特許第6392249号(P6392249)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6392249
(24)【登録日】2018年8月31日
(45)【発行日】2018年9月19日
(54)【発明の名称】無線リンクの確立
(51)【国際特許分類】
   H04W 8/00 20090101AFI20180910BHJP
   H04W 76/14 20180101ALI20180910BHJP
   H04W 92/18 20090101ALI20180910BHJP
【FI】
   H04W8/00 110
   H04W76/14
   H04W92/18
【請求項の数】12
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2015-557348(P2015-557348)
(86)(22)【出願日】2014年2月7日
(65)【公表番号】特表2016-511993(P2016-511993A)
(43)【公表日】2016年4月21日
(86)【国際出願番号】EP2014000328
(87)【国際公開番号】WO2014124739
(87)【国際公開日】20140821
【審査請求日】2015年10月1日
(31)【優先権主張番号】13305175.5
(32)【優先日】2013年2月15日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】391030332
【氏名又は名称】アルカテル−ルーセント
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(74)【代理人】
【識別番号】100114915
【弁理士】
【氏名又は名称】三村 治彦
(74)【代理人】
【識別番号】100120363
【弁理士】
【氏名又は名称】久保田 智樹
(74)【代理人】
【識別番号】100125139
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 洋
(72)【発明者】
【氏名】ウォン,シン,ホーン
(72)【発明者】
【氏名】パドル,ニコラ
(72)【発明者】
【氏名】ブレンド,グラハム,アール.
(72)【発明者】
【氏名】ワーナー,ジョージ,エム.
【審査官】 青木 健
(56)【参考文献】
【文献】 特表2011−505089(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0140745(US,A1)
【文献】 特開平10−308697(JP,A)
【文献】 特開2003−229782(JP,A)
【文献】 特開2002−044003(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00 − 99/00
H04B 7/24 − 7/26
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤレス通信ネットワークの内部で、直接無線リンクを経由して他のユーザ機器と通信するように構成されたユーザ機器の間の関連付けを確立する方法であって、
直接無線リンクを経由して通信するように構成された前記ユーザ機器のうちの1つにおいて、前記他のユーザ機器のうちの1つからのビーコン信号の受信について監視するステップと、
そのようなビーコン信号が受信される場合に、前記受信されたビーコン信号を送信する前記ユーザ機器との関連付けを確立するために、前記ビーコン信号の受信について、前記受信されたビーコン信号を送信する前記ユーザ機器に通知するステップと、
ビーコン信号が受信されない場合に、ビーコン信号の送信を開始するステップ、および前記送信されたビーコン信号が、前記通知の送信のための役割を担う前記他のユーザ機器との関連付けを確立するために、前記他のユーザ機器のうちの1つによって受信されているという通知の受信について監視するステップと
を含み、さらに、
ビーコン信号を送信するユーザ機器は、それが、関連付けを確立している相手のユーザ機器にビーコン信号の送信を開始するように指示するステップと、
ビーコン信号を受信する前記ユーザ機器と、前記ビーコン信号を送信する前記ユーザ機器との間の前記確立された直接無線リンクの無線状態のインジケータを交換するステップを含み、
ビーコン信号を受信する前記ユーザ機器と、前記ビーコン信号を送信する前記ユーザ機器との間の前記確立された直接無線リンクの無線状態の前記インジケータが、エッジ判断基準を満たす場合、すなわち、前記ビーコン信号を受信する前記ユーザ機器が前記信号をビーコン信号カバレッジのエッジに到達することを示す強度で受信する場合、ビーコン信号を受信する前記ユーザ機器は、前記ビーコン信号を送信する前記ユーザ機器によって、それ自体のビーコン信号の送信を開始するように指示される、方法。
【請求項2】
前記関連付けは、ビーコン信号を受信する前記ユーザ機器と、前記ビーコン信号を送信する前記ユーザ機器との間の直接無線リンクの確立を含んでいる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記関連付けは、前記ビーコン信号を送信する前記ユーザ機器によって保持されるユーザ機器クラスタ・リストのメンバーシップを含んでおり、前記クラスタ・リストは、前記ビーコン信号を送信する前記ユーザ機器が、直接無線リンクを有する相手のユーザ機器のリストを含んでいる、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
無線状態の前記インジケータが、リンク保持判断基準を満たすかどうかを決定するステップと、そうでない場合に、ビーコン信号を受信する前記ユーザ機器と、前記ビーコン信号を送信する前記ユーザ機器との間の前記確立された関連付けを終了させるステップとを含む、請求項に記載の方法。
【請求項5】
前記ビーコン信号を送信する前記ユーザ機器によって保持されるクラスタ・リストの内部で直接無線リンクを経由して他のユーザ機器と通信するように構成されたユーザ機器の間の直接無線リンク通信は、前記ビーコン信号を送信する前記ユーザ機器を経由して前記クラスタ・リストの内部のユーザ機器の間でルーティングされる、請求項1乃至のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
関連付けの前記確立は、前記ビーコン信号を送信する前記ユーザ機器との直接無線リンクの確立を要求するステップと、前記要求された直接無線リンクの確立の確認を待つステップとを含む、請求項1乃至のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記要求は、前記受信するユーザ機器における受信されたビーコン信号の強度の表示を含んでいる、請求項に記載の方法。
【請求項8】
関連付けの前記確立は、前記ビーコン信号を送信する前記ユーザ機器から、前記クラスタ・リストに含まれるユーザ機器に関する情報を受信するステップを含む、請求項1乃至のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記他の機器のうちの1つからのビーコン信号の受信について監視するステップは、前記他の機器のうちの1つからの選択されたユーザ・タイプ・シグネチャを含むビーコン信号について監視するステップを含む、請求項1乃至のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記ビーコン信号は、ランキングの表示を含んでおり、また万一複数のビーコン信号が、ユーザ機器において受信されるという場合には、前記方法は、ビーコン信号に関連するランキングの前記表示を評価するステップと、最高のランキングを有する前記受信されたビーコン信号を送信する前記ユーザ機器との関連付けを確立するために、前記ビーコン信号の受信について、前記最高のランキングを有するように評価される前記受信されたビーコン信号を送信する前記ユーザ機器に通知するステップとをさらに含む、請求項1乃至のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
コンピュータの上で実行されるときに、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の方法を実行するように動作可能なコンピュータ・プログラム。
【請求項12】
ワイヤレス通信ネットワークの内部で、直接無線リンクを経由して他のユーザ機器との関連付けを確立するように動作可能なユーザ機器であって、
前記他のユーザ機器からのビーコン信号の受信について監視するように構成された監視ロジックと、
そのようなビーコン信号が受信される場合に、前記受信されたビーコン信号を送信する前記ユーザ機器との関連付けを確立するために、前記ビーコン信号の受信について、前記受信されたビーコン信号を送信する前記他のユーザ機器に通知するように構成された通知ロジックと、
ビーコン信号が受信されない場合に、前記通知の送信のための役割を担う前記他のユーザ機器との関連付けを確立するために、ビーコン信号の送信を開始し、また前記送信されたビーコン信号が、前記他のユーザ機器によって受信されているという通知の受信について監視するように構成された送信および受信のロジックと、
前記ユーザ機器がビーコン信号を送信している場合、それが、関連付けを確立している相手のユーザにビーコン信号の送信を開始するようにユーザ機器を割り当て、または指示する制御ロジックと
ビーコン信号を受信する前記ユーザ機器と、前記ビーコン信号を送信する前記ユーザ機器との間の前記確立された直接無線リンクの無線状態のインジケータを交換する無線状態ロジックとを備え
ビーコン信号を受信する前記ユーザ機器と、前記ビーコン信号を送信する前記ユーザ機器との間の前記確立された直接無線リンクの無線状態の前記インジケータが、エッジ判断基準を満たす場合、すなわち、前記ビーコン信号を受信する前記ユーザ機器が前記信号をビーコン信号カバレッジのエッジに到達することを示す強度で受信する場合、ビーコン信号を受信する前記ユーザ機器は、前記ビーコン信号を送信する前記ユーザ機器によって、それ自体のビーコン信号の送信を開始するように指示される、ユーザ機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイヤレス通信ネットワークの内部で、直接無線リンクを経由して他のユーザ機器と通信するように構成されたユーザ機器の間の関連付けを確立する方法、その方法を実行するように動作可能なコンピュータ・プログラム製品およびユーザ機器に関する。
【背景技術】
【0002】
ワイヤレス電気通信ネットワークのコンポーネントは、一般的に、ワイヤレス電気通信ネットワークを通してローミングするユーザ機器を含んでいる。無線カバレッジのエリアをサポートする基地局、例えば、eノードB(eNodeB)が、提供される。いくつかのそのような基地局が、提供され、また地理的に分散されて、ユーザ機器に対する広域のカバレッジを提供する。
【0003】
ユーザ機器が、基地局によってサービスされる無線カバレッジのエリアの内部にあるときに、通信は、関連する無線リンクの上で、ユーザ機器と、基地局との間で確立されることもある。各基地局は、一般的に、サービスの地理的エリアの内部で、いくつかのセクタをサポートする。
【0004】
ネットワークの内部の無線カバレッジは、ユーザ機器の間で通信を確立する困難をもたらす可能性があるいくつかの状況においては、信頼できないこともある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様は、ワイヤレス通信ネットワークの内部で、直接無線リンクを経由して他のユーザ機器と通信するように構成されたユーザ機器の間の関連付けを確立する方法であって、直接無線リンクを経由して通信するように構成されたユーザ機器のうちの1つにおいて、他のユーザ機器のうちの1つからのビーコン信号の受信について監視するステップと、そのようなビーコン信号が受信される場合に、受信されたビーコン信号を送信するユーザ機器との関連付けを確立するために、ビーコン信号の受信について、受信されたビーコン信号を送信するユーザ機器に通知するステップと、ビーコン信号が受信されない場合に、ビーコン信号の送信を開始するステップ、および送信されたビーコン信号が、その通知の送信のための役割を担う他のユーザ機器との関連付けを確立するために、他のユーザ機器のうちの1つによって受信されているという通知の受信について監視するステップとを含む方法を提供している。
【0006】
第1の態様は、ワイヤレス電気通信ネットワークの内部のユーザ機器が、送信デバイスおよび受信デバイスとして動作可能であり、また無線リンクの上の通信が、中央集中された意思決定プロセスを有するネットワークと、関連するコア・アーキテクチャとによって最も効果的に監督されることもあるが、ユーザ機器が、それらが直接無線リンクを経由して通信することができるように動作可能とするために、好都合とすることができる場合が存在することもあることを認識している。類似して構成された他のユーザ機器と通信するように動作するように構成される場合、あるエリアにおいて動作する他のユーザ機器に対する効率的な、また最小限に破壊的なやり方で、そのような直接通信リンクを確立することが必要であろう。第1の態様は、その方法に従って、あるエリアにおける必ずしもすべてのユーザ機器が、それらの存在について、そのエリアにおける他のユーザ機器に通知するビーコンを送信するように動作する必要があるとは限らない方法を提供している。それら自体のビーコンを送信する前に、ビーコンの受信について監視することにより、ユーザ機器は、ある領域において引き起こされる干渉を低減させることができ、また、例えば、それ自体のバッテリ寿命が節約されることを保証することができる。
【0007】
第1の態様による方法を実行するように動作可能なユーザ機器は、すべてが、直接無線通信リンクを確立するように動作するように構成されたユーザ機器のクランプ(clumps)またはクラスタ(clusters)を自律的に形成することができる。そのようなクラスタのサイズは、ユーザ機器によって送信されるビーコン信号の送信強度によって制限され得ることが、理解されるであろう。ビーコン信号が、別のユーザ機器によって成功裏に受信されるように十分に強くない場合、そのユーザは、それ自身、別のユーザとの直接通信リンクを確立することを期待して、ビーコン信号を送信することを開始することになる。
【0008】
一実施形態においては、関連付けは、ビーコン信号を受信する前記ユーザ機器と、前記ビーコン信号を送信する前記ユーザ機器との間の直接無線リンクの確立を含んでいる。その直接無線リンクは、例えば、連続している無線リンクを含むことができ、メッセージングが、絶えず、2つの関連するユーザ機器の間で、渡されており、または、例えば、不連続的な無線リンクを備えていることができることを意味している。例えば、いくつかの態様および実施形態においては、ビーコン・ホルダーは、選択された不連続的な送信および/または受信(DTXおよびDRX)のサイクル、D、に従って一次ビーコンを送信するように動作可能とすることができる。ビーコン・ホルダーではない、すなわち、ビーコン信号を送信していないグループの内部のユーザ機器は、ビーコン・ホルダーによって認識される二次ビーコンを送信するように動作可能とすることができる。複数の二次ビーコンが、グループの内部で使用される可能性がある。二次ビーコンは、選択されたDRXサイクルDを有するより低いレートで、送信されることもあり、ここでD>Dである。そのような二次ビーコンが、ビーコン・ホルダーによって使用されて、既存のD2Dグループの内部の非−ビーコン・ホルダーのユーザ機器を保持すべきか、または切り捨てるべきかを決定することができる。不連続的な送信サイクルまたは受信サイクルを使用した、ビーコンの送信は、ビーコンを送信するように動作可能なユーザ機器のバッテリ寿命を節約することを助けることができる。
【0009】
一実施形態においては、関連付けは、前記ビーコン信号を送信する前記ユーザ機器によって保持されるユーザ機器クラスタ・リストのメンバーシップを含んでおり、前記クラスタ・リストは、前記ビーコン信号を送信する前記ユーザ機器が、直接無線リンクを有する相手のユーザ機器のリストを含んでいる。それに応じて、ユーザ機器は、ビーコン信号を送信するユーザ機器の発見のすぐ後に、ビーコン信号ホールディング・ユーザが、関連付けを有する相手のすべての他のユーザ機器の存在を本質的に発見することができる。このようにして、ビーコン・ホルダーが、既に関連づけられている相手のユーザ機器に、その間に直接リンクを生成するように指示し、またはビーコン信号を送信するユーザを経由して、関連する2人のユーザの間の直接通信のための中継としての機能を果たすように動作可能とすることができるので、あるユーザが、ある領域の中のすべての他のユーザ機器との直接リンクを自律的に保持する必要がない可能性もある。同様に、ビーコン信号を送信するユーザは、クラスタ・リストを保持することができ、その結果、それは、ユーザ・デバイスが、デバイス・ツー・デバイス通信モードで動作するように構成されているネットワークの内部のキー・ノードまたは制御ノードとして動作することができる。
【0010】
一実施形態においては、クラスタ・リストは、クラスタの内部のユーザ機器に関する情報をさらに含んでいる。そのような情報は、例えば、UE IDと、UE経路損失と、他の類似したパラメータとを含むことができる。
【0011】
一実施形態においては、本方法は、ビーコン信号を受信するユーザ機器と、ビーコン信号を送信するユーザ機器との間の確立された直接無線リンクの無線状態のインジケータを交換するステップをさらに含んでいる。それに応じて、確立された直接無線リンクに関する情報を監視すること、または評価することにより、ユーザ機器が、2つのユーザ機器の間の関連付けの保持に関するさらなるアクションを実行することが可能である。交換は、非−ビーコン・ユーザが、ビーコン信号を送信するユーザ機器に対して経路損失のインジケータを送信するステップを含むことができる。交換は、ビーコン信号を送信するユーザ機器が、非−ビーコン・ユーザによって経験される経路損失のインジケータを受信するステップを含むことができる。
【0012】
一実施形態においては、ビーコン信号を受信するユーザ機器と、ビーコン信号を送信するユーザ機器との間の確立された直接無線リンクの無線状態のインジケータが、エッジ判断基準を満たす場合、ビーコン信号を受信するユーザ機器は、ビーコン信号を送信するユーザ機器によって、それ自体のビーコン信号の送信を開始するように指示される。それに応じて、
【0013】
一実施形態においては、本方法は、無線状態のインジケータが、リンク保持判断基準を満たすことに失敗するかどうかを決定するステップと、そうでない場合に、ビーコン信号を受信するユーザ機器と、ビーコン信号を送信するユーザ機器との間の確立された関連付けを終了させるステップとをさらに含む。関連付けの終了は、ユーザ機器が、ビーコン信号を受信することをできないようにすることができる。そのような非−ビーコン信号のユーザは、次いで、ビーコン信号の送信を開始し、またデバイス・ツー・デバイス通信可能なユーザ機器の新しい組またはクラスタを確立するように動作可能とすることができる。
【0014】
一実施形態においては、本方法は、無線状態のインジケータが、リンク保持判断基準を満たすことに失敗するかどうかを決定するステップと、そうでない場合に、ユーザ機器が、ビーコン信号カバレッジのエッジに到達することを示す強度で、前記他のユーザ機器のうちの1つから前記ビーコン信号を受信していることを決定するステップ、およびビーコン信号の送信を開始するステップとをさらに含む。
【0015】
一実施形態においては、ビーコン信号を送信するユーザ機器は、それが関連付けを有する相手のユーザ機器に、ビーコン信号を送信することを開始するように指示することができる。それに応じて、バッテリ電力が切れており、または行われているデバイス・ツー・デバイス通信モードを抜け出したいと思っているビーコン・ホルダーは、デバイス・ツー・デバイス機能が、ネットワークのある領域の内部で効率的に保持され得ることを保証する。
【0016】
一実施形態においては、前記ビーコン信号を送信する前記ユーザ機器によって保持されるクラスタ・リストの内部で直接無線リンクを経由して他のユーザ機器と通信するように構成されたユーザ機器の間の直接無線リンク通信は、前記ビーコン信号を送信する前記ユーザ機器を経由して前記クラスタ・リストの内部のユーザ機器の間でルーティングされる。それに応じて、ビーコン信号を送信するユーザ機器は、そのクラスタ・リストの中で各ユーザ機器との直接リンクを保持することができ、またクラスタ・リストの内部のユーザ機器は、ビーコン・ホルダーを経由して中継されるメッセージを経由して互いに連絡を取ることができる。
【0017】
一実施形態においては、関連付けの確立は、前記ビーコン信号を送信する前記ユーザ機器との直接無線リンクの確立を要求するステップと、前記要求された直接無線リンクの確立の確認を待つステップとを含む。それに応じて、直接リンクが、ビーコン信号送信ユーザ機器と、非−ビーコン信号送信ユーザとの間で確立されることもある。適切な関連付け判断基準が、満たされない場合、例えば、ユーザが、既に完全なクラスタ・リストを有している可能性があり、可能性のある直接リンクの報告された強度が、十分に強くない可能性もあり、ユーザが、適切なユーザ・タイプのものでないこともあり、また他の類似した確立判断基準の場合に、関連付けを要求することにより、ビーコン信号送信ユーザは、関連付けの生成を拒絶することができる可能性がある。
【0018】
一実施形態においては、関連付けの確立は、前記ビーコン信号を送信するユーザ機器との直接無線リンクの確立のための要求を受信するステップと、クラスタまたは確立の判断基準が満たされる場合に、要求された直接無線リンクの確立の確認を送信するステップとを含む。
【0019】
一実施形態においては、要求は、受信するユーザ機器における受信されたビーコン信号の強度の表示を含んでいる。強度のそのような表示は、例えば、経験される経路損失の表示を含むことができる。
【0020】
一実施形態においては、関連付けの確立は、ビーコン信号を送信するユーザ機器から、クラスタ・リストに含まれるユーザ機器に関する情報を受信するステップを含んでいる。それに応じて、新しい関連付けを確立するユーザは、ビーコン信号を送信するユーザとの関連付けを既に有しているすべてのユーザ機器に関する情報を受信することができる。一実施形態においては、ビーコン信号を送信するユーザによって、新しい関連付けが行われ、または終了されるたびごとに、ビーコン信号を送信するユーザは、クラスタ・リストにおけるこれらの他のユーザ機器に対して、アップデートされたクラスタ・リストの表示を送信するステップを取ることができる。一実施形態においては、本方法は、前記ビーコン信号を送信するユーザ機器により、前記クラスタ・リストの中に含まれるユーザ機器に関する情報を送信するステップをさらに含んでいる。
【0021】
一実施形態においては、他の機器のうちの1つからのビーコン信号の受信について監視するステップは、他の機器のうちの1つからの不連続的なビーコン信号について監視するステップを含んでいる。それに応じて、ビーコン信号が、連続的に、または不連続的に送信され得ることが、理解されるであろう。不連続的な送信は、電力の節約をもたらすことができる。さらに、一実施形態においては、ビーコン信号の送信を開始するステップは、不連続的なビーコン信号の送信を開始するステップを含んでいる。
【0022】
一実施形態においては、他の機器のうちの1つからのビーコン信号の受信について監視するステップは、他の機器のうちの1つからの選択されたユーザ・タイプ・シグネチャを含むビーコン信号について監視するステップを含んでいる。一実施形態においては、ビーコン信号の送信を開始するステップは、選択されたユーザ・タイプ・シグネチャを含むビーコン信号の送信を開始するステップを含んでいる。態様および実施形態により、ビーコンの内部のシグネチャの符号化は、示されるべきD2Dユーザの「タイプ」、またはD2Dユーザ機器が必要とするサービスのタイプを識別することができるようになる可能性がある。D2D可能なユーザ機器の各タイプは、それゆえに、ビーコンを送信するときに、1組のシグネチャのうちの1つまたは複数を使用することができる。公衆安全オフィサーからの助けを必要とする、緊急時におけるD2D可能なユーザ機器は、そのビーコンの内部で適切なシグネチャをブロードキャストするように動作可能とすることができる。いくつかの実施形態においては、公衆安全オフィサーに属していないユーザ機器は、公衆安全シグネチャを探索するように動作可能ではなく、またそれゆえに、そのようなシグネチャを送信するデバイスとの不必要な無線リンクを確立するように動作可能ではないであろう。同様に、公衆安全オフィサーに属するユーザ機器は、ビーコンの中の適切なシグネチャの存在について監視し、またそのような適切なシグネチャを送信するユーザ機器だけとのD2D無線リンクを確立するように動作可能とすることができる。
【0023】
いくつかの実施形態によれば、1つまたは複数のD2Dビーコン・シグネチャが、ユーザ機器のタイプまたはサービス・レベルに割り当てられることもあり、またこれらのビーコン・シグネチャの組合せが、ユーザ機器によって使用されて、サービスのレベル、またはユーザ機器のタイプの間で差別化することができる。
【0024】
一実施形態においては、ビーコン信号は、ランキングの表示を含んでおり、また万一複数のビーコン信号が、ユーザ機器において受信されるという場合には、本方法は、ビーコン信号に関連するランキングの表示を評価するステップと、最高のランキングを有する受信されたビーコン信号を送信するユーザ機器との関連付けを確立するために、ビーコン信号の受信について、最高のランキングを有するように評価される受信されたビーコン信号を送信するユーザ機器に通知するステップとをさらに含む。
【0025】
いくつかの実装形態によれば、例えば、高いランキングのオフィサーが、適切なビーコン・シグネチャが、ユーザ・ランクを識別するように選択されるように、動作するように構成されていることもあり、またD2D可能なユーザ機器は、高いランキングのユーザ機器が、適切なビーコン・シグネチャを有している公衆安全グループに属するユーザ機器のグループのための連絡の主要ポイントとしての機能を果たすように、動作することができる。ビーコン・シグネチャの組合せは、高いランキングのオフィサーが、D2Dグループの内部でビーコンの役割を担うためのメカニズムを提供することができ、また他の「より低い」ランクの既存のビーコンが、そのような高いランキングのビーコンに優先して、取り除かれることを可能にすることができる。
【0026】
一実施形態においては、グループの内部のすべてのビーコン・シグネチャが、共通項を有することができる。例えば、ビーコン・シグネチャの第1の部分は、共通とすることができ、また残りの部分は、グループを通して異なる可能性があり、また残りの部分を使用して、グループの内部で動作するユーザ機器の「レベル」を識別することができる。ユーザ機器は、それゆえに、適切なグループ・ビーコンを認識することができるようにするために、共通の部分に関してだけ、初期サーチを実行するように動作可能とすることができる。ひとたび、ユーザ機器が、適切な共通シグネチャの検出に基づいて、グループを識別した後に、ユーザ機器は、さらに、ビーコン・シグネチャについてのビーコン復号化を実行して、そのようなビーコンをブロードキャストするユーザ機器のレベルを決定する。
【0027】
第2の態様は、コンピュータの上で実行されるときに、第1の態様の方法を実行するように動作可能なコンピュータ・プログラム製品を提供している。
【0028】
第3の態様は、ワイヤレス通信ネットワークの内部で、直接無線リンクを経由して他のユーザ機器と通信するように構成された他のユーザ機器との関連付けを確立するように動作可能なユーザ機器であって、他のユーザ機器からのビーコン信号の受信について監視するように構成された監視ロジックと、そのようなビーコン信号が受信される場合に、受信されたビーコン信号を送信するユーザ機器との関連付けを確立するために、ビーコン信号の受信について、受信されたビーコン信号を送信する他のユーザ機器に通知するように構成された通知ロジックと、ビーコン信号が受信されない場合に、その通知の送信のための役割を担う他のユーザ機器との関連付けを確立するために、ビーコン信号の送信を開始し、また送信されたビーコン信号が、他のユーザ機器によって受信されているという通知の受信について監視するように構成された送信および受信のロジックとを備えているユーザ機器を提供している。
【0029】
一実施形態においては、関連付けは、ビーコン信号を受信するユーザ機器と、ビーコン信号を送信するユーザ機器との間の直接無線リンクの確立を含んでいる。
【0030】
一実施形態においては、関連付けは、ビーコン信号を送信するユーザ機器によって保持されるユーザ機器のクラスタ・リストのメンバーシップを含んでおり、クラスタ・リストは、ビーコン信号を送信するユーザ機器が、直接無線リンクを有している相手のユーザ機器のリストを含んでいる。
【0031】
一実施形態においては、ユーザ機器は、ビーコン信号を受信するユーザ機器と、ビーコン信号を送信するユーザ機器との間の確立された直接無線リンクの無線状態のインジケータを交換するように動作可能な無線状態ロジックを備えている。
【0032】
一実施形態においては、送信ロジックが、ビーコン信号を送信するユーザ機器からそれ自体のビーコン信号の送信を開始する命令を受信する場合、送信ロジックは、ビーコン信号の送信を開始し、また通知の送信のための役割を担う他のユーザ機器との関連付けを確立するために、送信されたビーコン信号が、他のユーザ機器によって受信されているという通知の受信について監視するように動作可能である。
【0033】
一実施形態においては、ユーザ機器は、無線状態の受信されたインジケータが、リンク保持判断基準を満たすかどうかを決定し、また、そうでない場合に、ビーコン信号を受信するユーザ機器と、ビーコン信号を送信するユーザ機器との間の確立された関連付けを終了させるように動作可能な決定ロジックを備えている。
【0034】
一実施形態においては、ユーザ機器は、ビーコン信号を送信するユーザ機器によって保持されるクラスタ・リストの内部の、それ自体と、ユーザ機器との間の直接無線リンク通信を経由してクラスタ・リストの内部のユーザ機器の間で通信をルーティングするように動作可能な通信ロジックを備えている。
【0035】
一実施形態においては、ユーザ機器は、ビーコン信号を送信するユーザ機器との直接無線リンクの確立を要求することにより、関連付けを確立し、また要求された直接無線リンクの確立の確認を待つように動作可能な確立ロジックを備えている。
【0036】
一実施形態においては、ユーザ機器は、直接無線リンクの確立のための要求を受信し、またクラスタ判断基準が、満たされる場合に、要求された直接無線リンクの確立の確認を送信するように動作可能な確立ロジックを備えている。
【0037】
一実施形態においては、要求は、受信するユーザ機器において受信されたビーコン信号の強度の表示を含んでいる。
【0038】
一実施形態においては、確立ロジックは、ビーコン信号を送信するユーザ機器から、クラスタ・リストの中に含まれるユーザ機器に関する情報を受信するように動作可能である。
【0039】
一実施形態においては、確立ロジックは、関連付けの確立を要求するユーザ機器に対して、そのクラスタ・リストの中に含まれるユーザ機器に関する情報を送信するように動作可能である。
【0040】
一実施形態においては、ユーザ機器は、他の機器のうちの1つからの不連続的なビーコン信号について監視することにより、他のユーザ機器のうちの1つからのビーコン信号の受信について監視するように動作可能な監視ロジックを備えている。
【0041】
一実施形態においては、送信ロジックは、不連続的なビーコン信号の送信を開始することにより、ビーコン信号の送信を開始するように動作可能である。
【0042】
一実施形態においては、送信ロジックは、それが、ユーザ機器がビーコン信号カバレッジのエッジに到達することを示す強度において前記他のユーザ機器のうちの1つから前記ビーコン信号を受信していることを決定する場合に、ビーコン信号の送信を開始するように動作可能である。
【0043】
一実施形態においては、ユーザ機器は、前記ユーザ機器が、ビーコン信号を送信している場合に、そのクラスタ・リストのメンバにビーコン信号を送信するように、割り当て、または指示するように動作可能な制御ロジックを備えている。
【0044】
一実施形態においては、監視ロジックは、他の機器のうちの1つからの選択されたユーザ・タイプ・シグネチャを含むビーコン信号について監視することにより、前記他の機器のうちの1つからのビーコン信号の受信について監視するように動作可能である。
【0045】
一実施形態においては、送信ロジックは、選択されたユーザ・タイプ・シグネチャを含むビーコン信号の送信を開始するように動作可能である。
【0046】
一実施形態においては、ビーコン信号は、ランキングの表示を含んでおり、また万一複数のビーコン信号が、ユーザ機器において受信されるという場合には、制御ロジックは、最高のランキングを有する受信されたビーコン信号を送信するユーザ機器との関連付けを確立するために、ビーコン信号に関連するランキングの表示を評価し、またビーコン信号の受信について、最高のランキングを有するように評価される受信されたビーコン信号を送信するユーザ機器に通知するように動作可能である。
【0047】
さらなる特定の態様および好ましい態様は、添付の独立請求項および従属請求項の中で詳述される。従属請求項の特徴は、必要に応じて独立請求項の特徴と組み合わされ、また特許請求の範囲の中で明示的に詳述されるこれらの組合せ以外の組合せの形で組み合わされることもある。
【0048】
装置の特徴が、機能を提供するように動作可能であるように説明される場合には、これは、その機能を提供し、あるいはその機能を提供するように適合されており、または構成されている装置の特徴を含むことが、理解されるであろう。
【0049】
本発明の実施形態は、次に、添付の図面を参照して、さらに説明されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0050】
図1】一実施形態に従ってデバイス・ツー・デバイス通信モードにおいて動作するように構成されたユーザ機器を概略的に示す図である。
図2】一実施形態に従ってデバイス・ツー・デバイス通信モードにおいて動作するように構成されたユーザ機器を概略的に示す図である。
図3】一実施形態による可能なデバイス・ツー・デバイス・レベル・ユーザを概略的に示す図である。
図4】一実施形態による可能なデバイス・ツー・デバイス・レベル・ユーザ・オペレーションを概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0051】
ワイヤレス電気通信ネットワークのコンポーネントは、一般的に、ワイヤレス電気通信ネットワークを通してローミングするユーザ機器を含んでいる。無線カバレッジのエリアをサポートする基地局が、例えば、eノードBが、提供される。いくつかのそのような基地局が、提供され、また地理的に分散されて、ユーザ機器に対する広域のカバレッジを提供する。
【0052】
ユーザ機器が、基地局によってサービスされる無線カバレッジのエリアの内部にあるときに、通信が、関連する無線リンクの上で、ユーザ機器と、基地局との間で確立されることもある。各基地局は、一般的に、サービスの地理的エリアの内部でいくつかのセクタをサポートする。
【0053】
一般的に、基地局の内部の異なるアンテナは、それぞれの関連するセクタをサポートする。各基地局は、複数のアンテナを有する。異なるネットワーク・アーキテクチャが、例えば、UMTSシステム、WiMAXシステム、またはロング・ターム・エボリューション(LTE:Long Term Evolution)システムを含めて実施され得ることが理解されるであろう。一般に、これらのアーキテクチャを通して、上記で説明されるネットワーク・ノードによって提供される機能は、異なるように名前が付けられるが、類似した機能を有するネットワーク・ノードによって提供される。
【0054】
基地局が、地理的領域において無線カバレッジを提供することができないというシナリオが存在し得ること、およびネットワークにおいてユーザの間の通信を提供することが望ましい可能性があることが、認識されている。そのようなシナリオでは、デバイス・ツー・デバイス(D2D:Device to Device)通信を実施することが可能であることもある。D2Dモードにおいては、ユーザ機器(UE:User Equipment)は、通信のために互いと直接無線リンクを確立するように動作可能なこともある。ユーザ機器は、比較的低い電力を与えられた送信および受信のデバイスであるので、直接無線通信は、互いの範囲の内部にあるユーザ機器に依存する可能性がある。ネットワークを経由してユーザ機器の間でメッセージを渡す必要がないので、D2D通信リンクは、短距離を通してのワイヤレス・ネットワーク・アーキテクチャの問題解決手法を使用することに比べて、ユーザ・デバイスの間の通信遅延における低減を提供することができる。さらに、ユーザ機器が、それらがすぐ近くにあるように位置している場合には、デバイス・ツー・デバイス通信技法はまた、潜在的に限られたバッテリ電力の節約をもたらすユーザ機器の送信電力を低減させる可能性もある。
【0055】
デバイス・ツー・デバイス通信技法は、いくつかの利点を提供することができるが、それらの技法は、望まれない、または期待されない問題をもたらす可能性がある。デバイス・ツー・デバイス技法の1つの態様は、それに従って、1つのユーザ機器が、通信範囲の内部で別のユーザ機器を発見するように動作可能であるメカニズムである。
【0056】
1つのユーザ機器が、ネットワークに対して1つまたは複数の測定値を提供することができるように、またネットワークが、次いで、直接リンクの上で通信のための適切な範囲の内部にあるようにネットワークによって決定される2つのユーザ機器を対にするように動作可能であるように、ネットワークの内部の要素を含むことが可能である。
【0057】
測定報告と、信号メッセージとが、デバイス・ツー・デバイス直接通信リンクを確立する際に関与するユーザ機器と、各ネットワーク要素との間で送信される必要があるので、そのようなセットアップ・プロセスにおいてネットワーク要素を含めることは、信号のオーバーヘッドと遅延との両方を増大させる可能性がある。
【0058】
ユーザ機器が、ビーコン信号またはパイロット信号を送信することを可能にすること、およびそれらのユーザ機器が、別のユーザ機器によってブロードキャストされているビーコン信号またはパイロット信号とを探索するように、動作することを可能にすることにより、ユーザ機器が、互いを発見することを可能にすることもまた可能である。ユーザ機器のビーコン送信の構成は、すべてのユーザ機器が、どのようにしてそのようなビーコンを探索すべきかを知るように、一般的なものである。
【0059】
そのようなビーコンの送信に割り付けられるリソースは、ネットワークによって構成されることもある。そのようなアプローチは、そのようなリンクの確立が、ネットワークによって組織される場合よりも迅速に、ユーザ機器の間の直接無線リンクの確立をサポートすることができる。
【0060】
ユーザ機器のビーコンは、エリアの中で動作する他のユーザ機器に対する干渉としての機能を果たす可能性がある。あるエリアの中で送信する多数のユーザ機器が存在している場合、それぞれのユーザ機器のビーコンによって引き起こされる結果として生じる干渉は、ユーザ機器のビーコンが、実質的に復号できないようにさせる可能性がある。
【0061】
上記で説明される両方のアプローチは、セキュリティの目的のためにネットワークとの通信を必要とすることもある。もちろん、ネットワークが、関与するように、またユーザ機器によるビーコンのブロードキャストが、必要とされるように、ハイブリッド・アプローチが、採用されることが可能である。しかしながら、ネットワークが、使用可能ではなく、またはユーザ機器が、使用可能なネットワーク・カバレッジを有していないというシナリオが、存在する可能性がある。デバイス・ツー・デバイス通信リンクが、ネットワーク要素の助けなしに、役に立つように確立されることもある。そのようなシナリオの一例は、ネットワーク・カバレッジが、欠けている可能性のある場合の被災領域における緊急事態である。
【0062】
概説
実施形態をどのようにもさらに詳細に考察する前に、最初に、概説が提供されるであろう。説明される態様および実施形態は、あるエリアにおいてデバイス・ツー・デバイス通信のできるユーザ機器を一緒にグループ化することができる。そのようなグループの内部で、1つまたは限られた数のユーザ機器は、ビーコンを送信するように動作可能である。そのようなグループは、D2Dグループと称され、またグループの内部でビーコンを送信するように動作可能なユーザ機器は、ビーコン・ホルダーと称される。そのようなD2Dグループの中で動作するユーザ機器の構成は、互いの近くに位置している多数のユーザ機器が、近くで動作する他のユーザ機器についてのどのような考察もなしに、ビーコンを送信することを自律的に開始するというシナリオに比べて干渉の低減を助ける。態様および実施形態はまた、ユーザ機器が、自動的に、かつ/または自律的にD2Dグループに加わり、またD2Dグループを去る柔軟性を提供することもできる。さらに、実施形態は、ビーコン・ホルダーが、変更条件が満たされる場合に、自動的に、または自律的に変更されることを可能にすることができる。
【0063】
いくつかの態様および実施形態によれば、指定されたビーコン・ホルダーは、グループの内部の他のユーザ機器に関する情報を含むリストを保持することができる。そのような情報は、例えば、UE ID、UE経路損失および他の類似したパラメータを含むことができる。
【0064】
いくつかの実装形態によれば、ユーザ機器は、異なるグループまたは複数のグループに属することができる。言い換えれば、グループは、オーバーラップすることができる。
【0065】
いくつかの態様および実施形態によれば、ビーコン・ホルダーを発見するユーザ機器はまた、ビーコン・ホルダーのグループに属するすべてのユーザ機器を実質的に「発見する」であろう。いくつかの実装形態によれば、ビーコン・ホルダーによって保持されるリストは、例えば、直接無線リンクの上のユーザ機器の間の専用のメッセージの使用により、初期D2D関連付けの確立のすぐ後に、ビーコン・ホルダーから新しいグループ・メンバへと渡される可能性がある。
【0066】
様々な技法および方法を使用して、以下でより詳細に説明されるように、ネットワークの内部でD2Dグループを管理し、また保持することができる。
【0067】
ビーコン・ホルダーを選択すること
一実施形態によれば、デバイス・ツー・デバイス・モードで動作するように構成されており、またどのようなビーコン・グループにも属していないユーザ機器は、可能性のあるビーコン・ホルダーを監視するように動作可能である。ビーコンまたはパイロットが、監視期間、TBH、の後に受信されない場合に、そのようなユーザ機器は、ビーコンの送信を開始するように動作可能とすることができる。言い換えれば、ユーザ機器は、新しいD2Dグループのためのビーコン・ホルダーになる。
【0068】
いくつかの実装形態においては、ユーザ機器は、グループの内部の非−ビーコン・ホルダーと、ビーコン・ホルダーとの間の決定された経路損失が、所定のトリガしきい値を超過する場合に、非−ビーコン・ホルダーが、別のビーコン・ホルダーになることができるように動作可能とすることができる。そのようなオペレーションは、D2Dグループのメンバではないユーザ機器が、単に、そのグループのためのビーコン・ホルダーの範囲の内部にない可能性があるが、それは、そのグループの非−ビーコン・ホルダーの範囲内にある可能性があることを認識している。
【0069】
いくつかの実装形態によれば、ビーコン・ホルダーは、別のビーコン・ホルダーのグループに属していることができる。いくつかの実施形態においては、各ビーコン・ホルダーは、そのグループの中へとメンバを受け入れることができる。そのようなオペレーションは、オーバーラップしたD2Dグループの形成を可能にすることができる。すなわち、ユーザ機器は、複数のD2Dグループに属することができる。
【0070】
いくつかの実装形態によれば、ビーコン・ホルダーは、そのグループの別のメンバに、ビーコン・ホルダーであるように、割り当て、または指示するように動作可能とすることができる。そのようなオペレーションは、ビーコン・ホルダーが、ビーコン・ホルダーとしてその位置を放棄することを可能にすることができる。そのようなオペレーションは、例えば、ユーザ機器が、D2Dオペレーションを終了し、また確立されたD2Dグループを抜け出したいと思う場合に、役に立つことができる。
【0071】
図1は、一実施形態に従って、デバイス・ツー・デバイス通信モードで動作するように構成されたユーザ機器を概略的に示すものである。図1に示される例においては、UE1は、D2Dグループのためのビーコン・ホルダーであり、また示されるシェーディングされたカバレッジ領域を通して他のユーザ機器によって検出され得るビーコンを送信する。UE2およびUE3は、カバレッジ領域の内部に位置しており、またそれゆえにビーコン・ホルダーとしてUE1を有するD2Dグループに属する。UE4は、示されるカバレッジ領域の外側に位置しており、またビーコン・ホルダーとしてUE1を有するD2Dグループのメンバではない。
【0072】
図2は、一実施形態に従って、デバイス・ツー・デバイス通信モードで動作するように構成されたユーザ機器を概略的に示すものである。図2に示される例においては、UE1は、D2Dグループのためのビーコン・ホルダーであり、また示されるシェーディングされたカバレッジ領域を通して他のユーザ機器によって検出され得るビーコンを送信する。UE2およびUE3は、カバレッジ領域の内部に位置しており、またそれゆえにビーコン・ホルダーとしてUE1を有するD2Dグループに属する。UE4は、示されるカバレッジ領域の外側に位置しており、またビーコン・ホルダーとしてUE1を有するD2Dグループのメンバではない。UE2は、UE1のビーコンによって提供されるカバレッジ領域のエッジに位置している。UE4は、このD2Dグループの外側にあり、またそれは、UE1からのビーコンを検出することができないので、たとえUE2が、UE4の通信範囲の内部にあるとしても、それは、UE2を発見することができない。カバレッジ領域のエッジにあるユーザ機器が、ビーコンを送信することを可能にすることにより、例えば、図2におけるUE2、既存のD2Dグループの外側にあるが、既存のビーコン・ホルダーの範囲内にないユーザ機器は、既存のD2Dグループの内部のユーザ機器を発見することになる。図2は、UE1によってビーコンを送信するように指示されているUE2によってサポートされるカバレッジ領域を示しており、それによってUE4が、UE2を検出し、またD2Dグループに加わることを可能にしている。
【0073】
いくつかの実装形態においては、UE4は、ビーコンを送信するように動作可能であり、UE1によって送信されるビーコン信号を受信することができていなかったことが理解されるであろう。そのような実装形態においては、UE2は、そのときには、UE1によって所有されるD2Dグループと、UE4によって所有されるD2Dグループとのメンバになっている可能性がある。
【0074】
D2Dグループに加わること
D2Dモードで動作するように構成されたユーザ機器が、適切なビーコン信号の受信を経由してビーコン・ホルダーを発見する場合に、そのユーザ機器は、実施形態によれば、ビーコン・ホルダーとして動作するユーザ機器との通信を確立するように動作可能とすることができる。ビーコン・ホルダーを発見しているユーザ機器は、実施形態によれば、ビーコン・ホルダーによってサポートされるD2Dグループに加わるように要求することができ、またそのような要求が、ビーコン・ホルダーによって受け入れられる場合に、ユーザ機器は、ビーコン・ホルダーに対して選択された情報を渡すように動作可能とすることができる。
【0075】
態様の実装形態と、実施形態とは、ビーコン・ホルダーが、グループの内部に最大数のユーザ機器を有することができ、またそれゆえに、そのビーコン・ホルダーは、最大数のグループのメンバが、到達されている場合に、グループに加わる要求を拒絶するように動作可能とすることができるように、することができる。
【0076】
上記で説明されるように、既存のビーコン・ホルダーは、D2Dモードで動作するように構成された別のユーザ機器からのビーコン信号の受信の検出のすぐ後に、他のD2Dグループに加わるように動作可能とすることができる。
【0077】
D2Dグループを抜け出すこと
いくつかの実施形態によれば、グループの内部の非−ビーコン・ホルダーは、ビーコン・ホルダー(単数または複数)によって送信されるビーコンを絶えず監視することができる。グループのメンバによって受信されるビーコンの品質が、選択された通信品質しきい値よりも下にある場合に、非−ビーコン・ホルダーは、関連のあるビーコン・ホルダーに通知することができる。そのビーコン・ホルダーは、次いで、そのグループから非−ビーコン・ホルダーを取り除くように動作可能とすることができる。
【0078】
D2Dモードにおける電力管理
いくつかの態様と実施形態とにおいては、ビーコン・ホルダーは、選択された不連続的な送信および/または受信(DTXおよびDRX)のサイクル、D、に従って一次ビーコンを送信するように動作可能とすることができる。ビーコン・ホルダーではない、グループの内部のユーザ機器は、ビーコン・ホルダーによって認識される二次ビーコンを送信するように動作可能とすることができる。複数の二次ビーコンは、グループの内部で使用される可能性がある。二次ビーコンは、選択されたDRXサイクルDを有するより低いレートで送信されることもあり、ここでD>Dである。そのような二次ビーコンは、ビーコン・ホルダーによって使用されて、既存のD2Dグループの内部の非−ビーコン・ホルダーのユーザ機器を保持すべきか、または切り捨てるべきかを決定することができる。不連続的な送信サイクルまたは受信サイクルを使用したビーコンの送信は、ビーコンを送信するように動作可能なユーザ機器のバッテリ寿命を節約する助けをすることができる。
【0079】
例1
2つのデバイス・ツー・デバイス可能ユーザ機器、UE1およびUE2は、互いの通信範囲の内部にある。UE1は、D2Dモードで動作することを開始し、また可能なD2Dビーコン信号を探索するように動作可能である。UE1が、所定の期間内に任意のD2Dビーコンを見出すことに失敗する場合、UE1は、ビーコン・ホルダーとしての機能を果たすことを開始するように動作可能であり、またビーコン信号を送信することを開始する。
【0080】
UE2が、D2Dモードで動作することを開始する場合、それは、D2Dビーコン信号を探索するように動作可能である。この例においては、UE2は、その探索を行い、またUE1を見出す。UE2は、そのときには、UE1との直接無線リンクを確立し、またUE1によって所有されるD2Dグループに加わるように要求するように動作可能である。この実施形態においては、UE1は、要求を受け入れ、またUE1とUE2とを備えているD2Dグループが、形成される。
【0081】
説明される態様と実施形態とにより、他のユーザ機器とのデバイス・ツー・デバイス・リンクを確立したいと思うユーザ機器は、それぞれが、ビーコン信号を送信する必要なしに、互いを発見することができるようになる可能性がある。ネットワークが使用不可能である場合、または地理的領域の中にカバレッジが存在していない場合に、態様と実施形態とはまた、D2Dリンクが、確立されることを可能にすることもできる。それにもかかわらず、態様と実施形態とは、たとえネットワークが使用可能であるとしても、使用されることもある。
【0082】
デバイス・ツー・デバイス通信の使用
D2D通信の1つの可能性のある使用は、公衆安全に関連したものとすることができる。例えば、緊急時に、オフィサーは、彼の近くの同じサービスまたは他の緊急サービスからの他のオフィサーからの助けを獲得する必要があることもある。デバイス・ツー・デバイス通信の方法は、そのようなシナリオにおいて、とりわけ、基地局からのカバレッジが、限られており、または使用不可能である場所において、有用なサービスを提供することができる。
【0083】
しかしながら、ユーザ機器のD2Dビーコンのフォーマットが、すべてのユーザ機器を通して共通である場合、オフィサーは、他の公衆安全オフィサーに属していないD2Dのユーザ機器を検出することができ、またそれゆえに、D2Dリンクが、オフィサーのユーザ機器と、近くにある他の一般的なユーザ機器との間に確立されることもある。そのような望ましくない直接リンクは、リソースを浪費し、また緊急時における他のオフィサーの支援または参加を遅延させる可能性がある。
【0084】
態様と実施形態とは、ビーコンの内部のシグネチャの符号化が、示されるべきD2Dユーザの「タイプ」、またはD2Dのユーザ機器が、必要とするサービスのタイプを識別することを可能にすることができる。各タイプのD2D可能なユーザ機器は、それゆえに、ビーコンを送信するときに、1組のシグネチャのうちの1つまたは複数を使用することができる。公衆安全オフィサーからの助けを必要とする、緊急事態におけるD2D可能なユーザ機器は、そのビーコンの内部の適切なシグネチャをブロードキャストするように動作可能とすることができる。いくつかの実装形態においては、公衆安全オフィサーに属していないユーザ機器は、公衆安全シグネチャを探索するように動作可能ではなく、またそれゆえに、そのようなシグネチャを送信するデバイスと不必要な無線リンクを確立するように動作可能ではないであろう。同様に、公衆安全オフィサーに属しているユーザ機器は、ビーコンの中の適切なシグネチャの存在を監視し、またそのような適切なシグネチャを送信するユーザ機器だけとD2D無線リンクを確立するように動作可能とすることができる。
【0085】
いくつかの実施形態によれば、1つまたは複数のD2Dビーコン・シグネチャが、ユーザ機器のタイプ、またはサービス・レベルに割り当てられることもあり、またこれらのビーコン・シグネチャの組合せが、ユーザ機器によって使用されて、サービスのレベル、またはユーザ機器のタイプの間で差別化することができる。緊急事態が起こる、上記で概説されたシナリオに類似したシナリオにおいて、緊急事態のロケーションは、公衆安全の職員と、場合によっては公衆のメンバとによって混雑するであろう。異なるシグネチャの組合せを提供することにより、適切なD2D可能なユーザ機器の間の協調が、改善される可能性がある。
【0086】
いくつかの実施形態によれば、例えば、高いランキングのオフィサーは、適切なビーコン・シグネチャが、ユーザ・ランクを識別するために選択されるように、動作するように構成されていることもあり、またD2D可能なユーザ機器は、高いランキングのユーザ機器が、適切なビーコン・シグネチャを有する公衆安全グループに属しているユーザ機器のグループのための主要な連絡先としての機能を果たすように動作できる。ビーコン・シグネチャの組合せは、高いランキングのオフィサーが、D2Dグループの内部のビーコンの役割を担うメカニズムを提供し、また他の「より低い」ランクの既存のビーコンが、そのような高いランキングのビーコンに優先して取り除かれることを可能にすることができる。
【0087】
一実施形態においては、グループの内部のすべてのビーコン・シグネチャは、共通項を有することができる。例えば、ビーコン・シグネチャの第1の部分は、共通とすることができ、また残りの部分は、グループを通して異なっている可能性があり、またグループの内部で動作するユーザ機器の「レベル」を識別するために使用される。ユーザ機器は、それゆえに、適切なグループ・ビーコンを認識することができるようにするために、共通部分だけに関連して初期探索を実行するように動作可能とすることができる。ひとたび、ユーザ機器が、適切な共通シグネチャの検出に基づいて、グループを識別した後に、ユーザ機器は、ビーコン・シグネチャについてのさらなるビーコン復号化を実行して、そのようなビーコンをブロードキャストするユーザ機器のレベルを決定する。
【0088】
例1
図3は、一実施形態による可能なデバイス・ツー・デバイス・レベル・ユーザを概略的に示すものである。図3に示されるように、UE1と、UE2と、UE3とは、公衆安全グループに属する。UE4と、UE5とは、公衆のメンバに属する。UE1によって目撃される、任意のネットワークからの不十分な無線カバレッジを有するエリアにおける事故の発生のすぐ後に、UE1は、D2Dモードを開始し、また他のD2Dのユーザ機器を発見しようと試みるように動作可能である。UE1は、公衆安全グループに関連するこれらのグループに属するビーコン・シグネチャを有するビーコンの送信を開始するように動作する。UE1は、ビーコンと一緒に緊急メッセージをブロードキャストするように動作可能とすることができる。
【0089】
UE2と、UE3と、UE4と、UE5とは、UE1によって送信されているビーコンの無線範囲の内部にある。しかしながら、UE2と、UE3とだけが、UE1によって送信されるビーコンのシグネチャを認識し、またこのようにしてUE1のビーコンを検出するように動作可能である。UE2と、UE3とは、UE1によって送信される緊急メッセージを復号することができ、またそれゆえにUE1のホルダーの助けになる。
【0090】
UE4は、D2Dモードを開始し、また公衆グループに属しており、またUE1によって使用されるビーコン・シグネチャとは異なっているビーコン・シグネチャを有するビーコンをブロードキャストすることができる。UE5は、UE4によって送信されるビーコンを検出し、またUE4との無線リンクを確立することができる。
【0091】
例2
図4は、一実施形態による可能なデバイス・ツー・デバイス・レベル・ユーザ・オペレーションを概略的に示すものである。図4においては、UE−S1と、UE−S2と、UE−S3と、UE−S4と、UE−S5とは、公衆安全グループに属するが、UE−P1と、UE−P2と、UE−P3とは、公衆グループに属する。事故が起こり、また公衆安全グループのメンバが、公衆のメンバと一緒にその現場に到着する。
【0092】
可能性のある公衆安全ビーコン・シグネチャが、表1に示される。
【0093】
【表1】
【0094】
公衆のための(例えば、オペレータによって構成される)可能性のあるビーコン・シグネチャは、表2に示されるようなものである。
【0095】
【表2】
【0096】
示される例においては、UE−S1と、UE−S2とは、それぞれビーコンB1と、B2とを送信している。UE−P2は、ビーコンB3を送信している。
【0097】
すべての他の公衆安全のユーザ機器が、UE−S1のビーコン・シグネチャを成功裏に復号するように動作可能であり、またUE−S1が、それら自身よりも高いランクを有することを認識するので、UE−S1は、高いランキングのオフィサーであり、また連絡先、またはグループ・ベアラとしての機能を果たす。UE−S2と、UE−S4とは、このようにして、UE−S1とのD2D無線リンクを確立するように動作可能である。UE−S4は、UE−S1によってサポートされるカバレッジ領域の外側にあるが、UE−S2とのデバイス・ツー・デバイス無線リンク接続を形成する。それゆえに、公衆安全のユーザは、互いに通信リンクを有している。
【0098】
UE−P3と、UE−P2とは、デバイス・ツー・デバイス通信リンクを形成する。
【0099】
例えば、医者によって保持され得るUE−S5は、その現場に到着し、また公衆安全グループとの無線リンクを確立する必要がある。UE−S5は、UE−S1と、UE−S2と、UE−P2とのうちのそれぞれによって送信されているビーコンのカバレッジの内部に、図4に示されるように位置している。UE−S5は、公衆安全グループに割り当てられた共通シグネチャ(すなわち、10101010)を有するビーコンを探索するように動作可能であり、またそれによって、UE−P2とのデバイス・ツー・デバイス無線リンクを確立しようと試みるリソースを浪費することを回避する。UE−S5は、公衆安全グループに属する2つのシグネチャを、すなわち、ビーコンB1およびB2を検出する。B1は、B2よりも高いランクであるので、UE−S5は、ビーコンB1を送信しているUE−S1とのD2D無線リンクを確立する。
【0100】
例3
さらなる一実施形態においては、事故が、それが、衝突したときに助けを呼び求めることができるデバイスを装備した車の中で起こる。そのような事故が、非常に不十分な無線カバレッジを有するエリアの中で起こる場合に、そのようなデバイスは、D2D通信モードを開始することができる可能性がある。実施形態によれば、そのようなデバイスは、2つの方法のうちの1つを実施するように動作できる。
【0101】
第1の方法によれば、デバイスは、そのようなデバイスが、直ちに支援を必要とすることを示すシグネチャを有するビーコンを送信するように動作可能とすることができ、すなわち、ビーコン・シグネチャは、SOSを示すことができる。公衆安全の職員に属しているユーザ機器は、そのような緊急事態のビーコン・シグネチャを検出するように動作可能とすることができ、また検出される場合、直ちに、警告を発するであろう。通信は、公衆安全オフィサーのユーザ機器と、スマート・デバイスとの間で確立されて、事故のロケーションを支援することができる。
【0102】
第2の方法によれば、デバイスは、D2Dビーコンを、特に、公衆安全グループに属しているビーコン・シグネチャを有するこれらのD2Dビーコンを監視するように動作可能とすることができる。そのような監視は、デバイス・バッテリ電力をより良く節約することができ、またDRX方法で実行されることもある。その領域の内部で定期的チェックを実行するオフィサーは、常にそれらのビーコンをオンにすることになり、その結果、緊急状況における任意のデバイスは、適切なビーコンを検出することができ、また適切なビーコンに応答する。
【0103】
説明される態様および実施形態は、D2D可能なユーザ機器が、通信リンクを確立すべき相手のユーザ機器の適切なD2Dグループを識別することを可能にすることができる。態様および実施形態は、複数の干渉するビーコンの送信を回避することができるやり方で、D2Dのユーザ機器のグループの内部の協調を可能にすることができる。
【0104】
当業者なら、様々な上記で説明された方法のステップが、プログラムされたコンピュータによって実行され得ることを簡単に認識するであろう。本明細書においては、いくつかの実施形態はまた、プログラム・ストレージ・デバイス、例えば、デジタル・データ・ストレージ媒体を対象として含むことも意図しており、このプログラム・ストレージ・デバイスは、マシン読取り可能、またはコンピュータ読取り可能であり、また命令のマシン実行可能なプログラム、またはコンピュータ実行可能なプログラムを符号化しており、そこでは前記命令は、前記上記で説明された方法のステップの一部または全部を実行する。プログラム・ストレージ・デバイスは、例えば、デジタル・メモリ、磁気ディスクや磁気テープなどの磁気ストレージ媒体、ハード・ドライブ、または光学的に読取り可能なデジタル・データ・ストレージ媒体とすることができる。それらの実施形態はまた、上記で説明された方法の前記ステップを実行するようにプログラムされるコンピュータを対象として含むことも意図している。
【0105】
「プロセッサ」または「ロジック」としてラベル付けされる任意の機能ブロックを含めて、図面の中に示される様々な要素についての機能は、専用のハードウェア、ならびに適切なソフトウェアと関連づけてソフトウェアを実行することができるハードウェアの使用を通して提供されてもよい。プロセッサによって提供されるときに、それらの機能は、単一の専用のプロセッサによって、単一の共用のプロセッサによって、またはそれらのうちのいくつかが共用され得る複数の個別のプロセッサによって提供されてもよい。さらに、「プロセッサ」または「コントローラ」、あるいは「ロジック」という用語の明示的な使用は、ソフトウェアを実行することができるハードウェアだけを排他的に意味するように解釈されるべきではなく、また限定することなく、デジタル信号プロセッサ(DSP:digital signal processor)のハードウェアと、ネットワーク・プロセッサと、特定用途向け集積回路(ASIC:application specific integrated circuit)と、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA:field programmable gate array)と、ソフトウェアを記憶するためのリード・オンリー・メモリ(ROM:read only memory)と、ランダム・アクセス・メモリ(RAM:random access memory)と、不揮発性ストレージとを暗黙のうちに含むことができる。他のハードウェアが、従来および/またはカスタムもまた、含められる可能性がある。同様に、図面の中に示される任意のスイッチは、概念的なものにすぎない。それらの機能は、プログラム・ロジックのオペレーションを通して、専用のロジックを通して、プログラム制御と専用のロジックとの相互作用を通して、または手動によってさえも、実行される可能性があり、特定の技法は、文脈からもっと具体的に理解されるように、実装者によって選択可能である。
【0106】
本明細書における任意のブロック図は、本発明の原理を実施する実例となる回路の概念図を表すことが、当業者によって理解されるべきである。同様に、任意のフロー・チャートと、流れ図と、状態遷移図と、擬似コードなどとは、コンピュータ読取り可能媒体の形で実質的に表され、またそのようにしてコンピュータまたはプロセッサによって、そのようなコンピュータまたはプロセッサが明示的に示されているか否かにかかわらず、実行され得る様々なプロセスを表すことが、理解されるであろう。
【0107】
説明および図面は、単に本発明の原理を示しているにすぎない。したがって、当業者なら、本明細書において明示的に説明されても、または示されてもいないけれど、本発明の原理を実施し、また本発明の精神および範囲の内部に含まれる様々な構成を工夫することができるようになることが理解されるであろう。さらに、本明細書において列挙されるすべての例は、主として、本発明者(単数または複数)が当技術を推進することにより寄与される本発明の原理および概念を理解するに際して、読者を支援する教育上の目的のためにすぎないように明示的に意図され、またそのように具体的に列挙された例および状態だけに限定することのないように解釈されるべきである。さらに、本発明の原理、態様および実施形態を列挙している本明細書におけるすべての記述、ならびにその特定の例は、その同等物を包含することを意図している。
図1
図2
図3
図4