特許第6392677号(P6392677)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三協立山株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6392677-構造体 図000002
  • 特許6392677-構造体 図000003
  • 特許6392677-構造体 図000004
  • 特許6392677-構造体 図000005
  • 特許6392677-構造体 図000006
  • 特許6392677-構造体 図000007
  • 特許6392677-構造体 図000008
  • 特許6392677-構造体 図000009
  • 特許6392677-構造体 図000010
  • 特許6392677-構造体 図000011
  • 特許6392677-構造体 図000012
  • 特許6392677-構造体 図000013
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6392677
(24)【登録日】2018年8月31日
(45)【発行日】2018年9月19日
(54)【発明の名称】構造体
(51)【国際特許分類】
   E04H 12/22 20060101AFI20180910BHJP
   E04F 11/18 20060101ALI20180910BHJP
   E04H 17/22 20060101ALI20180910BHJP
   E01D 19/10 20060101ALI20180910BHJP
【FI】
   E04H12/22
   E04F11/18
   E04H17/22
   E01D19/10
【請求項の数】1
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-17775(P2015-17775)
(22)【出願日】2015年1月30日
(65)【公開番号】特開2016-142016(P2016-142016A)
(43)【公開日】2016年8月8日
【審査請求日】2017年7月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000175560
【氏名又は名称】三協立山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡田 貴生
【審査官】 富士 春奈
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−102644(JP,A)
【文献】 実開昭56−121820(JP,U)
【文献】 特表2001−508513(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0221542(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0141902(US,A1)
【文献】 特開2004−285768(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01D1/00−24/00
E04B1/38−1/61
E04H5/00−7/32、12/00−14/00
E04H17/00−17/26
E04F11/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の部材と他方の部材を備え、一方の部材は他方の部材側に突出する突壁を有し、他方の部材は一方の部材側に開口する溝を有し、一方の部材の突壁を他方の部材の溝に嵌合しており、一方の部材にボルト挿通部が形成してあり、このボルト挿通部が一方の部材の突壁の側面部とこの側面部に対向する他方の部材の溝壁に跨って形成されたボルト挿通部に連続して形成してあり、他方の部材の溝底よりも奥側にボルトを螺合するねじ孔がボルト挿通部に連続して形成してあり、一方の部材と他方の部材をボルトで固定してあることを特徴とする構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、支柱等を固定するための構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、支柱を設置するときに支柱を固定するベースポスト等の構造体が公知である。図12に示すように、従来の構造体102は、所定の強度を得るためにベース部材(一方の部材)103と、ポスト部材(他方の部材)105を鉄部材として、ベース部材103と、ポスト部材105を溶接107で一体にしていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】なし
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、溶接には熟練した技術を必要とするため施工に手間がかかるという問題があった。さらに、鉄材に限らずアルミニウム材等の他の金属材を用いても所定の強度が得られる構造体が望まれている。
【0005】
そこで、本発明は、一方の部材と他方の部材とを溶接することなく一体化できると共に、所定の強度を得ることができる構造体の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項に記載の発明は、一方の部材と他方の部材を備え、一方の部材は他方の部材側に突出する突壁を有し、他方の部材は一方の部材側に開口する溝を有し、一方の部材の突壁を他方の部材の溝に嵌合しており、一方の部材にボルト挿通部が形成してあり、このボルト挿通部が一方の部材の突壁の側面部とこの側面部に対向する他方の部材の溝壁に跨って形成されたボルト挿通部に連続して形成してあり、他方の部材の溝底よりも奥側にボルトを螺合するねじ孔がボルト挿通部に連続して形成してあり、一方の部材と他方の部材をボルトで固定してあることを特徴とする構造体である。
【発明の効果】
【0009】
請求項に記載の発明によれば、一方の部材と他方の部材とはボルトで固定してあり、溶接による固定をしていないから、施工が簡単にできる。
一方の部材の突壁を他方の部材の溝に嵌合しているから、他方の部材にかかる力を一方の部材の突壁が負担するので、一方の部材と他方の部材をボルトで固定するだけの場合に比較して構造体全体としての強度が高い。
突壁の側面部と、この側面部に対向する溝壁に跨ってボルト挿通部が形成してあるから、構造体全体としての強度をさらに高くできると共に、構造体を小さくできる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の第1実施の形態にかかる構造体であり、(a)はベース部材を上側から見た斜視図、(b)はベース部材を下側から見た斜視図、(c)はポスト部材を上側から見た斜視図、(d)はポスト部材を下側から見た斜視図、(e)は(c)に示すA−Aから下方に切断した断面図である。
図2】第1実施の形態にかかる構造体であり、ベース部材とポスト部材を組み付けた状態を示す斜視図である。
図3】第1実施の形態にかかる構造体であり、(a)は平面図、(b)は(a)に示すA−A断面図、(c)は(a)に示すB−B断面図である。
図4】第1実施の形態にかかる構造体を用いた高欄の図であり、(a)は笠木の長手方向に沿って切断した断面図であり、(b)は(a)に示すA−A断面図である。
図5】本発明の第2実施の形態にかかる構造体であり、(a)は平面図、(b)は(a)に示すA−A断面図である。
図6】本発明の第3実施の形態にかかる構造体であり、(a)はベース部材を上側から見た斜視図、(b)はベース部材を下側から見た斜視図、(c)はポスト部材を上側から見た斜視図、(d)はポスト部材を下側から見た斜視図である。
図7】本発明の第3実施の形態にかかる構造体であり、(a)は平面図、(b)は(a)に示すA−A断面図である。
図8図6に示す構造体の側面図である。
図9】本発明の第4実施の形態にかかる構造体であり、(a)は平面図、(b)は(a)に示すA−A断面図である。
図10】第5実施の形態にかかる構造体であり、(a)は平面図、(b)は(a)に示すA−A断面図、(c)は(a)に示すB−B断面図である。
図11】第5実施の形態にかかる構造体を用いた高欄の図であり、笠木の長手方向に沿って切断した断面図である。
図12】従来の構造体を示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)に示すA−A断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に本発明の第1実施の形態にかかる構造体10について、図1乃至図4を参照して説明する。図4に示すように、本実施の形態の構造体10は、高欄1の支柱3を躯体2に固定するために用いるものである。高欄1は、複数の支柱3と、各支柱3の上部に架設した笠木1aと、支柱3の下部で支柱3、3間に固定した下桟1bと、笠木1a及び下桟1bの間に固定した縦材1cとを備えている。支柱3、笠木1a、下桟1b及び縦材1cは、アルミニウム合金材製である。
本実施の形態の構造体10は、図2及び図3に示すように、ベース部材(一方の部材)11と、ベース部材11に取り付けるポスト部材(他方の部材)12と、ポスト部材12をベース部材11に固定するボルト13とを備えている。ベース部材11及びポスト部材12は、アルミニウム合金材製である。
【0012】
図1及び図3に示すように、ベース部材11は、平面視四角形状を成し、四角形の対向する一辺側と他辺側に下面11bから突出した脚部23が設けてある。また、各角部にはアンカーボルト4(図4参照)を挿通するアンカーボルト挿通孔24が設けてある。
図1(a)及び図1(b)に示すように、ベース部材11には、ベース部材11の上面11aから突出する一方及び他方の突壁20、21が形成してある。本実施の形態では、突壁20、21は、ベース部材11の上面11aにおいて一側に偏って配置してある。
一方及び他方の突壁20、21は、図1(a)に示すように、略四角柱形状を成し、互いに間隔をあけて平行に設けてある。突壁20、21の長さLは、ポスト部材12の同方向における幅と略同一である。また、突壁20、21が互いに対向する方向において、突壁20、21の幅Wは、後述するボルト挿通部14の直径よりも小さい。
一方の突壁20は、他方の突壁21と対向する側面部25aを有している。同様に、一方の突壁21は、他方の突壁20と対向する側面部26aを有している。
一方の突壁20の側面部25a及び他方の突壁21の側面部26aには、各々ベース側ボルト挿通部14aが互いに間隔をあけて2箇所に形成してある。各ベース側ボルト挿通部14aには、ベース部材11を貫通するボルト挿通孔(ボルト挿通部)27が連続して形成してある。
図3(b)に示すように、ベース側ボルト挿通部14aは、突壁20の側面部25a及び突壁21の側面部26aでは、略半円柱形状の凹みに形成してあり、ボルト挿通孔27の半円と一致した形状としてある。
ベース側ボルト挿通部14aは、後述するポスト側ボルト挿通部14bとともに、ベース部材11を貫通しポスト部材12のねじ孔37に連続するボルト挿通部14を構成する。
【0013】
ポスト部材12は、図1(c)乃至図1(e)に示すように、中実の四角柱状に形成してある。ポスト部材12の側面には、支柱3を固定するためのねじ6(図4参照)と螺合可能な複数のねじ孔32が設けられている。ポスト部材12には、その下面12aにベース部材11側に開口した2つの溝30、31と、4つのポスト側ボルト挿通部14bと、ねじ孔37とを形成してある。
各溝30、31は、互いに間隔をあけて略平行に形成してあり、一方及び他方の突壁20、21にそれぞれ対応する位置に配置してあり、一方及び他方突壁20、21と略同じ幅としてあり、ポスト部材12の一側面から対向する側面に亘って貫通して形成している。
一方の溝30は、溝壁33a、33bと溝底35とで断面略コ字形状を成している。同様に他方の溝31も溝壁34a、34bと、溝底36とで断面略コ字形状を成している。各溝30、31の長さ及び深さは、ベース部材11の突壁20及び21の長さ及び高さと略同じ寸法である。
複数のポスト側ボルト挿通部14bは、図1(c)乃至図1(e)に示すように、2つの溝30、31の隣り合う各溝壁33a、34aに形成してあり、各溝壁33a、34aでは半円柱形状の凹部としてある。ポスト側ボルト挿通部14bは、各溝壁33a、34aの長さ方向に間隔をあけて2つ形成してある。
ねじ孔37は、図1(e)に示すように、溝底35、36よりも奥側(下面12aから遠くなる側)に形成してあり、各ポスト側ボルト挿通部14bに連続して形成してある。
【0014】
以上のように構成された構造体10において、ベース部材11とポスト部材12との固定につき図1乃至図3を用いて説明する。ベース部材11にポスト部材12を組み付けて固定するには、ベース部材11の突壁20、21をポスト部材12の溝30、31に嵌合し、図2及び図3(a)に示すように、一方及び他方の突壁20、21の端面とポスト部材12の溝30、31が開口した側面とを面一に揃える。
すると、図3(b)に示すように、一方の突壁20の側面部25aのベース側ボルト挿通部14aと溝壁33aのポスト側ボルト挿通部14bとが対向して円柱形状の孔を形成して一つのボルト挿通部14を構成し、同様に側面部26aのベース側ボルト挿通部14aと、溝壁34aのポスト側ボルト挿通部14bとが対向して円柱形状の孔を形成してボルト挿通部14を構成する。つまり、ボルト挿通部14は、突壁20の側面部25a及び突壁21の側面部26aに各々形成したベース側ボルト挿通部14aと、溝壁33a、34aに形成したポスト側ボルト挿通部14bとから構成され、側面部25a及び溝壁33aと、側面部26a及び溝壁34aとに各々跨って形成してある。
このボルト挿通部14に対し、ベース部材11の下面11bから座金15を介してボルト13を挿通し、ボルト挿通部14の奥側に形成したねじ孔37にボルト13を螺合する。これにより、ベース部材11にポスト部材12を固定することができる。
構造体10を躯体2に設置するには、図4に示すように、水平な躯体2に対してベース部材11の脚部23を載置し、躯体2から突出した4本のアンカーボルト4を、4つのアンカーボルト挿通孔24にそれぞれ挿通する。そして、ベース部材11の上面11aから突出した各アンカーボルト4にナット5を締結する。これにより、ベース部材11を躯体2に固定することができる。
支柱3を構造体10に固定する場合、躯体2に固定した構造体10のポスト部材12に角筒状の支柱3の上方から被せ、支柱3の下端部にポスト部材12を挿入する。そして、支柱3の側面をポスト部材12のねじ孔32にねじ6で締結する。これにより、支柱3を構造体10に固定することができる。
【0015】
ここで、ベース部材11及びポスト部材12の製造について図1を用いて説明する。ベース部材11及びポスト部材12は、それぞれ押出成形で製造する。
ベース部材11の押出成形品では、図1(a)に二点鎖点で示すように一方及び他方の突壁部分はベース部材の上面11aで一端から対向する他端に亘って形成されるので、二点鎖線部分を切除して一方及び他方の突壁20、21を形成する。さらに、ベース側ボルト挿通部14aとこれに連続するボルト挿通孔27をドリルで切削加工し、更にアンカーボルト挿通孔24を形成して、ベース部材11を製造する。
ポスト部材12の押出成形品は、四角柱部材の下面12aに互いに平行な2つの溝30、31が形成された状態になるが、二つの溝30、31において互いに隣り合う溝壁33a、34aにポスト側ボルト挿通部14bをタップで形成して且つこのタップを深く押し込んで溝底の奥にはポスト側ボルト挿通部14bに連続するねじ孔を形成する。
【0016】
第1実施の形態にかかる構造体10の作用効果を説明する。
図3に示すように、本実施の形態にかかる構造体10では、ベース部材11とポスト部材12とをボルト13で固定しており、ベース部材11にポスト部材を溶接していないから簡単に施工できる。
しかも、ベース部材11の突壁20、21とポスト部材12の溝30、31とを嵌合しているから、ポスト部材12にかかる力をベース部材11の突壁20、21が負担するので、ベース部材11とポスト部材12をボルト13で固定するだけの場合に比較して構造体全体としての強度が高くすることができる。
また、本実施の形態にかかる構造体10では、側面部25a、26aのベース側ボルト挿通部14aと、溝壁33a、34aのポスト側ボルト挿通部14bとに跨るようにボルト挿通部14が形成してあるから、構造体10全体としての強度をさらに高めながら、構造体10を小型化できる。しかも、ボルト挿通部14の直径よりも突壁20、21の幅Wの方が小さいので、コストを抑え、容易に加工することができる。
【0017】
本実施の形態では、高欄1の支柱3がアルミニウム合金材であり、構造体10のベース部材11及びポスト部材12がアルミニウム合金材であるから、同種の金属の接触ができ、ベース部材11及びポスト部材12を鉄材とした場合に比較して、異なる種類の金属材の接触によって発生する腐食を防止できる。
また、支柱3がアルミニウム合金材であり、ベース部材11及びポスト部材12が支柱3と異なる種類の金属材(鉄材)である場合、異種金属間で腐食が発生するのを防止するため、支柱3と構造体102との間に絶縁シートを介在させる必要があったが、本実施の形態にかかる構造体10では絶縁シートが不要であり、構成及び施工を簡易化できる。
図1(a)、図2及び図3(a)(b)に示すように、ベース部材11の突壁20、21及びこれに嵌合するポスト部材12をベース部材11の平面視で偏った位置に配置することで、図4(b)に示すように、支柱3を躯体2に取り付ける際には、偏って配置したポスト部材12を道路外側にしてベース部材11を取り付けることで、道路側と道路外側との間の中央にポスト部材12を配置した場合と比較して、道路側の空間を広くできる。
【0018】
以下に、本発明の他の実施の形態を説明するが、以下に説明する実施の形態では、上述した第1実施の形態と同一の作用効果を奏する部分には同一の符号を付することによりその部分の説明を省略し、以下の説明では、第1実施の形態と主に異なる点を説明する。
本発明の第2実施の形態にかかる構造体10を、図5を参照して説明する。第2実施の形態にかかる構造体10は、ベース部材11の上面11aに一つの突壁20を形成してあり、ポスト部材12には突壁20に対応する形状の一つの溝30を形成しており、突壁20の両側面部25a、25bに各々ボルト挿通部14、14を形成していることが、第1実施の形態と異なっている。
この第2実施の形態では、第1実施の形態よりも突壁20の幅Wを大きく形成し、側面部25a及び側面部25bの両側面にベース側ボルト挿通部14aを設けてある。一つの溝30には、その対向する溝壁33a及び33bにポスト側ボルト挿通部14bを形成し、溝底35の奥側にねじ孔37を形成する。つまり、本実施の形態では、ボルト挿通部14は、側面部25a及び溝壁33aに跨って形成してあり、同様に、側面部25b及び溝壁33bにも跨って形成してある。
本実施の形態にかかる構造体10では、突壁20及び溝30が1つであるから、これらを2つずつ設けてある第1実施の形態にかかる構造体10よりもコンパクトな構成にできるとともに、第1実施の形態にかかる構造体10と同様の効果を奏することができる。
【0019】
本発明の第3実施の形態にかかる構造体10を、図6乃至図8を参照して説明する。第3実施の形態にかかる構造体10は、図6(a)に示すように、ベース部材11(一方の部材)に一つの突壁20を設けてあり、突壁20の両側面側には各側面側に2個ずつ合計4つのボルト挿通孔(ボルト挿通部)27が形成してある。
図6(b)に示すように、ポスト部材(他方の部材)12には、その下面12aに突壁20に嵌合する溝30が形成してあり、下面12aには溝30を挟む両側に各々の2個ずつのねじ孔37が形成してある。ねじ孔37はポスト部材12の下面12aから奥側へ向けて形成してある。
この第3実施の形態では、図7に示すように、ベース部材11の突壁20をポスト部材12の溝30に嵌合して組み付けた後、座金15を介してベース部材11の下面側から挿入したボルト13をポスト部材12のねじ孔37に螺合して固定する。
【0020】
第3実施の形態にかかる構造体10によれば、ベース部材11とポスト部材12とをボルト13で固定しており、ベース部材11にポスト部材を溶接していないから簡単に施工できる。
しかも、ベース部材11の突壁20とポスト部材12の溝30とを嵌合しているから、ポスト部材12にかかる力をベース部材11の突壁20、21が負担するので、ベース部材11とポスト部材12をボルト13で固定するだけの場合に比較して構造体全体としての強度が高くすることができる。
この第3実施の形態によれば、第1実施の形態と同様に、ベース部材11及びポスト部材12をアルミニウム合金材としているから、ベース部材11及びポスト部材12の材質について、第1実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0021】
本発明の第4実施の形態にかかる構造体10を、図9を参照して説明する。第4実施の形態にかかる構造体10では、ベース部材11に互いに平行な2つの突壁20、21を突設してあり、ポスト部材12の下面12aには、これらの突壁20、21に嵌合する2つの溝30及び31を設けてある。また、ベース部材11には、2つの突壁20、21の間に4つのボルト挿通孔27が形成してあり、ポスト部材12には、2つの溝30及び31間に4つのねじ孔37が形成してある。
この第4実施の形態によれば、第3実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
また、ベース部材11には2つの突壁20、21を設けてポスト部材12に嵌合しているから、第3実施の形態にかかる構造体10よりも構造体10の強度を高くできる。
【0022】
本発明の第5実施の形態にかかる構造体10を、図10及び図11を参照して説明する。図10(c)に示すように、第5実施の形態にかかる構造体10は、第1実施の形態にかかる構造体10において、ベース部材11とポスト部材12との間の取り付け角度Rを形成していることが第1実施の形態にかかる構造体10と異なる。ポスト部材12は下面12a及び上面12bを平行に傾斜した斜柱体状に形成し、ベース部材11をポスト部材12に対して角度Rで傾斜させて固定してある。尚、ボルト挿通部14は、ポスト部材12の下面12aから斜め奥側へ向けて形成してある。
第5実施の形態におけるポスト部材12の製造は、第1実施の形態にかかるポスト部材12を製造する場合と同様に押し出した側面視長方形形状の押出成形品に対して、側面視で上辺及び下辺はそのままにして側面で平行四辺形を形成するように互いに平行な斜めの線で切断して斜柱体状に形成する。
また、ベース部材11の突壁20、21は、第1実施の形態と同様に押出成形した押出成形品をカットするときに(図1(a)の二点鎖線参考)、突壁の20、21の端面を角度Rで斜めにカットすれば良い。
本実施の形態にかかる構造体10では、第1実施の形態と同様の効果を奏するとともに、高欄1を傾斜地に設置する場合に、傾斜した躯体2に対して支柱3を垂直に固定することができる。
【0023】
本発明の構造体は、前述した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能である。
例えば、突壁20は、ベース部材11の上面11aの中央に設けても良く、その設置位置は限定されない。
本発明の構造体は、高欄1の支柱3を固定するものに限定されず、カーポートの支柱や、電灯の支柱、門扉の支柱等を固定するものであっても良い。
ベース部材11及びポスト部材12の材質はアルミニウム合金に限定されず、マグネシウム合金や樹脂材等の他の材質であっても良い。
また、ベース部材11及びポスト部材12は、押出成形に限らず、鋳造等の他の方法で製造しても良い。
【符号の説明】
【0024】
10 構造体
11 ベース部材(一方の部材)
12 ポスト部材(他方の部材)
13 ボルト
14 ボルト挿通部
20、21 突壁
25a、25b、26a 側面部
27 ボルト挿通孔(ボルト挿通部)
30、31 溝
33a、33b、34a 溝壁
35、36 溝底
37 ねじ孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12