前記筒状ボタン突出部の外周面に周方向に設けられた1個以上のボタン平行面が前記ボタン側規制面として形成され、前記回転ロック部材の前記貫通孔内周面に周方向に設けられた1個以上のロック平行面がロック側規制面として形成され、筒状ボタン突出部を前記回転ロック部材の前記ロック貫通孔に挿通すると、前記ボタン平行面が前記ロック平行面に面接触するように前記回転規制手段が構成され、この平行面相互の面接触により前記押ボタンが前記ロック貫通孔の中で回転不能に規制される両面押ボタン回転規制型払拭体保持具が提供できる。
本形態の回転規制手段によれば、ボタン突出部をロック貫通孔に挿通させるときに、筒状ボタン突出部のボタン平行面が貫通孔内周面のロック平行面に接触状に挿通されるから、平行面相互の接触により前記押ボタンが前記ロック貫通孔の中で回転不能に強力に規制される。従って、押ボタンは把持部と一体化されて回転不能に強力に規制されることになる。
その結果、把持部を傾斜させるときに、両手指で左右の押ボタンを内方へ押圧して把持部を回動可能にし、手指の摩擦で押ボタンを押圧状態で回転させれば把持部も一体に回動し、特定角度の傾斜で手指を離すと押ボタンは自動復帰して把持部の傾斜が確実にロックできる。
勿論、2個以上のボタン平行面と2個以上のロック平行面を形成して、夫々のボタン平行面と対応するロック平行面が面接触するように配置すれば、一層の回転規制が実現されることは云うまでもない。
【0033】
本発明の第3の形態によれば、前記第2形態において、前記抜止規制手段は、前記ボタン平行面に規制爪が軸方向に切片状に形成され、前記規制爪はその先端又は中間位置にある規制爪段面と左右に規制爪側面を有した可撓性板から形成され、且つ前記規制爪段面は前記ボタン平行面より外方に突出するように形成され、前記回転ロック部材の前記小径円板部に抜止突部を残して前記ロック平行面に抜止溝が刻設され、前記抜止溝は前記抜止突部の側面である抜止突部内面と左右の抜止溝側面を有し、前記筒状ボタン突出部が前記ロック貫通孔に前記小径円板部から挿通されて前記規制爪が前記抜止溝に無理嵌めされるように構成され、前記規制爪段面が前記抜止突部内面と当接して前記押ボタンが前記ロック貫通孔から抜け止め規制される両面押ボタン回転規制型払拭体保持具が提供できる。
左右の押ボタンの筒状ボタン突出部を回転ロック部材のロック貫通孔に挿通すると、ボタン平行面の規制爪がロック平行面の前記抜止突部により内方に撓んだ後外方に自発的に復帰し、前記規制爪段面が前記抜止突部内面と当接し、左右の押ボタンが回転ロック部材の内部に確実に抜け止めされる。しかも、規制爪側面が抜止溝側面に当接して左右の押ボタンが回転ロック部材に対し回転不能になり、回転阻止規制作用の補助的効果も発現する。この回転規制効果は、前述した平行面接触による回転規制作用に追加的に作用し、回転規制効果を増強することができる。
規制爪の個数を2個以上にすれば、規制爪が無理嵌めされる抜止溝の個数も2個以上にして、より強固な抜け止め規制と回転阻止規制が実現される。
【0034】
本発明の第4の形態によれば、前記規制爪は前記筒状ボタン突出部に形成された反り返り状の切片で切片の先端が前記規制爪段面となり、又は前記規制爪の途中に規制爪突起スロープを有する規制爪突起が形成され、規制爪突起の端面が前記規制爪段面となる両面押ボタン回転規制型払拭体保持具が提供できる。
本第4形態により規制爪段面を有する規制爪の具体的形状が開示される。第1形状は、筒状ボタン突出部の側面に反り返り状の切片が形成され、この切片の先端面が規制爪段面になる場合である。筒状ボタン突出部を挿入するときに、反り返り状切片であるから、抜止突部を内方へ撓みながら進行し、最後に先端面(規制爪段面)が抜止突部を乗り越えると、規制爪は内方へと復帰し、規制爪段面が抜止突部内面と当接して相互に突合状態になり、筒状ボタン突出部を抜こうとしても抜き出すことが不可能であり、抜け止め機能が実現される。
第2形状は、規制爪本体が反り返らなくても、先端部又は途中に規制爪突起スロープを有する規制爪突起が形成され、規制爪突起の立下り面である端面が前記規制爪段面となる場合である。ボタン突出部を挿入すると、規制爪突起スロープが抜止突部を乗り越えて規制爪は内方へ撓みながら進行する。最後に規制爪段面が抜止突部を乗り越えると、規制爪は内方へと復帰し、規制爪段面が抜止突部内面と当接して相互に突合状態になり、ボタン突出部を抜こうとしても抜き出すことが不可能であり、抜け止め機能が実現される。
このように、規制爪段面は規制爪の先端又は中間部に形成できる。特に、規制爪突起により規制爪段面を形成する場合には、規制爪自体は反り返らなくても、反り返ってもどちらの形状でも抜け止め機能が達成できる。
【0035】
本発明の第5の形態によれば、第1形態において、前記ボタン突出部は前記ボタン円板部に設けられた1個以上の規制爪であり、前記規制爪が先端又は中間位置にある規制爪段面と左右に規制爪側面を有した可撓性板からなり、前記規制爪側面が前記ボタン側規制面として形成され、前記回転ロック部材の前記貫通孔内周面に前記小径円板部から抜止突部を残して1個以上の抜止溝が刻設され、前記抜止溝は前記抜止突部の側面である抜止突部内面と左右の抜止溝側面を有し、前記抜止溝側面が前記ロック側規制面として形成され、前記規制爪を前記回転ロック部材の前記ロック貫通孔に挿通して前記抜止溝に無理嵌めすると、前記規制爪側面が前記抜止溝側面に面接触するように前記回転規制手段が構成され、この面接触で面と面が突合して前記押ボタンが前記ロック貫通孔の中で回転規制される両面押ボタン回転規制型払拭体保持具が提供できる。
規制爪が抜止溝に嵌まり込むと、左右の規制爪側面と左右の抜止溝側面との当接により、面と面が突合して規制爪は抜止溝の内部に存在するように規制されている。換言すれば、規制爪側面は抜止溝側面に規制されて、押ボタンは回転ロック部材に一体化され、即ち頭部と把持部に一体化されているから、押ボタンは自由回転できない様に回転規制される。
【0036】
本発明の第6の形態によれば、前記抜止規制手段は、前記規制爪段面が前記抜止突部内面と当接して前記押ボタンが前記ロック貫通孔から抜け止めされるように構成される両面押ボタン回転規制型払拭体保持具が提供される。
従って、可撓性板である前記規制爪は抜止突部を乗り越えて抜止溝に無理嵌め状に嵌り込み、規制爪の規制爪段面が抜止溝の抜止突部内面に当接するから、押ボタンを外方へ抜き出そうとしても規制爪段面が抜止突部内面に当接して押ボタンを抜き出すことが不可能であり、押ボタンの抜け止めが完全に実現される効果が発現する。
【0037】
本発明の第7の形態によれば、前記頭部内周面に1本以上のレールを突設し、前記回転ロック部材の前記大径部に1個以上のロック溝を形成し、前記ロック溝を前記レールに嵌合させて前記回転ロック部材を前記頭部貫通孔に挿通することにより、前記回転ロック部材が前記頭部貫通孔の内部で回転不能に且つ前記幅方向に摺動自在に配置される両面押ボタン回転規制型払拭体保持具が提供できる。
回転ロック部材は頭部内周面の1本以上のレールにロック溝で確実に嵌合しており、回転ロック部材は頭部、即ち把持部に一体に強固に結合して分離不能である。2本以上のレールを2個以上のロック溝に嵌合すれば一体強度は増強されることは云うまでもない。従って、前述した回転阻止規制と抜け止め規制が施された押ボタンを手指で摩擦自転させるだけで、その自転力は回転ロック部材を介して把持部に伝達され、把持部を所望の角度に回動させることが可能になる。即ち、本発明では、押ボタンは頭部及び把持部と一体に形成されているから、手指で押ボタンを圧接した状態で手指を自転させると押ボタンも圧接摩擦力でそのまま自転し、その自転に伴って把持部を回動することができる。従って、把持部の払拭体に接触しないから極めて衛生的に把持部の角度調整が可能になる。
【0038】
本発明の第8の形態によれば、前記ボタン突出部の中にスプリング挿通突起を突設し、左右の押ボタンのスプリング挿通突起を前記スプリング手段の両端に挿通して左右の押ボタンは前記スプリング手段により常時外方へと付勢された状態で前記把持部の回動が阻止され、左右の前記押ボタンを押圧すると前記スプリング手段が圧縮されて前記把持部の回動が可能になる両面押ボタン回転規制型払拭体保持具が提供できる。
ボタン突出部の中に突設されたスプリング挿通突起の長さは種々に設定できるから、各種構造・配置・長さのスプリング手段を間に挟んで弾性力を調整でき、スプリング手段の左右端に前記スプリング挿通突起を挿通してスプリング手段を保持する構成が採用される。通常状態では、スプリング手段の外方への付勢力により押ボタンは左右に突出するから、前述した係合凸部が凹部に噛合し回動阻止状態になって把持部の回動が阻止される。左右の押ボタンを手指で押圧すると、スプリング手段が圧縮され、係合凸部が内方へと移動するため係合凸部は凹部から脱離して回動可能状態になり、把持部を回動させて傾斜させることができる。
【0039】
本発明の第9の形態によれば、前記スプリング挿通突起の下方には前記スプリング端を支持するスプリング止部が形成される両面押ボタン回転規制型払拭体保持具が提供できる。
本発明では、左右の押ボタンを手指で押圧してスプリングを短縮させると把持部は連結部、即ちハンドルに対し回動可能になり、手指を押ボタンから脱離すると、スプリングの復帰力により押ボタンが左右へ突出して把持部は連結部に対し回動不能になる機構を採用している。換言すれば、本発明の払拭体保持具ではスプリングの伸長状態で回動不能、短縮状態で回動可能の2状態が選択される。本形態の左右のスプリング止部により左右のスプリング端を受け止め、両者間にスプリングの全長が配置されるから、スプリング止部の高さを調整して伸長状態(回動不能)と短縮状態(回動可能)の2状態を確実に動作させることができる。
【0040】
本発明の第10の形態によれば、前記頭部の頭部外周面の周方向に個以上の回転突起を突設し、前記連結管の連結管先端縁に前記回転突起が通過する通過用切欠を設け、前記頭部が回動可能状態のときに前記回転突起を押引して前記通過用切欠に通過させながら前記把持部を回動して傾斜させる両面押ボタン回転規制型払拭体保持具が提供できる。
従って、手指で回転突起を摘まんだり引っ掛けたりして押引するだけで頭部、即ち把持部を前後に回動でき、汚れた払拭体を触らずに把持部を所望角度に傾斜設定することが可能になる。片手操作するときには、親指と中指で連結部を握り、人差し指で回転突起を押引するだけで把持部の回動傾斜が可能になるから、手を汚さずに簡単操作だけで把持部の傾斜設定ができる利便性を有する。
前記回転突起の個数は1個以上であればよいが、2個、3個と増やすことによって手指で頭部、即ち把持部の回動がより容易且つ効率的にすることができる。
【0041】
本発明の第11の形態によれば、第1形態〜第10形態のいずれかの両面押ボタン回転規制型払拭体保持具を用い、前記把持具に払拭体を装着した清掃具が提供できる。
払拭体としては、パイル状モップや不織紙やスポンジ体など各種の清掃用払拭体が利用でき、払拭体を装着した把持部を適当な角度に傾斜させることにより、電灯や棚やタンス等の上側の見え難い部分の清掃が簡単に行える利点を有する。