(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
[第1実施形態]
以下、遊技機としてのパチンコ遊技機の一実施形態を説明する。
図1に示すように、パチンコ遊技機には、遊技盤YBが備えられている。パチンコ遊技機には、発射ハンドルHDが備えられており、発射ハンドルHDの回動動作に応じて遊技盤YBへ遊技球が発射可能となる。
【0014】
遊技盤YBには、複数の発光部を有する特別図柄表示装置11が配設されている。この特別図柄表示装置11では、複数種類の特別図柄(図柄)を変動させて表示する変動ゲーム(図柄変動ゲーム)が行われる。
【0015】
本実施形態において図柄表示手段としての特別図柄表示装置11では、複数種類の特別図柄のうち大当り抽選の抽選結果に対応する1つの特別図柄が変動ゲームの終了に伴い停止表示される。特別図柄には、大当りを認識し得る大当り図柄(大当り表示結果)と、はずれを認識し得るはずれ図柄とが含まれている。大当り図柄が停止表示された場合、遊技者には、大当り遊技が付与される。
【0016】
また、遊技盤YBには、特別図柄表示装置11とは別体で、演出画像を表示する画像表示部GHを有する演出表示装置16が配設されている。演出実行手段としての演出表示装置16では、変動ゲームに関連する表示演出が行われ、具体的には、複数種類の飾り図柄(演出図柄)を複数列で変動させる飾り図柄変動ゲームが行われる。
【0017】
演出表示装置16では、変動ゲームが開始すると、予め定めた変動方向(縦スクロール方向)に沿って各列の飾り図柄が変動表示される。また、演出表示装置16では、飾り図柄が停止表示される前に、リーチの図柄組み合わせとなり、リーチ状態を形成する場合がある。リーチの図柄組み合わせとしては、演出表示装置16における複数列のうち特定列(本実施形態では左列と右列)の飾り図柄が同一種類となって停止表示され、特定列以外の列(本実施形態では中列)の飾り図柄が変動表示されている図柄組み合わせが規定されている。
【0018】
演出表示装置16には、特別図柄表示装置11の表示結果に応じた図柄組み合わせが停止表示される。より詳しくは、特別図柄表示装置11に大当り図柄が停止表示される場合には、演出表示装置16にも大当りの図柄組み合わせが停止表示される。特別図柄表示装置11にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出表示装置16にもはずれの図柄組み合わせが停止表示される。なお、本実施形態において、大当りの図柄組み合わせ(大当り表示結果)としては、全列の飾り図柄が同一種類となる図柄組み合わせが、はずれの図柄組み合わせ(はずれ表示結果)としては、全列の飾り図柄が同一種類とならない図柄組み合わせがそれぞれ規定されている。
【0019】
また、演出表示装置16は、特別図柄表示装置11と比較して大きい表示領域で構成され、飾り図柄は、特別図柄に比較して遥かに大きく表示される。このため、遊技者は、演出表示装置16に停止表示された図柄組み合わせから大当り又ははずれを認識できる。
【0020】
遊技盤YBには、遊技球が入球可能な第1始動入賞口21aを有する第1始動入賞装置21が配設されている。始動手段としての第1始動入賞装置21には、第1始動入賞口21aへ入球した遊技球を検知する第1始動センサSE1が配設されている。第1始動入賞口21aに入球した遊技球が第1始動センサSE1により検知されたことを契機に、変動ゲームの始動条件が付与され得るとともに、予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件が付与される。
【0021】
遊技盤YBには、遊技球が入球可能な第2始動入賞口22aを有する第2始動入賞装置22が配設されている。始動手段としての第2始動入賞装置22には、普通電動役物ソレノイドSOL2(
図2参照)の作動により第2始動入賞口22aの開閉動作を行う開閉部材22b(普通電動役物)が配設されている。この開閉部材22bは、第2始動入賞装置22の第2始動入賞口22aに遊技球が入球不能な(入球が規制された)閉状態と、遊技球が入球可能な(入球が許容された)開状態とに動作する。開閉部材22bは、予め定めた開放条件が成立すると、所定の開放態様で開状態に動作する。
【0022】
第2始動入賞装置22には、第2始動入賞口22aへ入球した遊技球を検知する第2始動センサSE2が設けられている。第2始動入賞口22aに入球した遊技球が第2始動センサSE2により検知されたことを契機に、変動ゲームの始動条件が付与され得るとともに、予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件が付与される。
【0023】
遊技盤YBには、遊技球が入球可能な大入賞口23aを有する大入賞装置23が配設されている。大入賞装置23には、大入賞口ソレノイドSOL1(
図2参照)の作動により大入賞口23aの開閉動作を行う大入賞口扉23bが配設されている。この大入賞口扉23bは、大入賞口23aに遊技球が入球不能な(入球が規制された)閉状態と、遊技球が入球可能な(入球が許容された)開状態とに動作する。大入賞口扉23bは、予め定めた開放条件が成立すると、所定の開放態様で開状態に動作する。
【0024】
大入賞装置23には、大入賞口23aへ入球した遊技球を検知するカウントセンサSE3が配設されている。大入賞口23aに入球した遊技球がカウントセンサSE3により検知されると、予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件が付与される。
【0025】
大当り遊技が付与されると、付与された大当り遊技の種類に応じて大入賞口扉23bが開状態となり、大入賞口23aが開状態に動作され、その動作により遊技球の入球が許容される。このため、遊技者は、多数の賞球を獲得できるチャンスを得ることができる。本実施形態において大当り遊技は、多数の賞球を獲得できるチャンスを得られることから、遊技者に有利な有利状態となる。そして、この大当り遊技は、内部抽選で大当りが決定され、変動ゲームにて大当り図柄が停止表示されることを契機に(予め定めた有利条件の成立により)付与される。
【0026】
遊技盤YBには、特別図柄表示装置11や演出表示装置16とは別体で、保留表示装置13が配設されている。保留表示手段としての保留表示装置13は、実行が保留されている変動ゲームの数を示すものである。具体的には、保留表示装置13は、第1始動入賞口21a又は第2始動入賞口22aに遊技球が入球することにより変動ゲームの始動条件が成立した一方で、変動ゲームの実行条件が未だ成立していないことから実行(開始)が保留されている変動ゲームの数、所謂、始動保留の記憶数(以下、保留記憶数)を示す。
【0027】
遊技盤YBには、普通図柄表示装置15が配設されている。この普通図柄表示装置15では、複数種類の普通図柄(以下、「普図」と示す場合がある)を変動させて1つの普図を導出する普通図柄による普通図柄変動ゲーム(以下、「普図ゲーム」と示す場合がある)が行われる。
【0028】
遊技者は、普図ゲームで最終的に表示された普図(普図ゲームで導出された表示結果)から普通当り又は普通はずれを認識できる。普通図柄表示装置15に停止表示された普図が普通当り図柄の場合には、普通当りを認識できる。普通当り図柄が停止表示された場合、遊技者には、普通当り遊技が付与される。また、普通図柄表示装置15に停止表示された普図が普通はずれ図柄である場合には、その普図から普通はずれを認識できる。
【0029】
遊技盤YBには、作動ゲート25が配設されている。作動ゲート25には、入球(通過)した遊技球を検知するゲートセンサSE4が設けられている。作動ゲート25を通過した遊技球がゲートセンサSE4により検知されたことを契機に、普図ゲームの始動条件が付与され得る。普図ゲームは、第2始動入賞装置22の開閉部材22bを開状態とするか否か(第2始動入賞口22aに遊技球を入球可能とするか)の抽選結果を導出するために行われるものである。普図ゲームの抽選結果が普通当りとなり、普図当り遊技が付与されると、開閉部材22bが開放されて第2始動入賞口22aが開状態となり、遊技球を入球させることができる。即ち、普図当り遊技が付与されると、開閉部材22bの開放によって第2始動入賞口22aに遊技球を入球させやすくなり、遊技者は、変動ゲームの始動条件と賞球を容易に獲得できるチャンスを得ることができる。
【0030】
また、本実施形態では、確率変動(以下、「確変」と示す)機能を備えている。確変機能は、大当り遊技の終了後に大当り抽選の抽選確率を低確率から高確率に変動させる確変状態(確率変動状態)を付与することができる機能である。本実施形態において確変状態は、予め決められた確変終了条件が成立するまで、付与される。確変状態は、大当り抽選の抽選確率が高確率に変動して大当りが生起され易くなるため、遊技者にとって有利な遊技状態となり得る。
【0031】
また、本実施形態では、入球率向上機能を備えている。入球率向上機能は、大当り遊技の終了後に、遊技者に有利な入球率向上状態(変短状態)を付与することができる機能である。入球率向上状態では、普図当り抽選の抽選結果を導出する普図ゲームの変動時間が、入球率向上状態が付与されていないとき(非入球率向上状態)と比べて短縮される。また、入球率向上状態では、普通当り抽選に当選する確率が非入球率向上状態よりも高確率となる。また、入球率向上状態では、普図当り抽選に当選した際、1回の普図当り抽選に当選したことに基づく開閉部材22bの開放時間が、非入球率向上状態中に比して長くなる。また、入球率向上状態中は、変動ゲームの変動時間が非入球率向上状態中に比して短縮される場合があり、特に、はずれ表示結果が停止表示される変動ゲームの変動時間が短縮される場合が多い。
【0032】
本実施形態において入球率向上状態は、予め決められた入球率向上終了条件が成立するまで、付与される。入球率向上状態は、開閉部材22bが遊技者にとって有利に動作し、単位時間あたりの第2始動入賞口22aへの入球率が通常よりも向上する遊技者にとって有利な遊技状態となり得る。なお、入球率向上状態は、確変状態中にも付与され得る。
【0033】
なお、本実施形態では、演出表示装置16の下方に第1始動入賞口21aが配設されており、遊技盤YBの左側の第1流路Xを転動させたほうが、遊技盤YBの右側の第2流路Yを転動させるよりも遊技球が入球し易くなる。このため、第2始動入賞口22aに遊技球が入球し難い非入球率向上状態では、第1始動入賞口21aに遊技球を入球させるべく、第1流路Xを転動させるように遊技球を発射させる傾向がある。その一方で、演出表示装置16の右側方には、上方から順に、作動ゲート25、第2始動入賞口22a、大入賞口23aが配設されており、第2流路Yを転動させたほうが、第1流路Xを転動させるよりも遊技球が入球し易くなる。このため、第2始動入賞口22aに遊技球が入球し易い入球率向上状態においては第2始動入賞口22aに遊技球を入球させるべく、大当り遊技においては大入賞口23aに遊技球を入球させるべく、第2流路Yを転動させるように遊技球を発射させる傾向がある。
【0034】
次に、本実施形態における大当り遊技について、説明する。
大当り遊技は、変動ゲームにて大当り図柄が停止表示されて該ゲームが終了した後、開始される。大当り遊技が開始すると、オープニング時間が開始される。このオープニング時間において、最初に大当り遊技の開始を示すオープニング演出が行われる。オープニング時間が終了すると、大入賞口23aが開状態となるラウンド遊技が、予め定めた規定ラウンド数を上限として複数回行われる。1回のラウンド遊技は、入球上限個数の遊技球が大入賞口23aに入賞するまでの間、又は規定時間が経過するまでの間、継続される。ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。全てのラウンド遊技が終了すると、エンディング時間が設定される。このエンディング時間において、大当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われる。また、エンディング時間が終了すると、大当り遊技は終了される。
【0035】
本実施形態では、大当り抽選に当選した場合、複数種類の大当りの中から1つの大当りが決定され、その決定された大当りに対応する大当り遊技が付与されるようになっている。大当り抽選に当選した際に決定する特別図柄(大当り図柄)の種類に応じて、複数種類の大当りのうち何れの大当りが決定されるようになっている。
【0036】
ここで、大当り抽選の当選確率や大当り遊技の内容などの所謂、パチンコ遊技機のスペックについて説明する。
本実施形態において、大当り判定(抽選)の当選確率としては、確変状態ではない非確変状態においては、164/65536(約1/399)が、確変状態においては、1010/65536(約1/65)がそれぞれ規定されている。第1始動センサSE1又は第2始動センサSE2が遊技球を検知したときにおける払出し賞球数としては「3個」が、カウントセンサSE3が遊技球を検知したときにおける払出し賞球数としては「14個」がそれぞれ規定されている。1回のラウンド遊技における入球上限個数としては「9球」が、1回のラウンド遊技において入球上限個数の遊技球の入球がない場合における大入賞口扉23bの最大開放時間としては「25秒」が、それぞれ規定されている。1回の大当り遊技におけるラウンド遊技数としては「12」が規定されている。
【0037】
変動ゲームにおいて、大当りの種類に対応するように70%の確率で、大当り遊技の終了後に、次回の大当り遊技が付与されるまで(以降、「次回まで」と示す)確変状態が付与され、30%の確率で、大当り遊技の終了後に確変状態が付与されない。また、確変状態が付与される場合には、大当り遊技の終了後に、次回まで入球率向上状態が付与され、確変状態が付与されない場合には、大当り遊技の終了後に、「100回」を上限として入球率向上状態が付与される。
【0038】
次に、
図2に基づき、パチンコ遊技機の制御構成について説明する。
パチンコ遊技機の機裏側には、主制御基板30が装着されている。主制御基板30は、パチンコ遊技機に関する各種処理を実行し、該処理結果に応じて遊技を制御するための各種の制御信号(制御コマンド)を出力する。
【0039】
パチンコ遊技機の機裏側には、演出制御基板31が装着されている。演出制御手段としての演出制御基板31は、主制御基板30が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、演出表示装置16の表示態様(図柄、背景、文字などの表示画像など)の決定に関する処理などを実行し、処理結果に応じて表示内容を制御する。また、演出制御基板31は、主制御基板30が出力した制御信号に基づき、装飾ランプLAの発光態様、スピーカSPの音声出力態様を制御する。
【0040】
主制御基板30には、主制御用CPU30aが備えられている。主制御用CPU30aには、主制御用ROM30b及び主制御用RAM30cが接続されている。主制御用CPU30aには、第1始動センサSE1、第2始動センサSE2、カウントセンサSE3、及びゲートセンサSE4が接続されている。また、主制御用CPU30aには、特別図柄表示装置11、保留表示装置13、普通図柄表示装置15が接続されている。また、主制御用CPU30aには、大入賞口ソレノイドSOL1、普通電動役物ソレノイドSOL2が接続されている。
【0041】
また、主制御用ROM30bには、パチンコ遊技機に関する各種処理を実行するためのメイン制御プログラムが記憶されている。また、主制御用ROM30bには、複数種類の変動パターンが記憶されている。変動パターンは、図柄(特別図柄)が変動を開始(変動ゲームが開始)してから図柄が停止表示(変動ゲームが終了)される迄の間の遊技演出(表示演出等)のベースとなるパターンを示すものである。すなわち、変動パターンは、少なくとも、特別図柄が変動開始してからその特別図柄が確定停止表示されるまでの変動時間(演出時間)を特定することができる。本実施形態における変動パターンでは、特別図柄が変動開始してからその特別図柄が確定停止表示されるまでの間の変動ゲームの演出内容(大当りの有無、リーチ演出の有無など)も特定することができる。
【0042】
変動パターンには、大当り演出を特定する大当り変動パターンがある。変動パターンには、所定の演出(例えば、リーチ演出)が行われた後に最終的にはずれとするはずれリーチ演出を特定するはずれリーチ変動パターンと、リーチを形成せずにはずれとするはずれ演出を特定するはずれ変動パターンがある。なお、大当り変動パターンと、はずれリーチ変動パターンと、はずれ変動パターンには、それぞれ複数種類の変動パターンが規定されている。
【0043】
大当り変動演出は、リーチ演出を経て最終的に大当りの図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開される演出である。はずれリーチ変動演出は、リーチ演出を経て最終的にはずれの図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開される演出である。はずれ変動演出は、リーチ演出を経ることなく最終的にはずれの図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開される演出である。リーチ演出は、演出表示装置16の飾り図柄による飾り図柄変動ゲームにおいて、リーチの図柄組み合わせが形成されてから、大当りの図柄組み合わせ、又ははずれの図柄組み合わせが導出される迄の間に行われる演出である。
【0044】
主制御用ROM30bには、各種の判定値が記憶されている。例えば、主制御用ROM30bには、大当り抽選で用いられる大当り判定値が記憶されている。確変状態が付与されているときの大当り判定値の個数は、確変状態が付与されていないときの大当り判定値の個数よりも多くなっている。主制御用ROM30bには、リーチ演出を実行するか否かを決定するリーチ抽選で用いられるリーチ判定値が記憶されている。
【0045】
主制御用RAM30cには、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグ等)が記憶される。例えば、主制御用RAM30cには、確変状態が付与されているか否かを示す主確変フラグが記憶される。また、主制御用RAM30cには、入球率向上状態が付与されているか否かを示す主作動フラグが記憶される。
【0046】
主制御基板30内では、当り判定用乱数や、特別図柄振分用乱数、リーチ演出判定用乱数、変動パターン振分用乱数として使用される各種乱数が生成される。当り判定用乱数は、大当り抽選に用いる乱数である。リーチ判定用乱数は、リーチ抽選に用いる乱数である。特別図柄振分用乱数は、特別図柄(大当りの種類)を決定する際に用いる乱数である。変動パターン振分用乱数は、変動パターンを決定する際に用いる乱数である。変動パターン振分用乱数の取り得る値は、はずれ変動パターン、はずれリーチ変動パターン及び大当り変動パターンの分類毎に、振り分けを異ならせている。なお、各種乱数として使用される乱数は、ハードウェア乱数であってもよいし、ソフトウェア乱数であってもよい。
【0047】
演出制御基板31には、演出制御用CPU31aが備えられている。演出制御用CPU31aには、演出制御用ROM31b及び演出制御用RAM31cが接続されている。また、演出制御用RAM31cには、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグ等)が記憶される。例えば、演出制御用RAM31cには、確変状態が付与されているか否かを示す副確変フラグが記憶される。また、演出制御用RAM31cには、入球率向上状態が付与されているか否かを示す副作動フラグが記憶される。また、演出制御用CPU31aは、各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値を演出制御用RAM31cの設定領域に記憶(設定)して更新前の値を書き換えている。
【0048】
また、演出制御用ROM31bには、遊技演出を実行させるための演出制御プログラムが記憶されている。演出制御用CPU31aは、各種制御コマンドを入力すると、当該演出制御プログラムに基づき各種制御を実行する。また、演出制御用ROM31bには、各種の画像データ(図柄、各種背景画像、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。また、演出制御用CPU31aには、演出表示装置16が接続されており、各種制御コマンドを入力すると、演出制御プログラムに基づき、演出表示装置16の表示内容を制御する。また、演出制御用CPU31aには、装飾ランプLAが接続されている。また、演出制御用CPU31aは、スピーカSPが接続されている。
【0049】
次に、主制御用CPU30aが、メイン制御プログラムに基づき実行する特別図柄入力処理や特別図柄開始処理などの各種処理について説明する。なお、本実施形態において、これらのような各種処理を実行する主制御用CPU30aが演出パターン決定手段及び遊技状態制御手段として機能する。最初に、特別図柄入力処理を説明する。特別図柄入力処理は、主制御用CPU30aにより所定周期毎に実行されるようになっている。
【0050】
まず、主制御用CPU30aは、第1始動入賞口21a又は第2始動入賞口22aに遊技球が入球したか否かを判定する保留判定を実行する。すなわち、主制御用CPU30aは、保留判定において、第1始動センサSE1又は第2始動センサSE2によって第1始動入賞口21a又は第2始動入賞口22aへ入球された遊技球の検知を契機として出力される検知信号を入力したか否かを判定する。
【0051】
保留判定の判定結果が肯定の場合(第1始動入賞口21a又は第2始動入賞口22aに遊技球が入球した場合)、主制御用CPU30aは、保留記憶数が上限値(本実施形態では「4」)よりも少ないか否かを判定する保留記憶数判定を実行する。保留記憶数判定の判定結果が肯定の場合(上限値に達していない場合)、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶される保留記憶数に「1」加算してその値を更新して記憶する。主制御用CPU30aは、更新後の保留記憶数を表示させるように保留表示装置13を制御する。また、主制御用CPU30aは、更新後の保留記憶数を指定する保留指定コマンドを出力する。主制御用CPU30aは、各種乱数の値を取得し、主制御用RAM30cの所定の記憶領域に取得した乱数値を保留記憶数と対応付けて記憶する。その一方で、保留判定の判定結果が否定の場合(第1始動入賞口21a及び第2始動入賞口22aに遊技球が入球しなかった場合)、又は、保留記憶数判定の判定結果が否定の場合(保留記憶数の上限値に達していた場合)、主制御用CPU30aは、上記処理を実行しない。
【0052】
次に、特別図柄開始処理について説明する。主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を所定周期毎に実行するようになっている。
主制御用CPU30aは、大当り遊技中及び変動ゲームの実行中でない場合、保留記憶数を特定し、保留記憶数が「0」よりも大きいか否か判定する。保留記憶数が「0」の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
【0053】
一方、この判定結果が肯定の場合(保留記憶数が「0」よりも大きい場合)、主制御用CPU30aは、変動ゲームの実行条件が成立したと判定し、主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶される特別図柄変動処理フラグに変動ゲームを実行することを示す値を設定する。なお、本実施形態では、大当り遊技中及び変動ゲームの実行中でない場合であって、保留記憶数が「0」よりも大きいとき(すなわち、実行が保留されている変動ゲームが存在するとき)に、変動ゲームの実行条件が成立する。
【0054】
次に、主制御用CPU30aは、変動ゲームに係わる(変動ゲームに利用される)乱数値のうち、取得順序に従って最も早く実行される変動ゲームに係わる乱数値(当り判定用乱数、変動パターン振分用乱数、及び特別図柄振分用乱数の値)を取得する。具体的には、変動ゲームに係わる乱数値であって、まだ変動ゲームを実行させるために利用されていない乱数値のうち、最も早く取得された乱数値を取得する。主制御用CPU30aは、特定した保留記憶数を1減算し、当該保留記憶数を表すように保留表示装置13の表示内容を変更させる。主制御用CPU30aは、更新後の保留記憶数を示す保留指定コマンドを出力する。
【0055】
主制御用CPU30aは、取得した当り判定用乱数の値が主制御用ROM30bに記憶されている大当り判定値と一致するか否かを判定して大当り判定(大当り抽選)を行う。大当り判定の判定結果が肯定の場合(大当りの場合)、主制御用CPU30aは、取得した特別図柄振分用乱数の値に基づき、大当り遊技の種類を決定すると共に、特別図柄による大当り図柄の中から特別図柄表示装置11にて停止表示される最終停止図柄を決定する。その後、主制御用CPU30aは、取得した変動パターン振分用乱数に基づき、大当り変動パターンの中から変動パターンを決定する。
【0056】
変動パターン及び最終停止図柄を決定した主制御用CPU30aは、演出制御基板31(演出制御用CPU31a)に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する等、変動ゲームに関する各種処理を実行する。
【0057】
具体的に言えば、主制御用CPU30aは、変動パターンを指定すると共に図柄変動の開始を指示する変動パターン指定コマンドを最初に出力する。主制御用CPU30aは、特別図柄を変動開始させるように特別図柄表示装置11の表示内容を制御する。また、主制御用CPU30aは、変動ゲームの演出時間の計測を開始する。また、主制御用CPU30aは、最終停止図柄及び大当り遊技の種類を指定するための特別図柄指定コマンド(大当り種別指定コマンド)を出力する。そして、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
【0058】
その後、特別図柄開始処理とは別の処理で、主制御用CPU30aは、前記指定した変動パターンに定められている変動時間に基づいて、決定した最終停止図柄を表示させるように特別図柄表示装置11の表示内容を制御する。また、主制御用CPU30aは、前記指定した変動パターンに定められている演出時間に基づいて、飾り図柄の変動停止を指示し、図柄組み合わせを停止表示させるための全図柄停止コマンドを出力する。
【0059】
一方、大当り判定の判定結果が否定の場合(大当りでない場合)、主制御用CPU30aは、リーチ演出を実行させるか否かを判定するリーチ判定を行う。本実施形態では、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cから取得したリーチ判定用乱数が、リーチ判定値に一致するか否かにより当選判定を行う。
【0060】
リーチ判定の判定結果が肯定の場合(リーチ演出を行う場合)、主制御用CPU30aは、はずれ図柄を特別図柄表示装置11にて確定停止表示される最終停止図柄として決定する。次に、主制御用CPU30aは、取得した変動パターン振分用乱数の値に基づき、はずれリーチ変動パターンの中から変動パターンを決定する。
【0061】
変動パターン及び最終停止図柄を決定した主制御用CPU30aは、大当りの場合と同じように、演出制御基板31(演出制御用CPU31a)に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する等、変動ゲームに関する各種処理を実行する。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
【0062】
一方、リーチ判定の判定結果が否定の場合(リーチ演出を行わない場合)、主制御用CPU30aは、はずれ図柄を特別図柄表示装置11にて確定停止表示される最終停止図柄として決定する。次に、主制御用CPU30aは、取得した変動パターン振分用乱数の値に基づき、はずれ変動パターンの中から変動パターンを決定する。
【0063】
変動パターン及び最終停止図柄を決定した主制御用CPU30aは、大当りの場合と同じように、演出制御基板31(演出制御用CPU31a)に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する等、変動ゲームに関する各種処理を実行する。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
【0064】
そして、主制御用CPU30aは、大当りを決定した場合、決定した変動パターンに基づく変動ゲームの終了後、最終停止図柄に基づき特定された種類の大当り遊技の制御を開始し、演出制御基板31(演出制御用CPU31a)に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する。
【0065】
具体的に、主制御用CPU30aは、大当り遊技の開始を契機としてオープニング時間の設定を開始する。また、主制御用CPU30aは、オープニング時間が開始したことを指示するオープニングコマンドを演出制御基板31に出力する。次に、主制御用CPU30aは、オープニング時間の終了後、各ラウンド遊技を制御する。すなわち、主制御用CPU30aは、各ラウンド遊技の開始時にラウンド遊技の開始を指示するラウンドコマンドを演出制御基板31に出力する。また、主制御用CPU30aは、ラウンド遊技毎に、大入賞口23aを開状態及び閉状態に制御する。すなわち、主制御用CPU30aは、入球上限個数の遊技球が入賞するまでの間、又はラウンド遊技毎に予め決められた規定時間が経過するまでの間、大入賞口23aを所定の開放態様で開状態に制御する。
【0066】
そして、主制御用CPU30aは、ラウンド遊技が終了した場合には、大入賞口23aを閉状態に制御し、ラウンド遊技毎に予め決められたラウンドインターバル時間を経過するまで、大入賞口23aを閉状態に維持する。これらの一連の制御を、規定ラウンド数に達するまで実行する。なお、大入賞口23aを開状態に制御する場合、主制御用CPU30aは、演出制御基板31に対して大入賞口23aの開放を示す開放コマンドを出力する。また、各大入賞口23aを閉鎖させる際には、主制御用CPU30aは、演出制御基板31に対して大入賞口23aの閉鎖を示す閉鎖コマンドを出力する。
【0067】
規定ラウンド数のラウンド遊技が終了すると、主制御用CPU30aは、エンディング時間の設定を開始する。また、主制御用CPU30aは、エンディング時間が開始したことを指示するエンディングコマンドを演出制御基板31に出力する。そして、エンディング時間を経過すると、主制御用CPU30aは、大当り遊技を終了させる。
【0068】
大当り遊技を終了する場合、主制御用CPU30aは、決定された大当りの種類(特別図柄の種類)に基づいて、確変状態を付与する場合には、主確変フラグに確変状態が付与されていることを示す値を設定する。その一方で、主制御用CPU30aは、確変状態を付与しない場合には、主確変フラグに確変状態が付与されていないことを示す値を設定する。なお、主制御用CPU30aは、大当り遊技が付与された場合、主確変フラグの値を一旦リセットする。
【0069】
また、大当り遊技を終了する際、主制御用CPU30aは、主作動フラグに入球率向上状態が付与されていることを示す値を設定する。また、主制御用CPU30aは、大当りの種類(特別図柄の種類)に基づいて、入球率向上状態を付与する回数を示す値を主作動回数フラグに設定する。変動ゲームが実行される毎に主作動回数フラグが「1」減算され、「0」となった場合、主制御用CPU30aは、主作動フラグの値をリセットする。また、主制御用CPU30aは、主作動回数フラグに設定された値を指定する作動回数指定コマンドを演出制御基板31に出力する。なお、主制御用CPU30aは、大当り遊技が付与された場合、主作動フラグ及び主作動回数フラグの値を一旦リセットする。
【0070】
次に、演出制御基板31の演出制御用CPU31aが演出制御プログラムに基づき実行する各種処理について説明する。主制御用CPU30aから所定の制御コマンドを所定のタイミングで入力すると、演出制御用CPU31aは、それに応じて各種処理を実行する。
【0071】
例えば、演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンド及び特別図柄指定コマンドを入力すると、当該変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターン及び特別図柄指定コマンドにより指定された最終停止図柄に基づき、確定停止表示させる飾り図柄による図柄組み合わせを決定する。
【0072】
すなわち、演出制御用CPU31aは、特別図柄指定コマンドにより指定された最終停止図柄が大当り図柄である場合には、大当りの図柄組み合わせを決定する。また、演出制御用CPU31aは、指定された最終停止図柄が、はずれ図柄の場合であって、はずれリーチ変動パターンが指定された場合、はずれリーチの図柄組み合わせを決定する。また、演出制御用CPU31aは、指定された最終停止図柄が、はずれ図柄の場合であって、はずれ変動パターンが指定された場合、はずれの図柄組み合わせを決定する。
【0073】
そして、演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、当該変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに基づき、飾り図柄変動ゲームを実行させるように演出表示装置16を制御する。また、演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、当該変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに基づき、変動ゲーム(飾り図柄変動ゲーム)に伴う演出を実行させるように装飾ランプLA、スピーカSPを制御する。その後、演出制御用CPU31aは、全図柄停止コマンドを入力すると、変動ゲームに伴う演出を終了させると共に、決定した図柄組み合わせを表示させる。
【0074】
また、最終停止図柄として大当り図柄が指定された場合、演出制御用CPU31aは、大当り遊技の終了後に、大当り図柄に基づいて、確変状態が付与されるときには、副確変フラグに確変状態が付与されていることを示す値を設定する。その一方で、演出制御用CPU31aは、確変状態が付与されないときには、副確変フラグに確変状態が付与されていないことを示す値を設定する。
【0075】
最終停止図柄として大当り図柄が指定された場合、演出制御用CPU31aは、副変短フラグに入球率向上状態が付与されていることを示す値を設定するとともに、副作動回数フラグの値に作動回数を設定する。また、演出制御用CPU31aは、作動回数指定コマンドによって指定される主作動回数フラグに設定された値に基づいて、副作動回数フラグの値を更新する。なお、大当り遊技が付与される場合、又は副作動回数フラグの値が「0」となった場合、副変短フラグから入球率向上状態が付与されていることを示す値を消去する。
【0076】
次に、
図3〜
図5を参照して本実施形態のパチンコ遊技機における変動パターンについて説明する。
図3〜
図5に示すように、本実施形態では、変動ゲームの変動時間を指定する複数の変動パターンが規定されている。これら変動パターンは、主に、大当りとなるか否か、はずれとなる場合においてリーチ演出を実行するか否かによって選択される。具体的には、
図3に示す変動パターンHP11A,HP12A,HP11Bと、
図5に示す変動パターンHP03A,HP04Aとがはずれ変動用の変動パターンとして規定されている。また、
図3の上記はずれ変動用の変動パターン以外の変動パターンと、
図5に示す変動パターンHP05Aとがはずれリーチ変動用の変動パターンとして規定されている。また、
図4に示す全ての変動パターンと、
図5に示す変動パターンHP06Aとが大当り変動用の変動パターンとして規定されている。
【0077】
また、非入球率向上状態において選択可能な変動パターンとしては、
図3及び
図4に示す全ての変動パターンが、入球率向上状態において選択可能な変動パターンとしては、
図5に示す全ての変動パターンがそれぞれ規定されている。
【0078】
非入球率向上状態において選択可能な変動パターンHP12Aは、変動パターンHP11Aの変動時間を短縮させる変動パターンである。また、入球率向上状態において選択可能な変動パターンHP03Aは、非入球率向上状態において選択可能な変動パターンHP11Aの変動時間を短縮させる変動パターンである。また、入球率向上状態において選択可能な変動パターンHP04Aは、変動パターンHP12A、HP03Aの変動時間を更に短縮させる変動パターンである。このため、入球率向上状態である場合には、非入球率向上状態である場合よりも、変動時間が短縮される変動パターンが決定されることとなる。
【0079】
また、本実施形態において、1回の変動ゲーム中に1回又は複数回の変動サイクルが実行可能である。この変動サイクルとは、飾り図柄の変動表示の開始を1回とするサイクルであり、本実施形態においては、飾り図柄の変動表示の開始を契機として、飾り図柄が一旦停止表示されるまでを1回の変動サイクルとしている。また、1回の変動ゲーム中に実行される変動サイクルの回数(実行回数、擬似連回数)によって、大当り期待度を示すことができ、特に、1回の変動ゲーム中に実行される変動サイクルの回数が大きくなると、大当り期待度が高まるように規定されている。このため、1回の変動ゲーム中において、次回の変動サイクルも継続して実行されることで、大当り期待度が高まることとなる。
【0080】
また、本実施形態において、1回の変動サイクルに対応する演出時間が相対的に長いが変動サイクルの上限回数が相対的に小さい変動パターン(図中では単に「擬似連」と示す)と、1回の変動サイクルに対応する演出時間が相対的に短いが変動サイクルの上限回数が相対的に大きい変動パターン(図中では「短縮擬似連」と示す)とが規定されている。また、本実施形態において、演出時間が相対的に長い擬似連演出のほうが、演出時間が相対的に短い擬似連演出よりも大当り期待度が高くなるように規定されている。
【0081】
具体的には、
図3〜
図5に示すように、1回の変動ゲームに1回の変動サイクルが実行される変動パターンとしては、変動パターンHP11A〜HP16A,HP11B,HP13B〜HP16B,HP13C〜HP16C,HP11D,HP13D〜HP16D,HP03A〜HP06Aが規定されている。また、
図3及び
図4に示すように、1回の変動ゲームに2回の変動サイクルが実行される変動パターンとしては、変動パターンHP23A,HP24A,HP26A,HP23B,HP24B,HP26B,HP24C,HP26C,HP23D,HP24D,HP26Dが規定されている。また、1回の変動ゲームに3回の変動サイクルが実行される変動パターンとしては、変動パターンHP35A,HP36A,HP35B,HP36B,HP35C,HP36C,HP35D,HP36Dが規定されている。また、
図4に示すように、1回の変動ゲームに4回の変動サイクルが実行される変動パターンとしては、変動パターンHP45C,HP45Dが規定されている。
【0082】
また、
図3及び
図4に示すように、1回の変動ゲームに演出時間が短い3回の変動サイクルが実行される変動パターンとしては、変動パターンHP53A,HP53B,HP53C,HP53Dが規定されている。また、1回の変動ゲームに演出時間が短い4回の変動サイクルが実行される変動パターンとしては、変動パターンHP54A,HP54B,HP54C,HP54Dが規定されている。また、1回の変動ゲームに演出時間が短い5回の変動サイクルが実行される変動パターンとしては、変動パターンHP55A,HP55Cが規定されている。また、1回の変動ゲームに演出時間が短い6回の変動サイクルが実行される変動パターンとしては、変動パターンHP56Cが規定されている。
【0083】
このように、1回の変動ゲームにおいて複数回の変動サイクルが実行されることによって、擬似的に複数回の変動ゲームが実行されたような演出となるため、このような演出が擬似連演出と一般的に称される。なお、本実施形態において、1回の変動ゲーム中において実行される複数回の変動サイクルのそれぞれが特殊演出に相当し、それら複数回の特殊演出が実行される擬似連演出自体が特定演出に相当する。また、特殊演出について演出時間が長くて実行回数が少ない特定演出が第1特定演出に相当し、特殊演出について演出時間が短くて実行回数が多い特定演出が第2特定演出に相当する。
【0084】
次に、
図3〜
図5を参照して演出制御用ROM31bに予め記憶されている演出指定テーブルについて説明する。
図3〜
図5に示すように、演出指定テーブルは、入力された変動パターン指定コマンドにより指定される変動パターン(演出パターン)に基づいて、演出指定データを特定するためのテーブルである。演出指定テーブルには、変動パターンと演出指定データとが対応付けられている。演出指定データとは、実行される演出の種類が特定可能なデータであり、その結果、実行させる演出内容と演出時間とが特定可能となる。
【0085】
また、記憶手段としての演出制御用ROM31bには、各変動パターンのそれぞれに対して、演出の進行度合いに対応して時系列順に分類された所定数(本実施形態では4個)の記憶領域が割り当てられており、記憶領域のそれぞれに演出指定データが記憶可能である。特に、本実施形態において、演出制御用ROM31bには、全ての変動パターンのそれぞれに対して同じ数の演出指定データが記憶可能なように共通数の記憶領域が割り当てられている。このように演出指定データが記憶可能な共通数の記憶領域が各変動パターンに対応して割り当てられることによって、設計開発時に変動パターン毎に記憶領域の数を考慮しなくてもよく、煩雑さを抑制することができる。
【0086】
また、演出制御用ROM31bには、リーチ演出前(図中では「リーチ前」と示す)、ノーマルリーチ演出後(図中では「リーチ後」と示す)、スーパーリーチ演出の発展後(図中では「SR」と示す)、はずれ図柄組み合わせ一旦停止表示後(図中では「はずれ後」と示す)というように記憶領域が割り当てられている。つまり、演出の進行度合いに応じて時系列順が特定可能なように、各変動パターンに対応する記憶領域が割り当てられている。
【0087】
具体的に、リーチ演出前の記憶領域としては、ノーマルリーチ演出やスーパーリーチ演出などのリーチ演出の実行前の演出の種類が特定可能な第1演出指定データが記憶可能である。ノーマルリーチ演出後の記憶領域としては、ノーマルリーチ演出の実行が開始された後の演出の種類が特定可能な第2演出指定データが記憶可能である。スーパーリーチ演出の発展後の記憶領域としては、スーパーリーチ演出の実行に発展した後の演出の種類が特定可能な第3演出指定データが記憶可能である。はずれ図柄組み合わせ一旦停止表示後の記憶領域としては、リーチ演出の終了後において、飾り図柄がはずれ図柄組み合わせとして一旦停止表示された後の演出の種類が特定可能な第4演出指定データが記憶可能である。
【0088】
また、演出制御用ROM31bでは、変動パターンに対応する各記憶領域には、実行させる演出の種類を指定する演出指定データ以外にも、演出が実行されないことを示す無効指定データが記憶可能である。特に、この無効指定データは、演出の進行度合いが時系列順に最終の記憶領域だけではなく、最終以外の記憶領域にも記憶可能である。このような無効指定データを記憶可能とすることによって、設計開発時に共通数の記憶領域を減少させる、演出の進行度合いを示す時系列との対応関係を変更させるなど、煩雑さを抑制することができる。
【0089】
具体的な一例としては、リーチ演出が実行されない変動パターンHP11Aには、第1演出指定データが記憶されているが、第2〜第4演出指定データには、無効指定データが記憶されている。また、ノーマルリーチ演出が実行され、更にスーパーリーチ1演出(図中では「SR1」と示す)に発展し、リーチ演出後に演出が実行されない変動パターンHP14Aには、第1〜第3演出指定データが記憶されているが、第4演出指定データには、無効指定データが記憶されている。また、ノーマルリーチ演出が実行されずに、スーパーリーチ3演出(図中では「SR3」と示す)に発展し、リーチ演出後に演出が実行される変動パターンHP16Bには、第1、第3、第4演出指定データが記憶されているが、第2演出指定データには、無効指定データが記憶されている。
【0090】
また、変動パターンに対応する演出指定データが特定された場合、
図6に示す演出時間指定テーブルが参照され、演出指定データに対応する演出時間が特定される。1回の変動ゲームにおいて1回の変動サイクルが実行される変動パターンについては、1つの演出指定データに対して、1つの演出内容と、その演出内容における1つの演出時間とが特定可能である。また、1回の変動ゲームにおいて複数回の変動サイクルが実行される変動パターンについても、第1演出指定データを除き、1つの演出指定データに対して、1つの演出内容と、その演出内容における1つの演出時間とが特定可能である。その一方で、1回の変動ゲームにおいて繰り返し複数回の変動サイクルが実行される変動パターンについて、1つの第1演出指定データに対して、複数回の変動サイクル(複数の演出内容)と、それら複数回の変動サイクルが実行される複数の演出時間とが特定可能である。
【0091】
ここで、
図6を参照して演出制御用ROM31bに予め記憶されている演出時間指定テーブルについて説明する。
図6に示すように、演出時間指定テーブルは、特定された演出指定データに基づいて、演出時間を特定するためのテーブルである。演出時間指定テーブルには、演出指定データと、演出時間を示す演出時間データとが対応付けられている。
【0092】
また、
図6(a)に示すように、1つの演出指定データに対応するように1つの演出時間データが記憶されているテーブルと、
図6(b)に示すように、1つの演出指定データに対応するように複数の演出時間データが時系列順に記憶されているテーブルとが演出時間指定テーブルとして演出制御用ROM31bに記憶されている。
【0093】
具体的には、
図6(a)に示すように、通常変動を示す演出指定データに対応するように、演出時間t01を示す1つの演出時間データが記憶されている。短縮変動を示す演出指定データに対応するように、演出時間t02を示す1つの演出時間データが記憶されている。テンパイを示す演出指定データに対応するように、演出時間t03を示す1つの演出時間データが記憶されている。チャンスを示す演出指定データに対応するように、演出時間t04を示す1つの演出時間データが記憶されている。擬似連2テンパイを示す演出指定データに対応するように、演出時間t05を示す1つの演出時間データが記憶されている。擬似連2チャンスを示す演出指定データに対応するように、演出時間t05を示す1つの演出時間データが記憶されている。
【0094】
これら通常変動、短縮変動、テンパイ、チャンス、擬似連2テンパイ、擬似連2チャンスを示す演出指定データは、1つの演出時間を特定するための演出指定データである。なお、擬似連2テンパイ、擬似連2チャンスを示す演出指定データは、1回の変動ゲームにおいて2回の変動サイクルが実行される場合に第1演出指定データとして記憶されるデータであるが、1回目の変動サイクルの実行が開始されてから2回の変動サイクルの実行が終了するまでの演出時間を特定するための演出時間指定データが記憶されている。
【0095】
次に、
図6(b)に示すように、擬似連2テンパイ、擬似連2チャンスを示す演出指定データに対応するように、各変動サイクルの演出時間t11,t12を示す2つの演出時間データが時系列順に記憶されている。擬似連3テンパイ、擬似連3チャンスを示す演出指定データに対応するように、各変動サイクルの演出時間t11〜t13を示す3つの演出時間データが時系列順に記憶されている。擬似連4テンパイを示す演出指定データに対応するように、各変動サイクルの演出時間t11〜t14を示す4つの演出時間データが時系列順に記憶されている。
【0096】
また、短縮擬似連3を示す演出指定データに対応するように、各変動サイクルの演出時間t21〜t23を示す3つの演出時間データが時系列順に記憶されている。短縮擬似連4を示す演出指定データに対応するように、各変動サイクルの演出時間t21〜t24を示す4つの演出時間データが時系列順に記憶されている。短縮擬似連5を示す演出指定データに対応するように、各変動サイクルの演出時間t21〜t25を示す5つの演出時間データが時系列順に記憶されている。短縮擬似連6を示す演出指定データに対応するように、各変動サイクルの演出時間t21〜t26を示す6つの演出時間データが時系列順に記憶されている。
【0097】
これらのような演出指定データは、1回の変動ゲームにおいて複数回の変動サイクルが実行される場合に、変動サイクルの実行回数と、演出時間が長い変動サイクルであるか演出時間が短い変動サイクルであるかと、変動サイクルの演出時間とが特定可能なデータである。なお、演出時間が長い変動サイクルの演出時間としては、t11〜t14というように変動サイクルの実行回数に対応して同じ演出時間が規定されている。演出時間が短い変動サイクルの演出時間としても、t21〜t26というように変動サイクルの実行回数に対応して同じ演出時間が規定されている。
【0098】
つまり、1回の変動ゲームにおいて1回の変動サイクルが実行される変動パターンには、共通個数である4つの演出時間を特定するための演出指定データが対応するように記憶されている。その一方で、1回の変動ゲームにおいて複数回の変動サイクルが実行される変動パターンには、共通個数である4つの演出時間に加えて所定個数の演出時間を特定するための演出指定データが対応するように記憶されている。
【0099】
このように、共通個数の演出時間を特定可能とするだけではなく、共通個数の演出時間に加えて所定個数の演出時間を特定可能とする演出指定データを記憶可能とすることによって、演出指定データが記憶可能な記憶領域の数を変動パターンに対応して変更させることなく制御することができ、設計開発時における煩雑さを抑制することができる。特に、所定回数の特殊演出を繰り返し実行するような特定演出が実行される場合には、演出時間を特定する演出時間テーブルを変動パターン毎に共有(共通化)することも可能であり、記憶領域を削減することができるとともに、設計開発時における煩雑さを抑制することができる。
【0100】
なお、本実施形態において、1回の変動ゲームにおいて1回の変動サイクルが実行される変動パターンが特別変動パターン(特別演出パターン)に、1回の変動ゲームにおいて複数回の変動サイクルが実行される変動パターンが特殊変動パターン(特殊演出パターン)にそれぞれ相当する。また、複数の演出内容と複数の演出時間とが特定可能な演出指定データが特殊演出指定データに相当する。また、1回の変動ゲームにおいて複数回の変動サイクルが実行されることを示す演出指定データと、各変動サイクルの演出時間とが対応する演出時間指定テーブルが特殊演出時間テーブルに相当する。また、演出時間が長い変動サイクルを示す演出指定データと、各変動サイクルの演出時間とが対応する演出時間指定テーブルが第1特殊演出時間テーブルに相当し、演出時間が短い変動サイクルを示す演出指定データと、各変動サイクルの演出時間とが対応する演出時間指定テーブルが第2特殊演出時間テーブルに相当する。
【0101】
演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドが入力されたことを契機として、その変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンを特定する。そして、演出制御用CPU31aは、演出制御用ROM31bに記憶された演出指定テーブルを参照して、変動パターンに対応して時系列順に規定された演出指定データを特定する。また、演出制御用CPU31aは、演出制御用ROM31bに記憶された演出時間指定テーブルを参照して、演出指定データに基づいて、演出指定データに対応する演出時間を特定する。そして、演出制御用CPU31aは、特定された演出時間に対応するタイミングで、演出指定データを示す演出内容で演出の実行を開始させ、特定された演出時間が経過すると、その演出の実行を終了させる制御を行う。
【0102】
特に、演出制御用CPU31aは、1回の変動ゲームにおいて複数回の変動サイクルを実行させる特殊変動パターンを特定した場合には、第1演出指定データとして特殊演出指定データを特定する。そして、演出制御用CPU31aは、特殊演出指定データに基づいて、変動サイクルの実行回数(複数の演出内容)と、複数回の変動サイクルに対応する複数の演出時間とを特定する。続いて、演出制御用CPU31aは、特定した演出時間に対応するタイミングで、演出指定データを示す演出内容で演出の実行を開始させ、特定された演出時間が経過すると、その演出の実行を終了させる制御を行う。これによって、演出制御用CPU31aは、1回の変動ゲームにおいて1回又は複数回の変動サイクルを実行させる制御を行うこととなる。
【0103】
ここで、
図7を参照して、演出指定データに基づく演出の実行態様の具体的な一例について説明する。
図7(a)に示すように、符号T10に示すタイミングで、変動パターンHP11Aを指定する変動パターン指定コマンドが入力されると、演出制御用CPU31aは、演出制御用ROM31bの演出指定テーブルを参照し、変動パターンHP11Aに対応する演出指定データを読み出す。
図3に示すように、変動パターンHP11Aには、第1演出指定データとして通常変動を示す演出指定データが、それ以外の演出指定データとして無効指定データがそれぞれ対応している。そして、
図6(a)に示すように、演出制御用CPU31aは、演出制御用ROM31bの演出時間指定テーブルを参照し、時系列順に通常変動を示す演出指定データに対応する演出時間t01を読み出す。
【0104】
続いて、
図7(a)に示すように、演出制御用CPU31aは、通常変動を示す演出の実行を開始させるとともに、演出時間t01の計測を開始する。そして、符号T11に示すタイミングで、演出時間t01が経過すると、演出制御用CPU31aは、通常変動を示す演出の実行を終了させ、1回の変動ゲームが終了する。
【0105】
次に、
図7(b)に示すように、符号T20に示すタイミングで、変動パターンHP14Aを指定する変動パターン指定コマンドが入力されると、演出制御用CPU31aは、演出制御用ROM31bの演出指定テーブルを参照し、変動パターンHP14Aに対応する演出指定データを読み出す。
【0106】
図3に示すように、変動パターンHP14Aには、第1演出指定データとしてテンパイを示す演出指定データが対応している。また、変動パターンHP14Aには、第2演出指定データとしてNR発展(ノーマルリーチ発展)を示す演出指定データが、第3演出指定データとしてスーパーリーチ1演出(図中では「SR1」と示す)を示す演出指定データが、第4演出指定データとして無効指定データがそれぞれ対応している。
【0107】
そして、
図6(a)に示すように、演出制御用CPU31aは、演出制御用ROM31bの演出時間指定テーブルを参照し、時系列順に、テンパイを示す演出指定データ、NR発展を示す演出指定データ、スーパーリーチ1演出を示す演出指定データに対応する演出時間を読み出す。
【0108】
続いて、
図7(b)に示すように、演出制御用CPU31aは、テンパイを示す演出の実行を開始させるとともに、テンパイに対応する演出時間t03の計測を開始する。そして、符号T21に示すタイミングで、テンパイに対応する演出時間t03が経過すると、演出制御用CPU31aは、テンパイを示す演出の実行を終了させる。
【0109】
続いて、演出制御用CPU31aは、NR発展を示す演出の実行を開始させるとともに、NR発展に対応する演出時間の計測を開始する。そして、符号T22に示すタイミングで、NR発展に対応する演出時間が経過すると、演出制御用CPU31aは、NR発展を示す演出の実行を終了させる。
【0110】
続いて、演出制御用CPU31aは、スーパーリーチ1演出を示す演出の実行を開始させるとともに、スーパーリーチ1演出に対応する演出時間の計測を開始する。そして、符号T23に示すタイミングで、スーパーリーチ1演出に対応する演出時間が経過すると、演出制御用CPU31aは、スーパーリーチ1演出を示す演出の実行を終了させ、1回の変動ゲームが終了する。
【0111】
次に、
図7(c)に示すように、符号T30に示すタイミングで、変動パターンHP16Bを指定する変動パターン指定コマンドが入力されると、演出制御用CPU31aは、演出制御用ROM31bの演出指定テーブルを参照し、変動パターンHP16Bに対応する演出指定データを読み出す。
【0112】
図3に示すように、変動パターンHP16Bには、第1演出指定データとしてチャンスを示す演出指定データが、第2演出指定データとして無効指定データが、第3演出指定データとしてスーパーリーチ3演出(図中では「SR3」と示す)を示す演出指定データが、第4演出指定データとして復活を示す演出指定データがそれぞれ対応している。
【0113】
そして、
図6(a)に示すように、演出制御用CPU31aは、演出制御用ROM31bの演出時間指定テーブルを参照し、時系列順に、チャンスを示す演出指定データ、スーパーリーチ3演出を示す演出指定データ、復活を示す演出指定データに対応する演出時間を読み出す。
【0114】
続いて、
図7(c)に示すように、演出制御用CPU31aは、チャンスを示す演出の実行を開始させるとともに、チャンスに対応する演出時間t04の計測を開始する。そして、符号T31に示すタイミングで、チャンスに対応する演出時間t04が経過すると、演出制御用CPU31aは、チャンスを示す演出の実行を終了させる。
【0115】
続いて、演出制御用CPU31aは、スーパーリーチ3演出を示す演出の実行を開始させるとともに、スーパーリーチ3演出に対応する演出時間の計測を開始する。そして、符号T32に示すタイミングで、スーパーリーチ3演出に対応する演出時間が経過すると、演出制御用CPU31aは、スーパーリーチ3演出を示す演出の実行を終了させる。
【0116】
続いて、演出制御用CPU31aは、復活を示す演出の実行を開始させるとともに、復活に対応する演出時間の計測を開始する。そして、符号T33に示すタイミングで、復活に対応する演出時間が経過すると、演出制御用CPU31aは、復活を示す演出の実行を終了させ、1回の変動ゲームが終了する。
【0117】
次に、
図7(d)に示すように、符号T40に示すタイミングで、変動パターンHP35Aを指定する変動パターン指定コマンドが入力されると、演出制御用CPU31aは、演出制御用ROM31bの演出指定テーブルを参照し、変動パターンHP35Aに対応する演出指定データを読み出す。
【0118】
図3に示すように、変動パターンHP35Aには、第1演出指定データとして擬似連3テンパイを示す演出指定データが対応している。また、変動パターンHP35Aには、第2演出指定データとしてNR発展を示す演出指定データが、第3演出指定データとしてスーパーリーチ2演出(図中では「SR2」と示す)を示す演出指定データが、第4演出指定データとして無効指定データがそれぞれ対応している。
【0119】
そして、
図6に示すように、演出制御用CPU31aは、演出制御用ROM31bの演出時間指定テーブルを参照し、時系列順に、擬似連3テンパイを示す演出指定データ、NR発展を示す演出指定データ、スーパーリーチ2演出を示す演出指定データに対応する演出時間を読み出す。特に、演出制御用CPU31aは、
図6(b)に示すように、演出制御用ROM31bの演出時間指定テーブルを参照し、擬似連3テンパイを示す演出指定データに対応する演出時間としては、変動サイクルの演出時間である3つの演出時間t11〜t13を読み出す。
【0120】
続いて、
図7(d)に示すように、演出制御用CPU31aは、擬似連3テンパイにおける1回目の変動サイクルを示す演出(図中では「擬似連1」と示す)の実行を開始させるとともに、1回目の変動サイクルに対応する演出時間t11の計測を開始する。そして、符号T41に示すタイミングで、1回目の変動サイクルに対応する演出時間t11が経過すると、演出制御用CPU31aは、1回目の変動サイクルを示す演出の実行を終了させる。
【0121】
続いて、演出制御用CPU31aは、2回目の変動サイクルを示す演出(図中では「擬似連2」と示す)の実行を開始させるとともに、2回目の変動サイクルに対応する演出時間t12の計測を開始する。そして、符号T42に示すタイミングで、2回目の変動サイクルに対応する演出時間t12が経過すると、演出制御用CPU31aは、2回目の変動サイクルを示す演出の実行を終了させる。
【0122】
続いて、演出制御用CPU31aは、3回目の変動サイクルを示す演出(図中では「擬似連3」と示す)の実行を開始させるとともに、3回目の変動サイクルに対応する演出時間t13の計測を開始する。そして、符号T43に示すタイミングで、3回目の変動サイクルに対応する演出時間t13が経過すると、演出制御用CPU31aは、3回目の変動サイクルを示す演出の実行を終了させる。
【0123】
続いて、演出制御用CPU31aは、NR発展を示す演出の実行を開始させるとともに、NR発展に対応する演出時間の計測を開始する。そして、符号T44に示すタイミングで、NR発展に対応する演出時間が経過すると、演出制御用CPU31aは、NR発展を示す演出の実行を終了させる。
【0124】
続いて、演出制御用CPU31aは、スーパーリーチ2演出を示す演出の実行を開始させるとともに、スーパーリーチ2演出に対応する演出時間の計測を開始する。そして、符号T45に示すタイミングで、スーパーリーチ2演出に対応する演出時間が経過すると、演出制御用CPU31aは、スーパーリーチ2演出を示す演出の実行を終了させ、1回の変動ゲームが終了する。
【0125】
次に、
図7(e)に示すように、符号T50に示すタイミングで、変動パターンHP55Aを指定する変動パターン指定コマンドが入力されると、演出制御用CPU31aは、演出制御用ROM31bの演出指定テーブルを参照し、変動パターンHP55Aに対応する演出指定データを読み出す。
【0126】
図3に示すように、変動パターンHP55Aには、第1演出指定データとして短縮擬似連5を示す演出指定データが、第2演出指定データとして短縮発展を示す演出指定データが、第3演出指定データとしてスーパーリーチ2演出(図中では「SR2」と示す)を示す演出指定データが、第4演出指定データとして無効指定データがそれぞれ対応している。
【0127】
そして、
図6に示すように、演出制御用CPU31aは、演出制御用ROM31bの演出時間指定テーブルを参照し、時系列順に、短縮擬似連5を示す演出指定データ、短縮発展を示す演出指定データ、スーパーリーチ2演出を示す演出指定データに対応する演出時間を読み出す。特に、演出制御用CPU31aは、
図6(b)に示すように、演出制御用ROM31bの演出時間指定テーブルを参照し、短縮擬似連5を示す演出指定データに対応する演出時間としては、変動サイクルの演出時間である5つの演出時間t21〜t25を読み出す。
【0128】
続いて、
図7(e)に示すように、演出制御用CPU31aは、短縮擬似連5における1回目の変動サイクルを示す演出(図中では「短1」と示す)の実行を開始させるとともに、1回目の変動サイクルに対応する演出時間t21の計測を開始する。そして、符号T51に示すタイミングで、1回目の変動サイクルに対応する演出時間t21が経過すると、演出制御用CPU31aは、1回目の変動サイクルを示す演出の実行を終了させる。
【0129】
続いて、演出制御用CPU31aは、2回目の変動サイクルを示す演出(図中では「短2」と示す)の実行を開始させるとともに、2回目の変動サイクルに対応する演出時間t22の計測を開始する。そして、符号T52に示すタイミングで、2回目の変動サイクルに対応する演出時間t22が経過すると、演出制御用CPU31aは、2回目の変動サイクルを示す演出の実行を終了させる。
【0130】
続いて、演出制御用CPU31aは、3回目の変動サイクルを示す演出(図中では「短3」と示す)の実行を開始させるとともに、3回目の変動サイクルに対応する演出時間t23の計測を開始する。そして、符号T53に示すタイミングで、3回目の変動サイクルに対応する演出時間t23が経過すると、演出制御用CPU31aは、3回目の変動サイクルを示す演出の実行を終了させる。
【0131】
続いて、演出制御用CPU31aは、4回目の変動サイクルを示す演出(図中では「短4」と示す)の実行を開始させるとともに、4回目の変動サイクルに対応する演出時間t24の計測を開始する。そして、符号T54に示すタイミングで、4回目の変動サイクルに対応する演出時間t24が経過すると、演出制御用CPU31aは、4回目の変動サイクルを示す演出の実行を終了させる。
【0132】
続いて、演出制御用CPU31aは、5回目の変動サイクルを示す演出(図中では「短5」と示す)の実行を開始させるとともに、5回目の変動サイクルに対応する演出時間t25の計測を開始する。そして、符号T55に示すタイミングで、5回目の変動サイクルに対応する演出時間t25が経過すると、演出制御用CPU31aは、5回目の変動サイクルを示す演出の実行を終了させる。
【0133】
続いて、演出制御用CPU31aは、短縮発展を示す演出の実行を開始させるとともに、短縮発展に対応する演出時間の計測を開始する。そして、符号T56に示すタイミングで、短縮発展に対応する演出時間が経過すると、演出制御用CPU31aは、短縮発展を示す演出の実行を終了させる。
【0134】
続いて、演出制御用CPU31aは、スーパーリーチ2演出を示す演出の実行を開始させるとともに、スーパーリーチ2演出に対応する演出時間の計測を開始する。そして、符号T57に示すタイミングで、スーパーリーチ2演出に対応する演出時間が経過すると、演出制御用CPU31aは、スーパーリーチ2演出を示す演出の実行を終了させ、1回の変動ゲームが終了する。
【0135】
以上詳述したように、本実施形態は、以下の効果を有する。
(1)演出時間を特定するための演出指定データを記憶可能な記憶領域が、複数種類の変動パターンのそれぞれに対応するように割り当てられている。また、複数種類の変動パターンの全てで共通数となるように割り当てられている。このため、複数種類の変動パターンの全てにおいて演出指定データが記憶可能な記憶領域が共通数となり、変動パターンの種類に応じた記憶領域の数を意識することなく演出指定データが記憶可能となり、設計開発等における煩雑さを抑制することができる。
【0136】
(2)演出時間を特定するための所定数の演出指定データを記憶可能な記憶領域が複数種類の変動パターンのそれぞれに対応するように割り当てられている。また、演出指定データとして、演出が実行されないことを示す無効指定データが記憶可能である。このため、複数種類の変動パターンのそれぞれに対応して演出指定データが記憶可能な記憶領域に無効指定データを記憶させること、予め無効指定データが記憶された記憶領域に有効な演出指定データを記憶させることによって、有効な演出指定データの数を増減させることができ、設計開発等における煩雑さを抑制することができる。
【0137】
(3)演出の進行度合いに対応して時系列順に分類された記憶領域が複数種類の変動パターンのそれぞれに割り当てられており、記憶領域自体から演出の進行度合いに対応する時系列順の分類が特定可能となり、設計開発等における煩雑さを抑制することができる。
【0138】
(4)演出の進行度合いに対応して時系列順に分類された記憶領域のうち、演出の進行度合いが最終ではない記憶領域に無効指定データが記憶可能であり、記憶領域自体における時系列順の分類を変更させる必要がなく、設計開発等における煩雑さを抑制することができる。
【0139】
(5)複数種類の変動パターンの少なくとも一部を構成する複数種類の特別変動パターンのそれぞれで記憶領域が共通数となるように割り当てられている。このため、複数種類の変動パターンのうち複数種類の特別変動パターンのそれぞれにおいて演出指定データが記憶可能な記憶領域が共通数となり、変動パターンの種類に応じた記憶領域の数を意識することなく演出指定データが記憶可能となり、設計開発等における煩雑さを抑制することができる。
【0140】
(6)また、複数種類の特別変動パターンのそれぞれには、共通個数の演出時間を特定するための演出指定データが対応するように記憶される。その一方で、特別変動パターンとは異なる複数種類の特殊変動パターンのそれぞれには、その共通個数の演出時間に加えて、所定個数の演出時間を特定するための演出指定データが対応するように記憶されている。このため、特別変動パターンのそれぞれにおいて、共通個数の演出時間が特定可能な状況を提供しつつ、特別変動パターンとは異なる特殊変動パターンのそれぞれにおいて、その共通個数の演出時間に加えて、所定個数の演出時間が特定可能な状況を提供することができ、設計開発等における煩雑さを抑制することができる。
【0141】
(7)複数種類の特別変動パターンのそれぞれと複数種類の特殊変動パターンのそれぞれとにおいて、演出指定データが記憶可能な記憶領域が共通数となり、変動パターンの種類に応じた記憶領域の数を意識することなく演出指定データが記憶可能となり、設計開発等における煩雑さを抑制することができる。
【0142】
(8)変動サイクルについて演出時間が長くて実行回数が少ない擬似連演出(第1特定演出)と、演出時間が短くて実行回数が多い短縮擬似連演出とが実行可能であり、それぞれに対応するように演出時間指定テーブルが記憶されている。このため、変動サイクルについての演出時間及び実行回数が異なる場合であっても、複数種類の特殊変動パターンのそれぞれにおいて演出指定データが記憶可能な記憶領域が共通数となり、変動パターンの種類に応じた記憶領域の数を意識することなく演出指定データが記憶可能となり、設計開発等における煩雑さを抑制することができる。
【0143】
[第2実施形態]
次に、
図8を参照して本発明を具体化した第2実施形態について説明する。なお、以下の説明では、既に説明した実施形態と同一構成及び同一制御内容について同一符号を付すなどし、その重複する説明を省略又は簡略する。
【0144】
第1実施形態では、複数の変動パターンの全てに対して演出指定データが記憶可能な記憶領域が共通数となるように割り当てられたが、これに限らない。例えば、第2実施形態のように、複数種類の変動パターンの少なくとも一部を構成する複数種類の特定変動パターン(特定演出パターン)のそれぞれに対して演出指定データが記憶可能な記憶領域が共通数となるように割り当てられてもよい。
【0145】
具体的に、
図5に示す演出指定テーブルではなく、
図8に示す演出指定テーブルが演出制御用ROM31bに記憶されている。
図8に示す演出指定テーブルには、入球率向上状態において選択可能な変動パターンに対応するように演出指定データが記憶されている。また、入球率向上状態において選択可能な変動パターンは、非入球率向上状態において選択可能な変動パターンと比べて変動時間が短く、2つの演出指定データが記憶可能である。
【0146】
このように、入球率向上状態において選択可能な変動パターンには、2つの演出指定データが記憶可能である一方で、非入球率向上状態において選択可能な変動パターンには、4つの演出指定データが記憶可能である。このように、特定の変動パターンとしては、入球率向上状態において決定される変動パターンや、非入球率向上状態において決定される変動パターンが構成されることとなる。また、本実施形態において、入球率向上状態や非入球率向上状態という遊技状態が特定の遊技状態に相当する。
【0147】
以上詳述したように、第2実施形態は、第1実施形態における(1)〜(8)の効果に加えて、以下の効果を有する。
(9)複数種類の演出パターンの少なくとも一部を構成する複数種類の特定変動パターンのそれぞれで記憶領域が共通数となるように割り当てられている。このため、複数種類の変動パターンのうち複数種類の特定変動パターンのそれぞれにおいて演出指定データが記憶可能な記憶領域が共通数となり、変動パターンの種類に応じた記憶領域の数を意識することなく演出指定データが記憶可能となり、設計開発等における煩雑さを抑制することができる。
【0148】
(10)複数種類の特定変動パターンは、入球率向上状態、非入球率向上状態などの特定の遊技状態における複数種類の変動パターンから構成される。このため、特定の遊技状態で制御されることに応じた複数種類の特定変動パターンのそれぞれにおいて演出指定データが記憶可能な記憶領域が共通数となり、変動パターンの種類に応じた記憶領域の数を意識することなく演出指定データが記憶可能となり、設計開発等における煩雑さを抑制することができる。
【0149】
(11)特に、ここでいう遊技状態としては、変動ゲームの変動時間が相対的に短い入球率向上状態や、変動ゲームの変動時間が相対的に長い非入球率向上状態である。このため、変動ゲームの変動時間に応じた複数種類の特定変動パターンのそれぞれにおいて演出指定データが記憶可能な記憶領域が共通数となり、変動パターンの種類に応じた記憶領域の数を意識することなく演出指定データが記憶可能となり、設計開発等における煩雑さを抑制することができる。
【0150】
尚、上記実施形態は、次のような別の実施形態(別例)にて具体化できる。
・上記実施形態において、入球率向上状態である場合と非入球率向上状態である場合とのそれぞれで特定変動パターンが規定されたが、これに限らず、例えば、入球率向上状態である場合と非入球率向上状態である場合との何れかで特定変動パターンが規定されてもよい。また、例えば、確変状態が付与されているか否かによって特定変動パターンが規定されてもよい。また、例えば、1回の変動ゲームにおいて1回の変動サイクルが実行されるか複数回の変動サイクルが実行されるかによって、特定変動パターンであるかが規定されてもよい。
【0151】
・上記実施形態において、例えば、擬似連2テンパイを示す演出指定データと、擬似連2チャンスを示す演出指定データとで、共通の演出時間データが規定され、擬似連2テンパイ、擬似連2チャンスの何れか一方を示す演出指定データに対応する演出時間データが規定されなくてもよく、記憶容量の削減を図ることができる。また、例えば、擬似連4テンパイ、短縮擬似連6を示す演出指定データに対応する演出時間データが規定されていれば、擬似連2テンパイ、擬似連2チャンス、擬似連3テンパイ、擬似連3チャンス、短縮擬似連3、短縮擬似連4、短縮擬似連5を示す演出指定データに対応する演出時間データが規定されていなくてもよい。また、例えば、変動サイクルの回数に対応する演出時間を異ならせてもよく、擬似連2テンパイ、擬似連2チャンスを示す演出指定データで、演出時間を異ならせてもよい。
【0152】
・上記実施形態において、擬似連2テンパイを一例として、
図6(b)に示すように、1つの演出指定データに対応して複数の演出時間が規定されていれば、
図6(a)に示すように、1つの演出指定データに対応する1つの演出時間が規定されていなくてもよい。また、例えば、1つの演出指定データに対応する全体の演出時間が規定されていれば、1つの演出指定データに対応する複数の演出時間のうち時系列順で最後となる演出時間が規定されていなくてもよい。
【0153】
・上記実施形態において、演出時間が相対的に長く実行回数が相対的に小さい擬似連演出と、演出時間が相対的に短く実行回数が相対的に大きい擬似連演出(短縮擬似連演出)との両方、が実行可能であったが、これに限らず、例えば、何れか一方が実行可能であってもよい。
【0154】
・上記実施形態において、例えば、1回の変動ゲームにおいて1回の変動サイクルが実行される特別変動パターンと、1回の変動ゲームにおいて複数回の変動サイクルが実行される特殊変動パターンとで、演出指定データが記憶可能な記憶領域自体が共通数とならないように割り当てられてもよい。つまり、複数種類の変動パターンの全てで共通数となるように、演出指定データが記憶可能な記憶領域が割り当てられたが、これに限らず、例えば、複数種類の変動パターンの一部で共通数となるように記憶領域が割り当てられてもよい。
【0155】
・上記実施形態において、1回の変動ゲームにおいて複数回の変動サイクルが実行される変動パターンを特殊変動パターンとしたが、これに限らない。例えば、飾り図柄の変動開始に拘わらず、1回の変動ゲームにおいて複数回の段階演出が実行可能な段階演出(所謂、「ステップアップ演出」)が実行される変動パターンを特殊変動パターンとしてもよい。つまり、1回の変動ゲームにおいて所定回の特殊演出が実行される特定演出が実行される変動パターンが特殊変動パターンとして採用されれば好ましく、このような変動パターンが特殊変動パターンとして採用されなくてもよい。
【0156】
・上記実施形態において、実行させる演出の種類を示す所定数の演出指定データが、1つの変動パターンに対応するように記憶され、実行させる演出の演出時間を示す所定数の演出時間指定データが、1つの演出指定データに対応するように記憶され、1つの変動パターンに対応する演出の演出時間が特定可能となったが、これに限らない。例えば、演出時間指定データでの機能を含む演出指定データが採用され、実行させる演出の時間を示す所定数の演出指定データが、1つの変動パターンに対応するように直接的に記憶されていてもよい。
【0157】
・上記実施形態において、例えば、リーチ前、ノーマルリーチ後、スーパーリーチ発展後、はずれ図柄組み合わせの一旦停止表示後に限らず、何れかが規定されなくてもよい。また、例えば、別の要素が規定されていてもよく、演出の進行度合いに応じて時系列順が特定可能であれば好ましい。
【0158】
・上記実施形態において、1つの変動パターンに対応するように2個又は4個の演出指定データが記憶されたが、これに限らず、例えば、1個、3個、5個以上の演出指定データが記憶されてもよい。
【0159】
・上記実施形態において、1つの変動パターンに対応するように、所定数の演出指定データが記憶可能な記憶領域が割り当てられたが、これらの記憶領域が連続するアドレスに割り当てられるか連続しないアドレスに割り当てられるかを問わない。つまり、1つの変動パターンと所定数の演出指定データとの対応関係が特定可能であればよい。
【0160】
・上記実施形態において、主制御用CPU30aによって決定された変動パターンに対応するように演出指定データが記憶されたが、これに限らず、例えば、変動パターンに基づいて演出制御用CPU31aによって決定されたサブ変動パターンに対応するように演出指定データが記憶されてもよい。つまり、変動パターンやサブ変動パターンを含めた演出の演出パターンに対応するように演出指定データが記憶されればよく、演出パターン決定手段として、主制御用CPU30aが採用されても演出制御用CPU31aが採用されてもよい。また、例えば、このような演出パターン自体は、主制御用ROM30bに記憶されても演出制御用ROM31bに記憶されてもよく、演出を実行させる演出制御用CPU31aによって読み出し可能な演出制御用ROM31bに、演出パターンと演出指定データとが対応付けられたテーブルが記憶されていればよい。
【0161】
・上記実施形態において、例えば、演出画像を表示する複数の演出表示装置が配設されてもよい。
・上記実施形態において、演出画像を表示可能な演出表示装置16で、演出指定データに対応する演出が実行されたが、これに限らず、例えば、音声を出力するスピーカSP、発光を行う装飾ランプLA、変位可能な可動演出部材、振動する振動部材などによって、演出が実行されてもよく、これらの組み合わせであってもよい。
【0162】
・上記実施形態において、大当り抽選に当選したことが有利条件に、大当り遊技が有利状態に相当したが、これに限らない。例えば、確変状態が付与される大当りに当選したことが有利条件に、確変状態が有利状態であってもよい。また、例えば、入球率向上状態が付与される大当りに当選したことが有利条件に、入球率向上状態が有利状態であってもよい。また、これらの組み合わせであってもよい。
【0163】
・上記実施形態において、例えば、複数の変動ゲームが実行されてもよい。また、例えば、複数の変動ゲームのうち一方が優先的に実行されるか、入賞順に実行されるか、複数の変動ゲームが同時に実行されるかも問わない。
【0164】
・上記実施形態において、例えば、入球率向上状態としては、普図ゲームの変動時間の短縮、普図当り抽選の抽選確率の向上、開閉部材22bの合計開放時間の増加、及び特別図柄による変動ゲームの変動時間の短縮のうち、少なくともいずれか1つを含んでいればよい。
【0165】
・上記実施形態において、例えば、大入賞装置23内に確変通過領域が設けられ、確変通過領域を遊技球が通過したことにより、大当り遊技の終了後に確変状態が付与されるように構成してもよい。また、例えば、大入賞装置23内に、確変通過領域を遊技球が通過可能であるか否かを振り分ける振分手段が設けられ、特定ラウンド遊技において確変通過領域を遊技球が通過可能なように振分手段が制御されてもよい。また、例えば、大当りの種類によって、特定ラウンド遊技に大入賞口23aに1球の遊技球が入球しない程度、大入賞口扉23bを開状態とするか、大入賞口23aに1球以上の遊技球が入球可能な程度、大入賞口扉23bを開状態とするかを制御することによって、確変状態を付与するか否かが制御されてもよい。また、例えば、複数の大入賞装置が配設されてもよく、一方に確変通過領域が設けられ、他方に確変通過領域が設けられない構成としてもよい。また、例えば、確変状態の付与に上限回数を設けてもよい。また、例えば、大当りの種類、大当り遊技の種類についても、適宜変更可能である。
【0166】
・上記実施形態において、主制御基板30と演出制御基板31とが配設され、各種機能が搭載されたが、これに限らず、例えば、一方の基板における機能が他方の基板における機能として搭載されてもよい。また、演出表示装置16の制御を行う演出制御手段が別々に備えられてもよい。また、このような2種類の基板に限らず、例えば、一体的な基板として構成されてもよく、3種類以上の基板として構成されてもよい。このように、演出指定データに基づく演出を実行させる演出制御手段は、別の制御手段を介して演出実行手段を制御することとなると、特定された演出時間に基づくタイミングで制御信号を別の制御手段に出力する制御を行うこととなる。
【0167】
・上記実施形態において、特別図柄指定コマンドにより、大当り遊技の種類を指定していたが、変動パターン指定コマンドや、その他専用の制御コマンドにより、大当り遊技の種類を指定するようにしても良い。
【0168】
・上記実施形態において、変動ゲームに係わる各種乱数値は、保留記憶数に応じて設けられた記憶領域に記憶するようにしてもよい。この場合、変動ゲームが実行される毎に、乱数値がシフト処理され、保留記憶数が1減算された記憶領域に記憶する。
【0169】
・上記実施形態において、演出制御基板31にて変動ゲームの変動時間が管理されていれば、図柄停止コマンドを出力しなくてもよい。
・上記実施形態において、所謂1種のパチンコ遊技機を採用したが、2種、3種、1種2種混合機等、パチンコ遊技機の種類には限られない。また、遊技盤の転動領域に配設された各種役物への遊技球の入球に基づく変動ゲームが実行されるパチンコ遊技機に限らず、例えば、遊技開始操作に応じて変動ゲームが実行されるスロット遊技機が採用されてもよい。また、この場合、停止操作に応じて変動ゲームにおける図柄を停止させるスロット遊技機か、所定時間の経過により変動ゲームにおける図柄を停止させるスロット遊技機かも問わない。また、スロット遊技機において、遊技開始操作を契機として当選役(例えば、ベル役、再遊技役等)が決定され、その当選役と停止操作の操作態様とに基づいて図柄が停止表示される。そして、停止表示される図柄が有利な組み合わせとなり易い状態(停止表示される図柄が有利な組み合わせとなる確率が高い状態や、停止表示される図柄が有利な組み合わせとなる停止操作態様が報知される確率が高い状態)が有利状態に相当する。また、例えば、複数の図柄を表示可能なリールが図柄表示手段として採用されてもよい。
【0170】
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)図柄を変動させて行う図柄変動ゲームで予め定めた有利条件が成立した場合に、遊技者に有利となる有利状態が生起される遊技機において、演出を実行する演出実行手段と、前記図柄変動ゲームにおいて、複数種類の演出パターンから何れか一つを決定する演出パターン決定手段と、前記演出パターン決定手段によって決定された演出パターンに基づいて前記演出実行手段に演出を実行させる制御を行う演出制御手段と、前記演出実行手段による演出の演出時間を特定するための所定数の演出指定データを記憶可能な記憶領域が前記複数種類の演出パターンのそれぞれに対応するように割り当てられた記憶手段と、を備え、前記記憶手段には、前記演出指定データとして、前記演出実行手段による演出が実行されないことを示す無効指定データが記憶可能であることを特徴とする。
【0171】
(ロ)図柄を変動させて行う図柄変動ゲームで予め定めた有利条件が成立した場合に、遊技者に有利となる有利状態が生起される遊技機において、演出を実行する演出実行手段と、前記図柄変動ゲームにおいて、複数種類の演出パターンから何れか一つを決定する演出パターン決定手段と、前記演出パターン決定手段によって決定された演出パターンに基づいて前記演出実行手段に演出を実行させる制御を行う演出制御手段と、前記演出実行手段による演出の演出時間を特定するための所定数の演出指定データを記憶可能な記憶領域が前記複数種類の演出パターンのそれぞれに対応するように割り当てられた記憶手段と、を備え、前記記憶手段には、前記複数種類の演出パターンの全てで共通数となるように前記記憶領域が割り当てられていることを特徴とする。
【0172】
(ハ)図柄を変動させて行う図柄変動ゲームで予め定めた有利条件が成立した場合に、遊技者に有利となる有利状態が生起される遊技機において、演出を実行する演出実行手段と、前記図柄変動ゲームにおいて、複数種類の演出パターンから何れか一つを決定する演出パターン決定手段と、前記演出パターン決定手段によって決定された演出パターンに基づいて前記演出実行手段に演出を実行させる制御を行う演出制御手段と、前記演出実行手段による演出の演出時間を特定するための所定数の演出指定データを記憶可能な記憶領域が前記複数種類の演出パターンのそれぞれに対応するように割り当てられた記憶手段と、を備え、前記記憶手段には、前記複数種類の演出パターンの少なくとも一部を構成する複数種類の特別演出パターンのそれぞれで共通数となるように前記記憶領域が割り当てられ、前記複数種類の特別演出パターンのそれぞれには、共通個数の演出時間を特定するための演出指定データが対応するように記憶され、前記複数種類の特別演出パターンと異なる複数種類の特殊演出パターンのそれぞれには、前記特別演出パターンに対応する共通個数の演出時間に加えて、所定個数の演出時間を特定するための演出指定データが対応するように記憶されていることを特徴とする。
【0173】
(ニ)前記演出指定データには、前記演出実行手段によるリーチ演出の実行前における演出時間を特定するための第1演出指定データと、前記演出実行手段によるリーチ演出の実行後における演出時間を特定するための第2演出指定データと、前記演出実行手段によるリーチ演出の発展後における演出時間を特定するための第3演出指定データと、前記演出実行手段によるリーチ演出の終了後における演出時間を特定するための第4演出指定データとが含まれていることを特徴とする。
【0174】
(ホ)前記演出制御手段は、前記演出パターン決定手段によって決定された演出パターンに対応するように記憶された演出指定データに基づいて、当該演出指定データにおける演出時間を特定し、当該演出時間に基づくタイミングで前記演出実行手段に演出を実行させる制御を行うことを特徴とする。
【0175】
(ヘ)前記特定の遊技状態は、前記図柄変動ゲームの演出時間が相対的に短い変短状態であることを特徴とする。