(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記発射組立体は、前記カム組立体に係合されるアームを備え、該アームは、長手方向に移動して、前記発射組立体を長手方向に作動させるように構成されている、請求項1に記載の器具。
前記ハンドル組立体は、ピストルグリップを備え、該ピストルグリップは、前記発射組立体の近位部分に対して、かつ前記シャフトの前記近位端に対して斜めに配向され、前記モータは、前記モータが前記発射組立体の近位部分に対して、かつ前記シャフトの前記近位端に対して斜めに配向されるように、該ピストルグリップ内に位置付けられている、請求項9に記載の器具。
前記本体に回転可能に固定された枢動アームを更に含み、該枢動アームの第1の部分は、前記カム組立体に係合され、該枢動アームの第2の部分は、前記発射組立体に係合され、前記カム組立体は、該枢動アームを回転させるように回転可能であり、該枢動アームは、前記発射組立体を長手方向に作動させるように回転可能である、請求項1に記載の器具。
前記発射組立体は、前記本体に回転可能に固定される枢動アームを備え、該枢動アームの第1の部分は、前記第1のカムに係合され、該枢動アームの第2の部分は、前記第2のカムに係合され、該枢動アームの第3の部分は、前記発射組立体に係合され、前記カム組立体は、該枢動アームを回転させるように回転可能であり、該枢動アームは、前記発射組立体を長手方向に移動させるように回転可能である、請求項16に記載の器具。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本技術の特定の例に関する以下の説明は、本技術の範囲を限定するために使用されるべきではない。本技術の他の例、特徴、態様、実施形態、及び利点が以下の説明から当業者には明らかとなろう。以下の説明は、実例として、本技術を実施するために企図される最良の形態のうちの1つである。理解されるように、本明細書で説明される本技術は、全て本技術から逸脱することなく、他の種々の明白な態様が可能である。したがって、図面及び説明文は、制限的なものではなく、例示的な性質のものとしてみなされるべきである。
【0008】
I.例示的な円形ステープル留め外科用器具の概要
図1〜
図6は、ステープル留めヘッド組立体(20)、シャフト組立体(60)、及びアクチュエータハンドル組立体(70)を有する例示的な円形外科用ステープル留め器具(10)を示し、それぞれについては、以下でより詳細に説明する。シャフト組立体(60)は、アクチュエータハンドル組立体(70)から遠位側に延在し、ステープル留めヘッド組立体(20)は、シャフト組立体(60)の遠位端に連結される。端的には、アクチュエータハンドル組立体(70)は、ステープル留めヘッド組立体(20)のステープルドライバ(24)を作動させて、複数のステープル(66)をステープル留めヘッド組立体(20)の外部へと駆動させるように動作可能である。ステープル(66)は、器具(10)の遠位端に装着されたアンビル(40)によって曲げられ、完成したステープルを成形する。したがって、器具(10)を利用して、
図2A〜
図2Cに示される組織(2)をステープル留めすることができる。
【0009】
本発明の例では、器具(10)は、閉鎖システム及び発射システムを備える。閉鎖システムは、トロカール(38)、トロカールアクチュエータ(39)、及び回転ノブ(98)を備える。アンビル(40)は、トロカール(38)の遠位端に連結していてもよい。回転ノブ(98)は、ステープル留めヘッド組立体(20)に対してトロカール(38)を長手方向に移動させるように動作可能であり、それによって、アンビル(40)がトロカール(38)に連結すると、アンビル(40)を移動させて、アンビル(40)とステープル留めヘッド組立体(20)との間の組織をクランプする。発射システムは、トリガ(74)、トリガ作動組立体(84)、ドライバアクチュエータ(64)、及びステープルドライバ(24)を備える。ステープルドライバ(24)は、ステープルドライバ(24)が長手方向に作動すると、組織を切り離すように構成されたナイフ(36)を含む。加えて、ステープル(66)は、ステープルドライバ(24)の複数のステープル駆動機構(30)より遠位側に位置付けられており、その結果、ステープルドライバ(24)が長手方向に作動すると、ステープルドライバ(24)もまた、ステープル(66)を遠位側に駆動させる。これにより、トリガ(74)が作動し、トリガ作動組立体(84)がドライバアクチュエータ(64)を介してステープルドライバ(24)を作動させると、ナイフ(36)及び部材(30)は、ほぼ同時に、組織(2)を切り離し、ステープル(66)を組織内へと、ステープル留めヘッド組立体(20)に対して遠位側に駆動する。閉鎖システム及び発射システムの構成部品及び機能性について、次でより詳細に説明する。
【0010】
A.例示的なアンビル
図1〜
図2Cに示すように、アンビル(40)は、器具(10)に選択的に連結可能であり、表面であって、その表面に対してステープル(66)が曲げられ、ステープル留めヘッド組立体(20)とアンビル(40)との間に包含された物質をステープル留めすることができる表面、を提供する。本発明の例のアンビル(40)は、ステープル留めヘッド組立体(20)に対して遠位側に延在するトロカール又は先の尖ったロッド(38)に選択的に連結可能である。
図2A〜
図2Cを参照すると、アンビル(40)は、アンビル(40)の近位シャフト(42)への連結を介して、トロカール(38)の遠位先端部に選択的に連結可能である。アンビル(40)は、概ね円形のアンビルヘッド(48)と、アンビルヘッド(48)から近位側に延在する近位シャフト(42)とを備える。図示されている例では、近位シャフト(42)は、アンビル(40)をトロカール(38)に選択的に連結するための、弾性的に付勢された保持クリップ(46)を有する管状部材(44)を備えるが、これは単に任意選択的なものにすぎず、アンビル(40)をトロカール(38)に連結するための他の保持機構も同様に使用されてもよいことを理解されたい。例えば、アンビル(40)をトロカール(38)に連結するために、Cクリップ、クランプ、糸、ピン、接着剤などを用いてもよい。加えて、アンビル(40)は、トロカール(38)に選択的に連結可能であるように説明されているが、変更例によっては、一旦アンビル(40)が装着されると、アンビル(40)がトロカール(38)から取り外すことができないように、近位シャフト(42)が一方向の連結機構を含んでいてもよい。単なる例示的な一方向の機構として、かえし(barb)、一方向スナップ、コレット、カラー、タブ、バンドなどが挙げられる。当然ながら、アンビル(40)をトロカール(38)に連結するための更なる他の構成は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。例えば、トロカール(38)は、代わりに中空シャフトであってもよく、近位シャフト(42)は、中空シャフトに挿入可能な尖ったロッドを備えていてもよい。
【0011】
本発明の例のアンビルヘッド(48)は、アンビルヘッド(48)の近位面(50)に形成された複数のステープル成形ポケット(52)を備える。したがって、
図2Cに示すように、アンビル(40)が閉鎖位置にあり、ステープル(66)がステープル留めヘッド組立体(20)からステープル成形ポケット(52)の中へと駆動されると、ステープル(66)の脚部(68)が曲げられて、完成したステープルが成形される。
【0012】
別個の構成部品としてのアンビル(40)の場合は、アンビル(40)は、ステープル留めヘッド組立体(20)に連結されるに先立って、組織(2)の一部分に挿入され、固定されてもよいことを理解されたい。例示的なものにすぎないが、器具(10)が組織(2)の第2の管状部分の中に挿入され、固定された状態で、アンビル(40)が、組織(2)の第1の管状部分の中に挿入され、固定されてもよい。例えば、組織(2)の第1の管状部分は、アンビル(40)の一部分に、又はアンビル(40)の一部分の周囲に縫合されてもよく、組織(2)の第2の管状部分は、トロカール(38)に、又はトロカール(38)の周囲に縫合されてもよい。
【0013】
図2Aに示すように、アンビル(40)は次いで、トロカール(38)に連結される。本発明の例のトロカール(38)は、最遠位の作動位置で図示される。このようにトロカール(38)が伸長した位置にくることで、アンビル(40)の装着に先立って組織(2)が連結され得る面積をより広く提供することができる。加えて、トロカール(38)が伸長した位置にくることで、アンビル(40)のトロカール(38)への装着をより容易にすることもできる。トロカール(38)は、テーパー付き遠位先端部を更に備える。かかる先端部は、組織を穿孔することができ、かつ/又は、トロカール(38)へのアンビル(40)の挿入を補助することができてもよいが、このテーパー付き遠位先端部は、単に任意選択的なものにすぎない。例えば、他の変更例では、トロカール(38)は、鈍先端部を有していてもよい。加えて、又は、代替的に、トロカール(38)は、アンビル(40)をトロカール(38)に向かって引き寄せることができる磁性部分(図示せず)を含んでいてもよい。当然ながら、アンビル(40)及びトロカール(38)のための尚更なる構成及び配置は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。
【0014】
アンビル(40)がトロカール(38)に連結されると、アンビル(40)の近位面とステープル留めヘッド組立体(20)の遠位面との間の距離が、間隙距離dを定義する。本発明の例のトロカール(38)は、以下でより詳細に説明されるように、アクチュエータハンドル組立体(70)の近位端に位置する調整ノブ(98)を介して、ステープル留めヘッド組立体(20)に対して、長手方向に移動可能である。したがって、アンビル(40)がトロカール(38)に連結されると、調整ノブ(98)の回転が、アンビル(40)をステープル留めヘッド組立体(20)に対して作動させることによって、間隙距離dを拡大又は減少させる。例えば、
図2A及び
図2Bに順に示すように、アンビル(40)は、最初の開放位置から閉鎖位置へと、アクチュエータハンドル組立体(70)に対して近位側に作動することにより、間隙距離dと、接合される組織(2)の2つの部分の間の距離とを減少させることがわかる。一旦間隙距離dが所定の範囲以内になれば、
図2Cに示すように、ステープル留めヘッド組立体(20)が発射され、アンビル(40)とステープル留めヘッド組立体(20)との間の組織(2)を、ステープル留めし、切り離すことができる。以下でより詳細に説明されるように、ステープル留めヘッド組立体(20)は、ユーザがアクチュエータハンドル組立体(70)のトリガ(74)を枢動させることによって、組織(2)をステープル留めし、切り離すように動作可能である。
【0015】
上記の通り、間隙距離dは、アンビル(40)とステープル留めヘッド組立体(20)との間の距離に対応する。器具(10)が患者内に挿入されると、この間隙距離dが容易に視認可能でない場合がある。したがって、トリガ(74)に対向して位置付けられる表示窓(120)を通して視認可能となるよう、
図5及び
図6に示す可動式の表示バー(110)が提供される。表示バー(110)は、調整ノブ(98)の回転に応じて動くように動作可能であり、表示バー(110)の位置は、間隙距離dを表す。
図6に示すように、表示窓(120)は、目盛り(130)を更に備え、その目盛り(130)は、アンビルギャップが所望の操作範囲(例えば、緑色に着色された領域又は「グリーンゾーン」)内にあることと、目盛り(130)のそれぞれの端部に対応するステープルの圧縮を描いた図と、を示す。例示的なものにすぎないが、
図6に示すように、第1のステープル図(132)は、高さの高いステープルを示す一方、第2のステープル図(134)は、高さの低いステープルを示す。したがって、ユーザは、表示バー(110)及び目盛り(130)を介して、連結されたアンビル(40)のステープル留めヘッド組立体(20)に対する位置を視認することができる。ユーザは、次いで、調節ノブ(98)を介して、アンビル(40)の位置決めを適宜調節してもよい。
【0016】
図2A〜
図2Cを再度参照すると、ユーザは、管状部材(44)の周囲に組織(2)の一部分を縫合しており、アンビルヘッド(48)は、ステープル留めされる組織(2)の一部分の中に位置する。組織(2)がアンビル(40)に装着されると、保持クリップ(46)及び管状部材(44)の一部分は、組織(2)から突出しており、ユーザは、アンビル(40)をトロカール(38)に連結することができる。組織(2)がトロカール(38)及び/又はステープル留めヘッド組立体(20)の他の部分に連結した状態で、ユーザは、アンビル(40)をトロカール(38)に装着させ、アンビル(40)をステープル留めヘッド組立体(20)に向かって近位側に作動させて、間隙距離dを減少させる。一旦器具(10)が操作範囲内に入れば、ユーザは、次いで、組織(2)の両端を互いにステープル留めすることによって、ほぼ連続した組織(2)の管状部分を形成する。
【0017】
アンビル(40)は、米国特許第5,205,459号、米国特許第5,271,544号、米国特許第5,275,322号、米国特許第5,285,945号、米国特許第5,292,053号、米国特許第5,333,773号、米国特許第5,350,104号、米国特許第5,533,661号、及び/又は米国特許公開第2012/0292372号(これらの開示は、参照により本明細書に組み込まれる)の教示の少なくとも一部に従って、かつ/又は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう他の構成に従って、更に構築することができる。
【0018】
B.例示的なステープル留めヘッド組立体
本発明の例のステープル留めヘッド組立体(20)は、シャフト組立体(60)の遠位端に連結され、摺動可能なステープルドライバ(24)とステープルポケット(32)内に包含される複数のステープル(66)とを収容する管状ケーシング(22)を備える。ステープル(66)及びステープルポケット(32)は、管状ケーシング(22)の周囲に円形アレイ状に配置される。本発明の例では、ステープル(66)及びステープルポケット(32)は、ステープル(66)及びステープルポケット(32)からなる一対の同心環状列として配置される。ステープルドライバ(24)は、アクチュエータハンドル組立体(70)のトリガ(74)の回転に応じて、管状ケーシング(22)内で長手方向に作動するように動作可能である。
図2A〜
図2Cに示すように、ステープルドライバ(24)は、トロカール開口部(26)と、中央凹部(28)と、中央凹部(28)の周囲に円周方向に配置され、かつシャフト組立体(60)に対して遠位側に延在する複数の部材(30)とを有するフレア状の円筒状部材を備える。それぞれの部材(30)は、ステープルポケット(32)内の複数のステープル(66)のうち、対応するステープル(66)と接触し、係合するように構成されている。したがって、ステープルドライバ(24)が、アクチュエータハンドル組立体(70)に対して遠位側に作動されると、それぞれの部材(30)は、対応するステープル(66)を、管状ケーシング(22)の遠位端の中に形成されるステープル孔(34)を通して、ステープルポケット(32)の外部へと駆動させる。それぞれの部材(30)がステープルドライバ(24)から延在しているため、複数のステープル(66)は、ステープル留めヘッド組立体(20)の外部へと、ほぼ同時に駆動される。アンビル(40)が閉鎖位置にある場合、ステープル(66)は、ステープル成形ポケット(52)の中へと駆動されて、ステープル(66)の脚部(68)を曲げ、それによって、アンビル(40)とステープル留めヘッド組立体(20)との間に位置する物質をステープル留めする。
図3は、部材(30)によってアンビル(40)のステープル成形ポケット(32)の中へと駆動されて、脚部(68)を曲げる、1つの単なる例示的なステープル(66)を示す。
【0019】
ステープルドライバ(24)は、トロカール開口部(26)と同軸であり、ステープルポケット(32)から嵌めこまれる円筒状ナイフ(36)を更に備える。本発明の例では、円筒状ナイフ(36)は、ステープルドライバ(24)と共に遠位側に移動するように、中央凹部(28)内に配置される。アンビル(40)がトロカール(38)に固定されると、上述の通り、アンビルヘッド(48)は、表面であって、その表面に対して、円筒状ナイフ(36)が、アンビル(40)とステープル留めヘッド組立体(20)との間に包含される物質を切断する表面、を提供する。変更例によっては、アンビルヘッド(48)は、円筒状ナイフ(36)が物質を切断することを(例えば、協働する剪断縁部を提供することによって)補助するための凹部(図示せず)を含んでいてもよい。加えて、又は、代替的に、アンビルヘッド(48)は、はさみ型の切断動作を提供できるように、円筒状ナイフ(36)からオフセットした、1つ又は2つ以上の対向する円筒状ナイフ(図示せず)を含んでいてもよい。更なる他の構成は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。これにより、ステープル留めヘッド組立体(20)は、アクチュエータハンドル組立体(70)による作動に応じて、ほぼ同時に、組織(2)のステープル留め及び切断の両方を行うように動作可能である。
【0020】
当然ながら、ステープル留めヘッド組立体(20)は、米国特許第5,205,459号、米国特許第5,271,544号、米国特許第5,275,322号、米国特許第5,285,945号、米国特許第5,292,053号、米国特許第5,333,773号、米国特許第5,350,104号、米国特許第5,533,661号、及び/又は米国特許公開第2012/0292372号(これらの開示は、参照により本明細書に組み込まれる)の教示の少なくとも一部に従って、かつ/又は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう他の構成に従って、更に構築することができる。
【0021】
既に述べた通り、ステープルドライバ(24)は、トロカール開口部(26)を含む。トロカール開口部(26)は、トロカール(38)が、ステープル留めヘッド組立体(20)及び/又はシャフト組立体(60)に対して、長手方向に摺動することを可能にするように構成されている。
図2A〜
図2Cに示すように、トロカール(38)は、トロカール(38)が回転ノブ(98)の回転を介して長手方向に作動され得るように、トロカールアクチュエータ(39)に連結される。これについては、アクチュエータハンドル組立体(70)に関連して以下でより詳細に説明する。本発明の例では、トロカールアクチュエータ(39)は、トロカール(38)に連結された、細長く、比較的硬質のシャフトを備えるが、これは単に任意選択的なものにすぎない。変更例によっては、アクチュエータ(39)は、器具(10)の部分を使用中に選択的に曲げることができるように、若しくは湾曲させることができるように、短手方向には曲げることが可能であるが、長手方向には硬質である材料を備えてもよく、又は、器具(10)は、予め曲げられたシャフト組立体(60)を含んでいてもよい。アンビル(40)がトロカール(38)に連結されると、トロカール(38)及びアンビル(40)は、アクチュエータ(39)を介して移動可能であり、アンビル(40)とステープル留めヘッド組立体(20)との間の間隙距離dを調整する。アクチュエータ(39)がトロカール(38)を長手方向に作動するための尚更なる構成は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。
【0022】
C.例示的なシャフト組立体
図2A〜
図2Cに示すように、ステープル留めヘッド組立体(20)及びトロカール(38)は、シャフト組立体(60)の遠位端に位置付けられる。本発明の例のシャフト組立体(60)は、外部管状部材(62)及びドライバアクチュエータ(64)を備える。外部管状部材(62)は、ステープル留めヘッド組立体(20)の管状ケーシング(22)と、アクチュエータハンドル組立体(70)の本体(72)とに連結されており、それによって、内部の作動部品のためのメカニカルグラウンドを提供する。ドライバアクチュエータ(64)の近位端は、後述するアクチュエータハンドル組立体(70)のトリガ作動組立体(84)に連結される。ドライバアクチュエータ(64)の遠位端は、ステープルドライバ(24)に連結されており、トリガ(74)の回転がステープルドライバ(24)を長手方向に作動させる。
図2A〜
図2Cに示すように、ドライバアクチュエータ(64)は、開いた長手方向軸線を有する管状部材を備えており、トロカール(38)に連結されたアクチュエータ(39)は、ドライバアクチュエータ(64)内で、かつドライバアクチュエータ(64)に対して、長手方向に作動できる。当然ながら、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるように、ドライバアクチュエータ(64)内に他の構成部品が配置されてもよいことを理解されたい。
【0023】
シャフト組立体(60)は、米国特許第5,205,459号、米国特許第5,271,544号、米国特許第5,275,322号、米国特許第5,285,945号、米国特許第5,292,053号、米国特許第5,333,773号、米国特許第5,350,104号、米国特許第5,533,661号、及び/又は米国特許公開第2012/0292372号(これらの開示は、参照により本明細書に組み込まれる)の教示の少なくとも一部に従って、かつ/又は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう他の構成に従って、更に構築することができる。
【0024】
D.例示的なアクチュエータハンドル組立体
次に、
図4A〜
図5を参照すると、アクチュエータハンドル組立体(70)は、本体(72)、トリガ(74)、ロックアウト機構(82)、トリガ作動組立体(84)、及びトロカール作動組立体(90)を備える。本発明の例のトリガ(74)は、本体(72)に枢動可能に取り付けられ、かつトリガ作動組立体(84)に連結されおり、未発射位置(
図4Aに示される)から発射済位置(
図4Bに示される)へのトリガ(74)の回転により、上述したドライバアクチュエータ(64)が作動する。バネ(78)は、本体(72)及びトリガ(74)に連結されて、未発射位置に向かってトリガ(74)を付勢させる。ロックアウト機構(82)は、本体(72)に連結される枢動可能な部材である。第1の係止位置において、ロックアウト機構(82)は、上方へ、本体(72)から離れるように枢動されており、ロックアウト機構(82)は、トリガ(74)に係合し、ユーザによるトリガ(74)の作動に対して機械的に抵抗する。
図1及び
図4Bに示されるような、第2の係止解除位置において、ロックアウト機構(82)は、下方へ枢動されており、ユーザは、トリガ(74)を作動できる。したがって、ロックアウト機構(82)が第2の位置にある場合には、トリガ(74)は、トリガ作動組立体(84)に係合して、器具(10)を発射できる。
【0025】
図4A及び
図4Bに示すように、本発明の例のトリガ作動組立体(84)は、ドライバアクチュエータ(64)の近位端と係合する摺動可能なトリガキャリッジ(86)を備える。キャリッジ(86)は、キャリッジ(86)の近位端上に、一対のタブ(88)を含み、トリガ(74)から延在する一対のトリガアーム(76)を保持し、係合する。したがって、トリガ(74)が枢動すると、キャリッジ(86)は、長手方向に作動し、長手方向の動作をドライバアクチュエータ(64)に伝達する。図示されている例では、キャリッジ(86)は、ドライバアクチュエータ(64)の近位端に固定的に連結されているが、これは単に任意選択的なものにすぎない。実際には、1つの単なる例示的な代替例においては、遠位のバネ(図示せず)によって、ドライバアクチュエータ(64)をアクチュエータハンドル組立体(70)に対して近位側に付勢させた状態で、キャリッジ(86)が、ドライバアクチュエータ(64)に接するだけでよい。
【0026】
トリガ作動組立体(84)は、米国特許第5,205,459号、米国特許第5,271,544号、米国特許第5,275,322号、米国特許第5,285,945号、米国特許第5,292,053号、米国特許第5,333,773号、米国特許第5,350,104号、米国特許第5,533,661号、及び/又は米国特許公開第2012/0292372号(これらの開示は、参照により本明細書に組み込まれる)の教示の少なくとも一部に従って、かつ/又は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう他の構成に従って、更に構築することができる。
【0027】
本体(72)はまた、調整ノブ(98)の回転に応じて、トロカール(38)を長手方向に作動するように構成されたトロカール作動組立体(90)を収容する。
図4A〜
図5に最もよく示されるように、本発明の例のトロカール作動組立体(90)は、調整ノブ(98)、溝付きシャンク(94)、及びスリーブ(92)を備える。本発明の例の溝付きシャンク(94)は、トロカールアクチュエータ(39)の近位端に位置しているが、溝付きシャンク(94)及びトロカールアクチュエータ(39)は、長手方向の移動を伝動するために係合する別個の構成部品であってもよいことを理解されたい。溝付きシャンク(94)は、本体(72)内で移動するように構成されているが、溝付きシャンク(94)は、本体(72)内で回転はしない。調整ノブ(98)は、本体(72)の近位端によって回転可能に支持され、かつ、内部タブ(図示せず)を介して溝付きシャンク(94)と係合するスリーブ(92)を回転させるように動作可能である。調整ノブ(98)はまた、以下でより詳細に説明されるように、内部ねじ山(図示せず)を画定する。本発明の例の溝付きシャンク(94)は、溝付きシャンク(94)の外表面に形成された連続的な溝(96)を備える。したがって、調整ノブ(98)が回転すると、スリーブ(92)の内部タブは、溝(96)内に乗り、溝付きシャンク(94)は、スリーブ(92)に対して長手方向に作動する。溝付きシャンク(94)がトロカールアクチュエータ(39)の近位端に位置するため、調整ノブ(98)を第1の方向へ回転させることで、トロカールアクチュエータ(39)は、アクチュエータハンドル組立体(70)に対して遠位側に前進する。したがって、アンビル(40)とステープル留めヘッド組立体(20)との間の間隙距離dが増大する。調整ノブ(98)を反対方向へ回転させることにより、トロカールアクチュエータ(39)は、アクチュエータハンドル組立体(70)に対して近位側に作動して、アンビル(40)とステープル留めヘッド組立体(20)との間の間隙距離dを減少させる。これにより、トロカール作動組立体(90)は、調整ノブ(98)を回転させることに応じて、トロカール(38)を作動させるように動作可能である。当然ながら、トロカール作動組立体(90)のための他の構成は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。
【0028】
本発明の例の溝(96)は、軸方向の距離当たりのピッチ又は溝の数が様々な、複数の異なる部分(96A、96B、96C)を備える。本発明の溝(96)は、遠位部分(96A)、中間部分(96B)、及び近位部分(96C)に分けられる。
図5に示すように、遠位部分(96A)は、溝付きシャンク(94)の軸方向の短い長さにわたって微細なピッチ又は多くの溝を備える。中間部分(96B)は、軸方向の長さ当たりに対して、比較的粗いピッチ又は少ない数の溝を有する区画を備えており、スリーブ(92)の内部タブが軸方向の長い距離を横断するために必要な回転数は、相対的に少なくなる。アンビル(40)がステープル留めヘッド組立体(20)に対して、最初の遠位位置にある場合、スリーブ(92)の内部タブは、中間部分(96B)に位置付けられる。したがって、スリーブ(92)の内部タブが中間部分(96B)を横断する間、調整ノブ(98)の相対的に少ない回転数によって、間隙距離dを速やかに減少することができる。本発明の例の近位部分(96C)は、遠位部分(96A)とほぼ同様であり、溝付きシャンク(94)の軸方向の短い距離にわたって微細なピッチ又は多くの溝を備えており、軸方向に短い距離を横断するために必要な回転数は多くなる。以下でより詳細に説明するように、アンビル(40)がステープル留めヘッド組立体(20)のほぼ近くにある場合、本発明の例の近位部分(96C)は、ノブ(98)によって画定される内部ねじ山によって係合されており、表示バー(110)は、目盛り(130)に沿って表示窓(120)内を動いて、アンビルギャップが所望の操作範囲内にあることを示す。したがって、溝付きシャンク(94)が、溝(96)の近位部分(96C)がノブ(98)の内部ねじ山に係合する近位位置に到達すると、調整ノブ(98)の各回転によって、間隙距離dを比較的わずかな量だけ減少させて、細かな調整を提供することができる。近位部分(96C)がノブ(98)の内部ねじ山と係合すると、スリーブ(92)の内部タブは、溝(96)から係合解除されることを理解されたい。
【0029】
トロカール作動組立体(90)は、米国特許第5,205,459号、米国特許第5,271,544号、米国特許第5,275,322号、米国特許第5,285,945号、米国特許第5,292,053号、米国特許第5,333,773号、米国特許第5,350,104号、米国特許第5,533,661号(これらの開示は、参照により本明細書に組み込まれる)の教示の少なくとも一部に従って、かつ/又は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう他の構成に従って、更に構築することができる。
【0030】
図4A及び
図4Bに示す例では、U字クリップ(100)は、溝付きシャンク(94)の遠位側に位置するトロカールアクチュエータ(39)の中間部分に装着される。本発明の例では、トロカールアクチュエータ(39)の伸長部は、ハンドル組立体(70)のハウジングの中にあるスロットに係合して、調整ノブ(98)が回転すると、トロカールアクチュエータ(39)がその軸を中心に回転することを防止する。本発明の例のU字クリップ(100)は、その両側に、ねじ、ボルト、ピンなどの装着部材を受け入れるための細長スロット(102)を更に含んでおり、目盛り(130)に対する表示バー(110)の較正を目的として、トロカールアクチュエータ(39)に対するU字クリップ(100)の細長スロット(102)の長手方向位置を選択的に調整する。変更例によっては、装着部材(例えば、ねじ、ボルト、ピンなど)は、本体(72)の一部分と係合して、調整ノブ(98)が回転すると、トロカールアクチュエータ(39)がその軸を中心に回転することをほぼ防止する。
【0031】
図5に示すように、アクチュエータハンドル組立体(70)は、表示器(104)に係合し、かつ表示器(104)を枢動させるように構成された表示器ブラケット(140)を更に含む。本発明の例の表示器ブラケット(140)は、本体(72)上に形成された一対のスロットに沿って、本体(72)に対して摺動可能である。表示器ブラケット(140)は、長方形プレート(144)、表示器アーム(146)、及び角度付きフランジ(142)を備える。角度付きフランジ(142)は、長方形プレート(144)の近位端に形成され、トロカールアクチュエータ(39)及び/又は溝付きシャンク(94)上に摺動可能に取り付けるための孔(図示せず)を含む。フランジ(142)をU字クリップ(100)に対して付勢させるために、フランジ(142)とボス(152)との間にコイルバネ(150)が介在している。したがって、U字クリップ(100)がトロカールアクチュエータ(39)及び/又は溝付きシャンク(94)と共に遠位側に作動すると、コイルバネ(150)は、表示器ブラケット(140)がU字クリップ(100)と共に遠位側に移動するように促す。加えて、トロカールアクチュエータ(39)及び/又は溝付きシャンク(94)が近位側に移動すると、U字クリップ(100)は、表示器ブラケット(140)をボス(152)に対して近位側に促すことによって、コイルバネ(150)を圧縮する。当然ながら、変更例によっては、表示器ブラケット(140)は、トロカールアクチュエータ(39)及び/又は溝付きシャンク(94)に固定的に装着されてもよいことを理解されたい。
【0032】
本発明の例では、表示器ブラケット(140)が、アンビルギャップが所望の操作範囲(例えば、緑色に着色された領域又は「グリーンゾーン」)内にあるときに対応しない、長手方向位置にある場合、ロックアウト機構(82)の一部分は、表示器ブラケット(140)の表面(141)に接する。アンビルギャップが所望の操作範囲(例えば、緑色に着色された領域又は「グリーンゾーン」)内にある場合、表示器ブラケット(140)は、狭まって、ロックアウト機構(82)の枢動を可能にする表示器アーム(146)の両側に一対のギャップ(145)を提供しており、それによって、トリガ(74)が解放される。したがって、ロックアウト機構(82)及び表示器ブラケット(140)は、アンビル(40)が所定の操作範囲に来るまで、ユーザがトリガ(74)を解放し、操作してしまうことをほぼ防止することができる。当然ながら、変更例によっては、ロックアウト機構(82)全体を省略してもよいことを理解されたい。
【0033】
この操作範囲は、簡単に上述した、目盛り(130)に対して示された表示器(104)の表示バー(110)を介して、ユーザに対して視覚的に伝達されてもよい。表示器ブラケット(140)の遠位端には、表示器(104)の移動を制御するための短手方向に突出するフィンガ(148)で終端する、遠位側に突出する表示器アーム(146)がある。
図5に最もよく示されるように、表示器アーム(146)及びフィンガ(148)は、表示器(104)のタブ(106)に係合するように構成されており、表示器ブラケット(140)が長手方向に作動すると、表示器(104)は枢動する。本発明の例では、表示器(104)は、表示器(104)の第1の端部において本体(72)に枢動可能に連結されていたが、これは単なる任意選択的なものにすぎず、表示器(104)のための他の枢動点が、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。表示バー(110)は、表示器(104)の第2の端部上に位置付けられており、表示バー(110)は、表示器ブラケット(140)の作動に応じて動く。したがって、上述したように、表示バー(110)は、目盛り(130)(
図6に示されている)に対して、表示窓(120)を通して表示され、アンビル(40)とステープル留めヘッド組立体(20)との間の相対的な間隙距離dを示す。
【0034】
当然ながら、表示器ブラケット(140)、表示器(104)、及び/又はアクチュエータハンドル組立体(70)は、米国特許第5,205,459号、米国特許第5,271,544号、米国特許第5,275,322号、米国特許第5,285,945号、米国特許第5,292,053号、米国特許第5,333,773号、米国特許第5,350,104号、米国特許第5,533,661号、及び/又は米国特許公開第2012/0292372号(これらの開示は、参照により本明細書に組み込まれる)の教示の少なくとも一部に従って、かつ/又は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう他の構成に従って、更に構築することができる。
【0035】
II.例示的な電動式円形外科用ステープル留め器具
場合によっては、手動による円形外科用ステープル留め器具(10)の駆動を避けるように、ステープル(66)及びナイフ(36)を駆動させることが望ましい場合がある。例えば、円形外科用ステープル留め器具(10)を作動するために必要な手の力を、操作者が十分に有していない場合には、ステープルドライバ(24)及びナイフ(36)に対して、電動式組立体を提供することが望ましい場合がある。器具(10)の少なくとも一部を電動化させることはまた、ステープルドライバ(24)及びナイフ(36)の駆動時における操作者のエラーのリスクを減らすことができる。場合によっては、手動で駆動された器具(10)での操作者のエラーにより、器具(10)が十分に作動しなくなることがある。これは、操作者が手動で十分にトリガ(74)を作動し損ねた場合に起こり得、その結果、ステープル(66)が完全に成形されず、吻合が完全に固定されない場合がある。そのため、ステープルドライバ(24)及びナイフ(36)の駆動を電動化することにより、1回の駆動ストロークで、ナイフ(36)が完全に駆動されて組織を切断し、かつステープル(66)が完全に配置されて組織を留めることを確実にすることができる。モータを組み込むための器具(10)の再構成に関する様々な例については、以下でより詳細に説明するが、他の例についても、本明細書の教示に基づくことで当業者には明らかとなるであろう。以下で説明される例は、上述した器具(10)とほぼ同様に機能し得ることを理解されたい。具体的には、以下で説明する円形外科用ステープル留め器具は、環状配列における組織をステープル留めし、かつ環状配列のステープルの内側にある余分な組織を切り離して、管腔同士の間のほぼ滑らかな移行部を提供するように使用することができる。
【0036】
円形外科用ステープル留め器具(10)を少なくとも部分的に電動化することが望ましいが、円形外科用ステープル留め器具(10)の全ての部分を電動化することが必ずしも望ましいわけではない。例えば、ノブ(98)の調整、又はアンビル(40)とステープル留めヘッド組立体(20)との間の距離dを制御する同様の機構は、手動のままであることが望ましい場合がある。本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかであるように、他の機構が電動化された場合であっても、円形外科用ステープル留め器具(10)の他の好適な部分もまた、手動作動に依存し得る。
【0037】
電動式円形外科用ステープル留め器具(200)の1つの単なる例示的な変形例を、
図7に示す。本発明の例の器具(200)は、閉鎖システム及び発射システムを備える。本発明の例の閉鎖システムは、アンビル(240)を駆動させるように動作可能な回転ノブ(298)を備える。本発明の例の閉鎖システム及び回転ノブ(298)は、上述した器具(10)の閉鎖システム及びノブ(98)とほぼ同様に機能する。具体的には、本発明の例の閉鎖システムの回転ノブ(298)は、トロカールアクチュエータ(239)を長手方向に作動させて、アンビル(240)の近位面とステープル留めヘッド組立体(218)の遠位面との間の間隙距離を拡大する又は減少させるように、回転可能である。
【0038】
本発明の例の発射システムは、以下で説明する相違点を除き、上述した器具(10)の発射システムとほぼ同様に機能する。具体的には、本発明の例の発射システムは、ステープルドライバ(図示せず)を作動するために使用することができる。本発明の例の発射システムは、モータ(210)、カムフォロア本体(284)、ドライバアクチュエータ(264)、及びステープルドライバを備える。以下でより詳細に説明するように、モータ(210)は、ステープルドライバを作動するように構成されている。本発明の例のドライバアクチュエータ(264)は、上述した器具(10)のドライバアクチュエータ(64)とほぼ同様に動作するように構成されている。具体的には、ドライバアクチュエータ(264)の遠位端は、ステープルドライバに連結されており、モータ(210)の作動によりドライバアクチュエータ(264)が長手方向に移動し、ステープルドライバを長手方向に作動させる。ステープルドライバは、複数のステープル駆動機構と、複数のステープルと、ステープルドライバが長手方向に作動されると、組織を切り離すように構成されたナイフと、を含む。本発明の例のステープルドライバは、以下で説明する相違点を除き、上述した器具(10)のステープルドライバ(24)とほぼ同様に機能する。具体的には、本発明の例のステープルドライバは、
図2Cに示されるものと同様に、ステープルドライバの作動に応じて、環状配列のステープルを組織の中へと駆動し、かつ環状配列のステープルの内側にある余分な組織を切り離して、管腔同士の間のほぼ滑らかな移行部を提供するようにナイフ(図示せず)を駆動するように使用することができる。
【0039】
図8に示すように、カムフォロア本体(284)は、カムフォロア本体(284)の両側に配置された一対の長手の突出部(286A、286B)を備える。突出部(286A、286B)は、アクチュエータハンドル組立体(270)の内部表面に形成される一対のスロット(図示せず)内に摺動可能に配置される。
図9に最もよく見られるように、ドライバアクチュエータ(264)の近位端は、ドライバアクチュエータ(264)の外部表面から延在するラジアルピン(265)を備える。カムフォロア本体(284)の遠位端は、ドライバアクチュエータ(264)のラジアルピン(265)を受け入れるように構成されたバヨネットスロット(288)を提示しており、カムフォロア本体(284)及びドライバアクチュエータ(264)は、共に連結され得、かつカムフォロア本体(284)の長手方向への移動により、ドライバアクチュエータ(264)が長手方向に移動する。ドライバアクチュエータ(264)の遠位端は、ステープルドライバに連結されており、カムフォロア本体(284)の長手方向への移動により、ステープルドライバが作動する。以下でより詳細に説明するように、モータ(210)は、カム組立体を介して、カムフォロア本体(284)を長手方向に移動させるように動作可能である。これにより、モータ(210)が作動し、カムフォロア本体(284)がドライバアクチュエータ(264)を介してステープルドライバを作動させると、ナイフ及びステープル駆動機構は、ほぼ同時に、組織を切り離し、ステープルを組織の中へと遠位側に駆動する。
【0040】
図7及び
図8に示すように、トロカールアクチュエータ(239)は、カムフォロア本体(284)に形成される長手方向の開口部(285)内に摺動可能に配置されており、トロカールアクチュエータ(239)は、カムフォロア本体(284)に対して独立して移動することができ、その逆もまた同様である。これにより、閉鎖システムは、発射システムから独立して動作することができる。
【0041】
モータ(210)は、操作者入力装置(202)及び電源(204)と連通している。操作者入力装置(202)は、手動で作動される(例えば、トリガ(74)と同様の)トリガ及び/又はモータ(210)を作動するように動作可能なその他の入力装置を含んでいてもよい。例えば、操作者入力装置(202)は、モータ(210)を電気的に起動させる、ボタン、トリガ、レバー、スライダ、タッチパッドなどを含み得る。加えて、又は、代替的に、操作者入力装置(202)は、モータ(210)を起動するために操作者によって操作される、電気駆動型又はソフトウェア駆動型のアクチュエータを含んでいてもよい。変更例によっては、操作者入力装置(202)は、モータ(210)と連通している足作動式ペダルを含んでいてもよい。操作者入力装置(202)が取り得る他の好適な形態は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。
【0042】
本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかであるように、操作者入力装置(202)は、円形外科用ステープル留め器具(10)上の、又は円形外科用ステープル留め器具(10)に対して、任意の適切な位置に設置されてもよいこともまた理解されるであろう。例えば、操作者入力装置(202)は、
図1に示すように、アクチュエータハンドル組立体(70)の任意の部分に位置付けられてもよい。あるいは、操作者入力装置(202)はまた、円形外科用ステープル留め器具(10)から離れた別の場所に位置付けられてもよい(別個のコンソール又はコンピュータに操作者入力装置(202)を位置させることを含み得る)。操作者入力装置(202)はまた、円形外科用ステープル留め器具(10)と無線で通信するコンソール又は装置に位置するだろう。操作者入力装置(202)の他の好適な位置は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。
【0043】
電源(204)は、様々な形態を取り得る。例えば、電源(204)は、ケーブルで器具(10)と連結された外部電源(例えば、壁コンセントなど)を備えていてもよい。電源(204)はまた、駆動組立体(200)にエネルギーを送達するように動作可能なバッテリ又はバッテリパックを(例えば、器具(10)内に)含んでいてもよい。電源(204)はまた、場合によっては、駆動組立体(200)に動力を提供するように動作可能な、無線によるエネルギーを提供してもよい。電源(204)の他の好適な変形例は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。モータ及びカム組立体の例示的な構成部品及び機能について、次でより詳細に説明する。
【0044】
A.第1の例示的なモータ及びカム組立体
図7〜
図11Eは、器具(200)に組み込まれて、ステープルドライバ及びナイフを作動させる、例示的な構成部品を示す。具体的には、モータ(210)は、アクチュエータハンドル組立体(270)内に、ドライバアクチュエータ(264)の近位部分に対して平行に配置される。バレルカム(220)は、シャフト(212)を介して、モータ(210)の遠位端と連結される。モータ(210)の作動により、バレルカム(220)は、モータ(210)によって画定された長手方向軸線(LA1)を中心に回転する。本発明の例のモータ(210)は、アクチュエータハンドル組立体(270)内に配置されているが、モータ(210)は、アクチュエータハンドル組立体(270)の外側に位置してもよいことを理解されたい。例えば、モータ(210)は、アクチュエータハンドル組立体(270)の外側に位置し、可撓性の駆動シャフトを介して、カム(220)と連結されてもよい。
【0045】
図10に最もよく見られるように、バレルカム(220)は、バレルカム(220)の外部表面から突出するリップ(221)を備える。リップ(221)は、環状の傾斜遠位面(222)を備える。傾斜遠位面(222)は、遠位部分(224)及び近位部分(226)を備える。遠位部分(224)及び近位部分(226)は、バレルカム(220)の径方向の反対両側に配置される。遠位部分(224)は、近位部分(226)の長手方向軸線(LA1)に対する長手方向位置よりも遠位側にある、長手方向軸線(LA1)に対する長手方向位置を有する傾斜遠位面(222)の一部分を提示する。傾斜遠位面(222)は、遠位部分(224)と近位部分(226)との間に配置された中間部分(225、227)を更に備える。中間部分(225、227)は、バレルカム(220)の両側に沿った、遠位部分(224)と近位部分(226)との間のほぼ滑らかな移行部を提供するように輪郭付けられる。これにより、空間における固定点に対して、傾斜遠位面(222)の長手方向位置が、近位部分(226)によって提示される近位位置から、遠位部分(224)によって提示される遠位位置へと変化し、バレルカム(220)が1回転すると、また元に戻る。
【0046】
図10に示すように、リップ(221)は、環状の傾斜近位面(232)を更に備える。傾斜近位面(232)及び傾斜遠位面(222)は、平行な輪郭を有する。傾斜近位面(232)は、遠位部分(234)及び近位部分(236)を備える。遠位部分(234)及び近位部分(236)は、バレルカム(220)の径方向の反対両側に配置される。遠位部分(234)は、近位部分(236)の長手方向軸線(LA1)に対する長手方向位置よりも遠位側にある、長手方向軸線(LA1)に対する長手方向位置を有する傾斜近位面(232)の一部分を提示する。傾斜近位面(232)は、遠位部分(234)と近位部分(236)との間に配置された中間部分(235、237)を更に備える。中間部分(235、237)は、バレルカム(220)の両側に沿った、遠位部分(234)と近位部分(236)との間のほぼ滑らかな移行部を提供するように輪郭付けられる。これにより、空間における固定点に対して、傾斜近位面(232)の長手方向位置が、近位部分(236)によって提示される近位位置から、遠位部分(234)によって提示される遠位位置へと変化し、バレルカム(220)が1回転すると、また元に戻ることを理解されたい。
【0047】
図9に示すように、カムフォロア本体(284)は、ピン(289)及びローラ(290)に連結される。ピン(289)は、カムフォロア本体(284)の底部に連結され、かつカムフォロア本体(284)の底部から延在しており、ピン(289)の長手方向への移動により、カムフォロア本体(284)が長手方向に移動する。ローラ(290)は、ピン(289)に回転可能に連結されており、ローラ(290)は、ピン(289)を中心に自由に回転する。以下でより詳細に説明するように、器具(200)の操作中、ローラ(290)は、傾斜遠位面(222)と接触する。
図8及び
図9に示すように、カムフォロア本体(284)は、カムフォロアアーム(287)を更に備える。また、以下でより詳細に説明するように、器具(200)の操作中、カムフォロアアーム(287)は、傾斜近位面(232)に接触する。よって、リップ(221)は、ローラ(290)とカムフォロアアーム(287)との間に摺動可能に配置されることを理解されたい。カムフォロアアーム(287)と傾斜近位面(232)との接触は、バレルカム(220)が回転すると、ローラ(290)が傾斜遠位面(222)と接触したままになるように構成されている。これにより、バレルカム(220)が1回転すると、カムフォロア本体(284)の長手方向位置が、ローラ(290)と傾斜遠位面(222)の近位部分(226)との接触による近位位置から、ローラ(290)と傾斜遠位面(222)の遠位部分(224)との接触による遠位位置へと移動し、次いで、カムフォロアアーム(287)と傾斜近位面(232)の近位部分(236)との接触により、近位位置へと戻ることを理解されたい。
【0048】
例えば、
図11Aに示すように、ローラ(290)は、バレルカム(220)の傾斜遠位面(222)の近位部分(226)と接触する。この位置において、カムフォロア本体(284)及びドライバアクチュエータ(264)は、近位位置にあるため、ステープルドライバは、近位位置に留まっている。
図11Bに示すように、モータ(210)がバレルカム(220)を回転させると、ローラ(290)は、傾斜遠位面(222)と接触したままであり、カムフォロア本体(284)及びドライバアクチュエータ(264)に遠位方向の動作を伝達する。バレルカム(220)が
図11Bに示す位置に回転すると、ローラ(290)は、中間部分(227)を介して、近位部分(226)から遠位部分(224)へと移行する。
図11Cに示すように、バレルカム(220)がおよそ270°まで回転すると、ローラ(290)は、バレルカム(220)の傾斜遠位面(222)の遠位部分(224)に接触する。この位置において、カムフォロア本体(284)及びドライバアクチュエータ(264)は、それぞれ遠位位置にあるため、ステープルドライバが遠位位置へと駆動されており、複数のステープル駆動機構、環状配列のステープル、及びナイフも同様に、遠位側へ駆動される。
図11Dに示すように、モータ(210)がバレルカム(220)を同じ方向に更に回転させると、傾斜近位面(232)は、カムフォロアアーム(287)を介して、カムフォロア本体(284)及びドライバアクチュエータ(264)を近位側へ駆動させる。バレルカム(220)が完全に360°回転すると、傾斜近位面(232)は、
図11Eに示すように、カムフォロアアーム(287)を介して、カムフォロア本体(284)及びドライバアクチュエータ(264)を、完全な近位位置へと戻し、それにより、ステープルドライバ及びナイフも同様に、完全な近位位置へと戻る。バレルカム(220)の全360°の回転のうち、270°がドライバアクチュエータ(264)の遠位方向の動作に、残りの90°がドライバアクチュエータの近位方向の動作に割り当てられているが、任意の他の好適な様式(例えば、180°を遠位方向の動作に、180°を近位方向の動作に、など)で割り当てられてもよいことを理解されたい。遠位側及び近位側への移動の最大範囲は、バレルカム(220)の360°未満の回転において提供され得ることもまた理解されたい。
【0049】
器具(200)の一部の変更例では、アンビル(240)は、破断型ワッシャを含有し、破断型ワッシャは、ナイフが遠位方向の最大の動作範囲に達すると、ナイフによって破断される。場合によっては、これにより、ワッシャは、ナイフがアンビル(240)に向かって完全に前進し終えたことに応じてワッシャが破断すると、アクチュエータハンドル組立体(270)を通じて、可聴的又は触覚的なフィードバックを提供するが、かかる可聴的/触覚的なフィードバックは、必須ではない。ワッシャの存在により、ドライバアクチュエータ(264)を遠位側に前進させるために必要な力の量の急増が提示され得ることを理解されたい。
図42は、ドライバアクチュエータ(264)の遠位側への移動の範囲において、ドライバアクチュエータ(264)が直面する例示的な力のプロファイルを示す。遠位方向の動作の第1の範囲(1300)において、ドライバアクチュエータ(264)は、ナイフが組織を通過すると、荷重又は抵抗力の漸増に直面する。遠位方向の動作の第2の範囲(1310)において、ドライバアクチュエータ(264)は、ナイフがワッシャを通過すると、荷重又は抵抗力の急上昇に直面する。遠位方向の動作の第3の範囲(1320)において、ドライバアクチュエータ(264)は、まず、ワッシャが破断した後、荷重又は抵抗力の急降下に直面し、次いで、ステープル留めヘッド組立体(218)がステープルをアンビル(240)の中へと駆動させて、最終的な高さにステープルを成形させると、急降下に続く荷重又は抵抗力の増加に直面する。上記を鑑みれば、
図11Aに示す位置から、
図11Cに示す位置への移行の間、傾斜遠位面(222)の構成は、ドライバアクチュエータ(264)が自身の遠位側への移動が終わりに達すると、機械的利益が増大し、それによって、ワッシャを破断するためのより大きな力を提供することを更に理解されたい。例えば、ナイフは、ナイフが
図11Bに示す構成に関連する位置から、
図11Cに示す構成に関連する位置へと移動する際にワッシャに接触してもよく、傾斜遠位面(222)は、ナイフ(236)が自身の遠位側への移動の範囲の終わりに達すると、機械的利益が増大し、ワッシャを破断し、ステープルを成形するための、より大きな遠位側への駆動力を提供することができる。当然ながら、変更例によっては、破断型ワッシャを完全に省略してもよい。
【0050】
B.第2の例示的なモータ及びカム組立体
図12は、ステープルドライバ及びナイフを作動させるために器具(200)に組み込こむことができる例示的な代替の構成部品を示す。具体的には、
図12は、以下で説明する相違点を除き、上述したモータ(210)及びバレルカム(220)とほぼ同様に動作するように構成された、例示的な代替のモータ(310)及びバレルカム(320)を示す。モータ(310)及びバレルカム(320)は、バレルカム(320)が1回転することによるカムフォロア本体(384)及びドライバアクチュエータ(364)の移動を介して、ステープルドライバ(図示せず)を遠位側及び近位側へ駆動するように構成されている。カムフォロア本体(384)は、(例えば、カムフォロア本体(384)に形成されるバヨネットスロットを介して)ドライバアクチュエータ(364)に連結される。本発明の例のドライバアクチュエータ(364)は、上述した器具(10)のドライバアクチュエータ(64)とほぼ同様に動作するように構成されている。具体的には、ドライバアクチュエータ(364)の遠位端は、ステープルドライバに連結されており、ドライバアクチュエータ(364)は、モータ(310)がドライバアクチュエータ(364)を長手方向に移動させると、ステープルドライバを作動させる。
【0051】
モータ(310)は、アクチュエータハンドル組立体(図示せず)内に、ドライバアクチュエータ(364)の近位部分と平行に、配置される。バレルカム(320)は、シャフト(312)を介して、モータ(310)と連結される。モータ(310)の作動により、シャフト(312)及びバレルカム(320)は、モータ(310)によって画定された長手方向軸線(LA2)を中心に回転する。
図12に最もよく見られるように、バレルカム(320)は、バレルカム(320)の外部表面から突出するリップ(321)を備える。リップ(321)は、環状の傾斜遠位面(322)を備える。傾斜遠位面(322)は、遠位部分(324)及び近位部分(326)を備える。遠位部分(324)及び近位部分(326)は、バレルカム(320)の径方向の反対両側に配置される。遠位部分(324)は、近位部分(326)の長手方向軸線(LA2)に対する長手方向位置よりも遠位側にある、長手方向軸線(LA2)に対する長手方向位置を有する傾斜遠位面(322)の一部分を提示する。傾斜遠位面(322)は、遠位部分(324)と近位部分(326)との間に配置された中間部分(325、327)を更に備える。中間部分(325、327)は、バレルカム(320)の両側に沿った、遠位部分(324)と近位部分(326)との間のほぼ滑らかな移行部を提供するように輪郭付けられる。これにより、空間における固定点に対して、傾斜遠位面(322)の長手方向位置が、近位部分(326)によって提示される近位位置から、遠位部分(324)によって提示される遠位位置へと変化し、バレルカム(320)が1回転すると、また元に戻る。
【0052】
リップ(321)は、環状の傾斜近位面(332)を更に備える。傾斜近位面(332)及び傾斜遠位面(322)は、平行な輪郭を有する。傾斜近位面(332)は、遠位部分(334)及び近位部分(336)を備える。遠位部分(334)及び近位部分(336)は、バレルカム(320)の径方向の反対両側に配置される。遠位部分(334)は、近位部分(336)の長手方向軸線(LA2)に対する長手方向位置よりも遠位側にある、長手方向軸線(LA2)に対する長手方向位置を有する傾斜近位面(332)の一部分を提示する。傾斜近位面(332)は、遠位部分(334)と近位部分(336)との間に配置された中間部分(335、337)を更に備える。中間部分(335、337)は、バレルカム(320)の両側に沿った、遠位部分(334)と近位部分(336)との間のほぼ滑らかな移行部を提供するように輪郭付けられる。これにより、空間における固定点に対して、傾斜近位面(332)の長手方向位置が、近位部分(336)によって提示される近位位置から、遠位部分(334)によって提示される遠位位置へと変化し、バレルカム(320)が1回転すると、また元に戻る。
【0053】
カムフォロア本体(384)は、アーム(386)及び係合機構(388)を備える。アーム(386)は、カムフォロア本体(384)の底部に固定され、かつカムフォロア本体(384)の底部から延在しており、アーム(386)の長手方向への移動により、カムフォロア本体(384)が長手方向に移動する。係合機構(388)は、アーム(386)に連結される。係合機構(388)は、リップ(321)にまたがっているため、バレルカム(320)が回転しても、係合機構(388)は、リップ(321)と係合した状態であるように構成されている。係合機構(388)とアーム(386)とは、異なる材料を備えていてもよい。例えば、係合機構(388)は、リップ(321)との接触による摩耗を防止するために、より耐久性のある材料を備えていてもよい。また、係合機構(388)は、係合機構(388)とバレルカム(320)のリップ(321)との間の摩擦を低減するように選択された材料を備えていてもよい。係合機構(388)とリップ(321)との間の摩擦の低減をもたらすように使用され得る様々な種類の材料は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。
【0054】
バレルカム(320)が1回転すると、カムフォロア本体(384)及びドライバアクチュエータ(364)の長手方向位置は、係合機構(388)とリップ(321)の遠位部分(324)との接触により、バレルカム(320)が270°回転し終えると、近位位置から遠位位置へと移動し、バレルカム(320)が360°回転し終えると、係合機構(388)とリップ(321)の近位部分(326)との接触により、再度近位位置へと戻る。これにより、バレルカム(320)の1回の回転によって、カムフォロア本体(384)、ドライバアクチュエータ(364)、及びステープルドライバは、近位位置から遠位位置へと長手方向に移動し、また元に戻ることを理解されたい。このカムフォロア本体(384)の、近位位置から遠位位置へと移動し、また元に戻るという移動により、ステープルドライバ及びナイフも同様に、ドライバアクチュエータ(364)を介して、遠位側及び近位側へ駆動される。バレルカム(320)の全360°の回転のうち、270°がドライバアクチュエータ(364)の遠位方向の動作に、残りの90°がドライバアクチュエータの近位方向の動作に割り当てられているが、任意の他の好適な様式(例えば、180°を遠位方向の動作に、180°を近位方向の動作に、など)で割り当てられてもよいことを理解されたい。遠位側及び近位側への移動の最大範囲は、バレルカム(320)の360°未満の回転において提供され得ることもまた理解されたい。
【0055】
器具(10)の一部の変更例は、
図42を参照して上述した通り、破断型ワッシャを含有し、破断型ワッシャは、ナイフが遠位方向の最大の動作範囲に達すると、ナイフによって破断される。傾斜遠位面(322)の構成は、ナイフが自身の遠位側への移動の終わりに達すると、機械的利益が増大し、それによって、ワッシャを破断し、ステープルを成形するための、より大きな力を提供することを更に理解されたい。繰り返しになるが、変更例によっては、破断型ワッシャを完全に省略してもよい。
【0056】
C.第3の例示的なモータ及びカム組立体
図13は、ステープルドライバ及びナイフを作動させるために器具(200)に組み込こむことができる他の例示的な代替の構成部品を示す。具体的には、
図13は、以下で説明する相違点を除き、上述したモータ(210)及びバレルカム(220)とほぼ同様に動作するように構成された、例示的な代替のモータ(410)及びバレルカム(420)を示す。具体的には、モータ(410)及びバレルカム(420)は、バレルカム(420)が1回転することによるカムフォロア本体(484)及びドライバアクチュエータ(464)の移動を介して、ステープルドライバ(図示せず)を遠位側及び近位側へ駆動するように構成されている。カムフォロア本体(484)は、(例えば、カムフォロア本体(484)に形成されるバヨネットスロットを介して)ドライバアクチュエータ(464)に連結される。本発明の例のドライバアクチュエータ(464)は、上述した器具(10)のドライバアクチュエータ(64)とほぼ同様に動作するように構成されている。具体的には、ドライバアクチュエータ(464)の遠位端は、ステープルドライバに連結されており、ドライバアクチュエータ(464)は、モータ(410)がドライバアクチュエータ(464)を長手方向に移動させると、ステープルドライバを作動させる。
【0057】
モータ(410)は、アクチュエータハンドル組立体(図示せず)内に、ドライバアクチュエータ(464)の近位部分と平行に、配置される。バレルカム(420)は、シャフト(412)を介して、モータ(410)と連結される。モータ(410)の作動により、シャフト(412)及びバレルカム(420)は、モータ(410)によって画定された長手方向軸線(LA3)を中心に回転する。バレルカム(420)は、バレルカム(420)の外部内に環状の傾斜チャネル(422)を画定する。傾斜チャネル(422)は、遠位部分(424)及び近位部分(426)を備える。遠位部分(424)及び近位部分(426)は、バレルカム(420)の径方向の反対両側に配置される。遠位部分(424)は、近位部分(426)の長手方向軸線(LA3)に対する長手方向位置よりも遠位側にある、長手方向軸線(LA3)に対する長手方向位置を有する傾斜チャネル(422)の一部分を提示する。傾斜チャネル(422)は、遠位部分(424)と近位部分(426)との間に配置された中間部分(425、427)を更に備える。中間部分(425、427)は、バレルカム(420)の両側に沿った、遠位部分(424)と近位部分(426)との間のほぼ滑らかな移行部を提供するように輪郭付けられる。これにより、空間における固定点に対して、傾斜チャネル(422)の長手方向位置が、近位部分(426)によって提示される近位位置から、遠位部分(424)によって提示される遠位位置へと変化し、バレルカム(420)が1回転すると、また元に戻る。
【0058】
カムフォロア本体(484)は、アーム(486)を備える。アーム(486)は、カムフォロア本体(484)に固定されており、アーム(486)の長手方向への移動により、カムフォロア本体(484)が長手方向に移動する。アーム(486)は、傾斜チャネル(422)内に摺動可能に配置され、バレルカム(420)が回転すると、傾斜チャネル(422)内に留まるように構成されている。これにより、バレルカム(420)が1回転すると、カムフォロア本体(484)及びドライバアクチュエータ(464)の長手方向位置は、係合機構(488)と傾斜チャネル(422)の遠位部分(424)との接触により、バレルカム(420)が270°回転し終えると、近位位置から遠位位置へと移動し、バレルカム(420)が360°回転し終えると、係合機構(488)と傾斜チャネル(422)の近位部分(426)との接触により、再度近位位置へと戻ることを理解されたい。これにより、カムフォロア本体(484)、ドライバアクチュエータ(464)、及びステープルドライバは、バレルカム(420)の1回の回転によって、近位位置から遠位位置へと長手方向に移動し、また元に戻る。このカムフォロア本体(484)の、近位位置から遠位位置へと移動し、また元に戻るという移動により、ステープルドライバ及びナイフも同様に、ドライバアクチュエータ(464)を介して、遠位側及び近位側へ駆動される。バレルカム(420)の全360°の回転のうち、270°がドライバアクチュエータ(464)の遠位方向の動作に、残りの90°がドライバアクチュエータの近位方向の動作に割り当てられているが、任意の他の好適な様式(例えば、180°を遠位方向の動作に、180°を近位方向の動作に、など)で割り当てられてもよいことを理解されたい。遠位側及び近位側への移動の最大範囲は、バレルカム(420)の360°未満の回転において提供され得ることもまた理解されたい。
【0059】
器具(10)の一部の変更例は、
図42を参照して上述した通り、破断型ワッシャを含有し、破断型ワッシャは、ナイフが遠位方向の最大の動作範囲に達すると、ナイフによって破断される。傾斜チャネル(422)の構成は、ナイフが自身の遠位側への移動の終わりに達すると、機械的利益が増大し、それによって、ワッシャを破断し、ステープルを成形するための、より大きな力を提供することを更に理解されたい。繰り返しになるが、変更例によっては、破断型ワッシャを完全に省略してもよい。
【0060】
D.第4の例示的なモータ及びカム組立体
図14〜
図17は、ステープルドライバ及びナイフを作動させるために器具(200)に組み込むことができる追加の例示的な代替の構成部品を示す。具体的には、
図16A〜
図16Eは、アクチュエータハンドル組立体(570)内に、ドライバアクチュエータ(564)の近位部分と平行に配置される、モータ(510)を示す。
図14及び
図15に最もよく見られるように、カム(520)は、モータ(510)から遠位側に延在するシャフト(512)上に、偏心的に取り付けられる。モータ(510)の作動により、カム(520)は、モータ(510)によって画定された長手方向軸線(LA4)を中心に回転する。以下でより詳細に説明するように、カム(520)は、カム(520)の外部表面にあるチャネル(522)を画定する。
図12及び
図13に最もよく見られるように、チャネル(522)は、第1の部分(524)及び第2の部分(526)を備える。第1の部分(524)及び第2の部分(526)は、カム(520)の径方向の反対両側に配置される。第1の部分(524)は、長手方向軸線(LA4)からの半径距離を有するチャネル(522)の一部分を提示しており、その半径距離は、長手方向軸線(LA4)からの第2の部分(526)の半径距離よりも長い。
【0061】
チャネル(522)は、第1の部分(524)と第2の部分(526)との間に配置された中間部分(525、527)を更に備える。中間部分(525、527)は、カム(520)の両側に沿った、第1の部分(524)と第2の部分(526)との間のほぼ滑らかな移行部を提供するように輪郭付けられる。これにより、空間における固定点に対して、チャネル(522)の底部から長手方向軸線(LA4)までの半径距離が、第2の部分(526)によって提示されるより短い半径距離から、第1の部分(524)によって提示されるより長い半径距離へと変化し、カム(520)が1回転すると、また元に戻ることを理解されたい。
【0062】
図14及び
図16A〜
図16Eに示すように、フォロアインターフェイス機構(follower interface feature)(584)は、旋回カムフォロア(590)と連結される。ハンドル組立体(570)は、ピボットピン(572)を備えており、カムフォロア(590)は、カムフォロア(590)がピボットピン(572)を中心に自由に回転できるように、ピボットピン(572)に対して回転可能に連結される。カムフォロア(590)の第1の部分(592)は、チャネル(522)内に摺動可能に配置される。カムフォロア(590)の第1の部分(592)の自由端は、カム(520)が回転すると、第1の部分(592)をチャネル(522)内に留まらせるように構成された係合機構(591)を画定する。
図17は、係合機構(591)の1つの例示的な変更例を示す。具体的には、
図17は、第1のカム本体部分(520A)及び第2のカム本体部分(520B)を備えるカム(520)を示す。チャネル(522)は、カム本体部分(520A、520B)の間に形成される。このようにして、第1及び第2のカム本体部分(520A、520B)がカム(520)を形成するために組み立てられる際、係合機構(591)をチャネル(522)内に捕捉しておくことができる。第1のカム本体部分(520A)によって形成されるチャネル(522)の部分は、チャネル(522)内に突出するリップ(523)を画定し、それによって、チャネル(522)の外部開口部(519)を制限する。係合機構(591)は、チャネル(522)の外部開口部(519)よりも大きいため、カム(520)が回転すると、チャネル(522)内に留まる。
【0063】
これにより、カム(520)が1回転すると、係合機構(591)から長手方向軸線(LA4)までの半径距離は、第2の部分(526)によって生じたより短い半径距離から、第1の部分(524)によって生じたより長い半径距離へと変化し、また元に戻る。この係合機構(591)の半径距離の変化、及びこれによるカムフォロア(590)の第1の部分(592)の自由端の変化により、カムフォロア(590)は、ピボットピン(572)を中心に、第1の位置から第2の位置へと回転し、また元に戻る。以下でより詳細に説明するように、リップ(523)は、係合機構(591)をチャネル(522)内で駆動させるように更に動作可能であり、その結果、カムフォロア(590)がピボットピン(572)を中心に、反時計回りに回転することによって、フォロアインターフェイス機構(584)、ドライバアクチュエータ(564)、及びステープルドライバを近位側に後退させる。
【0064】
カムフォロア(590)の第2の部分(594)は、スロット(593)を提示する。フォロアインターフェイス機構(584)は、フォロアインターフェイス機構(584)から短手方向に延在するピン(589)を備える。ピン(589)は、スロット(593)内に摺動可能かつ回転可能に配置されており、それによって、カムフォロア(590)は、フォロアインターフェイス機構(584)と連結され、また更に、カムフォロア(590)がピボットピン(572)を中心に回転すると、フォロアインターフェイス機構(584)は、長手方向に移動する。フォロアインターフェイス機構(584)は、(例えば、フォロアインターフェイス機構(584)に形成されるバヨネットスロットを介して)ドライバアクチュエータ(564)に連結される。ドライバアクチュエータ(564)は、ステープルドライバ及びナイフに連結されており、フォロアインターフェイス機構(584)の長手方向への移動によって、ステープルドライバ及びナイフを作動させる。よって、カム(520)が全回転の第1の部分にわたり回転すると、カムフォロア(590)は、第1の位置から第2の位置へと時計回りに回転し、それによって、フォロアインターフェイス機構(584)を第1の長手方向位置から第2の長手方向位置へと遠位側に移動させ、かつ、カム(520)が全回転の残りの部分にわたり回転すると、カムフォロア(590)は、第2の位置から第1の位置へと反時計回りに回転して戻り、それによって、フォロアインターフェイス機構(584)を第2の長手方向位置から第1の長手方向位置へと近位側に移動させて戻すことを理解されたい。このフォロアインターフェイス機構(584)の、第1の長手方向位置から第2の長手方向位置へと移動し、また元に戻るという移動により、ステープルドライバが、ドライバアクチュエータ(564)を介して、近位位置から遠位位置へと駆動され、また元に戻される。
【0065】
図16Aは、カム(520)のチャネル(522)の第2の部分(526)に係合された、カムフォロア(590)の係合機構(591)を示す。この位置において、カムフォロア(590)は、第1の位置にあり、フォロアインターフェイス機構(584)は、近位位置にあるため、ステープルドライバは、近位位置に留まっている。
図16Bに示すように、モータ(510)がカム(520)を回転させると、係合機構(591)は、チャネル(522)内に係合した状態であり、係合機構(591)は、中間部分(525)を介して、チャネル(522)の第2の部分(526)への係合からチャネル(522)の第1の部分(524)への係合へと移行する。係合機構(591)が第2の部分(526)から第1の部分(524)へと移行すると、係合機構(591)と中間部分(527)との接触により、カムフォロア(590)は、ピボットピン(572)を中心に、第1の位置から第2の位置へと向かって時計回りに回転する。カムフォロア(590)が第2の位置に向かって時計回りに回転すると、フォロアインターフェイス機構(584)及びドライバアクチュエータ(564)は、遠位側へ駆動される。
【0066】
図16Cに示すように、カム(520)が180°回転し終えると、係合機構(591)は、カム(520)のチャネル(522)の第1の部分(524)と係合する。この位置において、カムフォロア(590)は、第2の位置へと完全に回転しており、フォロアインターフェイス機構(584)及びドライバアクチュエータ(564)は、遠位位置にあるため、ステープルドライバは、遠位位置へと駆動されており、複数のステープル駆動機構、環状配列のステープル、及びナイフは、遠位側へ駆動される。
図16Dに示すように、モータ(510)がカム(520)を更に同一の方向に回転し続けても、係合機構(591)は、リップ(523)により、チャネル(522)と係合した状態である。カム(520)が更に回転すると、係合機構(591)は、中間部分(525)を介して、第1の部分(524)から第2の部分(526)へと移行する。係合機構(591)が第1の部分(524)から第2の部分(526)に移行すると、係合機構(591)とリップ(523)との接触により、カムフォロア(590)は、ピボットピン(572)を中心に、第2の位置から第1の位置に向かって反時計回りに回転して戻る。カムフォロア(590)が第1の位置に向かって反時計回りに回転して戻ると、カムフォロア(590)は、フォロアインターフェイス機構(584)及びドライバアクチュエータ(564)を近位側へ引く。カム(520)が360°回転し終えるように、カム(520)が更に回転すると、係合機構(591)は、中間部分(525)を介して、第1の部分(524)から第2の部分(526)へと移行して戻り、その結果、フォロアインターフェイス機構(584)及びドライバアクチュエータ(564)は、
図16Eに示すように、近位位置へと戻る。
【0067】
図15に最もよく見られるように、中間部分(525)と中間部分(527)とは、異なる輪郭を有する。これらの異なる輪郭は、第1の部分(524)から第2の部分(526)によって提示される、チャネル(522)の外向きのカム作用表面から長手方向軸線(LA4)までの半径距離の異なる変化率を表し、その逆もまた同様である。具体的には、中間部分(525)は、第2の部分(526)によって提示される半径距離から第1の部分(524)によって提示される半径距離までの、より緩やかな変化率を表す一方、中間部分(527)は、第1の部分(524)によって提示される半径距離から第2の部分(526)によって提示される半径距離までの、より急速な変化率を表しているが、カム(520)の回転する方向によって、その逆もまた同様である。これらの異なる変化率は、カムフォロア(590)を介して、フォロアインターフェイス機構(584)、ドライバアクチュエータ(564)、及びステープルドライバに伝えられるため、フォロアインターフェイス機構(584)、ドライバアクチュエータ(564)、及びステープルドライバの長手方向への移動率も異なることを理解されたい。例えば、中間部分(525)は、ドライバアクチュエータ(564)の比較的遅い割合の遠位側への前進を提供できる一方、中間部分(527)は、ドライバアクチュエータ(564)の比較的急速な割合の近位側への後退を提供する。当然ながら、これらの割合は、任意の好適な方法によって、更に変化してもよい。
【0068】
カム(520)の全360°の回転のうち、180°がドライバアクチュエータ(564)の遠位方向の動作に、残りの180°がドライバアクチュエータの近位方向の動作に割り当てられているが、任意の他の好適な様式(例えば、270°を遠位方向の動作に、90°を近位方向の動作に、など)で割り当てられてもよいことを理解されたい。遠位側及び近位側への移動の最大範囲は、カム(520)の360°未満の回転において提供され得ることもまた理解されたい。
【0069】
器具(10)の一部の変更例は、
図42を参照して上述した通り、破断型ワッシャを含有し、破断型ワッシャは、ナイフが遠位方向の最大の動作範囲に達すると、ナイフによって破断される。チャネル(522)の構成は、ナイフが自身の遠位側への移動の終わりに達すると、機械的利益が増大し、それによって、ワッシャを破断し、ステープルを成形するための、より大きな力を提供することを更に理解されたい。繰り返しになるが、変更例によっては、破断型ワッシャを完全に省略してもよい。
【0070】
E.第5の例示的な代替のモータ及びカム組立体
図18〜
図20は、ステープルドライバ及びナイフを作動させるために器具(200)に組み込むことができる更なる例示的な代替の構成部品を示す。具体的には、
図18〜
図20は、以下で説明する相違点を除き、上述したモータ(510)及びカム(520)とほぼ同様に動作するように構成された、例示的な代替のモータ(610)及びカム(620)を示す。モータ(610)及びカム(620)は、カム(620)が1回転することによるドライバアクチュエータ(664)及びフォロアインターフェイス機構(684)の移動を介して、ステープルドライバ(図示せず)を遠位側及び近位側へ駆動するように構成されている。
【0071】
図18に示すように、モータ(610)は、アクチュエータハンドル組立体(図示せず)内に、ドライバアクチュエータ(664)の近位部分と平行に、配置される。カム(620)は、シャフト(612)を介して、モータ(610)の遠位端と連結される。モータ(610)の作動により、カム(620)は、モータ(610)によって画定された長手方向軸線(LA5)を中心に回転する。
図17に最もよく見られるように、カムチャネル(622)は、カム(620)の遠位面(621)内に画定される。カムチャネル(622)は、長手方向軸線(LA5)の周りに、偏心的に位置付けられる。カムチャネル(622)は、第1の部分(624)及び第2の部分(626)を備える。第1の部分(624)及び第2の部分(626)は、カムチャネル(622)の径方向の反対両側に配置される。第1の部分(624)は、長手方向軸線(LA5)からの半径距離を有するカムチャネル(622)の一部分を提示しており、その半径距離は、長手方向軸線(LA5)からの第2の部分(626)の半径距離よりも長い。
【0072】
カムチャネル(622)は、第1の部分(624)と第2の部分(626)との間に配置された中間部分(625、627)を更に備える。中間部分(625、627)は、カムチャネル(622)の両側に沿った、第1の部分(624)と第2の部分(626)との間のほぼ滑らかな移行部を提供するように輪郭付けられる。これにより、空間における固定点に対して、チャネル(622)の底部から長手方向軸線(LA5)までの半径距離が、第2の部分(626)によって提示されるより短い半径距離から、第1の部分(624)によって提示されるより長い半径距離へと変化し、カム(620)が全回転すると、また元に戻る。
【0073】
図18に示すように、フォロアインターフェイス機構(684)は、旋回カムフォロア(690)を備える。ハンドル組立体は、ピボットピン(672)を備えており、カムフォロア(690)は、カムフォロア(690)がピボットピン(672)を中心に自由に回転できるように、ピボットピン(672)に対して回転可能に連結される。カムフォロア(690)の第1の部分(692)は、カムチャネル(622)内に摺動可能に配置される。カムフォロア(690)の第1の部分(692)の自由端は、カム(620)が回転すると、第1の部分(692)をカムチャネル(622)内に留まらせるように構成された係合機構(691)を画定する。
図20は、係合機構(691)の1つの例示的な変更例を示す。具体的には、
図20は、第1のカム本体部分(620A)及び第2のカム本体部分(620B)を備えるカム(620)を示す。カムチャネル(622)は、第1のカム本体部分(620A)と第2のカム本体部分(620B)との間に形成される。このようにして、第1のカム本体部分(620A)及び第2のカム本体部分(620B)がカム(620)を形成するために組み立てられる際、係合機構(691)をカムチャネル(622)内に捕捉しておくことができる。第1のカム本体部分(620A)によって形成されるカムチャネル(622)の部分は、カムチャネル(622)内に突出するリップ(623)を画定し、それによって、カムチャネル(622)の外部開口部(619)を制限する。係合機構(691)は、カムチャネル(622)の外部開口部(619)よりも大きいため、カム(620)が回転すると、カムチャネル(622)内に留まる。
【0074】
これにより、カム(620)が1回転すると、係合機構(691)から長手方向軸線(LA5)までの半径距離は、第2の部分(626)によって生じたより短い半径距離から、第1の部分(624)によって生じたより長い半径距離へと変化し、また元に戻る。この係合機構(691)の半径距離の変化、及びこれによるカムフォロア(690)の第1の部分(692)の近位端の変化により、カムフォロア(690)は、ピボットピン(672)を中心に、第1の位置から第2の位置へと回転し、また元に戻る。以下でより詳細に説明するように、リップ(623)は、係合機構(691)をカムチャネル(622)内で駆動させるように更に動作可能であり、その結果、カムフォロア(690)がピボットピン(672)を中心に、時計回りに回転することによって、フォロアインターフェイス機構(684)、ドライバアクチュエータ(664)、及びステープルドライバを遠位側に駆動させる。また、以下でより詳細に説明するように、カムチャネル(622)の内側に提示された表面(629)は、係合機構(691)をカムチャネル(622)内で駆動させるように動作可能であり、その結果、カムフォロア(690)がピボットピン(672)を中心に、反時計回りに回転することによって、フォロアインターフェイス機構(684)、ドライバアクチュエータ(664)、及びステープルドライバを近位側に後退させる。
【0075】
カムフォロア(690)の第2の部分(694)は、スロット(693)を提示する。フォロアインターフェイス機構(684)は、フォロアインターフェイス機構(684)から短手方向に延在するピン(689)を備える。ピン(689)は、スロット(693)内に摺動可能かつ回転可能に配置されており、それによって、カムフォロア(690)は、フォロアインターフェイス機構(684)と連結され、また更に、カムフォロア(690)がピボットピン(672)を中心に回転すると、フォロアインターフェイス機構(684)は、長手方向に移動する。カム(620)が1回転すると、フォロアインターフェイス機構(684)及びドライバアクチュエータ(664)の長手方向位置は、係合機構(691)とリップ(623)との第1の部分(624)における接触により、カム(620)が180°回転し終えると、近位位置から遠位位置へと移動し、カム(620)が360°回転し終えると、係合機構(691)とカムチャネル(622)の内側に提示された表面(629)との第2の部分(626)における接触により、再度近位位置へと戻る。よって、カム(620)が全回転の第1の部分にわたり回転すると、カムフォロア(690)は、第1の位置から第2の位置へと時計回りに回転し、それによって、フォロアインターフェイス機構(684)を第1の長手方向位置から第2の長手方向位置へと遠位側に移動させ、かつ、カム(620)が全回転の残りの部分にわたり回転すると、カムフォロア(690)は、第2の位置から第1の位置へと反時計回りに回転して戻り、それによって、フォロアインターフェイス機構(684)を第2の長手方向位置から第2の長手方向位置へと近位側に移動させて戻すことを理解されたい。このフォロアインターフェイス機構(684)の、第1の長手方向位置から第2の長手方向位置へと移動し、また元に戻るという移動により、ステープルドライバが、ドライバアクチュエータ(664)を介して、近位位置から遠位位置へと駆動され、また元に戻される。
【0076】
図19に最もよく見られるように、中間部分(625)と中間部分(627)とは、異なる輪郭を有する。これらの異なる輪郭は、第1の部分(624)から第2の部分(626)によって提示される、チャネル(622)から長手方向軸線(LA5)までの半径距離の異なる変化率を示し、その逆もまた同様である。具体的には、中間部分(625)は、第2の部分(626)によって提示される半径距離から第1の部分(624)によって提示される半径距離までの、より緩やかな変化率を表す一方、中間部分(627)は、第1の部分(624)によって提示される半径距離から第2の部分(626)によって提示される半径距離までの、より急速な変化率を表しているが、カム(620)の回転する方向によって、その逆もまた同様である。これらの異なる変化率は、カムフォロア(690)を介して、フォロアインターフェイス機構(684)、ドライバアクチュエータ(664)、及びステープルドライバに伝えられるため、フォロアインターフェイス機構(684)、ドライバアクチュエータ(664)、及びステープルドライバの長手方向への移動率も異なることを理解されたい。例えば、中間部分(625)は、ドライバアクチュエータ(664)の比較的遅い割合の遠位側への前進を提供できる一方、中間部分(627)は、ドライバアクチュエータ(664)の比較的急速な割合の近位側への後退を提供する。当然ながら、これらの割合は、任意の好適な方法によって、更に変化してもよい。
【0077】
カム(620)の全360°の回転のうち、180°がドライバアクチュエータ(664)の遠位方向の動作に、残りの180°がドライバアクチュエータの近位方向の動作に割り当てられているが、任意の他の好適な様式(例えば、270°を遠位方向の動作に、90°を近位方向の動作に、など)で割り当てられてもよいことを理解されたい。遠位側及び近位側への移動の最大範囲は、バレルカム(620)の360°未満の回転において提供され得ることもまた理解されたい。
【0078】
器具(10)の一部の変更例は、
図42を参照して上述した通り、破断型ワッシャを含有し、破断型ワッシャは、ナイフが遠位方向の最大の動作範囲に達すると、ナイフによって破断される。チャネル(622)の構成は、ナイフが自身の遠位側への移動の終わりに達すると、機械的利益が増大し、それによって、ワッシャを破断し、ステープルを成形するための、より大きな力を提供することを更に理解されたい。繰り返しになるが、変更例によっては、破断型ワッシャを完全に省略してもよい。
【0079】
F.第6の例示的な代替のモータ及びカム組立体
図21〜
図23は、ステープルドライバ及びナイフを作動させるために器具(200)に組み込むことができる尚更なる例示的な代替の構成部品を示す。具体的には、
図21〜
図23は、以下で説明する相違点を除き、上述したモータ(510)及びカム(520)とほぼ同様に動作するように構成された、例示的な代替のモータ(710)及びカム(720)を示す。モータ(710)及びカム(720)は、カム(720)が1回転することによるドライバアクチュエータ(764)及びフォロアインターフェイス機構(784)の移動を介して、ステープルドライバ(図示せず)を遠位側及び近位側へ駆動するように構成されている。
【0080】
図21に示すように、モータ(710)は、アクチュエータハンドル組立体(図示せず)内に、ドライバアクチュエータ(764)の近位部分と平行に、配置される。カム(720)は、モータ(710)から遠位側に延在するシャフト(712)上に、偏心的に取り付けられる。モータ(710)の作動により、カム(720)は、モータ(710)によって画定された長手方向軸線(LA6)を中心に回転する。
図19に最もよく見られるように、カム突出部(722)は、カム(720)の遠位面(723)から延在する。
【0081】
カム突出部(722)は、第1の部分(724)及び第2の部分(726)を備える。第1の部分(724)及び第2の部分(726)は、カム突出部(722)の両側に配置される。第1の部分(724)は、長手方向軸線(LA6)からの半径距離を有するカム突出部(722)の一部分を提示しており、その半径距離は、長手方向軸線(LA6)からの第2の部分(726)の半径距離よりも長い。カム突出部(722)は、第1の部分(724)と第2の部分(726)との間に配置された中間部分(725、727)を更に備える。中間部分(725、727)は、カム突出部(722)の両側に沿った、第1の部分(724)と第2の部分(726)との間のほぼ滑らかな移行部を提供するように輪郭付けられる。これにより、空間における固定点に対して、押出部(722)から長手方向軸線(LA6)までの半径距離が、第2の部分(726)によって提示されるより短い半径距離から、第1の部分(724)によって提示されるより長い半径距離へと変化し、カム(720)が1回転すると、また元に戻ることを理解されたい。
【0082】
図21に示すように、フォロアインターフェイス機構(784)は、旋回カムフォロア(790)を備える。ハンドル組立体は、ピボットピン(772)を備えており、カムフォロア(790)は、カムフォロア(790)がピボットピン(772)を中心に自由に回転できるように、ピボットピン(772)に対して回転可能に連結される。カムフォロア(790)の第1の部分(792)は、カム突出部(722)と摺動可能に係合される。カムフォロア(790)の第1の部分(792)の自由端は、カム(720)が回転すると、第1の部分(792)をカム突出部(722)と係合した状態であるように構成された係合機構(791)を画定する。
図23は、係合機構(791)の1つの例示的な変更例を示す。具体的には、
図23は、カム突出部(722)から内側に突出するリップ(721)を備えたカム突出部(722)を示す。係合機構(791)は、リップ(721)及びカム突出部(722)の外部表面の周りに連結するように構成されており、係合機構(791)は、カム(720)が回転すると、カム突出部(722)と係合した状態となる。具体的には、係合機構(791)は、カム突出部(722)の外側に配置された第1のフィンガ(795A)と、カム突出部(722)の内側に配置された第2のフィンガ(795B)とを備える。よって、カム(720)が1回転すると、係合機構(791)から長手方向軸線(LA6)までの半径距離は、第2の部分(726)によって生じたより短い半径距離から、第1の部分(724)によって生じたより長い半径距離へと変化し、また元に戻ることを理解されたい。この係合機構(791)の半径距離の変化、及びこれによるカムフォロア(790)の第1の部分(792)の近位端の変化により、カムフォロア(790)は、ピボットピン(772)を中心に、第1の位置から第2の位置へと回転し、また元に戻る。
【0083】
以下でより詳細に説明するように、第1のフィンガ(795A)は、係合機構(791)を駆動させるように動作可能であり、カムフォロア(790)がピボットピン(772)を中心に時計回りに回転することによって、フォロアインターフェイス機構(784)、ドライバアクチュエータ(764)、及びステープルドライバを遠位側に駆動させる。また、以下でより詳細に説明するように、第2のフィンガ(795B)は、係合機構(791)を駆動させるように動作可能であり、カムフォロア(790)がピボットピン(772)を中心に反時計回りに回転することによって、フォロアインターフェイス機構(784)、ドライバアクチュエータ(764)、及びステープルドライバを近位側に後退させる。
【0084】
カムフォロア(790)の第2の部分(794)は、スロット(793)を画定する。フォロアインターフェイス機構(784)は、フォロアインターフェイス機構(784)から短手方向に延在するピン(789)を備える。ピン(789)は、スロット(793)内に摺動可能かつ回転可能に配置されており、カムフォロア(790)は、フォロアインターフェイス機構(784)と連結され、また更に、カムフォロア(790)がピボットピン(772)を中心に回転すると、フォロアインターフェイス機構(784)は、長手方向に移動する。カム(720)が1回転すると、フォロアインターフェイス機構(784)及びドライバアクチュエータ(764)の長手方向位置は、係合機構(791)の第1のフィンガ(795A)とカム突出部(722)の外部表面との第1の部分(724)における接触により、カム(720)が180°回転し終えると、近位位置から遠位位置へと移動し、カム(720)が360°回転し終えると、係合機構(791)の第2のフィンガ(795B)とカム突出部(772)の内部表面との第2の部分(726)における接触により、再度近位位置へと戻る。よって、カム(720)が1回転すると、カムフォロア(790)は、第1の位置から第2の位置へと時計回りに回転し、次いで第2の位置から第1の位置へと反時計回りに回転するため、フォロアインターフェイス機構(784)が第1の長手方向位置から第2の長手方向位置へと移動し、また元に戻ることを理解されたい。このフォロアインターフェイス機構(784)の、第1の長手方向位置から第2の長手方向位置へと移動し、また元に戻るという移動により、ステープルドライバ及びナイフが、ドライバアクチュエータ(764)を介して、近位位置から遠位位置へと駆動され、また元に戻される。これにより、フォロアインターフェイス機構(784)、ドライバアクチュエータ(764)、及びステープルドライバは、バレルカム(720)の1回の回転によって、近位位置から遠位位置へと長手方向に移動し、また元に戻る。このフォロアインターフェイス機構(784)の、近位位置から遠位位置へと移動し、また元に戻るという移動により、ステープルドライバ及びナイフが、ドライバアクチュエータ(764)を介して、遠位側及び近位側へ駆動される。
【0085】
図22に最もよく見られるように、中間部分(725)と中間部分(727)とは、異なる輪郭を有する。これらの異なる輪郭は、第1の部分(724)から第2の部分(726)によって提示される、カム突出部(722)から長手方向軸線(LA6)までの半径距離の異なる変化率を示し、その逆もまた同様である。具体的には、中間部分(725)は、第2の部分(726)によって提示される半径距離から第1の部分(724)によって提示される半径距離までの、より緩やかな変化率を表す一方、中間部分(727)は、第1の部分(724)によって提示される半径距離から第2の部分(726)によって提示される半径距離までの、より急速な変化率を表しているが、カム(720)の回転する方向によって、その逆もまた同様である。これらの異なる変化率は、カムフォロア(790)を介して、フォロアインターフェイス機構(784)、ドライバアクチュエータ(764)、及びステープルドライバに伝えられるため、フォロアインターフェイス機構(784)、ドライバアクチュエータ(764)、及びステープルドライバの長手方向への移動率も異なることを理解されたい。例えば、中間部分(725)は、ドライバアクチュエータ(764)の比較的遅い割合の遠位側への前進を提供できる一方、中間部分(727)は、ドライバアクチュエータ(764)の比較的急速な割合の近位側への後退を提供する。当然ながら、これらの割合は、任意の好適な方法によって、更に変化してもよい。
【0086】
カム(720)の全360°の回転のうち、180°がドライバアクチュエータ(764)の遠位方向の動作に、残りの180°がドライバアクチュエータの近位方向の動作に割り当てられているが、任意の他の好適な様式(例えば、270°を遠位方向の動作に、90°を近位方向の動作に、など)で割り当てられてもよいことを理解されたい。遠位側及び近位側への移動の最大範囲は、バレルカム(720)の360°未満の回転において提供され得ることもまた理解されたい。
【0087】
器具(10)の一部の変更例は、
図42を参照して上述した通り、破断型ワッシャを含有し、破断型ワッシャは、ナイフが遠位方向の最大の動作範囲に達すると、ナイフによって破断される。カム突出部(722)の構成は、ナイフが自身の遠位側への移動の終わりに達すると、機械的利益が増大し、それによって、ワッシャを破断し、ステープルを成形するための、より大きな力を提供することを更に理解されたい。繰り返しになるが、変更例によっては、破断型ワッシャを完全に省略してもよい。
【0088】
G.第7の例示的な代替のモータ及びカム組立体
図24A及び
図24Bは、ステープルドライバ及びナイフを作動させるために器具(200)に組み込むことができる更なる追加の例示的な代替の構成部品を示す。具体的には、
図24A及び
図24Bは、複数カム組立体(820)が1回転することによるドライバアクチュエータ(864)及びフォロアインターフェイス機構(884)の移動を介して、ステープルドライバ(図示せず)を遠位側及び近位側へ駆動するように構成された、例示的な代替のモータ(810)及び複数カム組立体(820)を示す。モータ(810)は、アクチュエータハンドル組立体(図示せず)内に、ドライバアクチュエータ(864)の近位部分と平行に、配置される。複数カム組立体(820)は、モータ(810)の遠位端と連結される。モータ(810)の作動により、複数カム組立体(820)は、モータ(810)によって画定された長手方向軸線(LA7)を中心に回転する。複数カム組立体(820)は、シャフト(821)と、長手方向軸線(LA7)に沿った異なる長手方向位置においてシャフト(821)に固定された一対のカム(822A、822B)とを備える。カム(822A、822B)は、
図24A及び
図24Bでは、シャフト(821)に沿って長手方向に互いから離間しているように示されているが、カム(822A、822B)は、むしろ長手方向に互いに(例えば、カム(822A、822B)の間に長手方向の間隙がないように)隣接していてもよいことを理解されたい。
【0089】
第1のカム(822A)は、第1の部分(824A)及び第2の部分(826A)を備える。第1の部分(824A)及び第2の部分(826A)は、第1のカム(822A)の径方向の反対両側に配置される。第1の部分(824A)は、長手方向軸線(LA7)からの半径距離を有する第1のカム(822A)の一部分を提示しており、その半径距離は、長手方向軸線(LA7)からの第2の部分(826A)の半径距離よりも長い。第1のカム(822A)は、第1の部分(824A)と第2の部分(826A)との間に配置された中間部分(825A、827A)を更に備える。中間部分(825A、827A)は、カム(822B)の両側に沿った、第1の部分(824A)と第2の部分(826A)との間のほぼ滑らかな移行部を提供するように輪郭付けられる。これにより、空間における固定点に対して、第1のカム(822A)から長手方向軸線(LA7)までの半径距離が、第1の部分(824A)によって提示されるより長い半径距離から、第2の部分(826A)によって提示されるより短い半径距離へと変化し、第1のカム(822A)が1回転すると、また元に戻る。
【0090】
第2のカム(822B)は、第1の部分(824B)及び第2の部分(826B)を備える。第1の部分(824B)及び第2の部分(826B)は、第2のカム(822B)の径方向の反対両側に配置される。第1の部分(824B)は、長手方向軸線(LA7)からの半径距離を有する第2のカム(822B)の一部分を提示しており、その半径距離は、長手方向軸線(LA7)からの第2の部分(826B)の半径距離よりも長い。第2のカム(822B)は、第1の部分(824B)と第2の部分(826B)との間に配置された中間部分(825B、827B)を更に備える。中間部分(825B、827B)は、カム(822B)の両側に沿った、第1の部分(824B)と第2の部分(826B)との間のほぼ滑らかな移行部を提供するように輪郭付けられる。これにより、空間における固定点に対して、第2のカム(822B)から長手方向軸線(LA7)までの半径距離が、第1の部分(824B)によって提示されるより長い半径距離から、第2の部分(826B)によって提示されるより短い半径距離へと変化し、第2のカム(822B)が1回転すると、また元に戻る。この例では、第2のカム(822B)は、360°の作業プロファイルを有しているが、第2のカム(822B)の作業プロファイルは、必ずしも360°でなくてもよいことを理解されたい。
【0091】
図24A及び
図24Bに示すように、第1のカム(822A)及び第2のカム(822B)は、第1のカム(822A)の第1の部分(824A)と、第2のカム(822B)の第1の部分(824B)とが、複数カム組立体(820)のシャフト(821)に対して異なる角度位置になるように、配向される。具体的には、本発明の例では、第1のカム(822A)及び第2のカム(822B)は、第1のカム(822A)の第1の部分(824A)と、第2のカム(822B)の第1の部分(824B)とが、シャフト(821)を中心として互いから角度位置が180°になるように、配向される。更に、第1のカム(822A)及び第2のカム(822B)は、第1のカム(822A)の第2の部分(826A)と、第2のカム(822B)の第2の部分(826B)とが、シャフト(821)を中心として対向する角度位置になるように、配向される。具体的には、本発明の例では、第1のカム(822A)及び第2のカム(822B)は、第1のカム(822A)の第2の部分(826A)と、第2のカム(822B)の第1の部分(826B)とが、シャフト(821)を中心として互いから角度位置が180°になるように、配向される。当然ながら、任意の他の好適な関係が使用されてもよい。
【0092】
図24A及び
図24Bに示すように、フォロアインターフェイス機構(884)は、旋回カムフォロア(890)を備える。ハンドル組立体は、ピボットピン(872)を備えており、カムフォロア(890)は、カムフォロア(890)がピボットピン(872)を中心に自由に回転できるように、ピボットピン(872)に対して回転可能に連結される。第1の部分(892)の近位端は、下向きに延在する突出部(891)を備える。第1の部分(892)の突出部(891)は、長手方向軸線(LA7)に直接垂直な第1のカム(822A)の上部において、第1のカム(822A)に接触する。第2の部分(894)の遠位端は、下向きに延在する突出部(893)を備える。第2の部分(894)の突出部(893)は、長手方向軸線(LA7)に直接垂直な第2のカム(822B)の上部において、第2のカム(822B)に接触する。これにより、複数カム組立体(820)が1回転すると、カムフォロア(890)の第1の部分(892)の近位端から長手方向軸線(LA7)までの半径距離が、第1の部分(824A)によって生じたより長い半径距離から、第2の部分(826B)によって生じたより短い半径距離へと変化し、また元に戻るが、それと同時に、カムフォロア(890)の第2の部分(894)の遠位端から長手方向軸線(LA7)までの半径距離が、第1の部分(826B)によって生じたより短い半径距離から、第1の部分(826A)によって生じたより長い半径距離へと変化し、また元に戻ることを理解されたい。このカムフォロア(890)の第1の部分(892)及び第2の部分(894)の半径距離の変化により、シャフト(821)が全回転すると、カムフォロア(890)は、ピボットピン(872)を中心に、第1の位置から第2の位置へと回転し、また元に戻る。
【0093】
カムフォロア(890)の第3の部分(896)は、スロット(895)を提示する。フォロアインターフェイス機構(884)は、フォロアインターフェイス機構(884)から短手方向に延在するピン(889)を備える。ピン(889)は、スロット(895)内に摺動可能かつ回転可能に配置されており、カムフォロア(890)は、フォロアインターフェイス機構(884)と連結され、また更に、カムフォロア(890)がピボットピン(872)を中心に回転すると、フォロアインターフェイス機構(884)は、長手方向に移動する。よって、複数カム組立体(820)が1回転すると、カムフォロア(890)は、第1の位置から第2の位置へと回転し、次いで第1の位置へと戻るため、フォロアインターフェイス機構(884)が第1の長手方向位置から第2の長手方向位置へと移動し、また元に戻ることを理解されたい。このフォロアインターフェイス機構(884)の、第1の長手方向位置から第2の長手方向位置へと移動し、また元に戻るという移動により、ステープルドライバが、ドライバアクチュエータ(864)を介して、近位位置から遠位位置へと駆動され、また元に戻される。
【0094】
中間部分(825A、825B)と、中間部分(827A、827B)とは、異なる輪郭を有していてもよい。例えば、これらの異なる輪郭は、第1の部分(824A、824B)から第2の部分(826A、826B)によって提示される、カム(822A、822B)の外部表面から長手方向軸線(LA7)までの半径距離の異なる変化率を示していてもよく、その逆もまた同様である。具体的には、中間部分(825A、825B)は、第2の部分(826A、826B)によって提示される半径距離から第1の部分(824A、824B)によって提示される半径距離までの、より緩やかな変化率を表していてもよく、その一方、中間部分(827A、827B)は、第1の部分(824A、824B)によって提示される半径距離から第2の部分(826A、826B)によって提示される半径距離までの、より急速な変化率を表していてもよいが、カム(822A、822B)の回転する方向によって、その逆もまた同様である。これらの異なる変化率は、カムフォロア(890)を介して、フォロアインターフェイス機構(884)、ドライバアクチュエータ(864)、及びステープルドライバに伝えられるため、フォロアインターフェイス機構(884)、ドライバアクチュエータ(864)、及びステープルドライバの長手方向への移動率も異なる。例えば、中間部分(825A、825B)は、ドライバアクチュエータ(864)の比較的遅い割合の遠位側への前進を提供できる一方、中間部分(827A、827B)は、ドライバアクチュエータ(864)の比較的急速な割合の近位側への後退を提供する。当然ながら、これらの割合は、任意の好適な方法によって、更に変化してもよい。
【0095】
複数カム組立体(820)の全360°の回転のうち、180°がドライバアクチュエータ(864)の遠位方向の動作に、残りの180°がドライバアクチュエータの近位方向の動作に割り当てられているが、任意の他の好適な様式(例えば、270°を遠位方向の動作に、90°を近位方向の動作に、など)で割り当てられてもよいことを理解されたい。遠位側及び近位側への移動の最大範囲は、複数カム組立体(820)の360°未満の回転において提供され得ることもまた理解されたい。
【0096】
器具(10)の一部の変更例は、
図42を参照して上述した通り、破断型ワッシャを含有し、破断型ワッシャは、ナイフが遠位方向の最大の動作範囲に達すると、ナイフによって破断される。第1のカム(822A)の第1の部分(824A)の構成は、ナイフが自身の遠位側への移動の終わりに達すると、機械的利益が増大し、それによって、ワッシャを破断し、ステープルを成形するための、より大きな力を提供することを更に理解されたい。繰り返しになるが、変更例によっては、破断型ワッシャを完全に省略してもよい。
【0097】
H.第8の例示的な代替のモータ及びカム組立体
図25A〜
図26Bは、ステープルドライバ及びナイフを作動させるために器具(200)に組み込むことができる追加の例示的な代替の構成部品を示す。具体的には、
図25A及び
図25Bは、以下で説明する相違点を除き、上述したモータ(810)及び複数カム組立体(820)とほぼ同様に動作するように構成された、例示的な代替のモータ(910)及び複数カム組立体(920)を示す。モータ(910)及び複数カム組立体(920)は、複数カム組立体(920)が1回転することによるドライバアクチュエータ(964)及びフォロアインターフェイス機構(984)の移動を介して、ステープルドライバ(図示せず)を遠位側及び近位側へ駆動するように構成されている。モータ(910)は、アクチュエータハンドル組立体(図示せず)内に、ドライバアクチュエータ(964)の近位部分と平行に、配置される。複数カム組立体(920)は、モータ(910)の遠位端から突出するシャフト(912)と連結される。モータ(910)の作動により、複数カム組立体(920)は、モータ(910)によって画定された長手方向軸線(LA8)を中心に回転する。
【0098】
複数カム組立体(920)は、長手方向軸線(LA8)に沿った異なる長手方向位置においてシャフト(912)に固定された一対のカム(922A、922B)を備える。第1のカム(922A)は、第1の部分(924A)及び第2の部分(926A)を備える。第1の部分(924A)及び第2の部分(926A)は、第1のカム(922A)の径方向の反対両側に配置される。第1の部分(924A)は、長手方向軸線(LA8)からの半径距離を有する第1のカム(922A)の一部分を提示しており、その半径距離は、長手方向軸線(LA8)からの第2の部分(926A)の半径距離よりも長い。第1のカム(922A)は、第1の部分(924A)と第2の部分(926A)との間に配置された中間部分(925A、927A)を更に備える。中間部分(925A、927A)は、カム(922B)の両側に沿った、第1の部分(924A)と第2の部分(926A)との間のほぼ滑らかな移行部を提供するように輪郭付けられる。これにより、空間における固定点に対して、第1のカム(922A)から長手方向軸線(LA7)までの半径距離が、第1の部分(924A)によって提示されるより長い半径距離から、第2の部分(926A)によって提示されるより短い半径距離へと変化し、第1のカム(922A)が1回転すると、また元に戻る。
【0099】
第2のカム(922B)は、第1の部分(924B)及び第2の部分(926B)を備える。第1の部分(924B)及び第2の部分(926B)は、第2のカム(922B)の径方向の反対両側に配置される。第1の部分(924B)は、長手方向軸線(LA8)からの半径距離を有する第2のカム(922B)の一部分を提示しており、その半径距離は、長手方向軸線(LA8)からの第2の部分(926B)の半径距離よりも長い。第2のカム(922B)は、第1の部分(924B)と第2の部分(926B)との間に配置された中間部分(925B、927B)を更に備える。中間部分(925B、927B)は、カム(922B)の両側に沿った、第1の部分(924B)と第2の部分(926B)との間のほぼ滑らかな移行部を提供するように輪郭付けられる。これにより、空間における固定点に対して、第2のカム(922B)から長手方向軸線(LA8)までの半径距離が、第1の部分(924B)によって提示されるより長い半径距離から、第2の部分(926B)によって提示されるより短い半径距離へと変化し、第2のカム(922B)が1回転すると、また元に戻る。
【0100】
図26A及び
図26Bに最もよく見られるように、第1のカム(922A)及び第2のカム(922B)は、第1のカム(922A)の第1の部分(924A)と、第2のカム(922B)の第1の部分(924B)とが、複数カム組立体(920)のシャフト(912)に対して異なる角度位置になるように、配向される。具体的には、本発明の例では、第1のカム(922A)及び第2のカム(922B)は、第1のカム(922A)の第1の部分(924A)と、第2のカム(922B)の第1の部分(924B)とが、シャフト(912)を中心として互いから角度位置が90°になるように、配向される。また、第1のカム(922A)及び第2のカム(922B)は、第1のカム(922A)の第2の部分(926A)と、第2のカム(922B)の第1の部分(926B)とが、シャフト(912)を中心として互いから角度位置が90°になるように、配向される。第1のカム(922A)及び第2のカム(922B)はまた、サイズが異なる。
【0101】
図26A及び
図26に示すように、フォロアインターフェイス機構(984)は、旋回カムフォロア(990)を備える。ハンドル組立体は、ピボットピン(972)を備えており、カムフォロア(990)は、カムフォロア(990)がピボットピン(972)を中心に自由に回転できるように、ピボットピン(972)に対して回転可能に連結される。第1の部分(992)の近位端は、下向きに延在する突出部(991)を備える。第1の部分(992)の突出部(991)は、長手方向軸線(LA8)に直接垂直な第1のカム(922A)の上部において、第1のカム(922A)に接触する。第2の部分(993)の遠位端は、下向きに延在する突出部(993)を備える。第2の部分(994)の突出部(993)は、長手方向軸線(LA8)に直接垂直な第2のカム(922B)の底部において、第2のカム(922B)に接触する。これにより、複数カム組立体(920)が1回転すると、カムフォロア(990)の突出部(991)から長手方向軸線(LA8)までの半径距離が、第1の部分(924A)によって生じたより長い半径距離から、第2の部分(926B)によって生じたより短い半径距離へと変化し、また元に戻るが、それと同時に、カムフォロア(990)の突出部(993)から長手方向軸線(LA8)までの半径距離が、第1の部分(926B)によって生じたより短い半径距離から、第1の部分(926A)によって生じたより長い半径距離へと変化し、また元に戻ることを理解されたい。このカムフォロア(990)の第1の部分(992)及び第2の部分(994)の半径距離の変化により、シャフト(912)が全回転すると、カムフォロア(990)は、ピボットピン(972)を中心に、第1の位置から第2の位置へと揺動し、また元に戻る。
【0102】
カムフォロア(990)の第3の部分(996)は、スロット(995)を画定する。フォロアインターフェイス機構(984)は、フォロアインターフェイス機構(984)から短手方向に延在するピン(989)を備える。ピン(989)は、スロット(995)内に摺動可能かつ回転可能に配置されており、カムフォロア(990)は、フォロアインターフェイス機構(984)と連結され、また更に、カムフォロア(990)がピボットピン(972)を中心に回転すると、フォロアインターフェイス機構(984)は、長手方向に移動する。よって、複数カム組立体(920)が1回転すると、カムフォロア(990)は、第1の位置から第2の位置へと回転し、次いで第1の位置へと戻るため、フォロアインターフェイス機構(984)が第1の長手方向位置から第2の長手方向位置へと移動し、また元に戻ることを理解されたい。このフォロアインターフェイス機構(984)の、第1の長手方向位置から第2の長手方向位置へと移動し、また元に戻るという移動により、ステープルドライバが、ドライバアクチュエータ(964)を介して、近位位置から遠位位置へと駆動され、また元に戻される。
【0103】
図26A及び
図26Bに示すように、中間部分(925A、925B)と、中間部分(927A、927B)とは、異なる輪郭を有していてもよい。これらの異なる輪郭は、第1の部分(924A、924B)から第2の部分(926A、926B)によって提示される、カム(922A、922B)の外部表面から長手方向軸線(LA7)までの半径距離の異なる変化率を示し、その逆もまた同様である。具体的には、中間部分(925A、925B)は、第2の部分(926A、926B)によって提示される半径距離から第1の部分(924A、924B)によって提示される半径距離までの、より緩やかな変化率を表す一方、中間部分(927A、927B)は、第1の部分(924A、924B)によって提示される半径距離から第2の部分(926A、926B)によって提示される半径距離までの、より急速な変化率を表しているが、カム(922A、922B)の回転する方向によって、その逆もまた同様である。これらの異なる変化率は、カムフォロア(990)を介して、フォロアインターフェイス機構(984)、ドライバアクチュエータ(964)、及びステープルドライバに伝えられるため、フォロアインターフェイス機構(984)、ドライバアクチュエータ(964)、及びステープルドライバの長手方向への移動率も異なることを理解されたい。例えば、中間部分(925A、925B)は、ドライバアクチュエータ(964)の比較的遅い割合の遠位側への前進を提供できる一方、中間部分(927A、927B)は、ドライバアクチュエータ(964)の比較的急速な割合の近位側への後退を提供する。当然ながら、これらの割合は、任意の好適な方法によって、更に変化してもよい。
【0104】
複数カム組立体(920)の全360°の回転のうち、180°がドライバアクチュエータ(964)の遠位方向の動作に、残りの180°がドライバアクチュエータの近位方向の動作に割り当てられているが、任意の他の好適な様式(例えば、270°を遠位方向の動作に、90°を近位方向の動作に、など)で割り当てられてもよいことを理解されたい。遠位側及び近位側への移動の最大範囲は、複数カム組立体(920)の360°未満の回転において提供され得ることもまた理解されたい。
【0105】
器具(10)の一部の変更例は、
図42を参照して上述した通り、破断型ワッシャを含有し、破断型ワッシャは、ナイフが遠位方向の最大の動作範囲に達すると、ナイフによって破断される。第1のカム(922A)の第1の部分(924A)の構成は、ナイフが自身の遠位側への移動の終わりに達すると、機械的利益が増大し、それによって、ワッシャを破断し、ステープルを成形するための、より大きな力を提供することを更に理解されたい。繰り返しになるが、変更例によっては、破断型ワッシャを完全に省略してもよい。
【0106】
III.斜めのピストルグリップを備えた例示的な電動式円形外科用ステープル留め器具
上述した例では、モータを備えており、そのモータは、アクチュエータハンドル組立体内に、ドライバアクチュエータの近位部分と平行になる配向で配置されていたが、モータは、様々な他の配向で配置されてもよいことを理解されたい。以下で説明する例では、ドライバアクチュエータの近位部分に対して斜めに配向されるモータを含む。以下は、単なる例示的な例であることを理解されたい。モータが、ドライバアクチュエータの近位部分に対して斜めに(又は、非平行に)配向され得る様々な他の好適な方法は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。
【0107】
A.傾斜モータのためのベベルギア駆動トレインアダプタ
図27は、例示的な代替の円形外科用ステープル留め器具(1000)を示す。この例の器具(1000)は、器具(1000)が、ステープル留めヘッド組立体(20)と同様のステープル留めヘッド組立体(1002)と、アンビル(40)と同様のアンビル(1004)と、ノブ(98)と同様のノブ(1008)とを含む点において、上述した器具(10)とほぼ同様である。器具(1000)はまた、湾曲したシャフト組立体(1006)を含み、シャフト組立体(1006)は湾曲しているが、シャフト組立体(60)は真っ直ぐであるという点を除き、シャフト組立体(60)とほぼ同様である。器具(10)とは異なり、この例の器具(1000)は、斜めに配向されたピストルグリップ(1020)を画定するハンドル組立体(1070)を含む。また、器具(10)とは異なり、この例の器具(1000)は、ピストルグリップ(1020)内に配置されたモータ(1010)を含む。モータ(1010)及びピストルグリップ(1020)は、両方とも、ドライバアクチュエータ(1064)によって画定された長手方向軸線に対して、斜めに配向される。ドライバアクチュエータ(1064)は、ドライバアクチュエータ(1064)が上述したドライバアクチュエータ(64)と同様に動作するように、シャフト組立体(1006)内を移動して、ステープル留めヘッド組立体(1002)を作動させる。モータ(1010)に電力を提供するために電池パック(1011)がハンドル組立体(1070)と一体になっているが、他の変更例によっては、モータ(1010)は、代わりにリモートソースを動力としてもよいことを理解されたい。
【0108】
第1のベベルギア(1012)は、モータ(1010)の一体型駆動シャフトに固定されており、モータ(1010)の回転により、ベベルギア(1012)が回転する。第2のベベルギア(1014)は、カム(1040)の近位端に固定される。カム(1040)は、ドライバアクチュエータ(1064)と更に連結されており、カム(1040)の回転により、ドライバアクチュエータ(1064)が長手方向に移動する。ベベルギア(1012、1014)は、互いに対して斜めである回転軸上に配向される。第1のベベルギア(1012)及び第2のベベルギア(1014)は、第1のベベルギア(1012)の回転が第2のベベルギア(1014)を回転させるように係合する。よって、モータ(1010)の起動により、カム(1040)が回転し、それによって、ドライバアクチュエータ(1064)がベベルギア(1012、1014)の斜めの噛合を介して移動することを理解されたい。本発明の例のカム(1040)は、上述したカム(220、320、420、520、620、720)及び/又はカム組立体(820、920)のいずれかに従って構成することができる。ベベルギア(1012、1014)は、したがって、斜めに配向されたモータ(1010)と、上述したカム(220、320、420、520、620、720)及び/又はカム組立体(820、920)との間の駆動アダプタとしての役割を果たすとみなすことができる。
図27に示す配向は、単なる例示的なものであることを理解されたい。本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるように、モータ(1010)及び/又はピストルグリップ(1020)は、任意の他の好適な配向を有し得る。
【0109】
B.傾斜モータのための複数カム組立体
図28は、他の代替の円形外科用ステープル留め器具(1100)を示す。この例の器具(1100)は、器具(1100)が、ステープル留めヘッド組立体(20)と同様のステープル留めヘッド組立体(1102)と、アンビル(40)と同様のアンビル(1104)と、ノブ(98)と同様のノブ(1108)とを含む点において、上述した器具(10)とほぼ同様である。器具(1100)はまた、湾曲したシャフト組立体(1106)を含み、シャフト組立体(1106)は湾曲しているが、シャフト組立体(60)は真っ直ぐであるという点を除き、シャフト組立体(60)とほぼ同様である。器具(10)とは異なり、この例の器具(1100)は、斜めに配向されたピストルグリップ(図示せず)を画定するハンドル組立体(図示せず)を含む。かかるハンドル組立体及びピストルグリップは、上述したハンドル組立体(1070)及びピストルグリップ(1020)と同じように構成することができる。また、器具(10)とは異なり、この例の器具(1100)は、ピストルグリップ内に配置されたモータ(1110)を含む。モータ(1110)及びピストルグリップは、両方とも、ドライバアクチュエータ(1164)によって画定された長手方向軸線に対して、斜めに配向される。ドライバアクチュエータ(1164)は、ドライバアクチュエータ(1164)が上述したドライバアクチュエータ(64)と同様に動作するように、シャフト組立体(1106)内を移動して、ステープル留めヘッド組立体(1102)を作動させる。モータ(1110)に電力を提供するために電池パック(1111)がハンドル組立体と一体になっているが、他の変更例によっては、モータ(1110)は、代わりにリモートソースを動力としてもよいことを理解されたい。
【0110】
発射トリガ及び安全トリガ組立体(1112)は、ハンドル組立体と連結され、モータ(1110)を選択的に作動させるように動作可能である。例示的なものにすぎないが、発射トリガ及び安全トリガ組立体(1112)は、本件と同日に出願され、その開示が参照により本明細書に組み込まれている、CONTROL FEATURES FOR MOTORIZED SURGICAL STAPLING INSTRUMENTと題する米国特許出願第 号[代理人整理番号END7291USNP.0606446]の教示の少なくとも一部に従って構成することができる。器具(1100)はまた、本件と同日に出願され、その開示が参照により本明細書に組み込まれている、CONTROL FEATURES FOR MOTORIZED SURGICAL STAPLING INSTRUMENTと題する米国特許出願第 号[代理人整理番号END7291USNP.0606446]の教示の少なくとも一部に従って構成された、始動スイッチ及び停止スイッチを含んでいてもよい。発射トリガ及び安全トリガ組立体(1112)、並びに始動スイッチ及び停止スイッチの他の好適な変形例は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。本明細書に記載の他のステープル留め器具はいずれも、本件と同日に出願され、その開示が参照により本明細書に組み込まれている、CONTROL FEATURES FOR MOTORIZED SURGICAL STAPLING INSTRUMENTと題する米国特許出願第号[代理人整理番号END7291USNP.0606446]の教示の少なくとも一部に従って構成された、発射トリガ及び安全トリガ組立体(1112)、並びに/又は始動スイッチ及び停止スイッチを含んでいてもよいこともまた理解されたい。
【0111】
図29〜
図31に最もよく見られるように、モータ(1110)は、複数カム組立体(1120)と連結されており、モータ(1110)の起動により、複数カム組立体(1120)は、モータ(1110)の中心、及び複数カム組立体(1120)の中心を通って長手方向に延在する軸を中心に回転する。複数カム組立体(1120)は、旋回カムフォロア(1190)に係合し、その旋回カムフォロア(1190)は、ハンドル組立体と枢動可能に連結される。具体的には、カムフォロア(1190)は、ピボット開口部(1198)を含み、そのピボット開口部(1198)には、ピボットピン(1172)が配置される。カムフォロア(1190)は、これにより、ピボットピン(1172)によって画定された長手方向軸線を中心に枢動可能である。カムフォロア(1190)はまた、フォロアインターフェイス機構(1184)と枢動可能に連結され、そのフォロアインターフェイス機構(1184)は、ドライバアクチュエータ(1164)と更に連結される。以下で更に詳細に説明するように、モータ(1110)が複数カム組立体(1120)を角度運動の第1の範囲にわたり回転させると、カムフォロア(1190)は、第1の方向(
図29に示す時計回り、
図31に示す反時計回り)に枢動し、それによって、フォロアインターフェイス機構(1184)及びドライバアクチュエータ(1164)を遠位側に駆動させる。上述の通り、この遠位方向の動作により、ナイフ及びステープルを、ステープル留めヘッド組立体(1102)とアンビル(1104)との間に捕捉されている組織へと駆動させる。モータ(1110)が複数カム組立体(1120)を角度運動の第2の範囲にわたり回転させると、カムフォロア(1190)は、第2の方向(
図29に示す反時計回り、
図31に示す時計回り)に枢動し、それによって、フォロアインターフェイス機構(1184)及びドライバアクチュエータ(1164)を近位側に駆動させる。この近位方向の動作により、ナイフをステープル留めヘッド組立体(1102)の中へと後退させる。
【0112】
図32は、カムフォロア(1190)をより詳細に示す。カムフォロア(1190)は、第1の突出部(1192)、第2の突出部(1194)、及び連結端部(1196)を含む。以下でより詳細に説明されるように、突出部(1192、1194)は、複数カム組立体(1120)に係合される。連結端部(1196)は、フォロアインターフェイス機構(1184)と枢動可能に連結される。
【0113】
複数カム組立体(1120)は、第1のカム部材(1122)及び第2のカム部材(1126)を含む。
図33に最もよく見られるように、第1のカム部材(1122)は、モータ(1110)の駆動シャフト(図示せず)を受け入れるように構成された開口部(1123)を画定する。第1のカム部材(1122)はまた、輪郭形成された傾斜路(1125)を含む、遠位側に突出するカム機構(1124)を含む。カム機構(1124)は、複数カム組立体(1120)が角度運動の第2の範囲にわたり回転する間、カムフォロア(1190)の第1の突出部に係合するように構成され、それによって、フォロアインターフェイス機構(1184)及びドライバアクチュエータ(1164)を、遠位位置から近位位置へと近位側に駆動させる。
【0114】
図34に最もよく見られるように、第2のカム部材(1126)は、モータ(1110)の駆動シャフトを受け入れるように構成された開口部(1129)を画定する。よって、カム部材(1122、1126)の開口部(1123、1129)は、モータ(1110)の駆動シャフトに沿って互いに位置合わせされていることを理解されたい。第2のカム部材(1126)はまた、短手方向に提示された湾曲カム表面(1127)と、短手方向に提示されたほぼ平坦なカム表面(1128)とを含む。湾曲カム表面(1127)は、複数カム組立体(1120)が角度運動の第1の範囲にわたり回転する間、カムフォロア(1190)の第2の突出部(1194)に係合するように構成され、それによって、フォロアインターフェイス機構(1184)及びドライバアクチュエータ(1164)を、近位位置から遠位位置へと遠位側に駆動させる。複数カム組立体(1120)が角度運動の第2の範囲にわたり回転すると、ほぼ平坦なカム表面(1128)が、第2の突出部(1194)のための隙間を提供するため、カムフォロア(1190)がフォロアインターフェイス機構(1184)及びドライバアクチュエータ(1164)を遠位位置から近位位置へと近位側に引くと、カムフォロア(1190)は、枢動することができる。
【0115】
上記を鑑みれば、第2のカム部材(1126)の湾曲カム表面(1127)が、カムフォロア(1190)の第2の突出部(1194)に当接することによってドライバアクチュエータ(1164)を遠位側に駆動させて、ステープル留めヘッド組立体(1102)を作動させる一方、第1のカム部材(1122)のカム機構(1124)は、カムフォロア(1190)の第1の突出部(1192)に当接することによってドライバアクチュエータ(1164)を近位側に駆動させることを理解されたい。複数カム組立体(1120)は、これにより、1回の回転によって、ドライバアクチュエータ(1164)を前進及び後退させるように動作可能である。他の変更例によっては、複数カム組立体(1120)は、1回未満の回転によって、ドライバアクチュエータ(1164)を前進及び後退させるように動作可能である。本発明の例では、前半の180°が、ドライバアクチュエータ(1164)の前進に伴う複数カム組立体(1120)の第1の動作の角度範囲であり、後半の180°が、ドライバアクチュエータ(1164)の後退に伴う複数カム組立体(1120)の第2の動作の角度範囲である。他の変更例によっては、ドライバアクチュエータ(1164)の前進に伴う複数カム組立体(1120)の第1の動作の角度範囲は、およそ270°であり、ドライバアクチュエータ(1164)の後退に伴う複数カム組立体(1120)の第2の動作の角度範囲は、およそ90°である。他の好適な動作の角度範囲は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。換言すれば、複数カム組立体(1120)の回転に基づく遠位方向の動作及び近位方向の動作は、任意の他の好適な様式で割り当てられてもよい。遠位側及び近位側への移動の最大範囲は、複数カム組立体(1120)の360°未満の回転において提供され得ることもまた理解されたい。
【0116】
アンビル(1104)の一部の変更例は、
図42を参照して上述した通り、破断型ワッシャを含有し、破断型ワッシャは、ナイフが遠位方向の最大の動作範囲に達すると、ナイフによって破断される。湾曲カム表面(1127)の構成は、ナイフが自身の遠位側への移動の終わりに達すると、機械的利益が増大し、それによって、ワッシャを破断し、ステープルを成形するための、より大きな力を提供することを更に理解されたい。繰り返しになるが、変更例によっては、破断型ワッシャを完全に省略してもよい。
【0117】
C.傾斜モータのための複数カム組立体
図35は、更に他の例示的な代替の円形外科用ステープル留め器具の機構を示しており、ステープル留めヘッド組立体(20)、アンビル(40)、ノブ(98)、及び湾曲したシャフト組立体(1006)などに類似の機構も含んでいてもよい。本発明の例の器具はまた、斜めに配向されたピストルグリップ(1271)と、ピストルグリップ(1271)内に配置されたモータ(1210)とを備える、ハンドル組立体(1270)を含む。モータ(1210)及びピストルグリップ(1271)は、両方とも、ドライバアクチュエータ(1264)によって画定された長手方向軸線に対して、斜めに配向される。ドライバアクチュエータ(1264)は、ドライバアクチュエータ(1264)が上述したドライバアクチュエータ(64)と同様に動作するように、シャフト組立体内を移動して、ステープル留めヘッド組立体を作動させる。モータ(1210)に電力を提供するために電池パック(図示せず)がハンドル組立体(1270)と一体になっているが、他の変更例によっては、モータ(1210)は、代わりにリモートソースを動力としてもよいことを理解されたい。
【0118】
発射トリガ及び安全トリガ組立体(1222)は、ハンドル組立体と連結され、モータ(1210)を選択的に作動させるように動作可能である。例示的なものにすぎないが、発射トリガ及び安全トリガ組立体(1222)は、本件と同日に出願され、その開示が参照により本明細書に組み込まれている、CONTROL FEATURES FOR MOTORIZED SURGICAL STAPLING INSTRUMENTと題する米国特許出願第 号[代理人整理番号END7291USNP.0606446]の教示の少なくとも一部に従って構成することができる。本発明の例の器具はまた、本件と同日に出願され、その開示が参照により本明細書に組み込まれている、CONTROL FEATURES FOR MOTORIZED SURGICAL STAPLING INSTRUMENTと題する米国特許出願第号[代理人整理番号END7291USNP.0606446]の教示の少なくとも一部に従って構成された、始動スイッチ及び停止スイッチを含んでいてもよい。発射トリガ及び安全トリガ組立体(1222)、並びに始動スイッチ及び停止スイッチの他の好適な変形例は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。
【0119】
図35、
図36、
図41A、及び
図41Bに最もよく見られるように、モータ(1210)は、複数カム部材(1220)と連結されており、モータ(1210)の起動により、複数カム部材(1220)は、モータ(1210)の中心、及び複数カム部材(1220)の中心を通って長手方向に延在する軸を中心に回転する。複数カム部材(1220)は、旋回カムフォロア(1290)に係合し、その旋回カムフォロア(1290)は、ハンドル組立体(1270)と枢動可能に連結される。具体的には、カムフォロア(1290)は、ピボット開口部(1298)を含み、そのピボット開口部(1298)には、ピボットピン(1272)が配置される。カムフォロア(1290)は、これにより、ピボットピン(1272)によって画定された長手方向軸線を中心に枢動可能である。カムフォロア(1290)はまた、フォロアインターフェイス機構(1284)と枢動可能に連結され、そのフォロアインターフェイス機構(1284)は、ドライバアクチュエータ(1264)と更に連結される。以下で更に詳細に説明するように、モータ(1210)が複数カム部材(1220)を角度運動の第1の範囲にわたり回転させると、カムフォロア(1290)は、第1の方向(
図35に示す時計回り、
図41A及び
図41Bに示す反時計回り)に枢動し、それによって、フォロアインターフェイス機構(1284)及びドライバアクチュエータ(1264)を遠位側に駆動させる。上述の通り、この遠位方向の動作により、ナイフ及びステープルを、ステープル留めヘッド組立体とアンビルとの間に捕捉されている組織へと駆動させる。モータ(1210)が複数カム部材(1220)を角度運動の第2の範囲にわたり回転させると、カムフォロア(1290)は、第2の方向(
図35に示す反時計回り、
図41A及び
図41Bに示す時計回り)に枢動し、それによって、フォロアインターフェイス機構(1284)及びドライバアクチュエータ(1264)を近位側に駆動させる。この近位方向の動作により、ナイフをステープル留めヘッド組立体の中へと後退させる。
【0120】
図37及び
図38は、複数カム部材(1220)をより詳細に示す。複数カム部材(1220)は、第1のカム機構(1222)、第2のカム機構(1226)、及び遠位側に突出する柱体(1228)を含む。柱体(1228)は、モータ(1210)の長手方向軸線と同軸上に位置合わせされている。変更例によっては、柱体(1228)を省略してもよいことを理解されたい。第1のカム機構(1222)は、湾曲カム表面(1223)と、ほぼ平坦なカム表面(1224)とを含む。湾曲カム表面(1223)は、略半径方向外向きに提示される。第2のカム機構(1226)は、隣接するほぼ平坦な引込表面(1229)を有する湾曲カム表面(1227)を含む。表面(1227、1229)は、略半径方向内向きに提示される。湾曲カム表面(1223、1227)は、異なる基点から延在する湾曲の異なる半径によって画定される。それぞれの湾曲カム表面(1223、1227)の湾曲の半径の基点は、柱体(1228)からオフセットする。
【0121】
図39及び
図40は、カムフォロア(1290)をより詳細に示す。カムフォロア(1290)は、第1の突出部(1292)、第2の突出部(1294)、及び連結端部(1296)を含む。連結端部(1296)は、フォロアインターフェイス機構(1284)と枢動可能に連結される。突出部(1292、1294)は、複数カム部材(1220)に係合される。具体的には、第1の突出部(1292)は、第1のカム機構(1222)に係合するように構成され、第2の突出部(1294)は、第2のカム機構(1226)に係合するように構成されている。突出部(1292、1294)と対応するカム機構(1222、1226)との相互作用は、
図41A及び
図41Bに示すように、ドライバアクチュエータ(1264)の前進及び後退を提供する。
【0122】
図41Aは、ドライバアクチュエータ(1264)が近位位置にある状態の、定位位置にある複数カム部材(1220)を示す。モータ(1210)が起動して、複数カム部材(1220)を第1の角度運動の範囲にわたって(例えば、
図38に示す時計回り)に回転させると、第1のカム機構(1222)の湾曲カム表面(1223)は、第1の突出部(1292)に当接する。これにより、カムフォロア(1290)が第1の方向(
図41A及び
図41Bに示す反時計回り)に枢動するため、
図41Bに示すように、フォロアインターフェイス機構(1284)及びドライバアクチュエータ(1264)が遠位側に駆動される。上述の通り、この遠位方向の動作により、ナイフ及びステープルを、ステープル留めヘッド組立体とアンビルとの間に捕捉されている組織へと駆動させる。モータ(1210)が複数カム部材(1220)を第2の角度運動の範囲にわたって(例えば、
図38に示す時計回り)に回転させ続けると、第2のカム機構(1226)の湾曲カム表面(1227)は、第2の突出部(1292)に当接する。これにより、カムフォロア(1290)が第2の方向(
図41A及び
図41Bに示す時計回り)に枢動するため、フォロアインターフェイス機構(1284)及びドライバアクチュエータ(1264)は、近位側に駆動されて、
図41Aに示す定位位置に戻る。他の変更例によっては、フォロアインターフェイス機構(1284)及びドライバアクチュエータ(1264)は、必ずしも
図41Aに示す定位位置に完全に戻される必要はないが、
図41Bに示す遠位位置より近位にある位置へと戻される。ドライバアクチュエータ(1264)の近位方向の動作により、ナイフをステープル留めヘッド組立体の中へと後退させる。ほぼ平坦なカム表面(1224)が第2の角度運動の範囲にわたって第1の突出部(1292)のための隙間を提供するため、第2のカム機構(1226)がフォロアインターフェイス機構(1284)及びドライバアクチュエータ(1264)を遠位位置から近位位置へと近位側に引くと、カムフォロア(1290)は、枢動することができることを理解されたい。複数カム部材(1220)が第1の角度運動の範囲から第2の角度運動の範囲へと移行すると、引込表面(1227)及び第2の突出部(1294)の湾曲した引込部(1295)は、第2のカム機構(1226)による第2の突出部(1294)の捕捉を容易にするように協調してもよいこともまた理解されたい。
【0123】
上記を鑑みれば、第1のカム機構(1222)の湾曲カム表面(1223)が、カムフォロア(1290)の第1の突出部(1292)に当接することによってドライバアクチュエータ(1264)を遠位側に駆動させて、ステープル留めヘッド組立体を作動させる一方、第2のカム機構(1226)は、カムフォロア(1290)の第2の突出部(1294)に当接することによってドライバアクチュエータ(1264)を近位側に駆動させることを理解されたい。複数カム部材(1220)は、これにより、1回の回転によって、ドライバアクチュエータ(1264)を前進及び後退させるように動作可能である。他の変更例によっては、複数カム部材(1220)は、1回未満の回転によって、ドライバアクチュエータ(1264)を前進及び後退させるように動作可能である。本発明の例では、ドライバアクチュエータ(1264)の前進に伴う複数カム部材(1220)の第1の動作の角度範囲は、およそ270°であり、ドライバアクチュエータ(1264)の後退に伴う複数カム部材(1220)の第2の動作の角度範囲は、およそ90°である。他の変更例によっては、前半の180°が、ドライバアクチュエータ(1264)の前進に伴う複数カム部材(1220)の第1の動作の角度範囲であり、後半の180°が、ドライバアクチュエータ(1264)の後退に伴う複数カム部材(1220)の第2の動作の角度範囲である。他の好適な動作の角度範囲は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。換言すれば、複数カム部材(1220)の回転に基づく遠位方向の動作及び近位方向の動作は、任意の他の好適な様式で割り当てられてもよい。遠位側及び近位側への移動の最大範囲は、複数カム部材(1220)の360°未満の回転において提供され得ることもまた理解されたい。
【0124】
アンビルの一部の変更例は、
図42を参照して上述した通り、破断型ワッシャを含有し、破断型ワッシャは、ナイフが遠位方向の最大の動作範囲に達すると、ナイフによって破断される。湾曲カム表面(1223)の構成は、ナイフが自身の遠位側への移動の終わりに達すると、機械的利益が増大し、それによって、ワッシャを破断し、ステープルを成形するための、より大きな力を提供することを更に理解されたい。繰り返しになるが、変更例によっては、破断型ワッシャを完全に省略してもよい。
【0125】
IV.その他
上述したいずれかの例において、マイクロコントローラ、ASIC及び/又は他のタイプの制御モジュールが、電源及びモータ(210、310、410、510、610、710、810、910、1010、1110、1210)と連通して設置されてもよく、かつモータ(210、310、410、510、610、710、810、910、1010、1110、1210)を自動的に停止させて、それにより、モータ(210、310、410、510、610、710、810、910、1010、1110、1210)が対応する駆動シャフトのちょうど1回の回転に対して作動され得るように、モータ(210、310、410、510、610、710、810、910、1010、1110、1210)を動的に制動するための方法を提供するように構成されていてもよい。例示的なものにすぎないが、かかる制御モジュールは、駆動シャフト又はモータ(210、310、410、510、610、710、810、910、1010、1110、1210)の起動に応じて動く他の構成部品と連通している、エンコーダと連通していてもよい。別の単なる例示的な例として、かかる制御モジュールは、駆動シャフト又はモータ(210、310、410、510、610、710、810、910、1010、1110、1210)の起動に応じて動く他の構成部品と連通している、1つ又は2つ以上のリードスイッチと連通していてもよい。モータ(210、310、410、510、610、710、810、910、1010、1110、1210)を、(例えば、構成部品の追跡された回転に基づいて、構成部品の移動に基づいて、及び/又はその他のパラメータに基づいて)正確に停止させるために使用することができる他の好適なタイプのセンサ及び制御モジュールは、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。当然ながら、制御モジュールは、モータ(210、310、410、510、610、710、810、910、1010、1110、1210)が任意の好適な回転数などで起動するように制御するように構成されていてもよい。場合によっては、モータ(210、310、410、510、610、710、810、910、1010、1110、1210)の始動及び停止の制御は、本件と同日に出願され、その開示が参照により本明細書に組み込まれている、CONTROL FEATURES FOR MOTORIZED SURGICAL STAPLING INSTRUMENTと題する米国特許出願第 号[代理人整理番号END7291USNP.0606446]の教示に従って実行することができる。
【0126】
本明細書で述べる教示、表現、実施形態、例などのうちいずれか1つ又は2つ以上は、本明細書で述べるその他の教示、表現、実施形態、例などのうちいずれか1つ又は2つ以上と組み合わせることができることもまた理解されたい。上述した教示、表現、実施形態、例などはしたがって、互いに対して分離して考慮されるべきではない。本明細書の教示を組み合わせ得る種々の好適な方法が、本明細書の教示を考慮することで、当業者には容易に明らかになるであろう。かかる変更形態及び変形形態は、特許請求の範囲内に含まれるものとする。
【0127】
本明細書の教示の少なくともいくつかは、2010年9月14日に発行され、その開示が参照により本明細書に組み込まれている、「Surgical Staples Having Compressible or Crushable Members for Securing Tissue Therein and Stapling Instruments for Deploying the Same」と題する米国特許第7,794,475号、2012年12月4日に出願され、その開示が参照により本明細書に組み込まれている、「Trans−Oral Circular Anvil Introduction System with Dilation Feature」と題する米国特許出願第13/693,430号、2012年11月29日に出願され、その開示が参照により本明細書に組み込まれている、「Surgical Staple with Integral Pledget for Tip Deflection」と題する米国特許出願第13/688,951号、2012年12月6日に出願され、その開示が参照により本明細書に組み込まれている、「Surgical Stapler with Varying Staple Widths along Different Circumferences」と題する米国特許出願第13/706,827号、2012年11月29日に出願され、その開示が参照により本明細書に組み込まれている、「Pivoting Anvil for Surgical Circular Stapler」と題する米国特許出願第13/688,992号、2012年12月4日に出願され、その開示が参照により本明細書に組み込まれている、「Circular Anvil Introduction System with Alignment Feature」と題する米国特許出願第13/693,455号、2012年12月17日に出願され、その開示が参照により本明細書に組み込まれている、「Circular Stapler with Selectable Motorized and Manual Control,Including a Control Ring」と題する米国特許出願第13/716,313号、2012年12月17日に出願され、その開示が参照により本明細書に組み込まれている、「Motor Driven Rotary Input Circular Stapler with Modular End Effector」と題する米国特許出願第13/716,318号、及び/又は2012年12月17日に出願され、その開示が参照により本明細書に組み込まれている、「Motor Driven Rotary Input Circular Stapler with Lockable Flexible Shaft」と題する米国特許出願第13/176,323号のうち1つ又は2つ以上の教示と容易に組み合わせることができる。かかる教示を組み合わせることができる様々な好適な方法は、当業者には明らかであろう。
【0128】
本明細書の例は、円形ステープル留め器具に関連して提供されてきたが、本明細書の様々な教示は、様々な他の種類の外科用器具に容易に適用できることを理解されたい。例示的なものにすぎないが、本明細書の様々な教示は、線形ステープル留め装置(例えば、エンドカッタ)に容易に適用することができる。例えば、当業者には明らかであるように、本明細書の様々な教示は、2012年9月20日に公開され、その開示が参照により本明細書に組み込まれている、「Motor−Driven Surgical Cutting Instrument with Electric Actuator Directional Control Assembly」と題する米国特許公開第2012/0239012号、及び/又は2010年10月21日に公開され、その開示が参照により本明細書に組み込まれている、「Surgical Stapling Instrument with An Articulatable End Effector」と題する米国特許公開第2010/0264193号の様々な教示と容易に組み合わせることができる。別の単なる例示的な例として、本明細書の様々な教示は、電動式電気的外科装置に容易に適用することができる。例えば、当業者には明らかであるように、本明細書の様々な教示は、2012年5月10日に公開され、その開示が参照により本明細書に組み込まれている、「Motor Driven Electrosurgical Device with Mechanical and Electrical Feedback」と題する米国特許公開第2012/0116379号の様々な教示と容易に組み合わせることができる。本明細書の教示を適用することができる他の好適な種類の器具、及び本明細書の教示をかかる器具に適用するための様々な方法は、当業者には明らかであろう。
【0129】
参照により本明細書に組み込まれると称されるいかなる特許、刊行物、又は他の開示内容も、その全体又は一部において、組み込まれる内容が現行の定義、見解、又は本開示に記載された他の開示内容とあくまで矛盾しない範囲でのみ、本明細書に組み込むものであることが認識されるべきである。このように及び必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載されている開示は、参照により本明細書に組み込まれる任意の矛盾する内容に取って代わるものとする。本明細書に参照により組み込まれると称されているが既存の定義、見解、又は本明細書に記載された他の開示内容と矛盾する全ての内容、又はそれらの部分は、組み込まれた内容と既存の開示内容との間にあくまで矛盾が生じない範囲でのみ組み込むものとする。
【0130】
上述した装置の変更例は、医療専門家によって行われる従来の治療及び手術での用途だけでなく、ロボット支援された治療及び手術での用途も有することができる。例示的なものにすぎないが、本明細書の様々な教示は、ロボットによる外科用システム、例えばIntuitive Surgical,Inc.(Sunnyvale,California)によるDAVINCI(商標)システムに容易に組み込まれ得る。
【0131】
上述した変更例は、1回の使用後に廃棄されるように設計されてもよく、あるいは、それらは、複数回使用されるように設計されてもよい。各変更例は、いずれの場合も、少なくとも1回の使用後に再使用のために再調整することができる。再調整は、装置を分解する工程、それに続いて特定の部品を洗浄又は交換する工程、並びにその後の再組み立て工程の任意の組み合わせを含んでもよい。具体的には、装置のいくつかの変更例は分解されてもよく、また、装置の任意の個数の特定の部分又は部品が、任意の組み合わせで選択的に交換されるか、あるいは取り外されてもよい。特定の部品の洗浄及び/又は交換の際、装置のいくつかの変更例は、再調整用の施設で、又は手術の直前にユーザによって、その後の使用のために再組み立てされてもよい。装置の再調整では、分解、洗浄/交換、及び再組立のための様々な技術を利用できることが、当業者には理解されよう。このような技術の使用、及びその結果として得られる再調整された装置は、全て、本出願の範囲内にある。
【0132】
例示的なものにすぎないが、本明細書で説明した変更例は、手術の前及び/又は後に、滅菌されてもよい。ある滅菌技術において、装置は、プラスチック製又はタイベック(TYVEK)製のバックなど、閉じられ密封された容器に入れられる。次いで、容器及び装置は、γ放射線、X線、又は高エネルギー電子など、容器を透過し得る放射線場に置かれてもよい。放射線により、装置上及び容器内の細菌を死滅させることができる。次に、滅菌された装置は、後の使用のために、滅菌した容器内に保管されてもよい。装置はまた、限定されるものではないが、β若しくはγ放射線、エチレンオキシド、又は水蒸気を含め、当該技術分野で既知の任意の他の技術を使用して滅菌されてもよい。
【0133】
本発明の様々な実施形態について図示し説明したが、本明細書で説明した方法及びシステムの更なる改作が、当業者による適切な変更により、本発明の範囲を逸脱することなく達成され得る。そうした可能な変更例のいくつかについて述べたが、その他の改変も当業者には明らかであろう。例えば、上記で考察した例、実施形態、形状、材料、寸法、比率、工程などは、例示的なものであって必須のものではない。したがって、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲から考慮されるべきであり、本明細書及び図面に示し説明した構造及び操作の細部に限定されると解釈されるものではない。
【0134】
〔実施の態様〕
(1) (a)本体と、
(b)該本体から遠位側に延在するシャフトであって、該シャフトは、近位端及び遠位端を備える、シャフトと、
(c)ステープル留め組立体であって、該ステープル留め組立体は、該シャフトの該遠位端に配置され、該ステープル留め組立体は、開放位置から閉鎖位置へと選択的に動くように構成され、該ステープル留め組立体は、複数のステープルを組織の中へと駆動するように動作可能である、ステープル留め組立体と、
(d)モータと、
(e)該モータに連結されるカム組立体であって、該モータは、該カム組立体を回転させるように構成されている、カム組立体と、
(f)該カム組立体と連結される発射組立体であって、該発射組立体は、長手方向に移動し、それにより該ステープル留め組立体が該複数のステープルを駆動するように構成され、該カム組立体は、回転可能であり、それにより該発射組立体を長手方向に作動させる、発射組立体と、を備える、外科用器具。
(2) 前記カム組立体は、半径方向内向きに提示されたカム表面と、半径方向外向きに提示されたカム表面と、を備え、該半径方向外向きに提示されたカム表面は、前記カム組立体の第1の角度運動の範囲での回転に応じて、前記発射組立体を遠位側に駆動するように構成され、該半径方向内向きに提示されたカム表面は、前記カム組立体の第2の角度運動の範囲での回転に応じて、前記発射組立体を近位側に駆動するように構成されている、実施態様1に記載の器具。
(3) 前記発射組立体は、前記カム組立体に係合されるアームを備え、該アームは、長手方向に移動して、前記発射組立体を長手方向に作動させるように構成されている、実施態様1に記載の器具。
(4) 前記カム組立体は、バレルカムを備える、実施態様3に記載の器具。
(5) バレルカムは、傾斜カム面を備える、実施態様4に記載の器具。
【0135】
(6) 前記発射組立体は、前記傾斜カム面に接触するローラを更に備える、実施態様5に記載の器具。
(7) バレルカムは、該バレルカムの外部から外向きに延在する、傾斜した環状の突出部を備える、実施態様5に記載の器具。
(8) バレルカムは、該バレルカムの外部内に画定される、傾斜した環状のチャネルを備える、実施態様5に記載の器具。
(9) 前記アームは、前記傾斜した環状のチャネル内に摺動可能に配置されている、実施態様8に記載の器具。
(10) 前記本体は、ハンドル組立体を備え、前記モータは、該ハンドル組立体内に位置付けられている、実施態様1に記載の器具。
【0136】
(11) 前記ハンドル組立体は、ピストルグリップを備え、該ピストルグリップは、前記発射組立体の近位部分に対して、かつ前記シャフトの前記近位端に対して斜めに配向され、前記モータは、前記モータが前記発射組立体の近位部分に対して、かつ前記シャフトの前記近位端に対して斜めに配向されるように、該ピストルグリップ内に位置付けられている、実施態様10に記載の器具。
(12) 前記本体に回転可能に固定された枢動アームを更に含み、該枢動アームの第1の部分は、前記カム組立体に係合され、該枢動アームの第2の部分は、前記発射組立体に係合され、前記カム組立体は、該枢動アームを回転させるように回転可能であり、該枢動アームは、前記発射組立体を長手方向に作動させるように回転可能である、実施態様1に記載の器具。
(13) 前記カム組立体は、カムを備え、前記カムは、該カムの外部に形成されるチャネルを有する、実施態様12に記載の器具。
(14) 前記カム組立体は、回転部材の面に形成されるカムチャネルを備える、実施態様12に記載の器具。
(15) 前記枢動アームの前記第1の部分は、前記カムチャネル内に摺動可能に配置されている、実施態様14に記載の器具。
【0137】
(16) 前記カム組立体は、回転部材の面から延在するカム突出部を備え、前記枢動アームの前記第1の部分は、該カム突出部と摺動可能に連結されている、実施態様12に記載の器具。
(17) 前記カム組立体は、少なくとも第1のカム及び第2のカムを備える、実施態様1に記載の器具。
(18) 前記発射組立体は、前記本体に回転可能に固定される枢動アームを備え、該枢動アームの第1の部分は、前記第1のカムに係合され、該枢動アームの第2の部分は、前記第2のカムに係合され、該枢動アームの第3の部分は、前記発射組立体に係合され、前記カム組立体は、該枢動アームを回転させるように回転可能であり、該枢動アームは、前記発射組立体を長手方向に移動させるように回転可能である、実施態様17に記載の器具。
(19) (a)本体と、
(b)該本体から遠位側に延在するシャフトであって、該シャフトは、近位端及び遠位端を備える、シャフトと、
(c)ステープル留め組立体であって、該ステープル留め組立体は、該シャフトの該遠位端に配置され、該ステープル留め組立体は、開放位置から閉鎖位置へと選択的に動くように構成され、該ステープル留め組立体は、複数のステープルを組織の中へと駆動するように動作可能である、ステープル留め組立体と、
(d)モータと、
(e)該モータと連結されるカム組立体であって、該モータは、該カム組立体を回転させるように構成されている、カム組立体と、
(f)発射組立体であって、該発射組立体は、長手方向に移動し、それにより該ステープル留め組立体が該複数のステープルを駆動するように構成され、該カム組立体は、回転可能であり、それにより該発射組立体を長手方向に移動させ、該カム組立体は、1回転し、それにより該発射組立体を近位位置から遠位位置へと駆動させ、該近位位置、又は該遠位位置よりも近位にある他の位置のいずれかへ戻すように構成されている、発射組立体と、を備える、外科用器具。
(20) (a)本体と、
(b)該本体から遠位側に延在するシャフトであって、該シャフトは、近位端及び遠位端を備える、シャフトと、
(c)ステープル留め組立体であって、該ステープル留め組立体は、該シャフトの該遠位端に配置され、該ステープル留め組立体は、開放位置から閉鎖位置へと選択的に動くように構成され、該ステープル留め組立体は、複数のステープルを組織の中へと駆動するように動作可能である、ステープル留め組立体と、
(d)モータと、
(e)該モータと連結されるカム組立体であって、該モータは、該カム組立体を回転させるように構成されている、カム組立体と、
(f)発射組立体であって、該発射組立体は、係合部材を備え、該係合部材は、該カム組立体に係合され、該発射組立体は、長手方向に移動し、それにより該ステープル留め組立体が該複数のステープルを駆動するように構成され、該カム組立体は、該カム組立体の1回転に応じて、2つの長手方向において該発射組立体を長手方向に移動させるように構成されている、発射組立体と、を備える、外科用器具。