特許第6392384号(P6392384)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6392384
(24)【登録日】2018年8月31日
(45)【発行日】2018年9月19日
(54)【発明の名称】医療用プローブ
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/14 20060101AFI20180910BHJP
【FI】
   A61B18/14
【請求項の数】10
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-11080(P2017-11080)
(22)【出願日】2017年1月25日
(62)【分割の表示】特願2011-249439(P2011-249439)の分割
【原出願日】2011年11月15日
(65)【公開番号】特開2017-70846(P2017-70846A)
(43)【公開日】2017年4月13日
【審査請求日】2017年1月25日
(31)【優先権主張番号】12/946,910
(32)【優先日】2010年11月16日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】アサフ・ゴバリ
(72)【発明者】
【氏名】ヤロン・エフラス
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー・トーマス・ビークラー
(72)【発明者】
【氏名】アタナシオス・パパイオアンヌ
(72)【発明者】
【氏名】アリエル・ガルシア
(72)【発明者】
【氏名】アンドレス・クラウディオ・アルトマン
【審査官】 細川 翔多
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第06198952(US,B1)
【文献】 特開2004−65674(JP,A)
【文献】 特開2009−56289(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N 1/00−1/44
A61B 5/00
A61B 18/00
A61B 18/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
近位端及び遠位端を有し、複数個の透明要素を有する生体適合性シースと、
前記生体適合性シースの内部に挿入された誘電体基板と、
前記誘電体基板上に配置された複数の電子的要素と、
前記誘電体基板上に配置され、前記複数の電子的要素のそれぞれに接続された1又は2以上のプリント配線トレースと、を有し、
前記複数個の透明要素が、前記生体適合性シースの長手方向に延在し、前記生体適合性シースの周方向において互いに間隔を置いて配置された複数の透明ストリップであり、
前記複数の電子的要素の各々が、光学的発光素子と、前記光学的発光素子に近接した光学的検出素子とを含む光学的接触センサであり、
前記長手方向に延在する1個の透明ストリップと対向して、複数の光学的接触センサが前記長手方向に並んで配置されている、医療用プローブ。
【請求項2】
前記複数の光学的接触センサの何れも、前記複数の透明ストリップの内の少なくとも1つと対向していない、請求項1に記載の医療用プローブ。
【請求項3】
前記複数の光学的接触センサが前記複数の透明ストリップと対向している、請求項1に記載の医療用プローブ。
【請求項4】
前記誘電体基板が、フレキシブルプリント回路基板材料を含む、請求項1に記載の医療用プローブ。
【請求項5】
前記複数の電子的要素が前記誘電体基板の外側面に配置され、前記1又は2以上のプリント配線トレースが前記誘電体基板の内側面に配置されている、請求項1に記載の医療用プローブ。
【請求項6】
生体適合性シースの近位端と遠位端との間に複数個の透明要素を組み込むことと、
前記生体適合性シースの内部に誘電体基板を挿入することと、
前記誘電体基板上に複数の電子的要素を配置することと、
前記誘電体基板上に1又は2以上のプリント配線トレースを配置することと、
前記複数の電子的要素のそれぞれに前記1又は2以上のプリント配線トレースを接続することと、を含み、
前記複数個の透明要素が、前記生体適合性シースの長手方向に延在し、前記生体適合性シースの周方向において互いに間隔を置いて配置された複数の透明ストリップであり、
前記複数の電子的要素の各々が、光学的発光素子と、前記光学的発光素子に近接した光学的検出素子とを含む光学的接触センサであり、
前記長手方向に延在する1個の透明ストリップと対向して、複数の光学的接触センサが前記長手方向に並んで配置されている、方法。
【請求項7】
前記複数の光学的接触センサの何れも、前記複数の透明ストリップの内の少なくとも1つと対向していない、請求項に記載の方法。
【請求項8】
前記複数の光学的接触センサが前記複数の透明ストリップと対向している、請求項に記載の方法。
【請求項9】
前記誘電体基板が、フレキシブルプリント回路基板材料を含む、請求項に記載の方法。
【請求項10】
前記複数の電子的要素が前記誘電体基板の外側面に配置され、前記1又は2以上のプリント配線トレースが前記誘電体基板の内側面に配置されている、請求項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は医療用プローブに関する。
【背景技術】
【0002】
様々な医療処置において、センサ、チューブ、カテーテル、投薬装置、及びインプラントなどの物体を体内に配置することが行われる。カテーテルと体内の組織との接触の質を評価することを目的とした各種のセンサが提案されている。
【0003】
このようなカテーテルと組織との接触の質は、例えばカテーテルと組織との実際の物理的接触及び/又は近接を検知することによって検証することができる。その開示内容を参照によって本明細書に援用する米国特許出願第12/816,492号には、その遠位端に沿って複数の光学的接触センサが組み込まれたカテーテルが述べられている。各光学的接触センサは、発光ダイオード(LED)などの少なくとも1個の光学的発光素子と、発光素子に近接して配置された少なくとも1個の対応する光学的検出素子(光ダイオード又は光トランジスターなど)との組み合わせからなる。光学的検出素子は、光学的発光素子によって放射され、組織から反射される放射光を組織に近い位置において検知する。光学的検出素子は検知された反射光を示す信号を発生する。光学的接触センサが組織と物理的に接触すると信号は最大レベルにまで増大する。したがって、光学的検出素子によって発生した信号は、組織とカテーテルの遠位端との接触の質の指標を与えるものとなる。
【0004】
上記の説明文は、当該分野における関連技術の一般的な概論として示したものであって、この説明に含まれる何らの情報が本特許出願に対する先行技術を構成することを容認するものとして解釈すべきではない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施形態は、
近位端及び遠位端を有し、近位端と遠位端との間の少なくとも1個の透明ストリップを有する生体適合性シースと、
生体適合性シースの内部に配置された1又は2以上の機能要素と、を有する医療用プローブを提供する。
【0006】
一般的に、1又は2以上の機能要素はそれぞれ、光学的発光素子と、光学的発光素子に近接した光学的検出素子とを有する光学的接触センサを含む。光学的接触センサは、遠位端が体組織に近接していることを検出し、遠位端と体組織との接触を確認するように構成することができる。光学的接触センサは通常、少なくとも1個の透明ストリップと対向している。一実施形態では、プローブは、アブレーションを行うように構成された、生体適合性シースに沿って配置された1又は2以上の電極を含み、光学的接触センサはアブレーションを制御するための指標を与えるように構成されている。光学的接触センサは、アブレーションの質を評価するための更なる指標を与えるように構成することができる。
【0007】
本発明の一実施形態に基づけば、
近位端及び遠位端を有し、少なくとも1個の透明要素を有する生体適合性シースと、
生体適合性シースの内部に挿入された誘電体基板と、
誘電体基板上に配置された1又は2以上の電子的要素と、
誘電体基板上に配置され、1又は2以上の電子的要素のそれぞれに接続された1又は2以上のプリント配線トレースと、を有する医療用プローブが更に提供される。
【0008】
少なくとも1個の透明要素は、シースの近位端と遠位端との間に透明ストリップを含んでもよい。開示される一実施形態では、1又は2以上の電子的要素はそれぞれ、光学的発光素子と、光学的発光素子に近接した光学的検出素子とを有する光学的接触センサを含む。光学的接触センサは通常、透明ストリップと対向している。誘電体基板は、フレキシブルプリント回路基板材料を含んでもよい。1又は2以上の電子的要素を誘電体基板の外側面に配置し、1又は2以上のプリント配線トレースを誘電体基板の内側面に配置することができる。
【0009】
本発明の一実施形態に基づけば、
生体適合性シースの近位端と遠位端との間に少なくとも1個の透明ストリップを組み込むことと、
生体適合性シースの内部に1又は2以上の機能要素を配置することと、を含む方法が更に提供される。
【0010】
本発明の一実施形態に基づけば、
生体適合性シースの近位端と遠位端との間に少なくとも1個の透明要素を組み込むことと、
生体適合性シースの内部に誘電体基板を挿入することと、
誘電体基板上に1又は2以上の電子的要素を配置することと、
誘電体基板上に1又は2以上のプリント配線トレースを配置することと、
1又は2以上の電子的要素のそれぞれに1又は2以上のプリント配線トレースを接続することと、を含む方法が更に提供される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本開示を添付の図面を参照しながらあくまで一例として本明細書において説明する。
図1】本発明の一実施形態に基づく、光学的接触検出を行う医療用システムの概略描図。
図2A】本発明の一実施形態に基づく、透明ストリップを有する光学的接触検知プローブの概略側面図。
図2B】本発明の一実施形態に基づく、透明ストリップを有する光学的接触検知プローブの概略断面図。
図3A】本発明の一実施形態に基づく、光電子工学的ストリップを有する光学的接触検知プローブの概略側面図。
図3B】本発明の一実施形態に基づく、光電子工学的ストリップの概略側面図。
図3C】本発明の一実施形態に基づく、光電子工学的ストリップの内側面の概略平面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
概論
心臓内の電気的マッピング及び心アブレーションなどの様々な診断及び治療処置において、遠位端部に少なくとも1個の電極が取り付けられたカテーテルなどの侵襲的プローブが使用される。こうした電極は通常、プローブが体内の組織に押し付けられると作動する。これらの処置では、体腔表面にプローブを確実に近接させ、プローブの遠位端側の先端部が体腔表面といつ接触するかを判定することが通常重要となる。
【0013】
本発明の一実施形態では、プローブの機能要素は、プローブの近位端と遠位端との間に1又は2以上の透明なストリップが組み込まれた生体適合性のシース内に収納される。透明なストリップ(1つ又は複数)を除いて生体適合性シースは不透明であってよい。光学的接触センサなどの機能要素を、シースの内部に透明ストリップ(窓として機能する)と対向して配置することができる。特定の実施形態では、複数の光学的接触センサを、シースの内部に、プローブの長さに沿った異なる位置に同じ透明ストリップと対向して配置することができる。
【0014】
本発明の実施形態は更に、プローブに組み込まれ、複数のセンサが取り付けられた光電子工学的ストリップも提供する。光電子工学的ストリップは、光学的接触センサが(光電子工学的ストリップの)外側に配置され、プリント配線トレースが(光電子工学的ストリップの)内側に沿って配置されかつそれぞれのセンサに接続されたフレキシブルプリント基板材料などの長尺かつ幅狭のフレキシブル誘電体基板からなる。特定の実施形態では、ストリップは、前述したように光学的接触センサが透明ストリップと対向するようにして生体適合性シースの内部に長手方向に組み込むことができる。
【0015】
透明ストリップ及び光電子工学的ストリップが組み込まれた生体適合性シースを有する本発明の実施形態は、光学的接触検知プローブの製造を高い信頼性かつ低コストで行うことを可能とするものである。
【0016】
システムの説明
図1は、本発明の一実施形態に基づいた、光学的近接検知を行う医療システム20の概略描図である。システム20は、本例ではカテーテルである光学的接触検知プローブ22、及び制御コンソール24を有する。下記に述べる実施形態では、プローブ22は、心臓26の肺静脈の外周の電位をマッピングしたり、静脈組織のアブレーションを行うといった、診断又は治療処置に用いられるものと仮定する。また、プローブ22は、必要な変更を加えて心臓又は他の体内の臓器において他の治療及び/又は診断目的で使用することもできる。
【0017】
心臓外科医などの操作者28は、プローブ22の遠位端32が患者の心臓26の心腔内(例えば左心房)に進入するように患者30の血管系にプローブ22を挿入する。操作者28は、遠位端側先端部34(ここでは「ループ」又は「投げ縄」の形態で示されている)が所望の位置(例えば左上肺静脈内の静脈組織)において体組織と接触するようにプローブ22を進める。遠位端側先端部34は、電極36及び光学的接触センサ38を備えている。光学的接触センサ38の構成は、以下の図2Aにより詳細に示されている。光学的接触センサについては、例えば、その開示内容を参照により本明細書に援用する米国特許出願第12/816,492号に述べられている。プローブ22は通常、その近位端において適切なコネクターによってコンソール24に接続される。
【0018】
コンソール24は、プローブ22内に取り付けられた光学的接触センサからの信号を用いて遠位端34と静脈組織との接触の質を判定する。「接触の質」なる用語は、遠位端側先端部と組織との実際の物理的接触、及び遠位端側先端部と組織との近接状態のことを指す。図1の例では、コンソール24は更に、ケーブル40によって通常は接着性皮膚パッチ42からなる体表面の電極に接続されている。コンソール24は、プローブとパッチ42との間で測定されるインピーダンスに基づいて心臓26内におけるプローブ22の位置座標を決定する。システム20はインピーダンスに基づいたセンサを用いて位置を測定するものであるが、他の位置追跡技術を用いることも可能である(例えば磁気に基づいたセンサ)。磁気位置追跡技術については例えば、その開示内容を参照により本明細書に援用する米国特許第5,391,199号、同第5,443,489号、同第6,788,967号、同第6,690,963号、同第5,558,091号、同第6,172,499号、同第6,177,792号に述べられている。インピーダンスに基づく位置追跡技術については例えば、その開示内容を参照により本明細書に援用する米国特許第5,983,126号、同第6,456,864号、及び同第5,944,022号に述べられている。
【0019】
コンソール24は、通常プローブ22からの信号を受信してコンソール24の他の要素を制御するうえで適したフロントエンド及びインターフェース回路を有する汎用コンピュータからなるプロセッサ44を備える。入出力(I/O)通信インターフェース46により、コンソール24はプローブ22及びパッチ42と相互作用することが可能である。プロセッサ44は、プローブ22及びパッチ42から受信した信号に基づいて、患者の体内における遠位端側先端部34の位置、ループと体組織との間の距離及び/又は接触の指標、並びに進行中の手術に関するステータス情報及びガイダンスを示すマップ48を生成並びに表示する。マップ48はディスプレイ50を用いて操作者28に提示される。プローブ22の位置を、心臓26のマップ48又は別の画像と重ね合わせることができる。
【0020】
透明ストリップを備えたプローブ
図2Aは、本発明の一実施形態に基づく光学的接触検知プローブ22の側面の概略描図であり、図2Bは、プローブの断面の概略描図である。プローブ22は、生体適合性シース62によって被覆された光学的接触センサ38及びチューブ60などの機能要素を有している。シース62は、プローブの近位端66と遠位端32との間に組み込まれた透明(放射光に対して)ストリップ64を除いて放射光に対して不透明である。プローブの近位端及び遠位端は、生体適合性シースの近位端及び遠位端とそれぞれほぼ同じであるため、近位端66及び遠位端32なる用語は対応するシースの端部のことも指す。透明ストリップ64は本明細書では窓64とも呼ばれ、所定の幅68を有している。
【0021】
図2Aに示される構成では、電極36は遠位端32の長さに沿って配置されている。電極36は通常、プラチナ/イリジウム合金又は別の適当な材料などの金属材料で形成されている。
【0022】
光学的接触センサ38はシース62の内部に窓64と対向して配置され、通常は窓に対して対称的に配置される。光学的接触センサ38は、発光ダイオード(LED)などの光学的発光素子70、及び光学的発光素子に近接したフォトダイオード又はフォトトランジスターなどの光学的検出素子72を備えている。図2Aに示される光学的接触センサ38の形態は1個の光学的発光素子70及び1個の光学的検出素子72を有しているが、光学的接触センサは複数の光学的発光素子及び/又は複数の光学的検出素子を有するように構成することもできる。光学的発光素子70及び光学的検出素子72を有する光学的接触センサについては例えば、その開示内容を参照によって本明細書に援用する米国特許出願第12/816,492号に述べられている。
【0023】
窓64の幅68は、方位角方向のセンサの視野74の大きさ(すなわち光学的接触センサ38がプローブ22の周囲をどこまで「見わたす」ことが可能か)を決定する。光学的接触センサ38が所望の狭い角度範囲(すなわち視野74)内においてのみプローブ22と体組織との接触を検知するのを確実にするように、必要に応じて窓64を狭く構成することができる。
【0024】
窓64は、押出成形法の変形である共押出成形法を用いて生体適合性シース62を製造する過程で形成することができる。押出成形の際に押出成形機は材料を溶融し、次いで溶融された材料は最終製品(例えば管状シース)に所望の断面形状を与えるダイを通って搬送される。ダイは、溶融材料が製品の断面形状に均一に流れるような設計となっている。窓64を有するシース62を製造するには、2台の押出成形機によって(例えばそれぞれ不透明シース及び透明ストリップの)異なる生体適合性材料の安定した処理体積量を溶融し、1個のダイへと材料を搬送すると、ダイは各材料を図2Aに示される形状に押し出す。共押出成形法の際に幅68を設定することによって、所望の視野74を有するプローブ22を製造することが可能である。
【0025】
図2Aは、真っ直ぐなプローブ部分に沿ってプローブ22を示しているが、同様の技術を図1に示されるような投げ縄状のカテーテルの湾曲した端部のような湾曲要素に用いることもできる。図1に示される例では、遠位端側先端部34は電極36及び光学的接触センサ38が取り付けられた調節可能なループとして構成されている。このようなループの形態のため、肺静脈などの組織の外周領域を同時にマッピング及びアブレーションすることが可能である。
【0026】
これに加えて、又はこれに代えて、複数の平行な窓64を有するプローブ22を製造することができる。例えば、プローブの直径の反対側に2個の窓64が配置される構成(下記図3Aに示される)では、別々の光学的接触センサ38を配置して2個の窓のそれぞれと対向させて整列させることができる。更にこれに代えて、複数の光学的接触センサ38をそれぞれの窓に対して非対称的に配置することによって、各センサの視野がほぼ同じ角度幅を有しつつ異なる角度をカバーするようにすることもできる。複数の窓64(及び対応する光学的接触センサ38)を有するようにプローブ22を構成することによって、プローブの軸に直交する任意の方向に全方向検知を行うことが可能であり、プローブのどの側面が組織と接触するかとは関係なくプローブの長さに沿って接触を検知することが可能となる。
【0027】
光電子工学的ストリップを備えたプローブ
図3Aは、本明細書の実施例に基づく光電子工学的ストリップ76を備えたプローブ22の概略側面図であり、図3Bは、光電子工学的ストリップの概略側面図であり、図3Cは、光電子工学的ストリップの内側面78の概略平面図である。プローブ22には、図3Aに示される構成ではプローブの近位端66と遠位端32との間の2個の窓64からなる透明要素が組み込まれている。プローブ22には、光電子工学的ストリップの外側面80に配置された光学的接触センサ38が一方の窓64と対向するようにして光電子工学的ストリップ76が長手方向に挿入されている。
【0028】
光電子工学的ストリップ76は、外側面80に光学的発光素子70及び光学的検出素子72が配置され、光学的発光素子70及び光学的検出素子72のそれぞれに接続されたプリント配線トレース84が内側面78に沿って配置されたフレキシブルプリント回路基板材料などの長尺かつ幅狭のフレキシブル誘電体基板82からなる。光電子工学的ストリップ76はプローブの一方の側面に沿うか、あるいは図3Aに示されるように両側面を包み込むようにして、製造時にプローブ22内に長手方向に組み込むことができる。また、別々の光電子工学的ストリップ76をそれぞれの窓64に対してプローブ22に長手方向に組み込むこともできる。
【0029】
プローブの作動時には、光学的発光素子70が放射光を放射し、光学的検出素子72が体組織から反射された放射光を示す信号をプロセッサ44に送信する。受信された信号に基づいて、プロセッサ44は遠位端32が体組織と近接していることを判定し、遠位端と体組織との接触を確認することができる。
【0030】
前述したように、プローブ22は心臓26の静脈組織をアブレーションするために使用することができる。アブレーション手術に際しては、遠位端32に沿って間隔をおいて配された電極36がエネルギーを放射し、このエネルギーにより少量の静脈組織を焼灼する。焼灼された組織と焼灼されていない組織とでは通常、反射特性が異なることから、光学的検出素子72を、焼灼された静脈組織及び焼灼されていない静脈組織から反射する異なるレベルの反射光に基づいて異なるシグナルを送信するように構成することができる。したがってプロセッサ44は、光学的センサ38を用いてこのようなアブレーション手術又は他のアブレーション手術を制御するばかりでなく、既に行われたアブレーションの質を評価することができる。
【0031】
図3Aは、光電子工学的ストリップ76上に配置された光学的発光素子70及び光学的検出素子72を示したものであるが、他の種類の電子的要素を光電子工学的ストリップ上に配置することも可能であり、このためにそれらも本発明の趣旨及び範囲に含まれるものとみなされる。光電子工学的ストリップ76上に配置してプリント配線トレース84と接続することが可能な電子的要素の例としては、圧電トランスデューサ、静電容量センサ及び他の種類の圧力センサが挙げられる。
【0032】
更に、上記に述べた光電子工学的ストリップは、配線トレース84と電子的要素(すなわち光学的発光素子70及び光学的検出素子72)とが光電子工学的ストリップ76の反対の側面に配されるものと仮定している。代替的な一実施形態では、少なくとも一部のトレース84が電子的要素と(ストリップ76の)同じ側面に配される。
【0033】
上記に述べた実施形態は、一例として引用したものであって、本発明は上記に具体的に図示及び述べたものに限定されないことは認識されるであろう。むしろ本発明の範囲には、上記に述べた様々な特徴の組み合わせ及び下位の組み合わせ、並びに当業者であれば上記の説明文を読むことで想到されるであろう、先行技術に開示されていないそれらの変更及び改変が含まれるものである。
【0034】
〔実施の態様〕
(1) 近位端及び遠位端を有し、前記近位端と前記遠位端との間の少なくとも1個の透明ストリップを有する生体適合性シースと、
前記生体適合性シースの内部に配置された1又は2以上の機能要素と、を有する医療用プローブ。
(2) 前記1又は2以上の機能要素がそれぞれ、光学的発光素子と、前記光学的発光素子に近接した光学的検出素子とを含む光学的接触センサを含む、実施態様1に記載の医療用プローブ。
(3) 前記光学的接触センサが、前記遠位端が体組織に近接していることを検出し、前記遠位端と体組織との接触を確認するように構成されている、実施態様2に記載の医療用プローブ。
(4) 前記光学的接触センサが、前記少なくとも1個の透明ストリップと対向している、実施態様2に記載の医療用プローブ。
(5) アブレーションを行うように構成され、前記生体適合性シースに沿って配置された1又は2以上の電極を有し、前記光学的接触センサが前記アブレーションを制御するための指標を与えるように構成されている、実施態様2に記載の医療用プローブ。
(6) 前記光学的接触センサが、前記アブレーションの質を評価するための更なる指標を与えるように構成されている、実施態様5に記載の医療用プローブ。
(7) 近位端及び遠位端を有し、少なくとも1個の透明要素を有する生体適合性シースと、
前記生体適合性シースの内部に挿入された誘電体基板と、
前記誘電体基板上に配置された1又は2以上の電子的要素と、
前記誘電体基板上に配置され、前記1又は2以上の電子的要素のそれぞれに接続された1又は2以上のプリント配線トレースと、を有する医療用プローブ。
(8) 前記少なくとも1個の透明要素が、前記シースの前記近位端と前記遠位端との間の透明ストリップを含む、実施態様7に記載の医療用プローブ。
(9) 前記1又は2以上の電子的要素がそれぞれ、光学的発光素子と、前記光学的発光素子に近接した光学的検出素子とを含む光学的接触センサを含む、実施態様8に記載の医療用プローブ。
(10) 前記光学的接触センサが、前記透明ストリップと対向している、実施態様9に記載の医療用プローブ。
【0035】
(11) 前記誘電体基板が、フレキシブルプリント回路基板材料を含む、実施態様7に記載の医療用プローブ。
(12) 前記1又は2以上の電子的要素が前記誘電体基板の外側面に配置され、前記1又は2以上のプリント配線トレースが前記誘電体基板の内側面に配置されている、実施態様7に記載の医療用プローブ。
(13) 生体適合性シースの近位端と遠位端との間に少なくとも1個の透明ストリップを組み込むことと、
前記生体適合性シースの内部に1又は2以上の機能要素を配置することと、を含む方法。
(14) 前記1又は2以上の機能要素がそれぞれ、光学的発光素子と、前記光学的発光素子に近接した光学的検出素子とを含む光学的センサを含む、実施態様13に記載の方法。
(15) 前記光学的センサが、前記少なくとも1個の透明ストリップと対向している、実施態様14に記載の方法。
(16) 生体適合性シースの近位端と遠位端との間に少なくとも1個の透明要素を組み込むことと、
前記生体適合性シースの内部に誘電体基板を挿入することと、
前記誘電体基板上に1又は2以上の電子的要素を配置することと、
前記誘電体基板上に1又は2以上のプリント配線トレースを配置することと、
前記1又は2以上の電子的要素のそれぞれに前記1又は2以上のプリント配線トレースを接続することと、を含む方法。
(17) 前記少なくとも1個の透明要素が、前記シースの前記近位端と前記遠位端との間の透明ストリップを含む、実施態様16に記載の方法。
(18) 前記1又は2以上の電子的要素がそれぞれ、光学的発光素子と、前記光学的発光素子に近接した光学的検出素子とを含む光学的接触センサを含む、実施態様17に記載の方法。
(19) 前記光学的接触センサが、前記透明ストリップと対向している、実施態様18に記載の方法。
(20) 前記誘電体基板が、フレキシブルプリント回路基板材料を含む、実施態様16に記載の方法。
【0036】
(21) 前記1又は2以上の電子的要素が前記誘電体基板の外側面に配置され、前記1又は2以上のプリント配線トレースが前記誘電体基板の内側面に配置されている、実施態様16に記載の方法。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C