【実施例】
【0080】
実施例1:少なくとも1つの(3,4−アルコキシまたはヒドロキシ置換フェニル)−プロペナール部分を有する化合物および誘導体の調製
一部の実施形態において、単一の(置換フェニル)プロペナールコア構造単位(モノマー)で構成された化合物を、標準的および高度有機合成を通して調製した。一部の実施形態において、2つ以上の(置換フェニル)プロペナールコア構造部分で構成された化合物を、文献中で公知の方法による置換ベンズアルデヒドおよび2,4−ペンタンジオンまたは3−置換−2,4−ペンタンジオンの縮合によって調製した。Pedersenら、(Liebigs Ann.Chem.、1557−1569、1985)。縮合の前後いずれかで、接合架橋のC4上およびビフェニル環上の所望の置換基を合成した。2つのフェニル部分の間の接合架橋の長さは、合成戦略を通して炭素5個から炭素11個まで変動させることができると考えられる。保護基を適切に付加し除去することで、開示された誘導体の究極的合成が可能となる。さらに、さまざまな合成ステップを、代替的順序で実施して所望の化合物を得ることも可能である。
【0081】
さらに、適切な溶媒、例えばジクロロメタン中において、有機塩基例えばトリエチルアミンの存在下でオキシ塩化リンと化合物(置換フェニル)−プロぺナール部分を有する化合物とを反応させることによって、誘導体リン酸塩プロドラッグを調製した。水中で酒石酸と(置換フェニル)−プロぺナール部分を有する可能物を反応させることによって、開示された化合物の酒石酸塩を水溶性塩として合成した。
【0082】
化学的合成
Fisher−John融点測定装置上で融点を測定し、補正しなかった。内部標準としてテトラメチルシラン(TMS)を用いて、Varian Gemini300またはInova500分光計上で、プロトン核磁気共鳴(
1H NMR)および
13C NMRスペクトルを測定した。外部標準としてリン酸を用いて500MHzのVarian Inova分光計上で
31P NMRを行なった。化学シフトは、δ(ppm)で報告されている。Agilent 1100シリーズLC−MSD−TrapまたはPE−SciexAPI−3000分光計上で、質量スペクトル(MS)を得た。シリカゲル(100〜200メッシュ)またはアルミナ(酸化アルミニウム、塩基性、Brockmann I、標準グレード、〜150メッシュ)上で、フラッシュカラムクロマトグラフィを実施した。HPLCは、Shimadzu SCL 10A計器上で実施した。HPFCは、BiotageシステムまたはISCO Inc.のChemflashクロマトグラフィシステム上で実施した。分離および精製のためには、シリカゲルプレート(Kieselgel 60、F254、1.00mm)上の分取薄層クロマトグラフィ(PTLC)も使用した。薄層クロマトグラフィ(TLC)分析のためには、予備コーティングしたシリカゲルプレート(Kieselgel 60、F254、0.25mm)を使用した。公開された方法(Pedersenら、Liebigs Ann.Chem.、1557〜1569、1985)に基づいて2,4−ペンタンジオンと3,4−ジメトキシベンズアルデヒドとの反応により、出発材料としてASC−J9を合成した。
【0083】
モノマー1、3、5〜7の合成。
ここで提供されている化合物の基本構造である(3,4−ジメトキシまたは3−メトキシ,4−ヒドロキシ置換フェニル)−プロぺナール部分を構造的に伴うモノマーを、3−(3’,4’−ジメトキシ−フェニル)−アクリル酸と対応する試薬(モノマー1、3)との反応あるいは3,4−ジメトキシ−ベンズアルデヒドまたは3−メトキシ−4−ヒドロキシベンズアルデヒドとレブリン酸エチル(モノマー5および6)との反応によって合成した。3−(3,4−ジメトキシフェニル)プロパンから出発して2つのステップを通してモノマー7を合成した。より具体的に、モノマーの合成方法を以下に記載し、スキーム1の中で例示する。
【0084】
モノマー1、すなわち3−(3’,4’−ジメトキシ−フェニル)−アクリル酸メチルエステルを、酢酸塩化物の存在下でメタノールと3−(3’−4’−ジメトキシ−フェニル)−アクリル酸とを反応させることで合成した。2.5時間還流の後、反応混合物を蒸発により3分の1に濃縮し、白色固体を濾過し真空中で乾燥させて、白色結晶性固体として76%の収量で所望の生成物を得た。融点74〜75℃。ESI MS m/z:223.0[M+H]
+;
1H NMR(300MHz、CDCl
3)δ:7.64(d、1H、J=15.9Hz、H−3)、7.11(dd、1H、J=6.9、2.1Hz、H−6’)、7.05(d、1H、J=2.4Hz、H−2’)、6.85(d、1H、J=8.4Hz、H−5’)、6.32(d、1H、J=15.9Hz、H−2)、3.92(s、6H、フェニルOCH
3)、3.80(s、3H、エステルOCH
3)。
【0085】
混合無水物であるモノマー3を、Et
3Nの存在下でのトルエン/CH
2Cl
2(1:1)中の3−(3’,4’−ジメトキシ−フェニル)−アクリル酸の反応により調製した。溶液を0℃まで冷却し、クロロギ酸エチル(1.5当量)を滴下により添加した。0℃で2時間撹拌した後、沈殿物を濾過して除去した。濾液を濃縮して比較的純粋な白色固体を得、これを薄いシリカゲルパッドを通して高速濾過により精製し、ヘキサン:酢酸エチル(1:0〜4:1)で溶出して、白色固体として所望の生成物を大量に得た。ESI MS m/z:281.0[M+H]
+;
1H NMR(300MHz、CDCl
3)δ:7.78(d、1H、J=15.9Hz、H−3)、7.15(dd、1H、J=8.4、1.8Hz、H−6’)、7.06(d、1H、J=1.8Hz、H−2’)、6.89(d、1H、J=8.4Hz、H−5’)、6.29(d、1H、J=15.9Hz、H−2)、4.37(q、2H、J=6.9Hz、OC
H2CH
3)、3.92(d、6H、J=1.2Hz、フェニルOCH
3)、1.40(t、3H、J=7.2、OCH
2C
H3)。
【0086】
モノマー5、すなわち6−(3’,4’−ジメトキシ−フェニル)−4−オキソ−ヘクス−5−エン酸エチルエステルを、スキーム1に示されている通りレブリン酸エチルと3,4−ジメトキシ−ベンズアルデヒドとの反応により合成した。レブリン酸エチル(1当量)は、酢酸エチル中で40℃で30分間、酸化ホウ素(0.7当量)と反応させた。結果として得た混合物に対してホウ酸トリブチルと3,4−ジメトキシ−ベンズアルデヒド(両方共1当量)を添加し、混合物を40〜42℃で30分間撹拌した。酢酸エチル中のブチルアミン(0.7当量)の溶液をゆっくりと添加し、混合物を40〜42℃でさらに一晩撹拌した。5%の塩酸(1.3当量)を添加し、反応混合物を60℃で1時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、分割した。水性部分を酢酸エチルで2回抽出した。組合わされた酢酸エチル抽出物をpH4まで水で洗い、MgSO
4上で乾燥させた。濾過および濃縮の後、粗製物をPTLCで精製して、白色固体としてモノマー5を得た。融点62〜63℃。ESI MS m/z:293.2[M+H]
+;
1H NMR(300MHz、CDCl
3)δ:7.55(d、1H、J=16.2Hz、H−6)、7.14(dd、1H、J=9.0、2.1Hz、H−6’)、7.08(d、1H、J=1.8Hz、H−2’)、6.88(d、1H、J=8.4Hz、H−5’)、6.65(d、1H、J=16.2Hz、H−5)、4.16(q、2H、J=6.9Hz、OC
H2CH
3)、3.93(s、6H、フェニルOCH
3)、3.01(t、2H、J=6.6Hz、H−3)、2.69(t、2H、J=6.6Hz、H−2)、1.27(t、3H、J=6.9、OCH
2C
H3)。
【0087】
モノマー5の合成において記録されたものと類似の方法を用いて、バニリンとレブリン酸エチルとの反応によりモノマー6、すなわち6−(4−ヒドロキシ−3−メトキシ−フェニル)−4−オキソ−ヘクス−5−エン酸エチルエステルを合成した。所望の化合物を、黄色の結晶性固体として得た。融点55〜56℃。ESI MS m/z:279.2[M+H]
+;
1H NMR(300MHz、CDCl
3)δ:7.54(d、1H、J=15.0Hz、H−6)、7.12〜7.06(m、2H、芳香族H)、6.94(d、1H、J=8.1Hz、芳香族H−5’)、6.63(d、1H、J=15.0Hz、H−5)、4.16(q、2H、J=7.2Hz、OC
H2CH
3)、3.94(s、3H、フェニルOCH
3)、3.01(t、2H、J=6.9Hz、H−3)、2.69(t、2H、J=6.9Hz、H−2)、1.27(t、3H、J=7.2、OCH
2C
H3)。
【0088】
モノマー7、すなわち7−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−ヘプト−6−エン−2,5−ジオンを、3−(3,4−ジメトキシフェニル)プロパンにより2つのステップを通して作製した。Q110(スキーム13)の合成で記載された通りに、3,4−ジメトキシ桂皮アルデヒドを60%の収量で作製した。結果として得た化合物(1当量)をドライEtOH中に溶解させ、3−ブテン−2−オン(1当量)を添加した。N
2下で反応溶液を80℃まで加熱し、3−ベンジル−5−(2−ヒドロキシエチル)−4−メチル−1,3−チアゾリウムクロリド(0.1当量)、EtOH中のTEA(0.4当量)を滴下により添加した。結果として得た反応混合物を10時間その温度で撹拌し、次に蒸発させて、黄色の油性残渣を得た。粗製物をCH
2Cl
2中に溶解させ、0.5%のH
2SO
4、2%のNaHCO
3および食塩水で洗浄した。Na
2SO
4上での乾燥の後、粗製物をAl
2O
3フラッシュカラムを通したクロマトグラフィによって精製し、それに続いて、エチルエーテルおよびペンタンから結晶化して、オフホワイトの固体として標的化合物を得た。融点71〜73℃。ESI MS m/z:263.0[Μ+Η]
+;
1H NMR(300MHz、CDCl
3)δ:7.55(d、1H、J=16.2Hz、H−6)、7.14(dd、1H、J=9.9、2.1Hz、H−6’)、7.08(d、1H、J=1.8Hz、H−2’)、6.88(d、1H、J=8.4Hz、H−5’)、6.64(d、1H、J=16.2Hz、H−5)、3.93(s、6H、フェニルOCH
3)、2.98(t、2H、J=6.0Hz、H−3)、2.83(t、2H、J=6.0Hz、H−3)、2.24(s、3H、COC
H3)。
【0089】
スキーム1
【化26】
【0090】
化合物Q9、Q44、Q49、Q50、Q77、およびQ98の合成。
AR活性に対する化合物のC4−置換の効果を研究するため、異なる官能基(例えばヒドロキシル、エステルおよびアミドなど)を伴うさまざまなC4‐置換化合物を合成した。これらの化合物は、塩基性条件で適切な臭化物または塩化物化合物(または化合物Q9を作製するためには代替として酸化エチレン)を用いてスキーム2に記された方法を通して合成された1,7−ビス−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−5−ヒドロキシ−ヘプタ−1,4,6−トリエン−3−オン(ASC−J9)を処理することによって調製された。
【0091】
化合物Q9は、以下の通りに合成した。すなわち、0.1mmolの臭化テトラブチルアンモニウム(位相伝達触媒、PTC)を含有する1NのNaOH水溶液(0.2mL、0.2mmol)に対して、CH
2Cl
2(0.5mL)中のASC−J9(0.1mmol)を添加した。混合物を室温で10分間撹拌し、2−ブロモエタンアルコール(0.2mmol)または酸化エチレン(25mmol)を添加した。化合物Q9については、結果として得た反応混合物を40℃で一晩撹拌した。2層を分離し、水性をCH
2Cl
2で3回抽出した。組合わせた有機層をNa
2SO
4上で乾燥させ、濃縮した。粗製残渣をPTLCによって精製し、EtOAcから再結晶させた。化合物Q9についての分析データを以下に示す。
【0092】
化合物Q9:黄色結晶性固体(EtOAc)、融点149〜150℃。ESI MS m/z:441.3[M+H]
+;
1H NMR(300MHz、CDCl3)δ:7.63(d、1H、J=15.9Hz、H−1)、7.53(d、1H、J=15.9Hz、H−7)、7.14〜7.04(m、4H、芳香環H)、6.88〜6.85(2H、芳香環H)、6.65(d、1H、J=15.9Hz、H−2)、6.31(d、1H、J=15.9Hz、H−6)、4.29(t、2H、J=12、および6Hz、CH
2CH2OH)、3.94〜3.88(12H、OCH
3、)、2.84〜2.79(t、1H、C4−H)、2.14〜2.10(m、2H、C
H2CH
2OH)。
【0093】
化合物Q44、Q49、Q77は、スキーム2に示された通り、K
2CO
3およびCs
2CO
3(9:1)またはNaHの存在下で適切な臭化物または塩化物化合物とCH
2Cl
2またはTHF中でASC−J9を反応させることによって合成した。化合物Q49およびQ77を作製する実施例について。THF中のNaH(4当量)の溶液に対し、0℃でASC−J9(1当量)を加えた。結果として得た溶液を、0.5時間0℃で撹拌し、その後室温で1.5時間撹拌した。2−クロリド−N,N−ジエチルアセトアミド(4当量)(Q49の場合)または2−クロリド−N,N−ジエチルアセトアミド(4当量)(Q77の場合)を添加した。結果として得た混合物を加熱して一晩還流させた。反応混合物をr.t.(室温)まで冷却し、EtOAcで希釈し、10%のH
2SO
4水溶液で洗浄した。有機層をさらに飽和NaHCO
3、H
2Oおよび食塩水で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させた。所望の生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィで精製し、EtOAcから結晶化させた。
【0094】
化合物Q49:黄色結晶性固体、融点166〜167℃。ESI MS m/z:510.7[M+H]
+;
1H NMR(300MHz、CDCl3)δ:7.68(d、2H、J=15.9Hz、H−1,7)、7.16〜7.06(4H、芳香環H)、6.87〜6.84(2H、芳香環H)、6.80(d、2H、J=15.9Hz、H−2,6)、4.97(t、1H、J=12.0および6.0Hz、C4−H)、3.92〜3.89(12H、OCH
3)、3.43〜3.33(m、4H、CH
2CON(
CH2CH
3)
2)、3.04(d、2H、J=6.6Hz、C4−
CH2CON(CH
2CH
3)
2)、1.24(t、3H、CH
2CON(CH
2C
H3)
2)、1.09(t、3H、CH
2CON(CH
2C
H3)
2)。
【0095】
化合物Q77:黄色結晶性固体、融点155〜157℃。ESI MS m/z:482.2[M+H]
+;
1H NMR(300MHz、CDCl3)δ:7.68(d、2H、J=15.6Hz、H−1,7)、7.16〜7.06(4H、芳香環H)、6.87〜6.83(2H、芳香環H)、6.77(d、2H、J=15.6Hz、H−2,6)、4.92(t、1H、J=13.5および6.6Hz、C4−H)、3.92〜3.88(12H、OCH
3)、3.09〜3.04(m、5H、−C
H2COおよびN(C
H3))、2.94(s、3H、N(C
H3))。
【0096】
化合物Q50およびQ98を合成し、それらの活性をQ44およびQ49と比較した(スキーム3)。ドライジクロロメタン中の5−ヒドロキシ−1,7−ビス−(4−ヒドロキシ−3−メトキシ−フェニル)−ヘプタ−1,4,6−トリエン−3−オンおよび3,4−ジヒドロ−2H−ピラン(20当量)の溶液に対して、クロロクロム酸ピリジニウム(PPTS)(0.1当量)を添加した。結果として得た溶液を室温で48時間撹拌した。その後溶液を水で洗浄した。溶媒を除去し、結果として得た化合物をBiotageカラムクロマトグラフィ上で精製した。K
2SO
3およびCs
2CO
3(9:1)の存在下でブロモ酢酸エチル(Q50)または2−クロリド−N,N−ジエチルアセトアミド(4当量)(Q98)と得られた生成物(Q1)とを反応させ、次にPPTS/EtOHによりTHP保護基を除去することで、それぞれ所望の生成物Q50およびQ58を得た。
【0097】
化合物Q50:非晶質。融点63〜65℃。ESI MS m/z:455.2[M+H]
+;
1H NMR(300MHz、CDCl3)δ:7.65(d、2H、J=15.9Hz、H−1,7)、7.19〜7.04(6H、芳香環H)、6.72(d、2H、J=15.9Hz、H−2,6)、4.16(2H、COOC
H2CH
3)、3.96〜3.92(6H、OCH
3)、3.04(d、2H、J=7.2Hz、C4−C
H2COOCH
2CH
3)、1.27〜1.23(3H、COOCH
2C
H3)。
【0098】
化合物Q98:非晶質。融点68〜71℃。ESI MS m/z:482.10[M+H]
+;
1H NMR(300MHz、CDCl3)δ:7.65(d、2H、J=15.9Hz、H−1,7)、7.12〜7.03(4H、芳香環H)、6.94〜6.89(2H、芳香環H)、6.76(d、2H、J=15.9Hz、H−2,6)、4.96(t、1H、J=13.2および6.9Hz、C4−H)、3.92〜3.89(6H、OCH
3)、3.44〜3.33(m、4H、CH
2CON(C
H2CH
3)
2)、3.04(d、2H、J=6.6Hz、C4−C
H2CON(CH
2CH
3)
2)、1.25(t、3H、CH
2CON(CH
2C
H3)
2)、1.10(t、3H、CH
2CON(CH
2C
H3)
2)。
【0099】
スキーム2
【化27】
【0100】
スキーム3
【化28】
【0101】
化合物の合成:Q12。
この化合物は、スキーム4に示されている通り市販の置換ベンズアルデヒドと4−アセチル−5−オキソヘキサノエートから出発して合成された。
【0102】
より具体的には、4−アセチル−5−オキソヘキサノエートを40℃で30分間酢酸エチル中の酸化ホウ素(0.7当量)と反応させた。結果として得た混合物に対してホウ酸トリブチルと3−メチル−4−ヒドロキシベンズアルデヒド(共に1.6〜1.8当量)を添加し、混合物を40〜42℃で30分間撹拌した。酢酸エチル中のブチルアミン(1.5当量)の溶液をゆっくりと添加し、混合物を40〜42℃でさらに一晩撹拌した。10%の塩酸(2.5当量)を添加し、反応混合物を60℃で1時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、分割した。水性部分を2回酢酸エチルで抽出した。組合わせた酢酸エチル抽出物をpH〜4まで水で洗い、MgSO
4上で乾燥させた。濾過および濃縮の後、溶離剤としてヘキサン:酢酸エチルを用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィ(HPFC)により粗製物を溶出させ、酢酸エチルから結晶化させた。
【0103】
スキーム4
【化29】
【0104】
化合物の合成:Q30、Q35、およびQ70
AR活性におけるジケトン基の機能を研究するため、ケトンの1つがイミン基で置換えられた一連の化合物を合成した。
【0105】
BF
3・OEt
2の存在下で適切なアミンとASC−J9を反応させることによって、化合物Q30、Q35を合成した(スキーム5)。例えば、1,2−ジクロロエタン中のASC−19の溶液に対してN,N−ジエチルアミン(化合物Q30)(1.2当量)を添加した。結果として得た溶液を−30℃に冷却し、新鮮なBF
3・OEt
2(2当量)を滴下により添加した。混合物を窒素下で−30℃から室温まで撹拌すると同時に、TLC監視した。ピリジン(およそ3当量)を添加しながら急冷した後、混合物を食塩水で洗浄し、MgSO
4上で乾燥させた。溶媒を蒸発させ、フラッシュカラムクロマトグラフィで精製することで、所望の生成物Q30が得られた。ESI MSm/z:452.4[M+H]
+。
【0106】
スキーム5に示されている通り、無水トルエン中の(R)−(−)−2−フェニルグリシノール(1.16mmol)とASC−J9(0.75mmol)との反応により、化合物Q70を合成した。反応混合物を加熱して、Dean−Starkトラップで一晩還流させた。溶媒を蒸発させ、酢酸エチルを添加し、再度蒸発させた。得られた粗製物をBiotageシステム上でカラムクロマトグラフィによって精製して、浅黄色の固体として所望の生成物Q70を得た。ESI MS m/z:516.4[M+H]
+;
1H NMR(300MHz、CDCl3)δ:7.54(d、1H、J=15.6Hz、H−l)、7.40〜7.28(5H、芳香環H)、7.13(d、1H、J=15.9Hz、H−6)、7.16〜7.09(2H、芳香環H)、6.95〜6.80(4H、芳香環H)、6.68(d、1H、J=15.6Hz、H−2)、6.63(d、1H、J=15.9Hz、H−7)、5.63(s、1H、C4−H)、3.94〜3.83(m、15H)。
【0107】
スキーム5
【化30】
【0108】
化合物の合成:Q99、Q106、Q113、JM2、およびJM20。
AR活性に対するC4側鎖の効果を継続的に研究するにあたり、C4置換を含むカルボニル基を伴う一連の化合物を合成した。化合物Q99は、スキーム6に示される通り、ASCJ−9と3−クロロ−2−メトキシメトキシ−プロペンの反応とそれに続くメトキシメチル基の除去によって合成した。より具体的には、NaOH(2当量)とテトラブチルアンモニウムビスルフェート(TBABS)の水溶液を5分間撹拌した。反応溶液に対し、室温で1,4−ジオキサン中のASCJ−9(1当量)の溶液を滴下により添加し、結果として得た赤色の二相混合物を室温で10分間撹拌した。この混合物に対して、1,4−ジオキサン中の3−クロロ−2−メトキシメトキシ−プロペン(1.5当量)を添加し、結果として得た溶液を室温で5分間撹拌し、次に70℃で一晩撹拌した。濾過により固体を除去し、濾液を乾燥に至るまで濃縮した。結果として得た残渣を1%のH
2SO
4/ジオキサン(2:1、体積比)中に懸濁させ、懸濁液をTLC監視しながら室温で4時間撹拌した。反応混合物をCH
2Cl
2で抽出し、Na
2SO
4上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗製物をフラッシュカラムクロマトグラフィによって精製し、ヘキサン/EtOAc混合物で溶出して、所望の生成物を黄色の結晶性固体として得た。融点163〜166℃。ESI MS m/z:453.1[M+H]
+。
【0109】
スキーム6
【化31】
【0110】
スキーム2中で化合物Q44を作製するために記載された方法を用いて、化合物Q106およびQ113を合成した。Q106を作製するための一例を以下の通りに説明する。ドライCH
2Cl
2(5mL)中のASC−J9(0.25mmol)の溶液に対して、2−ブロモ−1−フェニル−エタノン(1.2当量)、K
2CO
3/Cs
2CO
3(10:1)(〜2当量)を添加した。反応混合物を、TLC監視しながら室温で一晩撹拌した。反応混合物をEtOAcで希釈し、H
2Oで洗浄し、次にNa
2SO
4上で乾燥させた。得られた粗製物を、ヘキサンおよびEtOAc混合物で溶出されるシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィにより精製して、所望の生成物を得た。
【0111】
化合物Q106、黄色結晶、融点160〜2℃。ESI MS m/z:515.2[M+H]
+;
1H NMR(300MHz、CDCl
3)δ:8.14〜8.01(2H、芳香環H)、7.74〜7.68(2H、H−1,7)、7.65〜7.46(m、4H、芳香環H)、7.18〜7.15(1H、芳香環H)、7.09〜7.06(2H、芳香環H)、6.91〜6.80(m、4H、芳香環H)、6.69(d、2H、J=15.3Hz、H−2,6)、3.92〜3.90(12H、OCH
3)、3.78(2H、−C
H2CO)。
【0112】
化合物Q113、黄色の綿毛様固体、融点145〜7℃。ESI MS m/z:479.1[M+H]
+;
1H NMR(300MHz、CDCl
3)δ:7.75(d、1H、J=15.3Hz、H−1,7)、7.20〜7.17(2H、芳香環H)、7.07〜7.06(2H、芳香環H)、6.90、6.88(2H、芳香環H)、6.86(1H、J=15.3Hz、H−2,6)、3.95〜3.93(12H、OCH
3)、3.76(2H、−C
H2CO)、2.14〜2.05(m、1H、シクロプロピル−H)、1.10〜1.04(m、2H、シクロプロピル−H)、0.93〜0.86(m、2H、シクロプロピル−H)。
【0113】
スキーム7で示された通り、ドライアセトン中で無水炭酸ナトリウム(40mg)およびヨードアセトアミド(80mg)とASC−J9(40mg)を反応させることによって、化合物JM2を合成した。反応混合物を加熱して24時間還流させた。冷却後、混合物を濾過して無機固体を除去し、濾液を蒸発させた。得られた粗製残渣を分取シリカゲルクロマトグラフィプレート(酢酸エチルのみ)によって精製して、浅黄色の固体として所望の生成物を得た。
【0114】
化合物JM2、非晶質;ESI MS m/z:452.2[M+H]
+;
1H NMR(300MHz、CDCl3)δ:7.79(d、2H、J=15.3Hz、H−l,7)、7.4〜6.4(6H、芳香環H)、6.33(d、2H、J=15.3Hz、H−2,6)、3.93、3.92(全てs、両方6H、OC
H3)、2.06(d、J=6.3Hz、2H、C
H2CONH
2)。
【0115】
JM−10の合成。1.0グラムのASC−J9、5mlの無水酢酸、および1mlのオルトギ酸トリメチルの混合物を70℃で22時間撹拌した(スキーム7)。その後溶液を、乾燥に至るまで真空蒸発させた。残渣をCH
2Cl
2−エタノール中に再度溶解させて、再結晶化させた。橙赤色の結晶(270mg)として、化合物JM10を得た;融点137〜138℃;ESI MS m/z:425.2[M+H]
+;
1H NMR(300MHz、CDCl
3)δ:10.37(s、1H、C4−CO
H)、7.94、7.71(両方d、各々2H、J=15.6Hz、H−l,2,6,7)、7.26(dd、2H、J=1.8、8.7Hz、芳香族5’−H)、)、7.17(d、2H、J=1.8Hz、芳香族2’−H)、6.91(d、2H、J=8.7Hz、芳香族6’−H)、3.97、3.95(両方s、各々6H、OCH
3)。
【0116】
スキーム7
【化32】
【0117】
化合物Q100、Q101、JM1、JM6、およびJM7の合成。
抗前立腺癌活性を増強することを意図したASC−J9のC4位に不飽和側鎖を伴う化合物Q100、Q101、JM1、JM6、およびJM7を作製した。化合物Q100は、K
2CO
3の存在下で60℃で一晩CH
2Cl
2中において3−ブロモ−プロピンとASC−J9とを反応させることによって合成した。化合物Q101は、K
2CO
3およびKIの存在下で2時間100℃でDMF中においてブロモプロペンとASC−J9を反応させることによって作製した(スキーム8)。粗製化合物を、ヘキサンおよびEtOAc混合物により溶出されるシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィにより精製して所望の生成物を得た。
【0118】
化合物Q100、黄色固体、非晶質、融点75〜78℃。ESI MS m/z:453.1[M+H]
+;
1H NMR(300MHz、CDCl
3)δ:7.75(d、1H、J=15.3Hz、H−1)、7.69(d、1H、J=15.6Hz、H−7)、7.23〜7.05、および6.91〜6.85(m、7H、芳香環HおよびH−2)、6.73(1H、J=15.6Hz、H−6)、3.96〜3.91(12H、OCH
3)、3.46(1H、C4−H)、2.96(s、1H、アセチレン)、2.94〜2.90(dd、2H、−C
H2CCH)。
【0119】
化合物Q101、非晶質、融点69〜72℃。ESI MS m/z:437.1[M+H]
+;
1H NMR(300MHz、CDCl
3)δ:7.71(d、1H、J=15.6Hz、H−l)、7.70(d、1H、J=15.6Hz、H−7)、7.18〜7.12(m、2H、芳香環H)、7.06−7−7.00(m、2H、芳香環H)、6.90〜6.85(2H、芳香環H)、6.85(1H、J=15.6Hz、H−2)、6.67(1H、J=15.6Hz、H−6)、5.64〜5.49(m、1H、エチレンH)、5.19〜5.07(m、2H、エチレンH)、3.94〜3.91(m、12H、OCH
3)、296(d、2H、−C
H2−)。
【0120】
スキーム8
【化33】
【0121】
無水炭酸ナトリウムおよび臭化シンナミルとASC−J9(40mg)とをドライアセトン中で反応させることにより化合物JM1を合成した(スキーム9)。反応混合物を加熱して24時間還流させた。冷却後、混合物を濾過して無機固体を除去し、濾液を蒸発させた。得られた粗製物を分取シリカゲルクロマトグラフィプレート(n−ヘキサン−酢酸エチル=1:1)によって精製して、浅黄色固体として所望の生成物JM1を得た。非晶質;ESI MS m/z:513.4[M+H]
+;
1H NMR(300MHz、CDCl3)δ:7.74(d、2H、J=15.3Hz、H−l,7)、7.32(d、1H、J=18.6Hz、−CH2CH=C
H−)、7.4〜6.4(11H、芳香環H)、6.93(d、2H、J=15.3Hz、H−2,6)、6.46(d、1H、J=18.6Hz、−CH2C
H=CH−)、3.91、3.88(全てs、両方6H、OC
H3)、3.50(br d、2H、−C
H2CH=CH−)。
【0122】
ドライアセトン中で水酸化ナトリウム(20mg)および酢酸ブロモメチル(50mg)とASC−J9(60mg)を反応させることによって、化合物JM6を合成した(スキーム9)。反応混合物を加熱して24時間還流させた。冷却後、混合物を濾過して、無機固体を除去し、濾液を蒸発させた。得られた粗製物を分取シリカゲルクロマトグラフィプレート(n−ヘキサン−酢酸エチル=1:2)により精製して、浅黄色固体として所望の生成物を得た(ESI MS m/z:467.3[M+H]
+)。
【0123】
スキーム9
【化34】
【0124】
上述のJM4の副産物として得られた化合物JM7、EtOAc/ヘキサン由来の黄色の細かい結晶、;融点109〜110℃;ESI MS m/z:545.2[M+H]
+;
1H NMR(300MHz、CDCl
3)δ:7.83(s、1H、C4でCH=C−)、7.79、7.51、6.98、6.83(全てd、各々1H、J=15.5Hz、H−l,2,6,7)、7.20、7.15、7.08(全てdd、各々1H、J=1.8、8.4Hz、芳香族5’−H)、6.87(d、1H、J=8.4Hz、芳香族6’−H)、6.83(d、2H、J=8.4Hz、芳香族6’−H)、7.07、7.06、6.99(全てd、各々1H、J=1.8Hz、芳香族2’−H)、3.92、3.88(全てs、各々6H、OCH
3)、3.90、3.83(全てs、各々3H、OCH
3)。
【0125】
化合物の合成:Q102〜Q104、Q108、Q114〜Q115、JM12〜JM14、およびJM16〜JM19。
鎖長、環サイズ、および鎖末端における官能基(例えばQ108およびJM14)に差異があるASC−J9上のC4−アルキル置換の特性を評価するために、化合物Q102〜Q104、Q108、JM12〜JM14、JM17を合成した。C4側鎖のみならずビフェニル部分上の置換の機能を評価するために、化合物Q114〜Q115、JM16、JM18〜19を合成した。全ての化合物を、塩基としてDBUを有するベンゼン中で適切なアルキルまたはアルキレン(または置換アルキルまたはアルキレン)臭化物またはヨウ素と2,4−ペンタジオンを反応させることにより調製した。結果として得た生成物3−置換2,4−ペンタジオンをさらに3,4−ジメトキシベンズアルデヒドまたは4−メトキシベンズアルデヒドまたは3−メトキシ−4−ヒドロキシベンズアルデヒドと反応させて、所望の生成物を得た(スキーム10)。Q104の作製例を、以下に示した。2,4−ペンタジオン0.2g(2mmol)とDBU30μl(1当量)をベンゼン3mL中で混合する。この溶液に対して、室温で、1mLのベンゼン中のオクチルヨウ素0.48g(1当量)を滴下により添加した。結果として得た溶液を室温で一晩撹拌した。反応混合物を食塩水で洗浄し、CH
2Cl
2で抽出し、Na
2SO
4上で乾燥させ、シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィにより精製してC3−オクタニル置換−2,4−ペンタジオンおよびO−オクチル置換−2,4−ペンタジオンの混合物を得た。上述の方法を通して3,4−メトキンベンズアルデヒドとこの混合物を反応させることで、化合物Q104を得た。
【0126】
化合物Q104、EtOAc/ヘキサン(2:1)由来の黄色固体、融点87〜90℃。ESI MS m/z:509.3[M+H]
+;
1H NMR(300MHz、CDCl3)δ:7.71(d、1H、J=15.6Hz、H−1)、7.63(d、1H、J=15.9Hz、H−7)、7.21〜7.14(m、2H、芳香族H)、7.08〜7.05(m、2H、芳香族H)、6.95(d、1H、J=15.6Hz、H−2)、6.91〜6.84(m、2H、芳香族H)、6.73(d、1H、J=15.9Hz、H−6)、3.94〜3.91(m、12Η、−OCH
3)、2.55(t、1H、H−4)、1.61〜1.22(m、12H、ブチル基)、0.87(m、3H、−CH
3)。
【0127】
スキーム10
【化35】
【0128】
化合物Q102、EtOAc/ヘキサン由来の赤色針状結晶、融点162〜164℃。ESI MS m/z:425.2[M+H]
+;
1H NMR(300MHz、CDCl3)δ:7.73(d、2H、J=15.3Hz、H−1,7)、7.23〜7.19(dd、2H、J=8.1、1.8Hz、芳香族H)、7.09(d、2H、J=1.5Hz、芳香族H)、6.96(d、2H、J=15.3Hz、H−2,6)、6.90(d、2H、J=8.1Hz、芳香環H)、3.96(s、6H、OCH
3)、3.94(s、6H、OCH
3)、2.66〜2.57(m、2H、−C
H2CH
3)、1.24(t、2H、J=15.0、6.0Hz、−CH
2C
H3)。
【0129】
化合物Q103、EtOAc由来の黄色結晶、融点125〜126℃。ESI MS m/z:453.2[M+H]
+;
1H NMR(300MHz、CDCl3)δ:7.74〜7.61(2H、H−1,7)、7.21〜7.06(m、4H、芳香族H)、6.99〜6.71(4H、H−2,6および芳香族H)、3.94〜3.92(12H、−OCH
3)、2.57(t、1H、H−4)、1.51〜1.22(m、6H、−CH
2CH
2CH
2−)、0.87(3H、−CH
3)。
【0130】
化合物Q108、EtOAc由来の黄色固体、融点60〜62℃。ESI MS m/z:515.2[M+H]
+;
1H NMR(300MHz、CDCl3)δ:7.72〜7.60(2H、H−1,7)、7.34〜7.00(m、8H、芳香族H)、6.91〜6.84(3H、芳香族H)、6.82〜6.68(2H、H−2,6)、3.95〜3.92(12H、−OCH
3)、3.46(t、1H、H−4)、2.80〜2.52(m、2H、ベンジルC
H2)、2.12〜1.84(2H、−C
H2−)、1.68〜1.50(2H、−CHC
H2−)。
【0131】
化合物JM12、EtOAc/ヘキサン由来の橙色針状物、;融点138〜139℃;ESI MS m/z:451.2[M+H]
+;
1H NMR(300MHz、CDCl
3)δ:7.72、6.99(両方d、各々2H、J=15.3Hz、H−l,2,6,7)、7.21(dd、2H、J=1.8、8.4Hz、芳香族5’−H)、)、7.08(d、2H、J=1.8Hz、芳香族2’−H)、6.90(d、2H、J=8.4Hz、芳香族6’−H)、5.30(br.s、1H、O
H)、3.95、3.93(両方s、各々6H、OCH
3)、2.65(d、2H、J=6.0Hz、C4−CH
2−)、0.95(m、1H、シクロプロパンのCH)、0.95(m、1H、シクロプロパンのCH)、0.51、0.24(両方m、各々2H、シクロプロパンのCH
2)。
【0132】
化合物JM13、EtOAc/ヘキサン由来の橙色針状物、;融点172〜174℃;ESI MS m/z:493.2[M+H]
+;
1H NMR(300MHz、CDCl
3)δ:7.71、6.97(両方d、各々2H、J=15.3Hz、H−l,2,6,7)、7.20(dd、2H、J=1.8、8.4Hz、芳香族5’−H)、)、7.08(d、2H、J=1.8Hz、芳香族2’−H)、6.92(d、2H、J=8.4Hz、芳香族6’−H)、5.30(br.s、1H、O
H)、3.95、3.94(両方s、各々6H、OCH
3)、2.46(d、2H、J=6.9Hz、C4−CH
2−)、1.90〜1.00(m、11H、1CHおよびシクロヘキサンの5CH
2)。
【0133】
化合物JM14、EtOAc/ヘキサン由来の橙色針状物、;融点131〜132℃。ESI MS m/z:493.2[M+H]
+;
1H NMR(300MHz、CDCl
3)δ:9.87(br.s、1H、OH)、7.76、6.90(両方d、各々2H、J=15.3Hz、H−l,2,6,7)、7.19(dd、2H、J=1.8、8.4Hz、芳香族5’−H)、)、7.10(d、2H、J=1.8Hz、芳香族2’−H)、6.91(d、2H、J=8.4Hz、芳香族6’−H)、5.30(br.s、1H、O
H)、3.95、3.94(両方s、各々6H、OCH
3)、2.86、2.37(両方m、各々2H、C4−CH
2−CH
2−)。
【0134】
化合物JM16、橙色非晶質;ESI MS m/z:437.2[M+H]
+;
1H NMR(300MHz、CDCl
3、2:1互変異性有り、主要形態についてのデータリスト有り)δ:7.62、6.71(両方d、各々2H、J=15.9Hz、H−l,2,6,7)、7.12(dd、2H、J=1.8、8.4Hz、芳香族5’−H)、)、7.05(d、2H、J=1.8Hz、芳香族2’−H)、6.92(d、2H、J=8.4Hz、芳香族6’−H)、5.96(br.s、2H、OH X 2)、3.97(s、3H、OCH
3)、3.94(s、9H、OCH
3 X 3)、2.68(d、2H、J=6.9Hz、C4−CH
2−)、2.19〜1.59(m、7H、1CHおよびシクロブタンの3CH
2)。
【0135】
化合物JM17、EtOAc/ヘキサン由来の橙色針状物、、融点126〜127℃;ESI MS m/z:465.2[M+H]
+;
1H NMR(300MHz、CDCl
3、)δ:7.72、7.00(両方d、各々2H、J=15.3Hz、H−l,2,6,7)、7.21(dd、2H、J=1.8、8.4Hz、芳香族5’−H)、)、7.09(d、2H、J=1.8Hz、芳香族2’−H)、6.92(d、2H、J=8.4Hz、芳香族6’−H)、3.96、3.95(両方s、各々6H、OCH
3)、2.70(d、2H、J=6.9Hz、C4−CH
2−)、2.08(m、2H、シクロブタンの1CH
2)、1.83(m、4H、シクロブタンの2CH
2)。
【0136】
化合物JM18、橙色非晶質;ESI MS m/z:423.2[M+H]
+;
1H NMR(300MHz、CDCl
3、2:1互変異性が認められた、主要形態についてのデータはリストに記載)δ:7.65、6.73(両方d、各々2H、J=15.9Hz、H−l,2,6,7)、7.12(dd、2H、J=1.8、8.4Hz、芳香族5’−H)、)、7.05(d、2H、J=1.8Hz、芳香族2’−H)、6.92(d、2H、J=8.4Hz、芳香族6’−H)、3.93(s、12H、OCH
3 X 4)、2.71、2.65(両方d、各々1H、J=6.0Hz、C4−CH
2−)、0.95(m、1H、シクロプロパンのCH)、0.51、0.24(両方m、各々2H、シクロプロパンのCH
2)。
【0137】
化合物JM19、EtOAc/ヘキサン由来の橙赤色針状物、;融点153〜154℃;ESI MS m/z:465.2[M+H]
+;
1H NMR(300MHz、CDCl
3、)δ:7.75、6.88(両方d、各々2H、J=15.5Hz、H−l,2,6,7)、7.17(dd、2H、J=1.6、8.5Hz、芳香族5’−H)、)、7.07(d、2H、J=1.6Hz、芳香族2’−H)、6.96(d、2H、J=8.5Hz、芳香族6’−H)、5.90(s、2H、O
H X 2)、3.96(s、6H、OCH
3 X 2)、2.86、2.35(両方m、各々2H、C4−CH
2−CH
2−)。
【0138】
化合物Q114、EtOAc/ヘキサン由来の黄色結晶性固体、融点166〜167℃。ESI MS m/z:337.0[M+H]
+;
1H NMR(300MHz、CDCl3)δ:7.63(d、2H、J=16.1Hz、H−1,7)、7.53〜7.50(m、4H、芳香族H)、6.94〜6.91(m、4H、芳香族H)、6.50(d、2H、J=16.1Hz、H−2,6)、5.79(s、1H、H−4)、3.85(s、6H、OCH
3)。
【0139】
化合物Q115、EtOAc由来の黄色結晶、融点142〜143℃。ESI MS m/z:393.1[M+H]
+;
1H NMR(300MHz、CDCl3)δ:7.73(d、2H、J=15.6Hz、H−1,7)、7.55〜7.52(4H、芳香族H)、6.99〜6.92(6H、H−2,6および芳香族H)、3.86(6H、−OCH
3)、2.55(t、1H、H−4)、1.53〜1.40(m、6H、−CH
2CH
2CH
2−)、1.01(t、3H、−CH
3)。
【0140】
化合物の合成:JM4、JM20、およびQ116。
化合物JM4、JM20、Q116は構造的に、(置換)−トリアリール系[3(置換フェニル)プロペナール接合]の特性を共有する。これらの化合物を合成する目的の1つは、抗−ARおよび抗前立腺癌活性に対するマルチ−フェニルプロペナール部分の効果を研究することにある。化合物JM4を、スキーム11に示される通りトリアセチルメタンと3,4−ジメトキシベンズアルデヒドの縮合から合成した。
【0141】
化合物JM20およびQ116は、JM4について記載されたものと同じ方法を用いて合成した。
【0142】
化合物JM20、赤色粉末、融点165〜167℃;ESI MS m/z:455.2[M+H]
+;
1H NMR(300MHz、d
6−DMSO、)δ:7.69(d、2H、J=15.6Hz、H−1,7)、7.03(d、1H、J=16.2Hz、C4側鎖−COCH=C
H−)、7.62〜7.34(m、6H、芳香環H)、6.67(d、1H、J=15.6Hz、C4側鎖−COC
H=CH−)、6.90〜6.72(m、4H、芳香族H)、6.57(d、2H、J=15.9Hz、H−2,6)。
【0143】
化合物Q116、黄色非晶質固体、融点70〜72℃。ESI MS m/z:497.1[M+H]
+;
1H NMR(300MHz、CDCl3)δ:7.78(d、2H、J=15.3Hz、H−1,7)、7.60(d、1H、J=15.6Hz、C4側鎖−COCH=C
H−)、7.54〜7.51(2H、芳香環H)、7.47〜7.44(4H、芳香環H)、6.97(d、1H、J=15.6Hz、C4側鎖−COC
H=CH−)、6.92〜6.85(6H、芳香族H)、6.71(d、2H、J=15.3Hz、H−2,6)、3.84〜3.82(9H、−OCH
3)。
【0144】
スキーム11
【化36】
【0145】
化合物の合成:JM5。
炭酸ナトリウム(5.0g)の存在下で無水アセトン(250mL)中で酢酸ブロモメチル(10.0g)とASC−J9(18.9g)を反応させることによって、構造的に4つの(置換フェニル)プロぺナール部分を含む化合物JM5を合成した(スキーム12)。加熱して80時間還流させた後、固体を濾過し、真空下で濾液を濃縮した。残渣を、反復的シリカゲルカラムクロマトグラフィ(n−ヘキサン:酢酸エチル=2:1)に付して、所望の生成物と回収された出発材料ASC−J9(15g)を得た。得られた生成物を0.5mLの酢酸エチル中に溶解させ、撹拌しながら5mLのヘキサンに滴下により添加した。濾過し真空下で乾燥させた後、黄色粉末として化合物JM5(877mg)を得た。同様に、無水アセトン中でのブロモメチルメチルエーテルと炭酸ナトリウムとASC−J9の反応によってもより短時間かつより高収量で化合物JM5が合成された。
【0146】
スキーム12
【化37】
【0147】
化合物JM5についての分析データは以下に示されている。
【0148】
黄色非晶質。融点111〜114℃。ESI MS m/z:804.87[M+H]
+;500MHz Varianについての
1Hおよび
13CのNMRデータ(CDC13)を表1に列挙した。
【0149】
表1.ASC−JM5の
1Hおよび
13C NMRスペクトルデータ。
【表1】
【0150】
化合物の合成:Q110およびQ111。
AR活性に対する接合架橋の長さの寄与を研究するために、4接合2重結合リンカーを伴う化合物Q110および5接合2重結合リンカーを伴う化合物Q111を合成し、スキーム13に示した。化合物Q110を、1,2−ジメトキシ−4−プロピル−ベンゼンから出発して合成した。ドライジオキサン中の3−(3,4−ジメトキシフェニル)プロパンの溶液に対して、DDQ(3.1当量)および触媒量の酢酸を添加した。混合物を2時間、TLC監視を伴って超音波処理した。反応の完了後、固体を濾過により除去し、濾液を濃縮した。残渣をEtOAc中に溶解させ、水、2%のNaHCO
3および食塩水で洗浄した。有機抽出物をNa
2SO
4上で乾燥させ、濃縮して黄褐色の固体として粗製物を得、この粗製物を中性アルミナカラムクロマトグラフィで精製し、ヘキサン−酢酸エチル混合物で溶出して浅黄色の固体、3,4−ジメトキシ桂皮アルデヒドを60%の収量で得た(B.P.Joshiら、Tetrahedron、62、2590〜2593、2006)。EtOAc中の2,4−ペンタジオン(3当量)およびB
2O
3(1当量)の溶液を40℃で0.5時間撹拌し、3,4−ジメトキシ桂皮アルデヒド(1当量)およびトリブチルボラン(1当量)を添加した。結果として得た反応混合物を40℃で0.5時間撹拌した。EtOAc中のブチルアミン(1.2当量)をその温度で滴下により添加し、40℃で16時間撹拌した。赤色反応混合物に対して、1%のHCl水溶液を添加し、混合物を60℃で1時間撹拌した。室温まで冷却した後、水性部分を分離し、有機部分を水でpH〜7まで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させた。粗製物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィによって精製して、中間生成物8−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−4−ヒドロキシ−オクタ−3,5,7−トリエン−2−オンを、オフホワイトの固体として得た。EtOAc中の中間生成物(1当量)およびB
2O
3(0.7当量)の溶液を70℃で0.5時間撹拌した。3,4−ジメトキシベンズアルデヒド(1当量)およびトルブチルボラン(1当量)を添加し、反応混合物を70℃で0.5時間撹拌した。EtOAc中のピペリジン(1.2当量)を滴下により添加し、反応混合物を88〜90℃で1時間撹拌した。60℃まで冷却した後、1%のHCl水溶液を添加し、混合物を60℃で0.5時間撹拌した。上述の手順にしたがって反応混合物を得、粗製物をシリカゲルカラムクロマトグラフィにより精製して、赤色固体として所望の生成物Q110を得た。非晶質、融点65〜68℃、ESI MS m/z:423.1[M+H]
+;
1H NMR(300MHz、CDCl3)δ:7.64〜7.58(d,2H、H−1および2)、7.16〜7.02(4H、芳香環Hおよびトランス二重結合H)、6.90〜6.82(4H、芳香環H)、6.53〜6.48(1H、トランス二重結合H)、6.18〜6.12(1H、トランス二重結合H)、5.75(s、1H、H−4)、3.94〜3.92(12H、−OCH
3)。
【0151】
化合物Q111は、化合物Q110の合成で説明した通りに、8−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−4−ヒドロキシ−オクタ−3,5,7−トリエン−2−オン(3)と3,4−ジメトキシ桂皮アルデヒド(2)の反応により合成した(スキーム13)。赤色非晶質固体を得た、融点187〜9℃。ESI MS m/z:449.1[M+H]
+;
1H NMR(300MHz、CDCl3)δ:7.49〜7.40(d、2H、H−lおよび11)、7.06〜7.02(4H、芳香環H)、6.87〜6.81(2H、芳香環H、およびトランス二重結合Hの場合4H)、6.17〜6.12(2H、トランス二重結合H)、5.75(s、1H、H−4)、3.94〜3.92(12H、−OCH
3)。
【0152】
スキーム13
【化38】
【0153】
実施例2:少なくとも1つの(3,4−アルコキシまたはヒドロキシ置換フェニル)−プロペナール部分を有する化合物のヒトアンドロゲン受容体(AR)およびアンドロゲン/AD媒介活性に対する生物学的効果の検出
代表的なASC化合物およびモノマーを、アンドロゲン/AR誘発型機能を遮断するその活性について試験した。ヒト前立腺癌細胞、LNCaPまたはCWR22Rv1を用いた細胞成長アッセイを、研究中で応用した。両方の癌細胞株において機能的ARタンパク質が発現されている;一方、LNCaP細胞の成長はDHT依存性であるが、再発性ホルモン抵抗性腫瘍に由来するCWR22Rv1細胞の成長はそうではなかった。さらに、モノマーおよび前立腺癌細胞内の一部の新規化合物を試験することによりウェスタンブロット分析を実施して、少なくとも1つの(4−ヒドロキシ−3−メトキシ−フェニル)−プロぺナール部分を伴う化合物が、インビトロでARタンパク質発現レベルを減少させ癌細胞成長を阻害できることを実証した。
【0154】
ヒト前立腺癌細胞、LNCaPおよびCWR22Rv1を用いたインビトロ細胞成長アッセイ
本発明では、MTT細胞増殖アッセイを応用して、前立腺癌細胞の成長を抑制または阻害する化合物の能力を検出した。培養細胞の増殖を検出するために広く使用されている方法であり、無色の基質から還元テトラゾリウムへのミトコンドリアデヒドロゲナーゼ(全ての生存細胞が有しているもの)による変換に基づくものであるMTTアッセイは、以前に(Suら、1999)さまざまな組織培養細胞の成長を査定するものであることが実証されてきた。簡単に言うと、完全培地中に懸濁した1×10
3個のLNCaPまたはCWR22Rv1細胞を、96−ウェルのMicrotestIII組織培養プレート(Falcon、NJ)の各ウェル内にプレートした。2日後に、培地を、10%の木炭/デキストラン由来のFBS(ホルモン由来ウシ胎仔血清)を含有するRPMI−1640培地と交換した。試験用化合物を、1nMのDHTを伴ってまたはDHTを伴わずに、指示された濃度で培地に添加し、細胞をインキュベータ(37℃)内で5日間培養した。1/10体積のMTT基質溶液(PBS中5mg/ml)を、収穫より2時間前に各ウェル内の細胞に加えた。2時間のインキュベーション後、プレートを遠心分離し(1000rpmで10分間)、各ウェルからの上清を入念に除去した。100μlの溶解緩衝液(50%のジメチルホルムアミド、5%のドデシル硫酸ナトリウム、0.35Mの酢酸、および50mMのHCl)を各ウェルに添加して、細胞および各ウェル内の溶解したテトラゾリウムを溶解した。各ウェルからの酵素活性の相対的数量を、Bio−RAD BenchMarkマイクロプレート読取り機を用いて450nmの波長で読取られた吸光度に基づいて測定した。MTTアッセイ由来のデータを同様に、平行に配置された別個のプレート上での細胞形態学および実際の細胞計数により確認した。この平行プレートからのデータは、ウェル内の生存細胞の数と酵素活性の数量との間の正の関係を実証した。
【0155】
前立腺癌細胞内のARタンパク質発現レベルのウェスタンブロット分析
広く用いられているウェスタンブロッティング分析を利用して、ARタンパク質発現レベルを測定した。ヒト前立腺癌細胞、LNCaPおよびCWR22Rv1は、両方共高レベルのARタンパク質を発現し、この研究においてはこれらを使用した。本発明においては、ウェスタンブロットアッセイにおいて代表的ASC化合物を試験して、AR発現を減少させる上でのそれらの活性を評価し;ジヒドロテストステロン(DHT、1nM)の存在下または不在下のいずれかでアッセイを実施した。試験用化合物を用いて指定の時間細胞をインキュベートした後、細胞を収穫し、生化学技術分野では公知のウェスタンブロット技術にしたがって溶解させた。ウェスタンブロッティング分析法の詳細は、以前に公開されている(Suら、1999)。簡単に言うと、2倍のドデシル硝酸ナトリウム/ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS/PAGE)ローディング緩衝液中または10μg/mlのベンズアミジン、10μg/mlのトリプシン阻害剤、および1mMのフッ化フェニルメチルスルホニルで強化された放射性免疫沈降アッセイ(RIPA)溶解緩衝液中のいずれかで細胞を収穫した。各細胞溶解物からの全タンパク質試料(およそ40μg)を、SDS/PAGEゲル上での電気泳動によって分離した。電気泳動による分離の後、標準的手順にしたがってタンパク質をゲルからニトロセルロース膜に移した。その後、膜を、0.1%のTween−20(PBST)で補完されたリン酸緩衝生理食塩水中で10%の脱脂乳と共に1時間インキュベートし、その後ヒトAR特異的一次抗体(BD−Phar Mingenより購入)と共に4℃で一晩インキュベートした。インキュベーションの後、膜をPBST緩衝液で3回(毎回10分間)洗い流し;次にアルカリホスファターゼ接合二次抗体を添加し、室温で1時間インキュベートした。第2の抗体インキュベーションの後、膜を再びPBSTで洗い流し、アルカリホスファターゼ基質、リン酸ブロモクロロインドリルおよびニトロブルーテトラゾリウムを膜に加えることによって、膜内のARタンパク質シグナルを視覚化した。各試料から同量のタンパク質が確実に分析されているようにするため、ハウスキーピングタンパク質β−アクチン(Santa Cruz Biotechnology)のための特異的抗体で膜の一部分を染色し、上述の通り第2の抗体を用いてアクチンシグナルを明らかにした。デンシトメータを用いてタンパク質シグナル強度(膜上にカラーバンドとして示される)を測定し、NIH Image Jソフトウェア(NIH1.33)を用いて分析した。各試料内のβアクチンの数量に対しARの数量を正規化することによって、ARタンパク質の数量を計算し、データを相対的数量で表現した。
【0156】
シクロヘキシミド追跡アッセイ方法を用いたAR分解の検出:
シクロヘキシミド(タンパク質合成阻害物質)追跡アッセイ方法を用いることによって、前立腺癌細胞中のARタンパク質の「分解」を測定した。簡単に言うと、試験用ASC化合物と共に、LNCaP細胞を指定の濃度で24時間インキュベートした。その後、シクロヘキシミドを、15μg/mlの濃度で細胞に添加して、新規のタンパク質合成を遮断した。インキュベーションの後、指定された時間にわたり細胞を収穫し、結果としてのARタンパク質レベルの変化を、上述の通りウェスタンブロット分析を用いて分析した。
【0157】
実施例3:(1E,6E)−1,7−ビス−(置換フェニル)−4,4−ジ置換−ヘプタ−1,6−ジエン−3,5−ジオンまたは(1E,10E)−1,11−ビス(置換フェニル)−6,6−ジ置換−ウンデカ−1,3,8,10−テトラエン−5,7−ジオン構造足場を有する化合物および誘導体の調製
化学的合成:
較正無しでFisher−John融点測定装置を用いて融点を測定した。内部標準としてテトラメチルシランを用い、Inova400分光計上でプロトン核磁気共鳴(
1H NMR)および
13C NMRスペクトルを測定した。化学シフトは、δ(ppm)で報告された。Shimadzu LCMS−2010上で、質量スペクトル(MS)を得た。一般的分離及び精製のためGraceシリカゲルカートリッジ上でコンビフラッシュ(CombiFlash)クロマトグラフィシステムを実施した。分離および精製のためには、シリカゲルプレート(Kieselgel 60、F254、1.00mm)を用いた分取薄層クロマトグラフィも使用した。薄層クロマトグラフィ(TLC)分析のためには、予備コーティングしたシリカゲルプレート(Kieselgel 60、F254、0.25mm)を使用した。全ての試薬及び溶媒は、Aldrich、Fisher、VWR、または他の供給メーカーから購入した。
【0158】
化合物1〜8、22、24、28、29、31の合成
スキーム14に示されている一般的手順を用いて、化合物1〜8、22を合成した。化合物2を作製するための一例を以下に記載した。ドライアセトン(50mL)中のJM17(5.0g)の溶液に対し、ヨウ化メチル(2.5ml)およびK
2CO
3(5.0g)を添加した。反応混合物を還流させ、TLC監視しながら2日間撹拌した。反応混合物を冷却し、濾過して、無機粉末を除去し、次に真空蒸発させた。ヘキサンおよびEtOAc混合物により溶離されるシリカゲルカラムクロマトグラフィによって、得られた粗製物を精製して、所望の生成物を得た。
【0159】
1,2−ジクロロメタン中の水酸化トリメチルチン(10当量)を用いて化合物22の加水分解により化合物24を合成した(スキーム1)。混合物を80℃で8時間、またはTLC監視を伴って、加熱した。溶媒を除去した後、EtOAc中に残渣を溶解させ、5%のHCl水溶液で洗浄した(3回)。次に、食塩水で有機部分を洗浄し(2回)、Na
2SO
4上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。得られた粗製物を分取TLCによって精製して、所望の生成物を得た。
【0160】
スキーム14
【化39】
【0161】
化合物1、淡黄色非晶質。ESI MS m/z:465.2[M+H]
+。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ:7.66(d、2H、J=15.6Hz、H−1,7)、7.10(dd、2H、J=2.0、8.4Hz、芳香族H−6’)、6.97(d、2H、J=2.0Hz、芳香族H−2’)、6.81(d、2H、J=8.4Hz、芳香族H−5’)、6.63(d、2H、J=15.6Hz、H−2,6)、3.87(12H、OCH
3 X 4)、1.97(d、2H、J=6.4Hz、CH
2−C4)、1.53(s、3H、CH
3−C4)、0.6〜0.03(m、シクロプロパンの5H)。
【0162】
化合物2、黄白色結晶、融点161〜162℃。ESI MS m/z:479.2[M+H]
+。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ:7.64(d、2H、J=15.2Hz、H−1,7)、7.09(dd、2H、J=2.6、8.4Hz、芳香族H−6’)、6.96(d、2H、J=2.0Hz、芳香族H−2’)、6.80(d、2H、J=8.4Hz、芳香族H−5’)、6.59(d、2H、J=15.2Hz、H−2,6)、3.87(12H、OCH
3 X 4)、3.0〜1.6(m、シクロブタンの7H)、1.39(s、3H、CH
3−C4)、1.22(t、2H、J=6.9Hz、CH
2−C4)。
【0163】
化合物4、淡黄色非晶質。ESI MS m/z:493.2[M+H]
+。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ:7.64(d、2H、J=15.2Hz、H−1,7)、7.09(dd、2H、J=2.6、8.4Hz、芳香族H−6’)、6.96(d、2H、J=2.0Hz、芳香族H−2’)、6.80(d、2H、J=8.4Hz、芳香族H−5’)、6.59(d、2H、J=15.2Hz、H−2,6)、3.87(12H、OCH
3 X 4)、3.0〜1.6(m、シクロペンタンの7H)、1.39(s、3H、CH
3−C4)、1.22(t、2H、J=6.9Hz、CH
2−C4)。
【0164】
化合物5、淡黄色結晶、融点128〜129℃。ESI MS m/z:507.2[M+H]
+。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ:7.63(d、2H、J=15.6Hz、H−1,7)、7.10(dd、2H、J=2.6、8.4Hz、芳香族H−6’)、6.97(d、2H、J=2.0Hz、芳香族H−2’)、6.81(d、2H、J=8.4Hz、芳香族H−5’)、6.65(d、2H、J=15.6Hz、H−2,6)、3.87(12H、OCH
3 X 4)、1.97(d、2H、J=5.6Hz、CH
2−C4)、1.65〜0.85(m、シクロヘキサンの11H)、1.46(s、3H、CH
3−C4)。
【0165】
化合物6、オフホワイト結晶、ESI MS m/z:524.3[M+H]
+.
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ:7.63(d、2H、J=15.6Hz、H−1,7)、7.09(dd、2H、J=2.0、8.0Hz、芳香族H−6’)、6.98(d、2H、J=2.0Hz、芳香族H−2’)、6.80(d、2H、J=15.6Hz、H−2,6)、6.80(d、2H、J=8.0Hz、芳香族H−5’)、3.85(12H、OCH
3 X 4)、3.39〜3.28(m、4H、−N(CH
2CH
3)
2、3.12(s、2H、C4−CH
2CO)、1.62(s、3H、CH
3−C4)、1.20(t、3H、J=7.2Hz、−N(CH
2CH
3)
2)、1.04(t、3H、J=7.2Hz、−N(CH
2CH
3)
2。
【0166】
化合物7、オフホワイト結晶、ESI MS m/z:496.4[M+H]
+。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ:7.63(d、2H、J=15.6Hz、H−1,7)、7.09(dd、2H、J=8.4Hz、芳香族H−6’)、6.97(s、2H、芳香族H−2’)、6.81(d、2H、J=15.6Hz、H−2,6)、6.80(d、2H、J=8.4Hz、芳香族H−5’)、3.85(12H、OCH
3 X 4)、3.17(s、2H、C4−CH
2CO)、3.06(s、3H、−N(CH
3)
2)、2.88(s、3H、−N(CH
3)
2)、1.64(s、3H、CH
3−C4)。
【0167】
化合物8、浅黄色結晶、ESI MS m/z:467.2[M+H]
+。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ:7.64(d、2H、J=15.6Hz、H−1,7)、7.09(d、2H、J=8.4Hz、芳香族H−6’)、6.98(d、2H、J=2.0Hz、芳香族H−2’)、6.80(d、2H、J=8.4Hz、芳香族H−5’)、6.63(d、2H、J=15.6Hz、H−2,6)、3.86(12H、OCH
3 X 4)、2.00〜1.96(m、2H、−CH
2(CH
2)
2CH
3)、1.42(s、3H、CH
3−C4)、1.34〜1.27(m、2H、CH
2(CH
2)
2CH
3)、1.16〜1.10(m、2H、−CH
2(CH
2)
2CH
3)、0.85(t、3H、、J=6.8Hz、−CH
2(CH
2)
2CH
3)。
【0168】
化合物22、黄色非晶質、ESI MS m/z:511.2[M+H]
+、533.2[M+Na]
+。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ:7.65(d、2H、J=15.2Hz、H−1,7)、7.09(dd、2H、J=2.0、8.0Hz、芳香族H−6’)、6.96(d、2H、J=2.0Hz、芳香族H−2’)、6.79(d、2H、J=8.4Hz、芳香族H−5’)、6.61(d、2H、J=15.2Hz、H−2,6)、4.10〜4.05(m、2H、O
CH2CH
3)、3.85(s、12H、OCH
3 X 4)、2.36〜2.19(m、4H、C4−
CH2CH2CO−)、1.42(s、3H、CH
3−C4)、1.20(t、3H、J=7.6Hz、OCH
2CH3)。
【0169】
化合物24、黄色非晶質、ESI MS m/z:483.18[M+H]
+、505.15[M+Na]
+。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ:7.66(d、2H、J=15.6Hz、H−1,7)、7.09(dd、2H、J=1.6、8.0Hz、芳香族H−6’)、6.97(d、2H、J=1.6Hz、芳香族H−2’)、6.80(d、2H、J=8.0Hz、芳香族H−5’)、6.61(d、2H、J=15.6Hz、H−2,6)、3.86(s、12H、OCH
3 X 4)、2.36〜2.24(m、4H、C4−
CH2CH2CO−)、1.43(s、3H、CH
3−C4)。
【0170】
上述の通り(スキーム1)炭酸カリウムを用いてアセトン中のヨウ化メチルでQ1230をメチル化することによって、化合物28を合成した。塩化メチル中の三臭化ホウ素(3当量)での化合物28の脱メチル化およびコンビフラッシュカラムクロマトグラフを通した精製により、化合物29を得た。トリエチルアミンの存在下で塩化エタンスルホニル(3当量)で化合物29を処理することにより、化合物31を得た。
【0171】
化合物28、浅黄色非晶質、ESI MS m/z:419.3[M+H]
+。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ:7.65(d、2H、J=15.6Hz、H−1,7)、7.24(t、2H、J=8.0Hz、芳香族H)、7.07(d、2H、J=7.6Hz、芳香族H)、6.98(d、2H、J=2.4Hz、芳香族H)、6.89(dd、2H、J=2.8、8.4Hz、H−2,6)、6.71(d、2H、J=15.6Hz、H−2,6)、3.78(s、6H、OCH
3 X 2)、2.28〜2.21(m、1H、シクロブタン)、2.13(d、2H、11.6Hz、C4−CH
2)、1.99〜1.93(m、2H、シクロブタン)、1.80〜1.60(m、4H、シクロブタン)、1.39(s、3H、C4−CH
3)。
【0172】
化合物29、黄色非晶質、ESI MS m/z:391.3[M+H]
+。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ:7.62(d、2H、J=15.6Hz、H−1,7)、7.19(t、2H、J=8.0Hz、芳香族H)、7.08〜6.96(m、4H、芳香族H)、6.89〜6.83(m、2H、芳香族H)、6.89(dd、2H、J=2.8、8.4Hz、H−2,6)、6.70(d、2H、J=15.6Hz、H−2,6)、2.27〜2.19(m、1H、シクロブタン)、2.13〜2.11(m、2H、C4−CH
2)、1.97〜1.91(m、2H、シクロブタン)、1.79〜1.54(m、4H、シクロブタン)、1.39(s、3H、C4−CH
3)。
【0173】
化合物31、浅黄色非晶質、ESI MS m/z:575.4[M+H]
+。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ:7.68(d、1H、J=15.6Hz、H−1)、7.64(d、1H、J=15.6Hz、H−7)、7.51〜7.35(m、6H、芳香族H)、7.27(d、br、2H、J=8.0Hz、芳香族H)、7.11(d、1H、J=15.6Hz、H−2)、6.73(d、1H、J=15.6Hz、H−6)、3.34〜3.25(m、4H、OSO
2CH2CH
3 x 2)、2.28〜2.21(m、1H、シクロブタン)、2.17(m、2H、C4−CH
2)、1.99〜1.93(m、2H、シクロブタン)、1.82〜1.60(m、4H、シクロブタン)、1.57〜1.51(m、6H、OSO
2CH
2CH3 x 2)、1.40(s、3H、C4−CH
3)。
【0174】
化合物9〜12の合成
スキーム15に示されている一般的手順を用いて、化合物9〜12を合成した。
【0175】
塩化メチレン中にクロロ酢酸(2当量)を溶解させた。溶液に対して、塩化メチレン中のDCC(1当量)の溶液を添加した。混合物を10分間室温で撹拌し、塩化メチレン中の適切なアミンおよびDMAP(0.5当量)の溶液をゆっくりと加えた。反応混合物を室温で一晩あるいはTLC監視しながら撹拌した。固体を濾過し、濾液を水、6NのHCl、6NのNaOHおよび水で洗浄した。Na
2SO
4上で乾燥させ、かつ蒸発させて溶媒を除去した後、さらなる精製無しで所望のアミド生成物を得た。DBU(1当量)の存在下でアセトニトリル中で2,4−ペンタンジオン(1.5当量)とアミド(1当量)を室温で反応させることにより、スキーム2に示された通り対応する生成物3−アセチル−4−オキソペンタンアミドを生成した。結果として得た生成物(1当量)を次にDMA中でB
3O
2(0.5当量)、(BuO)
3B(2当量)およびNH
2Bu(0.4当量)の存在下で3,4−ジメトキシベンズアルデヒド(2当量)と混合し、混合物を、TLC監視しながら65℃で3〜5時間撹拌した。反応完了時点で1%のHCl水溶液を添加し、結果として得た混合物を65℃で1〜2時間撹拌した。次に混合物を酢酸エチルで希釈し、水で2回またはpH〜5となるまで抽出した。酢酸エチル抽出物をNa2SO4上で乾燥させ、濾過し、濃縮させた。粗製物を、酢酸エチルからの結晶化によってかまたはコンビフラッシュカラムクロマトグラフによって精製して、化合物9または10などの所望の生成物を得た。スキーム1の中に記載された手順にしたがった化合物9または10の反応によって、化合物11および12を生成した。
【0176】
スキーム15
【化40】
【0177】
化合物9、浅黄色結晶性固体、ESI MS m/z:524.5[M+H]
+。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ:7.64(d、2H、J=15.6Hz、H−1,7)、7.11(dd、2H、J=2.0、8.4Hz、芳香族H−6’)、7.02(d、2H、J=1.6Hz、芳香族H−2’)、6.82(d、2H、J=8.4Hz、芳香族H−5’)、6.76(d、2H、J=15.6Hz、H−2,6)、3.87(s、6H、OCH
3 X 2)、3.84(s、6H、OCH
3 X 2)、3.70〜3.65(m、4H、モルホリン−H)、3.63〜3.59(m、4H、モルホリン−H)、3.57〜3.52(m、1H、C4−H)、3.00(d、2H、J=6.8Hz、C4−CH
2CO)。
【0178】
化合物10、赤橙色結晶性固体、ESI MS m/z:551.6[M+H]
+。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ:7.68(d、2H、J=15.6Hz、H−1,7)、7.43(d、1H、J=4.0Hz、チアゾール−H)、7.15(dd、2H、J=2.0、8.4Hz、芳香族H−6’)、7.01(d、2H、J=2.0Hz、芳香族H−2’)、6.90(d、1H、J=4.0Hz、チアゾール−H)、6.83(d、2H、J=8.4Hz、芳香族H−5’)、6.78(d、2H、J=15.6Hz、H−2,6)、3.87(s、6H、OCH
3 X 2)、3.85(s、6H、OCH
3 X 2)、2.98(s、2H、C4−CH
2CO)。
【0179】
化合物11、浅黄色結晶性固体、ESI MS m/z:538.6[M+H]
+。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ:7.65(d、2H、J=15.2Hz、H−1,7)、7.09(dd、2H、J=2.0、8.4Hz、芳香族H−6’)、6.98(d、2H、J=2.0Hz、芳香族H−2’)、6.80(d、2H、J=15.2Hz、H−2,6)、6.80(d、2H、J=8.4Hz、芳香族H−5’)、3.87(s、6H、OCH
3 X 2)、3.82(s、6H、OCH
3 X 2)、3.68〜3.60(m、4H、モルホリン−H)、3.56〜3.53(m、4H、モルホリン−H)、3.15(s、2H、C4−CH
2CO)、1.64(s、3H、CH
3−C4)。
【0180】
化合物12、浅黄色結晶性固体、ESI MS m/z:551.6[M+H]
+。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ:7.69(d、2H、J=15.2Hz、H−1,7)、7.45(d、1H、J=4.0Hz、チアゾール−H)、7.12(dd、2H、J=2.0、8.4Hz、芳香族H−6’)、6.99(d、2H、J=2.0Hz、芳香族H−2’)、6.93(d、1H、J=4.0Hz、チアゾール−H)、6.81(d、2H、J=15.2Hz、H−2,6)、6.81(d、2H、J=8.4Hz、芳香族H−5’)、3.87(s、6H、OCH
3 X 2)、3.85(s、6H、OCH
3 X 2)、3.46(s、2H、C4−CH
2CO)、1.72(s、3H、CH
3−C4)。
【0181】
化合物13〜19、23、25、27の合成
化合物13〜19、23を、スキーム16中に示された一般的方法で合成した。化合物14を作製する一例を以下に記載した。アセトニトリル(20mL)中のJM17(2.2g)の溶液に対して、N−フルオロジベンゼンスルホンイミド(1.5g)を添加した。反応混合物をTLC監視しながら室温で1日撹拌した。反応混合物を真空蒸発させ、得られた粗製物を、ヘキサンおよびEtOAcの混合物によって溶出されるシリカゲルカラムクロマトグラフィによって精製して、所望の生成物を得た。
【0182】
化合物22から24を作製する方法を通した化合物23の変換により、化合物25を作製した。
【0183】
4−ヒドロキシ−3−メトキシベンズアルデヒドから出発して、Q15Mを作製するための一般的なMOM保護(クロロ−メトキシメタン)および縮合反応を通して化合物27を合成した。Q15Mにフッ素添加した後、結果として得た化合物(0.06mM)を、塩化メチル中で室温で30分間、臭化亜鉛(ZnBr)(1.5当量)およびプロピルチオール(3当量)との脱保護反応に付した。この時間中、赤色溶液が発生した。塩化メチレンを添加し、溶液を氷浴中で10分間撹拌した。飽和NaHCO
3(0.3〜0.5mL)を添加し、混合物を低温で15分間撹拌した。セライトを通した濾過、CH
2Cl
2での抽出(×2)、およびコンビフラッシュカラムクロマトグラフィを通した精製の後、所望の生成物を得た。
【0184】
スキーム16
【化41】
【0185】
化合物13、淡黄色結晶、融点104〜105℃。ESI MS m/z:469.2[M+H]
+。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ:7.72(d、2H、J=15.6Hz、H−1,7)、7.18(dd、2H、J=2.6、8.4Hz、芳香族H−6’)、7.09(dd、2H、J
H-F=2.4、15.6Hz、H−2,6)、7.08(d、2H、J=2.0Hz、芳香族H−2’)、6.84(d、2H、J=8.4Hz、芳香族H−5’)、3.91、3.90(両方s、各々6H、OCH
3 X 4)、2.20(dd、2H、J=7.0、24.4Hz、CH
2−C4)、0.8〜0.1(m、シクロプロパンの5H)。
【0186】
化合物14、淡黄色結晶、融点98〜100℃。ESI MS m/z:483.2[M+H]
+。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ:7.70(d、2H、J=16Hz、H−1,7)、7.17(dd、2H、J=2.6、8.4Hz、芳香族H−6’)、7.08(d、2H、J=2.0Hz、芳香族H−2’)、7.05(dd、2H、J
H-F=2.8、16Hz、H−2,6)、6.84(d、2H、J=8.4Hz、芳香族H−5’)、3.91、3.89(両方s、各々6H、OCH
3 X 4)、2.5〜1.7(m、メチルシクロブタンの9H)。
【0187】
化合物15、淡黄色非晶質。ESI MS m/z:497.2[M+H]
+。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ:7.70(d、2H、J=16Hz、H−1,7)、7.17(dd、2H、J=2.6、8.4Hz、芳香族H−6’)、7.08(d、2H、J=2.0Hz、芳香族H−2’)、7.05(dd、2H、J
H-F=2.8、16Hz、H−2,6)、6.84(d、2H、J=8.4Hz、芳香族H−5’)、3.91、3.89(両方s、各々6H、OCH
3 X 4)、2.5〜1.7(m、メチルシクロペンタンの9H)。
【0188】
化合物16、淡黄色非晶質。ESI MS m/z:511.2[M+H]
+。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ:7.71(d、2H、J=15.6Hz、H−1,7)、7.17(dd、2H、J=2.0、8.4Hz、芳香族H−6’)、7.09(d、2H、J=2.0Hz、芳香族H−2’)、7.08(dd、2H、J
H-F=2.0、16Hz、H−2,6)、6.84(d、2H、J=8.4Hz、芳香族H−5’)、3.91、3.89(両方s、各々6H、OCH
3 X 4)、2.19(dd、2H、J=6.4、24.8Hz、CH
2−C4)、1.8〜0.9(m、シクロヘキサンの11H)。
【0189】
化合物17、オフホワイト結晶、ESI MS m/z:528.5[M+H]
+。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ:7.73(d、2H、J=15.6Hz、H−1,7)、7.24(dd、2H、J=2.4、15.6Hz、H−2,6)、7.19(dd、2H、J=1.6、8.4Hz、芳香族H−6’)、7.12(d、2H、J=2.0Hz、芳香族H−2’)、6.85(d、2H、J=8.4Hz、芳香族H−5’)、3.91(s、12H、OCH
3 X 4)、3.48(d、2H、J=24.4Hz、C4−CH
2CO)、3.40〜3.29(m、4H、−N(CH
2CH
3)
2、1.21(t、3H、J=7.2Hz、−N(CH
2CH
3)
2)、1.10(t、3H、J=7.2Hz、−N(CH
2CH
3)
2。
【0190】
化合物18、オフホワイト結晶、ESI MS m/z:500.4[M+H]
+。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ:7.71(d、2H、J=15.2Hz、H−1,7)、7.20(dd、2H、J=2.4、15.2Hz、H−2,6)、7.17(d、2H、J=8.0Hz、芳香族H−6’)、7.11(s、2H、芳香族H−2’)、6.83(d、2H、J=8.4Hz、芳香族H−5’)、3.89(s、12H、OCH
3 X 4)、3.47(d、2H、J=25.2Hz、C4−CH
2CO)、3.01(s、3H、−N(CH
3)
2)、2.92(s、3H、−N(CH
3)
2)。
【0191】
化合物19、浅黄色結晶、ESI MS m/z:471.2[M+H]
+。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ:7.72(d、2H、J=15.6Hz、H−1,7)、7.17(dd、2H、J=1.6、8.4Hz、芳香族H−6’)、7.08(d、2H、J=2.0Hz、芳香族H−2’)、7.06(dd、2H、J=2.8、15.6Hz、H−2,6)、6.84(d、2H、J=8.4Hz、芳香族H−5’)、3.91(s、6H、OCH
3 X 2)、3.90(s、6H、OCH
3 X 2)、2.29〜2.19(m、2H、−CH
2(CH
2)
2CH
3)、1.40〜1.30(m、4H、CH
2(CH
2)
2CH
3)、0.88(t、3H、、J=6.8Hz、−CH
2(CH
2)
2CH
3)。
【0192】
化合物23、黄色−橙色非晶質、ESI MS m/z:515.17[M+H]
+、537.15[M+Na]
+。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ:7.73(d、2H、J=15.6Hz、H−1,7)、7.17(dd、2H、J=2.0、8.4Hz、芳香族H−6’)、7.07(d、2H、J=2.0Hz、芳香族H−2’)、7.03(dd、2H、J=2.8、16.8Hz、H−2,6)、6.84(d、2H、J=8.0Hz、芳香族H−5’)、4.13〜4.06(m、2H、O
CH2CH
3)、3.90(s、6H、OCH
3 X 2)、3.89(s、6H、OCH
3 X 2)、2.65〜2.55(m、2H、C4−CH
2CH2CO−)、2.43〜2.39(m、2H、C4−
CH2CH
2CO−)、1.21(t、3H、J=6.4Hz、OCH
2CH3)。
【0193】
化合物25、黄色非晶質、ESI MS m/z:487.17[M+H]
+。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ:7.74(d、2H、J=15.6Hz、H−1,7)、7.16(d、2H、J=8.4Hz、芳香族H−6’)、7.07(s、2H、芳香族H−2’)、7.02(d、2H、J=16.8Hz、H−2,6)、6.83(d、2H、J=8.4Hz、芳香族H−5’)、3.90(s、6H、OCH
3 X 2)、3.89(s、6H、OCH
3 X 2)、2.64〜2.48(m、4H、C4−
CH2CH2CO−)。
【0194】
化合物27、黄色−橙色非晶質、ESI MS m/z:487.28[M+H]
+。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ:7.72(d、2H、J=16.0Hz、H−1,7)、7.15(dd、2H、J=1.6Hz、8.4Hz、芳香族H−6’)。7.06(d、2H、J=2.0Hz、芳香族H−2’)、7.01(dd、2H、J=2.4、15.6Hz、H−2,6)、6.89(d、2H、J=8.0Hz、芳香族H−5’)、5.95(s、2H、フェノールOH)、4.13〜4.07(m、2H、O
CH2CH
3)、3.92(s、6H、OCH
3 X 2)、2.62〜2.55(m、2H、C4−CH
2CH2CO−)、2.43〜2.39(m、2H、C4−
CH2CH
2CO−)、1.21(t、3H、J=7.2Hz、OCH
2CH3)。
【0195】
化合物20〜21の合成
スキーム17の中で示されている方法を用いて、化合物20および21を合成した。THF中のQ49またはQ77(1当量)の溶液に対して、Et
3N(1.5当量)を添加した。混合物を氷浴中で冷却し、THF中のトリフルオロメタンスルホニルクロリド(1当量)をゆっくりと添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌し、50℃まで5時間かけて、またはTLC監視しながら加熱した。反応を、氷水および酢酸エチルを添加することによって急冷した。水そして続いて酢酸エチルで抽出した後、粗製物を、塩化メチルおよび酢酸エチルで溶出するコンビフラッシュカラムクロマトグラフにより精製した。
【0196】
スキーム17
【化42】
【0197】
化合物20、オフホワイト結晶、ESI MS m/z:545.5[M+H]
+。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ:7.73(d、2H、J=15.6Hz、H−1,7)、7.15(d、2H、J=15.6Hz、H−2,6)、7.15〜7.13(m、2H、芳香族H−6’)、7.04(br、2H、芳香族H−2’)、6.82(d、2H、J=8.4Hz、芳香族H−5’)、3.88(s、6H、OCH
3 X 2)、3.82(s、6H、OCH
3 X 2)、3.60(s、2H、C4−CH
2CO),3.38〜3.33(m、4H、−N(CH
2CH
3)
2、1.22(t、3H、J=6.8Hz、−N(CH
2CH
3)
2)、1.08(t、3H、J=6.8Hz、−N(CH
2CH
3)
2。
【0198】
化合物21、オフホワイト結晶、ESI MS m/z:516.4[M+H]
+。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ:7.69(d、2H、J=15.6Hz、H−1,7)、7.18(d、2H、J=15.6Hz、H−2,6),7.14(dd、2H、J=3.6、10.0Hz、芳香族H−6’)、7.04(d、2H、J=2.0Hz、芳香族H−2’)、6.82(d、2H、J=8.4Hz、芳香族H−5’)、3.89(s、6H、OCH
3 X 2)、3.82(s、6H、OCH
3 X 2)、3.62(s、2H、C4−CH
2CO)、3.07(s、3H、−N(CH
3)
2)、2.92(s、3H、−N(CH
3)
2)。
【0199】
化合物26の合成
メチル化および脱保護を通してQ15Mから化合物26を合成した(スキーム18)。手順は、化合物27の作製として以上に記載されている。ESI MS m/z:483.2[M+H]
+、506.2[M+Na]
+。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ:7.65(d、2H、J=16.0Hz、H−1,7)、7.05(dd、2H、J=2.0Hz、8.4、Hz、芳香族H−6’)、6.96(d、2H、J=2.0Hz、芳香族H−2’)、6.85(d、2H、J=8.0Hz、芳香族H−5’)、6.59(d、2H、J=16.0Hz、H−2,6)、5.89(s、2H、フェノールOH)、4.11〜4.05(m、2H、O
CH2CH
3)、3.88(s、6H、OCH
3 X 2)、2.38〜2.19(m、4H、C4−
CH2CH2CO−)、1.42(s、3H、CH
3−C4)、1.21(t、3H、J=7.2Hz、OCH
2CH3)。
【0200】
スキーム18
【化43】
【0201】
化合物30の合成
化合物Qを得るためのU.Peterson(Liebigs Ann.Chem.1985、1557〜1569)によって記述された方法により、3−メトキシベンズアルデヒドの反応から出発して、化合物30、3−((1E,6E)−4−(シクロブチルメチル)−7−(3−メトキシフェニル)−4−メチル−3,5−ジオキソヘプタ−1,6−ジエン−1−イル)フェニルエタンスルホネートを合成した(スキーム19)。上述の方法を通したC4位でのメチル化により、化合物Q2が生成された。50%のHOAc中でQ2を80℃で5時間撹拌することにより保護基を除去しその後EtOAcで抽出しPTLCで精製して、Q3を得た。上述の通り、エタンスルホニル基を導入すること(CH
2Cl
2中での3当量の塩化エタンスルホニルおよびトリエチルアミンとの3時間の反応)により、所望の生成物30を得た。浅黄色非晶質、ESI MS m/z:497.4[M+H]
+。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ:7.66(d、1H、J=15.6Hz、H−1)、7.63(d、1H、J=15.6Hz、H−7)、7.43(d、br、1H、J=7.6Hz、芳香族H)、7.37(t、1H、J=8.0Hz、芳香族H)、7.34(t、1H、J=1.6Hz、芳香族H,)、7.28〜7.23(m、3H、芳香族H)、7.09(d、br、1H、J=7.6Hz、芳香族H)、6.99(t、1H、J=1.6Hz、芳香族H)、6.90(dd、1H、J=2.4、8.0Hz、芳香族H)、6.73(d、1H、J=15.6Hz、H−2)、6.71(d、1H、J=15.6Hz、H−6)、3.79(s、3H、OCH
3)、3.27(q、2H、J=7.2Hz、OSO
2CH2CH
3)、2.28〜2.18(m、1H、シクロブタン)、2.14(s、1H、C4−CH
2)、2.12(d、1H、J=2.4Hz、C4−CH
2)、1.99〜1.92(m、2H、シクロブタン)、1.81〜1.61(m、4H、シクロブタン)、1.52(t、3H、OSC
2CH
2CH3)、1.40(s、3H、C4−CH
3)。
【0202】
スキーム19
【化44】
【0203】
化合物32〜33の合成
1,2−ジメトキシ−4−プロピルベンゼンから出発して超音波処理の下で1,4−ジオキサン中のDDQとの反応により化合物32〜33を合成した(スキーム7)。結果として得たアルデヒド(>70%収量)をさらに、適切な3−置換ジオンと反応させ(U.Peterson:Liebigs Ann.Chem.1985、1557〜1569)て、化合物JM49Z6およびJM17Z6を得た。上述の通りの還流アセトン中でのヨウ化メチル(1.2当量)を用いたJM49Z6のメチル化により、化合物32を得た。上述の通りのアセトニトリル中のN−フルオロジベンゼンスルホンイミドとJM17Z6との室温での反応により、所望の生成物33を得た。
【0204】
化合物32、黄色−橙色非晶質、ESI MS m/z:576.6[M+H]
+。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ:7.46(d、1H、J=15.0Hz、H−3)、7.43(d、1H、J=15.0Hz、H−9)、6.99〜6.95(m、4H、芳香族H)、6.86(d、2H、J=15.2Hz、H−1,11)、6.80(d、2H、J=8.0Hz、芳香族H)、6.72(d、1H、J=15.2Hz、H−2)、6.69(d、1H、J=15.2Hz、H−10)、6.45(d、2H、J=15.0Hz、H−4,8)、3.84(12H、OCH
3 X 4)、3.36〜3.29(m、4H、−N(
CH2CH
3)
2、3.09(s、2H、C4−
CH2CO)、1.54(s、3H、CH
3−C4)、1.23〜1.13(m、6H、−N(CH
2CH3)
2)。
【0205】
化合物33、黄色−橙色非晶質、ESI MS m/z:535.6[M+H]
+。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ:7.51(d、1H、J=14.8Hz、H−3)、7.49(d、1H、J=14.8Hz、H−9)、7.03〜6.98(m、4H、芳香族H)、6.94(d、2H、J=15.2Hz、H−1,11)、6.83(d、2H、J=8.4Hz、芳香族H)、6.79(d、1H、J=15.2Hz、H−2)、6.76(d、1H、J=15.2Hz、H−10)、6.68(dd、2H、J=2.4、14.8Hz、H−4,8)、3.90(6H、OCH
3 X 2)、3.88(6H、OCH
3 X 2)、2.47〜2.38(m、1H、シクロブタン)、2.31(d、1H、J=7.2、C4−CH
2)、2.25(d、1H、J=7.2Hz、C4−CH
2)、2.00〜1.85(m、2H、シクロブタン)、1.83〜1.64(m、4H、シクロブタン)。
【0206】
スキーム20
【化45】
【0207】
実施例4:(1E,6E)−1,7−ビス−(置換フェニル)−4,4−ジ置換−ヘプタ−1,6−ジエン−3,5−ジオンまたは(1E,10E)−1,11−ビス(置換フェニル)−6,6−ジ置換−ウンデカ−1,3,8,10−テトラエン−5,7−ジオン構造足場を有する化合物および誘導体の生物活性の検出
この実施例で使用される材料および方法は、例えば実施例2(ただしこれに限定されない)など、本願中の以上において説明されてきた。以下のアッセイおよび実験の結果が表2に提供されている。
【0208】
ARの減少のため、指示された化合物は、インキュベーションから24時間または48時間後にウェスタンブロットによりアッセイされ判定される癌細胞中でのARタンパク質の発現を誘発した。AR発現の50%の減少を誘発する各化合物の用量が示されている。
【0209】
腫瘍細胞成長をインビトロで阻害するため、試験用化合物の存在下で5日間細胞を成長させ、標準的MTTアッセイにより細胞成長をアッセイした。50%の成長阻害を誘発する各化合物の用量が示されている。
【0210】
表2:(1E,6E)−1,7−ビス−(3,4−ジメトキシフェニル)−4,4−ジ置換−ヘプタ−1,6−ジエン−3,5−ジオンまたは(1E,10E)−1,11−ビス(置換フェニル)−6,6−ジ置換−ウンデカ−1,3,8,10−テトラエン−5,7−ジオン構造足場を有する化合物および誘導体の生物活性
【表2】
【0211】
実施例5:修飾化合物の安定性の改善
表3〜表5に示されている通り、2つのベンゼン環のリンカー上に1つのエノールと1つのケトン基を有する化合物JM49およびJM77は、37℃の温度で(i)酸性条件(0.1N HCl)中;(ii)ラット血漿中および(iii)ヒト血漿中において化学的に不安定である。これらの条件下では、化合物JM49およびJM77について、その相対濃度は、インキュベーション時間と共に急速に、すなわち酸性条件下では1時間という速さで減少した(表3中のJM77)。しかしながら、JM49が化合物6に修飾されJM77が化合物7に修飾された式VIにしたがった化学的誘導体について、これらの新規誘導体(化合物6および化合物7)の安定性は、3つのインキュベーション条件全ての下で、予想外にかつ劇的に改善した。表3に示されている通り(酸性条件)、1時間で8%であったJM77の安定性は、化合物7において99%まで改善した。同様に、JM49の安定性が4%にすぎなかった24時間の時点で、その誘導体化合物6の安定性は79%まで改善した。ラット血漿(表4)およびヒト血漿(表5)の条件においても同様に、安定性の類似の改善(6〜24時間後)が観察された。これらのデータは、式VIにしたがって化学的修飾を通してエノール−ケトン基を有する化合物をリンカー上のジ−ケトン部分へと修飾することで、それらの化学的ならびに代謝的安定性が予想外かつ劇的に改善したということを示している。
【0212】
表3.酸性条件中での相対的化合物濃度の変化(安定性)
【表3】
【0213】
表4.ラット血漿中の相対的化合物濃度の変化(安定性)
【表4】
【0214】
表5.ヒト血漿中の相対的化合物濃度の変化(安定性)
【表5】
【0215】
本願およびいずれかの参考文献一覧および添付文書中で言及されている特許文書および科学論文を含めた全ての刊行物は、各々の個別の刊行物が個別の形で参照により組み込まれていた場合と同じレベルで、全ての目的のためその全体が参照により組み込まれるものである。
【0216】
全ての見出しは、読者の便宜のためのものであり、そのように規定されているのでないかぎり、後続する文章の意味を限定するために使用されるべきものではない。