特許第6391978号(P6391978)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6391978タッチセンサ用電極、タッチパネル、および、表示装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6391978
(24)【登録日】2018年8月31日
(45)【発行日】2018年9月19日
(54)【発明の名称】タッチセンサ用電極、タッチパネル、および、表示装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20180910BHJP
   G06F 3/044 20060101ALI20180910BHJP
【FI】
   G06F3/041 490
   G06F3/041 422
   G06F3/044 127
【請求項の数】14
【全頁数】37
(21)【出願番号】特願2014-90640(P2014-90640)
(22)【出願日】2014年4月24日
(65)【公開番号】特開2015-210600(P2015-210600A)
(43)【公開日】2015年11月24日
【審査請求日】2017年3月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】518236856
【氏名又は名称】株式会社VTSタッチセンサー
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】橋田 裕功
【審査官】 星野 裕
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−143042(JP,A)
【文献】 特開2012−103761(JP,A)
【文献】 特開2014−035612(JP,A)
【文献】 特開2013−129183(JP,A)
【文献】 特開2006−344163(JP,A)
【文献】 特開2013−178655(JP,A)
【文献】 特開2014−029671(JP,A)
【文献】 特開2010−262529(JP,A)
【文献】 特開2009−009249(JP,A)
【文献】 特開2010−286886(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/041
G06F 3/044
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面と、前記第1面と対向する第2面とを有して光を透過する誘電体基板と、
前記第1面に形成された複数の第1帯状電極であって、1つの方向である第1配列方向に沿って間隔を空けて並び、かつ、第1配列方向と直交する第2配列方向に沿って延びる複数の第1帯状電極と、
前記誘電体基板において前記第2面に形成された複数の第2帯状電極であって、前記第2配列方向に沿って間隔を空けて並び、かつ、前記第1配列方向に沿って延びる複数の前記第2帯状電極と、を備え、
複数の前記第1帯状電極の各々は、複数の第1主線と、前記第1主線と交差する方向に沿って延びる複数の第1副線とから構成された格子形状を有する第1パターンを有し、
複数の前記第2帯状電極の各々は、複数の第2主線と、前記第2主線と交差する方向に沿って延びる複数の第2副線とから構成された格子形状を有する第2パターンを有し、
前記第2面と対向する平面視において、前記第1主線と前記第2主線との相互に重なる部分が前記第2主線の延在方向に沿って連続し、かつ、前記第1副線と前記第2副線との相互に重なる部分が前記第2副線の延在方向に沿って連続し、
相互に隣り合う前記第2帯状電極において、
一方の前記第2帯状電極の有する前記第2主線の延長線上に他方の前記第2帯状電極の有する前記第2主線が位置し、かつ、
一方の前記第2帯状電極の有する前記第2副線の延長線上に他方の前記第2帯状電極の有する前記第2副線が位置し、
前記第2面と対向する平面視において、
前記第1パターンは、前記一方の前記第2主線と前記他方の前記第2主線とを繋ぐ形状を有するとともに前記第2主線の延在方向において相互に隣り合う2つの前記第1副線に接続しない部分第1主線と、前記一方の前記第2副線と前記他方の前記第2副線とを繋ぐ形状を有するとともに前記第2副線の延在方向において相互に隣り合う2つの前記第1主線に接続する第1副線とを備え、該第1副線と前記部分第1主線とは互いに交差し、
前記第1面と前記第2面とのいずれか一方にダミーパターンをさらに備え、
前記ダミーパターンは、前記第2面と対向する平面視において、相互に隣り合う前記第1帯状電極間の隙間と、相互に隣り合う前記第2帯状電極間の隙間との重畳部に位置し、前記ダミーパターンは、前記第2配列方向において前記第1帯状電極よりも短く、前記第1配列方向において前記第2帯状電極よりも短く形成されているタッチセンサ用電極。
【請求項2】
前記第1パターンにおいて、
複数の前記第1主線は、前記第1配列方向と90°よりも小さい角度を形成する方向に沿って延び、かつ、複数の前記第1副線は、前記第1配列方向と90°よりも小さい角度を形成する方向に沿って延びている
請求項1に記載のタッチセンサ用電極。
【請求項3】
前記第2主線の線幅は、前記第1主線の線幅よりも大きく、かつ、前記第2副線の線幅は、前記第1副線の線幅よりも大きい
請求項1または2に記載のタッチセンサ用電極。
【請求項4】
前記第1主線の線幅と、前記第2主線の線幅とが相互に等しく、かつ、前記第1副線の線幅と、前記第2副線の線幅とが相互に等しい
請求項1または2に記載のタッチセンサ用電極。
【請求項5】
前記第1主線、前記第1副線、前記第2主線、および、前記第2副線の各々の形成材料は金属であり、
前記第1主線と前記第1副線とにおいて、前記第1面上に露出する表面は金属光沢を有し、
前記第2主線と前記第2副線とにおいて、前記第2面上に露出する表面は黒色である
請求項3に記載のタッチセンサ用電極。
【請求項6】
相互に隣り合う前記第2帯状電極の間の隙間は、前記第2主線の延長線と前記第2副線の延長線との交差部以外に位置する
請求項1から5のいずれか一項に記載のタッチセンサ用電極。
【請求項7】
複数の前記第2主線は、
パッドに対して電気的に接続する配線と、
前記配線に沿って並び、かつ、前記パッドに電気的に接続しない複数のダミー配線と、
を備え、
前記第2パターンは、
前記第2面と対向する平面視において、前記ダミー配線間を繋ぐ形状を有する
請求項1から6のいずれか一項に記載のタッチセンサ用電極。
【請求項8】
前記誘電体基板は、1つの基板から構成されている
請求項1から7のいずれか一項に記載のタッチセンサ用電極。
【請求項9】
複数の前記第1帯状電極が位置する表面を有した第1基材と、
複数の前記第2帯状電極が位置する表面を有した第2基材と、を備え、
前記第1基材の表面に、前記第2基材の裏面が重なり、
前記誘電体基板が前記第2基材である
請求項1から7のいずれか一項に記載のタッチセンサ用電極。
【請求項10】
複数の前記第1帯状電極が位置する表面を有した第1基材と、
複数の前記第2帯状電極が位置する表面を有した第2基材と、を備え、
前記第1基材の裏面の上に、前記第2基材の裏面が重なり、
前記誘電体基板は、前記第1基材、および、前記第2基材を含む
請求項1から7のいずれか一項に記載のタッチセンサ用電極。
【請求項11】
複数の第1帯状電極と、複数の第2帯状電極と、前記第1帯状電極と前記第2帯状電極とに挟まれて光を透過する誘電体基板と、を備えるタッチセンサ用電極と、
前記タッチセンサ用電極を覆うカバー層と、
前記第1帯状電極と前記第2帯状電極との間の静電容量を測定する周辺回路と、を備え、
前記タッチセンサ用電極は、請求項1から10のいずれか一項に記載のタッチセンサ用電極である
タッチパネル。
【請求項12】
複数の第1帯状電極と、複数の第2帯状電極と、前記第1帯状電極と前記第2帯状電極とに挟まれて光を透過する誘電体基板と、を備えるタッチセンサ用電極と、
前記タッチセンサ用電極を覆うカバー層と、
前記第1帯状電極と前記第2帯状電極との間の静電容量を測定する周辺回路と、を備え、
前記タッチセンサ用電極は、請求項3に記載のタッチセンサ用電極であり、
複数の前記第2帯状電極が、前記誘電体基板と前記カバー層との間に位置する
タッチパネル。
【請求項13】
複数の第1帯状電極と、複数の第2帯状電極と、前記第1帯状電極と前記第2帯状電極とに挟まれて光を透過する誘電体基板と、を備えるタッチセンサ用電極と、
前記タッチセンサ用電極を覆うカバー層と、
前記第1帯状電極と前記第2帯状電極との間の静電容量を測定する周辺回路と、を備え、
前記タッチセンサ用電極は、請求項1に記載のタッチセンサ用電極であり、
複数の前記第2帯状電極が、前記誘電体基板と前記カバー層との間に位置し、
前記第1主線の線幅は、前記第2主線の線幅よりも大きく、かつ、前記第1副線の線幅は、前記第2副線の線幅よりも大きい
タッチパネル。
【請求項14】
情報を表示する表示パネルと、
タッチパネルを駆動する駆動回路と、
前記表示パネルの表示する前記情報を透過する前記タッチパネルと、を備え、
前記タッチパネルは、請求項11から13のいずれか一項に記載のタッチパネルである
表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1つの方向に沿って並ぶ複数の電極を備えるタッチセンサ用電極、タッチセンサ用電極を備えるタッチパネル、および、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
タッチパネルを構成するタッチセンサ用電極は、基板の表面に複数の第1電極と、複数の第2電極とを備えている。複数の第1電極は、縦方向に沿って延び、かつ、横方向に沿って並んでいる。複数の第2電極は、横方向に沿って延び、かつ、縦方向に沿って並んでいる。
【0003】
例えば、第1電極は、菱形形状を有する複数の第1検出部を備え、複数の第1検出部は、縦方向に沿って連なっている。他方、第2電極は、菱形形状を有する複数の第2検出部を備え、複数の第2検出部は、横方向に沿って連なっている。基板の表面において、複数の第2検出部の各々は、相互に隣り合う第1検出部の間の隙間に位置している。そして、基板の表面において相互に隣り合う第1検出部と第2検出部との間の静電容量は、これらの間に位置する指などによって変わる。こうした静電容量の変化が検出されることによって、指などの位置が特定される(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−28115号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方で、上述したタッチセンサ用電極では、基板における表面のほぼ全面が、第1検出部と第2検出部とによって埋められている。それゆえに、こうしたタッチセンサ用電極には、光の透過性を高めることが望まれている。
【0006】
本発明は、光の透過性を高めることのできるタッチセンサ用電極、タッチパネル、および、表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
タッチセンサ用電極の一態様は、第1面と、前記第1面と対向する第2面とを有して光を透過する誘電体基板と、前記第1面に形成された複数の第1帯状電極であって、1つの方向である第1配列方向に沿って間隔を空けて並び、かつ、第1配列方向と直交する第2配列方向に沿って延びる複数の前記第1帯状電極と、前記誘電体基板において前記第2面に形成された複数の第2帯状電極であって、前記第2配列方向に沿って間隔を空けて並び、かつ、前記第1配列方向に沿って延びる複数の前記第2帯状電極と、を備える。複数の前記第1帯状電極の各々は、複数の第1主線と、前記第1主線と交差する方向に沿って延びる複数の第1副線とから構成された格子形状を有する第1パターンを有し、複数の前記第2帯状電極の各々は、複数の第2主線と、前記第2主線と交差する方向に沿って延びる複数の第2副線とから構成された格子形状を有する第2パターンを有し、前記第2面と対向する平面視において、前記第1主線と前記第2主線との相互に重なる部分が前記第2主線の延在方向に沿って連続し、かつ、前記第1副線と前記第2副線との相互に重なる部分が前記第2副線の延在方向に沿って連続する。
【0008】
タッチパネルの一態様は、複数の第1帯状電極と、複数の第2帯状電極と、前記第1帯状電極と前記第2帯状電極とに挟まれて光を透過する誘電体基板と、を備えるタッチセンサ用電極と、前記タッチセンサ用電極を覆うカバー層と、前記第1帯状電極と前記第2帯状電極との間の静電容量を測定する周辺回路と、を備える。前記タッチセンサ用電極は、上記タッチセンサ用電極である。
【0009】
表示装置の一態様は、情報を表示する表示パネルと、タッチパネルを駆動する駆動回路と、前記表示パネルの表示する前記情報を透過する前記タッチパネルと、を備え、前記タッチパネルは、上記タッチパネルである。
【0010】
上記態様によれば、第2面と対向する平面視において、第1主線と第2主線とが相互に重なり、また、第1副線と第2副線とが相互に重なる。そのため、タッチセンサ用電極が、複数の第1帯状電極と複数の第2帯状電極とを有するとはいえ、第1面と対向する平面視のほぼ全体においては、複数の第1帯状電極と複数の第2帯状電極とのいずれか一方のみが光を遮る。それゆえに、タッチセンサ用電極の透過性が高まる。
【0011】
上記タッチセンサ用電極では、前記第1パターンにおいて、複数の前記第1主線は、前記第1配列方向と90°よりも小さい角度を形成する方向に沿って延び、かつ、複数の前記第1副線は、前記第1配列方向と90°よりも小さい角度を形成する方向に沿って延びていることが好ましい。
【0012】
タッチセンサ用電極を備えるタッチパネルと、マトリクス状に並んだ画素を備える表示パネルとから構成される表示装置では、一般に、第1配列方向に平行な方向、および、第2配列に平行な方向に沿って画素が位置する。そこで、上記タッチセンサ用電極によるように、第1パターンを構成する第1主線および第1副線の各々が、第1配列方向と90°よりも小さい角度を形成する方向に沿って延びる構成であれば、画素を区画するブラックマトリクスと、各パターンの有する格子とが、相互に交差する。それゆえに、表示装置の表示面において、モアレが生じにくくなる。
【0013】
上記タッチセンサ用電極において、前記第2主線の線幅は、前記第1主線の線幅よりも大きく、かつ、前記第2副線の線幅は、前記第1副線の線幅よりも大きいことが好ましい。
【0014】
上記タッチセンサ用電極によれば、第2面と対向する平面視にて、第2主線から第1主線がはみ出しにくくなり、かつ、第2副線から第1副線がはみ出しにくくなる。そのため、第2パターンの有する格子が区画する領域が、第1パターンと第2パターンとの重なりによって狭まりにくくなる。それゆえに、タッチセンサ用電極の透過性の低下が抑えられる。
【0015】
上記タッチセンサ用電極において、前記第1主線の線幅と、前記第2主線の線幅とが相互に等しく、かつ、前記第1副線の線幅と、前記第2副線の線幅とが相互に等しいことが好ましい。
【0016】
上記タッチセンサ用電極によれば、第1帯状電極の形状と第2帯状電極の形状とを同じにすることが可能である。そのため、第1帯状電極の形状と第2帯状電極の形状とが異なる構成と比べて、タッチセンサ用電極の製造が容易になる。
【0017】
上記タッチセンサ用電極において、前記第1主線、前記第1副線、前記第2主線、および、前記第2副線の各々の形成材料は金属であり、前記第1主線と前記第1副線とにおいて、前記第1面上に露出する表面は金属光沢を有し、前記第2主線と前記第2副線とにおいて、前記第2面上に露出する表面は黒色であることが好ましい。
【0018】
上記タッチセンサ用電極によれば、第1主線は第2主線に重なり、第1副線は第2副線に重なる。そのため、誘電体基板の第1面第2面が視認されるとき、第1パターンは視認されにくい。この際に、第2主線の表面および第2副線の表面が黒色であるため、第1パターンにおける金属光沢、および、第2パターンにおける金属光沢の両方による光の拡散が、第2パターンの有する黒色のみによって視認されにくくなる。
【0019】
上記タッチセンサ用電極では、相互に隣り合う前記第2帯状電極において、一方の前記第2帯状電極の有する前記第2主線の延長線上に他方の前記第2帯状電極の有する前記第2主線が位置し、かつ、一方の前記第2帯状電極の有する前記第2副線の延長線上に他方の前記第2帯状電極の有する前記第2副線が位置し、前記第2面と対向する平面視において、前記第1パターンは、前記一方の前記第2主線と前記他方の第2主線とを繋ぎ、かつ、前記一方の前記第2副線と前記他方の前記第2副線とを繋ぐ形状を有することが好ましい。
【0020】
上記タッチセンサ用電極によれば、第2面と対向する平面視において、一方の第2帯状電極の第2主線と他方の第2帯状電極の第2主線とが1つの線として視認されるように、第1パターンによって繋がれる。また、第2面と対向する平面視において、一方の第2帯状電極の第2副線と他方の第2帯状電極の第2副線とが1つの線として視認されるように、これもまた第1パターンによって繋がれる。それゆえに、タッチセンサ用電極においてモアレが生じることが抑えられる。
【0021】
上記タッチセンサ用電極において、相互に隣り合う前記第2帯状電極の間の隙間は、前記第2主線の延長線と前記第2副線の延長線との交差部以外に位置することが好ましい。
上記タッチセンサ用電極によれば、第2主線の延長線と第2副線の延長線との交差部が、相互に隣り合う第2帯状電極間の隙間以外に位置するため、第2面と対向する平面視において、相互に隣り合う第2帯状電極間の隙間を第1パターンによって繋ぐことが容易である。
【0022】
上記タッチセンサ用電極において、前記第1面と前記第2面とのいずれか一方にダミーパターンをさらに備え、前記ダミーパターンは、前記第2面と対向する平面視において、相互に隣り合う前記第1帯状電極間の隙間と、相互に隣り合う前記第2帯状電極間の隙間との交差部に位置することが好ましい。
【0023】
上記タッチセンサ用電極によれば、相互に隣り合う第1帯状電極間の隙間と、相互に隣り合う第2帯状電極間の隙間との交差部が、ダミーパターンによって視認され難くなるため、これによってもモアレが生じることが抑えられる。
【0024】
上記タッチセンサ用電極において、複数の前記第2主線は、パッドに対して電気的に接続する配線と、前記配線に沿って並び、かつ、前記パッドに電気的に接続しない複数のダミー配線と、を備え、前記第2パターンは、前記第2面と対向する平面視において、前記ダミー配線間を繋ぐ形状を有することが好ましい。
【0025】
上記タッチセンサ用電極によれば、パッドに接続する第2主線の本数が、ダミー配線の本数の設定によって変更することが可能であるから、第1パターンの形状と第2パターンの形状を大幅に変更することなく、第1帯状電極と第2帯状電極との間の静電容量を変えることが可能である。
【0026】
上記タッチセンサ用電極において、前記誘電体基板は、1つの基板から構成されていることが好ましい。
上記タッチセンサ用電極によれば、タッチセンサ用電極の製造方法として、誘電体基板において対向する2つの面に同時に露光することによって、複数の第1帯状電極と、複数の第2帯状電極とを形成する方法を採用することができる。これにより、第2面と対向する平面視にて、相互に重なる第1帯状電極と第2帯状電極との間のずれが生じにくくなる。結果として、タッチセンサ用電極における光の透過性が高まる。
【0027】
上記タッチセンサ用電極において、複数の前記第1帯状電極が位置する表面を有した第1基材と、複数の前記第2帯状電極が位置する表面を有した第2基材と、を備え、前記第1基材の表面に、前記第2基材の裏面が重なり、前記誘電体基板が前記第2基材であることが好ましい。
【0028】
上記タッチセンサ用電極において、複数の前記第1帯状電極が位置する表面を有した第1基材と、複数の前記第2帯状電極が位置する表面を有した第2基材と、を備え、前記第1基材の裏面の上に、前記第2基材の裏面が重なり、前記誘電体基板は、前記第1基材、および、前記第2基材を含むことが好ましい。
【0029】
タッチパネルの一態様は、複数の第1帯状電極と、複数の第2帯状電極と、前記第1帯状電極と前記第2帯状電極とに挟まれて光を透過する誘電体基板と、を備えるタッチセンサ用電極と、前記タッチセンサ用電極を覆うカバー層と、前記第1帯状電極と前記第2帯状電極との間の静電容量を測定する周辺回路と、を備える。前記タッチセンサ用電極は、上記タッチセンサ用電極であり、複数の前記第2帯状電極が、前記誘電体基板と前記カバー層との間に位置する。
【0030】
タッチパネルの一態様は、複数の第1帯状電極と、複数の第2帯状電極と、前記第1帯状電極と前記第2帯状電極とに挟まれて光を透過する誘電体基板と、を備えるタッチセンサ用電極と、前記タッチセンサ用電極を覆うカバー層と、前記第1帯状電極と前記第2帯状電極との間の静電容量を測定する周辺回路と、を備える。前記タッチセンサ用電極は、上記タッチセンサ用電極であり、複数の前記第2帯状電極が、前記誘電体基板と前記カバー層との間に位置し、前記第1主線の線幅は、前記第2主線の線幅よりも大きく、かつ、前記第1副線の線幅は、前記第2副線の線幅よりも大きい。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、光の透過性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】本発明を具体化した第1実施形態における表示装置を示す平面図であって、相互に異なる構成要素の一部が重なる順に切り欠いて示される図である。
図2】第1実施形態における表示装置の断面構造を示す断面図である。
図3】第1実施形態のタッチパネルの電気的構成を説明するためのブロック図である。
図4】第1実施形態におけるドライブ電極の配置を示す平面図である。
図5】第1実施形態におけるセンシング電極の配置を示す平面図である。
図6】第1実施形態におけるドライブ電極とセンシング電極との配置の関係を示す平面図である。
図7】第1実施形態におけるドライブ電極を構成する電極線の線幅と、センシング電極を構成する電極線の線幅との関係を示す図である。
図8】第1実施形態におけるドライブ電極を構成する電極線の線幅と、センシング電極を構成する電極線の線幅との関係を示す図である。
図9】本発明を具体化した第2実施形態におけるドライブ電極の配置を示す平面図である。
図10】第2実施形態の変形例におけるドライブ電極の配置を示す平面図である。
図11】本発明を具体化した第3実施形態におけるセンシング電極の配置を示す平面図である。
図12】第3実施形態におけるドライブ電極とセンシング電極との配置の関係を示す平面図である。
図13】第3実施形態の変形例におけるセンシング電極の配置を示す平面図である。
図14】本発明を具体化した第4実施形態におけるドライブ電極の配置を示す平面図である。
図15】第4実施形態におけるセンシング電極の配置を示す平面図である。
図16】第4実施形態におけるドライブ電極とセンシング電極との配置の関係を示す平面図である。
図17】本発明を具体化した第5実施形態におけるドライブ電極の配置を示す平面図である。
図18】第5実施形態におけるセンシング電極の配置を示す平面図である。
図19】第5実施形態におけるドライブ電極とセンシング電極との配置の関係を示す平面図である。
図20】変形例における表示装置の断面構造を示す断面図である。
図21】変形例における表示装置の断面構造を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
[第1実施形態]
図1から図8を参照して、タッチセンサ用電極、タッチパネル、および、表示装置を具体化した第1実施形態を説明する。以下では、表示装置の構成、表示装置の電気的構成、ドライブ電極の構成、センシング電極の構成、タッチセンサ用電極の構成、および、タッチセンサ用電極の作用を順番に説明する。
【0034】
[表示装置]
図1を参照して表示装置の構成を説明する。なお、図1では、ドライブ面に形成されるドライブ電極と、センシング面に形成されるセンシング電極との構成を説明する便宜状、ドライブ電極、および、センシング電極が誇張して示されている。
【0035】
図1が示すように、表示装置は、例えば液晶パネルである表示パネル10とタッチパネル20とが、1つの透明接着層によって貼り合わされた積層体であり、タッチパネル20を駆動する駆動回路を備えている。表示パネル10の表面には、矩形形状に形成された表示面10Sが区画され、表示面10Sには、外部からの画像データに基づく画像などの情報が表示される。なお、表示パネル10とタッチパネル20との相対的な位置が筐体などの他の構成によって固定される前提であれば、表示パネル10とタッチパネル20とを貼り合わせるための透明接着層が割愛されてもよい。
【0036】
タッチパネル20は、静電容量式のタッチパネルであり、タッチセンサ用電極21とカバー層22とが透明接着層23によって貼り合わされた積層体であり、表示パネル10の表示する情報を透過する。カバー層22は、ガラス基板や樹脂フィルムなどによって形成され、カバー層22における透明接着層23とは反対側の面は、タッチパネル20における操作面20Sとして機能する。透明接着層23は、表示面10Sに表示される画像を透過する光透過性を有し、透明接着層23には、例えば、ポリエーテル系接着剤やアクリル系接着剤が用いられる。
【0037】
タッチセンサ用電極21を構成する透明誘電体基板33は、表示パネル10に形成された表示面10Sの全体に重ねられて、表示面10Sに形成される画像を透過する。透明誘電体基板33は、例えば、ポリエチレンテレフタラートなどの透明樹脂フィルムや透明ガラス基板などの基材から構成されている。透明誘電体基板33は、表示面10Sに表示される画像を透過する光透過性と、電極間における静電容量の検出に適した比誘電率とを有する。
【0038】
透明誘電体基板33における表示パネル10と対向する面は、第1面の一例であるドライブ面31Sとして設定されている。透明誘電体基板33のドライブ面31Sには、複数のパッド31Pが、1つの方向である第1配列方向D1に沿って間隔を空けて並び、複数のドライブ電極帯31Bが、第1配列方向D1に沿って間隔を空けて並んでいる。複数のドライブ電極帯31Bの各々は、第1配列方向D1と直交する第2配列方向D2に沿ってパッド31Pに向けて延びる帯形状を有している。
【0039】
複数のドライブ電極帯31Bの各々は、第1配列方向D1の2つの端のうちの一方に位置するドライブ電極帯31Bから順番に、1つのパッド31Pに接続している。1つのパッド31Pと、この1つのパッド31Pごとの1つのドライブ電極帯31Bとは、第1帯状電極の一例である1つのドライブ電極31DPを構成し、複数のドライブ電極31DPは、第1配列方向D1に沿って間隔を空けて並んでいる。
【0040】
複数のドライブ電極31DPの各々には、銅やアルミニウムなどの金属膜が用いられる。1つのパッド31Pと1つのドライブ電極帯31Bとから構成されるドライブ電極31DPの各々は、個別に選択回路34に接続されて、選択回路34が供給する駆動信号を受けることにより、選択回路34によって選択される。
【0041】
透明誘電体基板33における表示パネル10とは反対側の面は、第2面の一例であるセンシング面33Sとして設定され、透明誘電体基板33のセンシング面33Sには、複数のパッド33Pが、1つの方向である第2配列方向D2に沿って間隔を空けて並び、複数のセンシング電極帯33Bが、第2配列方向D2に沿って間隔を空けて並んでいる。複数のセンシング電極帯33Bの各々は、第1配列方向D1に沿ってパッド33Pに向けて延びる帯形状を有している。
【0042】
複数のセンシング電極帯33Bの各々は、第2配列方向D2の2つの端うちの一方に位置するセンシング電極帯33Bから順番に、1つのパッド33Pに接続している。1つのパッド33Pと、この1つのパッド33Pごとの1つのセンシング電極帯33Bとは、第2帯状電極の一例である1つのセンシング電極33SPを構成し、複数のセンシング電極33SPは、第2配列方向D2に沿って間隔を空けて並んでいる。
【0043】
複数のセンシング電極33SPの各々には、上述したドライブ電極31DPを構成する電極線と同様に、銅やアルミニウムなどの金属膜が用いられる。1つのパッド33Pと1つのセンシング電極帯33Bとから構成されるセンシング電極33SPの各々は、個別に検出回路35に接続されて、センシング電極33SPごとの電圧が、検出回路35によって検出される。タッチセンサ用電極21、選択回路34、および、検出回路35が、タッチセンサの一例である。
【0044】
センシング面33S、複数のセンシング電極帯33B、および、複数のパッド33Pは、上述した透明接着層23によってカバー層22に貼り合わされている。
すなわち、図2が示すように、タッチパネル20では、表示パネル10に近い構成要素から順番に、ドライブ電極31DP、透明誘電体基板33、センシング電極33SP、透明接着層23、カバー層22が位置している。
【0045】
なお、透明接着層23は、センシング電極33SPを構成する各電極線の周りを覆って、隣り合う電極線の間を埋めながら、センシング電極33SPとカバー層22との間に位置している。これらの構成要素において、透明接着層23は割愛されてもよい。
【0046】
また、表示パネル10では、タッチパネル20から遠い構成要素から順番に、表示パネル10を構成する複数の構成要素が以下のように並んでいる。すなわち、タッチパネル20から遠い構成要素から順番に、下側偏光板11、薄膜トランジスタ(以下、TFT)基板12、TFT層13、液晶層14、カラーフィルタ層15、カラーフィルタ基板16、上側偏光板17が位置している。このうち、TFT層13には、サブ画素を構成する画素電極がマトリクス状に位置している。そして、カラーフィルタ層15では、ブラックマトリクスが、サブ画素の各々と向かい合う矩形形状を有する複数の領域を区画し、ブラックマトリクスの区画する各領域には、白色光を赤色、緑色、および、青色のいずれかの色の光に変える着色層が位置している。
【0047】
なお、表示パネル10は、液晶パネルでなくともよく、例えば、有機ELパネルなどであってもよい。
タッチパネル20において、複数のドライブ電極帯31Bと、複数のパッド31Pとは、ドライブ面31Sに形成された1つの薄膜が、マスクを介したエッチングによってエッチングされることで同時に形成されてもよい。あるいは、複数のドライブ電極帯31Bと、複数のパッド31Pとは、各別の工程によって相互に異なる材料から形成されてもよい。また、複数のドライブ電極帯31Bと、複数のパッド31Pとは、透明誘電体基板33とは異なる他の基材に形成され、複数のドライブ電極帯31Bと、複数のパッド31Pとが、他の基材から透明誘電体基板33に貼り付けられることによって形成されてもよい。
【0048】
タッチパネル20において、複数のセンシング電極帯33Bと、複数のパッド33Pとは、センシング面33Sに形成された1つの薄膜が、マスクを介したエッチングによってエッチングされることによって同時に形成されてもよい。あるいは、複数のセンシング電極帯33Bと、複数のパッド33Pとは、各別の工程によって相互に異なる材料から形成されてもよい。また、複数のセンシング電極帯33Bと、複数のパッド33Pとは、透明誘電体基板33とは異なる他の基材に形成され、複数のセンシング電極帯33Bと、複数のパッド33Pとが、他の基材から透明誘電体基板33に貼り付けられることによって形成されてもよい。
【0049】
[タッチパネルの電気的構成]
図3を参照して、タッチパネル20の電気的構成を説明する。なお、以下では、静電容量式のタッチパネル20の一例として、相互容量方式のタッチパネル20における電気的構成を説明する。
【0050】
図3が示すように、タッチパネル20は、選択回路34、検出回路35、および、制御部36を備えている。選択回路34は、複数のドライブ電極31DPに接続することが可能であり、検出回路35は、複数のセンシング電極33SPに接続することが可能であり、制御部36は、選択回路34と検出回路35とに接続している。
【0051】
制御部36は、各ドライブ電極31DPに対する駆動信号の生成を選択回路34に開始させるための開始タイミング信号を生成して出力する。制御部36は、駆動信号が供給される対象を1番目のドライブ電極31DPからn番目のドライブ電極31DPに向けて選択回路34に順次走査させるための走査タイミング信号を生成して出力する。
【0052】
一方で、制御部36は、各センシング電極33SPを流れる電流の検出を検出回路35に開始させるための開始タイミング信号を生成して出力する。制御部36は、検出の対象を1番目のセンシング電極33SPからn番目のセンシング電極33SPに向けて検出回路35に順次走査させるための走査タイミング信号を生成して出力する。
【0053】
選択回路34は、制御部36の出力した開始タイミング信号に基づいて、駆動信号の生成を開始し、制御部36の出力した走査タイミング信号に基づいて、駆動信号の出力先を1番目のドライブ電極31DP1からn番目のドライブ電極31DPnに向けて走査する。
【0054】
検出回路35は、信号取得部35aと信号処理部35bとを備えている。信号取得部35aは、制御部36の出力した開始タイミング信号に基づいて、各センシング電極33SPに生成されたアナログ信号である電流信号の取得を開始する。そして、信号取得部35aは、制御部36の出力した走査タイミング信号に基づいて、電流信号の取得元を1番目のセンシング電極33SP1からn番目のセンシング電極33SPnに向けて走査する。
【0055】
信号処理部35bは、信号取得部35aの取得した各電流信号を処理して、デジタル値である電圧信号を生成し、生成した電圧信号を制御部36に向けて出力する。このように、選択回路34と検出回路35とは、静電容量の変化に応じて変わる電流信号から電圧信号を生成することで、ドライブ電極31DPとセンシング電極33SPとの間の静電容量の変化を測定している。選択回路34および検出回路35が、周辺回路の一例である。
【0056】
制御部36は、信号処理部35bの出力した電圧信号に基づいて、タッチパネル20において使用者が触れている位置を検出する。
なお、タッチパネル20は、上述した相互容量方式のタッチパネル20に限らず、自己容量方式のタッチパネルであってもよい。
【0057】
[ドライブ電極]
図4を参照してドライブ電極の構成を説明する。図4は、ドライブ電極31DPの平面構造を示す平面図であり、図4では、ドライブ電極帯31Bを構成する電極線の配置を説明する便宜上、電極線の線幅が誇張して示されている。
【0058】
図4が示すように、1つのドライブ電極31DPは、1つのパッド31Pと、格子形状を有してパッド31Pに接続するドライブ電極帯31Bとを備えている。パッド31Pは、第1配列方向D1に沿って延びる板形状を有し、パッド31Pにおける第1配列方向D1に沿った幅はドライブパッド幅WPDである。
【0059】
ドライブ電極帯31Bは、第1配列方向D1と交差する第1延在方向E1に沿って延びる直線形状を有する複数の第1ドライブ線41と、第1延在方向E1と直交する第2延在方向E2に沿って延びる直線形状を有する複数の第2ドライブ線42とを備えている。第1ドライブ線41は、第1主線の一例であり、第2ドライブ線42は、第1副線の一例であり、第1ドライブ線41と第2ドライブ線42とは、ドライブ電極帯31Bを構成する電極線である。
【0060】
1つのドライブ電極31DPは、第2配列方向D2に沿って延びる帯状電極であり、複数のドライブ電極31DPは、第1配列方向D1に沿って所定の間隔であるドライブ電極間隔GDPを空けて並んでいる。
【0061】
1つのドライブ電極帯31Bを構成する複数の第1ドライブ線41において、各第1ドライブ線41の延びる方向である第1延在方向E1は、第1配列方向D1と所定の角度である対向角度θ1を形成している。対向角度θ1は、例えば45°である。各第1ドライブ線41は、第1配列方向D1においてドライブパッド幅WPDで区画された領域の内部にて、第1延在方向E1に沿って延びている。複数の第1ドライブ線41では、第2配列方向D2において相互に隣り合う2本の第1ドライブ線41が、第1延在方向E1と直交する第2延在方向E2に沿って所定の間隔である第1ドライブ間隔GD1を空けて並んでいる。
【0062】
複数の第1ドライブ線41のうち、第2配列方向D2において、2つの端部のうちの一方がパッド31Pに最も近い2本の第1ドライブ線41、もしくは、3本の第1ドライブ線41が、パッド31Pに対して直に接続している。
【0063】
一方で、1つのドライブ電極帯31Bを構成する複数の第2ドライブ線42において、各第2ドライブ線42の延びる方向である第2延在方向E2は、第1延在方向E1と直交し、かつ、第1配列方向D1と対向角度θ1を形成している。各第2ドライブ線42は、第1配列方向D1においてドライブパッド幅WPDで区画された領域の内部にて、第2延在方向E2に沿って延びている。複数の第2ドライブ線42では、第1配列方向D1において相互に隣り合う2本の第2ドライブ線42が、第1延在方向E1に沿って所定の間隔である第2ドライブ間隔GD2を空けて並んでいる。第2ドライブ間隔GD2は、例えば第1ドライブ間隔GD1と相互に等しい。
【0064】
複数の第2ドライブ線42のうち、第2配列方向D2において、2つの端部のうちの一方がパッド31Pに最も近い2本の第2ドライブ線42、もしくは、3本の第2ドライブ線42が、パッド31Pに対して直に接続している。なお、3本の第1ドライブ線41の接続するパッド31Pには、2本の第2ドライブ線42が接続し、2本の第1ドライブ線41の接続するパッド31Pには、3本の第2ドライブ線42が接続している。
【0065】
1つのドライブ電極帯31Bにおいて、各第1ドライブ線41は、少なくとも1本の第2ドライブ線42と交差し、かつ、各第2ドライブ線42は、少なくとも1本の第1ドライブ線41と交差している。これにより、複数の第1ドライブ線41および複数の第2ドライブ線42は、矩形形状を有する複数の単位格子、および、単位格子の一部から構成される格子形状を形成している。
【0066】
このように、ドライブ電極31DPでは、第2延在方向E2において第1ドライブ間隔GD1を空けて並ぶ複数の第1ドライブ線41と、第1延在方向E1において第2ドライブ間隔GD2を空けて並ぶ複数の第2ドライブ線42とにより、格子形状を有するドライブパターンが形成される。ドライブパターンは、第1パターンの一例である。
【0067】
各ドライブ電極31DPにおいて、各第1ドライブ線41は、ドライブ電極間隔GDPを空けて隣り合う他のドライブ電極31DPの有する1つの第1ドライブ線41と同じ直線上に位置している。すなわち、ドライブ電極間隔GDPを空けて隣り合う2つのドライブ電極31DPにおいて、一方のドライブ電極31DPにおける各第1ドライブ線41は、他方のドライブ電極31DPにおける相互に異なる第1ドライブ線41の延長線上に位置している。
【0068】
一方で、各ドライブ電極31DPにおいて、各第2ドライブ線42は、ドライブ電極間隔GDPを空けて隣り合う他のドライブ電極31DPの有する1つの第2ドライブ線42と同じ直線上に位置している。すなわち、ドライブ電極間隔GDPを空けて隣り合う2つのドライブ電極31DPにおいて、一方のドライブ電極31DPにおける各第2ドライブ線42は、他方のドライブ電極31DPにおける相互に異なる第2ドライブ線42の延長線上に位置している。
【0069】
図4が示す二点鎖線の中で第2配列方向D2に沿って延びる直線は、ドライブ電極31DPごとの直線であって、1つのドライブ電極帯31Bの第1配列方向D1における端を繋ぐ直線である。そして、第2配列方向D2に沿って延び、かつ、相互に隣り合う2つの二点鎖線に挟まれる領域は、1つのドライブ電極帯31Bの占める範囲であるドライブ電極線領域SDを示す。一方で、図4が示す二点鎖線の中で第1配列方向D1に沿って延びる直線は、センシング電極33SPごとの直線であって、1つのセンシング電極帯33Bの第2配列方向D2における端を繋ぐ直線である。そして、第1配列方向D1に沿って延び、かつ、相互に隣り合う2つの二点鎖線に挟まれる領域は、1つのセンシング電極帯33Bの占める範囲であるセンシング電極線領域SSを示す。
【0070】
ドライブ面31Sにおける2つのドライブ電極線領域SD間の隙間には、ドライブ面31Sと対向する平面視にて2つのセンシング電極線領域SS間の隙間と立体的に交差する部分である複数の隙間重畳部21Gが位置している。複数の隙間重畳部21Gのうち、ドライブ電極31DP、および、センシング電極33SPのいずれとも重ならない部位には、ダミーパターン43が位置している。ダミーパターン43は、センシング電極33SPの有するセンシングパターンの一部に相当する形状を有し、かつ、ダミーパターン43を挟む2つのドライブ電極31DPには接続していない。
【0071】
隙間重畳部21Gが、例えば、第1延在方向E1における2本の第1ドライブ線41の間、かつ、第2延在方向E2における2本の第2ドライブ線42の間に位置するとき、ダミーパターン43は、第1延在方向E1に沿って延びる線分と、第2延在方向E2に沿って延びる線分とが交差した形状を有している。
【0072】
第1ドライブ線41の線幅は、所定の線幅であるドライブ線幅WLDであり、第1ドライブ線41の線幅と第2ドライブ線42の線幅とは、相互に等しい。ドライブ線幅WLDは、例えば3μmである。
【0073】
第1配列方向D1において相互に隣り合うドライブ電極31DPでは、複数のドライブ電極帯31Bと同時に、2つのドライブ電極帯31Bの間の隙間が形成されてもよい。複数のドライブ電極帯31Bと同時に2つのドライブ電極帯31Bの間の隙間が形成されるとき、例えば、複数のドライブ電極帯31Bと2つのドライブ電極帯31Bの間の隙間とに対応する開口部を有するマスクを用いたスパッタ法が用いられる。
【0074】
もしくは、第1配列方向D1において相互に隣り合うドライブ電極31DPでは、複数のドライブ電極帯31Bを構成するための複数の電極線が形成された後に、2つのドライブ電極帯31Bの間の隙間が形成されてもよい。複数の電極線が形成された後に2つのドライブ電極帯31Bの間の隙間が形成されるとき、まず、各種の方法で複数の第1ドライブ線41、および、複数の第2ドライブ線42に対応する電極線が形成され、次いで、複数の電極線の一部が、エッチング法やレーザーアブレーション法によって切断される。これにより、第1配列方向D1において相互に隣り合うドライブ電極31DPの間の隙間が形成され、かつ、各ドライブ電極帯31Bを構成する複数の第1ドライブ線41と、複数の第2ドライブ線42とが形成される。
【0075】
[センシング電極]
図5を参照してセンシング電極の構成を説明する。図5は、センシング電極33SPの平面構造を示す平面図であり、図5では、センシング電極帯33Bを構成する電極線の配置を説明する便宜上、電極線の線幅が誇張して示されている。
【0076】
図5が示すように、1つのセンシング電極33SPは、1つのパッド33Pと、格子形状を有してパッド33Pに接続するセンシング電極帯33Bとを備えている。パッド33Pは、第2配列方向D2に沿って延びる板形状を有し、パッド33Pにおける第2配列方向D2に沿った幅はセンシングパッド幅WPSである。
【0077】
センシング電極帯33Bは、第2配列方向D2と交差する第1延在方向E1に沿って延びる直線形状を有する複数の第1センシング線51と、第1延在方向E1と直交する第2延在方向E2に沿って延びる直線形状を有する複数の第2センシング線52とを備えている。第1センシング線51は第2主線の一例であり、第2センシング線52は第2副線の一例であり、第1センシング線51と第2センシング線52とは、センシング電極帯33Bを構成する電極線である。
【0078】
1つのセンシング電極33SPは、第1配列方向D1に沿って延びる帯状電極であり、複数のセンシング電極33SPは、第2配列方向D2に沿って所定の間隔であるセンシング電極間隔GSPを空けて並んでいる。センシング電極間隔GSPは、第1配列方向D1にて相互に隣り合う2つのドライブ電極31DPの間の間隔であるドライブ電極間隔GDPと相互に等しい。
【0079】
1つのセンシング電極帯33Bを構成する複数の第1センシング線51において、各第1センシング線51の延びる方向である第1延在方向E1は、第2配列方向D2と対向角度θ1を形成している。各第1センシング線51は、第2配列方向D2においてセンシングパッド幅WPSで区画された領域の内部にて、第1延在方向E1に沿って延びている。複数の第1センシング線51では、第1配列方向D1において相互に隣り合う2本の第1センシング線51が、第2延在方向E2に沿って所定の間隔である第1センシング間隔GS1を空けて並んでいる。第1センシング間隔GS1は、ドライブ電極31DPにおける第1ドライブ間隔GD1とほぼ等しい。
【0080】
複数の第1センシング線51のうち、第1配列方向D1において、2つの端部のうちの一方がパッド33Pに最も近い2本の第1センシング線51、もしくは、3本の第1センシング線51が、パッド33Pに対して直に接続している。
【0081】
一方で、1つのセンシング電極帯33Bを構成する複数の第2センシング線52において、各第2センシング線52の延びる方向である第2延在方向E2は、第1延在方向E1と直交し、かつ、第2配列方向D2と対向角度θ1を形成している。各第2センシング線52は、第2配列方向D2においてセンシングパッド幅WPSで区画された領域の内部にて、第2延在方向E2に沿って延びている。複数の第2センシング線52では、第2配列方向D2において相互に隣り合う2本の第2センシング線52が、第1延在方向E1に沿って所定の間隔である第2センシング間隔GS2を空けて並んでいる。第2センシング間隔GS2は、例えば第1センシング間隔GS1と相互に等しい。
【0082】
複数の第2センシング線52のうち、第1配列方向D1において、2つの端部のうちの一方がパッド33Pに最も近い2本の第2センシング線52、もしくは、3本の第2センシング線52が、パッド33Pに対して直に接続している。なお、3本の第1センシング線51の接続するパッド33Pには、2本の第2センシング線52が接続し、2本の第1センシング線51の接続するパッド33Pには、3本の第2センシング線52が接続している。
【0083】
1つのセンシング電極帯33Bにおいて、各第1センシング線51は、少なくとも1本の第2センシング線52と交差し、かつ、各第2センシング線52は、少なくとも1本の第1センシング線51と交差している。これにより、複数の第1センシング線51および複数の第2センシング線52は、矩形形状を有する複数の単位格子、および、単位格子の一部から構成される格子形状を形成している。
【0084】
このように、センシング電極33SPでは、第2延在方向E2において第1センシング間隔GS1を空けて並ぶ複数の第1センシング線51と、第1延在方向E1において第2センシング間隔GS2を空けて並ぶ複数の第2センシング線52とにより、格子形状を有するセンシングパターンが形成される。センシングパターンは、第2パターンの一例である。
【0085】
各センシング電極33SPにおいて各第1センシング線51は、センシング電極間隔GSPを空けて隣り合う他のセンシング電極33SPの有する1つの第1センシング線51と同じ直線上に位置している。すなわち、センシング電極間隔GSPを空けて隣り合う2つのセンシング電極33SPにおいて、一方のセンシング電極33SPにおける各第1センシング線51は、他方のセンシング電極33SPにおける相互に異なる第1センシング線51の延長線上に位置している。
【0086】
一方で、各センシング電極33SPにおいて、各第2センシング線52は、センシング電極間隔GSPを空けて隣り合う他のセンシング電極33SPの有する1つの第2センシング線52と同じ直線上に位置している。すなわち、センシング電極間隔GSPを空けて隣り合う2つのセンシング電極33SPにおいて、一方のセンシング電極33SPにおける各第2センシング線52は、他方のセンシング電極33SPにおける相互に異なる第2センシング線52の延長線上に位置している。
【0087】
第1センシング線51の線幅は、所定の線幅であるセンシング線幅WLSであり、第1センシング線51の線幅と第2センシング線52の線幅とは、相互に等しい。第1センシング線51の線幅は、例えば7μmである。
【0088】
複数の第1センシング線51、および、複数の第2センシング線52の形成材料は、例えば銅である。各第1センシング線51、および、各第2センシング線52の表面のうち、センシング面33Sから露出する部分は黒色である。各第1センシング線51および各第2センシング線52のうち、黒色を有する部分は、黒化処理によって形成された膜である。黒化処理は、例えば、酸化処理やめっき処理であり、黒化処理が酸化処理であるとき、黒化処理によって形成された膜は銅酸化膜であり、黒化処理がめっき処理であるとき、黒化処理によって形成された膜は各種の金属膜である。
【0089】
第2配列方向D2において相互に隣り合うセンシング電極33SPでは、複数のセンシング電極帯33Bと同時に、2つのセンシング電極帯33Bの間の隙間が形成されてもよい。複数のセンシング電極帯33Bと同時に2つのセンシング電極帯33Bの間の隙間が形成されるとき、例えば、複数のセンシング電極帯33Bと2つのセンシング電極帯33Bの間の隙間とに対応する開口部を有するマスクを用いたスパッタ法が用いられる。
【0090】
もしくは、第2配列方向D2において相互に隣り合うセンシング電極33SPでは、複数のセンシング電極帯33Bを構成するための複数の電極線が形成された後に、2つのセンシング電極帯33Bの間の隙間が形成されてもよい。複数の電極線が形成された後に2つのセンシング電極帯33Bの間の隙間が形成されるとき、まず、各種の方法で複数の第1センシング線51、および、複数の第2センシング線52に対応する電極線が形成され、次いで、複数の電極線の一部が、エッチング法やレーザーアブレーション法によって切断される。これにより、第2配列方向D2において相互に隣り合うセンシング電極33SPの間の隙間が形成され、かつ、各センシング電極帯33Bを構成する複数の第1センシング線51と、複数の第2センシング線52とが形成される。
【0091】
[タッチセンサ用電極]
図6から図8を参照してタッチセンサ用電極を説明する。図6は、ドライブ電極31DPとセンシング電極33SPとをドライブ電極31DPとセンシング電極33SPとの積層される方向から見た平面図である。なお、図6では、ドライブ電極31DP、および、センシング電極33SPの配置を説明する便宜上、電極線の線幅が誇張して示されている。
【0092】
また、図7および図8は、ドライブ電極31DPを構成する電極線の線幅と、センシング電極33SPを構成する電極線の線幅との関係を説明する便宜上、センシング電極33SPを構成する電極線の上に、ドライブ電極31DPを構成する電極線が重なった状態を示している。
【0093】
図6が示すように、タッチセンサ用電極21には、複数のセル21Cが設定されている。各セル21Cは、センシング面33Sと対向する平面視において、1つのドライブ電極31DPと、1つのセンシング電極33SPとが、立体的に交差する領域である。そして、タッチセンサ用電極21では、ドライブ電極31DPとセンシング電極33SPとが積み重なる方向にて、静電容量が形成される。
【0094】
そのため、複数のドライブ電極31DPの各々において、複数のセル21Cは、ドライブ電極31DPの並ぶ第1配列方向D1と直交する第2配列方向D2に沿って並ぶ。これに対して、複数のセンシング電極33SPの各々において、複数のセル21Cは、センシング電極33SPの並ぶ第2配列方向D2と直交する第1配列方向D1に沿って並ぶ。
【0095】
各セル21Cにおいて、複数の第1ドライブ線41の各々の全体は、センシング面33Sと対向する平面視において、相互に異なる第1センシング線51と重なっている。一方で、複数の第2ドライブ線42の各々の全体は、センシング面33Sと対向する平面視において、相互に異なる第2センシング線52と重なっている。
【0096】
つまり、タッチセンサ用電極21では、センシング面33Sと対向する平面視において、第1ドライブ線41と第1センシング線51との相互に重なる部分が、第1延在方向E1に沿って連続している。また、タッチセンサ用電極21では、センシング面33Sと対向する平面視において、第2ドライブ線42と第2センシング線52との相互に重なる部分が、第2延在方向E2に沿って連続している。
【0097】
そのため、各セル21Cにおいて、センシング電極帯33Bを構成する各単位格子によって囲まれた空間は、センシング面33Sと対向する平面視において、第1ドライブ線41および第2ドライブ線42のいずれとも重ならない。それゆえに、表示パネル10を通ってタッチパネル20に入った光は、第1ドライブ線41および第2ドライブ線42のいずれによっても遮られることなく、センシング電極33SPを透過する。結果として、タッチセンサ用電極21の透過性が高まる。
【0098】
また、センシング面33Sと対向する平面視において、各セル21Cにおける複数の第1ドライブ線41、および、複数の第2ドライブ線42は視認されない。そのため、タッチセンサ用電極21において、黒色を有する第1センシング線51の表面、および、黒色を有する第2センシング線52の表面のみが視認される。
【0099】
それゆえに、第1ドライブ線41の表面、および、第2ドライブ線42の表面が金属光沢を有していても、第1ドライブ線41および第2ドライブ線42の金属光沢が、表示装置の使用者に視認されない。結果として、第1ドライブ線41の表面、および、第2ドライブ線42の表面に黒化処理が行われない分、タッチセンサ用電極21の製造に必要な工程を減らすことができ、かつ、タッチセンサ用電極21の製造にかかるコストを低くすることができる。
【0100】
また、センシング電極帯33Bを構成する各単位格子は、複数のドライブ電極31DPの並ぶ方向である第1配列方向D1に対して対向角度θ1だけ傾き、かつ、複数のセンシング電極33SPの並ぶ方向である第2配列方向D2に対して対向角度θ1だけ傾いている。ここで、表示パネル10の備えるカラーフィルタ層15を構成するブラックマトリクスは、例えば、第1配列方向D1および第2配列方向D2に対して平行な単位格子を複数備える格子形状を有している。
【0101】
そのため、センシング電極帯33Bの有する格子形状は、ブラックマトリクスの有する格子形状に対して、対向角度θ1だけ傾いた状態で、ブラックマトリクスの上に重なる。それゆえに、センシング電極帯33Bの有する格子形状と、ブラックマトリクスの有する格子形状との間で、モアレが生じることが抑えられる。
【0102】
一方で、第2配列方向D2にて相互に隣り合う2つのセンシング電極33SPの間の隙間であって、隙間重畳部21Gを除く部分において、第1延在方向E1における2本の第1センシング線51の間に第1ドライブ線41の一部が位置している。つまり、ドライブパターンは、第2配列方向D2において相互に隣り合う2つのセンシング電極33SPのうち、一方のセンシング電極33SPの備える第1センシング線51と、他方のセンシング電極33SPの備える第1センシング線51とを繋ぐ形状を有している。
【0103】
また、同じく第2配列方向D2にて相互に隣り合う2つのセンシング電極33SPの間の隙間であって、隙間重畳部21Gを除く部分において、第2延在方向E2における2本の第2センシング線52の間に第2ドライブ線42の一部が位置している。つまり、ドライブパターンは、第2配列方向D2において相互に隣り合う2つのセンシング電極33SPのうち、一方のセンシング電極33SPの備える第2センシング線52と、他方のセンシング電極33SPの備える第2センシング線52とを繋ぐ形状を有している。
【0104】
これに対して、2つのドライブ電極31DPの間に位置する隙間重畳部21Gには、ダミーパターン43が位置している。それゆえに、センシング面33Sと対向する平面視において、単位格子から構成される格子形状が隙間なく形成されるため、センシング面33Sの内部にて、透過性にむらが生じたりモアレが生じたりすることが抑えられる。
【0105】
図7が示すように、第1センシング線51のセンシング線幅WLSは、第1ドライブ線41のドライブ線幅WLDよりも大きく、かつ、第2センシング線52のセンシング線幅WLSは、第2ドライブ線42のドライブ線幅WLDよりも大きい。そのため、第1センシング線51における幅方向の中心を通る直線の位置と、第1ドライブ線41における幅方向の中心を通る直線の位置とが、センシング面33Sと対向する方向から見て相互に重なるとき、第1ドライブ線41は、確実に視認されない。また、第2センシング線52における幅方向の中心を通る直線の位置と、第2ドライブ線42における幅方向の中心を通る直線の位置とが、センシング面33Sと対応する方向から見て相互に重なるとき、第2ドライブ線42は確実に視認されない。
【0106】
さらには、図8が示すように、第1ドライブ線41の中心を通る直線の位置が、幅方向において第1センシング線51の中心を通る直線の位置からずれたとしても、センシング面33Sと対向する平面視にて第1ドライブ線41は視認されにくくなる。また、第2ドライブ線42の中心を通る直線の位置が、幅方向において第2センシング線52の中心を通る直線の位置からずれたとしても、センシング面33Sと対向する平面視にて第2ドライブ線42は視認されにくくなる。
【0107】
要するに、第1ドライブ線41と第1センシング線51との相対的な位置の関係、および、第2ドライブ線42と第2センシング線52との相対的な位置の関係は、センシング面33Sと対向する方向から見て、一方の全部と他方の全部とが完全に重なる構成であってもよい。また、一方の全部と他方の一部とが重なる構成であってもよいし、一方の一部と他方の一部とが重なる構成であってもよい。いずれにおいても、相互に重なる部分が電極線の延びる方向に沿って連続する構成であればよい。
【0108】
ここで、複数のドライブ電極31DPと複数のセンシング電極33SPとの各々が、1つの透明誘電体基板33において相互に対向する面であるドライブ面31Sとセンシング面33Sとの各々に形成された金属膜から形成される場合を説明する。このとき、センシング面33Sに形成された金属膜から複数のセンシング電極33SPが形成され、ドライブ面31Sに形成された金属膜から複数のドライブ電極31DPが形成される。
【0109】
複数のセンシング電極33SPと、複数のドライブ電極31DPとが形成されるときには、まず、センシング面33Sに形成された金属膜と、ドライブ面31Sに形成された金属膜との各々に、レジストが塗布される。そして、センシング面33Sに、複数のセンシング電極33SPを形成するためのマスクが位置合わせされた状態で、センシング面33Sのレジストが露光され、かつ、ドライブ面31Sに、複数のドライブ電極31DPを形成するためのマスクが位置合わせされた状態で、ドライブ面31Sのレジストが露光される。1つの透明誘電体基板33のセンシング面33Sとドライブ面31Sとの両方が同時に露光されるとき、センシング面33Sのレジストに形成されたパターンと、ドライブ面31Sのレジストに形成されたパターンとのずれは、幅方向において2μm程度である。
【0110】
上述したように、センシング電極33SPにおけるセンシング線幅WLSが7μmであり、かつ、ドライブ電極31DPにおけるドライブ線幅WLDが3μmである。そのため、センシング電極33SPの位置に対するドライブ電極31DPの位置がずれたとしても、ドライブ電極31DPを構成する電極線の各々が、透明誘電体基板33と対向する平面視にて重なるセンシング電極33SPを構成する電極線から、幅方向においてはみ出すことが確実に抑えられる。
【0111】
以上説明したように、第1実施形態によれば、以下に列挙する効果を得ることができる。
(1)センシング面33Sと対向する平面視において、第1センシング線51と第1ドライブ線41とがセル21Cの中で相互に重なり、また、第2センシング線52と第2ドライブ線42とがセル21Cの中で相互に重なる。そのため、タッチセンサ用電極21が、複数のドライブ電極31DPと複数のセンシング電極33SPとを有するとはいえ、センシング面33Sと対向する平面視のほぼ全体において、複数のセンシング電極33SPのみが光を遮る。それゆえに、タッチセンサ用電極21の透過性が高まる。
【0112】
(2)ドライブパターンを構成する第1ドライブ線41および第2ドライブ線42の各々が、第1配列方向D1と90°よりも小さい対向角度θ1を形成する方向に沿って延びる構成であれば、画素を区画するブラックマトリクスと、ドライブパターンの有する格子とが、相互に交差する。それゆえに、表示装置の表示面10Sにおいて、モアレが生じにくくなる。
【0113】
(3)第1センシング線51の線幅が第1ドライブ線41の線幅よりも大きく、かつ、第2センシング線52の線幅が第2ドライブ線42の線幅よりも大きい。そのため、センシング面と対向する平面視にて、第1センシング線51から第1ドライブ線41がはみ出しにくくなり、かつ、第2センシング線52から第2ドライブ線42がはみ出しにくくなる。そのため、センシングパターンの有する単位格子が区画する領域が、センシング面33Sと対向する方向から見て、ドライブパターンによって狭まりにくくなる。それゆえに、タッチセンサ用電極21の透過性の低下が抑えられる。
【0114】
(4)第1センシング線51の表面および第2センシング線52の表面が黒色であるため、ドライブパターンにおける金属光沢、および、センシングパターンにおける金属光沢の両方が、センシングパターンの有する黒色のみによって視認されにくくなる。
【0115】
なお、上述した第1実施形態は、以下のように適宜変更して実施することもできる。
・第1センシング線51の表面と、第2センシング線52の表面とは黒色である一方、第1ドライブ線41の表面と、第2ドライブ線42の表面とは金属光沢を有する。これに限らず、第1ドライブ線41の表面と、第2ドライブ線42の表面も黒色であってもよい。第1ドライブ線41、第2ドライブ線42、第1センシング線51、および、第2センシング線52の少なくとも1つが金属光沢を有する、あるいは、光透過性を有する構成であってもよい。この際に、光透過性を有する電極線の形成材料には、酸化亜鉛などの金属酸化物膜、および、酸化インジウム錫や酸化インジウムガリウム亜鉛などのインジウム、スズ、ガリウム、および、亜鉛などの金属酸化物を含む複合酸化物膜が用いられる。なお、金属光沢を有する電極線には、銀ナノワイヤーや導電性高分子膜が用いられる。また、黒色を有する電極線には、黒化処理の施された金属線に限らず、グラフェン膜などの導電膜も用いられる。
【0116】
・第1センシング線51の線幅、および、第2センシング線52の線幅は、7μmよりも小さくてもよいし、7μmよりも大きくてもよい。また、第1センシング線51の線幅と、第2センシング線52の線幅とが、相互に異なってもよい。要は、センシング電極33SPを構成する第1センシング線51の線幅が第1ドライブ線41の線幅よりも大きく、かつ、第2センシング線52の線幅が第2ドライブ線42の線幅よりも大きければ、上述した(3)に準じた効果を得ることはできる。
【0117】
・第1ドライブ線41の線幅、および、第2ドライブ線42の線幅は、3μmよりも小さくてもよいし、3μmよりも大きくてもよい。また、第1ドライブ線41の線幅と、第2ドライブ線42の線幅とが、相互に異なってもよい。要は、センシング電極33SPを構成する第1センシング線51の線幅が第1ドライブ線41の線幅よりも大きく、かつ、第2センシング線52の線幅が第2ドライブ線42の線幅よりも大きければ、上述した(3)に準じた効果を得ることはできる。
【0118】
・第1センシング線51の線幅は、第1ドライブ線41の線幅よりも大きい。これに限らず、第1センシング線51の線幅と、第1ドライブ線41の線幅とが等しくてもよい。このとき、第2センシング線52の線幅は、第2ドライブ線42の線幅よりも大きくてもよいし、第2ドライブ線42の線幅と等しくてもよい。
【0119】
特に、第1ドライブ線41の線幅と第1センシング線51の線幅とが相互に等しく、かつ、第2ドライブ線42の線幅と第2センシング線52の線幅とが相互に等しい構成によれば、ドライブ電極31DPとセンシング電極33SPとを同じ形状とすることが可能になる。そのため、ドライブ電極31DPとセンシング電極33SPとが異なる形状である構成と比べて、タッチセンサ用電極21の製造が容易になる。
【0120】
・第2センシング線52の線幅は、第2ドライブ線42の線幅よりも大きい。これに限らず、第2センシング線52の線幅と、第2ドライブ線42の線幅とが等しくてもよい。このとき、第1センシング線51の線幅は、第1ドライブ線41の線幅よりも大きくてもよいし、第1ドライブ線41の線幅と等しくてもよい。
【0121】
・第1ドライブ線41が第1配列方向D1に沿って延びる直線形状を有し、かつ、第2ドライブ線42が第2配列方向D2に沿って延びる直線形状を有してもよい。この場合には、第1センシング線51が第1配列方向D1に沿って延びる直線形状を有し、かつ、第2センシング線52が第2配列方向D2に沿って延びる直線形状を有していればよい。こうした構成では、ドライブ電極帯31Bは、第1配列方向D1および第2配列方向D2の各々に直交する格子形状を有し、かつ、センシング電極帯33Bは、第1配列方向D1および第2配列方向D2の各々に直交する格子形状を有する。こうした構成であっても、第1ドライブ線41の各々の全体が、相互に異なる第1センシング線51に重なり、かつ、第2ドライブ線42の各々の全体が、相互に異なる第2センシング線52に重なる以上は、上述した(1)に準じた効果を得ることはできる。
【0122】
・ダミーパターン43は、第1ドライブ線41、および、第2ドライブ線42と同じ線幅を有していてもよいし、第1センシング線51、および、第2センシング線52と同じ線幅を有していてもよい。また、ダミーパターン43は、ドライブ面31Sに位置していなくともよく、隙間重畳部21Gにおけるセンシング面33Sに位置してもよい。この場合には、例えば、第1センシング線51および第2センシング線52と同じ線幅を有したダミーパターンが形成されることが好ましい。
【0123】
・タッチセンサ用電極21は、ダミーパターン43を有する構成に限らず、ダミーパターン43が省略された構成でもよい。
・センシング電極33SPを構成する第1センシング線51、および、第2センシング線52の各々は直線形状を有し、かつ、ドライブ電極31DPを構成する第1ドライブ線41、および、第2ドライブ線42の各々は直線形状を有する。これに限らず、第1センシング線51および第2センシング線52の各々が折れ線形状、あるいは、曲線形状を有し、かつ、第1ドライブ線41および第2ドライブ線42の各々が折れ線形状、あるいは曲線形状を有してもよい。こうした構成によれば、単位格子の形状には、1つの矩形形状だけでなく、複数の相互に異なる矩形形状や、矩形以上の多角形形状が含まれる。そのため、タッチセンサ用電極21とブラックマトリクスとの間で、モアレが生じにくくなる。
【0124】
・ドライブパッド幅WPDと、第1ドライブ間隔GD1との比は、1つのセル21Cに複数の単位格子が含まれる範囲で適宜変更可能である。なお、ドライブパッド幅WPDと、第1ドライブ間隔GD1との比を変更するとき、第2ドライブ間隔GD2とドライブパッド幅WPDとの比、第1センシング間隔GS1、および、第2センシング間隔GS2の各々とセンシングパッド幅WPSとの比もあわせて変更すればよい。
【0125】
[第2実施形態]
図9を参照して、タッチセンサ用電極、タッチパネル、および、表示装置を具体化した第2実施形態を説明する。第2実施形態は、第1実施形態と比べて、ドライブ電極31DPを構成する電極線の構造が異なる。そのため、以下では、第1実施形態との相違点を詳しく説明する。そして、図9における第1実施形態と同等の構成については、第1実施形態と同じ符号を付すことによって、詳しい説明を省略する。
【0126】
[ドライブ電極]
図9を参照してドライブ電極の構成を説明する。図9は、ドライブ電極31DPの平面構造を示す平面図であり、図9では、図4と同様、ドライブ電極帯31Bを構成する電極線の配置を説明する便宜上、電極線の線幅が誇張して示されている。
【0127】
図9が示すように、1つのドライブ電極31DPは、1つのパッド31Pと、1つのドライブ電極帯31Bとを備えている。ドライブ電極帯31Bは、第1実施形態のドライブ電極帯31Bと同様、第2延在方向E2に沿って延びる直線形状を有する複数の第2ドライブ線42を備え、第2配列方向D2において相互に隣り合う2つの第2ドライブ線42は、第1延在方向E1に沿って第2ドライブ間隔GD2を空けて並んでいる。
【0128】
ドライブ電極帯31Bは、第1実施形態のドライブ電極帯31Bと同様、第1延在方向E1に沿って延びる直線形状を有する複数の第1ドライブ線41を備えている。ただし、第2配列方向D2において相互に隣り合う2つの第1ドライブ線41は、第2延在方向E2に沿って第1ドライブ間隔GD1のほぼ2倍の距離である第3ドライブ間隔GD3を空けて並んでいる。
【0129】
すなわち、第2配列方向D2において相互に隣り合う2本の第1ドライブ線41の間であって、各第1ドライブ線41から第1ドライブ間隔GD1だけ離れた部位には、第1ドライブ線41の形成されていないドライブ線間引き部61が、第1延在方向E1に沿って延びている。このように、ドライブパターンでは、第2配列方向D2において第1ドライブ線41と、第1ドライブ線41の位置しないドライブ線間引き部61とが交互に位置している。
【0130】
ドライブ線間引き部61の一部には、部分ドライブ線62が位置している。部分ドライブ線62は、第1延在方向E1に沿って延びる直線形状を有し、隙間重畳部21G以外において、相互に隣り合う2つのセンシング電極線領域SSの間の隙間を跨いでいる。
【0131】
隙間重畳部21Gには、ダミーパターン43が位置し、ダミーパターン43のうち、第1延在方向E1に沿って延びる部分は、隙間重畳部21Gを含んで、隙間重畳部21Gよりも第1延在方向E1においてパッド31Pに近い部分と、遠い部分との両方に位置している。
【0132】
[タッチセンサ用電極]
本実施形態のタッチセンサ用電極21は、上述した複数のドライブ電極31DPと、先に図5が示した複数のセンシング電極33SPとを備えている。そのため、タッチセンサ用電極21において、1つのセル21Cに含まれる第1ドライブ線41の本数が、第1実施形態のタッチセンサ用電極21よりも少ない。それゆえに、1つのセル21Cにおいて、静電容量を形成するドライブ電極31DPの電極線の面積が小さくなり、結果として、1つのセル21Cにおける静電容量の初期値が小さくなる。
【0133】
しかも、第2配列方向D2において第1ドライブ線41と、ドライブ線間引き部61とが交互に位置しているため、1つのセル21Cの内部にて、静電容量の形成されない部分が、第2配列方向D2にて偏ることが抑えられる。それゆえに、タッチセンサ用電極21の面内において、使用者の指などが触れたことが検出される部分と、検出されない部分とが偏って位置することが抑えられる。
【0134】
以上説明したように、第2実施形態によれば、以下に記載の効果を得ることができる。
(5)タッチセンサ用電極21において、1つのセル21Cに含まれる第1ドライブ線41の本数が、ドライブ線間引き部61を有しないタッチセンサ用電極21よりも少ない。それゆえに、1つのセル21Cにおいて、静電容量を形成するドライブ電極31DPの電極線の面積が小さくなり、結果として、1つのセル21Cにおける静電容量の初期値が小さくなる。
【0135】
(6)第2配列方向D2において第1ドライブ線41と、ドライブ線間引き部61とが交互に位置しているため、1つのセル21Cの内部にて、静電容量の形成されない部分が、第2配列方向D2にて偏ることが抑えられる。それゆえに、タッチセンサ用電極21の面内において、使用者の指などが触れたことが検出される部分と、検出されない部分とが偏って位置することが抑えられる。
【0136】
なお、上述した第2実施形態は、以下のように適宜変更して実施することもできる。
・ドライブ電極31DPは、ドライブ線間引き部61を有し、ドライブ線間引き部61には、部分ドライブ線62のみが位置している。
【0137】
これに限らず、図10が示すように、ドライブ線間引き部61には、第1延在方向E1に沿って延びる直線形状を有し、パッド31Pに電気的に接続しないダミー配線63が位置してもよい。こうした構成では、1つのダミー配線63は、第1延在方向E1において相互に隣り合う2つの第2ドライブ線42の間に位置して、かつ、第1延在方向E1においてダミー配線63を挟む2つの第2ドライブ線42の各々に接続していなければよい。そして、ドライブパターンは、センシング面33Sと対向する平面視において、ダミー配線63間を繋ぐ形状を有している。
【0138】
こうした構成によっても、タッチセンサ用電極21において、1つのセル21Cに含まれる第1ドライブ線41の本数が、第1実施形態のタッチセンサ用電極21よりも少ない。そのため、1つのセル21Cにおいて、静電容量を形成するドライブ電極31DPの電極線の面積が小さくなり、結果として、1つのセル21Cにおける静電容量の初期値が小さくなる。
【0139】
・ドライブ線間引き部61は、第2配列方向D2において相互に隣り合う2本の第1ドライブ線41の間であって、各第1ドライブ線41から第1ドライブ間隔GD1だけ離れた部位に位置している。これに限らず、ドライブパターンにおいて、第1ドライブ間隔GD1を空けて並ぶ複数の第1ドライブ線41のうち、少なくとも1本の第1ドライブ線41が位置する部位が、ドライブ線間引き部61に代わる構成であればよい。
【0140】
・ドライブ線間引き部61は、ドライブパターンのうちで、第2配列方向D2に沿って相互に隣り合う第1ドライブ線41の間に位置していなくともよく、第1配列方向D1に沿って相互に隣り合う第2ドライブ線42の間に位置してもよい。
【0141】
・ドライブ線間引き部61は、ドライブパターンのうちで、第2配列方向D2において相互に隣り合う第1ドライブ線41の間と、第1配列方向D1において相互に隣り合う第2ドライブ線42の間との両方に位置してもよい。この場合には、ドライブ線間引き部61が、ドライブ電極31DPにおける第2配列方向D2の全体にわたって電圧が印加されることを妨げない部位に位置する必要がある。
【0142】
・部分ドライブ線62は、ドライブ線間引き部61のうち、2つのセンシング電極線領域SSの間の隙間以外に位置してもよいが、2つのセンシング電極線領域SSの間の隙間と重なる部分に位置していることが好ましい。
【0143】
・ドライブ電極帯31Bは、部分ドライブ線62を有していなくてもよい。
・第2実施形態、および、第2実施形態の変形例の各々は、第1実施形態の構成、および、第1実施形態の変形例の各々の構成と組み合わせて実施することもできる。
【0144】
[第3実施形態]
図11および図12を参照して、タッチセンサ用電極、タッチパネル、および、表示装置を具体化した第3実施形態を説明する。第3実施形態は、第2実施形態と比べて、センシング電極33SPを構成する電極線の構造が異なる。そのため、以下では、第2実施形態との相違点を詳しく説明する。そして、図11および図12の各々における第2実施形態と同等の構成については、第1実施形態と同じ符号を付すことによって、詳しい説明を省略する。
【0145】
[センシング電極]
図11を参照してセンシング電極の構成を説明する。図11は、センシング電極33SPの平面構造を示す平面図であり、図11では、図5と同様、センシング電極帯33Bを構成する電極線の配置を説明する便宜上、電極線の線幅が誇張して示されている。
【0146】
図11が示すように、1つのセンシング電極33SPは、1つのパッド33Pと、1つのセンシング電極帯33Bとを備えている。センシング電極帯33Bは、第1実施形態のセンシング電極帯33Bと同様、第1延在方向E1に沿って延びる直線形状を有する複数の第1センシング線51を備え、第1配列方向D1において相互に隣り合う2つの第1センシング線51は、第2延在方向E2に沿って第1センシング間隔GS1を空けて並んでいる。
【0147】
センシング電極帯33Bは、第1実施形態のセンシング電極帯33Bと同様、第2延在方向E2に沿って延びる直線形状を有する複数の第2センシング線52を備えている。ただし、複数の第2センシング線52は、第1配列方向D1において相互に隣り合う2つの第2センシング線52が、第1延在方向E1に沿って第2センシング間隔GS2を空けて並ぶ部分と、第2センシング間隔GS2のほぼ2倍の距離である第3センシング間隔GS3を空けて並ぶ部分とを含んでいる。
【0148】
複数の第2センシング線52において、第1配列方向D1に並ぶ4本の第2センシング線52が1つのセンシング線周期を構成している。センシング線周期に含まれる第2センシング線52のうち、第1配列方向D1において連続する3本の第2センシング線52は、第2延在方向E2において第2センシング間隔GS2ごとに並んでいる。そして、第1配列方向D1における3本目の第2センシング線52と4本目の第2センシング線52とは、第2延在方向E2に沿って第3センシング間隔GS3を空けて並んでいる。
【0149】
すなわち、第1配列方向D1において並ぶ3本の第2センシング線52ごとに、第2延在方向E2に沿って延びるセンシング線間引き部71が位置している。各センシング線間引き部71は、第1配列方向D1において相互に隣り合う2本の第2センシング線52の各々と、第2センシング間隔GS2だけ離れている。
【0150】
このように、センシングパターンでは、センシング線間引き部71が、センシングパターンの内部で規則的に位置している。そのため、1つのセル21Cの内部にて、静電容量の形成されない部分が、第1配列方向D1にて偏ることが抑えられる。それゆえに、タッチセンサ用電極21の面内において、使用者の指などが触れたことが検出される部分と、検出されない部分とが偏って位置することが抑えられる。
【0151】
センシング線間引き部71の一部には、部分センシング線72が位置している。部分センシング線72は、第2延在方向E2に沿って延びる直線形状を有し、隙間重畳部21G以外において、相互に隣り合う2つのドライブ電極線領域SDの間の隙間を跨いでいる。[タッチセンサ用電極]
図12を参照してタッチセンサ用電極の構成を説明する。図12は、図6と同様、ドライブ電極31DPとセンシング電極33SPとをドライブ電極31DPとセンシング電極33SPとの積層される方向から見た平面図である。なお、図12では、ドライブ電極31DP、および、センシング電極33SPの配置を説明する便宜上、電極線の線幅が誇張して示されている。
【0152】
図12が示すように、タッチセンサ用電極21では、センシング面33Sと対向する平面視において、各ドライブ電極31DPの備える第2ドライブ線42のうち、センシング線間引き部71と重なる第2ドライブ線42は、第2センシング線52と重ならない。そのため、センシング線間引き部71と重なる第2ドライブ線42は、センシング電極33SPとの間に静電容量を形成せず、かつ、センシング電極帯33Bの有する隙間から露出している。
【0153】
一方で、タッチセンサ用電極21では、センシング面33Sと対向する平面視において、各センシング電極33SPの備える第1センシング線51のうち、ドライブ線間引き部61と重なる第1センシング線51は、第1ドライブ線41とは重ならない。そのため、ドライブ線間引き部61と重なる第1センシング線51は、ドライブ電極31DPとの間に静電容量を形成しない。
【0154】
タッチセンサ用電極21の各セル21Cにおいて、ドライブ電極31DPを構成する電極線の本数と、センシング電極33SPを構成する電極線の本数とが相互に異なる。そのため、各セル21Cにおける静電容量の初期値は、第1実施形態におけるタッチセンサ用電極21の各セル21Cでの静電容量の初期値、および、第2実施形態におけるタッチセンサ用電極21の各セル21Cでの静電容量の初期値のいずれとも異なる値になる。
【0155】
以上説明したように、第3実施形態によれば、以下に記載の効果を得ることができる。
(7)各セル21Cにおいて、ドライブ電極31DPを構成する電極線の本数と、センシング電極33SPを構成する電極線の本数とが相互に異なる。そのため、各セル21Cにおける静電容量の初期値は、ドライブ線間引き部61とセンシング線間引き部71とを含まない各セル21Cでの静電容量の初期値、および、ドライブ線間引き部61のみを含む各セル21Cでの静電容量の初期値のいずれとも異なる値になる。
【0156】
なお、上述した第3実施形態は、以下のように適宜変更して実施することもできる。
・センシング電極33SPは、センシング線間引き部71を有し、センシング線間引き部71には、部分センシング線72のみが位置している。
【0157】
これに限らず、図13が示すように、センシング線間引き部71には、第2延在方向E2に沿って延びる直線形状を有し、パッド33Pに電気的に接続しないダミー配線73が位置してもよい。こうした構成では、1つのダミー配線73は、第2延在方向E2において相互に隣り合う2つの第1センシング線51の間に位置して、かつ、第2延在方向E2においてダミー配線73を挟む2つの第1センシング線51の各々に接続していなければよい。そして、センシングパターンは、センシング面33Sと対向する平面視において、ダミー配線73間を繋ぐ形状を有している。
【0158】
こうした構成によっても、タッチセンサ用電極21において、ドライブ電極31DPを構成する電極線の本数と、センシング電極33SPを構成する電極線の本数、すなわち、センシング電極33SPにおいてパッド33Pに接続している電極線の本数とが相互に異なる。そのため、各セル21Cにおける静電容量の初期値は、第1実施形態におけるタッチセンサ用電極21の各セル21Cでの静電容量の初期値、および、第2実施形態におけるタッチセンサ用電極21の各セル21Cでの静電容量の初期値のいずれとも異なる値になる。
【0159】
・センシングパターンにおいて、第2センシング間隔GS2を空けて並ぶ複数の第2センシング線52のうち、少なくとも1本の第2センシング線52が、センシング線間引き部71に代わる構成であればよい。
【0160】
・センシング線間引き部71は、センシングパターンのうちで、第2配列方向D2に沿って相互に隣り合う第2センシング線52の間に位置していなくともよく、第1配列方向D1に沿って相互に隣り合う第1センシング線51の間に位置してもよい。この場合には、センシング線間引き部71が、センシング面33Sと対向する平面視にて、ドライブ線間引き部61と重ならない部位に位置する構成が好ましい。
【0161】
・センシング線間引き部71は、センシングパターンのうちで、第2配列方向D2において相互に隣り合う第1センシング線51の間と、第1配列方向D1において相互に隣り合う第2センシング線52の間との両方に位置してもよい。この場合には、センシング線間引き部71が、センシング面33Sと対向する平面視において、ドライブ線間引き部61と重ならない部位に位置する構成が好ましい。また、センシング線間引き部71は、センシング電極33SPにおける第1配列方向D1の全体にわたって電圧が印加されることを妨げない部位に位置する必要がある。
【0162】
・部分センシング線72は、センシング線間引き部71のうち、2つのドライブ電極線領域SDの間の隙間以外に位置してもよいが、2つのドライブ電極線領域SDの間の隙間と重なる部分に位置していることが好ましい。
【0163】
・センシング電極帯33Bは、部分センシング線72を有していなくてもよい。
・第3実施形態におけるセンシング電極33SPの構成は、第2実施形態のドライブ電極31DPの構成に限らず、第1実施形態のドライブ電極31DPの構成と組み合わせて実施することもできる。
【0164】
[第4実施形態]
図14から図16を参照して、タッチセンサ用電極、タッチパネル、および、表示装置を具体化した第4実施形態を説明する。第4実施形態は、第1実施形態と比べて、2つのドライブ電極31DPの間の隙間にダミーパターンが位置していない点で異なる。そのため、以下では、こうした第1実施形態との相違点を詳しく説明する。そして、図14から図17の各々における第1実施形態と同等の構成については、第1実施形態と同じ符号を付すことによって、詳しい説明を省略する。
【0165】
[ドライブ電極]
図14を参照してドライブ電極の構成を説明する。図14は、ドライブ電極31DPの平面構造を示す平面図であり、図14では、図4と同様、ドライブ電極帯31Bを構成する電極線の配置を説明する便宜上、電極線の線幅が誇張して示されている。
【0166】
図14が示すように、1つのドライブ電極31DPは、1つのパッド31Pと、1つのドライブ電極帯31Bとを備えている。ドライブ電極帯31Bは、第1実施形態のドライブ電極帯31Bと同様、第1延在方向E1に沿って延びる直線形状を有する複数の第1ドライブ線41を備え、第2配列方向D2において相互に隣り合う2つの第1ドライブ線41は、第2延在方向E2に沿って第1ドライブ間隔GD1を空けて並んでいる。
【0167】
一方で、ドライブ電極帯31Bは、これも第1実施形態のドライブ電極31DPと同様、第2延在方向E2に沿って延びる直線形状を有する複数の第2ドライブ線42を備え、第2配列方向D2において相互に隣り合う2本の第2ドライブ線42は、第1延在方向E1に沿って第2ドライブ間隔GD2を空けて並んでいる。
【0168】
ただし、本実施形態のドライブ電極31DPでは、第1ドライブ線41と第2ドライブ線42との交点のうち、第2配列方向D2においてパッド31Pから最も近い交点と、パッド31Pとの距離である交点距離DNが、第1実施形態のドライブ電極31DPよりも大きい。そして、交点距離DNは、第2配列方向D2において相互に隣り合う2本の第1ドライブ線41と、第2配列方向D2において相互に隣り合う2本の第2ドライブ線42とによって形成される単位格子における対角線の長さの1/2倍よりも小さい。
【0169】
これに対して、第1実施形態のドライブ電極31DPでは、第1ドライブ線41と第2ドライブ線42との交点のうち、第2配列方向D2においてパッド31Pから最も近い交点は、パッド31Pの外縁に位置している。
【0170】
パッド31Pにおけるドライブパッド幅WPDは、第1実施形態のドライブ電極31DPのパッド31Pにおけるドライブパッド幅WPDと等しく、かつ、単位格子における対角線の長さの2.5倍にほぼ等しい。
【0171】
[センシング電極]
図15を参照してセンシング電極の構成を説明する。図15は、センシング電極33SPの平面構造を示す平面図であり、図15では、図5と同様、センシング電極帯33Bを構成する電極線の配置を説明する便宜上、電極線の線幅が誇張して示されている。
【0172】
図15が示すように、1つのセンシング電極33SPは、1つのパッド33Pと、1つのセンシング電極帯33Bとを備えている。センシング電極帯33Bは、第1実施形態のセンシング電極帯33Bと同様、第1延在方向E1に沿って延びる直線形状を有する複数の第1センシング線81を備え、第1配列方向D1において相互に隣り合う2本の第1センシング線81は、第2延在方向E2に沿って第1センシング間隔GS1を空けて並んでいる。
【0173】
一方で、センシング電極帯33Bは、これも第1実施形態のセンシング電極帯33Bと同様、第2延在方向E2に沿って延びる直線形状を有する複数の第2センシング線82を備え、第1配列方向D1において相互に隣り合う2本の第2センシング線82は、第1延在方向E1に沿って第2センシング間隔GS2を空けて並んでいる。
【0174】
センシング電極33SPでは、第1センシング線81と第2センシング線82との交点のうち、第2配列方向D2においてドライブ電極31DPのパッド31Pの位置する端部から最も近い交点と、第2配列方向D2におけるパッド33Pの端部を通る直線との距離が、交点距離DNである。本実施形態のセンシング電極33SPにおける交点距離DNは、第1実施形態のセンシング電極33SPにおける交点距離よりも大きい。そして、交点距離DNは、第1配列方向D1において相互に隣り合う2本の第1センシング線81と、第1配列方向D1において相互に隣り合う2本の第2センシング線82とによって形成される単位格子における対角線の長さの1/2倍よりも小さい。センシング電極33SPの交点距離DNは、ドライブ電極31DPの交点距離DNとほぼ等しい。
【0175】
これに対して、第1実施形態のセンシング電極33SPでは、第1センシング線51と第2センシング線52との交点のうち、第2配列方向D2においてドライブ電極31DPのパッド31Pの位置する端部から最も近い交点は、第2配列方向D2におけるパッド33Pの端部を通る直線に接している。
【0176】
パッド33Pにおけるセンシングパッド幅WPSは、ドライブ電極31DPのパッド31Pにおけるドライブパッド幅WPDよりも小さく、かつ、単位格子における対角線の長さの2倍にほぼ等しい。そのため、第2配列方向D2において相互に隣り合う2つのパッド33Pの間のセンシング電極間隔GSPは、第1センシング線81と第2センシング線82との交点とは重ならない部位に位置している。そして、相互に隣り合うセンシング電極帯33Bの間の隙間は、第1センシング線81の延長線と第2センシング線82の延長線との交差部以外に位置する。
【0177】
[タッチセンサ用電極]
図16を参照してタッチセンサ用電極の構成を説明する。図16は、図6と同様、ドライブ電極31DPとセンシング電極33SPとをドライブ電極31DPとセンシング電極33SPとの積層される方向から見た平面図である。なお、図16では、ドライブ電極31DP、および、センシング電極33SPの配置を説明する便宜上、電極線の線幅が誇張して示されている。
【0178】
図16が示すように、タッチセンサ用電極21には、複数のセル21Cが設定され、各ドライブ電極31DPにおいて、複数のセル21Cが第2配列方向D2に沿って並び、かつ、各センシング電極33SPにおいて、複数のセル21Cが第1配列方向D1に沿って並んでいる。そして、各セル21Cでは、各第1ドライブ線41の全体が、透明誘電体基板33を挟んで対向する第1センシング線81の全体に重なり、かつ、各第2ドライブ線42の全体が、透明誘電体基板33を挟んで対向する第2センシング線82の全体に重なっている。
【0179】
これに対して、2つのドライブ電極31DPの間の隙間には、センシング面33Sと対向する平面視において、第1センシング線81、および、第2センシング線82の少なくとも一方が重なっている。また、2つのセンシング電極33SPの間の隙間には、センシング面33Sと対向する平面視において、第1ドライブ線41と第2ドライブ線42とが、第1配列方向D1に沿って交互に重なっている。
【0180】
これにより、センシング面33Sと対向する平面視において、第2配列方向D2にて相互に隣り合う2つのセンシング電極33SPの間にて、端部の相互に対向する2本の第1センシング線81の間には、第1ドライブ線41が位置している。そして、センシング面33Sと対向する平面視において、第2配列方向D2にて相互に隣り合う2つのセンシング電極33SPの間にて、端部の相互に対向する2本の第2センシング線82の間には、第2ドライブ線42が位置している。
【0181】
タッチセンサ用電極21において、第1配列方向D1にて相互に隣り合う2つのドライブ電極31DPの間の隙間と、第2配列方向D2にて相互に隣り合う2つのセンシング電極33SPの間の隙間との交差する部分が、隙間重畳部21Gである。隙間重畳部21Gは、単位格子によって囲まれる領域の内部に位置している。
【0182】
そのため、透明誘電体基板33と対向する平面視において、第1配列方向D1にて相互に隣り合う2つのドライブ電極31DPの間の隙間には、センシング電極33SPの一部が位置する。一方で、第2配列方向D2にて相互に隣り合う2つのセンシング電極33SPの間の隙間には、ドライブ電極31DPの一部が位置する。それゆえに、タッチセンサ用電極21には、第1実施形態のタッチセンサ用電極21のようなダミーパターンが不要である。結果として、第1配列方向D1にて相互に隣り合う2つのドライブ電極31DPの間にダミーパターンを形成する必要がない分、タッチセンサ用電極21の形成が容易になる。
【0183】
以上説明したように、第4実施形態によれば、以下に記載の効果を得ることができる。
(8)タッチセンサ用電極21には、ダミーパターンが不要であるため、第1配列方向D1にて相互に隣り合う2つのドライブ電極31DPの間にダミーパターンを形成する必要がない分、タッチセンサ用電極21の形成が容易になる。
【0184】
なお、上述した第4実施形態は、以下のように適宜変更して実施することもできる。
・ドライブ電極31DPのパッド31Pにおけるドライブパッド幅WPDが、単位格子における対角線の長さの2倍にほぼ等しく、かつ、センシング電極33SPのパッド33Pにおけるセンシングパッド幅WPSが、単位格子における対角線の長さの2.5倍にほぼ等しくてもよい。こうした構成であっても、隙間重畳部21Gは、単位格子によって囲まれる領域の内部に位置するため、ダミーパターンは不要である。
【0185】
・ドライブ電極31DPにおける交点距離DNは、単位格子における対角線の長さの1/2倍よりも大きくてもよい。こうした構成であっても、ドライブパッド幅WPDが、単位格子における対角線の長さの2.5倍にほぼ等しく、かつ、センシングパッド幅WPSが、単位格子における対角線の長さの2倍にほぼ等しければ、隙間重畳部21Gは、単位格子によって囲まれる領域の内部に位置する。なお、こうした構成では、センシング電極33SPにおける交点距離DNは、ドライブ電極31DPにおける交点距離DNと等しければよい。
【0186】
・ドライブ電極31DPにおける交点距離DNは、単位格子における対角線の長さの1/2倍よりも大きくてもよい。こうした構成であっても、ドライブパッド幅WPDが、単位格子における対角線の長さの2倍にほぼ等しく、かつ、センシングパッド幅WPSが、単位格子における対角線の長さの2.5倍にほぼ等しければ、隙間重畳部21Gは、単位格子によって囲まれる領域の内部に位置する。なお、こうした構成では、センシング電極33SPにおける交点距離DNは、ドライブ電極31DPにおける交点距離DNと等しければよい。
【0187】
・ドライブパッド幅WPDとセンシングパッド幅WPSとは、上述した幅に限らず、隙間重畳部21Gが、単位格子の内部に位置する幅であればよい。こうした構成であれば、ダミーパターンは不要である。
【0188】
・第4実施形態は、第2実施形態の構成、および、第2実施形態の変形例の構成を組み合わせて実施することもできる。また、第4実施形態は、第3実施形態の構成、および、第3実施形態の変形例の構成と組み合わせて実施することもできる。
【0189】
[第5実施形態]
図17から図19を参照して、タッチセンサ用電極、タッチパネル、および、表示装置を具体化した第5実施形態を説明する。第5実施形態は、第1実施形態と比べて、ドライブ電極31DPを構成する電極線の構造、および、センシング電極33SPを構成する電極線の構造の各々が異なる。そのため、以下では、第1実施形態との相違点を詳しく説明する。そして、図17から図19の各々における第1実施形態と同等の構成については、第1実施形態と同じ符号を付すことによって、詳しい説明を省略する。
【0190】
[ドライブ電極]
図17を参照してドライブ電極の構成を説明する。図17は、ドライブ電極31DPの平面構造を示す平面図であり、図17では、図4と同様、ドライブ電極帯31Bを構成する電極線の配置を説明する便宜上、電極線の線幅が誇張して示されている。
【0191】
図17が示すように、1つのドライブ電極31DPは、1つのパッド31Pと、格子形状を有してパッド31Pに接続する1つのドライブ電極帯31Bとを備えている。ドライブ電極帯31Bは、第1配列方向D1と交差する第3延在方向E3に沿って延びる直線形状を有する複数の第1ドライブ線91と、第3延在方向E3と直交する第4延在方向E4に沿って延びる直線形状を有する複数の第2ドライブ線92とを備えている。
【0192】
1つのドライブ電極帯31Bを構成する複数の第1ドライブ線91において、各第1ドライブ線91の延びる方向である第3延在方向E3は、第1配列方向D1と所定の角度である対向角度θ2を形成している。対向角度θ2は、例えば30°である。複数の第1ドライブ線91のうち、第2配列方向D2において、2つの端部のうちの一方がパッド31Pに最も近い1本の第1ドライブ線91が、パッド31Pに対して直に接続している。
【0193】
一方で、1つのドライブ電極帯31Bを構成する複数の第2ドライブ線92において、各第2ドライブ線92の延びる方向である第4延在方向E4は、第3延在方向E3と直交し、かつ、第1配列方向D1と対向角度θ3を形成している。対向角度θ3は、例えば60°である。複数の第2ドライブ線92のうち、第2配列方向D2において、2つの端部のうちの一方がパッド31Pに最も近い3本の第2ドライブ線92が、パッド31Pに対して直に接続している。
【0194】
1つのドライブ電極帯31Bにおいて、各第1ドライブ線91は、少なくとも1本の第2ドライブ線92と交差し、かつ、各第2ドライブ線92は、少なくとも1本の第1ドライブ線91と交差している。これにより、複数の第1ドライブ線91および複数の第2ドライブ線92は、矩形形状を有する複数の単位格子、および、単位格子の一部から構成される格子形状を形成している。
【0195】
[センシング電極]
図18を参照してセンシング電極の構成を説明する。図18は、センシング電極33SPの平面構造を示す平面図であり、図18では、図5と同様、センシング電極帯33Bを構成する電極線の配置を説明する便宜上、電極線の線幅が誇張して示されている。
【0196】
図18が示すように、1つのセンシング電極33SPは、1つのパッド33Pと、格子形状を有してパッド33Pに接続するセンシング電極帯33Bとを備えている。センシング電極帯33Bは、第2配列方向D2と交差する第3延在方向E3に沿って延びる直線形状を有する複数の第1センシング線101と、第3延在方向E3と直交する第4延在方向E4に沿って延びる直線形状を有する複数の第2センシング線102とを備えている。
【0197】
1つのセンシング電極帯33Bを構成する複数の第1センシング線101において、各第1センシング線101の延びる方向である第3延在方向E3は、第2配列方向D2と対向角度θ3を形成している。複数の第1センシング線101のうち、第1配列方向D1において、2つの端部のうちの一方がパッド33Pに最も近い3本の第1センシング線101が、パッド33Pに対して直に接続している。
【0198】
一方で、1つのセンシング電極帯33Bを構成する複数の第2センシング線102において、各第2センシング線102の延びる方向である第4延在方向E4は、第3延在方向E3と直交し、かつ、第2配列方向D2と対向角度θ2を形成している。複数の第2センシング線102のうち、第1配列方向D1において、2つの端部のうちの一方がパッド33Pに最も近い1本の第2センシング線102が、パッド33Pに対して直に接続している。
【0199】
1つのセンシング電極帯33Bにおいて、各第1センシング線101は、少なくとも1本の第2センシング線102と交差し、かつ、各第2センシング線102は、少なくとも1本の第1センシング線101と交差している。これにより、複数の第1センシング線101および複数の第2センシング線102は、矩形形状を有する複数の単位格子、および、単位格子の一部から構成される格子形状を形成している。
【0200】
[タッチセンサ用電極]
図19を参照してタッチセンサ用電極の構成を説明する。図19は、図6と同様、ドライブ電極31DPとセンシング電極33SPとをドライブ電極31DPとセンシング電極33SPとの積層される方向から見た平面図である。なお、図19では、ドライブ電極31DP、および、センシング電極33SPの配置を説明する便宜上、電極線の線幅が誇張して示されている。
【0201】
図19が示すように、タッチセンサ用電極21には、複数のセル21Cが設定され、各セル21Cにおいて、複数の第1ドライブ線91の各々の全体は、センシング面33Sと対向する平面視において、相互に異なる第1センシング線101と重なっている。一方で、複数の第2ドライブ線92の各々の全体は、センシング面33Sと対向する平面視において、相互に異なる第2センシング線102と重なっている。
【0202】
これに対して、第2配列方向D2において相互に隣り合う2つのセンシング電極33SPの間の隙間には、センシング面33Sと対向する平面視にて、ドライブ電極31DPの備える第1ドライブ線91の一部、および、第2ドライブ線92の一部が位置している。そして、第1配列方向D1において相互に隣り合う2つのドライブ電極31DPの間の隙間には、センシング面33Sと対向する平面視にて、センシング電極33SPの備える第1センシング線101の一部、および、第2センシング線102の一部が位置している。
【0203】
このように、本実施形態のタッチセンサ用電極21においても、第1実施形態のタッチセンサ用電極21と同様、各セル21Cにて、複数の第1ドライブ線91の各々の全体が、センシング面33Sと対向する平面視において、相互に異なる第1センシング線101と重なっている。一方で、複数の第2ドライブ線92の各々の全体が、センシング面33Sと対向する平面視において、相互に異なる第2センシング線102と重なっている。そのため、本実施形態のタッチセンサ用電極21によっても、第1実施形態に準じた効果を得ることができる。
【0204】
なお、上述した第5実施形態は、以下のように適宜変更して実施することもできる。
・対向角度θ3は、45°以外の90°よりも小さい角度であればよく、対向角度θ3は、対向角度θ3がα°であるとき、(90−α)°であればよい。
【0205】
・隙間重畳部21Gが、単位格子の内部ではなく、単位格子と重なる位置であるとき、隙間重畳部21Gには、ダミーパターンが位置してもよい。ダミーパターンは、透明誘電体基板33のうち、ドライブ電極31DPが位置する面に位置してもよいし、センシング電極33SPが位置する面に位置してもよい。
【0206】
・第5実施形態は、第2実施形態の構成、第2実施形態の変形例の構成、第3実施形態の構成、第3実施形態の変形例の構成、第4実施形態、および、第4実施形態の変形例の構成と組み合わせて実施することもできる。
【0207】
また、上記各実施形態は、以下のように適宜変更して実施することもできる。
図20が示すように、タッチパネル20を構成するタッチセンサ用電極21は、ドライブ電極31DPの位置する透明基板31を透明誘電体基板33とは別に有してもよい。こうした構成では、透明基板31の面の中で、透明誘電体基板33と対向する1つの面がドライブ面31Sとして設定され、ドライブ面31Sには、ドライブ電極31DPが位置すればよい。そして、透明基板31と透明誘電体基板33との間には、透明基板31と透明誘電体基板33とを接着する透明接着層23が位置すればよい。なお、透明基板31が第1基材の一例であり、透明誘電体基板33が第2基材の一例である。また、透明基板31において、ドライブ面31Sが表面であり、ドライブ面31Sと対向する面が裏面である。これに対して、透明誘電体基板33において、センシング面33Sが表面であり、センシング面33Sと対向する面が裏面である。
【0208】
図21が示すように、タッチパネル20では、表示パネル10に近い構成要素から順番に、ドライブ電極31DP、透明基板31、透明接着層32、透明誘電体基板33、センシング電極33SP、透明接着層23、カバー層22が位置してもよい。なお、透明基板31が第1基材の一例であり、透明誘電体基板33が第2基材の一例である。また、透明基板31において、ドライブ面31Sが表面であり、ドライブ面31Sと対向する面が裏面である。これに対して、透明誘電体基板33において、センシング面33Sが表面であり、センシング面33Sと対向する面が裏面である。
【0209】
こうした構成では、例えば、ドライブ電極31DPを構成するパッド31Pや電極線が、透明基板31の1つの面であるドライブ面31Sに形成され、センシング電極33SPを構成するパッド33Pや電極線が、透明誘電体基板33の1つの面であるセンシング面33Sに形成される。そして、透明基板31においてドライブ面31Sと対向する面と、透明誘電体基板33においてセンシング面33Sと対応する面とが、透明接着層32によって接着される。
【0210】
・タッチパネル20の製造に際しては、タッチセンサ用電極21とカバー層22とが、透明接着層23によって貼り合わされる方法が採用されてもよいし、こうした製造方法とは異なる他の例として、以下の製造方法が採用されてもよい。すなわち、樹脂フィルムなどのカバー層22に銅などの導電性金属から構成される薄膜層を直に、もしくは、下地層を介して形成し、薄膜層の上にセンシング電極のパターン形状を有したレジスト層を形成する。次いで、塩化第二鉄などを用いたウエットエッチング法によって、薄膜層からセンシング電極33SPに加工して、第1のフィルムを得る。また、センシング電極33SPと同様に、他の樹脂フィルムに形成された薄膜層をドライブ電極31DPに加工して、第2のフィルムを得る。そして、第1フィルムと第2フィルムとが透明誘電体基板33を挟むように、透明誘電体基板33に対して透明接着層によって貼り付けられる。
【0211】
・タッチパネル20と表示パネル10とは、個別に形成されていなくともよく、タッチパネル20は、表示パネル10と一体に形成されてもよい。こうした構成では、例えば、タッチセンサ用電極21のうち、複数のドライブ電極31DPがTFT層13に位置する一方、複数のセンシング電極33SPがカラーフィルタ層15と上側偏光板17との間に位置するインセル型の構成とすることができる。あるいは、タッチセンサ用電極21がカラーフィルタ層15と上側偏光板17との間に位置するオンセル型の構成でもよい。
【符号の説明】
【0212】
10…表示パネル、10S…表示面、11…下側偏光板、12…薄膜トランジスタ基板、13…TFT層、14…液晶層、15…カラーフィルタ層、16…カラーフィルタ基板、17…上側偏光板、20…タッチパネル、20S…操作面、21…タッチセンサ用電極、21C…セル、21G…隙間重畳部、22…カバー層、23,32…透明接着層、31…透明基板、31B…ドライブ電極帯、31DP,31DP1,31DPn…ドライブ電極、31P…パッド、31S…ドライブ面、33…透明誘電体基板、33B…センシング電極帯、33DP…ドライブ電極、33P…パッド、33S…センシング面、33SP,33SP1,33SPn…センシング電極、34…選択回路、35…検出回路、35a…信号取得部、35b…信号処理部、36…制御部、41,91…第1ドライブ線、42,92…第2ドライブ線、43…ダミーパターン、51,81,101…第1センシング線、52,82,102…第2センシング線、61…ドライブ線間引き部、62…部分ドライブ線、63,73…ダミー配線、71…センシング線間引き部、72…部分センシング線。
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