(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
円筒状の部材であって外側面にねじ部を有する主体金具と、前記主体金具の中心軸方向における端面に取り付けられている接地電極と、を備えるスパークプラグの製造方法であって、
前記主体金具の中心軸に沿って前記主体金具を回転させつつ、前記中心軸方向において一定の位置にある測定領域を通過する前記ねじ部の表面を測定する測定工程と、
前記測定工程において得られた情報に基づいて、前記端面において前記接地電極が取り付けられる取付位置を算出する取付位置算出工程と、
前記取付位置に前記接地電極を接合する接合工程と、を備え、
前記測定工程は、前記ねじ部の表面の変位を非接触式の変位センサを用いて測定する工程を含むことを特徴とする、スパークプラグの製造方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のスパークプラグの製造方法では、主体金具の外側面に形成されたねじ部の表面をカメラで撮影した画像に基づいて、接地電極の取付位置を決定している。しかし、このようなスパークプラグの製造方法では、表面が平らでないねじ部をカメラで撮影するために、焦点の合わせ方によっては撮影したねじ部の形状がぼやけることがあることから、接地電極の取付位置にばらつきが生じる場合があった。このため、接地電極の取付位置にばらつきが生じることを抑制することによって、スパークプラグの所定の位置に接地電極を取り付けることを精度良く行うことができる技術が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
【0006】
(1)本発明の一形態によれば、スパークプラグの製造方法が提供される。このスパークプラグの製造方法は、円筒状の部材であって外側面にねじ部を有する主体金具と、前記主体金具の中心軸方向における端面に取り付けられている接地電極と、を備えるスパークプラグの製造方法であって、前記主体金具の中心軸に沿って前記主体金具を回転させつつ、前記中心軸方向において一定の位置にある測定領域を通過する前記ねじ部の表面を測定する測定工程と、前記測定工程において得られた情報に基づいて、前記端面において前記接地電極が取り付けられる取付位置を算出する取付位置算出工程と、前記取付位置に前記接地電極を接合する接合工程と、を備え、前記測定工程は、前記ねじ部の表面の変位を非接触式の変位センサを用いて測定する工程を含むことを特徴とする。この形態によれば、ねじ部の表面における変位を測定するため、ねじ部の表面をカメラで撮影する態様と比べて、接地電極の取付位置の決定の基準となるねじ部の表面を測定することについての精度が向上できる。よって、接地電極の取付位置にばらつきが生じることを抑制できることから、スパークプラグの所定の位置に接地電極を取り付けることを精度良く行うことができる。
【0007】
(2)上記形態におけるスパークプラグの製造方法において、さらに、前記主体金具ごとに測定された前記主体金具において基準とされる位置に基づいて、前記基準とされる位置から中心軸方向に沿って所定の距離離れた位置を前記一定の位置と決定する位置決定工程を備えてもよい。この形態によれば、主体金具ごとの製造上のばらつきに応じてねじ部の測定領域を決定できる。このため、主体金具ごとの製造上のばらつきに応じることなく固定された同じ位置を測定領域としてねじ部の表面を測定する態様と比べて、測定工程における測定の精度を向上させることができる。
【0008】
(3)上記形態におけるスパークプラグの製造方法において、前記取付位置算出工程は、前記測定領域を通過している前記ねじ部の表面のうち、前記中心軸から見て外側方向に突出している突出部分を基準として前記取付位置を算出することを特徴としてもよい。この形態によれば、接地電極の取付位置の決定の基準として、ねじ部の表面において特徴的な部分を用いるため、接地電極の取付位置における精度がより一層向上できる。
【0009】
(4)上記形態におけるスパークプラグの製造方法において、前記取付位置算出工程は、前記測定領域を通過している前記ねじ部の表面のうち、前記中心軸から見て内側方向に窪んでいる窪み部分を基準として前記取付位置を算出することを特徴としてもよい。この形態によれば、接地電極の取付位置の決定の基準として、ねじ部の表面において特徴的な部分を用いるため、接地電極の取付位置における精度がより一層向上できる。
【0010】
本発明の形態は、スパークプラグの製造方法に限るものではなく、例えば、スパークプラグの製造装置、内燃機関に搭載するスパークプラグ、その内燃機関を備えた内燃機関システム、その内燃機関システムを搭載した車両などの種々の形態に適用することも可能である。また、本発明は、前述の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において様々な形態で実施し得ることは勿論である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
A.第1実施形態:
A1.スパークプラグの構成
図1は、スパークプラグ100の部分断面を示す説明図である。
図1には、スパークプラグ100の軸心である軸線CAを境界として、軸線CAより紙面左側にスパークプラグ100の外観形状が図示され、軸線CAより紙面右側にスパークプラグ100の断面形状が図示されている。本実施形態では、スパークプラグ100における
図1の紙面下側を「先端側」といい、
図1の紙面上側を「後端側」という。
図1には、相互に直交するXYZ軸が図示されている。
図1のXYZ軸は、他の図のXYZ軸に対応する。
図1に示した軸線CAは、Z軸に沿った軸線である。
【0013】
スパークプラグ100は、中心電極10と、端子金具20と、絶縁体30と、主体金具40と、接地電極50とを備える。本実施形態では、スパークプラグ100の軸線CAは、中心電極10、端子金具20、絶縁体30および主体金具40の各部材における軸心でもある。
【0014】
スパークプラグ100は、中心電極10と接地電極50との間に形成された火花放電間隙(火花放電ギャップ)を先端側に有する。スパークプラグ100は、火花放電間隙が形成された先端側を燃焼室92の内壁91から突出させた状態で内燃機関90に取り付け可能に構成されている。スパークプラグ100が内燃機関90に取り付けられた状態で中心電極10に高電圧(例えば、1万〜3万ボルト)を印加された場合、火花放電間隙において火花放電が発生する。火花放電間隙に発生した火花放電は、燃焼室92における混合気に対する着火を実現する。
【0015】
中心電極10は、導電性を有する電極である。中心電極10は、軸線CA方向に延びた棒状を成す。中心電極10の外側面は、絶縁体30によって外部から電気的に絶縁されている。中心電極10の先端側は、絶縁体30の先端側から突出している。端子金具20は、電力の供給を受けるための端子であり、中心電極10に電気的に接続されている。
【0016】
絶縁体30は、電気絶縁性を有する碍子である。絶縁体30は、軸線CAを中心に延びた筒状を成す。本実施形態では、絶縁体30は、絶縁性セラミックス材料(例えば、アルミナ)を焼成することによって作製される。絶縁体30は、軸線CA方向に延びた貫通孔である軸孔39を有する。軸孔39には、絶縁体30の先端側から中心電極10を突出させた状態で、中心電極10が軸線CA上に保持されている。
【0017】
主体金具40は、導電性を有する金属体である。主体金具40は、軸線CA方向に延びた円筒状を成す。本実施形態では、主体金具40は、筒状に成形された低炭素鋼にニッケルめっきを施した部材である。主体金具40の先端側の外側面には、スパークプラグ100を内燃機関90の燃焼室92に取り付けるためのねじ部42が形成されている。
【0018】
ねじ部42の後端側には、鍔部44が形成されている。鍔部44は鍔状の外観形状を有する。鍔部44においてZ軸方向の+側を向いた面45には、スパークプラグ100の製造過程においてガスケット46が取り付けられる。ガスケット46は、鍔部44によって内燃機関90に押し付けられてスパークプラグ100と内燃機関90との間を封止することによって、燃焼室92内の気密性を確保する。
【0019】
主体金具40の先端側には、XY平面に沿った環状の端面48が形成されている。端面48の中心からは、中心電極10と共に絶縁体30が+Z軸方向(先端方向)に向けて突出している。端面48には、接地電極50が接合されている。
【0020】
接地電極50は、導電性を有する電極である。接地電極50は、棒状を成し、その一端が主体金具40の端面48に接合されている。接地電極50は、主体金具40の端面48からZ軸方向の+側に延びた後に軸線CAに向けて屈曲されている。本実施形態では、接地電極50の材質は、ニッケル(Ni)を主成分とするニッケル合金である。
【0021】
A2.スパークプラグの製造方法
図2は、スパークプラグ100の製造方法を示す工程図である。スパークプラグ100の製造者は、スパークプラグ100を製造する際、製造途中の主体金具40である主体金具40Pを作製する(工程P100)。本実施形態では、主体金具40Pは、プレス加工および切削加工によって作製される。本実施形態では、主体金具40Pには、ねじ部42が形成されていない。
【0022】
主体金具40Pが作製された後(工程P100)、主体金具40Pは、ねじ切り工程を実施されることによって、主体金具40Pの外側面にねじ部42を形成される(工程P110)。ねじ切り工程(工程P110)は、ダイスによる転造加工によって行われる。ねじ切り工程(工程P110)が実施された後、主体金具40Pには、溶接工程(工程P120)が実施される。溶接工程(工程P120)は、製造途中の接地電極50である接地電極50Pが主体金具40Pの端面48に溶接される工程である。本実施形態では、接地電極50Pは、屈曲しておらず、真っ直ぐに延びた棒状の部材である。接地電極50PのZ軸方向に垂直な断面は、長方形断面である。
【0023】
その後、主体金具40Pは、表面加工(めっき)が実施される(工程P130)。これによって、主体金具40は完成する。
【0024】
主体金具40が完成した後(工程P130)、主体金具40は、他の部材(中心電極10、端子金具20、絶縁体30など)を組み付けられる(工程P140)。これによって、スパークプラグ100が完成する。本実施形態では、主体金具40に他の部材が組み付けられる工程(工程P140)において、接地電極50Pに曲げ加工が実施される。
【0025】
A3.スパークプラグの製造装置の構成
図3は、接地電極50Pが主体金具40Pの端面48に溶接される溶接工程(工程P120)において用いられる本実施形態のスパークプラグの製造装置200を示す説明図である。スパークプラグの製造装置200は、保持部210と、表面測定部220と、位置算出部230と、供給部240とを備える。
【0026】
尚、本実施形態では、ねじ切り工程(工程P110)において、主体金具40Pの外側面にねじ部42が形成されたものをワークWと呼ぶ。
【0027】
保持部210は、ワークWを保持する。保持部210は、軸線CA方向に延びた筒状を成す主体金具40Pの筒内にZ軸方向の−側から挿入されることによって、ワークWを保持する。保持部210は、ワークWを保持した状態において、軸線CAに沿ってワークWを回転させることができる。ワークWが回転させられているとき、ワークWのZ軸方向における位置は変わらない。
【0028】
表面測定部220は、ワークWが回転させられているとき、Z軸方向における一定の位置にある測定領域Rを通過するねじ部42の表面の変位を測定する。測定領域RのZ軸方向における幅は、測定されるねじ部42のピッチ以下の幅である。
【0029】
本実施形態では、表面測定部220は、XZ平面における断面形状が円であるレーザ光をY軸方向の−側から+側に向けて照射して測定領域Rを形成する。表面測定部220は、測定領域Rを通過するねじ部42の表面までの距離の変位を非接触で測定する変位センサである。
【0030】
図4は、保持部210に保持されているワークWを、Y軸方向の−側から見た説明図である。表面測定部220は、測定領域Rを通過しているねじ部42の表面までの距離を測定し、ワークWを回転させた際の距離の変位の位相Ph1を、情報A1として取得する。
【0031】
本実施形態では、接地電極50Pの取付位置の決定の基準として、軸線CAから見てねじ部42の外側方向に突出している突出部分を用いる。ねじ部42の外側方向に突出している突出部分は、ねじ部42の表面において特徴的な部分であるため、接地電極50Pの取付位置の精度を向上できる。
【0032】
図5は、保持部210がワークWを回転させた際の距離の変位の位相Ph1を示す図である。
図5の縦軸は、表面測定部220によって検出された、測定領域Rを通過しているねじ部42の表面までの距離を示す。
図5の横軸は、保持部210の回転における位相角を示す。なお、ねじ部42は転造加工によって主体金具40Pの外側面に形成されているため、ねじ部42の外側方向に突出している突出部分における端部は、先鋭な形状ではなく平滑な形状である。
【0033】
本実施形態において、「ねじ部42の外側方向に突出している突出部分」を、以下のように定義する。すなわち、「ねじ部42の外側方向に突出している突出部分」は、位相Ph1における各変曲点間の傾斜線S1およびS2から伸びた仮想の延長線L1およびL2同士が交わった点Pの部分である。なお、本実施形態における延長線L1およびL2のなす角の角度は60度である。
【0034】
保持部210による回転が開始され、表面測定部220がワークW1回転分の位相Ph1を取得したとき、表面測定部220から信号が出力される(
図3に図示)。表面測定部220から出力された信号を受けて保持部210による回転が停止することによって、ワークWの回転は停止する。このとき、表面測定部220は、位置算出部230に情報A1を示す信号を出力する(
図3に図示)。位置算出部230は、表面測定部220から出力された情報A1を示す信号に基づいて、端面48において接地電極50Pが取付けられる取付位置を算出する。
【0035】
図6は、ワークWを、Z軸方向の+側から見た説明図である。本実施形態では、位置算出部230は、点Pが測定領域Rの断面である円の中央に位置しているときにおける、軸線CAからY軸方向に沿ってY軸方向の−側を向いて伸びた直線を直線L3とした場合、軸線CAから伸びた直線であって、かつ、直線L3からX軸方向の−側に角度αだけ傾いた方向に伸びた直線L4の方向における端面48上の位置を、取付位置として算出する。位置算出部230は、算出した取付位置を示す信号を供給部240に出力する(
図3に図示)。
【0036】
供給部240は、位置算出部230が算出した取付位置を示す信号に基づいて、ワークWから見てZ軸方向の+側から、取付位置に接地電極50Pを供給する(
図3に図示)。より詳しくは、供給部240は、棒状の部材である接地電極50Pにおける中心軸が端面48上における直線L4と重なる位置である取付位置に、接地電極50Pを供給する。取付位置に供給された接地電極50Pは、レーザ溶接によって主体金具40Pの端面48に溶接される。
【0037】
以上説明した実施形態によれば、ねじ部42の表面における変位を測定するため、ねじ部の表面をカメラで撮影する態様と比べて、接地電極50Pの取付位置の決定の基準となるねじ部42の表面を測定することについての精度が向上できる。よって、接地電極50Pの取付位置にばらつきが生じることを抑制できることから、スパークプラグ100の所定の位置に接地電極50Pを取り付けることを精度良く行うことができる。
【0038】
B.第2実施形態:
図7は、第2実施形態であるスパークプラグの製造装置200aを示す説明図である。スパークプラグの製造装置200aは、第1実施形態における表面測定部220とは異なる表面測定部220aを備える点を除き、第1実施形態におけるスパークプラグの製造装置200の構成と同様である。
【0039】
表面測定部220aは、Z軸方向に移動可能に構成されている。表面測定部220aは、ワークWごとに、Z軸方向の−側に移動して面45の位置を測定する。表面測定部220は、ワークWごとに測定した面45の位置に基づいて、面45の位置からZ軸方向に沿って所定の距離Lだけ離れた位置を測定領域Rの位置として決定する。上記した表面測定部220aによる工程は、課題を解決するための手段における位置決定工程に相当する。
【0040】
このため、主体金具40Pごとの製造上のばらつきに応じてねじ部42の測定位置を決定できる。よって、主体金具40Pごとの製造上のばらつきに応じることなく固定された同じ位置を測定領域Rとしてねじ部42の表面を測定する態様と比べて、測定工程における測定の精度を向上させることができる。ねじ部42におけるピッチが細かい程、主体金具40Pごとの製造上のばらつきに応じてねじ部42の測定位置を決定できるスパークプラグの製造装置200aは有効である。
【0041】
図8は、燃焼室92内における着火性において理想的な接地電極50Pの取付位置と実際に接地電極50Pが取付けられた取付位置とのずれを示したグラフである。
図8の縦軸は、理想的な取付位置を0としたとき、理想的な取付位置からのずれを角度で示した値をとる。
【0042】
横軸における参考例は、カメラで撮影した画像に基づいて接地電極の取付位置を決定するスパークプラグの製造装置を用いて取付けられた接地電極50Pの結果を示す。横軸における第1実施形態は、第1実施形態のスパークプラグの製造装置200を用いて取付けられた接地電極50Pの結果を示す。横軸における第2実施形態は、第2実施形態のスパークプラグの製造装置200aを用いて取付けられた接地電極50Pの結果を示す。
【0043】
横軸における数字は、それぞれのスパークプラグの製造装置を用いて接地電極50Pを取付けた際の製造ロットを示す。
図8では、製造ロット毎の平均値を黒塗りの四角で示し、ばらつきは、黒塗りの四角から伸びた縦線で示している。
【0044】
図8に示された結果から、以下のことが確認された。参考例のスパークプラグの製造装置と比べて、第1実施形態のスパークプラグの製造装置200では、ばらつきが小さくなった。すなわち、接地電極50Pの取付位置の決定の基準として、カメラで撮影した画像を用いるより、ねじ部42の表面を測定して得られた情報を用いた方が、ばらつきを抑えられることが確認された。
【0045】
また、第1実施形態のスパークプラグの製造装置200と比べて、第2実施形態のスパークプラグの製造装置200aでは、実際に接地電極50Pが取付けられた取付位置が0に近くなった。すなわち、ワークWごとに測定した面45の位置に基づいて測定領域Rの位置を決定した方が、理想的な接地電極50Pの取付位置と実際に接地電極50Pが取付けられた取付位置とのずれを小さくできることが確認された。
【0046】
C.第3実施形態:
図9は、第3実施形態であるスパークプラグの製造装置200bによるワークWの測定状態を示す説明図である。第3実施形態では、接地電極50Pの取付位置の決定の基準として、軸線CAから見てねじ部42の内側方向に窪んでいる窪み部分を用いる。ねじ部42の内側方向に窪んでいる窪み部分は、ねじ部42の表面において特徴的な部分であるため、接地電極50Pの取付位置の精度を向上できる。
【0047】
D.変形例:
第1実施形態では、位置算出部230は、算出した取付位置を示す信号を供給部240に出力していたが、本発明はこれに限られない。例えば、位置算出部230は、算出した取付位置を示す信号を保持部210に出力してもよい。この場合、保持部210は、軸線CAに沿ってワークWを回転させることによって、供給部240が供給してくる接地電極50Pに取付位置を近付ける。
【0048】
第2実施形態では、表面測定部220aが、Z軸方向の−側に移動して面45の位置を測定していたが、本発明はこれに限られない。例えば、面45の位置を測定する位置測定部を備えてもよい。この場合、表面測定部220は、位置測定部が測定した面45の位置に基づいて、面45の位置からZ軸方向に沿って所定の距離Lだけ離れた位置を測定領域Rの位置として決定する。
【0049】
接地電極50Pの取付位置の決定の基準として、第1実施形態および第3実施形態では、それぞれ、ねじ部42の外側方向に突出している突出部分およびねじ部42の内側方向に窪んでいる窪み部分を用いていたが、本発明はこれに限られない。例えば、ねじ部42の外側方向に突出している突出部分とねじ部42の内側方向に窪んでいる窪み部分をつなぐ傾斜面における所定の位置を基準として用いてもよい。
【0050】
本発明は、上述の実施形態や実施例、変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、実施例、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部または全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部または全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。