(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6392120
(24)【登録日】2018年8月31日
(45)【発行日】2018年9月19日
(54)【発明の名称】移動端末機及びその通信方法、基地局制御装置及びその制御方法、及びそれを利用する多重協力送受信システム及びその方法
(51)【国際特許分類】
H04B 7/10 20060101AFI20180910BHJP
H04W 16/28 20090101ALI20180910BHJP
H04W 72/04 20090101ALI20180910BHJP
H04W 72/14 20090101ALI20180910BHJP
【FI】
H04B7/10 A
H04W16/28 130
H04W72/04 131
H04W72/14
【請求項の数】15
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2014-527070(P2014-527070)
(86)(22)【出願日】2012年8月22日
(65)【公表番号】特表2014-529953(P2014-529953A)
(43)【公表日】2014年11月13日
(86)【国際出願番号】KR2012006684
(87)【国際公開番号】WO2013028012
(87)【国際公開日】20130228
【審査請求日】2015年7月3日
【審判番号】不服2017-10101(P2017-10101/J1)
【審判請求日】2017年7月6日
(31)【優先権主張番号】10-2011-0084488
(32)【優先日】2011年8月24日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】503447036
【氏名又は名称】サムスン エレクトロニクス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 允辰
(74)【代理人】
【識別番号】100140534
【弁理士】
【氏名又は名称】木内 敬二
(72)【発明者】
【氏名】ジョン−ヒュン・クウン
(72)【発明者】
【氏名】ユン−ソ・キム
【合議体】
【審判長】
吉田 隆之
【審判官】
佐藤 聡史
【審判官】
宮下 誠
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2011/037345(WO,A1)
【文献】
特表2007−532059(JP,A)
【文献】
特開2011−130438(JP,A)
【文献】
特表2008−523665(JP,A)
【文献】
特開2005−295583(JP,A)
【文献】
特開2008−182582(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B7/00;7/02−7/12
H04L1/02−1/06
H04W4/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信システムにおいて、
アンテナアレイ(antenna array)を具備し、周辺基地局を検索する移動端末機と、
検索された前記周辺基地局のうちから前記移動端末機と多重協力送受信を行うための複数の基地局を決定し、前記複数の基地局が互いに異なる時間スロットを介してデータを前記移動端末機に送信するように前記複数の基地局それぞれのビーム伝送をスケジューリングする制御部と、
前記ビーム伝送に対するスケジューリングに応じて前記互いに異なる時間スロットを介してビームフォーミングを利用して前記移動端末機に前記データを送信する前記複数の基地局と、を含み、
前記複数の基地局のうち少なくとも一つの基地局は前記ビーム伝送に関するスケジューリング情報を前記移動端末機に送信し、
前記スケジューリング情報は、前記互いに異なる時間スロットのそれぞれで、前記データが送信される資源領域を前記移動端末機に指示する割り当て情報を含むシステム。
【請求項2】
移動端末機において、
周辺基地局を検索し、前記検索された周辺基地局に関する情報を送信し、前記検索された周辺基地局のうち複数の基地局が互いに異なる時間スロットを介してデータを前記移動端末機に送信するようにスケジュールされたことを示すスケジューリング情報を受信する制御部と、前記複数の基地局は前記情報に基づいて前記移動端末機と多重協力送受信を行うために前記検索された周辺基地局のうちから決定され、
前記スケジューリング情報に応じて前記互いに異なる時間区間を介してビームフォーミングを利用して前記複数の基地局から前記データを受信するアンテナアレイと、を含み、
前記スケジューリング情報は、前記互いに異なる時間スロットのそれぞれで、前記データが送信される資源領域を前記移動端末機に指示する割り当て情報を含む移動端末機。
【請求項3】
順次に形成されるビームを介して受信される前記データをコヒーレント結合(coherent combining)するデータ結合部を更に含む請求項2に記載の移動端末機。
【請求項4】
基地局制御装置において、
移動端末機の周辺基地局に関する情報を受信する受信部と、
前記情報に基づいて前記周辺基地局のうちから前記移動端末機と多重協力送受信を行うための複数の基地局を決定し、前記複数の基地局が互いに異なる時間スロットを介して前記移動端末機にデータを送信するように前記複数の基地局それぞれのビーム伝送をスケジューリングする制御部と、
前記複数の基地局のうち少なくとも一つを介して前記移動端末機に前記ビーム伝送のスケジューリングに関するスケジューリング情報を送信する送信部と、を含み、
前記スケジューリング情報は、前記互いに異なる時間スロットのそれぞれで、前記データが送信される資源領域を前記移動端末機に指示する割り当て情報を含む基地局制御装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記複数の基地局のうちアンカー(anchor)基地局を決定し、
前記送信部は、前記アンカー基地局を介して前記スケジューリング情報を前記移動端末機に送信する請求項4に記載の基地局制御装置。
【請求項6】
前記制御部は、スロット単位の時分割に分割されたフレームを利用して前記複数の基地局それぞれが同じ時間スロットを介して前記データを送信しないように前記ビーム伝送をスケジューリングする請求項4に記載の基地局制御装置。
【請求項7】
移動端末機の通信方法において、
周辺基地局を検索する過程と、
前記検索された周辺基地局に関する情報を送信する過程と、
前記検索された周辺基地局のうち複数の基地局が互いに異なる時間スロットを介してデータを前記移動端末機に送信するようにスケジュールされたことを示すスケジューリング情報を受信する過程と、前記複数の基地局は前記情報に基づいて前記移動端末機と多重協力送受信を行うために前記検索された周辺基地局のうちから決定され、
前記スケジューリング情報に応じて前記互いに異なる時間区間を介してビームフォーミングを利用して前記複数の基地局から前記データを受信するように前記移動端末機のアンテナアレイを制御する過程と、を含み、
前記スケジューリング情報は、前記互いに異なる時間スロットのそれぞれで、前記データが送信される資源領域を前記移動端末機に指示する割り当て情報を含む方法。
【請求項8】
前記データをバッファリング(buffering)する過程と、
前記バッファリングされたデータをコヒーレント結合(coherent combining)する過程と、を更に含む請求項7に記載の方法。
【請求項9】
基地局を制御する方法において、
移動端末機の周辺基地局に関する情報を受信する過程と、
前記情報に基づいて前記周辺基地局のうちから前記移動端末機と多重協力送受信を行うための複数の基地局を決定する過程と、
前記複数の基地局が互いに異なる時間スロットを介して前記移動端末機にデータを送信するように前記複数の基地局それぞれのビーム伝送をスケジューリングする過程と、
前記複数の基地局のうち少なくとも一つを介して前記移動端末機に前記ビーム伝送に関するスケジューリング情報を送信する送信過程と、を含み、
前記スケジューリング情報は、前記互いに異なる時間スロットのそれぞれで、前記データが送信される資源領域を前記移動端末機に指示する割り当て情報を含む方法。
【請求項10】
前記複数の基地局のうちアンカー(anchor)基地局を決定する過程と、
前記アンカー基地局を介して前記スケジューリング情報を前記移動端末機に送信する過程と、を更に含む請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記スケジューリング情報を送信する過程は、
前記複数の基地局それぞれを介して前記割り当て情報を前記移動端末機に送信する過程を含む請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記スケジューリング情報を送信する過程は、
前記アンカー基地局を介して前記複数の基地局それぞれのDL(Down Link) MAP情報、UL(Up Link) MAP情報、セルID情報を移動端末機に送信する請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記複数の基地局のうち前記スケジューリング情報を最も先に送信する基地局を基準基地局として決定する過程を更に含み、
前記スケジューリング情報を送信する過程は、
前記複数の基地局のうち前記基準基地局を除いた基地局が設定された時間だけオフセット(offset)して順次に前記スケジューリング情報を送信する請求項9〜請求項12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
多重協力送受信方法において、
移動端末機の周辺基地局を検索する過程と、
検索された周辺基地局のうちから前記移動端末機と多重協力送受信を行うための複数の基地局を決定する過程と、
前記複数の基地局が互いに異なる時間スロットを介してデータを前記移動端末機に送信するように前記複数の基地局それぞれのビーム伝送をスケジューリングする過程と、
前記ビーム伝送に対するスケジューリングに応じて前記互いに異なる時間スロットを介してビームフォーミングを利用して前記移動端末機に前記データを送信する過程と、を含み、
前記複数の基地局のうち少なくとも一つの基地局は前記ビーム伝送に関するスケジューリング情報を前記移動端末機に送信し、
前記スケジューリング情報は、前記互いに異なる時間スロットのそれぞれで、前記データが送信される資源領域を前記移動端末機に指示する割り当て情報を含む方法。
【請求項15】
前記複数の基地局と前記移動端末機は、ミリ波(millimeter wave、mmWave)帯域でビームフォーミングを利用して送受信する請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多重協力送受信システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
無線通信システムは基地局(Base Station,BS)と少なくとも一つ以上の端末(User Equipment,UE)を含む。端末は固定されるか移動性を有し、MS(Mobile Satation)、UT(User Terminal)、SS(Subscriber Station)、無線機器(Wireless device)など他の用語で称されてもよい。基地局とは一般に端末と通信する固定された地点(fixed station)をいい、ノードB(Node−B)、BTS(Base Trascevier System)、アクセスポイント(Access Point)など他の用語で称させてもよい。
【0003】
無線通信システムは効率的なシステム構成のためにセル(cell)構造を有する。セルとは、周波数を効率的に利用するために広い地域を小さい区域で細分化した区域を意味する。一般にセルの中心部に基地局を設置して端末を中継し、セルとは一つの基地局が提供するサービス領域をいう。
【0004】
多重セル環境下で無線通信システムの隣接するセルが同じ副搬送波を使用するようになると、これはユーザに干渉(interference)の原因となり得る。これをセル間干渉(inter−cell interference)という。特に、セル間干渉はセルの境界付近にある端末に大きい問題となる。端末から基地局への伝送をアップリンク(uplink,UL)といい、基地局から端末への伝送をダウンリンク(downlink,DL)というが、ダウンリンクでセルの境界付近にある端末は隣接セルから強い干渉を受ける。また、アップリンクでセルの境界付近にある端末は隣接セルに強い干渉を与えるだけでなく、サービングセル(Serving Cell)から経路損失(Path Loss)によって低い伝送率を有するようになる。
【0005】
セル間干渉を減らすために隣接セル間に互いに異なる副搬送波を使用するようにしてもよいが、それによると一つの基地局が使用し得る無線資源が減る問題がある。
【0006】
多重セル(Multi−cell)協力方式は、多重セル環境下でセル間干渉を減らすために提案された方式である。多重セル協力方式を利用すると、セルの境界付近にある端末の通信性能を改善させることができる。それに関して、多重セル協力方式を利用したデータ伝送及び処理方法について多用な論議が進まれているが、そのうち代表的な方式がデータ共有を介した協力的MIMO(Multi−input Multi−Output)形態のジョイントプロセッシング(Joint Processing)方式である。ジョイントプロセッシング方式は多重セル協力方式を行う各基地局からデータを瞬間的に同時に端末に伝送することができ、端末は各基地局から受信した信号をコヒーレント結合(Coherent combining)して受信機能を向上させる。
【0007】
一方、最近では多様な無線サービスに対する需要が大きく増加することによって一般的に利用されていた従来の無線周波数資源は次第に枯渇されており、それに対する方案として、それまで天体、衛星、軍事用など特定分野に限って使用されていたミリ波(mmW:millimeter Waves)帯域に関心が集中されている。
【0008】
ミリ波は1ミリから10ミリまでの波長を有する無線波形であり、30GHz〜300GHzの無線周波数に当たる。ITU(International Telecommunications Union)によるとそのような周波数はEHF(Extremely High Frequency)帯域に属し、そのような無線波形は唯一な電波特性(unique propagation characteristics)を有する。例えば、より低い周波数の無線波形に比べてミリ波はより高い電波損失を有し、建物、壁、木の枝のような物体をよく貫通することができず、大気上での吸収、大気上の雨粒のような粒子による屈折及び回折に対して敏感な特性がある。一方、ミリ波の短い波長のためより多いアンテナが相対的に小さい領域に密集される。これは小型の高利得アンテナの具現を可能にする。
【0009】
ITUは3GHz〜30GHz帯域の周波数をSFH(Super High Frequency)と定義している。SHF帯域でいくつかのより高い周波数は大きい電波損失、小型の高利得アンテナの具現のようなEHFバンドでの無線波形と類似した特定を有している。
【0010】
ミリ波帯域では非常に多いスペクトルを使用することができる。例えば、60GHz近くの周波数は典型的に60GHz帯域として知られており、殆どの国で非許可スペクトル(unlicensed spectrum)として使用可能な形態である。米国では、60GHz近くのスペクトルのうち7GHz(57GHz〜64GHz)が非許可用として割り当てられている。また、2003年10月16日、FCC(Federal Communications Commission)はReport and Orderという報告書を発行しており、FCCは該当報告書で米国での高密度固定無線サービスのためのスペクトルとして12.9GHzを割り当てている(71〜76GHz,81〜86GHzそして92〜95GHz(ここで、94.0〜94.1GHzは連邦政府用として除外))。
【0011】
71〜76GHz,81〜86GHzそして92〜95GHz帯域は総称してE帯域と称される。E帯域での周波数割当はこれまでFCCによる最も大きいスペクトル割当であり、全体セルラースペクトルより50倍も大きい。
【0012】
ミリ波帯域は周波数資源が豊かで帯域幅を広く使用することができるため高速伝送に有利であり、特に高画質の動画伝送のために広く利用されている。
【0013】
ミリ波を利用したミリ波通信は上述したミリ波の特性によってTx/Rxのビームフォーミング(beamforming)が必要である。このようなミリ波通信に多重セル方式を適用するためには、多重セル協力システムでの端末機は複数の基地局から他の方向から伝送されるビームを同時に受信すべきである。ところで、一つのアレイアンテナは最大Rxアンテナ利得を有する一方向のビームのみを受信可能であるため、ミリ波通信に一般的な多重セル協力方式を適用するためには端末機に複数のアレイアンテナ(array antenna)を設置しなければならない。しかし、この場合、端末機の設置空間の制約と費用上の問題で複数のアレイアンテナを設置することが容易ではないという問題がある。
【0014】
また、一つのアレイアンテナの受信範囲を広げて多様な方向から伝送されるマルチビームを同時に受信する場合にはRxアンテナ利得が減少し、それによって受信性能とカバレッジ(coverage)が減少する問題がある。
【0015】
また、多重セル協力システムを具現するためにはCP(Cyclic Prefix)以内の基地局間同期を維持する必要があるが、ミリ波帯域ではコヒーレントタイム(coherent time)の減少でCPの長さが4Gに比べて1/10以下に減少するため、基地局間同期の誤差を減少させるためには別途の高性能同期システムが構築されるべきであり、それによって多重セル協力システムに含まれる基地局の個数が非常に制限されるという問題がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の実施例は上述した問題点を解決するために創案されたものであり、一つのアレイアンテナが装着された端末であってもミリ波通信を利用して多重協力送受信が可能であるだけでなく、基地局間の同期要求条件が緩和された移動端末機及びその通信方法、基地局制御装置及びその制御方法、及び多重協力送受信システム及びその方法を提供することを目的とする。
【0017】
上述した目的を達成するための本発明の実施例による多重協力送受信システムは、アレイアンテナを具備し、周辺の基地局を検索する移動端末機と、検索された周辺基地局のうちから移動端末機に対する多重協力送受信のためのアクティブセット(active set)を決定し、決定されたアクティブセットに含まれた基地局それぞれのビーム(beam)伝送をスケジューリングする制御部と、超高周波帯域でビームフォーミングを利用して移動端末機と送受信し、制御部による前記スケジューリングに基づいてアクティブセットに含まれた各基地局のアップリンク/ダウンリンクに対する資源情報を移動端末機に提供する少なくとも一つの基地局と、を含むことを特徴とする。
【0018】
上述した目的を達成するための本発明の実施例による移動端末機は、超高周波帯域で少なくとも一つの基地局と一つの基地局とビームフォーミングを行うアレイアンテナと、周辺の通信可能な基地局を検索し、検索された基地局に対する情報を現在のサービング(Serving)基地局に伝送する基地局検索部と、伝送された基地局に対する情報に基づいて制御部から検索された基地局のビーム伝送に対するスケジューリング情報及びアップリンク/ダウンリンクに対する資源情報を受信する資源情報受信部と、スケジューリング情報及び資源情報に応じてアレイアンテナを制御して周辺基地局のビーム伝送に対応するビームを形成し、データを送受信するアンテナ制御部と、を含むことを特徴とする。
【0019】
上述した移動端末機は、順次に形成されるビームを介して受信されるデータをコヒーレント結合するデータ結合部を更に含む。
【0020】
上述した目的を達成するための本発明の実施例による基地局制御装置は、移動端末機の周辺に位置する少なくとも一つの基地局に対する情報を受信する基地局情報受信部と、基地局情報受信部を介して受信した複数の基地局に対してアクティブセット(active set)を決定するアクティブセット決定部と、アクティブセットに含まれた基地局に対するビーム伝送をスケジューリングし、アップリンク/ダウンリンクに対する資源情報を割り当てるスケジューリング部と、アクティブセットに含まれた基地局のうち少なくとも一つの基地局を介してスケジューリング部によるスケジューリング情報及び資源割当情報を移動端末機に伝送するスケジューリング情報伝送部と、を含むことを特徴とする。
【0021】
上述した基地局制御装置は、アクティブセットに含まれた基地局のうちアンカー(Anchor)基地局を決定するアンカー基地局決定部を更に含み、スケジューリング情報伝送部はアンカー基地局を介してスケジューリング情報及び資源割当情報を移動端末機に伝送することを特徴とする。
【0022】
スケジューリング部はスロット(slot)単位の時分割(Time division)に分割されたフレームを利用してアクティブセットに含まれたそれぞれの基地局が同じスロットにデータを伝送しないようにビーム伝送をスケジューリングし、資源情報を割り当てる。
【0023】
上述した目的を達成するための本発明の実施例による多重協力送受信方法は、移動端末機周辺の基地局を検索する過程と、検索された周辺基地局のうちから移動端末機に対する多重協力送受信のためのアクティブセットを決定する過程と、決定されたアクティブセットに含まれた基地局のビーム伝送をスケジューリングする過程と、スケジューリングに基づいてアクティブセットに含まれた各基地局のアップリンク/ダウンリンクに対する資源情報を移動端末機に伝送する過程と、含むことを特徴とする。
【0024】
ここで、アクティブセットに含まれた基地局と移動端末機は超高周波帯域でビームフォーミングを利用して送受信する。
【0025】
この場合、アクティブセットに含まれた基地局と移動端末機はミリ波帯域でビームフォーミングを利用して送受信する。
【0026】
上述した目的を達成するための本発明の実施例による移動端末機の通信方法は、周辺の通信可能な基地局を検索する過程と、検索された基地局に対する情報を現在のサービング基地局に伝送する過程と、伝送された基地局に対する情報に対応して制御部から検索された基地局のビーム伝送に対するスケジューリング情報及びアップリンク/ダウンリンクに対する資源情報を受信する過程と、スケジューリング情報及び資源情報に応じてアレイアンテナを制御して周辺基地局のビーム伝送に対応するビームを形成し、データを送受信する過程と、を含むことを特徴とする。
【0027】
上述した移動端末機の通信方法は、スケジューリング情報及び資源情報に応じてビームフォーミングして周辺基地局のうち少なくとも一つと送受信し、それぞれの基地局から受信したデータをコヒーレント結合する過程を更に含む。
【0028】
上述した移動端末機の通信方法は、周辺基地局のうち少なくとも一つから受信したデータをバッファリング(buffering)する過程を更に含む。
【0029】
上述した目的を達成するための本発明の実施例による基地局の制御方法は、移動端末機の周辺に位置する少なくとも一つの基地局に対する情報を受信する過程と、基地局情報受信部を介して受信した複数の基地局に対してアクティブセットを決定する過程と、アクティブセットに含まれた基地局に対するビーム伝送をスケジューリングし、アップリンク/ダウンリンクに対する資源情報を割り当てる過程と、アクティブセットに含まれた基地局のうち少なくとも一つの基地局を介してスケジューリング情報及び資源割当情報を移動端末機に伝送する過程と、を含むことを特徴とする。
【0030】
上述した基地局の制御方法は、アクティブセットに含まれた基地局のうちアンカー基地局決定する過程を更に含む。この場合、スケジューリング情報及び資源割当情報の伝送過程はアンカー基地局を介してスケジューリング情報及び資源割当情報を移動端末機に伝送する。
【0031】
スケジューリング情報及び資源割当情報の伝送過程は、アクティブセットに含まれた各基地局のうちアンカー基地局を除いた基地局を介して移動端末機と通信に使用される資源情報を移動端末機に伝送してもよい。
【0032】
また、スケジューリング情報及び資源割当情報の伝送過程は、アクティブセットに含まれた各基地局を介して移動端末機と通信に使用される資源情報を移動端末機に伝送してもよい。
【0033】
スケジューリング情報及び資源割当情報の伝送過程は、アンカー基地局を介してアクティブセットに含まれた各基地局のDL MAP情報、UL MAP情報、セルID情報を移動端末機に伝送する。
【0034】
上述した基地局の制御方法は、アクティブセットに含まれた各基地局のうち資源情報を最も早く伝送する基地局を基準基地局として決定する過程を更に含む。この場合、スケジューリング情報及び資源割当情報の伝送過程は、アクティブセットに含まれた各基地局のうち基準基地局を除いた残りの基地局が設定された時間だけオフセット(offset)して順次に資源情報を伝送する。
【0035】
スケジューリング情報及び資源情報の割当過程は、スロット単位の時分割に分割されたフレームを利用してアクティブセットに含まれたそれぞれの基地局が同じスロットにデータを伝送しないようにビーム伝送をスケジューリングし、資源情報を割り当てる。
【0036】
本発明の実施例によると、超高周波帯域でビームフォーミングを利用する無線通信システムに多重セル協力方式を適用しながらも一つ以上のビームに対してRxアンテナ利得を得ることができる。
【0037】
また、本発明の実施例によると、多重経路を形成することで急激なチャネル変化による無線リンク障害を防止することができ、ハードハンドオーバー(hard handover)によるピンポン(pingpong)現象を防止することができる。
【0038】
また、本発明の実施例によると、一つのアレイアンテナを具備した移動端末機であっても複数の基地局からデータを受信し結合することができ、要求される基地局間の同期水準も緩和される。
【0039】
また、本発明の実施例によると、高いデータ率のカバレッジを増加させることができ、セル境界ユーザのスループット(throughput)を改善することができる。
【0040】
下記発明の概要を始める前に、本特許文献全般に使用される特定単語及び句の定義を説明することが有利である。即ち、「含む(include,comprise)」という用語及びそれの派生語は制限なく含むことを意味し、「また(or)」という用語は包括的な意味であり、及び/又は「〜に関する(associated with,associated therewith)」という句及びそれの派生語は〜を含む、〜内に含まれる、〜と相互接続する、〜を含有する、〜に含有される、〜と接続する又は〜に接続させる、〜と連結する又は〜に連結させる、〜と通信可能である、〜と協力する、〜を差し込む、〜と併置する、〜に近い、〜に結ばれる又は〜で結ばれる、〜を有する、〜の特性を有するなどを意味してもよく、「制御器」という用語は少なくとも一つの動作を制御するが、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア又はそれらのうち少なくとも2つの一部組み合わせで具現される任意のディバイス、システム又はそれらの一部分を意味する。任意の特定制御器に関する機能が近距離であれ遠距離であれ、中央集中されるか分配され得るということに留意しなければならない。特定単語及び句に対する定義はこの特許文書の全般にかけて提供され、当業者であれば、殆どの場合ではなければ多くの部分でそのような定義がそのように定義された単語及び句の以前及び今後の使用に適用されるということを理解できるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0041】
本開示事項及びその利点に対するより完全な理解のために添付した図面に結び付けて以下の説明が参照されるが、図面における類似した参照符号は同じ部分を示す。
【
図1】本発明の実施例による多重協力送受信システムを示す図である。
【
図2】無線通信システムにおけるビームフォーミング技術を適用した基地局のビームを示す図である。
【
図3】本発明の実施例による移動端末機を示す図である。
【
図4】本発明の実施例による基地局制御装置を示す図である。
【
図5】本発明の実施例による多重協力送受信方法を示す図である。
【
図6】アクティブセットに含まれた各基地局のビーム伝送に対するスケジューリングを示す図である。
【
図7】本発明の実施例による多重協力送受信システムの動作原理を説明するために図示したフレーム構造を示す図である。
【
図8】基地局別にDL/UL資源情報を独立的に伝送する場合のフレーム構造を示す図である。
【
図9】アンカー基地局によってDL/UL資源情報が伝送される場合のフレーム構造を示す図である。
【
図10】アンカー基地局と残りの基地局によってDL/UL資源情報が重複伝送される場合のフレーム構造を示す図である。
【
図11】基地局別にDL/UL資源情報を順次に伝送する場合のフレーム構造を示す図である。
【
図12】本発明の実施例による移動端末機の通信方法を示す図である。
【
図13】本発明の実施例による基地局制御装置による制御方法を示す図である。前記図面において、参照番号は同じであるか類似した要素、特徴、構造を説明するために使用される。
【発明を実施するための形態】
【0042】
下記で説明される
図1乃至
図13を介して本文書で本発明の原理を説明するために使用される多様な実施例は一例に過ぎず、本発明は本文書の範囲を範囲に限られない。当業者は、本発明の原理はどのような種類の無線通信システムにも適用可能であることは自明である。
【0043】
本発明の実施例は、移動端末機及びその通信方法、基地局制御装置及びその制御方法、及びそれを利用する多重協力送受信システム及びその方法に関するものである。より詳しくは、超高周波帯域でビームフォーミングを利用する無線通信システムに多重セル協力方式を提供しながらも一つ以上のビームに対してRxアンテナ利得を得ることができる移動端末機及びその通信方法、基地局制御装置及びその制御方法、及びそれを利用する多重協力送受信システム及びその方法に関するものである。
【0044】
図1は、本発明の実施例による多重協力送受信システムを示す図である。
【0045】
図1を参照すると、本発明の実施例による多重協力送受信システムは少なくとも一つの基地局100、移動端末機200及び制御部300含む。ここで、基地局100と制御部300は有線バックホール(Wired Backhaul)で連結され、基地局100と基地局100は無線バックホールで連結される。
【0046】
基地局100はミリ波のような超高周波帯域でビームフォーミングを利用して端末機200と送受信する。最近標準化が進められている60GHz帯域のようなミリ波は、簡単な変調方式によって約2GHz範囲の広帯域を使用して数Gbpsの伝送率でデータを伝送する。一方、ミリ波は高周波の特性上、直進性が強く経路損失が大きい短所がある。よって、このような短所を補完するために指向性アンテナを使用して全方向ではなく特定方向に送信電力を集めることで高いアンテナ利得を得る。そのために基地局100は
図2に示したように多数のセクター(sector)を含み、各セクターで方向性を有する多数のビームを形成する。ビームフォーミングが適用される場合、ビームを介して伝送される信号の範囲が狭いため、一つの基地局セル又はセクターをサービスするためにはセクターでのアンテナより多い個数のビームが使用されなければならない。移動端末機200は基地局100の様々なビームのうちから動作や移動に応じて最もよいビームを選択する。ビームの選択はビーム幅が狭くなるほど頻繁に発生する。また、移動端末機200もビームフォーミングを行う場合、基地局100のビーム方向と移動端末機200のビーム方向が一致すると最もよいチャネル状態を得ることができる。即ち、移動端末機200は指向性アンテナの方向を基地局100と向き合う方向に探すか、アレイアンテナを構成する各アンテナの振幅や位相を調節するビームフォーミング過程を使用して探すことでアレイ利得(array gain)を得る。
【0047】
移動端末機200はアレイアンテナを具備し、基地局100から伝送されるビームに対して各アンテナの振幅や位相を調節するビームフォーミング過程を介してアレイ利得を得る。また、移動端末機200は周期的に又は設定された条件に応じて周辺基地局100を検索し、検索された周辺基地局100に対する情報をサービング基地局に伝送する。
【0048】
制御部300は移動端末機200によって検索された周辺基地局100のうちから移動端末機200に対する多重協力送受信のためのアクティブセットを決定して仮想セル(Virtual Cell)を形成し、決定されたアクティブセットに含まれた基地局それぞれのビーム伝送をスケジューリングする。ここで、アクティブセットは移動端末機200にデータ送受信のための無線チャネルを提供するセクターの集合として定義される。
【0049】
制御部300は、各基地局100に対する資源割当情報をアンカー基地局又はアクティブセットに含まれた各基地局を介して移動端末機200に伝送するように制御する。ここで、アンカー基地局は多重協力送受信に参与する各基地局のうち制御部300によってスケジューリングされた資源割当情報を移動端末機200に伝達する基地局であって、サービング基地局がアンカー基地局として決定されるか、アクティブセットに含まれた基地局のうち移動端末機200に最も先にアップリンク/ダウンリンクに対する資源情報を伝送する基地局がアンカー基地局として決定される。しかし、アンカー基地局の決定方法は記載された方式に限られず、多様に変形された方法でアンカー基地局が決定されてもよい。
【0050】
図3は、本発明の実施例による移動端末機を示す図である。
【0051】
図3を参照すると、本発明の実施例による移動端末機200はアレイアンテナ210、基地局検索部220、資源情報受信部230、アンテナ制御部240及びデータ結合部250を含む。
【0052】
アレイアンテナ210は、超高周波帯域で少なくとも一つの基地局100とビームフォーミングを行う。即ち、アレイアンテナ210を構成するそれぞれのアンテナは直線方向にビームを形成し、各アンテナの振幅や位相を調節することができ、ビームの方向が基地局100から伝送されるビームの方向と一致するビームを探して該当基地局100とデータを送受信するためのチャネルを形成することでアレイ利得を得る。
【0053】
基地局検索部220は周期的に周辺基地局100を検索する。又は、移動端末機200の電源を初期化する場合、サービング基地局から受信される信号の強度が設定値以下になる場合、移動端末機200がソフトハンドオーバー(Soft Handover)を要請する場合などのように予め設定された条件を満足する場合に周辺基地局100を検索してもよい。この際、基地局検索部220は検索された基地局に対する情報を現在のサービング基地局に伝送する。
【0054】
資源情報受信部230はサービング基地局を介して伝送された周辺基地局に対する情報に対応し、制御部300からサービング基地局又は周辺の他の基地局を介して周辺基地局のビーム伝送に対するスケジューリング情報及びアップリンク/ダウンリンクに対する資源情報を受信する。
【0055】
アンテナ制御部240は受信されたスケジューリング情報及び資源情報に応じてアレイアンテナを制御して周辺基地局のうち自らにビームを伝送する基地局に向かってビームを形成し、該当基地局とチャネルを形成してデータを送受信する。
【0056】
データ結合部250は周辺の複数の基地局に対してアンテナ制御部240によってビームの形成が変更されながらそれぞれの基地局からデータが受信される場合、受信されるデータに対して重複されるか不必要なデータをバッファリングし、少なくとも一つの基地局から受信されたデータをコヒーレント結合する。
【0057】
図4は、本発明の実施例による基地局制御装置を示す図である。
【0058】
図4を参照すると、本発明の実施例による基地局制御部300は基地局情報受信部310、アクティブセット決定部320、スケジューリング部330、スケジューリング情報伝送部340及びアンカー基地局決定部350を含む。
【0059】
基地局情報受信部310は、移動端末機200のサービング基地局を介して移動端末機200の周辺に位置する少なくとも一つの基地局に対する情報を受信する。移動端末機200周辺の基地局に対する情報にはそれぞれの基地局の識別番号、それぞれの基地局の周辺にある他の移動端末機に対する情報、それぞれの基地局と異なる移動端末機との間のビーム伝送情報などが含まれる。
【0060】
アクティブセット決定部320は、基地局情報受信部310を介して受信した基地局情報に基づいて移動端末機200周辺の複数の基地局に対するアクティブセットを決定する。即ち、アクティブセット決定部320は移動端末機200周辺の基地局のうち移動端末機200にデータ送受信のための無線チャネルを提供する基地局を決定する。
【0061】
スケジューリング部330はアクティブセット決定部320によって決定されたアクティブセットに含まれた基地局に対して移動端末機200へのビーム伝送をスケジューリングし、アップリンク/ダウンリンクに対する資源情報を割り当てる。この際、スケジューリング部330はスロット単位の時分割に分割されたフレームを利用してアクティブセットに含まれたそれぞれの基地局が同じスロットにデータを伝送しないようにビーム伝送をスケジューリングし、それぞれの資源情報を割り当てる。このようなフレーム構造の例については後述する。
【0062】
スケジューリング情報伝送部340は、アクティブセットに含まれた基地局のうち少なくとも一つの基地局を介してスケジューリング部330によるスケジューリング情報及び資源割当情報を移動端末機200に伝送する。
【0063】
アンカー基地局決定部350は、アクティブセットに含まれた基地局のうちいずれか一つをアンカー(Anchor)基地局として決定する。この際、アンカー基地局決定部350は移動端末機200に対するサービング基地局をアンカー基地局として決定するか、アクティブセットに含まれた基地局のうち移動端末機200に最も先にアップリンク/ダウンリンクに対する資源情報を伝送する基地局がアンカー基地局として決定する。この場合、スケジューリング情報伝送部340はアンカー基地局を介して移動端末機200の周辺基地局に対するスケジューリング情報及び資源割当情報を移動端末機200に伝送する。
【0064】
又は、スケジューリング情報伝送部340はアンカー基地局を決定する代わりにアクティブセットに含まれた各基地局を介して該当基地局と移動端末機200との間の通信に使用される各資源情報をそれぞれ伝送するように具現されてもよい。又は、スケジューリング情報伝送部340はアンカー基地局決定部350によって決定されたアンカー基地局を介してアクティブセットに含まれた各基地局に対するスケジューリング情報及び資源割当情報を伝送し、アンカー基地局を除いたそれぞれの基地局を介して該当基地局と移動端末機200との間の通信に使用される資源情報を重複して伝送するように具現されてもよい。
【0065】
図5は、本発明の実施例による多重協力送受信方法を示すフローチャートである。
図1及び
図5を参照し、本発明の実施例による多重協力送受信方法を詳細に説明する。
【0066】
移動端末機200は周期的に周辺基地局を検索する。又は、移動端末機200の電源を初期化するか、サービング基地局から受信される信号の強度が設定値以下になるか、移動端末機200がソフトハンドオーバーを要請する場合などのように予め設定された条件を満足する場合に周辺基地局を検索する(S510)。ここで、ソフトハンドオーバーとは移動端末機200がサービング基地局100の連結を終了する前にターゲット基地局との連結を設定し、セル境界の一定地域、即ち、ハンドオーバー領域で2つの基地局、即ち、サービング基地局及びターゲット基地局と同時に連結を設定して送受信する通信技法をいう。移動端末機200によって検索された周辺基地局に対する情報は現在のサービング基地局100に伝送される。
【0067】
制御部300はサービング基地局100を介して移動端末機200の周辺基地局に対する情報を受信し、受信された周辺基地局のうちから移動端末機200に対する多重協力送受信のためのアクティブセットを決定する(S520)。また、制御部300は決定されたアクティブセットに含まれた各基地局のビーム伝送をスケジューリングする(S530)。
【0068】
図6は、アクティブセットに含まれた各基地局のビーム伝送に対するスケジューリングを示す図である。図面にはそれぞれの基地局及びそれぞれの移動端末機を区分するための互いに異なる部材番号を付与している。また、それぞれの基地局102,104及び移動端末機202,204,205はそれぞれTxビームフォーミング及びRxビームフォーミングを行い、それぞれの移動端末機202,204,206はそれぞれ一つのアレイアンテナを具備すると仮定する。
【0069】
この場合、セル境界地域に位置する第1移動端末機202及び第3移動端末機206に対しては第1基地局102及び第2基地局104が周辺基地局として検索され、第2移動端末機204に対しては第1基地局102が周辺基地局として検索される。検索された周辺基地局に対する情報はサービング基地局を介して制御部300に伝送される。
【0070】
制御部300は第1基地局102及び第2基地局104に対してそれぞれの移動端末機202,204,206に対するビーム伝送をスケジューリングする(S530)。そのために制御部300は
図7に示したようなフレーム構造を使用する。この際、フレームはダウンリンクフレーム(DL frame)とアップリンクフレーム(UL frame)とで構成されるが、ダウンリンクフレームはビーム伝送制御のための領域とデータ伝送領域を含み、アップリンクフレームはデータ伝送領域を含む。また、フレームはスロット単位の時分割に分割され、制御部300はそれぞれ基地局102,104が同じスロットにデータを伝送しないようにスケジューリングする。例えば、
図7に示したように第1基地局102に対してビームナンバー2及びビームナンバー6を介してビームを伝送するように制御し、ビームナンバー2を介しては第1移動端末機202にデータを伝送し、ビームナンバー6を介しては第2移動端末機204にデータを伝送するようにスケジューリングする。また、第2基地局104に対してビームナンバー6を介して第3移動端末機206にデータを伝送するように制御する。この際、それぞれの基地局に対応するフレームには他の基地局に割り当てられた資源情報が含まれる。例えば、第1基地局102及び第2基地局104のセル境界地域に位置する第1移動端末機202及び第3移動端末機206に対して、第1基地局102に対応するフレームには第3移動端末機206へのビーム伝送を制御するための制御信号は含ませないが、第2基地局104によるデータ伝送の資源割当情報を含ませて他の基地局によるデータ伝送があることを表示する。同じく、第2基地局104に対応するフレームには第1移動端末機202へのビーム伝送を制御するための制御信号は含ませないが、第1基地局102によるデータ伝送の資源割当情報を含ませて他の基地局によるデータ伝送があることを表示する。
【0071】
制御部300は、それぞれの基地局別にダウンリンク及びアップリンクに対する資源割当情報を独立的に移動端末機に伝送するように制御する。例えば、
図4の第1移動端末機202に対する第1基地局102及び第2基地局104のビーム伝送に対して、制御部300は
図8に示したようにフレーム構造の資源割当をスケジューリングし、第1基地局102及び第2基地局104がそれぞれ独立的に資源割当情報を第1移動端末機202に伝送するように制御する。
【0072】
又は、制御部300はアクティブセットに含まれた基地局のうち該当移動端末機に資源割当情報を伝送するためのアンカー基地局を決定する(S540)。この際、アンカー基地局は上述したようにサービング基地局がアンカー基地局として決定されるか、アクティブセットに含まれた基地局のうち移動端末機200に最も先にアップリンク/ダウンリンクに対する資源情報を伝送する基地局がアンカー基地局として決定される。しかし、アンカー基地局の決定方法は記載された方式に限られない。この際、アンカー基地局はアクティブセットに含まれた各基地局のDL MAP情報、UL MAP情報、セルID情報などを含む資源割当情報を該当移動端末機に伝送する。例えば、
図6の第1移動端末機202に対する第1基地局102及び第2基地局104のビーム伝送に対して、アンカー基地局として決定された第1基地局102は
図9示したようなフレーム構造の資源割当を第1移動端末機202伝送する。
【0073】
又は、制御部300はアクティブセットに含まれた基地局のうち該当移動端末機に資源割当情報を伝送するためのアンカー基地局を決定した後、アンカー基地局を介して該当移動端末機に資源割当情報を伝送すると共に残りの他の基地局がそれぞれ独立的に自らの資源情報を該当移動端末機に伝送するように具現されてもよい。例えば、
図6の第1移動端末機202に対する第1基地局102及び第2基地局104のビーム伝送に対して、アンカー基地局として決定された第1基地局102は
図9に示したようなフレーム構造の資源割当を第1移動端末機202に伝送し、第2基地局104は第1移動端末機202に対する自らの資源情報を独立的に伝送する。この場合、第2基地局104の資源割当情報は
図10に示したように重複されて伝達される。
【0074】
又は、制御部300はアクティブセットに含まれた基地局に対して該当移動端末機に最も先に資源情報を伝送する基地局を基準基地局として決定し(S550)、アクティブセットに含まれた基地局のうち基準基地局を除いた残りの基地局に対しては設定された時間だけオフセットして順次に資源情報を伝送するように制御する(S560)。この際、基準基地局として決定された基地局に対する情報はアクティブセットに含まれた残りの他の基地局の間で共有されることが好ましく、基準基地局のIDに基づいてIDが増加する順番又は減少する順番に順序が決定される。例えば、
図6の第1移動端末機202に対する第1基地局102及び第2基地局104のビーム伝送に対して、
図11に示したように第1基地局102を基準基地局として決定し、第1基地局102から第1移動端末機202に資源情報が伝送された後、設定されたオフセットの後に第2基地局104のビーム伝送を制御して第1移動端末機202に資源情報を伝送するように制御する。
【0075】
このように伝送された資源割当情報に基づいて、それぞれの移動端末機は受信された資源割当情報に応じてビームフォーミングしてアクティブセットに含まれたそれぞれの基地局と送受信する(S570)。例えば、
図7に示したような資源割当情報が第1移動端末機202に伝送された場合、第1移動端末機202は受信した資源割当情報に応じて第1基地局102のビームナンバー2の区間ではそれに対応するRxビームナンバー6としてビームを設定し、第2基地局104のビームナンバー8の区間ではそれに対応するRxビームナンバー4としてビームを設定する。
【0076】
この際、それぞれの移動端末機202,204,206はそれぞれの基地局102,104から受信したデータをバッファリング及び結合することでそれぞれの基地局102,104を介したデータの送受信を行うようになる(S580)。
【0077】
図12は、本発明の実施例による移動端末機の通信方法を示すフローチャートである。
【0078】
図3及び
図12を参照すると、基地局検索部220は周期的に又は予め設定された条件に応じて周辺基地局100を検索する(S1210)。この際、基地局検索部220は検索された基地局に対する情報を現在のサービング基地局に伝送する(S1220)。
【0079】
資源情報受信部230はサービング基地局を介して伝送された周辺基地局に対する情報に対応し、制御部300からサービング基地局又は周辺の他の基地局を介して周辺基地局のビーム伝送に対するスケジューリング情報及びアップリンク/ダウンリンクに対する資源情報を受信する(S1230)。
【0080】
アンテナ制御部240は受信されたスケジューリング情報及び資源情報に応じてアレイアンテナを制御して周辺基地局のうち自らにビームを伝送する基地局に向かってビームを形成し、該当基地局とチャネルを形成してデータを送受信する(S1240)。
【0081】
データ結合部250は周辺の複数の基地局に対してアンテナ制御部240によってビームの形成が変更されながらそれぞれの基地局からデータが受信される場合、受信されるデータに対して重複されるか不必要なデータをバッファリングし(S1250)、少なくとも一つの基地局から受信されたデータをコヒーレント結合する(S1260)。
【0082】
図13は、本発明の実施例による基地局制御装置による制御方法を示すフローチャートである。
【0083】
図4及び
図13を参照すると、基地局情報受信部310は移動端末機200のサービング基地局を介して移動端末機200の周辺に位置する少なくとも一つの基地局に対する情報を受信する(S1310)。移動端末機200周辺の基地局に対する情報にはそれぞれの基地局の識別番号、それぞれの基地局の周辺にある他の移動端末機に対する情報、それぞれの基地局と異なる移動端末機との間のビーム伝送情報などが含まれる。
【0084】
アクティブセット決定部320は、基地局情報受信部310を介して受信した基地局情報に基づいて移動端末機200周辺の複数の基地局に対するアクティブセットを決定する(S1320)。即ち、アクティブセット決定部320は移動端末機200周辺の基地局のうち移動端末機200にデータ送受信のための無線チャネルを提供する基地局を決定する。
【0085】
スケジューリング部330はアクティブセット決定部320によって決定されたアクティブセットに含まれた基地局に対して移動端末機200へのビーム伝送をスケジューリングし、アップリンク/ダウンリンクに対する資源情報を割り当てる(S1330)。この際、スケジューリング部330はスロット単位の時分割に分割されたフレームを利用してアクティブセットに含まれたそれぞれの基地局が同じスロットにデータを伝送しないようにビーム伝送をスケジューリングし、それぞれの資源情報を割り当てる。
【0086】
アンカー基地局決定部350は、アクティブセットに含まれた基地局のうちいずれか一つをアンカー基地局として決定する(S1340)。この際、アンカー基地局決定部350は移動端末機200に対するサービング基地局をアンカー基地局として決定するか、アクティブセットに含まれた基地局のうち移動端末機200に最も先にアップリンク/ダウンリンクに対する資源情報を伝送する基地局がアンカー基地局として決定する。この場合、スケジューリング情報伝送部340はアンカー基地局を介して移動端末機200の周辺基地局に対するスケジューリング情報及び資源割当情報を移動端末機200に伝送する(S1360)。
【0087】
又は、スケジューリング情報伝送部340はアンカー基地局を決定する代わりにアクティブセットに含まれた各基地局を介して該当基地局と移動端末機200との間の通信に使用される各資源情報をそれぞれ伝送するように具現されてもよい。この場合、スケジューリング情報伝送部340はアクティブセットに含まれた基地局に対して該当移動端末機に最も先に資源情報を伝送する基地局を基準基地局として決定し(S1350)、アクティブセットに含まれた基地局のうち基準基地局を除いた残りの基地局に対しては設定された時間だけオフセットして順次に資源情報を伝送するように制御する(S1360)。この際、基準基地局として決定された基地局に対する情報はアクティブセットに含まれた残りの他の基地局の間で共有されることが好ましく、基準基地局のIDに基づいてIDが増加する順番又は減少する順番に順序が決定される。
【0088】
又は、スケジューリング情報伝送部340はアンカー基地局決定部350によって決定されたアンカー基地局を介してアクティブセットに含まれた各基地局に対するスケジューリング情報及び資源割当情報を伝送し、アンカー基地局を除いたそれぞれの基地局に対して基準基地局を決定した後(S1350)、該当基地局と移動端末機200との間の通信に使用される資源情報をアンカー基地局と重複して上述した方法に従って順次に伝送するように具現されてもよい(S1360)。
【0089】
一方、本発明の詳細な説明では具体的な実施例に関して説明したが、本発明の範囲を逸脱しない範囲内で多様な変形が可能であることはもちろんである。よって、本発明の範囲は説明された実施例に限って決められてはならず、後述する特許請求の範囲だけでなく、この特許請求の範囲と均等なものによって決められるべきである。
【符号の説明】
【0090】
100 基地局
200 移動端末機
210 アレイアンテナ
220 基地局検索部
230 資源情報受信部
240 アンテナ制御部
250 データ結合部
300 制御部
310 基地局情報受信部
320 アクティブセット決定部
330 スケジューリング部
340 スケジューリング情報伝送部
350 アンカー基地局決定部