【課題を解決するための手段】
【0004】
本願発明の主題は、癌発生率の予測及び癌の再発のリスクの予測のためのPENKの予後予測及び診断能力を研究することであった。この問題に対処するために、空腹時血漿中のプロ‐エンケファリンの適切な断片(Ernstら、2006)が、前記スウェーデンの前向きコホート研究(Malmo Diet and Cancer Study)において測定し、そして追跡の15年の間の乳癌発生率に対するこのバイオマーカーのベースラインレベルを関連付けた。
【0005】
驚くべきことに、プロ‐エンケファリンが、癌に罹患していない女性対象において、癌になるリスクを予測し、又は女性対象において癌を診断するための女性のための有力なそして非常に重要なバイオマーカーであることが示された。
【0006】
従って、本願発明の主題は、癌に罹患していない女性対象において、癌になるリスクを予測し、又は女性対象において癌を診断するための方法であり、以下のステップ:
前記女性対象から得られた体液中のプロ‐エンケファリン又は少なくとも5つのアミノ酸のその断片のレベルを決定し;そして
前記プロ‐エンケファリン又はその断片と癌になるリスクとを相関させ、ここで低減したレベルは、増大した癌になるリスクを予測し、又は癌を診断する、ここで低減したレベルは、癌の診断と相関関係がある
ことを含む、方法である。
【0007】
癌の例は、乳癌、肺癌、膵臓癌及び結腸癌からなる群から選択されてもよい。本願明細書全体を通じて、用語「プロ‐エンケファリンの断片(fragment of Pro‐Enkephalin)」は、また、Leu‐エンケファリン及びMet‐エンケファリンを含むことが理解されるべきである。
【0008】
本願発明の特定の実施態様では、前記癌は、乳癌である。本願発明の他の特定の実施態様では、前記癌は、肺癌である。従って、本願発明の主題は、癌、例えば、乳癌、肺癌などに罹る女性の感受性の決定である。
【0009】
本研究で得られたデータは、また、男性対象において癌になるリスクと前記男性対象から得た体液中のプロ‐エンケファリン又は少なくとも5つのアミノ酸のその断片のレベルとの間の相関を明らかにしたが、この相関関係は、男性においてまた、PENKの低減したレベルで、増大した癌のリスクについての明確な傾向があったが、しかしながら、本データセットについて、統計的に有意ではなかった。従って、男性対象のためにも、本願発明の方法の価値はあるが、本研究において、観察された効果は、男性対象について、女性対象と比較して同程度に強いものではなかった。これは、男性集団における癌事象が少ないことが、主な原因であるかもしれない。
【0010】
さらに、本研究で得られたデータは、女性対象において癌になるリスクと前記女性対象から得た体液中のプロ‐エンケファリン又は少なくとも5つのアミノ酸のその断片との間の相関関係を、ここで、前記癌は、肺癌又は乳癌ではなかったが、また明らかにした。この特定の集団における少数の事象のために、この相関関係は、しかしながら、本データセットについて統計的に有意ではなかった。有意ではないが、明確な傾向があった。本データは、エンケファリン、PENKの断片の公知のプロアポトーシス作用により、他の癌においても、そのような相関関係を示唆することが、さらに信頼できる。先行技術を発端として、プロ‐エンケファリン又はその断片が、癌を予測し得ることは驚くべきことである。乳癌及び肺癌について統計的に非常に関連性のある本データを根幹として、同様に他の種類の癌について予後予測し得ることが期待され、そして信頼できる。
【0011】
本願明細書中で使用される場合、用語「対象(subject)」は、生きているヒト又はヒト以外の生物を意味する。本明細書中で好ましくは、対象は、ヒト対象である。
【0012】
用語「低減したレベル(reduced level)」は、特定の閾値レベル未満のレベルを意味する。
【0013】
体液は、血液、血清、血漿、尿、脳脊髄液(csf)及び唾液を含む群から選択されてもよい。
【0014】
本願発明の1つの実施態様では、前記女性対象は、体液のサンプルが前記女性対象から採取された時点で、診断された癌を有したことがない。
【0015】
他の実施態様では、前記女性対象は、癌に罹患していると以前に診断されており、そして、体液のサンプルが前記女性対象から採取された時点で、治癒しており、そして癌の再発のリスクが決定され、又は癌の再発が予測される。
【0016】
プロ‐エンケファリンは、以下の配列を有する。
【0017】
配列番号1(プロ‐エンケファリン(1‐243))
【化1】
【0018】
体液中で測定し得るプロ‐エンケファリンの断片は、例えば、以下の断片の群から選択される。
配列番号2(シンエンケファリン(Synenkephalin)、プロ‐エンケファリン1‐73)
【化2】
【0019】
配列番号3(Met‐エンケファリン)
【化3】
【0020】
配列番号4(Leu‐エンケファリン)
【化4】
【0021】
配列番号5(プロ‐エンケファリン90‐109)
【化5】
【0022】
配列番号6(プロ‐エンケファリン119‐159、中領域(Mid regional)プロ‐エンケファリン、MRPENK)
【化6】
【0023】
配列番号7(Met‐エンケファリン‐Arg‐Gly‐Leu)
【化7】
【0024】
配列番号8(プロ‐エンケファリン172‐183)
【化8】
【0025】
配列番号9(プロ‐エンケファリン193‐203)
【化9】
【0026】
配列番号10(プロ‐エンケファリン213‐234)
【化10】
【0027】
配列番号11(プロ‐エンケファリン213‐241)
【化11】
【0028】
配列番号12(Met‐エンケファリン‐Arg‐Phe)
【化12】
【0029】
Leu‐エンケファリン及びMet‐エンケファリンを含むプロ‐エンケファリン又はその断片のレベルを決定は、プロ‐エンケファリン又はLeu‐エンケファリン及びMet‐エンケファリンを含む、その断片に向けての免疫反応性が決定されることを意味し得る。結合の領域に依存する、Leu‐エンケファリン及びMet‐エンケファリンを含むプロ‐エンケファリン又はその断片の決定のために使用される結合剤は、上に示した分子の1つ以上に結合してもよい。これは、当業者に明らかである。
【0030】
従って、本願発明によれば、任意の上記ペプチド及びペプチド断片のアミノ酸配列(すなわち、プロ‐エンケファリン(PENK)及び任意の配列番号1〜12による断片)内の領域に結合する少なくとも1つの結合剤を使用することによる免疫反応性分析物のレベルは、前記対象から得た体液において決定し;そして、臨床的関連の特定の実施態様と相関させる。
【0031】
本願発明による方法のより具体的な実施態様では、MRPENKのレベルが決定される(配列番号6:プロ‐エンケファリン119‐159、中領域プロ‐エンケファリン断片、MRPENK、DAEEDDSLANSSDLLKELLETGDNRERSHHQDGSDNEEEVS)。より具体的な実施態様では、MR‐PENKに結合する少なくとも1つの結合剤を使用することによる免疫反応性分析物のレベルが決定され、そして本願発明による臨床的関連の特定の実施態様と相関させる。
【0032】
プロ‐エンケファリン又はLeu‐エンケファリン及びMet‐エンケファリン又はそれらの断片を含むその断片のレベルの決定は、プロ‐エンケファリン又はLeu‐エンケファリン及びMet‐エンケファリンを含む、その断片に向けての免疫反応性が決定されることを意味し得る。結合の領域に依存する、Leu‐エンケファリン及びMet‐エンケファリンを含むプロ‐エンケファリン又はその断片の決定のために使用される結合剤は、上に示した分子の1つ以上に結合してもよい。これは、当業者に明らかである。本願発明の他の実施態様では、断片は、Leu‐エンケファリン又はMet‐エンケファリンでなく、本願発明の他の実施態様では、プロ‐エンケファリン又はLeu‐エンケファリン及びMet‐エンケファリンを含まない、その断片に向けての免疫反応性が決定される。
【0033】
あるいは、任意の上の分析物のレベルが、他の分析方法、例えば、質量分析法によって、決定されてもよい。
【0034】
特定の実施態様では、プロ‐エンケファリン又はその断片のレベルは、プロ‐エンケファリン又はその断片に結合する抗体又は抗体の断片を使用するイムノアッセイで測定される。プロ‐エンケファリン又は少なくとも5つのアミノ酸のその断片を決定するために有用であり得るイムノアッセイは、実施例2で概説されるステップを含んでもよい。すべての閾値及び値は、実施例2に従って使用される試験及びキャリブレーションに対する相関について理解されなければならない。当業者は、閾値の絶対値が、使用されるキャリブレーションによって影響されるかもしれないことを理解しているであろう。これは、本願明細書中で与えられたすべての値及び閾値が、本願明細書中で使用されるキャリブレーション(実施例2)の文脈において理解されるべきであることを意味する。本願発明によれば、プロ‐エンケファリンに対する診断結合剤は、抗体、例えば、IgG、標準的な全長免疫グロブリン、又は、少なくとも重及び/又は軽鎖のF‐可変領域を有する抗体断片、例えば、化学結合した抗体(Fab)、限定されないが、Fabミニボディを含むFab‐断片、単鎖Fab抗体、エピトープタグを有する一価のFab抗体、例えば、CH3領域で二量体化されたFab‐V5Sx2;二価Fab(ミニ抗体);二価Fab又は多価Fab、例えば、異種ドメインを用いて多量体化を介して形成される、例えば、dHLXドメインの二量体化を介して、例えば、Fab‐dHLX‐FSx2;F(ab’)、scFx‐断片、多量体化多価又は/及び多重特異性scFv‐断片、二価及び/又は二重特異性ダイアボディ、BITE(登録商標)(二重特異性T細胞誘導(bispecific T・cell engager))、三機能性(trifunctional)抗体、多価抗体、例えば、Gとは異なるクラス由来の;シングルドメイン抗体、例えば、ラクダ科の動物又はフィッシュ免疫グロブリン由来のナノボディからなる群から選択される。
【0035】
特定の実施態様では、プロ‐エンケファリン又はその断片のレベルは、以下で詳細に記載されるような、プロ‐エンケファリン又はその断片に結合する、アプタマー、非‐Igスキャフォールドを含む群から選択される結合剤を使用するアッセイで測定される。
【0036】
プロ‐エンケファリン又はその断片のレベルを決定するために使用され得る結合剤は、少なくとも10
7M
-1、好ましくは、10
8M
-1のプロ‐エンケファリンに対する親和定数、好ましい親和定数は、10
9M
-1超、最も好ましくは、10
10M
-1超を示す。当業者は、化合物のより高い用量を適用することによってより低い親和性を補うと考えられ得、そしてこの測定が、本願発明の範囲外につながらないことを理解する。結合親和性は、分析サービス、例えば、Biaffin Kassel Germany(http://www.biaffin.com/de/)として提供されるBiacoreを使用して決定されてもよい。
【0037】
ヒトプロ‐エンケファリン対照サンプルは、ICI‐Diagnostics,Berlin,Germany http://www.ici‐diagnostics.com/から入手し得る。アッセイは、また、合成(本願発明者等の実験では、本願発明者等は、合成MRPENK、配列番号6を使用)又は組み換えプロ‐エンケファリン又はその断片によってキャリブレーションしてもよい。
【0038】
本願発明の方法に従って、女性対象において乳癌になるリスクを決定し、又は女性対象における乳癌を診断するための閾値は、100pmol/l PENK未満、50pmol/l未満、より好ましくは、40.4pmol/l未満である。特定の実施態様では、前記閾値は、約40.4pmol/lである。これらの閾値は、上記のキャリブレーション法に関連する。前記閾値未満のPENK値は、対象が、癌にかかる増大したリスクを有し、又はすでに癌に罹患していることを意味する。
【0039】
本願発明の1つの実施態様では、前記方法は、女性対象において乳癌になるリスクを監視するために、又は処置の経過を監視するために、2回以上行われる。1つの特定の実施態様では、前記監視は、採用される予防及び/又は治療手段に対する前記女性対象の応答を評価するために行われる。
【0040】
本願発明の1つの実施態様では、方法は、前記女性対象をリスク群に層別化するために使用される。
【0041】
本願発明の主題は、また、女性において癌になるリスクを予測し、又は任意の従前の実施態様に従って、癌になる増大したリスクを有する女性対象を識別するための方法であり、ここで、前記女性対象から得た体液中のプロ‐エンケファリン又は少なくとも5つのアミノ酸のその断片のレベルが、単独で又は他の予後予測に有用な実験室的又は臨床的パラメーターと組み合わせてのいずれかで、以下の選択肢:
「健康な」又は「見かけ上健康な」対象の集団において予め決定されたサンプルのアンサンブル中の前記女性対象から得た体液中のプロ‐エンケファリン又は少なくとも5つのアミノ酸のこの断片のレベルの中央値との比較、
「健康な」又は「見かけ上健康な」対象の集団において予め決定されたサンプルのアンサンブル中の前記女性対象から得た体液中のプロ‐エンケファリン又は少なくとも5つのアミノ酸のこの断片のレベルの変位値との比較、
Cox比例ハザード分析に基づく、又はリスク指標計算、例えば、NRI(純再分類指標(Net Reclassification Index))又はIDI(統合判別指標(Integrated Discrimination Index))を使用することによる計算
から選択されてもよい方法による有害事象を得る対象のリスクの予測のために使用される。
【0042】
本願発明の主題の1つの実施態様は、また、女性において癌になるリスクを予測し、又は任意の従前の実施態様に従って、癌になる増大したリスクを有する女性対象を識別するための方法であり、ここで、前記女性対象から得た体液中のプロ‐エンケファリン又は少なくとも5つのアミノ酸のその断片のレベルが、単独で又は他の予後予測に有用なバイオマーカーと組み合わせて使用される。
【0043】
本願発明による方法のより具体的な実施態様では、プロ‐ニューロテンシン1‐117のレベルが、プロ‐エンケファリン又はその断片の決定に加えて決定されてもよい。
【0044】
従って、本願発明の主題は、また、癌に罹患していない女性対象において癌になるリスクを予測し、又は女性対象において癌を診断するための方法であって、以下のステップ:
前記女性対象から得た体液中のプロ‐エンケファリン又はLeu‐エンケファリン及びMet‐エンケファリンの少なくとも5つのアミノ酸を含む、その断片のレベルを決定し;
前記女性対象から得た体液中のプロ‐ニューロテンシン又は少なくとも5つのアミノ酸のその断片のレベルを決定し;そして
前記プロ‐エンケファリン又はその断片及びプロ‐ニューロテンシン又は少なくとも5つのアミノ酸のその断片と癌になるリスクとを相関させ、ここで、プロ‐エンケファリンの低減したレベルが、癌になる増大したリスクのための予測であり、又は癌を診断し、ここで、低減したレベルが癌の診断と相関関係があり、そしてここで、プロ‐ニューロテンシンの増加したレベルが、癌になる増大したリスクのための予測であり、又は癌を診断する、ここで、増加したレベルが、癌の診断と相関関係がある
ことを含む、方法である。
【0045】
配列番号13(プロ‐ニューロテンシン1‐147)
【化13】
【0046】
配列番号14(プロ‐ニューロテンシン1‐125(ラージニューロメディン(large neuromedin)N)
【化14】
【0047】
配列番号15(ニューロメディンN)
【化15】
【0048】
配列番号16(ニューロテンシン)
【化16】
【0049】
配列番号17(プロ‐ニューロテンシン1‐117)
【化17】
【0050】
配列番号18(プロ‐ニューロテンシン1‐132)
【化18】
【0051】
配列番号19(プロ‐ニューロテンシン120‐140)
【化19】
【0052】
配列番号20(プロ‐ニューロテンシン120‐147)
【化20】
【0053】
配列番号21(プロ‐ニューロテンシン128‐147)
【化21】
【0054】
特定の実施態様では、プロ‐ニューロテンシンのレベルは、イムノアッセイで測定される。より具体的には、イムノアッセイは、Ernstら(Peptides(2006),(27)1787‐1793)に記載されたように使用されてもよい。プロ‐ニューロテンシン又は少なくとも5つのアミノ酸のその断片のレベルを決定するために有用であり得るイムノアッセイは、実施例2に概説されるようなステップを含んでもよい。すべての閾値及び値は、実施例2に従って使用される試験及びキャリブレーションに対する相関について理解されなければならない。当業者は、閾値の絶対値が、使用されるキャリブレーションによって影響されるかもしれないことを理解しているであろう。これは、本願明細書中で与えられたすべての値及び閾値が、本願明細書中で使用されるキャリブレーション(実施例2)の文脈において理解されるべきであることを意味する。ヒトプロ‐ニューロテンシン‐キャリブレーターは、ICI‐Diagnostics,Berlin,Germanyによって入手し得る。あるいは、アッセイは、また、合成又は組み換えP‐NT1−117又はその断片によってキャリブレーションされてもよい(Ernstら、2006をまた参照)。
【0055】
プロ‐ニューロテンシン又はその断片のレベルを決定するために使用されてもよい結合剤は、少なくとも10
7M
-1、好ましくは、10
8M
-1のプロ‐ニューロテンシンに対する親和定数を示し、好ましい親和定数は10
9M
-1超であり、最も好ましくは、10
10M
-1である。当業者は、化合物のより高い用量を適用することによってより低い親和性を補うと考えられ得、そしてこの測定が、本願発明の範囲外につながらないことを理解する。結合親和性は、分析サービス、例えば、Biaffin Kassel Germany(http://www.biaffin.com/de/)として提供されるBiacoreを使用して決定されてもよい。本願発明の方法による、女性対象において乳癌になるリスクを決定するための、又は女性対象において乳癌を診断するための閾値は、78pmol/l PNT超、好ましくは、100pmol/l PNT超、より好ましくは、150pmol/l PNT超である。特定の実施態様では、前記閾値は、約100pmol/l PNT超である。これらの閾値は、上記キャリブレーション法に関連する。上記閾値超のP‐NT値は、対象が癌になる増大したリスクを有し、又は既に癌に罹患していることを意味する。
【0056】
本願発明の1つの実施態様では、前記方法は、女性対象において乳癌になるリスクを監視するために、又は処置の経過を監視するために、2回以上行われる。1つの特定の実施態様では、前記監視は、採用される予防及び/又は治療手段に対する前記女性対象の応答を評価するために行われる。
【0057】
本願発明の1つの実施態様では、方法は、前記女性対象をリスク群に層別化するために使用される。
【0058】
本願発明の1つの実施態様では、癌は、乳癌及び肺癌を含む群から選択される。
【0059】
本願発明の主題は、アミノ酸113‐140(LKELLETG、配列番号22)及びアミノ酸152‐159(SDNEEEVS,配列番号23)であるプロ‐エンケファリンの領域内の2つの異なる領域に結合する2つの結合剤を含む、サンプル中のプロ‐エンケファリン及びプロ‐エンケファリン断片を決定するためのさらなるアッセイであり、ここで、それぞれの前記領域は、少なくとも4又は5つのアミノ酸を含む。
【0060】
本願発明によるサンプル中のプロ‐エンケファリン又はプロ‐エンケファリン断片を決定するためのアッセイの1つの実施態様では、前記アッセイの分析感度は、健康な対象のプロ‐エンケファリン又はプロ‐エンケファリン断片を定量することができ、そして、<15pmol/l、好ましくは、<10pmol/l、そして最も好ましくは、<6pmol/lである。
【0061】
本願発明によるサンプル中のプロ‐エンケファリン又はプロ‐エンケファリン断片を決定するためのアッセイの1つの実施態様では、前記結合剤は、少なくとも10
7M
-1、好ましくは、10
8M
-1のその結合パートナーに対する結合親和性を示し、好ましい親和定数は10
9M
-1未満であり、最も好ましくは、10
10M
-1未満である。当業者は、化合物のより高い用量を適用することによってより低い親和性を補うと考えられ得、そしてこの測定が、結合親和性が上記のように決定されてもよい、本願発明の範囲外につながらないことを理解する。
【0062】
本願発明によるサンプル中のプロ‐エンケファリン又はプロ‐エンケファリン断片を決定するためのアッセイの1つの実施態様では、そのようなアッセイは、サンドイッチアッセイ、好ましくは、完全に自動化されたアッセイである。ELISAは完全に自動化又は手動であってもよい。いわゆる、POC‐試験(臨床現場即時(point‐of‐care)試験)であってもよい。自動又は完全に自動化されたアッセイの例は、以下のアッセイ:Roche Elecsys(登録商標)、Abbott Architect(登録商標)、Siemens Centauer(登録商標)、Brahms Kryptor(登録商標)、Biomerieux Vidas(登録商標)、Alere Triage(登録商標)の1つに使用されてもよいアッセイを含む。
【0063】
本願発明によるサンプル中のプロ‐エンケファリン又はプロ‐エンケファリン断片を決定するためのアッセイの1つの実施態様では、前記2つの結合剤の少なくとも1つが、検出されるために、標識される。標識の種類は、上で提供される。
【0064】
本願発明によるサンプル中のプロ‐エンケファリン又はプロ‐エンケファリン断片を決定するためのアッセイの1つの実施態様では、前記2つの結合剤の少なくとも1つが、固相に結合される。固相の例は、上で提供される。
【0065】
本願発明によるサンプル中のプロ‐エンケファリン又はプロ‐エンケファリン断片を決定するためのアッセイの1つの実施態様では、前記標識は、化学発光標識、酵素標識、蛍光標識、放射性ヨード標識を含む群から選択される。
【0066】
本願発明のさらなる主題は、本願発明に従ったアッセイを含むキットであり、ここで、前記キットの構成要素は、1つ以上の容器中に含まれてもよい。