【課題を解決するための手段】
【0006】
後記実施形態(
図1〜7及び
図8(a)に示す第一実施形態、
図8(b)に示す別例1、
図9(a)に示す別例2、
図9(b)に示す別例3
、図10(a)に示す別例6、
図10(b)に示す別例7)の図面の符号を援用して本発明を説明する。
【0007】
請求項1〜3の発明にかかる皮膚切除具においては、いずれも、環状の刃先縁(17a)を有する切除刃(17)を設けた可動体(16)と、可動体(16)の切除刃(17)内を通る押出端部(31)を有する押出体(29)を設けたホルダ(1)とを備え、この可動体(16)をホルダ(1)に対し移動可能に支持して、可動体(16)の切除刃(17)は、その刃先縁(17a)がホルダ(1)の頭端部(3)から内側へ収容される収容位置(A)と、その刃先縁(17a)がホルダ(1)の頭端部(3)から外側へ突出する突出位置(B)とを取る。
【0008】
さらに、請求項1の発明では、押出体(29)の押出端部(31)がホルダ(1)の頭端部(3)に一致する状態で、突出位置(B)に
あってホルダ(1)の頭端部(3)から外側へ突出する切除刃(17)の刃先縁(17a)が押出体(29)の押出端部(31)から切除刃(17)の突出向き(XB)へ離間し、収容位置(A)に
あってホルダ(1)の頭端部(3)から内側へ収容される切除刃(17)の刃先縁(17a)が
図8(a)に示すように押出体(29)の押出端部(31)から切除刃(17)の収容向き(XA)へ離間するか、または、
図8(b)に示すようにその押出端部(31)に一致する。
【0009】
さらに、請求項2の発明では、押出体(29)の押出端部(31)がホルダ(1)の頭端部(3)から切除刃(17)の収容向き(XA)へ離間する状態で、突出位置(B)に
あってホルダ(1)の頭端部(3)から外側へ突出する切除刃(17)の刃先縁(17a)が押出体(29)の押出端部(31)から切除刃(17)の突出向き(XB)へ離間し、収容位置(A)に
あってホルダ(1)の頭端部(3)から内側へ収容される切除刃(17)の刃先縁(17a)が
図9(a)に示すように押出体(29)の押出端部(31)から切除刃(17)の収容向き(XA)へ離間するか、または、
図9(b)に示すようにその押出端部(31)に一致
する。
【0010】
さらに、請求項3の発明では、押出体(29)の押出端部(31)がホルダ(1)の頭端部(3)から切除刃(17)の突出向き(XB)へ離間する状態で、突出位置(B)に
あってホルダ(1)の頭端部(3)から外側へ突出する切除刃(17)の刃先縁(17a)が押出体(29)の押出端部(31)から切除刃(17)の突出向き(XB)へ離間し、収容位置(A)に
あってホルダ(1)の頭端部(3)から内側へ収容される切除刃(17)の刃先縁(17a)が
図10(a)に示すように押出体(29)の押出端部(31)から切除刃(17)の収容向き(XA)へ離間する
か、または、図10(b)に示すようにその頭端部(3)に一致する。
【0012】
請求項1〜3の発明では、切除刃(17)の環状刃先縁(17a)を突出位置(B)に
してホルダ(1)の頭端部(3)から外側へ突出させた状態でその環状刃先縁(17a)を皮膚に当てがって回動させたり押し付けたりすると、環状刃先縁(17a)により切断された皮膚片が環状刃先縁(17a)の内側に残る。その後、環状刃先縁(17a)を収容位置(A)に
してホルダ(1)の頭端部(3)から内側へ収容すると、環状刃先縁(17a)の内側に残った皮膚片が押出体(29)の押出端部(31)により環状刃先縁(17a)から外側へ押し出されて排出される。通常は切除刃(17)の環状刃先縁(17a)をホルダ(1)の頭端部(3)から内側へ収容することができ、皮膚片の切断時には切除刃(17)の環状刃先縁(17a)をホルダ(1)の頭端部(3)から外側へ突出させることができるので、環状刃先縁(17a)の損傷を防止することができる。
【0013】
請求項1〜3のうちいずれか一つの請求項の発明を前提とする
請求項4の発明において、前記押出体(29)の押出端部(31)の外周縁(31a)は切除刃(17)の環状刃先縁(17a)に沿って環状に設けられている。
請求項4の発明では、切除刃(17)の環状刃先縁(17a)に押出体(29)の押出端部(31)の外周縁(31a)が沿うため、環状刃先縁(17a)に沿って切断された皮膚片を押出端部(31)により円滑に排出することができる。
【0014】
請求項1〜4の発明を前提とする
請求項5の発明においては、前記押出体(29)を可動体(16)に支持した状態で可動体(16)をホルダ(1)の
頭端部(3)から挿入した際に押出体(29)が係止される連結部(14)をホルダ(1)に設け、ホルダ(1)に対する可動体(16)の移動に伴い押出体(29)がホルダ(1)の連結部(14)に連結されて、ホルダ(1)に残った押出体(29)に対し可動体(16)が移動し得る。
請求項5の発明では、ホルダ(1)への可動体(16)の挿入操作を利用して押出体(29)をホルダ(1)の連結部(14)に対し容易に連結することができる。
【0015】
請求項5の発明を前提とする
請求項6の発明において、前記可動体(16)の切除刃(17)の刃先縁(17a)は、ホルダ(1)の連結部(14)より切除刃(17)の突出向き(XB)側に位置した状態で、ホルダ(1)に対する可動体(16)の移動に伴い移動する。
請求項6の発明では、切除刃(17)をホルダ(1)の
頭端部(3)から内側へ収容する際にホルダ(1)の連結部(14)に邪魔されることがない。
【0016】
請求項1〜6のうちいずれか一つの請求項の発明を前提とする
請求項7の発明において、前記可動体(16)は、その可動体(16)と押出体(29)との間に支持された収容ばね(23)により、切除刃(17)の突出位置(B)側から切除刃(17)の収容位置(A)側へ付勢される。
請求項7の発明では、収容ばね(23)により、可動体(16)を容易に収容するとともに、可動体(16)の不用意な突出を規制することができる。
【0017】
次に、請求項以外の技術的思想について実施形態の図面の符号を援用して説明する。
請求項1〜7のうちいずれか一つの請求項の発明を前提とする
第8の発明においては、前記ホルダ(1)に設けたガイド(6)と可動体(16)に設けたストッパ(25)との係脱により、ホルダ(1)に対する可動体(16)の移動位置(A,B,C)を設定する。
第8の発明では、ホルダ(1)に対し可動体(16)を移動させる際に、ガイド(6)に対するストッパ(25)の係脱により可動体(16)の移動位置(A,B,C)を設定することができる。
【0018】
第8の発明を前提とする
第9の発明において、前記ホルダ(1)は、前記可動体(16)の切除刃(17)が出没する頭端部(3)と、その頭端部(3)に対し可動体(16)の移動方向(X)で反対側になる尻端部(4)とを有し、前記ホルダ(1)のガイド(6)はこの頭端部(3)と尻端部(4)との間に設けられ、前記可動体(16)において、切除刃(17)を有する頭部(18)に対し可動体(16)の移動方向(X)で反対側になる尻側には操作部(22)をホルダ(1)の尻端部(4)から露出させて設け、ストッパ(25)を切除刃(17)と操作部(22)との間に設けた。
第9の発明では、ホルダ(1)の尻端部(4)から露出させた可動体(16)の操作部(22)により、ホルダ(1)に対する可動体(16)の移動位置(A,B,C)を設定する操作を容易に行うことができる。
【0019】
第8の発明または
第9の発明を前提とする
第10の発明において、前記可動体(16)のストッパ(25)は、板ばね(19)により付勢され、前記ホルダ(1)のガイド(6)に対し板ばね(19)による付勢力により係止されるとともにその付勢力に抗してその係止が解除される。
第10の発明では、ホルダ(1)のガイド(6)に対し可動体(16)のストッパ(25)を板ばね(19)の付勢力により容易に係止させることができるとともに、板ばね(19)の付勢力に抗してその係止を容易に解除することができる。
【0020】
第10の発明を前提とする
第11の発明において、前記板ばね(19)は可動体(16)の移動方向(X)に沿って延設されて切除刃(17)の収容向き(XA)側に自由端部を有する片持ち梁であり、前記可動体(16)のストッパ(25)はこの板ばね(19)に設けられている。
第11の発明では、ストッパ(25)を設けた板ばね(19)を簡単に形成することができる。
【0021】
第8〜11の発明のうちいずれか一つの発明を前提とする
第12の発明の発明において、前記可動体(16)の切除刃(17)は、前記収容位置(A)及び突出位置(B)ばかりではなく、その収容位置(A)及び突出位置(B)への移動を阻止するロック位置(C)も取り得る。
第12の発明では、可動体(16)の切除刃(17)をロック位置(C)に移動させると、使用後のものか否かを容易に判別することができるとともに、切除刃(17)が収容位置(A)や突出位置(B)に不用意に移動するのを阻止することができる。
【0022】
第12の発明を前提とする
第13の発明において、前記可動体(16)のストッパ(25)は、片持ち梁状の板ばね(19)の自由端部側に設けられた第一係止部(26)と、その第一係止部(26)より切除刃(17)の突出向き(XB)側に設けられた第二係止部(27)とを有している。
第13の発明の発明では、ストッパ(25)の第一係止部(26)及び第二係止部(27)をガイド(6)に係止される収容用係止部と突出用係止部とロック用係止部として兼用して、ストッパ(25)を簡単にすることができる。また、片持ち梁状の板ばね(19)の基端部に対する第一係止部(26)の距離は、その基端部に対する第二係止部(27)の距離より大きくなるので、第一係止部(26)の位置における板ばね(19)の撓み量が第二係止部(27)の位置における板ばね(19)の撓み量より大きくなり、第二係止部(27)を操作するだけで第一係止部(26)を操作することができる。
【0023】
第13の発明を前提とする
第14の発明において、前記ホルダ(1)のガイド(6)は、切除刃(17)の収容位置(A)で前記ストッパ(25)の第一係止部(26)が係止される第一係止部(7)と、切除刃(17)の収容位置(A)で前記ストッパ(25)の第二係止部(27)が係止されるとともに切除刃(17)の突出位置(B)で前記ストッパ(25)の第一係止部(26)が係止される第二係止部(8)と、切除刃(17)の突出位置(B)で前記ストッパ(25)の第二係止部(27)が係止される第三係止部(9)と、切除刃(17)のロック位置(C)で前記ストッパ(25)の第一係止部(26)が係止される第四係止部(10)と、切除刃(17)のロック位置(C)で前記ストッパ(25)の第二係止部(27)が係止される第五係止部(11)とを有し、このガイド(6)の第四係止部(10)と第一係止部(7)と第五係止部(11)と第二係止部(8)と第三係止部(9)とは可動体(16)の移動方向(X)に沿って切除刃(17)の突出向き(XB)側へ順次並べられている。
第14の発明では、ガイド(6)において可動体(16)の移動方向(X)に沿って切除刃(17)の突出向き(XB)側へ順次並べた第四係止部(10)と第一係止部(7)と第五係止部(11)と第二係止部(8)と第三係止部(9)とのうちいずれかのものに対し、ストッパ(25)の第一係止部(26)及び第二係止部(27)を係止させることにより、ガイド(6)の各係止部(7,8,9,10,11)をストッパ(25)に係止される収容用係止部(7,8)と突出用係止部(8,9)とロック用係止部(10,11)として兼用して、ガイド(6)を簡単にすることができる。