(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記複数種類の第1小役の入賞態様を構成する図柄はそれぞれ、各リールに対する停止操作のタイミングにかかわらず有効ライン上に表示可能に、各リールの外周面に配列され、
前記1或いは複数種類の第2小役の入賞態様を構成する図柄はそれぞれ、各リールに対する停止操作のタイミングにかかわらず有効ライン上に表示可能に、各リールの外周面に配列されている、請求項1に記載のスロットマシン。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下では、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0022】
図1は、本発明の一実施形態に係るスロットマシン1の斜視図である。
【0023】
スロットマシン1は、前面が開放された箱型の本体2と、本体2の前面を開閉可能に設けられた前扉3とを備えている。
【0024】
本体2内には、上下方向の中央部より少し上方の位置に、左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rが左右に並べて配置されている。左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rは、ドラム状のリール枠の周面にリール帯を巻着した構成を有しており、リール枠の中心で左右方向に延びる軸を中心に回転可能に設けられている。リール帯には、21個の図柄が周方向に並べて配列されている。
【0025】
前扉3には、左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rと対向する位置に、表示パネルユニット5が配置されている。
【0026】
表示パネルユニット5には、左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rの周面の一部を視認可能にするためのリール窓6が形成されている。左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rの回転中は、リール窓6内に、左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rの図柄が次々に現れる(図柄の変動表示)。左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rが停止すると、リール窓6内に、左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rのそれぞれ3個の図柄、合計9個の図柄が表示される(図柄の停止表示)。
【0027】
また、表示パネルユニット5には、遊技に関する基本的な情報を表示するための各種の表示器が備えられている。この表示器には、たとえば、クレジット数表示器7、配当数表示器8、3個のベット数表示LED9、リプレイ表示LED10、スタート可否表示LED11およびメダル受付可否表示LED12が含まれる。クレジット数表示器7および配当数表示器8は、リール窓6の下方において、左右に並べて配置されている。クレジット数表示器7および配当数表示器8は、それぞれ2桁の数字を表示可能に構成されている。3個のベット数表示LED9は、クレジット数表示器7の左側において、上下に並べて配置されている。リプレイ表示LED10、スタート可否表示LED11およびメダル受付可否表示LED12は、配当数表示器8の右側において、上下に並べて配置されている。
【0028】
前扉3には、表示パネルユニット5の下方に、操作部13が設けられている。操作部13は、表示パネルユニット5の前面に対して前側に張り出しており、平坦な上面14および前側に緩やかに凸湾曲した前面15を有している。
【0029】
上面14の右端部には、メダル投入口16が設けられている。上面14の左端部には、MAXベットボタン17および1枚ベットボタン18が設けられている。1枚ベットボタン18は、MAXベットボタン17の左側に配置されている。
【0030】
前面15には、スタートレバー19、左ストップボタン20L、中ストップボタン20C、右ストップボタン20Rおよび精算ボタン21が設けられている。左ストップボタン20L、中ストップボタン20Cおよび右ストップボタン20Rは、前面15の左右方向の中央部において、左からこの順に並べて配置されている。スタートレバー19は、左ストップボタン20Lの左側に配置されている。精算ボタン21は、スタートレバー19のさらに左側に配置されている。
【0031】
メダル受付可否表示LED12の点灯中は、メダル投入口16からメダルが投入されると、その投入が受け付けられる。メダル受付可否表示LED12の消灯中は、メダル投入口16からメダルが投入されても、その投入が受け付けられず、前扉3の最下部に設けられたメダル排出口22からメダルトレイ23にメダルが排出される。
【0032】
ゲームに供するメダルがベットされていない状態において、メダルの投入が受け付けられると、そのメダルがゲームにベットされ、1個のベット数表示LED9が点灯される。つづいて、メダルがメダル投入口16から投入されると、2枚目のメダルがゲームに追加ベットされ、2個のベット数表示LED9が点灯される。さらに、メダルがメダル投入口16から投入されると、3枚目のメダルがゲームに追加ベットされ、3個のベット数表示LED9が点灯される。スロットマシン1では、1ゲーム(1回のゲーム)に対して規定数(スロットマシン1においては常時3枚)のメダルがベットされると、1ゲームが開始可能となり、スタート可否表示LED11が点灯されるとともに、リール窓6内に設定される所定の入賞ラインが有効化される。規定数のメダルがゲームにベットされている状態で、メダル投入口16からメダルが投入された場合、その投入されたメダルは、50枚を上限として、スロットマシン1にクレジットされる。クレジットされているメダルの枚数は、クレジット数表示器7に表示される。50枚のメダルがクレジットされている状態で、メダル投入口16からメダルが投入された場合、その投入されたメダルは、メダル排出口22からメダルトレイ23に排出される。
【0033】
規定数以上のメダルがスロットマシン1にクレジットされ、ゲームに対してメダルがベットされていない状態において、MAXベットボタン17が操作されると、そのクレジットされているメダルから規定数のメダルがゲームにベットされ、3個のベット数表示LED9およびスタート可否表示LED11が点灯されるとともに、リール窓6内に設定される所定の入賞ラインが有効化される。また、クレジット数が規定数分だけ減り、クレジット数表示器7の表示が更新される。1枚ベットボタン18が操作された場合には、クレジットされているメダルから1枚のメダルがゲームにベットされ、1個のベット数表示LED9が点灯されるとともに、クレジット数が1だけ減り、クレジット数表示器7の表示が更新される。
【0034】
ベットされたメダルは、ゲームの開始とともに消費される。スタートレバー19が操作されると、1ゲームが開始となり、左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rの順方向の回転が開始される。また、スタート可否表示LED11およびメダル受付可否表示LED12が消灯される。左ストップボタン20L、中ストップボタン20C、右ストップボタン20Rは、それぞれ左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rに対応して設けられている。左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rの回転開始後、左ストップボタン20L、中ストップボタン20Cおよび右ストップボタン20Rが操作されると、それぞれ左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rの回転が停止される。
【0035】
左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rのすべてが停止した時点で、有効化されている入賞ライン(以下、「有効ライン」という。)上に所定の図柄の組合せが並ぶと、その図柄の組合せに応じた処理が行われる。以上で1ゲームが終了となり、すべてのベット数表示LED9が消灯され、メダル受付可否表示LED12が点灯される。
【0036】
たとえば、有効ライン上に小役に係る図柄の組合せが並ぶと、所定の配当数のメダルが配当として付与され、その配当数が配当数表示器8に表示される。配当は、スロットマシン1に50枚を上限としてクレジットされ、50枚を超える分については、メダル排出口22からメダルトレイ23に排出される。配当がクレジットされると、クレジット数が配当数だけ増え、クレジット数表示器7の表示が更新される。
【0037】
また、有効ライン上にリプレイ役に係る図柄の組合せが並ぶと、メダルのベットなしで次の1ゲームの実行が許可され、リプレイ表示LED10が点灯される。この場合、メダル受付可否表示LED12が消灯されたまま、点灯中のベット数表示LED9が一旦消灯された後に再び点灯されるとともに、スタート可否表示LED11が点灯される。
【0038】
メダル受付可否表示LED12が点灯され、1枚以上のメダルがクレジットされている状態で、精算ボタン21が操作されると、クレジットされている全メダルがメダル排出口22からメダルトレイ23に排出されて、クレジット数表示器7の表示が「0」に更新される。
【0039】
また、スロットマシン1には、液晶表示装置24、1対のスピーカ25L,25Rおよび1対のスピーカ26L,26Rが搭載されている。液晶表示装置24は、表示パネルユニット5の上方に配置されている。スピーカ25L,25Rは、液晶表示装置24の左側および右側に分かれて配置されている。スピーカ26L,26Rは、メダル排出口22の左側および右側に分かれて配置されている。遊技(ゲーム)の進行に合わせて、液晶表示装置24に演出画像や各種の情報などが表示され、また、スピーカ25L,25R,26L,26Rから効果音などが出力される。
【0040】
図2は、スロットマシン1の電気的構成を示すブロック図である。
【0041】
スロットマシン1は、ゲームの中枢的な制御を実行するメイン基板31と、ゲームに付随する演出のための制御を実行するサブ基板32と、液晶表示装置24を制御する液晶基板33とを備えている。
【0042】
メイン基板31には、CPU41、ROM42、RAM43、入出力ポート44およびデータ送出回路45が備えられている。CPU41、ROM42、RAM43、入出力ポ
ート44およびデータ送出回路45は、バスにより、データを通信可能に接続されている。また、メイン基板31には、CPU41にクロックパルスを与えるクロック発生回路46と、乱数を生成する乱数生成回路47とが備えられている。
【0043】
CPU41は、ROM42に格納されているプログラムを実行し、入出力ポート44から入力される信号に基づいて、入出力ポート44に接続されている各制御対象を制御する。
【0044】
RAM43は、CPU41によるプログラムの実行時のワークエリアとして使用される。
【0045】
入出力ポート(入力ポート)44には、MAXベットボタン17、1枚ベットボタン18、スタートレバー19、左ストップボタン20L、中ストップボタン20C、右ストッ
プボタン20R、精算ボタン21、左リール位置検出センサ51L、中リール位置検出センサ51C、右リール位置検出センサ51R、メダル投入センサ52およびメダル払出センサ53が接続されている。
【0046】
入出力ポート(出力ポート)44には、クレジット数表示器7、配当数表示器8、ベット数表示LED9、リプレイ表示LED10、スタート可否表示LED11およびメダル受付可否表示LED12が制御対象として接続されている。また、入出力ポート(出力ポート)44には、左リール4Lを回転駆動する左リール駆動モータ61L、中リール4Cを回転駆動する中リール駆動モータ61C、右リール4Rを回転駆動する右リール駆動モータ61R、メダル投入口16から投入されるメダルの受付/拒否を切り替えるためのメダルブロックソレノイド62および本体2内に設けられたメダル貯留部(図示せず)からメダルを払い出すためのメダル払出駆動モータ63が制御対象として接続されている。
【0047】
MAXベットボタン17、1枚ベットボタン18、スタートレバー19、左ストップボタン20L、中ストップボタン20C、右ストップボタン20Rおよび精算ボタン21が
操作されると、それらの個々に設けられたスイッチまたはセンサから信号が出力され、その信号が入出力ポート44を介してCPU41に入力される。また、左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rが1回転する度に、それぞれ左リール位置検出センサ51L、中リール位置検出センサ51Cおよび右リール位置検出センサ51Rから信号が出力され、その信号が入出力ポート44を介してCPU41に入力される。メダル投入口16からメダルが1枚投入される度に、メダル投入センサ52から検出信号が出力され、その検出信号が入出力ポート44を介してCPU41に入力される。メダル払出駆動モータ63が駆動されて、メダル貯留部からメダルが払い出される度に、メダル払出センサ53から信号が出力され、その信号が入出力ポート44を介してCPU41に入力される。
【0048】
左リール駆動モータ61L、中リール駆動モータ61Cおよび右リール駆動モータ61Rには、ステッピングモータが採用されている。規定数のメダルがゲームにベットされた後、スタートレバー19が操作されると、CPU41は、左リール駆動モータ61L、中リール駆動モータ61Cおよび右リール駆動モータ61Rに駆動パルス信号を入力し、左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rの回転を開始させる。CPU41は、左リール位置検出センサ51L、中リール位置検出センサ51Cおよび右リール位置検出センサ51Rの出力信号ならびに左リール駆動モータ61L、中リール駆動モータ61Cおよび右リール駆動モータ61Rへの駆動パルス信号の出力数に基づいて、左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rの回転位置を常に把握している。
【0049】
また、スタートレバー19が操作されると、CPU41は、内部抽選を実行する。具体的には、CPU41は、スタートレバー19が操作されたタイミングで、乱数生成回路47から乱数を取得する。そして、CPU41は、ROM42に格納されている抽選テーブルを参照する。抽選テーブルでは、乱数生成回路47が生成する乱数の範囲(たとえば、0〜65535)が複数の抽選区分に分けられ、抽選区分の個々に1以上の役が対応づけられている。CPU41は、乱数生成回路47から取得した乱数が属する抽選区分に対応づけられた役を当選役として決定する。また、CPU41は、乱数生成回路47から取得した乱数がどの抽選区分にも属さない場合には、内部抽選の結果を不当選(純ハズレ)と決定する。
【0050】
その後、左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rの回転速度が一定になると、CPU41は、左ストップボタン20L、中ストップボタン20Cおよび右ストップボタン20Rを有効化する。そして、左ストップボタン20L、中ストップボタン20Cおよび右ストップボタン20Rが操作されると、CPU41は、左ストップボタン20L、中ストップボタン20Cおよび右ストップボタン20Rが操作されたタイミングと内部抽選の結果とに基づいて、左リール駆動モータ61L、中リール駆動モータ61Cおよび右リール駆動モータ61Rへの駆動パルス信号の出力を停止し、左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rの停止を制御する。このとき、左ストップボタン20Lが押操作されたタイミングでの左リール4Lの回転位置を基準として、所定コマ数分の図柄が移動する引込範囲内で左リール4Lの回転が停止される(引込制御)。中リール4Cおよび右リール4Rについても同様である。
【0051】
そして、CPU41は、有効ライン上に内部抽選での当選役に対応した図柄の組合せが並んでいるか否かを判定する。有効ライン上に当選役に対応した図柄の組合せが並んでいれば、CPU41は、その当選役に入賞と判定し、当選役に応じた処理を実行する。
【0052】
また、CPU41は、データ送出回路45を介して、サブ基板32に各種データを送出する。各種データには、ゲーム開始の条件が成立したことを表すベット信号、スタートレバー19が操作されたことを表すレバーオン信号、左ストップボタン20Lが操作されたことを表す左停止信号、中ストップボタン20Cが操作されたことを表す中停止信号、右ストップボタン20Rが操作されたことを表す右停止信号、および内部抽選の当選役に関する情報である当選役データなどが含まれる。
【0053】
サブ基板32には、データ入力回路71が備えられている。データ入力回路71は、メイン基板31のデータ送出回路45とデータを通信可能に接続されている。データ送出回路45とデータ入力回路71との間では、データ送出回路45からデータ入力回路71への一方向に通信が行われ、データ入力回路71からデータ送出回路45への通信は行われない。
【0054】
また、サブ基板32には、CPU72、ROM73、RAM74、サウンドプロセッサ75、入出力ポート76およびデータ入出力回路77が備えられている。データ入力回路71、CPU72、ROM73、RAM74、サウンドプロセッサ75、入出力ポート76およびデータ入出力回路77は、バスにより、データを通信可能に接続されている。さらに、サブ基板32には、CPU72にクロックパルスを与えるクロック発生回路78が備えられている。
【0055】
CPU72は、ROM73に格納されているプログラムを実行し、データ入力回路71およびデータ入出力回路77から入力される信号に基づいて、サウンドプロセッサ75にデータ(コマンド)を送信し、入出力ポート76に接続されている各制御対象を制御する。制御対象には、スロットマシン1の各部の照明のためのLED79およびバックライト80などが含まれる。また、CPU72は、データ入出力回路77を介して、液晶基板33に液晶表示装置24の制御に必要なデータを送出する。
【0056】
RAM74は、CPU41によるプログラムの実行時のワークエリアとして使用される。
【0057】
サウンドプロセッサ75は、CPU72から与えられるデータに基づいて、スピーカ25L,25R,26L,26Rからの効果音や音声の出力を制御する。
【0058】
液晶基板33には、データ入出力回路81が備えられている。データ入出力回路81は、サブ基板32のデータ入出力回路77とデータを通信可能に接続されている。データ入出力回路77とデータ入出力回路81との間では、双方向に通信が行われる。
【0059】
また、液晶基板33には、CPU82、ROM83、RAM84および駆動回路85が備えられている。データ入出力回路81、CPU82、ROM83、RAM84および駆動回路85は、バスにより、データを通信可能に接続されている。さらに、液晶基板33には、CPU82にクロックパルスを与えるクロック発生回路86が備えられている。
【0060】
CPU82は、ROM83に格納されているプログラムを実行し、データ入出力回路81から入力される信号に基づいて、駆動回路85を介して、液晶表示装置24を制御する。また、CPU82は、データ入出力回路81を介して、サブ基板32にスピーカ25L,25R,26L,26Rからの効果音や音声の出力制御などに必要なデータを送出する。
【0061】
また、スロットマシン1には、貸出機中継基板91が備えられている。メイン基板31とスロットマシン1に隣接して設けられるメダル貸出機(図示せず)の制御基板とは、貸出機中継基板91を介して通信可能に接続されている。
【0062】
図3は、左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rの各周面(リール帯)に描かれている図柄の配列を示す図である。
【0063】
左リール4Lの周面には、「ボードA」、「黄7B」、「リプレイA」、「ブランク」、「黄7A」、「ボードB」、「黄7A」、「リプレイB」、「チェリー」、「リプレイC」、「ボードA」、「黄7B」、「リプレイA」、「ボードA」、「黄7B」、「リプレイA」、「チェリー」、「バー」、「ボードA」、「黄7B」および「リプレイA」の図柄が左リール4Lの回転時にリール窓6内にこの順に現れるように配列されている。
【0064】
中リール4Cの周面には、「ブランク」、「ボードA」、「リプレイB」、「黄7A」、「チェリー」、「ボードA」、「リプレイA」、「黄7B」、「ブランク」、「ボードA」、「リプレイA」、「黄7B」、「チェリー」、「ボードA」、「リプレイA」、「黄7B」、「ブランク」、「バー」、「ボードA」、「リプレイA」および「黄7B」の図柄が中リール4Cの回転時にリール窓6内にこの順に現れるように配列されている。
【0065】
右リール4Rの周面には、「リプレイB」、「ボードA」、「黄7A」、「チェリー」、「黄7A」、「リプレイB」、「ボードA」、「黄7B」、「リプレイA」、「ボードA」、「黄7B」、「チェリー」、「ブランク」、「リプレイA」、「ボードB」、「黄7B」、「ブランク」、「バー」、「リプレイA」、「ボードA」、および「黄7B」の図柄が右リール4Rの回転時にリール窓6内にこの順に現れるように配列されている。
【0066】
図4は、図柄停止位置PL1,PL2,PL3,PC1,PC2,PC3,PR1,PR2,PR3および有効ラインL2について説明するための図である。
【0067】
左リール4Lが停止すると、リール窓6内で上下に並ぶ図柄停止位置PL1,PL2,PL3にそれぞれ1個の図柄が停止する。
【0068】
中リール4Cが停止すると、リール窓6内で上下に並ぶ図柄停止位置PC1,PC2,PC3にそれぞれ1個の図柄が停止する。
【0069】
右リール4Rが停止すると、リール窓6内で上下に並ぶ図柄停止位置PR1,PR2,PR3にそれぞれ1個の図柄が停止する。
【0070】
スロットマシン1は、いわゆる中段1ライン機であり、リール窓6内の中段に横一列に整列する3つの図柄停止位置PL2,PC2,PR2を通るラインL2のみが有効ラインである。以下、3つの図柄停止位置PL1,PC1,PR1を通るラインを上段ラインL1、3つの図柄停止位置PL3,PC3,PR3を通るラインを下段ラインL3、3つの図柄停止位置PL1,PC2,PR3を通るラインを右下がりラインL4、3つの図柄停止位置PL3,PC2,PR1を通るラインを右上がりラインL5という。
【0071】
内部抽選での当選役に対応した図柄の組合せが有効ラインL2に並ぶと、その当選役に入賞となる。内部抽選の抽選対象の役には、ボーナス役、小役、及びリプレイ役を含む。ボーナス役は、当選した場合は入賞するまで当選状態が維持される、所謂持越し役である。これに対し、小役及びリプレイ役は、3つのリール4L,4C,4Rが全て停止して1回のゲームが終了すると、当選状態が消滅する役である。小役は、入賞に伴いメダルが払い出される役、リプレイ役は、入賞に伴い、メダルのベット不要で次ゲームを実行することが出来る役である。
【0072】
図5〜13は、通常遊技状態中、具体的には、未だボーナス役に当選していないボーナス非当選状態中の内部抽選の抽選対象である役の種類および個々の役に対応づけられた図柄の組合せおよび配当数(払出枚数)を示す図である。
図5〜13に示す如く、各抽選グループは、複数種類の役(条件装置)の組合せで構成されており、内部抽選では、ゲーム開始操作時に取得した乱数値に係る当選範囲が抽選グループ毎に予め定められており、前記乱数値が前記当選範囲にある場合はその抽選グループに当選、ない場合は非当選と判定する。
【0073】
図5に示す抽選グループGRP1及び抽選グループGRP2は、上述のボーナス役に係る抽選グループである。
抽選グループGRP1は、6種類のボーナス役CBA01〜CBA06、具体的には6種類の役物連続作動装置に係る条件装置が重複当選する抽選グループである。抽選グループGRP1に当選した場合は、6種類のボーナス役CBA01〜CBA06の何れかに係る入賞図柄が有効ラインL2上に成立するまで、6種類のボーナス役CBA01〜CBA06の当選状態が維持される。
6種類のボーナス役CBA01〜CBA06のうち、2種類のボーナス役CBA01〜CBA02の何れかが入賞した場合は、「ボードA」または「ボードB」が有効ラインL2上に並ぶことになる。また、残りの4種類のボーナス役CBA03〜CBA06の何れかが入賞した場合は、「ボードA」または「ボードB」が右上がりラインL5上に並ぶことになる。
【0074】
抽選グループGRP2は、10種類のボーナス役CBB01〜CBB10が重複当選する抽選グループである。抽選グループGRP2に当選した場合は、10種類のボーナス役CBB01〜CBB10の何れかに係る入賞図柄が有効ラインL2上に成立するまで、10種類のボーナス役CBB01〜CBB10の当選状態が維持される。
10種類のボーナス役CBB01〜CBB10のうち、2種類のボーナス役CBB01〜CBB02の何れかが入賞した場合は、「ボードA」または「ボードB」が有効ラインL2上に並ぶことになる。また、残りの8種類のボーナス役CBB03〜CBB10の何れかが入賞した場合は、「ボードA」または「ボードB」が下段ラインL3上に並ぶことになる。
【0075】
図6に示す抽選グループGRP3、及び
図7に示す抽選グループGRP4は、上述のリプレイ役に係る抽選グループである。
図6に示す抽選グループGRP3は48種類のリプレイ役RPA01〜RPA04、RPB01〜RPB08、RPC01〜RPC12、及びRPD01〜RPD24が重複当選する抽選グループである。
48種類のリプレイ役RPA01〜RPA04、RPB01〜RPB08、RPC01〜RPC12、及びRPD01〜RPD24のうち、4種類のリプレイ役RPA01〜RPA08はそれぞれ、入賞した場合に「リプレイA」または「リプレイB」が有効ラインL2上に並ぶことになる。8種類のリプレイ役RPB01〜RPB08はそれぞれ、入賞した場合に「リプレイA」または「リプレイB」が上段ラインL1上に並ぶことになる。12種類のリプレイ役RPC01〜RPC12はそれぞれ、入賞した場合に「リプレイA」または「リプレイB」が右下がりラインL4上に並ぶことになる。24種類のリプレイ役RPD01〜RPD24はそれぞれ、入賞した場合に「リプレイA」または「リプレイB」が右上がりラインL5上に並ぶことになる。
抽選グループGRP3に当選したゲームでは、左ストップボタン20L、中ストップボタン20Cおよび右ストップボタン20Rの操作順及び操作タイミングにかかわらず、48種類のリプレイ役RPA01〜RPA04、RPB01〜RPB08、RPC01〜RPC12、及びRPD01〜RPD24の何れかに係る入賞図柄が有効ラインL2上に成立し、リプレイ役が入賞することになる。
【0076】
図7に示す抽選グループGRP4は60種類のリプレイ役RPA01〜RPA04、RPB01〜RPB08、RPC01〜RPC12、RPD01〜RPD24、及びRPE01〜RPE12が重複当選する抽選グループである。上述した抽選グループGRP3に、12種類のリプレイ役RPE01〜RPE12を加えたもので、48種類のリプレイ役リプレイ役RPA01〜RPA04、RPB01〜RPB08、RPC01〜RPC12、及びRPD01〜RPD24については抽選グループGRP3と同等であるため、これについては説明を省略する。12種類のリプレイ役RPE01〜RPE12はそれぞれ、入賞した場合に「リプレイA」または「リプレイB」が下段ラインL3上に並ぶことになる。
抽選グループGRP4に当選したゲームでも、抽選グループGRP3に当選したゲームと同様に、左ストップボタン20L、中ストップボタン20Cおよび右ストップボタン20Rの操作順及び操作タイミングにかかわらず、60種類のリプレイ役RPA01〜RPA04、RPB01〜RPB08、RPC01〜RPC12、RPD01〜RPD24、及びRPE01〜RPE12の何れかに係る入賞図柄が有効ラインL2上に成立し、リプレイ役が入賞することになる。
【0077】
図8〜9に示す抽選グループGRP5、
図10〜11に示す抽選グループGRP6、
図12に示す抽選グループGRP7、GRP8、及び
図13に示す抽選グループGRP9は、上述の小役に係る抽選グループである。
図8〜9に示す抽選グループGRP5は、配当が9枚の69種類の小役BLA01〜BLA08、BLB01〜BLB12、BLC01〜BLC16、BLD01〜BLD12、及びSPL01〜SPL21と、配当が1枚の8種類の小役FBL01〜FBL08とが重複当選する抽選グループである。
配当が9枚の69種類の小役BLA01〜BLA08、BLB01〜BLB12、BLC01〜BLC16、BLD01〜BLD12、及びSPL01〜SPL21のうち、小役BLA01〜BLA08は、入賞した場合に「黄7A」または「黄7B」が有効ラインL2上に並ぶことになる。12種類の小役BLB01〜BLB12はそれぞれ、入賞した場合に「黄7A」または「黄7B」が上段ラインL1上に並ぶことになる。16種類の小役BLC01〜BLC16はそれぞれ、入賞した場合に「黄7A」または「黄7B」が右下がりラインL4上に並ぶことになる。12種類の小役BLD01〜BLD12はそれぞれ、入賞した場合に「ベル」が右上がりラインL5上に並ぶことになる。21種類の小役SPL01〜SPL21はそれぞれ、ボーナスゲーム中のみ引込対象となる役で、ボーナス非当選状態中、及びボーナス当選状態中に、各小役SPL01〜21に対応する入賞図柄が有効ラインL2上に成立することはない。
一方、配当が1枚の8種類の小役FBL01〜FBL08はそれぞれ、入賞した場合に、
図4に示す停止位置PL1、PC2及びPR2に「リプレイA」、「リプレイB」及び「リプレイC」の何れかが停止することになる。
【0078】
図10〜11に示す抽選グループGRP6は、配当が9枚の69種類の小役BLA01〜BLA08、BLB01〜BLB12、BLC01〜BLC16、BLD01〜BLD12、及びSPL01〜SPL21が重複当選する抽選グループである。
配当が9枚の69種類の小役BLA01〜BLA08、BLB01〜BLB12、BLC01〜BLC16、BLD01〜BLD12、及びSPL01〜SPL21については、上述の抽選グループGRP5と同等であるので、説明は省略する。
抽選グループGRP6に当選したゲームでは、左ストップボタン20L、中ストップボタン20Cおよび右ストップボタン20Rの操作順及び操作タイミングにかかわらず、69種類の小役BLA01〜BLA08、BLB01〜BLB12、BLC01〜BLC16、BLD01〜BLD12、及びSPL01〜SPL21の何れかに係る入賞図柄が有効ラインL2上に成立し、配当9枚の小役が入賞することになる。
【0079】
図12に示す抽選グループGRP7は配当が3枚の21種類の小役CHA01〜21が重複当選する抽選グループ、抽選グループGRP8は配当が3枚の10種類の小役CHB01〜10が重複当選する抽選グループ、
図13に示す抽選グループGRP9は、配当が3枚の31種類の小役CHA01〜21及びCHB01〜10が重複当選する抽選グループである。
31種類の小役CHA01〜21及びCHB01〜10はそれぞれ、入賞した場合には基本的に、
図4に示す停止位置PL1及びPL3の何れかに「チェリー」が停止するとともに、停止位置PC2及びPR2に「ボードA」及び「ボードB」の何れかが停止する。
【0080】
また、21種類の小役CHA01〜21の左リール4Lの入賞図柄は、「リプレイA」または「バー」であるため、21種類の小役CHA01〜21の重複当選で構成された抽選グループGRP7は、
図22に示す如く、左ストップボタン20Lの操作タイミングによっては取り零しが生じる抽選グループである。
同様に、10種類の小役CHB01〜10の左リール4Lの入賞図柄は、「リプレイB」であるため、10種類の小役CHB01〜10の重複当選で構成された抽選グループGRP8は、
図22に示す如く、左ストップボタン20Lの操作タイミングによっては取り零しが生じる抽選グループである。
一方、抽選グループGRP7を構成する21種類の小役CHA01〜21と、抽選グループGRP8を構成する10種類の小役CHB01〜10とが重複当選する抽選グループGRP9では、左リール4Lの入賞図柄は、「リプレイA」、「バー」または「リプレイB」となり、
図22に示す如く、左リール4Lには、これらの図柄が最大引込範囲以内に配置されているため、抽選グループGRP9は取り零しが生じない抽選グループである。
【0081】
図14は、ボーナス非当選状態(通常遊技状態ともいう)、ボーナス当選状態(ボーナス内部状態ともいう)及びボーナスゲーム中の内部抽選における、設定値1の各抽選グループの抽選値を示している。なお分母は65536である。
ボーナス非当選状態中において、抽選グループGRP1(2種BB1)及び抽選グループGRP2(2種BB2)の抽選値はそれぞれ328、当選確率は約1/199.8に設定している。従って、ボーナス役の合算抽選値は656、合算当選確率は、約1/99.9である。
抽選グループGRP3(リプレイ1)の抽選値は8078、当選確率は約1/8.1、抽選グループGRP4(リプレイ2)の抽選値は900、当選確率は約1/72.8にそれぞれ設定している。従って、リプレイ役の合算抽選値は8978、合算当選確率は、約1/7.3である。
【0082】
抽選グループGRP5(ベル1)の抽選値は16703、当選確率は約1/3.92、抽選グループGRP6(ベル2)の抽選値は777、当選確率は約1/84.3にそれぞれ設定している。従って、ベル役の合算抽選値は17480、合算当選確率は、約1/3.75である。
抽選グループGRP7(チェリー1)及び抽選グループGRP8(チェリー2)の抽選値はそれぞれ366、当選確率は約1/179に設定している。抽選グループGRP9(チェリー3)の抽選値は1106、当選確率は約1/59.2に設定している。従って、チェリー役の合算抽選値は1838、合算当選確率は、約1/35.6である。
なお、抽選グループGRP1〜GRP9の何れのグループにも当選しないハズレとなる抽選値は36584、その確率は約1/1.8である。
【0083】
また、ボーナス当選状態においても、抽選グループGRP5〜抽選グループGRP9、即ち小役に係る抽選グループの抽選値は、ボーナス非当選状態と同等である。ただし、ボーナス当選状態においては、抽選対象役からボーナス役が除外されるため、抽選グループGRP01及びGRP02は抽選対象外となる。
また、抽選グループGRP3(リプレイ1)の抽選値は34663、当選確率は約1/1.89、抽選グループGRP4(リプレイ2)の抽選値は11555、当選確率は約1/5.67にそれぞれ設定している。従って、リプレイ役の合算抽選値は46218、合算当選確率は、約1/1.42となり、ボーナス非当選状態に比べて大幅に向上する。なお、これに伴い、ハズレとなる確率は0となる。
即ち、ボーナス当選状態は、ボーナス非当選状態に比べてリプレイ確率が大幅に向上する、所謂リプレイタイム(RT)である。
【0084】
ボーナスゲーム中には、遊技機関連法規上の第2種特別役物に係る役物連続作動装置(所謂、2種BB)が作動することになるので、内部抽選結果にかかわらず、全ての小役に係る条件装置が作動することになる。従って、ボーナスゲーム中には、小役に係る条件装置を含む抽選グループGRP5〜抽選グループGRP9の抽選値はそれぞれ65536、当選確率は100%となる。
【0085】
図15に、スロットマシン1における遊技状態遷移図を示す。
先ず、初期化状態のボーナス非当選状態の内部抽選にて、抽選グループGRP01またはGRP02に当選したボーナス当選ゲームで、ボーナス役に係る入賞図柄組合せが成立した場合には、次ゲームからボーナスゲームに移行する。
【0086】
ボーナスゲーム中には、上述の如く、内部抽選結果にかかわらず、全ての小役に係る条件装置が作動するとともに、左ストップボタン20L操作時の最大引込範囲が、ボーナスゲーム中以外の4コマから1コマに減少する。なお、中ストップボタン20C及び右ストップボタン20R操作時の最大引込範囲は、ボーナスゲーム中以外と同等の4コマである。
ボーナスゲーム中には、各ストップボタン20L、20C、20Rの操作順及び操作タイミングにかかわらず、配当が9枚の小役に係る入賞図柄組合せが有効ラインL2上に成立する。また、ボーナスゲームは、ボーナスゲーム中のメダル獲得枚数が100枚を超えたゲームで終了し、ボーナスゲーム終了後はボーナス非当選状態へ移行する。上述の如く、ボーナスゲーム中には、毎ゲーム9枚のメダルが獲得できるので、ボーナスゲーム中のゲーム数は12ゲーム、ボーナスゲーム中の規定数は3枚であるので、ボーナスゲームのメダル純増枚数は72枚である。
【0087】
一方、ボーナス非当選状態の内部抽選にて、抽選グループGRP1またはGRP2に当選したボーナス当選ゲームで、ボーナス役に係る入賞図柄組合せが成立しなかった場合には、次ゲームからボーナス当選状態へ移行する。
ボーナス当選状態では、ボーナス役に係る入賞図柄組合せが成立するまで、抽選グループGRP1またはGRP2の当選状態が持ち越されるとともに、
図14に示すようにハズレのない内部抽選が毎ゲーム実行されるため、毎ゲーム、抽選グループGRP1またはGRP2と、抽選グループGRP3〜GRP9の何れかとが重複当選することになる。従って、ボーナス当選状態では、ボーナス役に係る抽選グループGRP1またはGRP2と、リプレイ役に係る抽選グループGRP3またはGRP4とが重複当選するか、若しくは、ボーナス役に係る抽選グループGRP1またはGRP2と、小役に係る抽選グループGRP5〜GRP9の何れかとが重複当選することになる。
【0088】
スロットマシン1では、ボーナス役と小役、またはボーナス役とリプレイ役の重複当選時の引込優先順を、リプレイ役>小役>ボーナス役の順に設定している。
このため、ボーナス当選状態中の内部抽選の結果、リプレイ役に係る抽選グループGRP3またはGRP4に当選したゲームでは、各ストップボタン20L、20C、20Rの操作順及び操作タイミングにかかわらず、リプレイ役に係る入賞図柄組合せが有効ラインL2上に成立するため、ボーナス役に係る入賞図柄組合せが有効ラインL2上に成立することはない。
【0089】
また、ボーナス当選状態中の内部抽選の結果、小役に係る抽選グループGRP5〜GRP9のうち、抽選グループGRP5〜6及びGRP9の何れかの抽選グループに当選したゲームでは、各ストップボタン20L、20C、20Rの操作順及び操作タイミングにかかわらず、何れかの小役に係る入賞図柄組合せが有効ラインL2上に成立するため、ボーナス役に係る入賞図柄組合せが有効ラインL2上に成立することはない。
一方、小役に係る抽選グループGRP5〜GRP9のうち、抽選グループGRP7またはGRP8に当選したゲームでは、各ストップボタン20L、20C、20Rの操作タイミングによっては、当選した抽選グループGRP7またはGRP8に属する小役に係る入賞図柄組合せの何れも有効ラインL2上に引き込むことが出来ない場合があるため、この場合には、ボーナス役に係る入賞図柄組合せが有効ラインL2上に成立することになる。
【0090】
ボーナス当選状態は、ボーナス当選状態中の内部抽選の結果、抽選グループGRP7またはGRP8に当選したゲームで、ボーナス役に係る入賞図柄組合せが有効ラインL2上に成立したゲームで終了し、次ゲームからボーナスゲームへ移行する。ボーナスゲーム及びボーナスゲーム終了後については、上述の通りであるため、これについては説明を省略する。
【0091】
また、スロットマシン1においては、ボーナス役に係る抽選グループGRP1及びGRP2、並びに配当の異なる複数種類の小役が重複当選する抽選グループGRP5に関し、ボーナス非当選状態と、ボーナス当選状態とで、有効ラインL2上への引込対象とする役を変更している。
具体的には、
図16に示す如く、ボーナス非当選状態中に抽選グループGRP1に当選したゲームでは、重複当選した複数種類のボーナス役CBA01〜06のうち、ボーナス役CBA01〜02に係る入賞図柄を引き込みの対象とする。
【0092】
図21に、各リール4L、4C、4Rにおける、ボーナス役CBA01〜02に係る入賞図柄「ボードA」及び「ボードB」を有効ラインL2上に引込むことが出来る、ストップボタン20L、20C、20R操作時のリール回転位置(以下、引込可能範囲という)を示す。
左リール4Lにおける「ボードA」の引込可能範囲は図柄番号1及び7〜21の連続する16コマの範囲、「ボードB」の引込可能範囲は図柄番号2〜6の連続する5コマの範囲となる。
中リール4Cにおける「ボードA」の引込可能範囲は図柄番号1〜21の全範囲となる。
右リール4Rにおける「ボードA」の引込可能範囲は図柄番号1〜10及び16〜21の連続する16コマの範囲、「ボードB」の引込可能範囲は図柄番号11〜15の連続する5コマの範囲となる。
【0093】
図21に示す如く、ボーナス役CBA01〜02に係る入賞図柄のうち、中リール4Cの図柄「ボードA」は、中リール4C上に最大引込範囲以内に配置されているため、中ストップボタン20Cの操作タイミングに係らず、有効ラインL2上に引込可能である。
また、最初のストップボタン操作(以下、第1停止操作という)に関しては、左ストップボタン20L、中ストップボタン20C、右ストップボタン20Rの何れの場合でも、ボーナス役CBA01〜02に係る入賞図柄「ボードA」または「ボードB」を有効ラインL2上へ引き込むことが出来る。
しかしながら、2回目のストップボタン操作(以下、第2停止操作という)以降については、ボーナス役CBA01〜02に係る入賞図柄を有効ラインL2上へ引き込むことが出来ない場合が生じる。
【0094】
具体的には、左ストップボタン20L及び右ストップボタン20Rのうちの一方のストップボタンを操作し、左リール4Lまたは右リール4Rの有効ラインL2上に「ボードA」が停止した場合、入賞の可能性が残るのはボーナス役CBA01のみとなるため、他方のストップボタンの操作タイミングによっては、ボーナス役CBA01に係る入賞図柄を有効ラインL2上に引き込むことが出来ない場合が生じる。
同様に、左ストップボタン20L及び右ストップボタン20Rのうちの一方のストップボタンを操作し、左リール4Lまたは右リール4Rの有効ラインL2上に「ボードB」が停止した場合、入賞の可能性が残るのはボーナス役CBA02のみとなるため、他方のストップボタンの操作タイミングによっては、ボーナス役CBA02に係る入賞図柄を有効ラインL2上に引き込むことが出来ない場合が生じる。
即ち、左ストップボタン20L及び右ストップボタン20Rのうちの一方のストップボタンを操作によって、入賞の可能性が残るボーナス役が1通りに絞り込まれ、その後の他方のストップボタンの操作タイミングに応じて、ボーナス入賞/取り零しの何れかとなる。
【0095】
また、ボーナス非当選状態中に抽選グループGRP2に当選したゲームでは、重複当選した複数種類のボーナス役CBB01〜08のうち、ボーナス役CBB01〜02に係る入賞図柄、即ち「ボードA」及び「ボードB」を引き込みの対象とする。なお、ボーナス入賞/取り零しのプロセスについては、上述の抽選グループGRP1当選時と同等であるため、説明は省略する。
【0096】
図23は、ボーナス非当選状態の内部抽選の結果、抽選グループGRP1またはGRP2に当選したボーナス当選ゲームにおいて、左ストップボタン20L及び右ストップボタンの操作タイミングに応じて、生じることになるゲーム結果を示したものである。
左リール4Lの回転位置が図柄番号1及び7〜21の連続する16コマの範囲内にあるタイミングで左ストップボタン20Lが操作され、即ち「ボードA」の引込可能範囲内で左ストップボタン20Lが操作され、且つ、右リール4Rの回転位置が図柄番号1〜10及び16〜21の連続する16コマの範囲内にあるタイミングで右ストップボタン20Rが操作され、即ち「ボードA」の引込可能範囲内で右ストップボタン20Rが操作された場合、抽選グループGRP1の当選ゲームにおいてはボーナス役CBA01が入賞する一方、抽選グループGRP2の当選ゲームにおいては、取り零すことになる。
また、「ボードA」の引込可能範囲内で左ストップボタン20Lが操作され、且つ右リール4Rの回転位置が図柄番号11〜15の連続する5コマの範囲内にあるタイミングで右ストップボタン20Rが操作され、即ち「ボードB」の引込可能範囲内で右ストップボタン20Rが操作された場合、抽選グループGRP1の当選ゲームにおいては取り零す一方、抽選グループGRP2の当選ゲームにボーナス役CBB01が入賞することになる。
【0097】
左リール4Lの回転位置が図柄番号2〜6の連続する5コマの範囲内にあるタイミングで左ストップボタン20Lが操作され、即ち「ボードB」の引込可能範囲内で左ストップボタン20Lが操作され、且つ「ボードA」の引込可能範囲内で右ストップボタン20Rが操作された場合、抽選グループGRP1の当選ゲームにおいては取り零す一方、抽選グループGRP2の当選ゲームにボーナス役CBB02が入賞することになる。
また、「ボードB」の引込可能範囲内で左ストップボタン20Lが操作され、且つ「ボードB」の引込可能範囲内で右ストップボタン20Rが操作された場合、抽選グループGRP1の当選ゲームにおいてはボーナス役CBA02が入賞する一方、抽選グループGRP2の当選ゲームにおいては取り零すことになる。
【0098】
上述の如く、ボーナス非当選状態の内部抽選の結果、抽選グループGRP1に当選した第1ボーナス当選ゲームと、抽選グループGRP2に当選した第2ボーナス当選ゲームとでは、一方のボーナス当選ゲームで入賞が得られる各ストップボタン20L、20C、20Rの操作タイミングと、他方のボーナス当選ゲームで入賞を取り零す各ストップボタン20L、20C、20Rの操作タイミングとが同一に設定されている。このため、ボーナス当選ゲームでは、抽選グループGRP1及び抽選グループGRP2のうち、何れの抽選グループに当選したのかがわからない限り、入賞/取り零しは、遊技者の運次第ということになる。
【0099】
一方、ボーナス当選状態中においては、ボーナス役に係る抽選グループGRP1またはGRP2が常に当選状態であるが、上述の如く、ボーナス役が入賞可能となるゲームは、抽選グループGRP7またはGRP8に当選したゲームに限定される。
【0100】
ボーナス当選状態中において、ボーナス役に係る抽選グループGRP1と、抽選グループGRP7とが重複当選したゲームでは、抽選グループGRP7に属するCHA05〜08の入賞に係る図柄を優先的に有効ラインL2上に引き込む制御を行う。
ボーナス役CBA03〜06に係る入賞図柄組合せと、抽選グループGRP7に属する小役CHA05〜08の入賞図柄組合せとは、中リール4Cが「ボードA」、右リール4Rが「リプレイA」または「リプレイB」で共通しており、左リール4Lの図柄が異なる。中リール4Cの「ボードA」、及び右リール4Rの「リプレイA」及び「リプレイB」は、それぞれ最大引込範囲内に配置されているため、中ストップボタン20C及び右ストップボタン20Rの操作タイミングにかかわらず、有効ラインL2上に引き込み可能である。
一方、抽選グループGRP7は、
図22に示す如く、左リール4Lの回転位置が図柄番号4〜8の連続する5コマの範囲内にあるタイミングで左ストップボタン20Lが操作された場合には取り零しが生じるため、この場合には、ボーナス役CBA03〜06に係る入賞図柄「黄7A」または「黄7B」を有効ラインL2上に引き込む。
【0101】
また、ボーナス当選状態中において、ボーナス役に係る抽選グループGRP1と、抽選グループGRP8とが重複当選したゲームでは、抽選グループGRP8に属するCHB03〜04の入賞に係る図柄を優先的に有効ラインL2上に引き込む制御を行う。
ボーナス役CBA03〜04に係る入賞図柄組合せと、抽選グループGRP8に属する小役CHB03〜04の入賞図柄組合せとは、中リール4Cが「ボードA」、右リール4Rが「リプレイA」または「リプレイB」で共通しており、左リール4Lの図柄が異なる。中リール4Cの「ボードA」、及び右リール4Rの「リプレイA」及び「リプレイB」は、それぞれ最大引込範囲内に配置されているため、中ストップボタン20C及び右ストップボタン20Rの操作タイミングにかかわらず、有効ラインL2上に引き込み可能である。
一方、抽選グループGRP8は、
図22に示す如く、左リール4Lの回転位置が図柄番号1〜3及び9〜21の連続する16コマの範囲内にあるタイミングで左ストップボタン20Lが操作された場合には取り零しが生じるため、この場合には、ボーナス役CBA03〜06に係る入賞図柄「黄7A」または「黄7B」を有効ラインL2上に引き込む。
【0102】
また、ボーナス当選状態中において、ボーナス役に係る抽選グループGRP2と、抽選グループGRP7とが重複当選したゲームでは、抽選グループGRP7に属するCHA09〜16の入賞に係る図柄を優先的に有効ラインL2上に引き込む制御を行う。
ボーナス役CBB03〜10に係る入賞図柄組合せと、抽選グループGRP7に属する小役CHA09〜16の入賞図柄組合せとは、中リール4Cが「リプレイA」または「リプレイB」、右リール4Rが「黄7A」または「黄7B」で共通しており、左リール4Lの図柄が異なる。中リール4Cの「リプレイA」または「リプレイB」、及び右リール4Rの「黄7A」及び「黄7B」は、それぞれ最大引込範囲内に配置されているため、中ストップボタン20C及び右ストップボタン20Rの操作タイミングにかかわらず、有効ラインL2上に引き込み可能である。
一方、抽選グループGRP7は、
図22に示す如く、左リール4Lの回転位置が図柄番号4〜8の連続する5コマの範囲内にあるタイミングで左ストップボタン20Lが操作された場合には取り零しが生じるため、この場合には、ボーナス役CBB03〜10に係る入賞図柄「黄7A」または「黄7B」を有効ラインL2上に引き込む。
【0103】
また、ボーナス当選状態中において、ボーナス役に係る抽選グループGRP2と、抽選グループGRP8とが重複当選したゲームでは、抽選グループGRP8に属するCHB05〜08の入賞に係る図柄を優先的に有効ラインL2上に引き込む制御を行う。
ボーナス役CBB03〜10に係る入賞図柄組合せと、抽選グループGRP8に属する小役CHB05〜08の入賞図柄組合せとは、中リール4Cが「リプレイA」または「リプレイB」、右リール4Rが「黄7A」または「黄7B」で共通しており、左リール4Lの図柄が異なる。中リール4Cの「リプレイA」または「リプレイB」、及び右リール4Rの「黄7A」及び「黄7B」は、それぞれ最大引込範囲内に配置されているため、中ストップボタン20C及び右ストップボタン20Rの操作タイミングにかかわらず、有効ラインL2上に引き込み可能である。
一方、抽選グループGRP8は、
図22に示す如く、左リール4Lの回転位置が図柄番号1〜3及び9〜21の連続する16コマの範囲内にあるタイミングで左ストップボタン20Lが操作された場合には取り零しが生じるため、この場合には、ボーナス役CBB03〜10に係る入賞図柄「黄7A」または「黄7B」を有効ラインL2上に引き込む。
【0104】
以上を纏めたものを
図24に示す。
左リール4Lの回転位置が図柄番号4〜8の連続する5コマの範囲内にあるタイミングで左ストップボタン20Lが操作され、即ち「リプレイB」の引込可能範囲内で左ストップボタン20Lが操作された場合、ボーナス当選状態中の抽選グループGRP7の当選ゲームにおいてはボーナス役が入賞する一方、ボーナス当選状態中の抽選グループGRP8の当選ゲームにおいては小役が入賞することになる。
また、左リール4Lの回転位置が図柄番号1〜3及び9〜21の連続する16コマの範囲内にあるタイミングで左ストップボタン20Lが操作され、即ち「リプレイA」または「バー」の引込可能範囲内で左ストップボタン20Lが操作された場合、ボーナス当選状態中の抽選グループGRP7の当選ゲームにおいては小役が入賞する一方、ボーナス当選状態中の抽選グループGRP8の当選ゲームにおいてはボーナス役が入賞することになる。
【0105】
上述の如く、ボーナス当選状態中の内部抽選の結果、抽選グループGRP7に当選したゲームと、抽選グループGRP8に当選したゲームとでは、一方のゲームで小役入賞が得られる各ストップボタン20L、20C、20Rの操作タイミングと、他方のゲームで小役入賞を取り零してボーナス入賞する各ストップボタン20L、20C、20Rの操作タイミングとが同一に設定されている。このため、抽選グループGRP7及び抽選グループGRP8のうち、何れの抽選グループに当選したのかがわからない限り、小役入賞/小役入賞を取り零してボーナス入賞するかは、遊技者の運次第ということになる。
【0106】
図16に戻り、ボーナス非当選状態中に抽選グループGRP5に当選したゲームでは、抽選グループGRP5に含まれる77種類の小役BLA01〜BLA08、BLB01〜BLB12、BLC01〜BLC16、BLD01〜BLD12、SPL01〜SPL21、及びFBL01〜FBL08のうち、配当が1枚の小役FLB01〜08に係る入賞図柄を引き込みの対象とする。これにより、ボーナス非当選状態中に抽選グループGRP5に当選したゲームでは、配当が1枚の小役FLB01〜08に係る入賞図柄組合せの何れかが有効ラインL2上に成立することになる。
一方、ボーナス当選状態中に抽選グループGRP5に当選したゲームでは、抽選グループGRP5に含まれる77種類の小役BLA01〜BLA08、BLB01〜BLB12、BLC01〜BLC16、BLD01〜BLD12、SPL01〜SPL21、及びFBL01〜FBL08のうち、配当が9枚の小役BLA01〜BLA08、BLB01〜BLB12、BLC01〜BLC16、及びBLD01〜BLD12に係る入賞図柄を引き込みの対象とする。これにより、ボーナス当選状態中に抽選グループGRP5に当選したゲームでは、配当が9枚の小役BLA01〜BLA08、BLB01〜BLB12、BLC01〜BLC16、及びBLD01〜BLD12に係る入賞図柄組合せの何れかが有効ラインL2上に成立することになる。
【0107】
図14に示す如く、抽選グループGRP5の抽選値は16703、当選確率は約1/3.9であり、ボーナス当選状態中には、抽選グループGRP5に当選したゲームで必ず9枚の配当が得られるため、ボーナス当選状態中は、1ゲームあたりのメダル純増枚数が約1.7枚の、ストップボタン20L、20C、20Rの操作順不問のメダル増加期間となる。
【0108】
上述の通り、メダル増加期間となるボーナス当選状態中へは、ボーナス非当選状態中に合算当選確率約1/99の抽選グループGRP1またはGRP2に当選したボーナス当選ゲームでボーナス入賞を取り零した場合に移行し、該ボーナス当選状態中に、合算当選確率約1/89.5の抽選グループGRP7または抽選グループGRP8に当選したゲームで、ボーナス役の入賞が成立した場合に終了することになる。
ボーナス当選状態が終了する確率は、毎ゲーム約1/180となるため、ボーナス当選状態中の平均継続ゲーム数は、約180ゲームとなる。従って、ボーナス当選状態に移行した場合には、ボーナス当選状態中に平均で306枚のメダルが獲得できるとともに、ボーナス当選状態終了後のボーナスゲームによって、約72枚のメダルが獲得できるため、合計で、平均378枚のメダル獲得が期待できる。
【0109】
図17はチャンス演出処理の手続の流れを示すフローチャートである。
チャンス演出とは、ボーナス当選状態に移行する可能性がある旨を遊技者に示唆することを目的として、液晶表示装置24上で実行される演出である。
先ず、ステップS1701にて内部抽選処理を実行し、次のステップS1702にて抽選グループGRP1またはGRP2に当選したか否かを判断する。ステップS1702にてノーと判断した場合には、ステップS1703にて抽選グループGRP7またはGRP8に当選したか否かを判断し、ノーと判断した場合にはステップS1701に戻る。一方、ステップS1702にてイエスと判断した場合及びステップS1703にてイエスと判断した場合には、ステップS1704にてチャンス演出を開始する。
【0110】
以上の手続フローからわかるように、チャンス演出の開始契機は、ボーナス非当選状態中に抽選グループGRP1、GRP2、GRP7、またはGRP8に当選したこととしている。ボーナス役に係る抽選グループGRP1及びGRP2は、チャンス演出の開始契機として適切であることは自明であるため、説明は省略するが、抽選グループGRP7及びGRP8をチャンス演出の開始契機としている理由について、以下に説明する。
【0111】
図25に、ボーナス非当選状態中に抽選グループGRP1及びGRP2に当選したゲームで、ボーナス入賞を取り零した場合に表示されるリール出目を示す。
図25(a)は、ボーナス当選ゲームでのみ表示される取り零し目、所謂リーチ目を示している。一方、
図25(b)は、ボーナス当選ゲームでボーナス入賞を取り零した場合のみならず、ボーナス非当選状態中に抽選グループGRP7及びGRP8に当選したゲームで、小役の入賞を取り零した場合にも表示される場合がある、共通取り零し目を示している。
なお、ボーナス非当選状態中に他の抽選グループGRP3〜6及び9に当選したゲームでは、上述の如く取り零すことはないため、前記リーチ目及び共通取り零し目が表示されることはない。また、ボーナス非当選状態中に外れたゲームにおいても、前記リーチ目及び共通取り零し目が表示されることがないように設定している。
【0112】
従って、リーチ目が表示された場合にはボーナス入賞を取り零した旨、即ち次ゲームからボーナス当選状態に移行する旨が確定することになるが、共通取り零し目が表示された場合には、抽選グループGRP1またはGRP2に当選していた場合には次ゲームからボーナス当選状態に移行するものの、抽選グループGRP7またはGRP8に当選していた場合にはボーナス非当選状態が維持されるため、共通取り零し目の表示のみでは、ボーナス当選状態への移行は確定しない。このため、共通取り零し目が表示され得る、ボーナス非当選状態中の抽選グループGRP7またはGRP8の当選をチャンス演出の契機に設定し、チャンス演出の頻度を高め、これによって、遊技者のボーナス当選状態移行に対する期待感を適切な頻度で高めることとしている。
【0113】
図26に、チャンス演出の具体例を示す。
図26(a)はチャンス演出の開始時、即ちボーナス非当選状態中に抽選グループGRP1、GRP2、GRP7、またはGRP8に当選したときに液晶表示装置24上に表示する演出画面例を示す。
図26(a)に示す如く、チャンス演出の開始時には、液晶表示装置24にボーナス役に当選した可能性がある旨を示唆するメッセージを表示する。
【0114】
図17に戻り、次のステップS1705では、チャンス演出ゲーム数に1をセットする。チャンス演出ゲーム数は、チャンス演出が開始されてから終了するまでのゲーム数を示す。次のステップS1706では、抽選グループGRP1またはGRP2に当選したボーナス当選ゲームにおいては、当選した抽選グループに含まれる複数種類のボーナス役の何れかが入賞したか否か、また、抽選グループGRP7またはGRP8に当選したゲームにおいては、当選した抽選グループに含まれる複数種類の小役(以下、チェリー役という)の何れかが入賞したか否かを判断する。
【0115】
ステップS1706にてノーと判断した場合には、次のステップS1707にてリーチ目が表示されたか否かを判断し、イエスと判断した場合にはS1708にてチャンス成功報知を実行して、チャンス演出を終了する。上述の如く、リーチ目が表示された場合には、ボーナス役を取り零したこと、即ちボーナス当選状態へ移行することが確定することになる。このため、以降チャンス演出を継続したとしても白けてしまう虞があるため、リーチ目の表示をもってチャンス演出を終了することとしている。
図26(b)に、チャンス成功報知を実行して、チャンス演出を終了するときに液晶表示装置24上に表示する演出画面例を示す。
図26(b)に示す如く、出球が増加するボーナス当選状態への移行が確定した旨を祝福するメッセージを液晶表示装置24に表示して、チャンス演出を終了する。
図17に戻り、次のステップS1709では、ボーナス当選状態中処理に移行してリターンする。ボーナス当選状態中処理については後述する。
【0116】
一方、ステップS1706にてイエスと判断した場合、即ち、ボーナス役またはチェリー役が入賞した場合には、チャンス失敗報知を実行してチャンス演出を終了する。ボーナス入賞時にはボーナスゲームへの移行、チェリー入賞時には上述の如くボーナス役には当選していない旨がそれぞれ確定し、ボーナス当選状態へは移行しないことになる。このため、以降チャンス演出を継続したとしても白けてしまう虞があるため、ボーナス入賞及びチェリー入賞をもってチャンス演出を終了することとしている。
次のステップS1711ではボーナス入賞したか否かを判断し、イエスと判断した場合にはボーナスゲーム処理へ移行してリターンする一方、ノーと判断した場合にはステップS1701へ戻り、ボーナス非当選状態中処理を継続する。
なお、ボーナスゲーム処理については上述の通りであるので、説明を省略する。
【0117】
図26(c)に、ボーナス入賞によりチャンス失敗報知を実行して、チャンス演出を終了するときに液晶表示装置24上に表示する演出画面例、
図26(d)に、チェリー入賞によりチャンス失敗報知を実行して、チャンス演出を終了するときに液晶表示装置24上に表示する演出画面例をそれぞれ示す。
ボーナス入賞時には、
図26(c)に示す如く、出球が増加するボーナス当選状態へは移行しないもののボーナスゲームが開始される旨のメッセージを液晶表示装置24に表示し、また、チェリー入賞時には、
図26(d)に示す如く、出球が増加するボーナス当選状態へは移行しない旨のメッセージを液晶表示装置24に表示して、それぞれチャンス演出を終了する。
【0118】
図17に戻り、ステップS1707にてノーと判断した場合には、
図18のステップS1801に移行してボーナス当選状態か否かを判断する。ステップS1801にてノーと判断した場合には、次のステップS1802へ移行して内部抽選処理を実行する。次のステップS1803では、抽選グループGRP1、GRP2、GRP7またはGRP8、即ちチャンス演出の開始契機に設定された抽選グループに当選したか否かを判断し、イエスと判断した場合には、
図17のステップS1705に戻る。
一方、ステップS1803にてノーと判断した場合には、配当が1枚の小役が入賞したか否かを判断し、イエスと判断した場合には、S1807にてチャンス成功報知を実行してチャンス演出を終了し、ステップS1701へ戻る。
上述の如く、配当が1枚の小役は、ボーナス非当選状態中に、配当が9枚の小役と1枚の小役とが重複当選する抽選グループGRP5に当選した場合に必ず入賞し、ボーナス当選状態中には入賞することがないため、当該入賞によりボーナス非当選状態中であることが確定する。このため、以降チャンス演出を継続したとしても白けてしまう虞があるため、1枚役の入賞をもってチャンス演出を終了することとしている。
【0119】
一方、ステップS1804にてノーと判断した場合には、ステップS1805にてチャンス演出ゲーム数に1を加算し、次のステップS1806にてチャンスゲーム数が5か否かを判断する。ノーと判断した場合には、ステップS1802に戻りチャンス演出を継続する一方、イエスと判断した場合には、ステップS1807に移行する。以上の手続フローからわかるように、チャンス演出は最長でも5ゲームとしており、これによって、一定期間は期待感を持続させるとともに、結果報知までの間延びもないバランスのとれた遊技性を実現している。
【0120】
また、ステップS1801にてイエスと判断した場合、即ちボーナス当選状態に移行した場合には、
図19のステップS1901に移行して内部抽選処理を実行する。次のステップS1902では、抽選グループGRP7またはGRP8に当選したか否かを判断する。上述の通り、ボーナス当選状態中のボーナス入賞の契機、即ちボーナス当選状態の終了契機は、抽選グループGRP7またはGRP8に当選することであり、当選した場合には、ボーナス当選状態へ移行した旨を未だ報知していないチャンス演出中に、ボーナス入賞によりボーナス当選状態が終了することになるため、チャンス演出の制御上、この判断が必要となる。
【0121】
ステップS1902にてノーと判断した場合には、次のステップS1903にてチャンス演出ゲーム数に1を加算し、次のステップS1904にてチャンスゲーム数が5か否かを判断する。上述の通り、チャンス演出は最長でも5ゲームとしているためである。ステップS1904にてノーと判断した場合には、ステップS1901に戻りチャンス演出を継続する。
【0122】
一方、ステップS1902にてイエスと判断した場合には、ステップS1907にてボーナス入賞したか否かを判断し、イエスと判断した場合には、ステップS1908にてチャンス失敗報知を実行してチャンス演出を終了(
図26(c)参照)し、次のステップS1909にてボーナスゲーム処理へ移行してリターンする。なお、上述の通り、ボーナス入賞しなかった場合には、チェリー役が入賞することになる。
【0123】
また、ステップS1904にてイエスと判断した場合、及びステップS1907にてノーと判断した場合には、ステップS1905に移行して、チャンス成功報知を実行してチャンス演出を終了(
図26(a)参照)し、次のステップS1907にてボーナス当選状態中処理へ移行してリターンする。
【0124】
次に、ボーナス当選状態中処理の手続の流れを説明する。
図20はボーナス当選状態中処理の手続の流れを示すフローチャートである。
図17〜20からわかるように、ボーナス当選状態中処理へは、上述のチャンス演出がチャンス成功報知で終了した後に移行することになる。
先ず、ステップS2001にて内部抽選処理を実行し、次のステップS2002では抽選グループGRP7〜9に当選したか否かを判断し、ノーと判断した場合にはステップS2001に戻る。
【0125】
一方、ステップS2002にてイエスと判断した場合には、ステップS2003にてボーナス当選状態が終了する可能性がある旨を報知するとともに、その結果を報知する演出を開始する(以下、終了示唆演出という)。終了示唆演出の開始時には、
図27(a)に示す如く、ボーナス当選状態が終了する可能性がある旨、またチェリー役の入賞なら継続する旨のメッセージを液晶表示装置24に表示する。
上述の如く、ボーナス当選状態が実際に終了する可能性があるのは、抽選グループGRP7またはGRP8に当選した場合のみで、抽選グループGRP9に当選した場合には継続することになる。しかしながら、抽選グループGRP7またはGRP8に当選したゲームでボーナス入賞を回避した場合に表示される図柄組合せと同等の図柄組合せが抽選グループGRP9に当選したゲームでも表示されること、並びに、抽選グループGRP9に当選したゲームでも終了示唆演出を実行することにより、遊技者が自力でボーナス入賞を回避したと思い込むことが期待でき、抽選グループGRP7またはGRP8に当選した場合のみ終了示唆演出を実行する場合に比べて、終了示唆演出が実行された場合にボーナス当選状態が継続する確率を高くすることが出来るというメリットがあるため、抽選グループGRP9に当選したゲームでも終了示唆演出を実行することとしている。
【0126】
図20に戻り、次のステップS2004では、当該ゲームでボーナス入賞したか否かを判断する。ステップS2004にてイエスと判断した場合には、ステップS2005にてボーナス当選状態が終了した旨を報知するとともに、ステップS2006にてボーナスゲームを開始してリターンする。
具体的にステップS2005では、
図27(c)に示す如く、ボーナス当選状態が終了しボーナスゲームが開始される旨のメッセージを液晶表示装置24に表示して、終了示唆演出を終了する。
【0127】
図20に戻り、ステップS2004にてノーと判断した場合にはチェリー役が入賞することになるが、この場合には、ステップS2007にてボーナス当選状態が継続する旨を報知してステップS2001に戻る。
具体的にステップS2007では、
図27(b)に示す如く、ボーナス当選状態の継続を祝福するメッセージを液晶表示装置24に表示して、終了示唆演出を終了する。
【0128】
以上のように、本発明に係るスロットマシン1によれば、ボーナス当選状態を遊技者の運次第でメダル獲得枚数が変化する、ストップボタン20L、20C、20Rの操作順不問のメダル増加期間とすることが出来る。
本発明に係るスロットマシン1のボーナス当選状態では、従来のAT機のようにメダル増加期間中に報知される操作順に従ってストップボタンを操作するという煩わしい手続が不要となる上、その終了条件がメダル獲得枚数に係るものでもないため、初心者から熟練者までの幅広い遊技者層に、夢のある遊技性を提供することが可能となる。
【0129】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、他の形態で実施することもできる。
例えば、ボーナスゲーム中にレギュラーボーナス(以下、RBという)の抽選を行う所謂ビッグボーナス(以下、BBという)役を搭載し、BB中の一般ゲーム中にRBに当選したゲームで、RBを入賞させることが出来なかった場合に移行することとなる、BB中のRB内部中を、本発明のボーナス当選状態中に相当するメダル増加期間とすることも可能である。
【0130】
この場合のメダル増加期間は、あくまでもBBゲーム中となり、BBゲームはメダル獲得枚数が所定枚数を超えた場合に終了するためメダル獲得枚数を可変とすることはできないが、ストップボタンの操作順不問のメダル増加期間とすることは可能である。
【0131】
また、上記実施例とは逆に、ボーナス非当選状態をメダル増加期間、ボーナス当選状態をメダル減少期間とすることも可能である。
この場合には、ボーナス役の当選確率を上記実施例よりも高く設定するとともに、配当が異なる複数種類の小役が重複当選したゲームにおける優先引込順を上記実施例とは逆、即ち、ボーナス非当選状態では配当の多い複数種類の小役、ボーナス当選状態では配当の少ない複数種類の小役をそれぞれ優先引込することにより、実現可能である。
【0132】
さらに、上記実施例においては、チャンス演出及び終了示唆演出を液晶表示装置24上で実行したが、液晶表示装置24の搭載は必須ではなく、LED等のより安価な表示装置を用いてもよいし、音声のみで演出することも可能である。
LED等の安価な表示装置を用いる場合には、各演出の開始時に点滅開始、成功で点灯、失敗で消灯等の制御を行えばよい。また、音声を用いる場合には、各演出中にはスタートレバー19操作時に通常とは異なる音声をスピーカから出音するとともに、成功及び失敗に応じてその旨の音声をスピーカから出音すればよい。
さらに、前述の各抽選テーブルは一例であり、各抽選区分の当選範囲を設定値に応じて異ならせるなど、各抽選テーブルで具体的に示された数値は、適宜変更可能である。
【0133】
その他、前述の構成には、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。