特許第6391758号(P6391758)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6391758
(24)【登録日】2018年8月31日
(45)【発行日】2018年9月19日
(54)【発明の名称】計量装置
(51)【国際特許分類】
   G01G 19/02 20060101AFI20180910BHJP
【FI】
   G01G19/02 C
【請求項の数】3
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2017-97913(P2017-97913)
(22)【出願日】2017年5月17日
(62)【分割の表示】特願2012-219283(P2012-219283)の分割
【原出願日】2012年10月1日
(65)【公開番号】特開2017-138336(P2017-138336A)
(43)【公開日】2017年8月10日
【審査請求日】2017年5月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000208444
【氏名又は名称】大和製衡株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100162031
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 豊彦
(74)【代理人】
【識別番号】100175721
【弁理士】
【氏名又は名称】高木 秀文
(72)【発明者】
【氏名】奥ノ園 明成
(72)【発明者】
【氏名】田中 聡
(72)【発明者】
【氏名】木下 敏明
【審査官】 細見 斉子
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第03835945(US,A)
【文献】 実開平02−059445(JP,U)
【文献】 特開平10−148565(JP,A)
【文献】 特開平03−188329(JP,A)
【文献】 特開平02−254324(JP,A)
【文献】 実開昭64−055424(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01G 19/02
G01G 21/23
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被計量物が載せられる載台と、
前記載台から受ける荷重を測定するロードセルと、
を具備し、
前記載台に載せられた被計量物の重量を前記ロードセルによって測定する計量装置であって、
前記載台は、
前記被計量物を直接載せることが可能な平面視で略矩形状の載置部と、
重力方向から見て前記載置部の外側に位置し、前記被計量物を載せることが不可能な非載置部と、
を具備し、
前記載置部の平面視で長手方向に亘るように前記載置部の下面に固定されると共に平面視で短手方向における中途部に配置された長手状部材を含む補強部材をさらに具備し、
前記非載置部は、前記長手方向において前記補強部材の前記非載置部側の最端部に固定されることで前記載置部を下方から支持し、
前記ロードセルは、前記非載置部の下方に設置される、
ことを特徴とする計量装置。
【請求項2】
前記非載置部と固定される前記補強部材の最端部と、前記載置部の前記非載置部側の最端部とは、重力方向から見て略同一に位置する、
ことを特徴とする請求項1に記載の計量装置。
【請求項3】
前記非載置部は、
前記ロードセルに下方から支持されると共に、前記補強部材側の最端部が前記補強部材の最端部に固定される第一部分と、
前記第一部分の最端部から下方に延長して形成されると共に、前記第一部分の下方で前記補強部材の最端部に固定される第二部分と、
を具備する、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の計量装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被計量物が載せられる載台と、前記載台を支持すると共に、当該載台から受ける荷重を測定するロードセルと、を具備し、前記載台に載せられた被計量物の重量を測定する計量装置の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、被計量物が載せられる載台と、前記載台を支持すると共に、当該載台から受ける荷重を測定するロードセルと、を具備し、前記載台に載せられた被計量物の重量を測定する計量装置の技術は公知となっている。図17には、従来より公知となっている計量装置の一例である計量装置900を示している。
【0003】
図17に示す計量装置900は、被計量物(図17においては、車両)の車輪11が載せられる略板状の載台910、並びに、当該載台910を支持する第一ロードセル920、第二ロードセル930、第三ロードセル940及び第四ロードセル950を具備するものである。
【0004】
計量装置900においては、載台910は、第一ロードセル920、第二ロードセル930、第三ロードセル940及び第四ロードセル950(以下、単に各ロードセルと記す)によって下方から支持されている。各ロードセルは、平面視(図17(a))において、略矩形状に形成された載台910の4つの頂点の近傍にそれぞれ配置される。
【0005】
このように構成された計量装置900において、載台910に被計量物を載せ、その状態で各ロードセルが載台910から受ける荷重を測定することによって、当該被計量物の重量を測定することができる。
【0006】
ここで、被計量物が載台910に載せられる場合について起こり得る問題点について説明する。
【0007】
図17に示すように各ロードセルを載台910の下に配置した場合、当該載台910は、平面視において隣り合うロードセルの支点(各ロードセルが載台910と接触して当該載台910を支えている点)を結ぶ直線よりも外側にはみ出した状態(いわゆる、オーバーハングした状態)になっている。
例えば、図17において、載台910は、当該載台910の後側の2つの頂点の近傍にそれぞれ配置される第二ロードセル930及び第四ロードセル950の支点を結ぶ直線(図中の一点鎖線)よりも後方にはみ出した状態(オーバーハングした状態)となっている。
【0008】
このような状態の載台910に後方から被計量物(例えば、車両の車輪11)を載せようとすると、当該載台910のうち上述のオーバーハングした部分に当該車輪11による荷重が加わる(図17(b)の下向き矢印参照)。すると、第二ロードセル930及び第四ロードセル950の支点を中心として載台910が回転し、当該載台910の前端が浮き上がろうとする。載台910が浮き上がると、計量装置900の故障や重量の測定不良の原因となるおそれがある。
【0009】
そこで、特許文献1には、ロードセルと載台とを固定することが可能な計量装置が開示されている。ロードセルと載台を固定することにより、上述のような載台の浮き上がりを防止することができる。
【0010】
また、ロードセルと載台を固定する以外にも、当該載台の重量を上述のような浮き上がりが生じない程度まで大幅に増加させることによっても、当該浮き上がりを防止することができる。
【0011】
しかしながら、上述の如くロードセルと載台とを固定するためには別途部品や加工、及び固定するための作業が必要であり、また、載台の重量を大幅に増加させるためにはその分の材料が必要であるため、いずれの方法も大きなコストがかかる点で不利であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開平10−132671号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、コストの増加を抑制しつつ載台の浮き上がりを防止することが可能な計量装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0015】
即ち、請求項1においては、被計量物が載せられる載台と、前記載台から受ける荷重を測定するロードセルと、を具備し、前記載台に載せられた被計量物の重量を前記ロードセルによって測定する計量装置であって、前記載台は、前記被計量物を直接載せることが可能な平面視で略矩形状の載置部と、重力方向から見て前記載置部の外側に位置し、前記被計量物を載せることが不可能な非載置部と、を具備し、前記載置部の平面視で長手方向に亘るように前記載置部の下面に固定されると共に平面視で短手方向における中途部に配置された長手状部材を含む補強部材をさらに具備し、前記非載置部は、前記長手方向において前記補強部材の前記非載置部側の最端部に固定されることで前記載置部を下方から支持し、前記ロードセルは、前記非載置部の下方に設置されるものである。
【0016】
請求項2においては、前記非載置部と固定される前記補強部材の最端部と、前記載置部の前記非載置部側の最端部とは、重力方向から見て略同一に位置するものである。
【0017】
請求項3においては、前記非載置部は、前記ロードセルに下方から支持されると共に、前記補強部材側の最端部が前記補強部材の最端部に固定される第一部分と、前記第一部分の最端部から下方に延長して形成されると共に、前記第一部分の下方で前記補強部材の最端部に固定される第二部分と、を具備するものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、被計量物が載せられる領域が、いわゆるオーバーハングした状態になり得ないため、載台が浮き上がるのを防止することができる。また、載台の固定や重量の増加の必要がないため、浮き上がりを防止するためのコストの増加を抑制することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の第一実施形態に係る計量装置の全体を示した斜視図。
図2】同じく、平面図。
図3】同じく、平面拡大図。
図4図3におけるA−A一部断面図。
図5図3におけるB−B一部断面図。
図6】計量装置の平面模式図。
図7】同じく、側面模式図。
図8】(a)第二実施形態に係る計量装置を示した平面模式図。(b)同じく、正面模式図。
図9】(a)第三実施形態に係る計量装置を示した平面模式図。(b)第四実施形態に係る計量装置を示した正面模式図。
図10】第五実施形態に係る計量装置を示した斜視図。
図11】(a)同じく、平面図。(b)同じく、側面図。
図12】(a)第五実施形態に係る計量装置の変形例を示した平面図。(b)同じく、側面図。
図13】第六実施形態に係る計量装置を示した斜視図。
図14】(a)同じく、平面図。(b)同じく、側面図。
図15】(a)第七実施形態に係る計量装置を示した斜視図。(b)同じく、平面図。(c)同じく、側面図。
図16】(a)第七実施形態に係る計量装置の変形例を示した斜視図。(b)同じく、平面図。(c)同じく、側面図。
図17】(a)従来の計量装置を示した平面模式図。(b)同じく、側面模式図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下では、図中に示した矢印に従って、前後方向、上下方向及び左右方向をそれぞれ定義する。
【0021】
まず、図1から図5までを用いて、本発明に係る計量装置の第一実施形態に係る計量装置100の構成について説明する。
【0022】
計量装置100は、被計量物の重量を測定するものである。本実施形態に係る計量装置100は、トラック等の車両10の重量を測定することが可能な、いわゆるトラックスケールである。より詳細には、計量装置100は地面30に形成された穴(ピット20)内に配置(図4及び図5参照)される、いわゆるピットタイプの計量装置であり、また、車両10の各車輪11・11・・・における重量を測定することが可能な、いわゆる輪重計である。図1及び図2に示すように、計量装置100は左右に2つ並べて配置され、車両10の左右の車輪11・11それぞれにおける重量を測定することができる。
【0023】
なお、左右の計量装置100・100の構成は左右対称であるため、以下では特に右側に配置される計量装置100の構成について説明を行い、左側に配置される計量装置100については説明を省略する。
【0024】
計量装置100は、主として載台110、第一ロードセル120、第二ロードセル130、第三ロードセル140、第四ロードセル150、中央蓋部材160及び右側蓋部材170を具備する。
【0025】
図3から図5までに示す載台110は、被計量物である車両10(より詳細には、車両10の車輪11)が載せられるものである。載台110は、主として載置部111、左側非載置部112及び右側非載置部113を具備する。
【0026】
載置部111は、被計量物である車両10(より詳細には、車両10の車輪11)を直接載せることができる部分である。載置部111は、略矩形板状の部材により構成される。載置部111は、その板面を重力方向(上下方向)に、長手方向を左右方向に、それぞれ向けた状態で配置される。載置部111の左右両端部は、それぞれ下方に向けて折り曲げられる。載置部111は、車輪11を載せる載置面(すなわち、上面)が地面30と同じ高さになるように配置される。
【0027】
載置部111の下面には、補強のための3つの補強部材111a・111a・・・が固定される。補強部材111a・111a・・・はI形鋼によって構成される。補強部材111a・111a・・・は、前後方向に互いに所定間隔を置いて並べられると共に、その長手方向を左右に向けた状態で載置部111の左端部近傍から右端部近傍に亘るように配置される。
【0028】
図3及び図4に示す左側非載置部112は、載置部111の左端部を下方から支持する部分である。左側非載置部112は、略矩形板状の部材により構成される。左側非載置部112は、その板面を重力方向(上下方向)に、長手方向を前後方向に、それぞれ向けた状態で配置される。左側非載置部112の長手方向(前後方向)長さは、載置部111の前後方向長さよりも長くなるように形成される。左側非載置部112の右端部は下方に向けて折り曲げられる。左側非載置部112は、平面視(図3)においてその右端部が載置部111の左端部と重複するように、当該載置部111の左端部の下方に配置される。左側非載置部112の上面には載置部111の左端が、左側非載置部112の右側面には補強部材111a・111a・・・の左端が、それぞれ固定される。
【0029】
図3から図5までに示す右側非載置部113は、載置部111の右端部を下方から支持する部分である。右側非載置部113は、略矩形板状の部材により構成される。右側非載置部113は、その板面を重力方向(上下方向)に、長手方向を前後方向に、それぞれ向けた状態で配置される。右側非載置部113の長手方向(前後方向)長さは、載置部111の前後方向長さよりも長くなるように形成される。右側非載置部113の左端部は下方に向けて折り曲げられる。右側非載置部113は、平面視(図3)においてその左端部が載置部111の右端部と重複するように、当該載置部111の右端部の下方に配置される。右側非載置部113の上面には載置部111の右端が、右側非載置部113の左側面には補強部材111a・111a・・・の右端が、それぞれ固定される。
【0030】
第一ロードセル120、第二ロードセル130、第三ロードセル140及び第四ロードセル150は、載台110を支持すると共に、当該載台110から受ける荷重を測定するものである。第一ロードセル120、第二ロードセル130、第三ロードセル140及び第四ロードセル150は、いわゆる圧縮型のロードセルである。
【0031】
第一ロードセル120は、平面視(図3)において左側非載置部112の前端部近傍と重複するように、当該左側非載置部112の前端部近傍の下方に配置される。第一ロードセル120の上端は、左側非載置部112に固定される。第一ロードセル120の下端は、ピット20内に固定された取付台121の上面に固定され、当該取付台121によって所定の高さに支持される。
【0032】
第二ロードセル130は、平面視(図3)において左側非載置部112の後端部近傍と重複するように、当該左側非載置部112の後端部近傍の下方に配置される。第二ロードセル130の上端は、左側非載置部112に固定される。第二ロードセル130の下端は、ピット20内に固定された取付台131の上面に固定され、当該取付台131によって所定の高さに支持される。
【0033】
第三ロードセル140は、平面視(図3)において右側非載置部113の前端部近傍と重複するように、当該右側非載置部113の前端部近傍の下方に配置される。第三ロードセル140の上端は、右側非載置部113に固定される。第三ロードセル140の下端は、ピット20内に固定された取付台141の上面に固定され、当該取付台141によって所定の高さに支持される。
【0034】
第四ロードセル150は、平面視(図3)において右側非載置部113の後端部近傍と重複するように、当該右側非載置部113の後端部近傍の下方に配置される。第四ロードセル150の上端は、右側非載置部113に固定される。第四ロードセル150の下端は、ピット20内に固定された取付台151の上面に固定され、当該取付台151によって所定の高さに支持される。
【0035】
上述の如く、各ロードセル(第一ロードセル120、第二ロードセル130、第三ロードセル140及び第四ロードセル150)によって左側非載置部112及び右側非載置部113が支持され、ひいては載台110全体が支持されることになる。この際、載台110の載置部111の載置面(上面)が地面30と同じ高さになるように、各取付台(取付台121、取付台131、取付台141及び取付台151)によって各ロードセルの高さが調節されている。
【0036】
また、各ロードセルが載台110から受ける荷重を測定することによって、当該載台110に載せられた被計量物の重量を測定することができる。各ロードセルにより測定された被計量物の重量に関する情報は、図示しない制御装置や表示装置に送信され、作業者(被計量物の測定者)が当該情報を確認することができる。
【0037】
図2から図4までに示す中央蓋部材160は、ピット20の開口部(穴)を塞ぐものである。中央蓋部材160は、略H字状の板材により構成される。中央蓋部材160は、その板面を重力方向(上下方向)に向けた状態で配置される。中央蓋部材160は、その上面が地面30と同じ高さになるように、載置部111の左方に配置される。中央蓋部材160は、ピット20の内側面の上端部近傍に固定された支持片(不図示)によって下方から支持され、当該ピット20に対して着脱可能とされる。この際、中央蓋部材160は、ピット20の開口部(具体的には、載置部111の左方の開口部であって、当該載置部111によって塞がれていない部分)を塞ぐように配置される。当該中央蓋部材160によって、左側非載置部112が上方から覆われる。
【0038】
なお、中央蓋部材160は、説明を省略している左側に配置された計量装置100(図2参照)の載置部111の右方の開口部も同時に塞ぐように配置される。すなわち、中央蓋部材160は、左右の計量装置100・100で兼用されている。
【0039】
図2から図5までに示す右側蓋部材170は、ピット20の開口部(穴)を塞ぐものである。右側蓋部材170は、略矩形状の板材により構成される。右側蓋部材170は、その板面を重力方向(上下方向)に向けた状態で配置される。右側蓋部材170は、その上面が地面30と同じ高さになるように、載置部111の右方に配置される。右側蓋部材170は、ピット20の内側面の上端部近傍に固定された支持片21によって下方から支持され、当該ピット20に対して着脱可能とされる。この際、右側蓋部材170は、ピット20の開口部(具体的には、載置部111の右方の開口部であって、当該載置部111によって塞がれていない部分)を塞ぐように配置される。当該右側蓋部材170によって、右側非載置部113が上方から覆われる。
【0040】
以下では、図6及び図7を用いて、上述の如く構成された計量装置100における、各ロードセルと載台110との位置関係について詳細に説明する。
【0041】
なお、図6及び図7においては、説明の便宜上、説明に不要な部材を省略し、各部材の形状を簡略化した模式図を用いて計量装置100を示している。
【0042】
図6に示すように、重力方向(上下方向)から見て、第一ロードセル120、第二ロードセル130、第三ロードセル140及び第四ロードセル150が載台110を支持している点(各ロードセルが載台110を支持している面の中心点)を、それぞれ支点P1、支点P2、支点P3及び支点P4とする。
【0043】
また、重力方向(上下方向)から見て、各支点(支点P1、支点P2、支点P3及び支点P4)を互いに結ぶ直線で囲まれた領域(図6において一点鎖線のハッチングで示した領域)を、可載領域Tとする。
【0044】
なお、図6には、支点P1と支点P2を結ぶ直線、支点P3と支点P4を結ぶ直線、支点P1と支点P3を結ぶ直線、及び支点P2と支点P4を結ぶ直線をそれぞれ示し、当該直線で囲まれた領域を可載領域Tとしている。
各支点を互いに結ぶ直線としては、この他に、支点P1と支点P4を結ぶ直線及び支点P2と支点P3を結ぶ直線があるが、これらの直線も含めて考慮しても可載領域Tの範囲(形状)に変わりは無いため、図示を省略している。
【0045】
載台110が浮き上がるおそれがあるのは、重力方向(上下方向)から見て、当該載台110のうち可載領域Tよりも外側にはみ出した部分(いわゆる、オーバーハングしている部分)に荷重が加えられた場合である。言い換えれば、重力方向(上下方向)から見て、載台110のうち可載領域T内(各支点を結ぶ直線上も含む)に荷重が加えられても、当該載台110が浮き上がるおそれはない。
【0046】
そこで、本実施形態においては、被計量物である車両10(より詳細には、車両10の車輪11)が直接載せられる載置部111を、重力方向(上下方向)から見て可載領域T内に位置するように配置している。具体的には、重力方向(上下方向)から見て載置部111の前端及び後端は、支点P1と支点P3を結ぶ直線及び支点P2と支点P4を結ぶ直線とそれぞれ一致するように配置されている。また、重力方向(上下方向)から見て載置部111の左端は支点P1と支点P2を結ぶ直線の右方に、載置部111の右端は支点P3と支点P4を結ぶ直線の左方に、それぞれ位置するように配置されている。
【0047】
一方、重力方向(上下方向)から見て、載台110のうち載置部111以外の部分(載置部111と重複しない部分)は左側非載置部112及び右側非載置部113により構成されている。左側非載置部112及び右側非載置部113は、載置部111よりも下方に位置すると共に、中央蓋部材160及び右側蓋部材170(重力方向から見て載置部111と重複する部分については、当該載置部111)によって上方から覆われているため、当該左側非載置部112及び右側非載置部113に車輪11を直接載せることはできないように構成されている(図7参照)。
【0048】
以下では、図1図6及び図7を用いて、上述の如く構成された計量装置100を用いて被計量物である車両10の重量を測定する際の様子について説明する。
【0049】
図1に示すように、車両10の重量(より詳細には、車両10の左右一対の車輪11・11にそれぞれ加わる重量)を測定する場合、計量装置100・100の後方から車両10を前進させ、当該車両10の左右一対の車輪11・11を、左右に並べられた計量装置100・100の上にそれぞれ載せる。
【0050】
図6及び図7に示すように、車輪11が計量装置100の左右中央部に位置していれば、当該車輪11は載台110の載置部111に後方から載せられることになる。車輪11が載置部111に載せられると、当該車輪11による荷重が当該載置部111に加えられる(図7の下向き矢印参照)。
【0051】
ここで、車輪11が載せられる載置部111は、重力方向(上下方向)から見て可載領域T内に位置している。このため、車輪11による荷重が当該載置部111に加えられても、載台110が浮き上がることはない。
【0052】
このようにして載置部111に載せられた車輪11に加わる重量は、各ロードセルによって測定され、当該重量に関する情報は図示せぬ制御装置や表示装置等に送信され、作業者が確認することができる。
【0053】
なお、車両10の運転のミスによって車輪11を計量装置100の左右中央部に載せることができなかったとしても、載置部111の左右には中央蓋部材160及び右側蓋部材170が配置されているため(図2及び図3参照)、当該車輪11がピット20内にはまったり、左側非載置部112及び右側非載置部113上に車輪11が載せられたりすることはない。
【0054】
以上の如く、本実施形態に係る計量装置100は、車両10(被計量物)が載せられる載台110と、4つ(少なくとも3つ)の支点(支点P1、支点P2、支点P3及び支点P4)において載台110を支持すると共に、当該載台110から受ける荷重を測定するロードセル(第一ロードセル120、第二ロードセル130、第三ロードセル140及び第四ロードセル150)と、を具備し、載台110に載せられた車両10の重量を測定する計量装置100であって、重力方向から見て、載台110のうち前記ロードセルの支点を互いに結ぶ直線で囲まれた可載領域T(領域)にのみ、車両10が載せられるように構成されるものである。
【0055】
このように構成することにより、車両10が載せられる可載領域Tが、いわゆるオーバーハングした状態になり得ないため、載台110が浮き上がるのを防止することができる。また、載台110の固定や重量の増加の必要がないため、浮き上がりを防止するためのコストの増加を抑制することができる。
【0056】
なお、本実施形態においては、1つの支点を有するロードセル(第一ロードセル120、第二ロードセル130、第三ロードセル140及び第四ロードセル150)を4つ用いて合計4つの支点(支点P1、支点P2、支点P3及び支点P4)において載台110を支持する構成としたが、本発明はこれに限るものではない。すなわち、載台110を支持する支点が3つ以上あれば良く、例えば、3つ以上の支点を有する1つのロードセルで載台110を支持する構成とすることも可能である。
【0057】
また、載台110は、重力方向から見て可載領域T内に位置する部分であって、車両10を載せることが可能な載置部111と、重力方向から見て載置部111以外の部分を含み、車両10を載せることが不可能な非載置部(左側非載置部112及び右側非載置部113)と、を具備するものである。
【0058】
このように構成することにより、車両10(車輪11)を載せることが可能な載置部111は必ず可載領域T内に含まれるため、当該車両10の重量を測定する際に載台110が浮き上がるのを防止することができる。
【0059】
この場合、各ロードセルは非載置部(左側非載置部112及び右側非載置部113)のうち、重力方向から見て載置部111と重複しない部分を支持することになる。
【0060】
なお、非載置部(左側非載置部112及び右側非載置部113)は、重力方向から見てその一部が載置部111と重複していても良い。
【0061】
また、載置部111と非載置部(左側非載置部112及び右側非載置部113)は、1つの部材で一体的に構成することも可能である。
【0062】
また、載台110は、平面視(図3等参照)において概ね矩形状となるように構成するものとしたが、本発明はこれに限るものではなく、載台110の形状を限定するものではない。
【0063】
また、計量装置100は地面30に設けられたピット20内に配置され、載置部111は、車両10を載せる載置面(上面)が地面30と同じ高さになるように形成され、前記非載置部は、地面30よりも低い位置に位置するように形成されると共に、地面30に支持される着脱可能な蓋部材(中央蓋部材160及び右側蓋部材170)により上方から覆われるものである。
【0064】
このように構成することにより、車両10を載置部111に載せるためのスロープ等が不要となるため、計量装置100の設置範囲をコンパクトにすることができる。またこの場合、蓋部材(中央蓋部材160及び右側蓋部材170)をピット20から取り外すことで、計量装置100の設置作業やメンテナンスを容易に行うことができる。
【0065】
また、本実施形態に係る計量装置100の如く、各ロードセル(第一ロードセル120、第二ロードセル130、第三ロードセル140及び第四ロードセル150)を非載置部(左側非載置部112及び右側非載置部113)と重複するように当該非載置部の下方に配置することで、ピット20の開口部を塞いでいる載置部111、中央蓋部材160及び右側蓋部材170の隙間からピット20内に侵入する雨水や塵挨が直接各ロードセルに付着するのを防止することができる。これによって、各ロードセルの汚れや材質の劣化、不具合の発生を抑制することができる。
【0066】
なお、ピット20の開口部を塞いでいる載置部111、中央蓋部材160及び右側蓋部材170の隙間から雨水や塵挨がピット20内に侵入するのを防止するために、当該隙間にシール部材を介設することも可能である。
【0067】
以下では、本発明に係る計量装置の他の実施形態について説明する。
【0068】
まず、図8を用いて、第二実施形態に係る計量装置200について説明する。
【0069】
第二実施形態に係る計量装置200が第一実施形態に係る計量装置100と異なる点は、左側非載置部112及び右側非載置部113に替えて非載置部212を具備する点、並びに、新たに第五ロードセル280及び第六ロードセル290を具備する点である。よって以下では、当該相違点についてのみ説明する。
【0070】
非載置部212は、載置部111を下方から支持する部分である。非載置部212は、重力方向(上下方向)から見て載置部111よりも一回り大きい略矩形板状の部材により構成される。このように、非載置部212は、載置部111を左右両側からそれぞれ支持するもの(第一実施形態に係る計量装置100参照)ではなく、当該載置部111全体を下方から支持するよう構成することも可能である。
【0071】
第五ロードセル280は、平面視(図8(a))において非載置部212の前端部の左右略中央部と重複するように、当該非載置部212の下方に配置される。第五ロードセル280は、平面視において第一ロードセル120と第三ロードセル140との略中間に配置される。第五ロードセル280は、下方から非載置部212を支持する。
【0072】
第六ロードセル290は、平面視(図8(a))において非載置部212の後端部の左右略中央部と重複するように、当該非載置部212の下方に配置される。第六ロードセル290は、平面視において第二ロードセル130と第四ロードセル150との略中間に配置される。第六ロードセル290は、下方から非載置部212を支持する。
【0073】
このように、ロードセルは4つ(第一実施形態に係る計量装置100参照)に限らず、6つ設けることも可能である。さらには、本発明の効果を奏するためには、重力方向(上下方向)から見てロードセルの支点を互いに結ぶ直線で囲まれる領域(可載領域T)が形成されれば良いため、少なくとも3つのロードセルが一直線上に並ぶことなく配置されていれば良い。
【0074】
次に、図9(a)を用いて、第三実施形態に係る計量装置300について説明する。
【0075】
第三実施形態に係る計量装置300が第一実施形態に係る計量装置100と異なる点は、平面視における各ロードセル(第一ロードセル120、第二ロードセル130、第三ロードセル140及び第四ロードセル150)と載台110との位置関係である。よって以下では、当該相違点についてのみ説明する。
【0076】
第三実施形態に係る計量装置300では、被計量物である車両10(より詳細には、車両10の車輪11)が直接載せられる載台110の載置部111を、重力方向(上下方向)から見て可載領域T内に完全に含まれるように配置している。具体的には、重力方向(上下方向)から見て載置部111の前端は支点P1と支点P3を結ぶ直線の後方に、載置部111の後端は支点P2と支点P4を結ぶ直線の前方に、載置部111の左端は支点P1と支点P2を結ぶ直線の右方に、載置部111の右端は支点P3と支点P4を結ぶ直線の左方に、それぞれ位置するように配置されている。
【0077】
このように、載置部111は、重力方向(上下方向)から見て可載領域T内に位置していれば良い。この他に、載置部111を重力方向(上下方向)から見て可載領域Tと同一形状となるように形成し、当該可載領域Tと完全に重複するように配置すること等も可能である。
【0078】
次に、図9(b)を用いて、第四実施形態に係る計量装置400について説明する。
【0079】
第四実施形態に係る計量装置400が第一実施形態に係る計量装置100と異なる点は、左側非載置部112及び右側非載置部113に替えて左側非載置部412及び右側非載置部413を具備する点である。よって以下では、当該相違点についてのみ説明する。
【0080】
左側非載置部412の構成は、第一実施形態に係る左側非載置部112と概ね同様であり、載置部111の左端部を下方から支持するように構成される。左側非載置部412は、第一実施形態に係る左側非載置部112と異なり、第一ロードセル120及び第二ロードセル130により支持されている部分(支点)から左端部に向かって、下方に傾斜するように折り曲げて形成されている。
【0081】
右側非載置部413の構成は、第一実施形態に係る右側非載置部113と概ね同様であり、載置部111の右端部を下方から支持するように構成される。右側非載置部413は、第一実施形態に係る右側非載置部113と異なり、第三ロードセル140及び第四ロードセル150により支持されている部分(支点)から右端部に向かって、下方に傾斜するように折り曲げて形成されている。
【0082】
このように構成することにより、載置部111と中央蓋部材160及び右側蓋部材170との隙間からピット20内に侵入する雨水や塵挨が当該左側非載置部412及び右側非載置部413の上面をたどってピット20の底へと滑り落ち易くすることができ、当該当該左側非載置部412及び右側非載置部413の上面に塵挨が堆積し難くすることができる。
【0083】
次に、図10及び図11を用いて、第五実施形態に係る計量装置500について説明する。
【0084】
計量装置500は、被計量物の重量を測定するものである。本実施形態に係る計量装置500は、トラック等の車両10の重量を測定することが可能な、いわゆるトラックスケールである。より詳細には、計量装置500は地中に深くピットを掘る必要がなく、また車両10を案内するガードを備える、いわゆるピットレスガードタイプの計量装置である。
【0085】
計量装置500は、主として載台510、第一ロードセル520、第二ロードセル530、第三ロードセル540、第四ロードセル550、前方スロープ560及び後方スロープ570を具備する。
【0086】
載台510は、被計量物である車両10(より詳細には、車両10の車輪11)が載せられるものである。載台510は、主として載置部511及び非載置部512を具備する。
【0087】
載置部511は、被計量物である車両10(より詳細には、車両10の車輪11)を直接載せることができる部分である。載置部511は、略矩形板状の部材により構成される。載置部511は、その板面を重力方向(上下方向)に、長手方向を前後方向に、それぞれ向けた状態で配置される。載置部511は、車輪11を載せる載置面(すなわち、上面)が地面30よりも高くなるように配置される。
【0088】
載置部511の上面には、車両10(車輪11)を案内するためのガード511a・511aが設けられる。ガード511a・511aは略矩形板状の部材であり、長手方向を前後方向に向けて載置部511の左右両端部から上方に向かってそれぞれ立設される。
【0089】
非載置部512は、載置部511を下方から支持する部分である。非載置部512は、重力方向(上下方向)から見て載置部511よりも一回り大きい略矩形状の部材により構成される。非載置部512は、その外周端部が重力方向(上下方向)から見て載置部511の外周端部よりも外側にせり出すように配置される。
【0090】
第一ロードセル520、第二ロードセル530、第三ロードセル540及び第四ロードセル550は、載台510を支持すると共に、当該載台510から受ける荷重を測定するものである。第一ロードセル520、第二ロードセル530、第三ロードセル540及び第四ロードセル550は、いわゆる圧縮型のロードセルである。第一ロードセル520、第二ロードセル530、第三ロードセル540及び第四ロードセル550は、非載置部512の各頂点近傍の下方であって、重力方向(上下方向)から見て載置部511と重複しない位置に配置される。
【0091】
前方スロープ560及び後方スロープ570は、載台510上に車両10を載せやすくするためのものである。前方スロープ560及び後方スロープ570は、載台510の載置部511の前後にそれぞれ配置され、所定の角度に傾けられた傾斜面(上面)によって車両10を地面から当該載置部511まで(又は載置部511から地面まで)案内する。
【0092】
上述の如く、本発明に係る計量装置は、第五実施形態に係る、いわゆるピットレスガードタイプの計量装置500にも適用可能である。この場合、車両10が載せられる載置部511は、重力方向(上下方向)から見て(図11(a)参照)載台510を支える各ロードセルの支点(図11(a)の黒点参照)を互いに結ぶ直線で囲まれた領域内に位置するように配置されているため、車両10が載台510(載置部511)に載せられる際に当該載台510が浮き上がることはない。
【0093】
なお、本実施形態に係る載台510においては、図12に示すように、各ロードセルをガード511a・511aの下方に配置する構成とすることも可能である。
【0094】
この場合、載置部511は各ロードセルの支点(図12(a)の黒点参照)を互いに結ぶ直線で囲まれた領域内に位置するように配置される。具体的には、ガード511a・511aが載置部511の前後にそれぞれ突出するように延設され、当該突出した部分の下方に各ロードセルがそれぞれ配置される。
【0095】
この場合には、非載置部512にガード511a・511aを加えた部分が、本発明に係る非載置部の実施の一形態となる。
【0096】
このように構成することにより、計量装置500の左右幅をコンパクトに構成することができる。
【0097】
次に、図13及び図14を用いて、第六実施形態に係る計量装置600について説明する。
【0098】
計量装置600は、被計量物の重量を測定するものである。本実施形態に係る計量装置600は、線路の途中に形成されるピット内に配置され、当該レール上を走行する貨車の重量を測定することが可能な、いわゆる貨車スケールである。
【0099】
計量装置600は、主として載台610、第一ロードセル620、第二ロードセル630、第三ロードセル640及び第四ロードセル650を具備する。
【0100】
載台610は、被計量物である貨車(より詳細には、貨車の車輪)が載せられるものである。載台610は、主として載置部611、前側非載置部612及び後側非載置部613を具備する。
【0101】
載置部611は、被計量物である貨車(より詳細には、貨車の車輪)を直接載せることができる部分である。載置部611は、略矩形板状の部材により構成される。載置部611は、その板面を重力方向(上下方向)に、長手方向を前後方向に、それぞれ向けた状態で配置される。載置部611は、車輪を載せる載置面(すなわち、上面)が線路と同じ高さになるように配置される。
【0102】
載置部611の上面には、貨車(車輪)を案内するための左右一対の検出レール611a・611aが設けられる。検出レール611a・611aは、計量装置600が配置される線路のレール40・40の一部となるように配置される。
【0103】
図14に示す前側非載置部612及び後側非載置部613は、載置部611を下方から支持する部分である。前側非載置部612及び後側非載置部613は、略矩形板状の部材により構成される。前側非載置部612及び後側非載置部613は、その板面を重力方向(上下方向)に、長手方向を左右方向に、それぞれ向けた状態で配置される。前側非載置部612及び後側非載置部613の長手方向(左右方向)長さは、載置部611の左右方向長さよりも長くなるように形成される。前側非載置部612及び後側非載置部613は、平面視(図14(a))においてその一部が載置部611と重複するように、当該載置部611の前端部及び後端部の下方にそれぞれ配置される。
【0104】
第一ロードセル620、第二ロードセル630、第三ロードセル640及び第四ロードセル650は、載台610を支持すると共に、当該載台610から受ける荷重を測定するものである。第一ロードセル620、第二ロードセル630、第三ロードセル640及び第四ロードセル650は、いわゆる圧縮型のロードセルである。第一ロードセル620は前側非載置部612の左端部近傍の下方に、第二ロードセル630は後側非載置部613の左端部近傍の下方に、第三ロードセル640は前側非載置部612の右端部近傍の下方に、第四ロードセル650は後側非載置部613の右端部近傍の下方に、それぞれ配置される。この際、貨車が載せられる載置部611が、重力方向(上下方向)から見て(図14(a)参照)載台610を支える各ロードセルの支点(図14(a)の黒点参照)を互いに結ぶ直線で囲まれた領域内に位置するように、各ロードセルは配置される。
【0105】
上述の如く、本発明に係る計量装置は、第六実施形態に係るいわゆる貨車スケールにも適用可能である。この場合、貨車が載せられる載置部611は、重力方向(上下方向)から見て(図14(a)参照)載台610を支える各ロードセルの支点を互いに結ぶ直線で囲まれた領域内に位置するように配置されているため、貨車が載台610(載置部611)に載せられる際に当該載台610が浮き上がることはない。
【0106】
次に、図15及び図16を用いて、第七実施形態に係る計量装置700について説明する。
【0107】
計量装置700は、被計量物の重量を測定するものである。本実施形態に係る計量装置700は、比較的小さい台(後述する載台710)を備え、比較的小さい被計量物の重量を測定することが可能な、いわゆる台はかりである。
【0108】
計量装置700は、主として載台710、第一ロードセル720、第二ロードセル730、第三ロードセル740及び第四ロードセル750を具備する。
【0109】
載台710は、被計量物が載せられるものである。載台710は、主として載置部711及び非載置部712を具備する。
【0110】
載台710は、略矩形板状の部材により構成される。載台710の外周端部には、上方に突出するように形成された枠状の非載置部712が形成される。載台710のうち、非載置部712に囲まれた平板部分が載置部711として形成される。すなわち、載置部711及び非載置部712は、一体的に形成される。非載置部712は、その上に被計量物を載せることができない程度に幅が狭くなるように構成される。また、当該非載置部712によって、載置部711上に載置された被計量物が落下するのを防止することができる。
【0111】
第一ロードセル720、第二ロードセル730、第三ロードセル740及び第四ロードセル750は、載台710を支持すると共に、当該載台710から受ける荷重を測定するものである。第一ロードセル720、第二ロードセル730、第三ロードセル740及び第四ロードセル750は、いわゆる圧縮型のロードセルである。第一ロードセル720、第二ロードセル730、第三ロードセル740及び第四ロードセル750は、非載置部712の各頂点近傍の下方にそれぞれ配置される。この際、被計量物が載せられる載置部711が、重力方向(上下方向)から見て(図15(b)参照)載台710を支える各ロードセルの支点(図15(b)の黒点参照)を互いに結ぶ直線で囲まれた領域内に位置するように、各ロードセルは配置される。
【0112】
上述の如く、本発明に係る計量装置は、第七実施形態に係るいわゆる台はかりにも適用可能である。この場合、被計量物が載せられる載置部711は、重力方向(上下方向)から見て(図15(b)参照)載台710を支える各ロードセルの支点を互いに結ぶ直線で囲まれた領域内に位置するように配置されているため、被計量物が載台710(載置部711)に載せられた際に当該載台710が浮き上がることはない。
【0113】
なお、計量装置700の載台710aを図16に示すように構成することも可能である。具体的には、載台710aの外周端部を中央部よりも下方に凹ませ、当該部分(外周端部)を非載置部712aとする。また、載台710aのうち、非載置部712aに囲まれた部分(非載置部712aよりも高い部分)を載置部711aとする。非載置部712aは、その上に被計量物を載せることができない程度に幅が狭くなるように構成される。
【0114】
この場合においても、被計量物が載せられる載置部711aは、重力方向(上下方向)から見て(図16(b)参照)載台710aを支える各ロードセルの支点を互いに結ぶ直線で囲まれた領域内に位置するように配置されているため、被計量物が載台710a(載置部711a)に載せられた際に当該載台710aが浮き上がることはない。
【0115】
以上の各実施形態に示したように、本発明に係る計量装置は、種々の計量装置(上記実施形態に示したトラックスケール、貨車スケール及び台はかりに限らず、コンベヤスケール等のその他の計量装置)に適用することが可能である。
【0116】
なお、本発明に係る被計量物は、上記実施形態に示した車両や貨車に限るものではなく、種々の物を被計量物として重量を測定することが可能である。
また、本発明に係るロードセルは、上記実施形態に示したいわゆる圧縮型のロードセルに限定するものではなく、いわゆる引張型や曲げ型のロードセル等を用いることも可能である。
また、上記実施形態に示したように、いわゆる圧縮型のロードセルを用いる場合には、載台を下方から支持するものとしたが、上述のいわゆる引張型や曲げ型のロードセルを用いる場合には、載台を上方から引っ張り上げるようにして支持することも可能である。
【符号の説明】
【0117】
100 計量装置
110 載台
111 載置部
112 左側非載置部
113 右側非載置部
120 第一ロードセル
130 第二ロードセル
140 第三ロードセル
150 第四ロードセル
160 中央蓋部材
170 右側蓋部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17