【実施例】
【0019】
次に、本発明の実施例を説明する。
図1において、1は油膜回収機Aを構成する環状枠形の機体、2は油膜回収機Aの枠体1内に設けた水中ポンプ、3は後述の吸入筒の傾斜角度調節用の伸縮式のステーである。4は環状枠形機体1の周囲に複数装着した球状のフロート、5は水中ポンプに連通する油膜等の浮遊物の取入れ用吸入筒であり、当該水中ポンプの下部に伸縮式のステー3を設け、これによって、10度ないし40度の範囲で傾斜角度θを上下方向に回動調整できるように接続してある。当該吸入筒5は、フレキシブルなホースになっていて、その先端の開口5
1を油膜等の浮遊物が取り入れ易いようにラッパ状に成形してある。また、当該吸入筒5の先端部位が内外二重の筒形になって伸縮して長さ調節ができるようになっている。
【0020】
図1及び
図4において、油膜濾過器Bは、ボックス体6の中に収納する比較的浅底のかご体7(7
1〜7
n)を多段に積み重ねてある。そして、各かご体は内外二重のかご体7′・7″の間にかご体の全体を覆う大きさ(例えば、長さL=60cm、幅W=40cm)の濾過シート8を挟み込んである。また、最下段のかご体7nには、短冊状(例えば、長さL′=15cm、幅W′=1.5cm)の吸着シート8′を充填して逆さに向けて載置してある。
図3において、9はボックス体6の外側面に装着したオーバーフロータンクである。9
1・9
2は排水ホースである。当該ボックス体6と油膜回収機Aを連通管10で接続し、ボックス体6の下部に排水管11を具備してある。前記の連通管10には、その長さに応じて適数のフロート12を装着して当該連通管に浮力を与え、その他端をボックス体6の平面から内部に挿入してある。また、排水管11はボックス体6の下部に他端を接続してある。図中、13は水中ポンプ2の電源となる電源コード、14は油膜濾過器Bのボックス体6内に設けたゴミかご体を示す。
【0021】
図8及び
図9は、
図1の他の実施例であり、ボックス体6が排水タンクの役割を成し、当該排水タンク内において、連通管10の吐出口の位置にゴミかご体14′を設置してある。9はボックス体6の外側面に装着したオーバーフロータンクである。図中9
1・9
2は排水ホースである。そして、水中型の自動排水ポンプ2′に排水タンクの開口平面から内部に挿入して接続した排水管11′で外部に排水するような構造になっている。図中13′は電源コード、15は、自動排水ポンプのスイッチを示す。
【0022】
[具体的な使用例]
(1)
図1〜
図7において、本発明に係る浮遊物回収装置の使用例を説明する。油膜回収機Aおよび油膜濾過器Bを台車に搭載して一人で目的の池まで運搬する。そして、油膜回収機Aを水上に浮かべ、油膜濾過器Bは陸地に設置する。
(2)油膜回収機Aの水中ポンプ2に電源コード13を介して外部の電源に接続して通電する。
(3)上下方向の傾斜角度調節用伸縮式ステー3を介して浮遊物吸入筒5を水面に対して10〜40度の範囲で傾斜角度θを設定する。
(4)水中ポンプ2の電源オンにより、油膜回収機Aは、水中を浮遊し、池に浮遊している油膜、スカム、落葉、小枝、アオコ等を吸入筒5に取り込む。
(5)取り込んだ浮遊物は、連通管10を通じて油膜濾過器Bのボックス体6に池水と一緒に送り込まれる。
(6)ボックス体6に送り込まれた池水は、ゴミかご体14で比較的大きい浮遊物を滞留しながら、多段に積み重ねられた各かご体ごとに挟み込まれた濾過シート8によって池水は濾過され、さらに最下段のかご体7n
内の短冊状吸着シート8′を通過しながら当該ボックス体下部の排水管11を通じて外部に排水される。
(7)一方、ボックス体6内に送り込まれた浮遊物は、不織布製の濾過シート8や短冊状吸着シート8
1によって吸着して二重かご体7
1〜7
3及び7nに溜まるから、ある程度滞留したら、当該濾過シート8や吸着シート8′を取り出して洗浄すれば、再度の使用が可能である。一方、落葉や小枝は、ゴミかご体14に溜まるから、これを掬って、外部に廃棄する。
【0023】
また、
図8及び
図9のボックス体6は、排水タンクとして使用するもので、この場合は、二重かご体7
1〜7
3及び7nは収容していないから、連通管10からボックス体6内に入った池水がゴミかご体14′を通過した後は、自動排水スイッチ15がオンして水中型の排水ポンプ2′で外部に排水される。
そして、ボックス体6に送り込まれた池水があふれた場合は、オーバーフロータンク9に流れ込み、排水ホース9
1・9
2を介して外部に排水される。