(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記コアバンドルの外面を形成するコアの線幅は、70μm〜160μmであり、前記コーティング層の平均厚さは5μm〜20μmである、請求項2に記載の太陽電池モジュール。
前記導電性接着剤は、スズ(Sn)を含むはんだペーストの形態である、又は接着性樹脂内に複数の導電性粒子が分布される導電性接着ペースト形態を有する、請求項1に記載の太陽電池モジュール。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下では、添付した図面を参考にして本発明の実施の形態について本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。しかし、本発明は、さまざまな形で実現することができ、ここで説明する実施の形態に限定されない。そして図面で本発明を明確に説明するために説明と関係ない部分は省略し、明細書全体を通じて類似の部分には同様の符号を付与した。
【0029】
図面で複数の層と領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。層、膜、領域、板などの部分が他の部分“上に”あるとする時、これは他の部分“真上に”ある場合だけでなく、その中間に他の部分がある場合も含む。逆にどの部分が他の部分“真上に”あるとするときは、中間に他の部分がないことを意味する。また、どの部分が他の部分の上に“全体的”に形成されているとするときは、他の部分の全体面に形成されているものだけでなく、端の一部には形成されないことを意味する。
【0030】
以下において、前面とは、直射光が入射される半導体基板の一面で有り得、背面とは、直射光が入射されないか、直射光ではなく、反射光が入射することができる半導体基板の反対面で有り得る。
【0031】
併せて、以下の説明では、互いに異なる2つの構成要素の長さや幅が同じであることを意味は、10%の誤差の範囲内で互いに同じことを意味する。
【0032】
それでは、添付した図面を参考にして、本発明の一実施形態に係る太陽電池モジュールについて説明する。
【0033】
図1〜
図3は、本発明に係る太陽電池が適用された太陽電池モジュールの一例を説明するための図であり、ここで、
図1は、太陽電池モジュールを正面から見た形状であり、
図2は
図1においてCS1−CS1ラインに沿った断面を示したものであり、
図3は、
図1においてCS2−CS2ラインに沿った断面を示したものである。併せて、
図4は、
図1に適用される本発明に係る太陽電池の一例を説明するための一部の斜視図である。
【0034】
図1〜
図3に示すように、本発明に係る太陽電池モジュールは、複数の太陽電池(C1、C2)と、それぞれの太陽電池(C1、C2)に接続される複数の配線300を含む。
【0035】
ここで、第1、第2太陽電池(C1、C2)は、半導体基板110の前面に第1電極140と背面に第2電極150を備えることができる。
【0036】
ここで、第1、第2太陽電池(C1、C2)のそれぞれの第1、第2電極(140、150)は、第1方向(x)にストライプの形で細長く伸びていることができる。
【0037】
このような第1、第2太陽電池(C1、C2)は、第1方向(x)と交差する第2方向(y)に配列されており、第2方向(y)に長く伸びた複数の配線300によって互いに電気的に接続することができる。
【0038】
一例として、複数の配線300のそれぞれは、第1太陽電池(C1)の第1電極140及び第2太陽電池(C2)の第2電極150に接続されて、第1、2太陽電池(C1、C2)を互いに直列接続するインターコネクタの役割をすることができる。
【0039】
ここで、
図1及び
図2に示されていないが、複数の配線300が、各太陽電池の第1電極140と第2電極150に接続されるとき、導電性接着剤(図示せず)を介して接続することができる。このように、複数の配線300が導電性接着剤を介して各太陽電池の電極に接続される構成については、
図9及び
図10を介して、さらに具体的に説明する。
【0040】
この時、複数の配線300の個数は、太陽電池の一面に基づいて6個乃至33個で有り得る。併せて、複数の配線300のそれぞれの最大線幅は200μm乃至500μmで有り得る。
【0041】
一例として、配線300の線幅が200μm以上、300μm未満のとき、配線300の個数が15個乃至33個で有り得る。さらに、配線300の線幅が300μm 以上、350μm 未満のとき、配線300の個数が10個乃至15個で有り得、配線300の線幅が350μm 以上、400μm未満のとき、配線300の個数が8個乃至10で有り得。配線300の線幅が400μm乃至500μmのとき、配線300の個数が6個乃至8 個で有り得る。
【0042】
このように、配線300の線幅に応じて配線300の個数が異なるように配置することにより、太陽電池の受光面で配線300によって遮られる総シェーディング(shading)面積が増加しないようにしながら、配線300の自体抵抗を適切に調節することができ、これにより、配線300によって減少される出力を最小化することができ、太陽電池モジュールの出力をさらに向上させることができる。
【0043】
前述した配線300の線幅に応じた個数の関係は、最適化されたものの一例であり、本発明は必ずしもこれに限定されるものではない。
【0044】
併せて、
図3に示すように、第1電極140または第2電極150のそれぞれに共通に接続され、互いに隣接する2つの配線300との間のピッチ(300P)は、配線300の線幅と個数及び配線300のシェーディング面積を考慮して、4.75mm〜25.13mmに形成することができる。
【0045】
さらに、
図1及び
図2においては、第1太陽電池(C1)の第1電極140に導電性接着剤を介して接続された配線300が直接第2太陽電池の第2電極150に導電性接着剤を介して接続された場合を一例として説明したが、これと違って、第1太陽電池と第2太陽電池の間には、第1方向(x)に長く伸びたもう一つの別のインターコネクタが設け備えられ、第1太陽電池(C1)の第1電極140に導電性接着剤を介して接続された配線300と第2太陽電池の第2電極150に導電性接着剤を介して接続された配線300は、別のインターコネクタに共通に接続され、第1太陽電池と第2太陽電池が直列接続することもできる。
【0046】
ここで、本発明に係る太陽電池モジュールに適用される太陽電池の一例は、
図4に示すように、半導体基板110、エミッタ部120、反射防止膜130、第1電極140、背面電界部(172、back surface field、BSF)、背面保護膜180及び第2電極150を備えることができる。
【0047】
半導体基板110は、第1導電型、例えば、p型またはn型導電型を有することができ、このような半導体基板110は、単結晶シリコン、多結晶シリコンまたは非晶質シリコンの内、いずれかの1つの形態で行うことができる。一例として、半導体基板110は、結晶質シリコンウエハに形成することができる。しかし、半導体基板110は、必ずこのようなシリコンウエハに限定されるものではなく、GaAs基板が使用されることもある。
【0048】
具体的には、半導体基板110がp型の導電型を有する場合、ホウ素(B)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)のような3価元素の不純物が半導体基板110にドーピング(doping)される。しかし、これとは異なり、半導体基板110は、n型導電型で有り得る。半導体基板110がn型の導電型を有する場合、リン(P)、砒素(As)、アンチモン(Sb)などのように5価元素の不純物が半導体基板110にドーピングすることができる。
【0049】
このような半導体基板110の前面は、複数の凹凸面を有する。便宜上、
図4で、半導体基板110の端の部分だけを凹凸面に図示したが、実質的に半導体基板110の前面全体が凹凸面を有しており、これにより、半導体基板110の前面上に位置したエミッタ部120と反射防止膜130もまた凹凸面を有することができる。
【0050】
エミッタ部120は、
図4に示すように、第1導電型の半導体基板110の入射面である前面に形成され、第1導電型と反対の第2導電型、例えば、n型の導電型の不純物が半導体基板110にドーピングされた領域に、光が入射される面、すなわち、半導体基板110の前面の内部に位置することができる。したがって、第2導電型のエミッタ部120は、半導体基板110の内、第1導電型の部分と、p−n接合を形成する。
【0051】
このような半導体基板110に入射された光は、電子と正孔に分離され、電子はn型の方向に移動し、正孔はp型の方向に移動することができる。したがって、半導体基板110がp型であり、エミッタ部120がn型である場合、分離された正孔は、半導体基板110背面の方向に移動し、分離された電子は、エミッタ部120の方向に移動することができる。
【0052】
エミッタ部120は、半導体基板110、すなわち、半導体基板110の第1導電性部分とp−n接合を形成するので、本実施例とは異なり、半導体基板110がn型の導電型を有する場合、エミッタ部120は、p型の導電型を有することができる。この場合、分離された電子は、半導体基板110の背面の方向に移動し、分離された正孔は、エミッタ部120の方向に移動することができる。
【0053】
エミッタ部120がn型の導電型を有する場合、エミッタ部120は、5価元素の不純物を半導体基板110にドーピングして形成することができ、逆にp型の導電型を有する場合、3価元素の不純物を半導体基板110にドーピングして形成することができる。
【0054】
反射防止膜130は、半導体基板110の入射面の上部に位置し、
図4及び
図5に示すように、エミッタ部120が半導体基板110の入射面に位置する場合、反射防止膜130は、エミッタ部120の上部に位置することができる。
【0055】
このような反射防止膜130は、水素化されたシリコン窒化膜(SiNx:H)、水素化されたシリコン酸化膜(SiOx:H)、水素化されたシリコン窒化酸化膜(SiNxOy:H)、及び水素化された非晶質シリコン膜(a−Si:H)の内、少なくともいずれか1つが複数の層で形成することもある。
【0056】
このようにすることで、反射防止膜130のパッシベーション機能をさらに強化することができ、太陽電池の光電効率をさらに向上させることができる。
【0057】
複数の第1電極140は、
図4に示すように、半導体基板110の前面に位置し、半導体基板110の前面上に互いに離隔して位置し、それぞれが第1方向(x)に長く伸びて位置することができる。
【0058】
このとき、複数の第1電極140は、反射防止膜130を開けエミッタ部120に電気的に接続することができる。
【0059】
これにより、複数の第1電極140は、エミッタ部120の方向に移動した電荷、例えば、電子を収集することができる。
【0060】
背面電界部172は、半導体基板110の前面の反対面である背面に位置することができ、半導体基板110と同じ第1導電型の不純物が半導体基板110よりも高濃度でドープされた領域、例えば、P+領域で有り得る。
【0061】
このような背面電界部172は、後述する第2電極150のパターンと、重畳して接続され第1方向(x)に長く形成されるが、第2方向(y)に離隔された複数のラインの形で形成することができる。したがって、背面電界部172は、複数の背面電界部172ラインで構成することができる。
【0062】
このような半導体基板110と背面電界部172との間の不純物濃度の違いにより電位障壁が形成され、これにより、正孔の移動方向である背面電界部172の方向に電子移動を妨害する反面、背面電界部172の方向への正孔移動を容易にすることができる。
【0063】
したがって、半導体基板110の背面とその付近で電子と正孔の再結合で失われる電荷の量を減少させ、所望する電荷(例えば、正孔)の移動を加速させ、第2電極150への電荷移動量を増加させることができる。
【0064】
背面保護膜180は、第2電極150が形成された部分を除去した半導体基板110の背面全体を覆うように形成されることがあり、半導体基板110の背面のパッシベーション機能と絶縁機能を実行することができる。このような背面保護膜180は、窒化シリコン膜(SiNx)、酸化シリコン膜(SiOx)または窒化酸化シリコン膜(SiNxOy)の内、少なくとも一つが、少なくとも一つの層で形成することができる。
【0065】
第2電極150は、半導体基板110の一面と反対面である背面に第1方向(x)に長く、互いに並行するように形成され、第1方向(x)と交差する第2方向(y)に離隔されて形成されることができる。
【0066】
このような第2電極150は、前述した背面電界部172と重畳され電気的に接続されて、背面電界部172の方向に移動する電荷、例えば正孔を収集することができる。
【0067】
このとき、第2電極150は、半導体基板110より高い不純物濃度で維持する背面電界部172と接触しているので、即ち背面電界部172と第2電極150との間の接触抵抗が減少して、半導体基板110から第2電極150への電荷転送効率が向上されることがある。
【0068】
このような第2電極150には、配線300が接続されて、第2電極150に収集された電荷(例えば、正孔)が配線300を介して、隣接する他の太陽電池に伝達することができる。
【0069】
このような第1、第2電極(140、150)は、良好な伝導度を有する金属物質を含むことができ、例えば、銀(Ag)のような少なくとも一つの導電性物質を含有することができる。
【0070】
さらに、
図4においては、第1、第2電極(140、150)のパターンが第1方向(x)に長く伸びて形成される場合を一例として示したが、
図4に示すのと違って、第1、 2電極(140、150)のパターンは、これと異なるように備えることもできる。
【0071】
一例として、第1、第2電極(140、150)は、第1方向(x)に長く伸びている電極に第2方向(y)に長く伸びている他の電極が接続されたパターンに形成することもできる。
【0072】
このとき、第2方向(y)に長く伸びている他の電極は、配線300と重畳されて位置することができる。または第2電極150は、前述したことと異なるように、半導体基板110の背面全体を覆う面電極形態として備えられることもできる。このように、第1、第2電極(140、150)は、様々なパターンで備えられることができる。
【0073】
このような太陽電池に導電性接着剤を介して複数の太陽電池を互いに直列接続するための複数の配線300のそれぞれが、
図4に示すように、第2方向(y)に長く接続することができる。
図4においては、導電性接着剤の図示は省略したが、これについては
図9及び
図10で具体的に説明する。
【0074】
一方、本発明に係る太陽電池モジュールにおいて、各太陽電池の電極(140、150)に接続される複数の配線300のそれぞれは、複数の導電性コア310が一つの束で形成されたコアバンドル(core bundle)と導電性コーティング層320を含み、複数の配線のそれぞれの表面には、複数の配線凹凸が形成されることができる。これについては、次の
図5を介して、さらに具体的に説明する。
【0075】
図5は本発明に係る太陽電池モジュールの一例に適用される配線300の一例について説明するための図である。
【0076】
図5の(a)は、配線300の断面を示したものであり、
図5の(b)は、
図5の(a)に示された配線300からの一部を拡大した拡大図である。
【0077】
図5の(a)と(b)に示すように、本発明に係るインターコネクタ用配線300は、コアバンドル(core bundle、310)と導電性コーティング層320を含むことができる。
【0078】
ここで、コアバンドル(core bundle)は、複数の導電性コア310が一つの束で形成することができる。このような複数の導電性コア310は、相対的に低い抵抗を有しており、電流の損失を最小化しながら、各太陽電池で発生したキャリアを、隣接する他の太陽電池に伝達する機能をすることができる。
【0079】
このようなコア310の材質は、銅(cu)、銀(Ag)、金(Au)、またはアルミニウム(Al)の内、いずれか1つで形成することができる。
【0080】
さらに、コーティング層320は、コアバンドルの外面にコーティングされて形成されることができる。加えて、このようなコーティング層320は、コアバンドルの外面だけでなく、
図5の(a)に示すように、コアバンドルの内部で複数の導電性コア310との間の空間を満たすことができる。
【0081】
このようなコーティング層320は、スズ(Sn)またはスズ(Sn)を含む合金で形成されて、コアバンドルに含まれた複数の導電性コア310が一つの束で形成されるようにし、複数の導電性コア310の表面をコーティングして、コア310の酸化を防止し、配線300を導電性接着剤を介して太陽電池の電極(140、150)に接続するとき、コアバンドルと導電性接着剤との間の接着力を確保するように機能することができる。
【0082】
さらに、コアバンドル(core bundle)と導電性コーティング層320を含むインターコネクタ用配線300は、複数の配線300のそれぞれの表面に、コアバンドル(bundle)の外面形状に沿って屈曲した複数の配線凹凸(300K)を備えることができる。
【0083】
ここで、コアバンドルの外面は、複数の導電性コア310の束で形成されたコアバンドルを表で見たとき、コアバンドルの外表面を意味する。
【0084】
このように、本発明に係る配線300が、コアバンドル(bundle)の外面形状に沿って導電性コーティング層320の表面に屈曲した複数の配線凹凸(300K)を備えることにより、次のような効果を期待することができる。
【0085】
(1)配線300で電極に接続される第1部分(300P1)に凹凸が形成されるようにして、配線300で電極に接続される部分の表面積を増加させることができ、これにより、配線300と電極(140、150)との間の接着力をさらに向上させることができる。
【0086】
さらに、(2)配線300からの光が入射される第2部分300P2に配線凹凸(300K)が形成されるようにして、配線300に入射される光を乱反射させて、太陽電池に再入射されるようにすることができる。これにより、太陽電池モジュールの光学的効果をさらに向上させることができ、太陽電池モジュールの効率をさらに向上させることができる。
【0087】
ここで、配線300の第1、第2部分(300P1、300P2)の区分は、太陽電池の電極(140、150)に接続された配線300に基づいて判断することができる。例えば、
図1〜
図4に示すように、配線300が配置される場合、第1太陽電池(C1)の第1電極140には、配線300の下側部分が接続され、第2太陽電池(C2)の第2電極150には、配線300の上側部分が接続することができる。
【0088】
したがって、第1太陽電池(C1)に接続される配線300では、下側部分が配線300の第1部分(300P1)で、上側の部分が配線300の第2部分300P2で定義することができ、第2太陽電池(C2)では、配線300の上側部分が配線300の第1部分(300P1)で、下側の部分が配線300の第2部分300P2で定義することができる。
【0089】
このようなコアバンドルの外面形状は、
図5の(b)に示すように、複数のコア310によって形成されるコア凹凸(310K)を含み、コア凹凸(310 K )は、コアバンドルの外面を形成する複数のコア310との間で陥没し、配線300の表面に形成された複数の配線凹凸(300K)は、複数のコア310との間で陥没することがある。
【0090】
即ち、ここで、コア凹凸(310K)は、複数のコア310によって形成されたコアバンドルの外面に形成された凹凸を意味し、配線凹凸(300K)は、コアバンドルの外面にコーティングされた導電性コーティング層320の表面に形成された凹凸を意味する。
【0091】
さらに、コアバンドルの外面とは、複数の導電性コア310に形成されたコアバンドルの外表面を意味する。
【0092】
このようなコアバンドルの外面は、
図5の(a)と(b)に示すように、複数のコア310との間で配線300の中心方向に陥没することができる。すなわち、
図5に示すように、各コア310の断面が円形である場合、円形断面を有するコア310の形状により、複数のコア310が互いに触れ合う部分に行くほど、コアバンドルの外面が中心方向に陥没されるコア凹凸(310K)が形成されることができる。
【0093】
さらに、配線凹凸(300K)は、コア凹凸(310K)の上にコーティング層320が形成されたとき、コーティング層320の表面に形成される凹凸を意味し、
図5の(a)と(b)に示すように、配線凹凸(300K)は、コア凹凸(310K)の形状に沿ってコーティング層320に形成されることがあり、したがって、配線凹凸(300K)は、複数のコア310との間で陥没することができる。
【0094】
もし、配線300が、複数個のコア310が一つの束で形成されたコアバンドルを備えても、コーティング層320の厚さが相対的に厚いと、コアバンドルの外面に凹凸が形成されても、相対的に厚いコーティング層320により、配線300の表面に配線凹凸(300K)が形成されず、平坦面を有することができ、このような場合、前述のような電極に接続される部分で配線300の表面積の増加と、配線300の光学的効果を期待するのは難しいことがある。
【0095】
しかし、本発明に係る配線300は、コアバンドルの外面にコーティングされるコーティング層320の厚さを十分に薄く形成して、配線300の表面に配線凹凸(300K)を形成することにより、前述したような配線300の表面積の増加および光学効果を期待することができる。
【0096】
ここで、配線300の表面積の増加と光学効果は、配線300の表面に形成される配線凹凸(300K)の大きさによってさらに最適化されることができ、このような配線凹凸(300K)の大きさは、コア310の線幅、コア凹凸(310K)の大きさとコーティング層320の厚さによって影響を受けることができる。これに対し、注意深く見ると次の通りである。
【0097】
前述したように、コア凹凸(310K)の形状が配線凹凸(300K)の形状に同一または類似に現出されるようにするためにコーティング層320の最大厚さ(MT320)をコア凹凸(310K)の高さ(H310K)またはコア凹凸(310K)の幅(W310K)より小さく形成することができる。
【0098】
好ましくは、コーティング層320の最大厚さ(MT320)は、コアバンドルの外面を形成するコア凹凸の高さ(H310K)の1/10〜1/2に形成することができる。
【0099】
図5の(a)と(b)に示すように、コアバンドルに備えられた複数のコア310が互いに接して形成された場合、コア凹凸(310K)の高さ(H310K)は、コア310の半径(HR310)と同じにすることができ、コア凹凸(310K)の幅(W310K)は、コア310の直径(R310)[すなわち、コア310の線幅]と同じで有り得る。
【0100】
ここで、コーティング層320の最大厚さ(MT320)は、2つのコア310が互いに接する境界面、すなわち、2つのコア310との間からコーティング層320の表面までの厚さで有り得る。
【0101】
しかし、
図5の(a)と(b)に示すように、コアバンドルで複数個のコア310が互いに接して形成されず、
図5の(a)と(b)に示されたことと異なるように、コアバンドルからコアバンドルの外面を形成する複数個のコア310が離隔して形成され、コア凹凸(310K)を定義するのが難しい場合、コーティング層320の最大厚さ(MT320)は、コアバンドルの外面を形成するコア半径(HR310)の1/10〜1/2に形成することができる。
【0102】
さらに具体的には、コアバンドルとコーティング層320によって形成された配線300の最大線幅(R300)が200μm〜500μmに形成される場合、一例として、コアバンドルの外面を形成するコア線幅(R310)[またはコア310の直径(R310)]は、70μm〜160μmに形成されることがあり、コーティング層320の最大厚さ(MT320)は、7μm〜80μmに形成することができる。
【0103】
さらに、コーティング層320の平均厚さ(T320)は、5μm〜20μmに形成することができる。このようなコーティング層320の平均厚さ(T320)は、コア310の酸化を防止しながら、複数のコア310が一つの束で形成されたコアバンドルを形成するために、5μm 以上としるが、コーティング層320の表面に、コアバンドルの外面形状に沿って屈曲した形状がコーティング層320の表面に現出された配線凹凸(300K)を形成し、コーティング層320の形成コストを最小化にするために、20μm 以下で形成することができる。
【0104】
この時、コアバンドルの外面にコーティングされるコーティング層320の平均厚さ(T320)がコア310の線幅(T320)に比べて相対的に非常に小さいため、実質的にコア凹凸(310K)の幅(W310キロ)は配線凹凸(300K)の幅(W300K)と同じことがある。
【0105】
一例として、配線300の表面に形成された配線凹凸(300K)の幅(W300K)は、70μm〜150μmに形成されることがあり、配線300の表面に形成された配線凹凸(300K)の高さ(H300K)は、10μm〜70μmに形成することができる。
【0106】
このように、配線300の表面に、前述したような数値範囲に配線凹凸(300K)を形成することにより、電極(140、150)に接着される配線300の表面積と光学的効果を最適に確保することができる。
【0107】
これにより、複数の配線300のそれぞれは、電極と接続される第1部分(300P1)の表面に配線凹凸(300K)を備え、配線300の中心に基づいて第1部分(300P1)の反対側である第2部分300P2の表面に配線凹凸(300K)を備えることができる。
【0108】
このように、配線300の第1部分(300P1)の表面に配線凹凸(300K)が形成されるようして、電極(140、150)に接続される第1部分(300P1)の表面積を増加させ、配線300と電極(140、150)との間の接着力をさらに向上させることができ、配線300の第2部分300P2の表面に配線凹凸(300K)が形成されるようして、配線300の第2部分(300P2)に入射される光を反射させ、太陽電池に再入射されるようにすることができ、太陽電池モジュールの効率をさらに向上させることができる。
【0109】
これまでは、本発明に係る配線300において、コアバンドルを構成するコア310の断面が円形である場合を一例として説明したが、これと違ってコア310の断面は、他の形状を有することができ、併せて、コアバンドルにおいて複数のコア310の大きさは、互いに異なることもあり、コアバンドルに積層されたコア310の個数も前述したことと異なることがある。
【0110】
以下においては、これについて、さらに具体的に説明する。
【0111】
図6は、本発明に係る配線を形成するコアバンドルの積層構造とコア310の様々な断面形状を説明するための図であり、
図7は、本発明に係る配線300を形成するコアバンドルの他の一例を説明するための図である。
【0112】
本発明に係る配線300でコアバンドルは、複数のコア310が、少なくとも3つ以上の層に積層されて形成されるが、第1部分(300P1)及び第2部分300P2に積層されたコア310の個数は、第1、第2部分(300P1、300P2)の間に積層されたコア310の数より小さいことがある。
【0113】
一例として、
図6の(a)乃至(d)に示すように、コアバンドルを形成する複数のコア310は、3つの層に積層されて形成されるが、第1部分(300P1)と第2部分300P2に積層されたコア310の個数、即ち最初の層(L1)と3番目の層(L3)に備えられたコア310の個数は2つであり、第1、第2部分(300P1 、300P2)の間に積層されたコア310の個数、2番目の層(L2)に備えられたコア310の個数は、2つより多くの3つで有り得る。
【0114】
この時、2番目の層(L2)に備えられたコア310の中心は、最初の層と3番目の層(L1、L3)に備えられたコア310の中心とすれ違い配置することができる。これにより、コアバンドル内部でコア310との間に形成される空間を最小化して、コアバンドルの全体的な体積を減らしながら、コアバンドルがさらに強固に形成されるようすることができる。
【0115】
この時、コアバンドルを形成する各コア310が同じ直径を有することができ、この時、各コア310の断面は、
図6の(a)に示すように、円形で有り得る。
【0116】
しかし、これと違って、各コア310の断面は、
図6の(b)に示すように、楕円形であるか、または、
図6の(c)に示すように、6角形で有り得、以外に、
図6の(d)に示すように、全体的に円形の形状を有する多角形で有り得る。
【0117】
さらに、
図6の(a)乃至(d)においては、コアバンドルを形成するコア310の直径が全て同じである場合を一例として説明したが、これと違って、
図7の(a)に示すように、コア310の直径が異なるように形成されることもあり、
図7の(b)に示すように、コアバンドルを形成する複数のコア310は、5つの層(L1〜L5)に積層されて形成することもある。
【0118】
さらに具体的には、
図7の(a)に示すように、本発明に係るコアバンドルは配線300の中心300Cに位置するコア310Aの直径がコアバンドルの外面を形成するコア310B[すなわち、コアバンドルの外郭に位置するコア]の直径より大きくすることができる。
【0119】
さらに、本発明に係るコアバンドルは、
図7の(b)に示すように、コアバンドルを形成する複数のコア310が、5つの層(L1〜L5)に積層されて形成されるが、配線300の第1部分(300P1)及び第2部分300P2に位置した最初の層(L1)と5番目の層(L5)のコア310の個数が2つで最も小さく、中間に位置する3番目の層(L3)のコア310の個数が4個で最も多いことがある。
【0120】
図7のように、コアバンドルが形成される場合、
図6と比べて、配線300の外面に形成される凹凸の大きさをさらに微細にすることができ、配線300の第2部分(300P2)で乱反射をさらに大きくすることができ、配線300の光学的効果をさらに大きくすることができる。
【0121】
これまではコアバンドルとコーティング層320で形成された配線300の断面形状についてのみ説明したが、以下では、このような配線300の外形形状について説明する。
【0122】
図8は、本発明に係る配線300の外形を示す一例である。
【0123】
図8の(a)に示すように、本発明に係るコアバンドルに備えられる複数のコア310は、配線300の長さ方向に長く伸びていることができる。
【0124】
このような場合、配線300の外面に形成される配線凹凸(300K)は、
図8の(a)に示すように、配線300の長さ方向(z)に長く伸びている溝(groove)形状を有することができる。
【0125】
または、
図8の(b)に示すように、本発明に係る配線300は、コアバンドルに備えられる複数のコア310が配線300の長さ方向(z)と斜線方向にねじれていることがある。
【0126】
このような場合、配線300の外面に形成される配線凹凸(300K)は、
図8の(b)に示すように、配線300の長さ方向と斜線方向に配線300の外面に沿って回転する溝(groove)形状を有することができる。
【0127】
このような本発明に係る配線300は、
図3に示すように、半導体基板110に形成された第1電極140または第2電極150に接続することができる。
【0128】
以下の
図9及び
図10においては、このような本発明の配線300が電極に接続される構造についてさらに具体的に説明する。
【0129】
図9は、本発明に係る配線300が導電性接着剤を介して太陽電池の電極に接続される一例を説明するための図であり、
図10は、本発明に係る配線300が導電性接着剤を介して太陽電池の電極に接続される他の一例を説明するための図である。
【0130】
図9及び
図10においては、配線300が太陽電池の第1電極140に接続された場合を一例として示したが、配線300が第2電極150に接続される場合もこれと同じであることができる。
【0131】
さらに、
図9及び
図10においては、配線300が導電性接着剤200を介して電極(140、150)に接続された場合だけを一例として示したが、配線300と電極(140、150)が重畳されない半導体基板110の領域においては、導電性接着剤200を介して配線300と半導体基板110が互いに接着することができる。
【0132】
図9に示すように、配線300が太陽電池の電極(140、150)、一例として、第1電極140に接続されるとき、導電性接着剤200を介して接続されることができる。ここで、導電性接着剤200の材質は、一例として、スズ(Sn)やスズ(Sn)合金を含むはんだペーストの形態で有り得る。
【0133】
ここで、導電性接着剤200の幅(W200)は、配線300の第1部分(300P1)、すなわち、導電性接着剤200と接続される部分に形成された配線凹凸(300K)の幅(W300K)より大きく、配線300の最大線幅(R300)(または直径)さらに小さく形成することができる。ここで、導電性接着剤200の幅(W200)は、配線300の線幅方向(x)、すなわち、第1方向(x)への幅を意味する。
【0134】
このように、本発明は、導電性接着剤200の幅(W200)を配線300の第1部分(300P1)に形成された配線凹凸(300K)の幅(W300K)より大きく形成することにより、配線300と電極(140、150)が、十分な接着力と低い接触抵抗を有するようにすることができ、併せて、導電性接着剤200の幅(W200)を配線300の最大線幅(R300)より小さく形成することにより、導電性接着剤200によって半導体基板110が隠れるシェーディング領域を最小化することができる。
【0135】
一例として、配線300の最大線幅(R300)が380μm〜480μmで形成された場合、導電性接着剤200の幅(W200)は、配線凹凸(300K)の幅(W300K)より小さい範囲で、一例として、320μm〜380μmで形成することができる。
【0136】
図9においては、導電性接着剤200がはんだペースト形態を有する場合を一例として説明したが、これと違って導電性接着剤200は、
図10に示すように、接着性樹脂(200S)内に複数の導電性粒子(200P)が分布して形成される導電性接着ペーストの形態を有することができる。
【0137】
ここで、導電性接着剤200の接着性樹脂(200S)は、エポキシ系の樹脂、シリコン系の樹脂またはアクリル系の樹脂の内、少なくともいずれか一つの樹脂で形成することができ、導電性粒子(200P)は、Ni、AgまたはSnBiの内、少なくとも1つを含んで形成することができる。
【0138】
ここで、導電性粒子(200P)の大きさは、配線凹凸(300K)の幅(W300K)または高さ(H300K)より小さいことがあり、例えば、導電性粒子(200P)の大きさは、1μm〜10μmで形成されることができる。
【0139】
このような導電性接着剤200の接着性樹脂(200S)により配線300と電極(140、150)の間及び配線300と半導体基板110との間の物理的な接着力が十分に確保することができる。
【0140】
さらに、配線300を太陽電池に接続させるテビン工程中、配線300の第1部分(300P1)に形成された配線凹凸(300K)は、接着性樹脂(200S)内の導電性粒子(200P)が配線300の外側方向に逸脱しないように保持し、導電性粒子(200P)が配線凹凸(300K)と電極(140、150)の間に安定的に位置するようにして、配線300と電極(140,150)との間の接触抵抗が十分に低くなるようにすることができる。
【0141】
また、導電性接着剤200に含まれる接着性樹脂(200S)の硬化温度は、配線300に含まれたコーティング層320の融点より低いことができる。
【0142】
このように、本発明は、接着性樹脂(200S)の硬化温度が配線300のコーティング層320より低い温度を有するようにして、テビン工程の内、配線300の第1部分(300P1)の表面に形成された配線凹凸(300K)がその形状を維持するようにすることができ、これにより、前述したように、テビン工程中、導電性接着剤200の導電性粒子(200P)が配線300の外部に離脱しないようにして、配線300と電極(140、150)との間が十分に低い接触抵抗を持つようにすることができる。
【0143】
この時、接着性樹脂(200S)の硬化温度は、一例として、155℃〜185℃で有り得る。本発明は、導電性接着剤200の接着性樹脂(200S)の硬化温度が十分に低くなるようにして、テビン工程の温度を下げることができ、テビン工程中の配線300または電極(140、150)の熱膨張ストレスに半導体基板110が座屈される現象を防止することができる。
【0144】
以上、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるものではなく、次の請求の範囲で定義している本発明の基本的な概念を利用した当業者の様々な変形及び改良形態また、本発明の権利範囲に属するものである。