(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ラテックスベースの基体ポリマーは、前記基体ポリマーにコア/シェル構造を与えるように、エマルション重合によって調製される、請求項1〜2のいずれか1項に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本発明は、ポリマー粉末組成物であり、それを生成する方法である。
【0006】
本発明によりエマルション混合物から調製されるポリマー粉末組成物は、アルキル(メタ)アクリレート、官能性アルキル(メタ)アクリレートスチレン、アクリロニトリル、ブタジエン、クロロプレン、塩化ビニル、(メタ)アクリレート、ビニルアセテート、及びそれらの2つ以上の組み合わせから成る群から選択される1つ以上のモノマーに由来する単位を含み、60℃以上のTg、100nm〜10μmの平均粒径を有する、95〜100重量パーセント未満のラテックスベースの基体ポリマーと、0より大きく5重量パーセントまでの結合剤ポリマーであって、結合剤ラテックスポリマーは、−10℃以下のTgを有し、1つ以上の(メタ)アクリルモノマーに由来する単位を有し、結合剤ポリマーは、50〜250nmの平均粒径を有する、結合剤ポリマーと、を含み、噴霧乾燥または流動噴霧乾燥によってエマルション混合物から調製される乾燥粉末は、摩耗試験後に平均粒子径の25%以下の減少及び摩耗試験後に粒子画分<45μmの50%以下の増加を示す。
【0007】
本明細書で用いられる場合、用語「(メタ)アクリレート」は、アクリレートまたはメタアクリレートを意味する。
【0008】
本明細書で用いられる(メタ)アクリレートモノマーは、例として、C1〜C18(メタ)アクリレート、例えば、ブチルアクリレート、エチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、プロピルアクリレート、メチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、ブチルメタアクリレート、メチルメタクリレート、エチルヘキシルメタアクリレート、ステアリルアクリレート、ベンジルアクリレート、シクロヘキシルメタアクリレート、イソボルニルメタアクリレート、テトラヒドロフルフリルメタアクリレート、シクロペンチルメタアクリレート、トリフルオロエチルメタアクリレート、ヒドロキシエチルメタアクリレート、及びジシクロペンタジエニルメタアクリレート、及びそれらの混合物、及びそれらの組み合わせを含む。
【0009】
95〜100重量パーセント未満のラテックスベースの基体ポリマーの全ての個々の値及び下位範囲が、本明細書に含まれ、本明細書に開示され、例えば、ラテックスベースの基体ポリマーの量は、95、95.5、96、96.5、97、97.5、98、98.5、99、99.5、または99.8重量パーセントの下限から、95.5、96、96.5、97、97.5、98、98.5、99、99.5、または99.9重量パーセントの上限であることができる。例えば、ラテックスベースの基体ポリマーの量は、95〜100重量パーセント未満の範囲であり得、または、代替的に、ラテックスベースの基体ポリマーの量は、95〜97.5重量パーセントの範囲であり得、または、代替的に、ラテックスベースの基体ポリマーの量は、97.5〜100重量パーセント未満の範囲であり得、または、代替的に、ラテックスベースの基体ポリマーの量は、96〜98重量パーセントの範囲であり得る。
【0010】
60℃以上のガラス転移点の全ての個々の値及び下位範囲が本明細書に含まれ、本明細書に開示され、例えば、ラテックスベースの基体ポリマーのガラス転移点は、60、62、64、66、68、70、または72℃の下限を有することができる。
【0011】
100nm〜10μmのラテックスベースの基体ポリマー平均粒径の全ての個々の値及び下位範囲が、本明細書に含まれ、本明細書に開示され、例えば、基体ポリマーの平均粒径は、100、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、または9000nmの下限から500、1500、2500、3500、4500、5500、6500、7500、8500、9500、または10000nmの上限であることができる。例えば、基体ポリマーの平均粒径は、100nm〜10000nmの範囲であり得、または、代替的に、基体ポリマーの平均粒径は、100〜5000nmの範囲であり得、または、代替的に、基体ポリマーの平均粒径は、5000〜10000nmの範囲であり得、または、代替的に、基体ポリマーの平均粒径は、2500〜7500nmの範囲であり得る。
【0012】
0より大きく5重量パーセントまでの結合剤ラテックスポリマーの全ての個々の値及び下位範囲が、本明細書に含まれ、本明細書に開示され、例えば、結合剤ラテックスポリマーの量は、0.05、0.1、0.5、1.5、2.5、3.5、または4.5重量パーセントの下限から0.1、1、2、3、4、または5重量パーセントの上限であることができる。例えば、結合剤ラテックスポリマーの量は、0より大きく5重量パーセントまでの範囲であり得、または、代替的に、結合剤ラテックスポリマーの量は、0より大きく5重量パーセントまでの範囲であり得、または、代替的に、結合剤ラテックスポリマーの量は、0.1より大きく2.5重量パーセントまでの範囲であり得、または、代替的に、結合剤ラテックスポリマーの量は、1.25より大きく2.5重量パーセントまでの範囲であり得、または、代替的に、結合剤ラテックスポリマーの量は、2.5より大きく5重量パーセントまでの範囲であり得る。
【0013】
結合剤ポリマーの10℃以下のTgの全ての個々の値及び下位範囲が、本明細書に含まれ、本明細書に開示され、例えば、結合剤ポリマーのTgは、3、4、5、6、7、8、9、または9.9℃の上限であることができる。
【0014】
結合剤ポリマーの平均粒径の50〜250nmの全ての個々の値及び下位範囲が、本明細書に含まれ、本明細書に開示され、例えば、結合剤ポリマー平均粒径は、50、80、110、140、170、200、230、または240nmの下限から、60、90、120、150、180、210、240、または250nmの上限にわたることができる。例えば、結合剤ポリマー平均粒径は、50〜250nmの範囲であり得、または、代替的に、結合剤ポリマー平均粒径は、150〜250nmの範囲であり得、または、代替的に、結合剤ポリマー平均粒径は、50〜150nmの範囲であり得、または、代替的に、結合剤ポリマー平均粒径は、75〜150nmの範囲であり得、または、代替的に、結合剤ポリマー平均粒径は、175〜250nmの範囲であり得る。
【0015】
噴霧乾燥または流動噴霧乾燥によってエマルション混合物から調製される乾燥粉末の摩耗試験後の平均粒子径?]の25%以下の減少の全ての個々の値及び下位範囲が、本明細書に含まれ、本明細書に開示され、例えば、平均粒子径の減少は、5、10、15、20、または25%の上限であることができる。
【0016】
噴霧乾燥または流動噴霧乾燥によってエマルション混合物から調製される乾燥粉末の摩耗試験後の<45μmの平均粒子径を有する粒子画分の50%以下の増加の全ての個々の値及び下位範囲が、本明細書に含まれ、本明細書に開示され、例えば、<45μmの平均粒子径を有する粒子画分の増加は、5、15、25、35、45、または50%の上限であることができる。
【0017】
代替的な実施形態において、基体ポリマーは、1つ以上の架橋モノマーに由来する単位をさらに含む。そのような架橋剤は、例えば、ジビニルベンゼン;ビニル基含有モノマー;例えば、アリル化合物、例えば、アリル(メタ)アクリレート、ジアリルフマレート、ジアリルフタレート、ジアリルアクリルアミド、トリアリル(イソ)シアヌレート、及びトリアリルトリメリテ−ト;(ポリ)アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート化合物、例えば、エチレングリコールジメタアクリレート(EGDMA)、ジエチレングリコールジメタアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、及びグリセロールトリ(メタ)アクリレート、ならびにその混合物及び組み合わせを含む。
【0018】
代替的な実施形態において、基体ポリマーは、1つ以上のグラフト結合剤に由来する単位をさらに含む。そのようなグラフト結合剤は、例えば、アリルメタアクリレート、ジアリルマレエート、及びアリルアクリロキシプロピオネートを含む。
【0019】
代替的な実施形態において、本発明は、エマルション重合によって、アルキル(メタ)アクリレート、官能性アルキル(メタ)アクリレートスチレン、アクリロニトリル、ブタジエン、クロロプレン、塩化ビニル、(メタ)アクリレート、ビニルアセテート、及びそれらの2つ以上の組み合わせから成る群から選択される1つ以上のモノマーに由来する単位を含む、100nm〜10μmの平均粒径を有する、ラテックスベースの基体ポリマーを調製することと、エマルション重合によって、10℃以下のTg及び50〜250nmの平均粒径を有する、1つ以上の(メタ)アクリルモノマーに由来する単位を含む結合剤ポリマーを調製することと、摩耗試験後に平均粒子径の25%以下の減少及び摩耗試験後に粒子画分<45μmの50%以下の増加を示す乾燥粉末を生成するように、基体及び結合剤ポリマーを混合して、その後、噴霧乾燥または流動噴霧乾燥することと、を含む、ポリマー粉末組成物を生成する方法をさらに提供する。
【0020】
代替的な実施形態において、本発明は、ラテックスベースの基体ポリマーが、コア/シェル構造を有することを除いて、前述の実施形態のうちのいずれかに従い、ポリマー粉末組成物及びポリマー粉末組成物を生成する方法を提供する。
【0021】
代替的な実施形態において、本発明は、結合剤ラテックスポリマーが、コア/シェル構造を有さないことを除いて、前述の実施形態のうちのいずれかに従い、ポリマー粉末組成物及びポリマー粉末組成物を生成する方法を提供する。
【0022】
代替的な実施形態において、本発明は、結合剤ポリマーが、150nm未満の平均粒径を有することを除いて、前述の実施形態のうちのいずれかに従い、ポリマー粉末組成物及びポリマー粉末組成物を生成する方法を提供する。
【0023】
代替的な実施形態において、本発明は、結合剤ポリマーが、−30℃未満のTgを有することを除いて、前述の実施形態のうちのいずれかに従い、ポリマー粉末組成物及びポリマー粉末組成物を生成する方法を提供する。
【0024】
代替的な実施形態において、本発明は、基体ポリマーが、70℃を超えるTgを有することを除いて、前述の実施形態のうちのいずれかに従い、ポリマー粉末組成物及びポリマー粉末組成物を生成する方法を提供する。
【0025】
代替的な実施形態において、本発明は、基体ポリマーが、1つを超えるシェル層を有するコア/シェル構造を有し、かつ最外層が70℃を超えるTgを有することを除いて、前述の実施形態のうちのいずれかに従い、ポリマー粉末組成物及びポリマー粉末組成物を生成する方法を提供する。
【0026】
代替的な実施形態において、本発明は、結合剤ポリマーが、乾燥粉末の重量に基づく1〜5重量%の量で存在することを除いて、前述の実施形態のうちのいずれかに従い、ポリマー粉末組成物及びポリマー粉末組成物を生成する方法を提供する。
【0027】
代替的な実施形態において、本発明は、基体ポリマーが、スチレン、メチルメタクリレート、ビニルコライド、アクリロニトリル、アルキル(メタ)アクリレート、メタクリル酸、及びそれらの2つ以上の組み合わせの群から選択される1つ以上のモノマーに由来する単位を含むことを除いて、前述の実施形態のうちのいずれかに従い、ポリマー粉末組成物及びポリマー粉末組成物を生成する方法を提供する。
【0028】
代替的な実施形態において、本発明は、結合剤ポリマーが、ブチルアクリレート、エチルアクリレート、及び/またはエチルヘキシルアクリレート、0〜2重量%の(メタ)アクリル酸に由来する最大100重量%単位を含むことを除いて、前述の実施形態のうちのいずれかに従い、ポリマー粉末組成物及びポリマー粉末組成物を生成する方法を提供する。ブチルアクリレート、エチルアクリレート、及び/またはエチルヘキシルアクリレートに由来する最大100重量%単位の全ての個々の値及び下位範囲が、本明細書に含まれ、本明細書に開示され、例えば、ブチルアクリレート、エチルアクリレート、及び/またはエチルヘキシルアクリレートに由来する単位の量は、5、15、25、35、45、55、65、75、85、95、または100重量%の下限から、8、18、28、38、48、58、68、78、88、98、または100重量%の上限にわたることができる。例えば、ブチルアクリレート、エチルアクリレート、及び/またはエチルヘキシルアクリレートに由来する単位の量は、50〜95重量%にわたり得、または、代替的に、ブチルアクリレート、エチルアクリレート、及び/またはエチルヘキシルアクリレートに由来する単位の量は、35〜75重量%にわたり得、または、代替的に、ブチルアクリレート、エチルアクリレート、及び/またはエチルヘキシルアクリレートに由来する単位の量は、45〜85重量%にわたり得、または、代替的に、ブチルアクリレート、エチルアクリレート、及び/またはエチルヘキシルアクリレートに由来する単位の量は、85〜100重量%にわたり得る。
【0029】
(メタ)アクリル酸に由来する0〜2重量%単位の全ての個々の値及び下位範囲が、本明細書に含まれ、本明細書に開示され、例えば、(メタ)アクリル酸に由来する単位の量は、0、0.1、0.5、1、1.5、または1.75重量%の下限から、0.4、0.9、1.4、1.8、または2重量%の上限にわたることができる。例えば、(メタ)アクリル酸に由来する単位の量は、0〜2重量%にわたり得、または、代替的に、(メタ)アクリル酸に由来する単位の量は、0.8〜1.2重量%にわたり得、または、代替的に、(メタ)アクリル酸に由来する単位の量は、1.25〜2重量%にわたり得、または、代替的に、(メタ)アクリル酸に由来する単位の量は、0.1〜1.25重量%にわたり得、または、代替的に、(メタ)アクリル酸に由来する単位の量は、0.5〜1.75重量%にわたり得る。
【0030】
代替的な実施形態において、本発明は、組成物が、帯電防止剤、色増強剤、色素、潤滑剤、賦形剤、難燃剤、色素、一次酸化防止剤、二次酸化防止剤、加工助剤、衝撃改質剤、UV安定剤、それらの混合物、及びそれらの組み合わせを含むがこれらに限定されない、さらなる添加剤をさらに含むことを除いて、前述の実施形態のうちのいずれかに従い、ポリマー粉末組成物及びポリマー粉末組成物を生成する方法を提供する。本発明の熱可塑性組成物は、任意の量の添加剤を含有し得る。本発明の熱可塑性組成物は、そのような添加剤を含む本発明の熱可塑性組成物の重量に基づき、0より大きく60重量パーセント未満の組み合わせ重量のそのような添加剤を妥協し得る。約0〜約60重量パーセントの全ての個々の値及び下位範囲が、本明細書に含まれ、本明細書に開示され、例えば、本発明の熱可塑性組成物は、0〜60重量%、または、0〜50重量%、または、0〜30重量%、または、0〜20重量%、または、0〜10重量%、または、0〜5重量%の組み合わせ重量の添加剤を妥協し得る。
【0031】
代替的な実施形態において、本発明は、エマルション混合物から調製されるポリマー粉末組成物であって、アルキル(メタ)アクリレート、官能性アルキル(メタ)アクリレートスチレン、アクリロニトリル、ブタジエン、クロロプレン、塩化ビニル、(メタ)アクリレート、ビニルアセテート、及びそれらの2つ以上の組み合わせから成る群から選択される1つ以上のモノマーに由来する単位を含み、60℃以上のTg及び100nm〜10μmの平均粒径を有する、95〜100重量パーセント未満のラテックスベースの基体ポリマーと、0より大きく5重量パーセントまでの結合剤ラテックスポリマーであって、結合剤は、−10℃以下のTgを有し、1つ以上の(メタ)アクリルモノマーに由来する単位を有し、結合剤ポリマーは、50〜250nmの平均粒径を有する、結合剤ラテックスポリマーと、を含み、噴霧乾燥または流動噴霧乾燥によってエマルション混合物から調製される乾燥粉末は、摩耗試験後に平均粒子径の25%以下の減少及び摩耗試験後に粒子画分<45μmの50%以下の増加を示す、ポリマー粉末組成物を提供する。
【0032】
別の実施形態において、本発明は、エマルション混合物から調製されるポリマー粉末組成物であって、アルキル(メタ)アクリレート、官能性アルキル(メタ)アクリレートスチレン、アクリロニトリル、ブタジエン、クロロプレン、塩化ビニル、(メタ)アクリレート、ビニルアセテート、及びそれらの2つ以上の組み合わせから成る群から選択される1つ以上のモノマーに由来する単位を含み、60℃以上のTg及び100nm〜10μmの平均粒径を有する、95〜100重量パーセント未満のラテックスベースの基体ポリマーと、0より大きく5重量パーセントまでの結合剤ラテックスポリマーであって、結合剤は、10℃以下のTgを有し、1つ以上の(メタ)アクリルモノマーに由来する単位を有し、結合剤ポリマーは、50〜250nmの平均粒径を有する、結合剤ラテックスポリマーと、から基本的に成り、噴霧乾燥または流動噴霧乾燥によってエマルション混合物から調製される乾燥粉末は、摩耗試験後に平均粒子径の25%以下の減少及び摩耗試験後に粒子画分<45μmの50%以下の増加を示す、ポリマー粉末組成物を提供する。
【0033】
さらに別の実施形態において、本発明は、ポリマー粉末組成物を生成する方法であって、エマルション重合によって、アルキル(メタ)アクリレート、官能性アルキル(メタ)アクリレートスチレン、アクリロニトリル、ブタジエン、クロロプレン、塩化ビニル、(メタ)アクリレート、ビニルアセテート、及びそれらの2つ以上の組み合わせから成る群から選択される1つ以上のモノマーに由来する単位を含む、60℃以上のTg及び100nm〜10μmの平均粒径を有する、ラテックスベースの基体ポリマーを調製することと、エマルション重合によって、−10℃以下のTg及び50〜250nmの平均粒径を有する、1つ以上の(メタ)アクリルモノマーに由来する単位を含む結合剤ポリマーを調製することと、摩耗試験後に平均粒子径の25%以下の減少及び摩耗試験後に粒子画分<45μmの50%以下の増加を示す乾燥粉末を生成するように、噴霧乾燥または流動噴霧乾燥によって基体及び結合剤ポリマーを混合することと、を含む、方法を提供する。
【実施例】
【0034】
以下の実施例は、本発明を例示するが、本発明の範囲を限定するよう意図されない。
【0035】
ラテックスベースの基体ポリマー、成分(A)の調製
以下のエマルション重合プロセスを用いて、成分(A)を調製した:
600部の脱イオン水、0.15部のNaEDTA(エチレンジアミンテトラ−アセテートのナトリウム塩)、及び0.03部の硫酸鉄七水和物を、丸底5リットルガラス反応器にチャージした。30分間窒素を噴霧しながら、ガラス反応器内の混合物を、100rpmで撹拌し、40℃まで加熱した。ガラス反応器内の混合物を、40(±2)℃で維持した。その後、1500部のメチルメタクリレート、1.5部のブチルメルカプトプリオピオネート、0.018グラムのエチレングリコールジメタアクリレート(EGDMA)、及び135部のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムのモノマーエマルション混合物(1)を、4時間にわたってガラス反応器に供給した。同時に、190部の水中の3.6部の過硫酸ナトリウムの溶液(2)、及び190グラムの水中の1.2部のホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウムの溶液(3)を、5時間にわたってガラス反応器に供給した。すなわち、成分(2)及び(3)の供給は、モノマーエマルションの供給の終了後、1時間継続した。成分(1)、(2)、及び(3)の供給時、ガラス反応器内の混合物の温度を、40±2℃で維持した。成分(1)〜(3)の全てをガラス反応器に供給した後、ガラス反応器内の混合物、ラテックスの温度を60℃に上昇させ、その温度で、ラテックスを冷却及び濾過する前に30分間保持した。最初に、(全ポリマーに基づき)0.2重量%のモノナトリウムリン酸塩溶液(10%溶液)、その後、(全ポリマーに基づき)0.6重量%のリン酸二ナトリウム溶液(10%溶液)液滴を添加することによって、pHが望ましい範囲に至るまで、ラテックスのpHを、6.8〜7.0まで調整した。光散乱技術によって、粒子径が230nmであることを測定した。
【0036】
結合剤ポリマー、成分(B)の調製:
以下のエマルション重合プロセスを用いて、本発明の実施例で用いられる成分Bを調製した。
【0037】
1200部の脱イオン水、0.03部のNaEDTA(エチレンジアミンテトラ−アセテートのナトリウム塩)、及び0.15部の硫酸鉄七水和物を、110部の10%溶液のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム界面活性剤とともに、丸底5リットルガラス反応器にチャージした。30分間窒素を噴霧させながら、ガラス反応器の内容物を、150rpmで撹拌し、37℃まで加熱した。その後、1090部のエチルアクリレート、11部のアクリル酸、610部の脱イオン水、及び220部のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(10%溶液)のモノマーエマルション混合物(1)を、上記の成分を2Lビーカーに添加し、それをガラス棒で撹拌することによって調製した。
【0038】
86部の水中の3部のtert−ブチルヒドロペルオキシドの溶液、成分(2)、及び86部の水中の3部のホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウムの溶液、成分(3)を調製した。193グラムである10%のモノマーエマルション(1)ならびにそれぞれ5.3部である6重量%の(2)及び(3)を、反応器に添加した。成分(1)、(2)、及び(3)の添加後、反応混合物の発熱を可能にさせた。
【0039】
発熱の15分後、それぞれ30%の(2)及び(3)を、ショットとして反応器に添加し、再度、反応器の発熱を可能にさせた。反応器を45℃まで冷却し、残りの45%のモノマーエマルション(1)ならびにそれぞれ30%の(2)及び(3)を、ショットとして再度反応器に添加した。発熱後、反応混合物を70℃で保持し、残りの34%の(2)及び(3)を、チェイスとして反応器に添加した。Brookfield InstrumentsのBI90粒子径分析器によって、最終的な粒子径(成分B−1)が60nmであることを測定した。結果として生じるラテックスを、チーズクロスを通じて濾過し、その後の粉塵分析研究に用いた。
【0040】
より大きな粒子径のバージョン(成分B−2)を、モノマーエマルションの最初の10%の添加を2%に減少させることによって調製した。これは、粒子径230nmのポリエチルアクリレートラテックスをもたらした。
【0041】
成分(A)及び(B)のラテックス混合物を調製し、噴霧乾燥または凍結乾燥し、乾燥ポリマー粉末を得た。
【0042】
表1は、本発明の実施例1〜3及び比較実施例1の組成物を例示する。
【0043】
【表1】
【0044】
表2は、本発明の実施例及び比較実施例のそれぞれに対する、平均粒子径、<45ミクロンのサイズを有する粒子のパーセント、及びその値の変化を例示する。
【0045】
【表2】
【0046】
表3は、本発明の実施例及び比較実施例のそれぞれに対する、Kst及び最小発火エネルギー(MIE)を例示する。
【0047】
【表3】
【0048】
テスト方法
テスト方法は、以下を含む。
最大爆発圧力(MEP)は、発火時間(周囲圧力)での圧力と爆発の頂点での圧力との間の差と称される。MEP及び爆発重度(Kst)値は両方とも、ISO6184/1(1995)及びASTM Standard E1226(1991)に明記された試験条件に従い、様々なポリマー粉末(燃料)濃度で、20リットル装置または1m
3容器内で測定した。全ての測定は、Fike Technologies In.,Blue Springs,MOによって行われた。試験は、各場合において最大圧力値が得られる、広範囲の濃度にわたって行う。最小発火エネルギー(MIE)は、多量のポリマー粉塵の発火を生成することができる容量放電によって得られる最低電気誘発発火エネルギーである。用いられた試験デバイスは、1リットル容積のHartmann Vertical Tubeであり、測定は、ASTM E−2019 Standard Test Methodに従って行った。エネルギーは、式E=12CV
2から計算し、Cは、放電回路に接続されるコンデンサーの電気容量であり、Vは、印加される電圧である。
【0049】
動的光散乱(15°及び90°散乱角)及びレーザー光源を利用する、BI 90(Brookhaven Instruments,Holtsville,NY)粒子径検出器とともに、非常に希薄な水性分散液、すなわち、ラテックス(0.001%固体まで希釈)を用いて、ポリマー粒子径を測定した。フォトダイオードアレイによって信号を検出し、組込み相関器でデータを分析した。摩耗試験を以下の手順に従って行う:第1に、噴霧乾燥器からの粉末の粒子径を、Malvern Mastersizerとともに、光散乱機器を用いて測定する(Malvern Instruments,Worcestershire,UK。平均粒子径及び粒子径<45μのパーセンテージを機器が報告)。その後、100gの3/16インチ直径のステンレス鋼玉軸受及び50gの粉末を、蓋付きの固体皿にいれ、「Ro−Tap」スクリーンシェーカー機器(RX30 Ro−tap,W.S.Tyler Inc.,Mentor,OH)で10分間製粉した。粉末の粒子径を再測定し、記録された最終結果は、平均粒子径及び<45um粉塵値の%の前後の変化である。
【0050】
本発明は、その精神及び主要な特徴から逸脱することなく、他の形で具体化され得、したがって、本発明の範囲を示すように、前述の説明ではなく、添付の特許請求項の範囲に言及がなされるべきである。