特許第6392006号(P6392006)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6392006
(24)【登録日】2018年8月31日
(45)【発行日】2018年9月19日
(54)【発明の名称】皮膚切除具
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/32 20060101AFI20180910BHJP
【FI】
   A61B17/32
【請求項の数】7
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-131107(P2014-131107)
(22)【出願日】2014年6月26日
(65)【公開番号】特開2016-7468(P2016-7468A)
(43)【公開日】2016年1月18日
【審査請求日】2017年6月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001454
【氏名又は名称】株式会社貝印刃物開発センター
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 昌宏
【審査官】 中村 一雄
(56)【参考文献】
【文献】 特表2007−513734(JP,A)
【文献】 特開2009−045339(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
環状の刃先縁を有する切除刃を設けた可動体と、可動体の切除刃内を通る押出端部を有する押出体を設けたホルダとを備え、この可動体をホルダに対し移動可能に支持して、可動体の切除刃は、その刃先縁がホルダの頭端部から内側へ収容される収容位置と、その刃先縁がホルダの頭端部から外側へ突出する突出位置とを取り、
押出体の押出端部がホルダの頭端部に一致する状態では、
突出位置にあってホルダの頭端部から外側へ突出する切除刃の刃先縁が押出体の押出端部から切除刃の突出向きへ離間し、
収容位置にあってホルダの頭端部から内側へ収容される切除刃の刃先縁が押出体の押出端部から切除刃の収容向きへ離間するか、または、その押出端部に一致する
ことを特徴とする皮膚切除具。
【請求項2】
環状の刃先縁を有する切除刃を設けた可動体と、可動体の切除刃内を通る押出端部を有する押出体を設けたホルダとを備え、この可動体をホルダに対し移動可能に支持して、可動体の切除刃は、その刃先縁がホルダの頭端部から内側へ収容される収容位置と、その刃先縁がホルダの頭端部から外側へ突出する突出位置とを取り、
押出体の押出端部がホルダの頭端部から切除刃の収容向きへ離間する状態では、
突出位置にあってホルダの頭端部から外側へ突出する切除刃の刃先縁が押出体の押出端部から切除刃の突出向きへ離間し、
収容位置にあってホルダの頭端部から内側へ収容される切除刃の刃先縁が押出体の押出端部から切除刃の収容向きへ離間するか、または、その押出端部に一致する
ことを特徴とする皮膚切除具。
【請求項3】
環状の刃先縁を有する切除刃を設けた可動体と、可動体の切除刃内を通る押出端部を有する押出体を設けたホルダとを備え、この可動体をホルダに対し移動可能に支持して、可動体の切除刃は、その刃先縁がホルダの頭端部から内側へ収容される収容位置と、その刃先縁がホルダの頭端部から外側へ突出する突出位置とを取り、
押出体の押出端部がホルダの頭端部から切除刃の突出向きへ離間する状態では、
突出位置にあってホルダの頭端部から外側へ突出する切除刃の刃先縁が押出体の押出端部から切除刃の突出向きへ離間し、
収容位置にあってホルダの頭端部から内側へ収容される切除刃の刃先縁が押出体の押出端部から切除刃の収容向きへ離間するか、または、その頭端部に一致する
ことを特徴とする皮膚切除具。
【請求項4】
前記押出体の押出端部の外周縁は切除刃の環状刃先縁に沿って環状に設けられていることを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか一つの請求項に記載の皮膚切除具。
【請求項5】
前記押出体を可動体に支持した状態で可動体をホルダの端部から挿入した際に押出体が係止される連結部をホルダに設け、ホルダに対する可動体の移動に伴い押出体がホルダの連結部に連結されて、ホルダに残った押出体に対し可動体が移動し得ることを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか一つの請求項に記載の皮膚切除具。
【請求項6】
前記可動体の切除刃の刃先縁は、前記ホルダの連結部より切除刃の突出向き側に位置した状態で、ホルダに対する可動体の移動に伴い移動することを特徴とする請求項5に記載の皮膚切除具。
【請求項7】
前記可動体は、その可動体と押出体との間に支持された収容ばねにより、切除刃の突出位置側から切除刃の収容位置側へ付勢されることを特徴とする請求項1〜6のうちいずれか一つの請求項に記載の皮膚切除具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用等の皮膚切除具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の皮膚切除具においては、例えば下記の特許文献1や特許文献2に開示されているように、円環状の刃先縁を有する切除刃がホルダの頭端部に固着されてその頭端部から突出しているとともに、押出端部を有する押出体が可動体の頭部に取着され、この可動体がホルダに対し移動可能に支持されている。この可動体の押出体は、押出端部が切除刃の円環状刃先縁から外側へ突出する突出位置と、切除刃の円環状刃先縁から内側へ収容される収容位置とを取る。押出体を収容位置にした状態で切除刃の円環状刃先縁を皮膚に当てがって回動させたり押し付けたりすると、円環状刃先縁により円形状に切断された皮膚片が円環状刃先縁の内側に残る。その後、押出体を突出位置にすると、円環状刃先縁の内側に残った皮膚片が押出体の押出端部により円環状刃先縁から外側へ押し出されて排出されるため、その皮膚片を採取することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4002017号公報
【特許文献2】特許第4560386号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、このような皮膚切除具では、切除刃がホルダの頭端部に固着されてその頭端部から突出して切除刃の円環状刃先縁が常に露出しているため、その刃先縁を損傷するおそれがあり、円環状刃先縁の損傷を防止するためには円環状刃先縁にキャップを被せる必要があった。
【0005】
この発明は、皮膚切除具において、キャップを不要とする構造を採用した場合にも、環状刃先縁の損傷を防止することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
後記実施形態(図1〜7及び図8(a)に示す第一実施形態、図8(b)に示す別例1、図9(a)に示す別例2、図9(b)に示す別例3、図10(a)に示す別例6、図10(b)に示す別例7)の図面の符号を援用して本発明を説明する。
【0007】
請求項1〜3の発明にかかる皮膚切除具においては、いずれも、環状の刃先縁(17a)を有する切除刃(17)を設けた可動体(16)と、可動体(16)の切除刃(17)内を通る押出端部(31)を有する押出体(29)を設けたホルダ(1)とを備え、この可動体(16)をホルダ(1)に対し移動可能に支持して、可動体(16)の切除刃(17)は、その刃先縁(17a)がホルダ(1)の頭端部(3)から内側へ収容される収容位置(A)と、その刃先縁(17a)がホルダ(1)の頭端部(3)から外側へ突出する突出位置(B)とを取る。
【0008】
さらに、請求項1の発明では、押出体(29)の押出端部(31)がホルダ(1)の頭端部(3)に一致する状態で、突出位置(B)にあってホルダ(1)の頭端部(3)から外側へ突出する切除刃(17)の刃先縁(17a)が押出体(29)の押出端部(31)から切除刃(17)の突出向き(XB)へ離間し、収容位置(A)にあってホルダ(1)の頭端部(3)から内側へ収容される切除刃(17)の刃先縁(17a)が図8(a)に示すように押出体(29)の押出端部(31)から切除刃(17)の収容向き(XA)へ離間するか、または、図8(b)に示すようにその押出端部(31)に一致する。
【0009】
さらに、請求項2の発明では、押出体(29)の押出端部(31)がホルダ(1)の頭端部(3)から切除刃(17)の収容向き(XA)へ離間する状態で、突出位置(B)にあってホルダ(1)の頭端部(3)から外側へ突出する切除刃(17)の刃先縁(17a)が押出体(29)の押出端部(31)から切除刃(17)の突出向き(XB)へ離間し、収容位置(A)にあってホルダ(1)の頭端部(3)から内側へ収容される切除刃(17)の刃先縁(17a)が図9(a)に示すように押出体(29)の押出端部(31)から切除刃(17)の収容向き(XA)へ離間するか、または、図9(b)に示すようにその押出端部(31)に一致する。
【0010】
さらに、請求項3の発明では、押出体(29)の押出端部(31)がホルダ(1)の頭端部(3)から切除刃(17)の突出向き(XB)へ離間する状態で、突出位置(B)にあってホルダ(1)の頭端部(3)から外側へ突出する切除刃(17)の刃先縁(17a)が押出体(29)の押出端部(31)から切除刃(17)の突出向き(XB)へ離間し、収容位置(A)にあってホルダ(1)の頭端部(3)から内側へ収容される切除刃(17)の刃先縁(17a)が図10(a)に示すように押出体(29)の押出端部(31)から切除刃(17)の収容向き(XA)へ離間するか、または、図10(b)に示すようにその頭端部(3)に一致する。
【0012】
請求項1〜3の発明では、切除刃(17)の環状刃先縁(17a)を突出位置(B)にしてホルダ(1)の頭端部(3)から外側へ突出させた状態でその環状刃先縁(17a)を皮膚に当てがって回動させたり押し付けたりすると、環状刃先縁(17a)により切断された皮膚片が環状刃先縁(17a)の内側に残る。その後、環状刃先縁(17a)を収容位置(A)にしてホルダ(1)の頭端部(3)から内側へ収容すると、環状刃先縁(17a)の内側に残った皮膚片が押出体(29)の押出端部(31)により環状刃先縁(17a)から外側へ押し出されて排出される。通常は切除刃(17)の環状刃先縁(17a)をホルダ(1)の頭端部(3)から内側へ収容することができ、皮膚片の切断時には切除刃(17)の環状刃先縁(17a)をホルダ(1)の頭端部(3)から外側へ突出させることができるので、環状刃先縁(17a)の損傷を防止することができる。
【0013】
請求項1〜3のうちいずれか一つの請求項の発明を前提とする請求項4の発明において、前記押出体(29)の押出端部(31)の外周縁(31a)は切除刃(17)の環状刃先縁(17a)に沿って環状に設けられている。請求項4の発明では、切除刃(17)の環状刃先縁(17a)に押出体(29)の押出端部(31)の外周縁(31a)が沿うため、環状刃先縁(17a)に沿って切断された皮膚片を押出端部(31)により円滑に排出することができる。
【0014】
請求項1〜4の発明を前提とする請求項5の発明においては、前記押出体(29)を可動体(16)に支持した状態で可動体(16)をホルダ(1)の頭端部(3)から挿入した際に押出体(29)が係止される連結部(14)をホルダ(1)に設け、ホルダ(1)に対する可動体(16)の移動に伴い押出体(29)がホルダ(1)の連結部(14)に連結されて、ホルダ(1)に残った押出体(29)に対し可動体(16)が移動し得る。請求項5の発明では、ホルダ(1)への可動体(16)の挿入操作を利用して押出体(29)をホルダ(1)の連結部(14)に対し容易に連結することができる。
【0015】
請求項5の発明を前提とする請求項6の発明において、前記可動体(16)の切除刃(17)の刃先縁(17a)は、ホルダ(1)の連結部(14)より切除刃(17)の突出向き(XB)側に位置した状態で、ホルダ(1)に対する可動体(16)の移動に伴い移動する。請求項6の発明では、切除刃(17)をホルダ(1)の頭端部(3)から内側へ収容する際にホルダ(1)の連結部(14)に邪魔されることがない。
【0016】
請求項1〜6のうちいずれか一つの請求項の発明を前提とする請求項7の発明において、前記可動体(16)は、その可動体(16)と押出体(29)との間に支持された収容ばね(23)により、切除刃(17)の突出位置(B)側から切除刃(17)の収容位置(A)側へ付勢される。請求項7の発明では、収容ばね(23)により、可動体(16)を容易に収容するとともに、可動体(16)の不用意な突出を規制することができる。
【0017】
次に、請求項以外の技術的思想について実施形態の図面の符号を援用して説明する。
請求項1〜7のうちいずれか一つの請求項の発明を前提とする第8の発明においては、前記ホルダ(1)に設けたガイド(6)と可動体(16)に設けたストッパ(25)との係脱により、ホルダ(1)に対する可動体(16)の移動位置(A,B,C)を設定する。第8の発明では、ホルダ(1)に対し可動体(16)を移動させる際に、ガイド(6)に対するストッパ(25)の係脱により可動体(16)の移動位置(A,B,C)を設定することができる。
【0018】
第8の発明を前提とする第9の発明において、前記ホルダ(1)は、前記可動体(16)の切除刃(17)が出没する頭端部(3)と、その頭端部(3)に対し可動体(16)の移動方向(X)で反対側になる尻端部(4)とを有し、前記ホルダ(1)のガイド(6)はこの頭端部(3)と尻端部(4)との間に設けられ、前記可動体(16)において、切除刃(17)を有する頭部(18)に対し可動体(16)の移動方向(X)で反対側になる尻側には操作部(22)をホルダ(1)の尻端部(4)から露出させて設け、ストッパ(25)を切除刃(17)と操作部(22)との間に設けた。第9の発明では、ホルダ(1)の尻端部(4)から露出させた可動体(16)の操作部(22)により、ホルダ(1)に対する可動体(16)の移動位置(A,B,C)を設定する操作を容易に行うことができる。
【0019】
第8の発明または第9の発明を前提とする第10の発明において、前記可動体(16)のストッパ(25)は、板ばね(19)により付勢され、前記ホルダ(1)のガイド(6)に対し板ばね(19)による付勢力により係止されるとともにその付勢力に抗してその係止が解除される。第10の発明では、ホルダ(1)のガイド(6)に対し可動体(16)のストッパ(25)を板ばね(19)の付勢力により容易に係止させることができるとともに、板ばね(19)の付勢力に抗してその係止を容易に解除することができる。
【0020】
第10の発明を前提とする第11の発明において、前記板ばね(19)は可動体(16)の移動方向(X)に沿って延設されて切除刃(17)の収容向き(XA)側に自由端部を有する片持ち梁であり、前記可動体(16)のストッパ(25)はこの板ばね(19)に設けられている。第11の発明では、ストッパ(25)を設けた板ばね(19)を簡単に形成することができる。
【0021】
第8〜11の発明のうちいずれか一つの発明を前提とする第12の発明の発明において、前記可動体(16)の切除刃(17)は、前記収容位置(A)及び突出位置(B)ばかりではなく、その収容位置(A)及び突出位置(B)への移動を阻止するロック位置(C)も取り得る。第12の発明では、可動体(16)の切除刃(17)をロック位置(C)に移動させると、使用後のものか否かを容易に判別することができるとともに、切除刃(17)が収容位置(A)や突出位置(B)に不用意に移動するのを阻止することができる。
【0022】
第12の発明を前提とする第13の発明において、前記可動体(16)のストッパ(25)は、片持ち梁状の板ばね(19)の自由端部側に設けられた第一係止部(26)と、その第一係止部(26)より切除刃(17)の突出向き(XB)側に設けられた第二係止部(27)とを有している。第13の発明の発明では、ストッパ(25)の第一係止部(26)及び第二係止部(27)をガイド(6)に係止される収容用係止部と突出用係止部とロック用係止部として兼用して、ストッパ(25)を簡単にすることができる。また、片持ち梁状の板ばね(19)の基端部に対する第一係止部(26)の距離は、その基端部に対する第二係止部(27)の距離より大きくなるので、第一係止部(26)の位置における板ばね(19)の撓み量が第二係止部(27)の位置における板ばね(19)の撓み量より大きくなり、第二係止部(27)を操作するだけで第一係止部(26)を操作することができる。
【0023】
第13の発明を前提とする第14の発明において、前記ホルダ(1)のガイド(6)は、切除刃(17)の収容位置(A)で前記ストッパ(25)の第一係止部(26)が係止される第一係止部(7)と、切除刃(17)の収容位置(A)で前記ストッパ(25)の第二係止部(27)が係止されるとともに切除刃(17)の突出位置(B)で前記ストッパ(25)の第一係止部(26)が係止される第二係止部(8)と、切除刃(17)の突出位置(B)で前記ストッパ(25)の第二係止部(27)が係止される第三係止部(9)と、切除刃(17)のロック位置(C)で前記ストッパ(25)の第一係止部(26)が係止される第四係止部(10)と、切除刃(17)のロック位置(C)で前記ストッパ(25)の第二係止部(27)が係止される第五係止部(11)とを有し、このガイド(6)の第四係止部(10)と第一係止部(7)と第五係止部(11)と第二係止部(8)と第三係止部(9)とは可動体(16)の移動方向(X)に沿って切除刃(17)の突出向き(XB)側へ順次並べられている。第14の発明では、ガイド(6)において可動体(16)の移動方向(X)に沿って切除刃(17)の突出向き(XB)側へ順次並べた第四係止部(10)と第一係止部(7)と第五係止部(11)と第二係止部(8)と第三係止部(9)とのうちいずれかのものに対し、ストッパ(25)の第一係止部(26)及び第二係止部(27)を係止させることにより、ガイド(6)の各係止部(7,8,9,10,11)をストッパ(25)に係止される収容用係止部(7,8)と突出用係止部(8,9)とロック用係止部(10,11)として兼用して、ガイド(6)を簡単にすることができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明は、皮膚切除具において、キャップを不要とする構造を採用した場合にも、環状刃先縁(17a)の損傷を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】(a)は第一実施形態にかかる皮膚切除具においてホルダから可動体を取り出した分解状態を示す斜視図であり、(b)はその可動体をホルダに挿着する前の状態を示す斜視図である。
図2】(a)は図1の皮膚切除具において刃体の収容状態を示す側面図であり、(b)は同じく側面側から見た断面図である。
図3】(a)は図1の皮膚切除具において刃体の収容状態を示す平面図であり、(b)は同じく平面側から見た断面図である。
図4】(a)は図1の皮膚切除具において刃体の突出状態を示す側面図であり、(b)は同じく側面側から見た断面図である。
図5】(a)は図1の皮膚切除具において刃体の突出状態を示す平面図であり、(b)は同じく平面側から見た断面図である。
図6】(a)は図1の皮膚切除具において刃体のロック状態を示す側面図であり、(b)は同じく側面側から見た断面図である。
図7】(a)は図1の皮膚切除具において刃体のロック状態を示す平面図であり、(b)は同じく平面側から見た断面図である。
図8】(a)は図2(b)に示す皮膚切除具において可動体の切除刃の刃先縁がホルダの頭端部から内側へ収容される収容位置にある場合にホルダの頭端部に一致する押出体の押出端部と切除刃の刃先縁との位置関係を示す説明図であり、(b)は別例1にかかる皮膚切除具において可動体の切除刃の刃先縁がホルダの頭端部から内側へ収容される収容位置にある場合にホルダの頭端部に一致する押出体の押出端部と切除刃の刃先縁との位置関係を示す説明図である。
図9】(a)(b)(c)(d)はそれぞれ別例2、別例3、別例4及び別例5にかかる皮膚切除具において可動体の切除刃の刃先縁がホルダの頭端部から内側へ収容される収容位置にある場合にホルダの頭端部から内側へ離間する押出体の押出端部と切除刃の刃先縁との位置関係を示す説明図である。
図10】(a)(b)はそれぞれ別例6及び別例7にかかる皮膚切除具において可動体の切除刃の刃先縁がホルダの頭端部から内側へ収容される収容位置にある場合にホルダの頭端部から外側へ離間する押出体の押出端部と切除刃の刃先縁との位置関係を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
まず、本発明の第一実施形態について図1〜7及び図8(a)を参照して説明する。
図1及び図2,3に示すホルダ1においては、細長い筒壁2が頭端部3(前端部)とその反対側の尻端部4(後端部)との間で収容孔5により貫通されて前後方向Xへ延設され、筒壁2の後半部には前後方向Xに対し直交する上下方向Zの両側のうち上側でガイド6が形成されている。ガイド6は、前後方向X及び上下方向Zに対し直交する左右方向Y(幅方向)で相対向する端縁部を有するとともに収容孔5に連通する第一係止孔7、第二係止孔8、第三係止孔9、第四係止孔10及び第五係止孔11を備え、尻端部4側から第四係止孔10と第一係止孔7と第五係止孔11と第二係止孔8と第三係止孔9とが順次頭端部3側へ向けて並べられている。第二係止孔8と第三係止孔9とは長孔12により互いに連通されている。第四係止孔10、第一係止孔7及び第二係止孔8における両端縁部間の幅方向寸法は、第五係止孔11及び第三係止孔9における両端縁部間の幅方向寸法より大きく設けられている。第三係止孔9で幅方向Yの両側には壁13が上方へ突設されている。筒壁2の上下両側には頭端部3と第三係止孔9との間の中間位置で連結孔14が収容孔5に連通して形成されている。筒壁2の頭端部3で収容孔5には上下両側及び左右両側で案内溝15が頭端部3から所定長さだけ前後方向Xへ延設されている。
【0027】
図1及び図2,3に示す可動体16は、前後方向Xに沿う中心を有する円環状の刃先縁17aを有する切除刃17を前方へ突出させた頭部18と、片持ち梁状の板ばね19を有する支持部20と、頭部18の後端部と支持部20の前端部とを互いに連結する半円筒状のばね支持部21とを備えている。支持部20の尻側には把持し易い形状に形成された操作部22が後方へ延設されて、その操作部22の後端部に膨出部22aが形成されている。ばね支持部21内には収容ばね23(圧縮コイルばね)が挿入される。支持部20の上側には支持部20の前端部と操作部22との間で凹み24が形成されている。片持ち梁状の板ばね19は凹み24内で支持部20の前端部側から尻側の操作部22へ向けて延設されている。板ばね19の上側にはストッパ25が形成されている。ストッパ25は、板ばね19の自由端部側で上方へ突設された第一係止部26と、その第一係止部26より基端部側で上方へ突設された第二係止部27とを有している。第一係止部26における幅方向寸法は第二係止部27における幅方向寸法より大きく設けられている。第一係止部26における前後方向Xの両側のうち、前側に形成された当接面26aと後側に形成された当接面26bとは、共に、後方へ向かうに従い上方へ傾斜し、前後方向Xに対する当接面26aの傾斜度は当接面26bの傾斜度より緩くなっている。第二係止部27における前後方向Xの両側のうち、前側に形成された当接面27aは上下方向Zへ延びる鉛直面になっており、後側では前方へ向かうに従い上方へ傾斜する当接面27bが形成されているとともに、当接面27bに対し板ばね19側で連続して上下方向Zへ延びる鉛直面をなす当接面27cが形成されている。頭部18の後端部の外周には上下両側及び左右両側で案内突起28が形成されている。
【0028】
図1及び図2,3に示す押出体29において、棒30の前端部には円形状の外周縁31aを有する押出端部31が形成され、棒30の後端部に形成された受け部32の上下両側には連結突起33が形成されているとともに、受け部32から後方へ腕部34が延設されている。図1(b)に示すように、押出体29を棒30側から可動体16の頭部18の切除刃17内に挿入するとともに、可動体16のばね支持部21内に挿入した収容ばね23にその腕部34を挿入した状態で、可動体16を操作部22側からホルダ1の頭端部3内に挿入すると、押出体29の連結突起33(連結部)がホルダ1の連結孔14(連結部)に係入される。そのため、押出体29の押出端部31がホルダ1の頭端部3に一致した位置で押出体29がホルダ1に対し移動不能に固定され、収容ばね23が押出体29の受け部32と可動体16の支持部20の前端部との間に介在されるとともに、可動体16の操作部22がホルダ1の尻端部4から後方へ露出して突出する。
【0029】
可動体16を下記の往復操作手段(ストッパ25の係止部26,27、ガイド6の係止孔7,8,9など)により図2〜3に示す収容位置Aと図4〜5に示す突出位置Bとの間で移動させる場合について説明する。
【0030】
図2〜3に示す収容位置Aでは、可動体16の案内突起28がホルダ1の案内溝15により案内されながら可動体16がホルダ1に対し収容ばね23の付勢力により後方へ移動し、可動体16の第一係止部26がホルダ1の第一係止孔7に係入されるとともに、可動体16の第二係止部27がホルダ1の第二係止孔8に係入される。その第一係止孔7に対し第一係止部26の当接面26bが当接して第一係止孔7が収容ばね23の付勢力を受けるとともに、その第二係止孔8に対し第二係止部27が当接して第二係止孔8が収容ばね23の付勢力を受け、可動体16がホルダ1に対し静止する。切除刃17の刃先縁17aはホルダ1の収容孔5に収容されて押出体29の押出端部31より後方へ離間する。
【0031】
図2〜3に示す収容位置Aで、可動体16の操作部22を収容ばね23の付勢力に抗して前方へ押すと、可動体16の案内突起28がホルダ1の案内溝15により案内されながら可動体16がホルダ1に対し収容ばね23の付勢力に抗して前方(突出向きXB)へ移動し、図4〜5に示す突出位置Bとなる。操作部22の膨出部22aに指を当てがうと、可動体16を前方へ押し易い。その際、可動体16の第一係止部26の当接面26aがホルダ1の第一係止孔7に当接して片持ち梁状の板ばね19が収容孔5側へ撓むため、その第一係止部26はホルダ1の第一係止孔7から離脱され、第一係止部26より幅方向寸法の小さいホルダ1の第五係止孔11に係入されることなく、板ばね19の復帰に伴いホルダ1の第二係止孔8に係入される。また、可動体16の第二係止部27は、ホルダ1の第二係止孔8から離脱されて長孔12を移動し、板ばね19の復帰に伴いホルダ1の第三係止孔9に係入される。その第二係止孔8に対し可動体16の第一係止部26の当接面26bが当接して第二係止孔8が収容ばね23の付勢力を受け、可動体16がホルダ1に対し静止する。切除刃17の刃先縁17aはホルダ1の収容孔5から突出して押出体29の押出端部31より前方へ離間する。
【0032】
図4〜5に示す突出位置Bで、ホルダ1の両壁13間に入れた指爪などにより両壁13間の第二係止部27を収容孔5側へ押すと、片持ち梁状の板ばね19が収容孔5側へ撓んで、可動体16の第二係止部27がホルダ1の第三係止孔9から離脱されるとともに、可動体16の第一係止部26がホルダ1の第二係止孔8から離脱され、可動体16の案内突起28がホルダ1の案内溝15により案内されながら可動体16がホルダ1に対し収容ばね23の付勢力により後方(収容向きXA)へ移動して、図2〜3に示す収容位置Aに戻る。この場合、可動体16において、片持ち梁状の板ばね19の基端部に対する第一係止部26の距離は、その基端部に対する第二係止部27の距離より大きくなるので、第一係止部26の位置における板ばね19の撓み量が第二係止部27の位置における板ばね19の撓み量より大きくなり、第二係止部27を第三係止孔9から離脱させれば、第一係止部26を第二係止孔8から自ずと離脱させることができる。
【0033】
可動体16を下記のロック操作手段(ストッパ25の係止部26,27、ガイド6の係止孔10,11など)により図2〜3に示す収容位置Aから図6〜7に示すロック位置Cに移動させる場合について説明する。
【0034】
図2〜3に示す収容位置Aから図6〜7に示すロック位置Cにする場合には、まず、一方の手の指爪などにより可動体16の第二係止部27を収容孔5側へ押すと、片持ち梁状の板ばね19が収容孔5側へ撓んで、可動体16の第二係止部27の当接面27bがホルダ1の第二係止孔8に当接する。次に、一方の手の指爪などにより可動体16の第二係止部27を収容孔5側へ押したまま、他方の手で可動体16の操作部22を後方へ引くと、可動体16の第二係止部27の当接面27bが第二係止孔8で押されて第二係止部27がホルダ1の第二係止孔8から離脱される。操作部22の膨出部22aに指を当てがうと、可動体16を後方へ引き易い。この場合、可動体16において、第一係止部26の位置における板ばね19の撓み量は、第二係止部27の位置における板ばね19の撓み量より大きくなるため、第二係止部27を第二係止孔8から離脱させれば、第一係止部26を第一係止孔7から自ずと離脱させることができる。そのため、可動体16の案内突起28がホルダ1の案内溝15により案内されながら、可動体16がホルダ1に対し後方(収容向きXA)へ移動する。可動体16の第一係止部26は板ばね19の復帰に伴いホルダ1の第四係止孔10に係入されるとともに、可動体16の第二係止部27は板ばね19の復帰に伴いホルダ1の第五係止孔11に係入され、可動体16がホルダ1に対し静止して、図6〜7に示すロック位置Cになる。ロック位置Cでは、第二係止部27の当接面27aが上下方向Zへ延びる鉛直面になっているため、その当接面27aが突出向きXBの移動力を受けて第二係止部27が第五係止孔11から容易に離脱せず、また、第一係止部26の当接面26bが収容向きXAの移動力を受けて収容向きXAへの移動を規制する。その際、収容ばね23が伸び切っているので、収容ばね23の付勢力は可動体16に付与されない。切除刃17の刃先縁17aはホルダ1の収容孔5に収容されて押出体29の押出端部31に対し収容位置Aの場合より後方へ離間する。必要に応じて、図6〜7に示すロック位置Cから図2〜3に示す収容位置Aにすることも可能である。
【0035】
医療用刃物を使用する場合について説明する。
切除刃17の円環状刃先縁17aを突出位置Bにした状態でその円環状刃先縁17aを皮膚に当てがって回動させたり押さえ付けたりすると、円環状刃先縁17aにより切断された皮膚片が円環状刃先縁17aの内側に残る。その後、円環状刃先縁17aを収容位置Aにすると、円環状刃先縁17aの内側に残った皮膚片が押出体29の押出端部31により円環状刃先縁17aから外側へ押し出されて排出される。このようにホルダ1を把持して医療用刃物を使用する場合に、指の腹などがホルダ1の両壁13に当たっても、第二係止部27に対する不用意な操作を防止して、突出位置Bから収容位置Aへの切除刃17の戻りを規制している。
【0036】
ちなみに、医療用刃物における前後方向Xの全長については、切除刃17の収容位置Aで約150mmに設定され、切除刃17の突出位置Bで約148mmに設定され、切除刃17のロック位置Cで約156mmに設定されている。また、医療用刃物における左右方向Yの幅寸法が約10mmに設定されている。
【0037】
次に、第一実施形態の別例1〜7について説明する。
第一実施形態(請求項1の発明に対応)では、図8(a)に示すように、押出体29の押出端部31がホルダ1の頭端部3に一致する状態で、収容位置Aにある切除刃17の刃先縁17aが押出体29の押出端部31から切除刃17の収容向きXAへ離間するが、そのほか下記の別例1〜7を採用することができる。
【0038】
図8(b)に示す別例1(請求項1の発明に対応)にかかる皮膚切除具においては、押出体29の押出端部31がホルダ1の頭端部3に一致する状態で、収容位置Aにある切除刃17の刃先縁17aが押出体29の押出端部31に一致する。
【0039】
図9(a)に示す別例2(請求項2の発明に対応)にかかる皮膚切除具においては、押出体29の押出端部31がホルダ1の頭端部3から切除刃17の収容向きXAへ離間する状態で、収容位置Aにある切除刃17の刃先縁17aが押出体29の押出端部31から切除刃17の収容向きXAへ離間する。
【0040】
図9(b)に示す別例3(請求項2の発明に対応)にかかる皮膚切除具においては、押出体29の押出端部31がホルダ1の頭端部3から切除刃17の収容向きXAへ離間する状態で、収容位置Aにある切除刃17の刃先縁17aが押出体29の押出端部31に一致する。
【0041】
なお、本発明の範囲外ではあるが、図9(c)に示す別例4にかかる皮膚切除具においては、押出体29の押出端部31がホルダ1の頭端部3から切除刃17の収容向きXAへ離間する状態で、収容位置Aにある切除刃17の刃先縁17aが押出体29の押出端部31から切除刃17の突出向きXBへ離間する。
【0042】
なお、本発明の範囲外ではあるが、図9(d)に示す別例5にかかる皮膚切除具においては、押出体29の押出端部31がホルダ1の頭端部3から切除刃17の収容向きXAへ離間する状態で、収容位置Aにある切除刃17の刃先縁17aがホルダ1の頭端部3に一致する。
【0043】
図10(a)に示す別例6(請求項3の発明に対応)にかかる皮膚切除具においては、押出体29の押出端部31がホルダ1の頭端部3から切除刃17の突出向きXBへ離間する状態で、収容位置Aにある切除刃17の刃先縁17aが押出体29の押出端部31から切除刃17の収容向きXAへ離間する。
【0044】
図10(b)に示す別例7(請求項3の発明に対応)にかかる皮膚切除具においては、押出体29の押出端部31がホルダ1の頭端部3から切除刃17の突出向きXBへ離間する状態で、収容位置Aにある切除刃17の刃先縁17aがホルダ1の頭端部3に一致する。
上記の別例1,2,3,6,7においても、前述した第一実施形態と同様に、切除刃17の環状刃先縁17aを突出位置Bにしてホルダ1の頭端部3から外側へ突出する状態でその環状刃先縁17aを皮膚に当てがって回動させたり押し付けたりすると、環状刃先縁17aにより切断された皮膚片が環状刃先縁17aの内側に残る。その後、図8(a)、図8(b)、図9(a)、図9(b)、図10(a)及び図10(b)に示すように、環状刃先縁17aを収容位置Aにしてホルダ1の頭端部3から内側へ収容すると、環状刃先縁17aの内側に残った皮膚片が押出体29の押出端部31により環状刃先縁17aから外側へ押し出されて排出される。通常は切除刃17の環状刃先縁17aをホルダ1の頭端部3から内側へ収容することができ、皮膚片の切断時には切除刃17の環状刃先縁17aをホルダ1の頭端部3から外側へ突出させることができるので、環状刃先縁17aの損傷を防止することができる。
【0045】
本実施形態は下記の効果を有する。
(1) 通常は切除刃17の刃先縁17aをホルダ1の頭端部3から内側へ収容することができ、皮膚片の切断時には切除刃17の刃先縁17aをホルダ1の頭端部3から外側へ突出させることができるので、キャップを不要とする構造を採用した場合にも、刃先縁17aの損傷を防止することができる。
【0046】
(2) 切除刃17の刃先縁17aによる皮膚片の切断後、切除刃17の刃先縁17aをホルダ1の頭端部3から内側へ収容する操作に合わせて、切除刃17の刃先縁17aから押出体29の押出端部31が外側へ突出して皮膚片を押し出し、その皮膚片を採取することができるので、刃先縁17aの収容操作と皮膚片の採取作業とを一連の操作で行うことができる。
【0047】
(3) 切除刃17の円環状刃先縁17aに押出体29の押出端部31の外周縁31aが沿うため、円環状刃先縁17aに沿って円形状に切断された皮膚片を押出端部31により円滑に排出して採取することができる。
【0048】
(4) 押出体29を可動体16に支持した状態で可動体16をホルダ1の頭端部3から挿入した際に押出体29が係止される連結孔14をホルダ1に設け、ホルダ1に対する可動体16の移動に伴い押出体29がホルダ1の連結孔14に連結されて、ホルダ1に残った押出体29に対し可動体16が移動し得るので、ホルダ1への可動体16の挿入操作を利用して押出体29をホルダ1の連結孔14に対し容易に連結することができる。
【0049】
(5) 可動体16の切除刃17の刃先縁17aは、ホルダ1の連結孔14より切除刃17の突出向きXB側に位置した状態で、ホルダ1に対する可動体16の移動に伴い移動するので、切除刃17をホルダ1の頭端部3から内側へ収容する際にホルダ1の連結孔14などの連結部に邪魔されることがない。
【0050】
(6) 可動体16は、その可動体16と押出体29との間に支持された収容ばね23により、切除刃17の突出位置B側から切除刃17の収容位置A側へ付勢されるので、収容ばね23により、可動体16を容易に収容するとともに、可動体16の不用意な突出を規制することができる。
【0051】
前記実施形態以外にも例えば下記のように構成してもよい。
・ 切除刃17の刃先縁17aについては、円環状以外に例えば三角形などの多角形の環状に形成することができる。また、環状の刃先縁17aの一部を切り欠いて互いに分離された両端縁間に僅かな隙間を持たせた環状に形成してもよい。その場合には、押出体29の押出端部31の外周縁31aも刃先縁17aに沿うように刃先縁17aに合わせた形状に形成する。
【0052】
・ ホルダ1に対し可動体16を一体成形することができる。
・ 可動体16の操作手段としては、切除刃17のロック位置Cを取り得ない構造であってもよい。
【0053】
・ 可動体16を付勢する収容ばね23を省略した構造であってもよい。
・ 切除刃17の円環状刃先縁17aの直径を任意に設定することができ、例えば1〜30mmに設定することが好ましい。
【0054】
・ 切除刃17の刃先縁17aを波刃形や鋸刃形などに形成してもよい。
・ 切除刃17の円環状刃先縁17aを含む想定面を前後方向Xに対し垂直に交差させているが、この想定面を傾斜させてもよい。
【0055】
・ 切除刃17をステンレス鋼やチタンなどの金属以外に透明または半透明または不透明な樹脂で形成してもよい。また、ホルダ1や可動体16や押出体29を透明または半透明または不透明な樹脂以外に金属で形成してもよい。
【符号の説明】
【0056】
1…ホルダ、3…ホルダの頭端部、14…連結孔(連結部)、16…可動体、17…可動体の切除刃、17a…刃先縁、23…収容ばね、29…押出体、31…押出端部、31a…外周縁、A…収容位置、B…突出位置、XA…収容向き、XB…突出向き。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10