特許第6391531号(P6391531)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6391531
(24)【登録日】2018年8月31日
(45)【発行日】2018年9月19日
(54)【発明の名称】工作機械
(51)【国際特許分類】
   B23Q 11/08 20060101AFI20180910BHJP
【FI】
   B23Q11/08 Z
【請求項の数】6
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-95919(P2015-95919)
(22)【出願日】2015年5月8日
(65)【公開番号】特開2016-209955(P2016-209955A)
(43)【公開日】2016年12月15日
【審査請求日】2017年8月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】591014835
【氏名又は名称】高松機械工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092727
【弁理士】
【氏名又は名称】岸本 忠昭
(74)【代理人】
【識別番号】100146891
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 ひろ美
(72)【発明者】
【氏名】新元 翔太
(72)【発明者】
【氏名】山野 真
【審査官】 久保田 信也
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−299693(JP,A)
【文献】 特開昭63−123790(JP,A)
【文献】 特開2004−232442(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23Q 11/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
工作機械本体と、前記工作機械本体の加工域の前面側開口を開閉するため扉開閉機構とを備え、前記扉開閉機構は、前記前面側開口の片側に横方向に開閉自在に配設された第1扉部材と、前記前面側開口の他側に前記横方向に開閉自在に配設された第2扉部材とを有する工作機械において、
前記第1扉部材の前記横方向の幅は、前記第2扉部材の前記横方向の幅よりも大きく構成され、前記第1扉部材の所定部位には、外部から前記加工域を確認するための確認窓が設けられ、前記第2扉部材には前記確認窓が設けられていないことを特徴とする工作機械。
【請求項2】
前記第1扉部材と前記第2扉部材とは連動機構を介して連結され、前記連動機構は、旋回自在に装着された旋回アームと、前記旋回アームの旋回動を前記第2扉部材に伝達するための伝達手段とを備え、前記旋回アームの一端部が前記第1扉部材に旋回自在に且つ上下方向に移動自在に連結され、その他端部が前記伝達手段に旋回自在に且つ前記上下方向に移動自在に連結され、前記第1扉部材を開方向に片側開位置まで移動させると、前記旋回アーム及び前記伝達手段を介して前記第2扉部材が開方向に他側開位置まで移動され、また前記第1扉部材を閉方向に片側閉位置まで移動させると、前記旋回アーム及び前記伝達手段を介して前記第2扉部材が閉方向に他側閉位置まで移動されることを特徴とする請求項1に記載の工作機械。
【請求項3】
前記工作機械本体の上部には支持フレームが取り付けられ、前記支持フレームに前記旋回アームが旋回自在に装着され、前記伝達手段は、前記支持フレームに前記横方向に移動自在に支持された第1伝達部材と、前記第1伝達部材に取り付けられた第2伝達部材とを有し、前記旋回アームの他端部が前記第1伝達部材に旋回自在に且つ前記上下方向に移動自在に連結され、前記第2伝達部材と前記第2扉部材との間に緩衝手段が介在されていることを特徴とする請求項2に記載の工作機械。
【請求項4】
前記第2伝達部材及び前記第2扉部材の一方には、前記横方向に間隔をおいて第1及び第2作用部材が設けられ、前記第2伝達部材及び前記第2扉部材の他方には前記緩衝手段が取り付けられ、前記緩衝手段は、前記第2伝達部材及び前記第2扉部材の他方に取り付けられた緩衝ハウジングと、前記緩衝ハウジングに前記横方向に移動自在に装着され、その先端部が前記緩衝ハウジングから前記第1作用部材に向けて突出する第1ピンと、前記緩衝ハウジングに前記横方向に移動自在に装着され、その先端部が前記緩衝ハウジングから前記第2作用部材に向けて突出する第2ピンと、前記第1ピンを前記第1作用部材に向けて弾性的に偏倚するための第1ばね部材と、前記第2ピンを前記第2作用部材に向けて弾性的に偏倚するための第2ばね部材とを備えていることを特徴とする請求項3に記載の工作機械。
【請求項5】
前記工作機械本体には、前記加工域に対応して前記横方向に間隔をおいて第1及び第2スピンドルが回転自在に装着され、前記第1及び第2スピンドルには第1及び第2チャック手段が取り付けられ、前記加工域は、前記第1チャック手段に対応する第1加工域及び前記第2チャック手段に対応する第2加工域を含み、前記第1扉部材の前記確認窓は、外部正面から見て前記第1及び第2チャック手段を目視できるように設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の工作機械。
【請求項6】
前記第1扉部材の前記確認窓は、外部正面から見て、前記第1及び第2チャック手段の相互に隣接する内側半分以上を目視できるように設けられていることを特徴とする請求項5に記載の工作機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工作機械本体の加工域の前面側開口を開閉するための扉開閉機構を備えた工作機械に関する。
【背景技術】
【0002】
NC旋盤などの工作機械では、加工工具(例えば、切削工具)により加工物を加工するための加工域が設けられ、この加工域の前面側に、例えば作業者が加工物を取付け、取外しするための前面側開口が設けられ、この前面側開口に対応して、作業者の安全性を確保するために扉開閉機構が設けられている。
【0003】
この扉開閉機構として、前面側開口の片側に配設された第1扉部材と、この前面側開口の他側に配設された第2扉部材と、第1扉部材の開閉動に連動して第2扉部材を開閉動させるための連動機構とを備えたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この扉開閉機構を備えた工作機械では、第1扉部材を片側開位置に移動させると、この連動機構を介して第2扉部材が他側開位置まで移動し、工作機械の前面側開口が開放され、この開放された前面側開口を通して加工物の取付け、取外しを容易に行うことができる。また、第1扉部材を片側閉位置に移動させると、この連動機構を介して第2扉部材が他側閉位置まで移動し、これによって、工作機械の加工域の前面側開口が閉塞され、このように閉状態に保持することにより、工作機械本体の加工域での加工物に対する加工を安全に行うことができる。
【0004】
このような扉開閉機構は、例えば、図8に示す工作機械に適用されることが多い。図8を参照して更に説明すると、扉開閉機構102の第1扉部材104は、工作機械本体106の片側に配設された第1スピンドル(図示せず)に取り付けられた第1チャック手段108の前面側に開閉自在に配設され、またその第2扉部材110は、工作機械本体106の他側に配設された第2スピンドル(図示せず)に取り付けられた第2チャック手段112の前面側に配設されている。
【0005】
また、第1扉部材104及び第2扉部材110は、それの大きさが同じ(従って、横方向の幅が同じ)に構成され、図8(a)で示すように、第1扉部材104は、上記片側閉位置にあるときに第1チャック手段108に対応する第1加工域S1の前面側を覆い、第2扉部材110は、上記他側閉位置にあるときに第2チャック手段112に対応する第2加工域S2の前面側を覆い、このようにして、第1及び第2扉部材104,110は、工作機械本体106の加工域(第1及び第2加工域S1,S2)の前面側開口113(図8(b)参照)を閉塞する。
【0006】
この扉開閉機構102では、第1扉部材104には第1確認窓114が設けられ、この第1確認窓114を通して第1加工域S1での加工状態を確認することができる。また、第2扉部材110には第2確認窓116が設けられ、この第2確認窓116を通して第2加工域S2での加工状態を確認することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平7−299693号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述した扉開閉機構102では、第1及び第2扉部材104,110に第1及び第2確認窓114,116が設けられる構成であり、それ故に、第1及び第2確認窓114,116を大きくすることが難しく、第1及び第2加工域S1,S2の間の領域、換言すると工作機械本体106の加工域の全体を第1及び第2加工域S1,S2を通して目視することが難しいという問題がある。
【0009】
そこで、このような問題を解決するために、例えば、図9に示すように、扉開閉機構202の開閉扉を1つの扉部材204から構成したものも実用に供されている。このような扉開閉機構202では、扉部材204を図9(b)で示す開位置に位置付けると、工作機械本体206の前面側開口213が開放され、この扉部材204を図9(a)で示す閉位置に位置付けると、第1及び第2チャック手段208,212に対応する第1及び第2加工域S1,S2の前面側(即ち、前面側開口213)が閉塞される。
【0010】
このように1つの扉部材204から構成した場合、図9(a)に示すように、この扉部材204に比較的大きな確認窓114を設けることができ、従って、第1及び2加工域S1,S2の加工状態(換言すると、第1チャック手段208から第2チャック手段212にかけての領域)をこの確認窓214を通して見ることができる。
【0011】
しかし、このように構成した場合、図9(b)に示すように、工作機械本体206を小型化しようとすると開位置に位置付けた際に扉部材204の後端側(開方向に見て後端側)が工作機械本体206から外方に突出し、作業の安全上望ましくないという問題がある。
【0012】
本発明の目的は、比較的大きな確認窓を確保しながら扉部材の工作機械本体からの突出をなくすことができる工作機械を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の請求項1に記載の工作機械は、工作機械本体と、前記工作機械本体の加工域の前面側開口を開閉するため扉開閉機構とを備え、前記扉開閉機構は、前記前面側開口の片側に横方向に開閉自在に配設された第1扉部材と、前記前面側開口の他側に前記横方向に開閉自在に配設された第2扉部材とを有する工作機械において、
前記第1扉部材の前記横方向の幅は、前記第2扉部材の前記横方向の幅よりも大きく構成され、前記第1扉部材の所定部位には、外部から前記加工域を確認するための確認窓が設けられ、前記第2扉部材には前記確認窓が設けられていないことを特徴とする。
【0014】
また、本発明の請求項2に記載の工作機械では、前記第1扉部材と前記第2扉部材とは連動機構を介して連結され、前記連動機構は、旋回自在に装着された旋回アームと、前記旋回アームの旋回動を前記第2扉部材に伝達するための伝達手段とを備え、前記旋回アームの一端部が前記第1扉部材に旋回自在に且つ上下方向に移動自在に連結され、その他端部が前記伝達手段に旋回自在に且つ前記上下方向に移動自在に連結され、前記第1扉部材を開方向に片側開位置まで移動させると、前記旋回アーム及び前記伝達手段を介して前記第2扉部材が開方向に他側開位置まで移動され、また前記第1扉部材を閉方向に片側閉位置まで移動させると、前記旋回アーム及び前記伝達手段を介して前記第2扉部材が閉方向に他側閉位置まで移動されることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の請求項3に記載の工作機械では、前記工作機械本体の上部には支持フレームが取り付けられ、前記支持フレームに前記旋回アームが旋回自在に装着され、前記伝達手段は、前記支持フレームに前記横方向に移動自在に支持された第1伝達部材と、前記第1伝達部材に取り付けられた第2伝達部材とを有し、前記旋回アームの他端部が前記第1伝達部材に旋回自在に且つ前記上下方向に移動自在に連結され、前記第2伝達部材と前記第2扉部材との間に緩衝手段が介在されていることを特徴とする。
【0016】
また、本発明の請求項4に記載の工作機械では、前記第2伝達部材及び前記第2扉部材の一方には、前記横方向に間隔をおいて第1及び第2作用部材が設けられ、前記第2伝達部材及び前記第2扉部材の他方には前記緩衝手段が取り付けられ、前記緩衝手段は、前記第2伝達部材及び前記第2扉部材の他方に取り付けられた緩衝ハウジングと、前記緩衝ハウジングに前記横方向に移動自在に装着され、その先端部が前記緩衝ハウジングから前記第1作用部材に向けて突出する第1ピンと、前記緩衝ハウジングに前記横方向に移動自在に装着され、その先端部が前記緩衝ハウジングから前記第2作用部材に向けて突出する第2ピンと、前記第1ピンを前記第1作用部材に向けて弾性的に偏倚するための第1ばね部材と、前記第2ピンを前記第2作用部材に向けて弾性的に偏倚するための第2ばね部材とを備えていることを特徴とする。
【0017】
また、本発明の請求項5に記載の工作機械では、前記工作機械本体には、前記加工域に対応して前記横方向に間隔をおいて第1及び第2スピンドルが回転自在に装着され、前記第1及び第2スピンドルには第1及び第2チャック手段が取り付けられ、前記加工域は、前記第1チャック手段に対応する第1加工域及び前記第2チャック手段に対応する第2加工域を含み、前記第1扉部材の前記確認窓は、外部正面から見て前記第1及び第2チャック手段を目視できるように設けられていることを特徴とする。
【0018】
更に、本発明の請求項6に記載の工作機械では、前記第1扉部材の前記確認窓は、外部正面から見て、前記第1及び第2チャック手段の相互に隣接する内側半分以上を目視できるように設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明の請求項1に記載の工作機械によれば、工作機械本体の加工域の前面側開口を開閉するため扉開閉機構は、この前面側開口の片側に配設された第1扉部材と、その他側に配設された第2扉部材とを備え、第1扉部材の幅は、第2扉部材の幅よりも大きく構成され、この第1扉部材に確認窓が設けられているので、第1及び第2扉部材を備えた扉開閉機構の特徴を生かしながらこの第1扉部材の確認窓を比較的大きく設けることができ、これによって、工作機械本体の加工域での加工状態を外部からこの確認窓を通して見ることができる。また、このような構成により、第2扉部材に確認窓を設ける必要がなくなり、第2扉部材の構成を簡単にすることができる。
【0020】
また、本発明の請求項2に記載の工作機械によれば、第1扉部材と第2扉部材とは連動機構を介して連結されているので、第1扉部材を片側開位置に位置付けることによって、連動機構を介して第2扉部材を他側開位置に位置付けることができ、また第1扉部材を片側閉位置に位置付けることによって、この連動機構を介して第2扉部材を他側閉位置に位置付けることができる。また、連動機構は旋回アーム及び伝達手段を備え、旋回アームの一端部が第1扉部材に旋回自在に且つ上下方向に移動自在に連結され、その他端部が伝達手段に旋回自在に且つ上下方向に移動自在に連結されているので、第1扉部材を開方向(又は閉方向)に移動させることによる旋回アームの旋回動を伝達手段を介して第2扉部材に達して所要の通りに移動させることができる。
【0021】
また、本発明の請求項3に記載の工作機械によれば、工作機械本体に取り付けられた支持フレームに旋回アームが旋回自在に装着され、伝達手段は、この支持フレームに移動自在に支持された第1伝達部材と、第1伝達部材に取り付けられた第2伝達部材とを有しているので、旋回アームの旋回動を伝達手段を介して第2扉部材に伝達することができる。また、第2伝達部材と第2扉部材との間に緩衝手段が介在されているので、第2扉部材の開閉の際に発生する衝撃を抑えることができるとともに、第1扉部材の開閉動を旋回アーム及び伝達手段(第1及び第2伝達部材)を介して第2扉部材に伝達させて開閉移動させることができる。
【0022】
また、本発明の請求項4に記載の工作機械によれば、第2伝達部材(又は第2扉部材)には、横方向に間隔をおいて第1及び第2作用部材が設けられ、緩衝手段は、第2扉部材(又は第2伝達部材)に取り付けられた緩衝ハウジングと、緩衝ハウジングに移動自在に装着された第1及び第2ピンと、第1ピンを第1作用部材に向けて弾性的に偏倚するための第1ばね部材と、第2ピンを第2作用部材に向けて弾性的に偏倚するための第2ばね部材とを備えているので、第2扉部材の開閉の際に発生する衝撃を第1及び第2ばね部材に緩和することができるとともに、第1扉部材の開閉動を旋回アーム及び伝達手段を介して第2扉部材に伝達させて開閉移動させることができる。
【0023】
また、本発明の請求項5に記載の工作機械によれば、工作機械本体の加工域に対応して横方向に間隔をおいて第1及び第2スピンドルが回転自在に装着され、第1及び第2スピンドルには第1及び第2チャック手段が取り付けられ、第1扉部材の確認窓は、外部正面から見て第1及び第2チャック手段を目視できるように設けられているので、この確認窓を通して第1及び第2チャック手段に装着された加工物の加工状態(即ち、第1及び第2加工域の加工状態)を確認することができる。
【0024】
更に、本発明の請求項6に記載の工作機械によれば、第1扉部材の確認窓は、外部正面から見て、第1及び第2チャック手段の相互に隣接する内側半分以上を目視できるように設けられているので、この確認窓を通して第1及び第2チャック手段に装着された加工物の加工状態を所望の通りに確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1図1(a)は、本発明に従う工作機械の一実施形態を、扉開閉機構が閉状態に保持された状態で示す簡略正面図、また図1(b)は、その扉開閉機構が開状態に保持された状態で示す簡略正面図。
図2図1の工作機械における扉開閉機構及びこれに関連する構成を閉状態で示す正面図。
図3図1の工作機械における扉開閉機構及びこれに関連する構成を開状態で示す正面図。
図4図2のIV−IV線から見た左側面図。
図5図2のV−V線から見て一部を断面で示す右側断面図。
図6図1の工作機械における緩衝手段及びそれに関連する構成を一部断面で示す部分断面図。
図7図7(a)は、第2開閉扉を開方向に移動させるときの状態を示す断面図、図7(b)は、第2扉部材を閉方向に移動させるときの状態を示す断面図。
図8図8(a)は、従来の工作機械の一例を扉開閉機構を閉状態に保持した状態で示す簡略正面図、図8(b)は、この扉開閉機構を開状態に保持した状態で示す簡略正面図。
図9図9(a)は、従来の工作機械の他の例を扉開閉機構を閉状態に保持した状態で示す簡略正面図、図9(b)は、この扉開閉機構を開状態に保持した状態で示す簡略正面図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付図面を参照して、本発明に従う工作機械の一実施形態について説明する。尚、この実施形態では、工作機械の一例としてのNC旋盤に適用して説明するが、その他の形態の工作機械、例えば研削盤などにも同様に適用することができる。
【0027】
図1及び図2において、工作機械の一例としての図示のNC旋盤は、旋盤本体2(工作機械本体を構成する)を備えている。この形態では、旋盤本体2の略中央部には、横方向に間隔をおいて一対のスピンドル、即ち第1及び第2スピンドル(図示せず)が回転自在に支持され、これら第1及び第2スピンドルは、旋盤本体2の前後方向(図1図3において紙面に対して垂直な方向)に延びている。第1スピンドルには第1チャック手段4が取り付けられ、第2スピンドルには第2チャック手段6が取り付けられ、これら第1及び第2チャック手段4,6に加工すべき加工物が取外し可能に取り付けられる。
【0028】
第1チャック手段4の外側(図1において左側)には、図示していないが、第1タレットが配設され、この第1タレットに取り付けられた加工工具(例えば、切削工具)により、第1チャック手段4に保持された加工物に所要の加工が施される。また、第2チャック手段6の外側(図1において右側)には、図示していないが、第2タレットが配設され、この第2タレットに取り付けられた加工工具(例えば、切削工具)により、第2チャック手段6に保持された加工物に所望の加工が施される。
【0029】
この形態では、第1チャック手段4に対応して第1加工域S1が配設され、また第2チャック手段6に対応して第2加工域S2が配設され、第1及び第2加工域S1,S2は、横方向略中央部において旋盤本体2の加工域Sを構成する。旋盤本体2の前面には、この加工域Sに対応してその前面側に前面側開口8が設けられ、この前面側開口8に関連して扉開閉機構10が配設されている。
【0030】
図1とともに図2及び図3を参照して、図示の扉開閉機構10は、この前面側開口8の片側(図1において正面から見て左側)に配設された第1扉部材12と、その他側(図1において正面から見て右側)に配設された第2扉部材14とを備え、第1扉部材12及び第2扉部材14が後述する連動機構16を介して移動するように構成されている。
【0031】
この形態では、第1扉部材12の横方向の幅は、第2扉部材14の横方向の幅よりも大きく、この第1扉部材12に確認窓18が設けられ、この確認窓18は透明プレート20(例えば、合成樹脂製プレート)で覆われている。このように第1扉部材12を第2扉部材14より大きくすることによって、第1扉部材12に設ける確認窓18を大きくすることができ、第2扉部材14に確認窓を設けることなく、この確認窓18を通して旋盤本体2の加工域S(換言すると、第1及び第2加工域S1,S2の加工状態)を見ることができる。
【0032】
この確認窓18は、図1(a)で示すように、充分な領域を確保することができる場合に、旋盤本体2の外部正面から見て第1チャック手段4の全体と第2チャック手段6における第1チャック手段4側の半分以上を目視できるようにするのが望ましいが、第1及び第2チャック手段4,6の相互に隣接する半分以上を目視できるようにすることによって、旋盤本体2の加工域S(換言すると、第1及び第2加工域S1,S2の加工状態)を外部からの目視で確認することができる。
【0033】
このような大きさの確認窓18を設けようとすると、図2に示すように、第1扉部材12の幅W1を第2扉部材14の幅W2よりも2〜5倍程度の大きさにするのが望ましく(2×W2)≦W1≦(5×W2)、第1扉部材12をこのような大きさにすることによって、旋盤本体2の加工域Sを外部から見ることができる確認窓18を設けることができ、このように構成することにより、図1(a)、図2及び図3に示すように、第2扉部材14に確認窓を設ける必要がなくなる。
【0034】
この実施形態では、第1扉部材12には、更に、確認窓18の上側に副確認窓22が設けられ、この副確認窓22は、上述の確認窓18と同様に、透明プレート24(例えば、合成樹脂製プレート)で覆われている。副確認窓22は、確認窓18よりも小さく、この副確認窓18を通して、加工物を第1及び第2チャック手段4,6に搬送するとともにこれらから取り外して下流側に移送するための搬送・移送機構(図示せず)を見ることができ、このような副確認窓22は、第2扉部材14に設けるようにしてもよい。尚、第1扉部材12の副確認窓22は、省略するようにしてもよい。
【0035】
第1扉部材12の開放側の側端部には、ロッド状の開閉操作部材26が設けられ、この開閉操作部材26を把持して矢印28で示す開方向に移動させると、図1(b)及び図3に示す通り、第1扉部材12が片側開位置に位置付けられるとともに、この動きに連動して連動機構16を介して第2扉部材14が第1扉部材12から離れる方向に移動して他側開位置に位置付けられる。扉開閉機構10のこのような開状態においては、旋盤本体2の前面側開口8が開放され、この前面側開口8を通して第1及び第2チャック手段4,6への加工物の取付け、取外しを行うことができる。
【0036】
また、開閉操作部材26を把持して矢印30で示す閉方向に移動させると、図1(a)及び図2に示す通り、第1扉部材12が片側閉位置に位置付けられるとともに、この動きに連動して連動機構16を介して第2扉部材14が第1扉部材12に近づく方向に移動して他側閉位置に位置付けられ、第1扉部材12の開放側の側端部と第2扉部材14の開放側の側端部とが、一点鎖線32で示す当接面で当接して旋盤本体2の前面側開口8が第1及び第2扉部材12,14で覆われる。扉開閉機構10のこのような閉状態においては、旋盤本体2の前面側開口8が閉塞され、作業者が前面側開口8を通して手などを挿入することができず、また加工域S(第1及び第2加工域S1、S2)での加工の際に使用する切削油、加工の際に生じる切り粉などが外部に飛び散ることを防止することができ、加工の際の安全性を確保することができる。
【0037】
図2及び図3とともに、図4及び図5を参照して具体的に説明すると、旋盤本体2のベッド部34の前端部には下支持部材36が取り付けられ、この下支持部材36が旋盤本体2の横方向に延びている。この下支持部材36の背面側にはレール支持部材37が取り付けられ、このレール支持部材37の上面に支持レール38が取り付けられ、この支持レール38が第1及び第2扉部材12,14の移動方向に延びている。
【0038】
一方、第1扉部材12の下端部には横方向(図2及び図3において左右方向、図4において紙面に対して垂直な方向)に間隔をおいて一対の第1車輪40が回転自在に装着され(前後方向に延びる軸線を中心として回転自在に支持されている)、かかる一対の第1車輪40が支持レール38にその長手方向に沿って移動自在に載置されている。また、第2扉部材14の下端部には、第1扉部材12と同様に、横方向(図2及び図3において左右方向、図5において紙面に対して垂直な方向)に間隔をおいて一対の第2車輪42が回転自在に装着され(前後方向に延びる軸線を中心として回転自在に支持されている)、かかる一対の第2車輪42が支持レール38にその長手方向に沿って移動自在に載置されている。
【0039】
更に、旋盤本体2の上部には、断面がコ字状の上案内部材44が取り付けられ、この上案内部材44が旋盤本体2の横方向に延びている。この上案内部材44には、下面が開放された案内溝46が設けられ、この案内溝46が第1及び第2扉部材12,14の移動方向に延びている。
【0040】
一方、第1扉部材12の上端部には第1コロ支持部材48が取り付けられ、この第1コロ支持部材48に横方向に間隔をおいて一対の第1案内コロ50が回転自在に支持され(上下方向に延びる軸線を中心として回転自在に支持されている)、一対の第1案内コロ50が上案内部材44の案内溝46にその長手方向に沿って移動自在に受け入れられている。また、第2扉部材12の上端部には第2コロ支持部材52が取り付けられ、この第2コロ支持部材52に横方向に間隔をおいて一対の第2案内コロ54が回転自在に支持され(上下方向に延びる軸線を中心として回転自在に支持されている)、一対の第2案内コロ54が上案内部材44の案内溝46にその長手方向に沿って移動自在に受け入れられている。
【0041】
図示の連動機構16は、第1扉部材12の移動によって旋回される旋回アーム56と、この旋回アーム56の旋回動を第2扉部材14に伝達するための伝達手段58とから構成されている。旋盤本体2の上端部(この形態では、上案内部材44よりも上側の部位)には支持フレーム60が取り付けられ、この支持フレーム60の一端部(図2及び図3において左側端部)に旋回支持部材61(図4参照)が取り付けられている。旋回アーム56の中間部には旋回軸62が取り付けられ、この旋回軸62が旋回支持部材61に旋回自在に支持されている。
【0042】
旋回アーム56の一端部には第1移動コロ63が回転自在に装着されている。また、第1扉部材12の一側端部には第1受け部材64が取り付けられ、この第1受け部材64に第1長孔66が設けられている。第1長孔66は上下方向に延び、旋回アーム56の一端部の第1移動コロ63がこの第1長孔66に移動自在に受け入れられている。
【0043】
図示の伝達手段58は、第2受け部材67を含んでおり、この第2受け部材67には上下方向に延びる第2長孔68が設けられている。また、旋回アーム56の他端部には第2移動コロ69が回転自在に装着され、この第2移動コロ69が第2受け部材67の第2長孔68に移動自在に受け入れられている。
【0044】
このように構成されているので、第1扉部材12の片側閉位置(図1(a)及び図2に示す位置)から矢印28(図3参照)で示す方向に片側開位置(図1(b)及び図3に示す位置)に移動させると、旋回アーム56は旋回軸62を中心として時計方向に旋回し、この旋回動に伴って第1移動コロ63は第1受け部材64の第1長孔66内を下方に移動した後に上方に移動するとともに、第2移動コロ69は、第2受け部材67の第2長孔68内を上方に移動した後に下方に移動し、第1及び第2移動コロ63,69がこのように移動することによって、旋回アーム56の上述した旋回動が許容される。
【0045】
伝達手段58は、第2受け部材67に加えて、横方向に延びる第1伝達部材70と、上下方向に延びる第2伝達部材71とを備えている。この形態では、第1伝達部材70は、上下方向に間隔をおいて配設された一対の伝達ロッド72から構成され、支持フレーム60には複数の支持ブロック73が取り付けられ、一対の伝達ロッド72は、これら支持ブロック73に横方向にスライド自在に支持されている。
【0046】
一対の伝達ロッド72の一端側(図2及び図3において左端側)は第2受け部材67に固定され、それらの他端側(図2及び図3において右端側)は第2伝達部材71に固定されている。第2伝達部材71は、細長いプレート状部材から構成され、その両側端部は前面側(図5において左側)に折曲され、片側(図2及び図3において左側)の折曲部が第1作用部材74として機能し、他側(図2及び図3において右側)の折曲部が第2作用部材75として機能する。この第2伝達部材71は、第2扉部材14の背面側にて一対の伝達ロッド72の他端部から下方に延びている。
【0047】
第2扉部材14と第2伝達部材71との間には、開閉の際の衝撃を緩衝するための緩衝手段76が配設されている。図5及び図6を参照して、図示の形態では、この緩衝手段76は第2扉部材14の背面側に上下方向に間隔をおいて2つ配設され、図6に示すように、第2伝達部材71側の第1及び第2作用部材74,75間に配置される。尚、この形態では、2つの緩衝手段76を設けているが、1つ又は3つ以上の緩衝手段76を設けるようにしてもよい。
【0048】
図示の緩衝手段76は、矩形状の緩衝ハウジング77を備え、この緩衝ハウジング77は、図6において左側の第1ハウジング78と、図6において右側の第2ハウジング79とを備え、これら第1及びハウジング78,79は、連結用ねじ80により相互に連結されている。また、図5に示すように、第2扉部材14の背面側には取付プレート81が取り付けられ、この取付プレート81に第1及び第2ハウジング78,79が取付用ねじ82により固定されている。
【0049】
第1ハウジング78の上部には貫通孔83が設けられ、また第2ハウジング79の上部には、第1ハウジング78側に開口する収容凹部84が設けられ、この収容凹部84に第1ばね部材85及び第1ピン86の頭部87が収容されている。第1ばね部材85は、第1ピン86を第1作用部材74に向けて弾性的に偏倚し、第1ピン86は、その頭部87が第1ハウジング78の内側端面に当接する状態に保持され、この状態においては、第1ピン86の軸部88は、第1ハウジング78の貫通孔83を通して第1作用部材74側に突出する。
【0050】
また、第2ハウジング79の下部には貫通孔89が設けられ、また第1ハウジング78の下部には、第2ハウジング79側に開口する収容凹部90が設けられ、この収容凹部90に第2ばね部材91及び第2ピン92の頭部93が収容されている。第2ばね部材91は、第2ピン92を第2作用部材75に向けて弾性的に偏倚し、第2ピン92は、その頭部93が第2ハウジング79の内側端面に当接する状態に保持され、かかる状態においては、第2ピン92の軸部94は、第2ハウジング79の貫通孔89を通して第2作用部材75側に突出する。
【0051】
このように構成されているので、連動機構16を介して第2扉部材14が他側開位置に向けて移動するときには、図7(a)で示すように、第2伝達部材71の矢印95で示す開方向への移動によって、第1作用部材74が第1ピン86に作用して第1ばね部材85の弾性偏倚作用に抗してこれを移動し、第1作用部材74が第1ハウジング78に当接することによって、第2扉部材14が他側開位置に向けて移動され、このように移動することによって、他側開位置に向けて移動する際の衝撃を緩和することができる。また、連動機構16を介して第2扉部材14が他側閉位置に向けて移動するときには、図7(b)で示すように、第2伝達部材71の矢印96で示す閉方向への移動によって、第2作用部材75が第2ピン92に作用して第2ばね部材91の弾性偏倚作用に抗してこれを移動し、第2作用部材75が第2ハウジング79に当接することによって、第2扉部材14が他側閉位置に向けて移動され、このように移動することによって、他側閉位置に向けて移動する際の衝撃を緩和することができる。
【0052】
この緩衝手段76は、上述した緩衝作用に加えて、次のような作用効果も奏する。即ち、連動機構16の伝達手段58(具体的には、第2伝達部材71)と第2扉部材14とを固定的に連結した場合、この第2扉部材14が傾いた状態で固定されると、第2車輪42と第2案内コロ54との間隔(換言すると、第2扉部材14の上下方向の長さ)が大きいことに起因して、第2扉部材14の上述した開閉動が難しくなる。これに対して、上述したようにこの伝達手段58(第2伝達部材71)と第2扉部材14とを固定的に連結せずに緩衝手段76を介して連結することによって、第2扉部材14はその自重によって一対の第2車輪42を介して支持レール38に支持され、このような支持状態において伝達手段58(第2伝達部材71)が緩衝手段76を介して第2扉部材14に作用するようになり、これにより、この第2扉部材14をスムースに開閉動させることができる。
【0053】
このNC旋盤では、第1及び第2扉部材12,14を閉状態に解除自在に保持するためのロック手段97が設けられている。このロック手段97は、例えば、それ自体周知の電磁ロック手段から構成することができ、このようなロック手段97は、受孔を有する受け部材98と、電磁手段により作動されるロックピンを有する電磁ユニット99とから構成され、電磁ユニット99側のロックピン(図示せず)が受け部材98側の受孔(図示せず)内に挿入されることによってロック状態に保持され、ロック手段97のこのようなロック状態では、第1及び第2扉部材12,14は相互に接触して閉状態に保持される(第1扉部材12は片側閉位置に、また第2扉部材14は他側閉位置に保持される)。
【0054】
次に、主として図1図3を参照して、上述した扉開閉機構10の開閉動作について説明する。扉開閉機構10を図1(b)に示す開状態にするには、ロック手段97によるロック状態を解除し、このロック解除状態において、第1扉部材12の開閉操作部材26を把持して矢印28(図1(b)及び図3参照)で示す開方向に片側開位置まで移動させればよい。
【0055】
第1扉部材12をこのように移動させると、第1扉部材12の移動によって旋回アーム56が図2において時計方向に旋回され、この旋回動に伴って伝達手段58(第1伝達部材70及び第2伝達部材71)が図3において右側に移動され、この伝達手段58及び一対の緩衝手段76を介して第2扉部材14が他側開位置に向けて移動される。このとき、第1扉部材12においては、その下側は一対の第1車輪40が支持レール38上を回転しながら移動し、その上側は一対の第1案内コロ50が回転しながら上案内部材44の案内溝46に沿って移動し、また第2扉部材14においては、その下側は一対の第2車輪42が支持レール38上を回転しながら移動し、その上側は一対の第2案内コロ54が回転しながら上案内部材44の案内溝46に沿って移動する。
【0056】
そして、第1扉部材12を図1(b)及び図3に示す片側開位置まで移動させると、旋回アーム56、伝達手段58(第1伝達部材70及び第2伝達部材71)及び一対の緩衝手段76を介して図3において右側に移動されてこの第2扉部材14が図1(b)及び図3に示す他側開位置に位置付けられ、かくして、扉開閉機構10が開状態に保持され、旋盤本体2の加工域S(第1及び第2加工域S1,S2)の前面側が開放される。
【0057】
また、扉開閉機構10を図1(a)に示す閉状態にするには、第1扉部材12の開閉操作部材26を把持して矢印30(図1(a)及び図2参照)で示す閉方向に片側閉位置まで移動させればよい。
【0058】
第1扉部材12をこのように移動させると、第1扉部材12の移動によって旋回アーム56が図3において反時計方向に旋回され、この旋回動に伴って伝達手段58(第1伝達部材70及び第2伝達部材71)が図2において左側に移動され、この伝達手段58及び一対の緩衝手段76を介して第2扉部材14が他側閉位置に向けて移動される。
【0059】
そして、第1扉部材12を図1(a)及び図2に示す片側閉位置まで移動させると、旋回アーム56、伝達手段58(第1伝達部材70及び第2伝達部材71)及び一対の緩衝手段76を介して第2扉部材14が図1(a)及び図2に示す他側閉位置に位置付けられ、かくして、扉開閉機構10が閉状態に保持され、旋盤本体2の加工域S(第1及び第2加工域S1,S2)の前面側がこれら第1及び第2扉部材12,14によって覆われる。このように閉状態になると、ロック手段97がロック状態となり、第1及び第2扉部材12,14が閉状態にロック保持される。
【0060】
この扉開閉機構10では、第1扉部材12が第2扉部材14よりも大きく、この大きな第1扉部材12に確認窓18が設けられているので、上述した閉状態において第1扉部材12の確認窓18を通して旋盤本体2の加工域S(第1及び第2加工域S1,S2での加工状態)を外部から目視することができる。
【0061】
以上、本発明に従う工作機械の一例としての2スピンドル形(スピンドルを2つ備えたタイプ)のNC旋盤に適用して説明したが、本発明はこのような形態のNC旋盤に限定されず、1スピンドル形(スピンドルを1つ備えたタイプ)のNC旋盤にも同様に適用することができる。
【0062】
また、上述した実施形態では、連動機構16の第2伝達部材71側に第1及び第2作用部材74,75を設け、第2扉部材14側に緩衝手段76を設けているが、これとは反対に、連動機構16の第2伝達部材71側に緩衝手段76を設け、第2扉部材14側に第1及び第2作用部材74,75を設けるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0063】
2 旋盤本体(工作機械本体)
4 第1チャック手段
6 第2チャック手段
8 前面側開口
10 扉開閉機構
12 第1扉部材
14 第2扉部材
16 連動機構
18 確認窓
26 開閉操作部材
56 旋回アーム
58 伝達手段
70 第1伝達部材
71 第2伝達部材
76 緩衝手段
S 加工域
S1 第1加工域
S2 第2加工域




図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9