特許第6392203号(P6392203)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6392203少なくとも2つの層を有する非緻密焼結セラミック成形体の製造プロセス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6392203
(24)【登録日】2018年8月31日
(45)【発行日】2018年9月19日
(54)【発明の名称】少なくとも2つの層を有する非緻密焼結セラミック成形体の製造プロセス
(51)【国際特許分類】
   C04B 35/64 20060101AFI20180910BHJP
   C04B 35/486 20060101ALI20180910BHJP
   C01G 25/00 20060101ALI20180910BHJP
   A61C 13/083 20060101ALI20180910BHJP
【FI】
   C04B35/64
   C04B35/486
   C01G25/00
   A61C13/083
【請求項の数】8
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-506214(P2015-506214)
(86)(22)【出願日】2013年4月16日
(65)【公表番号】特表2015-518460(P2015-518460A)
(43)【公表日】2015年7月2日
(86)【国際出願番号】EP2013057917
(87)【国際公開番号】WO2013156483
(87)【国際公開日】20131024
【審査請求日】2016年2月24日
(31)【優先権主張番号】12164282.1
(32)【優先日】2012年4月16日
(33)【優先権主張国】EP
(31)【優先権主張番号】61/644,055
(32)【優先日】2012年5月8日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512208394
【氏名又は名称】ヴィタ ツァーンファブリーク ハー. ラオテル ゲーエムベーハー ウント コー カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】トーライ ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】ドルン ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】ゴディケル ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】ティエル ノルベルト
【審査官】 浅野 昭
(56)【参考文献】
【文献】 特表平11−502806(JP,A)
【文献】 独国特許出願公開第102006024489(DE,A1)
【文献】 特開2004−035332(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C04B 35/00−35/84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の層を形成する第1の粉末状セラミック材料を、少なくとも第2の層を形成する少なくとも第2の粉末状セラミック材料と接触させることであって、
前記第1の粉末状セラミック材料には、前記第1の粉末状セラミック材料より粒度が小さい少なくとも1つの成分が混合されており、
前記第1の粉末状セラミック材料の予備焼結温度Tは、前記少なくとも第2の粉末状セラミック材料の予備焼結温度Tより高く、
前記第1の粉末状セラミック材料は収縮曲線Sを有し、前記第2の粉末状セラミック材料は収縮曲線Sを有し、前記少なくとも1つの成分は収縮曲線Sを有し、
前記収縮曲線Sのコースは、前記収縮曲線Sのコースと異なり、前記収縮曲線Sは前記収縮曲線Sより高温側にシフトしていること;並びに、
前記第1の層及び前記少なくとも第2の層を、前記予備焼結温度Tより低く且つ前記少なくとも1つの成分の予備焼結温度T以上である予備焼結温度Tでの共通温度処理に供して、理論密度まで進行していない焼結段階に留まる焼結を生じさせること、
を含み、
予備焼結温度T、T、及びTは、それぞれ、前記第1の粉末状セラミック材料、前記第2の粉末状セラミック材料、及び前記少なくとも1つの成分の、理論密度への緻密焼結が起こる対応する焼結温度より低い温度を意味し、
前記予備焼結温度Tが850℃〜1250℃の範囲内である
少なくとも2つの層を有する歯科用非緻密焼結セラミック成形体の製造方法
【請求項2】
前記第1の粉末状セラミック材料がイットリウム安定化ジルコニアを含む、請求項1に記載の製造方法
【請求項3】
前記第2の粉末状セラミック材料が、着色されたイットリウム安定化ジルコニアを含む、請求項1または2に記載の製造方法
【請求項4】
前記第1の粉末状セラミック材料と混合される前記少なくとも1つの成分が、前記第1の粉末状セラミック材料よりBET表面積が高い、請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法
【請求項5】
予備焼結温度Tが900℃〜1300℃の範囲内である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造方法
【請求項6】
予備焼結温度Tが850℃〜1200℃の範囲内である、請求項1〜のいずれか一項に記載の製造方法
【請求項7】
得られた前記歯科用非緻密焼結セラミック成形体を成形プロセスにより更に加工する、請求項1〜のいずれか一項に記載の製造方法
【請求項8】
請求項1〜のいずれか一項に記載の製造方法によって得ることができる成形体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも2つの層を有する非緻密(non−dense)焼結セラミック成形体の製造プロセスおよび本発明に係るプロセスによって得ることができる成形体に関する。
【背景技術】
【0002】
ガラスセラミック修復物の使用は、特に口の領域中における、歯科欠陥の修復に有効であることが証明されている。このような修復物は安定化ジルコニアからできたものと比べて強度が低いので、これらの材料は審美的要件を満たすものの、ブリッジの製造または咀嚼障害(ブラキシズム)の患者の回復には適応されない。臼歯部ブリッジまたはクラウンの製造には、高強度材料の足場材を製造することが普通であり、これをその後、ガラスセラミック層で表面仕上げする必要がある。完全に解剖学的なクラウンまたは最小限簡素化したクラウンをCAD/CAM技術で作製する場合、得られたブランクはグレージングされるか薄い化粧層が設けられるだけである。これは、鋳造クラウンの代替物であり、可能であれば修復物と見なすべきでない。しかし、このためには、天然歯の色のグラジエントをできるだけ正確に再現するために、クラウンは単色ではなく、歯頚から切縁/咬合面へ向かって暗い色から明るい色になる色のグラジエントとなる複数色のデザインでなければならない。
【0003】
ジルコニア製品は、比較的曲げ強度が高いため、特に歯科用として、確立されている。しかし、歯科用途の一般的なジルコニア材料は単色であり、色が薄いのですぐに修復物であることが分かる。したがって、修復物が残りの歯と審美的に合うように、一般的ジルコニア材料から作製されたクラウン形成用コーピングは常に表面仕上げの必要がある。自然な着色を達成するために、多孔質モノリシックジルコニア修復物を、着色液を用いて患者それぞれの状態に合致させる。多孔質モノリシックジルコニア修復物は、予め単色で着色されてもよい。
【0004】
欧州特許公開第1859757(A)号は、ZrO系組成物;酸化セラミックス製の単色および複数色のブランク;(a)酸化セラミック粉末を着色物質でコーティングし、(b)コーティングされた粉末を好ましくは分級し、少なくとも1つの着色された粉末を圧縮型に充填し、(c)着色された粉末を圧縮して成形体にし、(d)圧縮された成形体をブランクへと焼結する、その製造プロセス;ならびに歯科修復物を製造するためのそのようなブランクの使用を開示している。
【0005】
欧州特許公開第1859758(A)号は、予め決められた第1の光学的特性を有する少なくとも1つのセラミック組成物、予め決められた第2の光学的特性を有する少なくとも1つの第2のセラミック組成物、および前記少なくとも2つのセラミック組成物が様々にブレンドして構成される2つのセラミック組成物間の遷移領域からなり、前記ブレンドの変化のグラジエントが本質的に一定であるセラミック組成物のブロック体、特に長石ベースの歯科用組成物のブロック体、を開示している。
【0006】
欧州特許公開第1900341(A)号は、積層を有し、特に長石セラミックスからなる、歯科補綴製造用の複数色の成形体を開示しており、ここでは、色の異なる少なくとも2つの連続層、および色の異なる少なくとも2つの連続する主層間に位置する色の異なる少なくとも2つの中間層を有し、これら中間層の間では主層間の色の変化方向とは反対の方向で色の変化が生じている。
【0007】
国際公開第2007/137696(A)号は、それぞれがセラミック粉末を含む少なくとも2つの異なる成形粉混合物と、着色用金属化合物および/または着色顔料とからなり、これらが圧縮されて未焼結体(green body)を形成している、未焼結体を開示している。未焼結体セラミックスは、色傾斜を有する歯科セラミックス(ブランク)として特に好ましく、これはオールセラミック修復物として機能する。粉末混合物は、ジルコニア顆粒およびケイ酸ジルコニウム材料からなっていてもよく、この場合、ケイ酸ジルコニウムが化学構造を変化させ、機械的特性(例えば、3点曲げ強度)を低下させる。
【0008】
ジルコニア顆粒の着色には、例えば酸化鉄が用いられる。これらまたは類似の添加物は、焼結活性を変化させるので、焼結の挙動に影響を与える。したがって、より強く着色された領域は、同じ温度での収縮または密度が、より弱く着色された領域と異なり得る。この焼結挙動のばらつきのため、加工性を向上させるために理論密度に達する前に焼結プロセスを停止した場合、元々の形状の変化が引き起こされることは免れられない。
【0009】
基本的に、着色されたおよび着色されていないジルコニア顆粒を混合することにより、有色積層形状の作製または3次元グラジエントの作成が可能になる。CAD/CAM技術による加工の際には、良好な切削性を確保するためには、そのようなブロックまたはディスクを特定の温度で予備焼結することが必要である。予備焼結は本質的に、理論密度にできるだけ近い最後の緻密焼結(dense sintering)への途中の中間段階に相当する。しかし、複数色ブロックの予備焼結には、上記中間段階においてより明るい領域とより暗い領域との間で焼結歪みが生じるので、問題がある。この歪みは、主に着色成分の割合による異なる焼結活性によって生じる。しかし、緻密焼結で達成されるような層の最終焼結密度はほとんど同じであるので、切削された対象は中間段階から最終段階で再度歪む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
今日まで、ジルコニアブランクが多孔質焼結状態で後に加工できるようなやり方で、ジルコニアブランク中に色のグラジエントを作製できるようにする解決法は知られていない。
【0011】
確かに、事前に焼結歪みを決定し、CAMソフトウェアにより加工中の補正を計算することにより、問題を回避することは基本的には可能であろう。しかし、この方法は、アンダーカットがある場合、CAMマシンの移動経路(travel path)の限界に達するので、実際には実行可能でない。また、この方法では本発明の目的は達成されない。
【0012】
加工が可能である中間段階ならびに最終密度で、すなわち加工および緻密焼結の後で、有色または無色のジルコニアの粉末または顆粒が歪みを示さないようにするよう、前記有色または無色のジルコニアの粉末または顆粒を調節することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0013】
層を形成する第1の粉末状セラミック材料を、少なくとも第2の層を形成する少なくとも第2の粉末状材料と接触させ;
前記第1の粉末状材料の予備焼結温度Tは、前記少なくとも第2の粉末状セラミック材料の予備焼結温度Tより高く;
前記少なくとも第1の粉末状セラミック材料の収縮曲線Sのコースは、前記少なくとも第2の粉末状材料の収縮曲線Sのコースと異なり、収縮曲線Sは収縮曲線Sより高温側にシフトしており;
前記複数の層を、予備焼結温度Tより低く且つ少なくともTと等しい予備焼結温度Tでの共通温度処理に供して、理論密度まで進行していない焼結段階に留まる焼結を生じさせ;
収縮曲線Sを有し、材料が前記粉末状セラミック材料と混和性(Compatible)である−すなわち第1の粉末状セラミック材料より粒度が小さい−少なくとも1つの成分が前記第1の粉末状セラミック材料中に混合されていることで収縮曲線Sが改変され、それにより予備焼結温度Tの領域中で収縮曲線SおよびSが同等化されている、
少なくとも2つの層を有する非緻密焼結セラミック成形体を製造するためのプロセス、によって本発明の目的は達成される。
【0014】
補償用粉末の混和性は、使用される成分の粒度に依存する。これらの異なる粉末を混合および加圧することで、焼結または予備焼結された構造が細孔または不均質性によって乱されることが無くなる。
【0015】
本発明に係るプロセスの利点は、とりわけ、光学的特性を所望の方向に制御することが可能でありながら、既知材料の関連する特性が維持されることにある。したがって、例えば、ほぼいくつでも異なる着色層を有するブロックをデザインすることができる。更に、連続混合法により、およびほんの数色の出発色を用いることにより、複数色ブロックを製造することもできる。この場合、色の階調は連続的グラジエントとしてもよい。
【0016】
本発明に係るプロセスは、イットリウム安定化ジルコニウム層の着色を可能にし、これを積層ブロックとすることができる。したがって、使用者は、単色の歯科補綴または歯科置換足場材にそれぞれ既に広く使用されているものと同じ出発材料をジルコニアでできた修復物に使用できる可能性を手にする。物理的特性は、既成製品と比べて本質的に変わらない。足場材の着色または足場材の表面仕上げ等の面倒なまたは時間のかかる作業を最小限に軽減するか不要にすることができる。製造すべき修復物のカラーバリエーションは、前記プロセス用に設計されたソフトウェアを用いたシミュレーションにより規定することができる。CAD/CAMで修復物を作製し、緻密焼結へと焼結プロセスを行った後、所望であれば、グレーズ層を設けることができる。
【0017】
本発明に係るプロセスの一実施形態では、第1の粉末状セラミック材料は例えばTZ−3YSB−Cの名称で日本の東ソー株式会社から顆粒として市販されているイットリウム安定化ジルコニアを含む(曲線S、T)。
【0018】
本発明に係るプロセスの更なる実施形態では、少なくとも第2の粉末状セラミック材料は、第1の粉末状セラミック材料よりも強力な着色を示すイットリウム安定化ジルコニアを含む。少なくとも第2の粉末状セラミック材料は例えばTZ−Yellow−SB−Cの名称で日本の東ソー株式会社から顆粒として市販されている(曲線S、T)。
【0019】
本発明に係るプロセスの別の実施形態では、第1の粉末状セラミック材料中に混合される成分は例えばTZ−PX−242AまたはZpexの名称で日本の東ソー株式会社から入手可能な顆粒である(曲線S、T)。
【0020】
特に、本発明に係る予備焼結温度Tは900〜1300℃、特に950〜1150℃、1000〜1100℃、または1040〜1080℃の範囲内であり、Tは850〜1250℃の範囲内であり、且つ/またはTは800〜1200℃の範囲内である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】3種類の異なる材料の焼結中の収縮挙動を模式的に示す図である(3つの収縮曲線で表す)。
図2】本発明に係る3層ブロックを模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に本発明を更に詳細に説明する。図1は、第1および第2の粉末状セラミック材料の焼結中の曲線S、Sのコースを模式的に示す図である。第1および第2の粉末状セラミック材料の予備焼結温度をTおよびTで表す。「予備焼結温度」とは、理論密度へのまたは理論密度の非常に近くへの緻密焼結が起こるそれぞれの材料の対応する焼結温度より低い温度を意味する。第1の粉末状セラミック材料と混和性である成分の収縮曲線を図1中でSで表す。Tは成形体を形成する複数層が共通温度処理に供されて多孔質焼結成形体を形成する、予備焼結温度である。
【0023】
例えば、第1の粉末状セラミック材料は白色であるかわずかに着色されるのみで、第2の粉末状セラミック材料は、粒度が第1の粉末状セラミック材料の範囲である、より強力に着色された粉末状セラミック材料を表す。第3の曲線Sは、第1の粉末状セラミック材料より粒度が小さい。2つの粉末状セラミック被削材の収縮曲線SおよびSは、第1および第2層の不都合な歪みが起こるほどに大きく異なる。
【0024】
驚くべきことに、第1の粉末状セラミック材料と混和性である収縮曲線Sの成分を第1の粉末状セラミック材料に混合することにより、その収縮曲線Sを、選択された予備焼結温度の範囲内で第2の粉末状セラミック材料の収縮曲線Sと同等化することができ、あるいは同一の収縮曲線を達成することさえできる。収縮曲線Sのシフトは、第1の粉末状セラミック材料と混和性である成分の混合レベルに依存する。曲線Sの成分の混和性は、第1の粉末状セラミック材料よりその粒度が小さいことに関連する。特に、2つの材料の粒度の差は少なくとも5%、特に10%以上、20%以上、または30%以上でさえあり、例えば40%である。
【0025】
第1の粉末状セラミック材料と混和性である前記成分は、例えば、特に6〜7%のイットリアに加えて、1%未満のアルミナと、微量のシリカと、顔料としての酸化鉄とを含み、アルミナが第1の粉末状セラミック材料より少ないジルコニア材料であり得る。この成分の粒子サイズは第1の粉末状セラミック材料より小さく、典型的には、成分の粒子サイズは、粒子サイズが80〜100nmの範囲内である第1の粉末状セラミック材料の粒子サイズの約半分である。混合される成分のBET値は第1の粉末状セラミック材料のBET値の約2倍である。混合される成分の典型的なBET値は11〜15m/gである。そのような材料は市販されており、混合される成分は日本の東ソー株式会社からTZ−PX−242AまたはZpexの名称で、第1の粉末状セラミック材料は日本の東ソー株式会社からTZ−3YSB−Cの名称で販売されている。成分2を形成する材料は、本発明に係る少なくとも第2の粉末状セラミック材料であり、第1の粉末状セラミック材料と比べて、典型的には酸化鉄の形態でより高度に着色される。酸化鉄は黄色がかった色をしている。
【0026】
特別な第1および第2の粉末状セラミック材料の特性を以下の表に示す。
【0027】
【表1】
【0028】
第1の粉末状セラミック材料と混和性である成分を、本発明により所望されるように収縮曲線を同等化する効果を達成するために、第1の粉末状セラミック材料と25重量%〜50重量%(特に30〜40重量%)の範囲内の割合で混合する。
【0029】
本発明に係る成形体は、本発明に係るプロセスを適用することにより製造することができ、有利なことに、予備焼結完了後の焼結歪みによる歪みを示さず、その結果、この多孔質焼結状態の成形体は、材料除去によって加工することができ、緻密焼結後の如何なる歪みも生じない。
【0030】
図2a〜d中の3層積層体中に、層組成およびCIE−Labカラーシステムによる個々の層の色値に関する情報と共に、本発明に係る成形体が模式的に表されている。図2aの成分1は、第1の層1を形成する粉末状セラミック材料であり、白色顆粒、例えば日本の東ソー株式会社から市販されているTZ−3YSB−CおよびTZ−PX−242A、からなる混合物である。中間層2は、成分1と成分2の混合物から形成される。成分2はより強く黄色/茶色に着色された顆粒であり、例えばTZ−Yellow−SBCである。図2aに係る実施形態では、層2は、80%の成分1および20%の成分2の混合物からなる。中間層3は、60%/40%の割合の成分1と2の混合物から形成される。図2b〜dに示されている更なる実施形態はそれぞれより強い着色を特徴とする。
【0031】
本発明に係る成形体は、第1の粉末状セラミック材料を、この材料と混和性である成分とよく混合することにより有利に製造される。混合された材料を型に充填し、形成層を平滑化した後、成分1と成分2の混合物の第2の層で覆う。このステップを繰り返して第3の層を形成する。材料を圧力下(典型的には100〜200MPa)で圧縮した後、型から取り出す。
【0032】
これに続けて、温度を上げる焼結プロセスを行う。昇温は、得られる成形体が容易に機械加工できるように選択された温度で停止され、加工後に緻密焼結に供される。予備焼結温度は800〜1200℃、特に950〜1150℃、1000〜1100℃、または1040〜1080℃の範囲内である。
【0033】
機械加工を容易化するために、本発明に係る成形体に、CAD/CAMマシン内でブロックを固定するのに適した当業者に公知の関連する要素を付与する。
【0034】
本発明に係るプロセスの更なる実施形態では、得られる多孔質焼結成形体は成形プロセスによって更に加工される。
【0035】
本発明は更に、本発明に係るプロセスによって得ることができる成形体に関する。有利なことに、各層の寸法は多孔質焼結において安定している。
【実施例】
【0036】
実施例1
成分1は、日本の東ソー株式会社製TZ−3YSB−C(T:約1076℃) 650gと日本の東ソー株式会社製TZ−PX−242A(T:約1038℃) 350gを、バッハオーフェン社(Bachofen)のミキサーであるタイプDynaMix(登録商標) CM200(またはCM100、CM500、CM1000)を用いてよく混合することにより得られる。軸圧縮法(axial compression method)を用いた成形では、当業者に公知の充填ユニットを用いて成分1をスタンパーに充填する。充填ユニットを引き離すことにより層を型中に均一に広げる。典型的には、かさ密度は圧縮された密度より低いので、層の厚さは最終製品の所望の層の厚さより厚く、使用される原材料に依存する。典型的には、粉末の充填層の厚さは、前記成分が圧縮された場合の対応する層厚の2.318倍であり、14.88mmである。この層の上に、80重量%の成分1と日本の東ソー株式会社製TZ−Yellow−SBCからなる20重量%の成分2との混合物22.29gを適用する。第2層が充填された後、これも平滑化し、その後、60重量%:40重量%の混合比でよく混合された成分1および2からなる第3の層で覆う。任意に、再度平滑化を行う。その後、型中の積層構造を200〜165MPaの圧力下で密度3.13g/cmに圧縮する。
【0037】
圧縮された成形体を取り出した後、これを温度(T)が1060℃に達するまで焼結に供する。CAD/CAM法を用いて成形体をマルチユニットブリッジへと加工することができる。得られたブリッジを1530℃の温度で緻密焼結する。
【0038】
個々の層の対応する色を図2aに見ることができる。
【0039】
焼結されたブロックに保持部材を付与する。これは、ブロックと保持部材を接着結合することにより実現される。センタリングデバイスを用いて、基礎床(base plate)中に固定された保持部材上に多孔質セラミック成分を置き接着剤を塗布することにより固定する。
【0040】
実施例2
以下の成分1および2の混合比を用いて図2b〜2dに示されるブロックを実施例1と同様に製造した。
【0041】
【表2】
【0042】
製造プロセス中の所望の予備焼結温度を達成し、本発明に係る成形体を得るために第1の粉末状セラミック材料と混和性である成分を第1の粉末状セラミック材料と混合することができる量の範囲を以下の表に示す。
【0043】
【表3】
図1
図2