特許第6391710号(P6391710)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6391710管状シャフトを有する工具のための外科用ハンドル
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6391710
(24)【登録日】2018年8月31日
(45)【発行日】2018年9月19日
(54)【発明の名称】管状シャフトを有する工具のための外科用ハンドル
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/3201 20060101AFI20180910BHJP
   A61B 17/29 20060101ALI20180910BHJP
   A61B 17/30 20060101ALI20180910BHJP
   A61B 17/062 20060101ALI20180910BHJP
【FI】
   A61B17/3201
   A61B17/29
   A61B17/30
   A61B17/062 100
【請求項の数】14
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2016-564395(P2016-564395)
(86)(22)【出願日】2015年1月14日
(65)【公表番号】特表2017-502814(P2017-502814A)
(43)【公表日】2017年1月26日
(86)【国際出願番号】EP2015050538
(87)【国際公開番号】WO2015110323
(87)【国際公開日】20150730
【審査請求日】2017年12月15日
(31)【優先権主張番号】102014100603.8
(32)【優先日】2014年1月21日
(33)【優先権主張国】DE
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】502154016
【氏名又は名称】アエスキュラップ アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】特許業務法人快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シュヴァイツァー トム
(72)【発明者】
【氏名】ザウター ウォルフガング
【審査官】 中村 一雄
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第05545175(US,A)
【文献】 米国特許第05282817(US,A)
【文献】 米国特許第05928263(US,A)
【文献】 国際公開第2012/118011(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/3201
A61B 17/062
A61B 17/29
A61B 17/30
A61B 17/94
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
手術器具の外科用ハンドル、特に、器具シャフトの遠位に配置された工具を作動させるためのシャフト型器具の外科用ハンドルであって、ハンドルハウジング(2、2a)を備えており、少なくとも1つのレバー/ハンドル(1)が、前記ハンドルハウジングに対して可動かつ枢動可能であるように前記ハンドルハウジング(2、2a)に取り付けられ、前記レバー/ハンドル(1)が、トグル(4)を介して摺動要素(5)へ結合されており、前記摺動要素(5)は、前記レバー/ハンドル(1)がその開始位置からばね要素の復元力に抗して作動されるときに動くように、前記ハンドルハウジング(2、2a)内を軸方向に可動である、手術器具の外科用ハンドルにおいて、
前記ばね要素(9)が前記トグル(4)により形成され、ばね要素(9)の一端が前記摺動要素(5)へ作用し、ばね要素(9)の他端が前記レバー/ハンドル(1)へ作用し、
前記レバー/ハンドル(1)上に一体的に形成又は成形された加力手段(13)は、前記ばね要素(9)の前記一端と前記他端の間の中央位置で前記ばね要素(9)に当接して、レバー/ハンドル(1)が作動されたときに、前記ばね要素(9)がレバー/ハンドルを押し上げることを特徴とする、手術器具の外科用ハンドル。
【請求項2】
前記ばね要素(9)を形成する前記トグル(4)は、板ばねであることを特徴とする、請求項1に記載の手術器具の外科用ハンドル。
【請求項3】
前記ばね要素(9)は、解放状態において、弓形状の湾曲を含むことを特徴とする、請求項2に記載の手術器具の外科用ハンドル。
【請求項4】
前記加力手段(13)は、前記レバー/ハンドル(1)の作動時に、前記板ばね(9)の中央部分で前記板ばね(9)の曲げを引き起こし、
前記加力手段(13)は、前記レバー/ハンドル(1)上に一体的に形成されることを特徴とする、請求項2または3に記載の手術器具の外科用ハンドル。
【請求項5】
前記板ばね(9)の前記摺動要素(5)に対する接続は、ヒンジ式接続または固定接続であることを特徴とする、請求項2〜4のいずれか一項に記載の手術器具の外科用ハンドル。
【請求項6】
前記板ばね(9)の前記摺動要素(5)に対する接続は、取り外し不可能に構成されることを特徴とする、請求項2〜5のいずれか一項に記載の手術器具の外科用ハンドル。
【請求項7】
前記板ばね(9)は、ばね鋼で構成されていることを特徴とする、請求項5または6に記載の手術器具の外科用ハンドル。
【請求項8】
前記板ばね(9)は、プラスチック材料で構成されていることを特徴とする、請求項5または6に記載の手術器具の外科用ハンドル。
【請求項9】
前記板ばね(9)は、解放状態において弓形状の湾曲を含み、
前記弓形状の湾曲は、第1の曲率半径を有しており、
前記板ばね(9)は、前記板ばねが前記摺動要素へ接続される領域であって、前記第1の曲率半径を有する領域とは異なる領域において、前記弓形状の湾曲の前記第1の曲率半径より小さい第2の曲率半径(10)を有し、
第2の曲率半径(10)の領域において、前記少なくとも1つのレバー/ハンドル(1)所定の閉鎖位置を越えて作動したときに、前記板ばね(9)の追加的な変形または膨らみが生じることを特徴とする、
請求項〜8のいずれか一項に記載の手術器具の外科用ハンドル。
【請求項10】
前記少なくとも1つのレバー/ハンドル(1)がプラスチック材料で構成されていることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の手術器具の外科用ハンドル。
【請求項11】
前記少なくとも1つのレバー/ハンドル(1)がいくつかのパーツからなることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の手術器具の外科用ハンドル。
【請求項12】
前記少なくとも1つのレバー/ハンドル(1)がシェル形状を有することを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の手術器具の外科用ハンドル。
【請求項13】
前記少なくとも1つのレバー/ハンドル(1)が、前記ハンドルハウジング(2、2a)の少なくとも一部をハンドル軸(8)の周方向にスリーブ状に囲むことを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一項に記載の手術器具の外科用ハンドル。
【請求項14】
管状シャフト型工具を備える管状シャフトと、器具シャフトであってその遠位端部に前記管状シャフト型工具が配置される器具シャフトと、前記器具シャフトの近位端部に配置されるまたは配置され得る請求項1〜13のいずれか一項に記載の外科用ハンドルと、を有する手術器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手術器具、特に請求項1のプレアンブルに記載の管状シャフトを有する手術器具のための軸方向ハンドル、および請求項15のプレアンブルに記載の好ましくは低侵襲タイプの手術器具の分野に関する。
【0002】
以下の説明において、「近位の」という用語は「使用者に近い」として使用され、「遠位の」という用語は「使用者から離れている」として使用される。
【背景技術】
【0003】
外科の分野において、手術はしばしば「低侵襲」と呼ばれる方法で行われる。この場合において、体内の手術は、小さい切開により、かつ外部から操作される、すなわち手術医により患者の体の外側から操作される適切であり通常は高機能の器具により、実施される。これは、患者にとって、大きく切開される必要がないため、すなわち創傷が非常に小さく保たれるため、手術中の負担が少なくなることを意味する。この方法は、例えば、心臓外科手術、腹腔鏡検査(腹部内の検査)、間接鏡検査において適用される。この方法により、組織標本の収集または臓器の除去(例えば胆嚢の除去)などの徒手的操作が可能である。
【0004】
この目的のために、いわゆる、管状シャフトを有する器具が用いられる。そのような管状シャフトを有する器具は、通常、好ましくは中空の器具シャフトを含み、その器具シャフトの遠位端部に、例えばはさみ、固定鉗子、持針器または同様の機械的に作動可能なアクチュエータの形態の(管状シャフト型)工具が関節接合され、この工具により手術医は患者に対して手術を行うことができる。このために、器具シャフトの近位端部に操作ハンドルの形態のデバイスが設けられ、このデバイスにより、工具を作動させるために加えられなければならない力/モーメントが、好ましくは器具シャフトの内側にある動力伝達トレインへ導入されることが可能になり、動力伝達トレインは次いで導入された力/モーメントを工具へ伝達して工具を作動させる。
【0005】
工具を作動させるために、既述の器具へ結合されるように適合される、あるいはそれに動かないよう取り付けられるハンドルの形態の特定の操作ハンドルが存在する。そのようなハンドルには、洗浄、取り外し、安定性または触知可能な動作に関する高い要求が課される。
【0006】
上述した設計の手術器具のための外科用ハンドルは、通常、器具シャフトへ接続可能であり/接続され、管状シャフト型工具へ作動的に接続された動力伝達トレインへの力/モーメント伝達のための機構を収容するハンドルハウジングと、手動で作動可能であり機構と作動的に接続されており、ハンドルハウジングへ関節接合されたレバー/ハンドルと、遠位接続デバイスであって、適切な場合、それを介してハンドルを器具シャフトへ接続でき、動力伝達トレインをハウジング内の機構へ接続できる遠位接続デバイスと、機構を作動させるためにケース内の機構へレバー/ハンドルを結合する、好ましくはトグル手段の形態のギヤシステムとからなる。
【0007】
ハンドルが、ハンドルハウジング上で枢動するよう関節接合された被枢動レバーである場合、トグルはその一端で被枢動レバーの中央部分へ関節接合され、その他端は、ハンドルハウジング内を軸方向に可動できるよう支持された摺動要素またはプッシュ/プルロッドへ関節接合され、続いてこの摺動要素は動力伝達トレイン(例えば、器具シャフト内のプッシュ/プルロッドまたはボーデンケーブル)へ結合される。
【0008】
被枢動レバーが器具ハウジングに向かって手動で枢動されると、トグルを介して摺動要素へ軸方向変位が与えられて、遠位器具工具を作動させる。被枢動レバーをその開始位置へ戻すために、摺動要素上および/または被枢動レバー自体上に戻しばねが配置され、この戻しばねは被枢動レバーの手動操作の際に張力をかけられ、解放されると被枢動レバーに戻る。
【0009】
ハンドルのための復元力は軸方向圧縮ばね(コイルばね)により生じ得、この軸方向圧縮ばねは、ハンドルハウジング内に設置され、ハンドルへ手動で加えられた作動力が減少すると摺動要素を初期位置へ軸方向にリセットする。しかしながら、ハンドルハウジング内に設置された軸方向圧縮ばねはスペースを要する。その他には、ばね力は、力の方向に見るとトグル伝達部の下流に(遠位に)のみ作用する。このようにして、トグルのひいては操作ハンドルの角度位置に依存して、ばね力の効果は極めて減少する。工具がほぼ閉じられると、ばね力の効果は極めて低下するため、制御不能となり望ましくない方法で工具がパチンと閉じる結果となり得る。
【0010】
したがって、市場で入手可能な、上述の概念上の設計を有するハンドルは様々な制約を呈する。例えば、管状シャフト型器具のためのハンドルは、その機構が複雑であるために、取り外すことができないことが多い。その他には、上述の構造を有する入手可能なハンドルでの触知可能な動作は、ばねがトグル機構の下流で接続されることから、最適ではない、あるいは、触知可能な動作の大部分が失われさえする。
【0011】
第2変形形態は、例えば公知のはさみの設計においても実現されるとおり、ハンドル自体上、すなわちハンドルハウジングと操作ハンドルとの間のばねの配置構成にある。この場合のばね力は、ハンドルハウジングと操作ハンドルとの間、ひいては力の方向に見たときのトグル機構の上流に直接作用する。しかしながらこの場合には、ハンドルは高い剛性を有しなければならず、これは相応して大きな重量を伴う。
【0012】
国際公開第2013/079340号は、下流の動力伝達トレインを作動させるために、摺動要素がハンドルハウジングの内側でトグルの形態のジョイント要素により軸方向に変位される、外科用ハンドルを開示する。ジョイント要素において係合されたハンドル/レバーが、互いに向かって付勢され、ジョイント要素を介して摺動要素に作用する。ハンドルに作用する復元力は、ハンドルハウジング内に位置し摺動要素に作用する軸方向圧縮ばねにより生じる。加えて、ハンドルは、トグル機構の逆戻り防止を目的とした、摺動要素の作動経路を制限するための、摺動要素に軸方向に作用する止め具要素を含む。これは、追加的な部品を取付ける労力、重量の増加、およびデバイスの洗浄を妨げるより多くの間隙を意味する。
【0013】
米国特許出願公開第2008/064929A1号は、操作レバーに作用する復元力が板ばねを介して生じ、板ばねの各々が操作レバーと一体となった部分または長手方向部分を形成する、管状シャフト型器具のための軸方向ハンドルを開示する。操作レバーは中実であるため、重く、そのことは手術中に器具を取り扱う際の欠点となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
前述の欠点を回避し、かつ外科用ハンドルおよび手術器具であってはっきりと触知可能なフィードバックを操作者へ提供し、簡単な取り外しの選択肢を提供し、容易に洗浄し得る手術器具を提供することが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0015】
この目的は、請求項1の特徴を含む外科用ハンドルおよび請求項15の特徴を含む手術器具により達成される。本発明の有利な構成は従属請求項の主題である。
【0016】
第1の態様によると、本発明の核心は、器具シャフトの遠位に配置される工具を作動させるための手術器具、特にシャフト型器具のための外科用ハンドルであって、ハンドルハウジングを備えており、少なくとも1つのレバー/ハンドルが、ハンドルハウジングに対して可動する/枢動するようにハンドルハウジングに取り付けられ、レバー/ハンドルをその開始位置からばね要素の復元力に抗して作動させることにより摺動要素を移動させ、それにより工具を作動させるように、レバー/ハンドルが、トグル機構を介して、ハンドルハウジング内を軸方向に可動な摺動要素へ結合される、手術器具のための外科用ハンドルの提供にある。本発明によると、トグル機構は弾性要素により構成され、または換言すると、トグルレバーは同時にレバー/ハンドルで復元力を生じさせるための弾性要素を形成する。
【0017】
この方策のため、レバー/ハンドルを復元するための追加的な個別のばね要素の配置は不要となり得、これにより、他の目的のために用い得る設計におけるスペースを残し、ハンドルのより簡単な取り外しを可能にし、狭い隙間の数が減ることによりハンドルのひいては器具のより良好な洗浄が保証される。
【0018】
外科用ハンドルが、ハンドルハウジング上のハンドル軸に対して横方向に配された枢動軸を中心として回転式に取り付けられた第1レバー/ハンドルを備えることが好ましい。第1レバー/ハンドルの回転式取付けは、ハンドルハウジングに対して明確に画定され、かつ使い勝手の良い第1レバー/ハンドルの動きを可能にする。ハンドルのコンパクト設計を達成するために、第1レバー/ハンドルはハンドルハウジングへ直接回転式に取り付けられる。「ハンドル軸に対して横方向に」という用語は、ハンドル軸が向けられる方向に垂直な平面に設けられることを意味する。
【0019】
取り扱いを考慮すると、第1レバー/ハンドルがその近位端で回転式に取り付けられ、その自由な遠位端でハンドルハウジングに対して枢動すると、有利である。このようにすると、使用者は第1レバー/ハンドルをより容易に把持し操作し得る。
【0020】
第1レバー/ハンドルは、外科用ハンドルの近位端上へまたはその近くへ回転式に取り付けられていることが好ましく、それは、このようにすると、外科用ハンドルへコンパクトな設計を与えることができるためである。
【0021】
第1レバー/ハンドルは、好ましくは、非作動位置(開始位置)であるハンドルハウジングに対する筋交い(braced)位置から、少なくとも1つの作動位置であるハンドルハウジングに対する接近位置へ移動させることができ、逆もまた同様である。外科用ハンドルを作動させるために、第1レバー/ハンドルは、ハンドルハウジングに対して枢動しながら、筋交い位置から接近位置へ移動させられ得る。これにより、使用者がより容易に外科用ハンドルを取り扱えるようになる。
【0022】
第1レバー/ハンドルが、少なくとも1つの作動位置に固定され得ることが好ましい。これは、摺動要素ひいては動力伝達要素もまた、ある位置に固定される可能性を伴うためである。例えば、これは、生体組織または針のような手術器具を把持するためのかぎ爪部分が、管状シャフト型工具の遠位端に配置される場合に好ましい。
【0023】
力は、概してトグル伝達部を介して管状シャフト型工具へ伝達される。従来のトグル伝達部において、ハンドルと摺動要素との間の伝達要素は、非弾性的であるように構成されるため、レバー/ハンドルのリセットは追加的な弾性要素、好ましくはばねを介して行なわねばならない。したがって、より少数の構成部品で対応することと剛性のトグルレバーの欠点を回避することとが意図される。
【0024】
本発明は、言わば、それ自体剛性のトグルレバーの機能と弾性要素の特徴とを組み合わせる。換言すると、この要素は剛性のトグルおよびばねの特徴を1つの構成部品内で統一し、したがってハンドルハウジング内に、他で使用し得る、例えば結合デバイスの管状シャフト型器具への結合を向上させるために使用し得る、追加的なスペースを提供する。これにより、組立時の製造コストが節約され、間隙が少ないため洗浄が容易になる。
【0025】
トグル伝達部および戻しばねの2つの機能の組合せは、本発明によると、単一の構成部品、好ましくは先行技術の剛性のトグルレバーに取って代わる板ばねにより果たされる。
【0026】
板ばねは、概して第1および第2端部を含む実質的に長尺状の形を有する。板ばねは、その少なくとも一端で、自身を対抗する部品、好ましくはレバー/ハンドルおよび/または摺動要素へ固定し得る、固定手段を含んでもよい。
【0027】
板ばねの一端または両端の固定手段は、それらが固定される対象に対して剛性接続が確実となるように、またそうでなければ、それらが固定される対象に対して可動/枢動接続が確実となるように構成されてもよい。
【0028】
前記固定手段は、例えば、ねじおよびリベットのための穴、板ばねの両端部の材料の厚い部分、幅広の部分、小穴を形成するために曲げられた板ばねの両端部、または同様の手段であってもよい。
【0029】
板ばね自体が固定され得る対象(摺動要素/ハンドル)は、板ばねの両端部の前記固定手段に対応する手段を設けており、その対応する手段は、板ばねの両端部の固定手段への接続を支持する。
【0030】
前記対応する手段は、例えば、ねじ山、回転軸、締付スリット、止まり穴を含む締付スリット、さねはぎ継ぎ、および、板ばねの端部を対象へ接続するのに適した同様の手段であってもよい。
【0031】
さらに、板ばねの端部を対象(摺動要素/ハンドル)へ接続するために、接着、はんだ付けおよび溶接接続が、補助を目的としてまたはそれ自体として、前述の対応する手段へ加えられてもよい。
【0032】
好ましくは、板ばねは直線的にかつ長手方向軸に沿って拡張される。板ばねの幅は、その厚さ/高さより大きい。
【0033】
板ばねの厚さは、所望のばね特徴を達成するために、板ばねの長さに沿って独立して選択されてもよい。
【0034】
板ばねの幅は少なくとも部分的に均一である。
【0035】
板ばねは、異なるばね特徴を達成するために、ばねの幅/厚さ比が変化する領域を有してもよい。
【0036】
組み立てのためには、板ばねの幅が一方または両方の端部に向かって減少すると好ましい。
【0037】
板ばねはまた、板ばねの両端部間の(架空の)接続が板ばね自体(弓形状)の長さより短くなるように、解放状態において湾曲した形状をとってもよい。
【0038】
板ばねの曲率半径は、部分的に均一であってもよい。同様に、板ばねの曲率半径は、例えば過負荷からの保護を得るために、(弓形状を維持しながら)複数の異なる曲率半径を有してもよい。
【0039】
ハンドル、そうでなければレバー、またはそうでなければハンドルシェルは、上面および下面を含み、上面は手のひらに面しており、下面は手のひらと反対の方向に向いている。各レバー/ハンドルは、板ばねがハンドルをその初期位置へリセットするために必要なエネルギーを蓄積するように板ばねを変形するために、力を板ばねへ導入する手段を含む。
【0040】
これらの手段は、手のひらと反対の方向に向いている表面、すなわちハンドルハウジングに面するハンドルの表面に配置されてもよい。例えば、レバー/ハンドルが解放されたときに、予め湾曲した(弓形状の)板ばねが、レバー/ハンドルが作動されていくのに伴って真っ直ぐ伸びた位置へ弾性的に変形され、湾曲した形状へ再び戻るように、およびそれに伴ってレバー/ハンドルを回転させ初期位置(開始位置)へ戻すように、かつ同時に摺動要素を引くように、加力手段は板ばねの中央部分において、一点または表面全体へ作用してもよい。加力手段は、例えば、それぞれのレバー/ハンドル上にあり、板ばね(弾性トグルレバー)の中央部分に隣接しており、レバー/ハンドルの作動中ずっと板ばねを押す突起部の形状をとってもよく、または加力手段はある種のリンク案内部であって、それに沿って板ばねが外れるひいては拡張するある種のリンク案内部であってもよい。
【0041】
加力手段は、ハンドルが負荷をかけられないとき、すなわち初期状態にあるとき、いかなる力もかけずに板ばねに接触してもよい。
【0042】
本発明による板ばねは、例えば、ばね鋼、プラスチック材料、繊維強化プラスチック材料などの好適な弾性材料でできていてもよい。
【0043】
ハンドルを押し付けると、連続的にばね張力が増大することから、追加的な圧縮ばねが余剰なものとなる。板ばねの適切な形状により、過負荷保護が追加的に達成され得、これは高機能の器具を保護するのに特に望ましい。例えば、板ばねは、ばね端部部分で、好ましくは摺動要素の領域で、弓形状と比べてより強く湾曲させられてもよく(半径が残りのばね部分より狭くなっている)、その結果、より小さい曲げ半径を有する前記ばね部分が、(一般的なトグル機能により)板ばねに作用する特定の軸方向の力に達するまたはそれを超える際に膨らみ、それにより、レバー/ハンドルから摺動要素への軸方向動力伝達を制限する。
【0044】
本発明によるハンドルは、好ましくは、使用者のハンドルの取り扱いを容易にするために第2レバー/ハンドルを備える。好ましくは、第2レバー/ハンドルはハンドルハウジング上に動かないように固定化されていてもよく、このようにすることで、より単純なハンドルの構造上の設計が可能となる。
【0045】
第2レバー/ハンドルは可動であってもよく、第1レバー/ハンドルと同様に、ハンドル軸に対して横方向に配された枢動軸を中心としてハンドルハウジングに回転式に取り付けられてもよい。さらに、第2レバー/ハンドルは、作動力(軸方向の力)を摺動要素へ伝達するために、トグルレバーにより摺動要素へ作動的に接続されてもよい。好ましくは、第2レバー/ハンドルと摺動要素を同様に接続するために、本発明による弾性要素、特に板ばねが用いられる。
【0046】
実際にハンドルを実用する際には、第1レバー/ハンドルおよび/または第2レバー/ハンドルがシェル形状をとり、ハンドルハウジングの少なくとも一部を、特にスリーブ状にハンドル軸の周方向に囲むと好ましいことが分かる。これらのレバー/ハンドルは、例えばハンドル軸に対する2つの反対側にそれぞれ配置され、使用者の手のひらでより容易に把持されかつ操作されてもよい。
【0047】
さらに、第1レバー/ハンドルおよび第2レバー/ハンドルの各々が、間にハンドルハウジングを受け入れる軸方向に延在する半円筒形または実質的に半円筒形のシェルとして構成されると、有利であることが分かる。
【0048】
本発明は、添付図面を参照して好ましい実施形態により、以下に詳細に示される。
【図面の簡単な説明】
【0049】
図1】個々の部分の相互作用、および軸方向圧縮ばねを有するトグルを用いたレバー/ハンドルのリセットを例示する。
図2】個々の部分の相互作用、およびハンドルハウジングとレバー/ハンドルとの間に戻しばねを有するトグルを用いたレバー/ハンドルのリセットを示す。
図3】弾性トグルを備える本発明によるハンドルの実施形態を例示する。
図4】弾性トグルを備える本発明によるハンドルの別の実施形態を例示する。
図5a-c】湾曲したばねを含む実施形態による弾性トグルの機能を示す。
図6a-b】湾曲していないばねを含む実施形態による弾性トグルの機能を示す。
図7a-d】摺動要素への板ばねの固定の様々な選択肢を示す。
図8a-b】過負荷機能の効果を示す。
図9a-b】本発明による板ばねおよび過負荷機能を有する板ばねを詳細に示す。
図10a-c】取り付け/組立て状態における本発明による板ばねを含む実際の外科用ハンドルを様々な視点から示す。
図11a-c】取り付け/組立て状態における過負荷保護を備える本発明による板ばねを含む実際の外科用ハンドルを様々な視点から示す。
【発明を実施するための形態】
【0050】
図1は、先行技術から公知の型の弾性トグルの効果を例示する。実際のハンドルで使用される操作ハンドルは、ここでは単純なレバー/操作ハンドル1により示される。レバー1は、参照符号2、2aにより例示されるハンドルハウジングへ軸3を中心として回転式に取り付けられる。好ましくは、軸3はハンドルの近位端部に配置される。
【0051】
レバー1の遠位端部で、トグル4が軸3bを中心として同様に回転式に取り付けられる。さらに、トグル4は摺動要素5に対して、摺動要素5に配置される軸を中心として枢動している。
【0052】
ばね6が、ハンドルハウジング2、2aの近位部における止め具7とハンドルハウジング2、2aの内側に設けられた摺動要素5との間の近位位置に取り付けられる。
【0053】
図1の例示的な表現において、レバー1、4の向きは、ハンドルハウジング2、2aと操作ハンドル1とのなす角度αが遠位方向に開き、操作ハンドル1とトグル4とのなす角度βが近位方向に開くようになっている。したがって、向きを逆にすること、および結果として待機位置(開始位置)および変位の方向を逆にすることが可能である。この場合において、ばね6および止め具7は、摺動要素5の他方の側でミラー反転となるように取り付けられる。
【0054】
図1において、現在の不利な先行技術が、可撓性のある復元要素としての軸方向圧縮ばねを含む変形形態として示される。参照符号5は、操作ハンドル1およびトグル4を介して管状シャフト器具上の摺動要素5へ導入された力を結合させる摺動要素を意味する。適切な結合デバイスを含む管状シャフト型器具自体は図示しない。
【0055】
レバー1が押下されると、それに移動可能に接続されたトグル4ひいてはまたトグル4に移動可能に接続される摺動要素5が、その軸方向に移動する。レバー4はこの配置構成においてトグルと呼ばれ、剛性の非可撓性接続を表す。
【0056】
レバー1が軸3を中心としてハンドルハウジング2、2aに向かって回転されるほど、トグル4は摺動要素5をばね6の力に抗して移動させる。ばね6は、レバー1またはレバー4がハンドル軸に対して最小角度未満に下がらない限り、復元力をレバー(ハンドル部)1へ加えることができる(力の平行四辺形)。上向きの力がレバー1へ作用することが常に確保されなければならない。トグル4がハンドル軸8に平行な位置に到達した場合、さらなる上向きの力が提供されることはなく、トグル4はその位置に留まる。そのような局面にある外科用ハンドルは言わばパタンと閉じ、ひいてはまた管状シャフトの遠位端部に配置された工具を閉鎖位置に保持する。
【0057】
先行技術の、第2の同等に不利な変形形態が図2に例示される。戻しばね6aは、操作ハンドル(レバー)1とハンドルハウジング2、2aとの間の枢動軸3の近くに配置される。これにより、ハンドル1が剛性であることが必要となり、このことは結果としてハンドル1が中実かつ重くなることを意味する。
【0058】
図3において、剛性のトグルおよびそれから離して配置される戻しばねに基本的に取って代わる本発明によるばね要素/板ばね9が例示される。ばね要素/板ばね9は第1端部Aと第2端部Bとを含む。端部Aにより、ばね要素/板ばね9はレバーまたはハンドルシェル1へ接続され、他の端部Bにより、ばね要素/板ばね9は摺動要素5へ接続される。
【0059】
ばね要素9は好ましくは湾曲(弓形状)していてもよい。レバー/ハンドル1が軸3を中心としてハンドルハウジング2、2aの方向に回転され、レバー/ハンドル1とハンドルハウジング2、2aとのなす角度が減少すると、板ばね9の端部AとBとの間の距離は連続的に増大する。これは板ばね9にとって、線形となる方向に、その待機位置を表す弓形の湾曲した状態から逸脱するよう偏向され、ひいてはハンドル1をリセットするためのエネルギーを吸収することを意味する。
【0060】
摺動要素5および操作ハンドル1の両方への接続が枢動軸(3a、3b)として構成されてもよいが、しかしながら、ハンドル1および摺動要素5の各々に対して剛性に接続することも可能である。両方の固定のオプションの組合せも同様に考えられる。
【0061】
枢動軸3を中心としたハンドルハウジングの方向へのハンドルレバー1の回転の間の板ばね9の拡張は、板ばね9の一部がハンドルハウジングに面するハンドル1の一部に適合し(そこから逃げ)、ひいては直線になる、すなわち拡張を経験するという事実によりもたらされる。板ばね9の拡張により、およびレバー1の回転により、板ばね9の端部に接続された摺動要素5はハンドル軸8に沿って軸方向に移動する。
【0062】
ハンドルハウジングに面するハンドル1の下部はまた、図5a〜cに示されるように、例えば、突出構造の形態であり得る加力手段13(突出部/ジャーナルなど)を含んでもよい。
【0063】
ハンドル1を軸3を中心として回転すると、突出する加力手段13が板ばね9と接触するようになり、この位置で軸3を中心としてさらに回転すると、板ばね9に力が加わり、上記で説明された拡張が引き起こされる(図5b)。加力手段13のポイントAからの距離およびまたその構造上の寸法が、いつおよびハンドル1のハンドルハウジングに対するどの枢動角度でばねの拡張が始まるかを決定する。図5cは、ハンドル1であって、加力手段13が板ばね9の一部に隣接し得るハンドル1を示す。
【0064】
図5a〜5cによる弾性トグルレバー9の機能に関する限り以下のことが言える。
【0065】
作動の開始時に、図示のレバー1は外方へ回転した位置に設けられており、摺動要素5は相応して格納位置に設けられる。この事実に基づいてレバー1がハンドルハウジングの方向に回転されると、摺動要素5が軸8に沿ってトグル(C字形の板ばね)9により変位される。板ばね9は連続的にその中央部分で、作動の程度が進むにつれて板ばね9を中央部分において弾性的に窪ませひいては真っ直ぐにする突出部13から逃げる。レバー1が解放されると、板ばね9に蓄えられたエネルギーにより板ばね9が予め湾曲した形状へ自動的に戻る。したがって、レバー1は回転されてその初期位置へ戻され、摺動要素5を軸方向にその元の位置へ引き戻す。
【0066】
図6a、6bにおいて、弾性トグルレバーの別の実施形態が示される。この例において、板ばね9は摺動要素5へ剛結合される。したがって、板ばね9と摺動要素5との間の可動軸受3が省略される。
【0067】
この場合の摺動要素5および板ばね9は、完全な形態で供給される取り外し可能でない部品であってもよい。
【0068】
この配置において、板ばね9は好ましくは真っ直ぐであってもよい。復元効果を達成するため、板ばね9の終点AおよびBは、ハンドル1の軸3を中心とした回転の間は、先行する実施形態のように互いから離れるように移動せず、板ばね9の次第に弾性的な曲げの増加により互いに向かって移動する。板ばね9の一方の端部Aは、手のひらと反対の方向に向いているハンドル1の表面に配置される止め具15に当接してもよく、または板ばね9はレバー1へ蝶番で連結される。止め具15(すなわちヒンジ)は、ハンドル1が押し付けられるときに、板ばね9の端部Aがハンドル1に対して移動することを防ぐ。したがって、止め具15(すなわちヒンジ)は、ハンドル1が軸3を中心として回転されるときの加力ひいては板ばね9の変形を確実にする。同時に、軸方向の力が板ばね9へ伝達され、したがって摺動要素5が軸8に沿って変位される。
【0069】
図6bはハンドル1が押し付けられたときの板ばね9を示す。板ばね9はここで湾曲しており、かつ、板ばね9が蓄積された変形エネルギーを有するという事実により、ハンドル1を初期位置へ戻し、同時に摺動要素5をその元の位置へ引き入れることができる。
【0070】
先行する実施形態で述べたとおりの追加的な加力手段13は不要であるが、必要に応じて、例えば力の経路における特定の特徴を達成するために加えられ得る。加力の特定の特徴を達成するために、板ばね9を摺動要素5に対してある角度で配置することも可能であり、架空の枢動軸であってそれを中心として前記角度が回転する架空の枢動軸は軸3に平行である。加力の特徴は、それぞれの固定的に選択された角度に依存する。
【0071】
図7a〜dは、摺動要素5に対する板ばね9の異なる可能なタイプの固定(剛性および非剛性)を示す。
【0072】
図7a〜cは、一例として、さねはぎ継ぎシステムと同様の接続部による剛性の変形形態を示す。板ばね9の端部に、摺動要素5へ接続するための様々な手段が設けられる。摺動要素はそれに対応する手段を含む。
【0073】
さらに考えられるのは、例えば締め付けられただけの、したがって板ばね9のいずれの端部もいずれの特定の固定手段も含まない、ここに図示しない接続である。最も単純な場合において、摺動要素5は、スリットであって板ばねの一端が中に締め付けられているスリットを有してもよい。
【0074】
板ばね9と摺動要素5との間の接続は、材料に依存して、はんだ付け、接着または締付により達成され得る。
【0075】
図7dは、可動接続であって、板ばね9の一端が曲げられて小穴を形成し、摺動要素5上に軸3aを中心として移動可能に支持される可動接続を示す。
【0076】
図8a〜bにおいて、本発明による板ばね9の別の実施形態が示される。明らかなとおり、板ばね9は、弓形状の残りの湾曲部分の曲率半径より小さい曲率半径を有する別の曲率10を含む。図8a(およびそれぞれまた9b)において明らかに見ることのできるこの追加的な曲率10は、過負荷の際に器具を保護する機能を有する。過負荷は、工具が遠位側で既に閉じられているポイントを越えてハンドル1が閉じられるときに生じ得る。これは、例えば鉗子の分岐部が既に閉じられている場合、ハンドル1がさらに押し付けられる可能性があり、次第に大きな力がそれに作用していることを意味する。板ばね9は真っ直ぐな形状へ曲がり続けるため、すなわち、変形エネルギーを蓄積し続けるため、ハンドル1が押し付けられるほど、ハンドル軸8の方向にさらにより剛性になる。
【0077】
ハンドル軸8に平行に整列した場合、板ばね9はその最大の剛性へ到達する。この曲げ状態においてハンドル1の回転軸3はハンドル軸8上ではなくハンドルハウジング2、2a上に位置するため、このような極端な場合は生じ得ないが、しかしながら、手動の作動力がレバー/ハンドル1へさらに加えられると、板ばね9は非常に大きな力をギヤ機構を介して管状シャフト型工具の遠位端部へ伝達することができるため、高機能の工具が損傷を受けることがある。結合手段の損傷が管状シャフト型工具の近位端部で生じる可能性もある。
【0078】
図示の領域における板ばね9の追加的な曲率10は逃げを作ることができる。図8aにおいて、板ばね9は方向Eに移動する。この場合において、Eは、ハンドル軸8の方向への摺動要素5のいかなるさらなる移動ももはや可能ではない最終位置を表す。図8bは、摺動要素5が終点Eに当接すると何が起こるかを示す。
【0079】
力がハンドル軸8の方向に増大し続けると、(図8b参照)、復元力を蓄積する板ばね9の変形の他に、板ばね9のさらなる変形/膨らみ14が、ここでは図示することを目的として誇張して表された追加的な曲率10の領域において起こる。過剰な力はしたがってその方向を変え、追加的な変形エネルギーへ変換される。追加的な曲率10は、それぞれ、板ばね9への追加的なてこの作用または追加的なレバー作用と呼ばれ得る。
【0080】
ハンドル1が解放されるかまたはレバー/ハンドル1への手動の作動力が減少すると、最初に摺動要素5が後ろに下がるのではなく、まず板ばね9が、摺動要素を初期位置へ戻す前およびまたハンドル1をそれらの初期位置へ移動させる前に、変形/膨らみ14を図8aに示される状態へ逆に曲げることにより追加的に得られたエネルギーを減少させる。
【0081】
9aおよび9bは、過負荷曲率を有しない(図9a)および過負荷曲率有する(図9b)本発明による板ばね9を詳細に示す。
【0082】
図10a〜cは、本発明による板ばね9を含む実際の設計の外科用ハンドルを、いくつかの観点で示す。リンス液を通して案内するためのルアーコーン25が外科用ハンドルの近位端部に配置されてもよい。
【0083】
したがって、この場合において円筒形を有するハンドルハウジング2へ蝶番で連結されたレバー1は、極めて剛性のレバーシェルとして成形される。レバーシェルのハンドルハウジング2に面する側にリンク形切り込みが見え、その中央部分にレバー1の作動時にC字形に予め曲げられた板ばね9が置かれ、このようにして、真っ直ぐになるように弾性的に押される。同時に、板ばね9を介して押圧力が、ハンドルハウジング2内を摺動するよう支持され案内される摺動要素5へ伝達される。図10において示される、器具シャフト内を案内されるプッシュ/プルロッドとしての動力伝達機構は摺動要素5へ結合される。
【0084】
図11a〜cは、本発明による板ばね9と過負荷保護としての追加的な曲率10とを含む外科用ハンドルをいくつかの観点で示す。外科用ハンドルの近位部に同様にルアーコーン25が配置されてもよく、それを通じてリンス液が案内され得る。全てのさらなる技術的特徴は図10によるハンドルに対応する。
以下の項目は、国際出願時の特許請求の範囲に記載の要素である。
[項目1]
手術器具の外科用ハンドル、特に、器具シャフトの遠位に配置された工具を作動させるためのシャフト型器具の外科用ハンドルであって、ハンドルハウジング(2、2a)を備えており、少なくとも1つのレバー/ハンドル(1)が、前記ハンドルハウジングに対して可動であるように、および好ましくは枢動するように前記ハンドルハウジング(2、2a)に取り付けられ、前記レバー/ハンドル(1)が、トグル(4)を介して摺動要素(5)へ結合されており、前記摺動要素(5)は、前記レバー/ハンドル(1)がその開始位置からばね要素の復元力に抗して作動されるときに動くように、前記ハンドルハウジング(2、2a)内を軸方向に可動である、手術器具の外科用ハンドルにおいて、
前記ばね要素(9)が前記トグル(4)により形成され、一方のばね端部が前記摺動要素(5)へ作用し、他方のばね要素が前記レバー/ハンドル(1)へ作用することを特徴とする、手術器具の外科用ハンドル。
[項目2]
前記ばね要素(9)を形成する前記トグル(4)は、板ばねであることを特徴とする、項目1に記載の手術器具の外科用ハンドル。
[項目3]
前記ばね要素(9)は、解放状態において、弓形状の湾曲を含むことを特徴とする、項目1または2に記載の手術器具の外科用ハンドル。
[項目4]
前記レバー/ハンドル(1)は、前記レバー/ハンドル(1)の作動時に、前記板ばね(9)の中央部分で前記板ばね(9)の曲げを引き起こすための前記板ばね(9)への加力手段(13)を含んでおり、
前記加力手段(13)は、好ましくは前記レバー/ハンドル(1)上に配置される突出部、または、より好ましくは前記レバー/ハンドル(1)上に一体的に形成された前記板ばね(9)のための案内リンクであることを特徴とする、項目2または3に記載の手術器具の外科用ハンドル。
[項目5]
前記板ばね(9)の前記摺動要素(5)に対する接続は、ヒンジ式接続または固定接続であることを特徴とする、項目2〜4のいずれか一項に記載の手術器具の外科用ハンドル。
[項目6]
前記板ばね(9)の前記摺動要素(5)に対する前記接続は、永続的であるように構成されることを特徴とする、項目2〜5のいずれか一項に記載の手術器具の外科用ハンドル。
[項目7]
前記板ばね(9)は、ばね鋼で構成されていることを特徴とする、項目2〜6のいずれか一項に記載の手術器具の外科用ハンドル。
[項目8]
前記板ばね(9)は、プラスチック材料で構成されていることを特徴とする、項目2〜6のいずれか一項に記載の手術器具の外科用ハンドル。
[項目9]
前記摺動要素(5)への前記接続の領域において、前記板ばね(9)は、前記弓形状の残りの湾曲部分の曲率半径より小さいさらなる曲率半径(10)を有し、
変形された前記曲率半径(10)の領域において、前記少なくとも1つのレバー/ハンドル(1)の所定の閉鎖位置を越えての作動が、前記板ばね(9)の追加的な変形または膨らみを伴うように前記さらなる曲率半径(10)が方向づけられることを特徴とする、
項目2〜8のいずれか一項に記載の手術器具の外科用ハンドル。
[項目10]
前記少なくとも1つのレバー/ハンドル(1)がプラスチック材料で構成されていることを特徴とする、項目1〜9のいずれか一項に記載の手術器具の外科用ハンドル。
[項目11]
前記少なくとも1つのレバー/ハンドル(1)がいくつかのパーツからなることを特徴とする、項目1〜10のいずれか一項に記載の手術器具の外科用ハンドル。
[項目12]
前記少なくとも1つのレバー/ハンドル(1)がシェル形状を有することを特徴とする、項目1〜11のいずれか一項に記載の手術器具の外科用ハンドル。
[項目13]
前記少なくとも1つのレバー/ハンドル(1)が、前記ハンドルハウジング(2、2a)の少なくとも一部をハンドル軸(8)の周方向にスリーブ状に囲むことを特徴とする、項目1〜12のいずれか一項に記載の手術器具の外科用ハンドル。
[項目14]
前記レバー/ハンドル(1)の作動時に、前記ばね要素(9)が前記レバー/ハンドル(1)からすべり外れるように、前記ばね要素(9)が、前記レバー/ハンドル(1)でおよび好ましくは前記案内リンクで前記ばねの両端部間の中央部分に隣接していることを特徴とする、項目1〜13のいずれか一項に記載の手術器具の外科用ハンドル。
[項目15]
管状シャフト型工具を備える管状シャフトと、器具シャフトであってその遠位端部に前記管状シャフト型工具が配置される器具シャフトと、前記器具シャフトの近位端部に配置されるまたは配置され得る項目1〜14のいずれか一項に記載の外科用ハンドルと、を有する手術器具。
【符号の説明】
【0085】
1:レバー、ハンドル
2、2a:ハンドルハウジング
3、3a、3b:軸
4:トグルレバー
5:摺動要素
6、6a:ばね
7:止め具
8:ハンドル軸
9:弾性要素、板ばね
10:追加的な曲率半径
11:管状シャフト型工具
13:加力手段
14:変形
15:機械的止め具
20:固定手段
25:ルアーコーン
A:板ばねの第1終点
B:板ばねの第2終点
E:終点止め具
α:ハンドルとハンドルハウジングとの間の角度
β:ハンドルとトグルレバーとの間の角度
γ:トグルレバーと摺動要素との間の角度
図1
図2
図3
図4
図5a
図5b
図5c
図6a
図6b
図7a
図7b
図7c
図7d
図8a
図8b
図9a
図9b
図10a
図10b
図10c
図11a
図11b
図11c