(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記駆動組立体は、カムフォロアを更に備え、前記回転駆動部材は、角度付き表面を備え、前記回転駆動部材と前記第1のリンクとは、該カムフォロアを介して連通し、前記回転駆動部材は、該カムフォロアをカム動作によって動かすように動作可能である、請求項1に記載の機器。
前記第1のトグルリンク及び前記第2のトグルリンクは、単一の枢動点を介して前記第1のリンクと連通し、前記第1のトグルリンク及び前記第2のトグルリンクは、真っ直ぐな形状を形成して、前記移動可能な駆動部材を遠位側に前進させるように動作可能であり、前記第1のトグルリンク及び前記第2のトグルリンクは、折り畳まれた形状を形成して、前記移動可能な駆動部材を近位側に後退させるように動作可能である、請求項10に記載の機器。
前記駆動組立体は、前記少なくとも1つのトグルリンクと連通するピンを更に備え、前記ラックは、スロットを画定し、該ピンは、該スロット内に摺動可能に配置されている、請求項14に記載の機器。
前記駆動組立体は、前記モータと連通し、かつ前記複数のトグルリンクと更に連通する、ラック及びピニオンを更に備え、該ラックは、前記複数のトグルリンクを真っ直ぐにするように移動して、前記移動駆動部材を遠位側に前進させるように構成され、該ラックは、前記複数のトグルリンクを折り畳むように移動して、前記移動駆動部材を近位側に後退させるように更に構成されている、請求項16に記載の機器。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本技術の特定の例に関する以下の説明は、本技術の範囲を限定するために使用されるべきではない。本技術の他の例、特徴、態様、実施形態、及び利点が以下の説明から当業者には明らかとなろう。以下の説明は、実例として、本技術を実施するために企図される最良の形態のうちの1つである。理解されるように、本明細書で説明される本技術は、全て本技術から逸脱することなく、他の種々の明白な態様が可能である。したがって、図面及び説明文は、制限的なものではなく、例示的な性質のものとして見なされるべきである。
【0008】
I.例示的な円形ステープル留め外科用器具の概要
図1〜
図6は、ステープル留めヘッド組立体(20)、シャフト組立体(60)、及びアクチュエータハンドル組立体(70)を有する例示的な円形外科用ステープル留め器具(10)を示し、それぞれについては、以下でより詳細に説明する。シャフト組立体(60)は、アクチュエータハンドル組立体(70)から遠位側に延在し、ステープル留めヘッド組立体(20)は、シャフト組立体(60)の遠位端に連結される。端的には、アクチュエータハンドル組立体(70)は、ステープル留めヘッド組立体(20)のステープルドライバ(24)を作動させて、複数のステープル(66)をステープル留めヘッド組立体(20)の外部へと駆動させるように動作可能である。ステープル(66)は、器具(10)の遠位端に装着されたアンビル(40)によって曲げられ、完成したステープルを成形する。したがって、器具(10)を利用して、
図2A〜
図2Cに示される組織(2)をステープル留めすることができる。
【0009】
本発明の例では、器具(10)は、閉鎖システム及び発射システムを備える。閉鎖システムは、トロカール(38)、トロカールアクチュエータ(39)、及び回転ノブ(98)を備える。アンビル(40)は、トロカール(38)の遠位端に連結していてもよい。回転ノブ(98)は、ステープル留めヘッド組立体(20)に対してトロカール(38)を長手方向に移動させるように動作可能であり、それによって、アンビル(40)がトロカール(38)に連結すると、アンビル(40)を移動させて、アンビル(40)とステープル留めヘッド組立体(20)との間の組織をクランプする。発射システムは、トリガ(74)、トリガ作動組立体(84)、ドライバアクチュエータ(64)、及びステープルドライバ(24)を備える。ステープルドライバ(24)は、ステープルドライバ(24)が長手方向に作動すると、組織を切り離すように構成されたナイフ(36)を含む。加えて、ステープル(66)は、ステープルドライバ(24)の複数のステープル駆動機構(30)より遠位側に位置付けられており、その結果、ステープルドライバ(24)が長手方向に作動すると、ステープルドライバ(24)もまた、ステープル(66)を遠位側に駆動させる。これにより、トリガ(74)が作動し、トリガ作動組立体(84)がドライバアクチュエータ(64)を介してステープルドライバ(24)を作動させると、ナイフ(36)及び部材(30)は、ほぼ同時に、組織(2)を切り離し、ステープル(66)を組織内へと、ステープル留めヘッド組立体(20)に対して遠位側に駆動する。閉鎖システム及び発射システムの構成部品及び機能性について、次でより詳細に説明する。
【0010】
A.例示的なアンビル
図1〜
図2Cに示すように、アンビル(40)は、器具(10)に選択的に連結可能であり、表面であって、その表面に対してステープル(66)が曲げられ、ステープル留めヘッド組立体(20)とアンビル(40)との間に包含された物質をステープル留めすることができる表面、を提供する。本発明の例のアンビル(40)は、ステープル留めヘッド組立体(20)に対して遠位側に延在するトロカール又は先の尖ったロッド(38)に選択的に連結可能である。
図2A〜
図2Cを参照すると、アンビル(40)は、アンビル(40)の近位シャフト(42)への連結を介して、トロカール(38)の遠位先端部に選択的に連結可能である。アンビル(40)は、概ね円形のアンビルヘッド(48)と、アンビルヘッド(48)から近位側に延在する近位シャフト(42)とを備える。図示されている例では、近位シャフト(42)は、アンビル(40)をトロカール(38)に選択的に連結するための、弾性的に付勢された保持クリップ(46)を有する管状部材(44)を備えるが、これは単に任意選択的なものにすぎず、アンビル(40)をトロカール(38)に連結するための他の保持機構も同様に使用されてもよいことを理解されたい。例えば、アンビル(40)をトロカール(38)に連結するために、Cクリップ、クランプ、糸、ピン、接着剤などを用いてよい。加えて、アンビル(40)は、トロカール(38)に選択的に連結可能であるように説明されているが、変更例によっては、一旦アンビル(40)が装着されると、アンビル(40)がトロカール(38)から取り外すことができないように、近位シャフト(42)が一方向の連結機構を含んでいてもよい。単なる例示的な一方向の機構として、かえし(barb)、一方向スナップ、コレット、カラー、タブ、バンドなどが挙げられる。当然ながら、アンビル(40)をトロカール(38)に連結するための更なる他の構成は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。例えば、トロカール(38)は、代わりに中空シャフトであってもよく、近位シャフト(42)は、中空シャフトに挿入可能な尖ったロッドを備えていてもよい。
【0011】
本発明の例のアンビルヘッド(48)は、アンビルヘッド(48)の近位面(50)に形成された複数のステープル成形ポケット(52)を備える。したがって、
図2Cに示すように、アンビル(40)が閉鎖位置にあり、ステープル(66)がステープル留めヘッド組立体(20)からステープル成形ポケット(52)の中へと駆動されると、ステープル(66)の脚部(68)が曲げられて、完成したステープルが成形される。
【0012】
別個の構成部品としてのアンビル(40)の場合は、アンビル(40)は、ステープル留めヘッド組立体(20)に連結されるに先立って、組織(2)の一部分に挿入され、固定されてもよいことを理解されたい。例示的なものにすぎないが、器具(10)が組織(2)の第2の管状部分の中に挿入され、固定された状態で、アンビル(40)が、組織(2)の第1の管状部分の中に挿入され、固定されてもよい。例えば、組織(2)の第1の管状部分は、アンビル(40)の一部分に、又はアンビル(40)の一部分の周囲に縫合されてもよく、組織(2)の第2の管状部分は、トロカール(38)に、又はトロカール(38)の周囲に縫合されてもよい。
【0013】
図2Aに示すように、アンビル(40)は次いで、トロカール(38)に連結される。本発明の例のトロカール(38)は、最遠位の作動位置で図示される。このようにトロカール(38)が伸長した位置にくることで、アンビル(40)の装着に先立って組織(2)が連結され得る面積をより広く提供することができる。加えて、トロカール(38)が伸長した位置にくることで、アンビル(40)のトロカール(38)への装着をより容易にすることもできる。トロカール(38)は、テーパー付き遠位先端部を更に備える。かかる先端部は、組織を穿孔することができ、かつ/又は、トロカール(38)へのアンビル(40)の挿入を補助することができてもよいが、このテーパー付き遠位先端部は、単に任意選択的なものにすぎない。例えば、他の変更例では、トロカール(38)は、鈍先端部を有していてもよい。加えて、又は、代替的に、トロカール(38)は、アンビル(40)をトロカール(38)に向かって引き寄せることができる磁性部分(図示せず)を含んでいてもよい。当然ながら、アンビル(40)及びトロカール(38)のための尚更なる構成及び配置は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。
【0014】
アンビル(40)がトロカール(38)に連結されると、アンビル(40)の近位面とステープル留めヘッド組立体(20)の遠位面との間の距離が、間隙距離dを定義する。本発明の例のトロカール(38)は、以下でより詳細に説明されるように、アクチュエータハンドル組立体(70)の近位端に位置する調整ノブ(98)を介して、ステープル留めヘッド組立体(20)に対して、長手方向に移動可能である。したがって、アンビル(40)がトロカール(38)に連結されると、調整ノブ(98)の回転が、アンビル(40)をステープル留めヘッド組立体(20)に対して作動させることによって、間隙距離dを拡大又は減少させる。例えば、
図2A及び
図2Bに順に示すように、アンビル(40)は、最初の開放位置から閉鎖位置へと、アクチュエータハンドル組立体(70)に対して近位側に作動することにより、間隙距離dと、接合される組織(2)の2つの部分の間の距離とを減少させることがわかる。一旦間隙距離dが所定の範囲以内になれば、
図2Cに示すように、ステープル留めヘッド組立体(20)が発射され、アンビル(40)とステープル留めヘッド組立体(20)との間の組織(2)を、ステープル留めし、切り離すことができる。以下でより詳細に説明されるように、ステープル留めヘッド組立体(20)は、ユーザがアクチュエータハンドル組立体(70)のトリガ(74)を枢動させることによって、組織(2)をステープル留めし、切り離すように動作可能である。
【0015】
上記の通り、間隙距離dは、アンビル(40)とステープル留めヘッド組立体(20)との間の距離に対応する。器具(10)が患者内に挿入されると、この間隙距離dが容易に視認可能でない場合がある。したがって、トリガ(74)に対向して位置付けられる表示窓(120)を通して視認可能となるよう、
図5及び
図6に示す可動式の表示バー(110)が提供される。表示バー(110)は、調整ノブ(98)の回転に応じて動くように動作可能であり、表示バー(110)の位置は、間隙距離dを表す。
図6に示すように、表示窓(120)は、目盛り(130)を更に備え、その目盛り(130)は、アンビルギャップが所望の操作範囲(例えば、緑色に着色された領域又は「グリーンゾーン」)内にあることと、目盛り(130)のそれぞれの端部に対応するステープルの圧縮を描いた図と、を示す。例示的なものにすぎないが、
図6に示すように、第1のステープル図(132)は、高さの高いステープルを示す一方、第2のステープル図(134)は、高さの低いステープルを示す。したがって、ユーザは、表示バー(110)及び目盛り(130)を介して、連結されたアンビル(40)のステープル留めヘッド組立体(20)に対する位置を視認することができる。ユーザは、次いで、調節ノブ(98)を介して、アンビル(40)の位置決めを適宜調節してもよい。
【0016】
図2A〜
図2Cを再度参照すると、ユーザは、管状部材(44)の周囲に組織(2)の一部分を縫合しており、アンビルヘッド(48)は、ステープル留めされる組織(2)の一部分の中に位置する。組織(2)がアンビル(40)に装着されると、保持クリップ(46)及び管状部材(44)の一部分は、組織(2)から突出しており、ユーザは、アンビル(40)をトロカール(38)に連結することができる。組織(2)がトロカール(38)及び/又はステープル留めヘッド組立体(20)の他の部分に連結した状態で、ユーザは、アンビル(40)をトロカール(38)に装着させ、アンビル(40)をステープル留めヘッド組立体(20)に向かって近位側に作動させて、間隙距離dを減少させる。一旦器具(10)が操作範囲内に入れば、ユーザは、次いで、組織(2)の両端を互いにステープル留めすることによって、ほぼ連続した組織(2)の管状部分を形成する。
【0017】
アンビル(40)は、米国特許第5,205,459号、米国特許第5,271,544号、米国特許第5,275,322号、米国特許第5,285,945号、米国特許第5,292,053号、米国特許第5,333,773号、米国特許第5,350,104号、米国特許第5,533,661号、及び/又は米国特許公開第2012/0292372号(これらの開示は、参照により本明細書に組み込まれる)の教示の少なくとも一部に従って、かつ/又は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう他の構成に従って、更に構築することができる。
【0018】
B.例示的なステープル留めヘッド組立体
本発明の例のステープル留めヘッド組立体(20)は、シャフト組立体(60)の遠位端に連結され、摺動可能なステープルドライバ(24)と、ステープルポケット(32)内に包含される複数のステープル(66)とを収容する管状ケーシング(22)を備える。ステープル(66)及びステープルポケット(32)は、管状ケーシング(22)の周囲に円形アレイ状に配置される。本発明の例では、ステープル(66)及びステープルポケット(32)は、ステープル(66)及びステープルポケット(32)からなる一対の同心環状列として配置される。ステープルドライバ(24)は、アクチュエータハンドル組立体(70)のトリガ(74)の回転に応じて、管状ケーシング(22)内で長手方向に作動するように動作可能である。
図2A〜
図2Cに示すように、ステープルドライバ(24)は、トロカール開口部(26)と、中央凹部(28)と、中央凹部(28)の周囲に円周方向に配置され、かつシャフト組立体(60)に対して遠位側に延在する複数の部材(30)とを有するフレア状の円筒状部材を備える。それぞれの部材(30)は、ステープルポケット(32)内の複数のステープル(66)のうち、対応するステープル(66)と接触し、係合するように構成されている。したがって、ステープルドライバ(24)が、アクチュエータハンドル組立体(70)に対して遠位側に作動されると、それぞれの部材(30)は、対応するステープル(66)を、管状ケーシング(22)の遠位端の中に形成されるステープル孔(34)を通して、ステープルポケット(32)の外部へと駆動させる。それぞれの部材(30)がステープルドライバ(24)から延在しているため、複数のステープル(66)は、ステープル留めヘッド組立体(20)の外部へと、ほぼ同時に駆動される。アンビル(40)が閉鎖位置にある場合、ステープル(66)は、ステープル成形ポケット(52)の中へと駆動されて、ステープル(66)の脚部(68)を曲げ、それによって、アンビル(40)とステープル留めヘッド組立体(20)との間に位置する物質をステープル留めする。
図3は、部材(30)によってアンビル(40)のステープル成形ポケット(32)の中へと駆動されて、脚部(68)を曲げる、1つの単なる例示的なステープル(66)を示す。
【0019】
ステープルドライバ(24)は、トロカール開口部(26)と同軸であり、ステープルポケット(32)から嵌めこまれる円筒状ナイフ(36)を更に備える。本発明の例では、円筒状ナイフ(36)は、ステープルドライバ(24)と共に遠位側に移動するように、中央凹部(28)内に配置される。アンビル(40)がトロカール(38)に固定されると、上述の通り、アンビルヘッド(48)は、表面であって、その表面に対して、円筒状ナイフ(36)が、アンビル(40)とステープル留めヘッド組立体(20)との間に包含される物質を切断する表面、を提供する。変更例によっては、アンビルヘッド(48)は、円筒状ナイフ(36)が物質を切断することを(例えば、協働する剪断縁部を提供することによって)補助するための凹部(図示せず)を含んでいてもよい。加えて、又は、代替的に、アンビルヘッド(48)は、はさみ型の切断動作を提供できるように、円筒状ナイフ(36)からオフセットした、1つ又は2つ以上の対向する円筒状ナイフ(図示せず)を含んでいてもよい。更なる他の構成は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。これにより、ステープル留めヘッド組立体(20)は、アクチュエータハンドル組立体(70)による作動に応じて、ほぼ同時に、組織(2)のステープル留め及び切断の両方を行うように動作可能である。
【0020】
当然ながら、ステープル留めヘッド組立体(20)は、米国特許第5,205,459号、米国特許第5,271,544号、米国特許第5,275,322号、米国特許第5,285,945号、米国特許第5,292,053号、米国特許第5,333,773号、米国特許第5,350,104号、米国特許第5,533,661号、及び/又は米国特許公開第2012/0292372号(これらの開示は、参照により本明細書に組み込まれる)の教示の少なくとも一部に従って、かつ/又は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう他の構成に従って、更に構築することができる。
【0021】
既に述べた通り、ステープルドライバ(24)は、トロカール開口部(26)を含む。トロカール開口部(26)は、トロカール(38)が、ステープル留めヘッド組立体(20)及び/又はシャフト組立体(60)に対して、長手方向に摺動することを可能にするように構成されている。
図2A〜
図2Cに示すように、トロカール(38)は、トロカール(38)が回転ノブ(98)の回転を介して長手方向に作動され得るように、トロカールアクチュエータ(39)に連結される。これについては、アクチュエータハンドル組立体(70)に関連して以下でより詳細に説明する。本発明の例では、トロカールアクチュエータ(39)は、トロカール(38)に連結された、細長く、比較的硬質のシャフトを備えるが、これは単に任意選択的なものにすぎない。変更例によっては、アクチュエータ(39)は、器具(10)の部分を使用中に選択的に曲げることができるように、若しくは湾曲させることができるように、短手方向には曲げることが可能であるが、長手方向には硬質である材料を備えてもよく、又は、器具(10)は、予め曲げられたシャフト組立体(60)を含んでいてもよい。1つの例示に過ぎないが、材料としてはニチノールがある。アンビル(40)がトロカール(38)に連結されると、トロカール(38)及びアンビル(40)は、アクチュエータ(39)を介して移動可能であり、アンビル(40)とステープル留めヘッド組立体(20)との間の間隙距離dを調整する。アクチュエータ(39)がトロカール(38)を長手方向に作動するための尚更なる構成は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。
【0022】
C.例示的なシャフト組立体
図2A〜
図2Cに示すように、ステープル留めヘッド組立体(20)及びトロカール(38)は、シャフト組立体(60)の遠位端に位置付けられる。本発明の例のシャフト組立体(60)は、外部管状部材(62)及びドライバアクチュエータ(64)を備える。外部管状部材(62)は、ステープル留めヘッド組立体(20)の管状ケーシング(22)と、アクチュエータハンドル組立体(70)の本体(72)とに連結されており、それによって、内部の作動部品のためのメカニカルグラウンドを提供する。ドライバアクチュエータ(64)の近位端は、後述するアクチュエータハンドル組立体(70)のトリガ作動組立体(84)に連結される。ドライバアクチュエータ(64)の遠位端は、ステープルドライバ(24)に連結されており、トリガ(74)の回転がステープルドライバ(24)を長手方向に作動させる。
図2A〜
図2Cに示すように、ドライバアクチュエータ(64)は、開いた長手方向軸線を有する管状部材を備えており、トロカール(38)に連結されたアクチュエータ(39)は、ドライバアクチュエータ(64)内で、かつドライバアクチュエータ(64)に対して、長手方向に作動できる。当然ながら、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるように、ドライバアクチュエータ(64)内に他の構成部品が配置されてもよいことを理解されたい。
【0023】
シャフト組立体(60)は、米国特許第5,205,459号、米国特許第5,271,544号、米国特許第5,275,322号、米国特許第5,285,945号、米国特許第5,292,053号、米国特許第5,333,773号、米国特許第5,350,104号、米国特許第5,533,661号、及び/又は米国特許公開第2012/0292372号(これらの開示は、参照により本明細書に組み込まれる)の教示の少なくとも一部に従って、かつ/又は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう他の構成に従って、更に構築することができる。
【0024】
D.例示的なアクチュエータハンドル組立体
次に、
図4A〜
図5を参照すると、アクチュエータハンドル組立体(70)は、本体(72)、トリガ(74)、ロックアウト機構(82)、トリガ作動組立体(84)、及びトロカール作動組立体(90)を備える。本発明の例のトリガ(74)は、本体(72)に枢動可能に取り付けられ、かつトリガ作動組立体(84)に連結されおり、未発射位置(
図4Aに示される)から発射済位置(
図4Bに示される)へのトリガ(74)の回転により、上述したドライバアクチュエータ(64)が作動する。バネ(78)は、本体(72)及びトリガ(74)に連結されて、未発射位置に向かってトリガ(74)を付勢させる。ロックアウト機構(82)は、本体(72)に連結される枢動可能な部材である。第1の係止位置において、ロックアウト機構(82)は、上方へ、本体(72)から離れるように枢動されており、ロックアウト機構(82)は、トリガ(74)に係合し、ユーザによるトリガ(74)の作動に対して機械的に抵抗する。
図1及び
図4Bに示されるような、第2の係止解除位置において、ロックアウト機構(82)は、下方へ枢動されており、ユーザは、トリガ(74)を作動できる。したがって、ロックアウト機構(82)が第2の位置にある場合には、トリガ(74)は、トリガ作動組立体(84)に係合して、器具(10)を発射できる。
【0025】
図4A及び
図4Bに示すように、本発明の例のトリガ作動組立体(84)は、ドライバアクチュエータ(64)の近位端と係合する摺動可能なトリガキャリッジ(86)を備える。キャリッジ(86)は、キャリッジ(86)の近位端上に、一対のタブ(88)を含み、トリガ(74)から延在する一対のトリガアーム(76)を保持し、係合する。したがって、トリガ(74)が枢動すると、キャリッジ(86)は、長手方向に作動し、長手方向の動作をドライバアクチュエータ(64)に伝達する。図示されている例では、キャリッジ(86)は、ドライバアクチュエータ(64)の近位端に固定的に連結されているが、これは単に任意選択的なものにすぎない。実際には、1つの単なる例示的な代替例においては、遠位のバネ(図示せず)によって、ドライバアクチュエータ(64)をアクチュエータハンドル組立体(70)に対して近位側に付勢させた状態で、キャリッジ(86)が、ドライバアクチュエータ(64)に接するだけでよい。
【0026】
トリガ作動組立体(84)は、米国特許第5,205,459号、米国特許第5,271,544号、米国特許第5,275,322号、米国特許第5,285,945号、米国特許第5,292,053号、米国特許第5,333,773号、米国特許第5,350,104号、米国特許第5,533,661号、及び/又は米国特許公開第2012/0292372号(これらの開示は、参照により本明細書に組み込まれる)の教示の少なくとも一部に従って、かつ/又は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう他の構成に従って、更に構築することができる。
【0027】
本体(72)はまた、調整ノブ(98)の回転に応じて、トロカール(38)を長手方向に作動するように構成されたトロカール作動組立体(90)を収容する。
図4A〜
図5に最もよく示されるように、本発明の例のトロカール作動組立体(90)は、調整ノブ(98)、溝付きシャンク(94)、及びスリーブ(92)を備える。本発明の例の溝付きシャンク(94)は、トロカールアクチュエータ(39)の近位端に位置しているが、溝付きシャンク(94)及びトロカールアクチュエータ(39)は、長手方向の移動を伝動するために係合する別個の構成部品であってもよいことを理解されたい。溝付きシャンク(94)は、本体(72)内で移動するように構成されているが、溝付きシャンク(94)は、本体(72)内で回転はしない。調整ノブ(98)は、本体(72)の近位端によって回転可能に支持され、かつ、内部タブ(図示せず)を介して溝付きシャンク(94)と係合するスリーブ(92)を回転させるように動作可能である。調整ノブ(98)はまた、以下でより詳細に説明されるように、内部ねじ山(図示せず)を画定する。本発明の例の溝付きシャンク(94)は、溝付きシャンク(94)の外表面に形成された連続的な溝(96)を備える。したがって、調整ノブ(98)が回転すると、スリーブ(92)の内部タブは、溝(96)内に乗り、溝付きシャンク(94)は、スリーブ(92)に対して長手方向に作動する。溝付きシャンク(94)がトロカールアクチュエータ(39)の近位端に位置するため、調整ノブ(98)を第1の方向へ回転させることで、トロカールアクチュエータ(39)は、アクチュエータハンドル組立体(70)に対して遠位側に前進する。したがって、アンビル(40)とステープル留めヘッド組立体(20)との間の間隙距離dが増大する。調整ノブ(98)を反対方向へ回転させることにより、トロカールアクチュエータ(39)は、アクチュエータハンドル組立体(70)に対して近位側に作動して、アンビル(40)とステープル留めヘッド組立体(20)との間の間隙距離dを減少させる。これにより、トロカール作動組立体(90)は、調整ノブ(98)を回転させることに応じて、トロカール(38)を作動させるように動作可能である。当然ながら、トロカール作動組立体(90)のための他の構成は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。
【0028】
本発明の例の溝(96)は、軸方向の距離当たりのピッチ又は溝の数が様々な、複数の異なる部分(96A、96B、96C)を備える。本発明の溝(96)は、遠位部分(96A)、中間部分(96B)、及び近位部分(96C)に分けられる。
図5に示すように、遠位部分(96A)は、溝付きシャンク(94)の軸方向の短い長さにわたって微細なピッチ又は多くの溝を備える。中間部分(96B)は、軸方向の長さ当たりに対して、比較的粗いピッチ又は少ない数の溝を有する区画を備えており、スリーブ(92)の内部タブが軸方向の長い距離を横断するために必要な回転数は、相対的に少なくなる。アンビル(40)がステープル留めヘッド組立体(20)に対して、最初の遠位位置にある場合、スリーブ(92)の内部タブは、中間部分(96B)に位置付けられる。したがって、スリーブ(92)の内部タブが中間部分(96B)を横断する間、調整ノブ(98)の相対的に少ない回転数によって、間隙距離dを速やかに減少することができる。本発明の例の近位部分(96C)は、遠位部分(96A)とほぼ同様であり、溝付きシャンク(94)の軸方向の短い距離にわたって微細なピッチ又は多くの溝を備えており、軸方向に短い距離を横断するために必要な回転数は多くなる。以下でより詳細に説明するように、アンビル(40)がステープル留めヘッド組立体(20)のほぼ近くにある場合、本発明の例の近位部分(96C)は、ノブ(98)によって画定される内部ねじ山によって係合されており、表示バー(110)は、目盛り(130)に沿って表示窓(120)内を動いて、アンビルギャップが所望の操作範囲内にあることを示す。したがって、溝付きシャンク(94)が、溝(96)の近位部分(96C)がノブ(98)の内部ねじ山に係合する近位位置に到達すると、調整ノブ(98)の各回転によって、間隙距離dを比較的わずかな量だけ減少させて、細かな調整を提供することができる。近位部分(96C)がノブ(98)の内部ねじ山と係合すると、スリーブ(92)の内部タブは、溝(96)から係合解除されることを理解されたい。
【0029】
トロカール作動組立体(90)は、米国特許第5,205,459号、米国特許第5,271,544号、米国特許第5,275,322号、米国特許第5,285,945号、米国特許第5,292,053号、米国特許第5,333,773号、米国特許第5,350,104号、米国特許第5,533,661号(これらの開示は、参照により本明細書に組み込まれる)の教示の少なくとも一部に従って、かつ/又は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう他の構成に従って、更に構築することができる。
【0030】
図4A及び
図4Bに示す例では、U字クリップ(100)は、溝付きシャンク(94)の遠位側に位置するトロカールアクチュエータ(39)の中間部分に装着される。本発明の例では、トロカールアクチュエータ(39)の伸長部は、ハンドル組立体(70)のハウジングの中にあるスロットに係合して、調整ノブ(98)が回転すると、トロカールアクチュエータ(39)がその軸を中心に回転することを防止する。本発明の例のU字クリップ(100)は、その両側に、ねじ、ボルト、ピンなどの装着部材を受け入れるための細長スロット(102)を更に含んでおり、目盛り(130)に対する表示バー(110)の較正を目的として、トロカールアクチュエータ(39)に対するU字クリップ(100)の細長スロット(102)の長手方向位置を選択的に調整する。変更例によっては、装着部材(例えば、ねじ、ボルト、ピンなど)は、本体(72)の一部分と係合して、調整ノブ(98)が回転すると、トロカールアクチュエータ(39)がその軸を中心に回転することをほぼ防止する。
【0031】
図5に示すように、アクチュエータハンドル組立体(70)は、表示器(104)に係合し、かつ表示器(104)を枢動させるように構成された表示器ブラケット(140)を更に含む。本発明の例の表示器ブラケット(140)は、本体(72)上に形成された一対のスロットに沿って、本体(72)に対して摺動可能である。表示器ブラケット(140)は、長方形プレート(144)、表示器アーム(146)、及び角度付きフランジ(142)を備える。角度付きフランジ(142)は、長方形プレート(144)の近位端に形成され、トロカールアクチュエータ(39)及び/又は溝付きシャンク(94)上に摺動可能に取り付けるための孔(図示せず)を含む。フランジ(142)をU字クリップ(100)に対して付勢させるために、フランジ(142)とボス(152)との間にコイルバネ(150)が介在している。したがって、U字クリップ(100)がトロカールアクチュエータ(39)及び/又は溝付きシャンク(94)と共に遠位側に作動すると、コイルバネ(150)は、表示器ブラケット(140)がU字クリップ(100)と共に遠位側に移動するように促す。加えて、トロカールアクチュエータ(39)及び/又は溝付きシャンク(94)が近位側に移動すると、U字クリップ(100)は、表示器ブラケット(140)をボス(152)に対して近位側に促すことによって、コイルバネ(150)を圧縮する。当然ながら、変更例によっては、表示器ブラケット(140)は、トロカールアクチュエータ(39)及び/又は溝付きシャンク(94)に固定的に装着されてもよいことを理解されたい。
【0032】
本発明の例では、表示器ブラケット(140)が、アンビルギャップが所望の操作範囲(例えば、緑色に着色された領域又は「グリーンゾーン」)内にあるときに対応しない、長手方向位置にある場合、ロックアウト機構(82)の一部分は、表示器ブラケット(140)の表面(141)に接する。アンビルギャップが所望の操作範囲(例えば、緑色に着色された領域又は「グリーンゾーン」)内にある場合、表示器ブラケット(140)は、狭まって、ロックアウト機構(82)の枢動を可能にする表示器アーム(146)の両側に一対のギャップ(145)を提供しており、それによって、トリガ(74)が解放される。したがって、ロックアウト機構(82)及び表示器ブラケット(140)は、アンビル(40)が所定の操作範囲に来るまで、ユーザがトリガ(74)を解放し、操作してしまうことをほぼ防止することができる。当然ながら、変更例によっては、ロックアウト機構(82)全体を省略してもよいことを理解されたい。
【0033】
この操作範囲は、簡単に上述した、目盛り(130)に対して示された表示器(104)の表示バー(110)を介して、ユーザに対して視覚的に伝達されてもよい。表示器ブラケット(140)の遠位端には、表示器(104)の移動を制御するための短手方向に突出するフィンガ(148)で終端する、遠位側に突出する表示器アーム(146)がある。
図5に最もよく示されるように、表示器アーム(146)及びフィンガ(148)は、表示器(104)のタブ(106)に係合するように構成されており、表示器ブラケット(140)が長手方向に作動すると、表示器(104)は枢動する。本発明の例では、表示器(104)は、表示器(104)の第1の端部において本体(72)に枢動可能に連結されていたが、これは単なる任意選択的なものにすぎず、表示器(104)のための他の枢動点が、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。表示バー(110)は、表示器(104)の第2の端部上に位置付けられており、表示バー(110)は、表示器ブラケット(140)の作動に応じて動く。したがって、上述したように、表示バー(110)は、目盛り(130)(
図6に示されている)に対して、表示窓(120)を通して表示され、アンビル(40)とステープル留めヘッド組立体(20)との間の相対的な間隙距離dを示す。
【0034】
当然ながら、表示器ブラケット(140)、表示器(104)、及び/又はアクチュエータハンドル組立体(70)は、米国特許第5,205,459号、米国特許第5,271,544号、米国特許第5,275,322号、米国特許第5,285,945号、米国特許第5,292,053号、米国特許第5,333,773号、米国特許第5,350,104号、米国特許第5,533,661号、及び/又は米国特許公開第2012/0292372号(これらの開示は、参照により本明細書に組み込まれる)の教示の少なくとも一部に従って、かつ/又は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう他の構成に従って、更に構築することができる。
【0035】
II.例示的な電動式アクチュエータ
場合によっては、手動による円形外科用ステープル留め器具(10)の駆動を避けるように、ステープル(66)及びナイフ(36)を駆動させることが望ましい場合がある。例えば、円形外科用ステープル留め器具(10)を作動するために必要な手の力を、操作者が十分に有していない場合には、ステープルドライバ(24)及びナイフ(36)に対して、電動式組立体を提供することが望ましい場合がある。器具(10)の少なくとも一部を電動化させることはまた、ステープルドライバ(24)及びナイフ(36)の駆動時における操作者のエラーのリスクを減らすことができる。場合によっては、手動で駆動された器具(10)での操作者のエラーにより、器具(10)が十分に作動しなくなることがある。これは、操作者が手動で十分にトリガ(74)を作動し損ねた場合に起こり得、その結果、ステープル(66)が完全に成形されず、吻合が完全に固定されない場合がある。そのため、ステープルドライバ(24)及びナイフ(36)の駆動を電動化することにより、1回の駆動ストロークで、ナイフ(36)が完全に駆動されて組織を切断し、かつステープル(66)が完全に配置されて組織を留めることを確実にすることができる。
【0036】
しかしながら、円形外科用ステープル留め器具(10)の全ての部分を電動化することが必ずしも望ましいわけではない。例えば、ノブ(98)の調整、又はアンビル(40)とステープル留めヘッド組立体(20)との間の距離dを制御する同様の機構は、手動のままであることが望ましい場合がある。本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかであるように、他の機構が電動化された場合であっても、円形外科用ステープル留め器具(10)の他の好適な部分もまた、手動作動に依存し得る。
【0037】
A.例示的な電動式トグル組立体
図7Aは、ステープル(66)及びナイフ(36)を電動で駆動させるために、円形外科用ステープル留め器具(10)で使用する又は円形外科用ステープル留め器具(10)に組み込むことができる、例示的な代替の駆動組立体(200)を示す。具体的には、この例の駆動組立体(200)は、ドライバアクチュエータ(226)を介して、ステープルドライバ(224)及びナイフ(236)と連通している。ステープルドライバ(224)及びナイフ(236)は、上述され、
図2Bに示される、ステープルドライバ(24)及びナイフ(36)とほぼ同様である。駆動組立体(200)のドライバアクチュエータ(226)は、ステープルドライバ(224)を長手方向に駆動するように動作可能であり、上述され、
図2Aに示される、円形外科用ステープル留め器具(10)の駆動アクチュエータ(64)とほぼ同様である。本発明の例では、ドライバアクチュエータ(226)は、ステープルドライバ(224)及びナイフ(236)と連通している梁状構造物を備える。具体的には、ドライバアクチュエータ(226)は、長手方向軸線(230)に沿って遠位側に前進し、かつ近位側に後退するように動作可能であり、ドライバアクチュエータ(226)の動作により、ステープルドライバ(224)及びナイフ(236)は遠位側へ前進及び近位側へ後退することができる。
【0038】
当然ながら、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるように、これらの構成部品はいずれも多様に変化してもよい。
【0039】
駆動組立体(200)は、操作者入力装置(202)及び電源(204)と更に連通している。操作者入力装置(202)は、手動で作動される(例えば、トリガ(74)と同様の)トリガ及び/又は駆動組立体(200)の動作を開始させるように動作可能なその他の入力装置を含んでいてもよい。例えば、操作者入力装置(202)は、駆動組立体(200)を電気的に起動させる、ボタン、トリガ、レバー、スライダ、タッチパッドなどを含み得る。加えて、又は、代替的に、操作者入力装置(202)は、駆動組立体(200)の動作を開始するために操作者によって操作される、電気駆動型又はソフトウェア駆動型のアクチュエータを含んでいてもよい。変更例によっては、操作者入力装置(202)は、駆動組立体(200)と連通している足作動式ペダルを含んでいてもよい。操作者入力装置(202)が取り得る他の好適な形態は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。
【0040】
本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかであるように、操作者入力装置(202)は、円形外科用ステープル留め器具(10)上の、又は円形外科用ステープル留め器具(10)に対して、任意の適切な位置に設置されてもよいこともまた理解されるであろう。例えば、操作者入力装置(202)は、
図1に示すように、アクチュエータハンドル組立体(70)の任意の部分に位置付けられてもよい。あるいは、操作者入力装置(202)はまた、円形外科用ステープル留め器具(10)から離れた別の場所に位置付けられてもよい(別個のコンソール又はコンピュータに操作者入力装置(202)を位置させることを含み得る)。操作者入力装置(202)はまた、円形外科用ステープル留め器具(10)と無線で通信するコンソール又は装置に位置するだろう。操作者入力装置(202)の他の好適な位置は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。
【0041】
電源(204)は、様々な形態を取り得る。例えば、電源(204)は、ケーブルで器具(10)と連結された外部電源(例えば、壁コンセントなど)を備えていてもよい。電源(204)はまた、駆動組立体(200)にエネルギーを送達するように動作可能なバッテリ又はバッテリパックを(例えば、器具(10)内に)含んでいてもよい。電源(204)はまた、場合によっては、駆動組立体(200)に動力を提供するように動作可能な、無線によるエネルギーを提供してもよい。電源(204)の他の好適な変形例は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。
【0042】
本発明の例の駆動組立体(200)は、モータ(206)、駆動輪(208)、垂直リンク(210)、第1及び第2のトグルリンク(216、218)、アンカ(220)、及びドライバアクチュエータ(226)を備える。モータ(206)は、操作者入力装置(202)及び電源(204)と連通している。電源(204)は、モータ(206)に電力を提供するように動作可能であり、それによって、モータ(206)を駆動する。操作者入力装置(202)は、電源(204)からモータ(206)への電力の流れを開始させるように動作可能であり、その結果、操作者は、駆動組立体(200)に始動するよう合図を送ることができる。モータ(206)は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかであるように、回転動作を提供するように動作可能な、任意の好適な種類のモータを含み得る。
【0043】
モータ(206)は、駆動輪(208)と連通している。具体的には、モータ(206)は、駆動シャフト(240)を回転させるように動作可能であり、駆動シャフト(240)は、駆動輪(208)と一体的に連結されている。本発明の例における駆動輪(208)は、円盤形の輪を含む。長手方向軸線(228)は、モータ(206)及び駆動輪(208)を通って延在し、その結果、モータ(206)、駆動シャフト(240)、及び駆動輪(208)は、軸線(228)を中心に同軸で回転する。駆動輪(208)は、結合ジョイント(242)及び第1のピン(212)を介して垂直リンク(210)と連通している。垂直リンク(210)は、逆のクランクシャフト様式(reverse crankshaft fashion)で駆動輪(208)によって駆動される。換言すれば、結合ジョイント(242)は、駆動輪(208)が回転すると、結合ジョイント(242)及び第1のピン(212)が軸線(228)に関して垂直リンク(210)が上下するように誘導するように駆動輪(208)に取り付けられている。結合ジョイント(242)は、軸線(228)からオフセットされており、駆動輪(208)が回転すると、結合ジョイント(242)は、軸線(228)を中心に軌道運動をする。第1のピン(212)と垂直リンク(210)との間の接点もまた、駆動輪(208)が回転すると、長手方向軸線(228)を中心に軌道運動をする。結合ジョイント(242)は、ボールジョイント、自在継手、又は駆動輪(208)が回転すると、垂直リンク(210)の下端部が長手方向軸線(228)を中心とした軌道経路を追従することができるように動作可能である任意の他の好適な接続部を介して第1のピン(212)と連通していてもよい。本発明の例において、結合ジョイント(242)の全長により、ピン(212)は、駆動輪(208)と垂直リンク(210)との間の比較的短い距離を画定しているが、ピン(212)は、駆動輪(208)の動作により、垂直リンク(210)を上向き及び下向きに駆動するように依然として動作可能であるより長いピンを含んでいてもよいことが理解されよう。
【0044】
垂直リンク(210)は、第2のピン(214)と連通しており、第2のピン(214)は、垂直リンク(210)が第1のトグルリンク(216)及び第2のトグルリンク(218)に接合するところである。垂直リンク(210)及び第2のピン(214)は、ボールジョイント、自在継手、又は駆動輪(208)が回転すると、垂直リンク(210)が第1及び第2のトグルリンクに対して横方向に枢動できるように動作可能な任意の他の好適な継手を介して連通していてもよいことが理解されるであろう。本発明の例では、第1及び第2のトグルリンク(216、218)は、ほぼ同様の構造を有しているが、他の形体が使用されてもよいことを理解されたい。例えば、第1及び第2のトグルリンク(216、218)は、長さ、厚さなどが異なっていてもよい。更に、例示的な変更例は、第1及び第2のトグルリンク(216、218)が真っ直ぐな構造を有しているように示しているが、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかであるように、第1及び第2のトグルリンク(216、218)は、角度付きの若しくは湾曲した梁又は他の好適な構造を含んでいてもよいことを理解されたい。同様に、例示的な変更例において、垂直リンク(210)の真っ直ぐな形状は、第1及び第2のトグルリンク(216、218)とほぼ同様であるが、垂直リンク(210)は、曲がった又は湾曲した形状を含む、他の形体を有していてもよいことを理解されたい。リンク(210、216、218)の他の好適な形体は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。
【0045】
第2のトグルリンク(218)は、アンカ(220)に対して枢動することができるようにアンカ(220)と連通している。具体的には、第2のトグルピン(246)は、アンカ(220)をアクチュエータハンドル組立体(70)の一部分と連結させている。しかしながら、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかであるように、アンカ(220)は、円形外科用ステープル留め器具(10)の任意の好適な部分に固着されてもよいことが理解されるであろう。更に、第2のトグルリンク(218)をアンカ(220)に枢動可能に連結するための任意の好適な構造を使用してもよいことが理解されるであろう。アンカ(220)によって、第2のトグルリンク(218)に対して、固定されたアンカポイント又はメカニカルグラウンドがもたらされ、それによって、第2のトグルリンク(218)がアクチュエータハンドル組立体(70)に対して移動することを防止している。
【0046】
第1のトグルリンク(216)は、ドライバアクチュエータ(226)と枢動可能に連通している。具体的には、第1のトグルピン(248)は、第1のトグルリンク(216)をドライバアクチュエータ(226)に枢動可能に連結している。結果として、垂直リンク(210)が上がると、第2のトグルリンク(218)及び第1のトグルリンク(216)は、それぞれ、アンカ(220)及びドライバアクチュエータ(226)に対して枢動し、それにより、第1及び第2のトグルリンク(216、218)を互いに整列させる。この整列により、ドライバアクチュエータ(226)は、遠位側に前進する。第2の長手方向軸線(230)は、ドライバアクチュエータ(226)を通って延在している。垂直リンク(210)が上がると、第1及び第2のトグルリンク(216、218)は、第2の長手方向軸線(230)と更に整列する。垂直リンク(210)の上向きの動作の頂点において、第1及び第2のトグルリンク(216、218)は、第2の長手方向軸線(230)とほぼ整列し、ドライバアクチュエータ(226)は、最遠位位置にある。垂直リンク(210)が下向きに移動すると、トグルリンク(216、218)は、折り畳まれ、ドライバアクチュエータ(226)を最近位位置へと引く。
【0047】
B.トグル組立体を備える例示的な発射シーケンス
図7Aは、発射前状態にある駆動組立体(200)を示す。駆動組立体(200)がこの状態にある間、操作者は、発射に備えて、患者の体内の、切断され、自然発生した管腔内で円形外科用ステープル留め器具(10)を位置付けることができる。アンビル(40)は、アクチュエータハンドル組立体(70)に対して、
図2Aに示す最初の開放位置から、
図2Bに示す閉鎖位置へと近位側に引き込まれ、それによって、間隙距離dと、接合される組織の2つの部分の間の距離とが減少する。距離dは、調整ノブ(98)の手動回転により制御される。アンビル(40)がステープル留めヘッド組立体(20)に対して手動で調整される発射前状態において、モータ(206)は、アイドル状態にあり、駆動輪(208)は、回転位置にあり、ピン(212)は、
図7Aに示すように、第1の長手方向軸線(228)に対して最も低いところにある。したがって、垂直リンク(210)もまた、第1の長手方向軸線(228)に対して低い場所にある。更に、垂直リンク(210)は、長手方向軸線(228)に実質的に直交するように位置付けられる。トグルリンク(216、218)は、第1の長手方向軸線(228)に向かって引き込まれ、折り畳まれた状態にある。ドライバアクチュエータ(226)は、後退した状態にあり、ステープルドライバ(224)及びナイフ(236)もまた、後退している。
【0048】
一旦操作者が円形外科用ステープル留め器具(10)の発射を決定すると、操作者は、操作者入力装置(202)を介して命令を付与し、それによって、電源(204)がモータ(206)に電力を送達する。このようにモータ(206)が起動することによって、駆動輪(208)は、
図7Bに示すように回る。
図7Bにも見られるように、発射途中状態において、駆動輪(208)は、半回転回転している。垂直リンク(210)は、上向きに促され、トグルリンク(216、218)は、第2の長手方向軸線(230)に沿って真っ直ぐになる。垂直リンク(210)は、ドライバアクチュエータ(226)に向かって角度付けられる。トグルリンク(216、218)が真っ直ぐになる、又は互いにほぼ整列すると、ドライバアクチュエータ(226)は、遠位側に前進する。ドライバアクチュエータ(226)が遠位側に前進すると、ステープルドライバ(224)及びナイフ(236)もまた、前述したステープルドライバ(24)及びナイフ(36)のように、円形外科用ステープル留め器具(10)に対して前進する。ステープルドライバ(224)及びナイフ(236)の遠位方向の動作により、ステープル(66)を組織の中へと駆動し、吻合時に環状配列を形成する一方、ナイフ(236)は、
図2Cに示されるのと同様に、環状配列の配置されたステープル(66)の内部領域から余分な組織を切断する。
【0049】
変更例によっては、アンビル(40)は、
図2Aに示すように、ナイフ(236)が遠位方向の最大の動作範囲に達すると、ナイフ(236)によって破断される破断型ワッシャを含有する。場合によっては、これにより、ワッシャは、ナイフ(236)がアンビル(40)に向かって完全に前進し終えたことに応じてワッシャが破断すると、アクチュエータハンドル組立体(70)を介して、可聴的又は触覚的なフィードバックを提供するが、かかる可聴的/触覚的なフィードバックは、必須ではない。ワッシャの存在により、ドライバアクチュエータ(226)を遠位側に前進させるために必要な力の量の急増が提示され得ることを理解されたい。
図10は、ドライバアクチュエータ(226)の遠位側への移動の範囲において、ドライバアクチュエータ(226)が直面する例示的な力のプロファイルを示す。遠位方向の動作の第1の範囲(500)において、ドライバアクチュエータ(226)は、ナイフ(236)が組織(2)を通過すると、荷重又は抵抗力の漸増に直面する。遠位方向の動作の第2の範囲(510)において、ドライバアクチュエータ(226)は、ナイフ(236)がワッシャを通過すると、荷重又は抵抗力の急上昇に直面する。遠位方向の動作の第3の範囲(520)において、ドライバアクチュエータ(226)は、まず、ワッシャが破断した後、荷重又は抵抗力の急降下に直面し、次いで、ステープルドライバ(224)がステープルをアンビル(40)の中へと駆動させて、最終的な高さにステープルを成形させると、急降下に続く荷重又は抵抗力の増加に直面する。上記を鑑みれば、
図7Aに示す位置から、
図7Bに示す位置への移行の間、トグルリンク(216、218)は、ドライバアクチュエータ(226)が自身の遠位側への移動の範囲の終わり(例えば、遠位方向の動作の第2の範囲(510)の始まり)に達すると、機械的利益が増大し、それによって、ワッシャを破断し、ステープルを駆動するためのより大きな遠位側への駆動力を提供することを更に理解されたい。当然ながら、変更例によっては、ワッシャを完全に省略してもよい。
【0050】
モータ(206)は、
図7Cに示すように、輪(208)を同じ回転方向に駆動し続け、駆動輪(208)が全回転すると、
図7Aに示される位置と同じ回転位置へと戻る。垂直リンク(210)は、駆動輪(208)の回転により、
図7Bに示す位置から、
図7Cに示す位置へと下向きに引かれる。垂直リンク(210)が下向きに引かれると、トグルリンク(216、218)は、折り畳み、ドライバアクチュエータ(226)を近位側に引く。こうして、駆動組立体(200)の完全な発射ストロークが完了する。その後、操作者は、円形外科用ステープル留め器具(10)を手術部位から取り除くことができる。
【0051】
電源(204)又はモータ(206)は、完全な作動を表す、駆動輪(208)の1回の回転だけを行わせるように構成されてもよいことが理解されよう。1回の360度の回転に対して、駆動組立体(200)は、ドライバアクチュエータ(226)が駆動輪(208)の回転の前半の180度に対して遠位側に前進する一方、ドライバアクチュエータ(226)が駆動輪(208)の回転の後半の180度に対して近位側に後退するように、構成されてもよい。場合によっては、マイクロコントローラ、ASIC、及び/又は他のタイプの制御モジュールが電源(204)及びモータ(206)と連通し、モータ(206)を自動的に停止させて、それによって、駆動輪(208)のちょうど1回の回転に対してモータ(206)を作動することができるように、モータ(206)を動的に制動するための方法を提供するように構成されている。例示的なものにすぎないが、かかる制御モジュールは、シャフト(240)と連通しているエンコーダと連通していてもよい。別の単なる例示的な例として、かかる制御モジュールは、ドライバアクチュエータ(226)と連通している1つ又は2つ以上のリードスイッチと連通していてもよい。モータ(206)を(例えば、駆動輪(208)の追跡された回転に基づいて、シャフト(240)の移動に基づいて、かつ/又はその他のパラメータに基づいて)正確に停止させるために使用することができる他の好適なタイプのセンサ及び制御モジュールは、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。当然ながら、制御モジュールは、モータ(206)が任意の好適な回転数などで起動するように制御するように構成されてもよい。場合によっては、モータ(206)の始動及び停止の制御は、本件と同日に出願され、その開示が参照により本明細書に組み込まれている、「CONTROL FEATURES FOR MOTORIZED SURGICAL STAPLING INSTRUMENT」と題する米国特許出願第号[代理人整理番号END7291USNP.0606446]の教示に従って実行することができる。
【0052】
C.角度付きカムを備える例示的な駆動組立体
図8は、ステープル(66)及びナイフ(36)を電動で駆動させるために、円形外科用ステープル留め器具(10)で使用する又は円形外科用ステープル留め器具(10)に組み込むことができる、例示的な代替の駆動組立体(300)を示す。具体的には、本例の駆動組立体(300)は、モータ(306)、角度付きカム(308)、カムフォロア(312)、垂直リンク(310)、第1のトグルリンク(316)、第2のトグルリンク(318)、アンカ(320)、及びシャフト(326)を備える。モータ(306)、垂直リンク(310)、第1のトグルリンク(316)、第2のトグルリンク(318)、アンカ(320)、及びシャフト(326)は、上述のモータ(206)、垂直リンク(210)、第1のトグルリンク(216)、第2のトグルリンク(218)、アンカ(220)、及びドライバアクチュエータ(226)とほぼ同様である。モータ(206)と同様に、モータ(306)は、本件と同日に出願され、その開示が参照により本明細書に組み込まれている、「CONTROL FEATURES FOR MOTORIZED SURGICAL STAPLING INSTRUMENT」と題する米国特許出願第 号[代理人整理番号END7291USNP.0606446]の教示に従って制御することができる。垂直リンク(310)は、第1の枢動ピン(352)を介して第1及び第2のトグルリンク(316、318)と枢動可能に連通している。第1のトグルリンク(316)は、第2の枢動ピン(349)を介してシャフト(326)と連通している。第2のトグルリンク(318)は、第3の枢動ピン(348)を介してアンカ(320)と連通している。
【0053】
角度付きカム(308)は、駆動シャフト(340)を介してモータ(306)に回転可能に連結している。角度付きカム(308)は、カムフォロア(312)に接触する角度付き遠位表面(309)を有する。具体的には、カムフォロア(312)は、近位自由端(342)を有しており、近位自由端(342)は、角度付きカム(308)が回転すると、角度付き表面(309)との接触を維持する。遠位表面(309)は、駆動シャフト(340)の軸線に対して斜めに角度付けられており、その結果、遠位表面(309)は、カム(308)が
図8に示す位置から、
図8に示すカム(308)の位置から180度の位置へと回転すると、自由端(342)を遠位側に駆動させる。カムフォロア(312)は、枢動ピン(344)に枢動可能に固定されている。枢動ピン(344)は、アクチュエータハンドル組立体(70)の任意の好適な部分と連結され、それによって、カムフォロア(312)がそれを中心に枢動することができるメカニカルグラウンドがもたらされている。カムフォロア(312)はまた、カムフォロア(312)の遠位端(350)を垂直リンク(310)に連結する接続ピン(346)を含む。結果として、カムフォロア(312)及び垂直リンク(310)は、接続ピン(346)を中心に枢動するように動作可能である。枢動ピン(344)は、カムフォロア(312)の、遠位端(350)と近位自由端(342)との間に位置付けられる。
【0054】
角度付きカム(308)及びカムフォロア(312)は、枢動ピン(344)を中心にカムフォロア(312)を枢動可能に揺動させることにより、協調して垂直リンク(310)を上下させる。
図8に示す操作の段階において、シャフト(326)は、後退した近位位置にあり、その結果、ステープルドライバ(24)及びナイフ(36)は、後退した近位位置にある。トグルリンク(316、318)は、折り畳まれた形体であり、垂直リンク(310)は、より低い位置にある。カムフォロア(312)の近位自由端(342)は、角度付き遠位表面(309)の最近位領域と接触する。モータ(306)を起動して、角度付きカム(308)を全回転の前半にわたり回転させると、角度遠位表面(309)の最遠位領域(311)は、カムフォロア(312)の近位自由端(342)に当接し、それによって、近位自由端(342)を遠位側に駆動する。これにより、カムフォロア(312)は、枢動ピン(344)を中心に反時計回りに回転する。したがって、カムフォロア(312)の遠位端(350)は、上向きに促され、それにより、垂直リンク(310)を上向きに上げる。垂直リンク(310)が上向きに上がると、第1及び第2のトグルリンク(316、318)は、真っ直ぐになるか又は互いにほぼ整列し、それによって、シャフト(326)を遠位側に駆動する。これにより、ステープルドライバ(24)及びナイフ(36)を遠位側に駆動し、それによって、上述の通り、吻合部位において組織をステープル留めし、吻合部内の余分な組織を切断する。
【0055】
変更例によっては、カムフォロア(312)は、摺動可能に動く構成部品で構築され、その結果、カムフォロア(312)が反時計回りに回転すると、遠位端(350)は、枢動ピン(344)から遠位側に延在し、それによって、遠位端(350)は、垂直リンク(310)を完全に上げることができる。かかる摺動可能に動く構成部品は、カムフォロア(312)の回転に応じて、垂直リンク(310)の垂直運動を依然提供しながら、カムフォロア(312)が枢動ピン(344)を中心に回転すると、垂直リンク(310)が垂直配向を維持できるように構成されてもよい。加えて、又は、代替的に、カムフォロア(312)は、接続ピン(346)を受け入れる細長スロットを画定してもよい。かかるスロットは、カムフォロア(312)の回転に応じて、垂直リンク(310)の垂直運動を依然提供しながら、カムフォロア(312)が枢動ピン(344)を中心に回転すると、垂直リンク(310)が垂直配向を維持できるように構成されてもよい。シャフト(326)の運動もまた、本件と同日に出願され、その開示が参照により本明細書に組み込まれている、「SURGICAL STAPLER WITH ROTARY CAM DRIVE AND RETURN」と題する米国特許出願第 号[代理人整理番号END7287USNP.0606452]の教示に従って制御することができることもまた理解されたい。
【0056】
モータ(306)が角度付きカム(308)を全回転の後半にわたり駆動し続けると、シャフト(326)は、
図8に示す近位位置へと戻る。トグルリンク(316、318)は、折り畳まれた状態に戻り、垂直リンク(310)は、下向き位置へと戻り、カムフォロア(312)は、時計回りに回転する。本発明の例では、弾性部材(例えば、コイルバネなど)がシャフト(326)を、近位位置に向かって戻すように弾性的に付勢する。加えて又は代替的に、1つ又は2つ以上のねじりバネが、ピン(348)及び/又はピン(349)の周りに位置付けられて、リンク(310、316)を
図8に示す位置へと弾性的に付勢してもよい。加えて又は代替的に、ねじりバネがピン(344)の周りに位置付けられて、カムフォロア(312)を
図8に示す位置へと弾性的に付勢してもよい。角度付きカム(308)の全回転の後半の間、カムフォロア(312)の近位自由端(342)は、角度付き遠位表面(309)の最遠位領域(311)への係合から、角度付き遠位表面(309)の最近位領域への係合へと移行することを理解されたい。この移行により、角度付き遠位表面(309)の角度付き形体が、かかる回転のための隙間を提供するため、カムフォロア(312)は、
図8に示す位置に戻るように時計回りに回転することができる。
【0057】
変更例によっては、モータ(306)及び/又はシャフト(326)は、カム(308)の回転及び/又はシャフト(326)のずれを追跡するように動作可能な、1つ又は2つ以上のセンサ(例えば、エンコーダ、リードスイッチなど)と連通していてもよい。かかる情報は、操作者によって使用される器具(10)と連通している制御ユニットに、伝達又は表示されてもよい。加えて又は代替的に、かかる情報は、カム(308)の360度の全回転が完了した時に、(例えば、ダイナミックブレーキを利用してなど)、モータ(306)を自動的に停止することができる制御モジュールによって処理されてもよい。モータ(306)を正確に停止させるために使用することができる様々な好適なタイプのセンサ及び制御モジュールは、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。当然ながら、制御モジュールは、モータ(306)が任意の好適な回転数などで起動するように制御するように構成されていてもよい。場合によっては、モータ(306)の始動及び停止の制御は、本件と同日に出願され、その開示が参照により本明細書に組み込まれている、「CONTROL FEATURES FOR MOTORIZED SURGICAL STAPLING INSTRUMENT」と題する米国特許出願第 号[代理人整理番号END7291USNP.0606446]の教示に従って実行することができる。
【0058】
D.ラック及びピニオンを備える例示的な駆動組立体
図9は、ステープルドライバ(24)及びナイフ(36)を駆動するために円形外科用ステープル留め器具(10)で使用するために動作可能な、別の例示的な代替の駆動組立体(400)を示す。本例の駆動組立体(400)は、モータ(406)、駆動ピニオン(408)、ラック(410)、第1のトグルリンク(416)、第2のトグルリンク(418)、アンカ(420)、及びシャフト(426)を備える。モータ(406)、第1のトグルリンク(416)、第2のトグルリンク(418)、アンカ(420)、及びシャフト(426)は、上述のモータ(206)、垂直リンク(210)、第1のトグルリンク(216)、第2のトグルリンク(218)、アンカ(220)、及びドライバアクチュエータ(226)とほぼ同様である。モータ(206)と同様に、モータ(406)は、本件と同日に出願され、その開示が参照により本明細書に組み込まれている、「CONTROL FEATURES FOR MOTORIZED SURGICAL STAPLING INSTRUMENT」と題する米国特許出願第 号[代理人整理番号END7291USNP.0606446]の教示に従って制御することができる。
【0059】
モータ(406)は、駆動シャフト(440)を介して駆動ピニオン(408)と連通し、モータ(406)は、ピニオン(408)が回転するように駆動させる。駆動ピニオン(408)は、ラック(410)と連通し、駆動ピニオン(408)の回転によりラック(410)を上下させる。本発明の例のモータ(406)は、ラック(410)の上げ下げを容易にするために、正逆双方向に回転するように動作可能である。具体的には、モータ(406)がある方向に回転する場合、ラック(410)は、上向きに上がり、モータ(406)が反対方向に回転する場合、ラック(410)は、下向きに下がる。ラック(410)の上部は、水平スロット(415)を画定する。ラック(410)は、ピン(414)を介してトグルリンク(416、418)と連通し、ピン(414)は、スロット(415)内に配置されている。具体的には、ピン(414)は、スロット(415)を通って水平に摺動するように動作可能である。トグルリンク(416)は、第2のピン(442)を介してシャフト(426)と連通している一方、トグルリンク(418)は、第3のピン(444)を介してアンカ(420)と連通している。
【0060】
駆動ピニオン(408)の回転により、シャフト(426)を前進及び後退させて、ステープルドライバ(24)又はナイフ(36)を駆動する。具体的には、モータ(406)がピニオン(408)を第1の方向に回転させて、ラック(410)を上向きに駆動すると、トグルリンク(416、418)は、真っ直ぐになるか又は互いにほぼ整列し、それによって、シャフト(426)を遠位側に前進させる。これにより、ステープルドライバ(24)及びナイフ(36)を遠位側に駆動し、それによって、上述の通り、吻合部位において組織をステープル留めし、吻合部内の余分な組織を切断することができる。モータ(406)がピニオン(408)を第2の方向に回転させて、ラック(410)を下向きに駆動すると、トグルリンク(416、418)は、折り畳まれ、それによって、シャフト(426)を近位側に後退させる。スロット(415)は、ラック(410)が上下すると、ピン(414)の水平運動を調節する。
【0061】
モータ(406)を逆転させる様々な方法を利用することができることが理解されるであろう。例えば、モータ(406)は、マイクロコントローラ、ASIC、及び/又はモータ(406)を選択的に逆転させ、かつモータ(406)を停止させるように構成される他のタイプの制御モジュールと連通することができるだろう。モータ(406)はまた、本件と同日に出願され、その開示が参照により本明細書に組み込まれている、「CONTROL FEATURES FOR MOTORIZED SURGICAL STAPLING INSTRUMENT」と題する米国特許出願第号[代理人整理番号END7291USNP.0606446]の教示に従って制御されるだろう。制御モジュールは、ピニオン(408)の回転及び/又はシャフト(426)の変位を追跡するように動作可能な、1つ又は2つ以上のセンサ(例えば、エンコーダ、リードスイッチなど)と連通していてもよい。かかる情報は、シャフト(426)の完全な遠位側への前進が完了した時に、モータ(406)を自動的に逆転させることができ、次いで、シャフト(426)の完全な近位側への後退が完了した時に、(例えば、ダイナミックブレーキを利用して)モータ(406)を停止させることができる、制御モジュールによって処理されてもよい。モータ(406)が制御され得る他の好適な方法は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。
【0062】
更に別の単なる例示的な例として、駆動組立体(400)は、シャフト(426)の前進及び後退の両方のために、モータ(406)がたった1つの単一の方向に駆動シャフト(440)を回転させるように構成されてもよい。例えば、モータ(406)は、駆動シャフト(440)を第1の回転方向に回転させて、第1の上向きの動作の範囲にわたりラック(410)を駆動させ、トグルリンク(416、418)を介してシャフト(426)を遠位側に前進させてもよい。シャフト(426)は、トグルリンク(416、418)の両方が水平に配向されると、最遠位位置に到達することができる。モータ(406)が駆動シャフト(440)を第1の回転方向に回転させ続け、それによって、第2の上向きの動作の範囲にわたりラック(410)を駆動すると、ラック(410)は、トグルリンク(416、418)を再度折り畳み、それによって、シャフト(426)を近位側に後退させることができる。このようにして、シャフト(426)は、駆動シャフト(440)の回転の方向を逆転させる必要なく、前進及び後退することができる。
【0063】
III.その他
図7〜
図9に示す例において、モータ(206、306、406)は、駆動シャフト(240、340、440)と同軸に、かつシャフト(226、326、426)に平行に配向されている。しかしながら、モータ(206、306、406)は、代わりに、他の好適な配向で位置付けられてもよい。例えば、変更例によっては、モータ(206、306、406)は、駆動シャフト(240、340、440)及び/又はシャフト(226、326、426)の長手方向軸線に対して、直交して又は任意の斜角で位置付けられてもよい。かかる変更例によっては、モータ(206、306、406)は、代替の変更例のハンドル組立体(70)によって提供される、ピストルグリップ内に位置付けられてもよい。モータ(206、306、406)は、ベベルギヤなどを介して、かつ/又は任意の他の好適な(複数の)構造を利用してモータ(206、306、406)をシャフト(240、340、440)に連結することにより、非平行な軸線に沿って回転運動を伝えるように構成されてもよい。例示的なものにすぎないが、モータ(206、306、406)は、本件と同日に出願され、その開示が参照により本明細書に組み込まれている、「SURGICAL STAPLER WITH ROTARY CAM DRIVE AND RETURN」と題する米国特許出願第号[代理人整理番号END7287USNP.0606452]の教示に従って、駆動シャフト(240、340、440)に動作を伝達してもよい。同様に、ハンドル組立体(70)は、本件と同日に出願され、その開示が参照により本明細書に組み込まれている、「SURGICAL STAPLER WITH ROTARY CAM DRIVE AND RETURN」と題する米国特許出願第号[代理人整理番号END7287USNP.0606452]の教示に従って、直交配向された又は斜め配向されたピストルグリップを提供してもよい。斜めに配向されたモータ(206、306、406)を本明細書に記載の器具に組み込むことができる他の好適な方法は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。
【0064】
本明細書の例は、円形ステープル留め器具に関連して提供されてきたが、本明細書の様々な教示は、様々な他の種類の外科用器具に容易に適用できることを理解されたい。例示的なものにすぎないが、本明細書の様々な教示は、線形ステープル留め装置(例えば、エンドカッタ)に容易に適用することができる。例えば、当業者には明らかであるように、本明細書の様々な教示は、2012年9月20日に公開され、その開示が参照により本明細書に組み込まれている、「Motor−Driven Surgical Cutting Instrument with Electric Actuator Directional Control Assembly」と題する米国特許公開第2012/0239012号、及び/又は2010年10月21日に公開され、その開示が参照により本明細書に組み込まれている、「Surgical Stapling Instrument with An Articulatable End Effector」と題する米国特許公開第2010/0264193号の様々な教示と容易に組み合わせることができる。別の単なる例示的な例として、本明細書の様々な教示は、電動式電気的外科装置に容易に適用できる。例えば、当業者には明らかであるように、本明細書の様々な教示は、2012年5月10日に公開され、その開示が参照により本明細書に組み込まれている、「Motor Driven Electrosurgical Device with Mechanical and Electrical Feedback」と題する米国特許公開第2012/0116379号の様々な教示と容易に組み合わせることができる。本明細書の教示を適用することができる他の好適な種類の器具、及び本明細書の教示をかかる器具に適用するための様々な方法は、当業者には明らかであろう。
【0065】
本明細書で述べる教示、表現、実施形態、例などのうちいずれか1つ又は2つ以上は、本明細書で述べるその他の教示、表現、実施形態、例などのうちいずれか1つ又は2つ以上と組み合わせることができることを理解されたい。上述した教示、表現、実施形態、例などはしたがって、互いに対して分離して考慮されるべきではない。本明細書の教示を組み合わせ得る種々の好適な方法が、本明細書の教示を考慮することで、当業者には容易に明らかになるであろう。かかる変更形態及び変形形態は、特許請求の範囲内に含まれるものとする。
【0066】
本明細書の教示の少なくともいくつかは、2010年9月14日に発行され、その開示が参照により本明細書に組み込まれている、「Surgical Staples Having Compressible or Crushable Members for Securing Tissue Therein and Stapling Instruments for Deploying the Same」と題する米国特許第7,794,475号、2012年12月4日に出願され、その開示が参照により本明細書に組み込まれている、「Trans−Oral Circular Anvil Introduction System with Dilation Feature」と題する米国特許出願第13/693,430号、2012年11月29日に出願され、その開示が参照により本明細書に組み込まれている、「Surgical Staple with Integral Pledget for Tip Deflection」と題する米国特許出願第13/688,951号、2012年12月6日に出願され、その開示が参照により本明細書に組み込まれている、「Surgical Stapler with Varying Staple Widths along Different Circumferences」と題する米国特許出願第13/706,827号、2012年11月29日に出願され、その開示が参照により本明細書に組み込まれている、「Pivoting Anvil for Surgical Circular Stapler」と題する米国特許出願第13/688,992号、2012年12月4日に出願され、その開示が参照により本明細書に組み込まれている、「Circular Anvil Introduction System with Alignment Feature」と題する米国特許出願第13/693,455号、2012年12月17日に出願され、その開示が参照により本明細書に組み込まれている、「Circular Stapler with Selectable Motorized and Manual Control,Including a Control Ring」と題する米国特許出願第13/716,313号、2012年12月17日に出願され、その開示が参照により本明細書に組み込まれている、「Motor Driven Rotary Input Circular Stapler with Modular End Effector」と題する米国特許出願第13/716,318号、及び/又は2012年12月17日に出願され、その開示が参照により本明細書に組み込まれている、「Motor Driven Rotary Input Circular Stapler with Lockable Flexible Shaft」と題する米国特許出願第13/176,323号のうち1つ又は2つ以上の教示と容易に組み合わせることができる。かかる教示を組み合わせることができる様々な好適な方法は、当業者には明らかであろう。
【0067】
参照により本明細書に組み込まれると称されるいかなる特許、刊行物、又は他の開示内容も、その全体又は一部において、組み込まれる内容が現行の定義、見解、又は本開示に記載された他の開示内容とあくまで矛盾しない範囲でのみ、本明細書に組み込むものであることが認識されるべきである。このように及び必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載されている開示は、参照により本明細書に組み込まれる任意の矛盾する内容に取って代わるものとする。本明細書に参照により組み込まれると称されているが既存の定義、見解、又は本明細書に記載された他の開示内容と矛盾する全ての内容、又はそれらの部分は、組み込まれた内容と既存の開示内容との間にあくまで矛盾が生じない範囲でのみ組み込むものとする。
【0068】
上述した装置の変更例は、医療専門家によって行われる従来の治療及び手術での用途だけでなく、ロボット支援された治療及び手術での用途も有することができる。例示的なものにすぎないが、本明細書の様々な教示は、ロボットによる外科用システム、例えばIntuitive Surgical,Inc.(Sunnyvale,California)によるDAVINCI(商標)システムに容易に組み込まれ得る。
【0069】
上述した変更例は、1回の使用後に廃棄されるように設計されてもよく、あるいは、それらは、複数回使用されるように設計されてもよい。各変更例は、いずれの場合も、少なくとも1回の使用後に再使用のために再調整することができる。再調整は、装置を分解する工程、それに続いて特定の部品を洗浄又は交換する工程、並びにその後の再組み立て工程の任意の組み合わせを含んでもよい。具体的には、装置のいくつかの変更例は分解されてもよく、また、装置の任意の個数の特定の部分又は部品が、任意の組み合わせで選択的に交換されるか、あるいは取り外されてもよい。特定の部品の洗浄及び/又は交換の際、装置のいくつかの変更例は、再調整用の施設で、又は手術の直前に操作者によって、その後の使用のために再組み立てされてもよい。装置の再調整では、分解、洗浄/交換、及び再組立のための様々な技術を利用できることが、当業者には理解されよう。このような技術の使用、及びその結果として得られる再調整された装置は、全て、本出願の範囲内にある。
【0070】
例示的なものにすぎないが、本明細書で説明した変更例は、手術の前及び/又は後に、滅菌されてもよい。ある滅菌技術において、装置は、プラスチック製又はタイベック(TYVEK)製のバックなど、閉じられ密封された容器に入れられる。次いで、容器及び装置は、γ放射線、X線、又は高エネルギー電子など、容器を透過し得る放射線場に置かれてもよい。放射線により、装置上及び容器内の細菌を死滅させることができる。次に、滅菌された装置は、後の使用のために、滅菌した容器内に保管されてもよい。装置はまた、限定されるものではないが、β若しくはγ放射線、エチレンオキシド、又は水蒸気を含め、当該技術分野で既知の任意の他の技術を使用して滅菌されてもよい。
【0071】
本発明の様々な実施形態について図示し説明したが、本明細書で説明した方法及びシステムの更なる改作が、当業者による適切な変更により、本発明の範囲を逸脱することなく達成され得る。そうした可能な変更例のいくつかについて述べたが、その他の改変も当業者には明らかであろう。例えば、上記で考察した例、実施形態、形状、材料、寸法、比率、工程などは、例示的なものであって必須のものではない。したがって、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲から考慮されるべきであり、本明細書及び図面に示し説明した構造及び操作の細部に限定されると解釈されるものではない。
【0072】
〔実施の態様〕
(1) 機器であって、
(a)ステープルドライバを備えるエンドエフェクタであって、該ステープルドライバは、該エンドエフェクタに沿って遠位側に前進するように動作可能である、エンドエフェクタと、
(b)該ステープルドライバと連通する移動可能な駆動部材を含むシャフト組立体と、
(c)該移動可能な駆動部材と連通する駆動組立体であって、該駆動組立体は、
(i)モータと、
(ii)該モータと連通する回転駆動部材と、
(iii)該回転駆動部材と連通する第1のリンクと、
(iv)該第1のリンクと連通する少なくとも1つのトグルリンクであって、該少なくとも1つのトグルもまた、該移動可能な駆動部材と連通する、少なくとも1つのトグルリンクと、を備え、
該回転駆動部材は、該第1のリンクにおいて直線動作を誘発するように構成され、該第1のリンクは、該第1のリンクの該直線動作に非平行な直線動作を該少なくとも1つのトグルリンクに伝えるように構成されている、駆動組立体と、を備える、機器。
(2) 前記回転駆動部材と前記第1のリンクとは、ピンを介して連通し、該ピンは、前記回転駆動部材の中心からオフセットしている、実施態様1に記載の機器。
(3) 前記駆動組立体は、カムフォロアを更に備え、前記回転駆動部材は、角度付き表面を備え、前記回転駆動部材と前記第1のリンクとは、該カムフォロアを介して連通し、前記回転駆動部材は、該カムフォロアをカム動作によって動かすように動作可能である、実施態様1に記載の機器。
(4) 前記カムフォロアは、メカニカルグラウンドに枢動可能に連結されている、実施態様3に記載の機器。
(5) 前記回転駆動部材は、半回転して、前記第1のリンクを上げるように構成され、前記第1のリンクは、前記回転駆動部材の半回転に応じて、前記移動駆動部材を完全に前進させるように動作可能である、実施態様1に記載の機器。
【0073】
(6) 前記回転駆動部材は、全回転によって前記第1のリンクを上下させるように構成され、前記第1のリンクは、前記回転駆動部材の全回転によって前記移動駆動部材を完全に前進させかつ完全に後退させるように動作可能である、実施態様1に記載の機器。
(7) 前記モータは、長手方向軸線を画定し、前記第1のリンクは、該長手方向軸線と実質的に直交するように位置付けられている、実施態様1に記載の機器。
(8) 前記少なくとも1つのトグルリンクは、第1のトグルリンク及び第2のトグルリンクを含む、実施態様1に記載の機器。
(9) 前記第2のトグルリンクは、アンカポイントに枢動可能に固着されている、実施態様8に記載の機器。
(10) 前記第1のトグルリンクは、前記移動駆動部材と枢動可能に連結されている、実施態様9に記載の機器。
【0074】
(11) 前記第1のトグルリンク及び前記第2のトグルリンクは、単一の枢動点を介して前記第1のリンクと連通し、前記第1のトグルリンク及び前記第2のトグルリンクは、真っ直ぐな形状を形成して、前記移動駆動部材を遠位側に前進させるように動作可能であり、前記第1のトグルリンク及び前記第2のトグルリンクは、折り畳まれた形状を形成して、前記移動駆動部材を近位側に後退させるように動作可能である、実施態様10に記載の機器。
(12) 前記シャフトは、長手方向軸線を画定し、前記第1のトグルリンク及び前記第2のトグルリンクは、該長手方向軸線に選択的に平行に整列するように動作可能である、実施態様11に記載の機器。
(13) 前記駆動組立体は、前記移動可能なドライバによる遠位移動の範囲の間、前記移動可能なドライバに、可変的な機械的利益を提供するように動作可能である、実施態様1に記載の機器。
(14) 前記回転駆動部材は、駆動ピニオンを含み、前記第1のリンクは、ラックを含む、実施態様1に記載の機器。
(15) 前記駆動組立体は、前記少なくとも1つのトグルリンクと連通するピンを更に備え、前記ラックは、スロットを画定し、該ピンは、該スロット内に摺動可能に配置されている、実施態様14に記載の機器。
【0075】
(16) 機器であって、
(a)電源と連通するハンドピースと、
(b)該ハンドピース上に位置付けられる操作者用制御装置と、
(c)該ハンドピースから遠位側に延在する移動駆動部材であって、該移動駆動部材は、該ハンドピースに対して遠位側に前進し、かつ近位側に後退するように動作可能である、移動駆動部材と、
(d)該移動駆動部材と連通するステープルドライバと、
(f)該移動駆動部材と連通する駆動組立体であって、該駆動組立体は、直線動作を該移動駆動部材に伝えるように動作可能なモータを備え、該モータは、該モータの1回転によって、該移動駆動部材を前進及び後退させるように構成されている、駆動組立体と、を備える、機器。
(17) 前記駆動組立体は、複数のトグルリンクを更に備え、前記モータと前記移動駆動部材とは、該複数のトグルリンクを介して連通する、実施態様16に記載の機器。
(18) 前記複数のトグルリンクは、垂直リンクと、枢動ピンを介して連通する2つの水平トグルリンクと、を含む、実施態様17に記載の機器。
(19) 前記駆動組立体は、前記モータと連通し、かつ前記複数のトグルリンクと更に連通する、ラック及びピニオンを更に備え、該ラックは、前記複数のトグルリンクを真っ直ぐにするように移動して、前記移動駆動部材を遠位側に前進させるように構成され、該ラックは、前記複数のトグルリンクを折り畳むように移動して、前記移動駆動部材を近位側に後退させるように更に構成されている、実施態様17に記載の機器。
(20) ステープル駆動部材を駆動する方法であって、該方法は、
(a)操作者入力装置を介して該ステープル駆動部材を駆動するための操作者の命令を受信することと、
(b)全回転の第1の部分にわたり該モータを回転させることと、
(c)該全回転の該第1の部分にわたる該モータの回転を、該ステープル駆動部材の遠位側への前進に変換することと、
(d)該全回転の第2の部分にわたり該モータを回転させて、該全回転を完了することと、
(e)該全回転の該第2の部分にわたる該モータの回転を、該ステープル駆動部材の近位側への後退に変換することと、を含む、方法。