特許第6392325号(P6392325)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6392325液体移送装置に使用するニードルバルブ及びコネクタ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6392325
(24)【登録日】2018年8月31日
(45)【発行日】2018年9月19日
(54)【発明の名称】液体移送装置に使用するニードルバルブ及びコネクタ
(51)【国際特許分類】
   A61J 1/05 20060101AFI20180910BHJP
   A61J 1/20 20060101ALI20180910BHJP
【FI】
   A61J1/05 315C
   A61J1/20 316A
   A61J1/20 314C
【請求項の数】5
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2016-512477(P2016-512477)
(86)(22)【出願日】2014年3月25日
(65)【公表番号】特表2016-521176(P2016-521176A)
(43)【公表日】2016年7月21日
(86)【国際出願番号】IL2014050319
(87)【国際公開番号】WO2014181320
(87)【国際公開日】20141113
【審査請求日】2017年2月17日
(31)【優先権主張番号】226281
(32)【優先日】2013年5月9日
(33)【優先権主張国】IL
(73)【特許権者】
【識別番号】515215911
【氏名又は名称】エクアシールド メディカル リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クリヘリ、マリノ
【審査官】 立花 啓
(56)【参考文献】
【文献】 特表昭60−501294(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/020084(WO,A2)
【文献】 米国特許第05474544(US,A)
【文献】 特表2010−524626(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61J 1/05
A61J 1/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体移送装置の2つの部品を互いに接続するコネクタであって、
i.円筒状で中空の外側本体と、
ii.前記外側本体のその近位端における外側に位置付けられ、第1の流体移送部品に接続されるようになっている接続ポートと、
iii.前記外側本体のその近位端における内側に位置付けられたニードルホルダと、
iv.流体導管として機能し、前記ニードルホルダを通過するとともにそのニードルホルダに堅く取り付けられたニードルであって、前記ニードルの遠位端が、該ニードルの外部と内部との間の流体連通を許容する少なくとも1つのポートを備える、ニードルと、
v.前記コネクタ部の中空の内部を往復変位可能なシングルメンブレンシールアクチュエータとを備え、
前記シングルメンブレンシールアクチュエータが、
円筒状のアクチュエータケーシングと、
前記ケーシングの遠位端をシールする遠位側のメンブレンであって、その一部が前記ケーシングから遠位側に突出している遠位側のメンブレンと、
その近位端において前記ケーシングの外側の中間部に接続され、その遠位端に拡大係止エレメントを備える少なくとも1つの弾力アームであって、前記拡大係止エレメントが、前記コネクタ部の前記中空で円筒状の外側本体の内壁と相互作用して前記コネクタ部を第2の流体移送部品に対して接続又は分離するため手順を可能とする特別な形状の表面領域を有する、少なくとも1つの弾力アームとを備える、
コネクタにおいて、
前記シングルメンブレンシールアクチュエータが、前記メンブレンの近位側に位置付けられた硬質プラスチックのニードルバルブシートを備え、前記ニードルバルブシートが、ボアを備え、前記ボアが、それぞれ、前記ニードルを該ボア内で前後に押し込むことを可能とするようになっており、前記ボアのそれぞれの少なくとも一部が、前記ニードルを前記ボア内に少なくとも部分的に位置付けたときに、流体が前記一部を通過できないようになっており、
前記コネクタは、前記第2の流体移送部品のヘッド部が前記コネクタ部の内側に進入できるとともに、その遠位端にある前記メンブレンに前記第2の流体移送部品の前記ヘッド部内に位置付けられたメンブレンが接触すると、前記シングルメンブレンアクチュエータが近位側に押し込まれるように構成され、
前記メンブレンを一緒に更に押し込むことによって、前記ニードルの遠位端が、前記ボアの遠位端から出て、前記シングルメンブレンアクチュエータ内の前記メンブレンを貫通し、そして前記ヘッド部内の前記メンブレンを貫通し、それにより、前記ニードルを介した前記接続ポートと前記第2の流体移送部品の内部との間の流体チャネルが確立されることを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
前記コネクタが第2の流体移送部品に接続されていないときは、周囲と前記ニードルの前記中空の内部との間の流体の交換を許容する前記ニードルの遠位端にある前記ポートが、前記ニードルバルブのシートにある前記ボアの内部によって完全にブロックされる、請求項に記載のコネクタ。
【請求項3】
a.シリンジ状の近位部と、
b.前記近位部の遠位端に取り付けられるコネクタ部であって、該コネクタ部の遠位端が流体移送部品に接続可能となっているコネクタ部を備え、
前記近位部が、
i.円筒状本体と、
ii.前記円筒状本体内部において変位可能であり、いずれも可変容量の遠位側液体チャンバ及び近位側気体チャンバを画成するピストンとを備え、
前記コネクタ部が、
i.円筒状で中空の外側本体と、
ii.ニードルホルダと、
iii.液体導管として機能し、前記ニードルホルダを通過するとともにそのニードルホルダに堅く取り付けられた第1のニードルであって、前記第1のニードルの遠位端が、前記第1のニードルの外部と内部との間の流体連通を許容する少なくとも1つのポートを備え、前記第1のニードルの遠位端が、前記コネクタ部内に位置付けられ、前記第1のニードルの近位端が、前記液体チャンバ内に位置付けられた、第1のニードルと、
iv.気体導管として機能し、前記ニードルホルダを通過するとともにそのニードルホルダに堅く取り付けられた第2のニードルであって、前記第2のニードルの遠位端が、前記第2のニードルの外部と内部との間の流体連通を許容する少なくとも1つのポートを備え、前記第2のニードルの遠位端が、前記コネクタ部内に位置付けられ、前記第2のニードルの近位端が、前記気体チャンバ内に位置付けられた、第2のニードルと、
v.前記コネクタ部の中空の内部を往復変位可能なシングルメンブレンシールアクチュエータとを備え、
前記シングルメンブレンシールアクチュエータが、
円筒状のアクチュエータケーシングと、
前記ケーシングの遠位端をシールする遠位側のメンブレンであって、その一部が前記ケーシングから遠位側に突出している遠位側のメンブレンと、
その近位端において、前記ケーシングの外側の中間部に接続され、その遠位端に拡大係止エレメントを備える少なくとも1つの弾力アームであって、前記拡大係止エレメントが、前記コネクタ部の前記中空の円筒状の外側本体の内壁と相互作用して前記コネクタ部を流体移送部品に対して接続又は分離するため手順を可能とする特別な形状の表面領域を有する、少なくとも1つの弾力アームとを備える、
流体移送装置において、
前記シングルメンブレンシールアクチュエータが、前記メンブレンの近位側に位置付けられた硬質プラスチックのニードルバルブシートを備え、前記ニードルバルブシートが、2つのボアを備え、前記ボアのそれぞれが、前記第1及び第2のニードルのうちの一つを該ボア内で前後に押し込むことを可能とするようになっており、前記ボアのそれぞれの少なくとも一部が、前記第1及び第2のニードルをそれぞれ対応する前記ボア内に少なくとも部分的に位置付けたときに、流体が前記一部を通過できないようになっており、
前記コネクタ部は、前記流体移送部品のヘッド部が前記コネクタ部の内側に進入できるとともに、その遠位端にある前記メンブレンに前記流体移送部品の前記ヘッド部内に位置付けられたメンブレンが接触すると、前記シングルメンブレンアクチュエータが近位側に押し込まれるように構成され、
前記メンブレンを一緒に更に押し込むことによって、前記第1のニードル及び前記第2のニードルの遠位端が、それぞれ対応する前記ボアの遠位端から出て、前記シングルメンブレンアクチュエータ内の前記メンブレンを貫通し、そして前記ヘッド部内の前記メンブレンを貫通し、それにより、前記第1のニードルを介した前記液体チャンバの内部と前記流体移送部品の内部との間の液体チャネルと、前記第2のニードルを介した前記気体チャンバの内部と前記流体移送部品の内部との間の別の気体チャネルとが確立されることを特徴とする流体移送装置。
【請求項4】
前記コネクタ部の遠位端が任意の他の流体移送部品に取り付けられていないときは、前記第1のニードル及び前記第2のニードル両方の遠位端にある前記ポートが、ニードルバルブの前記シート内に位置付けられて、それらが内部に位置付けられた前記ボアにより完全にシールされることによって、前記第1のニードルの内部と前記第2のニードルの内部とを互いに対して分離する、請求項に記載の流体移送装置。
【請求項5】
前記コネクタ部の遠位端が任意の他の流体移送部品に取り付けられていないときは、前記第1のニードル及び前記第2のニードル両方の遠位端にある前記ポートが、ニードルバルブの前記シート内に位置付けられて開通することにより、前記第1のニードルの内部と前記第2のニードルの内部との間の流体連通を許容する、請求項に記載の流体移送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体又は気体の流れを制御するバルブの分野に関する。特に、本発明は、薬剤移送システムにおいて液体又は気体の流れを制御するのに使用されるバルブの分野に関する。
【背景技術】
【0002】
医療の進歩及び手技の改良により、バルブ及びコネクタの改良の必要性は常に増大している。種類の豊富さ、品質、ニードルの安全性、微生物の侵入防止及び漏出防止に関する要求は常に高まっている。また、サンプリング/投薬調合技術並びに自動又は手動の無菌又は非無菌用途の進歩によって、サンプリングニードルを安全に収容するための新規な解決手段が求められている。極めて要求の高い用途の一つは、危険薬の調製及び投与に関与する医療・薬理関係者が、周囲へ流出しうる薬剤やその蒸気に曝露される恐れのある分野に存在する。本明細書で参照するように、「危険薬」とは、それ自体又はその蒸気との接触によって健康被害を生じうるあらゆる注入可能な材料をいう。そのような薬剤の例示的且つ非限定の例としては、特に、液体、個体又は気体状態の、細胞毒素や抗ウイルス薬、化学療法薬、抗生物質、並びに、ハーセプチン(登録商標)やシスプラチン、フルオロラウシル、ロイコボリン、パクリタキセル、エトポシド、シクロホスファミド及びネオサー(Neosar(登録商標))等の放射性医薬品、そしてそれらの組み合わせが挙げられる。
【0003】
液体や粉体の形態の危険薬は、バイアル内に含まれており、典型的に、防護服、口のマスク及びクリーンベンチ(ラミナーフローセーフティキャビネット)が与えられた薬剤師により別室で調製される。薬剤のバイアルからの移送には、カニューレすなわち中空ニードルが設けられたシリンジを使用する。調製後、危険薬は、静脈内投与を目的とした食塩水等の、非経口投与を目的とした、バッグに含まれる溶液に添加される。
【0004】
危険薬は有毒なため、直接皮膚に接触したり、たとえ微量の薬剤の蒸気でも曝露されたりすると、皮膚がんや白血病、肝臓損傷、先天性異常、流産、早産等の健康災害にかかる恐れが非常に高くなる。そのような曝露は、バイアルやボトル、シリンジ、静脈注射用バッグ等の、薬剤を含むレセプタクルが過圧されて、危険薬により汚染された流体又は空気が周囲へ漏出したときに起こる。危険薬への曝露は、ニードル先端やバイアル又は静脈注射用バッグのシールに残る薬剤溶液から、あるいは、ニードル先端の皮膚への偶発的な穿刺によっても起こる。また、曝露と同じ経路を介して、環境からの汚染微生物が、薬剤及び流体へ移送され、滅菌性が失われて致命的な結果となる可能性がある。
【0005】
本発明の発明者による特許文献1及び特許文献2には、汚染のない危険薬の搬送を提供するように設計された閉じた系の液体搬送デバイスが記載されている。図1及び図3a〜3dは、特許文献1に記載の発明の一実施例に係る、周囲を汚染することなく危険薬を移送する装置10の概略断面図である。本発明に関係のあるこの装置の主な特徴を本明細書において説明する。追加的な詳細は、前述の特許文献で見出せるだろう。
【0006】
装置10の近位側部分は、シリンジ12であり、所望の量の危険薬を、流体移送部品、例えば、それが含まれるバイアル16又は静脈注射用(intravenous;IV)バッグから吸引又は注入し、続いてその薬剤を他の流体移送部品に移送するようになっている。シリンジ12の遠位端には、コネクタ部14が接続され、そのコネクタ部14は、バイアルアダプタ15によりバイアル16に接続される。
【0007】
装置10のシリンジ12は、管状のスロート部20を有する円筒状本体18であって、スロート部20の直径が本体18よりも極めて小さい本体18と、円筒状本体18の近位端に外嵌された環状でゴム製のガスケット又はストッパアセンブリ22と、ストッパ22をシールして通過する中空のピストンロッド24と、これにより使用者がストッパ22を介してピストンロッド24を上下に押し引きできる近位側ピストンロッドキャップ26とを備える。弾性材料で作られたピストン28が、ピストンロッド24の遠位端に固着される。円筒状本体18は、硬質材料、例えばプラスチックで作られる。
【0008】
ピストン28は、円筒状本体18の内壁とシールして係合するとともにそれに対して変位可能であり、可変容量の2つのチャンバ、つまり、ピストン28の遠位面とコネクタ部14との間の遠位側の液体チャンバ30、及び、ピストン28の近位面とストッパ22との間の近位側の空気チャンバ32を画成する。
【0009】
コネクタ部14は、そのコネクタ部14の上部から近位側に突出してスロート部20を囲繞するカラーによって、シリンジ12のスロート部20に接続される。なお、この装置の実施例は、必ずしもスロート部20を有するわけではない。これらの実施例において、シリンジ12及びコネクタ部14は、製造時に単一のエレメントとして一緒に形成されるか、例えば接着剤や溶着によって恒久的に互いに取り付けられるか、あるいはねじ係合やルアーコネクタ等の連結手段を有して形成される。コネクタ部14は、ダブルメンブレンシールアクチュエータ(double membrane seal actuator)を備える。ダブルメンブレンシールアクチュエータは、そのダブルメンブレンシールアクチュエータが第1の遠位側位置に配置されてニードルが収容される通常の第1構成と、ダブルメンブレンシールアクチュエータが近位側に変位してニードルが露出する第2の位置との間を往復移動可能である。コネクタ部14は、他の流体移送部品に解除可能に連結されるようになっている。他の流体移送部品は、標準的なコネクタを有する薬剤バイアルや静脈注射用バッグ等の任意の流体容器や、一方の流体移送部品から他方へ流体を移送させる「流体移送アセンブリ」を構成する静脈注射用ラインとすることができる。
【0010】
コネクタ部14は、円筒状且つ中空の外側本体と、本体から径方向に突出し、開口を有する遠位端で終端する遠位側ショルダー部であって、その開口に、流体移送部品の近位端を挿入して連結するようになっている遠位側ショルダー部と、本体の内部において往復変位可能なダブルメンブレンシールアクチュエータ34と、その近位端において、ダブルメンブレンシールアクチュエータ34を収容する円筒状のアクチュエータケーシングの中間部に接続され、係止エレメントとして機能する1つ以上の弾力アーム35とを備える。空気導管38及び液体導管40として機能する2本の中空ニードルが、ニードルホルダ36に固定保持される。ニードルホルダ36は、コネクタ部14の上部の中央部からコネクタ部14の内部へと突入している。
【0011】
導管38及び40は、ニードルホルダ36から遠位側に延出し、アクチュエータ34の上側メンブレンを穿通している。導管38及び40の遠位端は、鋭く尖った端部と、アパーチャとを有し、アパーチャを介して、流体移送操作中、必要に応じて空気及び液体を導管の内部に流入させたり導管の内部から流出させたりできる。空気導管38の近位端は、シリンジ12内の近位側空気チャンバ32の内部において延在している。図1に示す実施例において、空気導管38は、ピストン28を通過し、中空のピストンロッド24の内部へと延在している。導管38を流通する空気は、ピストンロッド24の内部に流入又はその内部から流出し、ピストン28のすぐ上方にあるピストンロッド24の遠位端に形成されたアパーチャを介して空気チャンバ32から流出又は空気チャンバ32へ流入する。液体導管40の近位端は、ニードルホルダ36の上部又はその上部からわずかに近位側において終端して、液体導管が、シリンジ12のスロート部20の内部を介して、遠位側液体チャンバ30と流体連通するようになっている。
【0012】
ダブルメンブレンシールアクチュエータ34は、ケーシングを備え、そのケーシングが、矩形状断面を有する近位側の円盤形状のメンブレン34aと、円盤形状の近位側部及びその近位側部に対して径方向内方に配置された円盤形状の遠位側部を有するT字状断面を有する2段階の遠位側のメンブレン34bとを保持している。遠位側のメンブレン34bの遠位側部は、アクチュエータ34から遠位側に突出している。2本以上の長さの等しい弾力長尺アーム35が、アクチュエータ34のケーシングの遠位端に取り付けられている。これらのアームは、遠位側拡大エレメントで終端している。アクチュエータ34が第1の位置にあるとき、導管38及び40の先端は、近位側メンブレンと遠位側メンブレンとの間に保持され、導管30及び40の端部を周囲から隔離している。これにより、シリンジ12の内部の汚染、及び、その内部に含まれる有害な薬剤の周囲への漏出を防止する。
【0013】
バイアルアダプタ15は、コネクタ部14を、薬剤バイアル16、又は適切な形状及び寸法にしたポートを有する任意の他の部品に接続するのに使用される中間接続部である。バイアルアダプタ15は、円盤状中央片と、長手方向延出部とを備える。円盤状中央片には、バイアル16のヘッド部への固定を容易にするためにその内面に凸状リップを有して形成された複数の周方向セグメントが、その円盤の周囲にそこから遠位側に向かうように取り付けられ、また、長手方向延出部は、円盤状中央片の他方側から近位側に突出している。長手方向延出部は、コネクタ部14の遠位端にある開口に嵌合して、以下に説明するように薬剤の移送を許容する。長手方向延出部は、その延出部よりも直径の大きいメンブレンエンクロージャを有して近位側において終端している。メンブレンエンクロージャにおける中央の開口は、メンブレン15aを保持し、そのメンブレン15aをアクセス可能にしている。
【0014】
2本の長手方向チャネルが、長手方向延出部の内部の内側に形成され、メンブレンエンクロージャにおいてメンブレンから遠位側に延在しており、導管38及び40をそれぞれ受容するようになっている。メカニカルガイダンス機構が設けられて、コネクタ部14をバイアルアダプタ15と合わせたときに、導管38及び40が常に長手方向延出部内部のその指定されたチャネルに入ることを確実にしている。長手方向延出部は、遠位側に突出するスパイクエレメント15bを有して遠位側において終端している。スパイクエレメントは、内側に形成されたチャネルとそれぞれ連通する開口と、遠位側先端の開口とを有して形成される。
【0015】
バイアル16は、ネック部を有するバイアルの本体に取り付けられる拡大円形状のヘッド部を有する。ヘッド部の中央には、内部に含まれる薬剤の外方への漏出を防止するようになっている近位側シール16aがある。バイアル16のヘッド部がバイアルアダプタ15のカラー部へ挿入され、遠位側への力がバイアルアダプタ15に加えられると、コネクタ部14のスパイクエレメント15bが、バイアル16のシール16aを穿通して、コネクタ部14の内部チャネルを薬剤バイアル16の内部と連通させる。これが起こると、コネクタ部のカラー部の遠位端にある周方向セグメントが、バイアル16のヘッド部と堅く係合する。バイアル16のシールが穿通されると、それがスパイクの周囲をシールして、バイアルからの薬剤の外方への漏出を防止する。同時に、バイアルアダプタ15の内部チャネルの上部が、バイアルアダプタ15の上部にあるメンブレン15aによりシールされて、空気又は薬剤がバイアル16の内部へ流入又はその内部から流出するのを防止する。
【0016】
薬剤移送装置10を組み立てる手順は、図2a〜2dに示すように行われる。工程1−図2aに示すように、バイアル16及びバイアルアダプタ15を結合して、スパイクエレメント15bをバイアルの近位側シール16aに貫通させた後、バイアルアダプタ15のメンブレンエンクロージャ15aをコネクタ部14の遠位側開口の近傍に位置付ける。工程2−図2bに示すように、バイアルアダプタ15のメンブレンエンクロージャ及び長手方向延出部が、コネクタ部14の遠位端における開口に進入するまで、コネクタ部14の本体を軸方向運動により遠位側に変位させることにより、ダブルメンブレン係合手順を開始する。工程3−コネクタ部14の本体を更に遠位側へ変位させることにより、アクチュエータ34の遠位側のメンブレン34bを、バイアルアダプタ15の固定メンブレン15aに対して接触させて押圧する。図2cに示すように、メンブレンが互いに対して密に押圧された後、コネクタ部14のアームの端部にある拡大エレメントを、コネクタ部14のより狭い近位部内へと押し込むことにより、長手方向延出部の周囲且つバイアルアダプタ15のメンブレンエンクロージャの下で互いに対して押圧され係合させたメンブレンを保持する。これにより、ダブルメンブレンシールアクチュエータ34がバイアルアダプタ15から係合解除されるのを防止する。工程4−図2dに示すように、コネクタ部14の本体を更に遠位側へ変位させることにより、導管38及び40の先端がアクチュエータ34の遠位側のメンブレン及びバイアルアダプタ15の上部にあるメンブレンを穿通してバイアル16の内部と流体連通するまで、コネクタ部15の本体に対してアクチュエータ34を近位側へ移動させる。これらの4つの工程は、コネクタ部14をバイアルアダプタ15に対して遠位側に変位させるように1つの連続的な軸方向運動によって実行され、また、これらを逆に行うことで、コネクタ部14とバイアルアダプタ15とを互いに引き離すことにより、コネクタ部14をバイアルアダプタ15から分離する。本明細書では、この手順を4つの別々の工程を含むと説明しているが、これはこの手順の説明を容易に行うためだけのものであることであることを強調することが重要である。実際の現場では、本発明を用いた安全なダブルメンブレンの係合(及び係合解除)手順は、単一の円滑な軸方向移動を用いて行われることは理解されたい。
【0017】
図1に示す薬剤移送アセンブリ10を、図2a〜2dを参照してこれまで説明したように組み立てた後、ピストンロッド24を移動させることにより、液体をバイアル16から抜き取ったり、液体をシリンジからバイアルに注入したりできる。シリンジ12の遠位側液体チャンバ30と、バイアル16内の液体48との間の液体の移送、及び、シリンジ12の近位側空気チャンバ32とバイアル16内の空気46との間の空気の移送は、図1にそれぞれ経路42及び44で抽象的に示す別々のチャネルを移動することにより同量の空気及び液体が交換される内圧の均圧化プロセスにより起こる。これは、アセンブリ10の内部と周囲との間の空気又は液滴若しくは蒸気の交換の可能性を排除する閉じた系である。
【0018】
図3aは、バイアルへの液体の注入を概略的に示す。シリンジ12の液体チャンバ30に含まれる液体をバイアル16に注入するには、図3aに示すように、底部のバイアルが起立位置になるように、薬剤移送アセンブリ10を鉛直に保持する必要がある。ピストン28を遠位側に押すと、液体が、液体チャンバ30から導管40を介してバイアル16内へ押し出される。同時に、遠位側に移動するピストンによって液体チャンバ30の容量が低下すると、空気チャンバ32の容量が増大する。これにより、空気チャンバ内に一時的な負圧状態が作り出されるため、バイアル16内部の空気(又は不活ガス)が、導管38を介して空気チャンバ32内へ吸引される。また、そして同時に、液体がバイアルに追加されると、バイアル内の空気に利用可能な容量が低下して、一時的な正圧状態が作り出され、これにより、空気が、バイアル16から導管38を介して空気チャンバ32内に押し出される。これにより、移送アセンブリ10内の圧力が均圧化され、ピストン28が移動を停止すると平衡に達する。
【0019】
図3bは、バイアルからの液体の抜き取りを概略的に示す。液体をバイアル16から抜き取ってそれをシリンジ12の液体チャンバ30に移送するには、図3bに示すように、バイアル16が逆さまの位置になるように、薬剤移送アセンブリ10をひっくり返して鉛直に保持する必要がある。この操作のために、装置10を組み立て、シリンジ12内のピストン28を近位側方向へ引っ張ると、負圧状態が液体チャンバ30内に作り出され、液体が導管40を介してその中に吸引される。同時に、空気チャンバ32の容量が低下し、空気がそこから導管38を介してバイアル内へと押し出される(図3bには、空気チャンバ40からバイアルに流入する空気により作り出された気泡を示す)。図3a及び3bに記載したように、シリンジ及びバイアル内部それぞれの等容量の気体及び液体が同時に移送及び置換されることが、この閉じた系の均等化システムを構成している。
【0020】
空気経路42を液体経路44から分離するように配慮したにもかかわらず、特許文献1に記載の先行技術のアセンブリでは、ある条件下でこれらの経路が交差する箇所が2つあり、それにより、液体が、遠位側液体チャンバ30又はバイアル16から空気導管を通って近位側空気チャンバへと移動してしまう可能性が生じる。
【0021】
具体的には、特許文献1に記載の先行技術の装置では、空気チャネルと液体チャネルとが直接接続される箇所が以下のようにある。
A.シリンジ12及び取り付けられた接続部14が任意の他の流体移送部品に接続されていないときのダブルメンブレンシールアクチュエータ34の内側と、
B.装置10を図1に示すように組み立てたときのスパイクの先端におけるバイアル16の内側である。
【0022】
液体の一部がシリンジの空気チャンバ内への経路を偶発的に見出すと、審美上の明らかな問題に加えて、液体を回収しその用量を修正するのに、余計な時間を消費する作業工程が必要となる。
【0023】
状況Aが関連するときのシナリオの一例は、液体を含んでいるシリンジが取り扱われているとき、例えば、薬剤部から病棟へ運ばれているときがある。そのようなとき、ピストンロッドが偶発的に押されて、薬剤の一部が、それがシリンジから放出されることがない場所から、ピストンの上方の近位側空気チャンバへと移動する場合がある。このような場合、薬剤を回収するためにプランジャを引き戻す必要があり、これが余計な作業工程となり、また空気チャンバ32内に残る濡れが審美上の問題の原因となる。
【0024】
状況Bが関連するときのシナリオの一例は、液体薬剤を典型的に逆さまの位置にあるバイアルから抜き取っている間に、気泡がシリンジの液体チャンバに侵入するようなときや、シリンジに所望容量を超える液体が充填されているときがある。これらの状況において、ピストンロッドを偶発的に押して液体又は泡をバイアルへと戻すことは、一部の液体を空気チャネルを介してシリンジの空気チャンバ内へ押し込むことにもなる。泡を除去するやり方は、シリンジをバイアルから取り外しそれを再接続することを伴い、比較的時間がかかる複雑な手順である。プランジャを偶発的に押してしまうのを回避するには特別な注意が必要であり、作業速度が低下してしまう。
【0025】
本発明の発明者による特許文献3には、上述の制限を最小限に抑える又は排除する、前述の薬剤移送デバイスに対する改良が記載されている。特許文献3に教示されている改良は、シリンジ内の空気チャンバと流体移送部品との間の少なくとも1か所において空気チャネルに挿入された疎水性フィルタを備える薬剤移送装置の実施例及び改良されたバイアルアダプタの実施例である。
【0026】
バイアルアダプタ内に挿入されたフィルタは、液体チャネルと空気チャネルとの間のバリアとして働き、それにより、液体が空気チャネルを介してシリンジの裏側に形成された空気チャンバへ移送されるのを防止する。そのようなバリアを挿入することで、使用者は、薬剤が空気チャンバに移動する可能性を心配することなく、抜き取り手順中、少量の気泡を押し出したり、少量の過剰な投与量をバイアルに戻したりすることが自由にできる。一方で、フィルタバリアを用いた作業は利点に思えるが、他方で、使用者が多少不注意になりがちであり、シリンジをバイアルから取り外す前に液体からフィルタを取り除かなかったり、シリンジの空気チャンバと液体チャンバとの間に差圧が残ったりすることが予期される。従って、取り外した直後は、差圧が中和しようとし、平衡に達するまで、圧力の高いチャンバから圧力の低いチャンバへの流体の流れが生じる。圧力が空気チャンバにおいてより低い場合、これにより、液体薬剤の一部が、液体チャンバから空気チャンバへ、ダブルメンブレンシールアクチュエータ内部の両方のニードル先端間に存在する経路を介して吸引される。プランジャを偶発的に押したり引いたりすることによるこのような移動又は移送を回避するために、ひいては空気チャンバへの液体のあらゆる制御不能な移動を防止するために、ニードル先端間に存在する経路を排除しなければならず、ニードルを完全に分離する必要がある。
【0027】
ニードルのそのような分離は、設計上の課題を構成する。一方で、メンブレン34bは、ニードル38及び40の開端と環境との間のバリアとして働いて、微生物等の汚染物質によりアクチュエータ34の内部及びそれに保持されたニードル先端が汚染されるのを防止し、それによって滅菌性を維持する。他方で、メンブレン34bは、有害物質から環境も保護している。フィルタバリアを使用していない図1図3bに示す前述の実施例では、空気チャンバと液体チャンバとの間に差圧は作り出されないため制御不能な移動は起こらず、偶発的な押し引きによってのみチャンバ間の薬剤の移動が生じる。そのように偶発的に押してしまうことは(傍注として)非常によくあることであるが、ダブルメンブレンシールアクチュエータの内側に高圧を作り出すことはない。それは、チャンバからチャンバへの自由流が存在し、高圧は、維持されずに平衡に達するまでにすぐに低下するからである。従って、アクチュエータのエレメントのシール特性は、高圧で課題になることは決してなく、程々の設計で十分である。他方で、フィルタがバリアとして挿入される特許文献3に係る実施例では(例えば、以下の図10を参照のこと)、シリンジプランジャを手動で押すことで20気圧までの高圧が容易に発生するため、耐高圧性が要求される。この現象は、小容量のシリンジ(1〜5ml)において特に一般的である。そのような圧力下では、ニードル間の分離設計の多くは機能せず、薬剤が空気チャンバに移送され、更に悪いことには、メンブレン34a及び34bが高圧に耐えられず、それらのシートから取り外されたり、メンブレンの弾力材料を穿通する際にニードルにより作り出されたメンブレンのチャネルを介して漏出が生じたりしうる。
【0028】
高圧を耐えるための解決手段は、高圧に耐えうるデバイスは程々の要件でもより良好な性能を発揮するため、通常のニードルバルブ及びコネクタに対する全体的な改良となりうる。そのような性能の向上は、自動及び手動の両方において、サンプリングや投薬調合技術の分野においても利用できる。この分野では、ニードルは、サンプリング又は調合手順の際に露出する。その手順が完了した後、ニードルを保護エンベロープ内へ退避させて、ニードルの汚染及びそのニードルによる環境の汚染の両方を回避する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0029】
【特許文献1】米国特許第8,196,614号明細書
【特許文献2】米国特許第8,267,127号明細書
【特許文献3】イスラエル特許出願第224630号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0030】
従って、本発明の目的は、液体移送装置内部の高圧により生じる上述の問題を解決するニードルバルブを提供することである。
【0031】
従って、本発明の目的は、液体移送装置内部の高圧により生じる上述の問題を解決する新規のニードルバルブに基づく改良されたメンブレンアクチュエータを提供することである。
【0032】
本発明の更なる目的及び利点は、説明が進むにつれて明らかとなろう。
【課題を解決するための手段】
【0033】
本発明の第1の態様は、
a.少なくとも1つの中空のニードルであって、円滑な表面を有する中空のシャフト、及び、ニードルの先端近傍の遠位端においてシャフトの側部に位置付けられたポートを備え、ポートが、ニードルの内部と外部との間の流体連通を許容するようになっている、ニードルと、
b.硬質材料で作られたシートであって、シートを介して少なくとも1つのニードルの1つを収容するようになっている少なくとも1つのボアを備えるシートとを備えるニードルバルブであって、
i.ニードルを、ボア内で前後に押し込むことができ、
ii.ニードルの外径と、ボアの少なくとも一部の内径とが密に合致していることで、ボア内にニードルのシャフトが存在することにより、流体がボアの一部を流通するのをブロックするようになっている、ニードルバルブである。
【0034】
本発明のニードルバルブの実施例において、シートは、低摩擦特性を有するプラスチックで作られ、そのプラスチックはアセタールプラスチックとすることができる。
【0035】
本発明のニードルバルブの実施例は、ニードルとシートとの間の摩擦を低減する潤滑剤を備える。
【0036】
本発明の第2の態様は、本発明の第1の態様に係るニードルバルブを備える、流体移送装置の2つの部品を互いに接続するコネクタである。
このコネクタは、
i.円筒状で中空の外側本体と、
ii.外側本体のその近位端における外側に位置付けられ、第1の流体移送部品に接続されるようになっている接続ポートと、
iii.外側本体のその近位端における内側に位置付けられたニードルホルダと、
iv.流体導管として機能し、ニードルホルダを通過するとともにそのニードルホルダに堅く取り付けられたニードルであって、ニードルの遠位端が、該ニードルの外部と内部との間の流体連通を許容する少なくとも1つのポートを備える、ニードルと、
v.コネクタ部の中空の内部を往復変位可能なシングルメンブレンシールアクチュエータとを備え、
シングルメンブレンシールアクチュエータが、
円筒状のアクチュエータケーシングと、
ケーシングの遠位端をシールする遠位側のメンブレンであって、その一部がケーシングから遠位側に突出している遠位側のメンブレンと、
その近位端においてケーシングの外側の中間部に接続され、その遠位端に拡大係止エレメントを備える少なくとも1つの弾力アームであって、拡大係止エレメントが、コネクタ部の中空で円筒状の外側本体の内壁と相互作用してコネクタ部を第2の流体移送部品に対して接続又は分離するための4工程の手順を可能とする特別な形状の表面領域を有する、少なくとも1つの弾力アームとを備える。
【0037】
本発明のコネクタは、
シングルメンブレンシールアクチュエータが、メンブレンの近位側に位置付けられた硬質プラスチックのニードルバルブシートを備え、ニードルバルブシートが、ボアを備え、ボアが、それぞれ、ニードルを該ボア内で前後に押し込むことを可能とするようになっており、ボアのそれぞれの少なくとも一部が、ニードルをボア内に少なくとも部分的に位置付けたときに、流体がその一部を通過できないようになっており、
コネクタは、第2の流体移送部品のヘッド部がコネクタ部の内側に進入できるとともに、その遠位端にあるメンブレンに第2の流体移送部品のヘッド部内に位置付けられたメンブレンが接触すると、シングルメンブレンアクチュエータが近位側に押し込まれるように構成され、
メンブレンを一緒に更に押し込むことによって、ニードルの遠位端が、ボアの遠位端から出て、シングルメンブレンアクチュエータ内のメンブレンを貫通し、そしてヘッド部内のメンブレンを貫通し、それにより、ニードルを介した接続ポートと第2の流体移送部品の内部との間の流体チャネルが確立されることを特徴とする。
【0038】
本発明のコネクタの実施例において、コネクタが第2の流体移送部品に接続されていないときは、周囲とニードルの中空の内部との間の流体の交換を許容するニードルの遠位端にあるポートが、ニードルバルブのシートにあるボアの内部によって完全にブロックされる。
【0039】
本発明の第3の態様は、第2の態様に係るコネクタを備える流体移送装置である。この流体移送装置は、
a.シリンジ状の近位部と、
b.近位部の遠位端に取り付けられるコネクタ部であって、該コネクタ部の遠位端が流体移送部品に接続可能となっているコネクタ部を備え、
近位部が、
i.円筒状本体と、
ii.円筒状本体内部において変位可能であり、いずれも可変容量の遠位側液体チャンバ及び近位側気体チャンバを画成するピストンとを備え、
コネクタ部が、
i.円筒状で中空の外側本体と、
ii.ニードルホルダと、
iii.液体導管として機能し、ニードルホルダを通過するとともにそのニードルホルダに堅く取り付けられた第1のニードルであって、第1のニードルの遠位端が、第1のニードルの外部と内部との間の流体連通を許容する少なくとも1つのポートを備え、第1のニードルの遠位端が、コネクタ部内に位置付けられ、第1のニードルの近位端が、液体チャンバ内に位置付けられた、第1のニードルと、
iv.気体導管として機能し、ニードルホルダを通過するとともにそのニードルホルダに堅く取り付けられた第2のニードルであって、第2のニードルの遠位端が、第2のニードルの外部と内部との間の流体連通を許容する少なくとも1つのポートを備え、第2のニードルの遠位端が、コネクタ部内に位置付けられ、第2のニードルの近位端が、気体チャンバ内に位置付けられた、第2のニードルと、
v.コネクタ部の中空の内部を往復変位可能なシングルメンブレンシールアクチュエータとを備え、
シングルメンブレンシールアクチュエータが、
円筒状のアクチュエータケーシングと、
ケーシングの遠位端をシールする遠位側のメンブレンであって、その一部がケーシングから遠位側に突出している遠位側のメンブレンと、
その近位端において、ケーシングの外側の中間部に接続され、その遠位端に拡大係止エレメントを備える少なくとも1つの弾力アームであって、拡大係止エレメントが、コネクタ部の中空の円筒状の外側本体の内壁と相互作用してコネクタ部を流体移送部品に対して接続又は分離するための4工程の手順を可能とする特別な形状の表面領域を有する、少なくとも1つの弾力アームとを備える。
【0040】
本発明の流体移送装置は、
シングルメンブレンシールアクチュエータが、メンブレンの近位側に位置付けられた硬質プラスチックのニードルバルブシートを備え、ニードルバルブシートが、2つのボアを備え、ボアのそれぞれが、第1及び第2のニードルのうちの一つを該ボア内で前後に押し込むことを可能とするようになっており、ボアのそれぞれの少なくとも一部が、第1及び第2のニードルをそれぞれ対応するボア内に少なくとも部分的に位置付けたときに、流体がその一部を通過できないようになっており、
コネクタ部は、流体移送部品のヘッド部がコネクタ部の内側に進入できるとともに、その遠位端にあるメンブレンに流体移送部品のヘッド部内に位置付けられたメンブレンが接触すると、シングルメンブレンアクチュエータが近位側に押し込まれるように構成され、
メンブレンを一緒に更に押し込むことによって、第1のニードル及び第2のニードルの遠位端が、それぞれ対応するボアの遠位端から出て、シングルメンブレンアクチュエータ内のメンブレンを貫通し、そしてヘッド部内のメンブレンを貫通し、それにより、第1のニードルを介した液体チャンバの内部と流体移送部品の内部との間の液体チャネルと、第2のニードルを介した気体チャンバの内部と流体移送部品の内部との間の別の気体チャネルとが確立されることを特徴とする。
【0041】
本発明の流体移送装置の実施例において、コネクタ部の遠位端が任意の他の流体移送部品に取り付けられていないときは、第1のニードル及び第2のニードル両方の遠位端にあるポートが、ニードルバルブのシート内に位置付けられて、それらが内部に位置付けられたボアにより完全にシールされることによって、第1のニードルの内部と第2のニードルの内部とを互いに対して分離する。
【0042】
本発明の流体移送装置の実施例において、コネクタ部の遠位端が任意の他の流体移送部品に取り付けられていないときは、第1のニードル及び第2のニードル両方の遠位端にあるポートが、ニードルバルブのシート内に位置付けられて開通することにより、第1のニードルの内部と第2のニードルの内部との間の流体連通を許容する。
【0043】
本発明の上述の特徴及び利点並びに他の特徴及び利点は、添付の図面を参照するその実施例についての以下の例示的且つ非限定の説明を通して更に理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0044】
図1】危険薬を移送するための先行技術の装置の概略断面図である。
図2a図1の装置のコネクタ部とバイアルアダプタとの間の接続の連続する4つの工程の工程1を概略的に示す断面図である。
図2b図1の装置のコネクタ部とバイアルアダプタとの間の接続の連続する4つの工程のうちの工程2を概略的に示す断面図である。
図2c図1の装置のコネクタ部とバイアルアダプタとの間の接続の連続する4つの工程のうちの工程3を概略的に示す断面図である。
図2d図1の装置のコネクタ部とバイアルアダプタとの間の接続の連続する4つの工程のうちの工程4を概略的に示す断面図である。
図3a】危険薬を移送するための、図1の装置を使用することのコンセプトを概略的に示す断面図である
図3b】危険薬を移送するための、図1の装置を使用することのコンセプトを概略的に示す断面図である
図4a】本発明のニードルバルブを概略的に示す。
図4b】本発明のニードルバルブを概略的に示す。
図4c】本発明のニードルバルブを概略的に示す。
図5a】本発明のニードルバルブの異なる実施例を概略的に示す断面図である。
図5b】本発明のニードルバルブの異なる実施例を概略的に示す断面図である。
図6a】本発明のニードルバルブの異なる実施例を概略的に示す断面図である。
図6b】本発明のニードルバルブの異なる実施例を概略的に示す断面図である。
図7a】本発明のニードルバルブの異なる実施例を概略的に示す断面図である。
図7b】本発明のニードルバルブの異なる実施例を概略的に示す断面図である。
図8a】本発明のニードルバルブの異なる実施例を概略的に示す断面図である。
図8b】本発明のニードルバルブの異なる実施例を概略的に示す断面図である。
図9a】ニードルシャフトの外部と内部との間の流体連通を許容する2つのポートを備える本発明のニードルバルブの実施例を概略的に示す。
図9b】ニードルシャフトの外部と内部との間の流体連通を許容する2つのポートを備える本発明のニードルバルブの実施例を概略的に示す。
図9c】バルブのシートが、ニードルの側部にあるポートを介したニードルシャフトの内部と遠隔位置との間の流体連通を許容する側部チャネルを備える、本発明のニードルバルブの実施例を概略的に示す。
図9d】バルブのシートが、ニードルの側部にあるポートを介したニードルシャフトの内部と遠隔位置との間の流体連通を許容する側部チャネルを備える、本発明のニードルバルブの実施例を概略的に示す。
図10a】先行技術のダブルメンブレンシールアクチュエータを、本発明のニードルバルブの実施例を備えるアクチュエータで置き換えた点を除き、図1に示すものと同一の、危険薬を移送する装置の概略断面図である。
図10b図10aに示す装置のアクチュエータの拡大図である。
図11a】先行技術のダブルメンブレンシールアクチュエータを、本発明のニードルバルブの実施例を備えるアクチュエータと置き換えた点を除き、図2aに示すものと同一の、危険薬を移送する装置の概略断面図である。
図11b図11bに示す装置のアクチュエータの拡大図である。
図12図10及び図10bの装置に使用しうる本発明のニードルバルブの他の実施例を備えるアクチュエータの他の実施例を示す。
図13a】本発明のニードルバルブを備えるアクチュエータを備えるコネクタと、コネクタを薬剤移送装置の部品に接続するように構成されたアダプタとを概略的に示す。
図13b図13bのコネクタ及びアダプタが互いに接続された状態を示す。
図14図10a〜図12において説明したコネクタの技術図面を示す。
図15図10a〜図12において説明したコネクタの技術図面を示す。
【発明を実施するための形態】
【0045】
本発明は、ニードルバルブを備える液体移送装置において使用する新しい種類のニードルバルブ及びコネクタである。本発明のニードルバルブは、バルブ内を通る流れを非常に正確に制御することを可能とするねじ式バルブステムを備えシール部品としてゴム等の弾性材料を使用する当該技術分野において既知の従来の種類のニードルバルブではない。本発明のニードルバルブは、2つの部品を備える。第1の部品は、円滑な外側表面と、円筒状のシャフトの側部にポートとを有する中空ニードルであり、第2の部品は、低摩擦特性を有する硬質材料、例えばプラスチックで作られるシートである。ニードルとシートとの間の摩擦を更に低減するために潤滑剤が望ましく且つ好ましいが、このニードルバルブは、潤滑剤無しでも機能する。
【実施例】
【0046】
図4aは、図1のニードル38及び40のような中空ニードル200の3つの実施例を示す。ニードル200は、円滑な表面を有する中空のシャフト202と、先端206近傍の遠位端においてシャフトの側部に位置付けられたポート204とを備える。ポート204を介して、シャフト202の内部と、そのシャフトの外部とが流体連通している。先端206は、図4aに示すように、全体的に尖っているが、バルブの実施例において、先端は、他の形状、例えば、円形又は平坦であってもよい。
【0047】
図4bは、バルブのシート208の最も簡素な実施例を示す。この実施例において、シート208は、その内部を貫通するボア210を有する、アセタールプラスチック等の硬質材料の円筒状ブロックである。
【0048】
図4cは、シートのボアに挿入されたニードルのシャフトを示す。シート208は、良好な寸法安定性及び非常に低い摩擦係数を有するアセタールプラスチック等の硬質材料で作られる。これにより、バルブを、一方では、ニードル200をボア210内で前後に押し込むことができ、他方では、ニードル200の外径とボア210の内径とが密に合致していることで、ボア210内にニードル200のシャフト202が存在すると、流体(気体又は液体)がボア210を流通するのをブロックするように製造することが可能になる。
【0049】
図5a〜図8bは、本発明のニードルバルブの異なる実施例を概略的に示す断面図である。これらの図のそれぞれは、バルブの2つの図を示す。左側の図(aを付している)において、ポート204は、シート208のボア210内部に位置しており、右側の図(bを付している)において、ニードルは、遠位側に押し込まれて、ポート204がボア210から出ている。
【0050】
図5a及び図5bに示すバルブの実施例において、ポート204を介したシャフト202の外部と内部との間の流体連通は、図5aでは、ボアの壁部によりブロックされ、図5bでは、バルブの下方の空間とニードルの内部との間で許容されている。この実施例では、シート208に対するポート204の位置に関係なく、ニードルの内部とバルブの上方の空間と流体連通がすることはない。
【0051】
図6a及び図6bに示すバルブの実施例において、シート208のボア210の直径は、ボア210がシート208内を短い距離貫通した後増大して、ニードル200のシャフト202よりもずっと大きな直径を有するチャンバ210’を形成している。この実施例において、ボア210は、ポート204の上方においてシャフト202をシールし、それにより、バルブの上方の空間とニードルの内部との間の流体連通を防止しているが、ポート204を介したバルブの下方の空間とシャフト202の内部との間の流体連通を常に許容している。
【0052】
図7a及び図7bに示すバルブの実施例において、シート208を貫通するボアは、上部及び下部にチャンバ210’を有するとともにボア210の断面がニードル200のシャフト202の外径と基本的に等しい直径を有するように形成されている。この実施例は、図7aに示すようにポート204を介したバルブの上方の空間とシャフト202の内部との間の流体連通、及び、図7bに示すようにバルブの下方の空間とニードルの内部との間の流体連通を許容している。
【0053】
図8a及び図8bに示すバルブの実施例において、バルブは、図5a及び図5bに示すバルブと同一であるが、加えて、シートの下部が凹部212を備え、その内部に弾力弾性メンブレン34bが挿入されている。このメンブレンは、ポート204と環境との間のバリアとして働き、微生物等の汚染物質によりボア及びそれに保持されたニードル先端が汚染されるのを防止し、それによって滅菌性を維持する。他方で、このメンブレンは、ニードルを介した流体の移送後にニードル先端に残留物として存在しうる有害物質から、環境も保護する。
【0054】
図9a及び図9bは、ニードルシャフトの外部と内部との間の流体連通を許容する2本のポートを備える本発明のニードルバルブの実施例を概略的に示す。図9aにおいて、ポート204がボア210の壁部によりブロックされており、バルブの上方の空間とニードルの内部との間の流体連通がポート204’を介して許容されている。図9bにおいて、バルブの下方の空間とニードルの内部との間の流体連通がポート204を介して許容されているが、ポート204’はブロックされている。ニードルバルブのこの実施例は、ニードルポートによって2つ以上のチャンバにアクセスする必要のある、再構成デバイス(reconstitution devices)等の用途において使用可能である。典型的に、このようなデバイスは、凍結乾燥させた粉末用のチャンバと、希釈剤用のチャンバとを有する。シャフトにより穿通され、ポート204’とシート208の上部との間に位置するメンブレンを使用して、複数のチャンバを分離することができる。なお、図9a及び図9bに示す実施例と同様であるが、ニードルの側部に3つ以上のポートを有する本発明のニードルバルブの実施例も製造できることは注意されたい。
【0055】
図9c及び図9dは、バルブのシート208が、ニードル200の側部にあるポート204を介したニードルシャフトの内部と遠隔位置(不図示)との間の流体連通を許容する側部チャネル216を備える、本発明のニードルバルブの実施例を概略的に示す。
【0056】
図4a〜図9dにおいて説明したニードルバルブの実施例によって、特別な必要性に対する様々な使用が可能となる。これによって、既存のバルブ及びコネクタと比較して設計の向上が可能となり、耐高圧性が向上し、それにより全体的な性能が向上する。
【0057】
図10a及び図11aは、危険薬を移送する装置の概略断面図である。これらの図に示す装置及びその部品の全ては、2つの例外を除いて、図1及び図2aに示すものとそれぞれ同一である。バイアルアダプタ15は、特許文献3に記載されるようなフィルタ50を備え、また、コネクタ部14において、2つのメンブレン34a及び34bとアーム35とを備える先行技術のダブルメンブレンシールアクチュエータ34を、本発明のニードルバルブの実施例と、単一のメンブレン34bと、アーム35とを備えるアクチュエータ218で置き換えている。図10a〜13bに示すものを含む本発明の全ての実施例において、如何なる形態でもアクチュエータ218の近位端をシールする必要がないことに注意することは重要である。これは、コネクタが他の流体移送部品に接続されていないときに空気導管及び液体導管の遠位端にあるボア204を閉じるタスクが、先行技術では、メンブレン34a及び34bにより達成されていたのが、本発明では、ニードルバルブの構成及び単一のメンブレン34bにより達成され、また、幾つかの実施例では、ニードルバルブそれ自体により達成されるからである。
【0058】
図10aは、コネクタ部14に取り付けられたシリンジ12と、薬剤バイアル16に接続されたバイアルアダプタ15とを示す。図11aは、装置の全ての部品が互いに接続された状態を示す。図10b及び図11bは、それぞれ、図10a及び図11bに示す装置におけるアクチュエータの拡大図である。
【0059】
図10b及び図11bを参照し、アクチュエータ218は、空気導管38及び液体導管40のニードルが貫通する2つのボアを備えるバルブシート208を備える。アクチュエータの全ての部分(メンブレン34b並びにニードル38及び40を除く)は、硬質の低摩擦プラスチック、例えばアセタールで作られて、ニードル38及び40がシートのボア内に摺動嵌合しながら、液体又は空気のボア内の流通を防止するようになっている。シャフト及びボアの直径は、製品開発フェーズ中、微調整が必要である。これは、ボアがきついと、高摩擦及び高耐圧性が生じ、ボアがそれほどきつくなければ、低摩擦及び程々の耐圧性が生じるからである。ニードルの表面品質は、摩擦に影響を及ぼし、また、製造プロセス中に適用される潤滑剤も同様である。アセタール等の材料は、優れた低摩擦特性を有し、接続の繰り返しや薬剤中の腐食性物質への曝露により潤滑剤が除去された後でも、バルブが機能するのを可能にする。
【0060】
図10bに示すように、シリンジ及び取り付けられたコネクタが、装置の他の部品に接続されていないとき、アクチュエータ218は、コネクタ部14の遠位端にあり、ニードル38及び40の先端は、ニードルバルブのシート208のボア内に位置している。この構成において、ニードルの側部にあるポート204は、ボアの内壁部によりブロックされて、ニードルを互いに対して完全に分離し、それにより、非常に高圧であっても、空気がシリンジの液体チャンバに流入したり液体が空気チャンバに流入したりするのを防止する。
【0061】
図11bに示すように、シリンジ及び取り付けられたコネクタが、バイアルアダプタ等の、装置の他の部品に接続されると、アクチュエータ218が、コネクタ部14の近位端側に押し込まれる。ニードル38及び40はニードルホルダ36に固定されているため、アクチュエータ218が近位側に移動すると、ニードル38及び40の先端並びにポート204が、ニードルバルブのシート208のボアの遠位端、メンブレン34b、そしてバイアルアダプタのメンブレン15aを介して押し出され、それにより、それぞれのチャネルに流体の開経路が確立される。
【0062】
コネクタの第1の目標は、液体が空気チャンバに移動する可能性を完全に排除することである。これは、例えば、バイアルアダプタから取り外した後空気チャンバと液体チャンバとの間に差圧が存在したり、空気チャンバ内の圧力が液体チャンバ内の圧力よりも低かったりすると発生し、空気チャンバへの液体の望ましくない移動に繋がる。第2の目標は、シリンジプランジャの偶発的な押し込みの間、コネクタへの漏出や損傷を防止することである。病院環境において頻繁に行われている薬剤移送オペレーションの一つは、IVプッシュ又はボーラス注入として知られている。典型的に、病院薬剤部において必要量の薬剤をシリンジ内に調製して病棟へと届け、そこで、有資格看護師が、患者に、予め設定されたIVラインを介して薬剤を投与する。この手技に関連する共通の問題は、薬剤部から病棟への移動中、又はベッドの傍において、シリンジのピストンが不意に押し込まれて、薬剤の一部をシリンジのバレルから排出したり、不意に引っ張られたりする場合があることである。20気圧までの高圧は、小容量(1〜5ml)のシリンジのプランジャを手で押し込むことで容易に発生する。このような圧力によって、コネクタが分解したり、メンブレンが外れたりする場合がある。図10aから図11bに示すコネクタは、そのような空気チャンバと液体チャンバとの間の液体の不意の移送に関連する問題を解決し、プランジャの偶発的な押し込みの間に発生する高圧に耐えるものである。これらの図から分かるように、コネクタ14がアダプタ15に接続されていないときは、周囲とニードルの中空内部との間の流体の交換を許容するニードル38及び40の遠位端にあるポート204がニードルバルブのシート208におけるボアの内部によりブロックされている。シリンジに液体が完全に又は部分的に充填されており、プランジャをニードル側に押し込んで液体をニードルから流そうとするような力がどれだけ加えられても、液体がポート204を介してニードルから流出することはない。逆に、プランジャを後方に引き抜こうとする力がどれだけ加えられても、空気がポート204から流入してニードルの内部を通ってシリンジのバレル内へと流れることはない。
【0063】
図12は、図10a及び図10bの装置に使用しうる本発明のニードルバルブの他の実施例を備えるアクチュエータ218の他の実施例を示す。この実施例において、ニードルバルブのシート208は、シリンジ及び取り付けられたコネクタが装置の任意の他の部品に接続されていないときはアクチュエータ218が図に示すようにコネクタ部14の遠位端にあるように構築される。この構成において、ニードル38及び40の先端及び側部のポート204は、ニードルバルブのシート208とメンブレン34bとの間の閉空間220内に位置している。この構成において、液体及び空気の交換は、2本のニードルを介して起こりうる。
【0064】
このコネクタは、図6a及び図6bに示した実施例で説明したニードルバルブと同様である。この実施例において、シート208は、ポート204の上方でニードル38及び40のシャフトをシールしており、それにより、アクチュエータ218の上方の環境と空間220の内部との間の流体連通を防止する。
【0065】
図1及び図2aに示す薬剤移送装置の実施例は、空気チャネルを液体チャネルから分離する疎水性フィルタのバリアを備えない。従って、液体をバイアルから抜き取っている間に通常作り出される気泡を排出する方法は以下の通りである。バイアルを取り外してニードルが上を向くようにシリンジを保持することにより、泡がシリンジから排出される。気泡は、必然的に、シリンジ内の液体の上に浮いている。その後、プランジャを押圧すると、泡が空気チャンバへと押し出される。この手順のために、図12に示すコネクタ14の実施例に存在するように、両方のニードルポート間の連通が必要である。
【0066】
図13aは、本発明のニードルバルブを備えるアクチュエータ218を備えるコネクタ222と、コネクタ222を薬剤移送装置の部品に接続するように構成されたアダプタ228とを概略的に示す。図13bは、図13bのコネクタ222及びアダプタ228が互いに接続された状態を示す。
【0067】
コネクタ222は、その近位端に、薬剤移送装置、例えば針無しシリンジやIVチュービングの部品に接続されるようになっている接続ポート224、例えばメスルアーロックと、円滑な表面を有する中空のシャフト、及び、先端近傍の遠位端におけるシャフトの側部に位置付けられたポート204を備える単一のニードル200と、本発明のニードルバルブのシート208を備えるアクチュエータ218と、シート208の下方に位置付けられたメンブレン15aと、アーム35と、開口遠位端226とを備える。ニードル200の近位端は、ニードルホルダ36により、コネクタ222のハウジングに固着されている。ニードルの内部は、接続ポート224の内部と流体連通している。本明細書において上述したように、ニードル200は、シート208のボア内に摺動嵌合して、流体のボア内の流通を防止する。
【0068】
アダプタ228は、その近位端に、コネクタ222の開口遠位端226内に嵌合するようになっている長尺体(elongated body)であるメンブレン234と、その遠位端に、薬剤移送装置、例えばIVチュービングセットの部品に接続されるようになっている接続ポート230、例えばねじ式オスルアーロックとを備える。チャネル232が、メンブレン234の下方から接続ポート230を通ってアダプタ228の長さに亘って通過している。
【0069】
コネクタ222とアダプタ228とを接続するためには、アダプタの近位端をコネクタの開口遠位端226内へ挿入し、メンブレン234がメンブレン15aと接触するまで前進させる。コネクタ及びアダプタを互いに対して更に押圧すると、ニードル200の先端がバルブ208のシートから出て、メンブレン15a及び234を通ってチャネル232内に入り、それにより、図13bに示すように、アーム35により、コネクタ222及びアダプタ228が互いに対して係止されて、コネクタ222の接続ポート224からアダプタ230の接続ポート230への流体の開経路が確立される。
【0070】
図13aに示すコネクタは、図10aから図11bに示すコネクタと同様に、一般的な高圧、特にプランジャの偶発的な押し込みの間に作り出される高圧に関連する全ての問題を防止する。この図から分かるように、コネクタ222がアダプタ234に接続されていないときは、周囲とニードルの中空の内部との間の流体の交換を許容するニードル200の遠位端にあるポート204が、ニードルバルブのシート208にあるボアの内部によってブロックされる。液体が完全に又は部分的に充填されたシリンジが接続ポート224に取り付けられると、プランジャをニードル側に押し込んで液体をニードルから流そうとするような力がどれだけ加えられても、液体がポート204を介してニードルから流出することはない。逆に、プランジャを後方に引き抜こうとする力がどれだけ加えられても、空気がポート204から流入してニードルの内部を介してシリンジのバレル内へと流れることはない。
【0071】
図14及び図15は、本発明に係るニードルバルブを備えるコネクタの2つの実施例の技術図面である。図14に示す実施例では、空気導管及び液体導管両方の先端近傍のポートが、完全にシールされ、互いに対して分離している。図15に示す実施例では、空気導管及び液体導管両方の先端近傍のポートが開いており、それらの間の流体連通を許容している。
【0072】
本発明の実施例を例示的に説明してきたが、本発明が、特許請求の範囲を超えることなく多くの変形、変更及び適応を行って実施されてもよいことは理解されたい。
図1
図2a
図2b
図2c
図2d
図3a
図3b
図4a
図4b
図4c
図5a
図5b
図6a
図6b
図7a
図7b
図8a
図8b
図9a
図9b
図9c
図9d
図10a
図10b
図11a
図11b
図12
図13a
図13b
図14
図15