【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するため、本発明の第1の態様は、熔融ガラスを撹拌する撹拌処理を含むディスプレイ用ガラス基板の製造方法であって、
前記撹拌処理を行う撹拌槽は、
筒形の壁面を有し、筒形の軸方向の一方の端部に熔融ガラスの流入口が設けられ、他方の端部に熔融ガラスの流出口が設けられた流路壁と、
前記流路壁の内部に設けられ、前記流路壁内を軸方向に流れる熔融ガラスを軸方向と垂直な方向に撹拌する撹拌子と、
を備え、
前記撹拌子は、
前記流路壁内において前記軸方向に配置される回転軸と、
前記回転軸から回転半径方向に延在するn個(nは2以上の自然数)の撹拌翼とを備え、
各撹拌翼は、
前記回転軸から離間して前記回転軸と平行に配置される軸方向翼と、
前記回転軸と前記軸方向翼とを接続するとともに、前記回転軸方向に熔融ガラスが通過する間隔を空けて配置される複数の径方向翼と、
を備え、
前記n個の撹拌翼を回転方向に沿って順に第1、第2、…、第nの撹拌翼とし、第kの撹拌翼(kは自然数、1≦k≦n−1)の径方向翼を第kの径方向翼とし、第nの撹拌翼の径方向翼を第nの径方向翼とするとき、
複数の第kの径方向翼の間を通過した熔融ガラスを第(k+1)の径方向翼により軸方向に分断するとともに、複数の第nの径方向翼の間を通過した熔融ガラスを第1の径方向翼により軸方向に分断
し、
前記径方向翼により分断される熔融ガラスの前記軸方向の長さを、前記流入口側から前記流出口側に向かって連続的又は段階的に増加させることを連続して行うことを特徴とする。
【0015】
本発明の第2の態様は、熔融ガラスを撹拌する撹拌槽を含むディスプレイ用ガラス基板の製造装置であって、 前記撹拌槽は、
筒形の壁面を有し、筒形の軸方向の一方の端部に熔融ガラスの流入口が設けられ、他方の端部に熔融ガラスの流出口が設けられた流路壁と、
前記流路壁の内部に設けられ、前記流路壁内を軸方向に流れる熔融ガラスを軸方向と垂直な方向に撹拌する撹拌子と、
を備え、
前記撹拌子は、
前記流路壁内において前記軸方向に配置される回転軸と、
前記回転軸から回転半径方向に延在するn個(nは2以上の自然数)の撹拌翼とを備え、
各撹拌翼は、
前記回転軸壁から離間して前記回転軸と平行に配置される軸方向翼と、
前記回転軸と前記軸方向翼とを接続するとともに、前記回転軸方向に熔融ガラスが通過する間隔を空けて配置される複数の径方向翼と、
を備え、
前記n個の撹拌翼を回転方向に沿って順に第1、第2、…、第nの撹拌翼とし、第kの撹拌翼(kは自然数、1≦k≦n−1)の径方向翼を第kの径方向翼とし、第nの撹拌翼の径方向翼を第nの径方向翼とするとき、
任意のkに対して、第kの径方向翼と第(k+1)の径方向翼とが、前記回転軸に軸方向に交互に接続されているとともに、第nの径方向翼と第1の径方向翼とが、前記回転軸に軸方向に交互に接続され
、
前記径方向翼の前記回転軸に接続される前記軸方向の間隔は、前記流入口側から前記流出口側に向かって連続的又は段階的に増加していることを特徴とする。
【0016】
本発明の第3の態様は、ディスプレイ用ガラス基板を製造するための熔融ガラス用撹拌槽であって、 筒形の壁面を有し、筒形の軸方向の一方の端部に熔融ガラスの流入口が設けられ、他方の端部に熔融ガラスの流出口が設けられた流路壁と、
前記流路壁の内部に設けられ、前記流路壁内を軸方向に流れる熔融ガラスを軸方向と垂直な方向に撹拌する撹拌子と、
を備え、
前記撹拌子は、
前記流路壁内において前記軸方向に配置される回転軸と、
前記回転軸から回転半径方向に延在するn個(nは2以上の自然数)の撹拌翼とを備え、
各撹拌翼は、
前記回転軸から離間して前記回転軸と平行に配置される軸方向翼と、
前記回転軸と前記軸方向翼とを接続とともに、前記回転軸方向に熔融ガラスが通過する間隔を空けて配置される複数の径方向翼と、
を備え、
前記n個の撹拌翼を回転方向に沿って順に第1、第2、…、第nの撹拌翼とし、第kの撹拌翼(kは自然数、1≦k≦n−1)の径方向翼を第kの径方向翼とし、第nの撹拌翼の径方向翼を第nの径方向翼とするとき、
任意のkに対して、第kの径方向翼と第(k+1)の径方向翼とが、前記回転軸に軸方向に交互に接続されているとともに、第nの径方向翼と第1の径方向翼とが、前記回転軸に軸方向に交互に接続され
、
前記径方向翼の前記回転軸に接続される前記軸方向の間隔は、前記流入口側から前記流出口側に向かって連続的又は段階的に増加していることを特徴とする。
【0017】
本発明の第4の態様は、筒形の壁面を有し、筒形の軸方向の一方の端部にディスプレイ用ガラス基板を製造するための熔融ガラスの流入口が設けられ、他方の端部に熔融ガラスの流出口が設けられた流路壁の内部に設けられ、前記流路壁内を軸方向に流れる熔融ガラスを軸方向と垂直な方向に撹拌する撹拌子であって、 前記流路壁内において前記軸方向に配置される回転軸と、
前記回転軸から回転半径方向に延在するn個(nは2以上の自然数)の撹拌翼とを備え、
各撹拌翼は、
前記回転軸から離間して前記回転軸と平行に配置される軸方向翼と、
前記回転軸と前記軸方向翼とを接続するとともに、前記回転軸方向に熔融ガラスが通過する間隔を空けて配置される複数の径方向翼と、
を備え、
前記n個の撹拌翼を回転方向に沿って順に第1、第2、…、第nの軸方向翼とし、第kの撹拌翼(kは自然数、1≦k≦n−1)の径方向翼を第kの径方向翼とし、第nの撹拌翼の径方向翼を第nの径方向翼とするとき、
任意のkに対して、第kの径方向翼と第(k+1)の径方向翼とが、前記回転軸に軸方向に交互に接続されているとともに、第nの径方向翼と第1の径方向翼とが、前記回転軸に軸方向に交互に接続され
、
前記径方向翼の前記回転軸に接続される前記軸方向の間隔は、前記軸方向に沿って連続的又は段階的に増加していることを特徴とする。
【0018】
本発明の第5の態様は、ディスプレイ用ガラス基板を製造するための熔融ガラスを、撹拌子を用いて撹拌する熔融ガラスの撹拌方法であって、
前記撹拌子は、
回転軸と、
前記回転軸から回転半径方向に延在するn個(nは2以上の自然数)の撹拌翼とを備え、
各撹拌翼は、
前記回転軸から離間して前記回転軸と平行に配置される軸方向翼と、
前記回転軸と前記軸方向翼とを接続するとともに、前記回転軸方向に熔融ガラスが通過する間隔を空けて配置される複数の径方向翼と、
を有し、
前記n個の撹拌翼を回転方向に沿って順に第1、第2、…、第nの撹拌翼とし、第kの撹拌翼(kは自然数、1≦k≦n−1)の径方向翼を第kの径方向翼とし、第nの撹拌翼の径方向翼を第nの径方向翼とするとき、
複数の第kの径方向翼の間を通過した熔融ガラスを第(k+1)の径方向翼により軸方向に分断するとともに、複数の第nの径方向翼の間を通過した熔融ガラスを第1の径方向翼により軸方向に分断
し、
前記径方向翼により分断される熔融ガラスの前記軸方向の長さを、前記軸方向に沿って連続的又は段階的に増加させることを連続して行うことを特徴とする。
【0021】
第2〜第4の態様において、前記nは偶数であり、
前記n個の軸方向翼は周方向に等間隔に配置され、
前記回転軸を中心として互いに反対側に配置される1対の軸方向翼と前記回転軸とを接続する径方向翼は、中心部で前記回転軸を貫通して両端部で前記1対の軸方向翼同士を接続していることが好ましい。
前記撹拌子によって粘度が700〜2000ポアズの熔融ガラスを撹拌することが好ましい。