特許第6392110号(P6392110)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6392110保守用車小移動器及び保守用車の移動方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6392110
(24)【登録日】2018年8月31日
(45)【発行日】2018年9月19日
(54)【発明の名称】保守用車小移動器及び保守用車の移動方法
(51)【国際特許分類】
   B61J 3/10 20060101AFI20180910BHJP
   B61J 3/04 20060101ALI20180910BHJP
   B61D 15/00 20060101ALI20180910BHJP
【FI】
   B61J3/10 D
   B61J3/04 Z
   B61D15/00 B
【請求項の数】7
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-259566(P2014-259566)
(22)【出願日】2014年12月23日
(65)【公開番号】特開2016-117448(P2016-117448A)
(43)【公開日】2016年6月30日
【審査請求日】2017年11月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】597110995
【氏名又は名称】株式会社レールテック
(74)【代理人】
【識別番号】100113712
【弁理士】
【氏名又は名称】野口 裕弘
(72)【発明者】
【氏名】手塚 稔
(72)【発明者】
【氏名】高柳 幸生
【審査官】 川村 健一
(56)【参考文献】
【文献】 実公昭33−019410(JP,Y1)
【文献】 実公昭22−003535(JP,Y1)
【文献】 特公昭29−006311(JP,B1)
【文献】 実公昭33−004723(JP,Y1)
【文献】 特公昭49−040174(JP,B1)
【文献】 実開平05−076938(JP,U)
【文献】 特表平03−504838(JP,A)
【文献】 国際公開第89/011410(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B61J 3/04
B61J 3/10
B61D 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レール上の保守用車を移動させるための保守用車小移動器であって、
レールの頭部に着脱可能に固定される固定部と、
前記固定部におけるレールよりも上となる位置に回転自在に設けられ、レール対称面に対して垂直な回転軸と、
前記回転軸から動径方向に延出されたアーム部とを備え、
前記回転軸の端部は、前記固定部から突出し、
前記アーム部は、張線器を取り付けるための取付部を有することを特徴とする保守用車小移動器。
【請求項2】
前記固定部は、レールの頭部を挟持する一対の挟持部と、前記一対の挟持部をレールの頭部に締め付ける固着具とを有し、
前記各々の挟持部は、対向する面に凹部を有し、前記凹部の底がレールの頭部側面に当接されるとともに、前記凹部より下部がレールの頭部下面に掛合されるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の保守用車小移動器。
【請求項3】
前記取付部は、前記アーム部に形成された貫通孔であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の保守用車小移動器。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載された保守用車小移動器を用いた保守用車の移動方法であって、
前記固定部がレールの頭部に固定される工程と、
前記回転軸が回されることにより、前記アーム部が保守用車の車輪に当接される工程と、
前記回転軸がさらに回されることにより、前アーム部が前記車輪を押す工程とを有することを特徴とする保守用車の移動方法。
【請求項5】
前記固定部から突出された前記回転軸の端部にトルクが加えられることにより、その回転軸が回されることを特徴とする請求項4に記載の保守用車の移動方法。
【請求項6】
請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載された保守用車小移動器を用いた保守用車の移動方法であって、
前記固定部がレールの頭部に固定される工程と、
張線器の一端が前記取付部に取り付けられるとともに、その張線器の他端が保守用車に取り付けられる工程と、
前記張線器で保守用車と保守用車小移動器との間に張力がかけられることにより、保守用車が引っ張られる工程とを有することを特徴とする保守用車の移動方法。
【請求項7】
前記保守用車は、マルチプルタイタンパであることを特徴とする請求項4乃至請求項6のいずれか一項に記載の保守用車の移動方法。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄道におけるレール上の保守用車を移動させるための保守用車小移動器、及びその保守用車小移動器を用いた保守用車の移動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
鉄道において、線路の保守作業に保守用車が用いられる(非特許文献1の番号11808参照)。保守用車は、故障を防ぎ、機能を維持するために定期的に検査される。保守用車には、例えば、マルチプルタイタンパがある。マルチプルタイタンパは、道床バラストを連続してつき固める大型機械である(非特許文献2の番号513参照)。マルチプルタイタンパの検査には、ユニバーサルジョイントにクラックが入っていないかのカラーチェックや絶縁検査等の検査項目がある。ユニバーサルジョイントのカラーチェックでは、ドライブシャフトを抜き取るために、マルチプルタイタンパを自走させずに約80mmレール上を移動させる必要がある。また、絶縁検査では、マルチプルタイタンパを自走させずに約300mmを移動させる必要がある。このような自走させずに行う小さな量の保守用車の移動は、小移動と呼ばれる。小移動は、マルチプルタイタンパ以外の保守用車においても行われる。
【0003】
従来から、マルチプルタイタンパ等の保守用車の検査において、80mm程度の小移動では、鉄道バールをてことして用い、保守用車を押している。しかし、重量が大きい保守用車を鉄道バールを用いて移動させることは容易ではない。
【0004】
また、従来から、マルチプルタイタンパ等の保守用車の検査において、300mm程度の小移動では、ロープ等を使って近くの道路から自動車でレール上の保守用車を引っ張ることがある。しかし、この方法では、重量の大きい保守用車を引っ張ると、自動車に斜めに大きな力がかかるので、さらに安全性の高い方法が望まれていた。
【0005】
自走できない保守用車を載せて軌道上を移動させるための軌道輪用台車が知られている(例えば、特許文献1参照)。軌道輪用台車に保守用車を載せれば、小さな力で保守用車を移動させることができる。しかし、軌道輪用台車は、保守用車を載せる際、保守用車をジャッキで持ち上げる必要があるので、小移動での使用には適していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−306794号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】JIS E 4001:2011「鉄道車両−用語」
【非特許文献2】JIS E 1001:2001「鉄道−線路用語」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記問題を解決するものであり、保守用車を安全かつ容易に小移動させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の保守用車小移動器は、レール上の保守用車を移動させるためのものであって、レールの頭部に着脱可能に固定される固定部と、前記固定部におけるレールよりも上となる位置に回転自在に設けられ、レール対称面に対して垂直な回転軸と、前記回転軸から動径方向に延出されたアーム部とを備え、前記回転軸の端部は、前記固定部から突出し、前記アーム部は、張線器を取り付けるための取付部を有することを特徴とする。
【0010】
この保守用車小移動器において、前記固定部は、レールの頭部を挟持する一対の挟持部と、前記一対の挟持部をレールの頭部に締め付ける固着具とを有し、前記各々の挟持部は、対向する面に凹部を有し、前記凹部の底がレールの頭部側面に当接されるとともに、前記凹部より下部がレールの頭部下面に掛合されるように形成されていることが好ましい。
【0011】
この保守用車小移動器において、前記取付部は、前記アーム部に形成された貫通孔であることが好ましい。
【0012】
本発明の保守用車の移動方法は、前記の保守用車小移動器を用いた方法であって、前記固定部がレールの頭部に固定される工程と、前記回転軸が回されることにより、前記アーム部が保守用車の車輪に当接される工程と、前記回転軸がさらに回されることにより、前アーム部が前記車輪を押す工程とを有することを特徴とする。
【0013】
この保守用車の移動方法において、前記固定部から突出された前記回転軸の端部にトルクが加えられることにより、その回転軸が回されることが好ましい。
【0014】
本発明の保守用車の移動方法は、前記の保守用車小移動器を用いた方法であって、前記固定部がレールの頭部に固定される工程と、張線器の一端が前記取付部に取り付けられるとともに、その張線器の他端が保守用車に取り付けられる工程と、前記張線器で保守用車と保守用車小移動器との間に張力がかけられることにより、保守用車が引っ張られる工程とを有することを特徴としてもよい。
【0015】
本発明の保守用車の移動方法において、前記保守用車は、例えば、マルチプルタイタンパである。
【発明の効果】
【0016】
本発明の保守用車小移動器及び保守用車の移動方法によれば、保守用車小移動器は、レールの頭部に着脱可能に固定される固定部を有するので、保守用車を移動させるときの反力をレールで受けることができ、安全に保守用車を小移動させることができる。また、保守用車小移動器は、回転軸から動径方向に延出されたアーム部を有するので、回転軸を回転させることにより、保守用車の車輪をアーム部で押して容易に保守用車を小移動させることができる。回転軸の端部は、固定部から突出しているので、その端部にトルクを加えることにより、回転軸を容易に回転させることができる。アーム部は、張線器を取り付けるための取付部を有するので、張線器で保守用車小移動器から保守用車を引っ張ることにより、保守用車を安全に小移動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態に係る保守用車小移動器をレールに固定した状態の斜視図。
図2】同保守用車小移動器の正面図。
図3】同保守用車小移動器の側面図。
図4】同保守用車小移動器の平面図。
図5】同保守用車小移動器において固定部を開いた状態の正面図。
図6】同保守用車小移動器を用いて保守用車の車輪を押している状況を示す側面図。
図7】同保守用車小移動器を用いて保守用車を引っ張っている状況を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の一実施形態に係る保守用車小移動器を図1乃至図4を参照して説明する。保守用車小移動器は、レール上の保守用車を移動させるための器具である。保守用車小移動器は、例えば、マルチプルタイタンパを小移動させるために用いられる。
【0019】
図1に示されるように、保守用車小移動器1は、固定部2と、回転軸3と、アーム部4とを備える。固定部2は、レール5の頭部51に着脱可能に固定される。回転軸3は、固定部2におけるレール5よりも上となる位置に回転自在に設けられる。図2に示されるように、この回転軸3は、レール対称面52に対して垂直である。図3に示されるように、アーム部4は、回転軸3から動径方向に延出されている。図4に示されるように、回転軸3の端部31は、固定部2から突出している。アーム部4は、張線器を取り付けるための取付部41を有する(図1参照)。
【0020】
固定部2は、一対の挟持部2a、2bと、固着具21とを有する(図2参照)。挟持部2a、2bは、レール5の頭部51を挟持する。固着具21は、一対の挟持部2a、2bをレール5の頭部51に締め付ける。各々の挟持部2a、2bは、対向する面に凹部22を有する。挟持部2a、2bは、凹部22の底221がレール5の頭部側面511に当接されるとともに、凹部22よりも下部23がレール5の頭部下面512に掛合されるように形成されている。
【0021】
本実施形態では、アーム部4の取付部41は、アーム部4に形成された貫通孔である。
【0022】
保守用車小移動器1の各構成をさらに詳述する。保守用車小移動器1は、例えば、金属製である。保守用車小移動器1の設計において、保守用車を移動させるために必要な力の大きさや保守用車の車輪径等を考慮して、保守用車小移動器1の各部の大きさや強度が決められる。
【0023】
固定部2は、レール5の上から頭部51を挟むように取り付けられる。本実施形態では、固着具21は、六角ボルトである。六角ボルトは、六角柱形状の頭部を有するおねじである。おねじは、螺旋状の溝が形成された軸を有する固着具である。挟持部2a、2bは、固着具21としてのおねじに対応するめねじを有する。凹部22は、概ねレール5の断面形状に対応する形状に形成される。凹部22の上面222とレール頭頂部513との間には、隙間(クリアランス)がある。このため、アーム部4の先端にレール長手方向の力を加えると、固定部2が側面視で若干傾き、レール5の頭部51が、固定部2における凹部22よりも下部23と上部24とで挟まれた状態となり、固定部2がレール頭部51に引っ掛かって、レール長手方向にずれることが防がれる。
【0024】
固定部2は、凹部22よりも上部24に貫通孔25を有する。回転軸3の中間部32は、円柱形であり、固定部2の貫通孔25に挿通されている。回転軸3の端部31は、中間部32よりも径が大きく、本実施形態では、六角柱形状とされている(図3参照)。
【0025】
アーム部4は、長尺状の部材であり、基端部が回転軸3に固定されている。本実施形態では、アーム部4は、平板状であり、側面視で下端が円弧形状である。回転軸3が回転すると、アーム部4も回転する。アーム部4の回転角θは、レール5によって制限され、真上に対して最大約±90°である。
【0026】
本実施形態では、アーム部4の取付部41は、平板状のアーム部4における厚み方向に貫通する貫通孔である。この貫通孔を利用することによって、アーム部4への張線器の取り付けが容易になる。なお、取付部41は、アーム部4への張線器の取り付けに利用される形状や構造であれば、貫通孔に限定されず、例えば、切り欠き、突起、又はフック等であってもよい。
【0027】
張線器は、張力をかけて引っ張る機能を有する工具である。張線器には、例えば、ワイヤ又はチェーン等の線材と、その線材を巻き取る巻取り部とを有し、巻取り部をトルクハンドルで回転させて線材で電線等を引っ張るものがある(例えば、特開2012−16246号公報参照)。
【0028】
上記のように構成された保守用車小移動器1を用いた保守用車の移動方法を図5及び図6等を参照して説明する。この移動方法は、80mm程度の小移動を行う方法である。
【0029】
先ず、図5に示されるように、固定部2の固着具21が緩められ、一対の挟持部2a、2bの間隔が拡大される。そして、レール5の頭部51が挟持部2a、2bで挟持され、固着具21で挟持部2a、2bがレール5の頭部51に締め付けられる(図2参照)。これにより、図6に示されるように、固定部2がレール5の頭部51に固定される。
【0030】
次に、回転軸3が回されることにより、アーム部4が保守用車の車輪6に当接される。車輪6においてアーム部4に当接される部分は、リム61である。リム61は、車輪6の外周部である(非特許文献1の番号22028参照)。
【0031】
保守用車小移動器1のユーザは、アーム部4を保守用車の車輪6に当接させるとき、回転軸3を直接回してもよく、アーム部4を動かして回転軸3を回してもよい。
【0032】
なお、本実施形態では、取付部41は、貫通孔であり、アーム部4から出っ張っていないので、アーム部4が保守用車の車輪6に当接されるとき、車輪6のフランジ等に干渉せず、邪魔にならない。
【0033】
次に、回転軸3がさらに回されることにより、アーム部4が車輪6を押す。
【0034】
回転軸3は、固定部2から突出された回転軸3の端部31にトルクが加えられることにより、回される。端部31へのトルクは、工具7を用いて加えられる。工具7は、例えば、レンチ又はスパナである。
【0035】
保守用車の車輪6がアーム部4で押されることにより、保守用車が移動する。
【0036】
同じ保守用車小移動器1を用いた保守用車の別の移動方法を図7等を参照して説明する。この移動方法は、300mm程度の小移動を行う方法である。
【0037】
先ず、固定部2の固着具21が緩められ、一対の挟持部2a、2bの間隔が拡大される(図5参照)。そして、レール5の頭部51が挟持部2a、2bで挟持され、固着具21で挟持部2a、2bがレール5の頭部51に締め付けられる(図2参照)。これにより、図7に示されるように、固定部2がレール5の頭部51に固定される。
【0038】
次に、張線器8の一端がアーム部4の取付部41に取り付けられるとともに、張線器8の他端が保守用車9に取り付けられる。
【0039】
本実施形態では、取付部41は、貫通孔であり、貫通孔にシャックル81が取り付けられる。シャックル81は、U字形のシャックル本体と、シャックルピンとを有する(JIS B 2801:1996「シャックル」参照)。シャックルピンが取付部41としての貫通孔に挿通される。張線器8の一端には、フック82が設けられている。このフック82がシャックル本体に掛けられる。これにより、張線器8の一端は、シャックル81を介して、取付部41に取り付けられる。
【0040】
次に、張線器8で保守用車9と保守用車小移動器1との間に張力がかけられる。保守用車小移動器1はレール5に固定されているので、保守用車9は、保守用車小移動器1に向けて引っ張られる。保守用車9が引っ張られることにより、保守用車9が移動する。
【0041】
なお、重量の大きな保守用車を移動させるために器具をレールに取り付けることは、レールを傷付けることが懸念されるため、今までそのような発想に至ることは無かった。しかし、保守用車小移動器1が用いられる線路は、列車が運転される本線ではなく、保守用車の検査が行われる線路であるので、万一レールに傷が付いても列車の運転に影響は無い。したがって、マルチプルタイタンパのような重量の大きな保守用車の小移動に保守用車小移動器1を用いても問題は無い。
【0042】
以上、本実施形態に係る保守用車小移動器1は、レール5の頭部51に着脱可能に固定される固定部2を有するので、保守用車を移動させるときの反力をレール5で受けることができ、安全かつ確実に保守用車を小移動させることができる。また、保守用車小移動器1は、回転軸3から動径方向に延出されたアーム部4を有するので、回転軸3を回転させることにより、保守用車の車輪をアーム部4で押して容易に保守用車を小移動させることができる。回転軸3の端部31は、固定部2から突出しているので、端部31にトルクを加えることにより、回転軸3を容易に回転させることができる。アーム部4は、張線器を取り付けるための取付部41を有するので、張線器で保守用車小移動器1から保守用車を引っ張ることにより、保守用車を安全に小移動させることができる。このように、保守用車小移動器1は、1台で2種類の小移動に用いることができる。保守用車小移動器1は、小型軽量であり、持ち運びが容易である。このような保守用車小移動器1を用いることにより、小移動が必要な保守用車の検査の作業効率が向上する。
【0043】
固定部2は、レール5の頭部51を挟持する一対の挟持部2a、2bと、一対の挟持部2a、2bをレール5の頭部51に締め付ける固着具21を有するので、容易にレール5の頭部51に固定することができる。各々の挟持部2a、2bは、対向する面に凹部22を有し、凹部22の底221がレール5の頭部側面511に当接されるので、凹部22の底221でレール5の頭部51を挟持することができる。各々の挟持部2a、2bは、凹部22より下部23がレール5の頭部下面512に掛合されるように形成されているので、固定部2がレール5の頭部51から抜けることが防がれる。
【0044】
取付部41は、アーム部4に形成された貫通孔であるので、張線器8を取り付けるための金具等を貫通孔に挿通することによって、容易に張線器8を取り付けることができる。
【0045】
なお、本発明は、上記の実施形態の構成に限られず、発明の要旨を変更しない範囲で種々の変形が可能である。例えば、本発明の保守用車小移動器1を用いる対象の保守用車は、マルチプルタイタンパに限定されず、マルチプルタイタンパ以外の保守用車、例えば、モーターカーやダイナミック・トラック・スタビライザ(DTS)等の小移動に用いてもよい。
【符号の説明】
【0046】
1 保守用車小移動器
2 固定部
2a、2b 挟持部
21 固着具
22 凹部
221 凹部の底
23 凹部より下部
3 回転軸
31 端部
4 アーム部
41 取付部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7