【文献】
Ericsson,Power saving state solution,3GPP TSG-SA WG2#99 S2-133234,2013年 9月23日
【文献】
NEC,Editor's note removal and correction to the Network Assisted Power Saving solution,3GPP TSG-SA WG2#98 S2-132851,2013年 7月15日
【文献】
Huawei, HiSilicon, Orange, Qualcomm Incorporated, Ericsson,Introducing UE Power Saving Mode,3GPP TSG-SA WG2#100 S2-134548,2013年11月11日
【文献】
Samsung,Clarifications of the specification of T3412 Extended Value,3GPP TSG-CT WG1♯83 C1-132224,2013年 5月20日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記TAUまたはRAU要求メッセージを送信するステップは、前記PSMの中止が必要な場合または前記活性時間値の変更が必要な場合、前記アクセス層を活性化するステップを含む、請求項5に記載の方法。
前記制御部は、前記無線機器が前記PSM状態に入るように、アクセス層(AS)を非活性化するために前記トランシーバを制御するよう、さらに構成される、請求項7に記載の無線機器。
前記制御部は、前記PSMの中止が必要な場合または前記活性時間値の変更が必要な場合、前記アクセス層を活性化するために前記トランシーバを制御するよう構成される、請求項11に記載の無線機器。
【背景技術】
【0002】
移動通信システムの技術規格を制定する3GPPでは、第4世代移動通信と関連した多様なフォーラム及び新しい技術に対応するために、2004年末から3GPP技術の性能を最適化させて向上させようとする努力の一環としてLTE/SAE(Long Term Evolution/System Architecture Evolution)技術の研究を始めた。
【0003】
3GPP SA WG2を中心に進行されたSAEは、3GPP TSG RANのLTE作業と並行してネットワークの構造を決定し、異種ネットワーク間の移動性をサポートすることを目的とするネットワーク技術に関する研究であって、最近3GPPの重要な標準化問題のうちの一つである。これは3GPPシステムをIPベースの多様な無線接続技術をサポートするシステムに発展させるための作業であって、より向上したデータ送信能力で送信遅延を最小化する、最適化されたパケットベースのシステムを目標にして作業が進行されてきた。
【0004】
3GPP SA WG2で定義したEPS(Evolved Packet System)上位水準参照モデル(reference model)は、非ローミングケース(non−roaming case)及び多様なシナリオのローミングケース(roaming case)を含んでおり、詳細内容は、3GPP標準文書TS23.401とTS23.402で参照することができる。
図1のネットワーク構造図は、これを簡略に再構成したものである。
【0005】
図1は、進化した移動通信ネットワークの構造図である。
【0006】
EPCは、多様な構成要素を含むことができ、
図1は、そのうち一部に該当する、S−GW(Serving Gateway)52、PDN GW(Packet Data Network Gateway)53、MME(Mobility Management Entity)51、SGSN(Serving GPRS(General Packet Radio Service) Supporting Node)、ePDG(enhanced Packet Data Gateway)を示す。
【0007】
S−GW52は、無線アクセスネットワーク(RAN)とコアネットワークとの間の境界点として動作し、eNodeB22とPDN GW53との間のデータ経路を維持する機能を有する要素である。また、端末(または、User Equipment:UE)がeNodeB22によりサービング(serving)される領域にわたって移動する場合、S−GW52は、ローカル移動性アンカーポイント(anchor point)の役割を果たす。即ち、E−UTRAN(3GPPリリース8以後で定義されるEvolved−UMTS(Universal Mobile Telecommunications System) Terrestrial Radio Access Network)内での移動性のために、S−GW52を介してパケットがルーティングされることができる。また、S−GW52は、他の3GPPネットワーク(3GPPリリース8以前に定義されるRAN、例えば、UTRANまたはGERAN(GSM(Global System for Mobile Communication)/EDGE(Enhanced Data rates for Global Evolution) Radio Access Network)との移動性のためのアンカーポイントとして機能することもできる。
【0008】
PDN GW(または、P−GW)53は、パケットデータネットワークに向かうデータインターフェースの終端点(termination point)に該当する。PDN GW53は、ポリシーエンフォースメント機能(policy enforcement features)、パケットフィルタリング(packet filtering)、課金サポート(charging support)などをサポートすることができる。また、3GPPネットワークと非3GPPネットワーク(例えば、I−WLAN(Interworking Wireless Local Area Network)のような信頼されないネットワーク、CDMA(Code Division Multiple Access)ネットワークやWiMaxのような信頼されるネットワーク)との移動性管理のためのアンカーポイントの役割をすることができる。
【0009】
図1のネットワーク構造の例示は、S−GW52とPDN GW53が別途のゲートウェイで構成されるものを示すが、二つのゲートウェイが単一ゲートウェイ構成オプション(Single Gateway Configuration Option)によって実現されることもできる。
【0010】
MME51は、UEのネットワーク接続に対するアクセス、ネットワークリソースの割当、トラッキング(tracking)、ページング(paging)、ローミング(roaming)及びハンドオーバなどをサポートするためのシグナリング及び制御機能を実行する要素である。MME51は、加入者及びセッション管理に関連した制御プレーン(control plane)機能を制御する。MME51は、数多くのeNodeB22を管理し、他の2G/3Gネットワークに対するハンドオーバのための従来のゲートウェイの選択のためのシグナリングを実行する。また、MME51は、セキュリティ過程(Security Procedures)、端末−対−ネットワークセッションハンドリング(Terminal−to−network Session Handling)、アイドル端末位置決定管理(Idle Terminal Location Management)などの機能を実行する。
【0011】
SGSNは、異なるアクセス3GPPネットワーク(例えば、GPRSネットワーク、UTRAN/GERAN)に対するユーザの移動性管理及び認証(authentication)といった全てのパケットデータをハンドリングする。
【0012】
ePDGは、信頼されない非3GPPネットワーク(例えば、I−WLAN、WiFiホットスポット(hotspot)等)に対するセキュリティノードとしての役割をする。
【0013】
図1を参照して説明したように、IP能力を有する端末(または、UE)は、3GPPアクセスはもちろん非3GPPアクセスに基づいても、EPC内の多様な要素を経由して事業者(即ち、オペレータ(operator))が提供するIPサービスネットワーク(例えば、IMS)にアクセスすることができる。
【0014】
また、
図1は、多様なレファレンスポイント(例えば、S1−U、S1−MME等)を示す。3GPPシステムでは、E−UTRAN及びEPCの異なる機能エンティティ(functional entity)に存在する2個の機能を接続する概念的なリンクをレファレンスポイント(reference point)と定義する。以下の表1は、
図1に示すレファレンスポイントを整理したものである。表1の例示の他にもネットワーク構造によって多様なレファレンスポイントが存在できる。
【0015】
【表1】
【0016】
図1に示すレファレンスポイントのうち、S2a及びS2bは、非3GPPインターフェースに該当する。S2aは、信頼される非3GPPアクセス及びPDNGW間の関連制御及び移動性サポートをユーザプレーンに提供するレファレンスポイントである。S2bは、ePDG及びPDNGW間の関連制御及び移動性サポートをユーザプレーンに提供するレファレンスポイントである。
【0017】
図2は、一般的なE−UTRANと一般的なEPCのアーキテクチャを示す例示図である。
【0018】
図示されたように、eNodeB20は、RRC接続が活性化されている中、ゲートウェイへのルーティング、ページングメッセージのスケジューリング及び送信、ブロードキャストチャネル(BCH)のスケジューリング及び送信、アップリンク及びダウンリンクでのリソースのUEへの動的割当、eNodeB20の測定のための設定及び提供、無線ベアラ制御、無線許可制御(radio admission control)、そして、接続移動性制御などのための機能を実行することができる。EPC内では、ページング発生、LTE_IDLE状態管理、ユーザプレーンの暗号化、EPSベアラ制御、NASシグナリングの暗号化及び完全性保護機能を実行することができる。
【0019】
図3は、UEとeNodeBとの間の制御プレーンでの無線インターフェースプロトコル(Radio Interface Protocol)の構造を示す例示図であり、
図4は、端末と基地局との間のユーザプレーンでの無線インターフェースプロトコル(Radio Interface Protocol)の構造を示す他の例示図である。
【0020】
前記無線インターフェースプロトコルは、3GPP無線アクセスネットワーク規格を基盤とする。前記無線インターフェースプロトコルは、水平的には物理層(Physical Layer)、データリンク層(Data Link Layer)、及びネットワーク層(Network Layer)からなり、垂直的にはデータ情報送信のためのユーザプレーン(User Plane)と、制御信号(Signaling)伝達のための制御プレーン(Control Plane)とに区分される。
【0021】
前記プロトコル階層は、通信システムで広く知られた開放型システム間相互接続(Open System Interconnection;OSI)基準モデルの下位3階層に基づいてL1(第1層)、L2(第2層)、L3(第3層)に区分されることができる。
【0022】
以下、前記
図3に示す制御プレーンでの無線プロトコルと
図4に示すユーザプレーンでの無線プロトコルの各層を説明する。
【0023】
第1層である物理層は、物理チャネル(Physical Channel)を利用して情報転送サービス(Information Transfer Service)を提供する。前記物理層は、上位にある媒体アクセス制御(Medium Access Control)層とはトランスポートチャネル(Transport Channel)を介して接続されており、前記トランスポートチャネルを介して媒体アクセス制御層と物理層との間のデータが伝達される。そして、互いに異なる物理層間、即ち、送信側と受信側の物理層間は、物理チャネルを介してデータが伝達される。
【0024】
物理チャネル(Physical Channel)は、時間軸上にある複数個のサブフレームと、周波数軸上にある複数個のサブキャリア(Sub−carrier)とで構成される。ここで、一つのサブフレーム(Sub−frame)は、時間軸上に複数のシンボル(Symbol)と複数のサブキャリアとで構成される。一つのサブフレームは、複数のリソースブロック(Resource Block)で構成され、一つのリソースブロックは、複数のシンボル(Symbol)と複数のサブキャリアとで構成される。データが送信される単位時間であるTTI(Transmission Time Interval)は、1個のサブフレームに該当する1msである。
【0025】
前記送信側と受信側の物理層に存在する物理チャネルは、3GPP LTEによると、データチャネルであるPDSCH(Physical Downlink Shared Channel)及びPUSCH(Physical Uplink Shared Channel)と、制御チャネルであるPDCCH(Physical Downlink Control Channel)、PCFICH(Physical Control Format Indicator Channel)、PHICH(Physical Hybrid−ARQ Indicator Channel)及びPUCCH(Physical Uplink Control Channel)と、に分けられる。
【0026】
サブフレームの1番目のOFDMシンボルで送信されるPCFICHは、サブフレーム内で制御チャネルの送信に使われるOFDMシンボルの数(即ち、制御領域の大きさ)に関するCFI(control format indicator)を伝送する。無線機器は、まず、PCFICH上でCFIを受信した後、PDCCHをモニタリングする。
【0027】
PDCCHと違って、PCFICHは、ブラインドデコーディングを使用せずに、サブフレームの固定されたPCFICHリソースを介して送信される。
【0028】
PHICHは、UL HARQ(hybrid automatic repeat request)のためのACK(positive−acknowledgement)/NACK(negative−acknowledgement)信号を伝送する。無線機器により送信されるPUSCH上のUL(uplink)データに対するACK/NACK信号は、PHICH上に送信される。
【0029】
PBCH(Physical Broadcast Channel)は、無線フレームの1番目のサブフレームの第2のスロットの前方部の4個のOFDMシンボルで送信される。PBCHは、無線機器が基地局と通信するときに必須なシステム情報を伝送し、PBCHを介して送信されるシステム情報をMIB(master information block)という。これと比較して、PDCCHにより指示されるPDSCH上に送信されるシステム情報をSIB(system information block)という。
【0030】
PDCCHは、DL−SCH(downlink−shared channel)のリソース割当及び送信フォーマット、UL−SCH(uplink shared channel)のリソース割当情報、PCH上のページング情報、DL−SCH上のシステム情報、PDSCH上に送信されるランダムアクセス応答のような上位層制御メッセージのリソース割当、任意のUEグループ内の個別UEに対する送信パワー制御命令のセット及びVoIP(voice over internet protocol)の活性化などを伝送することができる。複数のPDCCHが制御領域内で送信されることができ、端末は、複数のPDCCHをモニタリングすることができる。PDCCHは、一つまたは複数個の連続的なCCE(control channel elements)のアグリゲーション(aggregation)上に送信される。CCEは、無線チャネルの状態に応じた符号化率をPDCCHに提供するために使われる論理的割当単位である。CCEは、複数のリソース要素グループ(resource element group)に対応する。CCEの数とCCEにより提供される符号化率の関係によってPDCCHのフォーマット及び可能なPDCCHのビット数が決定される。
【0031】
PDCCHを介して送信される制御情報をダウンリンク制御情報(downlink control information、DCI)という。DCIは、PDSCHのリソース割当(これをDLグラント(downlink grant)ともいう)、PUSCHのリソース割当(これをULグラント(uplink grant)ともいう)、任意のUEグループ内の個別UEに対する送信パワー制御命令のセット及び/またはVoIP(Voice over Internet Protocol)の活性化を含むことができる。
【0032】
第2層にはさまざまな層が存在する。まず、媒体アクセス制御(Medium Access Control;MAC)層は、様々な論理チャネル(Logical Channel)を様々なトランスポートチャネルにマッピングさせる役割をし、また、複数の論理チャネルを一つのトランスポートチャネルにマッピングさせる論理チャネル多重化(Multiplexing)の役割を果たす。MAC層は、上位層であるRLC層とは論理チャネル(Logical Channel)を介して接続されており、論理チャネルは、送信される情報の種類によって、制御プレーン(Control Plane)の情報を送信する制御チャネル(Control Channel)と、ユーザプレーン(User Plane)の情報を送信するトラフィックチャネル(Traffic Channel)とに基本的に分けられる。
【0033】
第2層の無線リンク制御(Radio Link Control;RLC)層は、上位層から受信したデータを分割(Segmentation)及び連結(Concatenation)して、下位層による無線区間へのデータの送信に適合するようデータの大きさを調節するよう働く。また、各々の無線ベアラ(Radio Bearer;RB)が要求する多様なQoSを保証可能にするために、TM(Transparent Mode、透過モード)、UM(Un−acknowledged Mode、未確認モード)、及びAM(Acknowledged Mode、確認モード)の三つの動作モードを提供している。特に、AM RLCは、信頼性のあるデータ送信のために、自動反復及び要求(Automatic Repeat and Request;ARQ)機能を介した再送信機能を実行している。
【0034】
第2層のパケットデータ収束(Packet Data Convergence Protocol;PDCP)層は、IPv4やIPv6のようなIPパケットの送信時に、帯域幅が小さい無線区間で効率的に送信するために相対的に大きさが大きくて不要な制御情報を含んでいるIPパケットヘッダサイズを減らすヘッダ圧縮(Header Compression)機能を実行する。これはデータのヘッダ(Header)部分で必ず必要な情報のみを送信するようにすることで、無線区間の送信効率を増加させる役割をする。また、LTEシステムでは、PDCP層がセキュリティ(Security)機能も実行し、これは第三者のデータ盗聴を防止する暗号化(Ciphering)と第三者のデータ操作を防止する完全性保護(Integrity protection)とで構成される。
【0035】
第3層の最も上部に位置した無線リソース制御(Radio Resource Control;以下、RRCと略称する)層は、制御プレーンでのみ定義され、無線ベアラ(Radio Bearer;RBと略称する)の設定(Configuration)、再設定(Re−configuration)及び解放(Release)と関連して論理チャネル、トランスポートチャネル、及び物理チャネルの制御を担当する。このとき、RBは、端末とE−UTRANとの間のデータ伝達のために、第2層により提供されるサービスを意味する。
【0036】
前記端末のRRCと無線ネットワークのRRC層との間にRRC接続(RRC connection)がある場合、端末は、RRC接続状態(Connected Mode)になり、そうでない場合、RRCアイドル状態(Idle Mode)になる。
【0037】
以下、端末のRRC状態(RRC state)とRRC接続方法について説明する。RRC状態とは、端末のRRCがE−UTRANのRRCと論理的接続(logical connection)されているかどうかを意味し、接続されている場合はRRC_CONNECTED状態(state)といい、接続されていない場合はRRC_IDLE状態という。RRC_CONNECTED状態の端末はRRC接続を有するため、E−UTRANは、該当端末の存在をセル単位で把握することができ、したがって、端末を効果的に制御することができる。それに対し、RRC_IDLE状態の端末は、E−UTRANが端末の存在を把握することはできず、セルより大きい地域単位であるTA(Tracking Area)単位でコアネットワークが管理する。即ち、RRC_IDLE状態の端末は、セルに比べて大きい地域単位で該当端末の存在の有無のみが把握され、音声やデータのような通常の移動通信サービスを受けるためには、該当端末がRRC_CONNECTED状態に移行しなければならない。各TAは、TAI(Tracking area identity)を介して区分される。端末は、セルで放送(broadcasting)される情報であるTAC(Tracking area code)を介してTAIを構成することができる。
【0038】
ユーザが端末の電源を最初にオンした時、端末は、まず、適切なセルを探索した後、該当セルでRRC接続を確立し、コアネットワークに端末の情報を登録する。この後、端末は、RRC_IDLE状態にとどまる。RRC_IDLE状態にとどまる端末は、必要によって、セルを(再)選択し、システム情報(System information)やページング情報を確認する。これをセルにキャンプオン(Camp on)するという。RRC_IDLE状態にとどまっていた端末は、RRC接続を確立する必要がある時はじめてRRC接続過程(RRC connection procedure)を介してE−UTRANのRRCとRRC接続を確立し、RRC_CONNECTED状態に移行する。RRC_IDLE状態にあった端末がRRC接続を確立する必要がある場合は多様であり、例えば、ユーザが通話を試みたなどの理由でアップリンクデータ送信が必要となった場合や、E−UTRANからページングメッセージを受信し、これに対する応答メッセージの送信が必要となった場合を挙げることができる。
【0039】
前記RRC層の上位に位置するNAS(Non−Access Stratum)層は、セッション管理(Session Management)と移動性管理(Mobility Management)等の機能を実行する。
【0040】
以下、
図3に示すNAS層について詳細に説明する。
【0041】
NAS層に属するESM(Evolved Session Management)は、デフォルトベアラ(Default Bearer)管理及びDedicatedベアラ(Dedicated Bearer)管理のような機能を実行し、端末がネットワークからPSサービスを利用するための制御を担当する。デフォルトベアラリソースは、特定のPacket Data Network(PDN)に最初に接続する時またはネットワークに接続する時に、ネットワークから割当を受けるという特徴を有する。このとき、ネットワークは、端末がデータサービスを使用することができるように端末が使用可能なIPアドレスを割り当て、また、デフォルトベアラのQoSを割り当てる。LTEでは、データ送受信のための特定帯域幅を保証するGBR(Guaranteed bit rate) QoS特性を有するベアラと、帯域幅の保証無しでベストエフォート(Best effort) QoS特性を有するNon−GBRベアラの2種類をサポートする。デフォルトベアラの場合、Non−GBRベアラの割当を受ける。Dedicatedベアラの場合は、GBRまたはNon−GBRのQoS特性を有するベアラの割当を受けることができる。
【0042】
ネットワークから端末に割り当てたベアラをEPS(evolved packet service)ベアラといい、EPSベアラを割り当てる時、ネットワークは、一つのIDを割り当てるようになる。これをEPSベアラIDという。一つのEPSベアラは、MBR(maximum bit rate)とGBR(guaranteed bit rate)またはAMBR(Aggregated maximum bit rate)というQoS特性を有する。
【0043】
一方、
図3において、NAS層下に位置するRRC層、RLC層、MAC層、PHY層を束ねてアクセス層(Access Stratum:AS)とも呼ばれる。
【0044】
図5は、3GPP LTEでランダムアクセス過程を示す流れ図である。
【0045】
ランダムアクセス過程は、UE10が基地局、即ち、eNodeB20とUL同期を得たりUL無線リソースの割当を受けたりするために使われる。
【0046】
UE10は、ルートインデックス(root index)とPRACH(physical random access channel)設定インデックス(configuration index)をeNodeB20から受信する。各セルにZC(Zadoff−Chu)シーケンスにより定義される64個の候補(candidate)ランダムアクセスプリアンブルがあり、ルートインデックスは、端末が64個の候補ランダムアクセスプリアンブルを生成するための論理的インデックスである。
【0047】
ランダムアクセスプリアンブルの送信は、各セルにおいて特定時間及び周波数リソースに限定される。PRACH設定インデックスは、ランダムアクセスプリアンブルの送信が可能な特定サブフレームとプリアンブルフォーマットを指示する。
【0048】
UE10は、ランダムに選択されたランダムアクセスプリアンブルをeNodeB20に送信する。UE10は、64個の候補ランダムアクセスプリアンブルのうち一つを選択する。そして、PRACH設定インデックスにより該当するサブフレームを選択する。UE10は、選択されたランダムアクセスプリアンブルを選択されたサブフレームで送信する。
【0049】
前記ランダムアクセスプリアンブルを受信したeNodeB20は、ランダムアクセス応答(random access response、RAR)をUE10に送る。ランダムアクセス応答は、2ステップで検出される。まず、UE10は、RA−RNTI(random access−RNTI)でマスキングされたPDCCHを検出する。UE10は、検出されたPDCCHにより指示されるPDSCH上のMAC(Medium Access Control) PDU(Protocol Data Unit)内のランダムアクセス応答を受信する。
【0050】
図6は、MTCサポートのための3GPPサービスモデルを示す概念図である。
【0051】
移動通信システム内ではMTC(Machine Type Communication)機器(device)が使われてもよい。MTC(Machine Type Communication)は、人間が排除された、機械と機械との間で行われる通信を意味し、このとき使われる機器をMTC機器という。MTC機器(device)を介して提供されるサービスは、人間が介入する通信サービスと区別され、多様な範囲のサービスに適用されることができる。
【0052】
前述したMTC(Machine Type Communication)機器(device)は、一つの機械と他の機械との間の通信を実行する通信機器であって、人間が排除されるという点を除外すると、人間が介入するUEと大きく異ならない。即ち、MTC機器(device)は、人間が排除されたUEに対応づけることができる。ただし、人間が排除される点に関して、人間が介入するUEのメッセージ送受信方法(例えば、ページングメッセージ送受信方法)などをMTC機器に一括適用すると、一部問題が発生することがある。
【0053】
MTCサポートのために3GPP標準のGSM/UMTS/EPSではPSネットワークを介して通信すると定義されているが、本明細書は、CSネットワークに対しても適用可能な方法を記述する。
【0054】
MTCのために使われる端末(または、MTC端末)と、MTCアプリケーションの間のエンドツーエンド(end−to−end)のアプリケーションは、3GPPシステムにより提供されるサービスとMTCサーバにより提供される選択的なサービスを利用することができる。3GPPシステムは、MTCを容易にする多様な最適化を含む送信及び通信サービス(3GPPベアラサービス、IMS及びSMSを含む)を提供することができる。
図6は、MTCのために使われる端末がUm/Uu/LTE−Uuインターフェースを介して3GPPネットワーク(UTRAN、E−UTRAN、GERAN、I−WLAN等)に接続されることを示す。
図6の構造(architecture)は、多様なMTCモデル(直接(Direct)モデル、間接(Indirect)モデル、ハイブリッド(Hybrid)モデル)を含む。
【0055】
図6に示すエンティティ(entity)について説明する。
【0056】
図6において、アプリケーションサーバは、MTCアプリケーションが実行されるネットワーク上のサーバである。MTCアプリケーションサーバに対しては、前述した多様なMTCアプリケーションの実現のための技術を適用することができ、これに対する具体的な説明は省略する。また、
図6において、MTCアプリケーションサーバは、レファレンスポイントAPIを介してMTCサーバにアクセスすることができ、これに対する具体的な説明は省略する。または、MTCアプリケーションサーバは、MTCサーバと共に配置される(collocated)こともできる。
【0057】
MTCサーバ(例えば、図示されるSCSサーバ)は、MTC端末を管理するネットワーク上のサーバであり、3GPPネットワークに接続されて、MTCのために使われる端末及びPLMNのノードと通信することができる。
【0058】
MTC−IWF(MTC−InterWorking Function)は、MTCサーバとオペレータコアネットワークとの間の相互動作(interworking)を担当し、MTC動作のプロキシの役割をすることができる。MTC間接またはハイブリッドモデルをサポートするために、一つ以上のMTC−IWFがホームPLMN(HPLMN)内に存在できる。MTC−IWFは、レファレンスポイントTsp上のシグナリングプロトコルを中継または解釈してPLMNに特定機能を動作させることができる。MTC−IWFは、MTCサーバが3GPPネットワークとの通信を確立する前にMTCサーバを認証(authenticate)する機能、MTCサーバからの制御プレーン要求を認証する機能、後述するトリガ指示と関連している多様な機能などを実行することができる。
【0059】
SMS−SC(Short Message Service−Service Center)/IP−SM−GW(Internet Protocol Short Message GateWay)は、ショートメッセージサービス(SMS)の送受信を管理することができる。SMS−SCは、SME(Short Message Entity)(ショートメッセージを送信または受信するエンティティ)と移動局との間のショートメッセージを中継し、格納・伝達(storing−and−delivering)機能を担当することができる。IP−SM−GWは、IPベースの端末とSMS−SCとの間のプロトコル相互動作を担当することができる。
【0060】
CDF(Charging Data Function)/CGF(Charging Gateway Function)は、課金に関連した動作を実行することができる。
【0061】
HLR/HSSは、加入者情報(IMSI等)、ルーティング情報、設定情報などを格納してMTC−IWFに提供する機能を実行することができる。
【0062】
MSC/SGSN/MMEは、端末のネットワーク接続のための移動性管理、認証、リソース割当などの制御機能を実行することができる。後述するトリガリングと関連してMTC−IWFからトリガ指示を受信することで、MTC端末に提供するメッセージの形態に加工する機能を実行することができる。
【0063】
GGSN(Gateway GPRS Support Node)/S−GW(Serving−Gateway)+P−GW(Packet Data Network−Gateway)は、コアネットワークと外部ネットワークの接続を担当するゲートウェイ機能を実行することができる。
【0064】
以下の表2は、
図6の主要レファレンスポイントを整理したものである。
【0065】
【表2】
【0066】
前記T5a、T5b、T5cのうち一つ以上のレファレンスポイントをT5という。
【0067】
一方、間接及びハイブリッドモデルの場合におけるMTCサーバとのユーザプレーンの通信と、直接及びハイブリッドモデルの場合におけるMTCアプリケーションサーバとの通信は、レファレンスポイントGi及びSGiを介して既存のプロトコルを使用して実行されることができる。
【0068】
図2で説明した内容と関連している具体的な事項は、3GPP TS 23.682文書を参照することによって本文書に組み込まれることができる(incorporated by reference)。
【0069】
図7は、MTC機器を介したサービスの例を示す。
【0070】
MTC機器を介したサービスは、いくつかの類型に区分できる。例えば、MTC機器が各種情報をモニタリングするサービスと、eNodeBまたはコアネットワーク内のエンティティが各種情報をモニタリングするサービスと、を挙げることができる。
【0071】
図7を参照すると、前述の一番目のサービスの例として、MTC機器(device)を介した計量サービス、道路情報サービスまたはユーザ電子機器調整サービスなどを提供することができる。ここで、MTC機器は、計量情報、道路交通情報などをモニタリングしてeNodeBに送信すると、eNodeBは、これをMTCサーバに送信することができ、それによって、MTCユーザは、提供されるサービスを利用することができる。
【0072】
前述の二番目のサービスの例としては、物に装着されたMTC機器の移動をモニタリングするサービスを考慮することができる。より具体的には、例えば、自販機のような固定物または車両のような移動物にMTC機器を付着し、eNodeBまたはコアネットワーク内のエンティティは、前記MTC機器が移動する経路をモニタリングすることができる。
【0073】
一方、MTC機器は、人間の介入がほとんどないため、バッテリを長い間使用することができるようにすることが最も重要である。
【0074】
しかし、従来、これをサポートするための方法がなかった。
【発明を実施するための形態】
【0086】
本発明は、UMTS(Universal Mobile Telecommunication System)及びEPC(Evolved Packet Core)を基準にして説明されるが、このような通信システムにのみ限定されるものではなく、本発明の技術的思想を適用することができる全ての通信システム及び方法にも適用することができる。
【0087】
本明細書で使われる技術的用語は、単に特定の実施例を説明するために使われたものであり、本発明を限定するものではないことに留意しなければならない。また、本明細書で使われる技術的用語は、本明細書で特別に他の意味で定義されない限り、本発明が属する技術分野において、通常の知識を有する者により一般的に理解される意味で解釈されなければならず、過度に包括的な意味または過度に縮小された意味で解釈されてはならない。また、本明細書で使われる技術的な用語が本発明の思想を正確に表現することができない技術的な用語である場合、当業者が正確に理解することができる技術的用語に変えて理解しなければならない。また、本発明で使われる一般的な用語は、事前の定義によってまたは前後の文脈によって解釈されなければならず、過度に縮小された意味で解釈されてはならない。
【0088】
また、本明細書で使われる単数の表現は、文脈上、明白に異なる意味ではない限り、複数の表現を含む。本出願において、“構成される”または“有する”などの用語は、明細書上に記載された多様な構成要素、または複数のステップを必ず全部含むと解釈されてはならず、そのうち一部構成要素または一部ステップは含まれない場合もあり、または追加的な構成要素またはステップをさらに含む場合もあると解釈されなければならない。
【0089】
また、本明細書で使われる第1及び第2などのように序数を含む用語は、多様な構成要素の説明に使われることができるが、前記構成要素は、前記用語により限定されてはならない。前記用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的にのみ使われる。例えば、本発明の権利範囲を外れない限り、第1の構成要素は第2の構成要素と命名することができ、同様に、第2の構成要素も第1の構成要素と命名することができる。
【0090】
一構成要素が他の構成要素に“連結されている”または“接続されている”と言及された場合、該当他の構成要素に直接的に連結されており、または接続されていることもあるが、中間に他の構成要素が存在することもある。それに対し、一構成要素が他の構成要素に“直接連結されている”または“直接接続されている”と言及された場合、中間に他の構成要素が存在しないと理解しなげればならない。
【0091】
以下、添付図面を参照して本発明による好ましい実施例を詳細に説明し、図面符号に関係なく同一または類似の構成要素には同じ参照番号を付与し、これに対する重複した説明は省略する。また、本発明を説明するにあたって、関連した公知技術に対する具体的な説明が本発明の要旨を不明にすると判断される場合、その詳細な説明を省略する。また、添付図面は、本発明の思想を容易に理解することができるようにするためのものであり、添付図面により本発明の思想が制限されると解釈されてはならないことを留意しなければならない。本発明の思想は、添付図面に示されたものに加えて、全ての変更、均等物ないし代替物にまで拡張されると解釈されなければならない。
【0092】
添付図面には例示的にUE(User Equipment)が示されているが、示された前記UEは、端末(Terminal)、ME(Mobile Equipment)などの用語で呼ばれる場合もある。また、前記UEは、ノートブック型コンピュータ、携帯電話、PDA、スマートフォン(Smart Phone)、マルチメディア機器などのように携帯可能な機器であり、またはPC及び車両に搭載された装置のように携帯不可能な機器である。
【0093】
用語の定義
以下、図面を参照して説明する前に、本発明の理解を容易にするために、本明細書で使われる用語を簡略に定義する。
【0094】
UMTS:Universal Mobile Telecommunication Systemの略であって、第3世代移動通信ネットワークを意味する。
【0095】
UE/MS:User Equipment/Mobile Station、端末装置を意味する。
【0096】
EPS:Evolved Packet Systemの略であって、LTE(Long Term Evolution)ネットワークをサポートするコアネットワークを意味する。UMTSが進化した形態のネットワークである。
【0097】
PDN(Public Data Network):サービスを提供するサーバが配置された、独立したネットワークである。
【0098】
PDN connection:端末からPDNへの接続、即ち、IPアドレスで表現される端末とAPNで表現されるPDNとの関連(接続)である。
【0099】
PDN−GW(Packet Data Network Gateway):UEへのIPアドレス割り当て(UE IP address allocation)、パケットスクリーニング&フィルタリング(Packet screening&filtering)、課金データ収集(Charging data collection)機能を実行するEPSネットワークのネットワークノードである。
【0100】
Serving GW(Serving Gateway):移動性アンカー(Mobility anchor)、パケットルーティング(Packet routing)、アイドルモードパケットバッファリング(Idle mode packet buffering)、Triggering MME to page UE機能を実行するEPSネットワークのネットワークノードである。
【0101】
PCRF(Policy and Charging Rule Function):サービスフロー(flow)別に差別化されたQoS及び課金ポリシーを動的(dynamic)に適用するためのポリシー決定(Policy decision)を実行するEPSネットワークのノードである。
【0102】
APN(Access Point Name):ネットワークで管理する接続ポイントの名称であって、UEに提供される。即ち、PDNを指示または区分する文字列。要求したサービスやネットワーク(PDN)に接続するためには該当P−GWを経由するようになる。このP−GWを探すことができるようにネットワーク内で予め定義した名称(文字列、例えば、internet.mnc012.mcc345.gprs)である。
【0103】
TEID(Tunnel Endpoint Identifier):ネットワーク内のノード間に設定されたトンネルのEnd point ID、各UEのベアラ単位に区間別に設定される。
【0104】
NodeB:UMTSネットワークの基地局であって、屋外に設置され、セルカバレッジはマクロセルに該当する。
【0105】
eNodeB:EPS(Evolved Packet System)の基地局であって、屋外に設置され、セルカバレッジ規模はマクロセルに該当する。
【0106】
(e)NodeB:NodeBとeNodeBを示す用語である。
【0107】
MME:Mobility Management Entityの略であって、UEに対するセッションと移動性を提供するためにEPS内で各エンティティを制御する役割をする。
【0108】
セッション(Session):セッションは、データ送信のための通路であって、その単位は、PDN、ベアラ、IP flow単位などになる。各単位は、3GPPで定義したようにターゲットネットワーク全体の単位(APNまたはPDN単位)、その内でQoSに基づいて区分する単位(ベアラ単位)、宛先IPアドレス単位に区分されることができる。
【0109】
PDN接続(connection):端末からPDNへの接続、即ち、IPアドレスで表現される端末とAPNで表現されるPDNとの関連(接続)を示す。これはセッションが形成されることができるようにコアネットワーク内のエンティティ間接続(端末−PDN GW)を意味する。
【0110】
UE Context:ネックワークでUEを管理するために使われるUEの状況情報、即ち、UE id、移動性(現在位置等)、セッションの属性(QoS、優先順位等)で構成された状況情報。
【0111】
OMA DM(Open Mobile Alliance Device Management):携帯電話、PDA、携帯用コンピュータなどのようなモバイルデバイス管理のためにデザインされたプロトコルであって、デバイス設定(configuration)、ファームウェアアップグレード(firmware upgrade)、エラー報告(Error Report)等の機能を実行する。
【0112】
OAM(Operation Administration and Maintenance):OAMとは、ネットワークの欠陥を表示し、性能情報、データと診断機能を提供するネットワーク管理機能群を意味する。
【0113】
NAS configuration MO(Management Object):NAS機能(Functionality)と関連しているパラメータ(parameters)をUEに設定(configuration)するのに使用するMO(Management object)を意味する。
【0114】
MTC:Machine Type Communicationであって、人間の介入なしに装置間に発生する通信。
【0115】
MTC機器(device):コアネットワークを介した通信機能を有し、特定の目的を実行するUE、例)自販機、検針器、ヘルスケアサービスを提供する機器など。
【0116】
MTCサーバ:MTC deviceを管理してデータを送受信するネットワーク上のサーバ。これはコアネットワーク(core network)の外部にある。
【0117】
MTCアプリケーション:MTC deviceとMTC Serverを利用した実際のアプリケーション(遠隔検針、製品の移動追跡等)。
【0118】
MTC Feature:MTCアプリケーションをサポートするためのネットワークの機能や特徴、即ち、各アプリケーションの用途に応じていくつかの特徴が要求される。例えば、MTCモニタリング(機器紛失に対比した遠隔検針等に必要)、Low mobility(自販機の場合、移動がほとんどない)などがある。
【0119】
NAS(Non−Access−Stratum):UEとMMEとの間の制御プレーン(control plane)の上位層(stratum)。UEとネットワークとの間の移動性管理(Mobility management)、セッション管理(Session management)、IPアドレス管理(IP address maintenance)などをサポートする。
【0120】
<節電モード(PSM)>
電力消費(power consumption)を減らすために、MTC機器は、節電モード(PSM)を適用することができる。前記PSM状態に入ると、前記MTC機器は、アクセス層(Access Stratum:AS)を非活性化するため、前記PSMは、電源オフ状態と類似する。ただし、前記PSM状態ではMTC機器がネットワークに登録された状態にあり、それによって、MTC機器がネットワークに再アタッチ(re−attach)しなくてもよく、また、PDN接続を再確立(re−establish)しなくてもよいため、PSM状態と電源オフ状態は区別される。
【0121】
MTC機器がPSM状態に入ると、例えば、周期的なTAU/RAUまたはアップリンクデータの発生またはデタッチ(detach)のようなイベントの発生(mobile originated event)がMTC機器をネットワーク上で何らかの手順を開始できるようにするまで、PSM状態にとどまるようになる。
【0122】
MTC機器がPSM状態にあっても、サービスの発信(mobile originating service)が必要な場合にはいつでもPSMを外れることができる。即ち、PSM状態にあっても、前記MTC機器は、発信サービス(mobile originated service)についてはいつでもアクセス層(AS)を活性化し、アイドルモードの動作を再開することができる。
【0123】
他方、モバイル着信可能タイマ(mobile reachable timer)が満了して前記MTC機器の活性時間が満了した場合、前記MMEは、前記MTC機器がPSM状態に入り、それによって、ページングが不可能であることを知ることができる。
【0124】
なお、MTC機器がPSM状態に入った場合にはサービスの着信(mobile terminating service)をすぐに受信することができない。即ち、MTC機器がPSM状態に入った場合、サービスの着信(mobile terminating service)に関しては、周期的なトラッキングエリア更新(Tracking Area Update:TAU)またはルーティングエリア更新(Routing Area Update:RAU)手順以後のシグナル送信またはデータ送信のような、モバイル側から始まるイベント(mobile originated event)の発生以後の活性時間(Active time)周期中にのみ応答することができる。
【0125】
したがって、PSMは、頻繁でない発信サービス(mobile originating service)と着信サービス(mobile terminating service)を要求するMTC機器に適し、また、通信における一定の遅延(latency)に耐えることができるMTC機器にのみ適する。
【0126】
一方、MTC機器は、潜在的な着信サービス(mobile terminated service)またはSMSのようなデータの受信を可能にするほど十分に長い活性時間を要求しなければならない。
【0127】
MTC機器がPSMを使用することを希望する場合、前記MTC機器は、毎アタッチ及びTAU/RAU手順中に活性時間(active time)の値を要求しなければならない。もし、ネットワークがPSMをサポートし、前記MTC機器がPSMを使用することを受諾する場合、活性時間の値を前記MTC機器に割り当てる。前記ネットワークは、前記MTC機器が要求した活性時間値とMME/SGSN設定を考慮して前記MTC機器に割り当てる活性時間値を決定することができる。もし、前記ネットワークが割り当てた活性時間の値が満足なものではない場合、前記MTC機器は、次に来るTAU/RAU手順の周期中にのみ自分が希望する活性時間の値を要求することができる。
【0128】
前記活性時間として推奨される最小長は、待機中であるSMSを伝達するのに十分な程度の長さであって、例えば、2回のDRXサイクルに10秒を加えた値である。具体的には、MME/SGSN内に‘msg waiting flag’が設定されている場合、前記活性時間として推奨される最小長は、前記設定された‘msg waiting flag’に基づいて、SMSC内に待機中であるSMSがHSSを介してMME/SGSNに伝達されるようにトリガ可能な程度の十分な長さであって、例えば、2回のDRXサイクルに10秒を加えた値である。
【0129】
前記待機中であるSMSとは、MTC機器宛てのSMSがネットワークに到着したが、前記MTC機器がPSM状態であってすぐに伝達することができないため、待機状態に格納されているものを意味する。しかし、前記活性時間は、前記待機中であるSMSを伝達するために必要な時間より短い。前記MME/SGSNがこのように短い長さの活性時間を設定した場合、前記MME/SGSNとRANは、前記待機中であるSMSを伝達することができるように前記MTC機器と十分に長い時間接続を維持するように設定されなければならない。
【0130】
また、PSMを適用可能なMTC機器は、サービスの着信(mobile terminated services)における遅延(latency)/応答性(responsiveness)に適した周期的なTAU/RAUタイマ値を、アタッチ及びTAU/RAU手順中にネットワークに要求するようになる。ネットワークが周期的なTAU/RAUタイマ値をMTC機器に割り当てたが、前記MTC機器が満足しない場合、前記MTC機器は、次に来るTAU/RAU手順の周期中にのみ自分が希望する周期的なTAU/RAUタイマ値を要求することができる。
【0131】
結果的に、PSMがサポートされることとPSMを使用することを希望する場合、MTC機器は、活性時間の値と周期的なTAU/RAUタイマの値の両方を毎アタッチ及びTAU手順中にネットワークに要求しなければならない。これと違って、活性時間の値を要求しなければ周期的なTAU/RAUの値も要求することができない。同様に、ネットワークは、MTC機器が要求しなければ活性時間の値をランダムに割り当てることもできない。
【0133】
図8aは、節電モード(PSM)のための活性タイマ(Active Timer)を交渉する過程を示し、
図8b及び
図8cは、節電モード(PSM)の動作を示す例示図である。
【0134】
図8aに示すように、MTC機器100は、要求する活性時間の値(即ち、活性タイマの値)と周期的なTAU/RAUタイマ値(例えば、Ext T3412またはExt T3312)の値をアタッチ要求メッセージまたはTAU要求メッセージに含めてMME/SGSN510に送信する。MME/SGSN100が前記要求メッセージを受信すると、PSMをサポートするかを確認し、もし、サポートする場合、活性時間の値(即ち、活性タイマの値)と周期的なTAU/RAUタイマ値(例えば、Ext T3412またはExt T3312)の値を含むアタッチ受諾メッセージまたはTAU受諾メッセージを前記MTC機器100に送信する。このとき、前記受諾メッセージに含まれる活性時間の値(即ち、活性タイマの値)と周期的なTAU/RAUタイマ値(例えば、Ext T3412またはExt T3312)は、前記MMEが希望する値である。ただし、ここで、周期的なTAU/RAUタイマ値(例えば、Ext T3412またはExt T3312)は含まれなくてもよい。この場合、前記MTC機器は、周期的なTAU/RAUタイマ値(例えば、Ext T3412またはExt T3312)に対する基本的な値を使用することができる。または、前記MTC機器が前記周期的なTAU/RAUタイマ値(例えば、Ext T3412またはExt T3312)の値を前記要求メッセージに含ませなくても、前記MMEは、自分が希望する通りに設定して前記受諾メッセージに含めて送信することができる。
【0135】
一方、
図8b及び
図8cに示すように、前記MTC機器が活性時間の値を要求し、前記ネットワークが活性時間の値を割り当てた場合、前記MTC機器は、前記割り当てられた活性時間の値によって活性タイマを駆動する。同様に、ECM_CONNECTEDからECM_IDLEへ転換する時、MMEは、前記活性時間の値に基づいてモバイル着信可能タイマ(mobile reachable timer)を駆動する。
【0136】
そして、
図8b及び
図8cに示すように前記活性タイマが満了すると、前記MTC機器は、自分のアクセス層(AS)を非活性化し、PSM状態に転換する。PSM状態ではアクセス層(AS)の非活性化のため、前記MTC機器は、アイドルモード(idle mode)の全ての手順を中止するが、NAS層のタイマ、例えば、周期的なTAU/RAUタイマ(例えば、Ext T3412またはExt T3312)は駆動する。
【0137】
前記MTC機器は、周期的なTAU/RAUタイマ(例えば、Ext T3412またはExt T3312)が満了することによって周期的なTAU手順を実行するまで前記アクセス層(AS)を再び活性化せず、また、アイドルモードの手順を再開しない。
【0138】
前記周期的なTAU/RAUタイマ(例えば、Ext T3412またはExt T3312)が満了する直前になると、前記MTC機器は、アクセス層(AS)を再び活性化し、EPCとの通信を設定するために必要な無線アクセス(radio access)設定過程(PLMN選択またはセル選択)を実行するようになる。
【0139】
前記周期的なTAU/RAUタイマ(例えば、Ext T3412またはExt T3312)が満了すると、前記MTC機器は、再びTAU/RAU手順を実行して再びPSM状態に入る。
【0140】
一方、前述したように、前記MTC機器が前記ネットワークにより割り当てられた活性時間の値(活性タイマの値)に満足しない状況を仮定する。例えば、前記MTC機器が自分の希望する活性時間の値(活性タイマの値)をアタッチ要求メッセージまたはTAU/RAU要求メッセージに含めて送信したが、ネットワークは、MTC機器が要求したものと異なる活性時間の値(活性タイマの値)を受諾メッセージに含めて前記MTC機器に伝達した状況を仮定する。このような場合、前述したように、前記MTC機器は、PSM状態に入った後、次のTAU/RAU手順の周期が来ると、その時になって自分が希望する活性時間の値を要求することができる。前記PSM状態に入ると、前記MTC機器は、送信するデータがある場合にのみ、前記PSMを終了することができるようになる。
【0141】
また、次の状況を仮定する。例えば、前記MTC機器がPSM状態に入った以後、送信するデータ(mobile originated data:以下、MO dataという)が発生すると、前記MTC機器は、前記発信データを送信するためにアクセス層(AS)を活性化させる。前記アクセス層(AS)が活性化されると、前記MTC機器は、発信データ(MO data)の送信をサービス要求メッセージ(Service Request message)を介してネットワークに知らせるようになる。しかし、前記サービス要求メッセージを介して、前記MTC機器は、活性時間の値を要求することができないという問題点がある。
【0142】
また、前記MTC機器が前記サービス要求メッセージを介して発信データの送信を知らせた後、前記発信データ(MO data)を送信すると、前記MTC機器は、自分が希望する活性時間の値(活性タイマの値)をTAU/RAU要求メッセージを介してネットワークに要求可能でなければならないが、前記周期的なTAU/RAUタイマ(例えば、Ext T3412またはExt T3312)が満了するまではこれさえ不可能であるという問題点がある。
【0143】
なお、このように自分が希望する活性時間の値(活性タイマの値)を要求することができないため、前記MTC機器は、前記発信データを送信した後、自分が要求したものと違う、ネットワークが割り当てた活性時間の値(活性タイマの値)によって、再びPSM状態に入らなければならないという問題点がある。他方では、前記MTC機器は、前記発信データを送信した後、PSMを終了しなければならないという問題点がある。
【0144】
以下、発信データ(MO data)を送信した後にもPSMを維持する場合の問題点と、発信データ(MO data)を送信した後にPSMも終了する場合の問題点を分けて説明する。
【0145】
1.発信データ(MO data)を送信した後、PSMを維持する場合
サービス要求メッセージでトリガリングされた発信データ(MO data)を送信終了した後、PSMの使用を維持する場合、活性時間(Active Time)の値は、以前PSM状態で使われた値を再使用することもでき、ネットワークとMTC機器との間で事前に設定された値を使用することもできる。
【0146】
この場合、MTC機器には、自分が希望する活性時間(Active Time)の値を要求する機会を得ることができないという問題が発生する。そして、MTC機器がPSMをそれ以上使用することを希望しない時、これをネットワークにすぐに知らせることができなくなり、アタッチ要求メッセージやTAU/RAU要求メッセージを介して自分が希望する活性時間の値を要求することができる時まで待たなければならない。もし、このような場合が連続的なPSMサイクル毎に発生すると、PSM使用を中止するために多くの時間待つ場合が発生するようになる。これはシステム運営の側面での非効率を発生させることができる。
【0147】
2.発信データ(MO data)を送信終了した後、PSMも終了する場合
サービス要求メッセージでトリガリングされた発信データ(MO data)を送信終了した後、PSM使用を終了するようになる場合、MTC機器は、PSMの使用を継続するという意思を伝達するために追加的なTAU/RAU要求メッセージを送信しなければならない。これはシステム運営の側面での非効率を発生させることがある。以下、
図9a及び
図9bを参照して詳細に説明する。
【0148】
図9aは、頻繁に発信データ(MO data)を送信する場合の問題点を示す。
【0149】
図9aを参照して知ることができるように、PSM状態で発信データ(MO data)が発生すると、MTC機器100は、アクセス層(AS)を活性化した後に送信する。
【0150】
発信データ(MO data)の送信が終了すると、前記MTC機器100は、アクセス層(AS)を再び非活性化し、再びPSM状態に入る。以後、MTC機器100は、発信データ(MO data)が再び発生すると、アクセス層(AS)を活性化した後に送信し、前記送信が終了すると、再び非活性化する。
【0151】
このとき、発信データ(MO data)の発生が頻繁に発生する場合を仮定する。MTC機器100は、アクセス層(AS)を活性化及び非活性化する動作を繰り返すようになり、これによる電力消費が増加するようになる。これはPSMの目的に反する状況であり、このような場合、PSM状態に入らないことが好ましい。
【0152】
一方、PSM状態において発信データ(MO data)が発生する場合、周期的なTAU/RAUタイマ(例えば、Ext T3312/T3412)に関する動作を説明する。PSM状態に入ると、MTC機器100は、EMM−IDLE状態になり、周期的なTAU/RAUタイマ(例えば、Ext T3312/T3412)を開始するようになる。このとき、発信データ(MO data)が発生すると、前記MTC機器100は、サービス要求メッセージを送信した後、EMM−CONNECTED状態になり、周期的なTAU/RAUタイマ(例えば、Ext T3312/T3412)を中止するようになる。MTC機器100が発信データ(MO data)を送信した以後にEMM−CONNECTEDからEMM−IDLEになると、周期的なTAU/RAUタイマ(例えば、Ext T3312/T3412)値は初期値にリセットされ、再開するようになる。このように、周期的なTAU/RAUタイマ(例えば、Ext T3312/T3412)が発信データ(MO data)の送信により新しい初期値にリセットされることで、次のTAU/RAU手順が遅延するようになる。このような遅延は、発信データ(MO data)の発生が頻繁な状況では連続的に発生することがある。このような場合、MTC機器100がTAU/RAU手順を実行することができる機会の遅延が継続することで、PSMパラメータ(即ち、活性時間の値)を変更し、またはPSMを終了することができる機会も遅延するようになる。最悪の場合、MTC機器100が自らPSMを外れることができない状況が発生するかもしれない。これはPSMの効率を低下させるかもしれない。
【0153】
図9bは、アプリケーションサーバがPSMパラメータの変更やPSM終了を要求する場合の問題点を示す。
【0154】
MTC機器100がPSM状態に入ると、MME510は、該当MTC機器100が着信可能(reachable)でないと判断し、PPFを0に設定する。PPFを0に設定すると、S−GW520から来る該当MTC機器のDDN(Downlink Data Notification)を拒絶するようになる。PSM状態のMTC機器100がPSMを外れて活性時間に入るか、または終了するようになって、再び着信可能(reachable)な状態に入ると、MME510は、PPFを1に設定し、DDNが来ると該当MTC機器にページングを送信する。
【0155】
PSMの間に発信データ(MO data)が発生すると、MTC機器100は、アクセス層(AS)を活性化し、PLMN選択とセル選択の過程を介して特定のセルにキャンプオンした(camped on)状態になる。このとき、MME510は、該当MTC機器100が着信可能(reachable)であると判断し、PPFを1に設定するようになる。以後、MTC機器100は、発信データ(MO data)の送信のためにサービス要求メッセージを送信し、その後、EMM−CONNECTED状態になって、発信データ(MO data)を送信するようになる。このとき、アプリケーションサーバ700は、MTC機器100がEMM−CONNECTEDであることを認識し、MTC機器100にPSMパラメータ(例えば、活性時間の値)の変更やPSM終了を要求するようになる。以後、発信データ(MO data)送信が終了すると、MTC機器100は、再びPSM状態に入るようになり、MME510は、PPFを再び0に設定するようになる。このとき、アプリケーションサーバ700は、以前にMTC機器100にPSMパラメータ(例えば、活性時間の値)変更やPSM終了に対する要求が受諾されたと判断し、ダウンリンクデータを送信するようになる。このダウンリンクデータは、P−GW530を経由してS−GW520に伝達され、S−GW520は、MME510にDDNを送信するようになる。しかし、MME510は、PPFが0に設定されているため、DDN拒絶をS−GW520に送信するようになる。しかし、アプリケーションサーバ700は、このような状況を認識することができなくて持続的にダウンリンクデータを送信するようになり、これはS−GW520のDDN送信とMME510のDDN拒絶を持続的に発生させるようになる。これは不要なシグナリング及びデータの送信を増加させる結果を招くようになる。このような結果の原因は、MTC機器100がアプリケーションサーバ700からPSMに対する要求を受けたにもかかわらず、自らPSMの変更を実行することができる方法がないためである。
【0156】
<本明細書の開示>
したがって、本明細書の開示は、前述した問題点を解決するための解決策を提案する。
【0157】
本明細書の開示は、PSM状態にあったMTC機器100が発信データ(MO data)を送信する時に発生する非効率的なシステム運営を改善するための解決策を提案する。
【0158】
本明細書で提示する解決策は、基本的に、サービス要求メッセージを利用する解決方法に関する第1の開示と、サービス要求手順以後の手順を利用する解決方法に関する第2の開示と、そして、TAU/RAU要求メッセージを利用する解決方法に関する第3の開示と、に分けられる。
【0159】
1.本明細書の第1の開示:サービス要求メッセージを利用する解決方法
本明細書の第1の開示は、サービス要求メッセージを利用する解決方法を提示する。また、このような解決方法は、サービス要求メッセージに活性時間を含める方法と、サービス要求メッセージにインジケーションを含める方法と、サービス要求メッセージ以後に他のNAS手順や新しい手順を進行する方法と、に分けられる。以下、各方法について、発信データ(発信データ(MO data))を送信した後にもPSMが維持される状況と、発信データ(発信データ(MO data))を送信した後にPSMが終了する状況と、に分けて説明する。
【0160】
1−1.発信データ(MO data)を送信終了した後、PSMが維持される状況
1−1−1.MTC機器がPSMの維持を希望し、PSMパラメータの変更も希望しない場合
発信データ(MO data)を送信終了した後にもPSMがそのまま維持される状況において、前記MTC機器100がPSMをそのまま維持し、且つPSMパラメータを変更したくない場合、PSMパラメータをサービス要求メッセージに含めずに送信することができる。この場合、既存のPSMパラメータ(例えば、活性時間の値)をそのまま使用し、または予め設定されたPSMパラメータ(例えば、活性時間の値)を使用することもできる。
【0161】
1−1−2.MTC機器がPSMの維持を希望するが、PSMパラメータの変更は必要な場合
ただし、発信データ(MO data)を送信終了した後にもPSMがそのまま維持される状況において、前記MTC機器100がPSMをそのまま維持したいが、既存のPSMパラメータの変更を希望する場合、前記MTC機器は、これに対する情報をサービス要求メッセージに追加し、または追加的な動作をするようになる。ここで、既存のPSMの変更を希望する時とは、PSMパラメータ(例えば、活性時間の値または周期的なTAU/RAUタイマ値)を変更したい時やPSMを終了したい時を意味する。
【0162】
即ち、既存PSMの変更を希望する時は、MTC機器100は、サービス要求メッセージに自分が希望する活性時間や周期的なTAU/RAUタイマの値を含めることができる。これについて
図10aを参照して説明する。
【0163】
図10aは、本明細書の第1の開示の一方法によって、MTC機器が、自分が希望する活性時間の値をサービス要求メッセージに含ませて送信する例を示す。
【0164】
図10aを参照して知ることができるように、発信データ(MO data)が発生すると、PSM状態にあったMTC機器100はPSMを外れながら、サービス要求メッセージを送信するようになる。このとき、MTC機器100は、PSMパラメータ(例えば、活性時間の値)を変更したい場合、前記サービス要求メッセージに自分が希望するPSMパラメータ、例えば、活性時間の値と周期的なTAU/RAUタイマ(例えば、Ext T3312/T3412)を追加して送信するようになる。
【0165】
1−1−3.MTC機器がPSMの終了を希望する場合
発信データ(MO data)が発生すると、PSM状態にあったMTC機器100がPSMを外れながらサービス要求メッセージを送信する。このとき、MTC機器100がPSMを終了したい場合、前記サービス要求メッセージにPSMパラメータ(例えば、活性時間の値)を含めずに送信することができる。これについて
図10bを参照して説明する。
【0166】
図10bは、本明細書の第1の開示の他の方法によってMTC機器がPSMを終了したい時、サービス要求メッセージに活性時間の値を含めずに送信する例を示す。
【0167】
図10bを参照して知ることができるように、発信データ(MO data)が発生した時、PSM状態にあったMTC機器100がPSMを終了したいなら、サービス要求メッセージにPSMパラメータ(例えば、活性時間の値)を含めずに送信することができる。
【0168】
一方、
図10aと
図10bにおいて、サービス要求メッセージを受信したMME/SGSN510は、応答メッセージにPSMパラメータ、例えば、活性時間の値と周期的なTAU/RAUタイマ(例えば、Ext T3312/T3412)を含ませて送信することもできる。一方、前記サービス要求に対する応答メッセージは、ユーザプレーンのためのベアラの確立に成功したというASインジケーションが前記MTC機器に伝達される途中に、送信されることができる。
【0169】
1−2.発信データ(MO data)を送信終了した後、PSMが終了する状況
1−2−1.MTC機器はPSMの維持を希望する場合
MTC機器100がPSMの使用の継続を希望する時は、サービス要求メッセージにインジケーションを含ませて送信することができる。
【0170】
前記インジケーションは、‘既存PSMパラメータを使用してPSMを維持’と‘新しいPSMパラメータを使用してPSMを維持’のうちいずれか一つを示すことができる。
【0171】
1−2−2.MTC機器はPSMの維持を希望する一方、PSMパラメータの変更が必要な場合
発信データ(MO data)を送信終了した後、PSMが終了する状況で、MTC機器は、PSMの維持を希望する一方、PSMパラメータの変更が必要な場合、前記MTC機器は、これを知らせるインジケーションをサービス要求メッセージに含ませて送信することができる。
【0172】
前記インジケーションが含まれると、PSMパラメータを変更するための追加的な手順、例えば、TAU/RAU手順が実行されることができる。その代案として、MTC機器100がPSMの維持を希望する一方、PSMパラメータの変更を希望する時には、サービス要求メッセージに自分が希望するPSMパラメータを含ませて送信することができる。
【0173】
このように、MTC機器がPSMの維持を希望するか、または維持を希望する一方、PSMパラメータの変更を要求するかに応じて、異なるインジケーションをサービス要求メッセージに含めることができる。具体的には、
図10cを参照して説明する。
【0174】
図10cは、本明細書の第1の開示の他の方法によってサービス要求メッセージにインジケーションを含める例を示す。
【0175】
図10cに示すように、MTC機器がPSMの維持を希望するか、または維持を希望する一方、PSMパラメータの変更を要求するかに応じて、異なるインジケーションをサービス要求メッセージに含めることができる。
【0176】
1−2−3.MTC機器はPSMの終了を希望する場合
発信データ(MO data)を送信終了した後、PSMが終了する状況でMTC機器もPSMの終了を希望する場合、前記MTC機器は、サービス要求メッセージに活性時間値の代わりに終了の希望を示すインジケーションを含ませて送信し、それによって、PSMは、終了するようになる。
【0177】
その代案として、MTC機器がPSMの維持を希望するか、または維持を希望する一方、PSMパラメータの変更を要求するか、またはPSMの終了を希望するかに応じて、インジケーションをサービス要求メッセージに含めることもでき、含めないこともできる。例えば、インジケーションがない場合には、既存のPSMパラメータを使用してPSMを維持することを意味する。インジケーションがある場合には、既存のPSMの終了を含む変更を意味する。例えば、インジケーションの値が0の場合、PSMの終了を意味する。それに対し、インジケーションの値が1の場合、PSMパラメータ(例えば、活性時間の値)の変更を意味する。PSMパラメータ(例えば、活性時間の値)の変更のためには発信データ(MO data)の送信完了以後、追加的なRAN/TAU procedureを実行することができる。
【0178】
2.本明細書の第2の開示:サービス要求手順以後の他の手順を利用する方法
2−1.発信データ(MO data)を送信終了した後、PSMが維持される状況
発信データ(MO data)を送信終了した後にもPSMがそのまま維持される状況で、前記MTC機器100はPSMを維持する一方、PSMパラメータの変更を希望する場合、追加的な手順をトリガする。この追加的な手順は、一般的なNASメッセージの送信手順または他のNASメッセージの送信手順である。
【0179】
図11は、本明細書の第2の開示の一方法によってNAS手順をトリガリングする例を示す。
【0180】
図11を参考して知ることができるように、発信データ(MO data)を送信終了した後にもPSMがそのまま維持される状況で、前記MTC機器100はPSMを維持する一方、PSMパラメータの変更を希望する場合、新しいPSMパラメータを使用してPSMの維持を示すインジケーションをサービス要求メッセージに含ませて送信した後、追加的なNAS手順をトリガリングする。前記追加的な手順は、一般的なNASメッセージの送信手順または他のNASメッセージの送信手順である。このような追加的な手順を介してPSMパラメータ(例えば、活性時間の値)を要求することができる。
【0181】
3.本明細書の第3の開示:TAU/RAU要求メッセージを利用する方法
3−1.発信データ(MO data)を送信終了した後、PSMが維持される状況
発信データ(MO data)を送信終了した後にもPSMがそのまま維持される状況で、前記MTC機器100がPSMの変更を希望する時にのみ、TAU/RAU要求メッセージを送信するようになる。ここで、PSMの変更を希望する時とは、PSMは維持する一方、PSMパラメータ(例えば、活性時間の値または周期的なTAU/RAUタイマ)を変更したい、またはPSMの終了を希望する時を意味する。したがって、MTC機器100がPSMパラメータの変更を希望する時は、TAU/RAU要求メッセージに自分が希望する活性時間の値または周期的なTAU/RAUタイマを含ませて送信することができる。もし、MTC機器100がPSMの終了を希望する場合には、TAU/RAU要求メッセージに活性時間の値及び周期的なTAU/RAUタイマの値を含めずに送信することができる。この場合、ネットワークは、MTC機器100がPSMの使用をそれ以上希望しないと理解するようになる。
【0182】
3−2.発信データ(MO data)を送信終了した後、PSMが終了する状況
発信データ(MO data)を送信終了した後にPSMが終了する状況で、MTC機器100がPSMを使用することを希望する場合には、前記PSMを使用することを希望する時点または既存PSMパラメータの変更をしたい時点でTAU/RAU要求メッセージを介してネットワークに知らせることができる。
【0183】
前述したように、発信データ(MO data)を送信終了した後、PSMが維持される状況と終了する状況の両方において、TAU/RAU要求メッセージは、発信データ(MO data)送信時点を基準にして、以下の‘常時’、‘直前’、‘以後’に分けられる。
【0184】
3−3.TAU/RAU要求メッセージを発信データ(MO data)送信時点を基準にして常時いつでも送信できる方法
MTC機器100は、PSMパラメータ(例えば、活性時間の値)変更やPSM終了に対する必要が発生する時点にいつでもTAU/RAU要求メッセージを介してこれをネットワークに知らせることができる。以下、
図12aを参照して説明する。
【0185】
図12aは、本明細書の第3の開示の一方法による流れ図を示す例示図である。
【0186】
図12aを参照して知ることができるように、PSM状態にあるMTC機器は、発信データ(MO data)の発生と関係なしにいつでもTAU/RAU要求メッセージを送信することで、PSMパラメータ(例えば、活性時間の値または周期的なTAU/RAUタイマの値)変更やPSM終了を要求することができる。
【0187】
一方、PSMパラメータ(例えば、活性時間の値または周期的なTAU/RAUタイマの値)変更やPSM終了をTAU/RAU要求メッセージを介していつでも要求できるとは、特定の時間や特定の状況に該当する場合を含んでもよい。
【0188】
例えば、PSMの変更を要求することができるMTC機器の条件をECMモード(ECM−IDLE、ECM−CONNECTED)に応じて制限的に許容することができる。即ち、ECM−CONNECTEDである場合にのみPSM変更のためのTAU要求メッセージを送信するようにすることができる。より具体的に、発信データ(MO data)を送信している間に、MTC機器100がPSMの変更を希望する時、PSMの変更に対する要求をするためのTAU/RAU手順をトリガリングするようにすることができる。このとき、前記TAU/RAU手順がトリガリングされた以後、実際にTAU/RAU要求メッセージが送信される時点は、ECM−CONNECTED状態にある時であり、またはECM−CONNECTED状態の直後または以後である。この場合、PSMの変更を希望する時点にMTC機器がECM−IDLE状態である場合、PSMの変更に対する要求をするためのTAU/RAU手順を実行することができない。
【0189】
3−4.TAU/RAU要求メッセージを発信データ(MO data)送信以前にのみ送信することができるようにする方法
PSM状態にあるMTC機器100が発信データ(MO data)の送信を必要とする場合、MTC機器100は、アクセス層(AS)を活性化した後、サービス要求メッセージを送信する前に、TAU/RAU要求メッセージを送信するようにする。
【0190】
図12bは、本明細書の第3の開示の他の方法による流れ図を示す例示図である。
【0191】
図12bを参照して知ることができるように、PSM状態において発信データ(MO data)が発生する場合は、システム状況の変動(例えば、トラッキングエリア(TA)の変動)と関係なしにTAU/RAU要求メッセージを送信することができる。
【0192】
ただし、TAU/RAU要求メッセージを送信した後、発信データも送信できるようにするために、前記TAU/RAU要求メッセージ内にアクティブフラグ(active flag)を含ませて送信することができる。このように前記TAU/RAU要求メッセージ内にアクティブフラグを含ませて送信すると、サービス要求手順と類似の手順を実行し、それによって発信データを送信することができるようになる。
【0193】
3−5.TAU/RAU要求メッセージを発信データ(MO data)送信時点の以後にのみ送信できるようにする方法
MTC機器100がPSMの変更を希望する場合、サービス要求メッセージを送信し、その後の発信データ(MO data)の送信も終了した以後に、TAU/RAU要求メッセージを送信するようにすることもできる。
【0194】
図12cは、本明細書の第3の開示の他の方法による流れ図を示す例示図である。
【0195】
図12cを参照して知ることができるように、MTC機器100がPSMの変更を希望する場合、サービス要求メッセージを送信し、その後の発信データ(MO data)の送信も終了した以後に、TAU/RAU要求メッセージを送信するようにすることもできる。
【0196】
<本明細書の第3の開示の要約>
図13は、
図12aに示す第3の開示の一方法を整理して再開示した例示的な流れ図である。
【0197】
図示されているように、前記MTC機器100がPSMを必要とする場合、前記MTC機器100のNAS層は、自分が希望する活性時間値と周期的なTAU/RAUタイマ値を含むTAU/RAU要求メッセージをMME510に送信することができる。
【0198】
前記MME510が前記MTC機器100のPSM使用を受諾する場合、TAU/RAU要求メッセージ内の活性時間値と周期的なTAU/RAUタイマ値に基づいて、前記MTC機器100に適当な活性時間値と周期的なTAU/RAUタイマ値を割り当てる。次に、前記MME510は、前記割り当てた活性時間値と周期的なTAU/RAUタイマ値を含むTAU/RAU受諾メッセージを前記MTC機器100に伝達する。
【0199】
次に、前記MTC機器100は、前記TAU/RAU受諾メッセージ内の活性時間値に基づく活性時間中にのみアクセス層を活性化し、それ以後にはアクセス層を非活性化する。そのために、前記MTC機器100のNAS層は、前記アクセス層に非活性化を要求することによって、PSM状態に入る。前記PSM状態では、電源オフされたかのように前記MTC機器100がダウンリンクデータを受信することができない場合もあるが、アップリンクデータはいつでも(anytime)送信できるように、ネットワークには登録された状態に維持されることができる。
【0200】
しかし、前記PSMの中止が必要な場合、または前記第2の活性時間の変更が必要な場合には、その時点で、前記MTC機器100は、アクセス層を活性化し、TAU/RAU要求メッセージを送信することができる。
【0201】
以上で説明した内容は、ハードウェアで実現されることができる。これについて
図12を参照して説明する。
【0202】
図14は、本発明の実施例によるMTC機器100及びMME510の構成ブロック図である。
【0203】
図14に示すように、前記MTC機器100は、格納手段101、コントローラ102、送受信部103を含む。そして、前記MME510は、格納手段511、コントローラ512、送受信部513を含む。
【0204】
前記格納手段101、511は、前述した方法を格納する。
【0205】
前記コントローラ102、512は、前記格納手段101、511及び前記送受信部103、513を制御する。具体的には、前記コントローラ102、512は、前記格納手段101、511に格納された前記方法を各々実行する。そして、前記コントローラ102、512は、前記送受信部103、513を介して前述した信号を送信する。
【0206】
以上では本発明の好ましい実施例を例示的に説明したが、本発明の範囲はこのような特定の実施例にのみ限定されるものではなく、本発明は、本発明の思想及び特許請求の範囲に記載された範囲内で多様な形態に修正、変更または改善されることができる。