(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0018】
図において、10は打抜機、11は上定盤、12は下定盤、13は上定盤11に取り付けられた打抜型、14は下定盤12に取り付けられた切断プレート、16は切断プレート14に取り付けられた面板である。
【0019】
面板16上に板紙、ダンボール等のシート材17を載置し、上定盤11を降下させて下定盤12に押し付けることによって、シート材17が切断ライン21に沿って打ち抜かれ、ブランク23が成形されるとともに、ブランク23に折曲げ用の罫線24が形成される。
【0020】
そのために、前記打抜型13に所定のパターンの溝mが形成され、該溝mに、シート材17を打ち抜くための各種の第1の刃としての打抜刃26、及び罫線24を形成するための各種の第2の刃としての罫線刃27が埋め込まれ、打抜刃26の下端に鋭利な刃先26aが、罫線刃27の下端に丸みを帯びた刃先27aが形成される。
【0021】
ところで、前記打抜刃26及び罫線刃27は、資材である金属製の帯状の帯状材料を、刃切断装置によって所定の長さに切断することによって形成されるが、ブランク23の形状が複雑である場合、ブランク23に形成される罫線24が複雑である場合等においては、打抜型13に形成される溝mの形状が複雑になり、打抜刃26及び罫線刃27の数が多くなるので、打抜刃26及び罫線刃27の種類が多くなるだけでなく、帯状材料の種類が多くなってしまう。
【0022】
したがって、刃切断装置において、多くの種類の帯状材料から打抜刃26及び罫線刃27を形成するのに必要な帯状材料を選択する作業が複雑になり、打抜刃16及び罫線刃27を精度よく形成することができないことがある。
【0023】
そこで、帯状材料を選択する作業を簡素化することができ、しかも、打抜刃26及び罫線刃27を精度よく形成することができるようにした本発明の刃切断装置について説明する。
【0024】
図1は本発明の実施の形態における刃切断装置の概念図、
図3は本発明の実施の形態における刃切断装置の斜視図、
図4は本発明の実施の形態における刃切断装置の側面図、
図5は本発明の実施の形態における刃切断装置の平面図、
図6は本発明の実施の形態における刃切断装置の背面図、
図7は本発明の実施の形態における帯状材料案内部の斜視図、
図8は本発明の実施の形態における帯状材料案内部の要部斜視図、
図9は本発明の実施の形態における刃収容部の斜視図、
図10は本発明の実施の形態における刃切断装置の機構図である。
【0025】
図において、30は刃切断装置、31は、打抜刃26(
図2)、罫線刃27等の刃の資材である帯状材料、32は、フレームFr1に対して矢印A、B方向に移動自在に配設され、帯状材料31を収容する資材収容部、33は、フレームFr2に固定され、帯状材料31を所定の長さに切断して刃を形成するための帯状材料加工部、34は、フレームFr2に対して矢印C、D方向に移動自在に配設され、前記帯状材料加工部33において切断することによって形成された刃を収容する刃収容部、M1は前記資材収容部32を矢印A、B方向に移動させるための駆動部としてのモータ、M2は前記刃収容部34を矢印C、D方向に移動させるための駆動部としてのモータである。モータM1、M2は同期させて駆動され、モータM1、M2がいずれも正方向に駆動されると、資材収容部32は矢印A方向に、刃収容部34は矢印C方向に移動させられ、モータM1、M2がいずれも逆方向に駆動されると、資材収容部32は矢印B方向に、刃収容部34は矢印D方向に移動させられる。
【0026】
前記資材収容部32は、互いに平行に延在させて立設された複数の、本実施の形態においては、11個の、「U」字状の形状を有する区画壁waを備え、該区画壁waによって複数の、本実施の形態においては、10個の収容室Ri(i=1、2、…、10)が形成される。各収容室Riには、巻回された状態の帯状材料31、すなわち、ロール(コイル)Crが種類ごとに分けて収容される。
【0027】
ところで、前記帯状材料31は、資材収容部32にロールCrの状態で収容されるので、資材収容部32から引き出されると、巻き癖が付いている。そこで、本実施の形態においては、前記資材収容部32における帯状材料加工部33側の端部に、各収容室Riから引き出された帯状材料31を取り込み、搬送して資材収容部32に案内するとともに、その間に、帯状材料31に付いた巻き癖を取る帯状材料案内部41が配設される。
【0028】
該帯状材料案内部41は、刃切断装置30の幅方向に延在させて配設されるとともに、各収容室Riに対応させて複数の、本実施の形態においては、10個の取込口としての穴hi(i=1、2、…、10)が並列に形成された取込板材43、帯状材料31の搬送方向における取込板材43より上流側において、各穴hiに臨ませて、取込板材43に対して上下方向に移動自在に配設され、帯状材料案内部41への帯状材料31の取込み位置を調整する複数の、本実施の形態においては、10個の位置調整部di(i=1、2、…、10)、帯状材料31の搬送方向における取込板材43より下流側において、各穴hiと対応させて回転自在に配設され、帯状材料31を上方から押すことによって帯状材料31の搬送方向を下方に向ける10個の押付部材としてのローラr1、帯状材料31の搬送方向におけるローラr1より下流側において、各ローラr1と対応させて回転自在に配設され、帯状材料31を下方から押すことによって帯状材料31を支持する10個の第1の支持部材としてのローラr2、及び前記各収容室Riと対応させて、かつ、各ローラr2と隣接させて配設され、帯状材料31を待機位置に置いたり、帯状材料加工部33に案内したりするための複数の、本実施の形態においては、10個のゲート部gi(i=1、2、…、10)を備える。
【0029】
前記位置調整部di(i=1、2、…、10)は、取込板材43に対して上下方向に移動自在に配設された移動支持部材としてのバー45、該バー45の上端において回転自在に配設され、高さ方向における所定の位置において帯状材料31を下方から押すことによって帯状材料31を支持する10個の第2の支持部材としてのローラr3、前記バー45の下端に当接させて、取込板材43に対して回転自在に、かつ、上下方向に移動自在に配設された位置調整要素としてのねじ46、及び該ねじ46の下端に配設された操作要素としての摘み47を備える。したがって、刃切断装置30の操作者が前記摘み47を回転させてねじ46を回転させ、バー45及びローラr3を上下方向に移動させることによって、ローラr3の位置を調整することができる。
【0030】
なお、前記取込板材43には、前記バー45を貫通させる穴を備え、バー45を移動自在に保持する保持部材43a、43b、及び前記ねじ46と螺合させられるねじ穴を備え、ねじ46を回転自在に、かつ、移動自在に保持する保持部材43cが突出させて形成される。
【0031】
ところで、前記各ローラr1〜r3は帯状材料31の搬送方向に沿って配設され、前記各ローラr1は回転しながら帯状材料31を上方から押し、各ローラr2、r3は回転しながら帯状材料31を下方から押すので、帯状材料31が搬送される間に、帯状材料31に付いた巻き癖を取ることができる。
【0032】
また、帯状材料31の種類、例えば、材質、厚さ、幅等によって、帯状材料31に付く巻き癖の強さは異なるが、操作者が位置調整部diを操作し、ローラr3を巻き癖の強さに応じて所定の位置に置くと、取込み高さが調整されるので、帯状材料31に付いた巻き癖を帯状材料31の種類に応じて確実に取ることができる。なお、前記ローラr1〜r3によって、帯状材料31に付いた巻き癖を取るための巻き癖解消部が構成される。また、本実施の形態においては、ローラr1〜r3のうちのローラr3の位置が調整されるようになっているが、ローラr1、r2のうちのいずれか一方の位置を調整することによって、帯状材料31に付いた巻き癖を帯状材料31の種類に応じて取ることができる。
【0033】
前記各ゲート部giは、帯状材料31の搬送方向におけるローラr1より下流側において、各帯状材料31を待機位置に置いたり、所定の収容室Riから引き出された帯状材料31を選択して帯状材料加工部33に案内したりする。
【0034】
そのために、各ゲート部giは、帯状材料31の搬送路を開閉するゲート48、及び該ゲート48を駆動するためのアクチュエータとしてのエアシリンダ49を備え、前記各ゲート48は、上下方向において接離自在に配設された一対の挟持部材としてのプレート48a、48bを備える。そして、前記各エアシリンダ49は、ゲート部giに対応させて配設された複数の、本実施の形態においては、10個の切換弁Vi(i=1、2、…、10)を介して媒体供給源としての圧縮機Cと接続され、圧縮機Cから送られた作動媒体としての圧縮空気を受け、ゲート48を駆動し、プレート48aを上下方向に移動させる。
【0035】
プレート48aが、上位置に置かれ、プレート48bから離間させられると、帯状材料31の搬送路が開かれ、帯状材料31を搬送することができるようになる。また、プレート48aが、下位置に置かれ、プレート48bと当接させられると、帯状材料31の搬送路が閉じられ、帯状材料31がプレート48a、48bによって挟持され、搬送されなくなる。このとき、帯状材料31は待機位置に置かれる。待機位置に置かれた各帯状材料31はプレート48a、48bによって挟持されるので、刃切断装置30に発生する振動、自重等によって帯状材料31が待機位置からずれた位置に移動するのを防止することができる。
【0036】
前記帯状材料加工部33は、帯状材料31の搬送方向における上流側の端部において、各ゲート部giのうちの一つと対向させて配設され、所定の収容室Riから引き出され、ゲート部giにおいて選択されて案内された一つの帯状材料31を搬送する第1の搬送ユニット51、帯状材料31の搬送方向における第1の搬送ユニット51より下流側に配設され、帯状材料31を搬送する第2の搬送ユニット52、第1、第2の搬送ユニット51、52間において第2の搬送ユニット52に隣接させて配設され、帯状材料31の搬送量を検出する搬送量検出部としてのエンコーダ53、帯状材料31の搬送方向における第2の搬送ユニット52より下流側において、第2の搬送ユニット52に隣接させて配設され、帯状材料31を所定の長さに切断して刃を形成する切断ユニット55、該切断ユニット55によって形成された刃を刃収容部34に送る排出部としてのシュート57、第1、第2の搬送ユニット51、52間において第1の搬送ユニット51に隣接させて配設され、帯状材料31の位置を検出する位置検出部としての帯状材料センサ65等を備える。
【0037】
前記第1の搬送ユニット51は、帯状材料31を挟持することによって搬送する挟持搬送部61、及び該挟持搬送部61を駆動するためのアクチュエータとしてのエアシリンダ62を備える。前記挟持搬送部61は、回転自在に、かつ、上下方向において接離自在に配設された一対の搬送部材としてのローラr11、r12、並びに該ローラr11、r12のうちの一方のローラ、本実施の形態においては、ローラr12を正方向及び逆方向に回転させるための搬送用の駆動部としてのモータM3を備える。そして、前記エアシリンダ62は、切換弁Vaを介して圧縮機Cと接続され、圧縮機Cから送られた圧縮空気を受け、挟持搬送部61を駆動し、ローラr11を上下方向に移動させる。
【0038】
ローラr11が上位置に置かれ、ローラr12から離間させられると、帯状材料31の搬送路が開かれ、帯状材料31が搬送されなくなる。また、ローラr11が下位置に置かれると、帯状材料31の搬送路が閉じられ、帯状材料31が搬送される。そして、帯状材料31は、モータM3が正方向に駆動されると、第2の搬送ユニット52に向けて前進させられ、モータM3が逆方向に駆動されると、後退させられる。
【0039】
なお、各ゲート部giにおいて帯状材料31が待機位置に置かれると、プレート48aが下位置に置かれ、帯状材料31はプレート48a、48bによって挟持され、第1の搬送ユニット51において、ローラr11は上位置に置かれ、帯状材料31の搬送路が開かれる。このとき、帯状材料31の先端31aは、ローラr11、r12が互いに当接する位置よりわずかに第2の搬送ユニット52側に突出させられる。
【0040】
前記第2の搬送ユニット52は、帯状材料31を挟持することによって搬送する挟持搬送部64を備える。該挟持搬送部64は、回転自在に配設された一対の搬送部材としてのローラr13、r14、並びに該ローラr13、r14のうちの一方のローラ、本実施の形態においては、ローラr13を正方向及び逆方向に回転させるための搬送用の駆動部としてのモータM4を備える。
【0041】
そして、前記エンコーダ53は、第1、第2の搬送ユニット51、52によって帯状材料31が搬送されると、帯状材料31の搬送量を検出する。
【0042】
また、前記切断ユニット55は、帯状材料31を切断するための金型56、該金型56を駆動するための切断用の駆動部としてのモータM5、及び該モータM5の回転運動を往復運動に変換する運動方向変換部58を備える。前記金型56は雄型56a及び雌型56bを備え、前記運動方向変換部58は、モータM5の出力軸sh1と螺合させられた回転伝達軸sh2、及び該回転伝達軸sh2によって回転させられるカム58aを備え、モータM5が駆動され、出力軸sh1が回転させられると、回転伝達軸sh2を介してカム58aが回転させられ、雄型56aが上下方向に移動させられる。該雄型56aは、上位置において雌型56bから離間させられ、下位置において雌型56b内に進入し、帯状材料31を切断する。
【0043】
そして、前記刃収容部34は、互いに平行に延在させて立設された複数の、本実施の形態においては、11個の区画壁wbを備え、該各区画壁wbによって複数の、本実施の形態においては、10個の溝状の収容室Si(i=1、2、…、10)が形成される。各収容室Siには、前記切断ユニット55において帯状材料31を切断することによって形成された刃が種類ごとに分けて収容される。
【0044】
次に、刃切断装置30の制御装置について説明する。
【0045】
図11は本発明の実施の形態における刃切断装置の制御ブロック図である。
【0046】
図において、71は刃切断装置30の全体の制御を行う制御部、72は記憶装置としてのメモリ、73は操作パネル等から成る操作部、74は、液晶パネル、ディスプレイ等から成る表示部である。また、76は各モータM1〜M5を駆動するモータ駆動部、53はエンコーダ、65は帯状材料センサ、77は、切換弁Vi、Vaを切り換えることによってエアシリンダ49、62を駆動する空圧制御部である。
【0047】
前記エンコーダ53は、ロータリエンコーダから成り、帯状材料31(
図1)を挟持し、帯状材料31が搬送されるのに伴って、帯状材料31との摩擦によって回転させられる一対の回転体を備え、該回転体の回転角度に基づいて帯状材料31の搬送量を検出し、検出信号を制御部71に送る。
【0048】
ところで、本実施の形態においては、モータM4の回転角度に基づいて帯状材料31の搬送量が検出されるようになっているが、帯状材料31はロールCrを巻き戻しながら引き出されるので、第2の搬送ユニット52によって帯状材料31を搬送する際にモータM4に大きな負荷が加わり、帯状材料31がスリップして円滑に搬送することができないことがある。その場合、モータM4の回転角度に基づいて帯状材料31の搬送量を精度よく検出することができなくなるが、本実施の形態においては、エンコーダ53がモータM4と別に配設され、帯状材料31との摩擦によって回転させられる回転体の回転角度に基づいて帯状材料31の搬送量が検出されるので、帯状材料31の搬送量を精度よく検出することができる。
【0049】
前記帯状材料センサ65は、第1、第2の搬送ユニット51、52間を搬送される帯状材料31の位置を検出し、検出信号を制御部71に送る。なお、本実施の形態においては、帯状材料31の先端31aが挟持搬送部64のローラr13、r14間に到達したかどうかを、エンコーダ53のセンサ出力によって判断するようになっているが、帯状材料31の搬送方向における第2の搬送ユニット52より下流側において、第2の搬送ユニット52に隣接させて帯状材料センサを配設し、該帯状材料センサの検出信号に基づいて、帯状材料31の先端31aが挟持搬送部64のローラr13、r14間に到達したかどうかを判断することもできる。
【0050】
次に、刃切断装置30の動作について説明する。
【0051】
図12は本発明の実施の形態における刃切断装置の動作を示すフローチャートである。
【0052】
まず、操作者が刃切断装置30の電源をオンにする(ステップS1)と、制御部71は刃切断装置30を初期状態に置く(ステップS2)。このとき、帯状材料案内部41において、各ゲート部giのゲート48が開かれ、プレート48aが上位置に置かれ、第1の搬送ユニット51において、挟持搬送部61のローラr11、r12が停止させられるとともに、ローラr11が上位置に置かれる。また、第2の搬送ユニット52において、挟持搬送部64のローラr13、r14が停止させられ、切断ユニット55において、金型56の雄型56aが上位置に置かれる。
【0053】
次に、操作者が、刃切断装置30の操作部73(
図11)を操作して、打抜機10(
図2)による打抜きを行うために設計されたCADデータを刃切断装置30に入力する(ステップS3)と、制御部71は、CADデータを読み込み、メモリ72に記録する。続いて、制御部71は、メモリ72からCADデータを読み出して分析し(ステップS4)、刃の形状及び寸法を表す図形データを抽出し、該図形データに基づいて、打抜機10によって打抜きを行う際に必要となる刃の色、厚さ、長さ等を算出し、刃を形成するのに必要な帯状材料31を特定するとともに、刃の色、厚さ、長さ、各帯状材料31の名称等の刃・帯状材料情報をリストによって表示部74に表示する(ステップS5)。
【0054】
そして、操作者は、表示部74に表示されたリストに従って、資材収容部32の各収容室Riに、帯状材料31のロールCrを帯状材料31の種類ごとに分けてセットし(ステップS6)、各帯状材料31を引き出し、帯状材料案内部41に取り込む(ステップS7)。このとき、帯状材料31の先端31aは、第1の搬送ユニット51のローラr11、r12が互いに当接する位置よりわずかに第2の搬送ユニット52側に突出させられる。
【0055】
続いて、制御部71は、空圧制御部77に指示を送り、切換弁Viを切り換え、各エアシリンダ49を駆動し、ゲート48を閉じ、プレート48aを下位置に置く。これにより、各帯状材料31は、先端31aがローラr11、r12が当接する位置よりわずかに突出した状態で待機位置に置かれる(ステップS8)。
【0056】
次に、操作者は、位置調整部diの摘み47を回転させることによってねじ46を回転させ、バー45及びローラr3を上下方向に移動させ、ローラr3を、帯状材料31に付いた巻き癖の強さに応じて高さ方向における所定の位置に置き、取込み高さを調整する(ステップS9)。
【0057】
続いて、操作者が操作部73の開始ボタンを押下する(ステップS10)と、制御部71は、モータ駆動部76に指示を送り、モータM1、M2を駆動し、資材収容部32を移動させ、帯状材料31のロールCrが収容された所定の収容室Riを、帯状材料加工部33と対向する位置、すなわち、帯状材料加工位置に置くとともに、刃収容部34を移動させ、帯状材料31を切断することによって形成された刃が収容される所定の収容室Siを、帯状材料加工部33と対向する位置、すなわち、刃収容位置に置く(ステップS11)。
【0058】
そして、制御部71は、空圧制御部77に指示を送り、切換弁Viを切り換えることによって、帯状材料加工位置に置かれた収容室Riに対応するゲート部giのゲート48を開き、プレート48aを上位置に置くとともに、切換弁Vaを切り換えることによって、第1の搬送ユニット51のローラr11を下位置に置く。また、制御部71は、モータ駆動部76に指示を送り、モータM3、M4を正方向に駆動し、ローラr11〜r14を回転させる。これにより、帯状材料31が、第1、第2の搬送ユニット51、52によって搬送され、前進させられる(ステップS12)。
【0059】
そして、帯状材料31の先端31aがエンコーダ53に到達すると、エンコーダ53は、帯状材料31の搬送量の検出を開始し、検出信号を制御部71に送る。
【0060】
制御部71は、エンコーダ53から送られた検出信号に基づいて、前記帯状材料31の先端31aがローラr13、r14間に到達したかどうかを判断し、前記帯状材料31の先端31aがローラr13、r14間に到達したと判断すると、空圧制御部77に指示を送り、切換弁Vaを切り換えることによってローラr11を上位置に置くとともに、モータ駆動部76に指示を送り、モータM3の駆動を停止させる。したがって、帯状材料31が第2の搬送ユニット52によって搬送される間、挟持搬送部61による負荷が第2の搬送ユニット52に加わらないので、帯状材料31を安定させて搬送することができる。その結果、刃を精度よく形成することができる。
【0061】
また、制御部71は、エンコーダ53から送られた検出信号に基づいて、帯状材料31の搬送量を取得し、該搬送量が、形成される刃の長さと等しくなると、モータ駆動部76に指示を送り、モータM5を駆動し、金型56によって帯状材料31を切断する(ステップS13)。
【0062】
そして、帯状材料31を切断することによって形成された刃は、シュート57を介して刃収容位置に置かれた収容室Siに排出される。
【0063】
続いて、制御部71は、モータ駆動部76に指示を送り、モータM3、M4を逆方向に駆動し、ローラr11〜r14を逆方向に回転させる。これにより、切断された後の帯状材料31が、第1、第2の搬送ユニット51、52によって搬送され、後退させられる(ステップS14)。
【0064】
そして、帯状材料センサ65が、帯状材料31の先端31aを検出し、検出信号を制御部71に送ると、制御部71は、モータ駆動部76に指示を送り、モータM3、M4の駆動を停止させる。また、制御部71は、空圧制御部77に指示を送り、切換弁Viを切り換えることによって、ゲート部giのゲート48を閉じ、プレート48aを下位置に置くとともに、空圧制御部77に指示を送り、切換弁Vaを切り換えることによって、第1の搬送ユニット51において、挟持搬送部61のローラr11を上位置に置く。このようにして、帯状材料31が待機位置に置かれる(ステップS15)。
【0065】
本実施の形態においては、
図1に示されるように、資材収容部32の収容室R1、R3に帯状材料31のロールCrがセットされ、収容室R1、R3から引き出された帯状材料31の先端31aが、第1の搬送ユニット51のローラr11、r12(
図4)が互いに当接する位置よりわずかに第2の搬送ユニット52側に突出させられて、帯状材料31が待機位置に置かれる。
【0066】
そして、操作者が操作部73(
図11)の開始ボタンを押下すると、モータM1、M2が駆動され、資材収容部32の収容室R3が帯状材料加工位置に置かれ、刃収容部34の収容室S3が刃収容位置に置かれる。
【0067】
続いて、帯状材料案内部41において、帯状材料加工位置に置かれた収容室R3に対応するゲート部g3のゲート48が開かれ、プレート48aが上位置に置かれ、帯状材料加工部33において、挟持搬送部61のローラr11が下位置に置かれ、モータM3、M4が正方向に駆動され、ローラr11〜r14が回転させられる。これにより、収容室R3から引き出された帯状材料31が、第1、第2の搬送ユニット51、52によって搬送され、前進させられる。
【0068】
帯状材料31の先端31aがエンコーダ53に到達すると、エンコーダ53によって帯状材料31の搬送量の検出が開始され、帯状材料31の搬送量が刃の長さと等しくなると、モータM5が駆動され、金型56によって帯状材料31が図形データにおいて規定された寸法に切断される。そして、切断することによって形成された刃は、シュート57を介して刃収容位置に置かれた収容室S3に排出される。
【0069】
続いて、モータM3、M4が逆方向に駆動され、ローラr11〜r14が回転させられ、帯状材料31が、第1、第2の搬送ユニット51、52によって搬送され、後退させられる。そして、帯状材料センサ65が帯状材料31の先端31aを検出すると、モータM3、M4が停止させられ、ローラr11〜r14が停止させられ、ゲート部g3のゲート48が閉じられ、帯状材料31が待機位置に置かれる。
【0070】
このように、本実施の形態においては、帯状材料31が、種類ごとに分けられて資材収容部32の複数の収容室Riにセットされ、複数の収容室Riのうちの所定の収容室が帯状材料加工部33と対向する帯状材料加工位置に置かれ、所定の収容室から引き出された帯状材料31が、第1、第2の搬送ユニット51、52によって搬送され、切断ユニット55によって所定の長さに切断されて刃が形成される。
【0071】
したがって、多くの種類の帯状材料31から刃を形成するのに必要な帯状材料31を選択する作業を簡素化することができ、しかも、刃を精度よく形成することができる。
【0072】
また、刃収容部34の複数の収容室Siのうちの所定の収容室が帯状材料加工部33と対向する刃収容位置に置かれ、切断ユニット55によって形成された刃が所定の収容室に排出されるので、帯状材料31に応じた刃を種類ごとに分けて収容することができる。
【0073】
したがって、各収容室Siから取り出した刃を打抜型の溝に正しく埋め込むことができるので、ブランクを正確に成形することができる。
【0074】
本実施の形態においては、資材収容部32と刃収容部34との間に、所定の数の、本実施の形態においては、一つの帯状材料加工部33が配設されるようになっているが、資材収容部32と刃収容部34との間に複数の、例えば、二つの帯状材料加工部33を並列に配設することができる。その場合、帯状材料案内部41に取り込まれた各帯状材料31のうちの二つが選択されて帯状材料加工部33に案内される。
【0075】
また、本実施の形態においては、前記アクチュエータとしてエアシリンダ49、62が使用されるようになっているが、エアシリンダ49、62に代えて、油圧シリンダ、モータ等を使用することができる。