特許第6392079号(P6392079)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6392079
(24)【登録日】2018年8月31日
(45)【発行日】2018年9月19日
(54)【発明の名称】加熱調理システム
(51)【国際特許分類】
   A47J 37/06 20060101AFI20180910BHJP
   F24C 15/20 20060101ALI20180910BHJP
   F24F 7/007 20060101ALI20180910BHJP
【FI】
   A47J37/06 366
   F24C15/20 F
   F24F7/007 C
【請求項の数】3
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2014-221248(P2014-221248)
(22)【出願日】2014年10月30日
(65)【公開番号】特開2016-86882(P2016-86882A)
(43)【公開日】2016年5月23日
【審査請求日】2017年9月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】301071893
【氏名又は名称】株式会社ハーマン
(74)【代理人】
【識別番号】100086737
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 和秀
(72)【発明者】
【氏名】中川 靖
【審査官】 根本 徳子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−155927(JP,A)
【文献】 特開2005−221139(JP,A)
【文献】 特開2002−147764(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 37/06
F24C 15/20
F24F 7/007
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱手段を有する加熱調理器と、前記加熱手段で発生する排気ガスを外部に排出する排気ファンを有する排気装置とを備える加熱調理システムであって、
前記加熱手段は、グリルバーナを有するグリル部を少なくとも備え、
前記排気装置は、前記グリルバーナの使用が停止されるときには、前記排気ファンの排気風量を、所定時間に亘って、前記グリルバーナの使用が停止される前の排気風量に比べて大きくするものであり、
前記加熱調理器は、前記加熱手段による加熱または加熱を停止させるために操作される操作部と、前記排気装置に無線信号を送信する送信部と、前記操作部の操作に基づいて、前記加熱手段の運転モードに応じた前記無線信号を、前記送信部を制御して送信する送信制御部とを備え、
前記排気装置は、前記無線信号を受信する受信部と、受信した受信信号に基づいて、前記排気ファンの排気風量が、前記運転モードに応じた設定風量になるように、前記排気ファンの駆動を制御する排気ファン制御部とを備え、
前記運転モードは、前記グリルバーナを使用中のグリル使用中モードと、前記グリルバーナの使用を停止した後の前記所定時間に亘るグリル停止後所定時間内モードとを含み、前記グリル停止後所定時間内モードの設定風量が、該グリル停止後所定時間内モードの直前のグリル使用中モードの設定風量に比べて大きいものであり、
前記加熱調理器は、前記グリル部のグリル扉の開閉を検出する検出手段を備え、前記送信制御部は、前記グリル使用中モードにおいて、前記検出手段によってグリル扉の開放が検出されたときには、グリル扉の開放検出に応じた前記無線信号を送信し、
前記排気装置の前記排気ファン制御部は、受信したグリル扉の開放検出に応じた前記無線信号に基づいて、前記グリル使用中モードにおける排気ファンの排気風量を大きくする、
ことを特徴とする加熱調理システム。
【請求項2】
前記所定時間を第1の所定時間とし、
前記運転モードは、前記グリル停止後所定時間内モードの前記第1の所定時間が経過した後の第2の所定時間に亘るグリル停止後所定時間経過モードを含み、該グリル停止後所定時間経過モードの設定風量が、前記グリル停止後所定時間内モードの設定風量に比べて小さい、
請求項1に記載の加熱調理システム。
【請求項3】
前記加熱手段は、コンロバーナを有するコンロ部を備え、
前記グリル使用中モードは、前記コンロバーナが使用されているか否かに応じた設定風量の複数のグリル使用中モードを含む、
請求項1または2に記載の加熱調理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱調理器と排気装置とを備える加熱調理システム、特に、グリル部を備える加熱調理器と排気装置とからなる加熱調理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ガス器具の燃焼終了後に、調理臭気や残留廃ガス等を排気するために、換気扇を一定時間運転するようにした換気装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭55−154938号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1の換気装置では、ガス器具の燃焼終了後に、換気扇を一定時間運転することが開示されているが、燃焼時における換気扇の換気風量や燃焼終了後の換気風量については、全く開示されていない。
【0005】
加熱調理器のグリルでは、魚類やピザ等の被調理物を加熱調理する際に、油煙の発生が多く、特に、グリルバーナの燃焼を停止した後には、排気温度が低くなるために、上昇気流が弱くなり、換気風量が不足し、油煙や臭気が漂う場合がある。
【0006】
したがって、上記特許文献1のように、燃焼終了後、すなわち、グリル調理終了後に、一定の換気風量にて換気扇を運転するだけでは、油煙や臭気等を十分に排気することができず、グリル調理後の食品を取り出すために、グリル扉を開放すると、油煙、臭気あるいは熱気が一気に放出される虞がある。
【0007】
本発明は、このような実情に着目してなされたものであって、グリル調理後の油煙や臭気等の放出を低減できる加熱調理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明では次のように構成している。
【0009】
(1)本発明は、加熱手段を有する加熱調理器と、前記加熱手段で発生する排気ガスを外部に排出する排気ファンを有する排気装置とを備える加熱調理システムであって、前記加熱手段は、グリルバーナを有するグリル部を少なくとも備え、前記排気装置は、前記グリルバーナの使用が停止されるときには、前記排気ファンの排気風量を、所定時間に亘って、前記グリルバーナの使用が停止される前の排気風量に比べて大きくするものであり、前記加熱調理器は、前記加熱手段による加熱または加熱を停止させるために操作される操作部と、前記排気装置に無線信号を送信する送信部と、前記操作部の操作に基づいて、前記加熱手段の運転モードに応じた前記無線信号を、前記送信部を制御して送信する送信制御部とを備え、前記排気装置は、前記無線信号を受信する受信部と、受信した受信信号に基づいて、前記排気ファンの排気風量が、前記運転モードに応じた設定風量になるように、前記排気ファンの駆動を制御する排気ファン制御部とを備え、前記運転モードは、前記グリルバーナを使用中のグリル使用中モードと、前記グリルバーナの使用を停止した後の前記所定時間に亘るグリル停止後所定時間内モードとを含み、前記グリル停止後所定時間内モードの設定風量が、該グリル停止後所定時間内モードの直前のグリル使用中モードの設定風量に比べて大きいものであり、前記加熱調理器は、前記グリル部のグリル扉の開閉を検出する検出手段を備え、前記送信制御部は、前記グリル使用中モードにおいて、前記検出手段によってグリル扉の開放が検出されたときには、グリル扉の開放検出に応じた前記無線信号を送信し、前記排気装置の前記排気ファン制御部は、受信したグリル扉の開放検出に応じた前記無線信号に基づいて、前記グリル使用中モードにおける排気ファンの排気風量を大きくする。
【0010】
本発明によると、グリルバーナを使用している状態からグリルバーナの使用を停止すると、所定時間に亘って、排気ファンの排気風量を、グリルバーナを使用していた状態の排気風量より大きくするので、排気風量が不足することがなく、グリル調理後の油煙や臭気等を効率的に排出することが可能となり、グリル調理後の食品を取り出すために、グリル扉を開放した際に、油煙、臭気あるいは熱気の放出を低減することができる。
【0012】
本発明によると、加熱調理器は、少なくともグリル部を備える加熱手段の運転モードに応じた無線信号を排気装置に送信し、排気装置は、無線信号を受信して排気ファンの排気風量を、運転モードに応じた設定風量に制御し、グリルバーナの使用を停止した後の所定時間に亘るグリル停止後所定時間内モードの設定風量は、その直前のグリル使用中モードの設定風量に比べて大きいので、グリルバーナの使用を停止してグリル停止後所定時間内モードになると、所定時間に亘って、排気ファンの排気風量が、グリルバーナを使用していたグリル使用中モードに比べて大きくなる。
【0013】
これによって、排気風量が不足することなく、グリル調理後の油煙や臭気を効率的に排出することが可能となり、グリル調理後の食品を取り出すために、グリル扉を開放した際に、油煙、臭気あるいは熱気の放出が低減される。
また、本発明によると、グリル使用中モードにおいて、グリル扉の開放が検出されると、排気ファンの排気風量を大きくするので、油煙や臭気等を効率的に排出することができ、ユーザが、グリル調理の状況の確認などのために、グリル扉を開放したときに、油煙、臭気あるいは熱気の放出が低減される。
【0014】
)本発明の他の実施態様では、前記所定時間を第1の所定時間とし、前記運転モードは、前記グリル停止後所定時間内モードの前記第1の所定時間が経過した後の第2の所定時間に亘るグリル停止後所定時間経過モードを含み、該グリル停止後所定時間経過モードの設定風量が、前記グリル停止後所定時間内モードの設定風量に比べて小さい。
【0015】
この実施態様によると、グリル停止後所定時間内モードに続くグリル停止後所定時間経過モードは、その設定風量が、グリル停止後所定時間内モードの設定風量に比べて小さいので、グリル停止後所定時間内モードで大きくした排気ファンの排気風量を、小さくすることができ、例えば、元の排気風量に戻すことができる。
【0016】
これによって、大きくした排気風量のまま継続して室内の空調に影響を与えたり、排気ファンの大きな作動音が継続して騒音になるといったことを防止することができる。
【0017】
)本発明の更に他の実施態様では、前記加熱手段は、コンロバーナを有するコンロ部を備え、前記グリル使用中モードは、前記コンロバーナが使用されているか否かに応じた設定風量の複数のグリル使用中モードを含む。
【0018】
この実施態様によると、複数の各グリル使用中モードの設定風量は、コンロバーナの使用の有無に応じた設定風量であるので、排気ファンの排気風量を、グリルバーナの使用状況のみならず、コンロバーナの使用状況に応じた排気風量にすることができ、グリルバーナやコンロバーナで発生する排気ガスを外部に効率的に排出することができる。
【発明の効果】
【0021】
このように、本発明によれば、グリルバーナを使用している状態からグリルバーナの使用を停止すると、所定時間に亘って、排気ファンの排気風量が、グリルバーナを使用していた状態の排気風量より大きくなるので、排気風量が不足することなく、グリル調理後の油煙や臭気等を効率的に排出することが可能となり、グリル調理後の食品を取り出すために、グリル扉を開放した際に、油煙、臭気あるいは熱気の放出が低減される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】加熱調理台とレンジフードを示す側面図である。
図2】加熱調理器の斜視図である。
図3】グリル庫内部の概略構成図である。
図4】加熱調理器の制御ブロック図である。
図5】レンジフードを下方から見た斜視図である。
図6】レンジフードの操作部の正面図である。
図7】レンジフードの制御ブロック図である。
図8】グリル庫の概略平面図である。
図9】グリル庫の概略側面図である。
図10】磁力線の状態を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0024】
図1は、加熱調理台Aとその上方に配備された排気装置としてのレンジフードBの側面図であり、図2は、加熱調理台Aに組み込まれる加熱調理器Cの斜視図である。
【0025】
図2に示すように、加熱調理器Cの天面部を構成するガラス製のトッププレート11には、コンロバーナからなるコンロ部2を複数設けている。図示例では、コンロ部2として、標準バーナ2aを備えた左コンロ部2が向かって左側の手前に設けてあり、小バーナ2bを備えた後コンロ部2が左右方向中央の奥に設けてあり、高火力バーナ2cを備えた右コンロ部2が向かって右側の手前に設けてある。トッププレート11の上面には、各コンロバーナ2a〜2cを中央に配置した五徳22を設けている。
【0026】
また、左右の中央にグリル部3を備え、このグリル部3は、図3の内部の概略構成図に示すように、グリルバーナ32が設けられたグリル庫30を備えている。グリル部3は、輻射加熱または対流加熱によってグリル庫30に収容された被調理物34を加熱調理するものである。グリル庫30の被調理物34の出し入れ用の前開口は、図2に示すように、加熱調理器Cの前面に設けたグリル扉31によって開閉自在に閉塞される。
【0027】
グリル庫30内の下部に受皿37を設けると共に、受皿37上に、被調理物34を載置する焼き網33を載置して、その被調理物34をグリルバーナ32にて加熱するように構成されている。グリル庫30の後方側には、グリルバーナ32の燃焼排ガスを機外に排気させる排気通路(図示略)が上方側に延びる状態で連設され、その排気通路にてグリルバーナ32の燃焼排ガスを、図2に示す奥側上面のグリル排気口15に導くように構成されている。グリルバーナ32は、グリル庫30の上部に配設されて、焼き網33に載置される被調理物34の上面を加熱する上バーナ32aと、グリル庫30の下部に配設されて、被調理物34の下面を加熱する左右一対の下バーナ32bとからなる。
【0028】
図2に示すように、グリル部3の左右には、前面操作パネル部Pを備え、この前面操作パネル部Pにおける右側上部には、操作部Saが設けられると共に、前面操作パネル部Pにおける左側上部には、電池収納部8が設けられ、また、前面操作パネル部Pにおける右側下部と左側下部には、手前に引出し回動可能な開閉式の操作部Sb,Scがそれぞれ設けられている。
【0029】
前面操作パネル部Pの右上に位置する操作部Saは、各コンロバーナ2a〜2cの点火(加熱)/消火(加熱停止)や火力調整を行うために操作される。
【0030】
前面操作パネル部Pの右下に位置する開閉式の操作部Sbは、各コンロバーナ2a〜2cのタイマー調理や炊飯調理といった各種の設定を行うために操作されるものであって、図2では、設定操作可能に開放された状態を示している。
【0031】
前面操作パネル部Pの左下に位置する開閉式の操作部Scは、グリルバーナ32の点火(加熱)/消火(加熱停止)や火力調整を行うために操作されるものであって、図2では、設定操作可能に開放された状態を示している。
【0032】
この加熱調理器Cにおいては、コンロバーナ2a〜2cの点火/消火操作、および、グリルバーナ32の点火/消火操作に連動して、無線信号である赤外線信号によって、排気装置であるレンジフードBに備えられた排気ファン4のオン/オフ及びその排気風量を制御できるように構成している。
【0033】
すなわち、上記操作部Saにおける右上箇所には、前面視で横長の長円形に形成された電源スイッチ操作ボタン24が設けられている。この電源スイッチ操作ボタン24に内側から対向する箇所には、該操作ボタン24の操作に応じてオンオフする図示しない電源スイッチが設けられると共に、この電源スイッチに近接して、排気ファン制御用の赤外線信号を出力する図示しない赤外線LEDが設けられている。
【0034】
この電源スイッチ操作ボタン24は、赤外線を透過させる、例えば黒色の樹脂材料で形成されていて、前記赤外線LEDに対向する部位が、赤外線LEDから出力された赤外線信号を前方に向けて透過送出する透光部となっている。この透光部及び赤外線LEDによって、レンジフードBに無線信号を送信する送信部40(図4参照)が構成される。
【0035】
図4は、この加熱調理器Cの制御構成を示すブロック図である。
【0036】
上記操作部Sa及び開閉式の操作部Sb,Scの操作信号は、主制御部38に入力され、主制御部38は、入力される操作信号に基づいて、燃焼制御部39を介して各バーナ2a〜2c,32の点火、消火及び火力を制御する。
【0037】
送信制御部としての主制御部38は、送信部40を制御して、レンジフードBの排気風量を、後述の運転モードに応じた設定風量にするための赤外線信号をレンジフードBに送信する。また、主制御部38には、後述のグリル扉31の開閉を検出する開閉検出部41からの検出信号が入力される。
【0038】
図1に示すように、レンジフードBにおける下面の奥端部位には、加熱調理器Cからの赤外線信号を受信する受信部9が斜め前方下方に向けて配備されており、上記赤外線LEDから電源スイッチ操作ボタン24の透光部を介して赤外線がやや上向きに送出されて、加熱調理台Aの前に立つユーザで反射した赤外線信号が受信部9で受信されるようになっている。
【0039】
この実施形態では、赤外線LEDは、前面から見て図2の電源スイッチ操作ボタン24の左端側に偏った位置に対向するよう配置されており、加熱調理台Aの真正面にユーザが立った際に、電源スイッチ操作ボタン24のユーザに最も近い位置から赤外線信号を送出することができ、ユーザでの信号反射を確実なものとすることができる。なお、この実施形態と逆に、電源スイッチ操作ボタン24がコンロ中心より左側に偏って配置させる場合には、赤外線LEDを、電源スイッチ操作ボタン24の右側に偏った位置に対向するように配置すればよい。なお、赤外線LEDを、前面操作パネル部Pの電源スイッチ操作ボタン24以外の場所に設けてもよい。
【0040】
図5は、排気装置であるレンジフードBを下方から見た斜視図である。
【0041】
加熱調理器Cで発生した燃焼ガス等の排気ガスを外部に排出するためのレンジフードBは、排気ファン4を内装した箱形の本体ハウジング5、本体ハウジング5の下端に連設されたフードケース6、フードケース6の内側に装着された内装パネル7、及び、整流板10、等が備えられており、本体ハウジング5の背面側には、排気ダクト16が連設されている。
【0042】
フードケース6における奥側壁部には、照明ランプ13や種々の電気機器が装備されており、これらが内装パネル7によって覆い隠されるようになっている。また、内装パネル7には、ガラス板あるいは透光樹脂板からなるランプカバー14が開閉可能に備えられており、パネル装着状態において照明ランプ13の前面がランプカバー14で覆われる。このランプカバー14に近接して、赤外線信号を受信する上記受信部9が設けられている。
【0043】
整流板10における奥端辺の中央部位には、ランプカバー14に対応する凹入部10aが形成され、照明ランプ13からの光が整流板10で遮られることなく前方下方に広く照射されるようになっている。
【0044】
フードケース6における前面には、各種の操作及び設定を行う操作部12が装備され、また、フードケース6と内装パネル7との間に形成される空隙が配線スペースとなっている。
【0045】
図6に示すように、前記フードケース6の前面に設けられた操作部12には、照明スイッチS1、風量切換え用の運転スイッチS2、タイマースイッチS3、チャイルドロックスイッチを兼ねた切りスイッチS4、及び、お手入れサインスイッチS5等のスイッチ類と、各スイッチに対応するLEDからなるモニターランプL1〜L8が備えられている。
【0046】
図7に示すように、操作部12からの操作信号、及び、上記受信部9で受信された受信信号は、排気ファン制御部としての制御部17に入力され、制御部17は、それらの信号に基づいて、排気ファン4のオン/オフ及び風量切換えを制御すると共に、照明ランプ13のオン/オフ、等を制御する。また、制御部17は、モニターランプL1〜L8を制御して、作動状態に対応した点灯を行わせる。
【0047】
この操作部12では、例えば、照明スイッチS1を押すたびに照明ランプ13の点灯と消灯が切換えられ、点灯時には、モニターランプL1が点灯する。運転スイッチS2を押すと排気ファン4が起動され、押すたびに風量が、「弱」、「中」、「強」に循環式に順次切り換って、対応する風量のモニターランプL2〜L4が点灯する。各風量に対応する排気ファン4の回転数は、電圧100V、静圧100paとして、「弱」が約600rpm、「中」が約800rpm、「強」が約1200〜1300rpmであり、排気ファン4の回転数の上限は、約1700rpmである。
【0048】
タイマースイッチS3を押すと自動運転時間が設定され、設定時間の経過の後に自動的にファン運転が停止される。また、タイマースイッチS3を押し操作する度に、自動運転時間が「5分」,「15分」,「30分」と循環して切り換えられ、これに対応するモニターランプL5〜L7が点灯する。切りスイッチS4を押すと運転作動している排気ファン4が停止され、3秒以上長押しするとチャイルドロックがかかり、再度3秒以上長押しするとロックが解除される。
【0049】
お手入れサインスイッチS5は、お手入れ時期を選択するものであり、押し操作の度に、「30日」,「60日」,「90日」の設定を切り換えることができる。その設定操作に伴って日数積算が開始され、満了期日に至るとモニターランプL8が点灯(あるいは点滅)してユーザに清掃等の手入れを促す。なお、お手入れサインスイッチS5を3秒以上長押しすると、ブザー18が鳴動して積算日数がリセットされ、かつ、モニターランプL8が消灯される。
【0050】
この実施形態では、上記のように、グリル扉31の開閉を検出する開閉検出部41を備えており、以下、この開閉検出部41について説明する。
【0051】
図8は、グリル庫30の概略平面図であり、図9は、その概略側面図である。
【0052】
グリル扉31は、上記図3及び図8に示される移動用レール25と接続されており、この移動用レール25は、図8に示される固定レール25aに沿って前後移動自在に支持されている。ユーザが取手を持ってグリル扉31を引き出したり押し入れたりすることで、移動用レール25上に載置された受皿37とその上に載置された焼き網33とが前後に移動するように構成されている。
【0053】
グリル庫30の後方(奥側)には、図8図9に示すように、受皿温度センサ19の感温部20が、グリル庫30の後板30aの下方部に取り付けられている。感温部20は、図8に示されるバネ21のバネ力でグリル庫30内に向かって付勢された状態で取り付けられている。感温部20が、グリル扉31が閉じた状態の時に受皿37の奥側の後端37aに当接することで、受皿温度を検出するように構成されている。
【0054】
図9に示すように、受皿温度センサ19の感温部20の後面には、連接棒23の一端が連接され、連接棒23の他端は後板30aを貫通して外側に突出しており、この連接棒23の突出部分には、磁性体26が取り付けられている。磁性体26は、感温部20と一体に前後に移動自在とされる。感温部20が受皿37の後端37aと当接しないときは、磁性体26は前方に位置して、リードスイッチ27に近接配置されるようになっている(図9(a)の状態)。感温部20が受皿37の後端37aに当接して後方に押圧されたときには、磁性体26も後方に移動して、リードスイッチ27から離間配置されるようになっている(図9(b)の状態)。
【0055】
このように磁性体26が受皿温度センサ19の感温部20の動きに連動して永久磁石28とリードスイッチ27との間を出入りすることで、リードスイッチ27へと向かう磁力線Mを遮蔽したり(図10(a)参照)、リードスイッチ27へと向かう磁力線Mを遮蔽せずにリードスイッチ27へと向かう磁力線Mの透過を許容したりして(図10(b)参照)、グリル扉31の開閉を検出するように構成されている。なお、図10(a)(b)において永久磁石28の左側をN極とし右側をS極として説明しているが、左側をS極とし右側をN極としてもよい。
【0056】
また、グリル扉31の閉止状態は、グリル扉31とグリル庫30の入口周縁部の当接面に設けられた永久磁石42と、鉄などの磁性体43との磁力によって維持される。
【0057】
この実施形態の加熱調理器Cは、加熱手段である、標準バーナ2a、小バーナ2b、高火力バーナ2c、及び、グリルバーナ32の使用状態、すなわち、運転モードに応じた、「強」、「中」、「小」の3段階のいずれかの設定風量でレンジフードBを作動させるために、ユーザよる点火及び消火の操作に応答して、レンジフードBに赤外線信号を送信する。
【0058】
レンジフードBは、加熱調理器Cからの赤外線信号を受信し、その受信信号に基づいて、排気ファン4のオン/オフ及び排気風量を制御すると共に、照明ランプ13のオン/オフ、等を制御し、作動状態に対応してモニターランプL1〜L8を点灯作動させる。
【0059】
下記表1に加熱調理器Cの動作、それに連動するレンジフードBの動作、及び、レンジフードB側で手動操作可能な機能を示す。
【0060】
【表1】
加熱調理器Cの点火動作に連動して、運転モードに応じた設定風量でレンジフードBを作動させるために赤外線信号が、レンジフードBに送信され、レンジフードBでは、赤外線信号を受信して、排気ファン4を設定風量で作動させると共に、照明ランプ13等を点灯させる。このように加熱調理器Cに連動してレンジフードBの運転を開始した状態でも、ユーザによるレンジフードBの操作部12の操作によって、風量切替・タイマー設定・運転入切・照明の入切りが可能な手動優先となっている。
【0061】
また、加熱調理器Cの消火動作に連動して、運転モードに応じた設定風量でレンジフードBを一定時間、例えば、5分間作動させるために赤外線信号が、レンジフードBに送信され、レンジフードBでは、赤外線信号を受信して、タイマーを作動させると共に、排気ファン4を設定風量で作動させ、照明ランプ13等を点灯させる。この状態でも、ユーザによるレンジフードBの操作部12の操作によって、風量切替・タイマー設定・運転入切・照明の入切りが可能となっている。一定時間が経過したタイマー終了時には、排気ファン4の駆動を停止させると共に、照明ランプ13等を消灯する。
【0062】
次に、各バーナ2a〜2c,32の運転モードに応じたレンジフードBの設定風量を、下記表2に基づいて説明する。
【0063】
【表2】
この実施形態では、高火力バーナ2c、標準バーナ2a、小バーナ2b、及び、グリルバーナ32のバーナ毎の運転モードに応じて、レンジフードBの設定風量が「強」、「中」、「弱」の3段階のいずれかに規定される。この表2の設定風量は、各運転モードにおける燃焼ガス等を十分に排出することができる必要換気量を満足するように規定されたものであって、その一例を示している。
【0064】
この表2においては、高火力バーナ2c、標準バーナ2a、小バーナ2b、及び、グリルバーナ32の使用の有無に応じたNo.1〜No.23までの各運転モードと、各運転モードに対応する排気ファン4の設定風量が示されている。グリルバーナ32については、他のバーナ2a〜2cと同様のバーナ使用中の項目以外に、グリルバーナ32の使用を停止した後の第1の所定時間内、例えば、2分間以内の項目が設けられている。各項目の「○」は、その項目に該当することを示し、空白は、該当しないことを示している。
【0065】
例えば、No.1の運転モードは、高火力バーナ2c、標準バーナ2a、小バーナ2b、及び、グリルバーナ32の全てが使用中であって、設定風量は、「中」であることを示し、例えば、No.2の運転モードは、高火力バーナ2c、標準バーナ2a、小バーナ2b、及び、グリルバーナ32の全てが使用中であったNo.1の運転モードからグリルバーナ32の使用が停止され、第1の所定時間、例えば、2分間が経過するまでの運転モードであって、設定風量が、「強」であることを示しており、以下同様となっている。
【0066】
この実施形態では、No.1〜No.23の運転モードには、グリルバーナ32を使用中のグリル使用中モード(No.1,3,5,7,9,11,13,15)を含むと共に、グリルバーナ32の使用を停止した後、第1の所定時間、例えば、2分間に亘るグリル停止後所定時間内モード(No.2,4,6,8,10,12,14,16)を含んでいる。第1の所定時間は、2分に限らないが、5分程度未満とするのが好ましく、1分〜3分程度とするのが好ましい。
【0067】
各グリル使用中モード(No.1,3,5,7,9,11,13,15)は、高火力バーナ2c、標準バーナ2a、小バーナ2bの使用の有無に対応した運転モードとなっている。
【0068】
この実施形態では、グリルバーナ32の使用が停止されて第1の所定時間が経過するまでのグリル停止後所定時間内モード(No.2,4,6,8,10,12,14,16)では、その設定風量を、グリルバーナ32の使用が停止される直前のグリル使用中モード(No.1,3,5,7,9,11,13,15)の設定風量よりも大きくする、具体的には、設定風量を1段階上げて大きくしている。
【0069】
そして、グリル停止後所定時間内モードで第1の所定時間が経過すると、グリル停止後所定時間経過モードに移行し、このグリル停止後所定時間経過モードでは、第2の所定時間、例えば、3分間に亘って設定風量を小さく、基本的には、設定風量を1段階下げて元の設定風量に戻すようにしている。第2の所定時間は、3分に限らないが、この第2の所定時間と第1の所定時間とを加算して5分程度とするのが好ましい。
【0070】
この実施形態では、グリルバーナ32の使用が停止されると、グリル停止後所定時間内モードに移行し、設定風量を1段階上げて大きくし、第1の所定時間、例えば、2分が経過すると、グリル停止後所定時間経過モードに移行し、設定風量を1段階下げて元に戻し、第2の所定時間、例えば、3分が経過すると、グリル停止後所定時間経過モードを終了する。
【0071】
したがって、この実施形態では、グリルバーナ32の使用が停止されると、第1の所定時間と第2の所定時間とを加えた一定時間、例えば、5分間に亘って設定風量を切替える運転モードが実行される。
【0072】
加熱調理器Cは、上記のように運転モードに応じた赤外線信号をレンジフードBに送信し、レンジフードBでは、受信した赤外線信号に基づいて、排気ファン4の排気風量を、設定風量に制御する。
【0073】
このようにグリルバーナ32の使用を停止すると、第1の所定時間、例えば、2分間に亘って、排気ファン4の排気風量を、グリルバーナ32を使用していたグリル使用中モードに比べて1段階上げて大きくするので、排気風量が不足することなく、グリル庫30内の油煙や臭気等を効率的に排出することが可能となる。
【0074】
これによって、グリル調理後の食品を取り出すために、グリル扉31を開放した際に、油煙、臭気あるいは熱気の放出を低減することが可能となる。
【0075】
また、排気風量を大きくして第1の所定時間が経過すると、排気ファン4の排気風量を、1段階下げて元の排気風量に戻すので、大きな排気風量のまま継続して室内の空調に影響を及ぼしたり、排気ファン4の大きな作動音が継続して騒音になるといったことがない。
【0076】
以下、表2に基づいて、各運転モードについて具体的に説明する。
【0077】
先ず、高火力バーナ2c、標準バーナ2a、小バーナ2b、グリルバーナ32の全てが使用されるNo.1のグリル使用中モードは、設定風量が「中」であり、レンジフードBの排気ファン4の排気風量は、「中」に制御される。
【0078】
このNo.1のグリル使用中モードにおいて、グリルバーナ32の使用が停止されると、No.2のグリル停止後所定時間内モードとなり、このグリル停止後所定時間内モードでは、その直前のNo.1のグリル使用中モードに比べて設定風量を1段階上げた「強」に切替えられ、第1の所定時間、例えば、2分間に亘って、レンジフードBの排気ファン4の排気風量は、「強」に制御される。
【0079】
No.2のグリル停止後所定時間内モードで第1の所定時間、例えば、2分が経過すると、第2の所定時間、例えば、3分間に亘るグリル停止後所定時間経過モードとなる。このグリル停止後所定時間経過モードでは、設定風量が、No.2のグリル停止後所定時間内モードの設定風量「強」より小さい設定風量、具体的には、No.1のグリル使用中モードにおいて、グリルバーナ32のみ使用しない運転モード、すなわち、高火力バーナ2c、標準バーナ2a、及び、小バーナ2bが使用されるNo.17の運転モードに対応した設定風量「中」に1段階下げられ、第2の所定時間、例えば、3分間に亘って、レンジフードBの排気ファン4の排気風量は、「中」に制御される。
【0080】
No.17の設定風量「中」は、グリル停止後所定時間内モードで設定風量を「強」に1段階上げる直前のNo.1のグリル使用中モードの設定風量「中」と同じである。
【0081】
したがって、グリル停止後所定時間内モードで、設定風量を、「中」から「強」へ1段階上げ、第1の所定時間、例えば、2分が経過すると、設定風量が、「強」から「中」へ1段階下げて元の設定風量に戻すことになる。
【0082】
グリル停止後所定時間経過モードで、第2の所定時間、例えば、3分間が経過すると、グリル停止後所定時間経過モードは、終了するが、高火力バーナ2c、標準バーナ2a、及び、小バーナ2bの使用が継続している間は、No.17の運転モードに対応する設定風量「中」を継続する。
【0083】
次に、高火力バーナ2c、小バーナ2b、グリルバーナ32が使用されるNo.3のグリル使用中モードは、設定風量は「弱」であり、レンジフードBの排気ファン4の排気風量は、「弱」に制御される。
【0084】
このNo.3のグリル使用中モードにおいて、グリルバーナ32の使用が停止されると、No.4のグリル停止後所定時間内モードとなり、このグリル停止後所定時間内モードでは、その直前のNo.3のグリル使用中モードに比べて設定風量を1段階上げた「中」に切替えられ、第1の所定時間、例えば、2分間に亘って、レンジフードBの排気ファン4の排気風量は、「中」に制御される。
【0085】
No.4のグリル停止後所定時間内モードで第1の所定時間、例えば、2分が経過すると、第2の所定時間、例えば、3分間に亘るグリル停止後所定時間経過モードとなり、このグリル停止後所定時間経過モードでは、設定風量が、No.4のグリル停止後所定時間内モードの設定風量「中」より小さい設定風量、具体的には、No.3のグリル使用中モードにおいて、グリルバーナ32のみ使用しない運転モード、すなわち、高火力バーナ2c、及び、小バーナ2bが使用されるNo.18の運転モードに対応した設定風量「弱」に1段階下げられ、第2の所定時間、例えば、3分間に亘って、レンジフードBの排気ファン4の排気風量は、「弱」に制御される。
【0086】
No.18の設定風量「弱」は、グリル停止後所定時間内モードで設定風量を「中」に1段階上げる直前のNo.3のグリル使用中モードの設定風量「弱」と同じである。
【0087】
したがって、グリル停止後所定時間内モードで、設定風量を、「弱」から「中」へ1段階上げ、第1の所定時間、例えば、2分が経過すると、設定風量が、「中」から「弱」へ1段階下げて元の設定風量に戻すことになる。
【0088】
グリル停止後所定時間経過モードで、第2の所定時間、例えば、3分間が経過すると、グリル停止後所定時間経過モードは、終了するが、高火力バーナ2c、及び、小バーナ2bの使用が継続している間は、No.18の運転モードに対応する設定風量「弱」を継続する。
【0089】
また、高火力バーナ2c、標準バーナ2a、グリルバーナ32が使用されるNo.5のグリル使用中モードは、設定風量は「中」であり、レンジフードBの排気ファン4の排気風量は、「中」に制御される。
【0090】
このNo.5のグリル使用中モードにおいて、グリルバーナ32の使用が停止されると、No.6のグリル停止後所定時間内モードとなり、このグリル停止後所定時間内モードでは、その直前のNo.5のグリル使用中モードに比べて設定風量を1段階上げた「強」に切替えられ、第1の所定時間、例えば、2分間に亘って、レンジフードBの排気ファン4の排気風量は、「強」に制御される。
【0091】
No.6のグリル停止後所定時間内モードで第1の所定時間、例えば、2分が経過すると、第2の所定時間、例えば、3分間に亘るグリル停止後所定時間経過モードとなり、このグリル停止後所定時間経過モードでは、設定風量が、No.6のグリル停止後所定時間内モードの設定風量「強」より小さい設定風量、具体的には、No.5のグリル使用中モードにおいて、グリルバーナ32のみ使用しない運転モード、すなわち、高火力バーナ2c、及び、標準バーナ2aが使用されるNo.19の運転モードに対応した設定風量「中」に1段階下げられ、第2の所定時間、例えば、3分間に亘って、レンジフードBの排気ファン4の排気風量は、「中」に制御される。
【0092】
No.19の設定風量「中」は、グリル停止後所定時間内モードで設定風量を「強」に1段階上げる前のNo.5のグリル使用中モードの設定風量「中」と同じである。
【0093】
したがって、グリル停止後所定時間内モードで、設定風量を、「中」から「強」へ1段階上げ、第1の所定時間、例えば、2分が経過すると、設定風量が、「強」から「中」へ1段階下げて元の設定風量に戻すことになる。
【0094】
グリル停止後所定時間経過モードで、第2の所定時間、例えば、3分間が経過すると、グリル停止後所定時間経過モードは、終了するが、高火力バーナ2c、及び、標準バーナ2aの使用が継続している間は、No.19の運転モードに対応する設定風量「中」を継続する。
【0095】
また、高火力バーナ2c、及び、グリルバーナ32が使用されるNo.7のグリル使用中モードは、設定風量は「弱」であり、レンジフードBの排気ファン4の排気風量は、「弱」に制御される。
【0096】
このNo.7のグリル使用中モードにおいて、グリルバーナ32の使用が停止されると、No.8のグリル停止後所定時間内モードとなり、このグリル停止後所定時間内モードでは、その直前のNo.7のグリル使用中モードに比べて設定風量を1段階上げた「中」に切替えられ、第1の所定時間、例えば、2分間に亘って、レンジフードBの排気ファン4の排気風量は、「中」に制御される。
【0097】
No.8のグリル停止後所定時間内モードで第1の所定時間、例えば、2分が経過すると、第2の所定時間、例えば、3分間に亘るグリル停止後所定時間経過モードとなり、このグリル停止後所定時間経過モードでは、設定風量が、No.8のグリル停止後所定時間内モードの設定風量「中」より小さい設定風量、具体的には、No.7のグリル使用中モードにおいて、グリルバーナ32を使用しない運転モード、すなわち、高火力バーナ2cが使用されるNo.20の運転モードに対応した設定風量「弱」に1段階下げ、第2の所定時間、例えば、3分間に亘って、レンジフードBの排気ファン4の排気風量は、「弱」に制御される。
【0098】
No.20の設定風量「弱」は、グリル停止後所定時間内モードで設定風量を「中」に1段階上げる前のNo.7のグリル使用中モードの設定風量「弱」と同じである。
【0099】
したがって、グリル停止後所定時間内モードで、設定風量を、「弱」から「中」へ1段階上げ、第1の所定時間、例えば、2分が経過すると、設定風量が、「中」から「弱」へ1段階下げて元の設定風量に戻すことになる。
【0100】
グリル停止後所定時間経過モードで、第2の所定時間、例えば、3分間が経過すると、グリル停止後所定時間経過モードは、終了するが、高火力バーナ2cの使用が継続している間は、No.20の運転モードに対応する設定風量「弱」を継続する。
【0101】
また、小バーナ2b、及び、グリルバーナ32が使用されているNo.9のグリル使用中モードは、設定風量は「弱」であり、レンジフードBの排気ファン4の排気風量は、「弱」に制御される。
【0102】
このNo.9のグリル使用中モードにおいて、グリルバーナ32の使用が停止されると、No.10のグリル停止後所定時間内モードとなり、このグリル停止後所定時間内モードでは、その直前のNo.9のグリル使用中モードに比べて設定風量を1段階上げた「中」に切替えられ、第1の所定時間、例えば、2分間に亘って、レンジフードBの排気ファン4の排気風量は、「中」に制御される。
【0103】
No.10のグリル停止後所定時間内モードで第1の所定時間、例えば、2分が経過すると、第2の所定時間、例えば、3分間に亘るグリル停止後所定時間経過モードとなり、このグリル停止後所定時間経過モードでは、設定風量が、No.10のグリル停止後所定時間内モードの設定風量「中」より小さい設定風量、具体的には、No.9のグリル使用中モードにおいて、グリルバーナ32を使用しない運転モード、すなわち、小バーナ2bが使用されるNo.21の運転モードに対応した設定風量「弱」に1段階下げ、第2の所定時間、例えば、3分間に亘って、レンジフードBの排気ファン4の排気風量は、「弱」に制御される。
【0104】
No.21の設定風量「弱」は、グリル停止後所定時間内モードで設定風量を「中」に1段階上げる直前のNo.9のグリル使用中モードの設定風量「弱」と同じである。
【0105】
したがって、グリル停止後所定時間内モードで、設定風量を、「弱」から「中」へ1段階上げ、第1の所定時間、例えば、2分が経過すると、設定風量が、「中」から「弱」へ1段階下げて元の設定風量に戻すことになる。
【0106】
グリル停止後所定時間経過モードで、第2の所定時間、例えば、3分間が経過すると、グリル停止後所定時間経過モードは、終了するが、小バーナ2bの使用が継続している間は、No.21の運転モードに対応する設定風量「弱」を継続する。
【0107】
また、標準バーナ2a、及び、グリルバーナ32が使用されているNo.11のグリル使用中モードは、設定風量は「弱」であり、レンジフードBの排気ファン4の排気風量は、「弱」に制御される。
【0108】
このNo.11のグリル使用中モードにおいて、グリルバーナ32の使用が停止されると、No.12のグリル停止後所定時間内モードとなり、このグリル停止後所定時間内モードでは、その直前のNo.11のグリル使用中モードに比べて設定風量を1段階上げた「中」に切替えられ、第1の所定時間、例えば、2分間に亘って、レンジフードBの排気ファン4の排気風量は、「中」に制御される。
【0109】
No.12のグリル停止後所定時間内モードで第1の所定時間、例えば、2分が経過すると、第2の所定時間、例えば、3分間に亘るグリル停止後所定時間経過モードとなり、このグリル停止後所定時間経過モードでは、設定風量が、No.12のグリル停止後所定時間内モードの設定風量「中」より小さい設定風量、具体的には、No.11のグリル使用中モードにおいて、グリルバーナ32を使用しない運転モード、すなわち、標準バーナ2aが使用されるNo.22の運転モードに対応した設定風量「弱」に1段階下げ、第2の所定時間、例えば、3分間に亘って、レンジフードBの排気ファン4の排気風量は、「弱」に制御される。
【0110】
No.22の設定風量「弱」は、グリル停止後所定時間内モードで設定風量を「中」に1段階上げる直前のNo.11のグリル使用中モードの設定風量「弱」と同じである。
【0111】
したがって、グリル停止後所定時間内モードで、設定風量を、「弱」から「中」へ1段階上げ、第1の所定時間、例えば、2分が経過すると、設定風量が、「中」から「弱」へ1段階下げて元の設定風量に戻すことになる。
【0112】
グリル停止後所定時間経過モードで、第2の所定時間、例えば、3分間が経過すると、グリル停止後所定時間経過モードは、終了するが、標準バーナ2aの使用が継続している間は、No.22の運転モードに対応する設定風量「弱」を継続する。
【0113】
また、標準バーナ2a、小バーナ2b、及び、グリルバーナ32が使用されているNo.13のグリル使用中モードは、設定風量は「中」であり、レンジフードBの排気ファン4の排気風量は、「中」に制御される。
【0114】
このNo.13のグリル使用中モードにおいて、グリルバーナ32の使用が停止されると、No.14のグリル停止後所定時間内モードとなり、このグリル停止後所定時間内モードでは、その直前のNo.13のグリル使用中モードに比べて設定風量を1段階上げた「強」に切替えられ、第1の所定時間、例えば、2分間に亘って、レンジフードBの排気ファン4の排気風量は、「強」に制御される。
【0115】
No.14のグリル停止後所定時間内モードで第1の所定時間、例えば、2分が経過すると、第2の所定時間、例えば、3分間に亘るグリル停止後所定時間経過モードとなり、このグリル停止後所定時間経過モードでは、設定風量が、No.14のグリル停止後所定時間内モードの設定風量「強」より小さい設定風量、具体的には、No.13のグリル使用中モードにおいて、グリルバーナ32を使用しない運転モード、すなわち、標準バーナ2a、及び、小バーナ2bが使用されるNo.23の運転モードに対応した設定風量「弱」に2段階下げ、第2の所定時間、例えば、3分間に亘って、レンジフードBの排気ファン4の排気風量は、「弱」に制御される。
【0116】
したがって、設定風量が「中」のNo.13のグリル使用中モードにおいて、グリルバーナ32の使用が停止されて、No.14のグリル停止後所定時間内モードで、設定風量が「強」に切替えられ、第1の所定時間、例えば、2分間が経過すると、グリル停止後所定時間経過モードで設定風量「弱」にされることになる。
【0117】
グリル停止後所定時間経過モードで、第2の所定時間、例えば、3分間が経過すると、グリル停止後所定時間経過モードは、終了するが、標準バーナ2a、及び、小バーナ2bの使用が継続している間は、No.23の運転モードに対応する設定風量「弱」を継続する。
【0118】
グリルバーナ32が使用されているNo.15のグリル使用中モードは、設定風量は「弱」であり、レンジフードBの排気ファン4の排気風量は、「弱」に制御される。
【0119】
このNo.15のグリル使用中モードにおいて、グリルバーナ32の使用が停止されると、No.16のグリル停止後所定時間内モードとなり、このグリル停止後所定時間内モードでは、その直前のNo.15のグリル使用中モードに比べて設定風量を1段階上げた「中」に切替えられ、第1の所定時間、例えば、2分間に亘って、レンジフードBの排気ファン4の排気風量は、「中」に制御される。
【0120】
No.16のグリル停止後所定時間内モードで第1の所定時間、例えば、2分が経過すると、第2の所定時間、例えば、3分間に亘るグリル停止後所定時間経過モードとなり、このグリル停止後所定時間経過モードでは、設定風量が、No.16のグリル停止後所定時間内モードの設定風量「中」より小さい設定風量、具体的には、グリルバーナ32の使用停止前のNo.15のグリル使用中モードの設定風量「弱」に戻り、第2の所定時間、例えば、3分間に亘って、レンジフードBの排気ファン4の排気風量は、「弱」に制御される。
【0121】
グリル停止後所定時間経過モードで、第2の所定時間、例えば、3分間が経過すると、グリル停止後所定時間経過モードは、終了し、排気ファン4の駆動が停止される。
【0122】
また、加熱調理器Cの全てのバーナ2a〜2c,32の消火指令がされた場合は、最後のバーナの消火より5分が経過するまでは、消火直前の設定風量もしくはグリル停止後所定時間内モードの設定風量のどちらか大きい方を選択して、レンジフードBが運転され、5分が経過すると、排気ファン4が停止され、モニターランプが消灯され、加熱調理器CとレンジフードBの換気連動運転が終了する。
【0123】
以上のように本実施形態では、グリルバーナ32の使用を停止する、すなわち、グリルバーナ32の燃焼を停止すると、グリル使用中モードよりも排気風量を1段階上げて大きくするので、排気が十分に行われ、グリル調理後の油煙や臭気等の排気ガスを効率的に排出することができる。
【0124】
これによって、ユーザが、グリル調理後に、グリル扉31を開いて、グリル庫30内の被調理物34を取り出す際に、油煙、臭気、あるいは、熱気の放出が低減される。
【0125】
更に、本実施形態では、グリル使用中モードで、上記のグリル扉31の開閉検出部41によってグリル扉31の開放が検出されると、第1の所定時間、例えば、2分間、設定風量を1段階上げ、その後、元の設定風量に戻すようにしている。
【0126】
これによって、グリル使用中に、ユーザが、グリル調理の状況の確認などのために、グリル扉31を開放したときに、油煙、臭気あるいは熱の放出が低減される。
【0127】
(その他の実施形態)
上記実施形態では、加熱調理器CとレンジフードBとの通信は、無線によって行ったけれども、有線で行ってもよい。
【0128】
上記実施形態では、設定風量は、「強」、「中」、「弱」の3段階であったけれども、3段階に限らず、複数段階であればよい。
【0129】
上記実施形態では、グリルバーナ32の使用が停止されたグリル停止後所定時間内モードでは、設定風量を1段階上げたけれども、設定風量を、「強」にするようにしてもよく、あるいは、「強」よりも大きな風量、例えば、排気ファン4の回転数を、上限の約1700rpm程度としてもよい。
【符号の説明】
【0130】
2 コンロ部
3 グリル部
4 排気ファン
9 受信部
17 制御部
24 電源スイッチ操作ボタン
26 磁性体
27 リードスイッチ
28 永久磁石
30 グリル庫
31 グリル扉
34 被調理物
38 主制御部
40 送信部
41 グリル扉の開閉検出部
B レンジフード(排気装置)
C 加熱調理器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10