特許第6392324号(P6392324)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6392324金属バインダーを用いた部分的な過渡液相接合によるセラミックタービン構成要素の付加製造
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6392324
(24)【登録日】2018年8月31日
(45)【発行日】2018年9月19日
(54)【発明の名称】金属バインダーを用いた部分的な過渡液相接合によるセラミックタービン構成要素の付加製造
(51)【国際特許分類】
   C04B 35/64 20060101AFI20180910BHJP
   B28B 1/30 20060101ALI20180910BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20180910BHJP
   B33Y 70/00 20150101ALI20180910BHJP
【FI】
   C04B35/64
   B28B1/30
   B33Y10/00
   B33Y70/00
【請求項の数】20
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-510732(P2016-510732)
(86)(22)【出願日】2014年4月22日
(65)【公表番号】特表2016-525993(P2016-525993A)
(43)【公表日】2016年9月1日
(86)【国際出願番号】US2014034943
(87)【国際公開番号】WO2015030879
(87)【国際公開日】20150305
【審査請求日】2017年4月11日
(31)【優先権主張番号】61/815,802
(32)【優先日】2013年4月25日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590005449
【氏名又は名称】ユナイテッド テクノロジーズ コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】UNITED TECHNOLOGIES CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100086232
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 博通
(74)【代理人】
【識別番号】100092613
【弁理士】
【氏名又は名称】富岡 潔
(72)【発明者】
【氏名】ミロネッツ,セルゲイ
(72)【発明者】
【氏名】クック サード,グラント オー.
【審査官】 末松 佳記
(56)【参考文献】
【文献】 特開平03−183530(JP,A)
【文献】 特開平09−111308(JP,A)
【文献】 特開平03−264627(JP,A)
【文献】 特開昭62−063644(JP,A)
【文献】 特開平03−242375(JP,A)
【文献】 特表2001−527190(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0119017(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C04B 35/00−35/84
C22C 26/00
B28B 1/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のセラミック粉末を無機バインダー粉末と混合することにより出発粉末を調製し、
付加製造プロセスにより混合粉末を構成要素へと形成し、
部分的な過渡液相焼結により構成要素を高密度化する、
ことを含むことを特徴とする、構成要素を形成する方法。
【請求項2】
高密度化が、形成中および形成後処理中に起こり得ることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
過渡的液相が、バインダー粉末の構成要素間の反応により形成され、凝固することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
過渡的液相の凝固が、等温プロセスであることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
無機バインダー粉末材料が、金属から成ることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
第1のセラミックが、酸化物、窒化物、炭化物、酸窒化物、炭窒化物、ランタノイド、およびこれらの混合物から成る群からのものであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
付加製造プロセスが、選択的レーザー焼結、直接レーザー焼結、選択的レーザー溶融、直接レーザー溶融、レーザー加工ネットシェイピング、電子ビーム溶融、および直接金属堆積のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
構成要素が、タービン部品であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
第1のセラミック粉末が、Al23であり、無機バインダー粉末が、Ni+Cu+Cr、Ni+Cu、Nb+Cu、Pt+Cu、Ag+Cu+Ti+In、Ag+Cu+In、Ag+In、Nb+Ni、Si+Au+Ti+Cu+Sn、およびAl+Tiから成る群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
第1のセラミック粉末が、AlNであり、無機バインダー粉末が、Ti+Ag+Cuであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項11】
第1のセラミック粉末が、Si34であり、無機バインダー粉末が、Ti+Al、Ni+Cr+Au、Ni+Cu+Au、Nb+Co、Ta+Co、Ti+Co、V+Co、Ni+Cu+Au+Ti、Pd+Cu+Ti、Ni+Ti、V+Ni,Ni+Cu+Ti+Au,Ni+Cu+Ti、Cu+Ti、ステンレススチール+Ni+Ti、Fe−Ni−Co合金+Ni+Ti,Fe−Cr−Al合金+Fe+B+Si、Fe−Al−Cr−Nb合金+Cu+Ti+Ni+Al、およびFe−Al−Cr−Nb合金+Cu+Tiから成る群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項12】
第1のセラミック粉末が、SiCであり、無機バインダー粉末が、Ni+Cu+Au+Ti、Ni+Cu+Ti、Si+C、Fe−Ni−Co合金+Mo+Si、およびMo+Ni+Siから成る群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項13】
第1のセラミック粉末が、TiCであり、無機バインダー粉末が、Ni+Nb+Cuであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項14】
第1のセラミック粉末が、TiNであり、無機バインダー粉末が、Ni+Nb+Cuであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項15】
第1のセラミック粉末が、WCであり、無機バインダー粉末が、Pd+Znであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項16】
第1のセラミック粉末が、Y23安定化ZrO2であり、バインダー粉末が、Ni+Al+Si、Nb+Ni、およびNi+Alから成る群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項17】
第1のセラミック粉末が、ZrO2強化Al23であり、バインダー粉末が、Nb+Niであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項18】
一層ずつの付加製造プロセスにより、第1のセラミック粉末と少なくとも2つの金属バインダー粉末との混合粉末から構成要素を形成し、
液体が形成されて部分的な過渡液相焼結により構成要素の高密度化が開始される反応を開始するように、構成要素を加熱する、
ことを含むことを特徴とする、構成要素を形成する方法。
【請求項19】
液体が、金属バインダー粉末の間の反応により形成され、セラミックを濡らし、凝固して、第1のセラミック粉末をバインダー相に接合することを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項20】
凝固が、等温プロセスであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、一般に、付加製造の分野に関する。特にこの発明は、付加製造プロセスで形成され、金属バインダーを用いた部分的な過渡液相接合により高密度化されたセラミックタービン構成要素に関する。
【背景技術】
【0002】
付加製造は、仕上がり部品が、当該部品を製造する装置のメモリーに記憶されている当該部品の正確なデジタルモデルと同等な平面断面と形状が同一の複数の薄い材料シートからなる層ごとの構造により作成されることを特徴とする製造方法の範疇に当てはまる。付加製造は、コンピュータで制御されたプロセスにより材料を作業台に適用し、熱プロセスにより材料を固めて層を作成する。プロセスを最高数千回繰り返して最終の構成要素に到達する。
【0003】
種々のタイプの付加製造が知られている。ASTMによって分類される付加製造の範疇は、積層材料の液滴が選択的に堆積される材料噴霧、熱エネルギーが選択的に粉末ベッドの領域を溶かす粉末ベッド溶解、焦点を合わされた熱エネルギーが堆積する間の材料を溶かす指向性エネルギー堆積、材料が選択的にノズルを通って分散される材料押し出し、およびその他を含む。上述の指向性エネルギー源の典型は、レーザービームおよび電子ビームを含む。
【0004】
製造対応の金属およびセラミック構成要素を直接作成することに向かう付加製造の最近の傾向は、形成プロセスにおいてポリマーバインダーの果たす役割を最少化してきた。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
構成要素を形成する方法は、第1のセラミック粉末を金属バインダー粉末混合物と混合することにより出発粉末を調製することを含んでいる。セラミックと金属粉末との混合物は次いで、付加製造プロセスにより構成要素へと形成される。構成要素は部分的な過渡液相接合により高密度化される。1つの望ましい実施例では、構成要素は、選択的レーザー焼結により形成され得る。もう1つの望ましい実施例では、構成要素は、タービン部品であり得る。
【0006】
方法は、一層ずつの付加製造プロセスにより、第1のセラミック粉末と少なくとも2つの金属バインダー粉末との混合粉末から構成要素を形成することを含んでいる。構成要素は、形成中および形成後処理中に加熱され、それにより、過渡的液体が、金属バインダー粉末の間の反応により形成され、セラミックを濡らし、凝固して、セラミックをバインダー相に接合する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】粉末ベースの形成プロセスの図。
図2】本発明の付加製造プロセス。
【発明を実施するための形態】
【0008】
付加製造は、3次元(3D)物体が一層ずつ作る技術でデジタルモデルから直接作られるプロセスである。付加製造プロセスは、塊から少しずつ材料を機械加工、研磨など、または鍛造、鋳造、射出、モールドなどのような他の形成方法で取り除いていく従来の減じていく製造方法とは全く異なる対照的な方法である。付加製造では、積層物が完成するまで材料の各層が前の層に付着しながら連続する材料層として堆積することにより、断片が形成される。1つの層は、コンピュータで制御されたエネルギービームにより粉末ベッドまたは重合可能な液体の上面の特定エリアを焼結、拡散、またはそうでなければ、凝固させることにより、または、コンピュータで制御された堆積装置によりワークピースの特定エリアに個別の液体若しくは材料の半固体の液滴を堆積させることにより形成される。一般的なエネルギー源は、レーザーまたは電子ビームである。
【0009】
付加製造技術は、当初は、設計と試作品用のポリマーモデルの形成に用いられた。現在の付加製造プロセスは、ポリマー、金属、金属ポリマー複合材、およびセラミックから製品を作る。製造前の設計およびモデルに加え、現在の努力は今や、明らかな理由のために、製品部品の直接の付加製造による組み立てを含んでいる。例えば、内部冷却通路を備えたエアフォイルなどの超合金タービン部品の直接自由形状製作は、コストのかかる多くの製造工程を排除できる。
【0010】
本発明に適用できる粉末ベースの付加製造プロセスは、選択的レーザー焼結(SLS)、直接レーザー焼結(DLS)、選択的レーザー溶融(SLM)、直接レーザー溶融(DLM)、レ―ザー加工ネットシェイピング、電子ビーム溶融(EBM)、直接金属堆積、および当業技術内で既知の他のプロセスである。
【0011】
発明の粉末ベースの付加製造プロセスの実施例は、図1に示されている。プロセス10は、付加製造による、自由形状固体物体を製造する装置を内包する製造室12を含んでいる。プロセス10の実施例は、選択的レーザー焼結(SLS)である。SLSプロセス10は、粉末貯蔵室14、積層室16、レーザー18、および走査ミラー20で構成されている。SLSプロセス10の運転中は、粉末22がピストン24により上向に供給され、そして、ローラー28により、積層プラットフォーム26上に拡げられる。粉末22が、積層プラットフォーム26上に平らに拡げられると、レーザー18と走査ミラー20が活性化されて、プロセス10のSTLメモリーファイルの中に分類された物体32の3Dコンピュータモデルに基づいて、レーザービームが積層プラットフォーム26に放射され、固体自由形状物体32の単一層30を形成するために粉末22の選択されたエリアを焼結して、焼結されたエリアを下のプラットフォーム26に取り付ける。次のステップで、ローラー28は出発位置に戻り、ピストン24が粉末22の他の層を曝すために前進し、そして積層プラットフォーム26は、一層の厚さ分下にスライドする。次に、ローラー28は、選択的焼結エリアを含む積層プラットフォーム26の表面上に粉末22の層を拡げる。レーザー18と走査ミラー20は活性化されて、プロセス10のメモリーに記憶された構成要素のデジタルモデルの断面に基づいて、粉末の堆積層の選択されたエリアは、再び焼結されて、下の層に結合する。プロセスは、固体自由形状部品32が完成するまで繰り返される。以上述べたように、プロセス10は固体自由形状製造プロセスの単に1つの実施例に過ぎず、本発明を当業技術内で既知の何らかの単一のプロセスに限定するものではない。
【0012】
プロセス10の室12は、不活性ガスまたは真空を含む制御された積層環境を提供する。層の厚さは、粉末のサイズに依存し、20ミクロンからミリメーター超までの範囲であり得る。粉末22は、ローラー28またはスクレーパーなどの他の拡げる手段により、積層プラットフォーム26上に拡げられ得る。
【0013】
直接金属堆積などの他のシステムは、材料が、堆積装置の中のメモリーに記憶された3Dコンピュータモデルにより駆動された制御された送達プロセスに基づき、少しずつ付加されるという技術において使用される。金属とセラミック粉末は、ペースト状態で堆積され、金属は、溶融または半溶融状態で堆積され、そして、当業技術内で既知の他の堆積プロセスにより堆積され得る。付加製造プロセスの実施例は、選択的レーザー焼結、(SLS),直接レーザー焼結(DLS)、選択的レ―ザー溶融(SLM)、直接レーザー溶融(DLM)、レーザーネットシェイピング(LENS)、電子ビーム溶融(EBM)、直接金属堆積、および当業技術内で既知の他の方法を含んでいるが、それだけには限らない。
【0014】
ポリマーバインダーは、粉末粒子を、付加製造の前、途中および後で、一緒に接着するのを助けることができる。バインダーは、粉末状態で、金属とまたはセラミック出発粉末と混合することができ、または出発粉末は、ポリマーバインダーで被覆することができる。付加製造で作られる金属またはセラミック部品は、当該付加製造の過程において、粒子付着を改善するためにポリマーバインダーが使われるが、部品の使用が開始される前に、微細構造から当該バインダーを除くために通常燃やし尽くす処理が施される。ポリマーはまた、焼結の間、粒子間の付着に干渉し得る。
【0015】
発明の、焼結されたセラミック部品の付加製造のための適切なバインダーシステムは、金属バインダーを含んでいる。焼結中の寸法の制御と粒子接着は液相が存在する場合に改善される。液相焼結は、液相が凝固し、または、そうでなければ焼結プロセスで消費される間に、高密度化および粒子間凝集を起こすプロセスである。焼結された部品は、低い多孔性と、好ましい構造健全性を示す。
【0016】
焼結している間に1つまたは複数の構成要素が反応して高密度化と寸法安定性とを向上させる液体を形成する多くの多構成要素材料システムが存在する。特定の実施例は、対象とする処理温度において反応物の構成要素範囲の中に共晶または包晶反応が存在する場合である。液体は、プロセスの中で周りの母材によって消費されることができ、当該構成要素と結合して固溶体を形成すること、付加的な金属間やセラミック固体相を析出させること、蒸発すること、または当業技術内で既知の他の方法によって凝固することができる。部分的な過渡液相接合では、バインダー材料は、互いに(共晶または包晶)、または液相を形成する他の方法により反応する。望ましくは、液相は、等温で凝固する。このプロセスは、過渡液相接合に類似しており、本出願と同日付で出願され、参照によって本明細書に開示の全体が組み込まれる関連出願「セラミックバインダーを用いた、過渡液相焼結によるセラミックタービン構成要素の付加製造(Additive manufacturing of ceramic turbine components by transient liquid phase sintering using ceramic binders)」(出願番号_)の主題である。
【0017】
レーザービームまたは電子ビームで駆動される付加製造プロセス、望ましくは部分的な過渡液相接合を用いて、金属バインダーシステムから自由形状セラミックタービン部品を作ることが、この発明の目的である。部分的な過渡液相接合は、混合バインダー粉末が、接合/焼結プロセスの間、低融点相を形成するようにセラミック相と相互作用しないという点で、過渡液相接合から区別される。部分的な過渡液接合の間、液体は、混合したバインダー粒子の成分の相互作用で形成されるのみである。少なくとも2つのタイプのバインダー粒子が、部分的な過渡液相接合に必要である。さらに、本発明の混合バインダー粒子が互いに反応して液化した時に形成される液体が、セラミック相を濡らす必要がある。さらに、混合バインダーシステムは望ましくは、液体が、第2相の析出、母材の凝固、部分的な蒸発、または他の方法によって、等温的に部分的または完全に凝固するように、選択される。バインダーシステムは望ましくは、共晶、包晶、または排他的に混合バインダー液相内で起こる他の構成要素間熱反応による、過渡液相凝固により、焼結と高密度化を生じさせるように選択される。
【0018】
セラミック粉末の部分的な過渡液相焼結のための候補となる金属バインダーシステムは、当然セラミック構成要素に依存する。焼結の成功のためには、液体バインダー相が、セラミックを濡らすことが必須である。候補となる金属バインダーシステムは、セラミックを濡らす低融点相を形成するために焼結中に互いに反応する材料とすることができる。このプロセスは、共晶または包晶反応が起こる組成の材料システムに存在し得る。
【0019】
上記基準に適合する候補となる材料システムは、本発明者の一人によって著され、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる「過渡液相および部分的な過渡液相接合の概要(Overview of Transient Liquid Phase and Partial Transient Liquid Phase Bonding)」(J.Mater.Sci.46,5305(2011))において、報告されている。過渡液相バインダー付加を伴う実施例のセラミックシステムは、下の表に示される。
【0020】
【表1】
【0021】
本発明の粉末ベースの付加製造プロセス100は、図2に図式的に示されている。プロセスの中で、セラミック粉末102とバインダー粉末104は、混合されて出発構成要素106を形成する。バインダー粉末104は、金属粉末とすることができる。バインダー粉末104は、セラミック粉末102と混合し、焼結温度まで加熱した時に、バインダー粉末104が溶融して液相を形成し、セラミック粉末を濡らし得るように、選ばれ得る。
【0022】
セラミック粉末102とバインダー粉末104が混合されて、混合粉末106を形成した後、例えば、付加製造プロセス10のために、出発材料は、自由形状部品30へと形成される(ステップ108)。形成のために用いられる付加製造プロセス10は、直接レーザー焼結、直接レーザー溶融、選択的レーザー焼結、選択的レーザー溶融、レーザーネットシェイピング、または電子ビーム溶融のうちの少なくとも1つであり得る。直接金属堆積のような他の当業技術内で既知の方法もまた、利用され得る。本発明の付加製造プロセスによる形成の間、当該部品は、部分的な過渡液相接合で高密度化し得る。
【0023】
形成に引き続き、付加製造された自由形状部品は、空気中、制御された雰囲気中、または真空中での部分的な過渡液相焼結でさらに高密度化し得る(ステップ110)。部分的な過渡液相焼結の一般的特徴は、液相が、第2相の析出または母材の凝固により凝固するか、または、部分的に蒸発する間の等温高密度化にある。
【0024】
ある実施例では、酸化アルミニウム(Al23)自由形状部品は、ニッケル−銅−クロム(Ni−Cu−Cr)合金、ニッケル−銅(Ni−Cu)合金、ニオブ−銅(Nb−Cu)合金バインダーシステムを用いる部分的な過渡液相焼結により形成され、高密度化される。
【0025】
ある実施例では、窒化ケイ素(Si34)自由形状部品が、チタン−アルミニウム(Ti−Al)またはニッケル−クロム−金(Ni−Cr−Au)合金バインダーシステムを用いる部分的な過渡液相焼結により形成され、高密度化される。
【0026】
ある実施例では、炭化ケイ素(SiC)自由形状部品が、ニッケル−銅−金−チタン(Ni−Cu−Au−Ti)合金またはケイ素−炭素(Si−C)合金バインダーシステムを用いる部分的な過渡液相焼結により形成され、高密度化される。
【0027】
可能性のある実施例の議論
下記は、本発明の可能性のある実施例の非排他的な記述である。
【0028】
構成要素を形成する方法は、第1のセラミック粉末を無機バインダー粉末と混合することにより出発粉末を調製し、付加製造プロセスにより混合粉末を構成要素へと形成し、部分的な過渡液相焼結により構成要素を高密度化する、ことを含む。
【0029】
前述の段落のシステムは、付加的におよび/または代替的に、下記の特徴、構成、および/または付加的な構成要素のうちのいずれか1つまたは複数を任意選択的に含むことができる。
【0030】
高密度化は、形成中および形成後処理中に起こり得る。
【0031】
過渡的液相は、バインダー粉末の構成要素間の反応により形成され得、凝固する。
【0032】
過渡的液相の凝固は、等温プロセスであり得る。
【0033】
無機バインダー粉末材料は、金属を含み得る。
【0034】
第1のセラミックは、酸化物、窒化物、炭化物、酸窒化物、炭窒化物、ランタノイド、およびこれらの混合物であり得る。
【0035】
付加製造プロセスは、選択的レーザー焼結、直接レーザー焼結、選択的レーザー溶融、直接レーザー溶融、レーザー加工ネットシェイピング、電子ビーム溶融、および直接金属堆積を含み得る。
【0036】
構成要素は、タービン部品であり得る。
【0037】
第1のセラミック粉末は、Al23であり得、かつ、無機バインダー粉末は、Ni+Cu+Cr、Ni+Cu、Nb+Cu、Pt+Cu、Ag+Cu+Ti+In、Ag+Cu+In、Ag+In、Nb+Ni、Si+Au+Ti+Cu+Sn、または、Al+Tiであり得る。
【0038】
第1のセラミック粉末は、AlNであり得、かつ、無機化合物バインダー粉末は、Ti+Ag+Cuであり得る。
【0039】
第1のセラミック粉末は、Si34であり得、かつ、無機バインダー粉末は、Ti+Al、Ni+Cr+Au、Ni+Cu+Au、Nb+Co、Ta+Co、Ti+Co、V+Co、Ni+Cu+Au+Ti、Pd+Cu+Ti、Ni+Ti、V+Ni、Ni+Cu+Ti+Au、Ni+Cu+Ti、Cu+Ti、ステンレススチール+Ni+Ti、Fe−Ni−Co合金+Ni+Ti、Fe−Cr−Al合金+Fe+B+Si、Fe−Al−Cr−Nb合金+Cu+Ti+Ni+Al、またはFe−Al−Cr−Nb合金+Cu+Tiであり得る。
【0040】
第1のセラミック粉末は、SiCであり得、かつ、無機バインダー粉末は、Ni+Cu+Au+Ti,Ni+Cu+Ti、Si+C、Fe−Ni−Co合金+Mo+Si、またはMo+Ni+Siであり得る。
【0041】
第1のセラミック粉末は、TiCであり得、かつ、無機バインダー粉末は、Ni+Nb+Cuであり得る。
【0042】
第1のセラミック粉末は、TiNであり得、かつ、無機バインダー粉末は、Ni+Nb+Cuであり得る。
【0043】
第1のセラミック粉末は、WCであり得、かつ、無機バインダー粉末は、Pd+Znであり得る。
【0044】
第1のセラミック粉末は、Y23安定化ZrO2であり得、かつ、バインダー粉末は、Ni+Al+Si、Nb+Ni、またはNi+Alであり得る。
【0045】
第1のセラミック粉末は、ZrO2強化Al23であり得、かつ、バインダー粉末は、Nb+Niであり得る。
【0046】
構成要素を形成する方法は、一層ずつの付加製造プロセスにより、第1のセラミック粉末と少なくとも2つの金属バインダー粉末との混合粉末から構成要素を形成し、液体が形成されて部分的な過渡液相焼結により構成要素の高密度化が開始される反応を開始するように、構成要素を加熱する、ことを含み得る。
【0047】
前述の段落のシステムは、付加的におよび/または代替的に、下記の特徴、構成、および/または付加的な構成要素のうちのいずれか1つまたは複数を任意選択的に含むことができる。
【0048】
液体は、金属バインダー粉末の間の反応により形成され得、セラミックを濡らし、凝固して、第1のセラミック粉末をバインダー相に接合する。
【0049】
凝固は、等温プロセスであり得る。
【0050】
本発明は、望ましい実施例に関して記述され、当業者は、形状および詳細に関し、本発明の精神と範囲から離れることなく変更が可能であることを認識する。
図1
図2