特許第6391712号(P6391712)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6391712
(24)【登録日】2018年8月31日
(45)【発行日】2018年9月19日
(54)【発明の名称】読み出しキャッシュメモリ
(51)【国際特許分類】
   G06F 11/10 20060101AFI20180910BHJP
   G06F 12/08 20160101ALI20180910BHJP
   G06F 12/0866 20160101ALI20180910BHJP
   G06F 12/16 20060101ALI20180910BHJP
   G06F 3/06 20060101ALI20180910BHJP
【FI】
   G06F11/10 664
   G06F12/08
   G06F12/0866 100
   G06F12/16 310A
   G06F3/06 302A
   G06F3/06 301U
【請求項の数】7
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-568027(P2016-568027)
(86)(22)【出願日】2015年5月18日
(65)【公表番号】特表2017-521753(P2017-521753A)
(43)【公表日】2017年8月3日
(86)【国際出願番号】US2015031370
(87)【国際公開番号】WO2015179290
(87)【国際公開日】20151126
【審査請求日】2016年11月16日
(31)【優先権主張番号】14/282,467
(32)【優先日】2014年5月20日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595168543
【氏名又は名称】マイクロン テクノロジー, インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【弁理士】
【氏名又は名称】大菅 義之
(74)【代理人】
【識別番号】100106851
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 泰久
(72)【発明者】
【氏名】フェン,ユージーン
(72)【発明者】
【氏名】アルコレオ,マシュー
【審査官】 原 忠
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−203443(JP,A)
【文献】 特開2009−217755(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 11/10
G06F 12/08
G06F 12/0866
G06F 12/16
G06F 3/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のクラス及び第2のクラスを備えるダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)アレイと、第1のNANDアレイ及び第2のNANDアレイとを備える読み出しキャッシュメモリ装置と、制御装置を備える装置であって、
前記制御装置は、前記第1のNANDアレイ内の不良ページを動的にマーキングし、前記動的マーキングと同時に、前記DRAMアレイの前記第1のクラスと前記第2のクラスとの間のデータの移動、前記DRAMアレイと前記第1のNANDアレイとの間のデータの移動、及び前記第1のNANDアレイと前記第2のNANDアレイとの間のデータの移動を管理するように構成され、
前記制御装置は、前記DRAMアレイから前記第1のNANDアレイへ移動されたデータは最も頻繁に読まれたデータであるように前記データの特徴に基づいてデータを前記DRAMアレイから前記第1のNANDアレイへとキャッシュするように構成され、
前記データの特徴は、前記データが要求された回数、及び前記データの安定性のうちの少なくとも1つを含むものであり、
前記第1のNANDアレイから前記第2のNANDアレイへと移動されたデータは、前記マーキングされた不良ページを含まず、
前記第2のNANDアレイ内にキャッシュされたデータが第1の閾値容量に達することに応じて、前記第1のNANDアレイ内に残存するデータを前記DRAMアレイへとデモートし又は前記第1のNANDアレイ内に残存するデータを消去し、
前記DRAMアレイ内にキャッシュされたデータが第2の閾値容量に達することに応じて、DRAMアレイから訪問頻度が最も低いデータページのパーティションを排除し、
前記第1の閾値容量は、前記第2のNANDアレイにキャッシュされたデータの総量に基づくものであり、
前記第2の閾値容量は、前記DRAMアレイの第1及び第2のクラスにキャッシュされた総量に基づくものである、
装置。
【請求項2】
前記制御装置が前記データの特徴に基づいて、データを前記第1のNANDアレイから前記第2のNANDアレイへとキャッシュするようさらに構成される、請求項1項に記載の装置。
【請求項3】
前記制御装置を前記DRAMアレイに結合させるダイレクトメモリアクセス(DMA)と、前記制御装置を前記第1のNANDアレイに結合させるDMAと、前記制御装置を前記第2のNANDアレイに結合させるDMAと、をさらに含む、請求項1〜2のいずれか1項に記載の装置。
【請求項4】
前記制御装置が、ホスト装置を追跡し、インターフェースを介して前記読み出しキャッシュメモリ装置のアクションを前記ホスト装置に報告するようにさらに構成される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)アレイの第1のクラスから前記DRAMの第2のクラスへキャッシュされたデータをプロモートすることと、
前記プロモートすることに応じて、前記DRAMに最も頻繁に訪問されたページパーティションの数、前記データが要求された回数、及び前記データの安定性のうちの少なくとも1つに基づき、前記DRAMアレイから第1のNANDアレイへデータをキャッシュすることと、
前記DRAMから前記データをプロモートすること及びキャッシュすることと同時に、前記第1のNANDアレイ内の不良ページを動的にマーキングすることと、
前記第1のNANDにキャッシュされたデータが第1の閾値容量に達することに応じて、前記第1のNANDアレイから第2のNANDアレイへ前記データをキャッシュすることであって、前記第1のNANDアレイから第2のNANDアレイへキャッシュされた前記データは前記マーキングされた不良ページを含まず、前記第1の閾値容量は第1のNANDアレイにキャッシュされたデータの総量に基づくものであり、
前記第2のNANDアレイにキャッシュされたデータが第2の閾値容量に達することに応じて、前記第1のNANDアレイ内に残存するキャッシュされたデータを前記DRAMアレイへデモートし又は前記第1のNANDアレイ内に残存するデータを消去することとであって、前記第2の閾値容量は、前記第2のNANDアレイ内のキャッシュされたデータの総量に基づくものであり、
前記DRAMアレイにキャッシュされたデータが第3の閾値容量に達することに応じて、DRAMアレイから訪問頻度が最も低いデータページのパーティションを排除することであって、前記第3の閾値容量は前記DRAMの前記第1及び第2のクラス内にキャッシュされたデータの総量に基づくものである
モリ操作方法。
【請求項6】
前記第1のNANDアレイから前記第2のNANDアレイへ前記データをキャッシュすることに応じて、前記第1のNANDアレイ内に残存するデータを消去することをさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記DRAMアレイの第1のクラスからキャッシュされたデータを、前記第1及び前記第2のNANDアレイ内のページサイズに一致するようなサイズのパケットにパッキングすることをさらに含む、請求項5〜6のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は全体として半導体メモリ装置及び方法に関し、より詳細には、読み出しキャッシュメモリに関する。
【背景技術】
【0002】
メモリ装置は通常、コンピュータまたは他の電子装置内の内部、半導体、集積回路として提供される。揮発性及び不揮発性メモリを含む多くの異なるタイプのメモリが存在する。揮発性メモリではそのデータ(例えば、情報)を維持するために電力を必要とする場合があり、とりわけ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、及び同期型ダイナミックランダムアクセスメモリ(SDRAM)を含む。不揮発性メモリは、電力が供給されていない場合であっても、記憶データを保持することによって永続的データを提供することができ、とりわけ、NAND型フラッシュメモリ、NOR型フラッシュメモリ、相変化メモリ(PCRAM)及び抵抗変化型メモリ(RRAM)などの可変抵抗メモリ、ならびにスピントルクトランスファランダムアクセスメモリ(STTRAM)などの磁気ランダムアクセスメモリ(MRAM)を含み得る。
【0003】
メモリ装置を組み合わせて、ソリッドステートドライブ(SSD)を形成することができる。ソリッドステートドライブは、様々な他のタイプの不揮発性及び揮発性メモリのうち、NAND型フラッシュメモリ及び/またはNOR型フラッシュメモリなどの不揮発性メモリを含むことができ、かつ/またはDRAMなどの揮発性メモリを含み得る。場合によっては、SSDにキャッシュを利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1】本開示のいくつかの実施形態による、読み出しキャッシュメモリを含むシステムのブロック図である。
図2】本開示のいくつかの実施形態による、読み出しキャッシュメモリ内のデータフローの例示的な図を示す。
図3】本開示のいくつかの実施形態による、読み出しキャッシュメモリのための例示的な装置を示す。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本開示は、読み出しキャッシュメモリのための方法及び装置を含む。1つの装置は、第1のDRAMアレイ、第1及び第2のNANDアレイ、ならびにDRAMアレイと第1のNANDアレイとの間のデータの移動及び第1のNANDアレイと第2のNANDアレイとの間のデータの移動を管理するよう構成された制御装置を備える、読み出しキャッシュメモリ装置を含む。
【0006】
本開示の実施形態は、DRAMデータをNAND内にキャッシュし、ホストと読み出しキャッシュのための記憶メモリ装置(例えば、NAND、SSDなど)との間にあるメモリ装置の階層または層を提供するスキームを含み得る。これにより、いくつかの実施形態においては、より多くのメモリが利用可能であるという印象を与えることができる。あるいは、または加えて、本開示の実施形態は、通常のDRAM装置よりも小さな設置面積を維持しながら、通常のDRAM装置よりも高い密度を含むために、メモリのこの階層を提供することができる。例えば本開示の実施形態ではまた、読み出しキャッシュが利用するエネルギーを他の手法と比較して低くすることができる。
【0007】
本開示の実施形態はまた、ダブルデータレート(DDR)DRAMまたはハイブリッドメモリキューブ(HMC)よりも低い費用構造を同じ容量で提供することができる。さらに、本開示の実施形態は、PCI Express(PCIe)またはシリアル接続スモールコンピュータシステムインターフェース(SAS)上などで、入力/出力(I/O)空間を介してアクセスされる通常のSSDまたはNAND装置よりも短いリードレイテンシを提供することができる。本開示の実施形態は同様に、直接メインメモリ空間またはI/O空間の両方において、通常のNANDフラッシュ型よりも短いライトレイテンシを提供することができる。本開示の実施形態においては、管理されていない「生の」NAND型フラッシュソリューションとの比較時にクラウドストレージのキャッシュの必要性を満たすための内部でのNAND型フラッシュの利用による耐久性(例えば、サイクル)の向上も同様に実現することができる。
【0008】
本明細書における図は、最初の(1つまたは複数の)桁が図面番号に対応し、残りの桁が図面内の要素または構成要素を特定する付番様式にしたがう。異なる図面間の同様の要素または構成要素が同様の桁の利用によって特定されてもよい。理解されるように、本明細書における様々な実施形態で示される要素は、本開示のいくつかの追加的な実施形態を提供するために、追加し、交換し、かつ/または削除することができる。さらに理解されるように、図において提示される要素の比率及び相対的な縮尺は、本開示の特定の実施形態を示すことを意図しており、限定の意味で理解されるべきではない。さらに本明細書にて利用されるように、「いくつかの(a number of)」ものは、1つまたは複数のそのようなものを指すことができる。
【0009】
図1は、本開示のいくつかの実施形態による、読み出しキャッシュメモリ(RCM)を含むシステム100のブロック図である。本開示の実施形態において、読み出しアプリケーション(例えば、クラウドストレージアプリケーション)のためにデータをキャッシュすることができる。これは、例えば、コードを実行することなく行うことができる。ある例は、配信される(例えば、ストリーミングされる)メディアコンテンツ(例えば、動画、ビデオゲーム等)の記憶を含み得る。この記憶のサーチ及び検索は通常のキャッシュ装置においては時間を浪費するものであるが、本開示の実施形態では、それをプロセッサのより近くに置き、メモリ(例えば、NAND)からの検索に必要な時間を削減することで(例えばメモリ装置の階層を利用して)この時間を削減することができる。本開示のいくつかの例において、システム100は、RCM装置を用いたクラウドストレージアプリケーションを含み得る。
【0010】
システム100は、メモリ装置102(例えば、RCM装置)の形式の装置を含む。装置102は、制御装置108(例えば、ASIC)、アレイ104(例えば、DRAMアレイ)、ならびにアレイ106−1及び106−2(例えば、NANDアレイ)を含み得る。本明細書にて利用されるように、RCM装置102、アレイ104、106−1及び106−2、制御装置108、ならびに/またはアレイ106−1及び106−2内の回路はまた、別個に「装置」として見なされてもよい。
【0011】
いくつかの実施形態において、アレイ106−1及び106−2は、高速NANDアレイを含み得る。アレイ106−1及び106−2は、いくつかの例において、制御回路を含み得る。制御装置108は、いくつかの例において、RCM装置102内のアレイ104、106−1及び106−2の間でコンテンツを高速で移動させるために、ダイレクトメモリアクセス(DMA)を含み得る。本明細書にてさらに考察するように、いくつかの実施形態において、ダイ間の直接接合を使用して、制御装置108、アレイ104、ならびにアレイ106−1及び106−2を一緒に結合させることができる。
【0012】
装置102は、インターフェース110(例えば、とりわけ、HMCのようなインターフェース、プログラム入力/出力(PIO)インターフェース、外部バスインターフェース(EIB)、または専用FPGAインターフェース)を介してホスト装置118と通信することができる。その結果、システム100は、HMCまたはマルチダイDRAMパッケージ(例えば、デュアルダイパッケージング(DDP)、クワッドイパッケージング(QDP)等)と同様の容量/設置面積を含み得る。これにより、例えば、同じまたは同様の容量/設置面積を維持しながら費用及び電力を削減することができる。このような例はまた、他の手法(例えば、I/Oストレージアクセス)を介してストレージアクセスを向上させることができる。ホスト装置118は例えば、SSD/ハードディスクドライブと通信することもできる集積回路(IC)(例えば、サウスブリッジ/SSDホストIC)と通信することができるフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)を含み得る。ICは、例えばローカルエリアネットワーク(LAN)を介して汎用入力/出力インターフェース(例えば、I/O/ローカルI/O)と通信することができ、かつLANまたは他の通信タイプを介して中央処理装置(CPU)及び/またはDRAM制御装置と通信することもできる。いくつかの例において、制御装置はインターフェース110を介してRCM102のアクションをホスト装置118に報告することができる。図1には示されていないが、いくつかの実施形態において、ホスト118は、メモリ装置102を用いなくとも、インターフェース110を介して制御装置108と直接通信することができる。
【0013】
システム100は、データ(例えば、DRAMデータ)をアレイ106(例えば、NAND装置)にキャッシュするために利用される構成要素を含み得る。例えば、頻繁な消去サイクル(例えば、NAND消去サイクル)を回避するために、特定の閾値(例えば、基準)を満たすデータのみがアレイ106−1及び106−2に転送される。アレイ106−1及び106−2における読み出しキャッシュは、このような例において、例えば所有する内部特徴(例えば、サスペンド、トリムなど)を利用することによって改善することができる。システム100によって、例えばバックエンドパッケージング費用を削減するためのワイヤボンド技術を利用することで、アレイ104、106−1、及び106−2の間を内部で移動するメモリアクセス及びDMAがアレイ104、106−1、及び106−2間で内部を移動する速度を向上させることができる。
【0014】
例えば、いくつかの実施形態において、また本明細書にてさらに考察されるように、ページプロモーション及び装置「ピンポン(ping−pong)」スキームを利用して、(例えば、RCM装置102内)RCM装置のアレイ104(例えば、DRAMキャッシュ)からRCM装置のアレイ106−1(例えば、NANDキャッシュ)へと移動させて、かつアレイ106−1と106−2との間でデータを移動させることで、NAND消去サイクルを減少させてRCM装置102の寿命を延長することができる。加えて、本明細書にてさらに考察されるように、内部NANDアレイ106−1及び106−2が摩耗し始めた時、動的不良ページマーキングスキームを使用して、不良NANDページ(例えば、ブロック全体ではない)をオンザフライでマーキングすることができる。それに応じて、RCM装置102が突然故障するのを回避しながら、RCM装置102を交換することができる。RCM装置102はむしろ、NANDアレイが耐久限度に近づくにつれて、そのNAND容量を徐々に失う場合がある。例えば、(例えば、予め設定された閾値における)キャッシュサイズの減少のためにシステム100のレイテンシが増大する場合に、RCMを交換してもよい。
【0015】
図2は、本開示のいくつかの実施形態による、読み出しキャッシュメモリ(例えば、図1に示されるようなRCM装置102)内のデータフローの例示的な略図230を示す。図230は、DRAM装置234、NAND装置232−1、及びNAND装置232−2を含む。図2に示される例はNAND及びDRAMを含むが、メモリ装置の異なるタイプ及び番号が利用されてもよい。例示的なデータフローによって、(例えば、読み出しキャッシュとして利用される際に)とりわけ、例えば、消去サイクルが限定的であること(例えばバイトまたはページレベルで消去することができない)、ページのプログラム上の課題(例えば消去後、ページを1度しかプログラムすることができない)、メモリの利用が潜在的に低いこと、同じ論理ユニット番号(LUN)/平面において読み出し/書き込みの並行処理ができないこと、データ置換のためのレイテンシが潜在的に長いこと、バイトレベルの読み出し、ページレベルの書き込み、及びブロックレベルの消去が連続的であること、ならびに読み出し/書き込みタイミング及び電力が非対称的であるといったNANDの欠点を克服することができる。
【0016】
いくつかの実施形態では、付随するNAND空間において、DRAM装置234全体(例えば、合計2GBに達する2つの8GbのDRAMダイスの積層)のメモリ空間を分割して、ページサイズパーティション数と一致させることができる(例えば、合計16GBのRCM容量では128GbのNAND、または合計32GBのNANDのRCM容量では256GbのNANDを利用する時には16KBのページサイズ)。本明細書にてさらに考察されるように、(例えば、略図230内の)各RCM装置において、ピンポンスキームを支援するためにNAND装置(例えば、装置232−1及び232−2)の2つの同一のダイを利用することができる。
【0017】
238において、キャッシュされたデータをDRAM装置234に書き込むことができる。例えば、データを(例えば、ユーザが)要求することができ、このデータをDRAM装置234に書き込むことができる。このような例において、制御装置はDRAM装置234に入るデータを監視し、とりわけデータがアクセスされる頻度、データの安定性、データの大きさ、及びデータが要求される頻度等を含むいくつかの特徴(例えば要因)に基づいてデータをランク付けすることができる。
【0018】
240において特定の閾値が満たされる場合に、DRAM装置234内のデータを「適格なゾーン」236へと移動させる(例えば、プロモートする)ことができる。いくつかの実施例において、データ移動させることには、データを分類することが含まれてもよい。例えば、データは物理的にゾーン236に移動されるのではなく、クラス(例えば、クラス/ゾーン236)に分類されてもよい。例えば、DRAM装置234内のデータは、アクセスされ、かつ/または閾値の回数分要求される場合に、ゾーン236に移動させる(例えば分類する)ことができる。いくつかの実施例においては、データが安定性閾値を満たす(例えば、後にNANDにプロモートするのに十分安定している)場合に、DRAM装置234内のデータをゾーン236へと移動させる(例えば、分類する)ことができる。例えば、データは(例えば制御装置によって)論理的に体系化される。
【0019】
いくつかの実施形態においては、データをゾーン236にパッキングすることができる。例えば、データを、NANDページサイズに一致するように、16KBパケットにパッキングすることができる。NANDの効率性向上のために、このようなパケットを提供することができる。244においては、装置234が閾値容量に達する(例えば、DRAM装置234またはゾーン236が満杯に近い)際に、ゾーン236内のデータをNAND装置232−1にプロモートすることができる。これにより、DRAM装置234には、より多くのデータを受信し、かつ/またはより多くのデータをDRAM装置234内からゾーン236にプロモートするためのスペースが生じる。NAND装置232−1に移動させることができるデータ量を最大化するようにDRAM装置234からNAND装置232−1に移動させるデータを体系化(例えばNANDによって支持されるページ全体に体系化する)ことができる。
【0020】
242においては、DRAM装置234上の空間を解放するために、閾値要件を満たさないデータを排除することができる。排除することには、は例えば、ゾーン236またはNAND装置232−1にプロモートされるための閾値を満たさないデータをドロップすることまたは上書きすることを含み得る。
【0021】
いくつかの実施形態において、DRAMキャッシュ(例えば、DRAM装置234において)空間が満杯に近づく(例えば予め設定された数またはそれ以下のページのパーティションしか残されていない)場合、特定の時間の頻度割合または頻度の予め設定された閾値を超える適格なページのパーティションの中で最も頻繁に訪問された(例えば、DRAM装置234において最も頻繁に訪問されたデータの上位30パーセント、または所定時間内に少なくとも500回訪問された)ページのパーティションは、一次装置(例えば、一次NAND装置232−1)にプロモートされて(例えば、移動され)、それらのデータページのパーティションの空間を空に(例えば、ダーティ)することで、新規の読み出しキャッシュデータをRCMのDRAM装置234上に記憶する必要が生じた場合に、利用可能となる。
【0022】
新規データをキャッシュする必要がある場合、(例えば242において)訪問頻度が最も低いデータページのパーティションをDRAM装置234から排除することができる。より適格なデータがDRAM装置234を満たす場合、そのデータをNAND装置232−1に移動させることができ、NAND装置232−1を最終的に満たすことができる。その結果、いくつかの実施形態において、最も頻繁に読まれた/訪問されたデータ及び/または最も安定した(例えば、最も定常的な)データのみがNAND装置232−1に存在する。読まれた/訪問された頻度が低いキャッシされたデータはDRAM装置234に残り、訪問の少ないデータは頻繁にキャッシュされる新規のデータと交換される。これにより、RCM装置のNAND装置232−1上でのデータ置換(例えば、消去)する必要性が低くなる場合がある。
【0023】
不良ページをNAND装置232−1内で動的にマーキングすることができる。本明細書にて使用される「動的に(dynamically)」は、特定の影響に応じて可変及び/または絶えず変化することを含み得る(例えば、ページが不良であることを制御装置が判断する)。このような場合、制御装置(図2には示されない)はNAND装置232−1に残るものを管理する。この不良ページのマーキングにより、誤ったマーキングを減少させて、RCM装置ならびにその中のNAND及びDRAM装置内の中の不良ページを修復することができる。このような例においては、不良データのブロック全体をマーキングするのではなく、不良ページをマーキングし、それによりNAND装置232−1の効率性を向上させることができる。いくつかの例において、制御装置は不良ページのマーキング及び修復を行うことができる。
【0024】
例えば、閾値数の消去サイクル(例えば、耐久性スペック)後に、装置(例えば、NAND装置232−1、232−2)が摩耗し始めた時、装置に書き込まれた後では、いくつかのページ上のデータは読み取り検証を行うことができず、そのため、不良データとなる。ブロック全体を永続的に不良としてマーキングする(例えば、不揮発性テーブルに保つ)代わりに、その特定の装置上に不良ページを書き込んだ後、巡回冗長検査(CRC)エラーを有するかまたは読み取り検証が失敗した特定のページのみがマーキングされる。
【0025】
RAM内のRCM(例えば、制御装置上のメモリ)において、制御装置は不良ページを追跡することができ、NAND装置が空になる際に(例えば、本明細書にてさらに考察される一次及び二次位置の切り替え時に)、空のNAND装置の不良ページのテーブルを消去し、再度再構築することができる。これは隣接するページの妨害により、CRCエラーまたは読み取り検証エラーが生じる場合があるためである。ブロックが消去される際、それらのページを再度優良なものとすることができる。
【0026】
さらに、NANDセルが完全に失敗する前に、セルが1つの状態にとどまる時間があるが、別の消去サイクル後に自己修復する。したがって、NANDセルを不良としてのマーキングすることは正確な評価ではない場合がある。
【0027】
248において、閾値要件を満たすページをNAND装置232−1(例えば、一次装置の位置)からNAND装置232−2(例えば、二次装置の位置)へとプロモートすることができる。例えば、NAND装置232−1が閾値容量(例えば、満杯に近い)に達する際に、ページをプロモートすることができる。いくつかの実施例において、制御装置はNAND装置232−1及び232−2内でのデータの利用を監視する(例えば、追跡する)ことができる。246においては、閾値要件を満たさないページをNAND装置232−1からデモートし(例えば、削除し)、「不適格な」ゾーン内のDRAM装置234に送信することができる。これにより例えば、NAND装置へデータをプロモートし過ぎるのを防ぐことができ、これによってNANDの摩耗を防ぐ/減少させることができる。
【0028】
250においては、NAND装置232−2が閾値容量(例えば、満杯に近い)に達する際に、NAND装置232−1内の残りのページを不適格なゾーン内のDRAM装置234にデモートすることができる。いくつかの例において、NAND装置232−1の残りのページを252において破棄する(例えば、ドロップする、排除する、上書きする等)ことができる。それに応じて、NAND装置232−1内にデータを含んでいたブロックを消去することができる。
【0029】
いくつかの実施形態において、NAND装置232−1及び232−2(例えば、NANDダイ)を常に、1つの一次装置及び1つの二次装置として利用することができる。例えば、一次NAND装置232−1が満杯になる(例えば、DRAM装置234がフルであることを示す同じ及び/または同様の条件)際に、一次NAND装置232−1において上位の最も読まれた/訪問されたデータページを、(例えば、248において)二次NAND装置232−2へとプロモートし、訪問が最も少ないデータページをDRAM装置234にデモートする(例えば、移動させる、戻す等)。これらの訪問が最も少ないデータページをDRAM装置234のための新規のキャッシュデータとして扱うことができる。いくつかの実施形態において、プロモート、デモートの両方が行われたデータページを、一次NAND装置232−1上でダーティページとしてマーキングすることができる。一次NAND装置232−1上の所与のブロックの全てのページがダーティである場合、ブロックを消去することができる。
【0030】
二次NAND装置232−2が満杯になる場合、残りのキャッシュされた良好なデータをデモートしてDRAM装置234に戻すことができ、一次NAND装置232−1のブロックの残りを消去することができる。一次NAND装置232−1上のブロックの全てが消去された後、NAND装置232−1及び232−2の位置が入れ替わる。古いが現在は空の一次NAND装置232−1は新規の二次NAND装置になり、古いが現在は満杯の二次NAND装置232−2は新規の一次NAND装置になる。このプロセスを何度も繰り返すことができる。内部装置(例えば、NAND装置)内のデータが最も定常的な/安定的にキャッシュされたデータとして維持され、その結果、内部装置におけるそれらのデータの消去の必要性が軽減されることで、内部装置の耐久性(例えば、寿命)が高まり、他の手法よりも劣化が軽減される。
【0031】
いくつかの例において、読み出しキャッシュメモリ内のプロモート及びデモートのアクション(例えば、ホスト報告及び応答)を(例えば、図1に示されるような制御装置108)制御装置によって管理して追跡することができる。例えば、ポインタ、テーブル、統計データ、カウンタ等の制御情報を記憶するために制御装置が使用されるように、(例えば制御装置内の)オンチップメモリに加えて、DRAM装置234の一部(例えば、図1に示されるようなDRAMアレイ104の一部)を確保してもよい。この情報により制御装置が、DRAM装置234からNAND装置232−1及び232−2を行き来するデータの移動、及びNAND装置232−1と232−2との間のデータの移動を管理して追跡すること、ならびにこの情報をホスト装置(例えば、図1に示されるようなホスト装置118)に報告し返すことを可能にすることができる。DRAM装置234の残りは、例えばデータのキャッシュのために利用されてもよい。
【0032】
図3は本開示のいくつかの実施形態による、読み出しキャッシュメモリのための例示的な装置360(例えば、システム)を示す。例示的な装置360は、NANDアレイ366−1及び366−2、DRAMアレイ364−1及び364−2、ならびに制御装置370(例えば、ASICダイ)を含む5つの既知の良好なダイ(KGD)積層を含み得る。しかし装置360は5−KGD積層またはNAND及びDRAMメモリに限定されない。例えば、いくつかの例において、装置360は、3つ、4つ、またはそれ以上のNAND装置を含んでもよい。
【0033】
NAND及びDRAMの接合パッド全てへのアクセスを得るために、再配分層を利用することができる。この再分配層は、RCM装置のボンディングパッドを再配置することができる。DRAM及びNANDアレイの両方のパッドを再分配してアレイのより短いまたはより長い側の一方のみに並べるため、アレイを互いの上に直接積層され、一番下のアレイ(例えば、DRAMアレイ364−1)がその単列のパッドを片側(例えば、左側)に晒し、一方残りのアレイ領域がその上部でアレイ(例えば、DRAMアレイ364−2)に覆われながら重なり合うように、DRAMアレイ及びNANDアレイをオフセット方式で積層させる。
【0034】
底部(例えば、第2の底部)アレイ(例えば、DRAMアレイ364−2)の隣はその後、180度回転し、反対側(例えば、右側)のその単列のパッドが晒されながら、アレイ領域の残りはその上部でアレイ(例えば、NANDアレイ366−1)に覆われながら重なり合う。2つのアレイ(例えば、DRAMアレイ364−1及び364−2)の底部は、第3のアレイ(例えば、NANDアレイ366−1)がその単列パッドを、第1の(例えば、最底部)アレイ(例えば、DRAMアレイ364−1)(例えば、左側)と平行に並べるが、ボンディングワイヤ372−1、・・・、372−4のための第1のアレイ(例えば、DRAMアレイ364−1)を阻まず、第4のアレイ(例えば、NANDアレイ366−2)がそのパッドを第2のアレイ(例えば、DRAMアレイ364−2)と平行に並べるが、ボンディングワイヤ372−1、・・・、372−4のための第2のアレイ(例えば、DRAMアレイ364−2)のパッドを阻まないように配置される。制御装置370は積層の直上部に、ファンアウト型(フレックス)ウエハレベルパッケージング(WLP)パッド368によって拡張されたパッドピッチを有する第5のアレイ(例えば、ダイ)として置くことができる。制御装置370は、そのx方向側(例えば、左右の)パッドと、オフセット積層されたDRAM及びその下のNANDアレイ上の各パッドとを2つの地点間において直接ダイ間接合することができる。制御装置370のy方向側のパッドを、外部信号(例えば、ボールグリッドアレイ(BGA)パッケージボール)アクセス(図3には示されない)のためパッケージのリードフレームに接合することができる。
【0035】
例示的な実施形態において、図3で示すように、基板362に千鳥状に(例えば、オフセットされて、歪曲されて)接合される第1のダイ上にDRAMアレイ364−1を形成することができる。第1のダイに千鳥状に接合される第2のダイ上にDRAMアレイ364−2を形成することができる。第2のダイに千鳥状に接合される第3のダイ上にNANDアレイ366−1を形成することができ、第3のダイに千鳥状に接合される第4のダイ上にNANDアレイ366−2を形成することができる。第1の、第2の、第3の、及び第4のダイを、例えば、直接ダイ間接合を介して制御装置に接合することができる。いくつかの実施例において、制御装置370は、第4のダイに接合することができ、ファンアウト型フレックスパッド368を含むことができ、かつダイ間ボンディングワイヤ372−1、・・・、372−4を介してダイ364−1、364−2、366−1、及び366−2と通信することができる。
【0036】
本開示は、読み出しキャッシュメモリのための方法及び装置を含む。1つの装置は、第1のDRAMアレイ、第1及び第2のNANDアレイ、ならびにDRAMアレイと第1のNANDアレイとの間のデータの移動及び第1のNANDアレイと第2のNANDアレイとの間のデータの移動を管理するよう構成された制御装置を備える、読み出しキャッシュメモリ装置を含む。
【0037】
ある要素が別の要素の「上に(on)」「に接続する(connected to)」または「と接続する(coupled with)」と示される場合、それは他の要素の直接上にあり、他の要素と接続され、結合されることができるか、または介在する要素が存在してもよいことが理解される。対照的に、要素が別の要素の「直接上に(directly on)」「に直接接続する(directly connected to)」または「と直接接続する(directly coupled with)」と示される場合、介在する要素または層は存在しない。本明細書にて利用されるように、用語「及び/または(and/or)」は、関連するいくつかの記載事項の任意及び全ての組み合わせを含む。
【0038】
本明細書にて使用される用語「及び/または(and/or)」は、関連するいくつかの記載事項の任意及び全ての組み合わせを含む。本明細書にて利用されるよ「または」は、別段に明記されない限り、論理的に包括的な「or」を意味する。すなわち、「AまたはB(A or B)」は、(Aのみ(only A))、(Bのみ(only B))、または(AとBの両方(both A and B))を含み得る。換言すると、「AまたはB(A or B)」は「A及び/またはB(A and/or B)」または「いくつかのA及びB(a number of A and B)」を意味することができる。
【0039】
本明細書においては、用語「第1の(first)」、「第2の(second)」、「第3の(third)」等が様々な要素を説明するために利用されてもよいが、これらの要素は、これらの語によって制限されるべきではないことが理解されたい。これらの語はある要素を別の要素を区別するためだけに利用される。したがて、本開示の教示から逸脱することなく、第1の要素は第2の要素と称され得る。
【0040】
具体的な実施形態が本明細書にて示され、説明されているが、同じ結果を実現するために計算された配置を示された具体的な実施形態で置き換えることができることを、当業者は理解する。本開示は、本開示のいくつかの実施形態の適合または変形例を対象とすることを意図している。上述の説明が例示として行われたものであり、制限的なものではないことを理解されたい。上述の実施形態と本明細書において具体的に説明されない他の実施形態との組み合わせが、上述の説明の検証により当業者には明らかである。本開示のいくつかの実施形態の範囲は、上述の構造及び方法が利用される他の応用を含む。したがって、本開示のいくつかの実施形態の範囲は、添付された特許請求の範囲及びそのような請求項の権利範囲内の均等物の全範囲を参照することで決定されるべきである。
【0041】
上述の発明を実施するための形態では、本開示を簡素化する目的で、いくつかの特徴が単一の実施形態に分類される。開示のこの方法は、開示される本開示の実施形態は各請求項に明記されるよりも多くの特徴を利用しなければならないという意図を反映するものと解釈されない。むしろ、以下の請求項が反映するように、発明の主題は開示される単一の実施形態の全ての特徴よりも少ないものにある。したがって、以下の特許請求の範囲は、各請求項が本発明の分離された実施形態としてそれ自身存在する状態で発明を実施するための形態に組み込まれる。
図1
図2
図3