【文献】
ETRI,Fully scheduled D2D transmission in LTE-coverage[online],3GPP TSG-RAN WG2#84 R2-134095,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_84/Docs/R2-134095.zip>,2013年11月 1日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、現在の好ましい実施形態の製作および使用を詳細に説明する。しかしながら、本発明が、様々な特定の文脈で実施され得る多数の適用可能な発明的概念を提供することを了解されたい。説明される特定の実施形態は、単に、本発明を製作し、使用するための特定の形態を示し、本発明の範囲を限定はしない。
【0018】
本明細書で開示されるのは、デバイスツーデバイス(D2D)通信のシステムおよび方法である。
【0019】
一実施形態において、デバイスツーデバイス(D2D)通信の制御プレーンのための方法は、基地局が、D2D通信のグループ情報を近接サーバから受信することであって、グループ情報は、その基地局がマスタ基地局であることを示す、受信することと、グループ情報に従って、D2Dグループ内のユーザ機器(UE)のリスト、D2Dグループ内のUEのサービング基地局として働く基地局のリスト、およびD2Dグループ内のUEの近接情報を更新することとを含む。この方法は、D2Dグループ内のUEのバッファ状況レポートを入手することと、バッファ状況レポートに従ってD2Dグループ内のUEのリソース割振りを決定することとをも含む。この方法は、マスタ基地局によってサービスされているD2Dグループ内のUEにリソース割振りを送ることと、D2Dグループ内のUEのサービング基地局として働く基地局にリソース割振りを指示することとをさらに含む。
【0020】
一実施形態において、本明細書で開示されるのは、ネットワーク内デバイスツーデバイス(D2D)通信を制御するためのネットワークデバイス内の方法であって、ネットワークデバイスにおいて、D2D通信に含まれるユーザ機器(UE)からスケジューリング要求(SR)を受信することであって、SRは、D2Dバッファ状況レポート(BSR)を含み、D2D BSRは、UE内でD2Dを介する送信に使用可能なデータの論理チャネル識別子(LCID)およびバッファサイズを含み、LCIDは、D2Dグループを識別する、受信することと、ネットワークデバイスによって、BSRに従ってUEのD2D通信のための送信リソース割振りを決定することと、ネットワークデバイスによって、送信リソース割振りをUEに送ることとを含む、方法である。D2D BSRは、媒体アクセス制御(MAC)レイヤメッセージを介して受信される。MACレイヤメッセージは、LCIDを含むMACヘッダを含む。送信リソース割振りは、UEが別のUEとのD2D通信を介する送信に使用可能なデータをその中で送信できるタイムフレームを含む。この方法は、UEからD2Dリンクの消失のレポートを受信することと、直接モードのみが可能なUEに応答して、グループからUEを除去する要求を近接サーバに送ることと、UEがセルラー動作が可能であることの判定に応答して、UEをセルラーに切り替え、UEを含むリンクをセルラーに切り替える要求を近接サーバに送ることをも含む。この方法は、ネットワークデバイスによって、D2D通信のグループ情報を近接サーバから受信することであって、グループ情報は、ネットワークデバイスがマスタ基地局であることを指示する、受信することと、グループ情報に従って、D2Dグループ内のUEのリスト、D2Dグループ内のUEのサービング基地局として働く基地局のリスト、およびD2Dグループ内のUEの近接情報を更新することとを含むことができる。一実施形態において、ネットワークデバイスは、マスタenhanced Node B(eNB)であり、この方法は、D2D通信に参加するUEのグループ内の少なくとも1つのUEにサービスするスレーブeNBから、D2D BSR、セルラーBSR、スレーブeNBによってサービスされる各UEへのワーストチャネルの分布、スレーブeNBがD2D通信に割り振ることのできるリソースの最大数、およびスレーブeNBがD2Dに割り振ることのできるリソースの位置のうちの少なくとも1つを受信することをも含む。さらに、この方法は、近接サーバから終了メッセージを受信することと、グループ送信に含まれるすべてのenhanced Node B(eNB)に終了メッセージを送ることと、ネットワークコンポーネントのセル内のUEとのすべてのリンクを終了することとを含むことができる。
【0021】
一実施形態において、本明細書で開示されるのは、ネットワーク内でデバイスツーデバイス(D2D)通信を管理する近接サーバ内の方法であって、近接サーバにおいて、グループ通信を開始する要求をenhanced Node B(eNB)から受信することと、近接サーバによって、グループ内のUEとのradio resource control(RRC)接続を確立することと、近接サーバによって、グループ内のUEの近接情報を入手することと、近接サーバによって、グループ情報のグループ内のUEのうちの少なくとも1つにサービスする各eNBに通知することであって、グループ情報は、グループ内のUEを識別するUEリスト、お互いへのUEの相対的近接を指示する近接マトリックス、UEにサービスするeNBを識別するeNBリスト、およびマスタeNBの識別情報を含む、通知することとを含む、方法である。この方法は、eNBのうちの1つからのグループ要求から除去UEを受信することと、グループ情報を更新することであって、グループ情報を更新することは、グループ要求からの除去UEに従ってUEリスト、近接マトリックス、およびeNBリストを更新することを含む、更新することと、更新されたグループ情報についてeNBに通知することとをも含むことができる。この方法は、UEハンドオフ通知を受信することであって、UEハンドオフ通知は、UEのサービングeNBが変更されたことを指示する、受信することと、グループ情報を更新することであって、グループ情報を更新することは、UEハンドオフ通知に従ってUEリスト、近接マトリックス、およびeNBリストを更新することを含む、更新することと、更新されたグループ情報についてeNBに通知することとを含むことができる。さらに、この方法は、グループ内の新しいUEとのRRC接続を確立することと、グループ内のUEの近接情報を確立することと、新しいUEに従ってグループ情報を更新することと、更新されたグループ情報についてeNBに通知することとを含むことができる。
【0022】
図1は、ワイヤレス通信の実施システム100の図である。通信コントローラ(たとえば、enhanced node B(eNB))の位置に相対的なデバイス位置に基づく様々なシナリオがある。システム100は、eNB 102の回りの領域内に配置された、s
1からs
6までのラベルを付けられた6つのワイヤレスデバイス104を含む。デバイスs
1およびs
2は、ネットワーク内カバレージ(in-network coverage,ICまたはIN)106であり、eNB 102との通信リンクを確立することができる。デバイスs
5およびs
6は、ネットワーク外カバレージ(out-of-network coverage,OOC)110であり、eNB 102とのいかなる直接通信リンクも確立することができない。s
3およびs
4などのデバイス104が、eNB 102からの一部の送信を観察することができるが、eNB 102との通信リンクを確立できない可能性がある、拡張ネットワークカバレージ(extended-network coverage)108と呼ばれる領域がある。以下では、本開示は、主にIC 106のケースに焦点を合わせる。
【0023】
D2Dを実施する2つの主要な手法すなわち、デバイスセントリック手法(device-centric approach)およびネットワーク管理される手法(network-managed approach)がある。デバイスセントリック手法においては、D2Dを使用可能にする機能性は、ほぼ完全にモバイルデバイス上にあり、ネットワーク関与は、非常に最小限である。実際、デバイスの間の直接通信が、セルラーネットワークの上のオーバーレイを形成する。リソース割振りおよび管理など、セルラーネットワークの伝統的な機能は、ネットワーク監督または管理の利益なしに、個々のデバイスの間でアドホックな形で実行される。これは、D2Dからの潜在的な性能利益を制限するだけではなく、セルラーネットワークによって現在提供されている多数の主要な機能のサポートにおける主要な課題をも導入する。これらの課題の中には、ユーザデータのセキュリティを保証し、認可されない当事者によって発見されることからユーザ識別情報/位置を保護することと、ネットワークオペレータが、サービスとしてD2Dおよび近接に関して課金することを可能にすることと、デバイスの間のすべての潜在的な通信について合法的傍受をサポートすることと、全般的に、異なる展開シナリオおよびデバイスの密度に対する解決策のスケーラビリティとがある。
【0024】
ネットワーク管理される手法において、D2Dは、ネットワークの能力を補足し、強化し、近接通信に関する無線リソースのより効率的な利用を可能にすることができる。ネットワークは、リソースの最も効率的な利用を達成し、干渉を最小にし、全体としてネットワークに利益をもたらすために、ユーザのデータの直接ルーティング対インフラストラクチャルーティングの使用法を常に監督することができる。セルラーネットワークに固有の主要な特徴は、ネットワーク管理される手法を用いてD2Dをサポートするために、比較的簡単に拡張され得る。
【0025】
ユースケースおよびモードに加えて、UEは、radio resource control(RRC)プロトコル状態RRC_IDLEおよびRRC_CONNECTEDなどの複数の動作状態を有することができる。現在、UEは、RRC_CONNECTED状態中に送信することを許される。ランダムアクセス手順が、UEによって、RRC_IDLE状態とRRC_CONNECTED状態との間で推移するのに使用され得る。RRC_CONNECTED状態において、ネットワークは、デバイスおよびシステムリソースを管理する。管理は、認証、情報の交換、およびデバイスが送信/受信できる時の指示を含むことができる。具体的には、[10]にリストされた機能性は、次の通りである。
【0026】
RRC_IDLE:
- PLMN選択
- NASによって構成されたDRX
- システム情報のブロードキャスト
- ページング
- セル再選択モビリティ
- UEは、追跡エリア内でUEを一意に識別するIDを割り振られていなければならない
- eNB内に記憶されるRRCコンテキストなし
【0027】
RRC_CONNECTED:
- UEは、E-UTRAN-RRC接続を有する
- UEは、E-UTRAN内にコンテキストを有する
- E-UTRANは、UEが属するセルを知っている
- ネットワークは、UEに/からデータを送信し、かつ/または受信することができる
- ネットワーク制御されるモビリティ(ハンドオーバおよびNACCを用いるGERANへのRAT間セル変更オーダ)
- 隣接セル測定
- PDCP/RLC/MACレベルにおいて
UEは、ネットワークに/からデータ送信し、かつ/または受信することができる
UEは、共有されるデータチャネルを介する送信がUEに割り振られたかどうかを調べるために、共有されるデータチャネルに関して制御シグナリングチャネルを監視する
UEは、チャネル品質情報およびフィードバック情報をeNBに報告もする
【0028】
DRX期間は、UE電力節約に関するUEアクティビティレベルおよび効率的なリソース利用に従って構成され得る。これは、eNBの制御下にある。
【0029】
D2D通信に関して、お互いとの通信に参加するデバイスが、RRC_CONNECTED状態で動作していることが企図されている。
【0030】
一実施形態は、ネットワーク内(IN) D2D通信に関する制御プレーン解決策を提供する。
【0031】
一実施形態は、新入メンバ/去るUEを有する複数のセルにまたがるグループ通信の管理を提供する。1つのeNBが、マスタとして働き、グループIDの割当および解放とリソース割振りとが、提供される。新入メンバ/グループ通信から去るUEまたはハンドオフを行うUEは、近接マトリックス更新を含めて管理される。このマトリックスは、たとえば、どのリンクがグループ通信内でD2D/セルラーにならなければならないのかを判断するのに、有用である。タイプ2ディスカバリのトリガは、UEが失われる/グループに入ることを必要とする時に使用され得る。タイプ2ディスカバリは、eNBがディスカバリのためにリソースを割り振る、ディスカバリタイプである。
【0032】
一実施形態は、これらの手順をサポートするためのシグナリングを提供する。オーバージエアのために、各UEからの長期D2Dチャネル情報(たとえば、ワーストリンク)(これは、周期的BSR時刻に結び付けられ得る)が、シグナリングされる。リソース割振りシグナリング(パターンからのものとされ得る)が、グループメンバに提供される。リソースのプールが、シグナリングされ得る。シグナリングは、D2D送信を終了し、セルラーコマンドに切り替え、UEを追加/除去するために提供される。RRCシグナリングまたはPDCCHオーダが、使用され得、D2D RLFが、提供される。eNB対eNB通信に関して、一実施形態は、リソース割振りのためのシグナリングを提供する(BSR-REQ、(D2D、セルラー)BSR、スレーブeNBがD2Dに割り振ることのできるリソースの最大数または位置、リソース割振り判断(パターンからのものとされ得る))。eNB-PDCF通信に関して、一実施形態は、D2Dグループ情報、グループ通信の終了、およびUEの追加/除去のためのシグナリングを提供する。
【0033】
測定手順をサポートする一実施形態は、長期チャネル情報(測定構成パラメータ)を含み、各UEは、どのUEの信号をいつ測定すべきかを知っている。これは、時間内在的(time implicit)とすることができる。
【0034】
D2D通信制御に関して、UEを記述する状態機械は、2つの状態すなわち、「D2Dなしモード」および「D2Dモード」を含む。「D2Dなしモード」状態は、UEがネットワークのみと通信し、ネットワークからある種のD2D関連構成を受信できる状態である。「D2Dモード」状態は、UEがネットワークとD2D UEとの両方と通信する状態である。
【0035】
図2に、UE通信状態200を示す。UEの通信状態は、UEが別のデバイスと直接に通信するD2Dモード状態202またはD2D送信なしモード状態204とすることができる。
【0036】
「D2D送信なしモード」状態204は、通常のセルラー動作に対応する。この状態では、UEは、D2D通信を実行することができない。D2D通信が可能であるかどうかを、UE自体とネットワークとの両方によって査定した後に、UEは、それがD2DグループIDを受信したかどうかをチェックする。この査定は、サブフレームごとにまたは別の時間粒度を用いて実行され得る。そうである場合には、UEは、D2D-UE-IDを割り当てられたかどうかをチェックする。UEは、ディスカバリによってそのIDをすでに入手している場合がある。その後、UEは、グループの受信されたD2D通信SIB構成メッセージの復号を試み、次のサブフレームがD2D通信サブフレームとして構成されている場合には、UEは、D2D通信を実行することができる。
【0037】
図3に、UEがD2D通信を実行できるかどうかを判定する実施方法300の流れ図を示す。一実施形態において、ブロック302から316までは、UEが「D2D送信なし」モード状態である間に実行される。方法300は、ブロック302において開始され、ここで、UEが、UEがD2D対応であるかどうかを判定する。UEは、UE能力が、D2Dディスカバリ、D2D通信、またはその両方を実行する可能性を指示する場合に、D2D対応とすることができる。ブロック302において、UEが、それがD2D対応ではないと判定する場合には、方法300は、ブロック318に進み、ここで、UEは、「D2D送信なし」モードのままになる。ブロック302において、UEが、D2D対応であると判定される場合には、方法300は、ブロック304に進み、ここで、UEは、ネットワークがD2D対応であるかどうかを判定する。ネットワークは、Rel-12より以前のLTEリリースに準拠するネットワークである場合に、D2D対応ではない可能性がある。ブロック304において、UEが、ネットワークがD2D対応ではないと判定する場合には、方法300は、ブロック318に進み、ここで、UEは、「D2D送信なし」モードのままになる。UEが、ネットワークがD2D対応であると判定する場合には、方法300は、ブロック306に進み、ここで、UEは、D2DグループIDがネットワークから入手されたかどうかを判定する。UEは、ブロック308において、それがD2D UE IDを有するかどうかを判定する。そうではない場合には、ブロック310において、UEは、ネットワークにD2D UE IDを要求する。ブロック312において、UEが、それがD2D UE IDを入手しなかったと判定する場合には、UEは、ブロック318によって指示されるように、「D2D送信なし」モードのままになる。UEが、D2D UE IDを入手したならば、ブロック314において、UEは、D2D通信のシステム情報ブロック(SIB)を入手することを試みる。D2D SIB通信が受信されない場合には、UEは、「D2D送信なし」モードのままになる。通常の動作モードにおいて、D2D SIB構成メッセージは、それが更新された後に限って復号される。D2D通信しているすべてのUEは、RRC_CONNECTEDモードなので、D2D SIB構成更新は、SIB1内の値タグによって指示され得る。成功時に、UEは、ブロック320においてD2Dモード状態に入ることができる。
【0038】
図3に示された動作の代替案は、下記とすることができる。
- UEのD2D状態の初期化時に、
図3内のすべての手順を実行する
- UEが「D2D送信なしモード」であると判定された後に、関連する情報/構成に対する更新がある場合に限って、チェックする手順ブロック302、304、306、308、310、312、および314を実行する。更新がない場合には、UEは、D2D通信が次のサブフレームに関して使用可能にされているかどうかをチェックすることだけを必要とする(ブロック316)。
【0039】
図4は、「D2Dモード」状態320中に実行されるチェック手順の実施方法400の流れ図である。D2D動作は、通常、アップリンクセルラー動作から指定されたサブフレーム上で発生する。方法400は、ブロック402において開始され、ここで、UEは、D2D通信状況をチェックし、その後、ブロック404に進み、ここで、UEは、UEがこのサブフレーム内で送信すべきD2D通信信号を有するかどうかを判定する。UEが、送信すべきD2D信号を有する場合には、方法400は、ブロック406に進み、ここで、UEは、D2D信号を送信する。UEが、送信すべきD2D信号を有しない場合には、方法400は、ブロック408に進み、ここで、UEは、D2D信号がこのサブフレーム内で受信されたかどうかを判定する。D2D信号が受信されなかった場合には、この方法は、ブロック412に進み、ここで、UEは、「D2D送信なしモード」に推移し、その後、方法400は終了する。ブロック408において、UEが、それがD2D信号を受信したと判定する場合には、方法400は、ブロック410に進み、ここで、UEは、D2D信号を復号する。ブロック406またはブロック410の完了時に、この方法は、ブロック416に進み、ここで、UEは、D2D通信が次のサブフレームについて使用可能にされているかどうかを判定する。D2D通信が次のサブフレームについて使用可能にされている場合には、方法400は、ブロック418に進み、ここで、UEは、D2Dモードのままになり、その後、方法400は終了する。ブロック416において、UEが、D2D通信が次のサブフレームについて使用可能にされていないと判定する場合には、方法400は、ブロック412に進み、ここで、UEは、「D2D送信なしモード」に推移し、その後、方法400は終了する。
【0040】
したがって、「D2Dモード」状態320において、すべてのD2D通信サブフレームについて、UEは、「D2D通信状況をチェックする」プロセス400内の一連のチェックする手順を実行することによって開始する。その後、すべてのチェックに合格すると仮定して、UEは、D2D通信サブフレームが、UEが送信しなければならないD2D通信サブフレームであるか否かをチェックする。送信しなければならず、そうすることが許される場合には、UEは、送信する。同様に、D2D通信サブフレームが、UEが別のグループメンバのD2D信号を復号しなければならないD2D通信サブフレームであり、そうすることが許される場合には、UEは、復号を実行する。これが行われた後に、UEは、次のD2D通信サブフレームに移る。
【0041】
図4は、UEが「D2Dモード」状態である間にブロック402、404、406、408、410、および416が実行される、「D2Dモード」状態を示す。
【0042】
図5は、いくつかのパラメータがD2D通信プロセス内で何らかの更新を必要とするかどうかを調べるためにUEが一連のチェックを実行する、D2D通信状況プロセスをチェックする実施方法500の流れ図である。一実施形態において、ブロック502、504、506、508、および510は、D2D通信状況をチェックするプロセスの内部のチェックである。方法500は、ブロック502において開始され、ここで、UEは、D2D通信が使用不能にされているかどうかを判定する。D2D通信が使用不能にされている場合には、方法500は、ブロック512に進み、ここで、UEは、「D2D送信なしモード」に推移し、その後、方法500は終了する。D2D通信が使用不能にされてはいない場合には、方法500は、ブロック504に進み、ここで、UEは、D2D通信が終了されたかどうかを判定する。D2D通信が終了された場合には、方法500は、ブロック512に進み、ここで、UEは、「D2D送信なしモード」に推移し、その後、方法500は終了する。D2D通信が終了されてはいない場合には、方法500は、ブロック506に進み、ここで、UEは、D2D-IDおよびD2DグループIDが有効であるかどうかを判定する。D2D-IDまたはD2DグループIDのいずれかが無効である場合には、方法500は、ブロック512に進み、ここで、UEは、「D2D送信なしモード」に推移し、その後、方法500は終了する。D2D-IDおよびD2DグループIDが有効である場合には、方法500は、ブロック508に進み、ここで、UEは、D2Dをセルラーに切り替えるコマンドが受信されたかどうかを判定する。D2Dをセルラーに切り替えるコマンドが受信された場合には、方法500は、ブロック512に進み、ここで、UEは、「D2D送信なしモード」に推移し、その後、方法500は終了する。D2Dをセルラーに切り替えるコマンドが受信されなかった場合には、方法500は、ブロック510に進み、ここで、UEは、UEがネットワークの外に移動したかどうかを判定する。UEがネットワークの外に移動した場合には、方法500は、ブロック512に進み、ここで、UEは、「D2D送信なしモード」に推移し、その後、方法500は終了する。UEがネットワークの外に移動してはいない場合には、方法500は、ブロック514に進み、ここで、UEは、「D2Dモード」のままになり、その後、方法500は終了する。
【0043】
実行されるチェックの中には、下記がある。
- D2D通信が使用不能にされているかどうか、この場合に、UEは、D2D通信が終了されるまたは再構成されるのいずれかになる、「D2D送信なし」状態に戻る。
- D2D通信が終了されるかどうか、この場合に、UEは、「D2D送信なし」状態に戻る。
- eNBが、UEにそのD2D送信をセルラーに切り替えるように命令したかどうか、この場合に、UEは、「D2D送信なし」状態に戻り、そのグループ通信をeNBを介して再開する。
- UEがネットワークの外に移動したかどうか、D2D信号送信は、即座に停止され、UEは、「ネットワーク外D2Dを開始する」状態に移り、基本的に、ネットワーク外に対応する手順に従う。
- そのD2D IDおよび対応する送信パラメータが更新される必要があるかどうか。
【0044】
一実施形態において、eNBは、D2D通信制御に最もかかわるエンティティである。eNBを記述する状態機械は、下記の2つの状態を含む。
- 「D2Dなしモード」状態、これは、eNBが、D2D動作を容易にするためには何も行わない状態である。
- 「D2Dモード」状態、これは、eNBがD2D動作を容易にする状態である。
【0045】
図6は、グループに関するeNB通信制御プレーン(Cプレーン)の状態図の方法600の一実施形態の流れ図である。方法600は、ブロック602において開始され、ここで、eNBは、それがグループ識別情報、グループメンバのリスト、および類似物などのグループ情報を受信したかどうかを判定する。グループ情報が受信された場合には、方法600は、ブロック604に進み、ここで、eNBは、「D2Dモード」状態に入るかその状態のままになり、その後、方法600は終了する。グループ情報が受信されなかった場合には、方法600は、ブロック606に進み、ここで、eNBは、グループに関する「D2Dなしモード」状態のままかその状態に推移し、その後、方法600は終了する。eNBが、特定のサブフレーム上のアップリンクリソースの使用法を判定するので、eNBにおけるグループに関するD2Dモード状態の判定が、UEがそのD2D状態を調べる前になる可能性があることに留意されたい。
【0046】
「D2D送信なし」状態は、通常のセルラー動作に対応する。eNB動作の方法700の一実施形態の流れ図である
図7に示されているように、D2D動作にリンクされた1つの動作がある。eNBは、それが近接サーバからD2Dグループに関する情報を受信したかどうかをチェックする。受信した場合に、これは、少なくとも1つのD2Dグループが、アクティブであり、直接通信について認可されていることを意味する。その後、eNBは、「D2Dモード」状態に移る。そうでない場合には、eNBは、「D2D送信なし」状態に留まる。「D2Dモード」状態になったならば、eNBは、
図7に示された機能のいずれをも実行することができる。これらの機能は、トリガに応答して実施され得、同時に実行され得、あるいは任意の順序とされ得る。したがって、方法700は、ブロック702、706、710、722、726、および728のいずれにおいても開始され得る。ブロック702において、eNBは、それがグループ情報を受信したかどうかを判定する。そうでない場合には、方法700は終了することができる。そうである場合には、方法700は、ブロック704に進み、ここで、eNBは、グループ情報を更新し、その後、この方法は、ブロック732に進み、ここで、eNBは、「D2Dモード」状態のままになる。
【0047】
ブロック706において、eNBは、時間C1がしきい値を超えるかどうかを判定する。そうでない場合には、方法700は終了することができる。そうである場合には、方法700は、ブロック708に進み、ここで、eNBは、リソースを割り振り、その後、方法700は、ブロック732に進み、ここで、eNBは、「D2Dモード」状態のままになる。
【0048】
ブロック710において、eNBは、UEがD2Dリンクの消失を報告しているかどうかを判定する。そうではない場合には、方法700は終了することができる。そうである場合には、方法700は、ブロック712に進み、ここで、eNBは、UEが直接モードだけを使用しているかどうかを判定する。そうである場合には、方法700は、ブロック714に進み、ここで、eNBは、グループからUEを除去する要求を近接サーバに送り、その後、方法700は、ブロック732に進み、ここで、eNBは、「D2Dモード」状態のままになる。そうではない場合には、方法700は、ブロック716に進み、ここで、eNBは、UEが直接XORセルラーモードであるかどうかを判定する。そうである場合には、方法700は、ブロック718に進み、ここで、eNBは、UEをセルラーモードに切り替えるように要求し、その後、方法700は、ブロック732に進み、ここで、eNBは、「D2Dモード」状態のままになる。そうではない場合には、方法700は、ブロック720に進み、ここで、eNBは、このUEを含むリンクをD2Dからセルラーに切り替え、その後、方法700は、ブロック732に進み、ここで、eNBは、「D2Dモード」状態のままになる。
【0049】
ブロック722において、eNBは、UEのうちの1つが、異なるセルおよびeNBにハンドオフされなければならないかどうかを判定する。そうではない場合には、方法700は、終了することができる。そうである場合には、方法700は、ブロック724に進み、ここで、eNBは、UEがハンドオフされる必要があることを近接サーバに通知し、その後、方法700は、ブロック732に進み、ここで、eNBは、「D2Dモード」状態のままになる。
【0050】
ブロック726において、eNBは、D2D送信なしモードに切り替えるコマンドを受信したかどうかを判定する。そうではない場合には、方法700は、終了することができる。そうである場合には、方法700は、ブロック734に進み、ここで、eNBは、「D2D送信なしモード」状態に切り替える。
【0051】
ブロック728において、eNBは、UEをセルラーに切り替えるコマンドが受信されたかどうかを判定する。そうではない場合には、方法700は、終了することができる。そうである場合には、方法700は、ブロック730に進み、ここで、eNBは、セルラーモードに切り替えるためにコマンドをUEに送り、その後、方法700は、ブロック732に進み、ここで、eNBは、「D2Dモード」状態のままになる。
【0052】
「D2Dモード」状態は、eNBが少なくとも1つのD2D送信に用いられる状態である。「D2D」モード状態の高水準記述が、
図8に示されている。受信されたイベントに基づいて、特定のプロセスがトリガされる。
【0053】
様々なトリガイベントを、下の表に示す。
【0055】
「グループ情報を受信する」イベントは、D2Dモードをトリガするイベントである。これを近接サーバから受信した後に、eNBは、D2D通信グループ情報を更新する。
【0056】
近接サーバから受信されるメッセージは、下記を含む。
- D2DグループID
- グループのUEメンバのリスト
- グループのUEメンバのサービングeNBに対応するeNBのリスト
- マスタeNB識別情報、UEにサービスする複数のeNBがある時には、1つのeNBが、マスタコントローラとして働き、グループを管理する
- どのUEが近接しているかを指示する近接情報。グループ内にN個のUEがある場合に、近接情報は、1および0のNxNマトリックスとみなすことができ、1は、2つのUEが近接していることを指示する(または逆)
【0057】
「グループ情報を更新する」プロセスを、
図8に示す。eNBは、UEのリスト、eNBのリスト、および近接情報を更新する。eNBは、eNBマスタIDがどれであるのかもチェックする。eNBがマスタである場合には、eNBは、それ自体をそのように構成する。マスタ判定は、近接サーバによって行われ、実施態様次第である。このセクションでは、仮定は、ネットワークが同期化されることである。
図8は、「D2Dモード」状態の高水準記述の方法800の一実施形態を示す流れ図である。プロセス802、804、および806は、同時にまたは個別に実行され得る。プロセス802、804、および806が実行される特定の順序は、実施態様によって変化する可能性がある。ブロック802において、eNBは、UEリストを更新し、その後、方法800は終了する。ブロック804において、eNBは、eNBリストを更新し、その後、ブロック808に進み、ここで、eNBは、新しいマスタeNBが指示されたかどうかを判定する。そうでない場合には、方法800は終了する。そうである場合には、方法800は、ブロック810に進み、ここで、eNBは、eNB自体が新しいマスタであるかどうかを判定する。そうである場合には、方法800は、ブロック812に進み、ここで、eNBは、それ自体をマスタとして構成し、その後、方法800は終了する。そうではない場合には、方法800は、ブロック814に進み、ここで、eNBは、それ自体をスレーブとして構成し、その後、方法800は終了する。ブロック806において、eNBは、近接マトリックスを更新する。
【0058】
「時間がC1しきい値を超える」イベントに関して、eNBは、新しいリソース割振りが必要であるかどうかを周期的にチェックする。これは、タイマC
1を使用して行われる。このイベントは、リソース割振り更新をトリガする。リソース割振りが、UEに対して直交または非直交とされ得ることに留意されたい。
【0059】
図9は、マスタeNBの制御の下にある「リソースを割り振る」プロセスの方法900の一実施形態の流れ図である。方法900は、ブロック902において開始され、ここで、マスタeNBは、グループ内のすべてのUEからBSRを受信する。ブロック904において、マスタeNBは、送信がもうないかどうかを判定する。ブロック904において、回答がyesであり、送信がもうない場合には、方法900は、ブロック906に進み、ここで、マスタeNBは、D2D送信を終了し、その後、方法900は、ブロック908に進み、ここで、マスタeNBは、「D2D送信なしモード」状態に推移する。ブロック904において、回答がnoであり、まだ送信がある場合には、方法900は、ブロック910に進み、ここで、マスタeNBは、割り振られたリソースが適切であるかどうかを判定する。割り振られたリソースが適切ではない場合には、方法900は、ブロック912に進み、ここで、マスタeNBは、リソース割振りを変更し、その後、方法900は、ブロック914に進み、ここで、マスタeNBは、タイマC1をリセットし、その後、この方法は終了する。割り振られたリソースが適切である場合には、方法900は、ブロック914に進み、ここで、マスタeNBは、タイマC1をリセットし、その後、この方法は終了する。
【0060】
方法900は、グループ内のすべてのUEからバッファ状況レポート(BSR)を得ることに頼る。すべてのバッファが空である場合には、D2D送信が終了される。そうではなく、割り振られたリソースが適切ではない場合には、リソース割振りが変更される。ここでの仮定は、1つのフローだけが処理されることである。複数のフローがある場合には、この解決策は、わずかに適合される。
【0061】
正しいリソース割振りを支援するために、ネットワークは、D2Dリンクの品質に関する何らかの情報を必要とする可能性がある。この情報は、RSRPレポートまたはRSRQレポートに似た長期情報である可能性がある。
【0062】
LTEにおいて、非DRXの同一周波数(intra-frequency)のケースに関して、測定周期は200msである。D2D通信の場合には、すべてのサブフレームが、D2Dに使用されるわけではなく、より重要なことに、特定のD2D UEのために使用されるわけではないので、測定周期をより長くする必要があるか、またはD2Dリンクのよいチャネル推定を得るためにより多くの周波数リソースが要求されるかのいずれかである可能性がある。測定周期は、D2D通信に割り振られたリソースの個数ならびにグループメンバの個数に依存する可能性がある。測定周期は、たとえばより上位のレイヤのシグナリングによって、グループメンバにシグナリングされ得る。
【0063】
各D2D UEは、それが有するワーストD2Dリンク品質を他のグループメンバに、またはリンク品質のセットをネットワークに送信することができる。後者に関して、グループのメンバは、グループの内部で番号を割り当てられなければならず、その番号付けは、すべてのUEにシグナリングされなければならない。レポートは、ネットワークによってトリガされ得、あるいは、周期的にネットワークに送られ得る。D2Dグループが複数のeNBを含む場合には、各UEは、それ自体のeNBに報告し、eNBは、情報の関数をマスタeNBに送ることができる。レポートは、BSRレポートが送信される時にトリガされ得、あるいは、UEは、それがBSRレポートを送る時に関してそのようなレポートを送るように構成され得る。
【0064】
セルラー通信において、BSRは、ULリソースをUEに割り振るためにスケジューラにおいて使用され、[8]のセクション5.4.5に記載されているように、MAC制御要素として送信される。D2D通信に関して、すべてのデータは、ネットワークの観点からはULと考えられ得る。
【0065】
図10は、BSRを入手する方法1000の一実施形態を示す流れ図である。方法1000は、ブロック1002において開始され、ここで、eNBは、それがグループマスタであるかどうかを判定する。eNBがグループマスタである場合には、eNBは、2つのことを行うすなわち、ブロック1006において、それがサービスしているすべてのUEのBSRを収集し、ブロック1008において、グループ送信に含まれるすべてのeNBにBSR要求を送る。ブロック1010において、eNBは、グループ送信に含まれるすべてのeNBからBSR_REP(バッファ状況レポート)を受信する。グループ送信に含まれるすべてのeNBからのBSRならびにそれがサービスするUEからのBSRを受信した後に、eNBは、必要な場合にリソース割振りを変更するためのすべてのBSR情報を有する。
【0066】
eNBがスレーブである場合には、この方法は、ブロック1004に進み、eNBがマスタからBSR_REQを受信したかどうかを判定する。そうではない場合には、方法1000は終了する。そうである場合には、マスタからBSR_REQを受信した後に、eNBは、ブロック1012に進み、ここで、セル内のすべてのUEのBSRを収集し、BSRを順に並べ(collate)、その後、この方法は、ブロック1014に進み、ここで、eNBは、マスタにBSP_REPを送り返し、その後、方法1000は終了する。D2D BSRフォーマットは、既存のセルラーBSRフォーマットを再利用することができ、あるいは、D2Dデータの特性を前提として、単純化されたフォーマットが使用され得る。たとえば、特に同一UEグループのすべてのD2Dデータが同様のレベルのQoSを要求する場合に、セルラーBSRに関して定義された3タイプのBSR(長い、短い、および切り詰められた)ではなく、1つのタイプが、D2D BSRに十分である可能性がある。
【0067】
マスタeNBは、それが管理する各グループの隣接eNBにBSR_REQを送るのに、新しいX2シグナリングを使用することができる。次に、隣接eNBは、隣接eNBがグループ通信においてスレーブeNBである場合に、対応するマスタeNBによって送られた各BSR_REQに応答して、新しいX2シグナリングを使用して、各グループの順に並べられたBSRレポートを戻って報告することができる。スレーブeNBは、それらのセルラーBSRまたはそれらがD2Dグループ通信に割り振ることのできるリソースの最大数/時間周波数位置など、追加情報をも送信することができる。収集されたD2D BSRをマスタeNBに報告するのにスレーブeNBによって使用されるX2シグナリングは、D2Dの必要に合わせて調整され得る。
【0068】
図11は、ポーリングによる「セル内のUEのBSRを収集する」プロセスの方法1100の一実施形態を示す流れ図である。方法1100は、ブロック1102において開始され、ここで、eNBは、UE_eNB_list内のすべてのUEにBSR要求を送る。その後、方法1100は、ブロック1104に進み、ここで、eNBは、UE_eNB_list内のすべてのUEのBSRを収集する。説明したように、eNBは、BSRを得るためにUEをポーリングする。eNBのポーリングは、ポーリングするMAC CEに関して指定された論理チャネルID(LCID)を定義することによって、新しいMAC CEを介して指示され得る。eNBは、D2D BSRを報告するようにUEに通知するために、MACサブヘッダの1つ内で、指定されたポールビットをセットすることもできる。現在、まだ、現在のLTE MACサブヘッダ内で定義されたポールビットがないことに留意されたい。しかし、MACサブヘッダ内に、使用可能な予約済みビット('R'ビット)があり、少なくとも1つの'R'ビットが、ポーリングの目的に使用され得る。
【0069】
現在のLTEシステム内には、BSRの別のトリガすなわち、より高い優先順位を有する新しいデータの到着がある。したがって、D2Dセットアップにおいて、これは、BSRレポートをトリガすることができる。UEがスレーブeNBに属する場合に、スレーブeNBは、マスタeNBがリソース割振りを管理する場合に、BSRレポートについてマスタeNBに通知する。別の解決策は、UEにそれらのBSRを周期的に報告するようにさせることである。別の実施形態において、BSRの生成は、再送信D2D BSRタイマの満了および使用可能なD2Dデータの量が0より多いことによってトリガされる。
【0070】
[4]において、BSR報告に関する2つのタイマすなわち、periodicBSR-TimerおよびretxBSR-Timerが、LTEセルラー通信に関して定義されている。BSRは、これらのタイマのいずれかが満了する場合に、トリガされなければならない。periodicBSR-Timerは、BSRが1周期内に少なくとも1回送信されることを保証するのに使用され得る。retxBSR-Timerは、eNBがUEによって送られたBSRレポートを受信せず、UEがそのBSRレポート送信に応答して誤ってNACKではなくACKを復号した場合を回避するのに使用され得る。retxBSRタイマは、アップリンクグラントが受信される時に必ず再始動され、このタイマが満了する前にアップリンクグラントが受信されない場合には、UEは、BSRを再送信する。
【0071】
D2Dに関して、D2D BSRは、セルラーBSRから区別可能でなければならない。D2D BSRレポートに関する2つの追加のタイマ(periodicD2DBSR-TimerおよびretxD2DBSR-Timerと称する)が使用される。periodicD2DBSR-TimerおよびperiodicBSR-Timerは、同一とされ得ることに留意されたい。これらのタイマの最大満了時間は、セルラーおよびD2Dに関して同一であっても異なってもよい。
【0072】
セルラーBSRに関するretxBSR-Timerに似て、retxD2DBSR-Timerは、D2Dリソースグラントが受信される時に必ず再始動される。しかし、D2Dの場合には、D2Dリソースグラントは、すべてのグループメンバによって使用されることになる。したがって、そのようなグラントの受信は、必ずしも、eNBが各グループメンバのBSRを正しく受信したことを保証しない。このシナリオを救済するために、retxD2DBSR-Timer動作の別の実施形態は、eNBによって送られる肯定応答が、複数回繰り返され得、UEが、eNBによって送られたある個数(この個数は、構成可能とされ得、あるいは、仕様内で記述され得る)のACKの受信時に、そのretxD2DBSRタイマを再始動し、そうでない場合には、UEが、D2D BSRを再送信することができる。D2D BSRは、新しいMAC制御要素として送信され得る。代替案では、D2D-BSRは、RRCシグナリングを介して報告され得る。
【0073】
UEが複数のグループに属する場合には、BSRレポートは、現在のLTEシステムにおいて行われているように、4つまでの論理グループ内で組み合わされ得る。各UEに、それが属する各グループの各D2D BSRを区別可能な形で送らせることが望ましい場合がある。たとえば、UEは、それが属するグループごとに1つのretxD2DBSR-Timerを有することができる。
【0074】
eNBが、グループ通信のためにUE固有D2Dリソース割振りを割り当てる場合には、既存のLTE BSR報告機構が使用され得る。UE固有D2Dリソース割振りを用いない場合であっても、既存のLTE BSR報告機構を再利用することが可能である。しかし、少なくとも、セルラーBSRおよびD2D BSRは、区別可能でなければならず、retxBSR-TimerおよびretxD2DBSR-Timerは、異なることが必要である。
【0075】
図12は、「マスタeNBにBSR_REPを送る」プロセスの方法1200の一実施形態を示す流れ図である。方法1200は、ブロック1202において開始され、ここで、eNBは、UE_eNB_list内のすべてのUEのBSRを得る。ブロック1204において、eNBは、BSR_REPを準備し、ブロック1206において、eNBは、要求するeNBにBSR_REPを送り、その後、方法1200は終了する。
【0076】
図13Aに、リソース割振り更新に関するセル間通信の実施システム1300を示す。システム1300は、スレーブeNB 1302およびマスタeNB 1304を含む。スレーブeNBは、D2D BSR、セルラーBSR、何らかの長期チャネル情報(たとえば、各UEへのワーストチャネルの分布)、およびそれがD2Dに割り振ることのできるリソースの最大数または位置を、マスタeNB 1304に送る。
【0077】
図13Bに、「リソース割振りを変更する」プロセスの方法1350の一実施形態を示す。方法1350は、ブロック1352において開始され、ここで、eNBは、それがマスタであるかどうかを判定する。それがマスタである場合には、方法1350は、ブロック1358に進み、ここで、eNBは、新しいリソース割振りを判定する。ブロック1360において、eNBは、新しいリソース割振りをセル内のすべてのUEに送り、その後、方法1350は、終了することができる、あるいは、ブロック1362に進むことができる。ブロック1362において、eNBは、グループ送信に含まれるすべてのeNBにBSR-REQを送り、その後、方法1350は終了する。ブロック1352において、eNBが、それがマスタではないと判定する場合には、方法1350は、ブロック1354に進み、ここで、eNBは、BSR-REQが受信されたかどうかを判定する。BSR_REQが受信されなかった場合には、方法1350は終了する。BSR_REQが受信された場合には、eNBは、セル内のすべてのUEに新しいリソース割振りを送り、その後、方法1350は終了する。
【0078】
方法1350内の処理は、eNBがマスタである場合とそうでない場合とで異なる。eNBがマスタである場合には、eNBは、新しいリソース割振りを判定する。eNBは、その後、それがサービスしているすべてのUEに新しいリソース割振りを送り、グループ送信にかかわるすべての他のeNBにも知らせ、その結果、すべての他のeNBがそれらのUEに新しいリソース割振りについて通知できるようにする。各eNBは、各グループのUEに変更されたリソース情報を送るのに、RRCシグナリングおよび/または他の制御PDU/メッセージを使用することができる。たとえば、ネットワークは、割り当てられた識別方式、たとえばインデックス値を用いて、RRCシグナリングを介して前もって候補リソース割振りパターンのリストを用いてD2D UEを構成することができる。D2D通信プロセス中に、eNBは、さらに、続くN個のサブフレーム内で使用される1つのリソース割振りパターンを選択することができる。この選択は、たとえばMAC制御要素内のインデックス値の指示を介して行われ得る。
【0079】
「D2D送信を終了する」プロセスに関して、ネットワークは、ある種の条件の下でD2D送信を終了すると判断することができる。たとえば、すべてのBSRが空で戻ってくるすなわち、送信すべきさらなるデータがない時は、D2Dグループ通信を終了すべき時である。このプロセスは、「リソース割振りを変更する」プロセスに非常に似ている。
【0080】
図14は、D2D送信を終了する方法1400の一実施形態を示す流れ図である。方法1400は、ブロック1402において開始され、ここで、eNBは、それがeNB D2Dマスタであるかどうかを判定する。eNBがeNB D2Dマスタではない場合には、方法1400は、ブロック1404に進み、ここで、eNBは、終了メッセージが受信されたかどうかを判定する。終了メッセージが受信されなかった場合には、方法1400は終了する。ブロック1404において、eNBが、終了メッセージが受信されたと判定する場合には、方法1400は、ブロック1406に進み、ここで、eNBは、セル内のUEとのすべてのリンクを終了し、その後、方法1400は終了する。ブロック1402において、eNBが、それがeNB D2Dマスタであると判定する場合には、方法1400は、ブロック1408に進み、ここで、eNBは、グループ送信に含まれるすべてのeNBに終了メッセージを送る。ブロック1410において、eNBは、セル内のUEとのすべてのリンクを終了し、ブロック1412において、eNBは、D2DグループIDを解放し、その後、方法1400は終了する。
【0081】
新しいRRCシグナリングが使用され得る。代替案では、PDCCHオーダ(DCIフォーマット1Aにおいて示される)が、下の「D2D送信なしに切り替えるように指令する」イベント内で説明されるように再利用され得る。
【0082】
図15は、セル内のUEとのすべてのリンクを終了する方法1500の一実施形態の流れ図である。方法1500は、ブロック1502において開始され、ここで、終了メッセージが、UE_eNB_list内のすべてのUEに送られる。ブロック1504において、維持されたセルラーRRC接続がクローズされ、その後、方法1500は終了する。
【0083】
図16は、D2DグループIDを解放する方法1600の一実施形態の流れ図である。方法1600は、ブロック1602において開始され、ここで、eNBは、通信の終了について近接サーバに通知し、その後、方法1600は終了する。このD2D IDが、個々のD2D IDではなくグループIDであることに留意されたい。
【0084】
「UEがD2Dリンクの消失を報告する」イベントに関して、UEが、不満足なD2Dリンク条件を経験する時に、UEは、これをeNBに報告する。2つのケースが検討される。
- グループが、直接モードのみのためにセットアップされている場合に、1つのD2Dリンクが破壊されるならば、D2Dグループ通信全体が停止する必要がある。eNBは、近接サーバがD2D通信を終了できるようにするために、近接サーバにD2Dリンクの消失を報告する。代替案では、グループは、ベストエフォート直接モードのみとすることができ、ここでは、リスンできるUEだけがリスンする。
- グループが、セルラーリンクおよびD2Dグループ通信用のD2Dリンクを有する「ハイブリッド」である場合には、eNBは、破壊されたD2Dリンクをセルラーに切り替える。このUEを含むすべてのリンクが、セルラーに切り替えられる。
【0085】
D2Dリンク条件の評価に関して、LTEにおいて使用されるradio link monitoring(RLM)技法が、再利用され得る。RLMは、UEが時間同期化を維持し、その制御情報を信頼できる形で受信できることを保証する、測定機能である。3GPP-LTEにおいて、UEは、連続的にサービングセルeNodeBダウンリンクの品質を評価し、それらがサービングセルeNodeBに時間同期化されることを保証する。RLM監視は、out-of-synchronization(OOS)評価手順およびin-synchronization(IS)評価手順を含み、UEは、同一チャネル干渉の存在下で、サービングセルのcell-specific reference signal(CRS)品質を監視する。OOSおよびISは、事前に決定された制御ペイロードに対応する仮説のPDCCH送信のブロック誤り率が事前に指定されたしきい値を超えるイベントと定義される[9]。
【0087】
[5]によれば、LTEにおいて、主セルのダウンリンク無線リンク品質は、より上位のレイヤにout-of-sync/in-sync状況を指示するために、UEによって監視されなければならない。より上位のレイヤのシグナリングが、制限された無線リンク監視に関してある種のサブフレームを指示する場合には、無線リンク品質は、指示されたサブフレーム以外のいかなるサブフレームにおいても監視されてはならない。
【0088】
[6]によれば、最後の200ms期間にわたって推定されたPCellのダウンリンク無線リンク品質が、しきい値Qoutより悪くなる時に、UEのレイヤ1は、200msのQout評価期間以内により上位のレイヤにPCellのout-of-sync指示を送らなければならない。レイヤ3フィルタが、[7]において指定されるように、out-of-sync指示に適用されなければならない。さらに、最後の100ms期間にわたって推定されたPCellのダウンリンク無線リンク品質が、しきい値Qinより良くなる時に、UEのレイヤ1は、100msのQin評価期間以内により上位のレイヤにPCellのin-sync指示を送らなければならない。L3フィルタが、[7]において指定されるように、in-sync指示に適用されなければならない。UEの送信器出力は、[7]の条項5.3.11において指定されるように、T310タイマの満了の後、40ms以内にオフに切り替えられなければならない。
【0089】
D2Dグループ通信の場合には、RLMの2つの役割すなわち、時間同期化の維持および制御情報の信頼できる受信は、別々に説明され得る。
【0090】
D2Dグループ通信において、時間同期化ソースは、制御情報を送るエンティティとは異なるものとされ得る。たとえば、eNBが、時間同期化を提供することができ、送信するD2D UEが、制御情報を送ることができる。セルラーと同一のRLM手順が、時間同期化を提供するのに十分である。しかし、新しいRLM機構が、信頼できる制御情報およびD2Dリンク品質を保証するのに使用され、D2D_RLMと呼ばれる。
【0091】
D2D_RLMは、各UE受信器において、すべてのD2Dリンクに関して実行される。たとえば、D2Dグループが、UE1、…、UEMからなる場合に、グループ内の各UEは、すべての他のUE(多くともM-1個)についてD2D_RLMを有する必要がある。すべてのUEは、それが送信する時に必ず、UEごとにRLMを実行するのみである。したがって、D2D-RLM測定は、単一のUEが送信しているD2D通信に関して割り振られたサブフレームの中の特定のD2Dサブフレームに関して有効である。セルラー動作において、制限された無線リンク監視に関するサブフレームは、より上位のレイヤのシグナリングによってUEにシグナリングされる。しかし、D2D-RLMは、すべてのD2Dサブフレームに関して実行され得るが、送信する異なるUEに関連する異なるRLM測定がある。UEは、送信するUEごとにRLMを実行すべき時を知る必要がある。この情報は、RRCシグナリングを介してeNBによってUEに伝えられ得る。たとえば、eNBは、D2Dサブフレームインデックス1〜10が、あるUE送信に割り振られ、D2Dサブフレームインデックス11〜20が、別のUE送信に割り振られることなどを、グループ内のUEに知らせることができる。リンクに関する信頼できる理解を有するために、それでも、測定は、Qoutの200ms評価期間およびQinの100ms評価期間にわたって行われ得る。しかし、これらの100/200msは、経時的に分散され得る。
【0092】
D2D-RLMパラメータは、セルラーRLMと同一であっても異なってもよい。たとえば、D2D-RLMは、セルラーとは異なるQout/Qinしきい値を使用することができる。セルラーRLMとは異なる、D2D-RLMの評価期間を有することも可能である。追加のタイマが、D2D-RLMのために定義されなければならない。セルラーRLMとは異なって、UEの送信器出力は、D2D-T310タイマの満了の後40ms以内にオフに切り替えられるのではなく、D2D-RLF(radio link failure)レポートをネットワークに送ることができる。UEは、下記の情報を伝えるレポートを送ることができる。
- 障害の発生したリンクの他方の側のUEのD2D-ID
- それがRLFを観察したリソースセットの指示(たとえば、単一の送信器に属する1つのリソースセットは、サブフレーム番号modulo Zが8であるなど、ある式を満足するサブフレームとされ得る)
- どの信頼性バージョンが送られたかを含む送られた最後のパケットに関する情報
【0093】
図17Bは、UEが不満足なD2Dリンクを経験し、eNBに報告する時のD2D RLF処理の方法1750の一実施形態の流れ図である。方法1750は、ブロック1752において開始され、ここで、eNBは、UEが直接モードのみであるかどうかを判定する。UEが直接モードのみではない場合には、方法1752は、ブロック1756に進み、ここで、eNBは、UEが直接モードおよびセルラーモードをサポートすると判定する。ブロック1758において、eNBは、障害を発生したD2Dリンクをセルラーに切り替え、その後、方法1750は終了する。ブロック1752において、eNBが、UEが直接モードのみをサポートすると判定する場合には、方法1750は、ブロック1754に進み、ここで、eNBは、2つのオプションすなわちオプション1およびオプション2のうちの1つから選択する。オプション1が選択される場合には、D2Dグループ通信が終了される。オプション2が選択される場合には、UEは、ベストエフォートを用いて料金を作るように命令される。ブロック1754を完了した後に、方法1750は終了する。
【0094】
UEが、複数のリンクについてRLFを測定する場合には、UEは、ネットワークに知らせるのに、1つまたは複数の信号を使用することができる。
【0095】
D2D-RLFを報告する複数の形がある。第1に、新しいRRCシグナリングを使用するが、これは、多少の時間を要する可能性がある。第2に、UEは、D2D-RLFがあることを指示するのに新しいMAC制御要素シグナリングを使用することができる。
【0096】
第3に、UEは、PUSCH内の非周期的CSIレポートを再利用することができる。セルラー通信において、eNBは、非周期的CSIレポートをトリガするエンティティである。しかし、ここでは、UEが、レポートを開始するエンティティであり、したがって、非周期的CSIレポートを再利用するために、新しい機構が必要である。1つの形は、スケジューリング要求(SR)を使用することである。
【0097】
UEは、D2Dリンク障害についてeNBに知らせるのにSRを再利用する。eNBに、通常のSRをD2D-RLF SRから区別させるために、D2D-RLF SRは、D2DグループRNTIによってマスクされる。さらに、eNBがD2D-RLF SRを得ることを保証するために、D2D-RLF SRは、繰り返され得、繰返しの回数は、ブロードキャストメッセージによってシグナリングされ得、あるいは、3GPP仕様内で指定され得る。
【0098】
D2D-RLF SRの受信時に、eNBは、D2D-RLF SRを送るUEのD2D-RNTI(またはUE-ID)によってマスクされたアップリンク送信に関するDCIメッセージ内の要求によって、レポートをトリガすることができる。
【0099】
DCIメッセージは、UE固有検索空間内で送られる。
【0100】
D2D-RLF SRの送信の後に、UEは、そのUE固有PDCCH領域を監視する。
【0101】
レポートは、D2DグループRNTIによってマスクされ得る。
【0102】
「1つのUEがハンドオフする」イベントに関して、1つまたは複数のUEがハンドオフする場合に、eNBは、近接サーバがグループ情報を更新できるようにするために、近接サーバに通知する。S1シグナリングが、そのような目的に使用され得る。
【0103】
「D2D送信なしに切り替えるように指令する」イベントに関して、そのようなメッセージが、近接サーバから受信される場合には、eNBは、グループ内のすべてのUEをセルラーリンクに切り替える。
【0104】
1つの可能性は、RRCシグナリングを使用することである。また、グループRNTIによってマスクされたPDCCH共通検索空間内で送られる新しいDCIが、使用される。代替案では、PDCCHオーダが利用され得る。
【0105】
セルラー通信において、PDCCHオーダは、競争なしのRACH送信をトリガするのに使用され得、6ビットのRACHプリアンブルインデックスならびに4ビットのPRACHマスクインデックスを含む。マスクインデックスは、UEがRACH動作のために使用することが許されるのは、PRACH構成によって指示されるPRACHリソースからのどのPRACHリソースかを識別するのに使用される。
【0106】
10ビット(6ビットのRACHプリアンブルインデックスならびに4ビットのPRACHマスク)が、異なるD2Dオーダを指示するのに再利用され得、この異なるD2Dオーダのうちの1つが、「D2D送信なし」コマンドである。D2D-PDCCHオーダのCRCは、グループRNTIを用いてスクランブルされ得る。
【0107】
「UEをセルラーに切り替えるように指令する」イベントに関して、そのようなメッセージが近接サーバから受信される場合に、eNBは、その特定のUEをセルラーリンクに切り替える。上で説明したPDCCHオーダまたはRRCシグナリングが、使用され得る。
【0108】
近接サーバは、近接情報およびグループ通信を維持するためのすべての動作を実行する。
【0109】
図18は、近接サーバの高水準処理の実施方法1800の流れ図である。方法1800は、ブロック1802、1806、1816、1826、1828、または1832のいずれかにおいて開始され得る。ブロック1802、1806、1816、1826、1828、または1832のそれぞれによって開始されるプロセスは、すべて、同時にまたは任意の順序で実行され得る。いくつかの実施形態においては、ブロック1802、1806、1816、1826、1828、または1832のそれぞれによって開始されるプロセスのすべてが実行されるのではなく、トリガされたプロセスまたは特定の時に必要なプロセスのみが実行される。
【0110】
ブロック1802において、近接サーバは、D2DグループIDを解放するを受信したかどうかを判定する。そうではない場合には、方法1800は、終了することができる。そうである場合には、方法1800は、ブロック1804に進み、ここで、近接サーバは、D2DグループIDを解放し、その後、この方法は、終了することができる。
【0111】
ブロック1806において、近接サーバは、グループ通信を開始する指示を受信したかどうかを判定する。そうではない場合には、方法1800は、終了することができる。そうである場合には、方法1800は、ブロック1808に進み、ここで、近接サーバは、グループ内のすべてのUEとのRRC接続を確立する。ブロック1810において、近接サーバは、グループ内のすべてのUEの近接情報を入手する。ブロック1812において、近接サーバは、アクティブグループメンバを判定する。ブロック1814において、近接サーバは、グループ情報についてeNBに通知し、その後、方法1800は、終了することができる。
【0112】
ブロック1816において、近接サーバは、それが、グループからUEを除去する要求を受信したかどうかを判定する。そうではない場合には、方法1800は、終了することができる。そうである場合には、方法1800は、ブロック1818に進み、ここで、近接サーバは、UEリストを更新する。ブロック1820において、近接サーバは、近接マトリックスを更新する。ブロック1822において、近接サーバは、eNBリストを更新し、ブロック1824において、近接サーバは、グループ情報についてeNBに通知し、その後、方法1800は、終了することができる。
【0113】
ブロック1826において、近接サーバは、それが、UEハンドオフ通知を受信したかどうかを判定する。そうではない場合には、方法1800は、終了することができる。そうである場合には、方法1800は、ブロック1818に進み、上で説明したように進行する。
【0114】
ブロック1828において、近接サーバは、UEをセルラーに切り替えるべきかどうかを判定する。UEがセルラーに切り替えられないと判定される場合には、方法1800は、終了することができる。近接サーバが、UEがセルラーに切り替えられなければならないと判定する場合には、方法1800は、ブロック1818とブロック1830との両方に進む。ブロック1818において開始されるプロセスは、上で説明したように継続する。ブロック1830において、近接サーバは、UEをセルラーに切り替えるコマンドをeNBに送り、その後、方法1800は、終了することができる。
【0115】
ブロック1832において、近接サーバは、新しいUEをグループに追加すべきかどうかを判定する。新しいUEがグループに追加されない場合には、方法1800は、終了することができる。近接サーバが、新しいUEがグループに追加されるべきであると判定する場合には、方法1800は、ブロック1834に進み、ここで、近接サーバは、グループ内の新しいUEとのRRC接続を確立する。ブロック1836において、近接サーバは、グループ内のすべてのUEの近接情報を入手する。ブロック1838において、近接サーバは、新しいUEがアクティブであるかどうかを判定する。そうではない場合には、方法1800は、終了することができる。そうである場合には、方法1800は、ブロック1840に進み、ここで、近接サーバは、グループ情報についてeNBに通知し、その後、方法1800は、終了することができる。
【0116】
「D2DグループIDを解放するを受信する」イベントに関して、eNBは、D2Dグループ通信が終わる時にこのコマンドを送ることができる。近接サーバは、単純にD2DグループIDを解放する。マスタeNBは、近接サーバに知らせるのにS1シグナリングを使用することができる。
【0117】
「グループ通信を開始する」イベントに関して、近接サーバが、グループ通信を開始しなければならない時に、行うべき第1のタスクは、グループ内のすべてのUEとのRRC接続を開始することである。このRRC接続は、グループを制御するのに使用されると同時に、D2Dリンクが破壊された場合のバックアップに使用される。近接サーバは、D2Dグループ通信に用いられるすべてのeNBのIDをも入手する。
【0118】
図19は、グループ内のすべてのUEとのRRC接続を確立する方法1900の一実施形態を示す流れ図である。方法1900は、ブロック1902において開始され、ここで、近接サーバは、グループ内のすべてのUEを接続モードに切り替える。ブロック1904において、近接サーバは、D2D呼に含まれるセル(すなわちeNB)およびUEのリストを入手し、その後、方法1900は終了する。
【0119】
「グループ内のすべてのUEの近接情報を入手する」プロセスに関して、すべてのUEが接続モードになった後に、近接サーバは、グループ内のすべてのUEの近接情報を入手する。
【0120】
図20は、グループ内のすべてのUEの近接情報を入手する実施方法2000を示す流れ図である。方法2000は、ブロック2002において開始され、ここで、近接サーバは、グループ内のUEの近接マトリックスを確立しまたは判定する。ブロック2004において、近接サーバは、近接情報が欠けているかどうかを判定し、そうではない場合には、方法2000は終了する。何らかの欠けている近接情報がある場合には、方法2000はブロック2006に進み、ここで、近接サーバは、近接マトリックスを完成させるために「欠けている対の近接情報を入手する」プロセスを使用し、その後、方法2000は終了する。S1シグナリングが、欠けている対の近接情報を得るようにマスタeNBに命令するのに使用される。その後、マスタeNBは、タイプ2ディスカバリを実行するために、欠けている対内のUEのサービングeNBに知らせるのにX2シグナリングを使用することができる。代替案では、近接サーバは、欠けている対ごとにタイプ2ディスカバリを開始するように各サービングeNBに命令するのに、S1シグナリングを使用することができる。言い換えると、近接サーバは、マスタeNBに話し掛けるのではなく、サービングeNBと直接に通信する。
【0121】
図21は、欠けている対の近接情報を入手する方法2100の一実施形態を示す流れ図である。これは、本質的に、すべての欠けている対に関してタイプ2ディスカバリを実行することのを含む。方法2100は、ブロック2102において開始され、ここで、近接サーバは、欠けている対を選択する。ブロック2012の後に、方法2100は、ブロック2104とブロック2106との両方を実行する。ブロック2104において、近接サーバは、UE2のタイプ2ディスカバリを実行するためにUE1のサービングeNBことを要求し、ブロック2106において、近接サーバは、UE1のタイプ2ディスカバリを実行するためにUE2のサービングeNBことを要求する。ブロック2104および2106の完了の後に、この方法は、ブロック2108に進み、ここで、近接サーバは、UE1のサービングeNBとUE2のサービングeNBとの両方から近接情報を受信する。ブロック2110において、近接サーバは、近接情報がすべての対に関して入手されたかどうかを判定する。そうではない場合には、方法2100は、ブロック2102に進み、ここで、このプロセスが、UEの別の対に関して繰り返される。ブロック2110において、近接情報がすべての対に関して入手済みである場合には、方法2100は終了する。
【0122】
「アクティブグループメンバを判定する」プロセスに関して、すべての近接情報が入手された後に、近接サーバは、D2DアクティブであるUEを判定するが、他のUEに近接していないすべてのUEは、少なくとも一時的にD2Dグループ通信から除外される、すなわち、セルラーリンクを介して他のグループメンバと通信している。
【0123】
図22は、アクティブUEを判定する方法2200の一実施形態の流れ図である。近接サーバは、eNBによって渡された情報に基づいて、直接通信している可能性があるUEを判定する。方法2200は、ブロック2202において開始され、ここで、近接サーバは、D2D通信を実行できるUEを判定する。ブロック2204において、近接サーバは、これらのUEにグループIDを割り当て、その後、方法2200は終了する。
【0124】
「グループ情報についてeNBに通知する」プロセスに関して、D2Dグループ通信の開始の最後のステージは、含まれるeNBがD2Dの制御を編成できるようにするために、それらのeNBのすべてに通知することである。
【0125】
図23は、グループ情報についてeNBに通知する方法2300の一実施形態の流れ図である。方法2300は、アクティブD2D UEのすべてのUE IDを得ることと、それらのサービングeNBを判定することと、グループマスタを判定することと、グループ情報についてすべてのeNBに通知することとを含む。方法2300は、ブロック2302において開始され、ここで、近接サーバは、アクティブUEのすべてのD2D IDのリストを作成する。ブロック2304において、近接サーバは、グループ内のUEを伴うすべてのeNBのリストを作成する。ブロック2306において、近接サーバは、マスタeNBを判定し、ブロック2308において、近接サーバは、すべての含まれるeNBにグループ情報を送り、その後、方法2300は終了する。
【0126】
「グループからUEを除去する要求」イベントに関して、たとえば、eNBが、UEがもはやD2Dモードで働くことができないのでそのUEがグループから除去されることを要求する、いくつかのケースがある。UEを除去するために、近接サーバは、
- UEリストを更新する、除去されるUEは、グループから除去される
- 近接マトリックスを更新する、近接情報は、除去されるUEに関係するすべての近接情報を除去することによって更新される
- eNBリストを更新する、このプロセスは、より複雑であり、
図24に示されている。近接サーバは、孤児eNBがあるかどうかを判定する。そうである場合には、近接サーバは、それらを「D2D送信なし」モードに切り替える。このeNBが、以前のグループマスタであった場合には、新しいマスタeNBが選択される。同様に、新しいeNBがD2D通信に含まれる場合には、そのeNBは、グループに追加される。
【0127】
図24は、eNBリストを更新する方法2400の一実施形態の流れ図である。方法2400は、ブロック2402において開始され、ここで、近接サーバは、変化によって影響を受けるeNBを判定する。その後、方法2400は、ブロック2404とブロック2406との両方に進む。ブロック2404において、近接サーバは、eNBがアタッチされたUEを有しないかどうかを判定し、そうではない場合には、方法2400は終了し、そうである場合には、方法2400は、ブロック2408に進み、ここで、近接サーバは、eNBをD2D送信なしモードに切り替える。ブロック2412において、近接サーバは、除去されたeNBがグループマスタであったかどうかを判定し、そうではない場合には、方法2400は終了する。除去されたeNBがグループマスタであった場合には、この方法は、ブロック2414に進み、ここで、近接サーバは、新しいeNBマスタを選択し、その後、方法2400は終了する。ブロック2406において、近接サーバは、グループにリンクされた新しいeNBがあるかどうかを判定し、そうではない場合には、方法2400は終了し、そうである場合には、方法2400はブロック2410に進む。ブロック2410において、近接サーバは、eNBをグループに追加し、その後、方法2400は終了する。
【0128】
すべてのこのグループ管理が実行された後に、近接サーバは、すべての含まれるUEに、更新されたグループ情報を送る。
【0129】
「UEハンドオフ通知が受信された」イベントの処理は、「グループからUEを除去する要求」イベントに類似する。
【0130】
「UEをセルラーに切り替える要求」イベントの処理は、「UEをグループから除去する要求」イベントに類似する。しかし、それに加えて、近接サーバは、UEをセルラーに切り替えるコマンドをサービングeNBに送る。
【0131】
「グループに追加すべき新しいUE」イベントの処理は、当初に単一のUE/eNBを含むことを除いて、「グループ通信を開始する」イベント処理に類似する。
【0132】
図25は、本明細書で開示されるデバイスおよび方法を実施するのに使用され得る処理システム2500のブロック図である。特定のデバイスは、図示のコンポーネントのすべてまたはコンポーネントのサブセットのみを利用することができ、統合のレベルは、デバイスごとに変化することができる。さらに、デバイスは、複数の処理ユニット、プロセッサ、メモリ、送信器、受信器、その他など、あるコンポーネントの複数のインスタンスを含むことができる。処理システム2500は、スピーカ、マイクロホン、マウス、タッチスクリーン、キーパッド、キーボード、プリンタ、ディスプレイ、および類似物など、1つまたは複数の入出力デバイスを備えた処理ユニット2501を含むことができる。処理ユニット2501は、バス2540に接続された、中央処理装置(CPU) 2510、メモリ2520、大容量記憶デバイス2530、ネットワークインターフェース2550、入出力インターフェース2560、およびアンテナ回路2570を含むことができる。処理ユニット2501は、アンテナ回路に接続されたアンテナ要素2575をも含む。
【0133】
バス2540は、メモリバスもしくはメモリコントローラ、周辺バス、ビデオバス、または類似物を含む任意のタイプの複数のバスアーキテクチャのうちの1つまたは複数とすることができる。CPU 2510は、任意のタイプの電子データプロセッサを含むことができる。メモリ2520は、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、シンクロナスDRAM(SDRAM)、読取専用メモリ(ROM)、その組合せ、または類似物など、任意のタイプのシステムメモリを含むことができる。一実施形態において、メモリ2520は、ブートアップ時の使用のためのROMと、プログラムを実行している間の使用のためのプログラムおよびデータストレージのためのDRAMとを含むことができる。
【0134】
大容量記憶デバイス2530は、データ、プログラム、および他の情報を記憶し、データ、プログラム、および他の情報を、バス2540を介してアクセス可能にするように構成された任意のタイプの記憶デバイスを含むことができる。大容量記憶デバイス2530は、たとえば、ソリッドステートドライブ、ハードディスクドライブ、磁気ディスクドライブ、光ディスクドライブ、または類似物のうちの1つまたは複数を含むことができる。
【0135】
入出力インターフェース2560は、外部入力デバイスおよび外部出力デバイスを処理ユニット2501に結合するためのインターフェースを提供することができる。入出力インターフェース2560は、ビデオアダプタを含むことができる。入力デバイスおよび出力デバイスの例は、ビデオアダプタに結合されたディスプレイ、および入出力インターフェースに結合されたマウス/キーボード/プリンタを含むことができる。他のデバイスが、処理ユニット2501に結合され得、追加のまたはより少数のインターフェースカードが、利用され得る。たとえば、Universal Serial Bus(USB)(図示せず)などのシリアルインターフェースが、プリンタ用のインターフェースを提供するのに使用され得る。
【0136】
アンテナ回路2570およびアンテナ要素2575は、処理ユニット2501がネットワークを介してリモートユニットと通信することを可能にすることができる。一実施形態において、アンテナ回路2570およびアンテナ要素2575は、ワイヤレス広域ネットワーク(WAN)ならびに/または、Long Term Evolution(LTE)ネットワーク、符号分割多元接続(CDMA)ネットワーク、ワイドバンドCDMA(WCDMA(登録商標))ネットワーク、およびGlobal System for Mobile Communications(GSM(登録商標))ネットワークなどのセルラーネットワークへのアクセスを提供する。いくつかの実施形態において、アンテナ回路2570およびアンテナ要素2575は、他のデバイスへのBluetooth(登録商標)および/またはWi-Fi接続を提供することもできる。
【0137】
処理ユニット2501は、1つまたは複数のネットワークインターフェース2550を含むこともでき、ネットワークインターフェース2550は、ノードもしくは異なるネットワークにアクセスするために、イーサネット(登録商標)ケーブルもしくは類似物などの有線リンクおよび/またはワイヤレスリンクを含むことができる。ネットワークインターフェース2501は、処理ユニット2501がネットワーク2580を介してリモートユニットと通信することを可能にする。たとえば、ネットワークインターフェース2550は、1つまたは複数の送信器/送信アンテナおよび1つまたは複数の受信器/受信アンテナを介してワイヤレス通信を提供することができる。一実施形態において、処理ユニット2501は、データ処理と、他の処理ユニット、インターネット、リモートストレージファシリティ、または類似物などのリモートデバイスとの通信とのために、ローカルエリアネットワークまたは広域ネットワークに結合される。
【0138】
下記の参考文献は、本願の主題に関する。これらの参考文献のそれぞれは、参照によってその全体が本明細書に組み込まれる。
・ [1]3GPP TR 22.803 V12.0.0(2012-12)
・ [2]3GPP TS 36.211 V12.0.0(2012-12)
・ [3]3GPP RAN1 contribution R1-130883
・ [4]3GPP TS 36.221 V11.2.0(2013-03)
・ [5]3GPP TS 36.213 V11.1.0(2012-12)
・ [6]3GPP TS 36.133 V11.4.0(2013-03)
・ [7]3GPP TS 36.331 V11.2.0(2012-12)
・ [8]3GPP TR 36.321 V11.3.0(2013-06)
・ [9]Enhanced Inter-cell Interference Coordination for Heterogeneous Networks in LTE Advanced: A Survey、http://arxiv.org/ftp/arxiv/papers/1112/1112.1344.pdfにて入手可能
・ [10]3GPP TR 36.300 V11.3.0(2012-09)
【0139】
本発明が、例示的実施形態を参照して説明されたが、この説明は、限定的な意味で解釈されることを意図されたものではない。例示的実施形態ならびに本発明の他の実施形態の様々な変更および組合せは、この説明を参照する時に当業者に明白になる。したがって、添付の特許請求の範囲が、そのような変更および組合せのすべてを包含することが意図されている。