(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6392721
(24)【登録日】2018年8月31日
(45)【発行日】2018年9月19日
(54)【発明の名称】無停電電源装置
(51)【国際特許分類】
H02J 9/06 20060101AFI20180910BHJP
【FI】
H02J9/06 120
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-191113(P2015-191113)
(22)【出願日】2015年9月29日
(65)【公開番号】特開2017-70046(P2017-70046A)
(43)【公開日】2017年4月6日
【審査請求日】2017年8月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】501137636
【氏名又は名称】東芝三菱電機産業システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】清田 一樹
【審査官】
古河 雅輝
(56)【参考文献】
【文献】
特開2013−150415(JP,A)
【文献】
特開2002−084679(JP,A)
【文献】
特開平05−260683(JP,A)
【文献】
特開平08−336244(JP,A)
【文献】
特開平01−222635(JP,A)
【文献】
特開昭62−285638(JP,A)
【文献】
国際公開第2008/126820(WO,A1)
【文献】
特開平09−163631(JP,A)
【文献】
特開平11−252826(JP,A)
【文献】
特開平10−117484(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 1/26− 1/32
H01M 10/42−10/48
H02J 7/00− 7/12
H02J 7/34−11/00
H02M 7/42− 7/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流電源からの交流電力を回路開閉手段を介してコンバータで直流電力に変換し、前記直流電力をインバータにより交流電力に変換して負荷に供給し、前記コンバータと前記インバータに並列にバイパス回路を接続し、前記コンバータと前記インバータの直流回路に直流電源からの直流電力を放電回路を介して供給するようにし、前記交流電源に異常が生じた場合前記直流電源により一定時間前記負荷に電力を供給する無停電電源装置において、
前記交流電源の不足電圧回数をカウントし、カウント異常検出設定時間内にカウント数が不足電圧カウント異常検出レベルを上回ったときに前記回路開閉手段を開とする誤動作防止装置を具備したことを特徴とする無停電電源装置。
【請求項2】
交流電源から供給される交流電力を直流電力に変換するコンバータと、
前記変換された直流電力を交流電力に変換して負荷側へ出力するインバータと、
前記インバータを点弧するゲート信号を発信するインバータ用ゲート信号生成回路と、
前記インバータの直流側に接続された直流電源と、
前記直流電源の電圧を変更して前記インバータの直流側に供給する放電回路と、
前記交流電源の交流電力を直接負荷側へ供給するバイパス回路と、
前記交流電源の交流電圧の値を検出する交流電源電圧検出回路と、
前記交流電源電圧検出回路の不足電圧レベルを設定する交流不足電圧レベル設定器と、
前記交流電源電圧検出回路の検出値と、前記交流不足電圧レベル設定器の不足電圧レベルとを比較し、前記交流電源の電圧値が前記不足電圧レベルを下回ると0を出力する不足電圧比較器と、
前記不足電圧比較器から0が出力されたとき、前記コンバータの駆動を停止する信号を発信するコンバータ用ゲート信号生成回路と、
前記不足電圧比較器から0の出力が取込まれると、前記放電回路を点弧する信号を発信し、前記不足電圧比較器から1出力が取込まれたとき、前記放電回路を点弧停止させる信号を発信する放電回路用ゲート信号生成回路と、
前記交流電源と前記コンバータの間の交流回路を開閉する交流開閉器と、
前記交流開閉器の開閉制御を行う交流開閉器用信号生成回路と、
前記不足電圧比較器の0出力をカウントする不足電圧回数カウンタと、
不足電圧回数異常レベル値を設定する不足電圧回数異常レベル設定器と、
前記不足電圧回数カウンタのカウント値と前記不足電圧回数異常レベル設定器の設定値を比較し、前記不足電圧回数カウンタのカウント値が前記不足電圧回数異常レベル値を上回ると1を出力する不足電圧カウント比較器と、
不足電圧カウント異常検出時間を設定するカウント異常検出時間設定器と、
前記不足電圧比較器の0出力を受けて前記カウント異常検出時間設定器の出力をダウンカウントし、カウントゼロになるまで1を出力するカウント異常検出時間ダウンカウンタと、
前記不足電圧カウント比較器の出力と前記カウント異常検出時間ダウンカウンタの出力が共に存在するとき出力が生じる不足電圧カウント異常検出用論理回路と、
前記不足電圧カウント異常検出用論理回路の出力が1で前記交流開閉器用信号生成回路の出力が1のとき、前記交流開閉器を開状態とする交流開閉器用論理回路を具備したことを特徴とする無停電電源装置。
【請求項3】
交流電源からの交流電力をコンバータで直流電力に変換し、前記直流電力をインバータにより交流電力に変換して負荷に供給し、前記コンバータと前記インバータに並列にバイパス回路を接続し、前記コンバータと前記インバータの直流回路に直流電源からの直流電力を放電回路を介して供給するようにし、前記交流電源に異常が生じた場合前記直流電源により一定時間前記負荷に電力を供給する無停電電源装置において、
前記交流電源の不足電圧回数をカウントし、カウント異常検出設定時間内にカウント数が不足電圧カウント異常検出レベルを上回ったときに、前記インバータを駆動する信号をブロックする誤動作防止装置を具備したことを特徴とする無停電電源装置。
【請求項4】
交流電源から供給される交流電力を直流電力に変換するコンバータと、
前記変換された直流電力を交流電力に変換して負荷側へ出力するインバータと、
前記インバータを点弧するゲート信号を発信するインバータ用ゲート信号生成回路と、
前記インバータの直流側に接続された直流電源と、
前記直流電源の電圧を変更して前記インバータの直流側に供給する放電回路と、
前記交流電源の交流電力を直接負荷側へ供給するバイパス回路と、
前記交流電源の交流電圧の値を検出する交流電源電圧検出回路と、
前記交流電源電圧検出回路の不足電圧レベルを設定する交流不足電圧レベル設定器と、
前記交流電源電圧検出回路の検出値と、前記交流不足電圧レベル設定器の不足電圧レベルとを比較し、交流入力電圧値が不足電圧レベルを下回ると0を出力する不足電圧比較器と、
前記不足電圧比較器の出力を取込み、前記コンバータを点弧する信号を発信するコンバータ用ゲート信号生成回路と、
前記不足電圧比較器の出力を取込み、前記放電回路を点弧する信号を発信する放電回路用ゲート信号生成回路と、
前記不足電圧比較器の0を出力する回数をカウントする不足電圧回数カウンタと、
不足電圧のカウント異常を検出する不足電圧カウント異常レベルを設定する不足電圧回数異常レベル設定器と、
前記不足電圧回数カウンタのカウント値と前記不足電圧回数異常レベル設定器の値を比較し、前記不足電圧回数カウンタが前記不足電圧カウント異常レベルを上回ると1を出力する不足電圧カウント比較器と、
カウント異常検出時間を設定するカウント異常検出時間設定器と、
前記不足電圧比較器の0出力を受けて前記カウント異常検出時間設定器の出力をダウンカウントし、カウントゼロになるまで1を出力するカウント異常検出時間ダウンカウンタと、
前記不足電圧カウント比較器の出力と前記カウント異常検出時間ダウンカウンタの出力が共に存在するとき出力が生ずる不足電圧カウント異常検出用論理回路と、
前記不足電圧カウント異常検出用論理回路の出力が存在し前記インバータ用ゲート信号生成回路の出力が存在したとき、前記インバータを駆動するゲート信号をブロックするインバータ用論理回路を具備したことを特徴とする無停電電源装置。
【請求項5】
交流電源からの交流電力をコンバータで直流電力に変換し、前記直流電力をインバータにより交流電力に変換して負荷に供給し、前記コンバータと前記インバータに並列にバイパス回路を接続し、前記コンバータと前記インバータの直流回路に直流電源からの直流電力を放電回路を介して供給するようにし、前記交流電源に異常が生じた場合前記直流電源により一定時間前記負荷に電力を供給する無停電電源装置において、
前記交流電源の不足電圧回数をカウントし、カウント異常検出設定時間内にカウント数が不足電圧カウント異常検出レベルを上回ったときに、前記インバータを駆動する信号及び前記放電回路を駆動する信号をブロックする誤動作防止装置を具備したことを特徴とする無停電電源装置。
【請求項6】
交流電源から供給される交流電力を直流電力に変換するコンバータと、
前記変換された直流電力を交流電力に変換して負荷側へ出力するインバータと、
前記インバータを点弧するゲート信号を発信するインバータ用ゲート信号生成回路と、
前記インバータの直流側に接続された直流電源と、
前記直流電源の電圧を変更して前記インバータの直流側に供給する放電回路と、
前記交流電源の交流電力を直接負荷側へ供給するバイパス回路と、
前記交流電源の交流電圧の値を検出する交流電源電圧検出回路と、
前記交流電源電圧検出回路の不足電圧レベルを設定する交流不足電圧レベル設定器と、
前記交流電源電圧検出回路の検出値と、前記交流不足電圧レベル設定器の不足電圧レベルとを比較し、交流入力電圧値が不足電圧レベルを下回ると0を出力する不足電圧比較器と、
前記不足電圧比較器の出力を取込み、前記コンバータを点弧する信号を発信するコンバータ用ゲート信号生成回路と、
前記不足電圧比較器の出力を取込み、前記放電回路を点弧する信号を発信する放電回路用ゲート信号生成回路と、
前記不足電圧比較器の0を出力する回数をカウントする不足電圧回数カウンタと、
不足電圧のカウント異常を検出する不足電圧カウント異常レベルを設定する不足電圧回数異常レベル設定器と、
前記不足電圧回数カウンタのカウント値と前記不足電圧回数異常レベル設定器の値を比較し、前記不足電圧回数カウンタが前記不足電圧カウント異常レベルを上回ると1を出力する不足電圧カウント比較器と、
カウント異常検出時間を設定するカウント異常検出時間設定器と、
前記不足電圧比較器の0出力を受けて前記カウント異常検出時間設定器の出力をダウンカウントし、カウントゼロになるまで1を出力するカウント異常検出時間ダウンカウンタと、
前記不足電圧カウント比較器の出力と前記カウント異常検出時間ダウンカウンタの出力を比較する不足電圧カウント異常検出用論理回路と、
前記放電回路用ゲート信号生成回路の出力と前記不足電圧カウント異常検出用論理回路の出力を入力し、前記不足電圧カウント異常検出用論理回路の出力が存在し、前記放電回路用ゲート信号生成回路の出力が存在するとき前記放電回路を駆動する信号をブロックする放電回路用論理回路と、
前記不足電圧カウント異常検出用論理回路の出力が存在し前記インバータ用ゲート信号生成回路の出力が存在したとき、前記インバータを駆動するゲート信号をブロックするインバータ用論理回路と、
前記インバータ用論理回路の出力が無いとき前記インバータを駆動する信号をブロックし、前記放電回路用論理回路の出力が無いとき前記放電回路を駆動する信号をブロックする誤動作防止回路を具備したことを特徴とする無停電電源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、交流電源から供給された電力を負荷機器へ供給すると共に、交流電源に異常が生じた場合、直流電源により一定時間停電することなく電力を供給し続ける無停電電源装置に係わり、直流電源による電力供給中にバイパス回路が短絡故障した際、交流電源とコンバータの交流回路への逆給電、及び、停復電を繰り返す誤動作を防止できる無停電電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の無停電電源装置では、交流入力電圧不足による蓄電池給電中にバイパス回路が故障した場合、故障回路を経由して交流入力側に逆給電されるとともに、交流入力給電と蓄電池給電を繰り返す誤動作が起こってしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2010−509902号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の回路では交流入力異常時よる蓄電池供給中にバイパス回路7が故障した場合、バイパス回路を経由して交流入力側に逆給電してしまう、また、逆給電されると交流入力電圧検出回路6が交流入力正常であると誤検出し、交流入力給電へ切換、切換後に再度交流入力異常を検出して蓄電池給電へ切換といった誤動作を繰り返す可能性があることから、前記逆給電を検出して保護する機能が必要となる。
【0005】
本実施形態は、直流電源の池給電中にバイパス回路が短絡故障した際に起こる逆給電、及び、交流入力給電と直流電源の給電の切換を繰り返す誤動作を防ぐことを目的とする。
【0006】
無停電電源装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本実施形態の代表例は、交流電源からの交流電力を回路開閉手段を介してコンバータで直流電力に変換し、前記直流電力をインバータにより交流電力に変換して負荷に供給し、前記コンバータと前記インバータに並列にバイパス回路を接続し、前記コンバータと前記インバータの直流回路に直流電源からの直流電力を放電回路を介して供給するようにし、前記交流電源に異常が生じた場合前記直流電源により一定時間前記負荷に電力を供給する無停電電源装置において、前記交流電源の不足電圧回数をカウントし、カウント異常検出設定時間内にカウント数が不足電圧カウント異常検出レベルを上回ったときに前記回路開閉手段を開とする誤動作防止装置を具備した無停電電源装置である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態1について
図1を参照して説明するが、始めに実施形態1の概要について説明する。本実施形態1の概略構成は、
図1に示すように交流電源13からの交流電力を回路開閉手段例えば交流開閉器14を介してコンバータ1で直流電力に変換し、直流電力をインバータ3により交流電力に変換して負荷(図示せず)に供給し、コンバータ1とインバータ3に並列にバイパス回路7を接続し、コンバータ1とインバータ3の直流回路に直流電源4例えば蓄電池からの直流電力を放電回路5を介して供給するようにし、交流電源13に異常が生じた場合直流電源4により一定時間前記負荷に電力を供給する無停電電源装置において、交流電源13の不足電圧回数をカウントし、カウント異常検出設定時間内にカウント数が不足電圧カウント異常検出レベルを上回ったときに交流開閉器14を開とする誤動作防止装置を具備したものである。
【0010】
以下具体的な構成について述べる。交流電源13から供給される交流電力を直流電力に変換するコンバータ1と、コンバータ1の出力波形を平滑化するコンデンサ2例えば電解コンデンサと、コンバータ1により変換された直流電力を交流電力に変換して負荷側へ出力するインバータ3と、インバータ3を点弧するゲート信号を発信するインバータ用ゲート信号生成回路8と、インバータの直流側に接続された直流電源4例えば蓄電池と、直流電源4の電圧を変更例えば昇圧してインバータ3の直流側に供給する放電回路5と、コンバータ1とインバータ3に並列に接続され、かつ交流電源13の交流電力を直接負荷側へ供給するバイパス回路7と、交流電源13の交流電圧の値を検出する交流電源電圧検出回路6と、交流電源電圧検出回路6の不足電圧レベルを設定する交流不足電圧レベル設定器9と、交流電源電圧検出回路6の交流電圧検出値Xと、交流不足電圧レベル設定器9の設定値である不足電圧レベルYとを比較し、交流電圧検出値Xが不足電圧レベルYを下回ると0を出力する不足電圧比較器10とを備えている。
【0011】
また、不足電圧比較器10の出力を取込み、コンバータ1を点弧する信号を発信するコンバータ用ゲート信号生成回路11と、不足電圧比較器10の出力を取込み、放電回路5を点弧する信号を発信する放電回路用ゲート信号生成回路12と、交流電源13とコンバータ1の間の交流回路を開閉する交流開閉器14と、交流開閉器14の制御を行う交流開閉器用信号生成回路15と、不足電圧比較器10の0出力回数である、不足電圧回数をカウントする不足電圧回数カウンタ16と、不足電圧のカウント異常を検出する不足電圧回数異常レベルを設定する不足電圧回数異常レベル設定器17と、不足電圧回数カウンタ16のカウト値Xと不足電圧回数異常レベル設定器17の設定値Yを比較し、不足電圧回数カウンタ16のカウント値Xが不足電圧回数異常レベル値Yを上回ると1を出力し、不足電圧回数カウンタ16のカウント値Xが不足電圧回数異常レベル値Yを上回らないと0を出力する不足電圧カウント比較器18と、カウント異常検出時間を設定するカウント異常検出時間設定器19と、不足電圧比較器10からのカウント比較器18の0出力を受けてカウント異常検出時間設定器19の設定値となるまでダウンカウントし、カウントゼロになるまで1を出力するカウント異常検出時間ダウンカウンタ20とを備えている。
【0012】
さらに、カウント異常検出時間ダウンカウンタ20の出力と不足電圧カウント比較器18の出力が入力され、その両方から出力があるときに1を出力し、またその片方からのみ出力があるときに0を出力する不足電圧カウント異常検出用論理回路21例えば論理積素子を備えている。
【0013】
さらにまた、2つの入力端子を有し、このうちの一方の入力端子は反転入力端子であり、他方の入力端子は通常の入力端子であり、反転入力端子には不足電圧カウント異常検出用論理回路21の出力が入力され、かつ通常の入力端子には交流開閉器用信号生成回路15の出力が入力され、交流開閉器用信号生成回路15からの出力が1で、かつ不足電圧カウント異常検出用論理回路21からの出力が0のとき出力が1となり、交流開閉器14が閉となり交流電源13からの給電が可能となり、また交流開閉器用信号生成回路15からの出力が1で、かつ不足電圧カウント異常検出用論理回路21からの出力が1のとき出力が0となり、交流開閉器14が開となり交流電源13からの給電が停止される交流開閉器用論理回路22例えば反転入力端子と入力端子を有する論理積素子とを備えている。
【0014】
なお、コンバータ用ゲート信号生成回路11は、具体的にはコンバータ1の半導体素子にゲート信号を与えるゲート信号生成回路11aと、ゲート信号生成回路11aの出力と不足電圧比較器10の出力を取り込む、両信号が共に存在するとき、コンバータ3にゲート信号を出力する論理積素子11bからなっている。放電回路用ゲート信号生成回路12は、具体的には放電回路5にゲート信号を与えるゲート信号生成回路12aと、ゲート信号生成回路12aの1出力と、不足電圧比較器10の0出力を取り込み、論理積が成立するとき、放電回路5にゲート信号を出力するものであって、一方の入力端子は反転入力端子を備え、他方のに入力端子は通常の入力端子を備えた論理積素子12bからなっている。
【0015】
このように構成された実施形態1では、カウント異常検出時間設定器19により設定されたカウント異常検出時間内に、不足電圧検出カウントが不足電圧異常検出レベルを上回ったときに交流開閉器14を開とする信号が与えられることで、直流電源4の給電中にバイパス回路7が短絡故障した際の逆給電、及び、交流電源13からの給電と直流電源4からの給電の切換を繰り返す誤動作を防ぐ効果が得られる。
【0016】
実施形態2の概略構成は、
図2に示すように交流電源13からの交流電力をコンバータ1で直流電力に変換し、直流電力をインバータ3により交流電力に変換して負荷(図示せず)に供給し、コンバータ1とインバータ3に並列にバイパス回路7を接続し、コンバータ1とインバータ3の直流回路に直流電源4例えば蓄電池からの直流電力を放電回路5を介して供給するようにし、交流電源13に異常が生じた場合直流電源4により一定時間前記負荷に電力を供給する無停電電源装置において、交流電源13の電圧不足回数をカウントし、カウント異常検出設定時間内にカウント数が不足電圧カウント異常検出レベルを上回ったときに、インバータ3を駆動する信号をブロックする誤動作防止装置を具備したものである。
【0017】
以下実施形態2の具体的な構成について述べるが、ここでは
図1と異なる点を主として説明する。
図1の交流開閉器14、交流開閉器用信号生成回路15、交流開閉器用論理回路22を省き、この代わりにインバータ用論理回路23例えば論理積素子を設けたものである。インバータ用論理回路23は、2つの入力端子を有し、このうちの一方の入力端子は反転入力端子であり、他方の入力端子は通常の入力端子であり、反転入力端子には不足電圧カウント異常検出用論理回路21からの出力が入力され、かつ通常の入力端子にはインバータ用ゲート信号生成回路8の出力が入力され、インバータ用論理回路23の出力がインバータ3に与えられるようになっている。
【0018】
図
2において、不足電圧カウント異常検出用論理回路21の出力が
存在しインバータ用ゲート信号生成回路8の出力が存在したとき、インバータ3を駆動するゲート信号がブロックされる。
【0019】
この結果、実施形態2において、カウント異常検出時間設定器19により設定された時間内に不足電圧検出カウントが不足電圧カウント異常レベルを上回った時にインバータ駆動を停止させる信号を発することで、直流電源4の給電中にバイパス回路7が短絡故障した際の逆給電、及び、交流入力給電と蓄電池給電の切換を繰り返す誤動作を防ぐ効果が得られる。
【0020】
以下、実施形態3について
図3を参照して説明するが、始めに実施形態3の概要について説明する。本実施形態3の概略構成は、
図3に示すように交流電源13からの交流電力をコンバータ1で直流電力に変換し、直流電力をインバータ3により交流電力に変換して負荷(図示せず)に供給し、コンバータ1とインバータ3に並列にバイパス回路7を接続し、コンバータ1とインバータ3の直流回路に直流電源4例えば蓄電池からの直流電力を放電回路5を介して供給するようにし、交流電源13に異常が生じた場合直流電源4により一定時間前記負荷に電力を供給する無停電電源装置において、交流電源13の電圧不足回数をカウントし、カウント異常検出設定時間内にカウント数が不足電圧カウント異常検出レベルを上回ったときに、インバータ3を駆動する信号及び放電回路5を駆動する信号をブロックする誤動作防止装置を具備したものである。
【0021】
以下実施形態3の具体的な構成について
図3を参照して説明するが、ここでは
主として
図2と異なる点を述べる。新たに、放電回路用論理回路24を設けたものである。放電回路用論理回路24は2つの入力端子を有し、このうちの一方の入力端子は反転入力端子であり、他方の入力端子は通常の入力端子であり、反転入力端子には図
3の不足電圧カウント異常検出用論理回路21からの出力が入力され、かつ通常の入力端子には
放電回路用ゲート信号生成回路12の出力が入力され、
放電回路用論理回路24の出力が
放電回路5に与えられるようになっている。
【0022】
このような構成において、インバータ3について、不足電圧カウント異常検出用論理積素子21から1が出力されると、インバータ用論理回路23の値が0となり、インバータ駆動を停止させる信号が発信されると共に、放電回路用論理回路24からのゲート信号が停止される。
【0023】
この結果実施形態3において、カウント異常検出時間設定器19により設定された時間内に不足電圧検出カウントが不足電圧カウント異常レベルを上回った時にインバータ3の駆動及び放電回路5の駆動を停止させる信号を発することで、直流電源4の給電中にバイパス回路7が短絡故障した際の逆給電、及び、交流入力給電と蓄電池給電の切換を繰り返す誤動作を防ぐ効果が得られる。
【符号の説明】
【0024】
1…コンバータ、2…コンデンサ、3…インバータ、4…直流電源、5…放電回路、6…交流電源電圧検出回路、7…バイパス回路、8…インバータ用ゲート信号生成回路、9…交流不足電圧レベル設定器、10…不足電圧比較器、11…コンバータ用ゲート信号生成回路、12…放電回路用ゲート信号生成回路、13…交流電源、14…交流開閉器、15…交流開閉器用信号生成器、16…不足電圧カウンタ、17…不足電圧カウント異常検出回路、18…不足電圧カウント比較器、19…カウント異常検出時間設定器、20…カウント異常検出時間設定器、21…不足電圧カウント異常検出用論理回路、22…交流開閉器用論理回路、23…インバータ用論理回路、24…放電回路用論理回路。