特許第6392389号(P6392389)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6392389柔軟な流体冷却シャフトを備えたエネルギー伝達装置、それと共に使用するのに適した流入/流出接合部およびそれらを含むシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6392389
(24)【登録日】2018年8月31日
(45)【発行日】2018年9月19日
(54)【発明の名称】柔軟な流体冷却シャフトを備えたエネルギー伝達装置、それと共に使用するのに適した流入/流出接合部およびそれらを含むシステム
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/18 20060101AFI20180910BHJP
【FI】
   A61B18/18 100
【請求項の数】15
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2017-40861(P2017-40861)
(22)【出願日】2017年3月3日
(62)【分割の表示】特願2016-143230(P2016-143230)の分割
【原出願日】2011年12月26日
(65)【公開番号】特開2017-99983(P2017-99983A)
(43)【公開日】2017年6月8日
【審査請求日】2017年3月3日
(31)【優先権主張番号】12/985,155
(32)【優先日】2011年1月5日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513109016
【氏名又は名称】コビディエン エルピー
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(72)【発明者】
【氏名】ジョゼフ,ディー.ブラナン
【審査官】 宮下 浩次
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−269148(JP,A)
【文献】 特表2007−532024(JP,A)
【文献】 特表2006−507865(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/094422(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 18/00 − 18/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エネルギー伝達装置において、
電気外科手術用エネルギー源からアンテナアセンブリへとエネルギーを伝達するように構成されたケーブルアセンブリと、
柔軟な流体冷却シャフトに流体連通して接合された流体接合部であって、前記ケーブルアセンブリは、前記流体接合部を通して配置され、前記ケーブルアセンブリは、前記柔軟な流体冷却シャフト内に配置される、流体接合部と、
前記流体接合部に動作可能に接合された移動制限装置であって、前記流体接合部を通して前記ケーブルアセンブリの移動を選択的に制限するように構成されている移動制限装置と
を具備し、
前記ケーブルアセンブリは、
内側導体、および前記内側導体の周りに同軸に配置されて、誘電材料で分離された外側導体を備え、
前記アンテナアセンブリは、
前記外側導体の少なくとも一部に電気的に接続され、前記外側導体の少なくとも一部の周りに同軸に配置された導電性近位アームであって、第1の空洞を画定する導電性近位アームと、
第2の空洞を画定する近位部分と、前記近位部分の外径よりも小さい外径を有する遠位部分とを含む導電性遠位アームと、
前記第1の空洞内に配置された近位部分と、前記第2の空洞内に配置された遠位部分とを含む接合部
を備える、エネルギー伝達装置。
【請求項2】
前記柔軟な流体冷却シャフトは、内側環状部材および外側管状部材を含み、前記内側環状部材は、前記ケーブルアセンブリの周りに配置され、それらの間に流入導管を画定し、前記外側管状部材は、前記内側環状部材の周りに配置され、それらの間に流出導管を画定する、請求項1に記載のエネルギー伝達装置。
【請求項3】
前記流体接合部は、前記流体接合部を通して前記ケーブルアセンブリの移動を選択的に可能にするように構成されている、請求項1に記載のエネルギー伝達装置。
【請求項4】
前記第1の空洞は、前記外側導体の遠位の端から前記導電性近位アームの遠位の端まで延在する、請求項1に記載のエネルギー伝達装置。
【請求項5】
前記導電性近位アームと前記導電性遠位アームは、前記接合部材において位置合わせされており、前記接合部材は、前記導電性近位アームと前記導電性遠位アームを離間して、これらの間に給電ギャップを画定するように構成されている、請求項1に記載のエネルギー伝達装置。
【請求項6】
流体チャンバを画定し、エンドキャップを有するエンドキャップアセンブリをさらに具備し、前記エンドキャップは、前記流体チャンバと流体連通する近位チャンバ部を画定し、前記導電性遠位アームの前記近位部分をその中に含むように構成されている、請求項1に記載のエネルギー伝達装置
【請求項7】
前記エンドキャップは近位チャンバ部に流体連通する遠位チャンバ部を画定し、前記導電性遠位アームの前記遠位部分をその中に含むように構成されている、請求項6に記載のエネルギー伝達装置
【請求項8】
遠位チャンバ部は、前記導電性遠位アームの前記遠位部分の周りに冷却流体を循環させるように構成されている、請求項7に記載のエネルギー伝達装置
【請求項9】
前記柔軟な流体冷却シャフトは、1本の前記ケーブルアセンブリをその中に含むように構成されている、請求項1に記載のエネルギー伝達装置
【請求項10】
前記外側導体の周りに配置された、バラン絶縁体と、前記バラン絶縁体の少なくとも一部の周りに配置された導電性バランスリーブとを有するバラン構造をさらに具備する、請求項1に記載のエネルギー伝達装置
【請求項11】
前記導電性バランスリーブは、ステンレス鋼、アルミニウム、チタンまたは銅のうちの少なくとも1つから形成される、請求項10に記載のエネルギー伝達装置
【請求項12】
前記バラン構造は、前記バラン絶縁体の近位部分に配置されたバラン短絡部を有し、前記バラン短絡部は、前記外側導体に前記導電性バランスリーブを電気的に接続するように構成されている、請求項10に記載のエネルギー伝達装置
【請求項13】
前記バラン短絡部は、銅、金または銀のうちの少なくとも1つから形成される、請求項12に記載のエネルギー伝達装置
【請求項14】
前記バラン絶縁体は、セラミック、水、マイカ、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン、ガラス、または金属酸化物のうちの少なくとも1つから形成される、請求項10に記載のエネルギー伝達装置
【請求項15】
前記移動制限装置は、前記移動制限装置を通して、前記ケーブルアセンブリの移動を制限するように構成されている、請求項1に記載のエネルギー伝達装置
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、組織焼灼用途での使用に適した電気外科手術装置に関し、より詳細には、柔軟な流体冷却シャフトを備えたエネルギー伝達装置、それと共に使用するのに適した流入/流出接合部およびそれらを含むシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
特定の疾患の治療では、悪性の組織増殖(例えば腫瘍)を破壊する必要がある。腫瘍細胞を加熱および破壊するために電磁放射線を使用することができる。治療では、癌性腫瘍が認められた組織に焼灼プローブを挿入する場合がある。プローブを配置したら、電磁エネルギーをプローブから周囲組織内に伝達させる。
【0003】
癌などの疾患の治療では、ある種の癌細胞が高温(健康な細胞に通常有害である温度よりも僅かに低い温度)で変性することが分かっている。温熱療法などの公知の治療方法は、隣接する健康な細胞を不可逆的な細胞破壊が生じる温度よりも低い温度に維持しながら、異常細胞を41℃超の温度に加熱する。このような方法では、組織を加熱、焼灼および/または凝固させるために電磁放射を行う。このような方法を行うために、時としてマイクロ波エネルギーが利用される。組織を加熱するために電磁放射線を利用する他の処置も、組織の凝固、切断および/または焼灼を含む。
【0004】
電磁放射線を利用する電気外科手術装置は、様々な使用および用途のために開発されている。短時間に高バーストエネルギーを供給して様々な組織に対する切断および凝固作用を達成するために使用することができる複数の装置が利用可能である。焼灼処置を行うために使用することができる複数の異なる種類の装置が存在する。典型的には、焼灼処置で使用されるマイクロ波装置は、エネルギー源として機能するマイクロ波発生器および標的組織にエネルギーを導くためのアンテナアセンブリを有するマイクロ波外科手術器具(例えば、マイクロ波焼灼プローブ)を含む。マイクロ波発生器と外科手術器具は通常、マイクロ波エネルギーを発生器から器具に伝達するため、および、器具と発生器との間で制御、フィードバックおよび識別信号を通信するための複数の導体を有するケーブルアセンブリによって動作可能に接続されている。
【0005】
モノポール、ダイポールおよびヘリカル型などの数種類のマイクロ波プローブが使用されており、それらを組織焼灼用途で使用することができる。モノポールおよびダイポールアンテナアセンブリでは、マイクロ波エネルギーは一般に、導体の軸から離れるように垂直に放射される。モノポールアンテナアセンブリは通常、単一の細長い導体を含む。典型的なダイポールアンテナアセンブリは、2つの細長い導体を含み、それらは直線状に並べられ、電気絶縁体を挟んで互いに対して端と端で配置されている。ヘリカルアンテナアセンブリは、様々な寸法(例えば、直径および長さ)の螺旋状の導体構成を含む。ヘリカルアンテナアセンブリの主な動作モードは、螺旋による放射場が螺旋軸に対して垂直な平面において最大となるノーマルモード(ブロードサイド)、および螺旋軸に沿って放射が最大となる軸方向モード(エンドファイア)である。
【0006】
所望の手術結果を達成するために、特定の種類の組織焼灼処置に応じて特定の焼灼体積を決定してもよい。焼灼体積は、アンテナの設計、アンテナの性能、アンテナのインピーダンス、焼灼時間およびワット数、ならびに組織の特性(例えば、組織のインピーダンス)と相関している。
【0007】
流体冷却または誘電緩衝されたマイクロ波装置を焼灼処置で使用することができる。焼灼プローブを冷却することによって、アンテナの全体的な加熱パターンを強化し、アンテナの損傷を防止し、臨床医または患者に対する危害を防止してもよい。悪性細胞を変性させるために必要な温度と、健康な細胞に通常有害な温度との差が小さいため、より予測可能な温度分布を得て、周囲の正常な組織の損傷を最小にしながら腫瘍細胞を根絶するために、公知の加熱パターンおよび精密な温度制御が必要とされる。
【0008】
特定の処置の間、例えば、焼灼プローブを組織構造の密接な間隔の境界間で展開して焼灼部位位置に到達させることは外科医にとって難しい場合がある。外科医が正中切開によってアクセスが容易でない病変部を焼灼しようと試みる場合、現在利用可能なマイクロ波焼灼装置は観血的手術処置時の使用には適していないかもしれない。焼灼プローブを発生器に接続するためのケーブルアセンブリが患者に接触し、恐らく好ましくない熱移動を容易にしてしまう可能性がある。
【発明の概要】
【0009】
本開示は、アンテナアセンブリと、アンテナアセンブリの周りに画定されたチャンバと、電気外科手術用エネルギー源への接続に適した近位端を有するケーブルアセンブリとを含む、組織へのエネルギー伝達に適したエネルギー伝達装置に関する。エネルギー伝達装置は、チャンバに流体連通して接続された柔軟な流体冷却シャフトも含む。柔軟な流体冷却シャフトは、ケーブルアセンブリの長さをその中に含むように構成され、アンテナアセンブリへのエネルギーの伝達時にケーブルアセンブリの長さに沿って熱を除去するように構成されている。
【0010】
本開示は、給電路と、アンテナアセンブリとを含む焼灼装置にも関する。給電路は、遠位端を有する内側導体と、内側導体の周りに同軸に配置され、かつ遠位端を有する外側導体と、その間に配置された誘電体とを含む。アンテナアセンブリは、近位端および遠位端を有する導電性近位アームと、外径を有する近位部および近位部の外径よりも小さい外径を有する遠位部を含む導電性遠位アームとを含む。近位アームの近位端は、外側導体の遠位端に電気的に接続され、その周りに同軸に配置されている。アンテナアセンブリは接合部材も含む。近位アームおよび遠位アームは、接合部材において位置合わせされ、接合部材によってある長さで離間されており、それにより、その間に給電ギャップが画定されている。
【0011】
本開示は、電気外科手術用エネルギー源と、電気外科手術用エネルギー源に動作可能に関連づけられた焼灼装置とを含むシステムにも関する。焼灼装置は、給電路と、給電路に動作可能に接続されたアンテナアセンブリとを含む。給電路は、遠位端を有する内側導体と、内側導体の周りに同軸に配置され、かつ遠位端を有する外側導体と、その間に配置された誘電体とを含む。アンテナアセンブリは、近位端および遠位端を有する導電性近位アームと、外径を有する近位部および近位部の外径よりも小さい外径を有する遠位部を含む導電性遠位アームとを含む。近位アームの近位端は、外側導体の遠位端に電気的に接続され、その周りに同軸に配置されている。近位アームは、外側導体の遠位端から近位アームの遠位端まで延在する第1の空洞をその中に画定している。遠位アームの近位部は、第2の空洞をその中に画定している。アンテナアセンブリは、少なくとも一部が第1および第2の空洞内に配置された接合部材も含む。近位アームおよび遠位アームは、接合部材において位置合わせされ、接合部材によってある長さで離間されており、それにより、その間に給電ギャップが画定されている。
【0012】
本開示は、伝送線路の周りに配置され、かつ流体流入導管をその間に画定する第1の管状部材および第1の管状部材の周りに配置され、かつ流体流出導管をその間に画定する第2の管状部材への接続に適した流入/流出接合部にも関する。流入/流出接合部は、冷却液供給システムに流体連通して接続するように構成されたハウジングを含む。ハウジングは、流体流入チャンバおよび流体流出チャンバを協働して画定する外壁および内壁を含む。内壁は、流体流入チャンバが流体流入導管に流体連通して接続可能となるように流体流入チャンバ内に開口部を画定するように構成されている。外壁は、流体流出チャンバが流体流出導管に流体連通して接続可能となるように流体流出チャンバ内に開口部を画定するように構成されている。
【0013】
本開示は、電気外科手術用エネルギー源と、電気外科手術用エネルギー源に動作可能に関連づけられたエネルギー伝達装置とを含むシステムにも関する。エネルギー伝達装置は、チャンバをその中に画定するエンドキャップアセンブリと、チャンバ内に配置されたアンテナアセンブリと、電気外科手術用エネルギー源からアンテナアセンブリまでエネルギーを伝達するように構成されたケーブルアセンブリとを含む。本システムは、チャンバに流体連通して接続された柔軟で伸縮可能な流体冷却シャフトも含み、ここで、柔軟で伸縮可能な流体冷却シャフトは、ケーブルアセンブリの長さをその中に含むように構成され、アンテナアセンブリへのエネルギーの伝達時にケーブルアセンブリの長さに沿って熱を除去するように構成されている。
【0014】
添付の図面を参照しながらその様々な実施形態の説明を読めば、柔軟な流体冷却シャフトを備えた本開示のエネルギー伝達装置およびそれを含むシステムの目的および特徴は、当業者に明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本開示の一実施形態に係る柔軟な流体冷却シャフトを備えたエネルギー伝達装置を含む電気外科手術システムの概略図である。
図2A】本開示の一実施形態に係る柔軟な流体冷却シャフトの一部およびそれに流体連通して接続するように構成された流入/流出接合部を示す図1の細部の指示領域の拡大断面図である。
図2B】本開示に係る図1の柔軟な流体冷却シャフトに流体連通して接続するように構成された流入/流出接合部の別の実施形態の拡大断面図である。
図2C】本開示に係る図1の柔軟な流体冷却シャフトに流体連通して接続するように構成された流入/流出接合部のさらに別の実施形態の拡大断面図である。
図3】本開示の一実施形態に係る柔軟な流体冷却シャフトの一部およびそれに流体連通して接続するように構成されたエネルギー伝達装置を示す図1の細部の指示領域の拡大断面図である。
図4】本開示の一実施形態に係る柔軟で伸縮可能な流体冷却シャフトの一部およびそれに流体連通して接続するように構成された流入/流出接合部の断面図である。
図5】収縮した構成で示されている、本開示の一実施形態に係る図4の柔軟で伸縮可能な流体冷却シャフトおよび流入/流出接合部の概略図である。
図6】伸長した構成で示されている、本開示の一実施形態に係る図4の柔軟で伸縮可能な流体冷却シャフトおよび流入/流出接合部の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本開示の柔軟な流体冷却シャフトを備えたエネルギー伝達装置およびそれを含むシステムの実施形態について、添付の図面を参照しながら説明する。図の説明全体にわたって、同様の符号は、同様もしくは同一の要素を指すものとする。図面に示しかつ本説明で使用され、かつ従来同様に、対象上の相対的な位置づけについて述べる場合、「近位」という用語は、使用者に近い方の本装置のその部分またはその部品を指し、「遠位」という用語は、使用者から遠い方の本装置のその部分またはその部品を指す。
【0017】
本説明は、「一実施形態では」、「実施形態では」、「いくつかの実施形態では」または「他の実施形態では」という語句を用いる場合があるが、これらの語句はそれぞれ、本開示に係る同一または異なる実施形態の1つまたは複数を指すものとする。本説明のための「A/B」という形態の語句は、AまたはBを意味する。本説明のための「Aおよび/またはB」という形態の語句は、「(A)、(B)または(AおよびB)」を意味する。本説明のための「A、BまたはCのうちの少なくとも1つ」という形態の語句は、「(A)、(B)、(C)、(AおよびB)、(AおよびC)、(BおよびC)または(A、BおよびC)」を意味する。
【0018】
電磁エネルギーは一般に、エネルギーの増加または波長の減少によって、電波、マイクロ波、赤外線、可視光線、紫外線、X線およびガンマ線に分類される。本説明において使用される「マイクロ波」とは一般に、300メガヘルツ(MHz)(3×108サイクル/秒)〜300ギガヘルツ(GHz)(3×1011サイクル/秒)の周波数範囲の電磁波を指す。本説明において使用される「焼灼処置」とは一般に、任意の焼灼処置、例えば、マイクロ波焼灼、高周波(RF)焼灼またはマイクロ波もしくは高周波焼灼補助下切除を指す。
【0019】
本説明において使用される「エネルギー照射装置」は一般に、マイクロ波もしくはRF電気外科手術用発生器などの電力発生源からのエネルギーを組織に移動させるために使用することができる任意の装置を指す。本明細書における目的では、「エネルギー照射装置」という用語は、「エネルギー伝達装置」という用語と同義である。本説明において使用される「伝送線路」とは一般に、ある点から別の点までの信号の伝播のために使用することができる任意の伝送媒体を指す。本説明で使用される「流体」とは一般に、液体、気体または両方を指す。
【0020】
本説明で使用される「長さ」とは、電気的長さまたは物理的長さを指すものとする。一般に、電気的長さは、伝送媒体内を伝播している信号の波長に換算した伝送媒体の長さの表現である。電気的長さは通常、波長、ラジアンまたは度(°)に換算して表される。例えば、電気的長さは、伝送媒体内を伝搬している電磁波または電気信号の波長の倍数または約数として表すことができる。波長は、ラジアン、または度(°)などの理論上の角度単位で表すことができる。伝送媒体の電気的長さは、(a)伝送媒体を通る電気もしくは電磁信号の伝播時間の(b)伝送媒体の物理的長さに等しい距離にわたる自由空間における電磁波の伝播時間に対する比を乗じたその物理的長さとして表すことができる。電気的長さは一般に物理的長さとは異なる。適当なリアクタンス素子(容量性または誘導性)の追加によって、電気的長さを、物理的長さよりも著しく短くまたは長くすることができる。
【0021】
本開示の様々な実施形態は、柔軟な流体冷却シャフトを備えたエネルギー伝達装置を提供する。実施形態は、観血的手術用途での利用に適したものであってもよい。実施形態は、用手補助下内視鏡および腹腔鏡手術処置での利用に適したものであってもよい。実施形態は、マイクロ波周波数、RF周波数または他の周波数の電磁放射線を用いて実施してもよい。様々な実施形態に係る流入/流出接合部51を介して冷却液供給システムに流体連通するように配置された柔軟な流体冷却シャフトを備えた本開示のエネルギー伝達装置を含む電気外科手術システムは、約300MHz〜約10GHzの周波数で動作するように設計および構成されている。
【0022】
柔軟な流体冷却シャフトを備えた本開示のエネルギー伝達装置の様々な実施形態は、マイクロ波もしくはRF焼灼に適しており、マイクロ波もしくはRF焼灼補助下外科切除のために組織を予め凝固するのに用いられる。以下に説明する様々な方法は、標的組織のマイクロ波焼灼および完全な破壊を目的としているが、電磁放射線を導く方法は、例えば、心臓組織内の電気的刺激の伝導を妨げるために標的組織が部分的に破壊されるか損傷を受ける他の治療法と共に使用できることを理解されたい。さらに、以下の説明はダイポールマイクロ波アンテナの使用について説明しているが、本開示の教示は、モノポール、ヘリカルまたは他の好適な種類のマイクロ波アンテナまたはRF電極に応用してもよい。
【0023】
図1は、流入/流出接合部51を介して冷却液供給システム150に流体連通して接続された柔軟な流体冷却シャフト110を備えたエネルギー照射装置またはプローブ100を含む本開示の一実施形態に係る電気外科手術システム10を示す。本開示に係る、図1のプローブ100などのエネルギー照射装置の一実施形態は、図3により詳細に示されている。但し、他のプローブの実施形態も使用し得ることを理解されたい。
【0024】
プローブ100は、本開示において後でより詳細に説明するが、一般に遠位放射部(例えば、図3に示す「R」)を有するアンテナアセンブリ12を含む。図1に示すように、プローブ100は、柔軟な伝送線路15(本明細書ではケーブルアセンブリともいう)によってコネクタ14に動作可能に接続されており、さらにコネクタ14によって、プローブ100が電気外科手術用電力発生源28(例えば、マイクロ波もしくはRF電気外科手術用発生器)に動作可能に接続されている。ケーブルアセンブリ15は、電気外科手術用電力発生源28への接続に適した近位端を含んでいてもよい。ケーブルアセンブリ15の少なくとも一部(例えば、処置の間に、患者の体に熱を伝える可能性があり得る長さ)は、柔軟な流体冷却シャフト110内に配置されている。
【0025】
いくつかの実施形態では、プローブ100は、バラン構造(例えば、図3に示す「B」)を含む。バラン構造「B」は、本開示において後でより詳細に説明するが、一般にバラン絶縁体(例えば、図3に示す340)と、バラン絶縁体またはその部分の外周面の周りに配置された導電性バランスリーブ(例えば、図3に示す350)とを含み、バラン短絡部(例えば、図3に示す351)を含んでいてもよい。
【0026】
様々な実施形態によれば、柔軟な流体冷却シャフト110は、プローブ100へのエネルギー(例えば、RFもしくはマイクロ波エネルギー)の伝達の間に、冷却流体「F」、例えば、食塩水、水または他の好適な冷却流体を循環させて、ケーブルアセンブリ15またはそれらの部分の長さに沿って生成され得る熱を除去するように構成されている。図1および図2Aに連携させて示されているように、シャフト110は、ケーブルアセンブリ15と、ケーブルアセンブリ15の周りに配置され、かつ管腔または流体流入導管331をその間に画定する内側環状部材231と、内側環状部材231の周りに配置され、かつ管腔または流体流出導管335をその間に画定する外側管状部材235とを含む。外側管状部材235および内側環状部材231は、冷却流体「F」をその中で循環させるように構成されており、邪魔板、複数の管腔、流れ制限装置またはそれらの形状に応じて流れを再方向付け、集結または分散させ得る他の構造を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、内側環状部材231はケーブルアセンブリ15の周りに同軸に配置されており、外側管状部材235は内側環状部材231の周りに同軸に配置されている。内側環状部材231、外側管状部材235、流体流入導管331および流体流出導管335の大きさおよび形状は、図2Aに示す構成とは異なっていてもよい。
【0027】
いくつかの実施形態では、内側環状部材231の少なくとも一部および/または外側管状部材235の少なくとも一部(例えば、遠位部)は、柔軟な流体冷却シャフト110に形状記憶特性を加えるため(例えば、プローブ100の配置を助けるため)に、一体型の螺旋状金属ワイヤを含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、内側環状部材231および/または外側管状部材235は、剛性を増加させ、アンテナアセンブリ12に向かって遠位にそれらの長さに沿って増加する形状記憶特性を示すものであってもよい。
【0028】
シャフト110は、アンテナアセンブリ12の近位端から流入/流出接合部51の遠位端まで、例えば約3フィートから約6フィートまでの長さの範囲で可変長さを有していてもよい。シャフト110は、任意の好適な外径「D」を有していてもよい。いくつかの実施形態では、シャフト110は、約0.030インチから約0.110インチまでの範囲の外径Dを有していてもよい。シャフト110の様々な部品は、好適な導電性材料、例えば、銅、金、銀または同様の導電率値を有する他の導電性金属あるいは金属合金で形成されていてもよい。ケーブルアセンブリ15を形成するために使用される導電性材料は、それらの特性を向上させるため(例えば、導電率を向上させるため)またはエネルギー損失を減少させるためなどに、他の材料(例えば、金または銀などの他の導電性材料)でメッキされていてもよい。
【0029】
ケーブルアセンブリ15は、任意の好適で柔軟な伝送線路であってもよい。ケーブルアセンブリ15は、内側導体220と、内側導体220を同軸に取り囲んでいる誘電体222と、誘電体222を同軸に取り囲んでいる外側導体224とを含んでいてもよい。アンテナアセンブリ12は、シャフト110の遠位でアンテナアセンブリ12の中まで延在する内側導体220の一部から形成されていてもよい。誘電体222は、限定されるものではないが、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミドまたはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)(例えば、テフロン(登録商標)、米国デラウェア州ウィルミントンのE. I. du Pont de Nemours and Company社製)などの任意の好適で可撓性の誘電材料で形成されていてもよい。内側導体220および外側導体224は、任意の好適な導電性材料で形成されていてもよい。いくつかの実施形態では、内側導体210は第1の導電性材料(例えば、ステンレス鋼)で形成され、外側導体224は第2の導電性材料(例えば、銅)で形成されている。いくつかの実施形態では、外側導体224は、例えば、ケーブルアセンブリ15の柔軟特性を向上させるために、編組金属ワイヤからなる1つまたは複数の層で形成されている。ケーブルアセンブリ15には、外側導体224の周りに配置された外側コーティングまたはスリーブ226が設けられていてもよい。スリーブ226は、任意の好適な絶縁材料で形成されていてもよく、任意の好適な方法、例えば、熱収縮、オーバーモールド、コーティング、噴霧、浸漬、粉末塗装、焼き付けおよび/または膜蒸着によって装着されていてもよい。
【0030】
電気外科手術用電力発生源28は、電気外科手術装置と共に使用するのに適した任意の発生器であってもよく、様々な周波数の電磁エネルギーを供給するように構成されていてもよい。いくつかの実施形態では、電気外科手術用電力発生源28は、約300MHz〜約2500MHzの動作周波数でマイクロ波エネルギーを供給するように構成されている。他の実施形態では、電気外科手術用電力発生源28は、約300MHz〜約10GHzの動作周波数でマイクロ波エネルギーを供給するように構成されている。
【0031】
電気外科手術用電力発生源28は、処理装置(図示せず)と動作可能に通信するユーザインタフェース25を含んでいてもよい。処理装置は、メモリ内に格納された一連の命令を実行することができる任意の種類の計算装置、計算回路あるいは任意の種類のプロセッサまたは処理回路であってもよい。一実施形態では、外科医は、ユーザインタフェース25を介して、選択した電力出力を入力してもよく、電気外科手術システム10は、例えば、電力レベルおよび/または反射電力のレベルに基づいてプローブ100の動作周波数を変更することによって焼灼体積を調整するようにプローブ100を自動制御する。
【0032】
電気外科手術用電力発生源28は、アクチュエータ40を含んでいてもよい。アクチュエータ40は、任意の好適なアクチュエータ、例えば、フットスイッチ、ハンドスイッチ、口作動式スイッチ(例えば、噛み作動式スイッチおよび/または呼吸作動式スイッチ)などであってもよい。アクチュエータ40は、ケーブル接続(例えば、図1に示す17)または無線接続(例えば、高周波または赤外線リンク)によってプロセッサに動作可能に接続されていてもよい。電気外科手術用電力発生源28は、エネルギー照射装置データ、例えば、1つまたは複数のエネルギー照射装置に関連するパラメータを格納および読み出すように構成されたデータベースを含んでもいてよい。使用時に、臨床医は、エネルギー伝達装置(例えば、プローブ100)の動作特性をプレビューするために、ユーザインタフェース25と対話してもよい。
【0033】
ユーザインタフェース25は、1つまたは複数のユーザインタフェース要素(例えば、図1に示す23および24)を視覚的に表示するように構成された表示装置21、例えば、フラットパネルグラフィカルLCD(液晶表示装置)を含んでいてもよい。表示装置21は、タッチスクリーン機能、例えば、スタイラスまたは指先で表示装置21の表示パネルに接触することによって、例えば、表示装置21との直接的な物理的対話によってユーザ入力を受信する能力を備えていてもよい。ユーザインタフェース要素に関連づけられたアクティブ領域内で表示パネルに接触することによって、ユーザインタフェース要素に関連づけられた入力がユーザインタフェース25によって受信されるように、ユーザインタフェース要素(例えば、図1に示す23および/または24)は対応するアクティブ領域を有していてもよい。ユーザインタフェース25は、限定されるものではないが、スイッチ(例えば、プッシュボタンスイッチ、トグルスイッチ、スライドスイッチ)および/または連続アクチュエータ(例えば、回転または線形電位差計、回転または線形エンコーダ)などの1つまたは複数の制御部22を含んでいてもよい。一実施形態では、制御部22は、専用の機能(例えば、表示装置のコントラスト、電源のオン/オフなど)を有する。制御部22は、電気外科手術システム10の動作モードに従って変更可能な機能を有していてもよい。ユーザインタフェース要素23は、その機能を表示するために、制御部22にほぼ隣接して配置されていてもよい。制御部22は、照明付きインジケータ(例えば、単色もしくは色が変わるLEDインジケータ)などのインジケータを含んでいてもよい。
【0034】
電気外科手術システム10は、1つまたは複数の冷却液路(例えば、図1に示す19および20)を介して冷却液供給システム150に流体連通して接続され、かつ柔軟な流体冷却シャフト110を介してプローブ100に流体連通して接続された流入/流出接合部51を含む。冷却液供給システム150は、流入/流出接合部51を通って冷却流体「F」を循環させるように構成されていてもよい。冷却液源18は、冷却流体「F」の貯蔵部を含む任意の好適なハウジングであってもよく、冷却流体「F」を所定の温度に維持してもよい。例えば、冷却液源18は、シャフト110を介してアンテナアセンブリ12から戻ってきた冷却流体Fを冷却することができる冷却装置(図示せず)を含んでいてもよい。
【0035】
冷却流体「F」は、ケーブルアセンブリ15を冷却するため、および/またはプローブ100を冷却または緩衝するために使用することができる任意の好適な流体、例えば、脱イオン水または他の好適な冷却媒体であってもよい。冷却流体Fは、誘電性特性を有していてもよく、アンテナアセンブリ12を緩衝する誘電性インピーダンスを提供してもよい。冷却流体「F」の組成は、所望の冷却速度および所望の組織インピーダンス整合特性に応じて変更してもよい。種々の流体、例えば、限定されるものではないが、水、食塩水、Minnesota Mining and Manufacturing社(3M)によって提供されている市販のフロリナート(Fluorinert)(登録商標)パーフルオロカーボン液体などのパーフルオロカーボン、液体クロロジフルオロメタンなどの液体を使用してもよい。他の変形形態では、気体(例えば、亜酸化窒素、窒素、二酸化炭素など)を冷却流体として利用してもよい。さらに別の変形形態では、例えば、上述の液体および/または気体などの組み合わせを冷却流体「F」として利用してもよい。
【0036】
冷却液供給システム150は一般に、冷却液源18から流入/流出接合部51まで通じている第1の冷却液路19と、流入/流出接合部51から冷却液源18まで通じている第2の冷却液路20とを含む。いくつかの実施形態では、第1の冷却液路19は、冷却流体「F」を第1の冷却液路19を通って移動させるように構成された流体移動装置34を含む。例えば、冷却液源18に対する流体移動装置34の位置は、図1に示す構成とは異なっていてもよい。第2の冷却液路20は、追加として、あるいは、代わりとして、冷却流体「F」を第2の冷却液路20を通って移動させるように構成された流体移動装置(図示せず)を含んでいてもよい。冷却液供給システムの実施形態の例は、同一出願人による2009年9月24日に出願された「焼灼プローブへの妨害された流体流の光学的検出(OPTICAL DETECTION OF INTERRUPTED FLUID FLOW TO ABLATION PROBE)」という発明の名称の米国特許出願第12/566,299号に開示されている。
【0037】
図2Aは、図1に示す電気外科手術システム10の流入/流出接合部51の一実施形態を示す。流入/流出接合部51は、柔軟な流体冷却シャフト110の内側環状部材231および外側管状部材235に流体的に接続可能であるように構成され、かつ冷却液供給システム150に流体連通して接続するように構成されている。流入/流出接合部51は、例えば、円筒状や矩形などの様々な好適な形状を有していてもよい。
【0038】
流入/流出接合部51は一般に、複数の内部チャンバおよび/または開口部または出入口をその中に画定する外壁285および内壁を有するハウジング250Aを含む。いくつかの実施形態では、外壁285および内壁275は流体流入チャンバ262および流体流出チャンバ263を協働して画定しており、それについては、本開示において後で説明する。
【0039】
ハウジング250Aは一般に、全てがその中に画定されている流体流入口52、流体流出口53およびケーブル導入口59を含む。ケーブル導入口59は、ケーブルアセンブリ15をその中に受け入れるように構成された、外壁285内に画定された開口部または通路57を含む。ケーブル導入口59は、ハウジング250Aとケーブルアセンブリ15との間に流体シールを提供するように構成されたOリング211を受け入れるように構成されたチャネルまたは溝58を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、ケーブル移動制限装置215は、ハウジング250Aに取り付けられていてもそれと一体的に形成されていてもよい。ケーブル移動制限装置215は、ケーブルアセンブリ15の移動を制限するように構成されていてもよく、かつ/またはケーブルアセンブリ15をハウジング250Aに固定的または取り外し可能に取り付けるように構成されていてもよい。ケーブル移動制限装置215としては、任意の好適な締結要素、例えば、クリップ、クランプまたは接着剤が挙げられる。
【0040】
流体流入口52は、第1の冷却液路19に流体連通して接続するように構成されていてもよい。流体流出口53は、第2の冷却液路20に流体連通して接続するように構成されていてもよい。いくつかの実施形態では、第1の冷却液路19は、冷却液源18から流体流入口52まで通じている冷却液供給管31を含み、第2の冷却液路20は、流体流出口53から冷却液源18まで通じている冷却液戻り管35を含む。流体流入口52および流体流出口53は、ハウジング205の外壁に沿って、任意の好適な位置に配置されていてもよい。流体流入口52および流体流出口53は、限定されるものではないが、ニップル型差込み式管継手(inlet fitting)、圧縮管継手および凹部などの任意の好適な構成を有していてもよく、Oリング型エラストマーシールを含んでいてもよい。
【0041】
一実施形態では、流体流入口52はハウジング250Aの外壁285内に第1の凹部252を画定するように構成されており、流体流出口53は外壁285内に第2の凹部253を画定するように構成されている。第1の凹部252および第2の凹部253は、例えば、矩形や円筒状などの任意の好適な形状であってもよく、Oリングまたは他の好適な密封要素を受け入れるように構成された溝を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、冷却液供給管31は、第1の凹部252に密封可能に接続されたかその中に延在しており、冷却液戻り管35は、第2の凹部253に密封可能に接続されたかその中に延在している。
【0042】
ハウジング250Aは、本開示の柔軟な流体冷却シャフト110の一部(例えば、内側環状部材231およびケーブルアセンブリ15の一部)が流体流出チャンバ263および/または流体流出チャンバ263の中まで延在することができるように構成されていてもよい。流体流出チャンバ263は、流体流出口53と流体連通するように配置されており、シャフト110の外側管状部材235に接続可能であるように構成されていてもよい。流体流出チャンバ263は一般に、流体流出口53を流体流出導管335に流体的に接続する。一実施形態では、ハウジング250Aの外壁285は、流体流出チャンバ263内に開口部280を画定して、流体流出チャンバ263を流体流出導管335に流体連通して接続可能となるように構成されている。
【0043】
流体流入チャンバ262は、流体流入口52と流体連通するように配置されており、シャフト110の内側管状部材231に接続可能であるように構成されていてもよい。流体流入チャンバ262は一般に、流体流入口52を流体流入導管331に流体的に接続する。一実施形態では、ハウジング250Aの内壁275は、流体流入チャンバ262内に開口部270を画定して、流入チャンバ262が流体流入導管331に流体連通して接続可能となるように構成されている。流体流出チャンバ263および流体流入チャンバ262の形状および大きさは、図2Aに示す構成とは異なっていてもよい。
【0044】
ハウジング250Aは、例えば、流体流入チャンバ262および流体流入導管331を流体的に接続するために内側環状部材231に密封係合可能であり、かつ/または、例えば、流体流出チャンバ263および流体流出導管335を流体的に接続するために外側管状部材235に密封係合可能であるように構成されていてもよい。内壁275内に画定された開口部270は、内側環状部材231を受け入れるように構成されていてもよい。内壁275は、内側環状部材231の外面に係合するように構成された係合部276を含んでいてもよい。係合部276と内側環状部材231の外面との密封係合は、例えば、係合部276に関連づけられた密封要素(例えば、Oリング)によって提供されてもよい。密封係合は、内側環状部材231の上または中に配置されたねじ山(雄ねじまたは雌ねじ)および係合部276の中または上に配置されたねじ山によって提供されてもよい。但し、係合部276と内側環状部材231の外面との密封係合は、任意の好適な密封手段によって提供され得ることを理解されたい。
【0045】
外壁285内に画定された開口部280は、外側管状部材235を受け入れるように構成されていてもよい。外壁285は、外側管状部材235の外面に係合するように構成された係合部286を含んでいてもよい。係合部286と外側環状部材235の外面との密封係合は、例えば、外壁285の係合部286に関連づけられた密封要素(例えば、Oリング)によって提供されてもよい。密封係合は、外側環状部材235の上または中に配置されたねじ山(雄ねじまたは雌ねじ)および係合部286の中または上に配置されたねじ山によって提供されてもよい。但し、係合部286と外側環状部材235の外面との密封係合は、任意の好適な密封手段によって提供され得ることを理解されたい。
【0046】
図2Bは、本開示に係る流入/流出接合部251を示す。流入/流出接合部251は、内壁275の係合部277の構成および外壁285の係合部287の構成以外は、図2Aに示すハウジング250Aに類似したハウジング250Bを含む。
【0047】
係合部277は、内側環状部材231の外面に係合するように構成されている(例えば、図2Aに示す係合部276に類似している)。係合部277は、内側環状部材231の端部に係合するように構成された内壁275から外向きに延在する突起部を含む。内側環状部材231および係合部277は、任意の好適な様式、例えば、耐熱性接着剤または他の好適なシーリング材で密封接続されていてもよい。
【0048】
係合部287は、外側環状部材235の外面に係合するように構成されている(例えば、図2Aに示す係合部286に類似している)。係合部287は、外側環状部材235の端部に係合するように構成された外壁285から外向きに延在する突起部を含む。外側管状部材235および係合部287は、耐熱性接着剤または他の好適なシーリング材で密封接続されていてもよい。
【0049】
図2Cは、本開示に係る流入/流出接合部351を示す。流入/流出接合部251は、内壁275の係合部278の構成および外壁285の係合部288の構成以外は、図2Aに示すハウジング250Aに類似したハウジング250Bを含む。
【0050】
係合部278は、内側環状部材231の外面に係合するように構成されている(例えば、図2Aに示す係合部276に類似している)。係合部278は、内側環状部材231の端部および内面に係合するように構成された内壁275に結合されたほぼL字状のブラケット279を含む。
【0051】
係合部288は、外側環状部材235の外面に係合するように構成されている(例えば、図2Aに示す係合部286に類似している)。係合部288は、外側環状部材235の端部および内面に係合するように構成された外壁285に結合されたほぼL字状のブラケット289を含む。
【0052】
図3は、図1に示す電気外科手術システム10のプローブ100の一実施形態を示す。プローブ100は一般に、エンドキャップアセンブリ360によって画定されたチャンバ338(本明細書では冷却液チャンバともいう)内に配置された遠位放射部「R」を有するアンテナアセンブリ12を含む。アンテナアセンブリ12は、本開示において後でより詳細に説明するが、近位アーム370および遠位アーム380を含む。
【0053】
エンドキャップアセンブリ360は、コネクタ部368と、コネクタ部368の遠位端に配置され、かつそこに接続されたエンドキャップ364とを含む。エンドキャップ364は一般に、内部チャンバ365をその中に画定している。コネクタ部368は、エンドキャップ364の内部チャンバ365と流体連通するように配置された内部管腔を画定する実質的に管状の本体部材361を含む。コネクタ部368は、例えば、エンドキャップ364への接続に適した遠位部363と、例えば、シャフト110の外側管状部材235への接続に適した近位部362とを含む。コネクタ部368の遠位部363および近位部362の形状および大きさは、図3に示す構成とは異なっていてもよい。
【0054】
コネクタ部368は、任意の好適な材料で形成されていてもよい。いくつかの実施形態では、コネクタ部368は、低導電率を有する複合材料、例えば、ガラス繊維強化ポリマーまたはセラミックで形成されていてもよい。外側管状部材235およびコネクタ部368の近位部362は、耐熱性接着剤302または他の好適なシーリング材で密封接続されていてもよい。
【0055】
エンドキャップ364は、テーパ部320を含み、テーパ部320は、最小の抵抗で組織内への挿入を可能にする鋭い先端323で終端していてもよい。テーパ部320は、例えば、円形、平坦状、四角形、六角形またはシリンドロコニカル形の先端323のような他の形状を有していてもよい。エンドキャップ364は、高誘電率を有する材料で形成されていてもよく、外套針(例えば、ジルコニアセラミック)であってもよい。いくつかの実施形態では、エンドキャップ364によって画定された内部チャンバ365は、近位チャンバ部366と、近位チャンバ部366に流体的に接続された遠位チャンバ部367とを含む。近位チャンバ部366および遠位チャンバ部367の形状および大きさは、図3に示す構成とは異なっていてもよい。
【0056】
プローブ100には、エンドキャップアセンブリ360の少なくとも一部を覆うように構成された取り外し可能な保護キャップ390が設けられていてもよい。いくつかの実施形態では、保護キャップ390は、エンドキャップ374を覆うように構成されている。保護キャップ390は、例えば組織の損傷を回避するために、プローブ100の展開時にエンドキャップ374の上に取り外し可能に配置されていてもよい。保護キャップ390は、任意の好適なプロセスによって任意の好適な材料(例えば、プラスチック)で形成されていてもよい。
【0057】
コネクタ部368は、保護キャップ390への取り外し可能な接続に適したものであってもよい。いくつかの実施形態では、コネクタ部368の遠位端および保護キャップ390の近位端は、ねじ嵌合式接続によって取り外し可能に接続することができる。一実施形態では、コネクタ部368の遠位端には、保護キャップ390の近位端に配置された一連の雌ねじ393に嵌合的に係合するように構成された一連の雄ねじ369が設けられている。当然のことながら、保護キャップ390の近位端に雄ねじが設けられ、コネクタ部368に雌ねじが設けられていてもよい。保護キャップ390が任意の好適な様式でコネクタ部368に取り外し可能に接続可能であってもよいことを理解されたい。
【0058】
アンテナアセンブリ12は、近位アーム370および遠位アーム380を含む。近位アーム370は任意の好適な長さ「L2」を有していてもよく、遠位アーム380は任意の好適な長さ「L3」を有していてもよい。いくつかの実施形態では、近位アーム370は、約0.05インチから約0.50インチまでの範囲の長さ「L2」を有していてもよい。いくつかの実施形態では、遠位アーム380は、約0.05インチから約0.50インチまでの範囲の長さ「L3」を有していてもよい。
【0059】
近位アーム370および遠位アーム380は、任意の好適な導電性材料、例えば、ステンレス鋼、アルミニウム、チタンまたは銅などの金属で形成されていてもよい。いくつかの実施形態では、近位アーム370は、1枚のステンレス鋼で構成され、高導電性防腐金属(例えば、銀など)でコーティングされていてもよい。近位アーム370の近位端371は、例えば、半田または他の好適な電気的接続によって、外側導体224の遠位端325に電気的に接続されている。いくつかの実施形態では、近位アーム370の近位端371は、外側導体224の遠位端325の周りに同軸に配置されている。近位アーム370は一般に、外側導体224の遠位端325から長手方向に延在する第1のチャンバもしくは空洞372をその中に画定している。誘電体310は、第1の空洞372内に配置されていてもよい。
【0060】
遠位アーム380は、近位部381および遠位部383を含む。遠位アーム380の遠位部383の少なくとも一部は、エンドキャップ364によって画定された空洞内に配置されている。遠位部383の外径が近位部381の外径よりも小さくなるように、遠位アーム380は段状の構成を有する。いくつかの実施形態では、エンドキャップ364によって画定された内部チャンバ365の近位チャンバ部366は、遠位アーム380の近位部381をその中に受け入れるように構成されていてもよく、エンドキャップ364によって画定された内部チャンバ365の遠位チャンバ部367は、遠位アーム380の遠位部383をその中に受け入れるように構成されていてもよい。近位チャンバ部366および/または遠位チャンバ部367は、冷却流体(例えば、図1に示す「F」)が近位部381および/または遠位部383の周りを循環することができるように構成されていてもよい。
【0061】
いくつかの実施形態では、遠位アーム380は、機械加工された1枚のステンレス鋼で構成され、高導電性防腐金属(例えば、銀など)でコーティングされていてもよい。遠位アーム380の近位部381は、第2のチャンバもしくは空洞382をその中に画定している。誘電体310は、第2の空洞382内に配置されていてもよい。遠位アーム380の遠位部383は、第3のチャンバもしくは空洞384をその中に画定している。内側導体220の少なくとも一部は、その中まで延在している。内側導体220は、半田307によって遠位部383に電気的に接続されていてもよい。いくつかの実施形態では、遠位アーム380の遠位部383は、その中に画定された1つまたは複数の半田穴389を含む。
【0062】
遠位アーム380および近位アーム370は、接合部材311(一般に、誘電体310で作られている)において位置合わせされており、また、遠位放熱部「R」の少なくとも一部の中まで延在する内側導体220によって支持されている。接合部材311は、任意の好適なプロセスによって低損失プラスチックまたは任意の好適なエラストマーもしくはセラミック誘電体で形成されていてもよい。いくつかの実施形態では、接合部材311は、オーバーモールドによって形成されており、熱可塑性エラストマー、例えば、ポリエーテルブロックアミド(例えば、Pebax(登録商標)、フランスのコロンブのArkemaグループ社製)、ポリエーテルイミド(例えば、Ultem(登録商標)および/またはExtem(登録商標)、サウジアラビアのSABIC Innovative Plastics社製)および/またはポリイミド系ポリマー(例えば、Vespel(登録商標)、米国デラウェア州ウィルミントンのE. I. du Pont de Nemours and Company社製)などを含む。遠位アーム380および近位アーム270が強固に接合され、接合部材311によって離間され、その間で給電ギャップ「G」が画定されるように、遠位アーム380および近位アーム370は接合部材311と共に挿入成形されていてもよい。いくつかの実施形態では、給電ギャップ「G」は、約1mm〜約3mmであってもよい。
【0063】
プローブ100は、好適な長さ「L1」を有するバラン構造「B」を含んでいてもよい。バラン構造「B」は、アンテナアセンブリ12の近位に配置され、そこから好適な長さだけ離間されている。いくつかの実施形態では、バラン構造「B]は、1/4波長(1/4λ)のスリーブバランまたは3/4λのスリーブバランであってもよい。奇数次高調波(例えば、1/4λ、3/4λなど)によって、バラン入口において電流をゼロにし、それによって所望の放射パターンを維持してもよい。
【0064】
バラン構造「B」は、ケーブルアセンブリ15の外側導体224の周りに配置されたバラン絶縁体340と、バラン絶縁体340またはその部分の周りに配置された導電性層350(本明細書では、導電性バランスリーブともいう)とを含む。バラン絶縁体340の一部345は、例えば、プローブ100のマイクロ波性能を高め、かつ/または所望の焼灼パターンを提供するために、導電性部材350の遠位端355を越えて遠位に延在していてもよい。導電性バランスリーブ350は、単一の構造として形成され、例えば、半田または他の好適な電気的接続によって外側導体224に電気的に接続されていてもよい。いくつかの実施形態では、導電性バランスリーブ350の近位端352は、例えば、外側導体224に電気的および機械的に接続することができるように構成されていてもよい。
【0065】
図3に示す実施形態に係るバラン構造「B」は、バラン絶縁体340の近位端に配置されたバラン短絡部351を備える。バラン短絡部351は、任意の好適な導電性材料、例えば、銅、金、銀または他の導電性金属あるいは金属合金で形成されていてもよい。いくつかの実施形態では、バラン短絡部351は、ほぼリング状または切頭管状の形状を有する。バラン短絡部351は、任意の好適な電気的接続方法、例えば、半田付け、溶接またはレーザ溶接によって、給電路またはケーブルアセンブリ15の外側導体224に電気的に接続されている。バラン短絡部351は、任意の好適な電気的接続方法によって、バラン外側導体350に電気的に接続されている。
【0066】
バラン絶縁体340は、限定されるものではないが、セラミック、水、マイカ、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)(例えば、テフロン(登録商標)、米国デラウェア州ウィルミントンのE. I. du Pont de Nemours and Company社製)、ガラス、金属酸化物または他の好適な絶縁体などの任意の好適な絶縁材料で形成されていてもよく、任意の好適な方法で形成されていてもよい。バラン絶縁体340は、成長または蒸着されているか、あるいは任意の他の好適な技術によって形成されていてもよい。いくつかの実施形態では、バラン絶縁体340は、約1.7〜約10の範囲の誘電率を有する材料で形成されている。
【0067】
導電性層350は、任意の好適な導電性材料、例えば、ステンレス鋼、チタンまたは、銅などの金属で形成されていてもよく、任意の好適な方法で形成されていてもよい。いくつかの実施形態では、導電性層350は、約0.1インチ〜約3.0インチの長さを有する。導電性バランスリーブ350およびバラン絶縁体340の形状および大きさは、図3に示す構成とは異なっていてもよい。
【0068】
プローブ100は一般に、アンテナアセンブリ12の周りに画定された冷却液チャンバ338を含む。冷却液チャンバ338は、冷却流体(例えば、図1に示す「F」)を(一般に図3では矢印で示されているように)アンテナアセンブリ12の周りに循環させるように構成され、流体流入導管331および流体流出導管335と流体連通するように配置されている。いくつかの実施形態では、冷却液チャンバ338は、エンドキャップアセンブリ360によって画定され、コネクタ部368の実質的に管状の本体部材361によって画定された内部管腔を含む。冷却液チャンバ338は、追加として、あるいは、代わりとして、エンドキャップ364によって画定された内部チャンバ365を含む。冷却液チャンバ338の形状および大きさは、図3に示す構成とは異なっていてもよい。
【0069】
例えば、電気外科手術システム10を用いるマイクロ波焼灼の間、プローブ100を、組織に挿入するか組織に隣接して配置し、マイクロ波エネルギーをそこに供給する。超音波もしくはコンピュータ断層撮影(CT)誘導を用いて、プローブ100を治療される組織の領域内に正確に誘導してもよい。プローブ100は、例えば、手術スタッフによる従来の手術技術を用いて、経皮的または外科的に配置してもよい。臨床医は、マイクロ波エネルギーが照射される時間の長さを予め定めてもよい。照射持続時間は、腫瘍の大きさおよび位置などの多くの要因ならびに腫瘍が続発性もしくは原発性癌であるか否かによって決められてもよい。プローブ100を用いるマイクロ波エネルギー照射の持続時間は、破壊される組織領域および/または周囲組織における熱分配の進行によって決められてもよい。特定の腫瘍の治療では、例えば、腫瘍がプローブよりも大きい場合や入手可能なプローブ形状または放射パターンに一致しない形状を有する場合、焼灼処置中にプローブの再配置を行う場合もある。
【0070】
動作中、アンテナアセンブリ12によって、波長(ラムダ)(λ)を有するマイクロ波エネルギーを、例えば、近位アーム370および遠位アーム380に沿って伝達させ、周囲媒体(例えば組織)内に照射する。効率的な放射のためのアンテナの長さは、処置される媒体の誘電性に依存する実効波長(λeff)によって決められてもよい。マイクロ波エネルギーが波長(λ)で中に伝送されるアンテナアセンブリ12は、周囲媒体によって異なる実効波長(λeff)を有していてもよい(例えば、乳房組織と対照的な肝臓組織)。
【0071】
図4は、本開示の一実施形態に係る柔軟で伸縮可能な流体冷却シャフト410の一部に流体連通して接続するように構成された流入/流出接合部451を示す。流入/流出接合部451は、図1に示すケーブルアセンブリ15に取り外し可能かつ密封可能に接続することができるように構成されたハウジング450を含む。ハウジング450は、流体流入口452、流体流出口453、流体流入チャンバ462、流体流出チャンバ463、管状スリーブ部材489および取り外し可能なケーブル移動制限装置415を含む。
【0072】
取り外し可能なケーブル移動制限装置415は密封要素411(例えば、Oリング)および回転可能部材416を含む。いくつかの実施形態では、回転可能部材416を第1の方向(例えば、時計回り方向)に回転させることで、密封要素415に対する圧縮力を生じさせて、ケーブルアセンブリ15の移動を制限し、かつ流体シールを提供する。いくつかの実施形態では、回転可能部材416を第2の方向(例えば、逆時計回り方向)に回転させることで、密封要素411に対する圧縮力を解放して、ケーブルアセンブリ15の移動を可能にし、それにより、シャフト410の外側管状部材445および内側環状部材441の伸長および/または収縮を可能にする。
【0073】
本開示のハウジング420の管状スリーブ部材489は、一般に展開/格納可能なシャフト410の一部を収容するように構成されており、任意の好適な長さ「L4」を有していてもよい。図4に示す流体流入口452、流体流出口453、流体流入チャンバ462および流体流出チャンバ463は、図1に示す流体流入口52、流体流出口53、流体流入チャンバ262および流体流出チャンバ263にそれぞれ類似しており、それらのさらなる説明は簡潔のために省略する。
【0074】
柔軟で伸縮可能な流体冷却シャフト410は、流体冷却シャフト410の長さの選択的な調整を可能にするように構成されている。いくつかの実施形態では、シャフト410は、シャフト410がその最も収縮した使用構成にある第1の長さ(例えば、図5に示す「L5」)と、シャフト410がその最も伸長した使用構成にある第2の長さ(例えば、図5に示す「L6」)との間で、任意の長さに選択的に調整可能でもあってもよい。柔軟で伸縮可能な流体冷却シャフト410は一般に、流入スリーブ431と、流出スリーブ435と、流入スリーブ431に同軸に配置され、かつそこに摺動可能に接続された内側環状部材441と、流出スリーブ435に同軸に配置され、かつそこに摺動可能に接続された外側管状部材445とを含む。いくつかの実施形態では、第1の潤滑性スリーブ408は内側環状部材441と流入スリーブ431との間に配置されていてもよく、第2の潤滑性スリーブ409は外側管状部材445と流出スリーブ435との間に配置されていてもよい。
【0075】
第1の潤滑性スリーブ408および第2の潤滑性スリーブ409は、任意の好適な非導電性絶縁体、例えばテフロン(登録商標)スリーブで形成されていてもよい。内側環状部材441の流入スリーブ431上での摺動および/または外側管状部材445の流出スリーブ435上での摺動を可能にするように、第1の潤滑性スリーブ408および/または第2の潤滑性スリーブ409を、材料特性(例えば、密度および潤滑性)に基づいて選択してもよい。第1の潤滑性スリーブ408および/または第2の潤滑性スリーブ409は、追加として、あるいは、代わりとして、内側環状部材441および/または外側管状部材445の損傷を防止しかつ/またはそれらの摩耗を最小にするように選択してもよい。第1の潤滑性スリーブ408および/または第2の潤滑性スリーブ409は、潤滑性ポリマー材料、例えば、高密度ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン)、ポリテトラフルオロエチレン(別名、PTFEまたはテフロン(登録商標)、米国デラウェア州ウィルミントンのE. I. du Pont de Nemours and Company社製)またはポリウレタンで形成されていてもよい。第1の潤滑性スリーブ408および/または第2の潤滑性スリーブ409は、熱収縮、押出成形、成形、浸漬コーティングまたは他の好適なプロセスによって形成されていてもよい。いくつかの実施形態では、絶縁体スリーブ270は、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシド、ポリヒドロキシエチルメタクリレートまたはそのコポリマーなどの高親水性低摩擦ポリマーで形成された表面コーティングを含んでいてもよい。
【0076】
いくつかの実施形態では、内側環状部材441の近位端が流入スリーブ431の近位端に実質的に位置合わせされた状態で近位に配置され、かつ/または、外側管状部材445の近位端が流出スリーブ435の近位端に実質的に位置合わせされた状態で近位に配置されている場合、シャフト410は、その最も収縮した使用構成で構成されていてもよい。
【0077】
図5は、その最も収縮した使用構成で、本開示の一実施形態に係る図4の柔軟で伸縮可能な流体冷却シャフト410および流入/流出接合部451を示す。その最も収縮した使用構成では、流体冷却シャフト410は、任意の好適な長さ「L5」を有していてもよい。いくつかの実施形態では、柔軟で伸縮可能な流体冷却シャフト410には、例えば、シャフト110の展開/格納時および/または冷却流体のその中での循環時に、シャフト410の外径の変更に対する抵抗を提供するように構成された1つまたは複数の形状保持要素510が設けられていてもよい。形状保持要素510は、外側管状部材445の周りに配置されていてもよく、かつ/または外側管状部材445に摺動可能に接続されていてもよい。
【0078】
図6は、その最も伸長した使用構成で、本開示の一実施形態に係る図4の柔軟で伸縮可能な流体冷却シャフト410および流入/流出接合部451を示す。その最も収縮した使用構成では、流体冷却シャフト410は、任意の好適な長さ「L6」を有していてもよい。
【0079】
柔軟な流体冷却シャフトを備えた本開示のエネルギー伝達装置は、エネルギーを組織内に導くことができ、様々な処置および手術での使用に適したものであってもよい。上記エネルギー伝達装置の実施形態は、用手補助下内視鏡および腹腔鏡手術処置と共に利用するのに適したものであってもよい。上記エネルギー伝達装置の実施形態は、観血的手術用途での利用に適したものであってもよい。
【0080】
柔軟な流体冷却シャフトを備えた本開示のエネルギー伝達装置の様々な実施形態によって、外科医は、例えば、焼灼プローブを、組織構造の密接な間隔の境界間で展開して、焼灼部位位置に到達させることができる。上記エネルギー伝達装置の実施形態によって、外科医は、柔軟な流体冷却シャフトを備えた焼灼プローブを自分の手で手動で展開して、到達が難しい位置、例えば、横隔膜の上部近傍にある肝円蓋部にプローブを配置することができる。冷却流体をその中で循環させるように構成された内側および外側管状部材に取り囲まれたケーブルアセンブリの長さを含む柔軟な流体冷却シャフトを備えた本開示のエネルギー伝達装置の様々な実施形態は、処置(例えば、焼灼処置)の間に、ケーブルアセンブリから患者の体への恐らく好ましくない熱の移動を少なくすることができる。
【0081】
上記流入/流出接合部の実施形態は、上記柔軟な流体冷却シャフトの実施形態の内側および外側管状部材に流体連通して接続するように構成されており、かつ好適な冷却液供給システムに流体連通して接続するように構成されている。本開示の流入/流出接合部の実施形態は、冷却液供給システムに流体連通して接続するように構成され、かつ、例えば、伸縮可能な流体冷却シャフトの伸長/収縮を容易にするために、ケーブルアセンブリのその中での移動を選択的に可能にするように構成されていてもよい。
【0082】
本開示の実施形態に係る柔軟な流体冷却シャフトを備えたエネルギー伝達装置を含む電気外科手術システムは、上記流入/流出接合部の実施形態を介して冷却液供給システムに流体的に接続されていてもよい。
【0083】
例示および説明のために添付の図面を参照しながら実施形態について詳細に説明してきたが、本発明の方法および装置はそれらによって限定されるものとして解釈されるべきでないことを理解されたい。本開示の範囲から逸脱することなく、上記実施形態に対する様々な修正が可能であることは当業者に明らかとなるであろう。以下に原出願の当初の特許請求の範囲に相当する内容であって、請求項16の誤記を訂正したものを付記する。
[1] 遠位端を有する内側導体と、前記内側導体の周りに同軸に配置され、かつ遠位端を有する外側導体と、その間に配置された誘電体とを含む給電路と、
アンテナアセンブリと、
を含み、
前記アンテナアセンブリは、
近位端および遠位端を有する導電性近位アームであって、前記近位端は前記外側導体の前記遠位端に電気的に接続され、かつその周りに同軸に配置されている導電性近位アームと、
外径を有する近位部および前記近位部の前記外径よりも小さい外径を有する遠位部を含む導電性遠位アームと、
接合部材と、
を含み、
前記近位アームおよび前記遠位アームは、前記接合部材において位置合わせされ、前記接合部材によってある長さで離間されており、それにより、その間に給電ギャップが画定されている焼灼装置。
[2] 前記近位アームは、前記外側導体の前記遠位端から前記近位アームの前記遠位端まで延在する第1の空洞をその中に画定し、前記遠位アームの前記近位部は、第2の空洞をその中に画定している、上記1に記載の焼灼装置。
[3] 前記接合部材は、少なくとも一部が前記第1および第2の空洞内に配置されており、前記給電路の前記内側導体の一部は、前記給電路の遠位端において前記外側導体および前記誘電体を越えて延在している、上記2に記載の焼灼装置。
[4] 前記給電路の遠位端において前記外側導体および前記誘電体を越えて延在する前記内側導体の前記一部は、前記接合部材の中まで長手方向に延在している、上記3に記載の焼灼装置。
[5] 前記アンテナアセンブリの前記遠位アームの前記遠位部は第3の空洞をその中に画定しており、前記内側導体の前記一部は、少なくとも一部が前記第3の空洞の中までさらに延在している、上記4に記載の焼灼装置。
[6] 前記アンテナアセンブリの近位に配置されたバラン構造をさらに含む、上記1に記載の焼灼装置。
[7] 前記バラン構造は、1/4波長スリーブバランである、上記6に記載の焼灼装置。
[8] 電気外科手術用エネルギー源と、
前記電気外科手術用エネルギー源に動作可能に関連づけられた焼灼装置と、
を含み、
前記焼灼装置は、
遠位端を有する内側導体と、前記内側導体の周りに同軸に配置され、かつ遠位端を有する外側導体と、その間に配置された誘電体とを含む給電路と、
前記給電路に動作可能に接続されたアンテナアセンブリと、
を含み、
前記アンテナアセンブリは、
近位端および遠位端を有する導電性近位アームであって、前記近位端は前記外側導体の前記遠位端に電気的に接続され、かつその周りに同軸に配置されており、前記近位アームは前記外側導体の前記遠位端から前記近位アームの前記遠位端まで延在する第1の空洞をその中に画定している導電性近位アームと、
外径を有する近位部および前記近位部の前記外径よりも小さい外径を有する遠位部を含む導電性遠位アームであって、前記近位部は第2の空洞をその中に画定している導電性遠位アームと、
前記第1および第2の空洞内に少なくとも一部が配置された接合部材であって、前記近位アームおよび遠位アームは、前記接合部材において位置合わせされ、前記接合部材によってある長さで離間されており、それにより、その間に給電ギャップが画定されている接合部材と、を含むシステム。
[9] 内部管腔をその中に画定するコネクタ部を含むエンドキャップアセンブリをさらに含み、前記内部管腔は、前記アンテナアセンブリの少なくとも一部をその中に含むように構成されている、上記8に記載のシステム。
[10] 前記エンドキャップアセンブリは、前記コネクタ部の遠位端に配置され、かつそこに接続されたエンドキャップをさらに含む、上記9に記載のシステム。
[11] 前記エンドキャップは、近位チャンバ部をその中に画定するように構成されており、前記近位チャンバ部は、前記アンテナアセンブリの前記遠位アームの前記近位部をその中に含むように構成されている、上記10に記載のシステム。
[12] 前記近位チャンバ部は、前記内部管腔と流体連通するように配置され、かつ冷却流体を前記アンテナアセンブリの前記遠位アームの前記近位部の周りに循環させるように構成されている、上記11に記載のシステム。
[13] 前記エンドキャップは、遠位チャンバ部をその中に画定するようにさらに構成されており、前記遠位チャンバ部は、前記アンテナアセンブリの前記遠位アームの前記遠位部をその中に含むように構成されている、上記12に記載のシステム。
[14] 前記遠位チャンバ部は、前記近位チャンバ部に流体連通するように配置され、かつ冷却流体を前記アンテナアセンブリの前記遠位アームの前記遠位部の周りに循環させるように構成されている、上記13に記載のシステム。
[15] 前記コネクタ部の近位部に密封接続された外側管状部材を含み、かつ前記内部管腔に流体的に接続された柔軟な流体冷却シャフトをさらに含む、上記9に記載のシステム。
[16] 冷却液供給システムに流体連通して接続するように構成され、かつ前記柔軟な流体冷却シャフトに流体連通して接続するように構成された流入/流出接合部をさらに含む、上記15に記載のシステム。
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5
図6